JP2018181546A - 非水電解質二次電池用セパレータ - Google Patents
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Abstract
Description
ポリオレフィン微多孔膜は、電子絶縁体であるが、多孔構造によりイオン透過性を示すことから、非水電解質二次電池用のセパレータとして広く利用されている。ポリオレフィン微多孔膜は、非水電解質二次電池が異常発熱を起こした際に、熱溶融により多孔を閉塞させて、電解液中のイオン伝導を遮断し、電気化学反応の進行を停止させるシャットダウン機能も有する。
これに対して、特許文献1には、架橋処理が施されたポリエチレン微多孔膜に加熱処理を施すことにより、機械強度と透過性を低下させることなく経時的な強度劣化を無くすことが可能となることが開示されており、高強度かつ耐熱性に優れたポリエチレン微多孔膜として、架橋構造を有し、気孔率が20〜80%、平均孔径が0.001〜0.2μm、溶融突き刺し強度が0.01N以上、溶融突き刺し強度保持率が40%以上であることが記載されている。
特許文献2には、信頼性および高温下での安全性に優れたセパレータの製造方法について開示されており、具体的には、エネルギー線、特に紫外線の照射により重合可能なセパレータ形成用組成物をPET不織布からなる基材に塗布する工程と、前記基材に塗布した前記セパレータ形成用組成物の塗膜にエネルギー線を照射して、架橋構造を有する樹脂を形成する工程について記載されている。架橋構造を持つ塗膜及び耐熱層とにより、セパレータの収縮、溶融変形が抑えられ、そして電池短絡抑制や、高温下での安全性が確保できるとある。
さらに、特許文献4には、イオン透過性及び耐熱性に優れる、合成樹脂微多孔フィルムと被覆無機層とを有する非水電解液二次電池用セパレータについて開示されており、そこには、微小孔部を有するポリプロピレンからなる微多孔フィルムの表面にラジカル重合性化合物を塗布してから活性エネルギー線を照射することにより重合体被膜層を有するセパレータが得られ、そして該セパレータの高硬度、適度な弾性及び伸度さらには突刺強度等の機械的強度の低下抑制、耐熱性が向上することが記載されている。
しかしながら、上記の文献1〜4では、安全性を確保するために、機能層も含め膜厚を厚くして対処しているが、厚くなると一定体積に詰められる電極が少なくなり、また電池容量を上げられないという問題があった。また、特許文献4では、好適な基材としてポリプロピレンを用いているがゆえに、活性エネルギー線との併用によりセパレータの機械強度や耐熱性の経時劣化が抑制できないという問題があった。
これに対して、特許文献1〜4に記載のセパレータは所望されるような薄膜という観点からは、耐熱性や経時劣化になお改善の余地を残すものであった。
[1]微多孔膜基材に耐熱層が積層されたセパレータであって、前記微多孔膜基材の架橋度が40%以上であり、かつ先端の曲率半径0.5mmの針を用いて、突刺速度2mm/秒で、160℃の雰囲気下において行われる、160℃突き刺し試験における160℃突き刺し強度が20g以上であることを特徴とする非水電解質二次電池用セパレータ。
[2]前記160℃突き刺し強度を測定した前記微多孔膜基材を耐圧オートクレーブ内に入れ、圧縮空気で9.8MPaに加圧し、25℃で10日間保管した前後に測定される、前記微多孔膜基材の溶融突き刺し強度保持率が50%以上である、[1]に記載の非水電解質二次電池用セパレータ。
[3]前記微多孔膜基材が架橋構造を有する、[1]または[2]に記載の非水電解質二次電池用セパレータ。
[4]前記微多孔膜基材の厚さが12μm以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の非水電解質二次電池用セパレータ。
[5]前記耐熱層の厚さが3μm以下である、[1]〜[4]のいずれかに記載の非水電解質二次電池用セパレータ。
[6]前記微多孔膜基材がポリエチレンからなる、[1]〜[5]のいずれかに記載の非水電解質二次電池用セパレータ。
[7]前記耐熱層が無機粒子を含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の非水電解質二次電池用セパレータ。
[8]前記[1]〜[7]のいずれかに記載の非水電解質二次電池用セパレータを含む二次電池。
[9]非水電解質二次電池用セパレータに電子線照射する工程を含む、[1]〜[8]のいずれかに記載の非水電解質二次電池用セパレータの製造方法。
本発明の非水電解質二次電池セパレータ(以下、単に「セパレータ」ともいう)は、多孔性基材、及び多孔性基材の少なくとも片面に配置された耐熱層を含む。このセパレータは、多孔性基材及び耐熱層のみから成っていてもよいし、その他の層を有していてもよい。その他の層は、本発明のセパレータの膜厚が厚くなりすぎない程度に、多孔性基材の片面若しくは両面に、又は積層された多孔性基材層の中間層として、配置することができる。その他の層を有する面に耐熱層を配置する場合、これらの相互位置関係は任意である。
本実施形態に用いる基材は、それ自体が、従来セパレータとして用いられていたものであってもよい。基材は、電子伝導性がなくイオン伝導性があり、有機溶媒の耐性が高く、かつ微細な孔径を有する多孔質膜であると好ましい。
ポリオレフィン樹脂組成物中の総ポリオレフィンに対するポリプロピレンの割合は、特に限定されないが、耐熱性と良好なシャットダウン機能の両立の観点から、1〜35質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜20質量%、更に好ましくは4〜10質量%である。
また、重合触媒も特に制限はなく、例えば、チーグラー・ナッタ系触媒及びメタロセン系触媒が挙げられる。
