JP2018192584A - マグネシウム基材の製造方法およびマグネシウム部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 優れた金属光沢を有するマグネシウム基材およびその製造方法を提供する。【解決手段】 平面部または曲面部を有するマグネシウム基材であって、平面部または曲面部の表面の算術平均粗さRaが0.035μm以下であり、表面から深さ方向に200μmまでの表面領域において、平均粒径が5.0μm以下であるマグネシウム基材。当該マグネシウム基材は、マグネシウムを成形し、平面部または曲面部を有するマグネシウム成形体を得る成形工程Aと、前記マグネシウム成形体に、研磨材を噴射し衝突させることによって、前記マグネシウム成形体の表面を研磨する研磨工程Bとを有し、前記研磨材が、核となるゲルと、少なくとも前記ゲルの表面に担持された砥粒とを有する研磨材である、マグネシウム基材の製造方法にて好適に製造することできる。【選択図】 図1
Description
本発明は、マグネシウム基材およびマグネシウム部材、ならびにその製造方法に関する。
マグネシウムやマグネシウム合金(以下、「マグネシウム系金属」と記載する場合がある。)を用いたマグネシウム基材や、その部材は、軽量で高い比強度を有するため、従来、航空機、鉄道車両、自動車などの輸送機器の部品、テレビや冷蔵庫などの家電製品、ノート型パーソナルコンピュータやカメラなどの携帯用機器の筐体、建築の内装部材、医療機器やレジャー用品などの広範な用途に応用されている。
一方で、一般的に、マグネシウム系金属本来の金属光沢は、マグネシウム系金属を成形して得られるマグネシウム成形体の表面状態などに左右され、表面が酸化されたり表面が荒れて光沢を十分に発揮できない。また、マグネシウム成形体の成形工程では、バリなどが発生する。
そのため、通常、マグネシウムやマグネシウム合金を成形して得られるマグネシウム成形体は、成形工程において生じた表面の酸化膜やバリを除去したり、表面を平滑にするために、手研磨やバフ研磨などの機械研磨や、電解研磨などの電気化学的研磨などの研磨処理が行われる(例えば、特許文献1、2)。
そのため、通常、マグネシウムやマグネシウム合金を成形して得られるマグネシウム成形体は、成形工程において生じた表面の酸化膜やバリを除去したり、表面を平滑にするために、手研磨やバフ研磨などの機械研磨や、電解研磨などの電気化学的研磨などの研磨処理が行われる(例えば、特許文献1、2)。
マグネシウムまたはマグネシウム合金の金属光沢を発揮させ、様々な用途のマグネシウム基材(部材)を、より高級感のある外観とすることが求められている。金属光沢を発揮させるために、研磨工程等が行われる場合がある。しかしながら、マグネシウム成形体に、特許文献1や2等に開示されているような、従来の研磨(機械研磨等)を行うと、深い傷等により粗い部分が生じやすかった。さらに、基材・部材とするために、複雑な形状を有すると、研磨自体が困難な部分もある。この粗い部分や、未研磨の部分を平滑にするために、機械的研磨等の後に、電気化学的研磨によりマグネシウム成形体の表面を深く溶解させることが考えられる。
一方で、マグネシウム成形体は、その表面の方が欠陥は少なく、内部に進むにつれて、欠陥(内部欠陥)が多くなり結晶粒の粒径が大きくなったり、強度のばらつきが生じたりする傾向がある。このため、電気化学的研磨等を行い、マグネシウム成形体の表面を深く溶解させても、内部欠陥の露出により十分な平滑性が得られない。そして、内部欠陥が露出すると、表面に荒れが生じることとなるため、マグネシウム系金属の金属光沢を発揮させることができていなかった。また、表面付近の構造欠陥の少ない領域が減ることで、マグネシウム基材自身の耐久性も低下するおそれがある。
このような状況から、従来、マグネシウム成形体の表層処理を行ったマグネシウム基材や部材について、それらに優れた金属光沢を発揮させるには、それらのマグネシウム基材や部材をどのような状態とすればよいか十分には把握されていなかった。係る状況下、本発明の目的は、優れた金属光沢を有するマグネシウム基材およびその製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> 平面部または曲面部を有するマグネシウム基材であって、
平面部または曲面部の表面の算術平均粗さRaが0.035μm以下であり、
表面から深さ方向に200μmまでの表面領域において、α相の平均粒径が5.0μm以下であるマグネシウム基材。
<2> 開口部および/または凹凸部を有する前記<1>に記載のマグネシウム基材。
<3> 前記平面部または曲面部の表面の最大高さ粗さRzが0.20μm以下である前記<1>または<2>に記載のマグネシウム基材。
<4> 前記<1>から<3>のいずれかに記載のマグネシウム基材上に、保護膜を有するマグネシウム部材。
<5> マグネシウム系金属を成形し、平面部または曲面部を有するマグネシウム成形体を得る成形工程Aと、
前記マグネシウム成形体に、研磨材を噴射し衝突させることによって、前記マグネシウム成形体の平面部または曲面部の表面を、表面の算術平均粗さRaが0.035μm以下となるように研磨する研磨工程Bとを有し、
