[go: up one dir, main page]

JP2019094554A - アルミニウム系多孔質体及びその製造方法 - Google Patents

アルミニウム系多孔質体及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019094554A
JP2019094554A JP2017227612A JP2017227612A JP2019094554A JP 2019094554 A JP2019094554 A JP 2019094554A JP 2017227612 A JP2017227612 A JP 2017227612A JP 2017227612 A JP2017227612 A JP 2017227612A JP 2019094554 A JP2019094554 A JP 2019094554A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum
porous body
skeleton
powder
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017227612A
Other languages
English (en)
Inventor
田中 俊明
Toshiaki Tanaka
俊明 田中
圭太 曽根
Keita Sone
圭太 曽根
奈穂 押山
Nao Oshiyama
奈穂 押山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP2017227612A priority Critical patent/JP2019094554A/ja
Publication of JP2019094554A publication Critical patent/JP2019094554A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

【課題】 多孔質体を構成する三次元網目状構造の骨格の末端における不揃いを改善して、ろう付け接合等を行い易いアルミニウム系多孔質体を提供する。【解決手段】 アルミニウム又はアルミニウム合金で形成される三次元網目状構造の骨格を有するアルミニウム系多孔質体を用意し、骨格末端を有する表層部の少なくとも一部に、骨格末端の不揃いを整える末端処理を施して、所定の面に整列する骨格末端の数を増加させる。骨格末端の不揃いが整えられて、外周面に整列する骨格末端の先端の数が増加し、丸く先太りした先端又は曲折した骨格末端が生じる。【選択図】 図3

Description

本発明は、三次元網目状構造を有するアルミニウム系多孔質体及びその製造方法に関する。
従来、アルミニウム製熱交換器は、車両に搭載されてエバポレータやコンデンサ等として用いられている。熱交換器においては、流体と熱交換器との間の熱伝導を促進するために、流体が流れる流路にアルミニウム製のフィン等が設置されている。フィン等の熱伝導を促進する部材は、その構造によって熱伝導効率が変化するので、接触面積を増加させて熱伝導効率を高めるために、フィンの構造を様々に微細化させる改良が行われている。このようなアルミニウム製の部材をアルミニウム製熱交換器に接合する際には、ろう付け接合が利用され、液状又はペースト状のろう付け用組成物が用いられる。
このような状況において、近年、三次元状に連結する金属製の骨格を有する多孔質体が開発され、特許文献1〜6には、ニッケルや鉄などの金属を用いて製造される多孔質体が記載されている。特許文献1,2においては、金属製の多孔質体を濾過フィルターや触媒担体として利用することが提案されている。
金属製の多孔質体の製造方法には、幾つかの種類があり、特許文献1,2及び4においては、有機質結合材と金属の微小体とを含む液体を多孔質樹脂に塗着した後に、加熱により樹脂を分解する方法が記載される。又、特許文献3においては、発泡樹脂の表面を導電化処理して、表面が導電性を有する樹脂粒子を充填した状態で、電気メッキによって発泡樹脂及び充填粒子の表面に金属を電析させた後に、樹脂を熱分解することが記載される。特許文献5においては、ポリウレタンフォームの表面に粘着剤による粘着性を付与して、ニッケル粉を表面に被着させ、ポリウレタンフォームを加熱により分解することが記載される。特許文献6においては、多孔質の高分子樹脂に、表面酸化した鉄粉末と結合剤との混合物を塗着して、加熱により高分子樹脂を除去し、更に鉄粉を焼結還元することが記載される。
このような金属製の多孔質体は、伝熱性が高く、この性質を活用して、様々な分野での利用が期待できる。本発明者等は、熱伝導を促進する部材への適用によって高い熱交換効率を期待できる構造材として、アルミニウム系多孔質体を開発し、下記特許文献7おいて提案している。
特開平05−339605号公報 特開平08−020831号公報 特開昭57−174484号公報 特公昭61−053417号公報 特開平06−235033号公報 特公平06−142420号公報 特開2016―142420号公報
アルミニウムは軽量であるので、アルミニウム製の部品や部材の使用は、装置や構造体を軽量化する上で極めて有利である。つまり、アルミニウム系多孔質体を、熱交換器等の熱伝導を利用する装置の構成部品に適用することにより、装置の軽量化への貢献が期待される。
上述のような利点を有する一方、アルミニウム系多孔質体を構成する微細な骨格は、破損し易く、外部からの刺激を受けて末端が欠け易い。又、所望の形状に多孔質体を切断加工すると、切断された骨格は、長さにバラツキが生じ易く、多孔質体の表層部における骨格の末端は概して不揃いになる。このため、アルミニウム系多孔質体を所望の被接合面にろう付け接合する際に、長く伸長する骨格末端のみが被接合面に接合されて、先端が接合されない短めの骨格末端が少なからず存在する。このような接合形態では、多孔質体と被接合面との間の伝熱性が低下し、熱伝導性の良いアルミニウム系多孔質体の特質が活かされない。
又、切断加工が不要になるように、最初から所望の形状及び寸法のアルミニウム系多孔質体が得られるような多孔質樹脂を原料として使用した場合であっても、多孔質樹脂の焼失後に得られるアルミニウム系多孔質体は、収縮によって外周面が波打つような歪みが生じる傾向がある。このようなことから、実用上、アルミニウム系多孔質体の切断加工を排除することは難しい。抑も、使用した多孔質樹脂の樹脂骨格にも欠損は生じ得るので、製造されるアルミニウム系多孔質体の骨格にも欠損が引き継がれる。
本発明は、上述の問題を解消し、多孔質体の表層部における骨格の末端の不揃いを整えて、所定の面に沿った良好な接合を実現可能なアルミニウム系多孔質体及びその製造方法を提供し、熱交換器等を含む各種アルミニウム製品へのろう付け接合を容易にすることを課題とする。
本発明者らは、アルミニウム系多孔質体を構成する骨格の末端の状態について検討し、骨格末端の先端を所定の面に整列させることが可能な簡便な手法を見出し、本発明を実現するに至った。
本発明の一態様によれば、アルミニウム系多孔質体の製造方法は、アルミニウム又はアルミニウム合金で形成される三次元網目状構造の骨格を有するアルミニウム系多孔質体を用意することと、骨格末端を有する表層部の少なくとも一部に、前記骨格末端の不揃いを整える末端処理を施して、所定の面に整列する骨格末端の数を増加させることとを有することを要旨とする。
上記末端処理は、前記所定の面を超えて伸長する骨格末端を溶融させて骨格末端を短くする溶融処理を有すると良く、それにより、短くなった骨格末端の先端が前記所定の面に位置する。溶融処理は、例えば、前記所定の面の形状に対応した表面形状を有する熱板を、前記骨格が溶融可能な温度に加熱して前記表層部の少なくとも一部に接触させて、接触する骨格の末端を加熱溶融することと、前記熱板の表面が前記所定の面に対応するように前記熱板を配置することとを有する。或いは、溶融処理は、前記所定の面に沿ってレーザー光を照射することを有してもよく、前記レーザー光によって、前記所定の面を超えて伸長する骨格末端が加熱溶融される。
