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JP2019044073A - エマルジョン組成物 - Google Patents

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JP2019044073A
JP2019044073A JP2017168567A JP2017168567A JP2019044073A JP 2019044073 A JP2019044073 A JP 2019044073A JP 2017168567 A JP2017168567 A JP 2017168567A JP 2017168567 A JP2017168567 A JP 2017168567A JP 2019044073 A JP2019044073 A JP 2019044073A
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JP
Japan
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polyurethane resin
mass
polyol
emulsion composition
emulsion
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Pending
Application number
JP2017168567A
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English (en)
Inventor
山田 健史
Takeshi Yamada
健史 山田
有紀 溝川
Yuki Mizokawa
有紀 溝川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Abstract

【課題】 プラスチックフィルムへの密着性に優れた塗膜を与えるエマルジョン組成物を提供すること。【解決手段】 本発明は、ポリウレタン樹脂エマルジョン及びアクリル樹脂エマルジョンを含む、プラスチックフィルムコート用エマルジョン組成物であって、前記ポリウレタン樹脂が、(a)ポリカーボネートポリオール由来の構造と、(b)酸性基含有ポリオール由来の構造と、(c)ポリイソシアネート化合物由来の構造と、を有し、前記ポリウレタン樹脂中のウレタン基とウレア基の合計濃度が、5質量%以上15質量%未満であることを特徴とする、エマルジョン組成物に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリウレタン樹脂エマルジョン及びアクリル樹脂エマルジョンを含む、プラスチックフィルムコート用エマルジョン組成物に関する。
ポリウレタン樹脂エマルジョンは、基材への密着性、耐摩耗性、耐衝撃性、耐溶剤性等に優れていることから、塗料、インク、接着剤、各種コーティング剤として紙、プラスチックス、フィルム、金属、ゴム、エラストマー、繊維製品等に幅広く使用される。
ポリカーボネートポリオールを原料としたポリウレタン樹脂エマルジョンを塗布して得られる塗膜は、耐光性、耐候性、耐熱性、耐加水分解性、耐油性に優れることが知られている(特許文献1)。
中でも、脂環構造を有するポリカーボネートポリオールを用いた水性ポリウレタン樹脂分散体は、高い耐久性と硬度を持つ塗膜を与えることが知られている。(特許文献2)。
水性ポリウレタンエマルジョンと不飽和単量体から得られる水系樹脂エマルジョンからなるウレタン系エマルジョン組成物が、プラスチック基材への密着性に優れることが報告されている(特許文献3)。
防塵性、屈曲性、耐水性に優れたフィルムコーティング材として、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体とステアリルアルコールの反応物を構成単位として有する水系アクリルウレタン樹脂が報告されている(特許文献4)。
また、カーボネート構造を有するウレタン樹脂を含有する塗布層を有する積層ポリエステルフィルムが報告されている。(特許文献5)。
特開平10−120757号公報 特開2005−281544号公報 特開平10−273587号公報 特開2013−35895号公報 特開2014−818号公報
しかしながら、特許文献3、4及び5記載のポリウレタン樹脂エマルジョン、及びアクリルウレタン樹脂エマルジョンからなるエマルジョン組成物は、プラスチックフィルムへの密着性が十分ではなかった。特にポリエステルフィルムへの密着性は、不十分であった。
本発明の課題は、プラスチックフィルムへの密着性に優れた塗膜を与えるエマルジョン組成物を提供することである。
本発明は、以下の[1]〜[8]に関する。
[1]ポリウレタン樹脂エマルジョン及びアクリル樹脂エマルジョンを含む、プラスチックフィルムコート用エマルジョン組成物であって、
前記ポリウレタン樹脂が、
(a)ポリカーボネートポリオール由来の構造と、(b)酸性基含有ポリオール由来の構造と、(c)ポリイソシアネート化合物由来の構造と、
を有し、
前記ポリウレタン樹脂中のウレタン基とウレア基の合計濃度が、5質量%以上15質量%未満であることを特徴とする、エマルジョン組成物。
[2]ポリウレタン樹脂中のウレタン基とウレア基の合計濃度が、10質量%以上15質量%未満である、[1]に記載のエマルジョン組成物。
[3](c)ポリイソシアネート化合物が、水素添加MDI及び/又はイソホロンジイソシアネートを含む、[1]又は[2]に記載のエマルジョン組成物。
[4]ポリウレタン樹脂の固形分とアクリル樹脂の固形分の合計を100質量%とした際に、ポリウレタン樹脂の固形分の含有量が60〜90質量%である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
[5][1]〜[4]のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物を含む、塗料。
[6][1]〜[4]のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物を硬化してなる、硬化物。
[7]プラスチックフィルムに、[1]〜[4]のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物をコートした、積層体。
[8]前記プラスチックがポリエステル樹脂である、[7]に記載の積層体。
本発明により、プラスチックフィルムへの密着性に優れた塗膜を与えるエマルジョン組成物が提供される。
<エマルジョン組成物>
エマルジョン組成物は、ポリウレタン樹脂エマルジョン及びアクリル樹脂エマルジョンを含む。
エマルジョン組成物は、ポリウレタン樹脂エマルジョン及びアクリル樹脂エマルジョンを含むことにより、エマルジョン組成物を用いてプスチックフィルムへの積層体とした場合、プラスチックフィルム(特にポリエステルフィルム)とエマルジョン組成物から形成される塗膜との高い密着性が発現される。また、エマルジョン組成物から得られる塗膜を、プラスチックフィルムへの密着性を保ちつつ、従来のポリウレタン樹脂エマルジョンから得られる塗膜に対して、同程度又は優れた耐薬品性を有する塗膜を与えるエマルジョン組成物である。
<<ポリウレタン樹脂エマルジョン>>
ポリウレタン樹脂エマルジョンは、ポリウレタン樹脂及び水を含有する。具体的には、ポリウレタン樹脂エマルジョンは、水系媒体にポリウレタン樹脂が分散された、ポリウレタン樹脂の水性分散体である。「ポリウレタン樹脂エマルジョン」は、「水分散型ポリウレタン樹脂」又は「水性ポリウレタン樹脂分散体」ともいわれる。
<<<ポリウレタン樹脂>>>
ポリウレタン樹脂は、(a)ポリカーボネートポリオール由来の構造と、(b)酸性基含有ポリオール由来の構造と、(c)ポリイソシアネート化合物由来の構造とを有する。ポリウレタン樹脂は、更に、任意の構造として、(d)その他のポリオール由来の構造、(e)末端停止剤由来の構造、及び(f)鎖延長剤由来の構造、からなる群より選択される1以上の更なる構造を有することができる。なお、ポリウレタン樹脂が、(b)酸性基含有ポリオール由来の構造を有する場合、更に、(b’)中和剤の部分が対イオンとして存在していてもよい。
<<<<(a)ポリカーボネートポリオール>>>>
(a)ポリカーボネートポリオールは、分子中にカーボネート結合を有するポリオールであれば特に限定されない。(a)ポリカーボネートポリオールは、例えば、ジオール等のポリオールモノマーがカーボネート結合したものであることが好ましい。また、(a)ポリカーボネートポリオールは、分子中のカーボネート結合の平均数以下の数のエーテル結合やエステル結合を含有していてもよい。
