JP2018039765A - ジェル状歯磨き剤 - Google Patents
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これらのうち、ジェル状歯磨き剤は、練り歯磨き剤に比べて水分含量が多いため、歯ブラシに付けて口腔内に入れたときに口腔内の隅々まで速やかに分散して歯磨き効果を早期に助長するという長所を有する。
ジェル状歯磨き剤は、一般に、精製水を基材とし、これに研磨剤、湿潤剤、香味剤、保存剤、薬効成分などを配合し、更に粘結剤(増粘剤)を配合してジェル化することによって得られる(例えば特許文献1)。
子供向けのジェル状歯磨き剤には研磨剤無添加のものも知られているが、研磨剤無添加のジェル状歯磨き剤は、歯垢やステイン(着色汚れ)などの歯の表面の汚れを落とす清浄作用が低いため、成人などの一般向けに販売されているジェル状歯磨き剤では、一般に研磨剤が添加されている。
研磨剤が添加されているジェル状歯磨き剤は、研磨剤無添加のジェル状歯磨き剤に比べて歯の表面に付着した歯垢やステインなどを落とす清浄効果に優れているが、その一方で研磨剤により歯の表面のエナメル質に傷がつき易い。
加水分解卵殻膜を含有する歯磨き剤は、歯周組織や口腔内粘膜の健康状態の維持や健康状態への回復の効果があり、歯周組織自体を丈夫で健康な状態に回復し、それまで歯周病に罹っていて赤紫色をしていた歯茎を健康なピンク色にし、痩せて弾力、張り、つやを失っていた歯茎に弾力、張り、つやを復元し、更には歯茎からの出血などをなくすことができる。また、歯周病に罹っていない場合にも、歯周組織を歯周病に罹りにくくし、歯周組織の健康な状態を維持することができるという優れた効果を有する。
しかし、加水分解卵殻膜を含有する歯磨き剤においても、歯の表面に付着した歯垢やステインなどの汚れを落とすためには、従来のジェル状歯磨き剤と同じように、研磨剤を配合する必要があり、研磨剤の配合によって歯の表面のエナメル質を損傷する恐れがある。
しかし、ササエキスを含有する歯磨き剤においても、歯の表面に付着した歯垢やステイン(着色汚れ)を落とすためには、上記した従来のジェル状歯磨き剤や加水分解卵殻膜を含有する歯磨き剤と同じように、研磨剤を添加する必要があり、研磨剤の添加によって歯の表面のエナメル質を傷つけやすい。
本発明者は、さらにジェル状歯磨き剤の全質量に基づいて発泡剤を0.3〜7質量%の割合で含有させると、ジェル状歯磨き剤の口腔内での拡散が良好に行われて前記した効果がより良好に発揮されること、またジェル状歯磨き剤のpHを好ましくは5〜8にすることによって、保存安定性に優れ、口腔への刺激が少なく、歯のエナメル質への影響の小さいジェル状歯磨き剤が得られることを見出し、それらの知見に基づいて本発明を完成した。
(1) 3室型電解水生成装置のカソード室での生成水である還元水に加水分解卵殻膜およびチシマザサエキスを含有させた水性組成物のジェル化物よりなることを特徴とするジェル状歯磨き剤である。
そして、本発明は、
(2) ジェル状歯磨き剤の全質量に基づいて、前記還元水を20〜90質量%、加水分解卵殻膜を0.0001〜10質量%およびチシマザサエキスを0.0001〜70質量%の割合で含有する前記(1)のジェル状歯磨き剤;
(3) ジェル状歯磨き剤の全質量に基づいて、更に発泡剤を0.3〜7質量%の割合で含有する前記(1)または(2)のジェル状歯磨き剤;
(4) pHが5〜8である前記(1)〜(3)のいずれかのジェル状歯磨き剤;および、
(5) 研磨剤を含有しない前記(1)〜(4)のいずれかのジェル状歯磨き剤;
である。
(6) アノード電極を備えるアノード室と、カソード電極を備えるカソード室と、アノード室とカソード室との間に設けられた中間室と、アノード室と中間室との間に配置された隔膜と、カソード室と中間室との間に配置された隔膜を備える3室型電解水生成装置を使用して、そのアノード室およびカソード室のそれぞれに水を供給し、中間室に塩化ナトリウム水溶液を供給して電気分解を行うことによってカソード室に還元水を生成させ、カソード室で生成した当該還元水に、加水分解卵殻膜、チシマザサエキスおよびジェル化剤を含有させて水性組成物を調製し、当該水性組成物をジェル化することを特徴とするジェル状歯磨き剤の製造方法である。