或いは、上記末端処理は、前記所定の面を超えて伸長する骨格末端を塑性変形させる整形処理を有すると良く、前記整形処理において、伸長する骨格末端を曲折させて前記所定の面に骨格末端の先端を位置させることができる。整形処理は、前記所定の面の形状に対応した表面形状の熱板を、前記骨格が軟化し得る温度に加熱して前記表層部の少なくとも一部に接触させて、接触する骨格末端を軟化させることと、前記熱板の表面が前記所定の面に対応するように前記熱板を配置することとを有すると良く、前記熱板の配置によって軟化した前記骨格末端が曲折する。
前記アルミニウム系多孔質体は、三次元網目状構造を有する多孔質樹脂の表面に、アルミニウム粉末又はアルミニウム合金粉末から選択されるアルミニウム系粉末を付着させることと、前記アルミニウム系粉末が付着した多孔質樹脂を加熱して前記多孔質樹脂を分解焼失させ、前記アルミニウム系粉末の粒子を溶融結合させて前記骨格を形成することとによって用意することができ、前記末端処理を、前記骨格を形成する間に行うと良い。
又、本発明の一態様によれば、アルミニウム系多孔質体は、アルミニウム又はアルミニウム合金で形成される三次元網目状構造の骨格を有するアルミニウム系多孔質体であって、骨格末端を有する表層部の少なくとも一部において、前記骨格末端の不揃いが整えられて、整列する骨格末端の数が増加した外周面を有することを要旨とする。
前記骨格は、前記表層部の少なくとも一部において、丸く先太りした先端を有する。或いは、前記骨格は、前記表層部の少なくとも一部において、骨格の曲折によって前記外周面に位置が揃った末端を有する。
本発明によれば、所望の形状及び寸法に切断されたアルミニウム系多孔質体を用いて、多孔質体を構成する骨格の表層部における骨格末端の不揃いを整えて、所定の面に沿った良好な接合を実現可能なアルミニウム系多孔質体が提供されるので、熱交換器等の各種アルミニウム製品へのろう付け接合が容易であり、被接合面の形状等にも対応可能で、複雑な被接合部へのろう付けが可能になる。
アルミニウム系多孔質体を構成する骨格の状態を簡略的に示す模式図。 アルミニウム系多孔質体へ実施する末端処理の一実施形態を説明する模式図。 図2の実施形態によって得られるアルミニウム系多孔質体を示す模式図。 アルミニウム系多孔質体へ実施する末端処理の他の実施形態を説明する模式図。 アルミニウム系多孔質体へ実施する末端処理の更に他の実施形態を説明する模式図。 図5の実施形態によって得られるアルミニウム系多孔質体を示す模式図。 アルミニウム系多孔質体の製造中に実施される末端処理を説明する概略図。
アルミニウム系多孔質体を構成する微細な三次元網目状構造の骨格は、破損し易く、外部からの刺激を受けて末端の欠損を生じ易い。又、所望の形状に多孔質体を切断加工する際に、放電加工やウォータージェット加工、丸刃加工、超音波加工等が利用されるが、このような力学的作用で切断された骨格末端には、長さのバラツキが生じ易く、多孔質体の表層部における骨格末端は不揃いになる(例えば、図1の模式図参照)。このため、アルミニウム系多孔質体の切断加工面を被接合面にろう付け接合すると、長く伸長する骨格末端のみが被接合面に接合されて、未接合の短めの骨格末端が少なからず存在する。このような接合状態では、接合が弱いだけでなく、多孔質体と被接合面との間の伝熱性が低下し、熱伝導性の良いアルミニウム系多孔質体の特質が活かされない。
本発明では、アルミニウム又はアルミニウム合金で形成されるアルミニウム系多孔質体に、表層部における骨格末端の不揃いを整える末端処理を施して、所定の面に整列する骨格の末端の数を増加させる。つまり、他の骨格末端より相対的に長く伸長する骨格末端を短縮又は変形させて、骨格末端が所定の面に整列したアルミニウム系多孔質体を提供する。このように、骨格末端を整列させる末端処理を施すと、骨格末端が整列した所定の面が多孔質体の外周面となり、その面でろう付け接合すると、骨格末端が良好に被接合面と接合されて、未接合の骨格末端が減少する。従って、良好な伝熱性が発揮される。このような末端処理は、ろう付け接合する部分などのような、骨格末端を整列させる必要がある部分に施せばよい。つまり、末端処理を施す部分は、表層部の少なくとも一部であって良く、勿論、表層部全体に施しても良い。
末端処理は、アルミニウム系多孔質体を構成する骨格の不揃いな末端の先端位置を変更して、整列する末端の数を増加させる処理である。短い骨格末端を伸長することは難しいが、長い骨格末端を短くすることは可能であるので、先端の位置は、相対的に長い骨格末端を短くすることによって変更される。従って、骨格末端を完全に整列させるには、最も短い(長さが不足する)骨格末端に揃えるように所定の面を設定する。但し、これは実用的には効率的ではない場合もある。本発明においては、末端処理は、骨格末端の不揃いを改善するものであり、骨格末端を完全に整列させることは望ましいが、これに限定されない。つまり、末端処理を施したアルミニウム系多孔質体の表層部において、外周面に整列する骨格末端の数が増加し、処理を施さない場合に比べて相対的に多くなる。所定の面の設定によって、骨格末端が整列する度合いは変化する。熱交換器の伝熱促進部材(フィン等)としての用途においては、外周面に整列する骨格末端が90%以上であることが好ましく、より好ましくは95%以上(不揃いな骨格末端が5%未満)であるので、末端処理によって整列する骨格末端の割合がこのような値に増加するとよい。骨格の末端の状態は、顕微鏡観察等によって確認可能であり、また、インク等の標識となる物質を用いて、所定の面への整列/不揃いを判定することも可能である。例えば、所定の面が平面である場合には、多孔質体の外周面をインク液面に接触させた後に紙等に接触させることによって、インク液面(所定の面)に整列する末端数を、紙上に転写されたインクの点数によって容易に確認できる。不揃いな末端は、顕微鏡観察においてインクのない末端として確認でき、末端処理前後の変化としても把握可能である。骨格末端を揃える所定の面は、平面に限定されず、曲面や屈折面であっても良い。湾曲した被接合面にアルミニウム系多孔質体をろう付けするような場合は、所定の面を湾曲面に設定した末端処理を施して、ろう付けによる接合が好適に行える。つまり、所定の面は、多孔質体がろう付けされる被接合面の形状に対応して適宜設定することができる。このような場合においても、上述と同様にして、所定の面(被接合面)と同形状の部材に標識物質を塗布して、多孔質体への転写及び紙面への再転写を行うことによって、骨格末端における標識物質の付着の有無に基づいた整列/不揃いの判別が可能である。
前述したように、末端処理では、相対的に長い骨格末端を短くすることによって先端の位置が変化する。これには、大別して2つの手法が挙げられ、1つは、骨格末端を溶融させて骨格を短くする溶融処理であり、もう1つは、相対的に長い骨格末端を塑性変形させる整形処理である。整形処理は、骨格が軟化して可塑化状態になることが必要であるので、骨格が軟化する程度の温度において実施され、従って、軟化に適した加熱が施される。つまり、溶融処理及び整形処理の何れにおいても、熱が利用され、温度が適正に調整される。実施においては、所定の面の形状に対応した表面形状を有する熱板を用いて溶融処理及び整形処理の何れも行うことができる。末端処理の詳細について、以下に図面を参照して説明する。
アルミニウム系多孔質体を構成する骨格の末端が不揃いである状態は、例えば、図1のように簡略化して示すことができる。この図において、アルミニウム系多孔質体1を構成する骨格2は、切断加工を施した表層部3において骨格末端が不揃であり、長く伸長する骨格末端2aと、短い骨格末端2bとが存在する(実際の骨格における長さのバラツキは多様である)。このようなアルミニウム系多孔質体1の表層部3における骨格末端の不揃いを整えるために、例えば、図2のように、上述の溶融処理を行うことができる。
図2においては、平面状の表面Fを有する熱板P1を用いて、骨格末端が平面状の所定の面S(図中、一点鎖線で示す)に整列するように末端処理される。図2において、所定の面Sは、短い骨格末端2bの先端が位置する平面に設定され、熱板P1は、骨格を形成するアルミニウム又はアルミニウム合金が溶融可能な温度(アルミニウムの融点、又は、アルミニウム合金の液相線温度付近)に加熱される。熱板P1をアルミニウム系多孔質体の表層部3に近づけて、長い骨格末端2aが熱板P1に接触すると、骨格末端2aの先端が加熱されて溶融する。熱板P1を更に所定の面に近づけるにつれて、骨格末端2aの先端の溶融が進行して骨格末端2aが短くなり、熱板P1の表面Fが所定の面Sに一致するように熱板P1を配置し、この後、熱板P1を取り除くと、図3に示すようなアルミニウム系多孔質体1aが得られる。アルミニウム系多孔質体1aにおいて、骨格末端2aは、溶融によって短くなって骨格末端2bと同じ長さになると共に、溶融したアルミニウム又はアルミニウム合金が先端に溜まって丸く先太りした形状の先端2cが形成され、先端2cは所定の面Sに位置する。所定の面Sは、アルミニウム系多孔質体1aの外周面となる。
