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JP3564365B2 - 印刷機の色調早期安定化方法及び装置 - Google Patents

印刷機の色調早期安定化方法及び装置 Download PDF

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JP3564365B2
JP3564365B2 JP2000148137A JP2000148137A JP3564365B2 JP 3564365 B2 JP3564365 B2 JP 3564365B2 JP 2000148137 A JP2000148137 A JP 2000148137A JP 2000148137 A JP2000148137 A JP 2000148137A JP 3564365 B2 JP3564365 B2 JP 3564365B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オフセット印刷機の色調早期安定化方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、オフセット印刷機において、印刷物の色調を安定化させるための装置が種々開発されている。
図8に示す装置もその一つである。該装置は本刷りに使用する版胴20の外周に設けた刷版がプレートスキャナー1によって計測され、これにより得られた刷版の絵柄面積率データが演算装置2に入力される。
そして、演算装置2は、通常印刷時には、この絵柄面積率データに基づいてインキキー7の開度及びインキ元ローラ8の回転量の目標値を計算し、この計算結果を制御指令としてインキキー開度制御装置5に出力する。
【0003】
但し、前記絵柄面積率データに基づいたインキキー7の開度及びインキ元ローラ8の回転量は、印刷紙面上のインキ膜厚が基準インキ盛り量になるような設定値が実験により予め求められており、その値がインキキー開度制御装置5及びインキ元ローラ回転量制御装置4にセットされる。
【0004】
また、演算装置2には図示しない入力装置が接続されており、通常印刷を開始する前には、準備段階としてインキローラ群11に最低限のインキ膜厚を形成するべく、インキ元ローラ回転量、インキキー開度及びインキ呼び出し回数の設定値が、この入力装置から演算装置2を介して各制御装置4〜6に入力することが可能である。
【0005】
なお、演算装置2は、インキ元ローラ回転量、インキキー開度及びインキ呼び出し回数だけでなく、印刷部10の他の運転設定値についても計算し、これを印刷部制御装置3に出力するようになっており、印刷部制御装置3はこの指令(出力値)に従って印刷部10の運転を制御する。
なお、印刷部10は、インキキー7、インキ元ローラ8、インキ呼び出しローラ9、インキローラ群11、インキ着けローラ14及び版胴20等から構成される。
【0006】
また、インキ元ローラ回転量制御装置4は、演算装置2からの指令に従ってインキ元ローラ8の回転量を制御し、インキキー開度制御装置5は、演算装置2からの指令に従ってインキキー7の開度(インキキー7とインキ元ローラ8との隙間)を制御し、インキ呼び出しローラ制御装置6は、演算装置2からの指令に従ってインキ呼び出しローラ9の回数(インキ呼び出し回数)を制御する。
【0007】
この装置による制御を、図9を用いて説明すると、先ず、印刷を開始する前の準備段階として、インキローラ11に印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚を形成するため、図示しない入力装置から演算装置2に各設定値が入力される。つまり、インキ元ローラ8の回転量が演算装置2に入力され(ステップA1)、インキキー開度が演算装置2に入力され(ステップA2)、そして、インキ呼び出し回数が演算装置2に入力される(ステップA3)。
なお、このようなインキローラ群11に最低限のインキ膜厚を形成するためのインキ元ローラ8の回転量、インキキー開度及びインキ呼び出し回転数の各設定値は、予め実験を行なう等して得られるものである。
【0008】
次に、上述の入力値に基づき演算装置2から各制御装置3〜6に指令が出力されると、印刷部制御装置3により制御されて印刷部10は空転を開始し、その後、インキ元ローラ回転量制御装置4によりインキ元ローラ8の回転量が、インキキー開度制御装置5によりインキキー7の開度がそれぞれ制御される(ステップA4)。
そして、インキ呼び出しローラ9は、インキ呼び出しローラ制御装置6に制御されてステップA3で入力された回数(インキ呼び出し回数)だけインキ呼び出しを実行し(ステップA5)、インキローラ群11に印刷中に必要とされる最低限のインキ量が供給される。
【0009】
次に、プレートスキャナー1で読み込んだ刷版の絵柄面積率データが演算装置2に入力され、演算装置2ではこの絵柄面積率データに基づいて、即ち、刷版の絵柄に応じて、インキ元ローラ回転量及びインキキー開度が演算され、この演算結果が制御指令値としてインキ元ローラ回転量制御装置4及びインキキー開度制御装置5に出力される。
なお、このような刷版の絵柄に応じて、インキ元ローラ回転量及びインキキー開度の関係は、予め実験を行なう等して得られるものである。
そして、この制御指令値に基づいて、インキ元ローラ8の回転量がインキ元ローラ回転量制御装置4により制御され、インキキー7の開度がインキキー開度制御装置5により制御されて、それぞれ本刷り時の設定値にセットされる(ステップA6)。
【0010】
次に、インキローラ群11に刷版の絵柄に応じたインキ膜厚を形成するためのインキ呼び出し回数が、図示しない入力装置から演算装置2を介してインキ呼び出しローラ制御装置6に入力される(ステップA7)。なお、絵柄に応じたインキ膜厚を形成するためのインキ呼び出し回数の設定値は、予め実験等を行なって求められるものである。
そして、演算装置2からの制御指令値に基づきインキ呼び出しローラ9の回転数がインキ呼び出しローラ制御装置6により制御されて所定の回数だけインキ呼び出しが実行され、これにより、インキが、インキ呼び出しローラ9を介して、インキローラ群11及びインキ着けローラ14に供給される(ステップA8)。
【0011】
そして、色調安定化装置が停止されて各制御装置3〜6による色調安定化のため調整制御が終了し(ステップA9)、用紙を印刷部10にセットして試し刷りが行われる(ステップA10)。