前記研磨材が、核となるゲル、水、および、少なくとも前記ゲルの表面に担持された砥粒を有する研磨材である、マグネシウム基材の製造方法。
<6> 前記研磨材の含水量は、15質量%以上20質量%以下である、前記<5>に記載のマグネシウム基材の製造方法。
<7> 前記砥粒の大きさは、直径1μm以下である、前記<5>または<6>に記載のマグネシウム基材の製造方法。
<8> 前記ゲルは、ゼラチンである、前記<5>から<7>のいずれかに記載のマグネシウム基材の製造方法。
<1> 平面部または曲面部を有するマグネシウム基材であって、
平面部または曲面部の表面の算術平均粗さRaが0.035μm以下であり、
表面から深さ方向に200μmまでの表面領域において、α相の平均粒径が5.0μm以下であるマグネシウム基材。
<2> 開口部および/または凹凸部を有する前記<1>に記載のマグネシウム基材。
<3> 前記平面部または曲面部の表面の最大高さ粗さRzが0.20μm以下である前記<1>または<2>に記載のマグネシウム基材。
<4> 前記<1>から<3>のいずれかに記載のマグネシウム基材上に、保護膜を有するマグネシウム部材。
<5> マグネシウム系金属を成形し、平面部または曲面部を有するマグネシウム成形体を得る成形工程Aと、
前記マグネシウム成形体に、研磨材を噴射し衝突させることによって、前記マグネシウム成形体の平面部または曲面部の表面を、表面の算術平均粗さRaが0.035μm以下となるように研磨する研磨工程Bとを有し、
前記研磨材が、核となるゲル、水、および、少なくとも前記ゲルの表面に担持された砥粒を有する研磨材である、マグネシウム基材の製造方法。
<6> 前記研磨材の含水量は、15質量%以上20質量%以下である、前記<5>に記載のマグネシウム基材の製造方法。
<7> 前記砥粒の大きさは、直径1μm以下である、前記<5>または<6>に記載のマグネシウム基材の製造方法。
<8> 前記ゲルは、ゼラチンである、前記<5>から<7>のいずれかに記載のマグネシウム基材の製造方法。
本発明によれば、優れた金属光沢を有するマグネシウム基材および部材、ならびにその製造方法が提供される。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。
1.本発明のマグネシウム基材
本発明は、平面部または曲面部を有するマグネシウム基材であって、平面部または曲面部の表面の算術平均粗さRaが0.035μm以下であり、表面から深さ方向に200μmまでの表面領域において、α相の平均粒径が5.0μm以下であるマグネシウム基材(以下、「本発明のマグネシウム基材」と記載する場合がある。)に関する。本発明のマグネシウム基材は、マグネシウム系金属を用いた基材として、優れた金属光沢を有する。
本発明は、平面部または曲面部を有するマグネシウム基材であって、平面部または曲面部の表面の算術平均粗さRaが0.035μm以下であり、表面から深さ方向に200μmまでの表面領域において、α相の平均粒径が5.0μm以下であるマグネシウム基材(以下、「本発明のマグネシウム基材」と記載する場合がある。)に関する。本発明のマグネシウム基材は、マグネシウム系金属を用いた基材として、優れた金属光沢を有する。
また、本発明は、マグネシウム系金属を成形し、平面部または曲面部を有するマグネシウム成形体を得る成形工程Aと、前記マグネシウム成形体に、研磨材を噴射し衝突させることによって、前記マグネシウム成形体の表面を研磨する研磨工程Bとを有し、前記研磨材が、核となるゲル、水、少なくとも前記ゲルの表面に担持された砥粒とを有する研磨材であるマグネシウム基材の製造方法(以下、「本発明のマグネシウム基材の製造方法」と記載する場合がある。)に関する。本発明のマグネシウム基材の製造方法によれば、優れた金属光沢を有するマグネシウム基材を安定して製造することができる。
本発明のマグネシウム基材は、マグネシウム成形体を研磨等行い、所定の粗さや、所定の結晶粒径を有するものである。このマグネシウム基材を形成するマグネシウム成形体は、マグネシウムおよびマグネシウム合金(マグネシウム系金属)から成形される。マグネシウム成形体の原料となるマグネシウム系金属は、例えば、Mg、Mg−Al系合金(AM系)、Mg−Zn系合金(Z系)Mg−Al−Zn系合金(AZ系)、Mg−Zn−Zr系合金(ZK系)、Mg−Cu−Zn系合金(ZC系)、Mg−RE−Zr系合金(EZ系)、Mg−Zr−Re−Ag系合金(QE系)、Mg−Y−RE系合金(WE系)、Mg−Al−Si系合金(AS系)、Mg−Al−RE系合金(AE系)およびMg−Mn系合金(M系)の鋳造用マグネシウム合金(ダイカスト用、チクソモールド用を含む)や展伸用マグネシウム合金(圧延板材、押出棒材、押出形材)、これらの合金にCaを加えた合金(AZX系、AMX系など)などが挙げられる。具体的には、AZ91D、または、AM60B、AZ31B、AZX911などのマグネシウム合金が挙げられる。
