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JP2018145068A - 合わせガラス用中間膜、合わせガラス、及び、合わせガラスシステム - Google Patents

合わせガラス用中間膜、合わせガラス、及び、合わせガラスシステム Download PDF

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JP2018145068A JP2017044002A JP2017044002A JP2018145068A JP 2018145068 A JP2018145068 A JP 2018145068A JP 2017044002 A JP2017044002 A JP 2017044002A JP 2017044002 A JP2017044002 A JP 2017044002A JP 2018145068 A JP2018145068 A JP 2018145068A
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聖樹 山本
初 松扉
Hajime Shobi
初 松扉
敦 野原
Atsushi Nohara
敦 野原
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Abstract

【課題】発熱層に電圧を印加することにより発熱して、特にガラスの凍結した側の面を素早く暖めて、霜や氷を溶かすことができ、かつ、高い耐貫通性を発揮することができる合わせガラス用中間膜、該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラス、及び、該合わせガラスシステムを提供する。【解決手段】発熱層と、前記発熱層の両面に積層された第1の樹脂層と第2の樹脂層とを有する合わせガラス用中間膜であって、前記第1の樹脂層の熱容量C1と前記第2の樹脂層の熱容量C2の比C1/C2が1.1以上であり、かつ、前記第1の樹脂層と前記第2の樹脂層との厚みの合計が500μm以上である合わせガラス用中間膜。【選択図】 図1

Description

本発明は、発熱層に電圧を印加することにより発熱して、特にガラスの凍結した側の面を素早く暖めて、霜や氷を溶かすことができ、かつ、高い耐貫通性を発揮することができる合わせガラス用中間膜、該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラス、及び、該合わせガラスシステムに関する。
合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片の飛散量が少なく、安全性に優れている。このため、自動車及び建築物等に広く使用されている。
近年、合わせガラスに求められる性能も多様化し、合わせガラス自体を加熱することにより、凍結した窓ガラスを暖め、霜や氷を溶かす技術が検討されている。
合わせガラス自体を加熱する方法の1つとして、合わせガラスのガラス面に導電膜を形成し、通電時の抵抗に由来する発熱によって合わせガラスを暖める方法が検討されている。このような導電膜を形成した合わせガラスは、例えば、特許文献1等に開示されている。
一方、合わせガラス自体を加熱する方法の1つとして、合わせガラス用中間膜に導電膜からなる発熱層を積層する方法も検討されている。このような合わせガラス用中間膜は、通常、発熱層上にポリビニルアセタール等の熱可塑性樹脂を含有する樹脂層を積層する方法により製造される。
しかしながら、このような発熱可能な合わせガラスを用いて凍結した窓ガラスを暖め、霜や氷を溶かそうとしても、実際には霜や氷が溶けるまでには一定以上の時間を要することから、より短時間で効率よく霜や氷を溶かすことが求められていた。
特開2008−222513号公報
本発明は、上記現状に鑑み、発熱層に電圧を印加することにより発熱して、特にガラスの凍結した側の面を素早く暖めて、霜や氷を溶かすことができ、かつ、高い耐貫通性を発揮することができる合わせガラス用中間膜、該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラス、及び、該合わせガラスシステムを提供することを目的とする。
本発明は、発熱層と、前記発熱層の両面に積層された第1の樹脂層と第2の樹脂層とを有する合わせガラス用中間膜であって、前記第1の樹脂層の熱容量C1と前記第2の樹脂層の熱容量C2の比C1/C2が1.1以上であり、かつ、前記第1の樹脂層と前記第2の樹脂層との厚みの合計が500μm以上である合わせガラス用中間膜である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、発熱層と、発熱層に積層された樹脂層とを有する合わせガラス用中間膜において、厚みを薄くする等の方法により樹脂層の熱容量を小さくすることにより、発熱層からの熱をより早く伝達して、より早くガラスを暖めて、霜や氷を溶かすことができることを見出した。しかしながら、このように樹脂層の厚みを薄くすると、耐貫通性等の合わせガラス用中間膜に求められる基本的な性能を満たすことが困難となる。
本発明者らは、更に鋭意検討の結果、発熱層の両面に第1の樹脂層と第2の樹脂層とを積層し、第1の樹脂層の熱容量C1と第2の樹脂層の熱容量C2の比C1/C2を1.1以上とすることにより、熱容量の小さい第2の樹脂層側において発熱層からの熱をより早く伝達させることができることから、第2の樹脂層側が外側になるように自動車や建築物等に配置すれば、より早くガラスを暖めて、霜や氷を溶かすことができることを見出した。そしてその際に、第1の樹脂層と第2の樹脂層との厚みの合計を一定以上とすることにより、耐貫通性等の合わせガラス用中間膜に求められる基本的な性能を満たすこともできることを見出し、本発明を完成した。
本発明の合わせガラス用中間膜は、発熱層と上記発熱層の両面に積層された第1の樹脂層と第2の樹脂層とを有する。
上記発熱層は、電圧を印加することにより発熱して、凍結したガラスを暖め、霜や氷を溶かす役割を有する。
上記発熱層は、表面抵抗率が10Ω/□以下であることが好ましい。表面抵抗率が10Ω/□以下である発熱層は、電圧を印加することにより充分に発熱して、凍結したガラスを暖め、霜や氷を溶かすことができる。より好ましくは5Ω/□以下、更に好ましくは3.3Ω/□以下、特に好ましくは、2Ω/□以下である。
上記発熱層は、金、銀、銅、白金等の電気抵抗率が低い金属からなる単層又は複層からなることが好ましい。これらの電気抵抗率が低い金属を含むことにより、電圧を印加したときに充分な発熱を得ることができる。
