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JP3562261B2 - 超音波振動子およびこれを用いた超音波流量計 - Google Patents

超音波振動子およびこれを用いた超音波流量計 Download PDF

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JP3562261B2
JP3562261B2 JP28170897A JP28170897A JP3562261B2 JP 3562261 B2 JP3562261 B2 JP 3562261B2 JP 28170897 A JP28170897 A JP 28170897A JP 28170897 A JP28170897 A JP 28170897A JP 3562261 B2 JP3562261 B2 JP 3562261B2
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茂 岩永
雅彦 橋本
利春 佐藤
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波により気体や液体の流量や流速の計測を行う超音波流量計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の超音波流量計に用いる超音波振動子を図18、図19に示す。例えば特開平4−309817号公報が知られており、図18に示すように圧電セラミック1を金属振動板2にロー付けし、この金属振動板2を金属ハウジング3に溶接していた。また特表平6−500389号公報が知られており、エポキシ樹脂と微小ガラス球からなる壷形整合層5が圧電セラミック4を内包するケースとして共用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の従来の構成では金属ハウジングに防振対策がなされていないため、圧電セラミックの振動が金属振動板を通じて金属ハウジングに伝わる。金属ケースでは振動が減衰されにくいため、金属ハウジングの振動が再び圧電セラミックに戻る。このため圧電セラミックの振動がなかなかおさまらず、残響の長い超音波パルスになる。この残響がノイズ要因の一つとなるため、S/Nが劣化し流量や流速の計測精度が低下するという課題を有していた。またエポキシ樹脂と微小ガラス球からなる材料をケースとして利用すると、ケースは振動しにくくなり残響は短くなる。しかしこのような材料は一般的に微多孔性を有すためケースの中に被測定流体が浸入し、被測定流体の成分によっては圧電体の電極等を腐食させ特性を劣化させるという課題を有していた。
【0004】
本発明では上記課題を解決するもので、残響の短い超音波パルスの送受波が可能で、信頼性の高い超音波振動子を実現し、超音波流量計の計測精度を向上させることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、天部と側壁部とを有する有天筒状のケースと、前記天部の内壁面に固定された圧電体と、前記天部の外壁面に設けられた音響整合層と、前記側壁部の外壁に設けた支持部とを備え、前記圧電体の振動が前記側壁部へ伝搬することを防止するように側壁部に天部と同心状の折り曲げ部を設ける超音波振動子である。
また、天部と側壁部とを有する有天筒状のケースと、前記天部の内壁面に固定された圧電体と、前記天部の外壁面に設けられた音響整合層と、前記側壁部の外壁に設けた支持部とを備え、前記圧電体の振動が前記側壁部へ伝搬することを防止するように側壁部の軸方向に複数の凸部または凹部を備えた超音波振動子である。
また、天部と側壁部とを有する有天筒状のケースと、前記天部の内壁面に固定された圧電体と、前記天部の外壁面に設けられた音響整合層と、前記側壁部の外壁に設けた支持部とを備え、前記圧電体の振動が前記側壁部へ伝搬することを防止するように側壁部を多角形の筒状とした超音波振動子である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態は、超音波振動子を構成する圧電体は被測定流体から遮断する金属製ケースで内包し、この金属製ケースに折り曲げ部を設けることにより剛性を高め、振動の伝搬を低減させたものである。上記実施形態によれば、圧電体の振動が金属製ケースに伝わり難くすることができ、残響の短い超音波パルスの送受信が可能な超音波振動子を得ることができる。この結果残響によるノイズの発生を低減でき、S/Nが改善されて被測定流体の流量、流速の計測精度が向上できる。また被測定流体が圧電体に接触することを防止できるので、超音波振動子の信頼性も向上できる。