本発明のマグネシウム基材は、平面部または曲面部を有する。平面部または曲面部があると、そこが適切な表面性状を有する場合、優れた光沢性を奏する主たる部分となる。一方、その表面性状が適当でない場合は、光沢が生じない。なお、本発明においては、所定の表面粗さや結晶粒径を満足する領域は、そのマグネシウム基材(部材)の形状や用途等に応じて、光沢を奏する必要がある部分(光沢部)であればよい。
本発明のマグネシウム基材は、平面部または曲面部の表面の算術平均粗さRaが0.035μm以下である。本発明者らは、マグネシウム基材として優れた光沢を示すには、算術平均粗さRaが、この範囲を達成する必要があることを見出した。より金属光沢の優れたものとするためには、算術平均粗さRaが、0.030μm以下であることが好ましい。
また、本発明のマグネシウム基材の表面に局所的に粗い点があると、その点を起点として劣化が起こりやすい。また、局所的な粗い点が存在すると、視認したときに光沢不良となる場合がある。そのため、本発明のマグネシウム基材の平面部または曲面部の最大高さ粗さRzは0.30μm以下であることが好ましく、0.20μm以下がより好ましく、0.15μm以下がさらに好ましい。
この算術平均粗さRaと最大高さ粗さRzとは、共に管理されることが好ましく、より好ましくは、算術平均粗さRaが0.035μm以下であり、かつ、最大高さ粗さRzが0.20μm以下である。さらに好ましくは、算術平均粗さRaが0.030μm以下であり、かつ、最大高さ粗さRzが0.15μm以下である。
なお、本願において、「算術平均粗さ(Ra)」と「最大高さ粗さ(Rz)」は、「JIS B 0601−2013 表面粗さ−定義および表示」に基づく方法で測定した値である。具体的な測定方法については、実施例にて後述する。
また、本発明のマグネシウム基材は、基材の表面から深さ方向に200μmまでの表面領域(以下、単に「表面領域」と記載する場合がある。)において、α相の平均粒径(平均の結晶粒径)が5.0μm以下である。このような平均粒径を有することで、マグネシウム基材の表面領域にて、大きい結晶粒に起因する光沢不良を低減できる。また、表面領域に結晶粒径が大きいものが多量に混在すると、その結晶粒径に依存して研磨性が変化し、前述した算術平均粗さRaや最大高さ粗さRzの達成が困難となったり、好ましいRa、Rzを達成していない領域が増える恐れがある。また、結晶粒径が小さいほど、その結晶粒径による金属組織の強度向上等も期待できるが、結晶粒径が大きいものが多量に混在すると強度低下等が生じて、マグネシウム基材の耐久性等が低下する場合がある。さらに、結晶粒径が大きい領域は、マグネシウム成形体の内層側に多いため、研磨等が過剰にされた状態であり基材寸法変化等が生じる恐れがある。
優れた光沢や、強度等を示すために、この平均粒径は、4.0μm以下であることが好ましい。
優れた光沢や、強度等を示すために、この平均粒径は、4.0μm以下であることが好ましい。
なお、本願において、「平均粒径(平均の結晶粒径)」とは、マグネシウム基材の任意の断面を、デジタルマイクロスコープを用いて、基材の表面から深さ方向に200μm×幅300μmの領域において、任意の20個のα相の結晶粒についてそれぞれ結晶粒径を測定し、平均した値である。なお、結晶粒が球状でない場合は、結晶粒の最大の径を結晶粒径として、平均値を求めた。
本発明のマグネシウム基材の大きさおよび形状については特に制限はなく、目的に応じて選択できる。例えば、その全体的形状として、板状、棒状、管状などであってもよい。なお、これらのほかにも、そのマグネシウム基材(部材)の用途に応じた、筐体等としての形状を考慮して、その形状に成形したものを対象としうる。
また、本発明のマグネシウム基材は、さらに、開口部または/および凹凸部を有する形状であってもよい。これらの部分(開口部または/および凹凸部)を有していると、その基材(部材)としての形状設計の自由度が向上する。ここで、凹凸部は、目視可能な凹凸部を想定したものとすることができ、この「目視可能」とは、任意の断面において、高さ1mm以上となる凹凸を意味する。
また、本発明のマグネシウム基材の表面に保護膜を形成することによって、耐久性をさらに向上させることができる。保護膜としては、透明化成処理膜や塗装膜等が挙げられ、保護膜形成方法としては、従来公知の方法が使用できる。本発明のマグネシウム基材は表面の平滑性が高いため、保護膜を均一に形成させることができるため、従来のマグネシウム基材と比べて、保護膜形成用の基材として好適である。本願においては、この保護膜を有するマグネシウム基材を、マグネシウム部材と呼ぶ。
本発明のマグネシウム基材(部材)は、様々な用途に使用できる。例えば、航空機、鉄道車両、自動車などの輸送機器の部品、テレビや冷蔵庫などの家電製品、ノート型パーソナルコンピュータやカメラなどの携帯用機器の筐体、建築の内装部材、医療機器、ゴルフや釣り具などのレジャー品などの用途のマグネシウム部材として使用できる。
2.マグネシウム基材の製造方法
また、本発明は、前述のように本発明のマグネシウム基材の製造方法に関する。この本発明のマグネシウム基材の製造方法によって、表面の構造欠陥を少ない領域を維持したまま、平滑性の高い構造を有するマグネシウム基材を製造することができる。これによって、優れた金属光沢を有するマグネシウム基材を得やすい。また、本発明の製造方法は、上述した本発明のマグネシウム基材(部材)の製造に適した方法である。
