JP2018145328A - 吸水性樹脂およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 優れた吸水性に加え分解性を有し、分解物の環境影響性が低いため農業用保水材や衛生材料として好適に使用できる吸水性樹脂を提供すること。【解決手段】 少なくとも一部がグリオキシル酸および/またはグリオキシル酸誘導体によりアセタール化された変性ポリビニルアルコールが、多価カルボン酸により架橋された架橋物を構成成分とする吸水性樹脂。【選択図】なし
Description
本発明は吸水性樹脂およびその製造方法に関する。詳細には、本発明は、吸水特性に優れ、吸水後の特性変化が少なく、環境への影響が少ない吸水性樹脂およびその製造方法に関する。
昨今、慢性的な水資源の枯渇に伴い、農業用水を有効にかつ適切に利用すること、あるいは従来よりも少量の灌漑水量でも農産物の収穫量を維持、あるいは増大させる試みが、いわゆる農業用保水材を用いて検討されている(例えば、特許文献1〜3を参照)。これらの農業用保水材は高吸水性樹脂(SAP)を主要構成成分としており、例えば土壌全体の保水性を改善することに用いられるピートモスなどに比べると、極めて少量で効果を発現することから、農家が用いる際の負担が少ないという利点がある。
特許文献1および2では、ポリアクリル酸塩ゲルを主成分とする高吸水性樹脂を農業用保水材として用いることが開示されている。特許文献3では、ポリアクリル酸(塩)ゲルにノニオン成分、典型的にはアクリルアミドを導入したポリマーゲルが開示されている。特許文献4には、ポリビニルグリオキシル酸樹脂を含む複雑な表面構造を有するポリマー粒子が開示され、係る粒子が衛生材料や農業用保水材に適用できる旨が述べられている。
特許文献1および2では、ポリアクリル酸塩ゲルを主成分とする高吸水性樹脂を農業用保水材として用いることが開示されている。特許文献3では、ポリアクリル酸(塩)ゲルにノニオン成分、典型的にはアクリルアミドを導入したポリマーゲルが開示されている。特許文献4には、ポリビニルグリオキシル酸樹脂を含む複雑な表面構造を有するポリマー粒子が開示され、係る粒子が衛生材料や農業用保水材に適用できる旨が述べられている。
特許文献1〜2で開示されるポリアクリル酸塩ゲルは吸水した状態での力学特性に劣り、土壌中での膨潤により土壌の通気性を阻害してしまう傾向がある。また、地下の配管より潅水する方式を採用した場合にはポリアクリル酸ゲルが地上に流出してしまい、根に水を供給する機能が発揮されなくなるなどの問題がある。さらに、ポリアクリル酸塩ゲルは土壌中等で分解されないか、されたとしてもその分解速度が極めて遅い。そして、ポリアクリル酸塩ゲルは土中に含まれる二価イオンとの接触によりその保水性を喪失する傾向が強く、機能喪失後もゲル自体は分解されず圃場の土壌に蓄積するという課題がある。特許文献3で開示されるポリマーゲルは、製品中に毒性の高いアクリルアミドモノマー成分が残留する問題があるほか、窒素成分を含有しているため、土壌中で分解された場合にアンモニアなどの窒素含有物質を生成し、これが廃水に流れ込むことによる廃水系の富栄養化、水質低下を招く恐れがあるという問題がある。
特許文献4に開示されるポリビニルグリオキシル酸樹脂を含むポリマー粒子は、架橋を有し得ること、含水した状態で放置するとカビが発生したこと、また脱ゲル化が起こったことから、係る材料が生分解性を有しており、金属触媒と酸化剤を併用することで脱アセタール化と主鎖切断が起こることが示唆されている。すなわち脱アセタール化反応によりポリビニルアルコールが再生すると解釈され、ポリビニルアルコールは分解性ポリマーとして知られているので、結果としてこの樹脂は分解性を有するといえる。また、係るポリマー粒子は本質的に窒素成分を含有しておらず、土壌中で分解された場合にもアンモニアなどの窒素含有物質を生成する心配がなく、廃水系への悪影響が改善されている。
一般に、吸水性樹脂は、架橋が施されていない状態では水に溶解しやすく、衛生材料や土壌改質用途においては使用時に溶出して環境汚染源となる問題があるため、これを防ぐために架橋された状態で使用される。一方で、架橋を過度に導入すると、使用時の溶出の問題は改善するが、吸水特性が低下することが知られている。また架橋構造、特に架橋部位の化学結合様式は、吸水性樹脂の分解性に大きな影響を与える。例えば化学結合であるエステル結合は加水分解により容易に切断しうる。すなわち、吸水性樹脂の用途において求められる低溶出性(環境への影響を低減すること)と吸水特性をバランスよく満足させる観点から、架橋については架橋度(架橋量)や架橋の種類(架橋を形成する構造や結合の種類)を高度に制御する必要があるといえる。しかしながら、特許文献4には架橋量の制御についての詳細な記載はなされていない。
しかして、本発明の目的は、優れた吸水性に加え力学特性、分解性のバランスを有し、機能した後は環境中で分解され環境への影響が低減される吸水性樹脂、ならびに係る吸水性樹脂を含んでなる農業用保水材および衛生材料を提供すること、また該吸水性樹脂の製造方法を提供することにある。
一般に、吸水性樹脂は、架橋が施されていない状態では水に溶解しやすく、衛生材料や土壌改質用途においては使用時に溶出して環境汚染源となる問題があるため、これを防ぐために架橋された状態で使用される。一方で、架橋を過度に導入すると、使用時の溶出の問題は改善するが、吸水特性が低下することが知られている。また架橋構造、特に架橋部位の化学結合様式は、吸水性樹脂の分解性に大きな影響を与える。例えば化学結合であるエステル結合は加水分解により容易に切断しうる。すなわち、吸水性樹脂の用途において求められる低溶出性(環境への影響を低減すること)と吸水特性をバランスよく満足させる観点から、架橋については架橋度(架橋量)や架橋の種類(架橋を形成する構造や結合の種類)を高度に制御する必要があるといえる。しかしながら、特許文献4には架橋量の制御についての詳細な記載はなされていない。
