しかしながら、一般に、バッテリユニットの寸法は車両によって異なっており、上記先行技術の場合、ロッカの内折れを抑制するには、当該バッテリユニットの寸法に合わせてバッテリサイドフレームの大きさを変える必要が生じる。つまり、バッテリサイドフレーム自体の汎用性が低い分、コストが増大する可能性がある。
本発明は上記事実を考慮し、コストの増加を抑えつつ、ロッカの内折れを抑制することができる車両下部構造を得ることを目的とする。
請求項1に記載の本発明に係る車両下部構造は、車両のフロアパネルの車両幅方向の両外側にそれぞれ配設され、車両前後方向に沿って延在された一対のロッカと、前記フロアパネルの車両下方側に配設された蓄電池と、を備え、前記ロッカは、車両幅方向の外側に位置するアウタ部と、前記アウタ部と一体形成され、当該アウタ部の車両幅方向の内側に位置し、当該アウタ部と共に閉断面部を形成するインナ部と、前記閉断面部内において前記アウタ部と前記インナ部の間に車両幅方向に架け渡され、車両側面視で前記蓄電池と重なる位置に配置された第1衝撃吸収部と、を含んで構成されている。
請求項1に記載の本発明に係る車両下部構造では、車両のフロアパネルの車両幅方向の両外側にそれぞれロッカが配設されており、各ロッカは、車両前後方向に沿って延在されている。また、フロアパネルの車両下方側には、蓄電池が配設されている。
なお、「蓄電池」として、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、シリコン電池等が挙げられる。また、ここでの「蓄電池」は、例えば、複数の電池モジュールがケース内に収容された状態(以下、「電池パック」という)をいう。
ここで、本発明におけるロッカは、車両幅方向の外側に位置するアウタ部と、車両幅方向の内側に位置するインナ部と、が一体形成されており、アウタ部とインナ部とで、閉断面部を形成している。なお、ここでの「一体形成」は、押出し加工や引抜き加工等によりアウタ部とインナ部とが一体となって形成されることを意味する。
そして、本発明では、ロッカにおいて、アウタ部とインナ部とが一体形成されることにより、例えば、ロッカが、アウタ部、インナ部の2枚のパネルを結合させて形成された場合と比較してロッカ自体の剛性を上げることができる。
また、ロッカが、アウタ部、インナ部の2枚のパネルを結合させる際、溶接や締結等が必要となるが、本発明では、アウタ部とインナ部とが一体形成されるため、これらの加工が不要となり、その分のコストを削減することができる。
さらに、ロッカの閉断面部内において、アウタ部とインナ部の間に第1衝撃吸収部が車両幅方向に架け渡され、当該第1衝撃吸収部が、車両側面視で電池パックと重なる位置に配置されるように設定されている。
一般に、車両に搭載させる電池パックは、剛性が高くなるように設定されている。このため、本発明では、ロッカの第1衝撃吸収部が、車両側面視で電池パックと重なるように配置されることで、車両の側突時にロッカに入力された衝撃荷重の一部は、第1衝撃吸収部を介して電池パック側へ伝達されることとなる。
前述のように、電池パックは剛性が高くなるように設定されているため、ロッカに入力された衝撃荷重の一部が当該電池パックに伝達されると、当該ロッカは、電池パックからの反力を得る。これにより、ロッカの第1衝撃吸収部は塑性変形し、衝撃エネルギが吸収される。つまり、ショートストロークであっても衝撃荷重を低減させることが可能となる。
これにより、ロッカの車両幅方向の内側への侵入(いわゆる内折れ)を抑制することができる。つまり、本発明では、いわゆるポール側突のように、ロッカに対して局所的に大荷重が入力される場合であっても、ロッカの内折れが抑制されることとなる。
以上のように、本発明では、ロッカの閉断面部内に第1衝撃吸収部を設けると共に、当該第1衝撃吸収部を車両側面視で電池パックと重なるように配置して、電池パックからの反力を利用することで、ロッカの内折れを抑制する。すなわち、本発明では、上記先行技術のように、別部材を必要とすることなく、ロッカの内折れを抑制することが可能となる。また、本発明では、ショートストロークであっても衝撃荷重を低減させることが可能となるため、電池パックの寸法に関係なく、ロッカの内折れを抑制することが可能となる。
請求項2に記載の本発明に係る車両下部構造は、請求項1に記載の本発明に係る車両下部構造において、前記フロアパネル上において、前記一対のロッカ間に配置され、車両幅方向に沿って架け渡されたフロアクロスメンバをさらに備え、前記ロッカは、前記閉断面部内において前記アウタ部と前記インナ部の間に車両幅方向に架け渡され、かつ車両側面視で前記フロアクロスメンバと重なる位置に配置された第2衝撃吸収部をさらに含んで構成されている。
請求項2に記載の本発明に係る車両下部構造では、フロアパネル上において、一対のロッカ間にフロアクロスメンバが車両幅方向に沿って架け渡されている。そして、ロッカの閉断面部内において、アウタ部とインナ部の間には、車両側面視でフロアクロスメンバと重なる位置に第2衝撃吸収部が車両幅方向に架け渡されている。
このため、車両の側突時において、ロッカに入力された衝撃荷重の一部は、第2衝撃吸収部を介してフロアクロスメンバ側へ伝達されることとなる。そして、フロアクロスメンバに衝撃荷重が入力されると、当該ロッカは、フロアクロスメンバ(厳密にいうと、フロアクロスメンバを経て、衝撃荷重が入力されたロッカとは反対側のロッカ)からの反力を得る。これにより、第2衝撃吸収部が塑性変形し、衝撃エネルギが吸収される。すなわち、本発明では、第1衝撃吸収部及び第2衝撃吸収部の塑性変形により、衝撃エネルギをさらに吸収することができる。
そして、ここでは、車両の側突時において、ロッカの第1衝撃吸収部を介して電池パック側へ伝達される荷重伝達経路と、ロッカの第2衝撃吸収部を介してフロアクロスメンバ側へ伝達される荷重伝達経路と、を形成することができる。したがって、ロッカに入力された衝撃荷重において、荷重分散を図ることが可能となる。
つまり、本発明では、ロッカの閉断面部内に第1衝撃吸収部、第2衝撃吸収部を設けると共に、当該第1衝撃吸収部、当該第2衝撃吸収部を、車両側面視で電池パック、フロアクロスメンバとそれぞれ重なるように配置して、電池パック及びフロアクロスメンバからの反力を利用することで、ロッカの内折れを抑制する。
請求項3に記載の本発明に係る車両下部構造は、請求項1又は請求項2に記載の車両下部構造において、前記蓄電池は、複数の電池モジュールを収容する電池ケースを備え、前記電池ケース内には、車両側面視で前記第1衝撃吸収部と重なる位置に車両幅方向に沿って架け渡された第1クロスメンバが設けられている。
請求項3に記載の本発明に係る車両下部構造では、蓄電池は、複数の電池モジュールを収容する電池ケースを備えており、電池ケース内には、第1クロスメンバが車両幅方向に沿って架け渡されている。これにより、電池ケース自体の剛性が向上する。そして、本発明では、この第1クロスメンバが、車両側面視で第1衝撃吸収部と重なる位置となるように設定されている。
このため、車両の側突時において、ロッカに衝撃荷重が入力されると、第1衝撃吸収部を介して電池ケースの第1クロスメンバ側へ衝撃荷重が伝達される。そして、電池ケースの第1クロスメンバ側へ衝撃荷重が伝達されると、ロッカは、当該第1クロスメンバ(厳密にいうと、第1クロスメンバ及び電池ケースを経て、衝撃荷重が入力されたロッカとは反対側のロッカ)からの反力を得て、第1衝撃吸収部は塑性変形する。これにより、衝撃エネルギが吸収され、ショートストロークであっても衝撃荷重を低減させることが可能となる。
以上のように、本発明では、ロッカの閉断面部内に第1衝撃吸収部を設けると共に、当該第1衝撃吸収部と車両側面視で重なるように電池ケースの第1クロスメンバの位置を設定することで、第1クロスメンバからの反力を効果的に利用することができ、ロッカの内折れを抑制することが可能となる。
請求項4に記載の本発明に係る車両下部構造は、請求項3に記載の車両下部構造において、前記第1衝撃吸収部は、車両幅方向に架け渡された第1横壁を含んで構成され、前記第1クロスメンバは、車両幅方向に架け渡された前記第1横壁と車両側面視で重なる第2横壁を含んで構成されている。
請求項4に記載の本発明に係る車両下部構造では、第1衝撃吸収部は、車両幅方向に架け渡された第1横壁を含んで構成されており、第1クロスメンバは、車両幅方向に架け渡された第2横壁を含んで構成されている。