また、本発明は、前述のように本発明のマグネシウム基材の製造方法に関する。この本発明のマグネシウム基材の製造方法によって、表面の構造欠陥を少ない領域を維持したまま、平滑性の高い構造を有するマグネシウム基材を製造することができる。これによって、優れた金属光沢を有するマグネシウム基材を得やすい。また、本発明の製造方法は、上述した本発明のマグネシウム基材(部材)の製造に適した方法である。
[マグネシウム成形工程A]
本発明のマグネシウム基材の製造方法は、マグネシウムまたはマグネシウム合金を成形し、平面部または曲面部を有するマグネシウム成形体を得る成形工程Aを有する。この成形工程Aでは、マグネシウムまたはマグネシウム合金(マグネシウム系金属)を、そのマグネシウム系金属としての適切な成形温度に加熱して、基材の用途等に応じた形状に成形する。
本発明のマグネシウム基材の製造方法は、マグネシウムまたはマグネシウム合金を成形し、平面部または曲面部を有するマグネシウム成形体を得る成形工程Aを有する。この成形工程Aでは、マグネシウムまたはマグネシウム合金(マグネシウム系金属)を、そのマグネシウム系金属としての適切な成形温度に加熱して、基材の用途等に応じた形状に成形する。
成形方法は特に限定されず、公知のチクソモールド法、ダイカスト法、圧延などにより成形することができる。
特に、チクソモールド法は、寸法精度よく、機械的性質や表面特性が優れたマグネシウム成形体を製造し易いため、チクソモールド法は、好適に用いられる。チクソモールド法により成形されたマグネシウム成形体は、研磨することによって金属光沢を得やすい。
特に、チクソモールド法は、寸法精度よく、機械的性質や表面特性が優れたマグネシウム成形体を製造し易いため、チクソモールド法は、好適に用いられる。チクソモールド法により成形されたマグネシウム成形体は、研磨することによって金属光沢を得やすい。
マグネシウム成形体の大きさおよび形状については特に制限はなく、マグネシウム基材・部材の用途に応じて適宜設計できる。具体的には、マグネシウム基材の大きさおよび形状として前述したような形状とするための元となる形状として、その研磨量等を踏まえた設計とすればよい。
また、マグネシウム成形体は、表面領域において、α相の平均粒径が5.0μm以下となるように成形することが好ましい。後述する研磨工程Bの方法であれば、マグネシウム成形体の表面を深く研磨しなくても、表面の平滑性を向上させることができるため、マグネシウム成形体の表面領域において、α相の平均粒径が5.0μm以下であれば、得られるマグネシウム基材の表面領域においてもα相の平均粒径が維持される。
特に、本発明のマグネシウム成形体は、さらに、開口部や凹凸部を有する形状であることが好ましい。本発明の製造方法では、後述する研磨工程Bにおいて、研磨材の核としてゲルを用いており、形状に沿ってゲルが変形して研磨されるため、開口部や目視可能な凹凸部も研磨可能である。そのため、本発明の製造方法で製造される、開口部や目視可能な凹凸部を有する形状のマグネシウム基材はその全体に優れた金属光沢を有するものとすることもできる。
[研磨工程B]
研磨工程Bは、成形工程Aで成形したマグネシウム成形体に、研磨材を噴射し衝突させることによって、前記マグネシウム成形体の表面を研磨する工程である。また、研磨材としては、核となるゲル、水、および、少なくとも前記ゲルの表面に担持された砥粒とを有する研磨材が用いられる。
研磨工程Bは、成形工程Aで成形したマグネシウム成形体に、研磨材を噴射し衝突させることによって、前記マグネシウム成形体の表面を研磨する工程である。また、研磨材としては、核となるゲル、水、および、少なくとも前記ゲルの表面に担持された砥粒とを有する研磨材が用いられる。
この研磨工程Bによって、研磨工程後のマグネシウム基材の光沢度が向上する。本発明の製造方法では、研磨工程Bにおいて、研磨材の核としてゲルを用いることで、研磨材と成形したマグネシウム成形体が接触した際に生じる熱によって、ゲルが軟化し、成形体の表面の形状に沿って研磨することができるため、表面を深く研磨しなくても、平滑性高く仕上げることができると考えられる。
また、研磨材とマグネシウム成形体が接触した際に生じる衝撃をゲルによって吸収することができるため、マグネシウム成形体の表面が深く傷つきにくいと考えられる。
また、研磨材とマグネシウム成形体が接触した際に生じる衝撃をゲルによって吸収することができるため、マグネシウム成形体の表面が深く傷つきにくいと考えられる。
また、このような製造方法とすることで、マグネシウム基材の形状や大きさに依らず、研磨工程を行った領域間での平滑性にばらつきが少なく、マグネシウム基材の研磨工程を行った領域全体が優れた平滑性を有するマグネシウム基材とすることができる。
また、成形体の表面に存在しうる酸化膜を効率的に除去できる。
また、成形体の表面に存在しうる酸化膜を効率的に除去できる。
