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JP2018039919A - 熱可塑性ポリウレタン発泡粒子の製造方法 - Google Patents

熱可塑性ポリウレタン発泡粒子の製造方法 Download PDF

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JP2018039919A JP2016175429A JP2016175429A JP2018039919A JP 2018039919 A JP2018039919 A JP 2018039919A JP 2016175429 A JP2016175429 A JP 2016175429A JP 2016175429 A JP2016175429 A JP 2016175429A JP 2018039919 A JP2018039919 A JP 2018039919A
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Abstract

【課題】型内成形性に優れ、表面性に優れた成形体を得ることができる熱可塑性ポリウレタン発泡粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の発泡粒子の製造方法は、密閉容器内で水性媒体に分散させた熱可塑性ポリウレタン粒子に加熱下で発泡剤を含浸させ、発泡剤を含む熱可塑性ポリウレタン粒子を水性散媒と共に密閉容器から放出して発泡させて、見掛け密度100〜300kg/mの熱可塑性ポリウレタン発泡粒子を製造する方法であって、発泡剤が二酸化炭素を主成分とする物理発泡剤であり、熱可塑性ポリウレタン粒子は、300〜2000質量ppmの無機粉体を含み、前記放出時の容器内圧力が2.5MPa(G)を超え4.0MPa(G)以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性ポリウレタン(Thermoplastic Polyurethane;以下、TPUと略称する場合もある)発泡粒子の製造方法に関する。
TPUは、熱可塑性エラストマーの一種であるが、加硫ゴムに近い特性を示し、耐摩耗性や耐寒性、反発弾性に優れている。また、機械的強度も高いため、エンジニアリングエラストマーとして位置付けられ、緩衝材や防振材、スポーツ用品、自動車用部材等の様々な用途で使用されている。
このTPUを発泡させた発泡成形体は、耐摩耗性や反発弾性等の優れた特性を保ちつつ、軽量化や柔軟化を図ることができるため、今後、スポーツ用品、自動車用部材等でのさらなる用途展開が期待される。
しかしながら、TPU発泡粒子の製造方法は、未だ開発途上であって確立されていないのが実情である。
TPU発泡粒子の製造方法としては、例えば、特許文献1及び2に記載されている。
特許文献1には、超臨界状態の二酸化炭素が含浸されたTPU粒子を発泡させ、TPU発泡粒子を製造する方法が記載されている。具体的には、まず、反応釜中にTPU粒子及び水を添加し、さらに二酸化炭素を添加する。次に、反応釜内の温度と圧力とを制御して二酸化炭素を超臨界状態とした後、反応釜内を90〜140℃に上昇させて、その温度で保持する。そして、反応釜内から保圧された圧力タンク中に、超臨界状態の二酸化炭素が含浸されたTPU粒子を放出し、70℃以下まで降温させ、一段目の発泡を行いTPU一次発泡粒子を得る。その後、TPU一次発泡粒子に対して二段目の常圧発泡を行いTPU発泡粒子を製造する方法が記載されている。
特許文献2には、0.1〜5phrの気泡核剤を混合したTPU粒子を、発泡剤と水と共に耐圧容器に添加し、容器内を110〜135℃、10〜25bar(1.0〜2.5MPa)に昇温、昇圧して保持した後、容器内の内容物を大気中に放出することにより、発泡剤が含浸されたTPU粒子を発泡させて、TPU発泡粒子を製造する方法が記載されている。
中国特許公開第104130439号公報 中国特許公開第104231592号公報