そして、本発明では、第1クロスメンバの第2横壁は、第1衝撃吸収部の第1横壁と車両側面視で重なるように設定されている。これにより、車両の側突時において、ロッカに衝撃荷重が入力されると、第1衝撃吸収部の第1横壁を介して電池ケースの第1クロスメンバの第2横壁側へ衝撃荷重が伝達される。
以上のように、本発明では、ロッカの第1衝撃吸収部の少なくとも一部を構成する第1横壁に対して、電池ケースの第1クロスメンバの少なくとも一部を構成する第2横壁が車両側面視で重なるように配置することで、第1クロスメンバからの反力を効果的に得ることができる。
請求項5に記載の本発明に係る車両下部構造は、車両のフロアパネルの車両幅方向の両外側にそれぞれ配設され、車両前後方向に沿って延在された一対のロッカと、前記フロアパネル上において、前記一対のロッカ間に配置され、車両幅方向に沿って架け渡されたフロアクロスメンバと、を備え、前記ロッカは、車両幅方向の外側に位置するアウタ部と、前記アウタ部と一体形成され、当該アウタ部の車両幅方向の内側に位置し、当該アウタ部とで閉断面部を形成するインナ部と、前記閉断面部内において前記アウタ部と前記インナ部の間に車両幅方向に架け渡され、車両側面視で前記フロアクロスメンバと重なる位置に配置された第3衝撃吸収部と、を含んで構成されている。
請求項5に記載の本発明に係る車両下部構造では、車両のフロアパネルの車両幅方向の両外側にそれぞれロッカが配設されており、各ロッカは、車両前後方向に沿って延在されている。また、フロアパネル上には、一対のロッカ間において、フロアクロスメンバが車両幅方向に沿って架け渡されている。
ここで、本発明におけるロッカは、車両幅方向の外側に位置するアウタ部と、車両幅方向の内側に位置するインナ部と、が一体形成されており、アウタ部とインナ部とで、閉断面部を形成している。このように、ロッカにおいて、アウタ部とインナ部とが一体形成されることにより、例えば、ロッカが、アウタ部、インナ部の2枚のパネルを結合させて形成された場合と比較してロッカ自体の剛性を上げることができる。
さらに、当該ロッカの閉断面部内において、アウタ部とインナ部の間には、車両側面視でフロアクロスメンバと重なる位置に第3衝撃吸収部が車両幅方向に架け渡されている。このため、車両の側突時において、ロッカに衝撃荷重が入力されると、第3衝撃吸収部を介してフロアクロスメンバ側へ衝撃荷重の一部が伝達される。
このように、フロアクロスメンバ側へ衝撃荷重の一部が伝達されると、当該ロッカは、フロアクロスメンバ(厳密にいうと、フロアクロスメンバを経て、衝撃荷重が入力されたロッカとは反対側のロッカ)からの反力を得て、第3衝撃吸収部が塑性変形する。これにより、衝撃エネルギが吸収される。つまり、ショートストロークであっても衝撃荷重を低減させることが可能となる。
以上のように、本発明では、ロッカの閉断面部内に第3衝撃吸収部を設けると共に、当該第3衝撃吸収部を車両側面視でフロアクロスメンバと重なるように配置して、フロアクロスメンバからの反力を利用することで、ロッカの内折れを抑制する。
請求項6に記載の本発明に係る車両下部構造は、請求項5に記載の本発明に係る車両下部構造において、前記フロアパネルの車両下方側には燃料電池が配設されている。
前述のように、請求項6に記載の本発明に係る車両下部構造では、車両の側突時において、ロッカに入力された衝撃荷重をフロアパネル上に配設されたフロアクロスメンバ側へ伝達させる。このため、請求項4に記載の本発明に係る車両下部構造では、フロアパネルの車両下方側に燃料電池が配設されている。これにより、フロアパネルの車両下方側に配設された燃料電池側へ衝撃荷重が入力されないようにすることが可能となる。なお、「燃料電池」の原料として、例えば、水素、アルコール等が挙げられる。
請求項7に記載の本発明に係る車両下部構造は、請求項5又は請求項6に記載の本発明に係る車両下部構造において、前記フロアパネルの車両幅方向の中央部に、車室内側へ向かって突出すると共に車両前後方向に沿って延在されたトンネル部が設けられ、前記フロアクロスメンバは、前記トンネル部を間に置いて前記一対のロッカ間に架け渡されている。
請求項7に記載の本発明に係る車両下部構造では、フロアパネルの車両幅方向の中央部に、車室内側へ向かって突出すると共に車両前後方向に沿って延在されたトンネル部が設けられている。
ここで、「フロアクロスメンバは、トンネル部を間に置いて一対のロッカ間に車両幅方向に架け渡されている」には、フロアクロスメンバが、トンネル部の形状に沿って形成され、車両幅方向に沿って1本設けられる場合以外にも、トンネル部により分断され、車両幅方向に沿って2本設けられる場合も含まれる。
前者の場合、フロアクロスメンバの長手方向の両端がフロアパネルの車両幅方向の両端側のロッカに結合される。このため、衝撃荷重が入力されたロッカは、当該ロッカを介してフロアクロスメンバに伝達された伝達荷重により、衝撃荷重が入力されたロッカとは反対側のロッカから反力を得ることとなる。
一方、後者の場合、フロアクロスメンバの長手方向の一端がフロアパネルの車両幅方向の一端側のロッカに結合され、フロアクロスメンバの長手方向の他端はトンネル部に結合される。このため、衝撃荷重が入力されたロッカは、当該ロッカを介してフロアクロスメンバに伝達された伝達荷重により、トンネル部から反力が得られるようにする。したがって、この場合、例えば、トンネル部内において補強部材を配設する等してトンネル部自体の剛性を高めておくことが望ましい。
そして、前述のように、本発明では、ショートストロークであっても効果的に衝撃荷重を低減させることができるため、大容量の燃料電池をトンネル部の車両下方側へ配設することが可能となる。
請求項8に記載の本発明に係る車両下部構造は、車両のフロアパネルの車両幅方向の両外側にそれぞれ配設され、車両前後方向に沿って延在された一対のロッカと、車両のフロアパネルの車両下方側に配設された燃料電池と、を備え、前記ロッカは、車両幅方向の外側に位置するアウタ部と、前記アウタ部と一体形成され、当該アウタ部の車両幅方向の内側に位置し、当該アウタ部とで閉断面部を形成するインナ部と、前記閉断面部内において前記アウタ部と前記インナ部の間に車両幅方向に架け渡された第4衝撃吸収部と、を含んで構成され、前記燃料電池は、車両幅方向に沿って配置された燃料タンクが車両前後方向に沿って配列されたタンクケースを備え、前記タンクケース内には、車両前後方向に隣り合って配置された燃料タンク間を区画すると共に車両側面視で前記第4衝撃吸収部と重なる位置に車両幅方向に沿って架け渡された第2クロスメンバが設けられている。
請求項8に記載の本発明に係る車両下部構造では、車両のフロアパネルの車両幅方向の両外側にそれぞれロッカが配設されており、各ロッカは、車両前後方向に沿って延在されている。また、車両のフロアパネルの車両下方側には、燃料電池が配設されている。
ここで、本発明におけるロッカは、車両幅方向の外側に位置するアウタ部と、車両幅方向の内側に位置するインナ部と、が一体形成されており、アウタ部とインナ部とで、閉断面部を形成している。このように、ロッカにおいて、アウタ部とインナ部とが一体形成されることにより、例えば、ロッカが、アウタ部、インナ部の2枚のパネルを結合させて形成された場合と比較してロッカ自体の剛性を上げることができる。さらに、当該ロッカの閉断面部内において、アウタ部とインナ部の間には第4衝撃吸収部が車両幅方向に架け渡されている。
一方、本発明における燃料電池は、車両幅方向に沿って配置された燃料タンクが車両前後方向に沿って配列されたタンクケースを備えている。このタンクケース内には、第2クロスメンバが車両幅方向に沿って架け渡されており、当該第2クロスメンバによって、車両前後方向に隣り合って配置された燃料タンク間が区画されている。このように、タンクケース内に当該第2クロスメンバを設けることによって、タンクケース自体の剛性が向上する。
そして、本発明では、この第2クロスメンバが、車両側面視で第4衝撃吸収部と重なる位置となるように設定されている。このため、車両の側突時において、ロッカに衝撃荷重が入力されると、第4衝撃吸収部を介してタンクケースの第2クロスメンバ側へ衝撃荷重が伝達される。