また、マグネシウム系金属を研磨することで発生するマグネシウムの粉塵は、ステンレスや鉄に比べて発火しやすく、マグネシウムの乾式研磨は危険を伴う恐れがあるが、本発明も製造方法では、ゲルの粘着性によって、研磨くずを吸着し、研磨くずが飛散することが抑制されるので、発火等の危険が著しく低減される。乾式研磨は水分によりマグネシウム成形体が酸化することも抑制できるため、研磨工程Bは、乾式研磨とすることが好ましい。
研磨工程Bの研磨条件は、研磨材の噴射方法や噴射スピード等により適宜決定されるものであるが、マグネシウム基材の表面の算術平均粗さRaを0.035μm以下となるように研磨することが好ましい。このようにすることにより、得られるマグネシウム基材は金属光沢に優れる。
また、研磨工程Bでは、最大高さ粗さRzは0.30μm以下となるように研磨することが好ましい。
また、算術平均粗さRaと最大高さ粗さRzは共に管理することが好ましく、算術平均粗さRaが0.035μm以下であり、かつ、最大高さ粗さRzが0.20μm以下となるように研磨することがより好ましく、算術平均粗さRaが0.030μm以下であり、かつ、最大高さ粗さRzが0.15μm以下となるように研磨することがさらに好ましい。
このようにすることで、優れた金属光沢を有するマグネシウム基材をより再現よく得ることができる。
このようにすることで、優れた金属光沢を有するマグネシウム基材をより再現よく得ることができる。
(研磨材)
本発明の製造方法で用いられる研磨材(以下、単に「研磨材」または「本発明に用いられる研磨材」と記載する場合がある。)は、核となるゲル、水、および、少なくとも前記ゲルの表面に担持された砥粒を有する。本発明に用いられる研磨材は、成形したマグネシウム成形体に衝突することで、マグネシウム成形体の表面を物理的に研磨する機能を有する。
本発明の製造方法で用いられる研磨材(以下、単に「研磨材」または「本発明に用いられる研磨材」と記載する場合がある。)は、核となるゲル、水、および、少なくとも前記ゲルの表面に担持された砥粒を有する。本発明に用いられる研磨材は、成形したマグネシウム成形体に衝突することで、マグネシウム成形体の表面を物理的に研磨する機能を有する。
本発明に用いられる研磨材の形状は、特に限定されず、球状や楕円状またはこれらの形状の一部が扁平している形状等であってもよい。
本発明に用いられる研磨材の大きさは、実質的に核となるゲルの大きさと等しい。本発明に用いられる研磨材の大きさは、砥粒の大きさやマグネシウム成形体の形状、構造等により適宜決定される。研磨材の大きさは、小さい方が、細部まで十分に研磨することができる一方、大きい方が、研磨スピードが上がり、短時間で研磨することができる。
一方で、研磨材が小さすぎると、表面に担持される砥粒の量が少なく十分に研磨できなかったり、研磨材がマグネシウム成形体の表面に接触したときの衝撃を十分に緩和することができず、表面が粗面となったりするおそれがある。また、研磨材が大きすぎると、マグネシウム成形体の形状によっては細部に研磨材が届かず、研磨することが困難となり、酸化膜を除去することも難しくなる。このため、マグネシウム成形体の形状にもよるが、通常、研磨材の大きさは、直径0.1〜5.0mmである。
なお、研磨材が球状以外の形状の場合は、研磨材の最長径を直径とする。なお、研磨材の大きさは、任意の研磨材100個の直径を求めて平均した値である。
なお、研磨材が球状以外の形状の場合は、研磨材の最長径を直径とする。なお、研磨材の大きさは、任意の研磨材100個の直径を求めて平均した値である。
研磨材の大きさは、マグネシウム成形体の形状により適宜選択されるものであり、平板状の成形体や成形体の平面部においては、直径0.3〜3.0mmの研磨材を用いることが好ましく、直径0.5〜2.0mmを用いることがさらに好ましい。
また、マグネシウム成形体が微細構造部分を有するときは、微細構造部分の研磨には、研磨材の大きさは、直径0.1〜1.0mmであることが好ましく、直径0.1〜0.5mmであることがさらに好ましい。
また、マグネシウム成形体が微細構造部分を有するときは、微細構造部分の研磨には、研磨材の大きさは、直径0.1〜1.0mmであることが好ましく、直径0.1〜0.5mmであることがさらに好ましい。
本発明に用いられる研磨材は、核となるゲルは、溶液(水)を吸収することによって、弾力性を発現するため、溶液を吸収させて状態で用いられる。研磨材の弾性率は、吸収させる溶液の量を調整することで適宜調整でき、マグネシウム成形体に衝突したときに、砥粒により過度にマグネシウム成形体を傷つけない範囲で調整して使用すればよい。
このときに用いられる溶液は、一般的に、水である。なお、水には、水を含む混合溶液も含まれる。
研磨材の含水量は、実質的には、ゲルの含水量である。
研磨材の含水量が高すぎると、研磨材の粘着性が上がり、マグネシウム成形体への粘着性が高くなるために研磨力が損なわれるおそれがあり、また、マグネシウム成形体の表面が酸化されやすく、酸化膜を除去しにくい。一方で、研磨材の含水量が低すぎると、研磨材の軟らかさが足りず、マグネシウム成形体に衝突したときの衝撃を十分に緩和しにくいため粗面化されやすい。