【0007】
本発明第1の形態の超音波振動子は、天部と側壁部を有す有天筒状のケースと、前記天部の内壁面に固定された圧電体と、前記天部の外壁面に設けられた音響整合層と、前記側壁部の外壁に設けた支持部とを備え、前記ケースが防振構造を有し圧電体の振動が前記ケースへ伝搬することを防止しており、残響の短い超音波パルスの送受信が可能な超音波振動子を得ることができる。
【0008】
本発明は第2の形態の超音波振動子は、第1の形態の超音波振動子において、側壁部の剛性が増大する形状としたため、圧電体の振動が側壁部へ伝搬することが防止され、残響の短い超音波パルスの送受信が可能な超音波振動子を得ることができる。
【0009】
本発明は第3の形態の超音波振動子は、第2の形態の超音波振動子において、側壁部に天部と同心状の折り曲げ部を設けたため、側壁部の剛性が増大し圧電体の振動が側壁部へ伝搬することが防止され、残響の短い超音波パルスの送受信が可能な超音波振動子を得ることができる。
【0010】
本発明は第4の形態の超音波振動子は、第2の形態の超音波振動子において、側壁部の軸方向に複数の凸部または凹部を備えたため、側壁部の剛性が増大し圧電体の振動が側壁部へ伝搬することが防止され、残響の短い超音波パルスの送受信が可能な超音波振動子を得ることができる。
【0011】
本発明は第5の形態の超音波振動子は、第2の形態の超音波振動子において、側壁部を多角形の筒状としたため、側壁部の剛性が増大し圧電体の振動が側壁部へ伝搬することが防止され、残響の短い超音波パルスの送受信が可能な超音波振動子を得ることができる。
【0012】
本発明は第6の形態の超音波振動子は、第1の形態の超音波振動子において、天部の外周部に凸部または凹部を備えたため、天部の外周部の剛性が増大し圧電体の振動が側壁部へ伝搬することが防止され、残響の短い超音波パルスの送受信が可能な超音波振動子を得ることができる。
【0013】
本発明は第7の形態の超音波振動子は、第1の形態の超音波振動子において、天部の外周部に薄肉部を備えたため、天部のうち圧電体を固定した部分が振動しやすくなるため圧電体の振動が側壁部へ伝搬することが防止され、残響の短い超音波パルスの送受信が可能な超音波振動子を得ることができる。
【0014】
本発明は第8の形態の超音波流量計は、被測定流体が流れる流量測定部と、この流量測定部に設けられ超音波を送受信する第1ないし第7のいずれかの形態の1対の超音波振動子と、前記超音波振動子間の伝搬時間を計測する計測回路と、前記計測回路からの信号に基づいて流量を算出する流量演算手段とを備えたため、残響によるノイズの影響を低減できるためS/Nが改善でき、被測定流体の流量、流速の計測精度が高い超音波流量計を得ることができる。
【0015】
本発明は第9の形態の超音波流量計は、第8の形態の超音波流量計において、支持部に固定される端子板にシール部を有す超音波振動子を備えたため、被測定流体が流量測定部から外部に漏れることが防止でき、信頼性の高い超音波流量計を得ることができる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。なお図面中で同一符号を付しているものは同一なものであり、詳細な説明は省略する。
【0017】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の超音波振動子の外観図である。図2は図1の超音波振動子の断面図である。図3は図1の超音波振動子に用いる圧電体の外観図である。図1において、6は超音波振動子、7はケース、8はケース7の天部、9は天部8の外壁面に固定された音響整合層、10はケース7の側壁部、11は側壁部10に固定された折り曲げ部、12はケース7を固定するための支持部である。図2において、13は天部8の内壁面に配置された圧電体、14は支持部12に固定された端子板、15a、15bは端子板14に設けられた端子、16は端子15aと端子15bを絶縁するための絶縁部、17は圧電体13と端子15aを電気的に接続するためのリード線である。図3において、18は圧電体13の電極、19は圧電体13に設けられた溝である。
【0018】