しかして、本発明の目的は、優れた吸水性に加え力学特性、分解性のバランスを有し、機能した後は環境中で分解され環境への影響が低減される吸水性樹脂、ならびに係る吸水性樹脂を含んでなる農業用保水材および衛生材料を提供すること、また該吸水性樹脂の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成すべく本発明者らは鋭意検討を重ねてきた。その結果、ポリビニルアルコールの少なくとも一部がグリオキシル酸および/またはグリオキシル酸誘導体によりアセタール化された変性ポリビニルアルコールを多価カルボン酸、好適には特定の多価カルボン酸を架橋剤として用いることによって、吸水特性および架橋後の特性とのバランスに優れ、また分解性に優れた、架橋物の形態での吸水性樹脂が得られること、また、該多価カルボン酸を前記アセタール化反応の際の触媒として用いることで、該吸水性樹脂を効率よく製造する方法を見出した。
すなわち、本発明の目的は、以下の[1]〜[8]を提供することにより達成される。
[1]少なくとも一部がグリオキシル酸および/またはグリオキシル酸誘導体によりアセタール化された変性ポリビニルアルコールが、多価カルボン酸により架橋された架橋物を構成成分とする吸水性樹脂。
[2]前記多価カルボン酸が、生物体における代謝経路であるクエン酸回路および/またはグリオキシル酸回路を構成する多価カルボン酸から選ばれる、[1]の吸水性樹脂。
[3]前記架橋が、前記変性ポリビニルアルコールが有する水酸基の0.1〜30モル%と多価カルボン酸とのエステル結合により形成されている、[1]または[2]の吸水性樹脂。
[4]前記多価カルボン酸が、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、アコニット酸、イソクエン酸、α−ケトグルタル酸、フマル酸、オキサロ酢酸から選ばれる、[1]〜[3]いずれかの吸水性樹脂。
[5]前記多価カルボン酸の酸解離定数pKaが3.0〜7.0の範囲にある、[1]〜[4]いずれかの吸水性樹脂。
[6]前記多価カルボン酸が、ポリビニルアルコールのアセタール化時には反応触媒として機能し、かつ当該多価カルボン酸がポリビニルアルコールの複数の水酸基との間で脱水縮合架橋することを含む、[1]〜[5]いずれかの吸水性樹脂の構成成分である架橋物の製造方法。
[7][1]〜[4]いずれかの吸水性樹脂を構成成分とする農業用保水材。
[8]さらに肥料成分または農薬成分の少なくとも1種以上を含む、[7]の農業用保水材。
[1]少なくとも一部がグリオキシル酸および/またはグリオキシル酸誘導体によりアセタール化された変性ポリビニルアルコールが、多価カルボン酸により架橋された架橋物を構成成分とする吸水性樹脂。
[2]前記多価カルボン酸が、生物体における代謝経路であるクエン酸回路および/またはグリオキシル酸回路を構成する多価カルボン酸から選ばれる、[1]の吸水性樹脂。
[3]前記架橋が、前記変性ポリビニルアルコールが有する水酸基の0.1〜30モル%と多価カルボン酸とのエステル結合により形成されている、[1]または[2]の吸水性樹脂。
[4]前記多価カルボン酸が、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、アコニット酸、イソクエン酸、α−ケトグルタル酸、フマル酸、オキサロ酢酸から選ばれる、[1]〜[3]いずれかの吸水性樹脂。
[5]前記多価カルボン酸の酸解離定数pKaが3.0〜7.0の範囲にある、[1]〜[4]いずれかの吸水性樹脂。
[6]前記多価カルボン酸が、ポリビニルアルコールのアセタール化時には反応触媒として機能し、かつ当該多価カルボン酸がポリビニルアルコールの複数の水酸基との間で脱水縮合架橋することを含む、[1]〜[5]いずれかの吸水性樹脂の構成成分である架橋物の製造方法。
[7][1]〜[4]いずれかの吸水性樹脂を構成成分とする農業用保水材。
[8]さらに肥料成分または農薬成分の少なくとも1種以上を含む、[7]の農業用保水材。
本発明の吸水性樹脂は優れた吸水特性に加え分解性を有し、分解物の環境影響性が低いため、農業用保水材や衛生材料として好適に使用できる。この農業用保水材を用いることにより、例えば従来に比べて少量の灌漑用水でも農作物の育成が可能であり、水資源の節約に繋がるほか、灌漑用水コストを低減できる。また本発明の製造方法は、多価カルボン酸にアセタール化反応の触媒作用を発揮させた後に、引き続き架橋を形成させる反応剤として用いることから、特に脱触媒の必要性が無く、効率的かつ簡便な製造方法である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の吸水性樹脂は、少なくとも一部がグリオキシル酸および/またはグリオキシル酸誘導体によりアセタール化された変性ポリビニルアルコールが、多価カルボン酸により架橋された架橋物を構成成分とする。まず、原料となるポリビニルアルコールについて説明する。
本発明の吸水性樹脂は、少なくとも一部がグリオキシル酸および/またはグリオキシル酸誘導体によりアセタール化された変性ポリビニルアルコールが、多価カルボン酸により架橋された架橋物を構成成分とする。まず、原料となるポリビニルアルコールについて説明する。
ポリビニルアルコールは、その構成単位としてビニルアルコール単位のみを含むものであってもよいし、他の構成単位を含むものであってもよい。他の構成単位の例としては、酢酸ビニル、ピバル酸ビニルなどのカルボン酸ビニル由来の構成単位;エチレン、1−ブテン、イソブチレンなどのオレフィン由来の構成単位;アクリル酸及びその誘導体、メタクリル酸及びその誘導体、マレイン酸及びその誘導体、無水マレイン酸及びその誘導体などに由来する構成単位などが挙げられる。他の構成単位は1種類を含有していても複数種類を含有していてもよい。他の構成単位の含有量があまり多い場合には、アセタール化反応においてグリオキシル酸および/またはその誘導体との反応点が少なくなるため本発明の効果を奏しなくなる恐れがある。したがって、他の構成単位の含有量は50質量%以下であるのが好ましく、より好適には30質量%以下、さらに好適には15質量%以下である。