しかしながら、引用文献1のように、発泡剤として超臨界状態の二酸化炭素を用いると、TPU粒子への二酸化炭素の含浸量が過度に多くなりすぎる。そのため、超臨界状態の二酸化炭素を用いて、100〜300kg/mのTPU発泡粒子を一段で製造しようとする場合、発泡時の温度をかなり下げて発泡を抑制する必要があるため、TPU発泡粒子に残留応力が残りやすくなる。さらに、容器内の圧力と放出雰囲気下の圧力との差が大きくなりすぎるため、TPU粒子の発泡速度が速くなりすぎ、その結果、TPU発泡粒子において結晶が配向しやすくなる。そのため、このようなTPU発泡粒子を型内成形して良好な成形体を得るためには、成形スチームの圧力をかなり高くしなければならないといった問題が生じる。また、発泡時の圧力差が大きすぎると、発泡速度が速くなりすぎるばかりではなく、TPU発泡粒子の気泡が微細化しやすくなり、その結果、型内成形性が低下するといった問題や、得られるTPU発泡粒子成形体の圧縮永久歪みなどの物性が低下するといった問題も生じる。そのため、引用文献1では、一定の加圧下にTPU粒子を発泡させて低発泡倍率のTPU発泡粒子を作製し、その後別工程でさらに発泡させる、二段階での発泡(二段発泡)を行っているが、このような二段発泡法では生産性に劣るという問題や、TPU発泡粒子の気泡の均一性が低下するといった問題があった。
一方、引用文献2のように、圧力容器内の圧力を2.5MPa以下としてTPU発泡粒子を作製する際に、発泡剤として二酸化炭素を用いた場合、TPU粒子への二酸化炭素の含浸量が少なくなりすぎる。そのため、100〜300kg/mのTPU発泡粒子を作製しようとする場合、発泡時の温度を高めて発泡倍率を向上させる必要や、分子量が極度に小さな(メルトフローレイトが極度に高い)TPU原料を用いて発泡倍率を向上させる必要がある。その結果、TPUの加水分解が促進され、表面性の悪いTPU発泡粒子しか得られなくなるといった問題や、得られるTPU発泡粒子成形体の機械的物性が低下するといった問題があった。さらに、引用文献2の技術では、得られるTPU発泡粒子の気泡が不均一になりやすいといった問題もあった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、型内成形性に優れ、表面性に優れた成形体を得ることができるTPU発泡粒子の製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、次の[1]〜[9]を提供する。
[1]密閉容器内で水性媒体に分散させた熱可塑性ポリウレタン粒子に加熱下で発泡剤を含浸させ、発泡剤を含む熱可塑性ポリウレタン粒子を水性散媒と共に密閉容器から放出して発泡させて、見掛け密度100〜300kg/mの熱可塑性ポリウレタン発泡粒子を製造する方法であって、
発泡剤が二酸化炭素を主成分とする物理発泡剤であり、
熱可塑性ポリウレタン粒子は、300〜2000質量ppmの無機粉体を含み、
前記放出時の容器内圧力が2.5MPa(G)を超え4.0MPa(G)以下であることを特徴とする熱可塑性ポリウレタン発泡粒子の製造方法。
[2]無機粉体がタルクであり、タルクの50%体積平均粒子径が1〜15μmであることを特徴とする[1]に記載の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子の製造方法。
[3]前記発泡剤含浸時の水性媒体の温度を、80℃以上かつ熱可塑性ポリウレタン粒子の融解温度Tm−20℃以下とし、該温度条件下で、密閉容器内の圧力が2.5MPa(G)を超え7.0MPa(G)以下となるまで、密閉容器内に二酸化炭素を主成分とする物理発泡剤を圧入することにより、熱可塑性ポリウレタン粒子に前記物理発泡剤を含浸させることを特徴とする[1]又は[2]に記載の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子の製造方法。
[4]前記放出時の水性媒体の温度が、熱可塑性ポリウレタン粒子の融解温度Tm−60℃以上かつ熱可塑性ポリウレタン粒子の融解温度Tm−20℃以下であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子の製造方法。
[5]前記放出時の容器内圧力が2.6〜3.4MPa(G)であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子の製造方法。
[6]熱可塑性ポリウレタン粒子を構成している熱可塑性ポリウレタンがエーテル系熱可塑性ポリウレタンであることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子の製造方法。