本明細書において電気抵抗率が低い金属とは、電気抵抗率が1×10−6Ωm以下である金属又は合金を意味する。ここで、電気抵抗率が1×10−7Ωm以上、1×10−6Ωm未満の金属又は合金としては、例えば、白金、鉄、スズ、クロム、鉛、チタン、水銀、ステンレス等が挙げられる。また、電気抵抗率が1×10−7Ωm未満の金属又は合金としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、カリウム、リチウム、黄銅等が挙げられる。
上記発熱層の厚さは特に限定されないが、15nm以上であることが好ましい。上記発熱層の厚さを15nm以上とすることにより、発熱層に電圧を印加することにより充分に発熱して、凍結したガラスを暖め、霜や氷を溶かすことができる。上記発熱層の厚さは20nm以上であることが好ましく、25nm以上であることがより好ましい。
上記発熱層の厚さの上限は特に限定されないが、実質的には1000nm程度が上限である。
上記発熱層は、少なくとも一方の表面に透明導電層や、金属酸化物層が積層されていてもよい。これらの透明導電層や、金属酸化物層を用いることにより、得られる合わせガラス用中間膜及び合わせガラスの透明性を高めることができる。
上記透明導電層としては、例えば、透明性と、電気抵抗率の低さから、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)等からなるものが好ましい。
上記金属酸化物層としては、例えば、酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化ケイ素(SiO)等のからなるものが挙げられる。
これらの透明導電層や金属酸化物層は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、ITOやATOからなる透明導電層や、酸化チタン、酸化ニオブからなる群より選択される少なくとも1種からなる金属酸化物層が好適である。
上記透明導電層や金属酸化物層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は20nm、好ましい上限は300nmである。上記透明導電層や金属酸化物層の厚みのより好ましい下限は25nm、より好ましい上限は100nmである。
なお、銀を含有する発熱層に上記金属酸化物層を組み合わせる場合、発熱層上にスパッタ法等の方法により金属酸化物層を形成しようとすると、発熱層の表面の銀の一部が酸化されて、透明性が低い酸化銀からなる層が生成してしまうことがある。そのような場合には、発熱層と金属酸化物層の間に、金属酸化物の酸素欠損物を含有する酸素欠損金属酸化物層を設けることが好ましい。このような酸素欠損金属酸化物層を設けることにより、発熱層表面の酸化を防止して、より高い透明性を発揮させることができる。
上記酸素欠損金属酸化物層は、例えば、スパッタ法により金属酸化物層を形成させる際に、理論的により金属酸化物層を形成させるよりも酸素が少ない条件下でスパッタを行うことにより形成することができる。
上記発熱層は、基材上に形成されていてもよい。基材上に上記発熱層を形成する場合には、スパッタプロセス等により均一な発熱層を形成することができる。
上記基材は、JIS C2151に準拠して測定される150℃、30分間熱処理後の熱収縮率がMD、TD方向共に1.0〜3.5%であることが好ましい。このような熱収縮率を有する基材を用いることにより、スパッタプロセス等により均一な発熱層を形成できるとともに、合わせガラス製造時に熱収縮率の相違により発熱層と第1の表面とにズレが生じるのを防止して、上記発熱層と第1の樹脂層との接着性を向上させることができる。上記熱収縮率のより好ましい下限は1.5%、より好ましい上限は3.0%である。
なお、本明細書においてMD方向(Machine Direction)とは、基材をシート状に押出加工する際の押出方向をいい、TD方向(Transverse Direction)とはMD方向に対して垂直方向をいう。
上記基材は、ヤング率が1GPa以上であることが好ましい。ヤング率が1GPa以上の基材を用いることにより、上記第1の樹脂層又は第2の樹脂層との接着性をより向上させることができる。上記基材のヤング率は、1.5GPa以上であることがより好ましく、2GPa以上であることが更に好ましい。上記基材のヤング率の好ましい上限は10GPaである。
なお、ヤング率は、JIS K7127に準拠した引っ張り試験によって、23℃で、歪み−応力曲線を得、該歪み−応力曲線の直線部分の傾きにより示される。
なお、後述する第1の樹脂層や第2の樹脂層のヤング率は、一般に1GPa未満であることが好ましい。
上記基材は、熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。上記基材に含まれる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリアセタール等の鎖状ポリオレフィンや、ノルボルネン類の開環メタセシス重合体又は付加重合体、ノルボルネン類と他のオレフィン類との付加共重合体などの脂環族ポリオレフィンや、ポリ乳酸、ポリブチルサクシネート等の生分解性ポリマーや、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66等のポリアミドや、アラミドや、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン共重合ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステルや、ポリエーテルサルフォンや、ポリエーテルエーテルケトンや、変性ポリフェニレンエーテルや、ポリフェニレンサルファイドや、ポリエーテルイミドや、ポリイミドや、ポリアリレートや、4フッ化エチレン樹脂や、3フッ化エチレン樹脂や、3フッ化塩化エチレン樹脂や、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体や、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂を単独、又は、2種以上を併用して、上記熱収縮率やヤング率が所期の範囲内となるように調整する。
上記基材は、必要に応じて、紫外線遮蔽剤や酸化防止剤等の従来公知の添加剤を含有してもよい。
上記紫外線遮蔽剤としては、例えば、金属を含む紫外線遮蔽剤、金属酸化物を含む紫外線遮蔽剤、ベンゾトリアゾール構造を有する紫外線遮蔽剤、ベンゾフェノン構造を有する紫外線遮蔽剤、トリアジン構造を有する紫外線遮蔽剤、マロン酸エステル構造を有する紫外線遮蔽剤、シュウ酸アニリド構造を有する紫外線遮蔽剤、ベンゾエート構造を有する紫外線遮蔽剤等の従来公知の紫外線遮蔽剤を用いることができる。