ポリビニルアルコールの分子量に特に制限はないが、後段のアセタール化反応のしやすさやハンドリングのしやすさの観点から、100万g/mol以下であることが好ましく、50万g/mol以下であることがより好ましい。一方、得られる変性ポリビニルアルコールの力学特性の観点からは、5000g/mol以上であることが好ましく、より好ましくは1万g/mol以上、さらに好ましくは2万g/mol以上である。ポリビニルアルコールの分子量は、例えばJIS K 6726に準拠した方法により平均重合度を測定する手法によって決定できる。
本発明で原料として用いるポリビニルアルコールは、工業的に製造され市販されているものを用いてもよいし、酢酸ビニルモノマー等のカルボン酸ビニルモノマー、および必要に応じて他の構成単位を構成するモノマーを共存させて、公知の重合開始剤を用いて公知の重合反応を行い、次いで公知の方法でケン化反応を行って製造されるものでも、ビニルエーテルのカチオン重合反応とそれに引き続く加水分解反応を経て製造されるもの、アセトアルデヒドの直接重合により製造されるものなどであってもよい。
好ましくは、ポリビニルアルコールは、酢酸ビニルを重合させてポリ酢酸ビニルを得、次いでケン化反応を経て得られたものである。ケン化処理の進行度合いは、酢酸ビニルに由来する酢酸エステル部のうち、どれだけが水酸基に変換されたかを示す、ケン化度(単位:モル%)で表すのが通常である。ケン化度が低すぎる場合には、後にグリオキシル酸、および/またはグリオキシル酸誘導体によってアセタール化する際における反応部位が少なくなりすぎるため好ましくない。この観点から、ポリビニルアルコールのケン化度は好ましくは15モル%以上、より好ましくは30モル%以上である。
ポリビニルアルコールのアセタール化には、グリオキシル酸および/またはグリオキシル酸誘導体を用いる。グリオキシル酸は単独で用いてもよいし、グリオキシル酸塩やグリオキシル酸エステル、これら化合物のアセタール化合物といったグリオキシル酸誘導体と共に用いてもよく、グリオキシル酸誘導体のみを用いてもよい。
グリオキシル酸塩の例としては、グリオキシル酸ナトリウム、グリオキシル酸カリウムなどのグリオキシル酸のアルカリ金属塩、グリオキシル酸カルシウム、グリオキシル酸マグネシウムなどのグリオキシル酸のアルカリ土類金属塩などが挙げられる。中でも、農業用保水材として用いる場合に本発明の効果をより奏することができる観点から、グリオキシル酸カリウム、グリオキシル酸カルシウム、グリオキシル酸マグネシウムが好ましく、グリオキシル酸カリウムがより好ましい。
グリオキシル酸エステルの例としては、グリオキシル酸メチル、グリオキシル酸エチル、グリオキシル酸プロピル、グリオキシル酸イソプロピル、グリオキシル酸ブチル、グリオキシル酸イソブチル、グリオキシル酸sec−ブチル、グリオキシル酸tert−ブチル、グリオキシル酸ヘキシル、グリオキシル酸オクチル、グリオキシル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
グリオキシル酸、グリオキシル酸塩及びグリオキシル酸エステルのアセタール化合物の例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールなどのアルコール化合物によりグリオキシル酸、グリオキシル酸塩、グリオキシル酸エステルのアルデヒド部がアセタールされた化合物を挙げられる。
グリオキシル酸エステルの例としては、グリオキシル酸メチル、グリオキシル酸エチル、グリオキシル酸プロピル、グリオキシル酸イソプロピル、グリオキシル酸ブチル、グリオキシル酸イソブチル、グリオキシル酸sec−ブチル、グリオキシル酸tert−ブチル、グリオキシル酸ヘキシル、グリオキシル酸オクチル、グリオキシル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
グリオキシル酸、グリオキシル酸塩及びグリオキシル酸エステルのアセタール化合物の例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールなどのアルコール化合物によりグリオキシル酸、グリオキシル酸塩、グリオキシル酸エステルのアルデヒド部がアセタールされた化合物を挙げられる。
ポリビニルアルコールのグリオキシル酸および/またはグリオキシル酸誘導体によるアセタール化反応の手法に特に制限はなく、均一反応であっても不均一反応であってもよい。具体的には、例えばポリビニルアルコール水溶液とグリオキシル酸水溶液を混合して反応させる手法を挙げることができる。反応を加速する目的で触媒を用いてもよい。触媒としては、例えば塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸;カルボン酸、スルホン酸などの有機酸;陽イオン交換樹脂、ヘテロポリ酸などの固体酸;などが挙げられる。なお、グリオキシル酸はアセタール化反応を促進できる酸でもあるので、これを自己触媒として用いることも可能である。これらの触媒は単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。反応後の処理の容易性の観点からは、グリオキシル酸を反応基質および自己触媒として用いる方法が好ましい。