以上のように構成さた超音波振動子の作成方法の一例について図1、図2、図3を用いて説明する。超音波振動子6はLPガスや天然ガス中で使用することを想定して、ケース7にはステンレス、音響整合層9にはエポキシ樹脂と中空ガラス球の混合体からなる材料を選択する。ケース7の加工方法には量産性を考え、切削加工でなく絞り加工のような成型加工を選択する。またステンレスの厚みは、ケース7の成型加工の容易さ、構造的強度、超音波振動子6の感度への影響から0.1から0.5mm程度、波長の10分の1以下程度の厚みを選択する。次に圧電体13はステンレスからなる天部8に接着固定されるため、広がり方向の振動が阻害される。超音波振動子6の高感度化を図るためには広がり振動よりも厚み縦振動を主モードを利用するほうが有利である。しかし圧電体13は形状により振動の主モードが決定されてしまい、圧電体13の形状と使用周波数に対しする許容範囲が狭い。そこで図3に示したように直方体の圧電体13に溝19を2本設けた構造を選択した。溝19を設けたことにより、横20、縦21が8mm、厚み22が4mmの直方体の圧電体13は約400KHzにおいて厚み振動が主モードとすることが可能となる。ただし溝19の本数、深さ、方向は圧電体13の形状、不要モードの影響、取り扱いの容易性から判断する。
【0019】
まず厚み0.2mmのステンレス板から直径13mm程度の円板状の天部8を有す有天円筒状のケース7を成型加工する。このとき側壁部10には天部8と同心円状の折り曲げ部11を1個同時に成型加工する。次に天部8の外壁面に直径12.5mmの円板状の音響整合層9、内壁面には圧電体13をエポキシ系接着剤を用いて接着固定する。このとき溝19により分割された電極18と天部8を10μm以下の薄い接着層を介して接着固定することにより、分割された電極18と天部8の電気的導通も取ることができる。リード線17は図示されていない圧電体13の電極と端子aにそれぞれハンダ付けする。最後に直径16mm程度、厚み0.8mm程度のステンレス板からなる端子板14を支持部12に電気溶接により固定し、封止と電気的導通を同時に行う。圧電体13はケース7をグランドとして共用し、さらにケース7および端子板14で覆われるためノイズの影響を低減できる。また封止するとき、ケース7内部に乾燥した窒素や不活性ガスで置換すると、圧電体13の電極、圧電体13とケース7の接着層等の長期間使用による劣化の防止も可能となる。
【0020】
以上のように作成された超音波振動子を用いた超音波流量計の作製方法について図4、図5を用いて説明する。流量測定部23を構成する材料はLPガスや天然ガスの流量計測する家庭用ガスメータを想定しアルミニウム合金ダイカストとした。側壁部24、25の端面に例えばコルク材からなるシール材35を介して上板部36をネジどめして、流路断面37が矩形の流量測定部23を構成する。また超音波振動子27、28は送受波面が相対するよう側壁部24、25に斜めに設けられた振動子取付穴29、30に例えばOリングからなるシール材31、32を介して固定する。
【0021】
以上のように構成された流量測定部23を用いた超音波流量計についてその動作を説明する。超音波振動子27と超音波振動子28の中心を結ぶ距離をLとし、この直線と流れの方向である流路26の長手方向となす角をθとする。またLPガスの無風状態での音速をC、流路26内でのLPガスの流速をVとする。流量測定部23の上流側に配置された超音波振動子27から送信された超音波は流路26を斜めに横断し、下流側に配置された超音波振動子28で受信する。
【0022】
このときの伝搬時間t1は、
【0023】
【数1】
Figure 0003562261
【0024】
で示される。次に送信・受信する超音波振動子を切り替え、超音波振動子28から超音波を送信し、超音波振動子27で受信する。このときの伝搬時間t2は、
【0025】
【数2】
Figure 0003562261
【0026】
で示される。t1とt2の式からLPガスの音速Cを消去すると、
【0027】
【数3】
Figure 0003562261
【0028】
の式が得られる。Lとθが既知ならば、計測回路33にてt1とt2を測定すれば流速Vが求められる。この流速Vから流量Qは、断面37の面積をS、補正係数をKとすれば、流量演算回路34で、
Q=KSV
を演算し、流量を求めることができる。
【0029】