このように、所定の面の形状に対応した表面形状の熱板を用いて、所定の面を超えて伸長する骨格末端を溶融させて骨格末端を短くする溶融処理によって、不揃いな末端を整える末端処理を行うことができる。所定の面に対応させて熱板を配置させれば、骨格末端の先端は所定の面に位置するように整えられる。熱板P1としては、アルミニウム又はアルミニウム合金の溶融物が付着しない耐熱素材製の板を使用することができる。或いは、そのような耐熱素材を用いて金属板の表面を被覆したものを熱板P1として使用すると、伝熱効率の点で好ましい。好適な耐熱素材として、例えば、アルミニウム及びアルミニウム合金より融点が高い金、銀、銅、鉄等の金属や、カーボン、各種セラミックスが挙げられるが、これらに限定されず、一般的に使用される耐熱素材の中から、溶融物が付着せず伝熱性が良好な素材を適宜選択して利用して良い。熱板P1は、熱供給用の電熱線等を付設すると、加熱状態の維持及び温度制御が容易である。
このような溶融処理は、別の手段を用いても実施可能である。例えば、図4に示すように、レーザー光の照射によっても骨格末端を加熱溶融する溶融処理が可能である。図4においては、照射装置Rが、所定の面Sに沿ってレーザー光をアルミニウム系多孔質体1の表層部3に照射可能なように設置されている。レーザー光の種類には、例えば、ルビーレーザー、アクリル酸樹脂レーザー、ガスレーザー、半導体レーザーなどが挙げられるが、使用可能なレーザー光に特に制限はなく、アルミニウム又はアルミニウム合金を加熱溶融可能なものであればよい。照射装置Rとしては、照射領域の調節及び変更が容易であるものが好適であり、所定の面Sに沿ってレーザー光が照射されるように照射位置及び高さが設定される。アルミニウム系多孔質体1の骨格は、レーザー光の照射を受けると加熱されて溶融されるので、所定の面Sを超えて伸長する骨格末端2aの先端は、表層部3へのレーザー光照射によって加熱溶融され、骨格末端2aは短くなる。従って、溶融した骨格の先端は、丸く先太りした形状になり、図3のアルミニウム系多孔質体1aと同様のものが得られる。末端処理を施す領域全体に照射が行き渡るように、照射装置の照射光幅などに応じて適宜照射位置を走査するとよい。又、骨格末端の最も先端側(外周側)から照射を開始して、骨格の溶融状態を確認しながらレーザー光の照射を所定の面Sに近づけると、溶融した骨格末端の先端位置を精密に制御することが容易になる。
図5は、末端処理のもう一つの手法である整形処理を説明する図である。この処理で使用される熱板P2は、図2の実施形態において使用される熱板P1と同じものを使用可能であり、熱板P2と図2の熱板P1との違いは、加熱温度の設定にある。つまり、図5の熱板P2の温度は、骨格が軟化し得る温度に設定され、アルミニウム系多孔質体の骨格が溶融する温度より低い温度である。従って、加熱された熱板P2を表層部3に接触させても、骨格末端2aは溶融しないが、軟化して塑性変形が可能になる。そのため、熱板P2を所定の面Sに近づけると、骨格末端2aは、熱板P2によって撓められて先端が所定の面Sに近づけられる。熱板P2の表面Fを所定の面Sに対応させて配置した後に熱板P2を取り去ると、図6に示すように、骨格末端2aが曲折したアルミニウム系多孔質体1bが得られる。このように、整形処理においては、熱板P2の接触によって、所定の面Sを超えて伸長する骨格末端2aが軟化して塑性変形し、所定の面Sに沿うように屈折する。従って、骨格末端2aの先端は、短い骨格末端2bの先端と共に所定の面S上に位置し、これがアルミニウム系多孔質体1bの外周面になる。
図5及び図6に示すような末端処理において、熱板P2の温度は、具体的には、アルミニウム多孔質体の場合は、アルミニウムの融点より低く、融点との差が100℃程度以下である温度が好適であり、アルミニウム合金多孔質体の場合は、アルミニウム合金の液相線温度より低く、液相線温度との差が100℃程度以下である温度が好適である。上記の範囲より低い温度では、骨格の軟化が不十分で、熱板P2との接触によって折損し易くなり、変形させる必要がない箇所の骨格を歪ませる場合もある。上記の範囲より高い温度では、骨格の半融状態によって太さが不均一に変形し易い。但し、融点又は液相線温度に近い温度では、実質的に図2及び図3で示した溶融処理と同様になる。
上述のような末端処理は、必要以上に長時間を掛けると、溶融又は軟化する部分が所定の面Sを超えて拡がり、末端を揃えることが実質的に困難になるので、望ましくない。従って、末端処理は、骨格が変化する状況を確認しながら、適切なタイミングで終了する。
図2及び図5に示すような熱板を用いる末端処理は、熱板の表面形状を変更することによって、所定の面Sを他の形状に変更することができる。例えば、湾曲した被接合面にアルミニウム系多孔質体をろう付け接合するような場合、切断加工によって被接合面に対応した形状に切断した後に、更に、被接合面に対応した表面形状を有する熱板を用いて、アルミニウム系多孔質体の切断面に上述の末端処理を施して末端の不揃いを整えるとよい。
図1〜図6を参照して説明した末端処理は、既に製造されたアルミニウム系多孔質体に対して施され、特に、切断加工等によって表層面における骨格末端の不揃いが著しくなった加工面へ施すのに適している。一方、アルミニウム系多孔質体は、外周面が真っ直ぐな平面である多孔質樹脂を用いて製造しても、樹脂の焼失(脱脂)後に得られる多孔質体の外周面が、収縮によって多少波打った凹凸形状になる傾向がある。このような場合にも、上述の末端処理を施すと、表層面の骨格末端が溶融又は変形することによって、凹凸を解消することができる。
上述のような末端処理は、アルミニウム系多孔質体の製造中に施すように変更することも可能である。アルミニウム系多孔質体は、三次元網目状構造のひな型として多孔質樹脂を用いて、アルミニウム系粉末(アルミニウム粉末又はアルミニウム合金粉末)から製造することができる。具体的には、多孔質樹脂表面にアルミニウム系粉末を付着させ、加熱によって多孔質樹脂を熱分解させて焼失させ(脱脂)、更に温度を上げてアルミニウム系粉末粒子を融着によって結合させることによって、多孔質体を構成する骨格が形成される。このような製造プロセスにおいて、脱脂後のアルミニウム系粉末粒子を融着によって結合する間に、熱板を用いた末端処理を施すことにより、表層部における骨格の末端が整った多孔質体が得られる。加えて、多孔質体表面に波状の歪みが生じるのを抑制することができる。融着によって脱脂後のアルミニウム系粉末粒子を結合する間に行う末端処理としては、溶融処理が施される。尚、炉内において、骨格形成後に連続して末端処理を行うことも可能であり、この場合は、溶融処理及び整形処理の何れも適用可能である。アルミニウム系多孔質体の製造中に施す末端処理は、例えば、図7に示すような設備を利用して実施できる。
図7は、脱脂後のアルミニウム系粉末粒子を溶融結合すると共に末端処理を施すために炉内に設置される設備の一例を示す。この設備は、一対の直方体形のスペーサーブロックB、一対の直方体形の制御片C、及び、平板状の熱板P3を用いて構成される。スペーサーブロックB及び熱板P3は、アルミニウム系粉末を表面に付着させた多孔質樹脂1’と同程度以上の長さを有する。
スペーサーブロックBは、図示するように、多孔質樹脂1’の幅より多少広い間隔を置いて並設され、スペーサーブロックBの間に多孔質樹脂1’が据えられる。スペーサーブロックBは、各々、所定の面Sのレベルと同じ高さを有し、頂部に溝穴Hが形成されている。溝穴H内には、各々、アルミニウム系粉末と同程度の融点を有する素材製の制御片Cが設置される。そのような制御片Cの素材として、例えば、アルミニウム系多孔質体の原料粉末であるアルミニウム系粉末の圧粉体や同組成の鋳造材を好適に使用できるが、これらに限定されない。制御片Cは、上に熱板P3を支持した状態において熱板P3と多孔質樹脂1’の上面が接触しないような高さのものが使用される。
