JP2018145380A - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
即ち、本発明は以下を要旨とする。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂(A)、ポリエステル系可塑剤(B)及びグリセリン系脂肪酸エステル(C)を含み、グリセリン系脂肪酸エステル(C)が、グリセリン分子中の少なくとも1つの水酸基が、炭素数8〜24の脂肪酸によってエステル化されたものであり、グリセリン系脂肪酸エステル(C)の含有量が塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して2〜14質量部であることを特徴とする。
本発明で用いる塩化ビニル系樹脂(A)(以下「成分(A)」と称す場合がある。)は、塩化ビニルモノマーの単独重合体又は塩化ビニルモノマー及び塩化ビニルモノマーと共重合可能なモノマーとの共重合体であれば、その種類は限定されない。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物において、ポリエステル系可塑剤(B)(以下、「成分(B)」と称す場合がある。)は、油性の汚れ成分に対する防汚性に寄与する成分であり、二塩基酸とグリコール、末端封鎖剤を反応させてなる可塑剤であり、その分子量は600〜8000が好ましい。
上記二塩基酸としては、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、アゼライン酸、コハク酸、グルタル酸等が挙げられ、その1種或いは2種以上の混合物が挙げられるが、中でも、特にアジピン酸が好適である。
グリコールとしては、1,2−プロパンジオール,1,2−ブタンジオール,1,3−ブタンジオール,1,4−ブタンジオール,2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール,2−メチル−1,3−プロパンジオール,3−メチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。
末端封鎖剤としては、2−エチルヘキサノール等の高級アルコールやラウリン酸等の高級脂肪酸等が挙げられる。
本発明で用いるグリセリン系脂肪酸エステル(C)(以下、「成分(C)」と称す場合がある。)は、グリセリン分子中の少なくとも1つの水酸基が、炭素数8〜24の脂肪酸によってエステル化されたものであり、塵埃のような粉状の汚れ成分に対する防汚性に寄与する。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、成分(A)、成分(B)及び成分(C)以外にその他の成分を本発明の目的を損なわない範囲で含有していてもよい。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物に安定剤を配合する場合、安定剤の配合量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して0.1〜30質量部、特に1〜15質量部とすることが好ましい。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物に難燃剤を配合する場合、難燃剤の配合量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して1〜30質量部、特に1〜15質量部とすることが好ましい。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、成分(A)、成分(B)及び成分(C)と、必要に応じて用いられるその他の各種添加剤を所定の混練機又は混合機に投入し、塩化ビニル系樹脂(A)が劣化しない温度範囲、例えば、100〜230℃、好ましくは130〜200℃の温度に加熱しながら、均一に混合又は混練することにより、容易に製造することができる。なお、一部の成分のみ予め混合しておき、その後、その他の成分と混合しても、すべての成分を一括で混合しても、いずれの方法を用いてもよい。上述の配合成分の混合又は混練に用いる混合機又は混練機は、実質的に配合物を均一に混合、混練できる装置であればよく特に限定されるものではない。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物を押出成形等で成形してなる成形品は、建材や産業資材などに好適であり、特に食品や食器を収納する戸棚やキャビネットに使用する防虫パッキンあるいは冷蔵庫ガスケットにおいて、塵埃や液状汚れなどが製品の表面へ付着するのを防止する部材として好適に使用することができる。
以下の実施例及び比較例において塩化ビニル系樹脂組成物の製造に用いた原料は以下の通りである。
A−1:新第一塩ビ社製 塩化ビニル樹脂(平均重合度:3,500)
A−2:信越化学工業社製 塩化ビニル樹脂(平均重合度:2,500)
B−1:ポリエステル可塑剤(ジオール単位として1,2−ブタンジオールと1,4−ブタンジオールを合わせて100モル%、二塩基酸としてアジピン酸を含むポリエステル系可塑剤、分子量1800)
b−1:フタル酸系可塑剤(ジイソノニルフタレート)
C−1:グリセリンステアリン酸モノエステル