この場合、ポリプロピレン以外のポリオレフィン樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、エチレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のオレフィン炭化水素のホモポリマー又はコポリマーが挙げられる。具体的には、ポリプロピレン以外のポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリブテン、エチレン−プロピレンランダムコポリマー等が挙げられる。
ポリエチレン:[η]=6.77×10−4Mv0.67(Chiangの式)
ポリプロピレン:[η]=1.10×10−4Mv0.80
により算出される。
これらの添加剤の合計含有量は、ポリオレフィン樹脂組成物100質量部に対して、0.001質量部以上20質量部以下であることが好ましく、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは5質量部以下である。
気孔率=(体積−質量/膜密度)/体積×100
により求めることができる。例えば、ポリエチレンから成るポリオレフィン微多孔膜基材の場合には、膜密度を0.95(g/cm3)と仮定して気孔率を計算することができる。気孔率は、ポリオレフィン微多孔膜基材の延伸倍率の変更等により調節可能である。
ポリオレフィン微多孔膜基材の製造方法は、(1)ゲル状延伸膜を作成する工程(以下、ゲル状延伸膜作成工程と称す。)(2)該ゲル状延伸膜に少なくとも1回の架橋処理を施す工程(以下、架橋工程と称す。)、(3)該架橋処理膜を110℃以上の温度で加熱処理する工程(以下、ラジカル失活工程と称す。)、(4)該加熱処理膜に含まれる可塑剤を抽出除去する工程(以下、抽出工程と称す。)に分けることができる。
上記(1)の工程の後に、(2)と(3)の工程を経ずに(4)の工程に進み、そのあとで架橋処理を行い、引き続いて(3)の加熱処理を行っても構わない。
ここで、ゲル状とはポリオレフィンと、少なくとも1成分の可塑剤からなる組成物を指している。ゲル状延伸膜とは、ポリオレフィンの分子鎖が少なくとも1軸方向に配向した状態にあるゲル状組成物を指す。
ゲル状延伸膜を作成する方法は特に限定されないが、例えばポリオレフィンと可塑剤を溶融混練した後に冷却固化させたシートを少なくとも1軸方向に延伸する方法、またはポリオレフィンシートを少なくとも1軸方向に延伸した後、該延伸膜を可塑剤で膨潤させる方法等が利用できる。
ゲル状組成物を作成する際に使用する可塑剤とは、ポリオレフィンに対して膨潤性のある液体であり、例えば流動パラフィンなどの炭化水素、低級脂肪族アルコール、低級脂肪族ケトン、含窒素有機化合物、エーテル、グリコール、低級脂肪族エステル、シリコンオイルなどであり、これらを単独あるいは組み合わせて使用することができる。
本実施形態では、耐熱層が、微多孔膜基材の少なくとも片面に配置される。
微多孔膜基材上に配置される耐熱層の厚さは、基材の片面当たり、0.1μm以上であることがより好ましい。また、この厚さは、5μm以下であることが好ましく、4μm以下であることがより好ましく、3μm以下であることが更に好ましい。耐熱層の厚さを0.1μm以上に調整することは、耐熱性を確保するために好ましい。耐熱層の厚さを5μm以下に調整することは、セパレータのイオン透過性の低下を抑制する観点から好ましい。
耐熱層に含まれる無機フィラーは、限定されるものではないが、200℃以上の融点を有し、電気絶縁性が高く、かつリチウムイオン二次電池の使用範囲で電気化学的に安定であることが好ましい。
無機フィラーとしては、特に限定されないが、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、セリア、イットリア、酸化亜鉛、酸化鉄等の酸化物系セラミックス;窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の窒化物系セラミックス;シリコンカーバイド、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化酸化アルミニウム、チタン酸カリウム、タルク、カオリナイト、ディカイト、ナクライト、ハロイサイト、パイロフィライト、モンモリロナイト、セリサイト、マイカ、アメサイト、ベントナイト、アスベスト、ゼオライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ藻土、ケイ砂等のセラミックス;ガラス繊維等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、複数を併用してもよい。
これらの中でも、電気化学的安定性及びセパレータの耐熱特性を向上させる観点から、アルミナ、水酸化酸化アルミニウム等の酸化アルミニウム化合物;及びカオリナイト、ディカイト、ナクライト、ハロイサイト、パイロフィライト等の、イオン交換能を持たないケイ酸アルミニウム化合物が好ましい。
樹脂フィラーとしては、耐熱性及び電気絶縁性を有し、電池中の非水電解質に対して安定であり、かつ電池の作動電圧範囲において酸化還元され難い電気化学的に安定な樹脂で構成されたものが好ましい。このような樹脂微粒子を形成するための樹脂としては、スチレン樹脂(ポリスチレンなど)、スチレンブタジエンゴム、アクリル樹脂(ポリメチルメタクリレートなど)、ポリアルキレンオキシド(ポリエチレンオキシドなど)、フッ素樹脂(ポリフッ化ビニリデンなど)及びこれらの誘導体から成る群から選ばれる少なくとも1種の樹脂の架橋体;尿素樹脂;ポリウレタン;などが例示できる。
また、とりわけ耐熱性や電気絶縁性に優れるポリアミド微粒子やポリイミド微粒子なども使用することができる。
樹脂微粒子フィラーには、上記で例示された樹脂を1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、樹脂微粒子フィラーは、必要に応じて、樹脂に添加されることができる公知の添加剤、例えば、酸化防止剤などを含有してもよい。
本実施形態における耐熱層には、後述の無機フィラー同士を結着させるために、又は無機フィラーを含有する層と微多孔膜基材とを結着するために、バインダを含有することが好ましい。
