JP2021088160A - エラストマー及び繊維構造体を備えたエラストマー複合体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明はその一の態様として以下のものを提案することができる。
〔1〕エラストマー複合体であって、
エラストマーと、繊維構造体とを備えてなり、
前記エラストマー複合体の水平方向(X方向)における切創力Sxと、前記X方向に対して垂直方向(Y方向)における切創力Syが下記(式1)を満たすものであり、
2<Sx/Sy (式1)
〔式1中、Sx及びSyは、ISO 13997(JIS T 8052)に準拠した測定方法により測定した値である〕
前記エラストマー複合体を前記X方向に沿って50mm、前記Y方向に10mm、厚さ1mmに切り出し、前記X方向に対して引張試験をした際、応力0.5MPaにおける前記X方向の伸び率Exとし、かつ、
前記エラストマー複合体を前記Y方向に沿って50mm、前記X方向に10mm、厚さ1mmに切り出し、前記Y方向に対して引張試験をした際、応力0.5MPaにおける前記Y方向の伸び率Eyが下記(式2)又は下記(式3)を満たすことを特徴とする、エラストマー複合体。
1.5<Ex/Ey (式2)
1.5<Ey/Ex (式3)
〔2〕前記エラストマー複合体の伸び率Exが15%以上であり、又は、
前記エラストマー複合体の伸び率Eyが15%以上であることを特徴とする、〔1〕に記載のエラストマー複合体。
〔3〕前記エラストマーは、下記化学式(I)で表されるモノマーと、下記化学式(II)で表されるモノマーとを含んでなるものである、〔1〕又は〔2〕に記載のエラストマー複合体。
〔4〕前記化学式(I)で表されるモノマーが、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジ(エチレングリコール)エチルエーテル(メタ)アクリレート、及びトリ(エチレングリコール)エチルエーテル(メタ)アクリレートからなる群から選択される一種又は二種以上の混合物である、〔3〕に記載のエラストマー複合体。
〔5〕前記化学式(II)で表されるモノマーが、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレートからなる群から選択される一種又は二種以上の混合物である、請求項〔3〕又は〔4〕に記載のエラストマー複合体。
〔6〕前記繊維構造体を構成する繊維は、引張強度が1GPa以上であることを特徴とする、〔1〕〜〔5〕の何れか一項に記載のエラストマー複合体。
〔7〕前記繊維構造体は、織物、編物、不織布、又は織布であることを特徴とする、〔1〕〜〔6〕の何れか一項に記載のエラストマー複合体。
〔8〕〔1〕〜〔7〕の何れか一項に記載のエラストマー複合体を用いた、表層材。
〔9〕〔8〕に記載の表層材を備えた、ロボット。
〔10〕エラストマー複合体の製造方法であって、
エラストマーを構成するモノマーと、繊維構造体とを用意し、
前記エラストマーを構成するモノマーを重合し前記エラストマーを形成し、及び、
前記エラストマーと前記繊維構造体とを複合化することを含んでなり、
前記エラストマー複合体が、
前記エラストマー複合体の水平方向(X方向)における切創力Sxと、前記X方向に対して垂直方向(Y方向)における切創力Syが下記(式1)を満たすものであり、
2<Sx/Sy (式1)
〔式1中、Sx及びSyは、ISO 13997(JIS T 8052)に準拠した測定方法により測定した値である〕
前記エラストマー複合体を前記X方向に沿って50mm、前記Y方向に10mm、厚さ1mmに切り出し、前記X方向に対して引張試験をした際、応力0.5MPaにおける前記X方向の伸び率Exとし、かつ、
前記エラストマー複合体を前記Y方向に沿って50mm、前記X方向に10mm、厚さ1mmに切り出し、前記Y方向に対して引張試験をした際、応力0.5MPaにおける前記Y方向の伸び率Eyが下記(式2)又は下記(式3)を満たすものである、エラストマー複合体の製造方法。
1.5<Ex/Ey (式2)
1.5<Ey/Ex (式3)
〔11〕前記エラストマー複合体が、〔1〕〜〔7〕の何れか一項に記載のエラストマー複合体である、〔10〕に記載の製造方法。