上記酸化防止剤としては、例えば、フェノール構造を有する酸化防止剤、硫黄を含む酸化防止剤、リンを含む酸化防止剤等の従来公知の酸化防止剤を用いることができる。
上記基材の厚みは特に限定されず、好ましい下限は10μm、好ましい上限は200μmである。上記基材の厚みがこの範囲内であると、スパッタプロセス等を用いて均一な発熱層を形成することができ、かつ、合わせガラス製造時に発熱層と第1の樹脂層又は第2の樹脂層の表面とにズレが生じるのを防止して、上記発熱層と第1の樹脂層又は第2の樹脂層との接着性をより向上させることができる。上記基材の厚みのより好ましい下限は20μm、より好ましい上限は150μmである。
上記基材上に発熱層を形成する方法は特に限定されず、例えば、スパッタプロセス、イオンプレーティング、プラズマCVDプロセス、蒸着プロセス、塗布プロセス、ディッププロセス等の従来公知の方法を用いることができる。なかでも、均一な発熱層を形成できることから、スパッタプロセスが好適である。
上記発熱層が基材上に形成される場合、該基材が直接接する上記第1の樹脂層又は第2の樹脂層のJIS C2151に準拠して測定される150℃、30分間熱処理後の熱収縮率と、上記基材のJIS C2151に準拠して測定される150℃、30分間熱処理後の熱収縮率との差の絶対値がMD、TD方向共に10%以下であることが好ましい。直接接する樹脂層と基材との熱収縮率の差の絶対値を10%以下とすることにより、合わせガラス製造時に樹脂層と発熱層との間にズレが生じるのを防止し、上記発熱層と樹脂層との接着性をより向上させることができる。上記樹脂層と上記基材との熱収縮率の差の絶対値は8%以下であることがより好ましい。
なお、上記第1の樹脂層又は第2の樹脂層の熱収縮率は、樹脂層を構成する熱可塑性樹脂の種類、可塑剤の種類や配合量のほか、アニール処理の条件によっても調整することができる。
本発明の合わせガラス用中間膜は、上記発熱層の両面に積層された第1の樹脂層と第2の樹脂層とを有する。ここで上記第1の樹脂層の熱容量C1と上記第2の樹脂層の熱容量C2の比C1/C2が1.1以上である。このように第1の樹脂層と第2の樹脂層の熱容量に差を設けることにより、熱容量の小さい第2の樹脂層側において発熱層からの熱をより早く伝達させることができる。これにより、第2の樹脂層側が外側になるように自動車や建築物等に配置すれば、より早くガラスを暖めて、霜や氷を溶かすことができる。或いは、第2の樹脂層側が内側になるように自動車や建築物等に配置すれば、より早くガラスの曇りを落とすこともできる。上記比C1/C2は1.3以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましい。
上記比C1/C2の上限は特に限定されないが、実質的には20程度が上限である。
樹脂層の熱容量は、樹脂層の質量と比熱の積により求められる。従って、樹脂層の質量(実質的には樹脂層の厚み)を調整したり、樹脂層に用いる樹脂の種類や、樹脂層に配合する添加物の種類や量を調整したりすることにより、樹脂層の熱容量を調整することができる。即ち、上記第1の樹脂層と第2の樹脂層の厚みや、樹脂の種類、添加物の種類や量を調整することにより、上記比C1/C2を1.1以上に調整することができる。特に後述の熱線吸収剤を樹脂層に添加することで、熱容量を容易に下げることができる。
なお、樹脂層の比熱は、例えば、示差走査熱量測定(DSC)を用いて、以下の条件に従って測定することが好ましい。即ち、示差走査熱量計(例えば、NETZSCH社製、「DSC 3500 Sirius」等)を用いて、温度範囲−40℃から100℃、冷却・昇温速度10℃/分、不活性雰囲気化において、基準物質としてサファイアを用いて測定を行ったときの、20℃における値を比熱として採用する。
上記第1の樹脂層及び第2の樹脂層は、熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリ三フッ化エチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセタール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリオキシメチレン(又は、ポリアセタール)樹脂、アセトアセタール樹脂、ポリビニルベンジルアセタール樹脂、ポリビニルクミンアセタール樹脂等が挙げられる。なかでも、上記樹脂層はポリビニルアセタール、又は、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有することが好ましく、ポリビニルアセタールを含有することがより好ましい。
上記ポリビニルアセタールは、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化して得られるポリビニルアセタールであれば特に限定されないが、ポリビニルブチラールが好適である。また、必要に応じて2種以上のポリビニルアセタールを併用してもよい。
上記ポリビニルアセタールのアセタール化度の好ましい下限は40モル%、好ましい上限は85モル%であり、より好ましい下限は60モル%、より好ましい上限は75モル%である。
上記ポリビニルアセタールは、水酸基量の好ましい下限が15モル%、好ましい上限が40モル%である。水酸基量が15モル%以上であると、合わせガラス用中間膜とガラスとの接着性が高くなる。水酸基量が40モル%以下であると、合わせガラス用中間膜の取り扱いが容易になる。
なお、上記アセタール化度及び水酸基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
上記ポリビニルアセタールは、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化することにより調製することができる。
上記ポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルを鹸化することにより得られ、鹸化度70〜99.9モル%のポリビニルアルコールが一般的に用いられる。上記ポリビニルアルコールの鹸化度は、80〜99.9モル%であることが好ましい。
上記ポリビニルアルコールの重合度の好ましい下限は500、好ましい上限は4000である。上記ポリビニルアルコールの重合度が500以上であると、得られる合わせガラスの耐貫通性が高くなる。上記ポリビニルアルコールの重合度が4000以下であると、合わせガラス用中間膜の成形が容易になる。上記ポリビニルアルコールの重合度のより好ましい下限は1000、より好ましい上限は3600である。