超音波流量計では時間t1、t2を高精度に計測することが高精度な流量計測にとって重要となる。そこで、ケース7の振動の計測への影響について考える。送信側では、駆動信号により生じた圧電体13の振動が音響整合層9を介してLPガスに超音波パルスとして放射されるだけなく、ケース7も振動させる。また受信側では、受信した超音波パルスは圧電体13で電気信号に変換されるのと同時にケース7も振動させる。ここでケース7が振動してしまうと、ケース7では振動をほとんど減衰できないため、圧電体13の長い残響として送信側、受信側ともに観測されてしまう。送信側の残響は計測回路33に対し電気的ノイズとなり、受信した超音波パルスのS/Nを劣化させ測定精度を低下させる要因となる。また受信側の残響は受信した超音波パルスと合成されるため振幅、位相に影響を与え、時間t1、t2の計測に誤差を与える要因となる。本実施例ではケース7は折り曲げ部11により側壁部10の剛性が増加されているため、側壁部10は振動しにくくなっている。このためケース7の振動を抑えることができ、超音波振動子6の残響を低減することが可能となる。このため超音波流量計の計測精度を高めることができる。
【0030】
以上のように、本実施例によれば直方体の圧電体13に2本の溝を設けることにより厚み縦振動を主モードとして利用することが可能となる。また圧電体13と天部8を10μm以下のエポキシ系接着剤で接着固定することにより、接着強度と同時に導通もとることができる。また圧電体13の溝19により分割された電極18を天部8に接着固定することにより、分割された電極18の接続が容易となるうえ、分割された圧電体13が横方向へたわむような振動をすることを防止できる。圧電体13をステンレス製ケース7と端子板14でシールドされているため、外部からのノイズの影響を低減できる。
【0031】
なお実施例1では折り曲げ部11を1個設けるとしたが、2個以上の複数でも良く、また図6に示すように側壁部10にビート38を設けた構造としても良い。また天部8を円板状としたが、楕円径でも良い。
【0032】
(実施例2)
以下、本発明の実施例2について、図面を参照しながら説明する。
【0033】
図7は超音波振動子39の上面図、図8は超音波振動子39の側面図である。8は天部、9は音響整合層、10は側壁部、12は支持部、14は端子板、15は端子で、以上は図1、図2の構成と同様なものである。図1、図2の構成とことなるのは、側壁部10に軸方向に8個の凸部を設けた点である。
【0034】
以上のように構成さた超音波振動子の作成方法の一例について図4、図5を用いて説明する。超音波振動子39はLPガスや天然ガス中で使用することを想定して、ケース7にはステンレス、音響整合層9にはエポキシ樹脂と中空ガラス球の混合体からなる材料を選択する。また量産性を考えケース7の加工方法には、切削加工でなく絞り加工のような成型加工を選択する。
【0035】
まず厚み0.2mmのステンレス板から直径13mm程度の円板状の天部8を有す有天円筒状のケース7を成型加工する。このとき側壁部10には軸方向に凸部40を8個成型し、上方から見ると側壁部10が花びら状に見える。次に天部8の外壁面に直径12.5mmの円板状の音響整合層9をエポキシ系接着剤を用いて接着固定する。これ以後の超音波振動子39の作製方法、超音波流量計の作製方法、動作原理は実施例1と同様になるため省略する。
【0036】
側壁部10の剛性が高ければ高いほどケース7は振動しにくくなるため、残響を抑えることができる。薄い金属板から作られたケース7の剛性を高めるためには、凸部や凹部を設ければ良く、成型加工も容易にできる。本実施例では側壁部10の軸方向に8個の凸部40を設けることにより剛性を高め超音波振動子39の残響を低減することができる。
【0037】
なお実施例2では8個の凸部40を側壁部10に設けるとしたが、1個以上なら何個でも構わない。また図9に示すように側壁部10に凹部41を設け王冠状にしても良いし、凸部と凹部を組み合わせても良い。
【0038】
(実施例3)
以下、本発明の実施例3について、図面を参照しながら説明する。
【0039】
図10は超音波振動子42の外観図である。7はケース、10は側壁部、12は支持部で、以上は図1の構成と同様なものである。図1の構成とことなるのは、天部43が四角形、音響整合層44が直方体、折り曲げ部45が側壁部10の軸方向に設けたれた点である。
【0040】
以上のように構成さた超音波振動子の作成方法の一例について図10を用いて説明する。超音波振動子42はLPガスや天然ガス中で使用することを想定して、ケース7にはステンレス、音響整合層44にはエポキシ樹脂と中空ガラス球の混合体からなる材料を選択する。また量産性を考えケース7の加工方法には、切削加工でなく絞り加工のような成型加工を選択する。