[7]熱可塑性ポリウレタン粒子は、300〜950質量ppmの無機粉体を含むことを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子の製造方法。
[8]熱可塑性ポリウレタン粒子の190℃、荷重10kgにおけるメルトフローレイトが10〜50g/10分であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子の製造方法。
[9]熱可塑性ポリウレタン粒子を構成している熱可塑性ポリウレタンのタイプAデュロメータ硬さが90以下であることを特徴とする[1]〜[8]のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子の製造方法。
本発明のTPU発泡粒子の製造方法によれば、型内成形性に優れ、表面性に優れた成形体を得ることができる発泡粒子が得られる。
[熱可塑性ポリウレタン(TPU)]
本発明で製造するTPU発泡粒子(以下、単に発泡粒子ともいう。)を構成するTPUは、ジイソシアネートと鎖延長剤(短鎖グリコールなどのジオール化合物)とがウレタン結合で重合したハードセグメントと、エーテル基、エステル基、カーボネート基などを含む高分子鎖からなるソフトセグメントが、相互に結合した構造を有している。そして、常温領域では、ソフトセグメントが弾性を発現し、かつ、ハードセグメントが強固な水素結合を生成して物理架橋点として作用することによりゴムに近い弾性を示す。
TPUにおいては、ソフトセグメントのタイプが、TPUの特性に大きな影響を与える。エステル系TPUは、特に、機械的強度や耐熱性等に優れ、一方、エーテル系TPUは、特に、耐寒性や耐加水分解、耐菌性等に優れている。したがって、TPU発泡粒子成形体に求められる特性に応じて、使用するTPUの種類を適宜選択することができる。
前記TPUの構成要素は、特に限定されるものではなく、発泡粒子を型内成形して得られるTPU発泡粒子成形体(以下、単に発泡成形体ともいう。)に求められる物性に応じて適宜選択することができる。エーテル系TPUは、エステル系TPUに比べ、耐加水分解性が優れることから、エーテル系TPUを原料として用いることで、本発明の製造方法のように、水性媒体を用いる発泡法においても、加水分解による分子量低下が生じにくく、発泡時に気泡が破泡しにくく、良好な気泡構造が維持されるため、良好な型内成形性を有する発泡粒子が得られやすい。
また、前記TPUは、発泡成形体の用途、目的に応じて、ポリオレフィン系樹脂やポリスチレン系樹脂、スチレン系エラストマー等の他の重合体を、本発明の目的を阻害しない範囲で前記TPUに混合して使用することもできる。なお、これらの他の重合体の使用量は、TPU100質量部に対して、30質量部以下であることが好ましく、より好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。発泡粒子は、TPU以外の他の重合体を含まないことが特に好ましい。
また、前記発泡粒子の製造に用いられるTPU原料は、その融解温度が140〜170℃であることが好ましい。TPUの融解温度が上記範囲内であれば、より型内成形性に優れた発泡粒子を得ることができる。上記観点から、前記融解温度は、150〜170℃であることがより好ましい。
上記融解温度はJIS K7121−1987に基づき、試験片の状態調節として「一定の熱処理を行った後、融解温度を測定する場合」(試験片の状態調節における加熱速度と冷却速度は、いずれも10℃/分とする。)を採用し、熱流束示差走査熱量測定法により、加熱速度10℃/分で得られるDSC曲線の融解ピークのピーク頂点温度として求められる値である。DSC曲線が複数の融解ピークを有する場合、最も温度の高い融解ピークのピーク頂点温度を融解温度として採用する。
また、前記TPUは、タイプAデュロメータ硬さが、90以下であると好ましい。
硬さが90以下であれば、過度に成形時のスチーム圧力(成形圧)を高めなくとも、良好な発泡成形体を得ることができる。また、硬さが低すぎると、成形条件や発泡成形体の形状によっては、発泡成形体を成形型から離型した後、発泡成形体が著しく収縮、変形する、所謂ヒケが生じやすくなる。そのため、タイプAデュロメータ硬さは70〜90であることが好ましく、より好ましくは80〜88である。