ポリビニルアルコールのグリオキシル酸および/またはグリオキシル酸誘導体によるアセタール化反応において、ポリビニルアルコールに導入されるグリオキシル酸および/またはグリオキシル酸誘導体の量は、例えばポリビニルアルコールの持つ水酸基の消費量により定義できる。すなわち水酸基の消費量が低い場合はグリオキシル酸および/またはグリオキシル酸誘導体の導入量は低く、水酸基の消費量が高い場合はグリオキシル酸および/またはグリオキシル酸誘導体の導入量が高いことになる。グリオキシル酸および/またはグリオキシル酸誘導体の導入量が低すぎると得られる変性ポリビニルアルコールの吸水性が劣る傾向となり、一方で高すぎると得られる変性ポリビニルアルコールの吸水時の力学特性が劣る傾向となる。本発明の効果を奏する範囲を考慮すると、原料として用いるポリビニルアルコールが有する水酸基の消費量として、3〜87mol%の範囲であることが好ましく、5〜70mol%の範囲であることがより好ましく、10〜50mol%の範囲であることがさらに好ましい。なお、かかる水酸基の消費量は、例えばNMR(核磁気共鳴分光法)、FTIR(フーリエ変換赤外分光法)などによって測定することができる。
本発明の吸水性樹脂は、ポリビニルアルコールの少なくとも一部をグリオキシル酸および/またはグリオキシル酸誘導体によりアセタール化反応して好適に得られる変性ポリビニルアルコールが、多価カルボン酸により架橋された架橋物を構成成分とする。すなわち、使用時の溶出を防ぐ観点よりさらに架橋が施されており、使用時にはいわゆるゲルの状態となっている。
前記変性ポリビニルアルコールにおいては、ポリビニルアルコール由来の水酸基と、グリオキシル酸(誘導体)に由来するカルボキシル基との間で形成されるエステル結合(エステル結合Aと称する)が架橋構造として存在するが、本発明の吸水性樹脂では、変性ポリビニルアルコール由来の水酸基と、多価カルボン酸のカルボキシル基との間で形成されるエステル結合(エステル結合Bと称する)による架橋がさらに形成される。本発明の吸水性樹脂では、架橋が、前記変性ポリビニルアルコールが有する水酸基の0.1〜30モル%と多価カルボン酸とのエステル結合(エステル結合B)により形成されていることが好ましい。これらのエステル結合Aとエステル結合Bの比率に特に制限はないが、例えばモル比A/Bが100以下、好ましくは50以下、より好ましくは30以下、さらに好ましくは10以下である。モル比A/Bが高すぎると、樹脂の吸水特性に悪影響を及ぼす傾向がある。
多価カルボン酸としては、分子内に複数のカルボン酸基を含む化合物であれば特に制限はなく、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、オキサロ酢酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、リンゴ酸、クエン酸、イソクエン酸、α−ケトグルタル酸、アコニット酸、メリト酸、カルボキシメチルセルロース、アルダル酸、およびそれらの塩、エステル化物、アミド化物、酸無水物、酸ハロゲン化物などの誘導体が挙げられる。中でも、環境への悪影響の度合いが小さい観点から、生物体における代謝経路であるクエン酸回路および/またはグリオキシル酸回路を構成する多価カルボン酸が好ましい。このような多価カルボン酸としては、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、アコニット酸、イソクエン酸、α−ケトグルタル酸、フマル酸、オキサロ酢酸、及びそれらの塩、エステル化物、アミド化物、酸無水物、酸ハロゲン化物などの誘導体が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数用いてもよい。
上記多価カルボン酸の水中における酸解離定数pKaに特に制限はないが、本発明の効果を奏する観点からは1.0−8.0の範囲であることが好ましく、より好ましくは2.0−7.5の範囲、さらに好ましくは3.0−7.0の範囲である。特に多価カルボン酸をアセタール化触媒として用い、かつグリオキシル酸誘導体としてグリオキシル酸塩を用いる場合には、多価カルボン酸のpKaがグリオキシル酸のpKaである2.98よりもpKaの低い多価カルボン酸を用いた場合、相対的に弱い酸であるグリオキシル酸が遊離し、多価カルボン酸が塩となる交換反応が起こり、アセタール化反応、あるいはこれに続く処理工程が煩雑化する傾向となる。一方で、pKaが高すぎる場合には、アセタール化反応における触媒作用が低すぎ、実質的に触媒機能を発現しないことから好ましくない。なお、本発明における多価カルボン酸化合物の水溶液中でのpKaとは、一段目の酸解離定数pKa1を指す。この観点から、特に好ましい多価カルボン酸としては、コハク酸(pKa1=4.2)、リンゴ酸(pKa1=3.4)、クエン酸(pKa1=3.1)、フマル酸(pKa1=3.1)を挙げることができる。
多価カルボン酸は、ポリビニルアルコールの少なくとも一部をグリオキシル酸および/またはグリオキシル酸誘導体によりアセタール化反応して変性ポリビニルアルコールを得る際の、アセタール化反応触媒として添加することもできる。すなわち、本発明では、多価カルボン酸が、ポリビニルアルコールのアセタール化時には反応触媒として機能し、かつ当該多価カルボン酸がポリビニルアルコールの複数の水酸基との間で脱水縮合架橋することを含む、吸水性樹脂の構成成分である架橋物の製造方法もその権利範囲に包含する。かかる製造方法は、多価カルボン酸化合物に触媒としての作用を発揮させた後に、引き続き架橋を形成させる反応剤として用いるため、脱触媒の必要性がなく工程を簡略化でき、効率的かつ簡便な製造方法である。