【0041】
まず厚み0.2mmのステンレス板から1辺が9mmの正方形の天部43を有す有天角筒状のケース7を成型加工する。このとき側壁部10はほぼ四角柱となるよう側壁部10に折り曲げ部45を成型加工する。次に天部43に1辺8mmの正方形の面を有す直方体の音響整合層44をエポキシ系接着剤を用いて接着固定する。これ以後の超音波振動子42の作製方法、超音波流量計の作製方法、動作原理は実施例1と同様になるため省略する。
【0042】
側壁部10の剛性が高ければ高いほどケース7は振動しにくくなるため、残響を抑えることができる。ここで薄い金属板から作られたケース7の剛性を高めるためには、側壁部を多角形の柱状にすれば良く、側壁部10を多角形に成型加工することは容易である。本実施例では側壁部10を四角柱とすることにより剛性を高められ超音波振動子42の残響を低減することができる。
【0043】
なお実施例3では天部43は正方形、側壁部10は四角柱としたが、四角形以外の多角形でも構わない。また支持部12を円板形状としたが、天板8と同様に正方形でも、それ以外の多角形でも良い。
【0044】
(実施例4)
以下、本発明の実施例4について、図面を参照しながら説明する。
【0045】
図11は超音波振動子46の断面図、図12は超音波振動子46の上面図である。7はケース、8は天部、9は音響整合層、10は側壁部、12は支持部、13は圧電体、14は端子板、15a、15bは端子、16は端子15aと端子15bを絶縁するための絶縁部、17は圧電体13と端子15aを電気的に接続するためのリード線で、以上は図1の構成と同様なものである。図1の構成とことなるのは、天部8の外周部49の4ケ所に凸部47a〜47d、凸部47と音響整合層9の間に空隙部48を設けた点である。
【0046】
以上のように構成さた超音波振動子46の作成方法の一例について図11、図12を用いて説明する。超音波振動子46はLPガスや天然ガス中で使用することを想定して、ケース7にはステンレス、音響整合層9にはエポキシ樹脂と中空ガラス球の混合体からなる材料を選択する。また量産性を考えケース7の加工方法には、切削加工でなく絞り加工のような成型加工を選択する。まず厚み0.2mmのステンレス板から直径15mm程度の円板状の天部8を有す有天円筒状のケース7を成型加工する。このとき天部8の外周部49に高さが音響整合層9の厚みより薄い、0.8mm程度の凸部47a〜47dを同心円状に構成する。次に天部8の外壁面で凸部47a〜47dの内側に直径12.5mmの円板状の音響整合層9をエポキシ系接着剤を用いて接着固定する。このとき音響整合層9と凸部47a〜47dの間に、空隙部48が形成される。これ以後の超音波振動子46の作製方法、超音波流量計の作製方法、動作原理は実施例1と同様になるため省略する。
【0047】
天部8の外周部49の剛性が高くなると、振動は側壁部10に伝わりにくくなりケース7は振動しにくくなる。このため超音波振動子46の残響を抑えることができる。ここで薄い金属板から作られたケース7の剛性を高めるためには、外周部49に凸部あるいは凹部を設ければよく、外周部49に凸部あるいは凸部を成型加工することは容易である。本実施例では外周部49に4ケ所凸部47a〜47dを設けることによりケース7の剛性を高められ超音波振動子39の残響を低減することができる。
【0048】
なお実施例4では外周部49に凸部47を4ケ所設けるとしたが、1ケ所以上ならいくつでも構わないし、図13に示したように凸部50を円環状に設けても良い。また外周部49に凸部を設けるとしたが、図14に示すように複数の凹部51あるいは円環状の凹部51を設けても良い。また音響整合層9と凸部47の間に空隙部48を設けるとしたが、音響整合層9の接着強度を増加させるために空隙部48にエポキシ系接着剤を充填しても構わないし、音響整合層9の振動の減衰をはやめるためシリコンゴムなどの弾性体を充填しても構わない。
【0049】
(実施例5)
以下、本発明の実施例5について、図面を参照しながら説明する。
【0050】
図15は超音波振動子52の断面図である。7はケース、8は天部、9は音響整合層、10は側壁部、12は支持部、13は圧電体、14は端子板、15a、15bは端子、16は端子15aと端子15bを絶縁するための絶縁部、17は圧電体13と端子15aを電気的に接続するためのリード線で、以上は図1の構成と同様なものである。図1の構成とことなるのは、天部8の外周部53に肉薄部54を設けた点である。