図7の状態において、炉内を加熱して多孔質樹脂を焼失させ、更に、温度を上げて、アルミニウム系粉末粒子の融着による接合を開始すると、アルミニウム系多孔質体の骨格形成が始まると共に、制御片Cも溶融し始め、これにより、熱板P3が下降し始める。下降する熱板P3の下面によって、形成される骨格の上面が徐々に押圧され、溶融する骨格末端が丸い先太の形状に変化する。制御片Cが完全に溶融すると、熱板P3は、スペーサーブロックBの頂部によって支持され、熱板P3の下面が所定の面Sと一致するように位置決めされる。制御片Cの溶融物は、溝穴H内に貯留される。炉内を冷却して骨格形成及び末端処理を終了し、熱板P3を取り除いて、骨格形成が終了したアルミニウム系多孔質体を回収する。これにより、アルミニウム系多孔質体の上側の表層部全体における骨格の末端が図3のような状態であるアルミニウム系多孔質体が得られる。尚、上述のようにアルミニウム系粉末の融点(液相線温度)以上の温度でアルミニウム多孔質体の骨格形成及び末端処理が進行する場合、熱板P3は、炉内の加熱によって同温度に加熱されるので、電熱線等の熱供給手段は必要ない。
上述のように、必要に応じて末端処理を施すことによって、被接合面に対応して整った末端を有する骨格で構成されるアルミニウム系多孔質体が得られる。故に、例えば、熱交換器の要部を構成する扁平管内に多孔質体を配置してろう付け接合すると、多孔質体が骨格末端で良好に接合され、多孔質体を介して扁平管と流体との間の良好な熱伝達が可能である。末端処理は、切断加工などによって多孔質体の表層部の骨格末端が不揃いになった場合だけでなく、製造直後のアルミニウム系多孔質体の外面に歪みがある場合にも有用であり、多孔質体の骨格末端の不揃いや外面形状の歪みを整えて、ろう付け接合等を好適に行えるアルミニウム系多孔質体を提供可能である。
末端処理は、アルミニウム系多孔質体の表層部の一部又は全てに施すことができ、末端処理によって骨格末端を整列させる所定の面は、平面又は曲面の何れであってもよく、熱板の表面形状によって対応可能である。従って、直方体や多角柱状の多孔質体だけでなく、円柱や楕円柱のような湾曲した表面形状の多孔質体についても、表層部の骨格末端を整えることができる。多角柱状の多孔質体における対向する一対の側面に末端処理を施すと、両側面でろう付け接合することができ、安定した接合が得られる。このような複数面に対する末端処理は、一面毎に末端処理を施しても、或いは、複数面に同時に末端処理を施してもよい。一対の面に末端処理を同時に施す場合、末端処理を施す面を上下に配置して、上下から熱板を接触させて良好に処理することができる。但し、重力負荷を考慮すると、末端処理を施す面を側面に配置して、両側から横方向に熱板を接触させると、両面に均等に末端処理を施すことができる。円柱状の多孔質体の湾曲する側面全体に対しては、所定の面に対応する内径を有する円管を軸方向に分割した形状の熱板を用いて、多孔質体を挟持するように熱板を押圧することにより、末端処理を良好に施すことができる。
アルミニウム系多孔質体及びその製造方法について以下に記載するが、本発明においては、基本的に、市場から入手可能なアルミニウム系多孔質体を適宜選択して使用することができ、その製造法も特に制限はない。しかし、以下に記載する調製に従って、熱伝導促進に優れた好ましい性状のアルミニウム系多孔質体を得ることができ、本発明に従って表層部の骨格末端を揃えたアルミニウム系多孔質体は、各種金属装置へ接合して利用することにより、優れた伝熱性が発揮される。
(アルミニウム系多孔質体)
アルミニウム系多孔質体は、アルミニウム又はアルミニウム合金製の三次元網目状構造の骨格によって、三次元に連通する気孔(連通孔)が形成された多孔質体である。用途に応じて任意のアルミニウム系多孔質体を選択して、ろう材シートとの一体化及び被接合面へのろう付け接合を実施することができる。従って、アルミニウム系多孔質体の気孔率についても特に制限されず、必要に応じて適切な気孔率及び細孔径の多孔質体を選択して使用すればよく、概して、気孔率が80〜98%程度、細孔径(円相当径)が30〜4000μm程度のアルミニウム多孔質体が利用できる。熱交換器の伝熱促進用部材として用いる場合、流体との接触効率及び流通抵抗等の観点から、92〜98%程度の気孔率(多孔質体単位容積当たりの気孔(空隙)の体積の割合)を有する多孔質体が好ましく、更に好ましくは、気孔率が95〜97%程度の多孔質体を使用すると良い。気孔寸法は800〜2000μm程度が好ましい。尚、気孔率は、アルミニウム系多孔質体の密度と、アルミニウム(又はアルミニウム合金)の密度(真密度、アルミニウム:2.7g/cm3)とから計算によって求めることができ、多孔質体の密度は、多孔質体の体積及び質量の測定によって得られる。
(アルミニウム系多孔質体の製造方法)
アルミニウム系多孔質体の製造方法について、特に制限はなく、製造方法の如何に関わらず、用途に適した性状のアルミニウム系多孔質体を使用すればよい。アルミニウム系多孔質体を手元で調製する場合、アルミニウム系粉末(アルミニウム単味粉末又はアルミニウム合金粉末)を用いて調製することができる。具体的には、連通孔を有する多孔質樹脂(発泡樹脂)の表面にアルミニウム系粉末を付着させて、加熱により多孔質樹脂を分解焼失させる。加熱時に、アルミニウム系粉末を除く殆どの成分が熱分解して消失し、微量の炭素、ケイ素分のみが残る。アルミニウム(又はアルミニウム合金)の融点以上で加熱することによって、アルミニウム系粉末の粒子内部は溶融するが、粒子表層部に存在する酸化被膜や微量成分などは、粉末粒子によって形成される三次元構造を維持し、溶融したアルミニウム(又はアルミニウム合金)が粒子表層部上を濡れ拡がって反応し、アルミニウム(又はアルミニウム合金)多孔質体が形成される。これを冷却することによって、アルミニウム(又はアルミニウム合金)は三次元構造を維持した状態で固化し、アルミニウム系多孔質体が得られる。
アルミニウム系粉末を多孔質樹脂の表面に付着させる手法には、電気メッキ法や、乾式法、湿式法などが挙げられ、何れの方法であっても良い。乾式法は、多孔質樹脂の表面に粘着性を付与してアルミニウム系粉末を付着させる方法であり、粘着剤溶液又は接着性を有する樹脂の溶液を多孔質樹脂表面に塗布し、乾燥して粘着性を付与する。これを、アルミニウム系粉末中で多孔質樹脂を揺動させる、或いは、アルミニウム系粉末を多孔質樹脂に吹き付けて、粉末を付着させる。粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等が挙げられ、接着性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂などが挙げられるが、これらに限定されることなく、入手可能なものから適切なものを選択して使用して良い。粘着剤溶液及び接着性樹脂溶液を構成する溶媒としては、これらを溶解可能で揮発性が良い溶媒を使用すればよい。
湿式法では、アルミニウム系粉末を分散媒中に分散したスラリー状の分散液を調製し、この分散液中に多孔質樹脂を浸漬する等によって分散液を多孔質樹脂に含浸した後に多孔質樹脂を取り出して、余剰の分散液を多孔質樹脂から除去して乾燥する。これにより、アルミニウム系粉末が表面に付着した多孔質樹脂を簡便に得ることができる。分散媒として、アルコール類等の揮発性溶媒や水を好適に使用でき、分散媒に結着剤を溶解することによって、アルミニウム系粉末粒子の付着性を高めることができる。又、分散剤を分散媒に配合することによって、アルミニウム系粉末粒子の沈降を抑制して粒子の分散状態を安定化することができる。湿式法においては、アルミニウム系粉末分散液の粘度を調整することによって、多孔質樹脂表面に付着するアルミニウム系粉末の量を調節することができる。この点に関しては、後述する。
(アルミニウム系粉末)