本発明の吸水性樹脂は、上記多価カルボン酸による架橋に加え、他の架橋が存在していてもよい。架橋の形態に特に制限はなく、例えばエステル結合、エーテル結合、アセタール結合、炭素−炭素結合などによる架橋構造が挙げられる。エステル結合の例としては、ポリビニルアルコール由来の水酸基と、グリオキシル酸(誘導体)に由来するカルボキシル基との間で形成されるエステル結合(エステル結合Aと称する)を挙げることができる。エーテル結合の例としては、ポリビニルアルコール由来の水酸基間の脱水縮合により形成されるエーテル結合を挙げることができる。アセタール結合の例としては、ポリビニルアルコール分子間の水酸基がグリオキシル酸とアセタール化反応することにより形成されるアセタール結合を挙げることができる。炭素−炭素結合の例としては、例えば活性エネルギー線の照射により発生する、変性ポリビニルアルコールの炭素ラジカル間のカップリングにより形成される炭素−炭素結合を挙げることができる。これらの架橋構造は単独で含まれていても、複数種が含まれていてもよい。これらの架橋の形態は、ポリビニルアルコールのグリオキシル酸および/またはグリオキシル酸誘導体によるアセタール化反応の際に同時に形成されてもよいし、別々に形成されてもよい。
ポリビニルアルコールのグリオキシル酸および/またはグリオキシル酸誘導体によるアセタール化反応によって導入されたカルボキシル基は、その一部または全てが処理されてカルボン酸塩の形状となっていてもよい。カルボン酸塩の対カチオンの例としては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオンなどのアルカリ金属イオン;マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオンなどのアルカリ土類金属イオン;アルミニウムイオン、亜鉛イオンなどのその他金属イオン;アンモニウムイオン、イミダゾリウム類、ピリジニウム類、ホスホニウムイオン類などのオニウムカチオン;などを挙げることができる。中でも、特に農業用保水材組成物として用いる場合には、カリウムイオン、カルシウムイオン、アンモニウムイオンであることが好ましく、カリウムイオンであることがより好ましい。これらの対カチオンは単独でも複数種を組み合わせて含んでいてもよい。
また、多価カルボン酸が有するカルボキシル酸基の一部が変性ポリビニルアルコールの水酸基と反応し、残るカルボキシル基がフリーである場合には、その一部または全てが前期と同様に処理されてカルボン酸塩の形状となっていてもよい。
本発明の吸水性樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲でその他の添加剤をさらに含む、組成物の形態であってもよい。かかるその他の添加剤の例としては、デンプン、変性デンプン、アルギン酸ナトリウム、キチン、キトサン、セルロースおよびその誘導体などの多糖類、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリコハク酸、ポリアミド6、ポリアミド6・6、ポリアミド6・10、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6・12、ポリヘキサメチレンジアミンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンジアミンイソフタルアミド、ポリノナメチレンジアミンテレフタルアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリオキシメチレン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリメタクリル酸塩、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸塩共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸塩共重合体などの樹脂類、天然ゴム、合成イソプレンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマーなどのゴム・エラストマー類、カオリナイト、スメクタイト、モンモリロナイト、セリサイト、クロライト、グローコナイト、タルク、天然ゼオライト、合成ゼオライトなどの粘土鉱物類、砂などを挙げることができる。これらは単独でも複数種を含んでいてもよい。
本発明の吸水性樹脂または組成物は、農業用保水材として好適に用いることができる。農業用保水材として用いる際の形態には種々の方法があり、圃場に直接散布する方法、作物種子を播種する際に種子とともに適用する方法、一旦種子にコーティングし、コーティングした種子を播種する方法など例示できる。また、本発明の吸水性樹脂または組成物と水との混合物を培地として用いてもよい。適用対象とする作物に特に制限はなく、例えば各種野菜類、根菜類、果実類、穀類、イモ類、豆類、観賞用植物類、花卉類、芝、樹木類などを挙げることができる。
本発明の吸水性樹脂を農業用保水材として用いる際は、本発明の効果を損なわない範囲で肥料成分および/または農薬成分を含む組成物の形態であってもよい。肥料の例としては窒素系肥料、リン系肥料、カリウム系肥料、カルシウム系肥料などの三大肥料;カルシウム、マグネシウム、硫黄、鉄、銅、マンガン、亜鉛、ホウ素、モリブデン、塩素、ニッケルなど植物の必須要素を含む肥料などが挙げられる。農薬成分の例としては殺虫剤、殺菌剤、殺虫殺菌剤、除草剤、殺鼠剤、植物生長調整剤などが挙げられる。これらは単独でも複数種を含んでいてもよい。
本発明の吸水性樹脂は高い吸水特性と優れた力学特性を示すことから、例えば乳児用オムツ、幼児用オムツ、子供用オムツ、成人用オムツ、生理用品、保護下着などの衛生用品における吸収剤としての衛生材料に好ましく用いられる。本発明の吸水性樹脂は使用後には分解することが可能なことより、環境への影響の観点でも好ましい材料である。