【0051】
以上のように構成さた超音波振動子52の作成方法の一例について図15を用いて説明する。超音波振動子52はLPガスや天然ガス中で使用することを想定して、ケース7にはステンレス、音響整合層9にはエポキシ樹脂と中空ガラス球の混合体からなる材料を選択する。また量産性を考えケース7の加工方法には、切削加工でなく絞り加工のような成型加工を選択する。
【0052】
まず厚み0.3mmのステンレス板から直径14mm程度の円板状の天部8を有す有天円筒状のケース7を成型加工する。このとき天部8の内壁面と外壁面の外周部53には、天部8と同心円状で厚みが0.1mm程度となる肉薄部54を1本構成する。次に天部8の外壁面で肉薄部54の内側に直径12.5mmの円板状の音響整合層9をエポキシ系接着剤を用いて接着固定する。天部8の内壁面には圧電体13をエポキシ系接着剤で接着固定する。これ以後の超音波振動子46の作製方法、超音波流量計の作製方法、動作原理は実施例1と同様になるため省略する。
【0053】
ケース7の振動を抑えるためには、ケース7の剛性を高める以外に天部8を振動しやすくする方法がある。天部8と側壁部10の振動的つながりを弱めることにより可能となる。そこで肉薄部54により、天部8の肉薄部54の内側は振動しやすく、その外側には振動が伝わりにくくする。このためケース7は振動しにくくなり、超音波振動子52の残響を抑えられる。
【0054】
なお実施例5では外周部54の内壁面と外壁面に肉薄部54を設けるとしたが、内壁面だけでも外壁面だけでも良い。また同心円状の肉薄部54を1本設けるとしたが、2本以上でも構わないし、円環状に連続していなくても良い。
【0055】
(実施例6)
以下、本発明の実施例6について、図面を参照しながら説明する。
【0056】
図16は超音波振動子55の断面図、図17は超音波流量計の流量測定部23の超音波振動子取付部分の断面図である。7はケース、8は天部、9は音響整合層、10は側壁部、11は折り曲げ部、12は支持部、13は圧電体、15a、15bは端子、16は端子15aと端子15bを絶縁するための絶縁部、17は圧電体13と端子15aを電気的に接続するためのリード線で、以上は図1の構成と同様なものである。図1の構成と異なるのは、端子板56の直径が支持部12より大きいことと、端子板56の外周にシール部57をを設けた点である。以上のように構成さた超音波振動子55の作成方法、超音波流量計の作製方法、動作原理は実施例1と同様になるため省略する。
【0057】
超音波振動子55を流量測定部23に取り付ける方法を説明する。側壁部24に設けられた振動子取付穴29に超音波振動子55を挿入する。超音波振動子55の端子板56は厚みが1mm、直径が20mmとする。端子板56は支持部12の直径16mmに対し4mm大きく構成されており、この部分にシール部57を設けてある。シール部57と側壁部24に設けられた流路シール面58の間にOリングからなるシール材57を挟む。次にドーナツ型の固定体と図示されていないネジにより端子板56を背面から加圧しながら固定する。
【0058】
超音波振動子55では支持部12と端子板56を電気溶接した際、支持部12の表面に凹凸ができることがある。支持部12の表面に凹凸ができると、シール材59を用いても振動子取付穴29からガスが漏れることを防げないことも考えられる。本実施例では支持部12より外形寸法の大きい端子板56を用いることにより、端子板56の外周に電気溶接の影響を受けない表面が滑らかなシール部57を持つことが可能となる。このため超音波流量計のガス漏れに対する安全性が向上できる。
【0059】
なお実施例6では、端子板56とシール部59の厚みは同一としたが、端子板56とシール部59の厚みを等しくする必要はなく、例えば端子板56の厚みよりシール部59の厚みを厚くしても良い。また端子板56は円板状としたが、シール部59を折り曲げて構成しても良い。また端子板56の直径を支持部12より大きいとしたが、支持部12の直径を端子板56より大きくし、支持部12にシール部を設けても良い。
【0060】