〔12〕〔10〕に記載の製造方法より製造された、〔1〕〜〔7〕の何れか一項に記載のエラストマー複合体。
「ISO 13997:1999」は、「Protective clothing-Mechanical properties-Determination of resistance to cutting by sharp objects (MOD)」であり、日本工業規格(JIS)では、「JIS T 8052:2005」として、「防護服-機械的特性-鋭利物に対する切創抵抗性試験方法」と規定されている。
「伸び率」は、例えば、JIS L 1096 織物及び編物の生地試験方法に記載のグラブ法によって測定することができる。
エラストマー複合体は、エラストマーと、繊維構造体とを備えてなる。本発明にあっては、下記する特定の数式(1)、及び数式(2)又は数式(3)を充足することを特徴とするものである。本発明によるエラストマー複合体は、例えば、図1に示すような三次元立体構造とした場合、水平方向(X方向)、前記X方向に対して垂直方向(Y方向)、そして、厚み方向(Z方向)として数値を測定し算出することができる。
本発明におけるエラストマー複合体は、前記エラストマー複合体の水平方向(X方向)における切創力Sxと、前記X方向に対して垂直方向(Y方向)における切創力Syが下記(式1)を満たすものである。
2<Sx/Sy (式1)
本発明におけるエラストマー複合体は、前記エラストマー複合体を前記X方向に沿って50mm、前記Y方向に10mm、厚さ1mmに切り出し、前記X方向に対して引張試験をした際、応力0.5MPaにおける前記X方向の伸び率Exとし、かつ、前記エラストマー複合体を前記Y方向に沿って50mm、前記X方向に10mm、厚さ1mmに切り出し、前記Y方向に対して引張試験をした際、応力0.5MPaにおける前記Y方向の伸び率Eyが下記(式2)又は下記(式3)を満たすものである。
1.5<Ex/Ey (式2)
1.5<Ey/Ex (式3)
が高い数値であるほど駆動部が抵抗なく駆動することが可能となる。
「エラストマー」は、本発明にあっては、主として、弾性を示す化学物質を意味する。本発明にあっては、「エラストマー」は、ゴム、樹脂(熱硬化性樹脂系エラストマー又は熱可塑性エラストマー)、弾性プラスチック等、弾性を示す物質であれば全て包含する。
エラストマーは、それを構成する物質(例えば、モノマー)を重合等することによって調製することができる。重合方法としては、例えば、エラストマーを構成するモノマーをラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、配位重合、重縮合等の重合方法を用いることができ、好ましくはラジカル重合を用いることができる。重合に際しては、重合開始剤、安定剤、促進剤、溶媒、イオン物質、加熱又はUV線等を使用することができる。
本発明にあっては、高分子複合体は、繊維構造体を備えてなるものである。繊維構造体は、高分子複合体において、主として、高強度性(特に、耐切創性)、異方性(伸縮性及び高強度性に関して)として機能するものである。
繊維は、柔軟性、強度性、伸縮性を構築することが可能なものであれば天然又は合成のいずれであってもよいが、好ましくは、(化学)合成繊維が使用される。繊維としては精製繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維、無機物繊維、無機物及び有機物による合成繊維等が挙げられる。
本発明にあっては、高分子と繊維構造体を複合化する。複合化された高分子複合体は、軽量性、柔軟性、伸縮性、及び高強度(特に、耐切創性)、並びに、耐久性及び異方性(伸縮性及び強度性に関する)を発揮させることができる。本発明の好ましい態様によれば、上記諸機能を全て十分に発揮させるために、高分子と繊維構造体の相互作用を適切に調製することが好ましい。
本発明の一の態様として、エラストマー複合体の製造方法を提案することができ、その製造方法は、
エラストマーを構成するモノマーと、繊維構造体とを用意し、
前記エラストマーを構成するモノマーを重合し前記エラストマーを形成し、及び、
前記エラストマーと前記繊維構造体とを複合化することを含んでなり、
前記エラストマー複合体が、