本実施形態では、耐熱層にバインダが含まれる場合、耐熱層と微多孔膜基材の接着、及び耐熱層中の無機フィラー同士の接着の少なくとも1つに寄与する。
なお、上記で説明された単量体に加えて、様々な品質及び物性を改良するために、上記以外の単量体成分をさらに使用することもできる。
樹脂製ラテックスバインダの平均粒子径の制御は、重合時間、重合温度、原料組成比、原料投入順序、pHなどを調整することで可能である。
耐熱樹脂とは、主鎖に窒素原子を含む重合体であり、特に芳香族環を含むものが耐熱性の観点から好ましい。例えば、芳香族ポリアミド(以下、「アラミド」ということがある)、芳香族ポリイミド(以下、「ポリイミド」ということがある)、芳香族ポリアミドイミドなどが挙げられる。
アラミドとしては、例えば、メタ配向芳香族ポリアミド(以下、「メタアラミド」ということがある。)とパラ配向芳香族ポリアミド(以下、「パラアラミド」ということがある)が挙げられる。これらの中でも、膜厚が均一で通気性に優れる多孔質の耐熱樹脂層(R)を形成しやすいことから、パラアラミドが好ましい。
上記パラアラミドとは、パラ配向芳香族ジアミンとパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドの縮合重合により得られるものであり、アミド結合が芳香族環のパラ位またはそれに準じた配向位(例えば、4、4’−ビフェニレン、1、5−ナフタレン、2、6−ナフタレン等のような反対方向に同軸または平行に延びる配向位)で結合される繰り返し単位から実質的になるものである。具体的には、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)、ポリ(パラベンズアミド、ポリ(4、4’−ベンズアニリドテレフタルアミド)、ポリ(パラフェニレン−4、4’−ビフェニレンジカルボン酸アミド)、ポリ(パラフェニレン−2、6−ナフタレンジカルボン酸アミド)、ポリ(2−クロロ−パラフェニレンテレフタルアミド)、パラフェニレンテレフタルアミド/2、6−ジクロロパラフェニレンテレフタルアミド共重合体等のパラ配向型またはパラ配向型に準じた構造を有するパラアラミドが例示される。
極性有機溶媒としては、例えば、後述する極性アミド系溶媒または極性尿素系溶媒が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
塗工性の観点からパラアラミドは、固有粘度1.0dl/g〜2.8dl/gのパラアラミドであることが好ましく、さらには固有粘度1.7dl/g〜2.5dl/gであることが好ましい。固有粘度が1.0dl/g未満では、形成される耐熱層の強度が不十分となることがある。固有粘度が2.8dl/gを越えると、安定なパラアラミド含有塗工液を得ることが困難であることがある。ここでいう固有粘度は、一度析出させたパラアラミドを溶解し、パラアラミド硫酸溶液にして測定された値であり、いわゆる分子量の指標となる値である。
塗工性の観点から、塗工液中のパラアラミド濃度は0.5〜10質量部であることが好ましい。
上記塩化物の重合系への添加量は、縮合重合で生成するアミド基1.0モル当たり0.5〜6.0モルの範囲が好ましく、1.0〜4.0モルの範囲がさらに好ましい。塩化物が0.5モル以上であれば、生成するパラアラミドが溶解しやすくなり、6.0モル以下であれば、塩化物が溶媒へ溶解しやすい。一般には、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物が2質量部未満では、パラアラミドの溶解性が不十分となる場合があり、10質量部を越えると、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物が極性アミド系溶媒または極性尿素系溶媒等の極性有機溶媒に溶解しない場合がある。
本発明の積層多孔質フィルム(RG)の耐熱樹脂層(R)に用いられるポリイミドとしては、芳香族の酸二無水物とジアミンの縮重合で製造される全芳香族ポリイミドが好ましい。
前記酸二無水物の具体例としては、ピロメリット酸二無水物、3、3’、4、4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3、3’、4、4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2、2’−ビス(3、4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3、3’、4、4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。
前記ジアミンの具体例としては、オキシジアニリン、パラフェニレンジアミン、ベンゾフェノンジアミン、3、3’−メチレンヂアニリン、3、3’−ジアミノベンソフェノン、3、3’−ジアミノジフェニルスルフォン、1、5’−ナフタレンジアミンなどが挙げられるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
微多孔膜基材上に耐熱層を配置する方法の一態様は、例えば、微多孔膜基材の少なくとも片面に、フィラーとバインダとを含む塗布液を塗布して耐熱層を形成する方法を挙げることができる。
他方、バインダとして耐熱樹脂を用いる場合には、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドはじめ先述したような、耐熱樹脂に対して良溶媒を用いることが好ましい。
本実施形態に係る非水電解質二次電池セパレータは、微多孔膜基材上に特定の耐熱層を備えており、イオン透過性、二次電池の耐熱性を向上させることができる。
本実施形態に係る非水電解質二次電池セパレータの透気度は、好ましくは10〜10,000秒/100ccであり、より好ましくは10〜1,000秒/100ccであり、更に好ましくは50〜500秒/100ccである。これにより、セパレータをリチウムイオン二次電池に適用したときには、大きなイオン透過性を示す。この透気度は、多孔性基材の透気度と同様に、JIS P−8117に準拠して測定される透気抵抗度である。