研磨材の含水量が高すぎると、研磨材の粘着性が上がり、マグネシウム成形体への粘着性が高くなるために研磨力が損なわれるおそれがあり、また、マグネシウム成形体の表面が酸化されやすく、酸化膜を除去しにくい。一方で、研磨材の含水量が低すぎると、研磨材の軟らかさが足りず、マグネシウム成形体に衝突したときの衝撃を十分に緩和しにくいため粗面化されやすい。
そのため、研磨材の含水量は、研磨材の質量に対して20質量%以下であることが好ましい。また、研磨材の含水量の下限値は、15質量%以上であることが好ましい。なお、用いられる溶液が、水を含む混合溶液である場合、含水率は、研磨材中に含まれる混合溶液の量を意味する。
研磨材の含水量は、例えば、電気抵抗式の水分チッカー(例えば、佐藤計量器製作所SK−940Aなど)にて測定することができる。
研磨材の含水量は、例えば、電気抵抗式の水分チッカー(例えば、佐藤計量器製作所SK−940Aなど)にて測定することができる。
ゲルは、本発明に用いられる研磨材の核となる部分であり、研磨材とマグネシウム成形体との衝突時に衝撃を緩和し、砥粒により過度にマグネシウム成形体が傷つくことを防止する役割を有する。
ゲルとしては、ゼラチン、ペクチン、寒天等を挙げることができる。好適には、ゼラチンである。
ゲルの大きさは、実質的に研磨材の大きさと同じである。
ゲルは上述のように水分を吸収させ粘弾性を発揮させることで、ゲルの表面に砥粒を容易に担持させることができる。
砥粒は、マグネシウム成形体の表面から酸化膜等の不純物を削り取り、マグネシウム成形体の表面を研磨し、平滑化する役割を有する。
砥粒は、少なくともゲルの表面に担持されていればよく、ゲルの表面のみだけでなく、ゲルの内部に存在していてもよい。また、ゲルの表面に担持された砥粒は、マグネシウム成形体の表面を研磨できる範囲で、ゲルの表面から突出していれば、砥粒の一部がゲルの内部に存在していてもよい。
砥粒は、少なくともゲルの表面に担持されていればよく、ゲルの表面のみだけでなく、ゲルの内部に存在していてもよい。また、ゲルの表面に担持された砥粒は、マグネシウム成形体の表面を研磨できる範囲で、ゲルの表面から突出していれば、砥粒の一部がゲルの内部に存在していてもよい。
砥粒としては、ダイヤモンド、炭素ケイ素、アルミナまたはこれらを2以上組み合わせた混合物等が挙げられるが、好適にはダイヤモンドである。
砥粒の大きさは、研磨材の大きさやマグネシウム成形体の形状、構造等により適宜選択すればよいが、1μm以下が好ましく、0.25μm以下がより好ましい。砥粒が小さすぎると、研磨効率が低下し、砥粒が大きすぎるとマグネシウム成形体の表面を平滑に研磨しにくい。
ゲルと砥粒の組合せは、目的に応じて適宜選択可能だが、好適な組み合わせは、ゲルがゼラチンであり、砥粒がダイヤモンドである。
ゲルと砥粒の割合は、マグネシウム成形体の大きさや形状、マグネシウム成形体の使用目的に応じて、適宜決定すればよい。
(研磨材を噴射する方法)
研磨材を噴射する方法は、特に限定されず、圧縮空気を利用する方法や羽根車の遠心力を利用する方法などが挙げられるが、羽根車の遠心力を利用する方法が好ましい。
研磨材を噴射する方法は、特に限定されず、圧縮空気を利用する方法や羽根車の遠心力を利用する方法などが挙げられるが、羽根車の遠心力を利用する方法が好ましい。
羽根車による遠心力を利用して研磨材を噴射し、研磨することのできる装置として、例えば、ヤマシタワークス製のエアロラップが挙げられる。
選択する研磨材の大きさや研磨材の噴射速度、噴射量などは、マグネシウム成形体の大きさや形状によって適宜選択される。
例えば、マグネシウム成形体が薄い場合は、研磨材の噴射量を少なくすれば、研磨材がマグネシウム成形体に衝突した時の衝撃を緩和することができる。
例えば、マグネシウム成形体が薄い場合は、研磨材の噴射量を少なくすれば、研磨材がマグネシウム成形体に衝突した時の衝撃を緩和することができる。
研磨時間は、選択する研磨材の大きさや研磨材の噴射速度、噴射量を考慮し、適宜選択すればよい。例えば、研磨時間は、1分であっても、3分であっても、5分であっても、10分であってもよい。
また、本発明の製造方法では、研磨工程Bの後に、電解研磨工程Cを行ってもよい。研磨工程Bの後のマグネシウム基材は、平滑で、表面領域に欠陥が少ないため、電解研磨工程Cにおいて、均一に電解研磨することができる。
電解研磨の方法は特に限定されず、例えば、特開2001−49493号公報や特開2016−135898号公報等の従来公知の方法を実施することができる。
電解研磨の方法は特に限定されず、例えば、特開2001−49493号公報や特開2016−135898号公報等の従来公知の方法を実施することができる。
また、本発明の製造方法では、研磨工程Bの後に、保護膜形成工程Dを行ってもよい。なお、研磨工程Bの後に電解研磨工程Cを行う場合は、電解研磨工程Cの後に、保護膜形成工程Dを行うことが好ましい。
保護膜形成方法は、目的に応じて適宜従来公知の方法から選択できる。
保護膜形成方法は、目的に応じて適宜従来公知の方法から選択できる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