そして、その後、印刷された色が色見本に合っているか確認が行なわれ、本刷りとなる(ステップA11)。
【0012】
このように、この装置では、試し刷りを行なう前に、インキローラ群11に印刷中に必要とされる最低限のインキ量を供給するとともに、プレートスキャナー1で刷版の絵柄面積率データを読み込み、この絵柄面積率データに基づいて各設定を行なうことにより、印刷の色調の早期安定化を図っている。
また、本刷り段階でも既に絵柄面積率データに基づいて、絵柄に応じたインキ元ローラ回転量及びインキキー開度の設定が行われているため、印刷色調の長期安定化も図られる。
【0013】
また、上記技術と同じように試し刷りを行なう前に、インキローラ群に印刷中に必要とされる最低限のインキ量を供給する技術は、特開平10−16193号公報で知られている。
また、ブランケット胴洗浄に際して、刷り出し前に後続の印刷ユニットにインキを増量供給して、ブランケット胴の洗浄により各印刷ユニットのブランケット胴表面におけるインキと水のバランスが崩れ、印刷物の色調が不安定になる現象を防止する技術として、特開平3−166947号公報が知られている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述従来技術例には下記の課題がある。
(1)印刷紙面上に基準インキ盛り量を印刷するとき、基準印刷紙に対して各種条件を設定したものであり、基準印刷紙に対する基準インキ盛り量が変わった場合校正刷りの色調に本刷りの色調を合わすために印刷紙面上のインキ膜厚を基準インキ盛り量から変えなければならない。
(2)上記従来技術例では、紙やインキなどの印刷資材が変わると紙面上へのインキ転移率が変わったり、基準インキ盛り量が異なるので、その度に本刷り前に実験をして基準インキ盛り量となるようなインキ元ローラ回転量、インキキー開度、インキ呼び出し回数を求めなければならない。
(3)通常の4色以外の特色については、その一つ一つに対して本刷り前に上記(2)に述べた実験をしなければならないので、現実的でない。
【0015】
上述のように、従来技術では使用する予定の印刷紙面上の基準インキ盛り量(インキベタ濃度)を予め調べておき、前記予定の印刷紙を用い、校正刷りにおいてインキ盛り量が変わったり、使用インキが変わったり、また、印刷紙を代えた場合には、使用印刷紙に対して前記校正刷りと同じインキ盛り量となるように、多数の予定印刷紙に対してのインキ元ローラ回転量、インキキー開度、インキ呼び出し回数等のインキ供給条件を予め実験をして求めておく必要があった。そのために、膨大な量の印刷資材とインキ供給条件との組み合わせを記憶する記憶手段を必要とした。
また、4色のプロセスインキで基準インキ盛り量や印刷紙が殆ど変わらないユーザでは従来技術でも問題はなかったが、特色インキ、基準インキ盛り量並びに印刷紙が変わるユーザでは、校正刷りの色調に合わすために、本刷り前に毎回何度も実験を行う必要があり、現実的でなかった。
このような理由から膨大な量の記憶をする必要がなく、かつ、本刷り前の試し刷りを少なくして迅速に色調を安定化する方法及び装置が望まれている。
【0016】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、所定の印刷紙を用い、校正刷りにおいてインキ盛り量が基準盛り量から変わった場合は、迅速に色調を早期安定化させる色調安定化装置及び色調安定化方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、紙や使用インキ等の印刷資材が変わっても使用印刷紙に対して前記校正刷りと同じインキ盛り量となるように、色調を早期安定化させる色調安定化装置及び色調安定化方法を提供することである。
また、本発明の他の目的は、特色インキ、基準インキ盛り量並びに印刷紙が予定したものでなくても、色調を早期安定化させる色調安定化装置及び色調安定化方法を提供することである。
また、本発明の他の目的は、印刷資材とインキ供給条件との組み合わせが膨大とならない色調を早期安定化させる色調安定化装置及び色調安定化方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、インキ元ローラ回転量、インキキー開度、インキ呼び出しローラの呼び出し回数等のインキ供給条件を調節して印刷紙に印刷される絵柄の色調を早期に安定させる印刷機の色調早期安定化方法において、
あらかじめ印刷紙上のインキベタ濃度と前記インキ供給条件との関係を、式もしくはテーブルにて用意し、
本印刷に先立ち校正用印刷紙のインキベタ濃度を測定して、該測定データから前記式もしくはテーブルを用いて前記インキ供給条件を決定することを特徴とする。
【0018】
本発明の要旨は、方法発明であって、あらかじめ印刷紙上のインキベタ濃度と前記インキ供給条件との関係を、式もしくはテーブルにて用意し、
本印刷に先立ち校正用印刷紙のインキベタ濃度を測定して、該測定データから前記式もしくはテーブルを用いて前記インキ供給条件を決定するものである。この方法によると、校正用印刷紙のインキベタ濃度を実測しているので、校正用印刷紙のインキ盛り量を異ならせた校正用データを多数装置本体内に記憶させる必要はなく、校正用印刷紙のインキベタ濃度を測定した測定データを、あらかじめ印刷紙上のインキベタ濃度と前記インキ供給条件との関係を示す、式もしくはテーブルを用いてインキ元ローラ回転量、インキキー開度、インキ呼び出しローラの呼び出し回数等のインキ供給条件を求めることができ、校正用印刷紙のインキ盛り量の変化によく対応して印刷紙に印刷される絵柄の色調を早期に安定させることができる。
【0019】
即ち、本発明は、インキ元ローラ回転量、インキキー開度、インキ呼び出しローラの呼び出し回数等のインキ供給条件を調節して印刷紙に印刷される絵柄の色調を早期に安定させる印刷機の色調早期安定化方法において、
あらかじめ使用印刷紙及びインキ等の基準印刷資材による所定絵柄の基準インキベタ濃度Dと前記インキ供給条件Cとの関係を定めるD=F(C)からなる第1関係式にて用意し、
本印刷に先立ち前記所定印刷資材とは異なった印刷資材による校正用インキベタ濃度を測定して、
前記第1関係式を用いて前記校正用インキベタ濃度から試し刷りインキ供給条件を求めて試し刷りを行い、
前記試し刷り印刷紙上の試し刷りインキベタ濃度と、前記試し刷りインキ供給条件を後記第2の関係式に代入して線形近似係数を求め、