なお、タイプAデュロメータ硬さは、JIS K6253−3:2012に基づき測定される値である。
[TPU発泡粒子の製造方法]
本発明の発泡粒子の製造方法は、密閉容器内で水性媒体に分散させたTPU粒子に加熱下で発泡剤を含浸させ、発泡剤を含むTPU粒子を水性散媒と共に密閉容器から放出して発泡させて、見掛け密度100〜300kg/mのTPU発泡粒子を製造する方法であって、発泡剤が二酸化炭素を主成分とする物理発泡剤であり、TPU粒子は、300〜2000質量ppmの無機粉体を含み、前記放出時の容器内圧力が2.5MPa(G:ゲージ圧)を超え4.0MPa(G)以下である。
本発明において、TPU粒子を分散させる水性媒体としては、特に限定されないが、水等を用いることができる。
TPU粒子に含浸させる発泡剤は、二酸化炭素を主成分とする物理発泡剤である。発泡剤として二酸化炭素を使用し、二酸化炭素が超臨界状態とならないように圧力容器内の圧力を制御することにより、気泡を過度に微細化させずにTPU発泡粒子を得ることができる。
なお、発泡剤としては、二酸化炭素に加え、その他の物理発泡剤や化学発泡剤を併用することもできる。
その他の物理発泡剤としては、プロパン、ブタン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、クロロフロロメタン、トリフロロメタン、1,1−ジフロロエタン、1,1,1,2−テトラフロロエタン、メチルクロライド、エチルクロライド、メチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のジアルキルエーテル等の有機物理発泡剤が挙げられる。また、窒素、アルゴン、空気、水等の無機物理発泡剤が挙げられる。
この場合、発泡剤中の二酸化炭素の配合比率は、50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上である。
発泡剤として二酸化炭素を使用する場合、得られる発泡粒子の気泡径を過度に微細化させないという観点から、密閉容器中の圧力が7.0MPa(G)以下となるように二酸化炭素を密閉容器内へ圧入すること、すなわち含浸圧力を7.0MPa(G)以下とすることが好ましく、より好ましくは5.0MPa(G)以下であり、さらに好ましくは4.0MPa(G)以下である。さらに、後述する発泡時の圧力を制御しやすくなるという観点から、含浸圧力を3.4MPa(G)以下とすることが特に好ましい。一方、TPU粒子に十分に発泡剤を含浸させるという観点から、含浸圧力は0.5MPa(G)以上とすることが好ましく、より好ましくは1.0MPa(G)以上であり、さらに、後述する発泡時の圧力を制御しやすくなるという観点から、さらに好ましくは2.5MPa(G)超であり、特に好ましくは2.6MPa(G)以上である。
また、TPU粒子への発泡剤の含浸性の観点から、含浸は加熱下(含浸温度)で行われることが好ましい。含浸温度は20℃以上TPU粒子の融解温度Tm℃以下が好ましく、より好ましくは80℃以上(Tm−20)℃以下である。また、含浸時間は、密閉容器内の圧力、TPU粒子の種類や質量等に応じて適宜設定されるが、発泡剤をTPU粒子に十分に含浸させることができる時間とし、また、生産性の観点から、好ましくは0.05〜3時間、さらに好ましくは0.1〜1時間である。
特に、前記水性媒体の温度を、80℃以上かつTPU粒子の融解温度Tm−20℃以下とし、該温度条件下で、密閉容器内の圧力が2.5MPa(G)を超え7.0MPa(G)以下となるまで、密閉容器内に二酸化炭素を主成分とする物理発泡剤を圧入することにより、TPU粒子に前記物理発泡剤を含浸させることが好ましい。
なお、融解温度とは、JIS K7121−1987に基づく、試験片の状態調節として「一定の熱処理を行った後、融解温度を測定する場合」(試験片の状態調節における加熱速度と冷却速度は、いずれも10℃/分とする。)を採用し、熱流束示差走査熱量測定法により、加熱速度10℃/分で得られるDSC曲線の融解ピークのピーク頂点温度として求められる値である。DSC曲線が複数の融解ピークを有する場合、最も温度の高い融解ピークのピーク頂点温度を融解温度として採用する。