マグネシウム合金(AZ91D)をチクソモールド法にて成形し、縦70mm、横40mm、厚さ2mmのマグネシウム成形体(1’)を得た。マグネシウム成形体(1’)は、開口部、幅2mm、高さ1mm、奥行き30mmの凸部、および、平面部を有する形状となるように加工した。
次に、成形したマグネシウム成形体(1’)をヤマシタワークス製のエアロラップ装置(YT−300)を使用し、研磨し、マグネシウム基材(1)を得た。マグネシウム成形体(1’)は開口部と凸部および平面部で、使用する研磨材および装置の運転条件を変更して研磨した。それぞれの条件を下記に示す。
マグネシウム合金(AZ91D)をチクソモールド法にて成形し、縦70mm、横40mm、厚さ2mmのマグネシウム成形体(1’)を得た。マグネシウム成形体(1’)は、開口部、幅2mm、高さ1mm、奥行き30mmの凸部、および、平面部を有する形状となるように加工した。
次に、成形したマグネシウム成形体(1’)をヤマシタワークス製のエアロラップ装置(YT−300)を使用し、研磨し、マグネシウム基材(1)を得た。マグネシウム成形体(1’)は開口部と凸部および平面部で、使用する研磨材および装置の運転条件を変更して研磨した。それぞれの条件を下記に示す。
・開口部
研磨材:ヤマシタワークス製微細サンプル(#20000、大きさ0.1〜0.5mm)を、水分量が16.5%になるように調整して使用した。なお、水分量は、佐藤計量器製作所SK−940Aにて測定した。
コンベアースピード:10rpm
研磨時間:3分間
研磨材:ヤマシタワークス製微細サンプル(#20000、大きさ0.1〜0.5mm)を、水分量が16.5%になるように調整して使用した。なお、水分量は、佐藤計量器製作所SK−940Aにて測定した。
コンベアースピード:10rpm
研磨時間:3分間
・凸部および平面部
研磨材:ヤマシタワークス製標準サンプル(#20000、大きさ0.5〜2.0mm)を、水分量が16.5%になるように調整して使用した。なお、水分量は、佐藤計量器製作所SK−940Aにて測定した。
コンベアースピード:30rpm
研磨時間;3分間
研磨材:ヤマシタワークス製標準サンプル(#20000、大きさ0.5〜2.0mm)を、水分量が16.5%になるように調整して使用した。なお、水分量は、佐藤計量器製作所SK−940Aにて測定した。
コンベアースピード:30rpm
研磨時間;3分間
[比較例1]
マグネシウム成形体は、実施例1と同じマグネシウム成形体(1’)を用いた。#2500のサンドペーパーを用いて、手で3分研磨し、マグネシウム基材(2)を得た。なお、手での研磨では、開口部および凸部の研磨をすることができなかったため、平面部のみ研磨した。
マグネシウム成形体は、実施例1と同じマグネシウム成形体(1’)を用いた。#2500のサンドペーパーを用いて、手で3分研磨し、マグネシウム基材(2)を得た。なお、手での研磨では、開口部および凸部の研磨をすることができなかったため、平面部のみ研磨した。
[比較例2]
マグネシウム成形体は、実施例1と同じマグネシウム成形体(1’)を用いた。ピカール金属みがき(日本磨料工業株式会社製)を用いて、手で3分研磨し、マグネシウム基材(3)を得た。なお、手での研磨では、開口部および凸部の研磨をすることができなかったため、平面部のみ研磨した。
マグネシウム成形体は、実施例1と同じマグネシウム成形体(1’)を用いた。ピカール金属みがき(日本磨料工業株式会社製)を用いて、手で3分研磨し、マグネシウム基材(3)を得た。なお、手での研磨では、開口部および凸部の研磨をすることができなかったため、平面部のみ研磨した。
[評価]
1.表面粗さ
得られたマグネシウム基材(1)表面粗さを、JIS B 0601−2013に基づき、東京精密製のサーフコム5000DX(カットオフ値0.25mm)を用いて測定した。表面粗さは、平面部の30mm×30mmの範囲を5点測定した平均値とした。結果を表1に示す。また、測定で得られた表面粗さ曲線を図1に示す。
なお、測定には先端半径2μmRの触針を用いて、測定スピード0.3mm/秒、カットオフ値0.25mm、測定長さ1.25mmとした。
1.表面粗さ
得られたマグネシウム基材(1)表面粗さを、JIS B 0601−2013に基づき、東京精密製のサーフコム5000DX(カットオフ値0.25mm)を用いて測定した。表面粗さは、平面部の30mm×30mmの範囲を5点測定した平均値とした。結果を表1に示す。また、測定で得られた表面粗さ曲線を図1に示す。
なお、測定には先端半径2μmRの触針を用いて、測定スピード0.3mm/秒、カットオフ値0.25mm、測定長さ1.25mmとした。
マグネシウム成形体(1’)、マグネシウム基材(2)およびマグネシウム基材(3)についても同様に表面粗さを測定した。結果を表1に示す。また、測定で得られたそれぞれの表面粗さ曲線を図2〜図4に示す。
2.α相の平均の結晶粒径
得られたマグネシウム基材(1)をエポキシ系樹脂(丸本ストルアス製スペシフィックスー20)に樹脂埋めし、平面部の観察箇所を、切断機を用いて切断して断面を切り出した。切り出された断面をバフ研磨(条件)で磨き上げたのちに、基材の断面をデジタルマイクロスコープ(キーエンス製VHX−2000)にて、1000倍で観察を行った。結果を図5に示す。平均の結晶粒径は、基材表面から深さ方向に200μm、幅方向に300μmの測定領域において、任意の20個のα相の結晶粒の粒径を測定し、平均することで求めた。結果を表1に示す。
