上述した特許文献1の制御回路(103)は、基板端子の電圧を2つのソース端子の電圧のうち低い方の電圧にすることができない場合が生じる。
以下、2つのソース端子のうち、ソース端子(S1)がソース端子(S2)より低い場合を例に挙げて説明する。この場合、ソース端子(S1)の電圧より、基板端子(SUB)の電圧が高ければ、ダイオード(133)は、オン状態になり、アノード端子からカソード端子に電流を流し、基板端子(SUB)の電圧をソース端子(S1)の電圧近辺まで下げることができる。
しかし、基板端子(SUB)の電圧がソース端子(S1)の電圧より低ければ、ダイオード(133)は、カソード端子の電圧がアノード端子の電圧より高く、オン状態になれないので、電流を流すことができない。この場合、制御回路(103)は、基板端子(SUB)の電圧をソース端子(S1)の電圧まで上昇させることができない。このことは、ソース端子(S2)の電圧がソース端子(S1)の電圧より低く、且つ、基板端子(SUB)の電圧がソース端子(S2)の電圧より低い場合も同様である。
つまり、特許文献1の技術は、基板端子(SUB)の電圧が、低い方のソース端子の電圧よりも低い場合、基板端子(SUB)の電圧を低い方のソース端子の電圧近辺まで上げることができない。したがって、特許文献1の技術は、双方向スイッチングデバイスを安定したスイッチング特性で動作させることができないと共に、2つの電流方向のスイッチング特性の差が低減されるように双方向スイッチングデバイスを動作させることができないという課題がある。
本開示は、上記課題を解決するものであり、双方向スイッチングデバイスを安定したスイッチング特性で動作させると共に、2つの電流方向のスイッチング特性の差が低減されるように双方向スイッチングデバイスを動作させる基板電圧制御回路を提供するものである。
(本開示に至る経緯)
マトリックスコンバータなどに用いられるパワーデバイスとして、バンドギャップが大きいGaNを用いて、ノーマリオフ化と低オン抵抗化とが両立された双方向GIT(Gate Injection Transistor)と呼ばれるトランジスタが知られている。
双方向GITは、基板端子の電圧が変動するので、双方向のスイッチング特性がアンバランスなるという問題がある。そこで、上述した特許文献1に示すように、双方向スイッチングデバイスの基板端子(SUB)の電圧を、2つのソース端子の電圧のうち、低い方の電圧に設定する技術が知られている。
しかし、特許文献1は、上述したように、基板端子(SUB)の電圧が、低い方のソース端子の電圧よりも低い場合、基板端子(SUB)の電圧を低い方のソース端子の電圧近辺まで上げることができないという課題がある。
そこで、本開示の第1態様に係る基板電圧制御回路は、双方向スイッチングデバイスの基板端子と接続される基板電圧制御端子の電圧が、ソース2接続端子の電圧とソース1接続端子の電圧とのうち低い方の電圧より低い場合であっても、基板電圧制御端子の電圧をソース2接続端子の電圧とソース1接続端子の電圧とのうち低い方の電圧に設定することを目的とする。
また、特許文献1は、基板端子(SUB)の電圧が低い方のソース端子の電圧よりも低い場合、基板端子(SUB)の電圧がフローティング状態となり、双方向スイッチングデバイスを安定したスイッチング特性で動作させると共に、2つの電流方向のスイッチング特性の差が低減されるように双方向スイッチングデバイスを動作させることができないという課題もある。
本開示の第2、第3態様に係る基板電圧制御回路は、上記の課題を解決するものである。
本開示の第1態様に係る基板電圧制御回路は、双方向スイッチングデバイスの基板端子電圧を制御する基板電圧制御回路であって、
ソース1接続端子とソース2接続端子と基板電圧制御端子とローサイド回路とハイサイド回路とを備え、
前記双方向スイッチングデバイスは、ソース1端子とソース2端子と基板端子とを備え、
前記ソース1接続端子は、前記ソース1端子と接続され、
前記ソース2接続端子は、前記ソース2端子と接続され、
前記基板電圧制御端子は、前記基板端子と接続され、
前記ローサイド回路は、ローサイドスイッチとローサイド抵抗とを備え、
前記ローサイドスイッチは、ローサイドスイッチソース端子とローサイドスイッチドレイン端子とローサイドスイッチゲート端子とを備え、
前記ハイサイド回路は、ハイサイドスイッチとハイサイド抵抗とを備え、
前記ハイサイドスイッチは、ハイサイドスイッチソース端子とハイサイドスイッチドレイン端子とハイサイドスイッチゲート端子とを備え、
前記ローサイドスイッチソース端子は、前記基板電圧制御端子と接続され、
前記ローサイドスイッチドレイン端子は、前記ソース1接続端子と接続され、
前記ローサイドスイッチゲート端子と前記ソース2接続端子との間に、前記ローサイド抵抗が接続され、
前記ハイサイドスイッチソース端子は、前記基板電圧制御端子と接続され、
前記ハイサイドスイッチドレイン端子は、前記ソース2接続端子と接続され、
前記ハイサイドスイッチゲート端子と前記ソース1接続端子との間に、前記ハイサイド抵抗が接続される。
本態様によれば、ソース2接続端子の電圧がソース1接続端子の電圧より高く、且つ、基板電圧制御端子の電圧がソース1接続端子の電圧より低い場合、ローサイドスイッチは、基板電圧制御端子の電圧を基準としたときのローサイドスイッチゲート端子の電圧がローサイドスイッチの閾値電圧より高ければ、オン状態になる。これにより、基板電圧制御端子とソース1接続端子とが短絡し、基板電圧制御端子の電圧がソース1接続端子付近まで増加する。その結果、基板電圧制御端子の電圧がソース1接続端子の電圧より低い場合であっても、基板電圧制御端子の電圧をソース1接続端子の電圧に設定できる。
また、ソース1接続端子の電圧がソース2接続端子の電圧より高く、且つ、基板電圧制御端子の電圧がソース2接続端子の電圧より低い場合、ハイサイドスイッチは、基板電圧制御端子の電圧を基準としたときのハイサイドスイッチゲート端子の電圧がハイサイドスイッチの閾値電圧より高ければ、オン状態になる。これにより、基板電圧制御端子とソース2接続端子とが短絡し、基板電圧制御端子の電圧がソース2接続端子付近まで増大する。その結果、基板電圧制御端子の電圧がソース2接続端子の電圧より低い場合であっても、基板電圧制御端子の電圧をソース2接続端子の電圧に設定できる。
このように、本態様は、常に基板電圧制御端子の電圧を、ソース1接続端子の電圧及びソース2接続端子の電圧のうち、低い方の電圧に設定できる。その結果、双方向スイッチングデバイスを安定したスイッチング特性で動作させると共に、2つの電流方向のスイッチング特性の差が低減されるように双方向スイッチングデバイスを動作させることができる。
第1態様において、前記ローサイド回路は、ローサイドダイオードを備え、
前記ローサイドダイオードのアノード端子は、前記ローサイドスイッチゲート端子に接続され、前記ローサイドダイオードのカソード端子は、前記ソース2接続端子に接続され、
前記ハイサイド回路は、ハイサイドダイオードを備え、
前記ハイサイドダイオードのアノード端子は、前記ハイサイドスイッチゲート端子に接続され、前記ハイサイドダイオードのカソード端子は、前記ソース1接続端子に接続され、
前記ローサイドダイオードは、前記ソース2接続端子の電圧が前記ソース1接続端子の電圧と同じ電圧になるまでに、前記ローサイドスイッチゲート端子の電圧を前記ローサイドスイッチの閾値電圧より低くし、前記ローサイドスイッチをオフ状態にさせ、
前記ハイサイドダイオードは、前記ソース1接続端子の電圧が前記ソース2接続端子の電圧と同じ電圧になるまでに、前記ハイサイドスイッチゲート端子の電圧を前記ハイサイドスイッチの閾値電圧より低くし、前記ハイサイドスイッチをオフ状態にしてもよい。
本態様によれば、ソース2接続端子の電圧がソース1接続端子の電圧と同じ電圧になるまでに、ローサイドダイオードは、ローサイドスイッチゲート端子の寄生容量から電荷を引く抜き、ローサイドスイッチゲート端子の電圧をローサイドスイッチの閾値電圧より低くし、ローサイドスイッチをオフ状態にする。これにより、ソース2接続端子の電圧がソース1接続端子の電圧よりも低くなってもローサイドスイッチのオン状態が継続されることを防止できる。
また、ソース1接続端子の電圧がソース2接続端子の電圧と同じ電圧になるまでに、ハイサイドダイオードは、ハイサイドスイッチゲート端子の寄生容量から電荷を引き抜き、ハイサイドスイッチゲート端子の電圧をハイサイドスイッチの閾値電圧より低くし、ハイサイドスイッチをオフ状態にする。これにより、ソース1接続端子の電圧がソース2接続端子の電圧よりも低くなってもハイサイドスイッチのオン状態が継続されることを防止できる。そのため、ハイサイドスイッチとローサイドスイッチとが共にオン状態になることを防止でき、ソース2接続端子とソース1接続端子とが、ハイサイドスイッチとローサイドスイッチとを通じて短絡し、回路が破壊されることを防止できる。
第1態様において、前記ローサイド回路は、ローサイドコンデンサを備え、
前記ローサイドコンデンサは、前記ソース1接続端子と前記ローサイドスイッチゲート端子との間に接続され、
前記ハイサイド回路は、ハイサイドコンデンサを備え、
前記ハイサイドコンデンサは、前記ソース2接続端子と前記ハイサイドスイッチゲート端子との間に接続され、
前記ソース1接続端子の電圧を基準にするときの前記ソース2接続端子の電圧をVs2s1としたときに、
前記ローサイドコンデンサは、前記Vs2s1が正の電圧の範囲において0V近くに減少するまで、前記ローサイドスイッチのオン状態が継続されるように、前記ローサイドスイッチゲート端子の電圧の低下を抑制し、
前記ハイサイドコンデンサは、前記Vs2s1が負の電圧の範囲において0V近くに増加するまで、前記ハイサイドスイッチのオン状態が継続されるように、前記ハイサイドスイッチゲート端子の電圧の低下を抑制してもよい。
本態様によれば、ローサイドコンデンサは、Vs2s1が正の電圧の範囲において0V近くに減少するまで、ローサイドスイッチのオン状態が継続されるように、ローサイドスイッチゲート端子の電圧の低下を抑制する。これにより、ローサイドスイッチゲート端子の電圧を安定化し、ソース1接続端子の電圧及びソース2接続端子の電圧のうち低い方の電圧に対する基板電圧制御端子の電圧の追従性を高めることができる。
また、ハイサイドコンデンサは、Vs2s1が負の電圧の範囲において0V近くに増加するまで、ハイサイドスイッチのオン状態が継続されるように、ハイサイドスイッチゲート端子の電圧の低下を抑制する。これにより、ハイサイドスイッチゲート端子の電圧を安定化し、ソース1接続端子の電圧及びソース1接続端子の電圧のうち低い方の電圧に対する基板電圧制御端子の電圧の追従性を高めることができる。
第1態様において、前記ローサイドコンデンサと前記ハイサイドコンデンサとはキャパシタンス容量値が100pFから10nFまでであってもよい。
本態様によれば、ソース1接続端子の電圧とソース2接続端子の電圧とのうち、低い方の電圧に対する基板電圧制御端子の電圧の追従性を高めることができる。
第1態様において、前記ローサイド抵抗と前記ハイサイド抵抗との抵抗値が500オームから500キロオームまでであってもよい。
本態様によれば、ソース1接続端子の電圧とソース2接続端子の電圧とのうち、低い方の電圧に対する基板電圧制御端子の電圧の追従性を高めることができる。
第1態様において、前記ローサイドスイッチは、
前記ローサイドスイッチソース端子の電圧を基準にしたときの前記ローサイドスイッチゲート端子の電圧をローサイドスイッチゲート電圧としたときに、
前記ローサイドスイッチゲート電圧が前記ローサイドスイッチの閾値電圧より高いときに、オン状態になり、前記ローサイドスイッチソース端子と前記ローサイドスイッチドレイン端子とを短絡させ、
前記ローサイドスイッチゲート電圧が前記ローサイドスイッチの閾値電圧より低いときに、オフ状態になり、前記ローサイドスイッチソース端子と前記ローサイドスイッチドレイン端子とを開放させ、
前記ハイサイドスイッチは、
前記ハイサイドスイッチソース端子の電圧を基準にしたときの前記ハイサイドスイッチゲート端子の電圧をハイサイドスイッチゲート電圧としたときに、
前記ハイサイドスイッチゲート電圧がハイサイドスイッチの閾値電圧より高いときに、オン状態になり、前記ハイサイドスイッチソース端子と前記ハイサイドスイッチドレイン端子とを短絡させ、
前記ハイサイドスイッチゲート電圧が前記ハイサイドスイッチの閾値電圧より低いときに、オフ状態になり、前記ハイサイドスイッチソース端子と前記ハイサイドスイッチドレイン端子とを開放させてもよい。
本態様によれば、ローサイドスイッチソース端子の電圧を基準にしたときのローサイドスイッチゲート端子の電圧であるローサイドスイッチゲート電圧がローサイドスイッチの閾値電圧より高いときに、ローサイドスイッチは、オン状態になり、ローサイドスイッチソース端子とローサイドスイッチドレイン端子とを短絡させる。これにより、ローサイドスイッチソース端子が接続された基板端子制御端子の電圧が、ソース1接続端子の電圧より低い場合であっても、基板電圧制御端子の電圧をソース1接続端子の電圧に設定できる。
また、前記ハイサイドスイッチソース端子の電圧を基準にしたときのハイサイドスイッチゲート端子の電圧であるハイサイドスイッチゲート電圧がハイサイドスイッチの閾値電圧より高いときに、ハイサイドスイッチは、オン状態になり、ハイサイドスイッチソース端子と前記ハイサイドスイッチドレイン端子とを短絡させる。これにより、ハイサイドスイッチソース端子が接続された基板端子制御端子の電圧が、ソース2接続端子の電圧より低い場合であっても、基板電圧制御端子の電圧をソース2接続端子の電圧に設定できる。
第1態様において、前記ローサイドスイッチと前記ハイサイドスイッチとは、Metal Oxide Semiconductor(MOSFET)もしくは、Insulated Gate Bipolar Transistrr(IGBT)もしくは、Junction Field Effect Transistor(JFET)もしくは、Static Induced Transistor(SIT)もしくは、High Electron Mobility Transistor(HEMT)であってもよい。
第1態様において、前記ローサイドスイッチは、
ローサイドスイッチボディダイオードが内蔵され、
前記ローサイドスイッチソース端子の電圧が前記ローサイドスイッチドレイン端子の電圧より大きいときに、前記ローサイドスイッチソース端子から前記ローサイドスイッチドレイン端子に前記ローサイドスイッチボディダイオードを通して電流が流れ、
前記ハイサイドスイッチは、
ハイサイドスイッチボディダイオードが内蔵され、
前記ハイサイドスイッチソース端子の電圧が前記ハイサイドスイッチドレイン端子の電圧より大きいときに、前記ハイサイドスイッチソース端子から前記ハイサイドスイッチドレイン端子に前記ハイサイドスイッチボディダイオードを通して電流が流れてもよい。
本態様によれば、外部の回路部品を設けることなく、ローサイドスイッチダイオードとハイサイドスイッチダイオードとを構成できる。
本開示の第2態様に係る基板電圧制御回路は、双方向スイッチングデバイスの基板端子電圧を制御する基板電圧制御回路であって、
ソース1接続端子と、ソース2接続端子と、基板電圧制御端子と、ローサイド回路と、ハイサイド回路とを備え、
前記双方向スイッチングデバイスは、ソース1端子とソース2端子と基板端子とを備え、
前記ソース1接続端子は、前記ソース1端子と接続され、
前記ソース2接続端子は、前記ソース2端子と接続され、
前記基板電圧制御端子は、前記基板端子と接続され、
前記ローサイド回路は、ローサイド第1スイッチとローサイド第2スイッチとローサイドコンデンサとローサイド電源とを備え、
前記ローサイド第1スイッチは、ローサイド第1スイッチソース端子とローサイド第1スイッチドレイン端子とローサイド第1スイッチゲート端子とを備え、
前記ローサイド第2スイッチは、ローサイド第2スイッチソース端子とローサイド第2スイッチドレイン端子とローサイド第2スイッチゲート端子とを備え、
前記ハイサイド回路は、ハイサイド第1スイッチとハイサイド第2スイッチとハイサイドコンデンサとハイサイド電源とを備え、
前記ハイサイド第1スイッチは、ハイサイド第1スイッチソース端子とハイサイド第1スイッチドレイン端子とハイサイド第1スイッチゲート端子とを備え、
前記ハイサイド第2スイッチは、ハイサイド第2スイッチソース端子とハイサイド第2スイッチドレイン端子とハイサイド第2スイッチゲート端子とを備え、
前記ローサイド第1スイッチソース端子は、前記基板電圧制御端子と接続され、
前記ローサイド第1スイッチドレイン端子は、前記ソース1接続端子と接続され、
前記ローサイド第1スイッチゲート端子は、前記ローサイド第2スイッチドレイン端子と接続され、
前記ローサイドコンデンサは、前記ソース2接続端子と前記ローサイド第2スイッチゲート端子との間に接続され、
前記ローサイド電源は、前記基板電圧制御端子と前記ローサイド第2スイッチソース端子との間に接続され、
前記ハイサイド第1スイッチソース端子は、前記基板電圧制御端子と接続され、
前記ハイサイド第1スイッチドレイン端子は、前記ソース2接続端子と接続され、
前記ハイサイド第1スイッチゲート端子は、前記ハイサイド第2スイッチドレイン端子と接続され、
前記ハイサイドコンデンサは、前記ソース1接続端子と前記ハイサイド第2スイッチゲート端子との間に接続され、
前記ハイサイド電源は、前記基板電圧制御端子と前記ローサイド第2スイッチソース端子との間に接続される。
本態様によれば、ソース1接続端子に対するソース2接続端子の電圧を電圧Vs2s1とすると、電圧Vs2s1がプラスの範囲で低下するときに、ローサイドコンデンサのカップリングによってローサイド第2スイッチゲート端子の電圧(ゲート電圧)が低下する。このとき、ローサイド第2スイッチのゲート電圧はローサイド電源の電圧を基準にしたゲート電圧になる。そして、このゲート電圧がローサイド第2スイッチの閾値電圧より低くなると、ローサイド第2スイッチはオン状態になり、ローサイド電源の電圧がローサイド第1スイッチゲート端子に印加され、ローサイド第1スイッチがオン状態になり、基板電圧制御端子にソース1接続端子の電圧が印加される。
そのため、本態様は、電圧Vs2s1の変化時に、基板電圧制御端子の電圧をソース1接続端子の電圧に設定し、基板電圧制御端子の電圧がフローティング状態になることを防止できる。その結果、本態様は、双方向スイッチングデバイスを安定したスイッチング特性で動作させると共に、2つの電流方向のスイッチング特性の差が低減されるように双方向スイッチングデバイスを動作させることができる。
また、本態様は、電圧Vs2s1がプラスの範囲で低下するとき、ローサイド第2スイッチによってローサイド第1スイッチのローサイド第1スイッチゲート端子が駆動されるので、ローサイド第1スイッチの駆動性能を高めることができる。
以上のことは、電圧Vs2s1がマイナスの範囲で増大するときにおいても、ハイサイド回路で同様に成り立つ。
また、第2態様において、前記ローサイド回路は、ローサイドスイッチダイオードを備え、
前記ローサイドスイッチダイオードは、アノード端子が前記基板電圧制御端子と接続され、カソード端子が前記ローサイド第1スイッチゲート端子と接続され、
前記ハイサイド回路は、ハイサイドスイッチダイオードを備え、
前記ハイサイドスイッチダイオードは、アノード端子が前記基板電圧制御端子と接続され、カソード端子が前記ハイサイド第1スイッチゲート端子と接続され、
前記ローサイドスイッチダイオードは、前記基板電圧制御端子の電圧が前記ソース1接続端子の電圧より大きいときに、前記ローサイドスイッチダイオードのアノード端子から前記ローサイドスイッチダイオードのカソード端子に電流を流すことで、前記基板電圧制御端子の電圧を前記ソース1接続端子の電圧に近づけ、
前記ハイサイドスイッチダイオードは、前記基板電圧制御端子の電圧が前記ソース2接続端子の電圧より大きいときに、前記ハイサイドスイッチダイオードのアノード端子から前記ハイサイドスイッチダイオードのカソード端子に電流を流し、前記基板電圧制御端子の電圧を前記ソース2接続端子の電圧に近づけてもよい。
本態様によれば、ローサイドスイッチダイオードが設けられているので、基板電圧制御端子の電圧がソース1接続端子の電圧より大きいとき、ローサイドスイッチダイオードがオン状態になって、基板電圧制御端子の電圧をソース1接続端子の電圧に近づけることができる。
また、ハイサイドスイッチダイオードが設けられているので、基板電圧制御端子の電圧がソース2接続端子の電圧より大きいとき、ハイサイドスイッチダイオードがオン状態になって基板電圧制御端子の電圧をソース2接続端子の電圧に近づけることができる。
また、第2態様において、前記ローサイド回路は、ローサイドダイオードを備え、
前記ローサイドダイオードは、アノード端子が前記ローサイド第1スイッチゲート端子に接続され、カソード端子が前記ソース2接続端子に接続され、
前記ハイサイド回路は、ハイサイドダイオードを備え、