上記アルデヒドは特に限定されないが、一般には、炭素数が1〜10のアルデヒドが好適に用いられる。上記炭素数が1〜10のアルデヒドは特に限定されず、例えば、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、ポリビニルベンジルアルデヒド、ポリビニルクミンアルデヒド等が挙げられる。なかでも、n−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−バレルアルデヒドが好ましく、n−ブチルアルデヒドがより好ましい。これらのアルデヒドは単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記第1の樹脂層及び第2の樹脂層は、可塑剤を含有することが好ましい。上記可塑剤は特に限定されず、例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機エステル可塑剤、有機リン酸可塑剤、有機亜リン酸可塑剤等のリン酸可塑剤等が挙げられる。上記可塑剤は液状可塑剤であることが好ましい。
上記一塩基性有機酸エステルは特に限定されないが、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコールと、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)、デシル酸等の一塩基性有機酸との反応によって得られたグリコールエステル等が挙げられる。なかでも、トリエチレングリコールジカプロン酸エステル、トリエチレングリコールジ−2−エチル酪酸エステル、トリエチレングリコールジ−n−オクチル酸エステル、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキシル酸エステル等が好適である。
上記多塩基性有機酸エステルは特に限定されないが、例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとのエステル化合物が挙げられる。なかでも、ジブチルセバシン酸エステル、ジオクチルアゼライン酸エステル、ジブチルカルビトールアジピン酸エステル等が好適である。
上記有機エステル可塑剤は特に限定されず、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクタノエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペンタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリエート、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ヘプチルノニル、セバシン酸ジブチル、油変性セバシン酸アルキド、リン酸エステルとアジピン酸エステルとの混合物、アジピン酸エステル、炭素数4〜9のアルキルアルコール及び炭素数4〜9の環状アルコールから作製された混合型アジピン酸エステル、アジピン酸ヘキシル等の炭素数6〜8のアジピン酸エステル等が挙げられる。
上記有機リン酸可塑剤は特に限定されず、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
更に、上記可塑剤として、加水分解を起こしにくいため、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、ジヘキシルアジペート(DHA)を含有することが好ましく、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)を含有することがより好ましく、特にトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートを含有することがより好ましい。
上記第1の樹脂層及び第2の樹脂層における上記可塑剤の含有量は特に限定されないが、上記ポリビニルアセタール100重量部に対する好ましい下限が30重量部、好ましい上限が90重量部である。上記可塑剤の含有量が30重量部以上であると、合わせガラス用中間膜の溶融粘度が低くなり、これを合わせガラス用中間膜として合わせガラスを製造する際の脱気性が高くなる。上記可塑剤の含有量が90重量部以下であると、合わせガラス用中間膜の透明性が高くなる。上記可塑剤の含有量のより好ましい下限は35重量部、より好ましい上限は70重量部、更に好ましい上限は63重量部である。
なお、上記可塑剤の含有量を55重量部以上にすると、該樹脂層に優れた遮音性を付与することができる。
上記可塑剤の含有量は、第1の樹脂層と第2の樹脂層で同じであってもよく、異なっていてもよい。
上記第1の樹脂層及び第2の樹脂層は、接着力調整剤を含有することが好ましい。接着力調整剤を含有することにより、ガラスに対する接着力を調整して、耐貫通性に優れる合わせガラスを得ることができる。
上記接着力調整剤としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びマグネシウム塩からなる群より選択される少なくとも1種が好適に用いられる。上記接着力調整剤として、例えば、カリウム、ナトリウム、マグネシウム等の塩が挙げられる。
上記塩を構成する酸としては、例えば、オクチル酸、ヘキシル酸、2−エチル酪酸、酪酸、酢酸、蟻酸等のカルボン酸の有機酸、又は、塩酸、硝酸等の無機酸が挙げられる。
本発明の合わせガラス用中間膜に遮熱性が要求される場合には、上記第1の樹脂層及び/又は第2の樹脂層は、熱線吸収剤を含有してもよい。
上記熱線吸収剤は、赤外線を遮蔽する性能を有すれば特に限定されないが、スズドープ酸化インジウム(ITO)粒子、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)粒子、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)粒子、インジウムドープ酸化亜鉛(IZO)粒子、スズドープ酸化亜鉛粒子、珪素ドープ酸化亜鉛粒子、セシウムドープ酸化タングステン(CWO)粒子、6ホウ化ランタン粒子及び6ホウ化セリウム粒子からなる群より選択される少なくとも1種が好適である。
上記第1の樹脂層若しくは上記第2の樹脂層、又は、その両方に熱線吸収剤を含有させることで、上記比C1/C2を容易に調整することができる。とりわけ、上記比C1/C2を1.1以上に調整するためには、上記第1の樹脂層には熱性吸収剤を含有させないか、又は、ごく少量のみ含有させる一方、上記第2の樹脂層に熱性吸収剤を含有させることが好ましい。