前記エラストマー複合体の水平方向(X方向)における切創力Sxと、前記X方向に対して垂直方向(Y方向)における切創力Syが下記(式1)を満たすものであり、
2<Sx/Sy (式1)
〔式1中、Sx及びSyは、ISO 13997(JIS T 8052)に準拠した測定方法により測定した値である〕
前記エラストマー複合体を前記X方向に沿って50mm、前記Y方向に10mm、厚さ1mmに切り出し、前記X方向に対して引張試験をした際、応力0.5MPaにおける前記X方向の伸び率Exとし、かつ、
前記エラストマー複合体を前記Y方向に沿って50mm、前記X方向に10mm、厚さ1mmに切り出し、前記Y方向に対して引張試験をした際、応力0.5MPaにおける前記Y方向の伸び率Eyが下記(式2)又は下記(式3)を満たすものである。
1.5<Ex/Ey (式2)
1.5<Ey/Ex (式3)
本発明によるエラストマー複合体は機能性材料として使用される。従って、例えば、製品の表層材として使用することができる。特に好ましくは、ロボットの表層材(外装材)として使用することが可能である。従って、本発明にあっては、本発明によるエラストマー複合体で形成された表層材を備えてなるロボットを提案することができる。実際、図2に示す通り、ロボットの関節部分において表層材として使用する。特に、(介護)ロボットは、直接被介護者と触れ合うことから、その表層材には、柔軟性が求められ、かつ、ロボット内部を保護する機能(強度性)及び耐久性が必要であり、他方、ロボットの駆動部(可動領域)においては、伸縮性(可撓性)及び柔軟性(特に、一定方向)を備える必要がある。よって、本発明によるエラストマー複合体は、当該必要性を充足させた(介護)ロボット用表層材として好ましくは使用される。
(1)ポリアリレート繊維編物
22texのゼクシオン繊維(KBセーレン社製)を用意し、これを用いて経編して、厚さ1.03mm、目付61.18g/m2のポリアリレート繊維編物を得た。
(2)ガラス繊維編物
67.5texのガラス繊維(セントラルグラスファイバー社製)を用意し、これを用いて経編して、厚さ0.7mm、目付370g/m2のガラス繊維編物を得た。
下記表1に記載した原料を混合し、各エラストマー1〜5の原料溶液を調製した。表1中、各原料の混合量はモル比で表した。
各エラストマー複合体を以下のようにして調製した。
2枚のガラス板の間に2.0mmのスペーサを挟み込み、その間に、ポリアリレート繊維編物をセットし、エラストマー1の原料溶液を流し込み、ガラス面からUVを10時間照射することでエラストマー複合体1を得た。
エラストマー1の原料溶液を、エラストマー2〜5の原料溶液に代えた以外は実施例1と同様にしてエラストマー複合体2〜5を得た。
ポリアリレート繊維編物を、ガラス繊維編物に代えた以外は実施例1〜5と同様にしてエラストマー複合体6〜10を得た。
ポリアリレート繊維編物を用いなかったこと以外は実施例1〜5と同様にしてエラストマー1〜5を得た。
実施例1〜10のエラストマー複合体及び比較例1〜5のエラストマーに関して、以下の評価を行った。
測定試料(エラストマー複合体およびエラストマー)をX方向に100mm、Y方向に50mmにアラミド繊維用ハサミを用いて切断した。切創力試験装置(TDM−100)の測定部に前記試料片を貼り付け、試験測定用刃物が150mm/minの速度で20mm移動して試験片を切断するときの切断荷重Sxを測定した。同様に、測定試料をY方向に100mm、X方向に50mmに切断した試料を上記と同様に試験を行い、切断荷重Syを測定した。その測定結果は下記表2に記載した通りであった。
測定試料(エラストマー複合体およびエラストマー)をX方向に100mm、Y方向に10mmにレーザーカッターを用いて切断した。この試料片の厚さを測定し、オートグラフ(AG−Xplus、島津製作所製、ロードセル20kN)を用いて、引張速度50mm/minで引張試験を行い、0.5MPaにおける伸び率Exを測定した。同様に、測定試料をY方向に100mm、X方向に10mmに切断した試料を上記と同様に引張試験を行い、0.5MPaにおける伸び率Eyを測定した。その測定結果は下記表2に記載した通りであった。