本発明においては、TPU粒子が、300〜2000質量ppmの無機粉体を含む。TPU粒子中の無機粉体の含有量が少なすぎると、発泡粒子の表面にシワが発生しやすくなり、また、気泡が不均一となりやすくなり、良好な成形体を成形できなくなる場合がある。かかる観点から、TPU粒子中の無機粉体の含有量の下限は、400質量ppmであることが好ましい。また、無機粉体の含有量が多すぎると、発泡粒子の気泡が過度に細かくなり、また、発泡速度が速くなりすぎるためか、型内成形が低下するおそれがある。かかる観点から、TPU粒子中の無機粉体の含有量の上限は、1500質量ppmであることが好ましく、1000質量ppmであることがより好ましく、950質量ppmであることがさらに好ましい。
この無機粉体としては、特に限定されないが、タルクを用いることが好ましく、50%体積平均粒子径(d50)が1〜15μmのタルクを用いることがより好ましい。タルクのd50が、1μm以上であれば、発泡粒子の気泡径が過度に微細化することがないため、型内成形性に優れる発泡粒子を得ることができると共に、得られる発泡成形体の圧縮永久歪などの物性が悪化することが無い。一方、タルクのd50が15μm以下であれば、気泡が過度に粗大化しないため型内成形性に優れる発泡粒子を得ることができる。
本発明の製造方法において、TPU粒子の放出時の容器内圧力(発泡圧力)を2.5MPa(G)を超え4.0MPa(G)以下とする必要がある。
発泡圧力が2.5MPa(G)以下の場合、発泡粒子の表面にシワが発生し、また、気泡径が不均一になる。
発泡圧力が4.0MPa(G)を超えると、TPU粒子の発泡速度が速くなりすぎ、その結果、発泡粒子においてTPUの結晶が配向しやすくなる。そのため、このような発泡粒子を型内成形して良好な成形体を得るためには、成形スチームの圧力を高くしなければならなくなる。
このような観点から、発泡圧力は、2.6〜3.4MPa(G)であると好ましい。
本発明の製造方法において、前記放出時の水性媒体の温度(発泡温度)が、(Tm−60)℃以上かつ(Tm−20)℃以下であることが好ましい。発泡温度を(Tm−60)℃以上かつ(Tm−20)℃以下の範囲とすることにより、より型内成形性に優れる発泡粒子を得ることができる。かかる観点から、前記放出時の水性媒体の温度(発泡温度)が、(Tm−40)℃以上かつ(Tm−25)以下であることがより好ましい。
前記TPU粒子の1個の質量は、目的とする発泡粒子の大きさや発泡倍率に応じて適宜設定されるが、0.5〜30mgであることが好ましい。上記範囲内であれば、TPU粒子へ発泡剤を十分に含浸させることができ、また、型内への充填性と型内成形性とのバランスに優れた発泡粒子となる。かかる観点から、TPU粒子の質量の下限は1mgであることがより好ましく、さらに好ましくは3mgである。一方、その上限は20mgであることがより好ましく、さらに好ましくは15mgであり、特に好ましくは12mgである。
なお、TPU粒子の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法により得ることができる。例えば、原料TPUを押出機にて溶融させ、TPUの溶融物を押出機先端に付設されたダイの小孔からストランド状に押し出し、これを所定の質量となるように切断するストランドカット法や、TPUの溶融物を小孔から水中に押出した直後に切断するアンダーウォーターカット法(UWC法)、TPUの溶融物を小孔から気泡相中に押出して切断するホットカット法によりTPU粒子を得ることができる。TPU粒子の質量は、小孔の孔径、押出量、カット速度を調整することにより調整することができる。
また、TPU粒子には、気泡調整剤としての無機粉体のほかに、通常使用される帯電防止剤、導電性付与剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、金属不活性剤、結晶核剤、充填材、着色剤等の各種の添加剤を、必要に応じて適宜配合することができる。これらの各種添加剤の添加量は、発泡粒子成形体の用途目的により異なるが、原料TPU100質量部に対して25質量部以下であることが好ましく、より好ましくは15質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下、特に好ましくは5質量部以下である。