そして、タンクケースの第2クロスメンバ側へ衝撃荷重が伝達されると、当該ロッカは、当該第2クロスメンバ(厳密にいうと、第2クロスメンバ及びタンクケースを経て、衝撃荷重が入力されたロッカとは反対側のロッカ)からの反力を得て、第4衝撃吸収部は塑性変形する。これにより、衝撃エネルギが吸収され、ショートストロークであっても衝撃荷重を低減させることが可能となる。
以上のように、本発明では、ロッカの閉断面部内に第4衝撃吸収部を設けると共に、当該第4衝撃吸収部と車両側面視で重なるようにタンクケースの第2クロスメンバの位置を設定することで、第2クロスメンバからの反力を利用することができ、ロッカの内折れを抑制することが可能となる。
請求項9に記載の本発明に係る車両下部構造は、請求項8に記載の本発明に係る車両下部構造において、前記第4衝撃吸収部は、車両幅方向に架け渡された第3横壁を含んで構成され、前記第2クロスメンバは、車両幅方向に架け渡された前記第3横壁と車両側面視で重なる第4横壁を含んで構成されている。
請求項9に記載の本発明に係る車両下部構造では、第4衝撃吸収部は、車両幅方向に架け渡された第3横壁を含んで構成されており、第2クロスメンバは、車両幅方向に架け渡された第4横壁を含んで構成されている。
そして、本発明では、第2クロスメンバの第4横壁は、第4衝撃吸収部の第3横壁と車両側面視で重なるように設定されている。これにより、車両の側突時において、ロッカに衝撃荷重が入力されると、第4衝撃吸収部の第3横壁を介してタンクケースの第2クロスメンバの第4横壁側へ衝撃荷重が伝達される。
以上のように、本発明では、ロッカの第4衝撃吸収部の少なくとも一部を構成する第3横壁に対して、タンクケースの第2クロスメンバの少なくとも一部を構成する第4横壁が車両側面視で重なるように配置することで、第2クロスメンバからの反力を効果的に得ることができる。
請求項10に記載の本発明に係る車両下部構造は、請求項8又は請求項9に記載の車両下部構造において、前記フロアパネル上において、前記一対のロッカ間に配置され、車両幅方向に沿って架け渡されたフロアクロスメンバと、前記ロッカの前記閉断面部内において前記アウタ部と前記インナ部の間に車両幅方向に架け渡され、車両側面視で前記フロアクロスメンバと重なる位置に配置された第5衝撃吸収部と、をさらに有している。
請求項10に記載の本発明に係る車両下部構造では、フロアパネル上において、一対のロッカ間にフロアクロスメンバが車両幅方向に沿って架け渡されている。そして、ロッカの閉断面部内において、アウタ部とインナ部の間には、車両側面視でフロアクロスメンバと重なる位置に第5衝撃吸収部が車両幅方向に架け渡されている。
このため、車両の側突時において、ロッカに入力された衝撃荷重の一部は、第5衝撃吸収部を介してフロアクロスメンバ側へ伝達されることとなる。そして、フロアクロスメンバに衝撃荷重が入力されると、当該ロッカは、フロアクロスメンバ(厳密にいうと、フロアクロスメンバを経て、衝撃荷重が入力されたロッカとは反対側のロッカ)からの反力を得る。これにより、第5衝撃吸収部が塑性変形し、衝撃エネルギが吸収される。すなわち、本発明では、第4衝撃吸収部及び第5衝撃吸収部の塑性変形により、衝撃エネルギをさらに吸収することができる。
そして、ここでは、車両の側突時において、ロッカの第4衝撃吸収部を介して電池パック側へ伝達される荷重伝達経路と、ロッカの第5衝撃吸収部を介してフロアクロスメンバ側へ伝達される荷重伝達経路と、を形成することができる。したがって、ロッカに入力された衝撃荷重において、荷重分散を図ることが可能となる。
つまり、本発明では、ロッカの閉断面部内に第4衝撃吸収部、第5衝撃吸収部を設けると共に、当該第4衝撃吸収部、第5衝撃吸収部を、車両側面視で燃料タンク、フロアクロスメンバとそれぞれ重なるように配置して、燃料タンク及びフロアクロスメンバからの反力を利用することで、ロッカの内折れを抑制する。
以上説明したように、請求項1に記載の本発明に係る車両下部構造は、コストの増加を抑えつつ、ロッカの内折れを抑制することができる、という優れた効果を有する。
請求項2に記載の本発明に係る車両下部構造は、ショートストロークであっても効果的に衝撃荷重を低減させることができる、という優れた効果を有する。
請求項3に記載の本発明に係る車両下部構造は、第1クロスメンバからの反力を利用してロッカの内折れを抑制することができる、という優れた効果を有する。
請求項4に記載の本発明に係る車両下部構造は、ショートストロークであっても効果的に衝撃荷重を低減させることができる、という優れた効果を有する。
請求項5に記載の本発明に係る車両下部構造は、コストの増加を抑えつつ、ロッカの内折れを抑制することができる、という優れた効果を有する。
請求項6に記載の本発明に係る車両下部構造は、燃料電池に衝撃荷重が伝達されないようにすることができる、という優れた効果を有する。
請求項7に記載の本発明に係る車両下部構造は、大容量の燃料電池を配設することができる、という優れた効果を有する。
請求項8に記載の本発明に係る車両下部構造は、第2クロスメンバからの反力を利用してロッカの内折れを抑制することができる、という優れた効果を有する。
請求項9に記載の本発明に係る車両下部構造は、ショートストロークであっても効果的に衝撃荷重を低減させることができる、という優れた効果を有する。
請求項10に記載の本発明に係る車両下部構造は、フロアクロスメンバからの反力をさらに利用することで、ショートストロークであっても効果的に衝撃荷重を低減させることができる、という優れた効果を有する。
本発明の実施形態に係る車両下部構造について図面に基づいて説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、及び矢印RHは、それぞれ本発明の一実施形態に係る車両床部構造が適用された車両の前方向、上方向、及び右方向を示している。以下、単に前後、上下、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、前方向を向いた場合の左右を示すものとする。
<第1実施形態>
(車両下部構造の構成)
まず、本実施の形態に係る車両下部構造の構成について説明する。図1には、本実施形態に係る車両下部構造が適用された車両下部10の平面図が示されており、図2には、図1において、2−2線に沿って切断したときの断面図が示されている。
図1に示されるように、車両下部10には、車両幅方向及び車両前後方向に沿ってフロアパネル12が延在されている。当該フロアパネル12には、車両前後方向に沿ってビード部12Aが断続的に突設されており、当該ビード部12Aは、車両幅方向に沿って複数配列されている。このビード部12Aが形成されることにより、フロアパネル12自体の剛性を向上させている。
また、フロアパネル12の車両幅方向の両端には、車両前後方向に沿ってロッカ14、16がそれぞれ延在されており、フロアパネル12の上には、ロッカ14とロッカ16の間に、車両幅方向に沿ってフロアクロスメンバ18が架け渡されている。なお、フロアクロスメンバ18は、車両前後方向に沿って配置されたビード部12Aとビード部12Aの間に配置されている。
そして、図2に示されるように、フロアパネル12の下方側には、モータ等のパワーユニットに電力を供給するための駆動力供給装置としてリチウムイオン電池、ニッケル水素電池等で構成された電池パック(蓄電池)20が配設されている。
前述のように、フロアパネル12の車両幅方向の両端には、車両前後方向に沿ってロッカ14、16がそれぞれ延在されている。このロッカ14、16についての説明を以下で行う。なお、ロッカ16は、ロッカ14と略同じ構成であるため、説明を割愛する。
図2に示されるように、本実施形態では、ロッカ14は、車両幅方向の外側に位置するアウタ部22と、車両幅方向の内側に位置するインナ部24と、を含んで構成されている。当該ロッカ14は、例えば、アルミニウム合金等の金属によって形成されており、押出し加工や引抜き加工などによってアウタ部22とインナ部24とが一体形成され、アウタ部22とインナ部24とで閉断面部26を形成している。
アウタ部22は、車両幅方向に沿って切断された断面形状において、上下方向に沿って形成された外壁部22Aと、当該外壁部22Aの上方側に設けられ車両幅方向の内側へ向かうにつれて上方側へ向かって傾斜する傾斜上壁部22Bと、当該外壁部22Aの下方側に設けられ車両幅方向の内側へ向かうにつれて下方側へ向かって傾斜する傾斜下壁部22Cと、を含んで構成されている。