下記表2に示された通り、本願発明(実施例)は、比較例と対比して、切創力比(Sx/Sy)及び伸び率比(Ex/Ey又はEy/Ex)が高いことがわかる。これらの結果から、特定方向の保護機能および伸縮性において、優れた効果を発揮することが明らかに理解される。
Claims (11)
- エラストマー複合体であって、
エラストマーと、繊維構造体とを備えてなり、
前記エラストマー複合体の水平方向(X方向)における切創力Sxと、前記X方向に対して垂直方向(Y方向)における切創力Syが下記(式1)を満たすものであり、
2<Sx/Sy (式1)
〔式1中、Sx及びSyは、ISO 13997(JIS T 8052)に準拠した測定方法により測定した値である〕
前記エラストマー複合体を前記X方向に沿って50mm、前記Y方向に10mm、厚さ1mmに切り出し、前記X方向に対して引張試験をした際、応力0.5MPaにおける前記X方向の伸び率Exとし、かつ、
前記エラストマー複合体を前記Y方向に沿って50mm、前記X方向に10mm、厚さ1mmに切り出し、前記Y方向に対して引張試験をした際、応力0.5MPaにおける前記Y方向の伸び率Eyが下記(式2)又は下記(式3)を満たすことを特徴とする、エラストマー複合体。
1.5<Ex/Ey (式2)
1.5<Ey/Ex (式3) - 前記エラストマー複合体の伸び率Exが15%以上であり、又は、
前記エラストマー複合体の伸び率Eyが15%以上であることを特徴とする、請求項1に記載のエラストマー複合体。 - 前記化学式(I)で表されるモノマーが、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジ(エチレングリコール)エチルエーテル(メタ)アクリレート、及びトリ(エチレングリコール)エチルエーテル(メタ)アクリレートからなる群から選択される一種又は二種以上の混合物である、請求項3に記載のエラストマー複合体。
- 前記化学式(II)で表されるモノマーが、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレートからなる群から選択される一種又は二種以上の混合物である、請求項3又は4に記載のエラストマー複合体。
- 前記繊維構造体を構成する繊維は、引張強度が1GPa以上であることを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載のエラストマー複合体。
- 前記繊維構造体は、織物、編物、不織布、又は織布であることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載のエラストマー複合体。
- 請求項1〜7の何れか一項に記載のエラストマー複合体を用いた、表層材。
- 請求項8に記載の表層材を備えた、ロボット。
- エラストマー複合体の製造方法であって、
エラストマーを構成するモノマーと、繊維構造体とを用意し、
前記エラストマーを構成するモノマーを重合し前記エラストマーを形成し、及び、
前記エラストマーと前記繊維構造体とを複合化することを含んでなり、
前記エラストマー複合体が、
前記エラストマー複合体の水平方向(X方向)における切創力Sxと、前記X方向に対して垂直方向(Y方向)における切創力Syが下記(式1)を満たすものであり、
2<Sx/Sy (式1)
〔式1中、Sx及びSyは、ISO 13997(JIS T 8052)に準拠した測定方法により測定した値である〕
前記エラストマー複合体を前記X方向に沿って50mm、前記Y方向に10mm、厚さ1mmに切り出し、前記X方向に対して引張試験をした際、応力0.5MPaにおける前記X方向の伸び率Exとし、かつ、
前記エラストマー複合体を前記Y方向に沿って50mm、前記X方向に10mm、厚さ1mmに切り出し、前記Y方向に対して引張試験をした際、応力0.5MPaにおける前記Y方向の伸び率Eyが下記(式2)又は下記(式3)を満たすものである、エラストマー複合体の製造方法。
1.5<Ex/Ey (式2)
1.5<Ey/Ex (式3) - 前記エラストマー複合体が、請求項1〜7の何れか一項に記載のエラストマー複合体である、請求項10に記載の製造方法。
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