アルミニウム系粉末は、アルミニウム系多孔質体の骨格を形成する粉末であるので、その組成は、アルミニウム系多孔質体に求められる熱伝導率、比重、強度(硬度、脆性、展延性)等を考慮して、純アルミニウム及びアルミニウム合金から選択される。具体的には、純度が99.5質量%以上の純アルミニウム粉末の他、アルミニウムの機械的強度や耐食性を向上させる成分や焼結温度を低温に低下させる成分を予め合金化したアルミニウム合金粉末を用いることができる。このような合金化成分としては、例えば、銅、マンガン、亜鉛、ケイ素、カルシウム、マグネシウムなどが例示できる。但し、焼結やろう付けを阻害する因子であるマグネシウムの含有量は、0.5質量%以下に設定することが望ましい。銅、マンガン、マグネシウム、ケイ素などの合金化成分を配合して予め合金化したアルミニウム合金は、得られるアルミニウム系多孔質体の強度を向上させるのに有用である一方で、熱伝導率はアルミニウム単味組成の場合よりも低下する。従って、所望の物性が得られるように合金化成分の含有量を調節するとよい。このような観点から、アルミニウム以外の元素の総含有量は、10質量%以下とすることが好ましく、5%以下とすることがより好ましい。上記含有量に設定することで、優れた伝熱性能および機械的強度を維持できる。市販のアルミニウム系粉末製品から適宜選択して使用して良く、市販のアルミニウム粉末製品としては、例えば、エカグラニュラー株式会社製の25E及び35C(何れも商品名)、ミナルコ株式会社製の噴霧アルミニウム粉#300A、#500A、#600F(何れも商品名)などが挙げられる。
アルミニウム系粉末は、粒子が大きいと、多孔質樹脂表面に密に付着することが難しくなると共に、粉末粒子自体の質量増加によって多孔質樹脂表面から脱落し易くなって付着量が減少する。このため、微細なアルミニウム系粉末を使用することが好ましく、平均粒径が50μm程度以下である粉末が好適である。更に、粒径が100μmを超える粒子を含まないことが好ましく、100μmを超える粒子を除去することで、多孔質樹脂表面からの脱落を良好に防止することができる。但し、アルミニウムは活性な金属であるので、過度に微細な粉末は、取り扱いが難しい。この点を考慮すると、平均粒径が1μm程度以上且つ50μm程度以下であるアルミニウム系粉末が好適である。好ましくは、アルミニウム系粉末の平均粒径が1.0〜20μmであると良く、約6μm程度であると最良である。尚、ここで用いている平均粒径は、メジアン径(D50)、つまり、累積分布が50体積%となる粒径であり、日本工業規格(JIS)の8825に規定されるレーザー解析法によって測定することができる。具体的には、レーザー回折散乱式マイクロトラック粒度分布計等を用いて測定される粒度分布のメジアン径(D50)として求めることができる。
(連通孔を有する多孔質樹脂(発泡樹脂))
多孔質樹脂(以下、単に「発泡樹脂」ということがある。)は、アルミニウム系多孔質体の骨格を形成する型の役割をする基体であるので、三次元状に連結する骨格を有し、その骨格によって三次元状に連結する気孔(連通孔)が形成される三次元網目状構造の多孔質樹脂が用いられる。このような多孔質樹脂を基に、樹脂表面にアルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末を付着させて、アルミニウム系多孔質体の骨格形状に対応した粉末層が形成される。多孔質樹脂は、加熱によって分解焼失させるので、熱分解残渣が実質的に残らないような熱分解性の組成を有する樹脂が好適に使用される。具体例としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、シリコーン、ポリエステル等の樹脂の発泡体や、これらの樹脂から生成される繊維構造体(織布、不織布)等を用いることができる。市販の多孔質樹脂としては、例えば、(株)ブリジストン製のポリウレタンフォーム(商品名:エバーライトSF)等が挙げられる。このような多孔質樹脂は、熱分解後には、ほとんどの成分が分解焼失して微量の炭素(及びケイ素酸化物、シリコーン樹脂の場合)が残るのみである。
(アルミニウム系多孔質体及び多孔質樹脂(発泡樹脂)の気孔率)
前述のように、アルミニウム系多孔質体の気孔率は、基本的に、用途に対応した適正な値であればよく、ろう付けに関連して気孔率の適正な範囲は限定されないが、熱伝導促進を目的として熱交換器に搭載する用途においては、92〜98%程度の気孔率(多孔質体単位容積当たりの気孔(空隙)の体積の割合)を有するアルミニウム系多孔質体が好ましい。これに基づくと、アルミニウム系多孔質体の成形型である多孔質樹脂も、上述のアルミニウム系多孔質体に対応した形状を有するものが使用され、92〜98%程度の気孔率(多孔質体単位容積当たりの気孔(空隙)の体積の割合)を有する多孔質樹脂が好ましい。多孔質樹脂の気孔率も、多孔質樹脂の単位体積に占める気孔の体積の割合を示し、多孔質樹脂の体積及び質量の測定から得られる発泡樹脂の密度と、発泡する前の樹脂の密度とから、計算によって求めることができる。尚、多孔質樹脂表面へアルミニウム系粉末を付着させる際に、多孔質樹脂の気泡寸法が小さいと、目詰まりを生じ易くなる。発泡樹脂においては、起泡数が増加するにつれて気泡の成長が抑制される傾向があるので、目詰まりを生じることなく気泡内面にアルミニウム系粉末を良好に付着させることが可能な多孔質樹脂は、連通孔の密度を示すセル数(ppi、pore per inch:気孔数/インチ)に基づいて選択することができる。この点において、セル数が8〜40ppiであると、熱伝導促進用のアルミニウム系多孔質体を調製する上で好適である。セル数が40ppiの多孔質樹脂における平均セル中心径は0.64mm、8ppiにおける平均セル中心径は3.18mmである。特に、セル数が13〜20ppi(平均セル中心径:1.27〜1.95mm)の多孔質樹脂が好ましく、このような多孔質樹脂を用いて調製されるアルミニウム系多孔質体は、気孔内の流体流れが滑らかで、熱伝導も良好である。
尚、本願において、アルミニウム多孔質体の気孔率(%)は、多孔質体の寸法測定(縦の長さ、横幅及び厚み)及び重量測定による測定値に基づいて計算されるアルミニウム多孔質体の密度から算出され、アルミニウムの密度として2.7g/cmを採用している。又、ウレタンフォームの気孔率も同様の測定に基づいて算出され、その際のウレタンの密度として1.3g/cmを採用している。
(アルミニウム系粉末の多孔質樹脂表面への付着)
前述したように、アルミニウム系粉末は、電気メッキ法や乾式法、湿式法などを利用して多孔質樹脂表面へ付着させることができる。乾式法及び湿式法では、多孔質樹脂表面に粘着性を付与する粘着剤やアルミニウム系粉末の付着性を高める結着剤が使用される。さらに粉末表面の腐食が進行するのを抑制する成分や、アルミニウム系多孔質体の骨格を形成する加熱の際に粉末の焼結促進に寄与する成分を添加することが好ましい。また、アルミニウム系粉末の分散安定剤や撹拌時に生じる泡を抑制する消泡剤等を添加しても良い。
又、湿式法においては、多孔質樹脂に付着させるアルミニウム系粉末の量を、用いるアルミニウム系粉末分散液の粘度の調整によって調節することができるという利点がある。更に、分散媒の流動に伴ってアルミニウム系粉末が容易に濡れ広がるので、多孔質樹脂表面に粉末粒子を十分に付着させる点においても湿式法は優れている。以下に、湿式法で使用されるアルミニウム系粉末分散液について記載する。
(アルミニウム系粉末分散液)
アルミニウム系粉末分散液の分散媒としては、水又はアルコール類等の揮発性を有する液体が使用可能である。分散媒としてアルコール類を使用する場合、揮発した溶媒が周囲に放出される点を考慮して、環境への流出を防止可能な装置や施設環境を整える必要がある。この点において、水を分散媒として使用するのが有利である。
アルミニウム系粉末の水性分散液を調製するに当たり、アルミニウム系粉末を多孔質樹脂表面に付着させるための結着剤が配合される。結着剤としては、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル樹脂、水溶性セルロース等の水溶性高分子が使用可能である。数%程度の濃度で結着剤を含む水性分散媒にアルミニウム系粉末を添加混合してスラリー状の分散液を調製する。必要に応じて分散剤を配合することによって、分散液の安定性を高めることができる。