一方、インナ部24は、車両幅方向に沿って切断された断面形状において、インナ部24の上部側で上下方向に沿って形成された上部内壁部24Aと、インナ部24の下部側で車両上下方向に沿って形成された下部内壁部24Bと、を含んで構成されている。この下部内壁部24Bは、上部内壁部24Aよりも車両幅方向の内側に位置しており、下部内壁部24Bと上部内壁部24Aとの間には、略水平方向に沿って形成された横壁部24Cが設けられている。このため、当該横壁部24Cは、上部内壁部24A及び下部内壁部24Bと繋がるように形成されている。
また、上部内壁部24Aの上方側には、車両幅方向の外側へ向かうにつれて上方側へ向かって傾斜する傾斜上壁部24Dが設けられており、当該傾斜上壁部24Dは、アウタ部22の傾斜上壁部22Bと繋がるように形成されている。そして、インナ部24の傾斜上壁部24Dとアウタ部22の傾斜上壁部22Bとが繋がる頂部27からは、上方側へ向かってフランジ部28が延出されている。なお、このフランジ部28には、図示しないピラーの下端部が結合されるようになっている。
また、下部内壁部24Bの下方側には、車両幅方向の外側へ向かって略水平方向に沿って形成された底壁部24Eが設けられており、当該底壁部24Eは、アウタ部22の傾斜下壁部22Cと繋がるように形成されている。なお、底壁部24Eには、締結具32が挿通可能とされており、当該締結具32を介して、電池パック20に設けられた固定片30がロッカ14に締結固定可能とされる。
前述のように、インナ部24の上部内壁部24Aは、下部内壁部24Bよりも車両幅方向の外側に位置している。これにより、ロッカ14の上部14Aと下部14Bとで閉断面部の面積が異なっている。つまり、ロッカ14の下部14B側に設けられた下部閉断面部34の面積の方が、ロッカ14の上部14A側に設けられた上部閉断面部36の面積よりも大きくなっており、ロッカ14の上部14A側よりもロッカ14の下部14B側の方の剛性が高くなるように設定されている。
そして、ロッカ14の上部閉断面部36内には、梯子状の衝撃吸収部(第2衝撃吸収部)38が設けられており、当該衝撃吸収部38は、車両側面視でフロアクロスメンバ18と重なるように配置されている。また、ロッカ14の下部閉断面部34内には、梯子状の衝撃吸収部(第1衝撃吸収部)40が形成されており、当該衝撃吸収部40は、車両側面視で電池パック20と重なるように配置されている。
ここで、衝撃吸収部38、40についてそれぞれ説明する。
衝撃吸収部38は、インナ部24の上部内壁部24Aとアウタ部22の外壁部22Aとの間を略水平方向(車両幅方向)に沿って架け渡された上壁38Aを備えている。この上壁38Aの下方側には、上壁38Aと対向して下壁38Bが形成されており、当該下壁38Bは、横壁部24Cと繋がり、ロッカ14の上部14Aと下部14Bとを区画している。このため、この下壁38Bは、「区画壁」ともいわれる。また、上壁38Aと下壁38Bの間は、複数(ここでは、2つ)の連結壁38Cが上下方向に架け渡されている。
一方、衝撃吸収部40は、インナ部24の下部内壁部24Bとアウタ部22の外壁部22Aとの間を略水平方向(車両幅方向)に沿って架け渡された上壁40Aを備えている。この上壁40Aの下方側には、上壁40Aと対向して下壁40Bが形成されており、上壁40Aと下壁40Bの間は、複数(ここでは、3つ)の連結壁40Cが上下方向に架け渡されている。
(車両下部構造の作用及び効果)
次に、本実施の形態に係る車両下部構造の作用及び効果について説明する。
図2に示されるように、本実施形態では、ロッカ14において、アウタ部22とインナ部24とが一体形成されており、アウタ部22とインナ部24とで、閉断面部26を形成している。
これにより、例えば、図示はしないが、ロッカが、アウタ部とインナ部の2枚のパネルを互いに結合させて形成された場合と比較して、ロッカ14自体の剛性を上げることができる。また、ロッカが、アウタ部、インナ部の2枚のパネルを結合させる際、溶接や締結等が必要となるが、本実施形態では、アウタ部22とインナ部24とが一体形成されるため、これらの加工が不要となり、その分のコストを削減することができる。
さらに、本実施形態では、ロッカ14の上部14A(上部閉断面部36内)では、アウタ部22とインナ部24の間に、車両側面視でフロアクロスメンバ18と重なる位置に衝撃吸収部38が車両幅方向に架け渡されている。また、ロッカ14の下部14B(下部閉断面部34内)では、アウタ部22とインナ部24の間に、車両側面視で電池パック20と重なる位置に衝撃吸収部40が車両幅方向に架け渡されている。
このため、車両の側突時において、衝撃荷重Fがロッカ14に入力されると、ロッカ14に入力された衝撃荷重Fの一部は、ロッカ14の上部14A側に設けられた衝撃吸収部38を介してフロアクロスメンバ18側へ伝達される(伝達荷重F1)と共に、ロッカ14の下部14B側に設けられた衝撃吸収部40を介して電池パック20側へ伝達される(伝達荷重F2)。
そして、衝撃吸収部38を介してフロアクロスメンバ18に伝達荷重F1が伝達されると、ロッカ14ではフロアクロスメンバ18(厳密にいうと、フロアクロスメンバ18を経て、衝撃荷重Fが入力されたロッカ14とは反対側のロッカ16(図1参照))から反力N1が得られる。また、衝撃吸収部40を介して電池パック20に伝達荷重F2が伝達されると、ロッカ14では電池パック20(厳密にいうと、電池パック20を経て、衝撃荷重Fが入力されたロッカ14とは反対側のロッカ16(図1参照))から反力N2が得られる。これにより、衝撃吸収部38、40がそれぞれ塑性変形し、衝撃エネルギが吸収される。
したがって、本実施形態では、ショートストロークであっても衝撃荷重Fを低減させることが可能となる。このため、例えば、図示はしないが、ポール側突のように、ロッカ14に対して局所的に大荷重が入力される場合であっても、ロッカ14の内折れを抑制することが可能となる。すなわち、本実施形態によれば、コストの増加を抑えつつ、ロッカ14の内折れを抑制することができる。
ところで、本実施形態では、前述のように、車両の側突時において、衝撃荷重Fがロッカ14に入力されると、当該衝撃荷重Fの一部は、ロッカ14の上部14A側に設けられた衝撃吸収部38を介してフロアクロスメンバ18側へ伝達される(伝達荷重F1)と共に、ロッカ14の下部14B側に設けられた衝撃吸収部40を介して電池パック20側へ伝達される(伝達荷重F2)。
つまり、ここでは、ロッカ14の衝撃吸収部38を介してフロアクロスメンバ18側へ伝達される荷重伝達経路Aと、ロッカ14の衝撃吸収部40を介して電池パック20側へ伝達される荷重伝達経路Bと、が形成される。これにより、ロッカ14に入力された衝撃荷重Fにおいて、荷重分散を図ることが可能となり、ロッカ14の上部14Aとロッカ14の下部14Bとで荷重負担の割合を変えることもできる。
このため、フロアパネル12の下方側に配設された電池パック20側へ伝達される伝達荷重F2を低減させることができる。これによると、例えば、電池パック20側へ伝達される伝達荷重F2が低減される分、電池パック20自体の剛性を低くすることができる。この場合、電池パック20の板厚を薄くして、電池パック20の軽量化を図ることができる。また、電池パック20の板厚が薄くなった分、電池パック20内に収容される電池モジュール20Aの搭載量を増やすことができる。
(本実施形態の補足事項)
なお、本実施形態では、衝撃吸収部38、40は、ロッカ14と一体形成されてもよいし、別体で形成されてもよい。衝撃吸収部38、40が、ロッカ14と別体に形成された場合、衝撃吸収部38、40をロッカ14とは異なる材質で形成することができるため、ロッカ14における機械的強度設計の自由度が向上する。
また、本実施形態では、衝撃吸収部38及び衝撃吸収部40は、それぞれ梯子状に形成されているが、衝撃吸収部38及び衝撃吸収部40の形状については、これに限るものではない。例えば、板厚を薄くしてハニカム状に形成するなど、板厚との関係で形状は適宜変更可能である。また、衝撃吸収部38と衝撃吸収部40とで板厚を変えてもよいし、衝撃吸収部38と衝撃吸収部40とは必ずしも同じような形状である必要はない。