(a)ポリカーボネートポリオールは、例えば、ポリオールモノマーと、炭酸エステル化合物及び/又はホスゲンとを反応させて得られる。
ポリオールモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、脂肪族ポリオールモノマー、脂環構造を有するポリオールモノマー、芳香族ポリオールモノマー、ポリエステルポリオールモノマー、ポリエーテルポリオールモノマー等が挙げられる。
脂肪族ポリオールモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール等の直鎖状脂肪族ジオール;イソプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ペンタンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ヘキサンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の分岐鎖状脂肪族ジオール;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能基以上の官能基を有する多価アルコール等が挙げられる。
脂環構造を有するポリオールモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、1,3−シクロペンタンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘプタンジオール、2,7−ノルボルナンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、イソソルビド、ダイマージオール等が挙げられる。
芳香族ポリオールモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、カテコール、ヒドロキノン、レゾルシノール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、ビスフェノールA等が挙げられる。
ポリエステルポリオールモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、6−ヒドロキシカプロン酸とヘキサンジオールとのポリエステルポリオール等のヒドロキシカルボン酸とジオールとのポリエステルポリオール、アジピン酸とヘキサンジオールとのポリエステルポリオール等のジカルボン酸とジオールとのポリエステルポリオール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールやポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール、及びこれらの高重合体等が挙げられる。
ポリオールモノマーは、それぞれ、単独であってもよく、複数種を併用してもよい。
炭酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の脂肪族炭酸エステル;ジフェニルカーボネート等の芳香族炭酸エステル;エチレンカーボネート等の環状炭酸エステル等が挙げられる。ポリカーボネートポリオールの製造が容易になることから、脂肪族炭酸エステルが好ましく、ジメチルカーボネートが特に好ましい。
炭酸エステルは、単独であってもよく、複数種を併用してもよい。
塩素の含有量が少なく、着色しにくい等の利点がある観点から、ポリカーボネートポリオールは、ポリオールモノマーと炭酸エステル化合物とを反応させて得られるポリカーボネートポリオールが好ましい。ポリカーボネートポリオールは、主鎖に脂環構造を有しないポリオールモノマーと炭酸エステルとを反応させて得られるポリカーボネートポリオール;主鎖に脂環構造を有するポリオールモノマーと炭酸エステルとを反応させて得られるポリカーボネートポリオール;主鎖に脂環構造を有するポリオールモノマーと、他のポリオールモノマー(主鎖に脂環構造を有しないポリオールモノマー)と、炭酸エステルとを反応させて得られるポリカーボネートポリオール等がより好ましい。
ここで、主鎖に脂環構造を有しないポリオールモノマーと炭酸エステルとを反応させて得られるポリカーボネートポリオールとしては、1種以上の脂肪族ジオールと炭酸エステルとを反応させて得られるポリカーボネートジオール;ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、ポリへキサメチレンカーボネートジオール等の脂肪族ポリカーボネートジオール;ポリ1,4−キシリレンカーボネートジオール等の芳香族ポリカーボネートジオール;脂肪族ジオールと芳香族ジオールと炭酸エステルとを反応させて得られるポリカーボネートジオール;脂肪族ジオールとダイマージオールと炭酸エステルとを反応させて得られるポリカーボネートジオール等の共重合ポリカーボネートジオールが好ましい。
以上により、(a)ポリカーボネートポリオールとしては、1,6−ヘキサンジオールと炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール;1,6−ヘキサンジオール及び1,5−ペンタンジオールの混合物と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール;1,6−ヘキサンジオール及び1,4−ブタンジオールの混合物と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノールと炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール;1,6−ヘキサンジオール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールの混合物と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール等が特に好ましい。
ポリオールモノマー及び炭酸エステル化合物からポリカーボネートポリオールを製造するための方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。反応器中に炭酸エステルと、この炭酸エステルのモル数に対して過剰のモル数のポリオールモノマーとを加え、温度160℃〜200℃、圧力50mmHg程度で5時間〜6時間反応させた後、更に数mmHg以下の圧力において200℃〜220℃で数時間反応させる方法が挙げられる。上記反応においては副生するアルコールを系外に抜き出しながら反応させることが好ましい。また、炭酸エステルが副生するアルコールと共沸することにより系外へ抜け出る場合には、過剰量の炭酸エステルを加えてもよい。上記反応において、チタニウムテトラブトキシド等の触媒を使用してもよい。
・好ましい態様
(a)ポリカーボネートポリオールの数平均分子量は、特に限定されないが、400〜8,000であることが好ましく、400〜4,000であることが特に好ましい。(a)ポリカーボネートポリオールの数平均分子量が400〜8,000である場合、ポリウレタン樹脂エマルジョンの粘度を適切にできると共に、ポリウレタン樹脂エマルジョンの取り扱い性が良好になる。また、ポリカーボネートポリオールのソフトセグメントとしての性能が向上するため、エマルジョン組成物を用いて塗膜を形成した場合に、塗膜に割れが発生しにくく、更に、ポリカーボネートポリオールと、イソシアネート化合物との反応性を向上させることができるため、ポリウレタン樹脂の製造を効率的に行うことができる。
なお、本明細書において、数平均分子量は、JIS K 1577に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量とする。具体的には、数平均分子量は、化合物の水酸基価を測定し、末端基定量法により、式(56.1×1,000×価数)/水酸基価(mgKOH/g)を用いて算出することができる。前記式中において、価数は1分子中の水酸基の数であり、ポリカーボネートポリオールがポリカーボネートジオールの場合は価数が2となる。
ポリカーボネートポリオールは、プラスチックフィルムへの密着性がより高まる観点から、主鎖に脂環構造を有しないポリカーボネートジオールが好ましいく、耐薬品性の観点から、1,6−ヘキサンジオールと炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオールが更に好ましい。
(a)ポリカーボネートポリオールは、単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
<<<<(b)酸性基含有ポリオール>>>>