前記ハイサイドダイオードは、アノード端子が前記ハイサイド第1スイッチゲート端子に接続され、カソード端子が前記ソース1接続端子に接続され、
前記ローサイドダイオードは、前記ソース2接続端子の電圧が前記ソース1接続端子の電圧と同じ電圧になるまでに、前記ローサイド第1スイッチゲート電圧を前記ローサイド第1スイッチの閾値電圧より低くし、前記ローサイド第1スイッチをオフ状態にし、
前記ハイサイドダイオードは、前記ソース1接続端子の電圧が前記ソース2接続端子の電圧と同じ電圧になるまでに、前記ハイサイド第1スイッチゲート電圧を前記ハイサイド第1スイッチの閾値電圧より低くし、前記ハイサイド第1スイッチをオフ状態にしてもよい。
本態様によれば、ソース2接続端子の電圧がソース1接続端子の電圧と同じ電圧になるまでに、ローサイドダイオードは、ローサイド第1スイッチゲート端子の寄生のキャパシタンス容量から電荷を引く抜き、ローサイド第1スイッチゲート端子の電圧をローサイド第1スイッチの閾値電圧より低くし、ローサイド第1スイッチをオフ状態にする。これにより、ソース2接続端子の電圧がソース1接続端子の電圧よりも低くなってもローサイド第1スイッチのオン状態が継続されることを防止できる。
また、ソース1接続端子の電圧がソース2接続端子の電圧と同じ電圧になるまでに、ハイサイドダイオードは、ハイサイド第1スイッチゲート端子の寄生のキャパシタンス容量から電荷を引き抜き、ハイサイド第1スイッチゲート端子の電圧をハイサイド第1スイッチの閾値電圧より低くし、ハイサイド第1スイッチをオフ状態にする。これにより、ソース1接続端子の電圧がソース2接続端子の電圧よりも低くなってもハイサイド第1スイッチのオン状態が継続されることを防止できる。
また、第2態様において、前記ローサイド第1スイッチは、
前記ローサイド第1スイッチソース端子を基準とする前記ローサイド第1スイッチゲート端子の電圧を、ローサイドスイッチゲート電圧としたときに、
前記ローサイドスイッチゲート電圧が前記ローサイド第1スイッチの閾値電圧より高いときに、オン状態になり、前記ローサイド第1スイッチソース端子と前記ローサイド第1スイッチドレイン端子とを短絡し、
前記ローサイド第1スイッチゲート電圧が前記ローサイド第1スイッチの閾値電圧より低いときに、オフ状態になり、前記ローサイド第1スイッチソース端子と前記ローサイド第1スイッチドレイン端子とを開放し、
前記ハイサイド第1スイッチは、前記ハイサイド第1スイッチソース端子を基準とする前記ハイサイド第1スイッチゲート端子の電圧を、ハイサイド第1スイッチゲート電圧としたときに、
前記ハイサイド第1スイッチゲート電圧が前記ハイサイド第1スイッチの閾値電圧より高いときに、オン状態になり、前記ハイサイド第1スイッチソース端子と前記ハイサイド第1スイッチドレイン端子とを短絡し、
前記ハイサイド第1スイッチゲート電圧が前記ハイサイド第1スイッチの閾値電圧より低いときに、オフ状態になり、前記ハイサイド第1スイッチソース端子と前記ハイサイド第1スイッチドレイン端子とを開放してもよい。
本態様によれば、ローサイド第1スイッチソース端子の電圧を基準にしたときのローサイド第1スイッチゲート端子の電圧であるローサイドスイッチゲート電圧がローサイド第1スイッチの閾値電圧より高いときに、ローサイド第1スイッチは、オン状態になり、ローサイド第1スイッチソース端子とローサイド第1スイッチドレイン端子とを短絡させる。これにより、ローサイド第1スイッチソース端子が接続された基板電圧制御端子の電圧が、ソース1接続端子の電圧より低い場合であっても、基板電圧制御端子の電圧をソース1接続端子の電圧に設定できる。
また、ハイサイド第1スイッチソース端子の電圧を基準にしたときのハイサイド第1スイッチゲート端子の電圧であるハイサイドスイッチゲート電圧がハイサイド第1スイッチの閾値電圧より高いときに、ハイサイド第1スイッチは、オン状態になり、ハイサイド第1スイッチソース端子とハイサイド第1スイッチドレイン端子とを短絡させる。これにより、ハイサイド第1スイッチソース端子が接続された基板電圧制御端子の電圧が、ソース2接続端子の電圧より低い場合であっても、基板電圧制御端子の電圧をソース2接続端子の電圧に設定できる。
また、第2態様において、前記ローサイド第1スイッチと前記ハイサイド第1スイッチとは、それぞれ、Metal Oxide Semiconductor(MOSFET)もしくは、Insulated Gate Bipolar Transistrr(IGBT)もしくは、Junction Field Effect Transistor(JFET)もしくは、Static Induced Transistor(SIT)もしくは、High Electron Mobility Transistor(HEMT)であってもよい。
また、第2態様において、前記ローサイド第1スイッチは、内蔵されたローサイドスイッチボディダイオードを備え、
前記ローサイドスイッチボディダイオードは、前記ローサイド第1スイッチソース端子の電圧が前記ローサイド第1スイッチドレイン端子の電圧より大きいときに、前記ローサイド第1スイッチソース端子から前記ローサイド第1スイッチドレイン端子に電流を流し、
前記ハイサイドスイッチは、内蔵されたハイサイドスイッチボディダイオードを備え、
前記ハイサイドスイッチボディダイオードは、前記ハイサイド第1スイッチソース端子の電圧が前記ハイサイド第1スイッチドレイン端子の電圧より大きいときに、前記ハイサイド第1スイッチソース端子から前記ハイサイド第1スイッチドレイン端子に電流を流してもよい。
電圧Vs2s1がプラス範囲で一定電圧となる定常状態の期間では、ローサイド第2スイッチはオフ状態になるので、ローサイド第1スイッチもオフ状態になり、基板電圧制御端子の電圧は電気的にフローティング状態になってしまう。
本態様によれば、ローサイド第2スイッチがローサイドスイッチボディダイオードを備えているので、電圧Vs2s1がプラス範囲で一定電圧となる定常状態の期間において、基板電圧制御端子の電圧は、ソース1接続端子の電圧より、ローサイドボディダイオードの閾値電圧分高い電圧に維持される。その結果、電圧Vs2s1がプラス範囲で一定電圧となる定常状態の期間において、基板電圧制御端子の電圧をソース1接続端子の電圧とソース2接続端子の電圧とのうち低い方のソース1接続端子の電圧に設定できる。このことは、ハイサイド回路においても同様に成り立つ。
更に、本態様によれば、外部の回路部品を設けることなく、ローサイドスイッチダイオードとハイサイドスイッチダイオードとを構成できる。
本開示の第3態様に係る基板電圧制御回路は、双方向スイッチングデバイスの基板端子電圧を制御する基板電圧制御回路であって、
ソース1接続端子とソース2接続端子と基板電圧制御端子と、ローサイド回路とハイサイド回路とを備え、
前記双方向スイッチングデバイスは、ソース1端子とソース2端子と基板端子を有し、
前記ソース1接続端子は、前記ソース1端子と接続され、
前記ソース2接続端子は、前記ソース2端子と接続され、
前記基板電圧制御端子は、前記基板端子と接続され、
前記ローサイド回路は、ローサイド第1スイッチとローサイド第2スイッチとローサイド第1コンデンサとを備え、
前記ローサイド第1スイッチは、ローサイド第1スイッチソース端子とローサイド第1スイッチドレイン端子とローサイド第1スイッチゲート端子とを備え、
前記ローサイド第2スイッチは、ローサイド第2スイッチソース端子とローサイド第2スイッチドレイン端子とローサイド第2スイッチゲート端子とを備え、
前記ハイサイド回路は、ハイサイド第1スイッチとハイサイド第2スイッチとハイサイド第1コンデンサとを備え、
前記ハイサイド第1スイッチは、ハイサイド第1スイッチソース端子とハイサイド第1スイッチドレイン端子とハイサイド第1スイッチゲート端子とを備え、
前記ハイサイド第2スイッチは、ハイサイド第2スイッチソース端子とハイサイド第2スイッチドレイン端子とハイサイド第2スイッチゲート端子とを備え、
前記ローサイド第1スイッチソース端子は、前記ソース1接続端子と接続され、
前記ローサイド第1スイッチドレイン端子は、前記基板電圧制御端子と接続され、
前記ローサイド第1スイッチゲート端子は、前記ローサイド第2スイッチドレイン端子と接続され、
前記ローサイド第2スイッチソース端子は、前記ソース1接続端子と接続され、
前記ローサイド第1コンデンサは、前記ソース2接続端子と前記ローサイド第2スイッチドレイン端子の間に接続され、
前記ハイサイド第1スイッチソース端子は、前記ソース2接続端子と接続され、
前記ハイサイド第1スイッチドレイン端子は、前記基板電圧制御端子と接続され、
前記ハイサイド第1スイッチゲート端子は、前記ハイサイド第2スイッチドレイン端子と接続され、
前記ハイサイド第2スイッチソース端子は、前記ソース2接続端子と接続され、
前記ハイサイド第1コンデンサは、前記ソース1接続端子と前記ハイサイド第2スイッチドレイン端子の間に接続される。
本態様によれば、ソース1接続端子に対するソース2接続端子の電圧を電圧Vs2s1とすると、電圧Vs2s1がプラスの範囲で低下するときに、ローサイド第1コンデンサのカップリングによって、ローサイド第1スイッチソース端子の電圧を基準にしたときのローサイド第1スイッチゲート端子の電圧(以下、ゲート電圧)が低下する。ローサイド第1スイッチのゲート電圧がローサイド第1スイッチの閾値電圧より低くなると、ローサイド第1スイッチはオン状態になり、基板電圧制御端子にソース1接続端子の電圧が印加される。
そのため、本態様は、電圧Vs2s1がプラスの範囲で低下するときに、基板電圧制御端子の電圧をソース1接続端子の電圧に設定し、基板電圧制御端子の電圧がフローティング状態になることを防止できる。その結果、本態様は、双方向スイッチングデバイスを安定したスイッチング特性で動作させると共に、2つの電流方向のスイッチング特性の差が低減されるように双方向スイッチングデバイスを動作させることができる。
以上のことは、ソース2接続端子に対するソース1接続端子の電圧を電圧Vs1s2とすると、電圧Vs1s2がプラスの範囲で低下する場合(電圧Vs2s1がマイナスの範囲で増大する場合)においても、ハイサイド回路で同様に成り立つ。
第3態様において、前記ローサイド回路は、ローサイドダイオードを更に備え、
前記ハイサイド回路は、ハイサイドダイオードを更に備え、
前記ローサイドダイオードは、ローサイドアノード端子とローサイドカソード端子とを備え、
前記ハイサイドダイオードは、ハイサイドアノード端子とハイサイドカソード端子とを備え、
前記ローサイドアノード端子は、前記ローサイド第2スイッチゲート端子と接続され、
前記ローサイドカソード端子は、前記基板電圧制御端子と接続され、
前記ハイサイドアノード端子は、前記ハイサイド第2スイッチゲート端子と接続され、
前記ローサイドカソード端子は、前記基板電圧制御端子と接続されていてもよい。
本態様によれば、基板電圧制御端子の電圧が低下すると、ローサイドダイオードがオン状態になって、ローサイド第2スイッチゲート端子の電圧が基板電圧制御端子の電圧の低下に追従して低下する。これにより、ローサイド第2スイッチのゲート電圧がローサイド第2スイッチの閾値電圧より低くなると、ローサイド第2スイッチはオン状態になる。その結果、ローサイド第1スイッチゲート端子とローサイド第1スイッチソース端子とが同じ電位となり、ローサイド第1スイッチはオフ状態になる。
そのため、本態様は、電圧Vs2s1がマイナスの範囲で低下する場合において、基板電圧制御端子の電圧が低下したときに、確実にローサイド第1スイッチをオフ状態にすることができる。このことは、電圧Vs1s2がマイナスの範囲において低下する場合に、基板電圧制御端子の電圧が低下したときにも、ハイサイド回路で同様に成り立つ。
第3態様において、前記ローサイド回路は、ローサイド第2コンデンサを更に備え、
前記ハイサイド回路は、ハイサイド第2コンデンサを更に備え、
前記ローサイド第2コンデンサは、前記基板電圧制御端子と前記ローサイド第2スイッチゲート端子の間に接続され、
前記ハイサイド第2コンデンサは、前記基板電圧制御端子と前記ハイサイド第2スイッチゲート端子の間に接続されていてもよい。
本態様によれば、基板電圧制御端子の電圧が低下すると、ローサイド第2コンデンサのカップリングによって、ローサイド第2スイッチゲート端子の電圧が基板電圧制御端子の電圧の低下に追従して低下する。これにより、ローサイド第2スイッチのゲート電圧がローサイド第2スイッチの閾値電圧より低くなると、ローサイド第2スイッチはオン状態になる。その結果、ローサイド第1スイッチゲート端子とローサイド第1スイッチソース端子とが同じ電位となり、ローサイド第1スイッチはオフ状態になる。
そのため、本態様は、電圧Vs2s1がマイナスの範囲で低下する場合において、基板電圧制御端子の電圧が低下したときに、確実にローサイド第1スイッチをオフ状態にすることができる。このことは、電圧Vs1s2がマイナスの範囲において低下する場合に、基板電圧制御端子の電圧が低下したときにも、ハイサイド回路で同様に成り立つ。
第3態様において、前記ローサイド回路は、ローサイド抵抗を更に備え、
前記ハイサイド回路は、ハイサイド抵抗を更に備え、
前記ローサイド抵抗は、前記基板電圧制御端子と前記ローサイド第2スイッチゲート端子の間に接続され、
前記ハイサイド抵抗は、前記基板電圧制御端子と前記ハイサイド第2スイッチゲート端子の間に接続されていてもよい。
本態様によれば、基板電圧制御端子の電圧が低下すると、ローサイド第2スイッチゲート端子からローサイド抵抗を介して基板電圧制御端子へ電流が流れることによって、ローサイド第2スイッチゲート端子の電圧が基板電圧制御端子の電圧の低下に追従して低下する。これにより、ローサイド第2スイッチのゲート電圧がローサイド第2スイッチの閾値電圧より低くなると、ローサイド第2スイッチはオン状態になる。その結果、ローサイド第1スイッチゲート端子とローサイド第1スイッチソース端子とが同じ電位となり、ローサイド第1スイッチはオフ状態になる。
そのため、本態様は、電圧Vs2s1がマイナスの範囲で低下する場合において、基板電圧制御端子の電圧が低下したときに、確実にローサイド第1スイッチをオフ状態にすることができる。このことは、電圧Vs1s2がマイナスの範囲において低下する場合に、基板電圧制御端子の電圧が低下したときにも、ハイサイド回路で同様に成り立つ。
第3態様において、前記ローサイド第1スイッチは、前記ローサイド第1スイッチソース端子の電圧を基準にしたときの前記ローサイド第1スイッチゲート端子の電圧をローサイド第1スイッチゲート電圧としたときに、
前記ローサイド第1スイッチゲート電圧が前記ローサイド第1スイッチの閾値電圧より低いときに、オン状態になり、前記ローサイド第1スイッチソース端子と前記ローサイド第1スイッチドレイン端子とを短絡させ、
前記ローサイド第1スイッチゲート電圧が前記ローサイド第1スイッチの閾値電圧より高いときに、オフ状態になり、前記ローサイド第1スイッチソース端子と前記ローサイド第1スイッチドレイン端子とを開放させ、
前記ハイサイド第1スイッチは、
前記ハイサイド第1スイッチソース端子の電圧を基準にしたときの前記ハイサイド第1スイッチゲート端子の電圧をハイサイド第1スイッチゲート電圧としたときに、
前記ハイサイド第1スイッチゲート電圧が前記ハイサイド第1スイッチの閾値電圧より低いときに、オン状態になり、前記ハイサイド第1スイッチソース端子と前記ハイサイド第1スイッチドレイン端子とを短絡させ、
前記ハイサイド第1スイッチゲート電圧が前記ハイサイド第1スイッチの閾値電圧より高いときに、オフ状態になり、前記ハイサイド第1スイッチソース端子と前記ハイサイドスイッチドレイン端子とを開放させてもよい。
本態様によれば、ローサイド第1スイッチ及びハイサイド第1スイッチをP型のMOSFET等のP型のスイッチングデバイスによって構成することができる。
第3態様において、前記ローサイド第1スイッチと前記ハイサイド第1スイッチとが、それぞれ、P型のMetalOxideSemiconductor(MOSFET)もしくは、InsulatedGateBipolarTransistrr(IGBT)もしくは、JunctionFieldEffectTransistor(JFET)もしくは、StaticInducedTransistor(SIT)もしくは、HighElectronMobilityTransistor(HEMT)であってもよい。
第3態様において、前記ローサイド第1スイッチは、
ローサイド第1スイッチボディダイオードを内蔵し、
前記ローサイド第1スイッチソース端子の電圧が前記ローサイド第1スイッチドレイン端子の電圧より低いときに、前記ローサイド第1スイッチドレイン端子から前記ローサイド第1スイッチソース端子に前記ローサイド第1スイッチボディダイオードを通して電流を流し、
前記ハイサイド第1スイッチは、
ハイサイド第1スイッチボディダイオードを内蔵し、
前記ハイサイド第1スイッチソース端子の電圧が前記ハイサイド第1スイッチドレイン端子の電圧より低いときに、前記ハイサイド第1スイッチドレイン端子から前記ハイサイド第1スイッチソース端子に前記ハイサイド第1スイッチボディダイオードを通して電流を流すようにしてもよい。
ソース2接続端子の電圧がソース1接続端子の電圧よりも低くなり、電圧Vs2s1がプラスの電圧からマイナスの電圧になったとする。この場合、電圧Vs2s1がプラスの電圧のときに基板電圧制御端子の電圧がソース1接続端子の電圧と同じになっているので、ソース2接続端子の電圧は、基板電圧制御端子の電圧よりも低くなる。このため、ソース2接続端子と接続されたハイサイド第1スイッチソース端子の電圧は、基板電圧制御端子と接続されたハイサイド第1スイッチドレイン端子の電圧よりも低くなる。
これにより、ハイサイド第1スイッチドレイン端子からハイサイド第1スイッチソース端子にハイサイド第1スイッチボディダイオードを通して電流が流れ、基板電圧制御端子の電圧が、ソース2接続端子の電圧にハイサイド第1スイッチボディダイオードの閾値電圧を加えた電圧以下に制限される。その結果、電圧Vs2s1がマイナスの範囲において低下するのに追従して、基板電圧制御端子の電圧も低下する。
そのため、本態様は、電圧Vs2s1がマイナスの範囲で低下する場合に、電圧Vs2s1の低下に追従して基板電圧制御端子の電圧を低下させることができる。このことは、電圧Vs1s2がマイナスの範囲で低下する場合(電圧Vs2s1がプラスの範囲で増大する場合)にも、ローサイド回路で同様に成り立つ。
第3態様において、前記ローサイド回路は、
前記ローサイドアノード端子と前記ローサイド第2スイッチゲート端子との間に接続されたローサイド第3コンデンサを更に備え、
前記ハイサイド回路は、前記ハイサイドアノード端子と前記ハイサイド第2スイッチゲート端子との間に接続されたハイサイド第3コンデンサを更に備え、
前記ローサイド第1コンデンサと前記ハイサイド第1コンデンサとはキャパシタンス容量値が0.1nFから100nFまでであり、
前記ローサイド第3コンデンサと前記ハイサイド第3コンデンサとはキャパシタンス容量値が0.05nFから50nFまでであってもよい。
本態様によれば、ソース1接続端子の電圧とソース2接続端子の電圧とのうち、低い方の電圧に対する基板電圧制御端子の電圧の追従性を高めることができる。
第3態様において、前記ローサイド回路は、
前記ローサイド第1スイッチゲート端子と前記ソース1接続端子との間に接続されたローサイド第1抵抗と、
前記ローサイド第2スイッチゲート端子と前記ソース1接続端子との間に接続されたローサイド第2抵抗と、
前記ローサイドアノード端子と前記ローサイド第2スイッチゲート端子との間に接続されたローサイド第3抵抗と、
を更に備え、前記ハイサイド回路は、前記ハイサイド第1スイッチゲート端子と前記ソース2接続端子との間に接続されたハイサイド第1抵抗と、
前記ハイサイド第2スイッチゲート端子と前記ソース2接続端子との間に接続されたハイサイド第2抵抗と、
前記ハイサイドアノード端子と前記ハイサイド第2スイッチゲート端子との間に接続されたハイサイド第3抵抗と、
を更に備え、
前記ローサイド第1抵抗と前記ローサイド第2抵抗と前記ローサイド第3抵抗と前記ハイサイド第1抵抗と前記ハイサイド第2抵抗と前記ハイサイド第3抵抗との抵抗値が10キロオームから1メガオームまでであってもよい。
本態様によれば、ソース1接続端子の電圧とソース2接続端子の電圧とのうち、低い方の電圧に対する基板電圧制御端子の電圧の追従性を高めることができる。
[双方向スイッチングデバイス]
本開示の基板電圧制御回路を説明する前に、基板電圧制御回路が制御対象とする双方向スイッチングデバイスについて、図6を用いて説明をする。
図6は、双方向スイッチングデバイス900を回路記号で示す図である。双方向スイッチングデバイス900はソース端子S1と、ソース端子S2と、2つのゲート端子G1,G2と、基板端子SUBとを備える。ソース端子S1の電圧をVs1とし、ソース端子S2の電圧をVs2とし、ゲート端子G1の電圧をVg1とし、ゲート端子G2の電圧をVg2とし、ソース端子S1の電圧Vs1を基準にしたゲート端子G1の電圧Vg1を電圧Vgs1とし、ソース端子S2の電圧Vs2を基準にしたゲート端子G2の電圧Vg2を電圧Vgs2とする。