該線形近似係数を用い、前記インキ供給条件と、インキベタ濃度D’との関係を示すD’=kF(C)からなる第2関係式を求め、
該第2関係式を用い、前記校正用インキベタ濃度から前記インキ供給条件を求めることを特徴とする。
【0020】
本発明は、印刷紙を代えた場合、予定された印刷紙以外であっても使用印刷紙に対して前記校正刷りと同じインキ盛り量となるように、
また、印刷紙を代えずに使用インキを代えた場合であっても、校正刷りと同じインキ盛り量となるように色調を早期安定化させること、
また、請求項3に記載するような、特色インキ、基準インキ盛り量並びに印刷紙が予定したものでなくても、色調を早期安定化させることを包含している。
【0021】
すなわち、本発明により、印刷紙を代えた場合でも、予定された印刷紙以外であっても使用印刷紙に対して前記校正刷りと同じインキ盛り量となるように調節され、色調を早期安定化する。
【0022】
また、本印刷に先立ち、前記所定インキとは異なった性質のインキを用いた所定絵柄の校正用インキベタ濃度を測定して、
前記測定データから前記第1関係式を用いて試し刷りインキ供給条件を求めて試し刷りを行い、
前記試し刷り印刷紙上の試し刷りインキベタ濃度と、前記試し刷りインキ供給条件とから前記第1関係式を用いて線形近似係数を求め、
該線形近似係数を用い、前記インキ供給条件と、インキベタ濃度との関係を示す第2関係式を求め、
該第2関係式を用い、前記校正用インキベタ濃度から前記インキ供給条件を求めることにより、インキを代えた場合でも、予定されたインキ以外であっても使用インキに対して前記校正刷りと同じインキ盛り量となるように調節され、色調を早期安定化する。
【0023】
また、プロセスインキによる前記第1関係式を用意し、本印刷に先立ち特色による前記校正用インキベタ濃度を測定するとともに、前記第2関係式を用い、前記校正用インキベタ濃度から前記インキ供給条件を求めることも本発明の有効な手段である。
【0024】
かかる技術手段によると、あらかじめ使用印刷紙及びプロセスインキ等の基準印刷資材による所定絵柄の基準インキベタ濃度と前記インキ供給条件との関係を、第1関係式にて用意し、
本印刷に先立ち、前記プロセスインキとは異なった性質の特色インキを用いた所定絵柄の校正用インキベタ濃度を測定して、
前記測定データから前記第1関係式を用いて試し刷りインキ供給条件を求めて試し刷りを行い、
前記試し刷り印刷紙上の試し刷りインキベタ濃度と、前記試し刷りインキ供給条件とから前記第1関係式を用いて線形近似係数を求め、
該線形近似係数を用い、前記インキ供給条件と、インキベタ濃度との関係を示す第2関係式を求め、
該第2関係式を用い、前記校正用インキベタ濃度から前記インキ供給条件を求めることにより、特色インキ、基準インキ盛り量並びに印刷紙が予定したものでなくても、色調を早期安定化させることができる。
【0025】
また、本第2及び第3発明は前記発明を実現するための装置発明であり、第2発明は、
印刷紙のインキベタ濃度を測定する絵柄濃度測定手段と、
所定印刷紙の所定絵柄の基準インキベタ濃度Dと前記インキ供給条件Cとの関係を定めるD=F(C)からなる第1関係式があらかじめ装置本体内に記憶され、本印刷に先立って校正刷りのインキベタ濃度D0を第1関係式に導入して試し刷りのときのインキ供給条件C1を演算するとともに、
前記絵柄濃度測定手段によって校正用印刷紙でおこなった試し刷りのインキベタ濃度D1と前記試し刷りのインキ供給条件C1とを後記第2関係式に代入して線形近似係数kを演算して、該インキ供給条件Cと、インキベタ濃度D’との関係を示すD’=kF(C)からなる第2関係式を求める演算手段とを具え、
該第2関係式に基づいて、校正刷りにおけるインキ盛り量に対応して前記所定の印刷紙におけるインキ供給条件を変更して色調を早期安定化させることを特徴とする印刷機の色調早期安定化装置にあり、
また、第3発明は、印刷紙のインキベタ濃度を測定する絵柄濃度測定手段より求められるインキベタ濃度に基づいて、インキ元ローラ回転量、インキキー開度、インキ呼び出しローラの呼び出し回数等のインキ供給条件を調節可能に構成した印刷機において、
あらかじめ装置本体内に記憶された、使用印刷紙及びインキ等の基準印刷資材による所定絵柄の基準インキベタ濃度Dと前記インキ供給条件Cとの関係を定めるD=F(C)からなる第1関係式に、本印刷に先立ち測定した校正用印刷資材による校正用インキベタ濃度D0を入力して、試し刷りインキ供給条件C1を求めて試し刷りを行うとともに、
該試し刷り印刷紙上の試し刷りインキベタ濃度D1と、前記試し刷りインキ供給条件C1を後記第2関係式に代入して第2関係式の線形近似係数kを求め、インキ供給条件Cと、インキベタ濃度D’との関係を示すD’=kF(C)からなる第2関係式を設定し、
該第2関係式に基づいて、予定された印刷紙以外もしくは、所定の性質を有するインキ以外であっても、前記校正刷りと同じインキ盛り量となるように前記インキ供給条件Cを調整するように構成したことを特徴とする。
【0026】
これらの発明は、あらかじめ関係式もしくはテーブル等により装置本体内に記憶された、所定印刷紙上のインキベタ濃度Dと、前記インキ供給条件(インキ元ローラ回転量x)との関係を、例えば、図2に示すようにD=F(x)の関係式を用いて、該インキ供給条件を演算する演算手段を図1の演算装置2内に設けている。
また、印刷紙のインキベタ濃度を測定する絵柄濃度測定手段を図1の濃度計12として備え、
本印刷に先立って前記絵柄濃度測定手段によって校正用印刷紙のインキベタ濃度を測定することにより、前記インキ供給条件を演算して、前記所定の印刷紙を用い、校正刷りにおけるインキ盛り量に対応して前記インキ供給条件を変更して色調を早期安定化させることができる。
【0027】
また、これらの発明においては、インキベタ濃度データからインキ元ローラ8の回転量xを計算しているが、例えば他の値を固定値にして、すなわち、インキ元ローラ回転量xf及びインキキー7の開度Hfを固定値にして、インキ呼び出し回数Yを計算してもよく、また、インキ元ローラ回転量xf及びインキ呼び出し回数Yfを固定値にして、インキキー7の開度Hを計算してもよい。
また、本実施の形態では前記関係式(D=F(X))の代わりにインキベタ濃度Dと、インキ元ローラ回転量xf、インキキー7の開度H、インキ呼び出し回数Yとの関係をテーブルとして演算装置2に記憶もしくは他の記憶手段に出し入れ可能に記憶してもよい。
【0028】削除
【0029】