本発明の製造方法により、得られた発泡粒子の見かけ密度は、100〜300kg/mである。本発明の製造方法により、気泡が均一で、型内成形性に優れる、見掛け密度100〜300kg/mの発泡粒子を1段階の発泡で製造することができる。
発泡粒子の見かけ密度が低すぎると、発泡粒子を型内成形した際に、得られた成形体が大きく変形、収縮しやすくなる。かかる観点から、発泡粒子の見掛け密度は150kg/m以上であることが好ましく、より好ましくは200kg/m以上である。一方、見掛け密度が高すぎると、型内成形時に発泡粒子が二次発泡しにくくなり、得られた成形体の発泡粒子間に空隙が残りやすくなり、また、所望の緩衝性を有する成形体が得られなくなるおそれがある。
発泡粒子の見掛け密度は、発泡粒子の重量を発泡粒子の体積で割算することにより求められる値である。発泡粒子の体積は、水没法により求めることができる。
本発明において、発泡粒子の平均気泡径は100〜500μmであることが好ましい。平均気泡径が100μm以上であれば、型内成形時に気泡が破泡しにくくなり、表面性に特に優れる発泡成形体が得られやすくなる。また、平均気泡径が500μm以下である場合、型内成形時にスチームが発泡粒子の内部まで浸透しやくなるため、発泡粒子が十分に二次発泡し、表面性に特に優れる発泡成形体を得ることができる。かかる観点から、発泡粒子の平均気泡径が150〜400μmであることがより好ましい。
発泡粒子の平均気泡径は、ASTM D3576−77に準拠し、次のようにして測定される値である。発泡粒子をその中心部を通るように切断して2分割する。切断された各発泡粒子の一方の断面において、発泡粒子の最表面から中心部を通って反対側の最表面まで、等角度で4本の線分を引く。各線分と交差する気泡数をそれぞれ計測し、4本の線分の合計長さを線分と交差する全気泡数で割算して気泡の平均弦長を求め、さらに0.616で割算することにより、発泡粒子の平均気泡径を求める。
また、本発明の発泡粒子において、190℃、荷重10kgにおけるメルトフローレイト(MFR)が10〜50g/10分であると好ましい。MFRが10g/10分以上であれば、型内成形時の二次発泡性が良好となり、特に表面良好な発泡粒子成形体が得られる。かかる観点から、MFRの下限は15g/10分であることがより好ましく、20g/10分であることがさらに好ましい。また、MFRが50g/10分以下であれば、得られる発泡成形体は、回復性に優れたものとなる。かかる観点から、MFRの上限は45g/10分であることがより好ましく、40g/10分であることがさらに好ましい。
このMFRは、JIS K7210−2:2014に基づき、温度190℃、荷重10kgの条件にて測定される値である。
[発泡粒子成形体]
本発明の製造方法により得られた発泡粒子を型内成形することにより、発泡成形体を得ることができる。型内成形法は、従来公知の方法を採用することできる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1〜6及び比較例1〜2
実施例で用いた原材料を以下に示す。
[原材料]
・TPU
TPU1(コベストロ社製、エーテル系熱可塑性ポリウレタン、グレード名:デスモパンDP9385A、MFR[190℃・荷重10kg]:17g/10min、タイプAデュロメータ硬さ:86、融解温度:164℃)
TPU2(コベストロ社製、エーテル系熱可塑性ポリウレタン、グレード名:デスモパンDP9386A、MFR[190℃・荷重10kg]:26g/10min、タイプAデュロメータ硬さ:86、融解温度:165℃)
・気泡核剤(無機粉体)
タルク1(林化成社製、グレード名:KFP−125B、d50:8μm)
タルク2(林化成社製、グレード名:PK−S、d50:12μm)
タルク3(松村産業社製、グレード名:ハイフィラー♯12、d50:3μm)
[TPU粒子の製造]
TPUと、該TPU100質量部に対して、表1に示す種類、量の気泡調整剤(無機粉体)としてのタルクとを内径20mmの二軸押出機に供給し、これらを加熱混練して、溶融TPU組成物とした。該溶融TPU組成物を押出機先端部に付設されたダイの小孔から水中に押出すと共に切断して、平均重量10mg、L/D=1.0のTPU粒子を得た。
[発泡粒子の作製]