ところで、以上のように、本実施形態では、ロッカ14において、車両側面視でフロアクロスメンバ18と重なる位置に衝撃吸収部38が設けられると共に、車両側面視で電池パック20と重なる位置に衝撃吸収部40が設けられているが、本発明において適用される実施形態はこれに限るものではない。
例えば、図3に示されるように、車両によっては、フロアパネル12の上にフロアクロスメンバ18(図2参照)が設けられていない車種もある。この場合、車両側面視でフロアクロスメンバ18(図2参照)と重なるロッカ42の上部42A側には衝撃吸収部38(図2参照)は設けられないが、ロッカ42の下部42B側に衝撃吸収部40が設けられる。このため、車両の側突時に、衝撃荷重Fがロッカ14に入力されると、当該衝撃荷重Fの一部は、衝撃吸収部40を介して電池パック20側へ伝達される(伝達荷重F3)。
そして、衝撃吸収部40を介して電池パック20に衝撃荷重(伝達荷重F3)が伝達されると、ロッカ14では電池パック20から反力N3が得られる。これにより、衝撃吸収部40は塑性変形するため、この場合であっても衝撃エネルギは吸収される。
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、パワーユニットに電力を供給するための駆動力供給装置として電池パック20(図2参照)が用いられた場合について説明したが、本実施形態では、図4に示されるように、駆動力供給装置として、水素タンク(燃料電池)44が用いられた場合について説明する。なお、第1実施形態と略同じ構成については説明を割愛する。
図4に示されるように、本実施形態では、ロッカ46において、車両側面視で水素タンク44と重ならない位置(ロッカ46の上部46A側)に衝撃吸収部38が設けられる。
この場合、車両の側突時において、衝撃荷重Fがロッカ46に入力されると、当該衝撃荷重Fの一部は、ロッカ46の上部46A側に設けられた衝撃吸収部38を介してフロアクロスメンバ18側へ伝達される(伝達荷重F4)。そして、衝撃吸収部38を介してフロアクロスメンバ18に伝達荷重F4が伝達されると、ロッカ46ではフロアクロスメンバ18から反力N4が得られる。これにより、衝撃吸収部38は塑性変形し、衝撃エネルギは吸収される。
したがって、本実施形態によれば、ショートストロークであっても衝撃荷重Fを低減させることが可能となり、ロッカ46の車両幅方向の内側への侵入を抑制することができる。そして、本実施形態では、フロアパネル12の下方側に配設された水素タンク44側へ衝撃荷重Fが入力されないようにすることが可能となる。
(本実施形態の補足事項)
ところで、以上の実施形態では、図1に示されるように、フロアクロスメンバ18は、ロッカ14、16間に架け渡されているが、例えば、図5に示されるように、水素タンク47が大径の場合、フロアパネル48の車両幅方向の中央部に車両前後方向に沿って突設されたトンネル部50の下方側に、水素タンク47が車両前後方向に沿って配設される場合がある。
この場合、フロアクロスメンバ52は、トンネル部50を間に置いてフロアパネル48の車両幅方向の両端に配設された一対のロッカ54間に架け渡されることとなる。そして、ここでは、フロアクロスメンバ52が、トンネル部50の形状に沿って形成されているが、これに限るものではない。
例えば、図示はしないが、フロアクロスメンバが、トンネル部により分断され、車両幅方向に沿って2本設けられてもよい。但し、この場合、フロアクロスメンバの長手方向の一端がロッカに結合され、フロアクロスメンバの長手方向の他端はトンネル部に結合されることとなる。このため、ロッカは、当該ロッカからフロアクロスメンバに伝達された伝達荷重により、トンネル部からの反力が得られるようにする。したがって、この場合、例えば、トンネル部内において補強部材を配設する等してトンネル部自体の剛性を高めておくことが望ましい。
また、以上の実施形態では、駆動力供給装置として電池パック20(図2参照)や水素タンク44(図4参照)が用いられた車両について説明したが、本実施形態は、ガソリン車に対しても適用可能である。
なお、ガソリン車の場合、例えば、図6に示されるように、フロアパネル56の下方側に、駆動力供給装置を配設する必要がないため、上下方向におけるフロアパネル56の位置を低く設定することができる。このため、フロアパネル56の上に配設されたフロアクロスメンバ58と車両側面視で重なるように設けられた衝撃吸収部(第3衝撃吸収部)60はロッカ62の下部62A側に設けられることとなる。
<第3実施形態>
(本実施形態における構成)
まず、本実施の形態に係る車両下部構造の構成について説明する。前述の第1実施形態では、図2に示されるように、ロッカ14の上部閉断面部36内には、車両側面視でフロアクロスメンバ18と重なる梯子状の衝撃吸収部38が設けられている。一方、フロアパネル12の下方側には電池パック20が配設されており、ロッカ14の下部閉断面部34内には、車両側面視で当該電池パック20と重なる梯子状の衝撃吸収部40が設けられている。
これに対して、本実施形態では、図8に示されるように、ロッカ63の下部閉断面部34内には、梯子状の衝撃吸収部(第1衝撃吸収部)40が設けられているが、ロッカ63の上部閉断面部36内には、梯子状の衝撃吸収部38(図2参照)は設けられていない。なお、以下の説明において、第1実施形態と略同じ構成については説明を割愛する。また、図7で示すロッカ65は、ロッカ63と略同様な構成であるため、第1実施形態と同様に説明を割愛する。
本実施形態について具体的に説明すると、ロッカ63のインナ部24の一部を構成し車両上下方向に沿って形成された上部内壁部24Aと下部内壁部24Bとを略水平方向に沿って繋ぐ横壁部24Cが、ロッカ63のアウタ部22側に延出してインナ部24とアウタ部22を繋いでいる。つまり、ロッカ14の上部14Aと下部14Bとを区画する区画壁(第5衝撃吸収部)25が略水平方向に沿って設けられている。この区画壁25と横壁部24Cとは一体に形成されたものであるが、混同を避ける目的で異なる名称にしている。
なお、ここでの横壁部24Cは、車両幅方向の内側へ向かうにつれて下方側へ向かって若干傾斜しているが、先端部では略水平方向に沿って形成されている。また、衝撃吸収部40における連結壁40Cは3つ設けられているが、これに限るものではなく、4つ以上設けられてもよい。連結壁40Cの数を増やすと、同じ板厚で形成された場合、衝撃吸収部40自体の剛性が向上すると共に、衝撃荷重が入力された際に吸収されるエネルギ量を増大させることができる。
ところで、図7に示されるように、フロアクロスメンバ18は、車両前後方向の前部に配置された前壁部18Aと、車両前後方向の後部に配置された後壁部18Bと、前壁部18Aの上端と後壁部18Bの上端を車両水平方向に繋いだ上壁部18Cと、を含んで構成されている。なお、図7で示す複数のフロアクロスメンバ18のうち、車両前後方向の中央部のフロアクロスメンバ18は、乗員が着座するためのシート用のブラケット21が上壁部18Cに取付けられているため、他のフロアクロスメンバ18の上壁部18Cよりも高さ方向の位置が低くなっている。
また、当該フロアクロスメンバ18の前壁部18Aの下端からは、前方側へ向かってフランジ部18Dが延出されており、後壁部18Bの下端からは、後方側へ向かってフランジ部18E(図8参照)が延出されている。そして、当該フランジ部18D、18Eは、それぞれフロアパネル12に接合されており、これにより、フロアクロスメンバ18とフロアパネル12との間で閉断面部19(図8参照)が形成されている。
また、図8に示されるように、フロアクロスメンバ18の上壁部18Cの車両幅方向の両端からは、車両幅方向の外側へ向かって上フランジ部18Fがそれぞれ延出されている。そして、この上フランジ部18Fは、ロッカ63の上部閉断面部36の一部を構成するインナ部24の傾斜上壁部24Dの上面に接合されている。また、図示はしないが、フロアクロスメンバ18の前壁部18A(図7参照)及び後壁部18Bの車両幅方向の両端からは、それぞれ前方側、後方側へ向かってフランジ部が延出され、インナ部24の上部内壁部24Aにそれぞれ接合されている。