またこれらの発明は、図1に示すように、印刷紙のインキベタ濃度を測定する絵柄濃度測定手段(濃度計12)を備え、
本印刷に先立ち測定した前記所定印刷資材とは異なった印刷資材による校正用インキベタ濃度D0(図3)、またはDv(図4)を用いて、あらかじめ装置本体内に記憶された、使用印刷紙及びインキ等の基準印刷資材による所定絵柄の基準インキベタ濃度と前記インキ供給条件との関係を示す第1関係式、図3においてはD=F(x)、または図4においてはD=G(x)から、試し刷りインキ供給条件(インキ元ローラ回転量x)を求めて試し刷りを行う試し刷り制御手段が演算装置2内に設けられている。
【0030】
そして、試し刷り印刷紙上の試し刷りインキベタ濃度D1(図3)、D10(図4)と、前記試し刷りインキ供給条件とから前記第1関係式を用いて線形近似係数k(図3)、m(図4)を求めるとともに、該線形近似係数kもしくはmを用い、前記インキ供給条件と、インキベタ濃度との関係を示す第2関係式、図5においてはD’=kF(x)、または図4においてはD’=mG(x)を求め、該第2関係式を用い、前記校正用インキベタ濃度D0(図3)、またはDv(図4)から前記インキ供給条件x2(図3)、x20(図4)を演算する演算手段を演算装置2内に設けている。
予定された印刷紙以外もしくは、所定の性質を有するインキ以外であっても、プロセスインキ以外の特色インキであっても、前記校正刷りと同じインキ盛り量となるように調整される。
【0031】
尚、本発明においては、インキベタ濃度データからインキ元ローラ8回転量xを計算しているが、例えば他の値を固定値にして、すなわち、インキ元ローラ回転量xf及びインキキー7の開度Hfを固定値にして、インキ呼び出し回数Yを計算してもよく、また、インキ元ローラ回転量xf及びインキ呼び出し回数Yfを固定値にして、インキキー7の開度Hを計算してもよい。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施の形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施の形態に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0033】
図1は本実施の形態に関わる印刷機の色調早期安定化装置の構成図、図2は第1実施の形態に関わるインキ盛り量(インキベタ濃度D)とインキ元ローラ回転量xの関係をプロットした図、図5は第1実施の形態に関わる印刷機の色調早期安定化方法のフローチャート図である。
【0034】
本第1実施の形態は、前述した、印刷紙面上に基準インキ盛り量を印刷するとき、基準印刷紙に対して各種条件を設定したものであり、基準印刷紙に対する基準インキ盛り量が変わった場合、校正刷りの色調に本刷りの色調を合わすために印刷紙面上のインキ膜厚を基準インキ盛り量から変えなければならない。という課題(1)に鑑み創案されたものである。
【0035】
このため、図1に示す本実施の形態にかかる色調安定化装置は、図8に示す従来装置に校正に用いるために仮刷りを行った印刷紙13面上の任意の位置のインキ盛り量(インキベタ濃度D)を計測する濃度計12を備え、演算装置2内では計測されたインキベタ濃度Dから、あらかじめ実験により求めた図2に示す関係により、インキ元ローラ回転量x、インキキー開度H及びインキ呼び出し回数Yを求め、インキ供給量を制御することを特徴としている。
【0036】
以下、図1、図2及び図5を参照して本発明に係る実施の形態について説明する。
本実施の形態にかかる印刷装置は、図1に示すような印刷部10を備えており、印刷部10は、インキキー7と、該インキキー7との隙間から供給されたインキを送り出すインキ元ローラ8と、該インキ元ローラ8から送り出されたインキを後段の複数のインキローラ11に供給する(呼び出す)インキ呼び出しローラ9と、該インキ呼び出しローラ9からのインキをインキ着けローラ14に供給する複数のインキローラ11と、前記インキ着けローラ14と当接してインキローラ11からのインキを供給される版胴20とを備えて構成される。
【0037】
インキキー7は、インキ元ローラ8の幅方向(軸方向)に沿って複数配設されるとともに、各インキキー7は、インキキー7とインキ元ローラ8との隙間(インキキー開度H)を調整できるようになっている。
これにより、インキキー開度H及びインキ元ローラ8の回転量xを制御することにより後段のインキ呼び出しローラ9に供給するインキ量を調整でき、また、各インキキー7の開度を個別に制御することにより、インキ呼び出しローラ9、インキローラ11、インキ着けローラ14、ひいては版胴20のインキプロファイルを調整できるようになっている。
【0038】
また、インキ呼び出しローラ9は、その回数(呼び出し回数)に応じて所定回数(呼び出し回数)だけ、インキキー7及びインキ元ローラ8から供給されたインキをインキローラ11に供給するようになっている。
また、複数のインキローラ11は隣り合うインキローラ11が互いに当接するようにインキ呼び出しローラ9とインキ着けローラ14との間に配設されており、インキ呼び出しローラ9に供給されたインキは、インキローラ11を介して、インキ着けローラ14ひいては版胴20に供給されるようになっている。
なお、インキローラ11を複数段設けているのは、複数のインキローラ11を通過していく過程でインキを徐々に所定の膜厚(印刷紙13面上が基準インキ盛り量になる)まで均一に薄膜にして版胴20に供給するためである。
【0039】
そして、このような印刷部10の制御部として、版胴20の外周に設けられた刷版から絵柄面積率データを読みとるプレートスキャナー1と、該プレートスキャナー1により検出された絵柄面積率データ及び校正刷りした印刷紙13面上からインキ盛り量(インキベタ濃度D)を計測する濃度計12と、該濃度計12により計測されたインキベタ濃度データに基づき印刷部10の運転設定値(インキ元ローラ8の回転量xや、インキキー開度Hや、インキ呼び出しローラ9の回数量Y等の各運転目標値、運転目標として設定した値であるから、以下、目標設定値ともいう)を演算する演算装置2と、印刷部制御装置3と、インキ元ローラ回転量制御装置4と、インキキー開度制御装置5と、インキ呼び出しローラ制御装置6とが備えられている。
【0040】