また、電圧Vs1より電圧Vs2の方が高い場合、電圧Vgs1が閾値電圧より高いとき、双方向スイッチングデバイス900はオン状態になり、電圧Vgs1が閾値電圧より低いとき、双方向スイッチングデバイス900はオフ状態になる。
一方、電圧Vs2より電圧Vs1の方が高い場合、電圧Vgs2が閾値電圧より高いとき、双方向スイッチングデバイス900はオン状態になり、電圧Vgs2が閾値電圧より低いとき、双方向スイッチングデバイス900はオフ状態になる。
図6に示す双方向スイッチングデバイス900は2つのゲート端子G1,G2を持つが、1つのゲート端子を持つ双方向スイッチングデバイスであっても、本開示の基板電圧制御回路は、適用可能であり、期待する効果が得られる。
[基板端子電圧波形]
次に、目標とする基板端子SUBの理想的な電圧波形について図2を用いて説明する。図2は、基板端子SUBの電圧と、ソース端子S1及びソース端子S2の電圧差との理想的な関係を示す波形図200である。一点鎖線で示すソース端子電圧波形201は、一方のソース端子(例えばソース端子S1)の電圧を0Vの基準電圧にしたときの、他方のソース端子(例えばソース端子S2)の電圧波形である。破線で示す基板端子電圧波形221は基板端子SUBの電圧波形である。
ソース端子電圧波形201がマイナスからプラスの電圧に変化し(時刻T1)、その後、プラスからマイナスの電圧に変化するとき(時刻T2)、基板端子電圧波形221は、常に低い方のソース端子電圧と同じ電圧になるのが理想の電圧波形である。
詳細には、ソース端子電圧波形201がソース端子S2の電圧波形であるとすると、時刻T1までは、ソース端子S2の電圧がソース端子S1の電圧よりも低いので、基板端子電圧波形221は、ソース端子電圧波形201に追従して増大している。時刻T1〜T2では、ソース端子S2の電圧がソース端子S1の電圧より高いので、基板端子電圧波形221は、0Vのソース端子S1の電圧に追従し、0Vを維持している。時刻T2以降は、再び、ソース端子S2の電圧がソース端子S1の電圧よりも低くなるので、基板端子電圧波形221は、ソース端子電圧波形201に追従して減少している。
そこで、本開示に係る基板電圧制御回路は、基板端子SUBの電圧を図2で示す理想的な基板端子電圧波形221に可能な限り近づけることを更なる目的とする。
[基本構成]
次に、本開示の基本構成の基板電圧制御回路について図1を用いて説明する。図1は、本開示の基本構成に係る基板電圧制御回路100を示す図である。
基板電圧制御回路100は、ソース1接続端子111およびソース2接続端子121の2つのソース接続端子と、基板電圧制御端子101とを備える。これらの端子と、図6に示す双方向スイッチングデバイス900の端子との結線について説明する。ソース1接続端子111はソース端子S1と接続され、ソース2接続端子121はソース端子S2と接続され、基板電圧制御端子101は基板端子SUBと接続される。
更に、基板電圧制御回路100は、ソース1接続端子111及び基板電圧制御端子101間に接続されたスイッチ112と、ソース2接続端子121及び基板電圧制御端子101間に接続されたスイッチ122と、スイッチ112,122を制御する制御回路131とを備える。制御回路131は、ソース1接続端子111の電圧がソース2接続端子121の電圧より低いとき、スイッチ112をオン状態にし、同時にスイッチ122をオフ状態にする。また、制御回路131は、ソース1接続端子111の電圧がソース2接続端子121の電圧より高いとき、スイッチ112をオフ状態にし、同時にスイッチ122をオン状態にする。
制御回路131は、ソース1接続端子111の電圧とソース2接続端子121の電圧とを比較するコンパレータと、このコンパレータの出力信号を元に制御信号を生成する制御信号生成回路と、生成された制御信号にしたがってスイッチ112とスイッチ122とを制御するゲートドライバー回路とを備える。このように、制御回路131は、コンパレータと、制御信号生成回路と、ゲートドライバー回路というような回路で実現される。
しかし、この制御回路131は、コンパレータと、制御信号生成回路と、ゲートドライバー回路とが必要なため、回路規模が大きくなり、体積の増加及びコストの増加を招来する。以下に説明するように、本開示の基板電圧制御回路は、制御回路131が不要なので、回路規模を小さくし、小型化とコスト低減とが可能である。以下、本開示の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図3は、本開示の実施の形態1における基板電圧制御回路300の一例を示す図である。基板電圧制御回路300は、ソース1接続端子111と、ソース2接続端子121と、基板電圧制御端子101と、ローサイド回路319と、ハイサイド回路329とを備える。
ソース1接続端子111は双方向スイッチングデバイス900のソース端子S1が接続され、ソース2接続端子121は双方向スイッチングデバイス900のソース端子S2が接続され、基板電圧制御端子101は双方向スイッチングデバイス900の基板端子SUBが接続される。
ローサイド回路319は、基板電圧制御端子101にソース1接続端子111の電圧を印加させるための回路である。ハイサイド回路329は、基板電圧制御端子101にソース2接続端子121の電圧を印加させるための回路である。ローサイド回路319とハイサイド回路329とはそれぞれ回路構成は同じである。但し、ローサイド回路319とハイサイド回路329とでは、ソース1接続端子111とソース2接続端子121との接続関係が逆である点が相違する。
NchMOSFET312は、図1のスイッチ112にNチャネル型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を適用したものである。同様にNchMOSFET322はスイッチ122にNチャネル型のMOSFETを適用したものである。
ローサイド回路319は、NchMOSFET312(ローサイドスイッチの一例、および第1スイッチの一例)と、抵抗313とを備える。ハイサイド回路329は、NchMOSFET322(ハイサイドスイッチの一例、および第2スイッチの一例)と、抵抗323とを備える。
NchMOSFET312は、ソース端子Sが基板電圧制御端子101に接続され、ドレイン端子Dがソース1接続端子111に接続され、ゲート端子Gが抵抗313を通してソース2接続端子121に接続される。
NchMOSFET322はソース端子Sが基板電圧制御端子101に接続され、ドレイン端子Dがソース2接続端子121に接続され、ゲート端子Gが抵抗323を通してソース1接続端子111に接続される。
ソース2接続端子121の電圧Vs2がソース1接続端子111の電圧Vs1より高いとき、NchMOSFET312がオン状態、NchMOSFET322がオフ状態になる。これにより、基板電圧制御端子101とソース1接続端子111とが電気的に短絡状態になり、基板電圧制御端子101にソース1接続端子111の電圧Vs1が印加される。
ソース1接続端子111の電圧Vs1がソース2接続端子121の電圧Vs2より高いとき、NchMOSFET322がオン状態、NchMOSFET312がオフ状態になる。これにより、基板電圧制御端子101とソース2接続端子121とが電気的に短絡状態になり、基板電圧制御端子101にソース2接続端子121の電圧Vs2が印加される。
Nチャネル型MOSFETは、原理的に、ソース端子Sとドレイン端子Dとの2つの端子の電圧のうち、低い方の電圧を基準にしたときのゲート端子Gの電圧(ゲート電圧Vgs)が、閾値電圧Vthより高いときオン状態になり、閾値電圧Vthより低いときにオフ状態になる。
NchMOSFETの閾値電圧Vthは、厳密には、ソース端子Sを基準にしたドレイン端子Dの電圧Vdsに応じて、2種類の閾値電圧Vthが存在する。1つ目は、Vds>0Vのときの閾値電圧Vthであり、一般的に称される閾値電圧である。2つ目は、Vds<0Vのときの閾値電圧Vthであり、一般的には、電圧Vdsが負電圧のときの閾値電圧と称される。両閾値電圧Vthの値は異なる。以下、両閾値電圧Vthを区別する場合、前者を閾値電圧Vth1と記述し、後者を閾値電圧Vth2と記述する。
(i)ローサイド回路:Vsub>Vs1の場合
ローサイド回路319において、基板電圧制御端子101の電圧Vsubがソース1接続端子111の電圧Vs1より高いとき(Vsub>Vs1)、ソース1接続端子111を基準にしたときのNchMOSFET312のゲート端子Gの電圧がゲート電圧Vgsとなる。また、Vsub>Vs1の場合、電圧Vds<0なので、NchMOSFET312の閾値電圧Vthは、閾値電圧Vth2となる。
このとき、ソース1接続端子111を基準にしたときのソース2接続端子121の電圧Vs2s1が、NchMOSFET312の閾値電圧Vth2より高ければ、ゲート電圧Vgsが閾値電圧Vth2より高くなって、NchMOSFET312はオン状態になる。一方、電圧Vs2s1が閾値電圧Vth2より低ければ、ゲート電圧Vgsが閾値電圧Vth2より低くなって、NchMOSFET312はオフ状態になる。
(ii)ローサイド回路:Vs1>Vsubの場合
逆に、基板電圧制御端子101の電圧Vsubがソース1接続端子111の電圧Vs1より低いとき(Vs1>Vsub)、基板電圧制御端子101を基準にしたときのNchMOSFET312のゲート端子Gの電圧がゲート電圧Vgsになる。また、Vs1>Vsubの場合、電圧Vds>0なので、閾値電圧Vthは閾値電圧Vth1となる。
このとき、基板電圧制御端子101を基準にしたときのソース2接続端子121の電圧Vs2subがNchMOSFET312の閾値電圧Vth1より高ければ、ゲート電圧Vgsが閾値電圧Vth1より高くなって、NchMOSFET312はオン状態になる。一方、電圧Vs2subが閾値電圧Vth1より低いとき、ゲート電圧Vgsが閾値電圧Vth1より低くなって、NchMOSFET312はオフ状態になる。
(iii)ハイサイド回路:Vsub>Vs2の場合
これらのことは、ハイサイド回路329においても同様である。基板電圧制御端子101の電圧VsubがNchMOSFET322のドレイン端子Dに繋がるソース2接続端子121の電圧Vs2より高いときは(Vsub>Vs2)、ソース2接続端子121を基準にしたNchMOSFET322のゲート端子Gの電圧がゲート電圧Vgsになる。また、Vsub>Vs2の場合、NchMOSFET322において、Vds<0になるので、NchMOSFET322の閾値電圧Vthは閾値電圧Vth2となる。
このとき、ソース2接続端子121を基準にしたソース1接続端子111の電圧Vs1s2がNchMOSFET322の閾値電圧Vth2より高いとき、ゲート電圧Vgsが閾値電圧Vth2より高くなって、NchMOSFET322はオン状態になる。一方、電圧Vs1s2が閾値電圧Vth2より低いとき、ゲート電圧Vgsが閾値電圧Vth2より低くなって、NchMOSFET322はオフ状態になる。
(iv)ハイサイド回路:Vs2>Vsubの場合
逆に、基板電圧制御端子101の電圧VsubがNchMOSFET322のドレイン端子Dに繋がるソース2接続端子121の電圧Vs2より低いとき(Vsub<Vs2)、電圧Vsubを基準にしたNchMOSFET322のゲート端子Gの電圧がゲート電圧Vgsになる。また、Vsub<Vs2の場合、NchMOSFET322において、Vds>0になるので、NchMOSFET322の閾値電圧Vthは閾値電圧Vth1となる。
このとき、基板電圧制御端子101を基準にしたソース1接続端子111の電圧Vs1subがNchMOSFET322の閾値電圧Vth1より高いとき、ゲート電圧Vgsが閾値電圧Vth1より高くなって、NchMOSFET322はオン状態になる。一方、電圧Vs1subが閾値電圧Vth1より低いとき、ゲート電圧Vgsが閾値電圧Vth1より低くなって、NchMOSFET322はオフ状態になる。
NchMOSFET312とNchMOSFET322とは、ボディダイオードを持つデバイスでもよいし、持たないデバイスでもよい。また、NchMOSFET312とNchMOSFET322とは、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やJFET(Junction Field Effect Transistor)などの、Nチャネル型のスイッチングデバイスで置き換えてもよく、スイッチ112及び122は、Nチャネル型MOSFETに限られるものではない。
また、NchMOSFET312とNchMOSFET322とに使用される半導体デバイスの半導体材料は、シリコン(Si)、シリコン・カーバイド(SiC)、ガリウム・ナイトライド(GaN)、ダイヤモンドなどでもよく、特定の半導体材料に限られるものではない。
このように、基板電圧制御回路300は、上記の(ii)に示すように、電圧Vsubが電圧Vs1より低い場合であっても、電圧Vs2subがNchMOSFET312の閾値電圧Vth1より高ければ、NchMOSFET312がオン状態になって、基板電圧制御端子101とソース1接続端子とを短絡状態にすることができる。
また、基板電圧制御回路300は、上記の(iv)に示すように、電圧Vsubが電圧Vs2より低い場合であっても、電圧Vs1subがNchMOSFET322の閾値電圧Vth1より高ければ、NchMOSFET322がオン状態になって、基板電圧制御端子101とソース2接続端子121とを短絡状態にすることができる。
このように、基板電圧制御回路300は、上記の(i)〜(iv)に示すように、常に基板電圧制御端子101の電圧を、ソース1接続端子の電圧及びソース2接続端子の電圧のうち、低い方の電圧に設定できる。その結果、双方向スイッチングデバイスを安定したスイッチング特性で動作させると共に、2つの電流方向のスイッチング特性の差が低減されるように双方向スイッチングデバイスを動作させることができる。
(実施の形態2)
以上の説明に用いた図3は原理的な回路の構成であり、実用的な回路には保護機能や性能向上のための工夫が必要となる。実施の形態1を改良した実用的な実施の形態2の基板電圧制御回路について図4を用いて説明する。
図4は、本開示の実施の形態2における基板電圧制御回路400の一例を示す図である。基板電圧制御回路400は、図3の基板電圧制御回路300に、ダイオード414(ローサイドダイオードの一例、および第1ダイオードの一例)と、ダイオード424(ハイサイドダイオードの一例、および第2ダイオードの一例)と、チェナーダイオード415(ローサイドスイッチダイオードの一例)と、チェナーダイオード425(ハイサイドスイッチダイオードの一例)と、コンデンサ416と、コンデンサ426とが更に追加されている。ローサイド回路419は、NchMOSFET312と、抵抗313と、ダイオード414と、チェナーダイオード415と、コンデンサ416とを備える。ハイサイド回路429は、NchMOSFET322と、抵抗323と、ダイオード424と、チェナーダイオード425と、コンデンサ426とを備える。
ローサイド回路419は、ソース2接続端子121の電圧Vs2がソース1接続端子111の電圧Vs1より高いとき、基板電圧制御端子101にソース1接続端子111の電圧Vs1を印加するための回路である。ハイサイド回路429は、ソース1接続端子111の電圧Vs1がソース2接続端子121の電圧Vs2より高いときに、基板電圧制御端子101にソース2接続端子121の電圧Vs2を印加するための回路である。
ローサイド回路419において、ダイオード414のアノード端子aはNchMOSFET312のゲート端子Gに接続され、ダイオード414のカソード端子kはソース2接続端子121に接続される。チェナーダイオード415のアノード端子aは基板電圧制御端子101に接続され、チェナーダイオード415のカソード端子kはNchMOSFET312のゲート端子Gに接続される。コンデンサ416はNchMOSFET312のゲート端子Gとソース1接続端子111との間に接続される。
同様に、ハイサイド回路429において、ダイオード424のアノード端子aはNchMOSFET322のゲート端子Gに接続され、ダイオード424のカソード端子kはソース1接続端子111に接続される。チェナーダイオード425のアノード端子aは基板電圧制御端子101に接続され、チェナーダイオード425のカソード端子kはNchMOSFET322のゲート端子Gに接続される。コンデンサ426は、NchMOSFET322のゲート端子Gとソース2接続端子121との間に接続される。
以下、ローサイド回路419の動作と部品の定数とについて説明する。以下の説明では電圧Vsub>電圧Vs1であるものとして説明する。
[ダイオード]
ここで、ソース1接続端子111を基準にしたソース2接続端子121の電圧を、実施の形態1と同様、電圧Vs2s1と定義する。電圧Vs2s1がNchMOSFET312の閾値電圧Vthより高いプラスの電圧のときは、NchMOSFET312は、オン状態になる。電圧Vs2s1がNchMOSFET312の閾値電圧Vthより低いプラス電圧のときは、NchMOSFET312はオフ状態になる。また、電圧Vs2s1がマイナス電圧のときもNchMOSFET312はオフ状態になる。
電圧Vs2s1がプラス電圧から0Vに向かって変化する期間及びプラス電圧からマイナス電圧に変化するときの過度期間において、電圧Vs2s1が閾値電圧Vthより低くなったとき、即座にNchMOSFET312をターンオフする必要がある。
しかし、NchMOSFET312のゲート端子Gには寄生のキャパシタンス容量が存在するため、ゲート電圧Vgsの変化は、ソース2接続端子121の電圧Vs2の変化に対し遅延する可能性がある。この遅延は、寄生キャパシタンス容量と抵抗313の抵抗値との積で決まる時定数に関係する大きさになる。遅延が生じると、例えば、電圧Vs2s1がマイナスの電圧になっても暫くの期間、NchMOSFET312はオンの状態が継続する可能性がある。このときに、ハイサイド回路429のNchMOSFET322もオン状態になっているので、ソース2接続端子121とソース1接続端子111とは、NchMOSFET312とNchMOSFET322とを通して短絡し、基板電圧制御回路400及び双方向スイッチングデバイス900等の回路を破壊する可能性がある。そのため、基板電圧制御回路400は、遅延を充分に低減してNchMOSFET312を即座にターンオフする必要がある。ダイオード414は、この遅延を低減するために設けられている。
NchMOSFET312のゲート電圧Vgsが、ソース2接続端子121の電圧Vs2に対してダイオード414の閾値電圧Vfだけ高い電圧より大きいとき(Vgs>Vs2+Vf)、ダイオード414はオン状態になって、アノード端子aからカソード端子kに向けて電流を流す。そのため、電圧Vs2s1が低下していき、ゲート電圧Vgsが電圧Vs2に対して閾値電圧Vfよりも高くなると、ダイオード414は、オン状態になって、NchMOSFET312の寄生キャパシタンス容量に蓄積された電荷を引き抜く。その結果、NchMOSFET312のゲート電圧Vgsは、即座にVs2s1の変化に追従できる。電圧Vs2s1が0V近辺のときに確実にNchMOSFET312をオフ状態にするためには、NchMOSFET312がオフ状態になる前に、ダイオード414がオン状態になる必要がある。そのため、NchMOSFET312の閾値電圧Vthはダイオード414の閾値電圧Vfより大きくすればよい。
[チェナーダイオード]
チェナーダイオード415,425は、NchMOSFET312,322のゲート端子Gの過電圧破壊を回避するための保護回路である。チェナーダイオード415は、NchMOSFET312のゲート端子Gの許容電圧より低いチェナー電圧を持つ。これにより、チェナーダイオード415は、ゲート端子Gに許容電圧よりも高い電圧が印加されることを防止し、ゲート端子Gの過電圧破壊を回避することができる。
チェナーダイオード425は、NchMOSFET322のゲート端子Gの許容電圧より低いチェナー電圧を持つ。これにより、チェナーダイオード425は、ゲート端子Gに許容電圧よりも高い電圧が印加されることを防止し、ゲート端子Gの過電圧破壊を回避することができる。
なお、チェナーダイオード415は、基板電圧制御端子101の電圧がソース1接続端子111の電圧より高いとき、アノード端子aからカソード端子kに電流を流し、電圧Vsubをソース1接続端子111の電圧に近づける。
また、チェナーダイオード425は、基板電圧制御端子101の電圧Vsubがソース2接続端子121の電圧より高いとき、アノード端子aからカソード端子kに電流を流し、電圧Vsubをソース2接続端子の電圧に近づける。
[抵抗]