ここで、本実施形態では、図7に示されるように、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等で構成された電池パック(蓄電池)20は、車両前後方向を長手とし且つ車両上下方向に扁平な箱状に形成された電池ケース64と、電池ケース64の内部に収容された複数の電池モジュール20Aと、を備えており、当該電池モジュール20Aは、複数の角型の蓄電池によって構成されている。
図7、図8に示されるように、電池ケース64は、電池ケース64の外形を構成する周壁66と、電池ケース64の蓋部を構成する天板68(図7では図示を省略している)と、電池ケース64の底部を構成する底板70と、を有している。
周壁66は、例えばアルミニウム合金等の軽金属の押出成形によって形成された長尺な押出成形品が矩形枠状に曲げられると共に、当該押出成形品の長手方向両端部が互いに接合されて形成されたものであり、平面視で略矩形枠状をなしている。また、天板68は、例えばアルミニウム合金等の軽金属からなる板材がプレス成形されて形成されたものであり、複数のボルト69を介して、周壁66の上壁部66Cの上面に固定されている。
さらに、底板70は、例えばアルミニウム合金等の軽金属からなる板材がプレス成形されて形成されたものであり、周壁66の下壁部66Dの下面に溶接、リベット止め等の手段によって固定されている。また、底板70の外縁部は固定片30とされ、図7に示されるように、周壁66よりも車両水平方向の車外側へ張り出している。そして、この固定片30が、左右のロッカ63に共締め(結合)され、電池ケース64、すなわち電池パック20が底板70によって下方側から支持された状態で当該ロッカ63に固定されている。
ここで、周壁66の構成について説明する。
図7、図8に示されるように、周壁66は、車両幅方向に対向する左右一対の側壁部66Sと、車両前後方向に対向し一対の側壁部66Sの前端同士を繋ぐ前壁部66Frと、一対の側壁部66Sの後端同士を繋ぐ後壁部66Rrと、を含んで構成されている。そして、当該周壁66は、図8に示されるように、周方向(上記押出成形品の長手方向)から見た断面形状が略B字状(略日字状)に形成されている。
当該周壁66の断面形状について具体的に説明すると、周壁66は、当該周壁66の外周面を形成する外周壁部66Aと、当該外周壁部66Aと対向し周壁66の内周面を形成する内周壁部66Bと、外周壁部66Aの上端と内周壁部66Bの上端を車両水平方向に繋ぐ上壁部66Cと、外周壁部66Aの下端と内周壁部66Bの下端を車両水平方向に繋ぐ下壁部66Dと、外周壁部66A及び内周壁部66Bの上下方向中間部を車両水平方向に繋ぐ仕切壁部66Eと、を備えている。この仕切壁部66Eによって、周壁66が上部72と下部74に分けられ、上空間72Aと下空間74Aとに仕切られている(区画されている)。
一方、周壁66の車両幅方向に対向する一対の側壁部66Sと側壁部66Sの間には、底板70の上に電池用クロスメンバ(第1クロスメンバ)76が車両幅方向に沿って架け渡されている。そして、当該電池用クロスメンバ76は、前壁部66Frと後壁部66Rrの間において、車両前後方向に沿って等間隔に複数配列(ここでは3本)されている。
なお、電池用クロスメンバ76は、例えばアルミニウム合金等の軽金属の押出成形によって形成された長尺な押出成形品で形成されており、長手方向(車両幅方向)に対して略直交する幅方向に沿って切断したときの断面形状において、図示はしないが、略B字状(略日字状)に形成されている。
当該電池用クロスメンバ76の断面形状について具体的に説明すると、図8に示されるように、電池用クロスメンバ76は、車両前後方向の前部に配置された前壁部(図示省略)と、車両前後方向の後部に配置された後壁部76Aと、前壁部の上端と後壁部76Aの上端を車両水平方向に繋いだ上壁部76Bと、前壁部の下端と後壁部76Aの下端を車両水平方向に繋いだ下壁部76Cと、上壁部76B及び下壁部76Cの上下方向中間部を車両水平方向に繋いだ仕切壁部76Dと、を備えている。この仕切壁部76Dによって、電池用クロスメンバ76が上部78と下部80に分けられ、上空間78Aと下空間80Aとに仕切られている。
ここで、本実施形態では、ロッカ63の上部63A側において、アウタ部22の傾斜上壁部22Bと、インナ部24の傾斜上壁部24Dと、フロアクロスメンバ18の上壁部18Cとが、車両幅方向に連続して配置されると共に車両側面視で重なるように設定されている。
なお、ここでの「車両幅方向に連続して配置」は、車両幅方向に沿って衝撃荷重Fが伝達可能となっていることを示しており、車両幅方向に隣り合う部材同士は、必ずしも隣接している必要はなく、多少隙間が設けられていてもよい。さらに、車両幅方向に隣り合う部材同士の少なくとも一部が車両上下に重なっていてもよい。
また、ここでの「車両側面視で重なる」は、車両幅方向に沿って衝撃荷重Fが伝達可能な状態となっていることを示しており、車両幅方向に隣接して配置された部材同士で車両上下方向の少なくとも一部が車両側面視で重なっていればよい。但し、複数の部材が車両上下に重なった状態で接合され一体化された部材(一体化部材)においては、この一体化部材全体で当該衝撃荷重Fが伝達されるため、車両幅方向に隣接して配置された部材に対して、一体化部材の一部が車両側面視で重なっていればよい。
具体的な例を挙げると、ロッカ63の上部63A側では、ロッカ63の区画壁25及び横壁部24Cと、フロアパネル12と、フロアクロスメンバ18のフランジ部18D(図7参照)、フランジ部18Eとが、車両幅方向に連続して配置されると共に車両側面視で重なるように設定されている。
ここでは、ロッカ63の横壁部24Cの上にフロアパネル12が接合され、当該フロアパネル12の上にフロアクロスメンバ18のフランジ部18D、フランジ部18Eが接合されている。つまり、ロッカ63の横壁部24Cと、フロアパネル12及びフロアクロスメンバ18のフランジ部18D、フランジ部18Eの一部が車両上下に重なっている。
そして、ロッカ63の横壁部24Cと、フロアパネル12と、フロアクロスメンバ18のフランジ部18D、フランジ部18Eとは一体化された状態で接合され、これらの一部が車両側面視でロッカ63の区画壁25と重なっている。
ロッカ63の上部63A側に対して、ロッカ63の下部63B側では、衝撃吸収部40の上壁(第1横壁)40Aと、電池ケース64の周壁66の上壁部66Cと、電池用クロスメンバ76の上壁部(第2横壁)76Bとが、車両幅方向に連続して配置されると共に車両側面視で重なるように設定されている。
また、ロッカ63の衝撃吸収部40の下壁(第1横壁)40Bと、電池ケース64の周壁66の仕切壁部66Eと、電池用クロスメンバ76の仕切壁部(第2横壁)76Dとが、車両幅方向に連続して配置されると共に車両側面視で重なるように設定されている。
さらにまた、ロッカ63の底壁部24Eと、電池ケース64の周壁66の下壁部66Dと、電池用クロスメンバ76の下壁部76Cとが、車両幅方向に連続して配置されると共に車両側面視で重なるように設定されている。
(本実施形態における作用及び効果)
次に、本実施の形態に係る車両下部構造の作用及び効果について説明する。
図8に示されるように、本実施形態におけるロッカ63は、車両幅方向の外側に位置するアウタ部22と、車両幅方向の内側に位置するインナ部24と、が一体形成されており、アウタ部22とインナ部24とで、閉断面部26を形成している。これにより、当該ロッカ63は、アウタ部22、インナ部24の2枚のパネルを結合させて形成された場合と比較してロッカ63自体の剛性を上げることができる。
そして、このロッカ63の閉断面部26内において、車両側面視で電池パック20と重なる位置に衝撃吸収部40がアウタ部22とインナ部24の間で車両幅方向に架け渡されている。一方、本実施形態では、図7に示されるように、当該電池パック20は、電池ケース64を備えており、電池ケース64内には、車両幅方向に沿って電池用クロスメンバ76が複数架け渡されている。これにより、電池ケース64自体の剛性が向上している。
ここで、本実施形態では、この電池用クロスメンバ76がロッカ63の下部閉断面部34と車両側面視で重なる位置となるように設定されている。このため、例えば、車両の側突時において、ロッカ63に衝撃荷重Fが入力されると、当該衝撃荷重Fの一部は、衝撃吸収部40を介して電池ケース64の電池用クロスメンバ76側へ伝達される(伝達荷重F5)。