インキ元ローラ回転量制御装置4は、インキ元ローラ8の回転量が、演算装置2により演算された所定回転量になるようにインキ元ローラ8の作動を制御し、インキキー開度制御装置5は、インキキー開度Hが、演算装置2により演算され設定された設定開度となるようにインキキー7の作動を制御し、インキ呼び出しローラ制御装置6は、インキの呼び出しが、演算装置2により演算された所定回数(インキ呼び出し回数)だけ行なわれるようにインキ呼び出しローラ9の回数を制御するようになっている。
また、印刷部制御装置3は、演算装置2により演算されたこの他の運転設定値に基づき印刷部10の運転を制御するようになっている。
【0041】
なお、演算装置2には、図示しない入力装置が接続されており、この入力装置からインキベタ濃度Dを手動で入力することもでき、濃度計及び手動入力から得られたインキベタ濃度データから図2に示す関係により、インキ元ローラ8の回転量xや、インキキー7の開度Hや、インキ呼び出しローラ9の回転数Y等の目標設定値を決定できるようになっている。
そして、試し刷りを行なう前には、印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚をインキローラ11に形成するためのインキ元ローラ回転量x、インキキー開度H及びインキ呼び出しローラ回転数Yを計算するために必要なインキベタ濃度データが、この入力装置からも入力されるようになっている。
【0042】
このように予め最低限のインキ膜厚をインキローラ11に形成しておくことにより、絵柄面積率データに基づいてその後行なわれる印刷において色調を早期に安定化できるようにしているのである。
なお、印刷紙13面上に任意のインキ盛り量(インキベタ濃度D)を形成するためのインキ元ローラ回転量x、インキキー開度H及びインキ呼び出し回数Yの各関係は、図3に示すように実験等により求められるものである。
【0043】
本第1実施の形態としての印刷装置は上述のように構成されており、図5に示すような手順で色調の安定化が行なわれる。
先ず、印刷を開始する前の準備段階として、印刷紙13面上に任意のインキ盛り量(インキベタ濃度D)を形成するための最低限のインキ膜厚をインキローラ11に形成するために、インキ元ローラ8の回転量、インキキー7の開度及びインキ呼び出し回数(インキ呼び出しローラ9の回数)を決定するためのインキベタ濃度データが、校正用印刷紙を用いて濃度計12から、もしくは図示しない入力装置から演算装置2に入力される(ステップB1)。
【0044】
演算装置2には、あらかじめ実験により図2に示すように、インキキー7の開度H(固定値)f及びインキ呼び出し回数Yf(固定値)として、インキベタ濃度Dとインキ元ローラ8の回転量xとの関係式(D=F(X))が記憶されている。そのインキベタ濃度データから図2に示す関係より、インキ元ローラ8の回転量xが決定される(ステップB2)。
本第1実施の形態では、図2に示すようにインキキー開度Hf(固定値)及びインキ呼び出し回数Yf(固定値)は、実験時、ある固定値で固定されているので、演算装置2から印刷部制御装置3には、インキベタ濃度データから計算されたインキ元ローラ8の回転量x及び実験時、固定されたインキキー7の開度Hf及びインキ呼び出し回数Yfが出力される。
【0045】
また、本実施の形態ではインキベタ濃度データからインキ元ローラ8の回転量xを計算しているが、例えば他の値を固定値にして、すなわち、インキ元ローラ回転量xf及びインキキー7の開度Hfを固定値にして、インキ呼び出し回数Yを計算してもよく、また、インキ元ローラ回転量xf及びインキ呼び出し回数Yfを固定値にして、インキキー7の開度Hを計算してもよい。
また、本実施の形態では前記関係式(D=F(X))の代わりにインキベタ濃度Dと、インキ元ローラ回転量xf、インキキー7の開度H、インキ呼び出し回数Yとの関係をテーブルとして演算装置2に記憶もしくは他の記憶手段に出し入れ可能に記憶してもよい。
【0046】
さて、その後、印刷部10の空転が開始されると、かかる入力に基づき、インキ元ローラ8の回転量x及びインキキー7の開度Hfが設定され(ステップA4)、所定回数Yfだけインキの呼び出しが行なわれて(ステップA5)、これによりインキローラ11に印刷中に必要とされる印刷紙13面上に任意のインキ盛り量(インキベタ濃度D)を形成するための最低限のインキ膜厚が形成される。
【0047】
そして、プレートスキャナー1により読み取られた刷版の絵柄面積率データ及び濃度計12により計測された印刷紙13面上(校正刷り)の任意のインキ盛り量(インキベタ濃度データ)に基づいて、演算装置2より、図2の関係を用いてインキ元ローラ回転量xが計算され、インキ元ローラ回転量制御装置4によりインキ元ローラ回転量xが、インキキー開度制御装置5によりインキキー7の開度Hfが、それぞれ本刷り時の設定値に予めセットされ(ステップB3)、インキローラ群11に刷版の絵柄に応じたインキ膜厚を形成するためのインキ呼び出し回数Yfがローラ制御装置6に入力される(ステップA7)。
【0048】
所定の回数だけインキ呼び出しが実行され(ステップA8)、色調安定化装置が停止され(ステップA9)、そして、用紙を印刷部10にセットして試し刷りが行なわれ(ステップA10)、その後、印刷された色が色見本に合っているか確認が行なわれ、通常運転(本刷り)となる(ステップA11)。
【0049】
以上詳述したように、本色調安定化装置によれば、濃度計及び予め求められた図2の関係を用いることにより、任意のインキ盛り量で刷られた校正刷りに対しても色調を早期に安定させることができるという利点がある。
【0050】
そして、本実施の形態は、任意のインキ盛り量で印刷された校正刷りに対して、その校正刷りのインキ盛り量(インキベタ濃度D)を予め調べることにより、校正刷りと色調が一致するインキローラ群に必要なインキ量及び印刷紙面上に供給する必要なインキ量を計算し、印刷機の色調を早期安定化させることができる。
【0051】
以上詳述したように、第1実施の形態では、紙種や使用インキ等の印刷資材が一定でインキ盛り量が変化する場合の色調安定化装置及び方法を述べた。
しかし、印刷現場では紙種や使用インキが変わることが頻繁に起こる。印刷資材が変化するとインキ供給量が一定であっても以下の要因で紙面上の発色が変化する。
(イ)インキの種類が変わると発色特性が変わり、紙面上の色調が変化する。
(ロ)紙の種類が変わると、紙の表面色の影響で紙面上の色調が変化する。
(ハ)紙の種類が変わると、インキの紙への転移特性が変化して、色調が変化する。
(ニ)紙の種類が変わると、紙の表面の平滑性が変化し、インキの付着平滑度が変化して色調が変化する。