抵抗313の抵抗値は低い程、ソース2接続端子121の電圧Vs2に対する基板電圧制御端子101の電圧Vsubの追従性が向上する。そのため、抵抗313は、抵抗値が低いほどよい。しかし、電圧Vs2s1がプラスの電圧のときに、ソース2接続端子121から、抵抗313、チェナーダイオード415、及びNchMOSFET312を通って、ソース1接続端子111に電流が流れる。そのため、抵抗313の抵抗値が低すぎると、この電流が増大し、基板電圧制御回路400の損失が増加する。そのため、抵抗313の抵抗値は、基板電圧制御端子101の電圧Vsubの追従性と損失とのトレードオフの中で最適な値を設定すればよい。このことは、抵抗323も同様である。例えば、抵抗313と抵抗323との抵抗値は、500Ω以上、500kΩ以下の値が採用できる。
[コンデンサ]
ダイオード414にはアノード端子aとカソード端子kとの間に寄生キャパシタンス容量がある。NchMOSFET312のゲート端子Gにも寄生キャパシタンス容量がある。電圧Vs2s1がプラスの電圧の範囲にある場合において、電圧Vs2subが、チェナーダイオード415のチェナー電圧より大きいとき、チェナーダイオード415のカソード端子kからアノード端子aに電流が流れる。そのため、NchMOSFET312のゲート電圧Vgsは、チェナーダイオード415のチェナー電圧にクランプされ一定の電圧になる。電圧Vs2subが、チェナーダイオード415のチェナー電圧より高い電圧から0Vに向かって低下するとき、ダイオード414のカソード端子kとアノード端子aの寄生キャパシタンス容量によるカップリングによって、チェナーダイオード415のカソード端子kからアノード端子aへ変位電流が流れる。この変位電流は、NchMOSFET312のゲート電圧Vgsを低下させる。
そのため、ゲート電圧Vgsは、電圧Vs2s1がプラスの電圧の範囲で0V近くに低下する前に閾値電圧Vthよりも低くなって、NchMOSFET312をオフ状態にする可能性がある。これにより、基板電圧制御端子101の電圧Vsubの制御が理想の波形から逸脱し、性能が低下する場合がある。コンデンサ416はこれを改善するために設けられている。
コンデンサ416は、NchMOSFET312のゲート電圧Vgsの変動を小さくする。詳細には、コンデンサ416は、電圧Vs2s1が正の電圧の範囲において、0V近くに低下するとき、ダイオード414の寄生キャパシタンス容量によって、チェナーダイオード415のカソード端子kからアノード端子aへ流れる変位電流の一部を吸収する。そのため、コンデンサ416は、NchMOSFET312のゲート電圧Vgsの低下を抑制することができる。その結果、電圧Vs2s1が0V近くに減少するまで、NchMOSFET312のオン状態が継続されるようになる。したがって、電圧Vsubの波形を理想の波形に近づけることができる。
ここで、コンデンサ416のキャパシタンス容量値は大きい程、基板電圧制御端子101の電圧波形を理想の波形に近づけることができるが、損失は増加する。基板電圧制御端子101の電圧波形を理想の波形に近づけることと、損失とはトレードオフの関係にある。そのため、コンデンサ416のキャパシタンス容量値は、基板電圧制御端子101の電圧波形の特性と損失との関係から、適切な値が設定されればよい。例えば、キャパシタンス容量値としては、100pF以上、10nF以下の値が採用できる。
以上がローサイド回路419の動作及び定数の説明である。ハイサイド回路429とローサイド回路419とは、ソース1接続端子111とソース2接続端子121との接続関係が逆である点以外は、同じ回路構成である。そのため、ハイサイド回路429の動作及び定数については、ローサイド回路419と同じであるので説明を省く。
[シミュレーション]
次に、図4に示す基板電圧制御回路400を用いて行った回路シミュレーションの結果について説明する。
図5A、図5Bは、回路シミュレーションの結果を示す波形図である。この回路シミュレーションでは、ソース1接続端子111を0Vで一定にし、ソース2接続端子121の電圧を−150Vから+150Vに変化させときと、ソース2接続端子121の電圧を+150Vから−150Vの電圧に変化させたときとの基板電圧制御端子101の電圧Vsubの電圧波形を観察した。そして、電圧Vs2s1に対する電圧Vsubの追従性について評価を行った。この回路シミュレーションでは、電圧Vs2s1の変化する時間は100ナノ秒とした。
図5Aは、電圧Vs2s1がマイナス電圧からプラス電圧に変化するときの電圧波形であり、図5Bは、電圧Vs2s1がプラス電圧からマイナス電圧に変化するときの電圧波形である。図5A、図5Bには電圧波形W1〜W4の4つの電圧波形が示されており、電圧波形W1は電圧Vs2s1の電圧波形であり、電圧波形W2〜W4は電圧Vsubの電圧波形である。
電圧波形W2〜W4は、それぞれ、回路の条件が異なる。電圧波形W2の回路の条件は、抵抗313と、抵抗323と、コンデンサ416と、コンデンサ426とが削除された条件である。電圧波形W3の条件は、抵抗313と抵抗323とが、それぞれ、1kΩであり、且つ、コンデンサ416とコンデンサ426とが削除された条件である。電圧波形W4の条件は、抵抗313と抵抗323とが、それぞれ、1kΩであり、且つ、コンデンサ416と、コンデンサ426とが1nFの条件である。
図5Aと図5Bとの両方において、電圧Vs2s1がマイナスの範囲で変化するとき、電圧Vs2s1に対する電圧Vsubの追従性に差が見られた。電圧Vs2s1が一定である定常状態においては、電圧Vsubはいずれも同じ電圧波形となった。
図5Aにおいて、抵抗313と抵抗323とを削除したときの電圧波形W2と、抵抗値1kΩの抵抗313と抵抗323とを追加したときの電圧波形W3とを比較すると、電圧波形W1が0Vに到達してから電圧波形W3が0Vに到達するまでの時間は、電圧波形W1が0Vに到達してから電圧波形W2が0Vに到達するまでの時間よりも短い。また、図5Bにおいて、電圧波形W2と電圧波形W3とを比較すると、電圧波形W1が0Vに到達してから電圧波形W3が電圧波形W1と重なるまでの時間は、電圧波形W1が0Vに到達してから電圧波形W2が電圧波形W1と重なるまでの時間よりも短い。すなわち、電圧波形W3の方が理想の電圧波形に近くなった。図5Aにおいて、電圧波形W3と、電圧波形W3の回路の条件に、キャパシタンス容量が1nFのコンデンサ416とコンデンサ426とを追加したときの電圧波形W4とを比較すると、電圧波形W1が0Vに到達してから電圧波形W4が0Vに到達するまでの時間は、電圧波形W1が0Vに到達してから電圧波形W3が0Vに到達するまでの時間よりも短い。また、図5Bにおいて、電圧波形W3と電圧波形W4とを比較すると、電圧波形W1が0Vに到達してから電圧波形W4が電圧波形W1と重なるまでの時間は、電圧波形W1が0Vに到達してから電圧波形W3が電圧波形W1と重なるまでの時間よりも短い。すなわち、電圧波形W4の方が電圧波形W3よりも更に理想の電圧波形に近くなった。電圧波形W4では、前述した図4の動作の説明と一致する回路シミュレーションの結果を得られた。
以上、本開示が期待する基板電圧制御回路400の動作が、回路シミュレーションにより検証された。
このように、基板電圧制御回路400は、ダイオード414,424と、コンデンサ416,426とを備えているので、電圧Vs2s1に対する電圧Vsubの追従性をより高かめ、電圧Vsubを理想の電圧波形に近づけることができる。
[双方向スイッチングデバイスの構造]
本開示の基板電圧制御回路は、双方向スイッチングデバイスの半導体素子と同じチップ上に集積回路として形成することができる。基板電圧制御回路の集積化について説明する前に、最初に、双方向スイッチングデバイスの構造について図7を用いて説明する。
図7は、ゲート駆動回路部5102を接続したGaN双方向スイッチングデバイス5101の断面構成を示す図である。
図7に示すように、GaN双方向スイッチングデバイス5101は、導電性のシリコン(Si)基板5111の上に形成された厚さが約1μmのバッファ層5112と、バッファ層5112の上に形成された半導体層積層体5113とを備える。バッファ層5112は、交互に積層された厚さが10nm程度の窒化アルミニウム(AlN)と厚さが10nm程度の窒化ガリウム(GaN)とを備える。
半導体層積層体5113は、基板側から順次積層された第1の半導体層5114と第1の半導体層5114と比べてバンドギャップが大きい第2の半導体層5115とを備える。第1の半導体層5114は、厚さが2μm程度のアンドープの窒化ガリウム(GaN)層であり、第2の半導体層5115は、厚さが20nm程度のn型の窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)層である。
GaNからなる第1の半導体層5114と、AlGaNからなる第2の半導体層5115とのヘテロ界面近傍には、自発分極及びピエゾ分極による電荷が生じる。これにより、シートキャリア濃度が1×1013cm−2以上で且つ移動度が1000cm2V/sec以上の2次元電子ガス(2DEG)層であるチャネル領域が生成されている。
半導体層積層体5113の上には、互いに間隔をおいて第1のオーミック電極5116Aと第2のオーミック電極5116Bとが形成されている。第1のオーミック電極5116A及び第2のオーミック電極5116Bは、チタン(Ti)とアルミニウム(Al)とが積層されており、チャネル領域とオーミック接触している。
図7に例示された構成では、コンタクト抵抗を低減するために、第2の半導体層5115の一部が除去されている。さらに、第1の半導体層5114が40nm程度掘り下げられ、第1のオーミック電極5116A及び第2のオーミック電極5116Bが第1の半導体層5114と第2の半導体層5115との界面に接している。なお、第1のオーミック電極5116A及び第2のオーミック電極5116Bは、第2の半導体層5115の上面に形成されてもよい。
第1のオーミック電極5116Aの上面には、AuとTiとからなるS1電極配線5151Aが形成されており、S1電極配線5151Aと第1のオーミック電極5116Aとが電気的に接続されている。第2のオーミック電極5116Bの上面には、AuとTiとからなるS2電極配線5151Bが形成されており、S2電極配線5151Bと第2のオーミック電極5116Bとが電気的に接続されている。
第2の半導体層5115の上面における、第1のオーミック電極5116Aと第2のオーミック電極5116Bとの間の領域には、第1のp型半導体層5119A及び第2のp型半導体層5119Bが互いに間隔をおいて選択的に形成されている。第1のp型半導体層5119Aの上面には第1のゲート電極5118Aが形成され、第2のp型半導体層5119Bの上面には第2のゲート電極5118Bが形成されている。第1のゲート電極5118A及び第2のゲート電極5118Bは、それぞれ、パラジウム(Pd)と金(Au)との積層体で構成され、第1のp型半導体層5119A及び第2のp型半導体層5119Bとオーミック接触している。
S1電極配線5151A、第1のオーミック電極5116A、第2の半導体層5115、第1のp型半導体層5119A、第1のゲート電極5118A、第2のp型半導体層5119B、第2のゲート電極5118B、第2のオーミック電極5116B、及びS2電極配線5151Bを覆うように窒化シリコン(SiN)からなる保護膜5141が形成されている。
Si基板5111の裏面には、ニッケル(Ni)とクロム(Cr)と銀(Ag)とが積層された厚さ800nm程度の裏面電極5153が形成されており、裏面電極5153はSi基板5111とオーミック接合している。
第1のオーミック電極5116Aと接続された端子、第1のゲート電極5118Aと接続された端子、第2のゲート電極5118Bと接続された端子、及び第2のオーミック電極5116Bと接続された端子は、それぞれ、図6のソース端子S1、ゲート端子G1、ゲート端子G2、及びソース端子S2に対応する。また、裏面電極と接続された端子は、図6の基板端子SUBに対応する。
第1のp型半導体層5119A及び第2のp型半導体層5119Bは、それぞれ、厚さが300nm程度で、マグネシウム(Mg)がドープされたp型のGaNで構成されている。第1のp型半導体層5119A及び第2のp型半導体層5119Bと、第2の半導体層5115とによりpn接合がそれぞれ形成される。これにより、第1のオーミック電極5116Aと第1のゲート電極5118A間との電圧が、例えば、0V以下の場合には、第1のp型半導体層5119Aからチャネル領域中に空乏層が広がるため、チャネルに流れる電流を遮断することができる。同様に、第2のオーミック電極5116Bと第2のゲート電極5118Bの間の電圧が、例えば、0V以下の場合には、第2のp型半導体層5119Bからチャネル領域中に空乏層が広がるため、チャネルに流れる電流を遮断することができる。従って、いわゆるノーマリーオフ動作をする半導体素子が実現できる。また、第1のp型半導体層5119Aと第2のp型半導体層5119Bとの間の距離は、第1のオーミック電極5116A及び第2のオーミック電極5116Bに印加される最大電圧に耐えられる距離に設計されている。
ゲート駆動回路部5102は、ソース端子S1とゲート端子G1との間に接続された第1の電源5121と、ソース端子S2とゲート端子G2との間に接続された第2の電源5122とを備える。第1の電源5121及び第2の電源5122は、出力電圧を変化させることができる可変電源である。なお、第1の電源5121及び第2の電源5122としては、可変電源に代えて電源を内蔵するゲート回路等が採用されてもよい。
第1の電源5121の電圧を第1のゲート電極5118Aの閾値電圧よりも低くして、第1のゲート電極5118Aの下側に空乏層が広がるようにし、第2の電源5122の電圧を第2のゲート電極5118Bの閾値電圧よりも低くして、第2のゲート電極5118Bの下側に空乏層が広がるようにする。
このようにすれば、第1のオーミック電極5116Aであるソース端子S1と第2のオーミック電極5116Bであるソース端子S2との間にはどちらの方向にも電流が流れない。第1の電源5121の電圧を第1のゲート電極5118Aの閾値電圧以上とし、第2の電源5122の電圧を第2のゲート電極5118Bの閾値電圧以上とすれば、ソース端子S1とソース端子S2との間に、双方向に電流を流すことができる。第1の電源5121の電圧を第1のゲート電極5118Aの閾値電圧以上とし、第2の電源5122の電圧を第2のゲート電極5118Bの閾値電圧よりも低くすれば、ソース端子S1からソース端子S2は電流が流れないが、ソース端子S2からソース端子S1へは電流が流れる。第1の電源5121の電圧を第1のゲート電極5118Aの閾値電圧よりも低くし、第2の電源5122の電圧を第1のゲート電極5118Aの閾値電圧以上とすれば、ソース端子S1からソース端子S2へは電流が流れるが、ソース端子S2からソース端子S1へは電流が流れない。
次に、基板電圧制御回路を構成する部品を、前述したGaN双方向スイッチングデバイス5101と同じ半導体プロセスを使用して形成する構造について説明する。基板電圧制御回路とGaN双方向スイッチングデバイス5101とは同じ半導体プロセスで形成されるので、同じチップ上に集積することが可能であることを、以下、説明する。
図4に示すNchMOSFET312とNchMOSFET322とを、GaNスイッチングデバイスに置き換えることを想定する。図8は、GaNスイッチングデバイス6101の断面構成を示す図である。GaNスイッチングデバイス6101は双方向スイッチングデバイスではなく、ソース端子Sと、ドレイン端子Dと、ゲート端子Gとの3つの端子を備える単方向のスイッチングデバイスである。GaNスイッチングデバイス6101は、図7のGaN双方向スイッチングデバイス5101の構成から第2のゲート電極5118Bと第2のp型半導体層5119Bとを削除した構造で形成することができる。そのため、GaNスイッチングデバイス6101は、GaN双方向スイッチングデバイス5101と同じ半導体プロセスで形成できる。また、GaN双方向スイッチングデバイス5101のソース端子S1と、ソース端子S2と、ゲート端子G1とは、GaNスイッチングデバイス6101では、それぞれ、ソース端子Sと、ドレイン端子Dと、ゲート端子Gとになる。
ソース端子Sを基準にしたゲート端子Gの電圧(ゲート電圧Vgs)が、GaNスイッチングデバイス6101の閾値電圧より大きいとき、GaNスイッチングデバイス6101はオン状態になり、ソース端子Sとドレイン端子Dとは電気的に短絡する。また、ゲート電圧Vgsが閾値電圧より低いとき、GaNスイッチングデバイス6101はオフ状態になり、ソース端子Sとドレイン端子Dとは電気的に開放状態になる。
次に、図4に示すダイオード414,424を、半導体材料であるGaNを利用して形成する方法を説明する。図9は、GaNダイオード7101の断面構造を示す図である。GaNダイオード7101は、図8に示すGaNスイッチングデバイス6101の構成からS1電極配線5151Aと第1のオーミック電極5116Aとを削除した構造で形成される。そのため、GaNダイオード7101は、GaN双方向スイッチングデバイス5101と同じ半導体プロセスで形成できる。また、GaNスイッチングデバイス6101のゲート端子Gとドレイン端子Dとは、それぞれ、GaNダイオード7101では、アノード端子aとカソード端子kとになる。
GaNダイオード7101は、第1のp型半導体層5119Aと第2の半導体層5115とにより形成されるpn接合を利用したものである。カソード端子kを基準にしたアノード端子aの電圧Vakが、GaNダイオード7101の閾値電圧Vfよりも大きいとき、GaNダイオード7101はオン状態になり、電流が流れる。また、電圧Vakが閾値電圧Vfよりも低いときはオフ状態になり電流は流れない。
図4に示す抵抗313,323は、図7に示す第1のp型半導体層5119Aと同じ材料と層で形成することができる。p型半導体層のレイアウトの幅と長さを調整することで、所望の抵抗の値にすることができる。そのため、抵抗313,323は、双方向スイッチングデバイスのGaN双方向スイッチングデバイス5101と同じ半導体プロセスで形成できる。
抵抗313,323は、窒化硅化タングステン(WSiN)等の材料で形成されてもよい。
図4に示すチェナーダイオード415,425は、ゲート端子Gの過電圧保護素子である。GaNスイッチングデバイス6101の場合、ゲート端子Gとソース端子Sとの間に、pn接合のダイオードを内蔵している。そのため、この内蔵されたダイオードが、ゲート端子Gの過電圧保護として機能し、チェナーダイオードの役割を有している。この場合、チェナーダイオード415,425は外部の電気部品で構成しなくてもよい。
図4に示すコンデンサ416と426とについて説明する。大きなキャパシタンス容量のコンデンサを半導体プロセスで形成すると、チップ面積が大きくなるため好ましくない。図4の基板電圧制御回路400は、上述したようにコンデンサ416,426を削除しても動作可能である。もし、コンデンサ416,426が必要なときは、半導体チップに集積するのではなく、外部の電気部品として基板電圧制御回路400に接続するのが望ましい。
以上、図4に示す基板電圧制御回路400の部品であるGaNスイッチングデバイス6101とGaNダイオード7101と抵抗とを、同じ半導体チップの表面に形成して集積化することを説明した。ここで、それぞれの部品は、電気的に素子分離をする必要がある。素子分離は、例えば、トレンチ構造を利用することで実現できる。
次に、集積された基板電圧制御回路400において、基板電圧制御端子101と、GaN双方向スイッチングデバイス5101の裏面電極5153との接続方法について説明する。
裏面電極5153は、パッケージに収めた場合、リードフレームの上に配置される。このとき、裏面電極5153とリードフレームとは電気的に接続される。基板電圧制御端子101にワイヤーボンディング用のパッドを設け、このパッドと、裏面電極5153に接続されるリードフレームとが、ワイヤーボンディングで結線されればよい。
また、チップの表面からSi基板5111までトレンチ構造の穴を開けて、この穴に、チップ表面に形成される基板電圧制御端子101の電気的ノードと、Si基板5111とを接続する配線を貫通させてもよい。
(実施の形態3)
図10は、本開示の実施の形態3に係る基板電圧制御回路500の一例を示す図である。基板電圧制御回路500は、図1のスイッチ112,122にNチャネル型のMOSFETであるNchMOSFET312,322を適用し、NchMOSFET312,322のゲート端子GをPチャネル型のMOSFETであるPchMOSFET513,523で駆動することを特徴とする。
ソース1接続端子111は双方向スイッチングデバイス900のソース端子S1が接続され、ソース2接続端子121は双方向スイッチングデバイス900のソース端子S2が接続され、基板電圧制御端子101は双方向スイッチングデバイス900の基板端子SUBが接続される。
基板電圧制御回路500は、ローサイド回路519とハイサイド回路529とを備える。ローサイド回路519は、NchMOSFET312(ローサイド第1スイッチの一例)と、PchMOSFET513(ローサイド第2スイッチの一例)と、コンデンサ514(ローサイドコンデンサの一例)と、電源515(ローサイド電源の一例)とを備える。