(b)酸性基含有ポリオールは、一分子中に2個以上の水酸基(但し、フェノール性水酸基を含まない)と、1個以上の酸性基を有するポリオールである。ポリウレタン樹脂が、(b)酸性基含有ポリオール由来の構造を有しているため、ポリウレタン樹脂エマルジョンが、保護コロイド、乳化剤及び/又は界面活性剤を含んでいない場合であっても、水性樹脂分散体組成物の水への分散安定性が向上する。
ここで、酸性基は、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基等が挙げられる。(b)酸性基含有ポリオールとしては、一分子中に2個の水酸基(但し、フェノール性水酸基を含まない)と1個のカルボキシ基とを有する化合物が好ましい。
(b)酸性基含有ポリオールとしては、特に制限されないが、具体的には、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸等のジメチロールアルカン酸;N,N−ビスヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビスヒドロキシエチルアラニン、3,4−ジヒドロキシブタンスルホン酸、3,6−ジヒドロキシ−2−トルエンスルホン酸等が挙げられる。入手が容易である観点から、(b)酸性基含有ポリオールは、2個のメチロール基を含む炭素数4〜12のアルカン酸(ジメチロールアルカン酸)が好ましく、2,2−ジメチロールプロピオン酸が特に好ましい。
(b)酸性基含有ポリオールは、単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
<<<<(b’)中和剤>>>>
(b’)中和剤は、(b)酸性基含有ポリオールの酸性基を中和することができるものであれば特に限定されず、酸性基の種類等に応じて適宜選択できる。(b’)中和剤としては、具体的には、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノール(DMAP)等の有機アミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ塩類;アンモニア等が挙げられる。(b’)中和剤は、好ましくは有機アミン類であり、より好ましくは3級アミンであり、特に好ましくはトリエチルアミンである。
(b’)中和剤は、単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
<<<<(c)ポリイソシアネート化合物>>>>
(c)ポリイソシアネート化合物としては、特に限定されず、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、特に限定されないが、具体的には、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−イソシアネートフェニルスルホニルイソシアネート、p−イソシアネートフェニルスルホニルイソシアネート、1,3−ビス(2−イソシアネート2−プロピル)ベンゼン(TMXDI)等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、特に限定されないが、具体的には、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、ビス(2−イソシアネートエチル)カーボネート、2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、特に限定されないが、具体的には、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI、水素添加MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水素添加TDI)、ビス(2−イソシアネートエチル)−4−ジクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−ノルボルナンジイソシアネート、2,6−ノルボルナンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート(水素添加XDI)等が挙げられる。
(c)ポリイソシアネート化合物の一分子当たりのイソシアネート基は通常2個であるが、ポリウレタン樹脂がゲル化をしない範囲で、トリフェニルメタントリイソシアネートのようなイソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネート化合物も使用することができる。
エマルジョン組成物の硬化塗膜の黄変が抑制される観点から、(c)ポリイソシアネート化合物は、脂肪族ポリイソシアネートもしくは脂環式ポリイソシアネート化合物が好ましく、反応の制御が行いやすいという観点から、イソホロンジイソシアネート及び/又は4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートであることが更に好ましい。耐薬品性が高くなる観点から、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートが好ましい。プラスチックフィルムへの密着性がより高まる観点から、イソホロンジイソシアネートが好ましい。
(c)ポリイソシアネート化合物は、単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
<<<<(d)その他のポリオール>>>>
その他のポリオールは、(a)及び(b)以外のポリオールである。ポリオールは、1分子中に2つ以上の水酸基を有するものであれば特に限定されない。このような他のポリオールとしては、ポリエステルポリオール、(a)以外のポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、ポリジエンポリオール等が挙げられる。
・ポリエステルポリオール
ポリエステルポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリへキサメチレンイソフタレートアジペートジオール、ポリエチレンサクシネートジオール、ポリブチレンサクシネートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンセバケートジオール、ポリ−ε−カプロラクトンジオール、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレンアジペート)ジオール、1,6−へキサンジオールとダイマー酸の重縮合物等のポリエステルジオールが挙げられる。
・ポリエーテルポリオール
ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリピロピレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム共重合体やブロック共重合体、又はエチレンオキシドとブチレンオキシドとのランダム共重合体やブロック共重合体、ポリテトラメチレングリール等が挙げられる。更に、エーテル結合とエステル結合とを有するポリエーテルポリエステルポリオール等をポリエーテルジオールとして用いてもよい。
・低分子量ジオール
低分子量ジオールの数平均分子量は、特に限定はないが、60以上400未満であることが好ましい。低分子量ジオールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等の炭素数2〜9の脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、2,7−ノルボルナンジオール、テトラヒドロフランジメタノール、2,5−ビス(ヒドロキシメチル)−1,4−ジオキサン等の炭素数6〜12の脂環式構造を有するジオール等を挙げることができる。更に、低分子量ジオールとして、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の低分子量多価アルコールを低分子量ジオールとして用いてもよい。
(d)他のポリオールは、単独であってもよく、複数種を併用してもよい。
<<<<(e)末端停止剤>>>>