本実施形態に係る非水電解質二次電池用セパレータには電離線照射により架橋構造が導入される。
具体的な架橋処理方法としては、セパレータに対して少なくとも一回の架橋処理を施すことができる。架橋処理の方法としては、紫外線や電子線、ガンマ線に代表される電離放射線照射が挙げられるが、このうち電子線照射による方法が好ましい。
ポリオレフィン微多孔膜に直接照射する場合には、先述したようにポリオレフィン微多孔膜基材の製造工程中に照射することができる。
すなわち、一の方法としては、以下に示される工程中における(2)の工程にて照射することができるし、その他の方法としては、以下の(1)の工程の後に、(2)と(3)の工程を経ずに(4)の工程に進み、そのあとで架橋処理を行い、引き続いて(3)の加熱処理を行う方法である。
ここで、ポリオレフィンの製造法とは、(1)ゲル状延伸膜を作成する工程、(2)該ゲル状延伸膜に少なくとも1回の架橋処理を施す工程、(3)該架橋処理膜を110℃以上の温度で加熱処理する工程、及び(4)該加熱処理膜に含まれる可塑剤を抽出除去する工程である。
照射雰囲気は特に制限されないが、瞬時強度低下を少なくするため例えば酸素濃度100ppm以下の窒素雰囲気で行うことが好ましい。なお、本発明のゲル状延伸膜は気孔(あるいはその前駆体構造)が可塑剤等で充填されているため、ポリエチレン微多孔膜に照射する従来技術と比較して同じ照射雰囲気であっても酸素との接触確率が大幅に低いという利点を有する。
照射時の加速電圧も特に制限されないが、たとえば膜厚30μm程度の微多孔膜に照射を行う場合は、200kV程度の加速電圧で良好に架橋処理を行うことができる。
架橋処理後のセパレータに残存しているラジカルを失活させるために、架橋処理後のゲル状延伸膜を、少なくとも1軸方向に拘束した状態で加熱処理する。架橋工程と同様に、例えば従来技術においてポリエチレン微多孔膜にあえて高温での加熱処理を行った場合、ポリエチレン微多孔膜の溶融のために透過性や機械強度が損なわれる事があった。一方、本発明の一態様においてはゲル状延伸膜に対して加熱処理を行うために、透過性の低下等を危惧することなく十分な高温での加熱処理を行うことが出来る。ただし、本発明は溶融による透過性の低下については効果的に防止するものの、高温での配向緩和による機械強度の低下についてはこの限りではないため、加熱処理の上限温度および時間については機械強度と溶融突き刺し強度保持率を参照しながら調整することが望ましい。
加熱処理の時間は、1秒以上10分以下が好ましく、5秒以上5分以下がより好ましく、10秒以上3分以下が更に好ましく、20秒以上1分以下がより更に好ましい。加熱温度が110℃未満でも10分以上の加熱処理を行うことによってラジカルを失活させることができる場合があるが、10分以上の加熱処理時間は生産性の観点から好ましくない。
尚、基材のゲル分率の測定方法については後掲される。
尚、室温突き刺し強度の測定方法については後記される。
尚、160℃突き刺し強度の測定方法については後記される。
溶融突き刺し強度保持率が50%以上100%以下であると、非水電解質二次電池の釘刺し試験において、電池の発煙や発火が起こらない。
尚、基材のゲル分率の測定方法については後記される。
本実施形態に係る非水電解質二次電池用のセパレータを備える非水電解質二次電池は、特に限定されないが、例えば、非水系電解液二次電池等の電池、コンデンサー及びキャパシタが挙げられる。それらの中でも、本発明の作用効果による利益がより有効に得られる観点から、電池が好ましく、非水系電解液二次電池がより好ましく、リチウムイオン二次電池が更に好ましい。
正極としては、正極集電体上に正極活物質を含む正極活物質層が形成されて成る正極を好適に用いることができる。正極集電体としては、例えばアルミニウム箔等を;正極活物質としては、例えば、LiCoO2、LiNiO2、スピネル型LiMnO4、オリビン型LiFePO4、LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2等のリチウム含有複合酸化物等を;それぞれ挙げることができる。正極活物質層は、正極活物質に加えて、バインダ、導電材等を含んでいてもよい。
本実施形態に係るセパレータを、幅10〜500mm(好ましくは80〜500mm)、長さ200〜4,000m(好ましくは1,000〜4,000m)の縦長形状のセパレータとして製造し、セパレータを、正極−セパレータ−負極−セパレータ、又は負極−セパレータ−正極−セパレータの順で積層し、円又は扁平な渦巻状に捲回して捲回体を得、捲回体を電池缶内に収納し、更に電解液を注入することにより、蓄電デバイスを製造することができる。代替的には、シート状のセパレータ及び電極から成る積層体(例えば正極−セパレータ−負極−セパレータ−正極、又は負極−セパレータ−正極−セパレータ−負極の順に平板状に積層したもの)、又は電極及びセパレータを折り畳んで捲回体としたものを、電池容器(例えばアルミニウム製のフィルム)に入れて、電解液を注液する方法によって製造してもよい。
<<測定方法>>
<基材評価>
(1)基材目付(g/m2)
10cm×10cm角にサンプルを切り取り、株式会社島津製作所製の電子天秤AEL−200(商品名)を用いて質量を測定した。得られた質量を100倍することで1m2当たりの膜の目付(g/m2)を算出した。
(2)基材膜厚(μm)
基材から10cm×10cm角の試料を切り取り、格子状に9箇所(3点×3点)を選んで、微小測厚器(株式会社東洋精機製作所 タイプKBM)を用いて室温23±2℃で膜厚を測定した。得られた9箇所の測定値の平均値を、基材の膜厚として算出した。
(3)気孔率
基材から10cm×10cm角のサンプルを切り取り、その体積(cm3)及び質量(g)を求めた。これらの値を用い、基材の密度を0.95(g/cm3)として、気孔率を下記数式:
気孔率(%)=(1−質量/(体積×0.95))×100
により計算した。