ハイサイド回路529は、NchMOSFET322(ハイサイド第1スイッチの一例)と、PchMOSFET523(ハイサイド第2スイッチの一例)と、コンデンサ524(ハイサイドコンデンサの一例)と、電源525(ハイサイド電源の一例)とを備える。
ローサイド回路519は、基板電圧制御端子101にソース1接続端子111の電圧Vs1を印加させるための回路である。ハイサイド回路529は基板電圧制御端子101にソース2接続端子121の電圧Vs2を印加させるための回路である。
まず、ローサイド回路519について説明する。NchMOSFET312のソース端子Sは基板電圧制御端子101に接続され、ドレイン端子Dはソース1接続端子111に接続され、ゲート端子GはPchMOSFET513のドレイン端子Dに接続される。PchMOSFET513のソース端子Sは、電源515のプラス端子に接続され、ゲート端子Gとソース2接続端子121との間にコンデンサ514が接続される。電源515のマイナス端子は基板電圧制御端子101に接続される。
ここで、ソース1接続端子111を基準とするソース2接続端子の電圧を電圧Vs2s1と表す。電圧Vs2s1がプラスの範囲において低下すると、コンデンサ514のカップリングによって、PchMOSFET513のゲート端子Gの電圧が低下する。PchMOSFET513のゲート電圧Vgsは、電源515のプラス端子を基準とするゲート端子Gの電圧になる。このゲート電圧VgsがPchMOSFET513の閾値電圧より低いときにPchMOSFET513はオン状態になり、高いときにオフ状態になる。
PchMOSFET513がオン状態になると、電源515のプラス電圧がNchMOSFET312のゲート端子Gに印加される。NchMOSFET312のゲート電圧VgsがNchMOSFET312の閾値電圧より高きときに、NchMOSFET312はオン状態になり、低いときにオフ状態になる。つまり、電圧Vs2s1がプラスの範囲で低下するときに、PchMOSFET513がオン状態になり、続いてNchMOSFET312がオン状態になり、その結果、基板電圧制御端子101にソース1接続端子111の電圧Vs1が印加される。
そのため、基板電圧制御回路500は、電圧Vs2s1の変化時に、基板電圧制御端子101の電圧Vsubをソース1接続端子111の電圧Vs1に設定し、基板電圧制御端子101の電圧Vsubがフローティング状態になることを防止できる。その結果、基板電圧制御回路500は、双方向スイッチングデバイス900を安定したスイッチング特性で動作させると共に、2つの電流方向のスイッチング特性の差が低減されるように双方向スイッチングデバイス900を動作させることができる。
ここで、NchMOSFET312のゲート電圧Vgsは、NchMOSFET312のソース端子Sの電圧とドレイン端子Dの電圧とのうち低い方の電圧を基準にしたときのゲート端子Gの電圧となる。
したがって、NchMOSFET312は、基板電圧制御端子101の電圧Vsubがソース1接続端子111の電圧Vs1がより低い場合において、ソース端子Sを基準としたときのゲート電圧Vgsが閾値電圧より高くなると、オン状態になり、ソース端子Sとドレイン端子Dとを短絡する。これにより、NchMOSFET312は、基板電圧制御端子101の電圧Vsubがソース1接続端子111の電圧Vs1より低い場合であっても、基板電圧制御端子101の電圧Vsubをソース1接続端子111の電圧Vs1に設定できる。
ローサイド回路519とハイサイド回路529とは、それぞれ、ソース1接続端子111とソース2接続端子121との接続関係が逆である以外、回路構成は同じであり、動作も同じである。
次に、ハイサイド回路529について簡単に説明する。電圧Vs2s1がマイナスの範囲において増大し、コンデンサ524のカップリングによって、PchMOSFET523のゲート電圧Vgsが低下すると、PchMOSFET523はオン状態になり、NchMOSFET322がオン状態になる。その結果、基板電圧制御端子101にソース2接続端子121の電圧Vs2が印加される。したがって、ハイサイド回路529は、ローサイド回路519と同様、電圧Vs2s1の変化時に、基板電圧制御端子101の電圧Vsubがフローティング状態になることを防止できる。
NchMOSFET312とNchMOSFET322とは、それぞれ、ボディダイオードを備えていることが望ましい。その理由について以下、説明する。前述の動作についての説明のように、NchMOSFET312がオン状態になるのは電圧Vs2s1が低下する期間であり、電圧Vs2s1が一定である定常状態の期間にはNchMOSFET312はオフ状態を保つ。そのため、ソース2接続端子121の電圧Vs2がソース1接続端子111の電圧Vs1より高ければ、基板電圧制御端子101の電圧は電気的にフローティング状態になるためプラスの電圧になる場合がある。
図2で説明したように、基板電圧制御端子101の電圧波形は、常に、ソース1接続端子111の電圧Vs1とソース2接続端子121の電圧Vs2とのうち、低い方の電圧が、基板電圧制御端子101の電圧Vsubに一致するのが理想である。よって、基板電圧制御端子101の電圧がプラスの電圧になると、基板電圧制御端子101の電圧波形が理想の電圧波形でなくなってしまう。
これに対して、NchMOSFET312がボディダイオードを持てば、電圧Vs2s1がプラス電圧のとき、基板電圧制御端子101の電圧Vsubは、ソース1接続端子111の電圧Vs1よりボディダイオードの閾値電圧Vf分高い電圧付近に設定される。その結果、ボディダイオードを持つNchMOSFET312は、基板電圧制御端子101の電圧波形を理想の電圧波形に近づけることができる。このことは、NchMOSFET322についても同様に成り立つ。
なお、NchMOSFET312とNchMOSFET322とがボディダイオードを持たないデバイスで構成される場合、NchMOSFET312とNchMOSFET322とのそれぞれに外付けのダイオードを接続すればよい。この場合、NchMOSFET312において、外付けのダイオードは、アノード端子が基板電圧制御端子101に接続され、カソード端子がソース1接続端子111に接続されればよい。また、NchMOSFET322において、外付けのダイオードは、アノード端子が基板電圧制御端子101に接続され、カソード端子がソース2接続端子121に接続されればよい。
また、NchMOSFET312とNchMOSFET322とは、それぞれ、Nチャネル型のMOSFETに限らず、N型のFET、IGBT、JFET、BJTなどのスイッチングデバイスで構成されてもよい。この場合においても、ボディダイオードを持たないスイッチングデバイスを用いる場合は、NchMOSFETの場合と同様に、外付けのダイオードを接続すればよい。
このように、本態様では、電圧Vs2s1がプラスの範囲で低下するとき、PchMOSFET513によってNchMOSFET312のゲート端子Gが駆動されるので、NchMOSFET312の駆動性能を高めることができる。また、本態様では、電圧Vs2s1がマイナスの範囲で増大するときも、ハイサイド回路529が、ローサイド回路519と同様に動作するので、NchMOSFET322の駆動性能を高めることができる。
(実施の形態4)
図10に示す基板電圧制御回路500は、原理を説明するための基本回路である。実施の形態4の基板電圧制御回路600は、実施の形態3の基板電圧制御回路500に対して、保護機能が付加され、より実用的な回路構成を備えるものである。
図11は、本開示の実施の形態4に係る基板電圧制御回路600の一例を示す図である。基板電圧制御回路600は、基板電圧制御回路500に対して、チェナーダイオード415,616,620,425,626,630と、ダイオード414,618,424,628と、コンデンサ617,627と、抵抗619,641,629,651とが追加されている。
基板電圧制御回路600は、図10の基板電圧制御回路500の2つの電源515と電源525との機能が、コンデンサ617,627を利用する回路で実現されている。基板電圧制御回路600は、ローサイド回路681とハイサイド回路691とを備える。
以下、ローサイド回路681の動作及び部品について説明する。
NchMOSFET312は、基板電圧制御回路500と同様、基板電圧制御端子101にソース1接続端子111の電圧Vs1を印加するためのスイッチである。PchMOSFET513は、基板電圧制御回路500と同様、電圧Vs2s1がプラスの範囲で低下するときにオンし、NchMOSFET312のゲート端子Gを駆動するためのスイッチである。コンデンサ514は、電圧Vs2s1がプラスの範囲で低下するときにPchMOSFET513のゲート端子Gを駆動するためのコンデンサである。
[チェナーダイオード415]
チェナーダイオード415(ローサイドスイッチダイオードの一例)は、NchMOSFET312のゲート端子Gの過電圧破壊を防止するための保護回路である。チェナーダイオード415は、アノード端子aが基板電圧制御端子101に接続され、カソード端子kがNchMOSFET312のゲート端子Gに接続されている。チェナーダイオード415は、NchMOSFET312のゲート端子Gの許容電圧程度のチェナー電圧を持てばよい。これにより、チェナーダイオード415は、NchMOSFET312のゲート端子Gに許容電圧よりも高い電圧が印加されることを防止し、ゲート端子Gの過電圧破壊を回避することができる。
また、チェナーダイオード415は、基板電圧制御端子101の電圧がソース1接続端子111の電圧より大きいときオン状態になって、基板電圧制御端子101の電圧Vsubをソース1接続端子111の電圧に近づける。
これらのことは、ハイサイド回路691のチェナーダイオード425においても同様に成り立つ。
[チェナーダイオード616]
チェナーダイオード616は、PchMOSFET513のゲート端子Gの過電圧破壊を防止するための保護回路である。チェナーダイオード616は、アノード端子aがPchMOSFET513のゲート端子Gに接続され、カソード端子kがPchMOSFET513のソース端子Sに接続されている。チェナーダイオード616は、PchMOSFET513のゲート端子Gの許容電圧程度のチェナー電圧を持てばよい。これにより、チェナーダイオード616は、PchMOSFET513のゲート端子Gに許容電圧よりも高い電圧が印加されることを防止し、ゲート端子Gの過電圧破壊を回避することができる。
このことは、ハイサイド回路691のチェナーダイオード626においても同様に成り立つ。
[チェナーダイオード620]
チェナーダイオード620は、コンデンサ617に印加される最大電圧を決めるための電圧クランプ回路である。チェナーダイオード620は、アノード端子aが基板電圧制御端子101に接続され、カソード端子kがPchMOSFET513のソース端子Sに接続されている。チェナーダイオード620は、コンデンサ617を充電する最大電圧程度のチェナー電圧を持つチェナーダイオードが採用されればよい。
このことは、ハイサイド回路691のチェナーダイオード630においても同様に成り立つ。
[ダイオード414]
ダイオード414(ローサイドダイオードの一例)は、アノード端子aがNchMOSFET312のゲート端子Gに接続され、カソード端子kがソース2接続端子121に接続されている。
ダイオード414は、電圧Vs2s1が0V近辺になるまでに、NchMOSFET312のゲート電圧VgsをNchMOSFET312の閾値電圧より低くし、NchMOSFET312をオフ状態にする。すなわち、ダイオード414は、電圧Vs2s1がプラスの範囲において、0V近くまで低下すると、オン状態になって、NchMOSFET312のゲート端子Gに存在する寄生のキャパシタンス容量から電荷を引く抜き、NchMOSFET312を即座にオフ状態にする。
これにより、ダイオード414は、電圧Vs2s1がマイナス電圧になっているにも拘わらず、NchMOSFET312がオン状態を維持することを防止できる。その結果、ダイオード414は、電圧Vs2と電圧Vs1とのうち低い方の電圧に対する基板電圧制御端子101の電圧Vsubの追従性を高めることができる。
このことは、ハイサイド回路691のダイオード424についても同様に成り立つ。
[コンデンサ617]
コンデンサ617は、PchMOSFET513の電源であり、電圧Vs2s1がプラス電圧のときに充電される。コンデンサ617は、チェナーダイオード620のアノード端子aとカソード端子kとの間に接続されている。コンデンサ617は、NchMOSFET312のゲート端子Gを駆動して、NchMOSFET312をオン状態にし、NchMOSFET312のオン期間を継続するために必要となる電荷量を供給することができる充分なキャパシタンス容量が設定されればよい。しかし、コンデンサ617が充放電する際のエネルギーは損失になるため、コンデンサ617のキャパシタンス容量は過度に大きくしないようにする必要がある。
このことは、ハイサイド回路691のコンデンサ627についても同様に成り立つ。
[ダイオード618]
ダイオード618は、電圧Vs2s1がマイナス電圧のときに、コンデンサ617に充電された電荷が放電されることを防止するためのダイオードである。ダイオード618は、アノード端子aが抵抗619に接続され、カソード端子kがコンデンサ617に接続されている。このことは、ハイサイド回路691のダイオード628についても同様に成り立つ。
[抵抗619]
抵抗619は、コンデンサ617を充電するときの充電電流の大きさを抑制するための抵抗である。抵抗619は、ダイオード618のアノード端子aと、ソース2接続端子121との間に接続されている。
抵抗619は、双方向スイッチングデバイス900の定常期間内で、コンデンサ617を充分に充電できる時定数になるように抵抗値が設定されればよい。コンデンサ617の充電電圧がチェナーダイオード620のチェナー電圧になっている状態において、コンデンサ617の充電電流は、チェナーダイオード620を流れて全て損失になる。そのため、抵抗619の抵抗値が小さすぎると損失が増加する。そこで、抵抗619の抵抗値は過度に小さくしないようにする必要がある。
このことは、ハイサイド回路691の抵抗629についても同様に成り立つ。
[抵抗641]
抵抗641は、電圧Vs2s1が一定の定常状態のときに、PchMOSFET513のゲート電圧Vgsをソース端子Sの電圧に近い値に設定し、PchMOSFET513を確実にオフ状態にする。抵抗641は、コンデンサ514と並列接続されている。
抵抗641のソース2接続端子121に接続される端子は、PchMOSFET513のソース端子Sに接続されてもよいし、ダイオード618のアノード端子aに接続されてもよい。
抵抗641は、電圧Vs2s1が変化したときに、コンデンサ514に蓄積される電荷を放電する役割を持つ。この放電の時定数は、抵抗641の抵抗値とコンデンサ514のキャパシタンス容量との積になる。抵抗641の抵抗値は、この時定数が、電圧Vs2s1が変化する時間より充分長くなるような値に設定されればよい。コンデンサ514は、電圧Vs2s1が低下する期間に、PchMOSFET513がオンすべき期間を充分に確保できる程度のキャパシタンス容量が設定されればよい。
このことは、ハイサイド回路691の抵抗651についても同様に成り立つ。
以上がローサイド回路681の動作及び部品に関する説明である。ハイサイド回路691は、ローサイド回路681と同じ回路構成であり、ソース1接続端子111とソース2接続端子121との接続関係が互いに逆になっていることのみが異なり、動作も同様であるので、説明を省く。
[実用的な回路定数]
コンデンサ514とコンデンサ524とのキャパシタンス容量は、それぞれ、例えば、100pF以上、10nF以下の値であればよい。コンデンサ617とコンデンサ627とのキャパシタンス容量は、それぞれ、100nF以上、10μF以下であればよい。抵抗619と抵抗629との抵抗値は、それぞれ、100Ω以上、100kΩ以下であればよい。抵抗641と抵抗651との抵抗値は、それぞれ、10kΩ以上、1MΩ以下であればよい。
[基板電圧制御回路500,600と基板電圧制御回路300との比較]
図3に示す基板電圧制御回路300は、NchMOSFET312とNchMOSFET322とのゲート端子Gを、それぞれ、抵抗313と抵抗323とを通して駆動する。抵抗313と抵抗323との抵抗値を低くすると駆動性能を高めることができる。しかし、抵抗313と抵抗323との抵抗値を低くすると、基板電圧制御回路300の損失が増大してしまう。そのため、この損失を抑えるために、抵抗313と抵抗323とは抵抗値を高くする必要があり、駆動性能を大きくすることは難しい。
これに対し、図10、図11に示す基板電圧制御回路500,600は、NchMOSFET312とNchMOSFET322とのゲート端子Gを、それぞれ、PchMOSFET513とPchMOSFET523とで駆動する。そのため、基板電圧制御回路500,600は、駆動性能を大きくすることが比較的容易である。したがって、基板電圧制御回路500,600は、基板電圧制御回路300よりも、基板電圧制御端子101の電圧波形を理想の波形により近づけることが可能である。
[回路シミュレーション]
図12A、図12Bは、図11の基板電圧制御回路600を用いた、回路シミュレーションの結果を示す波形図である。
この回路シミュレーションでは、ソース1接続端子111を0Vで一定にし、ソース2接続端子121の電圧Vs2をマイナス150Vからプラス150Vに変化させたときの基板電圧制御端子101の電圧Vsubの電圧波形と、ソース2接続端子121の電圧Vs2をプラス150Vからマイナス150Vに変化させたときの基板電圧制御端子101の電圧Vsubの電圧波形とを観察した。
図12Aは、ソース2接続端子121の電圧Vs2をマイナス150Vからプラス150Vに変化させたときの電圧波形を示し、図12Bは、ソース2接続端子121の電圧Vs2をプラス150Vからマイナス150Vに変化させたときの電圧波形を示している。
図12A、図12Bには、電圧波形W1,W2の2つの電圧波形が示されており、電圧波形W1は電圧Vs2s1の電圧波形であり、電圧波形W2は基板電圧制御端子101の電圧Vsubの電圧波形である。図12A、図12Bにおいて、電圧波形W1の電圧変化期間は100ナノ秒である。
図12Aに示すように、電圧波形W2は、電圧波形W1が0Vを超えると、即座に0Vになっており、電圧Vs2と電圧Vs1とのうち低い方の電圧Vs1に追従できていることが分かる。また、図12Bに示すように、電圧波形W2は、電圧波形W1が0Vを下回ると、電圧波形W1と共に低下しており、電圧Vs2と電圧Vs1とのうち低い方の電圧Vs2に追従できていることが分かる。このように、基板電圧制御回路600の追従性能は、比較例に比べて、前述した図2の電圧波形により近い結果となった。
(実施の形態5)
図13は、本開示の実施の形態5における基板電圧制御回路1000の一例を示す図である。基板電圧制御回路1000は、ソース1接続端子111と、ソース2接続端子121と、基板電圧制御端子101と、ローサイド回路1091と、ハイサイド回路1092とを備える。
ソース1接続端子111は、双方向スイッチングデバイス900のソース端子S1に接続される。ソース2接続端子121は、双方向スイッチングデバイス900のソース端子S2に接続される。基板電圧制御端子101は、双方向スイッチングデバイス900の基板端子SUBに接続される。
ローサイド回路1091は、基板電圧制御端子101にソース1接続端子111の電圧を印加するための回路である。ハイサイド回路1092は、基板電圧制御端子101にソース2接続端子121の電圧を印加するための回路である。
ローサイド回路1091は、PchMOSFET1012(ローサイド第1スイッチの一例)と、PchMOSFET1013(ローサイド第2スイッチの一例)と、ダイオード1014(ローサイドダイオードの一例)と、コンデンサ1015(ローサイド第1コンデンサの一例)と、を備える。
PchMOSFET1012は、図1のスイッチ112にP型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を適用したものである。PchMOSFET1012は、ソース端子S(ローサイド第1スイッチソース端子の一例)とドレイン端子D(ローサイド第1スイッチドレイン端子の一例)とゲート端子G(ローサイド第1スイッチゲート端子の一例)とを備える。
PchMOSFET1012のソース端子Sは、ソース1接続端子111と接続される。PchMOSFET1012のドレイン端子Dは、基板電圧制御端子101と接続される。PchMOSFET1012のゲート端子Gは、後述のPchMOSFET1013のドレイン端子Dと接続される。