(e)末端停止剤は、ポリウレタン樹脂末端のウレタン化反応及び/又は鎖延長反応を停止できる成分である。(e)末端停止剤としては、1分子中に酸性基を1つと水酸基を1つ有する化合物以外の化合物であって、イソシアナト基と反応する基を1つ有する化合物が挙げられる。具体的には、グリコール酸(2−ヒドロキシ酢酸)、ヒドロキシピバル酸(HPA)、乳酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、10−ヒドロキシデカン酸、ヒドロキシピバル酸(2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオン酸)、12−ヒドロキシドデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、乳酸、トリクロロ乳酸、サリチル酸、ヒドロキシ安息香酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、2−ヒドロキシオクタン酸、3―ヒドロキシウンデカン酸、12−ヒドロキシステアリン酸(HSA)、12−ヒドロキシオレイン酸等が挙げられる。イソシアナト基と反応する基としては、水酸基、アミノ基、イミノ基、メルカプト基等を合計1つ持つ化合物が挙げられ、具体例としては、例えばn−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等のモノアミン;エタノール、イソプロパノール、ブタノール等の1価アルコール等が挙げられる。
(e)末端停止剤は、単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
<<<<(f)鎖延長剤>>>>
(f)鎖延長剤としては、イソシアナト基と反応する基を2つ以上有する化合物が挙げられ、例えば、1分子中にアミノ基及び/又はイミノ基を合計で2つ以上有するポリアミン化合物、ポリオール化合物、並びに水が挙げられる。
1分子中にアミノ基及び/又はイミノ基を合計で2つ以上有するポリアミン化合物としては、1分子中にアミノ基及び/又はイミノ基を合計で2つ有するポリアミン化合物、並びに、1分子中にアミノ基及び/又はイミノ基を合計で3つ以上有するポリアミン化合物が挙げられる。
1分子中にアミノ基及び/又はイミノ基を合計で2つ有するポリアミン化合物として、ヒドラジン、エチレンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,4−ヘキサメチレンジアミン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、キシリレンジアミン等の1級ジアミン化合物;及びピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン等の2級ジアミン化合物等のジアミン化合物が挙げられる。
1分子中にアミノ基及び/又はイミノ基を合計で3つ以上有するポリアミン化合物の例としては、特に制限されないが、例えば、ジエチレントリアミン(DETA)、ビス(2−アミノプロピル)アミン、ビス(3−アミノプロピル)アミン等のトリアミン化合物;トリエチレンテトラミン、トリプリピレンテトラミン、N−(ベンジル)トリエチレンテトラミン、N,N’’’−(ジベンジル)トリエチレンテトラミン、N−(ベンジル)−N’’’−(2−エチルヘキシル)トリエチレンテトラミン等のテトラミン化合物;テトラエチレンペンタミン、テトラプロピレンペンタミン等のペンタミン化合物;ペンタエチレンヘキサミン、ペンタプロピレンヘキサミン等のヘキサミン化合物;ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン等のポリアミン等が挙げられる。
ポリオール化合物としては、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が好ましい。
(f)鎖延長剤としては、1分子中にアミノ基及び/又はイミノ基を合計で2つ以上有するポリアミン化合物が好ましい。
(f)鎖延長剤は、単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
<<<ポリウレタン樹脂の特性>>>
ポリウレタン樹脂中のウレタン基とウレア基の合計濃度は、5質量%以上15質量%未満である。この範囲とすることで、プラスチックフィルムへの密着性に優れる。プラスチックフィルムへの密着性がより高まり、耐薬品性及びエマルジョン組成物の貯蔵安定性が高まる観点から、ポリウレタン樹脂中のウレタン基とウレア基の合計濃度は、好ましくは、10質量%以上15質量%未満であり、より好ましくは、10質量%以上14質量%以下であり、特に好ましくは、11質量%以上14質量%以下である。なお、ポリウレタン樹脂は、少なくとも(a)〜(c)由来の構造を有し、エマルジョン組成物において、ポリウレタン樹脂は、水系媒体に分散されたエマルジョンの形態で存在することから、ポリウレタン樹脂は、ウレタン結合及びウレア結合の両方を有する。
ポリウレタン樹脂中のウレタン基の濃度は、前記したポリウレタン樹脂中のウレタン基とウレア基の合計濃度を満足する限り任意であるが、好ましくは、4.5質量%以上14.5質量%未満であり、特に好ましくは、5質量%以上10質量%未満である。なお、ポリウレタン樹脂中のウレア基の濃度は、前記したポリウレタン樹脂中のウレタン基とウレア基の合計濃度から、前記したポリウレタン樹脂中のウレタン基の濃度を減じた濃度である。
ポリウレタン樹脂中のウレタン基の濃度は、以下の式で求めることができる。
(1)(a)ポリカーボネートポリオールと、(b)酸性基含有ポリオールと、(d)その他のポリオールと、(e)末端停止剤と、(f)鎖延長剤との合計の水酸基のモル数が、(c)ポリイソシアネート化合物のイソシアナト基のモル数より少ない場合、(ポリウレタン樹脂中のウレタン基の濃度(質量%))={((a)ポリカーボネートポリオールと、(b)酸性基含有ポリオールと、(d)その他のポリオールと、(e)末端停止剤と、(f)鎖延長剤との合計の水酸基のモル数)×59.02}/(ポリウレタン樹脂固形分(g))により求められる。
(2)(a)ポリカーボネートポリオールと、(b)酸性基含有ポリオールと、(d)その他のポリオールと、(e)末端停止剤と、(f)鎖延長剤との合計の水酸基のモル数が、(c)ポリイソシアネート化合物のイソシアナト基のモル数より多い場合、(ポリウレタン樹脂中のウレタン基の濃度(質量%))={(c)ポリイソシアネート化合物のイソシアナト基のモル数)×59.02}/(ポリウレタン樹脂固形分(g))により求められる。
ポリウレタン樹脂中のウレア基の濃度は、以下の式で求めることができる。
(3)ウレタンプレポリマー中のイソシアナト基のモル数が、(f)鎖延長剤のアミノ基のモル数より少ない場合、(ポリウレタン樹脂中のウレア基の濃度(質量%))={(c)ポリイソシアネート化合物のイソシアナト基のモル数)×58.04}/(ポリウレタン樹脂固形分(g))により求められる。
(4)ウレタンプレポリマー中のイソシアナト基のモル数が、(f)鎖延長剤のアミノ基のモル数より多い場合、(ポリウレタン樹脂中のウレア基の濃度(質量%))={(f)鎖延長剤のアミノ基のモル数)×58.04}/(ポリウレタン樹脂固形分(g))により求められる。
ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、例えば、10,000〜2,000,000であることが好ましく、10,000〜1,000,000であることがより好ましく、20,000〜500,000であることが特に好ましい。本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
ポリウレタンエマルジョン中のポリウレタン樹脂の固形分(但し、酸性基を中和するための中和剤を除く。)に対する脂環構造含有割合(以下、単に「脂環構造含有割合」という。)は、例えば、1質量%〜50質量%であることが好ましく、3質量%〜20質量%であることがより好ましく、5質量%〜15質量%であることが更に好ましい。50質量%以下とすることで、プラスチックフィルムへの密着性がより高まる傾向がある。1質量%以上とすることで耐薬品性が高くなる傾向がある。
本明細書において、脂環構造含有割合は、ポリウレタン樹脂中に占める、脂環式基の重量割合とする。例えば、シクロヘキサン残基等のシクロアルカン残基(1,4−ヘキサンジメタノールの場合は、シクロヘキサンから2つの水素原子を除いた部分)や、ジシクロヘキシルメタン残基(4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの場合は、ジシクロヘキシルメタンから4つの水素原子と1つの炭素原子を除いた部分)や、イソホロン残基(イソホロンジイソシアネートの場合は、シクロヘキサンから5つの水素原子を除いた部分)や、テトラヒドロフラン残基等の不飽和へテロ環残基(テトラヒドロフランジメタノールの場合は、テトラヒドロフランから2つの水素原子を除いた部分)に基づき、算出した値をいう。
<<<ポリウレタン樹脂の組成>>>
ポリウレタン樹脂における(a)ポリカーボネートポリオール由来の構造、(b)酸性基含有ポリオール由来の構造、(c)ポリイソシアネート化合物由来の構造、(d)その他のポリオール由来の構造、(e)末端停止剤由来の構造、(f)鎖延長剤由来の構造、及び(b’)中和剤の部分の含有量は、特に制限されない。例えば、後述するポリウレタン樹脂分散体の製造方法における、各成分の使用量となる量が挙げられる。