そして、本発明は、
(7) 水性組成物に更に発泡剤を含有させる前記(6)のジェル状歯磨き剤の製造方法;および、
(8) 水性組成物の調製時にpH調整剤を添加して水性組成物のpHを5〜8に調整してジェル化する前記(6)または(7)のジェル状歯磨き剤の製造方法;
である。
本発明のジェル状歯磨き剤は、加水分解卵殻膜を含有しているために、歯周組織や口腔内粘膜の健康状態の維持や健康状態への回復の促進効果がある。
更に、本発明のジェル状歯磨き剤はチシマザサエキスを含有しているために、歯周病の予防や治癒、口臭の防止や低減効果に優れている。
本発明では、ジェル状歯磨き剤の基材をなす水として、3室型電解水生成装置のカソード室(負極室)で生成する還元水を用いる。
3室型電解水生成装置は、従来から知られており(例えば特許文献6〜8を参照)、その基本的な構造は、図1の模式図に示すように、アノード電極(正極)(1d)を備えるアノード室(1)と、カソード電極(負極)(2d)を備えるカソード室(2)と、アノード室(1)とカソード室(2)との間に設けられた中間室(3)と、アノード室(1)と中間室(3)との間に配置された隔膜(イオン交換膜など)(4)と、カソード室(2)と中間室(3)との間に配置された隔膜(イオン交換膜など)(5)とからなる。
3室型電解水生成装置において、アノード室(1)は水の流入部(1a)とアノード室(1)で生成した水(酸化水)の流出部(1b)を有し、カソード室(2)は水の流入部(2a)とカソード室(2)で生成した水(還元水)の流出部(2b)を有し、中間室(3)は、塩化ナトリウム水溶液などのようなイオン化合物を含有する水溶液の供給部(3a)と水溶液の流出部(3b)を有する。
本発明のジェル状歯磨き剤に用いる還元水の製造に当たっては、従来から知られている3室型電解水生成装置のいずれもが使用できる。限定されるものではないが、本発明で使用可能な3室型電解水生成装置としては、例えば、株式会社レドックス製の3室型電解水生成システム、株式会社レドックス製の3室型ダブルイン電解システム[「kreski AQUA」(Type−α4000A,C,D)など]、株式会社レドックステクノロジー製「レドックスR25−15型」、株式会社ラシーヌ製の3室型電解水生成システムや3室型ダブルイン電解システム、株式会社東芝製の3室型電解水生成装置などを挙げることができる。
アノード室とカソード室への水の供給量および中間室への塩化ナトリウム水溶液の供給量も、3室型電解水生成装置の規模、電解水生成能力、構造、機種の種類などに応じて、それぞれの3室型電解水生成装置において推奨されている供給量を採用することが好ましい。
3室型電解水生成装置のアノード室およびカソード室のそれぞれに水(特に純水)を供給し、中間室に塩化ナトリウム水溶液を供給して電気分解することによってカソード室に生成する還元水のpHは10〜12程度、特に11〜12程度である。
本発明では、ジェル化用の水性組成物の調製に当たって、pH調整することなくpH10〜12の還元水をそのまま用いてpHの高いジェル状歯磨き剤を製造してもよいが、保存安定性に優れ、口腔への刺激が少なく、歯のエナメル質への影響の小さいジェル状歯磨き剤が得られるなどの点から、ジェル化用の水性組成物の調製時にpH調整剤を添加してジェル状歯磨き剤のpHを5〜8にすることが好ましく、5〜7にすることがより好ましく、5〜6.5にすることが更に好ましい。
その際のpH調整剤としては、例えば、クエン酸とクエン酸ナトリウムなどの有機酸とその塩、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸一水素ナトリウムなどを挙げることができ、本発明のジェル状歯磨き剤では必要に応じてこられらの1種または2種以上を用いることができる。そのうちでも、クエン酸とクエン酸ナトリウムが好ましく用いられる。
限定されるものではないが、3室型電解水生成装置のアノード室およびカソード室に、電気伝導度が0.3μS/cm(20℃)の超純水を供給し、中間質に塩化ナトリウム水溶液を供給して電気分解を行うと、カソード室にpHが11.0以上で、生成時の酸化還元電位が−600mV以下の還元水を生成させることができる。