JIS P−8117に準拠し、東洋精器(株)製のガーレー式透気度計G−B2(商標)により測定した透気抵抗度を透気度とした。
(5)突刺強度(g)
カトーテック製のハンディー圧縮試験器KES−G5(商標)を用いて、開口部の直径11.3mmの試料ホルダーで基材を固定した。次に、固定された基材の中央部を、先端の曲率半径0.5mmの針を用いて、突刺速度2mm/秒で、25℃雰囲気下において突き刺し試験を行うことにより、最大突刺荷重として突刺強度(g)を得た。
(6)平均孔径(μm)
微多孔膜基材の透気度測定における空気の流れがクヌーセンの流れに、また微多孔膜基材の透水度測定における水の流れがポアズイユの流れに従うと仮定して、次式:
d=2ν×(Rliq/Rgas)×(16η/3Ps)×106
{式中、ν:空気の分子速度(m/sec)、Rliq:水の透過速度定数(m3/(m2・sec・Pa))、Rgas:空気の透過速度定数(m3/(m2・sec・Pa))、η:水の粘度(Pa・sec)、Ps:標準圧力(=101325Pa)である。}
より平均孔径d(μm)を求めた。
(1)耐熱層厚さ(μm)
耐熱層の厚みは、上記(2)に記載の微多孔膜基材の膜厚を測定するのと同様の方法により、微多孔膜基材に耐熱層を積層した非水電解質二次電池用セパレータの膜厚を測定した後で、微多孔膜基材の膜厚みを差し引いて求めた。
(2)電子線照射量(kGy)
電子線照射装置内の照射位置において、フィルム線量計にて測定した線量を被照射試料の吸収線量を電子線照射線量とした。
(3)架橋度(基材ゲル分率(%))
ASTM D2765に基づき、セパレータを構成する微多孔膜基材の沸騰パラキシレン中での12時間可溶分抽出後の重量変化より、抽出前の試料の質量に対する抽出後の残存質量の比として次式:
架橋度(ゲル分率(%))=100×残存質量(g)/試料質量(g)
により求めた。
セパレータをMD方向に100mm、TD方向に100mmに切り取り、150℃のオーブン中に1時間静置する。このとき、温風が直接サンプルにあたらないよう、サンプルを2枚の紙にはさむ。サンプルをオーブンから取り出し冷却した後、長さ(mm)を測定し、以下の式:
MD熱収縮率(%)=(100―加熱後のMDの長さ)/100×100
TD熱収縮率(%)=(100―加熱後のTDの長さ)/100×100
にてMDおよびTDの熱収縮率を算出する。
(5)室温突き刺し強度(g)
測定温度25℃において、カトーテック製KES−G5ハンディー圧縮試験器を用いて、針先端の曲率半径0.5mm、突刺速度2mm/secの条件で突き刺し試験を行い、最大突き刺し荷重を突き刺し強度(g)とした。突き刺し強度に25(膜厚(μm))を乗じることによって25μm換算室温突き刺し強度とした。
(6)160℃突き刺し強度(g)
ポリエチレン微多孔膜を内径13mm、外径25mmのSUS製ワッシャ2枚の間に挟み込み、周囲をクリップで留めたあと、あらかじめ160℃に加熱したシリコンオイル(信越化学工業:KF−96−10CS)中に浸漬し、一分間サンプルを溶融させた後に、シリコンオイル中のサンプルに対して、<セパレータ評価>の(5)と同様の方法で160℃突き刺し強度(溶融突き刺し強度)(g)を測定した。
100気圧での酸素とラジカルとの接触確率が、大気圧に比べて100倍になると仮定して、1000日後の空気中におけるセパレータの経時劣化の指標とした(高圧空気加速試験)。具体的には、耐圧オートクレーブ内にセパレータを入れ、圧縮空気で9.8(MPa)に加圧し、25℃で10日間保管した後に、セパレータの溶融突き刺し強度を測定した。
(8)釘刺し試験
初充放電後の電池を1.0Cの定電流で4.20Vまで充電した後、4.20Vの定電圧で3時間充電し、SOC(充電深度)100%まで充電した。続いて、1.0Cの定電流で追充電を行ない、SOC150%まで充電した。
SOC150%まで充電した電池を60℃の雰囲気下に30分間放置し、電池温度を60℃にした後、電池の中央部に、太さ2.5φmm、先端角度60°の釘を、突刺速度10mm/secにて突き刺した。その時の電池の状態観察および釘刺し部の温度変化を測定し、1秒あたりの温度変化から発熱速度を求めた。
○:試験後の積層体素子に発煙及び発火の発生がなかった。
△:試験後の積層体素子に発煙が発生した。
×:試験後の積層体素子に発火が発生した。
(9)釘刺し時最大発熱速度(℃/sec)
上記の釘刺し試験において、SOC150%まで充電した電池の中央部に、太さ2.5φmm、先端角度60°の釘を、突刺速度10mm/secにて突き刺し、釘刺し部の1秒あたりの温度変化から発熱速度の最大値を求めた。釘は1.0φmmの中空を有しており、中空部にシース型熱電対を挿入することで、釘刺し部の温度を測定できる。シース型熱電対はシース径0.15φmmのK型熱電対を用いた。
ポリエチレン(PE)微多孔膜基材又は該基材に耐熱層を設けたセパレータを金枠に固定し、酸素濃度100ppm、110℃の雰囲気下に10分間置いた後、バッチ式の電子線照射装置を用いて加速電圧150kVで、電子線照射を行った。照射処理後、130℃に温調したオーブンに投入して1分間加熱し、ラジカル失活処理を行った。
(正極の作製)
正極活物質としてLiNi1/3Mn1/3Co1/3O2(日本化学工業社製)と、導電助剤としてアセチレンブラックの粉末(電気化学工業社製)と、バインダとしてポリフッ化ビニリデン溶液(クレハ社製)とを、90:6:4の固形分質量比で混合し、分散溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを固形分40質量%となるように添加して更に混合して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延して正極とした。圧延後のものをタブ部を除き30mm×50mmの長方形状に打ち抜いて正極を得た。
このときの正極活物質層の塗布目付は48mg/cm2であり、充填密度は2.89g/cm3であった。