上記比C1/C2を1.1以上に調整し、かつ、合わせガラスの遮熱性を向上させるために、上記第2の樹脂層に含まれる熱線吸収剤の含有量は熱可塑性樹脂100重量部に対して0.05重量部以上であることが好ましく、0.1重量部以上であることがより好ましく、0.5重量部以上であることが更に好ましく、0.8重量部以上であることが特に好ましい。得られる合わせガラスの透明性が向上することから、上記第2の樹脂層に含まれる熱線吸収剤の含有量は熱可塑性樹脂100重量部に対して、5重量部以下であることが好ましく、1重量部以下であることがより好ましい。
上記比C1/C2を1.1以上に調整するためには、上記第2の樹脂層に含まれる熱可塑性樹脂100重量部に対する熱線吸収剤の含有量は、上記第1の樹脂層に含まれる熱可塑性樹脂100重量部に対する熱線吸収剤の含有量よりも0.05重量部以上多いことが好ましく、0.1重量部以上多いことがより好ましく、0.8重量部以上多いことが更に好ましい。
上記第1の樹脂層及び第2の樹脂層は、必要に応じて、紫外線遮蔽剤、酸化防止剤、光安定剤、接着力調整剤として変性シリコーンオイル、難燃剤、帯電防止剤、耐湿剤、熱線反射剤、熱線吸収剤、アンチブロッキング剤、顔料又は染料からなる着色剤等の従来公知の添加剤を含有してもよい。
上記第1の樹脂層と上記第2の樹脂層の厚みの合計は500μm以上である。上記第1の樹脂層と上記第2の樹脂層の厚みの合計を500μm以上とすることにより、耐貫通性等の合わせガラス用中間膜に求められる基本的な性能を満たすことができる。上記第1の樹脂層と上記第2の樹脂層の厚みの合計は、600μm以上であることが好ましく、760μm以上であることがより好ましい。
上記第1の樹脂層と上記第2の樹脂層の厚みの合計は、1500μm以下であることが好ましく、1200μm以下であることがより好ましい。
上記第1の樹脂層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は300μm、好ましい上限は1000μmである。上記第1の樹脂層の厚さがこの範囲内であると、充分な耐久性が得られ、また、得られる合わせガラスの透明性、対貫通性等の基本品質が満たされる。上記第1の樹脂層の厚さのより好ましい下限は380μm、より好ましい上限は760μmである。
上記第2の樹脂層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は100μm、好ましい上限は500μmである。上記第2の樹脂層の厚さがこの範囲内であると、第2の樹脂層側が外側になるように自動車や建築物等に配置することにより、より早くガラスを暖めて、霜や氷を溶かすことができ、かつ、得られる合わせガラスの透明性、対貫通性等の基本品質が満たされる。上記第2の樹脂層の厚さのより好ましい下限は200μm、より好ましい上限は380μmである。
上記比C1/C2を1.1以上に調整するためには、上記第1の樹脂層の厚みは上記第2の樹脂層の厚みより100μm以上厚いことが好ましく、200μm以上厚いことがより好ましく、500μm以上厚いことが更に好ましい。
図1に、本発明の合わせガラス用中間膜の厚み方向の断面の一例を示す模式図を示した。
図1において、合わせガラス用中間膜1は、基材3上に形成された発熱層2と、上記発熱層2の一方の表面側に積層された第1の樹脂層4と、上記発熱層2の他方の表面側に積層された第2の樹脂層5からなる。
なお、図1のように発熱層2が、基材3上に形成されている場合、実際に第2の樹脂層5が接しているのは基材3であるが、このような場合も、発熱層の両面に第1の樹脂層と第2の樹脂層とを有しているものと見なす。
本発明の合わせガラス用中間膜は、断面形状が楔形であってもよい。合わせガラス用中間膜の断面形状が楔形であれば、合わせガラスの取り付け角度に応じて、楔形の楔角θを調整することにより、運転者が視線を下げることなく前方視野と計器表示とを同時に視認することができるヘッドアップディスプレイに用いたときに二重像やゴースト像の発生を防止することができる。二重像をより一層抑制する観点から、上記楔角θの好ましい下限は0.1mrad、より好ましい下限は0.2mrad、更に好ましい下限は0.3mradであり、好ましい上限は1mrad、より好ましい上限は0.9mradである。
なお、例えば押出機を用いて樹脂組成物を押出し成形する方法により断面形状が楔形の合わせガラス用中間膜を製造した場合、薄い側の一方の端部からわずかに内側の領域(具体的には、一端と他端との間の距離をXとしたときに、薄い側の一端から内側に向かって0X〜0.2Xの距離の領域)に最小厚みを有し、厚い側の一方の端部からわずかに内側の領域(具体的には、一端と他端との間の距離をXとしたときに、厚い側の一端から内側に向かって0X〜0.2Xの距離の領域)に最大厚みを有する形状となることがある。本明細書においては、このような形状も楔形に含まれる。なお、上記合わせガラス用中間膜の一端と他端との距離Xは、好ましくは3m以下、より好ましくは2m以下、特に好ましくは1.5m以下であり、好ましくは0.5m以上、より好ましくは0.8m以上、特に好ましくは1m以上である。
本発明の合わせガラス用中間膜の断面形状が楔形である場合、例えば、上記発熱層の厚みを一定範囲とする一方、上記第1の樹脂層及び/又は第2の樹脂層の形状を調整することにより、合わせガラス用中間膜全体としての断面形状が一定の楔角である楔形となるように調整することができる。
本発明の合わせガラス用中間膜を製造する方法は特に限定されないが、上記第1の樹脂層、上記発熱層、及び、第2の樹脂層をこの順に積層した積層体を熱圧着する方法が好適である。なかでも、各々の層を巻回したロール状体から巻き出して積層し、得られた積層体を加熱されたプレスロール間を通して熱圧着して合わせガラス用中間膜を得た後、得られた合わせガラス用中間膜をロール状に巻き取る、いわゆるロールツーロール方式が好適である。
本発明の合わせガラス用中間膜が、一対のガラス板の間に積層されている合わせガラスもまた、本発明の1つである。
上記ガラス板は、一般に使用されている透明板ガラスを使用することができる。例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入りガラス、線入り板ガラス、着色された板ガラス、熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス、グリーンガラス等の無機ガラスが挙げられる。また、ガラスの表面に紫外線遮蔽コート層を有する紫外線遮蔽ガラスも用いることができる。更に、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアクリレート等の有機プラスチックス板を用いることもできる。