<<<水系媒体>>>
ポリウレタン樹脂エマルジョンにおいて、ポリウレタン樹脂を分散させる媒体としては、水が挙げられる。水としては、例えば、上水、イオン交換水、蒸留水、超純水等が挙げられるが、入手が容易であることや、粒子が不安定になる原因となる塩の影響が少ないこと等の観点から、イオン交換水であることが好ましい。なお、水系媒体は、有機溶媒を含んでいてもよい。有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、β−アルコキシプロピオンアミド、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、酢酸エチル等が挙げられる。
<<<ポリウレタン樹脂エマルジョンの製造方法>>>
ポリウレタン樹脂エマルジョンの製造方法は、ポリウレタン樹脂が水系媒体に分散されている、水性ポリウレタン樹脂分散体が得られる方法であれば特に限定されない。ポリウレタン樹脂エマルジョンの製造方法としては、全ての原料を一度に反応させるワンショット法や、イソシアネート末端のポリウレタンプレポリマーを製造した後に鎖延長剤を反応させるプレポリマー法等が挙げられる。以下、プレポリマー法によるポリウレタン樹脂エマルジョンの製造方法の一例について説明する。
プレポリマー法によるポリウレタン樹脂エマルジョンの製造方法は、
(a)ポリカーボネートポリオールと、(b)酸性基含有ポリオール化合物と、(c)ポリイソシアネート化合物と、場合により、(d)その他のポリオールと、(e)末端停止剤、を反応させて(A)ポリウレタンプレポリマーを得る工程(α)と、
(A)ポリウレタンプレポリマーの酸性基を(b’)中和剤を用いて中和する工程(β)と、
(A)ポリウレタンプレポリマーを水系溶媒中に分散させる工程(γ)と、
(A)ポリウレタンプレポリマーと、(A)ポリウレタンプレポリマーのイソシアネート基に対して反応性を有する(f)鎖延長剤とを反応させる工程(δ)と、
を含む方法等が挙げられる。ここで、工程(α)は、更に、得られた(A)ポリウレタンプレポリマーに、(e)末端停止剤を添加する工程を含んでもよい。
工程(α)は、不活性ガス雰囲気下で行ってもよいし、大気雰囲気下で行ってもよい。
工程(α)において、(a)ポリカーボネートポリオールの使用量は、特に制限されないが、(a)ポリカーボネートポリオールと、(b)酸性基含有ポリオール化合物と、(c)ポリイソシアネート化合物と、場合により、(d)その他のポリオールと、(e)末端停止剤と、(f)鎖延長剤との全量100質量部(以下、「(a)〜(f)の全量100質量部」ともいう。)に対して、好ましくは20〜90質量部、特に好ましくは50〜80質量部である。
工程(α)において、(c)ポリイソシアネート化合物の使用量は、特に制限されないが、(a)ポリカーボネートポリオール、(b)酸性基含有ポリオール及び(d)その他のポリオールの全水酸基のモル数に対する、(c)ポリイソシアネート化合物のイソシアナト基のモル数の比が、1.05〜2.5である量が好ましく、1.1〜2.0である量が特に好ましい。工程(α)において、(a)〜(f)の全量100質量部に対する、(c)ポリイソシアネート化合物の量は、前記したモル比の条件を満たす範囲で、(a)ポリオール、(b)酸性基含有ポリオール及び(d)その他のポリオールの種類又は質量に応じて、適宜設定することができる。
工程(α)において、(b)酸性基含有ポリオールの使用量は、(a)〜(g)の全量100質量部に対して、好ましくは0.5〜50質量部、特に好ましくは1〜30質量部である。
工程(α)において、(d)その他のポリオールの使用量は、適宜設定できる。
工程(α)において、(e)末端停止剤の使用量は、(c)ポリイソシアネート化合物のイソシアナト基のモル数から(a)ポリカーボネートオール、(b)酸性基含有ポリオール及び(d)その他のポリオールの全水酸基のモル数を引いたモル数を超えない範囲で適宜設定できる。
工程(β)において、(b’)中和剤の使用量は、(b)酸性基含有ポリオールの合計モル数の0.1〜2倍の範囲で適宜設定できる。
工程(γ)において、水系溶媒中に(A)ポリウレタンプレポリマーを分散させる方法としては、特に限定されないが、例えば、ホモミキサーやホモジナイザー等によって攪拌されている水系溶媒中に、(A)ポリウレタンプレポリマーを添加する方法、ホモミキサーやホモジナイザー等によって攪拌されている(A)ポリウレタンプレポリマーに水系溶媒を添加する方法等が挙げられる。
工程(δ)は、冷却下(例えば、0〜40℃)でゆっくりと行ってもよく、場合によっては60℃以下の加熱条件下で反応を促進して行ってもよい。冷却下における反応時間は、0.2〜24時間であることが好ましい。加熱条件下における反応時間は、0.1〜6時間であることが好ましい。
工程(δ)において、(f)鎖延長剤の使用量は、(A)ポリウレタンプレポリマー中の鎖延長起点となるイソシアナト基に対して、当量以下であることが好ましく、より好ましくはイソシアナト基に対して0.7〜0.99当量である。イソシアナト基の当量以下の量で(f)鎖延長剤を添加することで、鎖延長されたウレタンポリマー(即ち、ポリウレタン樹脂)の分子量を低下させず、得られるポリウレタン樹脂エマルジョンを塗布して得た塗膜の強度を高くすることができる傾向がある。また、(f)鎖延長剤中の1分子中にアミノ基及び/又はイミノ基を合計で3つ以上有するポリアミン化合物の割合は、10〜100mol%であることが好ましく、20〜100mol%であることがより好ましく、40〜100mol%であることがさらに好ましい。
工程(α)〜工程(δ)を含むポリウレタン樹脂エマルジョンの製造方法において、工程(β)と、工程(δ)とは、どちらを先に行ってもよいし、同時に行うこともできる。また、工程(β)は、工程(γ)と同時に行ってもよい。また、更に、工程(β)と、工程(γ)と、工程(δ)は、同時に行ってもよい。また、工程(δ)は、工程(γ)と同時に行ってもよく、工程(γ)の後に行ってもよい。
また、ポリウレタン樹脂エマルジョンは、例えば、WO2014/103689、WO2015/194671、WO2015/194672、WO2015/033939に記載された方法と同様の方法により製造することができる。
<<アクリル樹脂エマルジョン>>
アクリル樹脂エマルジョンは、水系媒体にアクリル樹脂が分散された、アクリル樹脂の水性エマルジョンである。ここで、水系媒体は、ポリウレタン樹脂エマルジョンで前記したとおりである。アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル及び/又は(メタ)アクリル酸を含む繰り返し単位からなるポリマーを含む。ここで、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方を意味する。
アクリル樹脂エマルジョンの市販品としては、例えば、以下が挙げられる。
高圧ガス工業製:ペガール862(Tg:−10℃)、ペガール751(Tg:25℃)、LC6154(Tg:64℃)、昭和電工製:ポリゾールAP−3900(Tg:10℃)、AP−1020(Tg:23℃)、AP−4735、TI−3052、SE−4210E(Tg:−50℃)、日本カーバイド工業製:ニカゾールFX5697H(Tg:−60℃)、FX3750(Tg:−30℃)、FX2138(Tg:−17℃)、FX2555(Tg:−17℃)、FX2033(Tg:8℃)、FX2018(Tg:27℃)、FX672K(Tg:53℃)、パラケムジャパン製:パラボンドLX−5(Tg:−40℃)、G−60(Tg:−30℃)、LX−2(Tg:−30℃)、東亞合成製:NW−400(Tg:−41℃)
アクリル樹脂のTg(ガラス転移温度)は、−80℃〜60℃であることが好ましく、−55℃〜50℃であることが更に好ましく、−30℃〜20℃であることが特に好ましい。アクリル樹脂のTgが60℃以下であると、プラスチックフィルムへの密着性がより高まる。アクリル樹脂のTgが−80℃以上であると、耐薬品性が優れる。
アクリル樹脂エマルジョンは、単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
<<エマルジョン組成物の組成>>
エマルジョン組成物の固形分中において、ポリウレタン樹脂とアクリル樹脂の合計を100質量%とした際に、ポリウレタン樹脂の固形分の含有量は、20〜95質量%であることが好ましく、より好ましくは50〜92質量%、更に好ましくは60〜90質量%であり、特に好ましくは75〜85質量%である。ポリウレタン樹脂エマルジョンの含有量が、20質量%以上であれば、耐薬品性が高まる。ポリウレタン樹脂エマルジョンの含有量が95質量%以下であれば、プラスチックフィルムへの密着性がより高まる。