なお、実施例1〜6では、圧電体13を圧電セラミック、周波数を400KHz、形状を縦8mm、横8mm、厚み4mmの直方体、溝を2本設けるとしたが、上記条件に限定されるわけでなく、材料、周波数、形状、寸法、溝の本数を適宜変えて構成することができ、例えば薄い円板の厚み振動、円柱や角柱の厚み縦振動でも構わない。また流量測定部23の材料をアルミニウム合金ダイカストとしたが、上記条件に限定されるわけでなく、被測定流体により材料を適宜変えて構成することができる。また流路断面37を矩形、超音波振動子27、28、55を流路26に対し斜めに配置したが、上記条件に限定されるわけでなく、流路形状、超音波振動子の配置を適宜変えて構成することができ、流路形状は円筒形でも構わないし、超音波振動子を流れに対して平行に配置しても構わない。またシール材31、32、59をOリングとしたが、上記条件に限定されるわけでなく、可燃性被測定流体をシールできるのであれば材料、形状を適宜変えて構成することができる。
【0061】
また被測定流体をLPガス、天然ガスとしたが、それ以外の液化天然ガス、石油、灯油等の気体、液体でも構わない。また超音波流量計として家庭用ガスメータを想定したが、それ以外の超音波流量計あるいは超音波流速計でも構わず、給湯器のガスの流量制御用流速計、自動車の空気や燃料の流量計でも構わない。またケース7、端子板14、56をステンレスとしたが、上記条件に限定されるわけでなく、材料は適宜変えて構成することができる。また支持部12を側壁部の端面に設けたが、それ以外の場所に設けても良い。また整合層9、44はエポキシ樹脂と微小ガラス球からなるの材料を1層のみ用いたが、被測定流体に適した形状の材料を1層以上、あるいは被測定流体によっては設ける必要がない場合もある。また複数の実施例の構成を組み合わせて実施しても良い。また超音波振動子を超音波流量計に用いるとしてが、距離センサ等の超音波センサとして用いても良い。またケース7と端子板14で囲まれた空間を乾燥した窒素や不活性ガスで置換するとしたが、真空にしても良いし、空気でも良い。
【0062】
以上の説明から明らかなように本発明の実施形態の超音波振動子及びこれを用いた流量計によれば次の効果が得られる。
【0063】
本発明の実施形態における第1の超音波振動子は、天部と側壁部を有す有天筒状のケースと、前記天部の内壁面に固定された圧電体と、前記天部の外壁面に設けられた音響整合層と、前記側壁部の外壁に設けた支持部とを備え、前記ケースが防振構造を有し圧電体の振動が前記ケースへ伝搬することを防止したため、残響の短い超音波パルスの送受信が可能となり、残響によるノイズの影響を低減した高S/Nの計測ができる超音波振動子を得られる。
【0064】
本発明の実施形態における第2の超音波振動子は、側壁部の剛性が増大する形状としたため、圧電体の振動が側壁部へ伝搬することが防止され、残響の短い超音波パルスの送受信が可能となり、残響によるノイズの影響を低減した高S/Nの計測ができる超音波振動子を得られる。
【0065】
本発明の実施形態における第3の超音波振動子は、側壁部に天部と同心状の折り曲げ部を設けたため、側壁部の剛性が増大し圧電体の振動が側壁部へ伝搬することが防止され、残響の短い超音波パルスの送受信が可能となり、残響によるノイズの影響を低減した高S/Nの計測ができる超音波振動子を得られる。
【0066】
本発明の実施形態における第4の超音波振動子は、側壁部の軸方向に複数の凸部または凹部を備えたため、側壁部の剛性が増大し圧電体の振動が側壁部へ伝搬することが防止され、残響の短い超音波パルスの送受信が可能となり、残響によるノイズの影響を低減した高S/Nの計測ができる超音波振動子を得られる。
【0067】
本発明の実施形態における第5の超音波振動子は、側壁部を多角形の筒状としたため、側壁部の剛性が増大し圧電体の振動が側壁部へ伝搬することを防止したため、残響の短い超音波パルスの送受信が可能となり、残響によるノイズの影響を低減した高S/Nの計測ができる超音波振動子を得られる。
【0068】
本発明の実施形態における第6の超音波振動子は、天部の外周部に凸部または凹部を備えたため、天部の外周部の剛性が増大し圧電体の振動が側壁部へ伝搬することを防止したため、残響の短い超音波パルスの送受信が可能となり、残響によるノイズの影響を低減した高S/Nの計測ができる超音波振動子を得られる。
【0069】
本発明の実施形態における第7の超音波振動子は、天部の外周部に薄肉部を備えたため、天部のうち圧電体を固定した部分が振動しやすくなり圧電体の振動が側壁部へ伝搬することが防止したため、残響の短い超音波パルスの送受信が可能となり、残響によるノイズの影響を低減した高S/Nの計測ができる超音波振動子を得られる。