アルミニウム系粉末の粒子は、表面に酸化被膜を有する。液相線温度以上に加熱した場合、内部のアルミニウム(又はアルミニウム合金)が溶融(液相化)し、熱膨張して次第に酸化被膜を破裂させる。被膜を破って膜外に濡れ広がった溶融アルミニウム(又はアルミニウム合金)の広がりによって粉末粒子同士が結合する。しかし、加熱温度が液相線温度未満である場合、酸化被膜が維持されると拡散接合は進行し得ず、粉末粒子同士は結合しない。アルミニウム系粉末粒子を結合させる上で、酸化皮膜に対する溶融アルミニウムの濡れ性を向上させるような成分や酸化被膜の形成を抑制可能な成分は有用である。この点に関して、アルミニウム系粉末の粒子表面と反応する官能基を有する界面活性剤は有用であり、分散液に配合すると好ましい。陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤などの界面活性剤が有用であり、具体的には、シラン系界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、カルボン酸エステル系界面活性剤、カテコール系界面活性剤、アミン系界面活性剤、チオール系界面活性剤、アルキン系界面活性剤、アルケン系界面活性剤などが挙げられる。特に、リン酸エステル化合物、ポリオキシエチレンアルキルフェノールのようなエポキシ化合物又はアクリル化合物とリン酸とがエステル化したリン酸エステルが、高温での反応性の点において好ましく、炭素数が10〜18程度の脂肪族リン酸モノエステルがより好ましい。界面活性剤の添加量は、結着剤を含む分散媒100質量部に対して0.1〜10.0質量部となるように設定すると、アルミニウム系粉末粒子の腐食防止の点で好ましく、より好ましくは0.5〜5.0質量部とするとよい。
アルミニウム系粉末の酸化被膜は、分散液を酸性に調整すると、エッチング効果によって薄くすることができる。リン酸、フッ化物等を使用して酸性化すると、エッチング効果が高いが、酸化被膜のエッチングによって水素が発生する場合があり、これが気泡として粉末粒子に存在すると、アルミニウム系粉末が多孔質樹脂表面に付着するのを阻害する。このような点を考慮して、pHに留意してアルミニウム系粉末の分散液を調製し、必要に応じて、アルミニウムの腐食抑制剤を使用すると良い。
(粘度の調整による付着量の調節)
多孔質樹脂に付着させるアルミニウム系粉末の量は、用いるアルミニウム系粉末分散液の粘度の調整によって調節することができる。つまり、分散液の粘度が高いと、多孔質樹脂表面に付着するアルミニウム系粉末の量が増加し、粘度が低いと、付着するアルミニウム系粉末の量は低下する。付着量が過剰であると、後続の加熱時に型くずれが生じ易いので、多孔質樹脂表面に付着するアルミニウム系粉末の厚さが500μm程度以下であるような付着量に調整すれば、型くずれが抑制されて、好適な太さの骨格を有するアルミニウム系多孔質体が得られる。アルミニウム系多孔質体の骨格が細いと強度が不足するので、骨格の太さとしては50〜500μm程度であるのが好ましく、多孔質樹脂への付着量としては、10〜200μm程度の厚さが好適である。この観点から、分散液の粘度は、25℃において50Pa・s程度以上且つ500Pa・s程度以下(50rpmでの値)であることか好ましい。尚、粘度測定は、粘度計を用いて測定することができ、例えば、東機産業株式会社製の粘度計(商品名:TVB10形)を用いて、粘性トルクによる2枚のスリット円盤のねじれ角を検出し、この値を粘度に換算することができる。
(アルミニウム系粉末の付着)
上述のように調製したスラリー状のアルミニウム系粉末分散液を多孔質樹脂に含浸させ、全体に分散液が浸透した多孔質樹脂から余剰のスラリーを取り除いて乾燥することによって、アルミニウム系粉末が表面に付着した多孔質樹脂が得られる。分散液に浸漬した多孔質樹脂を、必要に応じて、上下逆転させる、又は、軽く圧縮すると、全体への浸透が促進される。又、分散液から引き上げた多孔質樹脂の気孔中に余分な分散液が残留する場合は、絞りロール等を用いて圧搾により排出すればよい。圧搾程度によって、多孔質樹脂表面に付着するアルミニウム系粉末の量を調整することも可能であり、一定の圧搾工程を実施することで、付着量のバラツキを抑制することも可能である。
多孔質樹脂の乾燥は、加熱を伴っても非加熱であってもよい。加熱乾燥を行う場合は、多孔質樹脂が変形しない温度で乾燥することが好ましい。乾燥の後に、多孔質樹脂の熱分解のための加熱を施すので、乾燥と熱分解とを連続して行うように加熱温度を設定しても良い。但し、気化した分散媒が加熱装置に不具合を生じる場合は、気化物を速やかに排出可能な加熱装置を使用する。
(多孔質樹脂の熱分解及びアルミニウム系多孔質体の骨格形成)
乾燥によって得られるアルミニウム系粉末が付着した多孔質樹脂は、加熱が施され、これにより多孔質樹脂を熱分解によって焼失させる。多孔質樹脂を焼失させる加熱温度は、使用した多孔質樹脂の組成によって適宜設定すれば良く、概して400〜550℃程度において焼失可能である。粘着剤や結着剤のような有機成分も、この加熱によって同様に焼失可能である。尚、アルミニウム系粉末の酸化を防止するために、加熱は、全て非酸化性雰囲気中で行うのが適切である。具体的には、窒素ガスやアルゴンガスなどのような不活性ガス雰囲気中、水素ガス又は水素混合ガスなどの還元性ガス雰囲気中、或いは、減圧(真空)下の何れかにおいて行うとよい。アルミニウム系粉末粒子を焼結によって結合させる場合、界面活性剤の作用による酸化被膜の欠損を利用して焼結を進行させるためには、酸化を防止することが重要である。
多孔質樹脂の熱分解温度は、アルミニウムの溶融結温度より低いので、多孔質樹脂が分解焼失する加熱温度では、アルミニウム系粉末の粒子は互いに結合しておらず、強度のある骨格は形成されていない。従って、アルミニウム系多孔質体の骨格に強度を付与するために、より高い温度での加熱を行って、融着によって粉末粒子同士を結合させる。
融着による結合は、アルミニウムの融点(660.4℃)又はアルミニウム合金の液相線温度以上での加熱によって粉末粒子を溶融一体化させた後に冷却し、冷却固化によって粒子同士の結合が固定化する。高融点の酸化被膜(アルミナ)は、溶融時に亀裂を生じ、内部から溶出するアルミニウム又はアルミニウム合金に包まれ、結合した粒子の内部で芯として機能する。加熱温度は、融点又は液相線温度より100℃以上超えないことが好ましい。
アルミニウム合金において、液相線温度未満であって固相線温度以上である温度領域は、温度に応じて液相が形成されるので、酸化被膜による阻害がなければ、原子拡散による焼結や液相を通じた結合が進行可能である。つまり、600℃程度以上且つ660.4℃未満の温度範囲、特に、液相線温度との差が20℃以下となる範囲は、酸化被膜に欠損があるアルミニウム合金粉末粒子同士の結合が可能な温度となる。アルミニウム合金粉末の加熱温度を液相線温度に近づけると、生じる液相量は多くなるので、酸化被膜が薄く破裂し易ければ、液相線温度以上での加熱の場合と同様に、融着によって粒子同士が結合し得る。真空での加熱は、焼結を進行し易くする上で有効であり、10−3Pa以上の真空度の適用は好ましい。アルミニウム系粉末表面に結合する界面活性剤は、表面の酸化進行を抑制する。
融着によって、アルミニウム系粉末粒子が一体化して多孔質体の骨格が形成される。前述の末端処理は、上述の多孔質体の骨格形成を行う加熱の間に並行して、或いは、骨格形成に連続して行うことも可能である。この場合、アルミニウム系多孔質体の骨格形成を行う加熱炉内に、アルミニウム系粉末が付着した多孔質樹脂と共に末端処理用の熱板を設置する。末端処理によって、長い骨格末端が溶融して短縮され、丸く先太った先端が形成される。
骨格が形成された多孔質体は、融点(又は液相線温度)よりも低い温度、一般的には室温(1〜30℃程度)まで冷却する。加熱中に熱膨張したアルミニウム(又はアルミニウム合金)は、冷却により収縮し、多孔質樹脂の三次元網目構造に沿った形状を維持したまま骨格形状が固定化されて、アルミニウム系多孔質体が得られる。骨格内部には、多孔質樹脂に起因する空隙が存在し得る。金属組織構造の形成は冷却速度による影響を受けるので、材料強度等の物性を考慮して、冷却速度を適宜設定するとよい。
従来法によって得られるアルミニウム系多孔質体、又は、切断加工を施して所望の寸法形状に加工した多孔質体に対しては、前述の末端処理は、被接合部への接合に適した外周面形状にとなるように、必要に応じて所望の部分に施され、これにより、骨格末端が整った表層部において多孔質体と被接合面とのろう付け接合を好適に形成することができる。
(アルミニウム系多孔質体のろう付け接合)