上記ガラス板として、2種類以上のガラス板を用いてもよい。例えば、透明フロート板ガラスと、グリーンガラスのような着色されたガラス板との間に、本発明の合わせガラス用中間膜を積層した合わせガラスが挙げられる。また、上記ガラス板として、2種以上の厚さの異なるガラス板を用いてもよい。
本発明の合わせガラスの製造方法としては特に限定されず、従来公知の製造方法を用いることができる。
本発明の合わせガラスと、該合わせガラス中の合わせガラス用中間膜の発熱層に電圧を印加するための電圧供給部とを備える合わせガラスシステムもまた、本発明の1つである。
本発明によれば、発熱層に電圧を印加することにより発熱して、特にガラスの凍結した側の面を素早く暖めて、霜や氷を溶かすことができ、かつ、高い耐貫通性を発揮することができる合わせガラス用中間膜、該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラス、及び、該合わせガラスシステムを提供することができる。
本発明の合わせガラス用中間膜の厚み方向の断面の一例を示す模式図である。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
(1)発熱層の調製
基材としてポリエチレンテレフタレート(PET)からなる厚み50μmのフィルムを用いた。上記基材に、ターゲットを銀とし、スパッタリングを行った。スパッタパワーは直流(DC)1000W、雰囲気ガスはアルゴンでガス流量は50sccm、スパッタ時圧力は0.5Paとし、銀からなる厚み25nmの発熱層を形成した。
得られた発熱層の表面抵抗率は、3.3Ω/□であった。
(2)第1の樹脂層の調製
ポリビニルブチラール(水酸基の含有率30モル%、アセチル化度1モル%、ブチラール化度69モル%、平均重合度1700)100重量部に対し、可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)36重量部と、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製「Tinuvin326」)0.5重量部と、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)0.5重量部とを添加し、ミキシングロールで充分に混練し、組成物を得た。得られた組成物を押出機により押出して、ポリビニルブチラール(PVB1)からなる厚み300μmの単層の樹脂膜を得た。
得られた樹脂膜について、縦100mm、横100mmの大きさに切断して重量を測定したところ3.1gであった。また、得られた樹脂膜について、示差走査熱量測定(DSC)により比熱を測定したところ、1.80J/g・Kであった。よって、この樹脂膜の熱容量は5.6J/Kと算出された。
(3)第2の樹脂層の調製
ポリビニルブチラール(水酸基の含有率30モル%、アセチル化度1モル%、ブチラール化度69モル%、平均重合度1700)100重量部に対し、可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)36重量部と、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製「Tinuvin326」)0.5重量部と、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)0.5重量部とを添加し、ミキシングロールで充分に混練し、組成物を得た。得られた組成物を押出機により押出して、ポリビニルブチラール(PVB1)からなる厚み200μmの単層の樹脂膜を得た。
得られた樹脂膜について、縦100mm、横100mmの大きさに切断して重量を測定したところ2.1gであった。また、得られた樹脂膜について、示差走査熱量測定(DSC)により比熱を測定したところ、1.80J/g・Kであった。よって、この樹脂膜の熱容量は3.7J/Kと算出された。
(4)合わせガラス用中間膜及び合わせガラスの製造
得られた第1の樹脂層と第2の樹脂層の間に発熱層を形成した基材を挟み込み、熱圧着することにより第1の樹脂層/発熱層/基材/第2の樹脂層の積層構造の合わせガラス用中間膜を製造した。熱圧着は、熱圧着ラミネーター(エム・シー・ケー社製「MRK−650Y型」)を用いて、加熱温度75℃、圧着時の圧力1.0kN、搬送時の張力20Nの条件で、ロールツーロール方式により行った。熱圧着には上下のロールがともにゴムからなるラミネートロールを用いた。
得られた合わせガラス用中間膜を縦320mm×横300mmの大きさに切り出し、2枚の透明なフロートガラス(縦300mm×横300mm×厚さ2.5mm)で挟み込んで、積層体を得た。その際、合わせガラス用中間膜がフロートガラス端部より縦10mmずつはみ出るようにした。ガラスからはみ出た合わせガラス用中間膜の第1の樹脂層を切り取り、発熱層を露出させた。露出させた発熱層と銅箔テープの銅箔とが接するように、片面銅箔テープ(STS−CU42S(積水テクノ商事西日本社製))を電極として取り付け、耐熱テープ(ニフトロン973UL−S(日東電工社製))を用いて仮止めした。230℃の加熱ロールを用いて、得られた積層体を仮圧着した。その後、加熱ロール法により、オートクレーブを用いて、135℃、圧力1.2MPaの条件で、仮圧着された積層体を20分間圧着し、合わせガラスを製造した。その後、耐熱テープを取り外し、片面銅箔テープの上からターンクリップを取り付けることで銅箔テープを固定した。
(実施例2、3、比較例1、3)
第1の樹脂層及び第2の樹脂層の厚さを表1に示したようにした以外は実施例1と同様の方法により合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを製造した。
(実施例4)
(1)発熱層の調製
基材としてポリエチレンテレフタレート(PET)からなる厚み50μmのフィルムを用いた。上記基材に、ターゲットを銀とし、スパッタリングを行った。スパッタパワーは直流(DC)1000W、雰囲気ガスはアルゴンでガス流量は50sccm、スパッタ時圧力は0.5Paとし、銀からなる厚み25nmの発熱層を形成した。
得られた発熱層の表面抵抗率は、3.3Ω/□であった。
(2)第1の樹脂層の調製