上記で得られたTPU粒子50kgと、分散媒として水270リットルとを、撹拌機を備えた400リットルのオートクレーブ内に仕込み、さらに、TPU粒子100質量部に対して、分散剤としてカオリン0.2質量部と、界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.008質量部とを分散媒に添加した。
オートクレーブ内の内容物を撹拌しながら昇温し、表1に示す温度(含浸温度)に到達後、該オートクレーブ内に発泡剤として二酸化炭素を、密閉容器内の圧力が表1に示す圧力(含浸圧力)となるまで圧入し、所定の圧力に到達後、圧力を維持しつつ、その温度で15分間保持した。その後、二酸化炭素にて背圧を加えて容器内圧力が表1に示す圧力(発泡圧力)で一定になるように調整しつつ、表1に示す分散媒の温度(発泡温度)にて、発泡剤が含浸されたTPU粒子を分散媒とともに大気圧下に放出して、発泡粒子を得た。
得られた発泡粒子を密閉容器内に入れ、30℃で、0.3MPa(G)の圧縮空気により12時間加圧処理した後、放圧して40℃の大気圧下で48時間放置した。
得られた発泡粒子の見掛け密度、MFR、及び平均気泡径の測定方法と、発泡粒子の表面性と大小気泡の有無を評価した。その結果を表1に示す。また、評価方法を以下に示す。
なお、これらの測定は、得られた発泡粒子を相対湿度50%、23℃、1atmの条件にて2日放置して状態調節した後に行なった。
(発泡粒子の見掛け密度)
まず、温度23℃の水の入ったメスシリンダーに質量W1の発泡粒子を、金網を使用して沈めた。そして、金網の体積を考慮して、水位上昇分より読みとられる発泡粒子の容積V1[L]を測定し、発泡粒子の質量W1[g]を容積V1で割り算し(W1/V1)、単位を[kg/m]に換算することにより、発泡粒子の見掛け密度を求めた。
(発泡粒子の平均気泡径)
得られた発泡粒子群から無作為に50個の発泡粒子を選択した。発泡粒子をその中心部を通るように切断して2分割した。切断された各発泡粒子の一方の断面において、発泡粒子の最表面から中心部を通って反対側の最表面まで、等角度で4本の線分を引いた。
各線分と交差する気泡数をそれぞれ計測し、4本の線分の合計長さを線分と交差する全気泡数で割算して気泡の平均弦長を求め、さらに0.616で割算することにより、各発泡粒子の平均気泡径を求めた。そしてこれらの値を算術平均することにより発泡粒子の平均気泡径を求めた。
(発泡粒子のMFR)
JIS K7210−2:2014に基づき、温度190℃、荷重10kgの条件にて測定した。測定用試料として、発泡粒子を温度80℃で4時間乾燥後、水分含有量を500質量ppm以下としたものを用いた。
(発泡粒子の表面性)
以下の基準で目視により評価した。
○:発泡粒子表面にシワがなく良好な表面性
×:発泡粒子表面にシワが確認され凸凹した表面性
[発泡粒子成形体の作製]
上記で作製した発泡粒子を、縦200mm、横250mm、厚さ20mmの成形型のキャビティに充填し、表1に記載の成形圧に到達するまでスチームで加熱した。そして、冷却後、成形型から成形体を取り出し、板状の発泡粒子成形体を得た。
(表面性)
得られた発泡粒子成形体の表面の発泡粒子間の空隙が埋まっていれば「○」と評価し、埋まっていなければ「×」と評価した。
(融着性)
得られた発泡粒子成形体の融着性を評価するため融着率を測定し、融着率が90%以上である場合を「○」、融着率が90%未満である場合を「×」と評価した。
発泡粒子成形体の融着率は、以下の方法により測定した。発泡粒子成形体から、縦170mm、横30mm、厚さをそのままとして試験片を切り出した。この試験片の表面の一方に、カッターナイフで該試験片の縦の長さを2等分する位置に厚み方向に約10mmの深さの切り込みを入れ、切り込み部から成形体を折り曲げて破断させた。破断面に存在する材料破壊した発泡粒子の個数mと、破断面に存在する全部の発泡粒子の個数nの比(m/n×100[%])を算出した。なお、成形体を折り曲げても破断できない場合は、融着率100%とした。異なる試験片を用いて前記測定を5回行い、それぞれの材料破壊率を求め、それらを算術平均して融着率とした。
(回復性)
得られた発泡粒子成形体の中央部分と四隅部分の厚みをそれぞれ測定し、四隅部分のうち最も厚みが厚い部分に対する中央部分の厚みの比が90%以上である場合を「○」、90%未満である場合を「×」と評価した。
得られた発泡粒子成形体について、その見掛け密度を測定した。その結果を表1に示す。また、見掛け密度の測定方法を以下に示す。なお、これらの測定は、得られた発泡粒子成形体を相対湿度50%、23℃、1atmの条件にて2日放置して状態調節した後に行なった。