ここで、本明細書でいう「加水分解卵殻膜の分子量」とは、高速液体クロマトグラフによるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定した重量平均分子量をいう。
そのうち、チシマザサ(千島笹)は、クマザサ、ミヤコザサなどと共にササ属に属し、大型の笹の1種であり、ネマガリダケ(根曲竹)、コウライザサ(高麗笹)、アサヒザサなどとも称される。
本発明のジェル状歯磨き剤に用いるチシマザサエキスは、新鮮なチシマザサの葉および茎の高圧圧搾によって生成する樹液を濃縮・精製して得られる液体である。
チシマザサエキスは、市場で販売されており、具体例としては、日本ハルマ株式会社製「チシマザサエキスk3−C」、株式会社サノ企業製のチシマザサ濃縮エキス「セルピュア」(登録商標)などを挙げることができる。
本発明のジェル状歯磨き剤では、チシマザサエキスとして、市販されているチシマザサエキスの1種または2種以上ををそのまま用いることができる。
発泡剤としては、歯磨き剤において従来から用いられている発泡剤のいずれもが使用でき、具体例としては、ラウリルグルコシド、ラウリル硫酸ナトリウム、サピンズストリホリアツス果汁エキス(ソープナッツエキス)、蔗糖脂肪酸エステル、ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸などの界面活性剤を挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
本発明のジェル状歯磨き剤は、歯磨き剤において従来から用いられている粘結剤のいずれを含有していてもよく、本発明のジェル状歯磨き剤で用い得る粘結剤の具体例としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム(セルロースガム)、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カラギーナンなどのセルロース誘導体、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールなどのアルギン酸誘導体、キサンタンガム、ジェランガム、トラガントガム、カラヤガムなどのガム類などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
粘結剤の含有量は、3室型電解水生成装置のカソード室での生成水である還元水、加水分解卵殻膜、チシマザサエキスおよび場合により発泡剤、更に必要に応じて他の成分を含有する水性組成物を構成する成分の種類、成分組成、粘結剤の種類などに応じて、当該水性組成物が歯磨きに適したジェル状になるように、一般に、ジェル状歯磨き剤の全質量(ひいては粘結剤を含むジェル化前の水性組成物の全質量)に基づいて、一般に0.05〜5質量%の範囲内の量とすることが好ましい。
《実施例1》
株式会社レドックス製の「3室型電解装置」のカソード室で生成した還元水(温度25℃でのpH11、生成時の酸化還元電位=−800mV)78.38質量部に、加水分解卵殻膜(キューピー社製)0.01質量部、チシマザサエキス(日本ハルマ株式会社製「チシマザサエキスK3−C」)0.03質量部と共に、下記の表1に記載した成分を、表1に記載した量(質量部)で配合し、温度25℃で均一になるまで混合して、還元水を基材とするジェル状歯磨き剤(pH=6)を製造した。
これにより得られたジェル状歯磨き剤をチューブ状容器に充填して(充填量100g/1チューブ)、チューブ入りジェル状歯磨き剤を製造した。
実施例1において、還元水78.38質量部の代わりに精製水78.4質量部を用い、クエン酸とクエン酸ナトリウムを配合せずに、それ以外は実施例1と同じに行って、加水分解卵殻膜およびチシマザサエキスを含有し、精製水を基材とするジェル状歯磨き剤(pH=約7)を製造した。
これにより得られたジェル状歯磨き剤をチューブ状容器に充填して(充填量100g/1チューブ)、チューブ入りジェル状歯磨き剤を製造した。