<エマルジョン組成物の製造方法>
エマルジョン組成物の製造方法は、ポリウレタン樹脂、及びアクリル樹脂を水系溶媒中に分散できる方法であれば特に限定されない。エマルジョン組成物は、例えば、ポリウレタンエマルジョンと、アクリル樹脂エマルジョンとを混合することにより製造することができる。また、エマルジョン組成物は、例えば、(A)ポリウレタンプレポリマーと、シリコーン化合物、及びアクリル樹脂とを水系溶媒中に分散し、及びアクリル樹脂の存在下で、(A)ポリウレタンプレポリマーと鎖延長剤とを反応させることにより製造することができる。
また、エマルジョン組成物には、求められる機能や特性、用途などに応じて、増粘剤、光増感剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、可塑剤、表面調整剤、沈降防止剤などの添加剤を添加することもできる。
なお、前記添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、これらの添加剤の種類は当業者に公知であり、一般に用いられる範囲の量で使用することができる。
<プラスチックフィルム>
エマルジョン組成物は、プラスチックフィルムをコートするために用いられる。プラスチックフィルムにおけるプラスチックの材質は、特に限定されない。密着性がより高まる観点から、プラスチックはポリエステル樹脂であることが好ましい。また、プラスチックは、密着性を向上させるための前処理が施されていてもよい。
プラスチックフィルムの厚みは、特に限定されないが、1〜5,000μmが好ましく、10〜500μmが特に好ましい。
<エマルジョン組成物の使用方法>
プラスチックフィルムコート用エマルジョン組成物は、単独で、又は後述するエマルジョン組成物を含む塗料等の形態で、プラスチックフィルムをコートするために用いることができる。
<<塗料>>
塗料は、プラスチックフィルムコート用エマルジョン組成物を含む。
塗料は、エマルジョン組成物以外にも、他の樹脂を添加することもできる。他の樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。他の樹脂は、水中での分散性の観点から、1種以上の親水性基を有することが好ましい。親水性基としては、水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基、ポリエチレングリコール基などが挙げられる。
他の樹脂としては、ポリエステル樹脂、及びポリオレフィン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
ポリエステル樹脂は、酸成分とアルコール成分とのエステル化反応又はエステル交換反応によって製造することができる。酸成分としては、ポリエステル樹脂の製造に際して酸成分として通常使用される化合物を使用することができる。酸成分としては、例えば、脂肪族多塩基酸、脂環族多塩基酸、芳香族多塩基酸等を使用することができる。ポリエステル樹脂の水酸基価は、10〜300mgKOH/g程度が好ましく、50〜250mgKOH/g程度がより好ましく、80〜180mgKOH/g程度が更に好ましい。
前記ポリエステル樹脂の酸価は、1〜200mgKOH/g程度が好ましく、15〜100mgKOH/g程度がより好ましく、25〜60mgKOH/g程度が更に好ましい。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、500〜500,000が好ましく、1,000〜300,000がより好ましく、1,500〜200,000が更に好ましい。
ポリエーテル樹脂としては、エーテル結合を有する重合体又は共重合体が挙げられ、例えば、ポリオキシエチレン系ポリエーテル、ポリオキシプロピレン系ポリエーテル、ポリオキシブチレン系ポリエーテル、ビスフェノールA又はビスフェノールFなどの芳香族ポリヒドロキシ化合物から誘導されるポリエーテルなどが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂としては、ビスフェノール化合物から製造された重合体が挙げられ、例えば、ビスフェノールA・ポリカーボネートなどが挙げられる。
ポリウレタン樹脂としては、例えば、アクリル、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネートなどの各種ポリオール成分とポリイソシアネートとの反応によって得られるウレタン結合を有する樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノール化合物とエピクロルヒドリンの反応によって得られる樹脂などが挙げられる。前記ビスフェノールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどが挙げられる。
アルキド樹脂としては、例えば、フタル酸、テレフタル酸、コハク酸等の多塩基酸と多価アルコールに、更に油脂・油脂脂肪酸(大豆油、アマニ油、ヤシ油、ステアリン酸等)、天然樹脂(例えば、ロジン、コハクなど)などの変性剤を反応させて得られたアルキド樹脂が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂としては、オレフィン系モノマーを適宜他のモノマーと通常の重合法に従って重合又は共重合することにより得られるポリオレフィン樹脂を、乳化剤を用いて水分散するか、あるいはオレフィン系モノマーを適宜他のモノマーと共に乳化重合することにより得られる樹脂が挙げられる。また、場合により、前記のポリオレフィン樹脂が塩素化されたいわゆる塩素化ポリオレフィン変性樹脂を用いてもよい。
前記オレフィン系モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−デセン、1−ドデセンなどのα−オレフィン;ブタジエン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、スチレン類などの共役ジエン又は非共役ジエンなどが挙げられる。
なお、これらのモノマーは、単独であってもよいし、複数種を併用してもよい。
また、オレフィン系モノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸などが挙げられる。
なお、これらのモノマーは、単独であってもよいし、複数種を併用してもよい。
塗料は、更に、硬化剤を含むことができる。硬化剤を含むことより、塗料を用いて得られる塗膜又は複層塗膜、コーティング膜や印刷物の耐水性などを向上させることができる。
硬化剤としては、例えば、アミノ樹脂、ポリイソシアネート、ブロック化ポリイソシアネート、メラミン樹脂、カルボジイミド、ポリオールなどを用いることできる。
なお、これらの硬化剤は、単独であってもよいし、複数種を併用してもよい。
アミノ樹脂としては、例えば、アミノ成分とアルデヒド成分との反応によって得られる部分もしくは完全メチロール化アミノ樹脂が挙げられる。前記アミノ成分としては、例えば、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミドなどが挙げられる。
アルデヒド成分としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒドなどが挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、例えば、1分子中に2個以上のイソシアナト基を有する化合物が挙げられ、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
ブロック化ポリイソシアネートとしては、前述のポリイソシアネートのイソシアナト基
にブロック剤を付加することによって得られるものが挙げられ、ブロック化剤としては、
フェノール、クレゾールなどのフェノール系、メタノール、エタノールなどの脂肪族アルコール系、マロン酸ジメチル、アセチルアセトン等の活性メチレン系、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン系、アセトアニリド、酢酸アミドなどの酸アミド系、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタムなどのラクタム系、コハク酸イミド、マレイン酸イミドなどの酸イミド系、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトオキシムなどのオキシム系、ジフェニルアニリン、アニリン、エチレンイミン等のアミン系などのブロック化剤が挙げられる。