本発明の吸水性樹脂は、一般的に知られている吸水性樹脂の用途、例えば地中の電力ケーブル、又は通信ケーブルにおける水浸透の防止;薬物送達系におけるキャリア;流出および排出水性液の吸収材;塗料;インク;着色剤組成物用の吸収性コーティング;殺虫剤、除草剤、芳香剤、および薬物を制御放出するためのキャリア;難燃性ゲル;葬儀用パッド;外科用パッド;創傷被服材;医療用廃物固化材;食料品用の吸収パッドおよび包装材料;化粧品のゲル化剤;シーリング複合材;濾過用途;航空機および自動車用の燃料監視システム;かご飼育動物用の給水体;静止ウォーターベッド;水中で大きくなる玩具;掘削液の添加剤;人工雪;などに用いることもできる。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はかかる実施例等により何ら限定されるものではない。用いた原料、評価分析の手法について以下に示す。
(1)ポリアクリル酸ナトリウムゲル:
和光純薬工業株式会社製 高吸水性ポリマー(アクリル酸塩系)
(2)ポリアクリルアミドゲル:
ミラクルグロー(Miracle-Gro)社製 Water Storing Crystals
(3)ポリビニルアルコール:
株式会社クラレ製 PVA117S ケン化度98mol%、重合度1700
(4)グリオキシル酸50%水溶液:東京化成工業株式会社製
(5)水酸化カリウム:和光純薬工業株式会社製 特級
(6)クエン酸:和光純薬工業株式会社製
(7)リンゴ酸:和光純薬工業株式会社製
(8)グルタルアルデヒド50%水溶液:和光純薬工業株式会社製
(9)グリオキサール50%水溶液:和光純薬工業株式会社製
(10)酢酸:和光純薬工業株式会社製
(1)ポリアクリル酸ナトリウムゲル:
和光純薬工業株式会社製 高吸水性ポリマー(アクリル酸塩系)
(2)ポリアクリルアミドゲル:
ミラクルグロー(Miracle-Gro)社製 Water Storing Crystals
(3)ポリビニルアルコール:
株式会社クラレ製 PVA117S ケン化度98mol%、重合度1700
(4)グリオキシル酸50%水溶液:東京化成工業株式会社製
(5)水酸化カリウム:和光純薬工業株式会社製 特級
(6)クエン酸:和光純薬工業株式会社製
(7)リンゴ酸:和光純薬工業株式会社製
(8)グルタルアルデヒド50%水溶液:和光純薬工業株式会社製
(9)グリオキサール50%水溶液:和光純薬工業株式会社製
(10)酢酸:和光純薬工業株式会社製
[2]変性ポリビニルアルコールの特性評価
後述する実験例1〜13において、得られた変性ポリビニルアルコールの評価は以下のようにして行った。
(1)吸水倍率
JIS K 7223に準じて、得られた変性ポリビニルアルコールの純水吸収量を測定し、以下の式に基づいて吸水倍率Xa(g/g)を算出した。
Xa(g/g)=[吸水後の試料質量−吸水前の試料質量]/吸水前の質量
後述する実験例1〜13において、得られた変性ポリビニルアルコールの評価は以下のようにして行った。
(1)吸水倍率
JIS K 7223に準じて、得られた変性ポリビニルアルコールの純水吸収量を測定し、以下の式に基づいて吸水倍率Xa(g/g)を算出した。
Xa(g/g)=[吸水後の試料質量−吸水前の試料質量]/吸水前の質量
(2)酸化分解試験
得られた変性ポリビニルアルコールを、開口径が100μmと1000μmのステンレス製メッシュを使用して篩い分け、粒径が100〜1000μmの粉末部分を酸分解試験に供した。この粉末約100mgをガラス製フラスコに秤量し、30ppm硫酸鉄(II)水溶液200mLを加えて粉末を膨潤させた。ここに、30%過酸化水素水溶液を100mL加え、40℃で2時間処理した。その後、内容物を予め質量を計測したろ紙により重力ろ過し、次いでろ紙上に残った物質を100mLのイオン交換水により洗浄してろ過するという一連の作業を3回繰り返した。ろ紙およびろ紙上に残った物質を40℃で24時間真空乾燥させた後、質量を計測し、次の式により酸化分解率を求めた。
酸化分解率(%)=100×[(試験後のろ紙+物質の質量)−(試験前のろ紙質量)]/(用いた粉末質量)
得られた変性ポリビニルアルコールを、開口径が100μmと1000μmのステンレス製メッシュを使用して篩い分け、粒径が100〜1000μmの粉末部分を酸分解試験に供した。この粉末約100mgをガラス製フラスコに秤量し、30ppm硫酸鉄(II)水溶液200mLを加えて粉末を膨潤させた。ここに、30%過酸化水素水溶液を100mL加え、40℃で2時間処理した。その後、内容物を予め質量を計測したろ紙により重力ろ過し、次いでろ紙上に残った物質を100mLのイオン交換水により洗浄してろ過するという一連の作業を3回繰り返した。ろ紙およびろ紙上に残った物質を40℃で24時間真空乾燥させた後、質量を計測し、次の式により酸化分解率を求めた。
酸化分解率(%)=100×[(試験後のろ紙+物質の質量)−(試験前のろ紙質量)]/(用いた粉末質量)
汚染可能性
使用した架橋剤が、平成24年10月付け経済産業省、厚生労働省発行の「化管法・安衛法におけるラベル表示・SDS提供制度『化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)』に基づく化学品の危険有害性情報の伝達」中に記載された対象化学物質に該当するもの、または分解によりアンモニアおよびその誘導体を生じる可能性があるものを汚染可能性が高いとした。それ以外の場合は汚染可能性が低いとした。
使用した架橋剤が、平成24年10月付け経済産業省、厚生労働省発行の「化管法・安衛法におけるラベル表示・SDS提供制度『化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)』に基づく化学品の危険有害性情報の伝達」中に記載された対象化学物質に該当するもの、または分解によりアンモニアおよびその誘導体を生じる可能性があるものを汚染可能性が高いとした。それ以外の場合は汚染可能性が低いとした。
実験例1