そして、電池ケース64の電池用クロスメンバ76側へ伝達荷重F5が伝達されると、当該電池用クロスメンバ76(厳密にいうと、電池用クロスメンバ76及び電池ケース64を経て、当該ロッカ63は、衝撃荷重Fが入力されたロッカ63とは反対側のロッカ65(図7参照))からの反力N5を得て、衝撃吸収部40は塑性変形する。この衝撃吸収部40の塑性変形により、衝撃エネルギが吸収される。これにより、ショートストロークであっても衝撃荷重Fを低減させることが可能となる。
以上のように、本実施形態では、ロッカ63の閉断面部26内においてフロアパネル12の下方側に設けられた電池パック20と車両側面視で重なるように衝撃吸収部40が設けられると共に、当該電池ケース64の電池用クロスメンバ76を衝撃吸収部40と車両側面視で重なるように設定している。
これにより、車両の側突時において、当該電池用クロスメンバ76からの反力N5を利用して、衝撃吸収部40を塑性変形させ、ショートストロークであっても衝撃荷重Fの低減を可能とし、ロッカ63の内折れを抑制することができる。
上記についてさらに具体的に説明すると、本実施形態では、電池ケース64内に架け渡された電池用クロスメンバ76と、電池ケース64の周壁66と、ロッカ63の衝撃吸収部40とは、車両幅方向に連続して配置されている。
当該電池用クロスメンバ76は、それぞれ車両幅方向に架け渡された上壁部76Bと、仕切壁部76Dと、下壁部76Cと、を含んで構成されている。また、電池ケース64の外壁を構成する周壁66は、それぞれ車両幅方向に架け渡された上壁部66Cと、仕切壁部66Eと、下壁部66Dと、を含んで構成されている。さらに、ロッカ63内に架け渡された衝撃吸収部40は、それぞれ車両幅方向に架け渡された上壁40Aと、下壁40Bと、を含んで構成されている。
そして、本実施形態では、電池ケース64内の電池用クロスメンバ76の上壁部76Bは、電池ケース64の周壁66の上壁部66C及びロッカ63の衝撃吸収部40の上壁40Aと、車両側面視で重なるように設定されている。
このため、車両の側突時において、ロッカ63に衝撃荷重Fが入力されると、当該衝撃荷重Fの一部は、ロッカ63の衝撃吸収部40の上壁40Aを介して、電池ケース64の周壁66の上壁部66C及び電池用クロスメンバ76の上壁部76B側へ伝達される(伝達荷重F51)。そして、当該電池用クロスメンバ76の上壁部76B側へ伝達荷重F51が伝達されると、ロッカ63の衝撃吸収部40の上壁40Aは、電池用クロスメンバ76の上壁部76Bからの反力N51を得る。
また、電池用クロスメンバ76の仕切壁部76Dは、電池ケース64の周壁66の仕切壁部66E及びロッカ63の衝撃吸収部40の下壁40Bと、車両側面視で重なるように設定されている。
このため、車両の側突時において、ロッカ63に衝撃荷重Fが入力されると、当該衝撃荷重Fの他の一部は、衝撃吸収部40の下壁40Bを介して、電池ケース64の周壁66の仕切壁部66E及び電池用クロスメンバ76の仕切壁部76D側へ伝達される(伝達荷重F52)。そして、当該電池用クロスメンバ76の仕切壁部76D側へ伝達荷重F52が伝達されると、ロッカ63の衝撃吸収部40の下壁40Bは、当該電池用クロスメンバ76の仕切壁部76Dからの反力N52を得る。
さらに、電池ケース64の電池用クロスメンバ76の下壁部76Cは、電池ケース64の周壁66の下壁部66D及びロッカ63の底壁部24Eと、車両側面視で重なるように設定されている。
このため、車両の側突時において、ロッカ63に衝撃荷重Fが入力されると、当該衝撃荷重Fのその他の一部は、ロッカ63の底壁部24Eを介して、電池ケース64の周壁66の下壁部66D及び電池用クロスメンバ76の下壁部76C側へ伝達される(伝達荷重F53)。そして、当該電池用クロスメンバ76の下壁部76C側へ伝達荷重F53が伝達されると、ロッカ63の底壁部24Eは、電池用クロスメンバ76の下壁部76C側からの反力N53を得る。
以上のように、本実施形態では、電池ケース64の電池用クロスメンバ76の上壁部76B、周壁66の上壁部66C、ロッカ63の衝撃吸収部40の上壁40Aは、車両幅方向に連続して配置されると共に車両側面視で重なるように設定されている。また、電池ケース64の電池用クロスメンバ76の仕切壁部76D、周壁66の仕切壁部66E、ロッカ63の衝撃吸収部40の下壁40Bは、車両幅方向に連続して配置されると共に車両側面視で重なるように設定されている。さらに、電池ケース64の電池用クロスメンバ76の下壁部76C、周壁66の下壁部66D、ロッカ63の底壁部24Eは、車両幅方向に連続して配置されると共に車両側面視で重なるように設定されている。
これにより、車両の側突時において、ロッカ63に衝撃荷重Fが入力されると、電池パック20側へ当該衝撃荷重Fを効果的に伝達(伝達荷重F5)させることができると共に、当該電池パック20からの反力N5を確実に得て、ロッカ63の衝撃吸収部40をより効果的に塑性変形させることができる。そして、この衝撃吸収部40の塑性変形により、衝撃エネルギが吸収される。
このように、本実施形態では、ロッカ63の閉断面部26内に衝撃吸収部40を設けると共に、電池ケース64の電池用クロスメンバ76の少なくとも一部を構成する上壁部76Bを当該衝撃吸収部40の少なくとも一部を構成する衝撃吸収部40の上壁40Aと車両側面視で重なるように設定することで、ロッカ63側では電池用クロスメンバ76からの反力N51を効果的に得ることができる。
また、電池用クロスメンバ76の上壁部76Bと同様に、電池用クロスメンバ76の仕切壁部76Dを当該衝撃吸収部40の下壁40Bと車両側面視で重なるように設定することで、ロッカ63側では電池用クロスメンバ76からの反力N52を効果的に得ることができる。さらに、電池用クロスメンバ76の下壁部76Cをロッカ63の底壁部24Eと車両側面視で重なるように設定することで、ロッカ63側では電池用クロスメンバ76からの反力N53を効果的に得ることができる。つまり、上記構成により、電池用クロスメンバ76が高荷重の発生に寄与するため、衝撃エネルギの吸収量を増大させ、ショートストロークであっても衝撃荷重Fを低減させることが可能となる。
ところで、本実施形態では、さらに、ロッカ63の上部63A側において、アウタ部22の傾斜上壁部22Bと、ロッカ63のインナ部24の傾斜上壁部24Dと、フロアクロスメンバ18の上壁部18Cとは、車両幅方向に連続して配置されると共に車両側面視で重なるように設定されている。また、ロッカ63の区画壁25及び横壁部24Cと、フロアパネル12及びフロアクロスメンバ18のフランジ部18D(図7参照)と、フランジ部18Eとは、車両幅方向に連続して配置されると共に車両側面視で重なるように設定されている。
この場合においても、ロッカ63の下部63B側と同様に、車両の側突時において、ロッカ63に衝撃荷重Fが入力されると、フロアクロスメンバ18側へ当該衝撃荷重Fを効果的に伝達(伝達荷重F6)させることができると共に、ロッカ63は、当該フロアクロスメンバ18からの反力N6を得て、塑性変形する。これにより、衝撃エネルギがさらに吸収されることとなる。
上記について具体的に説明すると、本実施形態では、ロッカ63の上部63A側において、アウタ部22の傾斜上壁部22Bと、インナ部24の傾斜上壁部24Dと、フロアクロスメンバ18の上壁部18Cとが、車両幅方向に連続して配置されると共に車両側面視で重なるように設定されている。
このため、車両の側突時において、ロッカ63に衝撃荷重Fが入力されると、当該衝撃荷重Fの一部は、ロッカ63のアウタ部22の傾斜上壁部22Bを介して、インナ部24の傾斜上壁部24D及びフロアクロスメンバ18の上壁部18Cへ伝達される(伝達荷重F61)。
そして、当該フロアクロスメンバ18の上壁部18C側へ伝達荷重F61が伝達されると、ロッカ63の傾斜上壁部22Bは、フロアクロスメンバ18の上壁部18C(厳密にいうと、フロアクロスメンバ18を経て、伝達荷重F61が伝達されたロッカ63とは反対側に位置するロッカ65(図7参照))からの反力N61を得る。
また、本実施形態では、ロッカ63の区画壁25及び横壁部24Cと、フロアパネル12と、フロアクロスメンバ18のフランジ部18D(図7参照)、フランジ部18Eとが、車両幅方向に連続して配置されると共に車両側面視で重なるように設定されている。