メラミン樹脂としては、例えば、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミンなどのメチロールメラミン;これらのメチロールメラミンのアルキルエーテル化物又は縮合物;メチロールメラミンのアルキルエーテル化物の縮合物が挙げられる。
ポリオールとしては、例えば、ポリロタキサン、及びそれから誘導される化合物が挙げられる。
塗料は、更に、着色顔料、体質顔料、光輝性顔料等を含むことができる。
着色顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、モリブデンレッド、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、スレン系顔料、ペリレン顔料などが挙げられるが、着色顔料として、酸化チタン及び/又はカーボンブラックを使用することが好ましい。
なお、これらは、単独であってもよいし、複数種を併用してもよい。
体質顔料としては、例えば、クレー、カオリン、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アルミナホワイトが挙げられるが、体質顔料として、硫酸バリウム及び/又はタルクを使用することが好ましく、硫酸バリウムを使用することがより好ましい。
なお、これらは、単独であってもよいし、複数種を併用してもよい。
光輝性顔料は、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、真ちゅう、ニッケル、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタンや酸化鉄で被覆された酸化アルミニウム、酸化チタンや酸化鉄で被覆された雲母を使用することができる。
塗料は、機能や特定、用途に応じて、増粘剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、可塑剤、表面調整剤、沈降防止剤などの通常の添加剤を含有することができる。
なお、これらは、単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよく、市販品をそのまま使用してもよい。
塗料の製造方法は、特に制限されないが、公知の製造方法を採用することができるが、好適には、塗料は、上記ポリウレタン樹脂エマルジョンと上述した各種添加剤を混合し、更に水系媒体を添加し、適用方法に応じた粘度に調整することにより製造される。
塗料の被塗装材質は、プラスチックであり、密着性がより優れる点から、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
塗料の塗装方法としては、例えば、ベル塗装、スプレー塗装、ロール塗装、シャワー塗装、浸漬塗装などが挙げられる。
塗膜は、加熱等の手段により乾燥して、硬化させることができる。加熱方法としては、自己の反応熱による加熱方法と、前記反応熱と型の積極加熱とを併用する加熱方法などが挙げられる。型の積極加熱は、型ごと熱風オーブンや電気炉、赤外線誘導加熱炉に入れて加熱する方法が挙げられる。
前記加熱温度は、40〜200℃であることが好ましく、より好ましくは60〜160℃である。このような温度で加熱することにより、より効率的に乾燥を行うことができる。
前記加熱時間は、好ましくは0.0001〜20時間、より好ましくは1〜10時間である。このような加熱時間とすることにより、より硬度の高い塗膜を得ることができる。エマルジョン組成物から塗膜を得るための乾燥条件としては、例えば、120℃で3〜10秒で加熱する方法が採用される。
硬化後の塗膜の厚さは、特に制限されないが、0.1〜100μmの厚さが好ましく、より好ましくは、1〜10μmの厚さの塗膜を形成することが特に好ましい。
<硬化物>
硬化物は、エマルジョン組成物を硬化してなる。硬化物の形状は、特に限定されないが、フィルム(膜)が好ましい。エマルジョン組成物の硬化方法は、塗料において前記した方法が挙げられる。硬化物の厚さは、塗料において前記した硬化後の塗膜の厚さが挙げられる。
<積層体>
積層体は、プラスチックフィルムに、エマルジョン組成物をコートした積層体である。即ち、積層体は、プラスチックフィルムの上に、エマルジョン組成物の硬化膜を有する。密着性がより高まる観点から、プラスチックがポリエステル樹脂であることが好ましい。プラスチックは、密着性を高めるための前処理が行われていてもよい。エマルジョン組成物のコート層の厚さは、塗料において前記した硬化後の塗膜の厚さが挙げられる。
積層体の製造方法は、特に限定されないが、エマルジョン組成物をプラスチックフィルムに適用し、硬化させる方法が挙げられる。硬化の方法は、塗料において前記した方法が挙げられる。
積層体の用途は、特に限定されないが、例えば、液晶パネル、自動車内外装の保護フィルム、電子機器、自動車の加飾フィルム、液晶ディスプレイのバックライトユニット等、プリズム層、マイクロレンズ層、ハードコート層、スティッキング防止層、光拡散層等の硬化性樹脂層を有する積層フィルムに用いることができる。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
<ポリウレタン樹脂エマルジョン>
ポリウレタン樹脂エマルジョンは、製造例1〜5により製造した。
[製造例1]
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ETERNACOLL UH−200(登録商標;宇部興産株式会社製ポリカーボネートジオール;数平均分子量2,000;水酸基価56.1mgKOH/g;1,6−ヘキサンジオールと炭酸ジメチルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、37.6g)と、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)1.21gと、水素添加MDI(H12MDI)12.77gとを、N−メチルピロリドン22.61g中、ジブチル錫ジラウリレート0.05g存在下、窒素雰囲気下で、80〜90℃で2時間加熱した。その後、12−ヒドロキシステアリン酸(HSA)5.02gを加え、90℃で3時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン2.73gを添加・混合した。反応混合物64.3gを強攪拌下のもと水101gの中に加えた。次いで、35重量%のジエチレントリアミン(DETA)水溶液2.31gを鎖延長剤として加えて、ポリウレタン樹脂エマルジョンを得た。ウレタン基濃度は、7.4質量%であり、ウレア基濃度は、2.0質量%であった。
[製造例2]
撹拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ETERNACOLL(登録商標) UH200(宇部興産製;数平均分子量2,000;水酸基価56mgKOH/g;1,6−ヘキサンジオールと炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、301g)と、2,2−ジメチロールプロピオン酸(16.3g)と、イソホロンジイソシアネート(90.0g)とを、N−エチルピロリドン(132g)中、ジブチル錫ジラウリレート(0.3g)存在下、窒素雰囲気下で、80〜95℃で5時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン(12.0g)を添加・混合したもののうち、506gを、強撹拌のもと水(816g)の中に加えた。ついで、35重量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液(31.3g)を加えて、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。ウレタン基濃度は、7.7質量%であり、ウレア基濃度は、2.8質量%であった。
[製造例3]
撹拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ETERNACOLL(登録商標) UH200(宇部興産製;数平均分子量2,000;水酸基価57mgKOH/g;1,6−ヘキサンジオールと炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、42.4g)と、2,2−ジメチロールプロピオン酸(2.79g)と、水素添加MDI(16.52g)とを、N−メチルピロリドン(20.57g)中、ジブチル錫ジラウリレート(0.05g)存在下、窒素雰囲気下で、80〜90℃で3時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン(2.1g)を添加・混合し、この混合物のうち、79.1gを抜き出し、強撹拌のもと水(114.8g)の中に加えた。ついで、35重量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液(6.20g)を加えて、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。ウレタン基濃度は、7.7質量%であり、ウレア基濃度は、3.6質量%であった。