PchMOSFET1012は、ソース端子Sの電圧を基準にしたときのゲート端子Gの電圧をゲート電圧Vgs(ローサイド第1スイッチゲート電圧の一例)としたときに、ゲート電圧VgsがPchMOSFET1012の閾値電圧(以下、閾値電圧Vthと記載)より低いときに、オン状態になり、ソース端子Sとドレイン端子Dとを短絡させる。一方、PchMOSFET1012は、ゲート電圧VgsがPchMOSFET1012の閾値電圧Vthより高いときに、オフ状態になり、ソース端子Sとドレイン端子Dとを開放させる。
また、PchMOSFET1012は、ボディダイオードBD(ローサイド第1スイッチボディダイオードの一例)を内蔵している。PchMOSFET1012は、ソース端子Sの電圧がドレイン端子Dの電圧より低いとき、つまり、ソース1接続端子111の電圧Vs1が基板電圧制御端子101の電圧Vsubよりも低いときに、ドレイン端子Dからソース端子SにボディダイオードBDを通して電流を流す。しかし、これに代えて、PchMOSFET1012を、ボディダイオードBDを内蔵していないデバイスで構成してもよい。例えば、外付けダイオードのアノード端子を基板電圧制御端子101と接続して、当該外付けダイオードをPchMOSFET1012と並列に接続してもよい。
PchMOSFET1013は、PchMOSFET1012のゲート端子Gを駆動するためのP型MOSFETである。PchMOSFET1013は、ソース端子S(ローサイド第2スイッチソース端子の一例)とドレイン端子D(ローサイド第2スイッチドレイン端子の一例)とゲート端子G(ローサイド第2スイッチゲート端子の一例)とを備える。
PchMOSFET1013のソース端子Sはソース1接続端子111と接続される。PchMOSFET1013のドレイン端子DはPchMOSFET1012のゲート端子Gと接続される。PchMOSFET1013のゲート端子Gはダイオード1014のアノード端子aと接続される。
PchMOSFET1013も、PchMOSFET1012と同様、ゲート電圧VgsがPchMOSFET1013の閾値電圧Vthより低いときに、オン状態になり、ソース端子Sとドレイン端子Dとを短絡させる。また、PchMOSFET1013は、ゲート電圧VgsがPchMOSFET1013の閾値電圧Vthより高いときに、オフ状態になり、ソース端子Sとドレイン端子Dとを開放させる。
ダイオード1014は、PchMOSFET1013のゲート端子Gを駆動するためのダイオードである。ダイオード1014は、アノード端子a(ローサイドアノード端子の一例)とカソード端子k(ローサイドカソード端子の一例)とを備える。ダイオード1014のアノード端子aは、PchMOSFET1013のゲート端子Gと接続される。ダイオード1014のカソード端子kは、基板電圧制御端子101と接続される。つまり、ダイオード1014は、基板電圧制御端子101とPchMOSFET1013のゲート端子Gとの間に接続される。
コンデンサ1015は、PchMOSFET1012のゲート端子Gを駆動するためのコンデンサである。コンデンサ1015は、ソース2接続端子121とPchMOSFET1013のドレイン端子Dとの間に接続される。
ハイサイド回路1092は、PchMOSFET1032(ハイサイド第1スイッチの一例)と、PchMOSFET1033(ハイサイド第2スイッチの一例)と、ダイオード1034(ハイサイドダイオードの一例)と、コンデンサ1035(ハイサイド第1コンデンサの一例)と、を備える。
PchMOSFET1032は、図1のスイッチ122にP型MOSFETを適用したものである。PchMOSFET1032は、ソース端子S(ハイサイド第1スイッチソース端子の一例)とドレイン端子D(ハイサイド第1スイッチドレイン端子の一例)とゲート端子G(ハイサイド第1スイッチゲート端子の一例)とを備える。
PchMOSFET1032のソース端子Sはソース2接続端子121と接続される。PchMOSFET1032のドレイン端子Dは基板電圧制御端子101と接続される。PchMOSFET1032のゲート端子Gは、後述のPchMOSFET1033のドレイン端子Dと接続される。
ソース端子Sの電圧を基準にしたときのゲート端子Gの電圧をゲート電圧Vgs(ハイサイド第1スイッチゲート電圧の一例)とする。このとき、ゲート電圧VgsがPchMOSFET1032の閾値電圧Vthより低いときに、PchMOSFET1032はオン状態になり、ソース端子Sとドレイン端子Dとを短絡させる。一方、ゲート電圧VgsがPchMOSFET1032の閾値電圧Vthより高いときに、PchMOSFET1032はオフ状態になり、ソース端子Sとドレイン端子Dとを開放させる。
また、PchMOSFET1032は、ボディダイオードBD(ハイサイド第1スイッチボディダイオードの一例)を内蔵している。PchMOSFET1032は、ソース端子Sの電圧がドレイン端子Dの電圧より低いとき、つまり、ソース2接続端子121の電圧Vs2が基板電圧制御端子101の電圧Vsubよりも低いときに、ドレイン端子Dからソース端子SにボディダイオードBDを通して電流を流す。しかし、これに代えて、PchMOSFET1032を、ボディダイオードBDを内蔵していないデバイスで構成してもよい。例えば、外付けダイオードのアノード端子を基板電圧制御端子101と接続して、当該外付けダイオードをPchMOSFET1032と並列に接続してもよい。
PchMOSFET1033はPchMOSFET1032のゲート端子Gを駆動するためのP型MOSFETである。PchMOSFET1033は、ソース端子S(ハイサイド第2スイッチソース端子の一例)とドレイン端子D(ハイサイド第2スイッチドレイン端子の一例)とゲート端子G(ハイサイド第2スイッチゲート端子の一例)とを備える。
PchMOSFET1033のソース端子Sはソース2接続端子121と接続される。PchMOSFET1033のドレイン端子DはPchMOSFET1032のゲート端子Gと接続される。PchMOSFET1033のゲート端子Gはダイオード1034のアノード端子aと接続される。
PchMOSFET1032と同様、ゲート電圧VgsがPchMOSFET1033の閾値電圧Vthより低いときに、PchMOSFET1033はオン状態になり、ソース端子Sとドレイン端子Dとを短絡させる。また、ゲート電圧VgsがPchMOSFET1033の閾値電圧Vthより高いときに、PchMOSFET1033はオフ状態になり、ソース端子Sとドレイン端子Dとを開放させる。
ダイオード1034はPchMOSFET1033のゲート端子Gを駆動するためのダイオードである。ダイオード1034は、アノード端子a(ハイサイドアノード端子の一例)とカソード端子k(ハイサイドカソード端子の一例)とを備える。ダイオード1034のアノード端子aは、PchMOSFET1033のゲート端子Gと接続される。ダイオード1034のカソード端子kは、基板電圧制御端子101と接続される。つまり、ダイオード1034は、基板電圧制御端子101とPchMOSFET1033のゲート端子Gとの間に接続される。
コンデンサ1035はPchMOSFET1032のゲート端子Gを駆動するためのコンデンサである。コンデンサ1035は、ソース1接続端子111とPchMOSFET1033のドレイン端子Dとの間に接続される。
[ローサイド回路1091の動作]
次にローサイド回路1091の動作について説明する。ソース2接続端子121の電圧Vs2がソース1接続端子111の電圧Vs1より高い場合、ソース1接続端子111の電圧Vs1を基準にしたときのソース2接続端子121の電圧Vs2s1はプラスの電圧である。
電圧Vs2s1がプラスの電圧である場合に、電圧Vs2s1が一定電圧である定常状態のときは、PchMOSFET1012のボディダイオードBDによって、基板電圧制御端子101の電圧Vsubは、ソース1接続端子111の電圧Vs1にボディダイオードBDの閾値電圧(以下、閾値電圧Vf)を加えた電圧以下に制限される。
電圧Vs2s1がプラスの範囲において低下すると、コンデンサ1015のカップリングによってPchMOSFET1012のゲート端子Gの電圧が低下する。これにより、PchMOSFET1012のゲート電圧VgsがPchMOSFET1012の閾値電圧Vthより低くなると、PchMOSFET1012はオン状態になり、PchMOSFET1012のソース端子Sとドレイン端子Dとを短絡させる。PchMOSFET1012のソース端子Sとドレイン端子Dとが短絡すると、ソース1接続端子111の電圧Vs1がPchMOSFET1012を通して基板電圧制御端子101に印加される。これにより、基板電圧制御端子101の電圧Vsubは電圧Vs1と同じになる。このとき、PchMOSFET1013は、ソース端子Sの電圧とゲート端子Gの電圧とが同じであるのでオフ状態となる。
このように、基板電圧制御回路1000は、電圧Vs2s1がプラスの範囲で低下するときに、基板電圧制御端子101の電圧Vsubをソース1接続端子111の電圧Vs1に設定し、基板電圧制御端子101の電圧Vsubがフローティング状態になることを防止できる。その結果、基板電圧制御回路1000は、双方向スイッチングデバイス900を安定したスイッチング特性で動作させると共に、2つの電流方向のスイッチング特性の差が低減されるように双方向スイッチングデバイス900を動作させることができる。
ソース2接続端子121の電圧Vs2がソース1接続端子111の電圧Vs1よりも低くなり、電圧Vs2s1がプラスの電圧からマイナスの電圧になったとする。この場合、電圧Vs2s1がプラスの電圧のときに基板電圧制御端子101の電圧Vsubがソース1接続端子111の電圧Vs1と同じになっているので、ソース2接続端子121の電圧Vs2は、基板電圧制御端子101の電圧Vsubよりも低くなる。このため、ソース2接続端子121と接続されたPchMOSFET1032のソース端子Sの電圧は、基板電圧制御端子101と接続されたPchMOSFET1032のドレイン端子Dの電圧よりも低くなる。
これにより、PchMOSFET1032のドレイン端子Dからソース端子SにボディダイオードBDを通して電流が流れ、基板電圧制御端子101の電圧Vsubが、ソース2接続端子121の電圧Vs2にボディダイオードBDの閾値電圧Vfを加えた電圧以下に制限される。その結果、電圧Vs2s1がマイナスの範囲において低下するのに追従して、基板電圧制御端子101の電圧Vsubも低下する。
このように、基板電圧制御回路1000は、電圧Vs2s1がマイナスの範囲で低下する場合に、電圧Vs2s1の低下に追従して基板電圧制御端子101の電圧Vsubを低下させることができる。
電圧Vs2s1の低下に追従して電圧Vsubが低下すると、ダイオード1014はオン状態になり、PchMOSFET1013のゲート端子Gの電圧が電圧Vsubの低下に追従して低下する。これにより、PchMOSFET1013のゲート電圧VgsがPchMOSFET1013の閾値電圧Vthより低くなると、PchMOSFET1013はオン状態になり、PchMOSFET1013のソース端子Sとドレイン端子Dとを短絡させる。その結果、PchMOSFET1012のゲート端子Gとソース1接続端子111とが同じ電位になり、PchMOSFET1012はオフ状態になる。
仮に、このときにPchMOSFET1012がオフ状態にならないと、PchMOSFET1012及びPchMOSFET1032のボディダイオードBDを通して、ソース1接続端子111とソース2接続端子121とが短絡し、大電流が流れる虞がある。その結果、ローサイド回路1091は、正常に動作できなくなり、場合によってはローサイド回路1091が破壊される虞がある。
しかし、基板電圧制御回路1000は、電圧Vs2s1がマイナスの範囲で低下する場合に、確実にPchMOSFET1012をオフ状態にすることができる。
尚、ダイオード1014のカソード端子kを基板電圧制御端子101と接続せず、ソース2接続端子121と接続してもよい。これにより、電圧Vs2s1がマイナスの範囲で低下する場合に、ダイオード1014をオン状態にさせて、PchMOSFET1013をオン状態にすることで、PchMOSFET1012をオフ状態にしてもよい。
ハイサイド回路1092とローサイド回路1091とは、ソース1接続端子111とソース2接続端子121との接続関係が逆であること以外、回路構成は同じであり、動作も同じである。
[ハイサイド回路1092の動作]
以下、ハイサイド回路1092の動作について簡単に説明する。ソース1接続端子111の電圧Vs1がソース2接続端子121の電圧Vs2より高い場合、ソース2接続端子121の電圧Vs2を基準にしたときのソース1接続端子111の電圧(以下、電圧Vs1s2)はプラスの電圧である。
電圧Vs1s2がプラスの電圧である場合に、電圧Vs1s2が一定電圧である定常状態のときは、PchMOSFET1032のボディダイオードBDによって、電圧Vsubは電圧Vs2にボディダイオードBDの閾値電圧Vfを加えた電圧以下に制限される。
電圧Vs1s2がプラスの範囲において低下し、コンデンサ1035のカップリングによってPchMOSFET1032のゲート電圧Vgsが低下すると、PchMOSFET1032はオン状態になり、ソース2接続端子121の電圧Vs2が基板電圧制御端子101に印加される。これにより、基板電圧制御端子101の電圧Vsubは電圧Vs2と同じになる。
このように、基板電圧制御回路1000は、電圧Vs1s2がプラスの範囲で低下する場合(電圧Vs2s1がマイナスの範囲で増大する場合)にも電圧Vsubを電圧Vs2に設定し、電圧Vsubがフローティング状態になることを防止できる。
電圧Vs1s2がプラスの電圧からマイナスの電圧になった場合、PchMOSFET1032のドレイン端子Dからソース端子SにボディダイオードBDを通して電流が流れる。これにより、電圧Vsubが電圧Vs2にボディダイオードBDの閾値電圧Vfを加えた電圧以下に制限される。その結果、電圧Vs1s2がマイナスの範囲において低下するのに追従して、基板電圧制御端子101の電圧Vsubも低下する。
このように、基板電圧制御回路1000は、電圧Vs1s2がマイナスの範囲で低下する場合にも、電圧Vs1s2の低下に追従して基板電圧制御端子101の電圧Vsubを低下させることができる。
電圧Vs1s2の低下に追従して電圧Vsubが低下すると、ダイオード1034がオン状態になることによって、PchMOSFET1033のゲート電圧Vgsが閾値電圧Vthより低くなり、PchMOSFET1033は、オン状態になる。これにより、PchMOSFET1032のゲート端子Gとソース2接続端子121とが同じ電位になり、PchMOSFET1032はオフ状態になる。
仮に、このときにPchMOSFET1032がオフ状態にならないと、PchMOSFET1012及びPchMOSFET1032のボディダイオードBDを通して、ソース1接続端子111とソース2接続端子121とが短絡し、大電流が流れる虞がある。その結果、ハイサイド回路1092は、正常に動作できなくなり、場合によってはハイサイド回路1092が破壊される虞がある。
しかし、基板電圧制御回路1000は、電圧Vs1s2がマイナスの範囲で低下する場合に、確実にPchMOSFET1032をオフ状態にすることができる。
尚、ダイオード1034のカソード端子kを基板電圧制御端子101と接続せず、ソース1接続端子111と接続してもよい。これにより、電圧Vs1s2がマイナスの範囲で低下する場合に、ダイオード1034をオン状態にさせて、PchMOSFET1033をオン状態にすることで、PchMOSFET1032をオフ状態にしてもよい。
尚、PchMOSFET1012、1013、1032、1033は、それぞれ、P型MOSFETに限らず、P型のFET、IGBT、BJTなどのスイッチングデバイスで構成されてもよい。このとき、PchMOSFET1012とPchMOSFET1032に置き換わるデバイスがボディダイオードを内蔵していない場合は、外付けダイオードのアノード端子を基板電圧制御端子101と接続して、当該外付けダイオードを当該デバイスと並列に接続すればよい。
図13に示した実施の形態5における基板電圧制御回路1000は、動作原理を示すために最小限の部品を用いて構成されている。実用的な回路には、各ゲート端子Gの保護回路や、性能を充分に向上させる等の改良が必要である。以下では、その一例として、基板電圧制御回路1000を改良した実用的な基板電圧制御回路1100について図14を用いて説明する。図14は、本開示の実施の形態5における基板電圧制御回路1000を改良した基板電圧制御回路1100の一例を示す図である。
図14に示すように、基板電圧制御回路1100は、図13に示すローサイド回路1091に、チェナーダイオード1116、1118と、抵抗1117、1119、1120と、コンデンサ1121とを追加したローサイド回路1191と、図13に示すハイサイド回路1092に、チェナーダイオード1136、1138と、抵抗1137、1139、1140と、コンデンサ1141と、を追加したハイサイド回路1192と、を備える。
図14に示す基板電圧制御回路1100の基本的な回路構成及び動作は、上述の基板電圧制御回路1000の回路構成及び動作と同じであるので説明を省略する。以下、基板電圧制御回路1000になく、基板電圧制御回路1100に追加された部品の役割について説明する。
以下、ローサイド回路1191に追加された部品の役割について説明する。
チェナーダイオード1116は、アノード端子aがPchMOSFET1012のゲート端子Gに接続され、カソード端子kがソース1接続端子111に接続されている。これにより、チェナーダイオード1116は、PchMOSFET1012のゲート端子Gの過電圧破壊を防止する。
チェナーダイオード1118は、アノード端子aがPchMOSFET1013のゲート端子Gに接続され、カソード端子kがソース1接続端子111に接続されている。これにより、チェナーダイオード1118は、PchMOSFET1013のゲート端子Gの過電圧破壊を防止する。
抵抗1117(ローサイド第1抵抗の一例)は、PchMOSFET1012のゲート端子Gとソース1接続端子111との間に接続されている。これにより、抵抗1117は、電圧Vs2s1が一定である定常状態の期間、PchMOSFET1012のゲート電圧Vgsを0Vに固定し、PchMOSFET1012を確実にオフ状態に保つ。
抵抗1119(ローサイド第2抵抗の一例)は、PchMOSFET1013のゲート端子Gとソース1接続端子111との間に接続されている。これにより、抵抗1119は、電圧Vs2s1が一定である定常状態の期間、PchMOSFET1013のゲート電圧Vgsを0Vに固定し、PchMOSFET1013を確実にオフ状態に保つ。
抵抗1120(ローサイド第3抵抗の一例)は、ダイオード1014のアノード端子aとPchMOSFET1013のゲート端子Gとの間に接続されている。これにより、抵抗1120は、ダイオード1014がオン状態のときに流れる電流を制限する。
コンデンサ1121(ローサイド第3コンデンサの一例)は、ダイオード1014のアノード端子aとPchMOSFET1013のゲート端子Gとの間に接続されている。これにより、コンデンサ1121は、基板電圧制御端子101の電圧Vsubが低下し始めるときに即座にPchMOSFET1013のゲート電圧Vgsを低下させて、PchMOSFET1013をオン状態にする。
次に、ハイサイド回路1192に追加された部品の役割について説明する。
チェナーダイオード1136は、アノード端子aがPchMOSFET1032のゲート端子Gに接続され、カソード端子kがソース2接続端子121に接続されている。これにより、チェナーダイオード1136は、PchMOSFET1032のゲート端子Gの過電圧破壊を防止する。
チェナーダイオード1138は、アノード端子aがPchMOSFET1033のゲート端子Gに接続され、カソード端子kがソース2接続端子121に接続されている。これにより、チェナーダイオード1138は、PchMOSFET1033のゲート端子Gの過電圧破壊を防止する。
抵抗1137(ハイサイド第1抵抗の一例)は、PchMOSFET1032のゲート端子Gとソース2接続端子121との間に接続されている。これにより、抵抗1137は、電圧Vs2s1が一定である定常状態の期間、PchMOSFET1032のゲート電圧Vgsを0Vに固定し、PchMOSFET1032を確実にオフ状態に保つ。
抵抗1139(ハイサイド第2抵抗の一例)は、PchMOSFET1033のゲート端子Gとソース2接続端子121との間に接続されている。これにより、抵抗1139は、電圧Vs2s1が一定である定常状態の期間、PchMOSFET1033のゲート電圧Vgsを0Vに固定し、PchMOSFET1033を確実にオフ状態に保つ。
抵抗1140(ハイサイド第3抵抗の一例)は、ダイオード1034のアノード端子aとPchMOSFET1033のゲート端子Gとの間に接続されている。これにより、抵抗1140は、ダイオード1034がオン状態のときに流れる電流を制限する。