還流冷却管、攪拌翼を備え付けた500mLの四つ口セパラブルフラスコに、イオン交換水200g、ポリビニルアルコール40gを仕込み、攪拌下90℃まで加熱して溶解した。系内を80℃まで冷却し、グリオキシル酸50%水溶液19.1g、水酸化カリウム7.24g、クエン酸0.0582gの混合溶液を5分間かけて添加し、1時間反応させた。フラスコ内容物を取り出し、熱風乾燥機(DKM400、ヤマト科学株式会社製)にて105℃、3時間乾燥させた。得られた樹脂を室温に冷却し50%水酸化カリウム水溶液に3時間浸漬させたのち、イオン交換水で洗浄して、変性ポリビニルアルコールの架橋物からなる吸水性樹脂1を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
還流冷却管、攪拌翼を備え付けた500mLの四つ口セパラブルフラスコに、イオン交換水200g、ポリビニルアルコール40gを仕込み、攪拌下90℃まで加熱して溶解した。系内を80℃まで冷却し、グリオキシル酸50%水溶液19.1g、水酸化カリウム7.24g、クエン酸0.0582gの混合溶液を5分間かけて添加し、1時間反応させた。フラスコ内容物を取り出し、熱風乾燥機(DKM400、ヤマト科学株式会社製)にて105℃、3時間乾燥させた。得られた樹脂を室温に冷却し50%水酸化カリウム水溶液に3時間浸漬させたのち、イオン交換水で洗浄して、変性ポリビニルアルコールの架橋物からなる吸水性樹脂1を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
実験例2
クエン酸添加量を0.0582gから1.75gに変更した以外は実験例1と同様の手法により、変性ポリビニルアルコールの架橋物からなる吸水性樹脂2を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
実験例3
クエン酸添加量を0.0582gから5.82gに変更した以外は実験例1と同様の手法により、変性ポリビニルアルコールの架橋物からなる吸水性樹脂3を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
実験例4
クエン酸添加量を0.0582gから17.5gに変更した以外は実験例1と同様の手法により、変性ポリビニルアルコールの架橋物からなる吸水性樹脂4を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
クエン酸添加量を0.0582gから1.75gに変更した以外は実験例1と同様の手法により、変性ポリビニルアルコールの架橋物からなる吸水性樹脂2を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
実験例3
クエン酸添加量を0.0582gから5.82gに変更した以外は実験例1と同様の手法により、変性ポリビニルアルコールの架橋物からなる吸水性樹脂3を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
実験例4
クエン酸添加量を0.0582gから17.5gに変更した以外は実験例1と同様の手法により、変性ポリビニルアルコールの架橋物からなる吸水性樹脂4を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
実験例5
クエン酸0.0582gをリンゴ酸1.83gに変更した以外は実験例1と同様の手法により、変性ポリビニルアルコールの架橋物からなる吸水性樹脂5を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
実験例6
クエン酸0.0582gをコハク酸1.61gに変更した以外は実験例1と同様の手法により、変性ポリビニルアルコールの架橋物からなる吸水性樹脂6を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
実験例7
クエン酸0.0582gをシュウ酸1.23gに変更した以外は実験例1と同様の手法により、変性ポリビニルアルコールの架橋物からなる吸水性樹脂7を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
実験例8
クエン酸0.0582gをフマル酸1.58gに変更した以外は実験例1と同様の手法により、変性ポリビニルアルコールの架橋物からなる吸水性樹脂8を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
実験例9
クエン酸0.0582gをα−ケトグルタル酸1.99gに変更した以外は実験例1と同様の手法により、変性ポリビニルアルコールの架橋物からなる吸水性樹脂9を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
クエン酸0.0582gをリンゴ酸1.83gに変更した以外は実験例1と同様の手法により、変性ポリビニルアルコールの架橋物からなる吸水性樹脂5を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
実験例6
クエン酸0.0582gをコハク酸1.61gに変更した以外は実験例1と同様の手法により、変性ポリビニルアルコールの架橋物からなる吸水性樹脂6を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
実験例7
クエン酸0.0582gをシュウ酸1.23gに変更した以外は実験例1と同様の手法により、変性ポリビニルアルコールの架橋物からなる吸水性樹脂7を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
実験例8
クエン酸0.0582gをフマル酸1.58gに変更した以外は実験例1と同様の手法により、変性ポリビニルアルコールの架橋物からなる吸水性樹脂8を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