[製造例4]
攪拌機、還流冷却管及び温度計を挿入した反応容器で、ETERNACOLL UM90(1/3)(宇部興産製;数平均分子量916;水酸基価123mgKOH/g;ポリオール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール:1,6−ヘキサンジオール=1:3のモル比のポリオール混合物と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、150g)と、2,2−ジメチロールプロピオン酸(22.0g)と、水素添加MDI(145g)とを、N−メチルピロリドン(135g)中、ジブチルスズジラウリレート(0.3g)存在下、窒素雰囲気下で、80−90℃で、6時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン(14.9g)を添加・混合した。反応混合物の中から436gを抜き出して、強攪拌下のもと水(690g)の中に加えた。ついで、35重量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液(62.6g)を加えて、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。ウレタン基濃度は、11.4質量%であり、ウレア基濃度は、6.9質量%であった。
[製造例5]
攪拌機、還流冷却管及び温度計を挿入した反応容器で、ETERNACOLL UM90(3/1)(宇部興産製;数平均分子量916;水酸基価123mgKOH/g;ポリオール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール:1,6−ヘキサンジオール=3:1のモル比のポリオール混合物と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、1500g)と、2,2−ジメチロールプロピオン酸(220g)と、水素添加MDI(1450g)とを、N−メチルピロリドン(1350g)中、ジブチルスズジラウリレート(2.6g)存在下、窒素雰囲気下で、80−90℃で、6時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン(149g)を添加・混合した。反応混合物の中から4360gを抜き出して、強攪拌下のもと水(6900g)の中に加えた。ついで、35重量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液(626g)を加えて、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。ウレタン基濃度は、11.4質量%であり、ウレア基濃度は、6.9質量%であった。
<アクリル樹脂エマルジョン>
アクリル樹脂エマルジョンは、以下の成分を用いた。
FX2555:日本カーバイド工業製;アクリルエマルジョン;固形分濃度60%;Tg:−17℃
FX2033:日本カーバイド工業製;アクリルエマルジョン;固形分濃度60%;Tg:8℃
FX2018:日本カーバイド工業製;アクリルエマルジョン;固形分濃度45%;Tg:27℃
FX672K:日本カーバイド工業製;アクリルエマルジョン;固形分濃度50%;Tg:53℃
[実施例及び比較例]
(エマルジョン組成物の調製)
ポリウレタン樹脂エマルジョン、及びアクリル樹脂エマルジョンを、固形分の重量で、下記表1〜表3に記載の割合となるように、攪拌混合し、エマルジョン組成物を得た。
(塗布液の調製)
得られたエマルジョン組成物の固形分が21質量%となるように、エマルジョン組成物にエタノールを加えて塗布液を得た。
(積層体の製造)
実施例1〜12及び比較例1〜4については、ポリエステルフィルム(易接着性PET:東レ製ルミラーT11)にバーコーター#3で塗布液を塗布し、180℃、10分で乾燥させて、ポリエステルフィルム積層体を得た。実施例13〜20については、易接着性PETに比べて、密着させることがより困難となる条件である、未処理ポリエステルフィルム(未処理PET:東レ製ルミラーS10)を使用し、140℃、10分で乾燥させて、ポリエステルフィルム積層体を得た。
(密着性の評価)
ポリエステルフィルム積層体において、碁盤目剥離法により評価した。すなわち試験片にカッターで1mmの桝目を100個作製し、セロハンテープにより剥離性を調べた。試験結果は、「(剥離しなかった枚数)/(全枡数)(試験を繰り返した回数)」を示し、「100/100(4)」は4回の繰り返し試験で全く剥離が見られなかったことを示す。また、「82/100(4)」は、3回の繰り返し試験で全く剥離が見られず、4回の繰り返し試験で82枚剥離しなかったことを示す。
(安定性の評価)
塗布液を室温(25℃)で3日間保管し、状態を観察した。○・・・変化なし。×・・・ゲル化、増粘が見られ、塗布が困難となった。
(耐薬品性)
ポリエステルフィルム積層体に、以下の薬品を置き、24時間後の積層体の様子を観察した。耐水性:純水、耐エタノール性:80質量%エタノール水溶液、耐酸性:5質量%硫酸水溶液、耐アルカリ性:5質量%水酸化ナトリウム水溶液
◎・・・変化なし。
○・・・極一部に傷、破れ、白化が見られる。
△・・・一部に傷、破れ、白化が見られる。
×・・・全面に傷、破れ、白化が見られる。
結果を表1〜表3に示す。
Figure 2019044073
表1より、以下のことが分かる。
ウレタン基とウレア基の合計濃度が5質量%以上、15質量%未満のポリウレタン樹脂とアクリル樹脂を含む実施例1〜8は、密着性が高いことが分かった。実施例1〜8を比較すると、ウレタン基とウレア基の合計濃度が10質量%以上15質量%未満である実施例2〜8は、高い保管安定性を示した。
一方、比較例1及び2は、ポリウレタン樹脂エマルジョンについて、ウレタン基とウレア基の合計濃度が、15質量%以上であるため、密着性が劣っていた。
Figure 2019044073
表2より、以下のことが分かる。
実施例9〜12を比較すると、イソシアネートとして、水素添加MDIを使用した実施例10及び12が高い耐薬品性を示すことが分かった。また、ポリウレタン樹脂の固形分とアクリル樹脂の固形分の合計100質量%に対して、ポリウレタン樹脂が60〜90質量%である実施例9及び10は、密着性と高い耐薬品性を両立できることが分かった。
一方、比較例3及び4は、エマルジョン組成物がアクリル樹脂エマルジョンを含まないため、密着性が劣っていた。
Figure 2019044073
表3より、実施例13〜20は、プラスチックフィルムが未処理ポリエステルフィルムであっても、密着性に優れる塗膜が得られていた。

Claims (8)

  1. ポリウレタン樹脂エマルジョン及びアクリル樹脂エマルジョンを含む、プラスチックフィルムコート用エマルジョン組成物であって、
    前記ポリウレタン樹脂が、
    (a)ポリカーボネートポリオール由来の構造と、(b)酸性基含有ポリオール由来の構造と、(c)ポリイソシアネート化合物由来の構造と、
    を有し、
    前記ポリウレタン樹脂中のウレタン基とウレア基の合計濃度が、5質量%以上15質量%未満であることを特徴とする、エマルジョン組成物。
  2. ポリウレタン樹脂中のウレタン基とウレア基の合計濃度が、10質量%以上15質量%未満である、請求項1に記載のエマルジョン組成物。
  3. (c)ポリイソシアネート化合物が、水素添加MDI及び/又はイソホロンジイソシアネートを含む、請求項1又は2に記載のエマルジョン組成物。
  4. ポリウレタン樹脂の固形分とアクリル樹脂の固形分の合計を100質量%とした際に、ポリウレタン樹脂の固形分の含有量が60〜90質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物を含む、塗料。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物を硬化してなる、硬化物。
  7. プラスチックフィルムに、請求項1〜4のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物をコートした、積層体。
  8. 前記プラスチックがポリエステル樹脂である、請求項7に記載の積層体。
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