C−2:グリセリンステアリン酸トリエステル
花王社製 帯電防止剤「エレクトロストリッパー(登録商標)PC」
重質炭酸カルシウム
表−1に示す配合原料の成分を表−1に記載した配合量で高速ミキサーに投入し、100℃になるまで攪拌して排出した。排出した混合物をミキシングロールにて混練し、シート化したものをプレス成形機にて成形温度180℃、成形圧力200kg/cm2で厚み1mmに成形し、評価用のサンプルとして使用した。
この評価用のサンプルシートについて、以下の評価を行い、結果を表−1に示した。
<プレス後の外観>
得られた評価用のサンプルシートの外観を目視観察し、外観不良の有無を調べた。
評価用のサンプルシートから、鍛造刃を用いて幅15mm、長さ40mmの試験片を打ち抜いた。
表−1に示す評価項目のうち、防汚試験のカレー、ラー油については、プレスシートに滴下し、24時間静置後、食器用洗剤で洗浄し、エタノールで拭き取ったものを、以下の評価基準で目視判定した。
防汚試験の顔料については、評価用のサンプルシートに顔料を置き、1時間後にシートを傾けて顔料を落とした状態で、以下の評価基準で目視判定した。
<評価基準>
○:痕跡は認められない。
△:わずかに痕跡が認められる。
×:明確な痕跡が認められる。
表−1から分かるように、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物に該当する実施例1〜3の塩化ビニル系樹脂組成物は、プレス後の外観に優れ、成形品にグリセリン系脂肪酸エステル(C)が適度にブルームしたことにより、汚れを模擬した調味料や顔料が付着しにくくなっている。特に、グリセリン系脂肪酸エステル(C)としてトリエステルを用いた実施例3よりも、モノエステルを用いた実施例1,2は防汚性に優れる。材料硬度を低下させるために配合しているポリエステル系可塑剤(B)は耐油性が高いため、カレーやラー油などの油性食品との親和性を低減させたことで、これらの汚れに対する防汚性にも優れたものとなる。
比較例1〜4のうち、グリセリン系脂肪酸エステル(C)が2重量部よりも低添加の比較例1や、本発明の成分(B)に該当しない可塑剤を用いた比較例3、一般的な帯電防止剤を使用した比較例4では、防汚性が悪い。
また、グリセリン系脂肪酸エステル(C)が14重量部より多い比較例2の場合は、成形品表面にグリセリン系脂肪酸エステル(C)が過剰にブルームして、膜となって剥がれ、外観を悪くしたと考えられる。
Claims (8)
- 塩化ビニル系樹脂(A)、ポリエステル系可塑剤(B)及びグリセリン系脂肪酸エステル(C)を含み、グリセリン系脂肪酸エステル(C)が、グリセリン分子中の少なくとも1つの水酸基が、炭素数8〜24の脂肪酸によってエステル化されたものであり、グリセリン系脂肪酸エステル(C)の含有量が塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して2〜14質量部である塩化ビニル系樹脂組成物。
- ポリエステル系可塑剤(B)の含有量が塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して10〜100質量部である、請求項1に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
- 塩化ビニル系樹脂(A)、ポリエステル系可塑剤(B)及びグリセリン系脂肪酸エステル(C)を含み、グリセリン系脂肪酸エステル(C)が、グリセリン分子中の1つの水酸基が、炭素数8〜24の脂肪酸によってエステル化されたグリセリン系脂肪酸モノエステル(C1)と、グリセリン分子中の2つの水酸基が、炭素数8〜24の脂肪酸によってエステル化されたグリセリン系脂肪酸ジエステル(C2)の混合品であり、該混合品(C3)の含有量が塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して2〜14質量部である塩化ビニル系樹脂組成物。
- 塩化ビニル系樹脂(A)、ポリエステル系可塑剤(B)及びグリセリン系脂肪酸エステル(C)を含み、グリセリン系脂肪酸エステル(C)が、グリセリン分子中の1つの水酸基が、炭素数8〜24の脂肪酸によってエステル化されたグリセリン系脂肪酸モノエステル(C1)であり、該グリセリン系脂肪酸モノエステルの含有量が塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して2〜14質量部である塩化ビニル系樹脂組成物。
- 塩化ビニル系樹脂(A)が平均重合度1,000〜6,500の塩化ビニル系樹脂である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
- 建材用塩化ビニル系樹脂組成物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の塩化ビニル系樹脂組成物からなる食品又は食器を収納する戸棚又はキャビネット用防虫パッキン。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の塩化ビニル系樹脂組成物からなる冷蔵庫ガスケット部材。
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