従って、印刷資材が変わるたびに校正刷りの色調に一致するインキ供給量とインキ盛り量の関係を調べなければならないが現実的でない。
【0052】
このような観点から、次に紙種や使用インキ等の印刷資材が異なる場合に適用する第2実施の形態を説明する。
図3は第2実施の形態に関わるインキ盛り量(インキベタ濃度)とインキ元ローラ回転量の関係をプロットした図、図6は第2実施の形態に関わる印刷機の色調早期安定化装置のフローチャート図である。
【0053】
装置構成は第1実施の形態と同じで図1で表されるが、演算装置2内の演算内容が第1実施の形態と異なるのでその点について下記に説明する。
演算装置2内では、入力されるインキベタ濃度Dに従ってインキ元ローラ回転量xが計算される。
図3の実線は、予め実験で求めた印刷資材を固定した所定印刷資材のときの模範となるインキ元ローラ回転量xとインキベタ濃度Dの関係である。その関係は次式で近似される。
D=F(x) ・・・ (1)
【0054】
印刷資材が変わった場合、上記関係が満たされなくなる可能性があるが、その関係は未知であるので、上記関係式に校正刷りのインキベタ濃度(Targetベタ濃度D0)を入力し、
D0=F(x) ・・・ (2)
として、式(2)からインキ元ローラ回転量x1を求め、その値を基に試し刷りを行う。
上記試し刷りの結果、インキベタ濃度がD1となったとすると下記式にインキ元ローラ回転量x1及びインキベタ濃度D1を代入して、線形近似係数kを求める。
D'=k×F(x) ・・・ (3)
上記式(3)は印刷資材が変化したときの予想されるインキ元ローラ回転量xとインキベタ濃度D'の関係である。図3中の波線で示したものである。
上記式(3)に校正刷りのインキベタ濃度(Targetベタ濃度D0)を代入すると、印刷資材が変化したときに必要とされるインキ元ローラ回転量x2が求められる。
【0055】
次に図6をもとに以下本第2実施の形態の作用を説明する。図中の付番A及びBは従来及び第1実施の形態と同じ作用を行う。
(ステップB1〜A10)は、第1実施の形態と同様な方法で試し刷りが行われる。
すなわち、先ず、印刷を開始する前の準備段階として、印刷紙13面上に任意のインキ盛り量(インキベタ濃度D)を形成するための最低限のインキ膜厚をインキローラ11に形成するために、インキ元ローラ8の回転量、インキキー7の開度及びインキ呼び出し回数(インキ呼び出しローラ9の回数)を決定するためのインキベタ濃度データが、校正用印刷紙を用いて濃度計12から、もしくは図示しない入力装置から演算装置2に入力される(ステップB1)。
【0056】
演算装置2には、あらかじめ実験により図3に示すように、インキキー7の開度Hf及びインキ呼び出し回数Yfとして、インキベタ濃度Dとインキ元ローラ8の回転量xとの関係式(D=F(X))が記憶されている。そのインキベタ濃度データから図3に示す関係より、インキ元ローラ8の回転量xが決定される(ステップB2)。
本第2実施の形態では、図3に示すようにインキキー開度Hf(固定値)及びインキ呼び出し回数Yf(固定値)は、実験時、ある固定値で固定されているので、演算装置2から印刷部制御装置3には、インキベタ濃度データから計算されたインキ元ローラ8の回転量x及び実験時、固定されたインキキー7の開度Hf及びインキ呼び出し回数Yfが出力される。
【0057】
また、本第2実施の形態ではインキベタ濃度データからインキ元ローラ8の回転量xを計算しているが、例えば他の値を固定値にして、すなわち、インキ元ローラ回転量xf及びインキキー7の開度Hfを固定値にして、インキ呼び出し回数Yを計算してもよく、また、インキ元ローラ回転量xf及びインキ呼び出し回数Yfを固定値にして、インキキー7の開度Hを計算してもよい。
【0058】
さて、その後、印刷部10の空転が開始されると、かかる入力に基づき、インキ元ローラ8の回転量x及びインキキー7の開度Hfが設定され(ステップA4)、所定回数Yfだけインキの呼び出しが行なわれて(ステップA5)、これによりインキローラ11に印刷中に必要とされる印刷紙13面上に任意のインキ盛り量(インキベタ濃度D)を形成するための最低限のインキ膜厚が形成される。
【0059】
そして、プレートスキャナー1により読み取られた刷版の絵柄面積率データ及び濃度計12により計測された印刷紙13面上(校正刷り)の任意のインキ盛り量(インキベタ濃度データ)に基づいて、演算装置2より、図3の関係を用いてインキ元ローラ回転量xが計算され、インキ元ローラ回転量制御装置4によりインキ元ローラ回転量xが、インキキー開度制御装置5によりインキキー7の開度Hfが、それぞれ本刷り時の設定値に予めセットされ(ステップB3)、インキローラ群11に刷版の絵柄に応じたインキ膜厚を形成するためのインキ呼び出し回数Yfがローラ制御装置6に入力され(ステップA7)る。
【0060】
所定の回数だけインキ呼び出しが実行され(ステップA8)、色調安定化装置が停止され(ステップA9)、そして、用紙を印刷部10にセットして試し刷りが行なわれ(ステップA10)る。
その後、試し刷りのベタ濃度(ステップC1)を計測する。
【0061】
次に、ステップC2に進み、線形近似係数kを計算する。
本来第1実施の形態のように、印刷資材が変化しない場合は、図3に示すようにインキ元ローラ回転量をx1としてインキをインキローラ群或いは紙面上に供給すると、校正刷りの色調(Targetベタ濃度D0)に一致或いは接近する。即ち図中実線の●印となる。その実線(印刷資材を固定して得られた実験値)を前記式(1)で近似する。
【0062】
しかし、印刷資材が変化すると同じインキ元ローラ回転量x1でインキを供給しても校正刷りの色調には一致しない場合が多い。同図では例えばD1になったとすると、印刷資材が変わったときに前記式(1)から予測される関数を前記式(3)として、前記値x1及びD1を代入して線形近似係数kを計算する。
【0063】
次に、ステップC3に進み、インキ元ローラ回転量を計算する。
前記式(3)の新たな関数(印刷資材が変化したときの推定関数)に、校正刷りの色調に一致或いは接近するベタ濃度D0を代入し、印刷資材が変化したときに推定されるインキ元ローラ回転量x2を計算する。
次にステップC4に進み、インキローラ群、版面、ブランケットのインキを洗浄する。
【0064】