実験例9
クエン酸0.0582gをα−ケトグルタル酸1.99gに変更した以外は実験例1と同様の手法により、変性ポリビニルアルコールの架橋物からなる吸水性樹脂9を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
実験例10
還流冷却管、攪拌翼を備え付けた500mLの四つ口セパラブルフラスコに、イオン交換水200g、ポリビニルアルコール40gを仕込み、攪拌下90℃まで加熱して溶解した。系内を80℃まで冷却し、グリオキシル酸50%水溶液19.1gを5分間かけて添加し、1時間反応させた。フラスコ内容物を取り出し、熱風乾燥機(DKM400、YAMATO製)にて105℃、3時間乾燥させた。得られた樹脂を室温に冷却し50%水酸化カリウム水溶液に3時間浸漬させたのち、イオン交換水で洗浄して変性ポリビニルアルコール10を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
還流冷却管、攪拌翼を備え付けた500mLの四つ口セパラブルフラスコに、イオン交換水200g、ポリビニルアルコール40gを仕込み、攪拌下90℃まで加熱して溶解した。系内を80℃まで冷却し、グリオキシル酸50%水溶液19.1gを5分間かけて添加し、1時間反応させた。フラスコ内容物を取り出し、熱風乾燥機(DKM400、YAMATO製)にて105℃、3時間乾燥させた。得られた樹脂を室温に冷却し50%水酸化カリウム水溶液に3時間浸漬させたのち、イオン交換水で洗浄して変性ポリビニルアルコール10を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
実験例11
クエン酸0.0582gを25%グルタルアルデヒド水溶液5.45gに変更した以外は実験例1と同様の手法により、変性ポリビニルアルコールの架橋物からなる吸水性樹脂11を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
実験例12
クエン酸0.0582gを40%グリオキサール水溶液1.98gに変更した以外は実験例1と同様の手法により、変性ポリビニルアルコールの架橋物からなる吸水性樹脂12を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
実験例13
クエン酸0.0582gを酢酸1.64gに変更した以外は実験例1と同様の手法により、変性ポリビニルアルコールの架橋物からなる吸水性樹脂13を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
クエン酸0.0582gを25%グルタルアルデヒド水溶液5.45gに変更した以外は実験例1と同様の手法により、変性ポリビニルアルコールの架橋物からなる吸水性樹脂11を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
実験例12
クエン酸0.0582gを40%グリオキサール水溶液1.98gに変更した以外は実験例1と同様の手法により、変性ポリビニルアルコールの架橋物からなる吸水性樹脂12を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
実験例13
クエン酸0.0582gを酢酸1.64gに変更した以外は実験例1と同様の手法により、変性ポリビニルアルコールの架橋物からなる吸水性樹脂13を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
参考例1〜2
市販のポリアクリル酸ナトリウムゲル、ポリアクリルアミドゲルについて、実験例1〜13と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
市販のポリアクリル酸ナトリウムゲル、ポリアクリルアミドゲルについて、実験例1〜13と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
本発明の吸水性樹脂は、吸水性樹脂は優れた吸水特性に加え分解性を有し、分解物の環境影響性が低いため、農業用保水材や衛生材料として好適に使用できる。
Claims (8)
- 少なくとも一部がグリオキシル酸および/またはグリオキシル酸誘導体によりアセタール化された変性ポリビニルアルコールが、多価カルボン酸により架橋された架橋物を構成成分とする吸水性樹脂。
- 前記多価カルボン酸が、生物体における代謝経路であるクエン酸回路および/またはグリオキシル酸回路を構成する多価カルボン酸から選ばれる、請求項1に記載の吸水性樹脂。
- 前記架橋が、前記変性ポリビニルアルコールが有する水酸基の0.1〜30モル%と多価カルボン酸とのエステル結合により形成されている、請求項1または2に記載の吸水性樹脂。
- 前記多価カルボン酸が、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、アコニット酸、イソクエン酸、α−ケトグルタル酸、フマル酸、オキサロ酢酸から選ばれる、請求項1〜3いずれかに記載の吸水性樹脂。
- 前記多価カルボン酸の酸解離定数pKaが3.0〜7.0の範囲にある、請求項1〜4いずれかに記載の吸水性樹脂。
- 前記多価カルボン酸が、ポリビニルアルコールのアセタール化時には反応触媒として機能し、かつ当該多価カルボン酸がポリビニルアルコールの複数の水酸基との間で脱水縮合架橋することを含む、請求項1〜5いずれかに記載の吸水性樹脂の構成成分である架橋物の製造方法。
- 請求項1〜4いずれかに記載の吸水性樹脂を構成成分とする農業用保水材。
- さらに肥料成分または農薬成分の少なくとも1種以上を含む、請求項7に記載の農業用保水材。
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