ポリビニルブチラール(水酸基の含有率30モル%、アセチル化度1モル%、ブチラール化度69モル%、平均重合度1700)100重量部に対し、可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)36重量部と、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製「Tinuvin326」)0.5重量部と、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)0.5重量部とを添加し、ミキシングロールで充分に混練し、組成物を得た。得られた組成物を押出機により押出して、ポリビニルブチラール(PVB1)からなる厚み380μmの単層の樹脂膜を得た。
得られた樹脂膜について、縦100mm、横100mmの大きさに切断して重量を測定したところ4.0gであった。また、得られた樹脂膜について、示差走査熱量測定(DSC)により比熱を測定したところ、1.80J/g・Kであった。よって、この樹脂膜の熱容量は7.1J/Kと算出された。
(3)第2の樹脂層の調製
ポリビニルブチラール(水酸基の含有率30モル%、アセチル化度1モル%、ブチラール化度69モル%、平均重合度1700)100重量部に対し、可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)36重量部と、スズドープ酸化インジウム(ITO)粒子0.8重量部と、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製「Tinuvin326」)0.5重量部と、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)0.5重量部とを添加し、ミキシングロールで充分に混練し、組成物を得た。得られた組成物を押出機により押出して、ITOを含有するポリビニルブチラール(SCH)からなる厚み380μmの単層の樹脂膜を得た。
得られた樹脂膜について、縦100mm、横100mmの大きさに切断して重量を測定したところ4.0gであった。また、得られた樹脂膜について、示差走査熱量測定(DSC)により比熱を測定したところ、1.59J/g・Kであった。よって、この樹脂膜の熱容量は6.3J/Kと算出された。
(4)合わせガラス用中間膜及び合わせガラスの製造
得られた第1の樹脂層と第2の樹脂層の間に発熱層を形成した基材を挟み込み、熱圧着することにより第1の樹脂層/発熱層/基材/第2の樹脂層の積層構造の合わせガラス用中間膜を製造した。熱圧着は、熱圧着ラミネーター(エム・シー・ケー社製「MRK−650Y型」)を用いて、加熱温度75℃、圧着時の圧力1.0kN、搬送時の張力20Nの条件で、ロールツーロール方式により行った。熱圧着には上下のロールがともにゴムからなるラミネートロールを用いた。
得られた合わせガラス用中間膜を縦320mm×横300mmの大きさに切り出し、2枚の透明なフロートガラス(縦300mm×横300mm×厚さ2.5mm)で挟み込んで、積層体を得た。その際、合わせガラス用中間膜がフロートガラス端部より縦10mmずつはみ出るようにした。ガラスからはみ出た合わせガラス用中間膜の第1の樹脂層を切り取り、発熱層を露出させた。露出させた発熱層と銅箔テープの銅箔とが接するように、片面銅箔テープ(STS−CU42S(積水テクノ商事西日本社製))を電極として取り付け、耐熱テープ(ニフトロン973UL−S(日東電工社製))を用いて仮止めした。230℃の加熱ロールを用いて、得られた積層体を仮圧着した。その後、加熱ロール法により、オートクレーブを用いて、135℃、圧力1.2MPaの条件で、仮圧着された積層体を20分間圧着し、合わせガラスを製造した。その後、耐熱テープを取り外し、片面銅箔テープの上からターンクリップを取り付けることで銅箔テープを固定した。
(比較例2)
スズドープ酸化インジウム(ITO)粒子の配合量を0.15重量部として、ITOを含有するポリビニルブチラール(SCL)からなる厚み380μmの第2の樹脂層を調製し、これを用いた以外は実施例4と同様にして合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを製造した。
(実施例5)
(1)発熱層の調製
基材としてポリエチレンテレフタレート(PET)からなる厚み50μmのフィルムを用いた。上記基材に、ターゲットを銀とし、スパッタリングを行った。スパッタパワーは直流(DC)1000W、雰囲気ガスはアルゴンでガス流量は50sccm、スパッタ時圧力は0.5Paとし、銀からなる厚み25nmの発熱層を形成した。
得られた発熱層の表面抵抗率は、3.3Ω/□であった。
(2)第1の樹脂層の調製
ポリビニルブチラール(水酸基の含有率30モル%、アセチル化度1モル%、ブチラール化度69モル%、平均重合度1700)100重量部に対し、可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)36重量部と、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製「Tinuvin326」)0.5重量部と、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)0.5重量部とを添加し、ミキシングロールで充分に混練し、組成物を得た。得られた組成物を押出機により押出して、ポリビニルブチラール(PVB1)からなる厚み380μmの単層の樹脂膜を得た。
得られた樹脂膜について、縦100mm、横100mmの大きさに切断して重量を測定したところ4.0gであった。また、得られた樹脂膜について、示差走査熱量測定(DSC)により比熱を測定したところ、1.80J/g・Kであった。よって、この樹脂膜の熱容量は7.1J/Kと算出された。
(3)第2の樹脂層の調製
ポリビニルブチラール(水酸基の含有率30モル%、アセチル化度1モル%、ブチラール化度69モル%、平均重合度1700)100重量部に対し、可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)36重量部と、カーボンブラック0.05重量部と、紫外線遮蔽剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製「Tinuvin326」)0.5重量部と、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)0.5重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練し、組成物を得た。得られた組成物を押出機により押出して、カーボンブラックを含有するポリビニルブチラール(DG7018)からなる厚み380μmの単層の樹脂膜を得た。