次に、ステップ(A4〜A10)によって、前述と同じステップを経て、印刷資材が変化したときに推定されるインキ元ローラ回転量x2をもって、インキローラ群及び紙面上にインキを供給し、校正刷りの色調(Targetベタ濃度D0)に一致或いは接近させる。
【0065】
以上詳述したように、本第2実施の形態は、第1実施の形態のデータ(インキベタ濃度とインキ供給量との関係)を利用して、1度の試し刷りで、印刷資材が変化したときの前記関係を計算し、その関係式を持って、2度目には印刷資材が変化した際にも校正刷りの色調に一致或いは接近するインキ供給量を演算するので、早期色調安定化を図る色調安定化装置及び方法を提供することができる。
そして、第2実施の形態においては、紙種が同一で使用インキが異なる場合、使用インキが同一で紙種が異なる場合、及び紙種及び使用インキがともに異なる場合に適用できることは勿論である。
【0066】
次に、第3実施の形態を説明する。
図4は第3実施の形態に関わるインキ盛り量(インキベタ濃度)とインキ元ローラ回転量の関係をプロットした図、図7は第3実施の形態に関わる印刷機の色調早期安定化装置のフローチャート図である。
【0067】
装置構成は第1実施の形態と同じで図1で表されるが、演算装置2内の演算内容が第1実施の形態と異なるのでその点について下記に説明する。
演算装置2内では、入力されるインキベタ濃度に従ってインキ元ローラ回転量が計算されることは第1及び第2実施の形態と同じである。
図4の実線は、予め実験で求められたプロセスインキのときの模範となるインキ元ローラ回転量xとインキベタ濃度Dの関係である。その関係は次式で近似される。
D=G(x) ・・・(4)
【0068】
特色インキの場合、上記関係は満たされなくなる。その関係は未知であるので、上記関係式に校正刷りの最も数値が大きいインキフィルターのベタ濃度(Targetベタ濃度Du)を入力し、インキ元ローラ回転量x10を求め、その値を基に試し刷りを行う。
上記試し刷りの結果、インキベタ濃度がD10となったとすると下記式にインキ元ローラ回転量x10及びインキベタ濃度D10を代入し、線形近似係数mを求める。
D'=m×G(x) ・・・(5)
上記式は特色インキの場合の予想されるインキ元ローラ回転量xとインキベタ濃度D'の関係である。図4中の波線で示したもの。
上記式(5)に、校正刷りのインキベタ濃度(Targetベタ濃度Du)を代入すると、特色インキの場合に必要とされるインキ元ローラ回転量x20が求められる。
【0069】
従来技術では、特色になると特色の色が変わるたびに、校正刷りの色調に一致するインキ供給量とインキ盛り量の関係を調べなければならなかった。しかし、それは現実的でない。
本第3実施の形態は、上記を考慮し、簡単に校正刷りの色調に一致するあるいは接近するインキ供給量とインキ盛り量の関係を簡易的に求め、その関係を持って色調を早期安定化させる色調安定化装置及び方法を提供することができる。
【0070】
図7をもとに以下本第3実施の形態の作用を説明する。
ステップD1においては、校正刷りのインキ盛り量(インキベタ濃度)を入力する際、最も数値が大きいインキフィルターのベタ濃度(Targetベタ濃度Du)を入力する。
【0071】
(ステップB2〜A10)によって第2実施の形態と同様な方法で試し刷りが行われる。すなわち、演算装置2には、あらかじめ実験により図4に示すように、インキキー7の開度Hf及びインキ呼び出し回数Yfとして、インキベタ濃度Dとインキ元ローラ8の回転量xとの関係式(D=G(X))が記憶されている。そのインキベタ濃度データから図4に示す関係より、インキ元ローラ8の回転量xが決定される(ステップB2)。
本第3実施の形態では、図4に示すようにインキキー開度Hf(固定値)及びインキ呼び出し回数Yf(固定値)は、実験時、ある固定値で固定されているので、演算装置2から印刷部制御装置3には、インキベタ濃度データから計算されたインキ元ローラ8の回転量x及び実験時、固定されたインキキー7の開度Hf及びインキ呼び出し回数Yfが出力される。
【0072】
また、本第3実施の形態ではインキベタ濃度データからインキ元ローラ8の回転量xを計算しているが、例えば他の値を固定値にして、すなわち、インキ元ローラ回転量xf及びインキキー7の開度Hfを固定値にして、インキ呼び出し回数Yを計算してもよく、また、インキ元ローラ回転量xf及びインキ呼び出し回数Yfを固定値にして、インキキー7の開度Hを計算してもよい。
【0073】
さて、その後、印刷部10の空転が開始されると、かかる入力に基づき、インキ元ローラ8の回転量x及びインキキー7の開度Hfが設定され(ステップA4)、所定回数Yfだけインキの呼び出しが行なわれて(ステップA5)、これによりインキローラ11に印刷中に必要とされる印刷紙13面上に任意のインキ盛り量(インキベタ濃度D)を形成するための最低限のインキ膜厚が形成される。
【0074】
そして、プレートスキャナー1により読み取られた刷版の絵柄面積率データ及び濃度計12により計測された印刷紙13面上(校正刷り)の任意のインキ盛り量(インキベタ濃度データ)に基づいて、演算装置2より、図4の関係を用いてインキ元ローラ回転量xが計算され、インキ元ローラ回転量制御装置4によりインキ元ローラ回転量xが、インキキー開度制御装置5によりインキキー7の開度Hfが、それぞれ本刷り時の設定値に予めセットされ(ステップB3)、インキローラ群11に刷版の絵柄に応じたインキ膜厚を形成するためのインキ呼び出し回数Yfがローラ制御装置6に入力され(ステップA7)る。
【0075】
所定の回数だけインキ呼び出しが実行され(ステップA8)、色調安定化装置が停止され(ステップA9)、そして、用紙を印刷部10にセットして試し刷りが行なわれる(ステップA10)。
その後にステップD2のベタ濃度計測に進み、インキフィルターのベタ濃度(Targetベタ濃度Du)を計測する。
【0076】
次に、ステップD3に進み、線形近似係数mを計算する。
本来第2実施の形態のように、プロセスインキの場合は、図4に示すようにインキ元ローラ回転量をx10としてインキをインキローラ群或いは紙面上に供給すると、校正刷りの色調(Targetベタ濃度D0)に一致或いは接近する。即ち図中実線の●印となる。その実線(プロセスインキで得られた実験値)を式(4)で近似する。
【0077】
しかし、特色インキの場合は、同じインキ元ローラ回転量x10でインキを供給しても校正刷りの色調には一致しない。同図では、D10になったとすると、式(4)から予測される関数を式(5)として、前記値x10及びD10を代入して線形近似係数mを計算する。