(1) 6名のモニターA,B,C,D,E,F[モニターA=25歳(女性),モニターB=27歳(男性),モニターC=36歳(女性),モニターD=40歳(男性),モニターE=60歳(女性),モニターF=58歳(男性)]に、昼食後に、実施例1のジェル状歯磨き剤の約1.5gを使用して、5分間歯磨きをしてもらい、水で口を5回ゆすいだ後、歯垢染色剤(ジーシー社製「プロスペック染色液」)を含浸させた綿棒にて、歯垢染色剤を上下の歯および歯茎と歯の境界の全体に塗布し、水で1回口をゆすいでもらった。
(2) 各モニターの口の中を、同一の観察者が目視にて観察して、歯科染色剤の残存状態を下記の表2に示す評価基準にしたがって評価したところ、下記の表3に示すとおりであった。
(1) 上記の試験1を行った日の翌日に、上記した6名のモニターA〜Fに、昼食後に、比較例1のジェル状歯磨き剤を約1.5g使用して、試験例1におけるのと同じように5分間歯磨きをしてもらい、水で口を5回ゆすいだ後、試験1で使用したのと同じ歯垢染色剤を含浸させた綿棒にて、歯垢染色剤を上下の歯および歯茎と歯の境界の全体に塗布し、水で1回口をゆすいでもらった。
(2) 試験例1におけるのと同じ観察者が、各モニターの口の中を目視にて観察して、歯科染色剤の残存状態を下記の表2に示す評価基準にしたがって評価したところ、下記の表3に示すとおりであった。
それに対して、精製水を基材とする比較例1のジェル状歯磨き剤は、歯垢などの歯の汚れの清掃効果に劣っており、歯の汚れを落とすためには従来のジェル状歯磨き剤と同様に研磨剤などを配合する必要があることが分かる。
歯茎が痩せて弾力および張りがなく、歯茎の色がやや赤紫色で、口臭があると感じている10名のモニター(年齢36〜72歳、男性5名、女性5名)に、上記の実施例1で得られたジェル状歯磨き剤を使用して、1日3回(朝食後、昼食後および就寝前)、1回のジェル状歯磨き剤の使用量約1.5gで14日間(2週間)にわたって歯を磨いてもらい、下記の表4に示す評価内容にて評価してもらったところ、下記の表4に示すとおりであった。
1a 水の流入部
1b 酸化水の流出部
1d アノード電極(正極)
2 カソード室
2a 水の流入部
2b 還元水の流出部
2d カソード電極(負極)
3 中間室
3a イオン化合物(塩化ナトリウムなど)を含有する水溶液の供給部
3b 水溶液の流出部
4 隔膜
5 隔膜
Claims (8)
- 3室型電解水生成装置のカソード室での生成水である還元水に加水分解卵殻膜およびチシマザサエキスを含有させた水性組成物のジェル化物よりなることを特徴とするジェル状歯磨き剤。
- ジェル状歯磨き剤の全質量に基づいて、前記還元水を20〜90質量%、加水分解卵殻膜を0.0001〜10質量%およびチシマザサエキスを0.0001〜70質量%の割合で含有する請求項1に記載のジェル状歯磨き剤。
- ジェル状歯磨き剤の全質量に基づいて、更に発泡剤を0.3〜7質量%の割合で含有する請求項1または2に記載のジェル状歯磨き剤。
- pHが5〜8である請求項1〜3のいずれか1項に記載のジェル状歯磨き剤。
- 研磨剤を含有しない請求項1〜4のいずれか1項に記載のジェル状歯磨き剤。
- アノード電極を備えるアノード室と、カソード電極を備えるカソード室と、アノード室とカソード室との間に設けられた中間室と、アノード室と中間室との間に配置された隔膜と、カソード室と中間室との間に配置された隔膜を備える3室型電解水生成装置を使用して、そのアノード室およびカソード室のそれぞれに水を供給し、中間室に塩化ナトリウム水溶液を供給して電気分解を行うことによってカソード室に還元水を生成させ、カソード室で生成した当該還元水に、加水分解卵殻膜、チシマザサエキスおよびジェル化剤を含有させて水性組成物を調製し、当該水性組成物をジェル化することを特徴とするジェル状歯磨き剤の製造方法。
- 水性組成物の調製時に更に発泡剤を含有させる請求項6に記載のジェル状歯磨き剤の製造方法。
- 水性組成物の調製時にpH調整剤を添加して水性組成物のpHを5〜8に調整してジェル化する請求項6または7に記載のジェル状歯磨き剤の製造方法。
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