このため、車両の側突時において、ロッカ63に衝撃荷重Fが入力されると、当該衝撃荷重Fの一部は、ロッカ63の区画壁25を介して、横壁部24C、フロアパネル12及びフロアクロスメンバ18のフランジ部18D、18Eへ伝達される(伝達荷重F62)。
そして、当該横壁部24C、フロアパネル12及びフロアクロスメンバ18のフランジ部18D、18E側へ伝達荷重F62が伝達されると、ロッカ63の区画壁25は、フロアパネル12及びフロアクロスメンバ18のフランジ部18D、18E(厳密にいうと、フロアパネル12及びフロアクロスメンバ18のフランジ部18D、18Eを経て、伝達荷重F62が伝達されたロッカ63とは反対側に位置するロッカ65(図7参照))からの反力N62を得る。
すなわち、以上の構成では、車両の側突時において、ロッカ63に入力された衝撃荷重Fの一部が、ロッカ63の区画壁25を含むロッカ63の上部63A側を介してフロアクロスメンバ18側へ伝達(伝達荷重F6)されることとなる。そして、フロアクロスメンバ18に伝達荷重F6が伝達されると、当該ロッカ63は、フロアクロスメンバ18からの反力N6を得る。これにより、ロッカ63の上部63A側が塑性変形し、衝撃エネルギが吸収される。
したがって、本実施形態では、ロッカ63の下部63B側に設けられた衝撃吸収部40及びロッカ63の区画壁25を含むロッカ63の上部63A側の塑性変形により、衝撃エネルギをさらに吸収することができる。
そして、本実施形態では、車両の側突時において、ロッカ63の衝撃吸収部40を介して電池パック20側へ伝達される荷重伝達経路Cと、ロッカ63の区画壁25を含むロッカ63の上部63A側を介してフロアクロスメンバ18側へ伝達される荷重伝達経路Dと、を形成することができる。したがって、ロッカ63に入力された衝撃荷重Fにおいて、荷重分散を図ることが可能となる。
つまり、本実施形態では、ロッカ63の閉断面部26内に衝撃吸収部40、区画壁25を設けると共に、当該衝撃吸収部40、区画壁25を、車両側面視で電池パック20、フロアクロスメンバ18とそれぞれ重なるように配置して、電池パック20からの反力N5及びフロアクロスメンバ18からの反力N6を利用することで、ロッカ63の内折れを抑制することができる。
(本実施形態の補足事項)
本実施形態では、図8に示されるように、ロッカ63の上部63A側において、アウタ部22の傾斜上壁部22Bと、インナ部24の傾斜上壁部24Dと、フロアクロスメンバ18の上壁部18Cとは、車両幅方向に連続して配置されると共に車両側面視で重なるように設定されている。しかし、このフロアクロスメンバ18の上壁部18Cとインナ部24の傾斜上壁部24Dとは、必ずしも車両側面視で重なる必要はなく、また、当該フロアクロスメンバ18は必ずしも必要ではない。
また、本実施形態では、衝撃吸収部38(図2参照)に代えて、ロッカ63の上部63A側に区画壁25のみが設けられているが、衝撃吸収部38が設けられてもよいのは勿論のことである。すなわち、衝撃吸収部の形状を変えることによって、車両の側突時において、ロッカ63の上部63A側と下部63B側とで衝撃エネルギの吸収率を調整することができる。
<第4実施形態>
前述の第3実施形態では、図7に示されるように、パワーユニットに電力を供給するための駆動力供給装置として電池パック20が用いられているが、本実施形態では、駆動力供給装置として、図9に示す燃料電池82が用いられた場合について説明する。なお、以下の説明において、第3実施形態と略同じ構成については説明を割愛する。
図9に示されるように、燃料電池82は、第3実施形態で説明した電池パック20(図7参照)と同様に、車両前後方向を長手とし且つ車両上下方向に扁平な箱状に形成されたタンクケース84を備えており、タンクケース84の内部には、例えば水素が充填された複数の水素タンク86が収容されている。
当該タンクケース84は、電池ケース64(図7参照)と同様に、周壁66と、天板68と、底板70と、を有しており、これらの部材の構成については、当該電池ケース64と同じであるため、説明を割愛する。
ところで、タンクケース84内に収容された水素タンク86は、タンクケース84内において、車両幅方向に沿って配置されると共に車両前後方向に沿って複数配列(ここでは13本)されている。このため、本実施形態では、周壁66の車両幅方向に対向する一対の側壁部66Sと側壁部66Sの間には、底板70の上にタンク用クロスメンバ(第2クロスメンバ)88が車両幅方向に沿って複数(ここでは12本)架け渡されている。このように、タンクケース84内に、車両幅方向に沿ってタンク用クロスメンバ88が複数架け渡されることにより、タンクケース84自体の剛性が向上している。
そして、当該タンク用クロスメンバ88によって、車両前後方向に隣り合って配置された水素タンク86間が区画されている。なお、図10に示されるように、タンク本体86Aの長手方向(ここでは車両幅方向)の両端部は、周壁66の内周壁部66Bとは直接接触しないように設定されている。
ここで、本実施形態では、ロッカ63の閉断面部26内において、車両側面視で燃料電池82と重なる位置に衝撃吸収部40がアウタ部22とインナ部24の間で車両幅方向に架け渡されている。一方、燃料電池82は、図9に示されるように、タンクケース84内において、車両幅方向に沿ってタンク用クロスメンバ88が架け渡されている。
本実施形態では、このタンク用クロスメンバ88が、車両側面視でロッカ63の下部閉断面部34内に設けられた梯子状の衝撃吸収部(第4衝撃吸収部)40と重なる位置となるように設定されている。なお、タンク用クロスメンバ88の構成及びタンク用クロスメンバ88と衝撃吸収部40の関係については、図8に示す電池用クロスメンバ76と略同一であるため、電池用クロスメンバ76の後壁部76A、上壁部76B、下壁部76C、仕切壁部76Dに代えて、図10に示すタンク用クロスメンバ88では、それぞれ後壁部88A、上壁部88B、下壁部88C、仕切壁部88Dの符号を付して説明を割愛する。
ところで、前述の第2実施形態では、図4に示されるように、ロッカ46において、車両側面視で水素タンク44と重ならない位置(ロッカ46の上部46A側)に衝撃吸収部38が設けられており、水素タンク44側へは衝撃荷重Fが入力されないようにしている。
これに対して、本実施形態では、図10に示されるように、水素タンク86側へ衝撃荷重Fの一部が入力されるようになっている。この理由として、本実施形態では、図9に示されるように、燃料電池82において、複数の水素タンク86を収容するタンクケース84を設け、当該タンクケース84の外形を構成する周壁66内に車両幅方向に沿ってタンク用クロスメンバ88を複数架け渡すことで、タンクケース84自体の剛性を向上させている。さらに、図10に示されるように、タンク本体86Aの長手方向の両端部は、周壁66の内周壁部66Bとは直接接触しないように設定されている。以上により、車両の側突時において、衝撃荷重Fがロッカ63に入力され当該衝撃荷重Fの一部が燃料電池82側に伝達(伝達荷重F7)されたとしても、当該伝達荷重F7は水素タンク86には直接入力されないようにしている。
そして、本実施形態では、タンクケース84のタンク用クロスメンバ88側へ伝達荷重F7が伝達されると、当該ロッカ63は、当該タンク用クロスメンバ88(厳密にいうと、タンク用クロスメンバ88を経て、伝達荷重F7が伝達されたロッカ63とは反対側のロッカ65(図7参照)からの反力N7を得る。これにより、ロッカ63の衝撃吸収部40は塑性変形し、衝撃エネルギが吸収される。つまり、本実施形態によれば、ショートストロークであっても衝撃荷重を低減させることができるため、当該衝撃荷重Fの一部を燃料電池82側に伝達することが可能となる。
以上のように、本実施形態では、ロッカ63の閉断面部26内に衝撃吸収部40を設けると共に、当該衝撃吸収部40と車両側面視で重なるようにタンクケース84のタンク用クロスメンバ88の位置を設定することで、タンク用クロスメンバ88からの反力N7を利用することができ、ロッカ63の内折れを抑制することが可能となる。
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明の実施形態は、上記に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。