【0078】
次にステップD4に進みインキ元ローラ回転量計算を行う。
式(5)の新たな関数(特色の場合の推定関数)に、校正刷りの色調に一致或いは接近するインキフィルターのベタ濃度Duを代入し、特色の場合の推定されるインキ元ローラ回転量x20を計算する。
【0079】
次にステップC4に進み、インキローラ群、版面、ブランケットのインキを洗浄し、
ステップA4〜A10において、特色時に推定されるインキ元ローラ回転量x20をもって、インキローラ群及び紙面上にインキを供給し、校正刷りの色調(Targetベタ濃度Du)に一致或いは接近させる。
【0080】
以上詳述したように本第3実施の形態は、第1実施の形態のデータ(インキベタ濃度とインキ供給量との関係)を利用して、1度の試し刷りで、特色時の前記関係を計算し、その関係式を持って、2度目には特色時でも校正刷りの色調に一致或いは接近するインキ供給量を演算するので、色調を早期安定化させることができる。
【0081】
【発明の効果】
上述したように、本発明は、所定印刷紙を用い、校正刷りにおいてインキ盛り量が基準盛り量から変わった場合でも、色調を早期安定化させることができる。 また、予定された紙種または使用インキ等の印刷資材以外であっても使用印刷紙に対して前記校正刷りと同じインキ盛り量となるように、色調を早期安定化させることができる。
また、特色インキ、基準インキ盛り量並びに印刷紙が予定したものでなくても、色調を早期安定化させる。
また、印刷資材及びインキ供給条件の組み合わせが膨大となり、大容量の記憶手段を必要としない。
等の著効を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に関わる印刷機の色調早期安定化装置の構成図である。
【図2】第1実施の形態に関わるインキ盛り量(インキベタ濃度)とインキ元ローラ回転量の関係をプロットした図である。
【図3】第2実施の形態に関わるインキ盛り量(インキベタ濃度)とインキ元ローラ回転量の関係をプロットした図である。
【図4】第3実施の形態に関わるインキ盛り量(インキベタ濃度)とインキ元ローラ回転量の関係をプロットした図である。
【図5】第1実施の形態に関わる印刷機の色調早期安定化方法のフローチャート図である。
【図6】第2実施の形態に関わる印刷機の色調早期安定化装置のフローチャート図である。
【図7】第3実施の形態に関わる印刷機の色調早期安定化装置のフローチャート図である。
【図8】従来の色調早期安定化装置の概略図である。
【図9】図8の装置の流れ図である。
【符号の説明】
2 演算装置
12 濃度計

Claims (4)

  1. インキ元ローラ回転量、インキキー開度、インキ呼び出しローラの呼び出し回数等のインキ供給条件を調節して印刷紙に印刷される絵柄の色調を早期に安定させる印刷機の色調早期安定化方法において、
    あらかじめ使用印刷紙及びインキ等の基準印刷資材による所定絵柄の基準インキベタ濃度Dと前記インキ供給条件Cとの関係を定めるD=F(C)からなる第1関係式にて用意し、
    本印刷に先立ち前記基準印刷資材とは異なった印刷資材による校正用インキベタ濃度を測定して、
    前記第1関係式を用いて前記校正用インキベタ濃度から試し刷りインキ供給条件を求めて試し刷りを行い、
    前記試し刷り印刷紙上の試し刷りインキベタ濃度Dと、前記試し刷りインキ供給条件Cとを後記第2の関係式に代入して線形近似係数kを求め、
    該線形近似係数kを用い、前記インキ供給条件Cと、インキベタ濃度D’との関係を示すD’=kF(C)からなる第2関係式を求め、
    該第2関係式を用い、前記校正用インキベタ濃度から前記インキ供給条件を求めることを特徴とする印刷機の色調早期安定化方法。
  2. プロセスインキによる前記第1関係式を用意し、本印刷に先立ち特色による前記校正用インキベタ濃度を測定するとともに、前記第2関係式を用い、前記校正用インキベタ濃度から前記インキ供給条件を求めることを特徴とする請求項記載の印刷機の色調早期安定化方法。
  3. インキ元ローラ回転量、インキキー開度、インキ呼び出しローラの呼び出し回数等のインキ供給条件を調節して印刷紙に印刷される絵柄の色調を早期に安定させる印刷機の色調早期安定化装置において、
    印刷紙のインキベタ濃度を測定する絵柄濃度測定手段と、
    所定印刷紙の所定絵柄の基準インキベタ濃度Dと前記インキ供給条件Cとの関係を定めるD=F(C)からなる第1関係式があらかじめ装置本体内に記憶され、本印刷に先立って校正刷りのインキベタ濃度D0を第1関係式に導入して試し刷りのときのインキ供給条件C1を演算するとともに、
    前記絵柄濃度測定手段によって試し刷りのインキベタ濃度D1と前記試し刷りのインキ供給条件C1とを後記第2関係式に代入して線形近似係数kを演算して、該インキ供給条件Cと、インキベタ濃度D’との関係を示すD’=kF(C)からなる第2関係式を求める演算手段とを具え、
    該第2関係式に基づいて、校正刷りにおけるインキ盛り量に対応して前記所定の印刷紙におけるインキ供給条件を変更して色調を早期安定化させることを特徴とする印刷機の色調早期安定化装置。
  4. 印刷紙のインキベタ濃度を測定する絵柄濃度測定手段より求められるインキベタ濃度に基づいて、インキ元ローラ回転量、インキキー開度、インキ呼び出しローラの呼び出し回数等のインキ供給条件を調節可能に構成した印刷機において、
    あらかじめ装置本体内に記憶された、使用印刷紙及びインキ等の基準印刷資材による所定絵柄の基準インキベタ濃度と前記インキ供給条件との関係を定めるD=F(C)からなる第1関係式に、本印刷に先立ち測定した校正用印刷資材による校正用インキベタ濃度D0を入力して、試し刷りインキ供給条件C1を求めて試し刷りを行うとともに、
    試し刷り印刷紙上の試し刷りインキベタ濃度D1と、前記試し刷りインキ供給条件C1を後記第2関係式に代入して第2関係式の線形近似係数kを求め、インキ供給条件Cと、インキベタ濃度D’との関係を示すD’=kF(C)からなる第2関係式を設定し、
    該第2関係式に基づいて、予定された印刷紙以外もしくは、所定の性質を有するインキ以外であっても、前記校正刷りと同じインキ盛り量となるように前記インキ供給条件Cを 調整するように構成したことを特徴とする印刷機。
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