負極活物質としてグラファイト粉末(大阪ガスケミカル社製、商品名「OMAC1.2H/SS」)及び別のグラファイト粉末(TIMCAL社製、商品名「SFG6」)と、バインダとしてスチレンブタジエンゴム(SBR)及びカルボキシメチルセルロース水溶液とを、90:10:1.5:1.8の固形分質量比で混合した。得られた混合物を、固形分濃度が45質量%となるように、分散溶媒としての水に添加して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を厚さ18μmの銅箔の両面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延した。圧延後のものをタブ部を除き32mm×52mmの長方形状に打ち抜いて負極を得た。このときの負極活物質層の塗布目付は21.2mg/cm2であり、充填密度は1.50g/cm3であった。
(非水電解液の調製)
エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=1:2(体積比)の混合溶媒に、溶質としてLiPF6を濃度1.0mol/Lとなるように溶解させることにより、非水電解液を調製した。
上記正極板8枚と、上記負極板9枚とを、セパレータを介し、正極タブと負極タブとが同一の辺に配置される方向に積層させた。このとき、正極板と負極板とを、両側の最外層がいずれも負極板となるように、交互に積層させた。最外層となる負極は、正極と対向していない面の負極活物質層を剥がし、片面を未塗工状態にした。得られた積層体に、形状保持のため絶縁テープを巻き付け、電極積層体とした。
電極積層体の正極板の8枚のタブ部にアルミニウム製の正極リード端子を超音波溶接で接続した。同様に、正極リード端子と同サイズのニッケル製の負極リード端子を9枚の負極板タブ部に超音波溶接で接続した。
2枚のアルミニウムラミネートフィルムの三辺を熱融着により接着して袋状のラミネート外装体を作製した。ラミネート外装体に上記電極積層体を挿入した。電解液を注液して真空含浸させた後、減圧下にて開口部を熱融着により封止することによって、ラミネート型リチウムイオン電池を得た。
この積層型リチウムイオン電池について、250mAの定電流で4.2Vまで充電した後、4.2Vの定電圧で8時間充電し初充電を行った。初充電後、750mAの定電流で3.0Vまで放電したところ、放電容量は750mAhであった。
<製造例1(ポリエチレン微多孔膜基材1の製造)>
Mvが70万であるホモポリマーの高密度ポリエチレンを45質量部と、
Mvが30万であるホモポリマーの高密度ポリエチレンを45質量部と、
Mvが40万であるホモポリマーのポリプロピレン5質量部、
とを、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドした。
得られたポリオレフィン混合物99質量部に酸化防止剤としてテトラキス−[メチレン−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを1質量部添加し、再度タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドすることにより、混合物を得た。
得られた混合物を、窒素雰囲気下で二軸押出機へフィーダーにより供給した。
また、流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10−5m2/s)を押出機シリンダーにプランジャーポンプにより注入した。
押し出される全混合物中の、流動パラフィンの割合が65質量部、及びポリマー濃度が35質量部となるように、フィーダー及びポンプの運転条件を調整した。
このシートを同時二軸延伸機にて、温度112℃において倍率7×6.4倍に延伸した。その後、延伸物を塩化メチレンに浸漬して、流動パラフィンを抽出除去後、乾燥し、更にテンター延伸機を用いて温度130℃において横方向に2倍延伸した。
その後、この延伸シートを幅方向に約10%緩和して熱処理を行い、ポリエチレン微多孔膜基材1を得た。得られた基材1の物性を表1に示す。
<製造例2>
シート状成形物の厚さを1250μmにした以外は製造例1と同様にして、9μmのポリエチレン微多孔膜2を得た。
<製造例3>
シート状成形物の厚さを1600μmにした以外は製造例1と同様にして、12μmのポリエチレン微多孔膜3を得た。
<製造例4>
シート状成形物の厚さを800μmにした以外は製造例1と同様にして、6μmのポリエチレン微多孔膜4を得た。
<製造例5>
製造例1の1200μmのシート状成形物を同時二軸延伸機にて、温度112℃において倍率7×6.4倍に延伸し、延伸膜を作製した。次に該シート状延伸膜を金枠に拘束し、バッチ式の電子線照射装置を用いて110℃、酸素濃度100ppmの窒素雰囲気下で、加速電圧150kV、吸収線量20kGyずつ、トータル100kGyの条件で、電子線架橋処理を実施した。架橋処理を行ったあと、130℃に温調したオーブンに投入して1分間加熱し、ラジカル失活処理を行った。次に膜を金枠で拘束した状態で塩化メチレンでパラフィン油を抽出除去後、乾燥し、ポリエチレン微多孔膜5を得た。
<製造例6>
国際公開第2015/166949号の明細書中の実施例18に記載の方法に従って、ホモポリプロピレン微多孔フィルムを作製したのちに、皮膜層、アルミナ粒子からなるセラミックコート層を形成して、耐熱性ホモポリプロピレン微多孔フィルム6を得た。
上記の基材の製造例に従って、ポリオレフィン微多孔膜基材としてポリエチレン微多孔膜基材1を作成し、次に下記に示す手順により耐熱層を積層し、非水電解質二次電池用セパレータを得た。
<耐熱層の形成>
耐熱層形成塗工液として、水酸化酸化アルミニウム(平均粒径1.0μm)96.0質量部、アクリルラテックス(固形分濃度40%、平均粒径145nm、最低成膜温度0℃以下)4.0質量部、及びポリカルボン酸アンモニウム水溶液(サンノプコ社製 SNディスパーサント5468)1.0質量部を100質量部の水に均一に分散させた塗工液を調製した。続いて、その塗工液をポリオレフィン樹脂多孔膜基材の表面にグラビアコーターを用いて塗工した。その後、60℃において乾燥して水を除去して、ポリオレフィン樹脂多孔膜上に無機フィラーである水酸化酸化アルミニウム(ベーマイト)の多孔層が厚さ2μmで形成されているセパレータを得た。