【0070】
本発明の実施形態における超音波流量計は、被測定流体が流れる流量測定部と、この流量測定部に設けられ超音波を送受信する第1ないし第7のいずれかの1対の超音波振動子と、前記超音波振動子間の伝搬時間を計測する計測回路と、前記計測回路からの信号に基づいて流量を算出する流量演算手段とを備えたため、残響によるノイズの影響を低減できS/Nが改善され、被測定流体の流量、流速の計測精度が高い超音波流量計を得ることができる。
本発明の実施形態における超音波流量計は、支持部に固定される端子板にシール部を有す超音波振動子を備えたため、被測定流体が流量測定部から外部に漏れることが防止でき、信頼性の高い超音波流量計を得ることができる
【0071】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明の超音波振動子及びこれを用いた流量計によれば、ケースが防振構造を有し圧電体の振動が側壁部へ伝搬することを防止したため、残響の短い超音波パルスの送受信が可能となり、残響によるノイズの影響を低減した高S/Nの計測ができる超音波振動子を得られる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の超音波振動子の外観図
【図2】同超音波振動子の断面図
【図3】同超音波振動子に用いる圧電体の外観図
【図4】同超音波振動子に用いる超音波流量計の一部断面図を含む構成図
【図5】同流量計の断面aーa’線の横断面図
【図6】同超音波振動子の変形例の断面図
【図7】本発明の実施例2における超音波振動子の上面図
【図8】同超音波振動子の側面図
【図9】同超音波振動子の変形例の外観図
【図10】本発明の実施例3における超音波振動子の外観図
【図11】本発明の実施例4における超音波振動子の断面図
【図12】同超音波振動子の上面図
【図13】同超音波振動子の変形例の上面図
【図14】同超音波振動子の変形例の断面図
【図15】本発明の実施例5における超音波振動子の断面図
【図16】本発明の実施例6における超音波振動子の断面図
【図17】超音波流量計の流量測定部の超音波振動子取付部分の断面図
【図18】従来の超音波流量計用超音波振動子の断面図
【図19】従来の他の超音波流量計用超音波振動子の断面図
【符号の説明】
6 超音波振動子
7 ケース
8 天部
9 音響整合層
10 側壁部
11 折り曲げ部
12 支持部
13 圧電体
27,28 超音波振動子
23 流量測定部
33 計測回路
34 流量演算手段
40,47 凸部
41,51 凹部
54 肉薄部
57 シール部

Claims (7)

  1. 天部と側壁部とを有する有天筒状のケースと、前記天部の内壁面に固定された圧電体と、前記天部の外壁面に設けられた音響整合層と、前記側壁部の外壁に設けた支持部とを備え、前記圧電体の振動が前記側壁部へ伝搬することを防止するように側壁部に天部と同心状の折り曲げ部を設ける超音波振動子。
  2. 天部と側壁部とを有する有天筒状のケースと、前記天部の内壁面に固定された圧電体と、前記天部の外壁面に設けられた音響整合層と、前記側壁部の外壁に設けた支持部とを備え、前記圧電体の振動が前記側壁部へ伝搬することを防止するように側壁部の軸方向に複数の凸部または凹部を備えた超音波振動子。
  3. 天部と側壁部とを有する有天筒状のケースと、前記天部の内壁面に固定された圧電体と、前記天部の外壁面に設けられた音響整合層と、前記側壁部の外壁に設けた支持部とを備え、前記圧電体の振動が前記側壁部へ伝搬することを防止するように側壁部を多角形の筒状とした超音波振動子。
  4. 被測定流体が流れる流量測定部と、この流量測定部に設けられ超音波を送受信する請求項1ないしのいずれか1項記載の1対の超音波振動子と、前記超音波振動子間の伝搬時間を計測する計測回路と、前記計測回路からの信号に基づいて流量を算出する流量演算手段とを備えるとともに、前記超音波振動子は、支持部に固定される端子板にシール部を有する超音波流量計。
  5. 圧電体は軸方向に溝を有する請求項1からのいずれかに記載の超音波振動子。
  6. 支持部に端子板を固定してケース内部を封止する請求項1からのいずれかに記載の超音波振動子。
  7. ケース内部を不活性ガスにて封止する請求項に記載の超音波振動子。
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