得られた樹脂膜について、縦100mm、横100mmの大きさに切断して重量を測定したところ4.0gであった。また、得られた樹脂膜について、示差走査熱量測定(DSC)により比熱を測定したところ、1.63J/g・Kであった。よって、この樹脂膜の熱容量は6.4J/Kと算出された。
(4)合わせガラス用中間膜及び合わせガラスの製造
得られた第1の樹脂層と第2の樹脂層の間に発熱層を形成した基材を挟み込み、熱圧着することにより第1の樹脂層/発熱層/基材/第2の樹脂層の積層構造の合わせガラス用中間膜を製造した。熱圧着は、熱圧着ラミネーター(エム・シー・ケー社製「MRK−650Y型」)を用いて、加熱温度75℃、圧着時の圧力1.0kN、搬送時の張力20Nの条件で、ロールツーロール方式により行った。熱圧着には上下のロールがともにゴムからなるラミネートロールを用いた。
得られた合わせガラス用中間膜を縦320mm×横300mmの大きさに切り出し、2枚の透明なフロートガラス(縦300mm×横300mm×厚さ2.5mm)で挟み込んで、積層体を得た。その際、合わせガラス用中間膜がフロートガラス端部より縦10mmずつはみ出るようにした。ガラスからはみ出た合わせガラス用中間膜の第1の樹脂層を切り取り、発熱層を露出させた。露出させた発熱層と銅箔テープの銅箔とが接するように、片面銅箔テープ(STS−CU42S(積水テクノ商事西日本社製))を電極として取り付け、耐熱テープ(ニフトロン973UL−S(日東電工社製))を用いて仮止めした。230℃の加熱ロールを用いて、得られた積層体を仮圧着した。その後、加熱ロール法により、オートクレーブを用いて、135℃、圧力1.2MPaの条件で、仮圧着された積層体を20分間圧着し、合わせガラスを製造した。その後、耐熱テープを取り外し、片面銅箔テープの上からターンクリップを取り付けることで銅箔テープを固定した。
(評価)
実施例及び比較例で得た合わせガラスについて、以下の方法により評価を行った。
結果を表1に示した。
(1)発熱偏向性の評価
低温恒温機(エスペック社製、「PU−2J」)を−18℃±2℃に保ち、電極にワニ口ケーブルを取り付けた合わせガラスを低温恒温機内に置き、第1の樹脂層側のガラス表面と第2の樹脂層側のガラス表面の中心部に熱電対を粘着テープで取り付け、12時間状態調節した。データロガー(キーエンス社製、「NR−1000」)を用いてガラス表面温度を記録した。
ワニ口ケーブルと直流電源装置PWR800L(KIKUSUI社製)とを接続し、14Vの電圧を印加し第1の樹脂層側のガラス表面が0℃に達するまでに要する時間t1と、第2の樹脂層側のガラス表面が0℃に達するまでに要する時間t2とを測定し、t1とt2との差の絶対値をもとに以下の基準により発熱偏向性を評価した。
○:t1とt2との差の絶対値が90秒以上
△:t1とt2との差の絶対値が30秒以上、90秒未満
×:t1とt2との差の絶対値が30秒未満
(2)耐貫通性の評価
得られた合わせガラスを6枚用意し、23℃±2℃に設定した低温恒温機(エスペック社製、「PU−2J」)内で4時間状態調節を行い、JIS R 3212に記載の支持枠に固定したのち、3.0mの高さから合わせガラスの中央に2260g±20g、直径82mmの表面が滑らかな鋼球を合わせガラスの中心部分に落下させた。6枚の合わせガラス全てについて、剛球が衝突した後5秒以内に剛球が貫通しなかった場合を合格とした。剛球が衝突した後5秒以内に剛球が貫通しなかった合わせガラスが3枚以下であった場合は不合格とした。4枚の場合には、新しく6枚の合わせガラスの耐貫通性を評価した。5枚の場合には、新しく1枚の合わせガラスを追加試験し、剛球が衝突した後5秒以内に剛球が貫通しなかった場合を合格とした。同様の方法で、3.5m、4.0m、4.5m、5.0m、5.5m、6.0m、6.5m、7.0m及び7.5mの高さから、6枚の合わせガラスに対してそれぞれ、剛球を落下させ、合格となる高さの最大値を測定した。得られた合格となる高さの最大値を平均破壊高さ(MBH)として求め、以下の基準により耐貫通性を評価した。
○:MBHが5m以上
△:MBHが4m以上、5m未満
×:MBHが4m未満
Figure 2018145068
本発明によれば、発熱層に電圧を印加することにより発熱して、特にガラスの凍結した側の面を素早く暖めて、霜や氷を溶かすことができ、かつ、高い耐貫通性を発揮することができる合わせガラス用中間膜、該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラス、及び、該合わせガラスシステムを提供することができる。
1 合わせガラス用中間膜
2 発熱層
3 基材
4 第1の樹脂層
5 第2の樹脂層

Claims (8)

  1. 発熱層と、前記発熱層の両面に積層された第1の樹脂層と第2の樹脂層とを有する合わせガラス用中間膜であって、
    前記第1の樹脂層の熱容量C1と前記第2の樹脂層の熱容量C2の比C1/C2が1.1以上であり、かつ、前記第1の樹脂層と前記第2の樹脂層との厚みの合計が500μm以上である
    ことを特徴とする合わせガラス用中間膜。
  2. 発熱層の表面抵抗率が10Ω/□以下であることを特徴とする請求項1記載の合わせガラス用中間膜。
  3. 第1の樹脂層及び第2の樹脂層は、熱可塑性樹脂を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の合わせガラス用中間膜。
  4. 熱可塑性樹脂は、ポリビニルアセタールであることを特徴とする請求項3記載の合わせガラス用中間膜。
  5. 第1の樹脂層及び第2の樹脂層は、可塑剤を含有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の合わせガラス用中間膜。
  6. 第1の樹脂層及び第2の樹脂層は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びマグネシウム塩からなる群より選択される少なくとも1種の接着力調製剤を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の合わせガラス用中間膜。
  7. 請求項1、2、3、4、5又は6記載の合わせガラス用中間膜が、一対のガラス板の間に積層されていることを特徴とする合わせガラス。
  8. 請求項7記載の合わせガラスと、前記合わせガラス中の合わせガラス用中間膜の発熱層に電圧を印加するための電圧供給部とを備えることを特徴とする合わせガラスシステム。
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