得られたマグネシウム基材(1)をエポキシ系樹脂(丸本ストルアス製スペシフィックスー20)に樹脂埋めし、平面部の観察箇所を、切断機を用いて切断して断面を切り出した。切り出された断面をバフ研磨(条件)で磨き上げたのちに、基材の断面をデジタルマイクロスコープ(キーエンス製VHX−2000)にて、1000倍で観察を行った。結果を図5に示す。平均の結晶粒径は、基材表面から深さ方向に200μm、幅方向に300μmの測定領域において、任意の20個のα相の結晶粒の粒径を測定し、平均することで求めた。結果を表1に示す。
また、マグネシウム成形体(1’)、マグネシウム基材(2)およびマグネシウム基材(3)についても同様に評価した。結果を表1に示す。
表1および図1〜図4に示すように、比較例1のマグネシウム基材(2)は算術平均粗さRaおよび最大高さ粗さRzが処理前のマグネシウム成形体(1’)とほとんど変わらなかった。また、マグネシウム基材(3)は、処理することで表面の平滑性が低下している。これに対して、実施例1のマグネシウム基材(1)は、処理前のマグネシウム成形体(1’)と比較して高い平滑性を有することがわかる。
また、マグネシウム基材(1)の平均の結晶粒径は、5.0μmであった。比較例1、2においても、平均の結晶粒径は5.0μmであったが、比較例1、2は実施例1と比較して表面の平滑性が低いため、比較例1、2は、表面の平滑性の上げるためには更に研磨する必要がある。そのため、比較例1、2において、実施例1と同様の表面の平滑性を得るためには、表面からより深い領域まで研磨され、平均の結晶粒径が大きくなることが考えられる。
3.金属光沢の評価
得られたマグネシウム基材(1)、マグネシウム基材(2)およびマグネシウム基材(3)を目視で確認したところ、マグネシウム基材(1)は、開口部や凸部を有するにもかかわらず、全体的に金属光沢を有していた。一方、マグネシウム基材(2)およびマグネシウム基材(3)は、部分的に傷があったり、白っぽくなっている部分があり、特に、開口部、凸部およびこれらの近傍が白っぽくなっていた。これは、開口部や凸部は研磨できなかったため、酸化膜が残っているためと考えられる。
得られたマグネシウム基材(1)、マグネシウム基材(2)およびマグネシウム基材(3)を目視で確認したところ、マグネシウム基材(1)は、開口部や凸部を有するにもかかわらず、全体的に金属光沢を有していた。一方、マグネシウム基材(2)およびマグネシウム基材(3)は、部分的に傷があったり、白っぽくなっている部分があり、特に、開口部、凸部およびこれらの近傍が白っぽくなっていた。これは、開口部や凸部は研磨できなかったため、酸化膜が残っているためと考えられる。
目視評価にて良好であったマグネシウム基材(1)について、光度計を用いて光沢度を測定した。なお、比較として、マグネシウム成形体(処理前)の光沢度も測定した。光沢度は、光沢計(コニカミノルタ製、GM−60Plus)を用いて、測定角度60°で、5点測定し平均を求めた。マグネシウム成形体の光沢度は143.2GUであり、マグネシウム基材(1)の光沢度は、562.6GUであり、マグネシウム基材(1)は優れた光沢を有することが確認された。
本発明のマグネシウム基材は、形状や大きさに依らず、優れた金属光沢を有する。そのため、様々な用途に適応でき産業的に有用である。
Claims (8)
- 平面部または曲面部を有するマグネシウム基材であって、
平面部または曲面部の表面の算術平均粗さRaが0.035μm以下であり、
表面から深さ方向に200μmまでの表面領域において、α相の平均粒径が5.0μm以下であるマグネシウム基材。 - 開口部および/または凹凸部を有する請求項1記載のマグネシウム基材。
- 前記平面部または曲面部の表面の最大高さ粗さRzが0.20μm以下である請求項1または2に記載のマグネシウム基材。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のマグネシウム基材上に、保護膜を有するマグネシウム部材。
- マグネシウム系金属を成形し、平面部または曲面部を有するマグネシウム成形体を得る成形工程Aと、
前記マグネシウム成形体に、研磨材を噴射し衝突させることによって、前記マグネシウム成形体の平面部または曲面部の表面を、表面の算術平均粗さRaが0.035μm以下となるように研磨する研磨工程Bとを有し、
前記研磨材が、核となるゲル、水、および、少なくとも前記ゲルの表面に担持された砥粒を有する研磨材である、マグネシウム基材の製造方法。 - 前記研磨材の含水量は、15質量%以上20質量%以下である、請求項5に記載のマグネシウム基材の製造方法。
- 前記砥粒の大きさは、直径1μm以下である、請求項5または6に記載のマグネシウム基材の製造方法。
- 前記ゲルは、ゼラチンである、請求項5〜7のいずれかに記載のマグネシウム基材の製造方法。
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