コンデンサ1141(ハイサイド第3コンデンサの一例)は、ダイオード1034のアノード端子aとPchMOSFET1033のゲート端子Gとの間に接続されている。これにより、コンデンサ1141は、基板電圧制御端子101の電圧Vsubが低下し始めるときに即座にPchMOSFET1033のゲート端子Gの電圧を低下させて、PchMOSFET1033をオン状態にする。
尚、コンデンサ1015、1035のキャパシタンス容量は、それぞれ、例えば、0.1nFから100nFであればよい。コンデンサ1121、1141のキャパシタンス容量は、それぞれ、例えば、0.05nFから50nFであればよい。抵抗1117、1119、1120、1137、1139、1140の抵抗値は、それぞれ、例えば、10キロオームから1メガオームであればよい。
[シミュレーション]
次に、図14に示す基板電圧制御回路1100を用いた、回路シミュレーションの結果について説明する。
この回路シミュレーションでは、電圧Vs1を0Vで一定にし、電圧Vs2をマイナス150Vからプラス150Vに変化させときと、電圧Vs2をプラス150Vからマイナス150Vの電圧に変化させたときとの電圧Vsubの電圧波形と、を観察した。この回路シミュレーションでは、電圧Vs2s1の変化する時間は100ナノ秒とした。
図15A及び図15Bは、図14に示す基板電圧制御回路1100を用いた、回路シミュレーションの結果を示す波形図である。図15Aは、電圧Vs2s1がマイナス電圧からプラス電圧に変化するときの電圧波形を示し、図15Bは電圧Vs2s1がプラス電圧からマイナス電圧に変化するときの電圧波形を示している。図15A、図15Bには、電圧波形W1、W2の2つの電圧波形が示されている。電圧波形W1は電圧Vs2s1の電圧波形であり、電圧波形W2は電圧Vsubの電圧波形である。
図15Aに示すように、電圧Vs2s1がマイナスの電圧から0Vまで増大する場合、電圧波形W2は電圧波形W1と共に増大しており、電圧Vs2と電圧Vs1とのうち低い方の電圧Vs2に対する電圧Vsubの追従性は非常に良いことがわかる。電圧Vs2s1が0Vを超えてから暫くの期間は、電圧波形W2は電圧波形W1よりも低い電圧で増大しており、電圧Vs2と電圧Vs1とのうち低い方の電圧Vs1(0V)に対する電圧Vsubの追従性はそれ程良くないことがわかる。当該期間後、電圧Vs2s1が更に増大する場合、電圧波形W2は略0Vを示しており、電圧Vs2と電圧Vs1とのうち低い方の電圧Vs1(0V)に対する電圧Vsubの追従性は非常に良いことがわかる。
一方、図15Bに示すように、電圧Vs2s1がプラスの電圧から0Vまで低下する場合、電圧波形W2は略0Vを示しており、電圧Vs2と電圧Vs1とのうち低い方の電圧Vs1(0V)に対する電圧Vsubの追従性は非常に良いことがわかる。また、電圧Vs2s1が0Vからマイナスの電圧に低下する場合も、電圧波形W2は電圧波形W1と共に低下しており、電圧Vs2と電圧Vs1とのうち低い方の電圧Vs2に対する電圧Vsubの追従性は非常に良いことがわかる。
このように、回路シミュレーションによって、基板電圧制御回路1100によれば、電圧Vsubの電圧波形W2を、図2に示す理想的な基板端子電圧波形221に近い電圧波形にできることがわかった。
(実施の形態6)
図16は、本開示の実施の形態6における基板電圧制御回路1300の一例を示す図である。尚、以下、実施の形態5で説明した構成と同一の符号を付した構成は、実施の形態5で説明したものと同一であることを示し、適宜、その説明を省略する。
基板電圧制御回路1300は、実施の形態5で説明したソース1接続端子111、ソース2接続端子121及び基板電圧制御端子101と、ローサイド回路1391と、ハイサイド回路1392とを備える。
ローサイド回路1391は、基板電圧制御端子101にソース1接続端子111の電圧を印加するための回路である。ハイサイド回路1392は、基板電圧制御端子101にソース2接続端子121の電圧を印加するための回路である。
ローサイド回路1391は、実施の形態5で説明したPchMOSFET1012、PchMOSFET1013、及びコンデンサ1015と、コンデンサ1314(ローサイド第2コンデンサの一例)と、を備える。
コンデンサ1314は、PchMOSFET1013のゲート端子Gを駆動するためのコンデンサである。コンデンサ1314は基板電圧制御端子101とPchMOSFET1013のゲート端子Gとの間に接続される。
ハイサイド回路1392は、実施の形態5で説明したPchMOSFET1032、PchMOSFET1033、及びコンデンサ1035と、コンデンサ1334(ハイサイド第2コンデンサの一例)と、を備える。
コンデンサ1334は、PchMOSFET1033のゲート端子Gを駆動するためのコンデンサである。コンデンサ1334は、基板電圧制御端子101とPchMOSFET1033のゲート端子Gとの間に接続される。
つまり、基板電圧制御回路1300は、図13に示す基板電圧制御回路1000において、ダイオード1014に代えてコンデンサ1314を適用し、ダイオード1034に代えてコンデンサ1334を適用した構成となっている。
[ローサイド回路1391の動作]
次にローサイド回路1391の動作について説明する。電圧Vs2s1がプラスの電圧である場合に、電圧Vs2s1が一定電圧である定常状態のときは、PchMOSFET1012のボディダイオードBDによって、基板電圧制御端子101の電圧Vsubはソース1接続端子111の電圧Vs1にボディダイオードBDの閾値電圧Vfを加えた電圧以下に制限される。
電圧Vs2s1がプラスの範囲において低下すると、コンデンサ1015のカップリングによってPchMOSFET1012のゲート端子Gの電圧が低下する。これにより、PchMOSFET1012のゲート電圧VgsがPchMOSFET1012の閾値電圧Vthより低くなると、PchMOSFET1012はオン状態になり、PchMOSFET1012のソース端子Sとドレイン端子Dとを短絡させる。PchMOSFET1012のソース端子Sとドレイン端子Dとが短絡すると、ソース1接続端子111の電圧Vs1がPchMOSFET1012を通して基板電圧制御端子101に印加される。これにより、基板電圧制御端子101の電圧Vsubは電圧Vs1と同じになる。このとき、PchMOSFET1013は、ソース端子Sの電圧とゲート端子Gの電圧とが同じであるのでオフ状態となる。
このように、基板電圧制御回路1300は、電圧Vs2s1がプラスの範囲で低下するときに、基板電圧制御端子101の電圧Vsubをソース1接続端子111の電圧Vs1に設定し、基板電圧制御端子101の電圧Vsubがフローティング状態になることを防止できる。その結果、基板電圧制御回路1300は、双方向スイッチングデバイス900を安定したスイッチング特性で動作させると共に、2つの電流方向のスイッチング特性の差が低減されるように双方向スイッチングデバイス900を動作させることができる。
ソース2接続端子121の電圧Vs2がソース1接続端子111の電圧Vs1よりも低くなり、電圧Vs2s1がプラスの電圧からマイナスの電圧になったとする。この場合、電圧Vs2s1がプラスの電圧のときに基板電圧制御端子101の電圧Vsubがソース1接続端子111の電圧Vs1と同じになっているので、ソース2接続端子121の電圧Vs2は、基板電圧制御端子101の電圧Vsubよりも低くなる。このため、ソース2接続端子121と接続されたPchMOSFET1032のソース端子Sの電圧は、基板電圧制御端子101と接続されたPchMOSFET1032のドレイン端子Dの電圧よりも低くなる。
これにより、PchMOSFET1032のドレイン端子Dからソース端子SにボディダイオードBDを通して電流が流れ、基板電圧制御端子101の電圧Vsubが、ソース2接続端子121の電圧Vs2にボディダイオードBDの閾値電圧Vfを加えた電圧以下に制限される。その結果、電圧Vs2s1がマイナスの範囲において低下するのに追従して、基板電圧制御端子101の電圧Vsubも低下する。
このように、基板電圧制御回路1300は、電圧Vs2s1がマイナスの範囲で低下する場合に、電圧Vs2s1の低下に追従して基板電圧制御端子101の電圧Vsubを低下させることができる。
電圧Vs2s1の低下に追従して電圧Vsubが低下すると、コンデンサ1314のカップリングによって、PchMOSFET1013のゲート端子Gの電圧が電圧Vsubの低下に追従して低下する。これにより、PchMOSFET1013のゲート電圧VgsがPchMOSFET1013の閾値電圧Vthより低くなると、PchMOSFET1013はオン状態になり、PchMOSFET1013のソース端子Sとドレイン端子Dとを短絡させる。その結果、PchMOSFET1012のゲート端子Gとソース1接続端子111とが同じ電位になり、PchMOSFET1012はオフ状態になる。
仮に、このときにPchMOSFET1012がオフ状態にならないと、PchMOSFET1012及びPchMOSFET1032のボディダイオードBDを通して、ソース1接続端子111とソース2接続端子121とが短絡し、大電流が流れる虞がある。その結果、ローサイド回路1391は、正常に動作できなくなり、場合によってはローサイド回路1391が破壊される虞がある。
しかし、基板電圧制御回路1300は、電圧Vs2s1がマイナスの範囲で低下する場合に、確実にPchMOSFET1012をオフ状態にすることができる。
尚、コンデンサ1314を、基板電圧制御端子101と接続せず、ソース2接続端子121とPchMOSFET1013のゲート端子Gとの間に接続してもよい。これにより、電圧Vs2s1がマイナスの範囲で低下する場合に、コンデンサ1314のカップリングによって、PchMOSFET1013をオン状態にすることで、PchMOSFET1012をオフ状態にしてもよい。
ハイサイド回路1392とローサイド回路1391とは、ソース1接続端子111とソース2接続端子121との接続関係が逆であること以外、回路構成は同じであり、動作も同じである。
[ハイサイド回路1392の動作]
以下、ハイサイド回路1392の動作について簡単に説明する。電圧Vs1s2がプラスの電圧である場合に、電圧Vs1s2が一定電圧である定常状態のときは、PchMOSFET1032のボディダイオードBDによって、電圧Vsubは電圧Vs2にボディダイオードBDの閾値電圧Vfを加えた電圧以下に制限される。
電圧Vs1s2がプラスの範囲において低下し、コンデンサ1035のカップリングによってPchMOSFET1032のゲート電圧Vgsが低下すると、PchMOSFET1032はオン状態になり、ソース2接続端子121の電圧Vs2が基板電圧制御端子101に印加される。これにより、基板電圧制御端子101の電圧Vsubは電圧Vs2と同じになる。
このように、基板電圧制御回路1300は、電圧Vs1s2がプラスの範囲で低下する場合(電圧Vs2s1がマイナスの範囲で増大する場合)にも電圧Vsubを電圧Vs2に設定し、電圧Vsubがフローティング状態になることを防止できる。
電圧Vs1s2がプラスの電圧からマイナスの電圧になった場合、PchMOSFET1032のドレイン端子Dからソース端子SにボディダイオードBDを通して電流が流れる。これにより、電圧Vsubが電圧Vs2にボディダイオードBDの閾値電圧Vfを加えた電圧以下に制限される。その結果、電圧Vs1s2がマイナスの範囲において低下するのに追従して、基板電圧制御端子101の電圧Vsubも低下する。
このように、基板電圧制御回路1300は、電圧Vs1s2がマイナスの範囲で低下する場合にも、電圧Vs1s2の低下に追従して基板電圧制御端子101の電圧Vsubを低下させることができる。
電圧Vs1s2の低下に追従して電圧Vsubが低下すると、コンデンサ1334のカップリングによって、PchMOSFET1033のゲート電圧Vgsが閾値電圧Vthより低くなり、PchMOSFET1033はオン状態になる。これにより、PchMOSFET1032のゲート端子Gとソース2接続端子121とが同じ電位になり、PchMOSFET1032はオフ状態になる。
仮に、このときにPchMOSFET1032がオフ状態にならないと、PchMOSFET1012及びPchMOSFET1032のボディダイオードBDを通して、ソース1接続端子111とソース2接続端子121とが短絡し、大電流が流れる虞がある。その結果、ハイサイド回路1392は、正常に動作できなくなり、場合によってはハイサイド回路1392が破壊される虞がある。
しかし、基板電圧制御回路1300は、電圧Vs1s2がマイナスの範囲で低下する場合に、確実にPchMOSFET1032をオフ状態にすることができる。
尚、コンデンサ1334を、基板電圧制御端子101と接続せず、ソース2接続端子121とPchMOSFET1033のゲート端子Gとの間に接続してもよい。これにより、電圧Vs1s2がマイナスの範囲で低下する場合に、コンデンサ1334のカップリングによって、PchMOSFET1033をオン状態にすることで、PchMOSFET1032をオフ状態にしてもよい。
図16に示した実施の形態6における基板電圧制御回路1300は、動作原理を示すために最小限の部品を用いて構成されている。実用的な回路には、各ゲート端子Gの保護回路や、性能を充分に向上させる等の改良が必要である。以下では、その一例として、基板電圧制御回路1300を改良した実用的な基板電圧制御回路1400について図17を用いて説明する。図17は、本開示の実施の形態6における基板電圧制御回路1300を改良した基板電圧制御回路1400の一例を示す図である。
図17に示すように、基板電圧制御回路1400は、図16に示すローサイド回路1391に、チェナーダイオード1116、1118と、抵抗1117、1119とを追加したローサイド回路1491と、図16に示すハイサイド回路1392に、チェナーダイオード1136、1138と、抵抗1137、1139とを追加したハイサイド回路1492と、を備える。
図17に示す基板電圧制御回路1400の基本的な回路構成及び動作は、上述の基板電圧制御回路1300の回路構成及び動作と同じであるので説明を省略する。また、基板電圧制御回路1300になく、基板電圧制御回路1400に追加された部品1116〜1119、1136〜1139は、基板電圧制御回路1000にはなく、基板電圧制御回路1100に追加された部品1116〜1119、1136〜1139と同じであるので、説明を省略する。
尚、コンデンサ1015、1035のキャパシタンス容量は、それぞれ、例えば、0.1nFから10nFであればよい。コンデンサ1314、1334のキャパシタンス容量は、それぞれ、例えば、0.05nFから5nFであればよい。抵抗1117、1119、1137、1139の抵抗値は、それぞれ、例えば、100キロオームから1メガオームであればよい。
[シミュレーション]
次に、図17に示す基板電圧制御回路1400を用いた、回路シミュレーションの結果について説明する。
この回路シミュレーションでは、電圧Vs1を0Vで一定にし、電圧Vs2をマイナス150Vからプラス150Vに変化させときと、電圧Vs2をプラス150Vからマイナス150Vの電圧に変化させたときとの電圧Vsubの電圧波形と、を観察した。この回路シミュレーションでは、電圧Vs2s1の変化する時間は100ナノ秒とした。
図18A及び図18Bは、図17に示す基板電圧制御回路1400を用いた、回路シミュレーションの結果を示す波形図である。図18Aは、電圧Vs2s1がマイナス電圧からプラス電圧に変化するときの電圧波形を示し、図18Bは電圧Vs2s1がプラス電圧からマイナス電圧に変化するときの電圧波形を示している。図18A、図18Bには、電圧波形W1、W2の2つの電圧波形が示されている。電圧波形W1は電圧Vs2s1の電圧波形であり、電圧波形W2は電圧Vsubの電圧波形である。
図18Aに示すように、電圧Vs2s1がマイナスの電圧から0Vまで増大する場合、電圧波形W2は電圧波形W1と共に増大しており、電圧Vs2と電圧Vs1とのうち低い方の電圧Vs2に対する電圧Vsubの追従性は非常に良いことがわかる。電圧Vs2s1が0Vを超えてから暫くの期間は、電圧波形W2は電圧波形W1よりも低い略一定の電圧を示しており、電圧Vs2と電圧Vs1とのうち低い方の電圧Vs1(0V)に対する電圧Vsubの追従性はそれ程良くないことがわかる。当該期間後、電圧Vs2s1が一定になると、電圧波形W2は略0Vを示すようになり、電圧Vs2と電圧Vs1とのうち低い方の電圧Vs1(0V)に対する電圧Vsubの追従性は非常に良いことがわかる。
一方、図18Bに示すように、電圧Vs2s1がプラスの電圧から0Vまで低下する場合、電圧波形W2は0Vより少し低い一定の電圧を示しており、電圧Vs2と電圧Vs1とのうち低い方の電圧Vs1(0V)に対する電圧Vsubの追従性は良いことがわかる。また、電圧Vs2s1が0Vからマイナスの電圧に低下する場合、電圧波形W2は電圧波形W1よりも少し高い電圧を保ちながら、電圧波形W1と共に低下しており、電圧Vs2と電圧Vs1とのうち低い方の電圧Vs2に対する電圧Vsubの追従性は良いことがわかる。
このように、回路シミュレーションによって、基板電圧制御回路1400によれば、電圧Vsubの電圧波形W2を、図2に示す理想的な基板端子電圧波形221に近い電圧波形にできることがわかった。
(実施の形態7)
図19は、本開示の実施の形態7における基板電圧制御回路1600の一例を示す図である。尚、以下、実施の形態5で説明した構成と同一の符号を付した構成は、実施の形態5で説明したものと同一であることを示し、適宜、その説明を省略する。
基板電圧制御回路1600は、実施の形態5で説明したソース1接続端子111、ソース2接続端子121及び基板電圧制御端子101と、ローサイド回路1691と、ハイサイド回路1692とを備える。
ローサイド回路1691は、基板電圧制御端子101にソース1接続端子111の電圧を印加するための回路である。ハイサイド回路1692は、基板電圧制御端子101にソース2接続端子121の電圧を印加するための回路である。
ローサイド回路1691は、実施の形態5で説明したPchMOSFET1012、PchMOSFET1013、及びコンデンサ1015と、抵抗1614(ローサイド抵抗の一例)と、を備える。
抵抗1614は、PchMOSFET1013のゲート端子Gを駆動するための抵抗である。抵抗1614は、基板電圧制御端子101とPchMOSFET1013のゲート端子Gとの間に接続される。
ハイサイド回路1692は、実施の形態5で説明したPchMOSFET1032、PchMOSFET1033、及びコンデンサ1035と、抵抗1634(ハイサイド抵抗の一例)と、を備える。
抵抗1634は、PchMOSFET1033のゲート端子Gを駆動するための抵抗である。抵抗1634は、基板電圧制御端子101とPchMOSFET1033のゲート端子Gとの間に接続される。
つまり、基板電圧制御回路1600は、図13に示す基板電圧制御回路1000において、ダイオード1014に代えて抵抗1614を適用し、ダイオード1034に代えて抵抗1634を適用した構成となっている。
[ローサイド回路1691の動作]
次にローサイド回路1691の動作について説明する。電圧Vs2s1がプラスの電圧である場合に、電圧Vs2s1が一定電圧である定常状態のときは、PchMOSFET1012のボディダイオードBDによって、基板電圧制御端子101の電圧Vsubはソース1接続端子111の電圧Vs1にボディダイオードBDの閾値電圧Vfを加えた電圧以下に制限される。
電圧Vs2s1がプラスの範囲において低下すると、コンデンサ1015のカップリングによってPchMOSFET1012のゲート端子Gの電圧が低下する。これにより、PchMOSFET1012のゲート電圧VgsがPchMOSFET1012の閾値電圧Vthより低くなると、PchMOSFET1012はオン状態になり、PchMOSFET1012のソース端子Sとドレイン端子Dとを短絡させる。PchMOSFET1012のソース端子Sとドレイン端子Dとが短絡すると、ソース1接続端子111の電圧Vs1がPchMOSFET1012を通して基板電圧制御端子101に印加される。これにより、基板電圧制御端子101の電圧Vsubは電圧Vs1と同じになる。このとき、PchMOSFET1013は、ソース端子Sの電圧とゲート端子Gの電圧とが同じであるのでオフ状態となる。
このように、基板電圧制御回路1600は、電圧Vs2s1がプラスの範囲で低下するときに、基板電圧制御端子101の電圧Vsubをソース1接続端子111の電圧Vs1に設定し、基板電圧制御端子101の電圧Vsubがフローティング状態になることを防止できる。その結果、基板電圧制御回路1600は、双方向スイッチングデバイス900を安定したスイッチング特性で動作させると共に、2つの電流方向のスイッチング特性の差が低減されるように双方向スイッチングデバイス900を動作させることができる。