(成形体の見掛け密度)
発泡粒子成形体をエタノール中に水没させ、その水位上昇分から成形体の見掛けの体積を求めた。発泡粒子成形体の質量を該見掛けの体積で割算することにより、発泡粒子成形体の見掛け密度[kg/m]を求めた。
Figure 2018039919
表1に示した評価結果より、実施例1〜6では、表面性及び気泡の均一性が良好な発泡粒子を製造することができ、該発泡粒子を型内成形したところ、成形可能な範囲も広く、良好な発泡成形体を得ることができた。
これに対し、無機粉体の量が少ない条件で発泡粒子を製造した比較例1では、得られた発泡粒子の表面性が不良で、かつ気泡径が極めて不均一であり、型内成形により良好な発泡成形体を得ることができなかった。
また、発泡圧力が2.0MPa(G)と低い条件で発泡粒子を製造した比較例2では、得られた発泡粒子を型内成形することにより発泡成形体を得ることはできたものの、成形可能範囲は狭いものであった。また、発泡粒子の気泡径が不均一であるため、得られた発泡成形体も気泡径が不均一となり、気泡径が過度に細かい部分が白化しており、外観がマーブル状で劣る発泡成形体しか得られなかった。

Claims (9)

  1. 密閉容器内で水性媒体に分散させた熱可塑性ポリウレタン粒子に加熱下で発泡剤を含浸させ、発泡剤を含む熱可塑性ポリウレタン粒子を水性散媒と共に密閉容器から放出して発泡させて、見掛け密度100〜300kg/mの熱可塑性ポリウレタン発泡粒子を製造する方法であって、
    発泡剤が二酸化炭素を主成分とする物理発泡剤であり、
    熱可塑性ポリウレタン粒子は、300〜2000質量ppmの無機粉体を含み、
    前記放出時の容器内圧力が2.5MPa(G)を超え4.0MPa(G)以下であることを特徴とする熱可塑性ポリウレタン発泡粒子の製造方法。
  2. 無機粉体がタルクであり、タルクの50%体積平均粒子径が1〜15μmであることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子の製造方法。
  3. 前記発泡剤含浸時の水性媒体の温度を、80℃以上かつ熱可塑性ポリウレタン粒子の融解温度Tm−20℃以下とし、該温度条件下で、密閉容器内の圧力が2.5MPa(G)を超え7.0MPa(G)以下となるまで、密閉容器内に二酸化炭素を主成分とする物理発泡剤を圧入することにより、熱可塑性ポリウレタン粒子に前記物理発泡剤を含浸させることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子の製造方法。
  4. 前記放出時の水性媒体の温度が、熱可塑性ポリウレタン粒子の融解温度Tm−60℃以上かつ熱可塑性ポリウレタン粒子の融解温度Tm−20℃以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子の製造方法。
  5. 前記放出時の容器内圧力が2.6〜3.4MPa(G)であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子の製造方法。
  6. 熱可塑性ポリウレタン粒子を構成している熱可塑性ポリウレタンがエーテル系熱可塑性ポリウレタンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子の製造方法。
  7. 熱可塑性ポリウレタン粒子は、300〜950質量ppmの無機粉体を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子の製造方法。
  8. 熱可塑性ポリウレタン粒子の190℃、荷重10kgにおけるメルトフローレイトが10〜50g/10分であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子の製造方法。
  9. 熱可塑性ポリウレタン粒子を構成している熱可塑性ポリウレタンのタイプAデュロメータ硬さが90以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子の製造方法。
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