得られたセパレータを金枠に拘束し、バッチ式の電子線照射装置を用いて110℃、酸素濃度100ppmの窒素雰囲気下で、加速電圧150kV、吸収線量20kGyずつ、トータルの吸収線量100kGyで電子線架橋処理を実施した。架橋処理を行ったあと130℃に温調したオーブンに投入して1分間加熱し、ラジカル失活処理を行い、電子線照射後のセパレータを得た。そして、この電子線照射後のセパレータを用いて、先述の<電池の組み立て>の項に記載した方法に従って、非水電解質二次電池を得た。表2に電子線照射後のセパレータ及び電池の性能結果を示す。
表1(表2)に示されるPE微多孔膜基材を用い、表2に示される耐熱層を積層する以外は実施例1と同様にして、非水電解質二次電池用セパレータを得た。次に得られたセパレータに表2に示す条件にて電子線照射を施し、電子線照射後のセパレータを得た。そして、この電子線照射後のセパレータを用いて、先述の<電池の組み立て>の項に記載した方法に従って、非水電解質二次電池を得た。表2に電子線照射後のセパレータ及び電池の性能結果を示す。
上記の基材の製造例に従って、ポリオレフィン微多孔膜基材としてポリエチレン微多孔膜基材1を作成した。次にこの基材に表2に示す条件にて電子線照射を施したあとで、実施例1と同様にして、耐熱層(2μm)が積層された非水電解質二次電池用セパレータを得た。そして、先述の<電池の組み立て>の項に記載した方法に従って、非水電解質二次電池を製造した。表2に電子線照射後のセパレータ及び電池の性能結果を示す。
上記の基材の製造例に従って、ポリオレフィン微多孔膜基材としてポリエチレン微多孔膜基材5を作成した。実施例1と同様にして、耐熱層(2μm)が積層された非水電解質二次電池用セパレータを得た。そして、先述の<電池の組み立て>の項に記載した方法に従って、非水電解質二次電池を製造した。表2に電子線照射後のセパレータ及び電池の性能結果を示す。
本比較例では、表1(表2)に示されるPE微多孔膜基材1のみを用い、耐熱層を設けないで非水電解質二次電池用セパレータを作成した。次にこのセパレータを用いて電子線照射をしないで、先述の<電池の組み立て>の項に記載した方法に従って、非水電解質二次電池を得た。表2に電子線照射後のセパレータ及び電池の性能結果を示す。
<比較例2>
比較例1において非水電解質二次電池用セパレータに先述の電子線照射条件にて電子線照射を施した以外は、比較例1と同様にして非水電解質二次電池を得た。表2に電子線照射後のセパレータ及び電池の性能結果を示す。
<比較例3>
本比較例では、表1(表2)に示されるPE微多孔膜基材1を用い、表2に示される耐熱層を設けて非水電解質二次電池用セパレータを作成した。次にこのセパレータに電子線照射をしないで、先述の<電池の組み立て>の項に記載した方法に従って、非水電解質二次電池を得た。表2に電子線照射後のセパレータ及び電池の性能結果を示す。
本比較例では、表1(表2)に示されるPE微多孔膜基材3のみを用い、耐熱層を設けないで非水電解質二次電池用セパレータを作成した。次にこのセパレータに先述の電子線照射条件にて電子線照射を施した後で、先述の<電池の組み立て>の項に記載した方法に従って、非水電解質二次電池を得た。表2に電子線照射後のセパレータ及び電池の性能結果を示す。
<比較例5>
本比較例では、表1(表2)に示されるPE微多孔膜基材3を用い、表2に示される耐熱層を設けて非水電解質二次電池用セパレータを作成した。次にこのセパレータに電子線照射をしないで、先述の<電池の組み立て>の項に記載した方法に従って、非水電解質二次電池を得た。表2に電子線照射後のセパレータ及び電池の性能結果を示す。
<比較例6>
本比較例では、表1(表2)に示されるPE微多孔膜基材1を用い、表2に示される耐熱層を設けて非水電解質二次電池用セパレータを作成した。次にこのセパレータに吸収線量を20kGyにした以外は、実施例1と同様の条件で電子線架橋処理、ラジカル失活処理を行ない、セパレータを得た。先述の<電池の組み立て>の項に記載した方法に従って、非水電解質二次電池を得た。表2に電子線照射後のセパレータ及び電池の性能結果を示す。
本比較例では、比較例6において電子線照射条件を吸収線量を180kGyにした以外は比較例6と同様にして、非水電解質二次電池を得た。表2に電子線照射後のセパレータ及び電池の性能結果を示す。
<比較例8>
本比較例では、表1(表2)に示されるPE微多孔膜基材5を製造する際に流動パラフィンを抽出しないで多孔化する前の状態のセパレータを作成した。次にこのセパレータに先述の電子線照射条件にて電子線照射を施した後で、表2に示すように耐熱層を設けないで、先述の<電池の組み立て>の項に記載した方法に従って、非水電解質二次電池を得た。表2に電子線照射後のセパレータ及び電池の性能結果を示す。
<比較例9>
本比較例では、表1(表2)に示されるPP乾式微多孔膜基材6のみ用いて得られたセパレータに、先述の電子線照射条件より低照射条件にて電子線照射を施した。次に水酸化アルミニウムの代わりにアルミナを含む耐熱層を、実施例1と同様にして該基材上に設けて非水電解質二次電池用セパレータを作成した。そして、このセパレータを用いて先述の<電池の組み立て>の項に記載した方法に従って、非水電解質二次電池を得た。表2に電子線照射後のセパレータ及び電池の性能結果を示す。
表2に示されているように、実施例1〜5で得られたPE微多孔膜基材に耐熱層が積層された非水電解質二次電池用セパレータに電子線照射されたものは、適度な架橋度を有するため、優れた160℃突き刺し強度及び溶融突き刺し強度保持率を有し、さらに該セパレータを用いて作成された電池の釘刺し試験においても、釘刺し最大発熱速度が抑制され、そして発煙・発火も起こらない。