ソース2接続端子121の電圧Vs2がソース1接続端子111の電圧Vs1よりも低くなり、電圧Vs2s1がプラスの電圧からマイナスの電圧になったとする。この場合、電圧Vs2s1がプラスの電圧のときに基板電圧制御端子101の電圧Vsubがソース1接続端子111の電圧Vs1と同じになっているので、ソース2接続端子121の電圧Vs2は、基板電圧制御端子101の電圧Vsubよりも低くなる。このため、ソース2接続端子121と接続されたPchMOSFET1032のソース端子Sの電圧は、基板電圧制御端子101と接続されたPchMOSFET1032のドレイン端子Dの電圧よりも低くなる。
これにより、PchMOSFET1032のドレイン端子Dからソース端子SにボディダイオードBDを通して電流が流れ、基板電圧制御端子101の電圧Vsubが、ソース2接続端子121の電圧Vs2にボディダイオードBDの閾値電圧Vfを加えた電圧以下に制限される。その結果、電圧Vs2s1がマイナスの範囲において低下するのに追従して、基板電圧制御端子101の電圧Vsubも低下する。
このように、基板電圧制御回路1600は、電圧Vs2s1がマイナスの範囲で低下する場合に、電圧Vs2s1の低下に追従して基板電圧制御端子101の電圧Vsubを低下させることができる。
電圧Vs2s1の低下に追従して電圧Vsubが低下すると、PchMOSFET1013のゲート端子Gから抵抗1614を介して基板電圧制御端子101へ電流が流れることによって、PchMOSFET1013のゲート端子Gの電圧が電圧Vsubの低下に追従して低下する。これにより、PchMOSFET1013のゲート電圧VgsがPchMOSFET1013の閾値電圧Vthより低くなると、PchMOSFET1013はオン状態になり、PchMOSFET1013のソース端子Sとドレイン端子Dとを短絡させる。その結果、PchMOSFET1012のゲート端子Gとソース1接続端子111とが同じ電位になり、PchMOSFET1012はオフ状態になる。
仮に、このときにPchMOSFET1012がオフ状態にならないと、PchMOSFET1012及びPchMOSFET1032のボディダイオードBDを通して、ソース1接続端子111とソース2接続端子121とが短絡し、大電流が流れる虞がある。その結果、ローサイド回路1691は、正常に動作できなくなり、場合によってはローサイド回路1691が破壊される虞がある。
しかし、基板電圧制御回路1600は、電圧Vs2s1がマイナスの範囲で低下する場合に、確実にPchMOSFET1012をオフ状態にすることができる。
尚、抵抗1614を、基板電圧制御端子101と接続せず、ソース2接続端子121とPchMOSFET1013のゲート端子Gとの間に接続してもよい。これにより、電圧Vs2s1がマイナスの範囲で低下する場合に、PchMOSFET1013のゲート端子Gから抵抗1614を介してソース2接続端子121へと電流を流すようにしてもよい。これによって、PchMOSFET1013をオン状態にすることで、PchMOSFET1012をオフ状態にしてもよい。
ハイサイド回路1692とローサイド回路1691とは、ソース1接続端子111とソース2接続端子121との接続関係が逆であること以外、回路構成は同じであり、動作も同じである。
[ハイサイド回路1692の動作]
以下、ハイサイド回路1692の動作について簡単に説明する。電圧Vs1s2がプラスの電圧である場合に、電圧Vs1s2が一定電圧である定常状態のときは、PchMOSFET1032のボディダイオードBDによって、電圧Vsubは電圧Vs1にPchMOSFET1032の閾値電圧Vthを加えた電圧以下に制限される。
電圧Vs1s2がプラスの範囲において低下し、コンデンサ1035のカップリングによってPchMOSFET1032のゲート電圧Vgsが低下すると、PchMOSFET1032はオン状態になり、ソース2接続端子121の電圧Vs2が基板電圧制御端子101に印加される。これにより、基板電圧制御端子101の電圧Vsubは電圧Vs2と同じになる。
このように、基板電圧制御回路1600は、電圧Vs1s2がプラスの範囲で低下する場合(電圧Vs2s1がマイナスの範囲で増大する場合)にも電圧Vsubを電圧Vs2に設定し、電圧Vsubがフローティング状態になることを防止できる。
電圧Vs1s2がプラスの電圧からマイナスの電圧になった場合、PchMOSFET1032のドレイン端子Dからソース端子SにボディダイオードBDを通して電流が流れる。これにより、電圧Vsubが電圧Vs2にボディダイオードBDの閾値電圧Vfを加えた電圧以下に制限される。その結果、電圧Vs1s2がマイナスの範囲において低下するのに追従して、基板電圧制御端子101の電圧Vsubも低下する。
このように、基板電圧制御回路1600は、電圧Vs1s2がマイナスの範囲で低下する場合にも、電圧Vs1s2の低下に追従して基板電圧制御端子101の電圧Vsubを低下させることができる。
電圧Vs1s2の低下に追従して電圧Vsubが低下すると、PchMOSFET1033のゲート端子Gから抵抗1634を介して基板電圧制御端子101へ電流が流れることによって、PchMOSFET1033のゲート電圧Vgsが閾値電圧Vthより低くなり、PchMOSFET1033はオン状態になる。これにより、PchMOSFET1032のゲート端子Gとソース2接続端子121とが同じ電位になり、PchMOSFET1032はオフ状態になる。
仮に、このときにPchMOSFET1032がオフ状態にならないと、PchMOSFET1012及びPchMOSFET1032のボディダイオードBDを通して、ソース1接続端子111とソース2接続端子121とが短絡し、大電流が流れる虞がある。その結果、ハイサイド回路1692は、正常に動作できなくなり、場合によってはハイサイド回路1692が破壊される虞がある。
しかし、基板電圧制御回路1600は、電圧Vs1s2がマイナスの範囲で低下する場合に、確実にPchMOSFET1032をオフ状態にすることができる。
尚、抵抗1634を、基板電圧制御端子101と接続せず、ソース2接続端子121とPchMOSFET1033のゲート端子Gとの間に接続してもよい。これにより、電圧Vs1s2がマイナスの範囲で低下する場合に、PchMOSFET1033のゲート端子Gから抵抗1634を介してソース2接続端子121へと電流を流すようにしてもよい。これによって、PchMOSFET1033をオン状態にすることで、PchMOSFET1032をオフ状態にしてもよい。
図19に示した実施の形態7における基板電圧制御回路1600は、動作原理を示すために最小限の部品を用いて構成されている。実用的な回路には、各ゲート端子Gの保護回路や、性能を充分に向上させる等の改良が必要である。以下では、その一例として、基板電圧制御回路1600を改良した実用的な基板電圧制御回路1700について図20を用いて説明する。図20は、本開示の実施の形態7における基板電圧制御回路1600を改良した基板電圧制御回路1700の一例を示す図である。
図20に示すように、基板電圧制御回路1700は、図19に示すローサイド回路1691に、チェナーダイオード1116、1118と、抵抗1117と、コンデンサ1719とを追加したローサイド回路1791と、図19に示すハイサイド回路1692に、チェナーダイオード1136、1138と、抵抗1137と、コンデンサ1739とを追加したハイサイド回路1792と、を備える。
図20に示す基板電圧制御回路1700の基本的な回路構成及び動作は、上述の基板電圧制御回路1600の回路構成及び動作と同じであるので説明を省略する。また、基板電圧制御回路1600になく、基板電圧制御回路1700に追加された部品1116〜1118、1136〜1138は、基板電圧制御回路1000にはなく、基板電圧制御回路1100に追加された部品1116〜1118、1136〜1138と同じであるので、説明を省略する。以下、図19に示す基板電圧制御回路1600になく、図20に示す基板電圧制御回路1700に追加されたコンデンサ1719、1739の役割について説明する。
コンデンサ1719は、基板電圧制御端子101とPchMOSFET1013のゲート端子Gとの間に接続されている。これにより、コンデンサ1719は、基板電圧制御端子101の電圧Vsubが低下し始めるときに即座にPchMOSFET1013のゲート端子Gの電圧を低下させて、PchMOSFET1013をオフ状態にする。
コンデンサ1739は、基板電圧制御端子101とPchMOSFET1033のゲート端子Gとの間に接続されている。これにより、コンデンサ1739は、基板電圧制御端子101の電圧Vsubが低下し始めるときに即座にPchMOSFET1033のゲート端子Gの電圧を低下させて、PchMOSFET1033をオフ状態にする。
尚、コンデンサ1015、1035のキャパシタンス容量は、それぞれ、例えば、0.1nFから10nFであればよい。コンデンサ1719、1739のキャパシタンス容量は、それぞれ、例えば、0.05nFから5nFであればよい。抵抗1117、1137、1614、1634の抵抗値は、それぞれ、例えば、100キロオームから1メガオームであればよい。
[シミュレーション]
次に、図20に示す基板電圧制御回路1700を用いて行った回路シミュレーションの結果について説明する。
この回路シミュレーションでは、電圧Vs1を0Vで一定にし、電圧Vs2をマイナス150Vからプラス150Vに変化させときと、電圧Vs2をプラス150Vからマイナス150Vの電圧に変化させたときとの電圧Vsubの電圧波形と、を観察した。この回路シミュレーションでは、電圧Vs2s1の変化する時間は100ナノ秒とした。
図21A及び図21Bは、図20に示す基板電圧制御回路1700を用いた、回路シミュレーションの結果を示す波形図である。図21Aは、電圧Vs2s1がマイナス電圧からプラス電圧に変化するときの電圧波形を示し、図21Bは電圧Vs2s1がプラス電圧からマイナス電圧に変化するときの電圧波形を示している。図21A、図21Bには、電圧波形W1、W2の2つの電圧波形が示されている。電圧波形W1は電圧Vs2s1の電圧波形であり、電圧波形W2は電圧Vsubの電圧波形である。
図21Aに示すように、電圧Vs2s1がマイナスの電圧から0Vまで増大する場合、電圧波形W2は電圧波形W1と共に増大しており、電圧Vs2と電圧Vs1とのうち低い方の電圧Vs2に対する電圧Vsubの追従性は非常に良いことがわかる。また、電圧Vs2s1が0Vから増大する場合、電圧波形W2は略0Vを示しており、電圧Vs2と電圧Vs1とのうち低い方の電圧Vs1(0V)に対する電圧Vsubの追従性は非常に良いことがわかる。
一方、図21Bに示すように、電圧Vs2s1がプラスの電圧から0Vまで低下する場合、電圧波形W2は略0Vを示しており、電圧Vs2と電圧Vs1とのうち低い方の電圧Vs1(0V)に対する電圧Vsubの追従性は非常に良いことがわかる。また、電圧Vs2s1が0Vからマイナスの電圧に低下する場合、電圧波形W2は電圧波形W1と共に低下しており、電圧Vs2と電圧Vs1とのうち低い方の電圧Vs2に対する電圧Vsubの追従性は非常に良いことがわかる。
このように、回路シミュレーションによって、基板電圧制御回路1700によれば、電圧Vsubの電圧波形W2を、図2に示す理想的な基板端子電圧波形221に最も近い電圧波形にできることがわかった。
本開示の基板電圧制御回路は、双方向スイッチングデバイスに適用できるので、マトリクスコンバータ等の技術分野にとって有用である。
本開示は以下の態様も含む。
[項目1]
第1接続端子と、
第2接続端子と、
基板電圧制御端子と、
第1ソース、第1ドレイン、第1ゲートを有し、前記第1ソースが前記基板電圧制御端子に接続され、前記第1ドレインが前記第1接続端子に接続された第1スイッチと、
第2ソース、第2ドレイン、第2ゲートを有し、前記第2ドレインが前記第1ゲートに接続された第2スイッチと、
前記第2接続端子と前記第2ゲートとの間に接続された第1コンデンサと、
前記基板電圧制御端子と前記第2ソースとの間に接続された第1電源と、
第3ソース、第3ドレイン、第3ゲートを有し、前記第3ソースが前記基板電圧制御端子に接続され、前記第3ドレインが前記第2接続端子に接続された第3スイッチと、
第4ソース、第4ドレイン、第4ゲートを有し、前記第4ドレインが前記第3ゲートに接続された第4スイッチと、
前記第1接続端子と前記第4ゲートとの間に接続された第2コンデンサと、
前記基板電圧制御端子と前記第4ソースとの間に接続された第2電源と、
を備える、基板電圧制御回路。
[項目2]
第1アノード、第1カソードを有し、前記第1アノードは前記基板電圧制御端子に接続され、前記第1カソードは前記第1ゲートに接続された第1ダイオードと、
第2アノード、第2カソードを有し、前記第2アノードは前記基板電圧制御端子に接続され、前記第2カソードは前記第3ゲートに接続された第2ダイオードと、
を更に備える、項目1に記載の基板電圧制御回路。
[項目3]
前記第1ダイオードは、前記基板電圧制御端子の電圧が前記第1接続端子の電圧より大きいときに、前記第1アノードから前記第1カソードに電流を流すことで、前記基板電圧制御端子の電圧を前記第1接続端子の電圧に近づけ、
前記第2ダイオードは、前記基板電圧制御端子の電圧が前記第2接続端子の電圧より大きいときに、前記第2アノードから前記第2カソード端子に電流を流し、前記基板電圧制御端子の電圧を前記第2接続端子の電圧に近づける、項目2に記載の基板電圧制御回路。
[項目4]
第3アノード、第3カソードを有し、前記第3アノードは前記第1ゲートに接続され、前記第3カソードは前記第2接続端子に接続された第3ダイオードと、
第4アノード、第4カソードを有し、前記第4アノードは前記第3ゲートに接続され、前記第4カソードは前記第1接続端子に接続された第4ダイオードと、
を更に備える、項目1に記載の基板電圧制御回路。
[項目5]
前記第3ダイオードは、前記第2接続端子の電圧が前記第1接続端子の電圧と同じ電圧になるまでに、前記第1ゲートの電圧を前記第1スイッチの閾値電圧より低くし、前記第1スイッチをオフ状態にし、
前記第4ダイオードは、前記第1接続端子の電圧が前記第2接続端子の電圧と同じ電圧になるまでに、前記第3ゲートの電圧を前記第3スイッチの閾値電圧より低くし、前記第3スイッチをオフ状態にする、項目4に記載の基板電圧制御回路。
[項目6]
前記第1スイッチは、
前記第1ソースの電圧を基準とする前記第1ゲートの電圧を、第1ゲート電圧としたときに、
前記第1ゲート電圧が前記第1スイッチの閾値電圧より高いときに、オン状態になり、前記第1ソースと前記第1ドレインとを短絡し、
前記第1ゲート電圧が前記第1スイッチの閾値電圧より低いときに、オフ状態になり、前記第1ソースと前記第1ドレインとを開放し、
前記第3スイッチは、
前記第3ソースの電圧を基準とする前記第3ゲートの電圧を、第3ゲート電圧としたときに、
前記第3ゲート電圧が前記第3スイッチの閾値電圧より高いときに、オン状態になり、前記第3ソースと前記第3ドレインとを短絡し、
前記第3ゲート電圧が前記第3スイッチの閾値電圧より低いときに、オフ状態になり、前記第3ソースと前記第3ドレインとを開放する、項目1に記載の基板電圧制御回路。
[項目7]
前記第1スイッチと前記第3スイッチとは、それぞれ、Metal Oxide Semiconductor(MOSFET)もしくは、Insulated Gate Bipolar Transistrr(IGBT)もしくは、Junction Field Effect Transistor(JFET)もしくは、Static Induced Transistor(SIT)もしくは、High Electron Mobility Transistor(HEMT)である、項目1項に記載の基板電圧制御回路。
[項目8]
前記第1スイッチは、第1ボディダイオードを備え、
前記第1ボディダイオードは、前記第1ソースの電圧が前記第1ドレインの電圧より大きいときに、前記第1ソースから前記第1ドレインに電流を流し、
前記第3スイッチは、第3ボディダイオードを備え、
前記第3ボディダイオードは、前記第3ソースの電圧が前記第3ドレインの電圧より大きいときに、前記第3ソースから前記第3ドレインに電流を流す、項目1に記載の基板電圧制御回路。
[項目9]
第1接続端子と、
第2接続端子と、
基板電圧制御端子と、
第1ソース、第1ドレイン、第1ゲートを有し、前記第1ソースが前記第1接続端子に接続され、前記第1ドレインが前記基板電圧制御端子に接続された第1スイッチと、
第2ソース、第2ドレイン、第2ゲートを有し、前記第2ソースが前記第1接続端子に接続され、前記第2ドレインが前記第1ゲートに接続された第2スイッチと、
前記第2接続端子と前記第2ドレインとの間に接続された第1コンデンサと、
第3ソース、第3ドレイン、第3ゲートを有し、前記第3ソースが前記第2接続端子に接続され、前記第3ドレインが前記基板電圧制御端子に接続された第3スイッチと、
第4ソース、第4ドレイン、第4ゲートを有し、前記第4ソースが前記第2接続端子に接続され、前記第4ドレインが前記第3ゲートに接続された第4スイッチと、
前記第1接続端子と前記第4ドレインとの間に接続された第2コンデンサと、
を備える、基板電圧制御回路。
[項目10]
第1アノード、第1カソードを有し、前記第1アノードは前記第2ゲートに接続され、前記第1カソードは前記基板電圧制御端子に接続された第1ダイオードと、
第2アノード、第2カソードを有し、前記第2アノードは前記第4ゲートに接続され、前記第2カソードは前記基板電圧制御端子に接続された第2ダイオードと、
を更に備える、項目9に記載の基板電圧制御回路。
[項目11]
前記基板電圧制御端子と前記第2ゲートとの間に接続された第3コンデンサと、
前記基板電圧制御端子と前記第4ゲートとの間に接続された第4コンデンサと、
を更に備える、項目9に記載の基板電圧制御回路。
[項目12]
前記基板電圧制御端子と前記第2ゲートとの間に接続された第1抵抗と、
前記基板電圧制御端子と前記第4ゲートとの間に接続された第2抵抗と、
を更に備える、項目9に記載の基板電圧制御回路。
[項目13]
前記第1スイッチは、
前記第1ソースの電圧を基準にしたときの前記第1ゲートの電圧を第1ゲート電圧としたときに、
前記第1ゲート電圧が前記第1スイッチの閾値電圧より低いときに、オン状態になり、前記第1ソースと前記第1ドレインとを短絡させ、
前記第1ゲート電圧が前記第1スイッチの閾値電圧より高いときに、オフ状態になり、前記第1ソースと前記第1ドレインとを開放させ、
前記第3スイッチは、
前記第3ソースの電圧を基準にしたときの前記第3ゲートの電圧を第2ゲート電圧としたときに、
前記第2ゲート電圧が前記第3スイッチの閾値電圧より低いときに、オン状態になり、前記第3ソースと前記第3ドレインとを短絡させ、
前記第2ゲート電圧が前記第3スイッチの閾値電圧より高いときに、オフ状態になり、前記第3ソースと前記第3ドレインとを開放させる、
項目9に記載の基板電圧制御回路。
[項目14]
前記第1スイッチと前記第3スイッチとが、それぞれ、Metal Oxide Semiconductor(MOSFET)もしくは、Insulated Gate Bipolar Transistrr(IGBT)もしくは、Junction Field Effect Transistor(JFET)もしくは、Static Induced Transistor(SIT)もしくは、High Electron Mobility Transistor(HEMT)である、項目9に記載の基板電圧制御回路。
[項目15]
前記第1スイッチは、第1ボディダイオードを備え、
前記第1ソースの電圧が前記第1ドレインの電圧より低いときに、前記第1ドレインから前記第1ソースに前記第1ボディダイオードを通して電流を流し、
前記第3スイッチは、第2ボディダイオードを備え、
前記第3ソースの電圧が前記第3ドレインの電圧より低いときに、前記第3ドレインから前記第3ソースに前記第2ボディダイオードを通して電流を流す、
項目9に記載の基板電圧制御回路。
[項目16]
前記第1アノードと前記第2ゲートとの間に接続された第3コンデンサと、
前記第2アノードと前記第4ゲートとの間に接続された第4コンデンサと、
を更に備え、
前記第1コンデンサの容量値、及び、前記第2コンデンサの容量値は、0.1nF以上、100nF以下であり、
前記第3コンデンサの容量値、及び、前記第4コンデンサの容量値は、0.05nF以上、50nF以下ある、項目10に記載の基板電圧制御回路。
[項目17]
前記第1ゲートと前記第1接続端子との間に接続された第1抵抗と、
前記第2ゲートと前記第1接続端子との間に接続された第2抵抗と、
前記第1アノードと前記第2ゲートとの間に接続された第3抵抗と、
前記第3ゲートと前記第2接続端子との間に接続された第4抵抗と、
前記第4ゲートと前記第2接続端子との間に接続された第5抵抗と、
前記第2アノードと前記第4ゲートとの間に接続された第6抵抗と、
を更に備え、
前記第1抵抗、前記第2抵抗、前記第3抵抗、前記第4抵抗、前記第5抵抗、及び前記第6抵抗のそれぞれの抵抗値は、10kΩ以上、1MΩ以下である、項目10に記載の基板電圧制御回路。