必要に応じて末端処理が施されたアルミニウム系多孔質体は、ろう材を含んだ液状又はペースト状のろう付け組成物を塗布した被接合面に密接するように組み付けて、ろう付け温度に加熱することによって、被接合面に接合される。或いは、多孔質体の骨格末端にろう付け組成物を塗布して接合しても良い。末端処理によって骨格末端が揃っているので、良好な接合が形成される。ろう材としては、例えば、ケイ素を含むアルミニウム合金が好適である。エロージョンの抑制及び濡れ広がりの観点から、ケイ素含有量が3質量%以上且つ12質量%以下であるAl−Si二元合金が好ましく、JIS規格におけるA4343(Al−7Si)、A4045(Al−10Si)、A4047(Al−12Si)等の合金が挙げられるが、これらに限定されない。ろう付け温度は、ろう材の組成における液相線温度以上、好ましくは液相線温度との差が10℃程度以内の温度に設定すると良い。ろう付け温度での加熱時間は、必要最小限にすることが望ましく、具体的には、0.5分〜10分程度が好ましい。ろう付け温度での加熱が終了後、速やかに冷却を行って、過剰な加熱によるエロージョンを防止することにより、被接合面に好適にろう付け接合されたアルミニウム系多孔質体が得られる。
(末端処理例1)
三次元網目状構造を有するアルミニウム製骨格で構成されるアルミニウム多孔質体を用意した。この多孔質体の連通孔の大きさは、円相当径で1.0mmであった。これを放電加工によって切断して、縦50mm×横50mm×厚さ(高さ)20mmの厚板状の多孔質体を多数作成し、以下において試料片として用いた。尚、切断加工後の試料片の表層部における骨格末端の状態を光学顕微鏡で観察し、ピント位置を参照しながら末端が不揃いな領域の深さを測定したところ、0.3mmであった。
熱板として、縦100mm×横100mm×厚さ5mmの平板状のカーボン板を用意した。このカーボン板を750℃に加熱し、上述で作成した1つの試料片の表層部に接触させて、最外面から深さ0.3mmの位置までカーボン板を徐々に押し込むことによって、末端処理を施した。この後、カーボン板を取り除いて、試料片を回収した。
末端処理後の試料片について、カーボン板を接触させた表層部を光学顕微鏡で観察したところ、図3のような丸く先太った先端を有する骨格末端が多数確認された。この試料片の表層部を、0.1mmの厚さで黒インクを塗布したガラス平板に接触させて、表層部の骨格末端に黒インクを転写した。この表層部を白紙に接触させて、白紙に転写された黒点の数を数え、面積当たりの黒点数を計算したところ、56個/cm2であった。
一方、末端処理を施していない試料片について、上述と同様に、黒インクを塗布したガラス板に表層部を接触させて黒インクを転写し、更に、アルミニウム多孔質体から白紙に黒インクを転写して、白紙上の面積当たりの黒点数を計算したところ、27個/cm2であった。
上記から、カーボン板を用いた末端処理によって、アルミニウム多孔質体の外面において平面上に位置する骨格末端の数が約2倍に増加したことが明らかである。
(末端処理例2)
上記の末端処理例1で切断加工によって作成した試料片の一つを用いて、以下の操作による末端処理を行った。
炭酸ガスレーザーの照射装置を用意し、試料片の上面の表層部にレーザー光を水平に照射して末端処理を施した。この際、レーザー光の照射領域は、試料片の最外面から深さ0.3mmの位置までに設定した。
末端処理後のアルミニウム多孔質体試料について、レーザー光を照射した表層部を光学顕微鏡で観察したところ、図3のような丸く先太った先端を有する骨格末端が多数確認された。このアルミニウム多孔質体試料の表層部を、0.1mmの厚さで黒インクを塗布したガラス板に接触させて、表層部の骨格末端に黒インクを転写した。この表層部を白紙に接触させて、白紙に転写された黒点の数を数え、面積当たりの黒点数を計算したところ、56個/cm2であった。従って、上記結果から、レーザー光を用いた末端処理によって、アルミニウム多孔質体の外面において平面上に位置する骨格末端の数が約2倍に増加したことが明らかである。
(末端処理例3)
上記の末端処理例1で切断加工によって作成した試料片の一つを用いて、以下の操作による末端処理を行った。
熱板として、縦100mm×横100mm×厚さ5mmの平板状のカーボン板を用意した。このカーボン板を600℃に加熱し、試料片の表層部に接触させて、最外面から深さ0.3mmの位置までカーボン板を徐々に押し込むことによって、末端処理を施した。この後、カーボン板を取り除いて、アルミニウム多孔質体試料を回収した。
末端処理後のアルミニウム多孔質体試料について、カーボン板を接触させた表層部を光学顕微鏡で観察したところ、図6のような屈曲した骨格末端が多数確認された。このアルミニウム多孔質体試料の表層部を、0.1mmの厚さで黒インクを塗布したガラス板に接触させて、表層部の骨格末端に黒インクを転写した。この表層部を白紙に接触させて、白紙に転写したところ、黒点と黒線が混在した。これらの数を数え、面積当たりの黒点及び黒線の合計数を計算したところ、56個/cm2であった。従って、上記結果から、カーボン板を用いた末端処理によって、アルミニウム多孔質体の外面において平面上に位置する骨格末端の数が約2倍に増加したことが明らかである。
(末端処理例4)
アルミニウム系多孔質体の骨格を成形する型の役割をする多孔質樹脂として、縦100mm×横100mm×厚さ10mmのポリウレタンフォーム(気孔率:95%、連通孔の円相当径:2000μm)を用意した。更に、分散用水溶液として、ポリビニルアルコール(結着剤、商品名:ゴーセノールGH−23、日本合成化学工業株式会社製)の濃度が2質量%の水溶液を調製した。尚、この水溶液の調製において、3質量%の界面活性剤(2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸(PBTCA))、0.25質量%の消泡剤(和光純薬工業株式会社製、商品名:消泡剤L、内容:鉱物油、高級脂肪酸アミド、ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤等の混合物)を配合した。平均粒径が6μmのアルミニウム粉末を5:3の質量比で分散用水溶液に混合して、アルミニウム粉末分散液を調製した(分散液の粘度(50rpm、25℃):160mPa・s、東機産業株式会社製TVB10型粘度計による測定値)。多孔質樹脂をアルミニウム分散液に浸漬した後、引き上げて余分な分散液を絞りロールによって除去した。この際、多孔質樹脂の体積1Lに対するアルミニウム粉末の付着量が55.0〜60.0g/Lの範囲になるように絞り度合いを調整した。多孔質樹脂を80℃で120分間乾燥した。
上記で得られたアルミニウム粉末が付着した多孔質樹脂を、雰囲気を減圧可能な電気炉内に据え置いて、図7のように、多孔質樹脂の高さより0.3mm低いカーボン製のスペーサーブロックを多孔質樹脂の両側に配置した。各々のスペーサーブロックの頂部の溝穴に、高さが10mmのアルミニウム製の制御片を設置した。末端処理用の熱板として、縦150mm×横150mm×厚さ5mmのカーボン板を用意し、多孔質樹脂の上部を覆うように制御片上に載せて架け渡した。この状態において、多孔質樹脂の上面とカーボン板とは接触せず、間に隙間を有していた。
炉内を窒素雰囲気に置換し、炉内を室温から500℃まで昇温して500℃で1時間保持することによって、多孔質樹脂が焼失(脱脂)した。この後、炉内の圧力を10-3Paに低下させて、減圧雰囲気(真空雰囲気)中で昇温し、670℃(アルミニウムの融点より10℃高い温度)で3.5時間加熱した。この間に、アルミニウム粉末粒子の焼結結合が進行してアルミニウム多孔質体の骨格が形成されると共に、制御片が溶融してカーボン板が下降し、カーボン板の下面はスペーサーブロックの上端によって支持された。これによって、形成されつつある骨格の上面がカーボン板に押圧され、骨格の末端処理が行われた。
電気炉内を室温まで冷却して、生成したアルミニウム多孔質体を取り出し、加熱中にカーボン板に押圧されていた表層部を光学顕微鏡で観察したところ、三次元網目状構造の骨格の末端において、図3のような丸く先太った先端が見られた。この表層部を、厚さ0.1mmで黒インクを塗布したガラス板に接触させて、黒インクを表層部に転写し、更に、黒インクが転写した表層部を白紙に接触させて、白紙上に黒インクを転写した。白紙上の面積当たりの黒点数を計算したところ、56点/cm2であった。尚、アルミニウム多孔質体は、気孔率が90%(アルキメデス法による測定値)、連通孔の円相当径が約1500μm(三谷産業製画像分析ソフトウエアWinRoofを用いた顕微鏡画像の解析による値)であった。上述の過程において末端処理用の熱板を用いずに作製したアルミニウム多孔質体と比較すると、カーボン板を用いた末端処理によって、表層部の外面に整列する骨格末端の数が約2倍に増加したことが明らかである。