次に、電子線照射後に無機塗工して得られた非水電解質二次電池用セパレータ(実施例6、7)及び該セパレータを用いて作成された電池においても、同様に優れた160℃突き刺し強度及び溶融突き刺し強度保持率を有し、さらに該セパレータを用いて作成された電池の釘刺し試験においても、釘刺し最大発熱速度が抑制され、そして発煙・発火も起こらない。
他方、表2に示される比較例1のように、基材としてポリエチレン微多孔膜基材1を使用し、耐熱層無しでしかも電子線照射を施さなかった非水電解質二次電池用セパレータにおいては、基材に架橋構造が導入されていないがゆえに、160℃突き刺し強度に劣り、そして該セパレータを用いて作成された非水電解質二次電池の釘刺し試験においても、釘刺し最大発熱速度が大きく、発火現象が見られた。
次に、基材としてポリエチレン微多孔膜基材1を使用し、該基材に電子線照射は施したが耐熱層を設けなかった非水電解質二次電池用セパレータ(比較例2)においては、適度な架橋度を有するものの、耐熱層が無いために、160℃突き刺し強度は十分でなく、該セパレータを用いて作成された電池の釘刺し試験においても、釘刺し最大発熱速度が大きく、発火も起こった。
比較例4のように、基材としてポリエチレン微多孔膜基材3の比較的厚膜を使用し、その上に耐熱層を設けないで電子線照射を施こして得られた非水電解質二次電池用セパレータにおいては、架橋構造は導入されているものの、耐熱層を有さないために160℃突き刺し強度は十分とは言えず、そして該セパレータを用いて作成された非水電解質二次電池の釘刺し試験においても、釘刺し最大発熱速度が大きく、発火も起こった。
加えて、比較例5のように、基材としてポリエチレン微多孔膜基材3の比較的厚膜を使用し、電子線照射を施こさないでその上に耐熱層を積層して得られた非水電解質二次電池用セパレータにおいては、架橋構造が導入されていないので、そのため160℃突き刺し強度に劣り、そして該セパレータを用いて作成された非水電解質二次電池の釘刺し試験においても、釘刺し最大発熱速度が比較的大きく、発煙が観測された。
さらに、比較例6のように、基材としてポリエチレン微多孔膜基材1を使用し、その上に耐熱層を積層してから、表2に示すように低電子線照射条件にて電子線照射を施して得られた非水電解質二次電池用セパレータにおいては、十分な架橋構造が導入されていないので、そのため160℃突き刺し強度は十分でなく、そして該セパレータを用いて作成された非水電解質二次電池の釘刺し試験においても、釘刺し最大発熱速度が比較的大きく、発煙が観測された。
さらに、比較例7のように、基材としてポリエチレン微多孔膜基材1を使用し、その上に耐熱層を積層してから、表2に示すように高電子線照射条件にて電子線照射を施して得られた非水電解質二次電池用セパレータにおいては、過度に架橋構造が導入されたため、160℃突き刺し強度は優れたものであるものの、該セパレータを用いて作成された非水電解質二次電池の釘刺し試験においては溶融突き刺し強度の保持率に劣るという結果が得られた。このように強度保持率に劣るのはセパレータ中のラジカル失活が十分ではなかったためと考えられる。
さらに、比較例8のように、ポリエチレン微多孔膜基材5を製造する前の基材で、多孔形成用の可塑剤である流動パラフィンを抽出する前の基材を使用し、該基材に表2に示すようは電子線照射条件にて電子線照射を施して得られた非水電解質二次電池用セパレータにおいては、十分な架橋構造が導入されているため、160℃突き刺し強度は十分ではあるものの、耐熱層が設けられていないがために、該セパレータを用いて作成された非水電解質二次電池の釘刺し試験において、釘刺し最大発熱速度が比較的大きく、発火が観測された。
そして、比較例9ように、厚膜のポリプロピレン乾式微多孔膜基材6に表2に示す電子線照射条件にて電子線照射を施し、そのあとでアルミナを含む厚さ3μmの耐熱層を積層して得られた非水電解質二次電池用セパレータにおいては、十分な架橋構造が導入されていないものの、160℃突き刺し強度は十分ではあり、該セパレータを用いて作成された非水電解質二次電池の釘刺し試験において発火は見られなかったが、溶融突き刺し強度保持率に劣るという結果となった。
Claims (9)
- 微多孔膜基材に耐熱層が積層されたセパレータであって、前記微多孔膜基材の架橋度が40%以上であり、かつ先端の曲率半径0.5mmの針を用いて、突刺速度2mm/秒で、160℃の雰囲気下において行われる、160℃突き刺し試験における160℃突き刺し強度が30g以上であることを特徴とする非水電解質二次電池用セパレータ。
- 前記160℃突き刺し強度を測定した前記微多孔膜基材を耐圧オートクレーブ内に入れ、圧縮空気で9.8MPaに加圧し、25℃で10日間保管した前後に測定される、前記微多孔膜基材の溶融突き刺し強度保持率が50%以上である、請求項1に記載の非水電解質二次電池用セパレータ。
- 前記微多孔膜基材が架橋構造を有する、請求項1または2に記載の非水電解質二次電池用セパレータ。
- 前記微多孔膜基材の厚さが12μm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池用セパレータ。
- 前記耐熱層の厚さが3μm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池用セパレータ。
- 前記微多孔膜基材がポリエチレンからなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池用セパレータ。
- 前記耐熱層が無機粒子を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池用セパレータ。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池用セパレータを含む二次電池。
- 非水電解質二次電池用セパレータに電子線照射する工程を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池用セパレータの製造方法。
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