簡便な作業によってアルミニウム系多孔質体の骨格末端の不揃いが改善され、良好なろう付け接合を行うことが可能なアルミニウム多孔質体が提供される。被接合面の形状等にも対応可能で、複雑な被接合部へのろう付けが可能になるので、熱交換器の放熱フィン等の構成要素として組み込まれるアルミニウム系多孔質体として有用であり、自動車用や産業用の空調機、クーリングユニット等の熱交換器に伝熱促進部材として幅広く適用することができる。
1,1a,1b アルミニウム系多孔質体
1’ 多孔質樹脂
2 骨格
2a,2b 骨格末端
2c 先端
3 表層部
P1,P2,P3 熱板
F 表面
S 所定の面
R 照射装置
B スペーサーブロック
C 制御片
H 溝穴

Claims (10)

  1. アルミニウム又はアルミニウム合金で形成される三次元網目状構造の骨格を有するアルミニウム系多孔質体を用意することと、
    骨格末端を有する表層部の少なくとも一部に、前記骨格末端の不揃いを整える末端処理を施して、所定の面に整列する骨格末端の数を増加させることと
    を有するアルミニウム系多孔質体の製造方法。
  2. 前記末端処理は、前記所定の面を超えて伸長する骨格末端を溶融させて骨格末端を短くする溶融処理を有し、それにより、短くなった骨格末端の先端が前記所定の面に位置する請求項1に記載のアルミニウム系多孔質体の製造方法。
  3. 前記溶融処理は、前記所定の面の形状に対応した表面形状を有する熱板を、前記骨格が溶融可能な温度に加熱して前記表層部の少なくとも一部に接触させて、接触する骨格末端を加熱溶融することと、前記熱板の表面が前記所定の面に対応するように前記熱板を配置することとを有する請求項2に記載のアルミニウム系多孔質体の製造方法。
  4. 前記溶融処理は、前記所定の面に沿ってレーザー光を照射することを有し、前記レーザー光によって、前記所定の面を超えて伸長する骨格末端が加熱溶融される請求項2に記載のアルミニウム系多孔質体の製造方法。
  5. 前記末端処理は、前記所定の面を超えて伸長する骨格末端を塑性変形させる整形処理を有し、前記整形処理において、伸長する骨格末端を曲折させて前記所定の面に骨格末端の先端を位置させる請求項1に記載のアルミニウム系多孔質体の製造方法。
  6. 前記整形処理は、前記所定の面の形状に対応した表面形状の熱板を、前記骨格が軟化し得る温度に加熱して前記表層部の少なくとも一部に接触させて、接触する骨格末端を軟化させることと、前記熱板の表面が前記所定の面に対応するように前記熱板を配置することとを有し、前記熱板の配置によって軟化した前記骨格末端が曲折する請求項5に記載のアルミニウム系多孔質体の製造方法。
  7. 前記アルミニウム系多孔質体の用意は、
    三次元網目状構造を有する多孔質樹脂の表面に、アルミニウム粉末又はアルミニウム合金粉末から選択されるアルミニウム系粉末を付着させることと、
    前記アルミニウム系粉末が付着した多孔質樹脂を加熱して前記多孔質樹脂を分解焼失させ、前記アルミニウム系粉末の粒子を溶融結合させて前記骨格を形成することと
    を有し、前記末端処理を、前記骨格を形成する間に行う請求項5又は6に記載のアルミニウム系多孔質体の製造方法。
  8. アルミニウム又はアルミニウム合金で形成される三次元網目状構造の骨格を有するアルミニウム系多孔質体であって、
    骨格末端を有する表層部の少なくとも一部において、前記骨格末端の不揃いが整えられて、整列する骨格末端の数が増加した外周面を有するアルミニウム系多孔質体。
  9. 前記骨格は、前記表層部の少なくとも一部において、丸く先太りした先端を有する請求項8に記載のアルミニウム系多孔質体。
  10. 前記骨格は、前記表層部の少なくとも一部において、骨格末端の曲折によって前記外周面に位置が揃った先端を有する請求項8に記載のアルミニウム系多孔質体。
JP2017227612A 2017-11-28 2017-11-28 アルミニウム系多孔質体及びその製造方法 Pending JP2019094554A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017227612A JP2019094554A (ja) 2017-11-28 2017-11-28 アルミニウム系多孔質体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017227612A JP2019094554A (ja) 2017-11-28 2017-11-28 アルミニウム系多孔質体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019094554A true JP2019094554A (ja) 2019-06-20

Family

ID=66971054

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017227612A Pending JP2019094554A (ja) 2017-11-28 2017-11-28 アルミニウム系多孔質体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019094554A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5633658B2 (ja) 多孔質アルミニウム焼結体
JP5594445B1 (ja) 焼結用アルミニウム原料、焼結用アルミニウム原料の製造方法及び多孔質アルミニウム焼結体の製造方法
CN102458725A (zh) 具有铝多孔质烧结体的铝复合体的制造方法
CN103459668B (zh) Cu薄板处理方法
JP6488876B2 (ja) 多孔質アルミニウム焼結体及び多孔質アルミニウム焼結体の製造方法
JP6488875B2 (ja) 多孔質アルミニウム焼結体及び多孔質アルミニウム焼結体の製造方法
JP6477254B2 (ja) 多孔質アルミニウム複合体及び多孔質アルミニウム複合体の製造方法
WO2015061295A1 (en) Flux-less direct soldering by ultrasonic surface activation
US10543531B2 (en) Porous aluminum sintered material and method of producing porous aluminum sintered material
CN105579167A (zh) 铝系多孔质体及其制造方法
JP2019119900A (ja) アルミニウム系多孔質部材
JP2019094554A (ja) アルミニウム系多孔質体及びその製造方法
JP2019090065A (ja) アルミニウム系多孔質部材及びその製造方法
US5871139A (en) Debrazing of structures with a powdered wicking agent
WO2017130471A1 (ja) 銅部材接合体の製造方法
JP5526940B2 (ja) アルミニウム多孔質焼結体の製造方法
JP2017171991A (ja) アルミニウム多孔質体の製造方法
JP4735061B2 (ja) 金属多孔質体のろう付け方法およびろう付け構造体
JP2019090064A (ja) アルミニウム系多孔質部材及びその製造方法
WO2019035162A1 (ja) アルミニウム系多孔質部材及びその製造方法
JP7442238B1 (ja) ろう材及びろう付用部材、並びにそれらの製造方法
JP2019065322A (ja) アルミニウム系多孔質部材及びその製造方法
CN117584447A (zh) 增材制造的连接部
HK40097099A (zh) 凸点电极基板的形成方法
JP2016194117A (ja) 多孔質アルミニウム焼結体、多孔質アルミニウム複合部材、多孔質アルミニウム焼結体の製造方法、多孔質アルミニウム複合部材の製造方法