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JP2017144781A - シートクッションエアバッグ構造 - Google Patents

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JP2017144781A
JP2017144781A JP2016026136A JP2016026136A JP2017144781A JP 2017144781 A JP2017144781 A JP 2017144781A JP 2016026136 A JP2016026136 A JP 2016026136A JP 2016026136 A JP2016026136 A JP 2016026136A JP 2017144781 A JP2017144781 A JP 2017144781A
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小林 一平
Ippei Kobayashi
一平 小林
中島 敦
Atsushi Nakajima
敦 中島
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】着座乗員に対する拘束力を早期に発生させる。【解決手段】車両用シート10では、サイドフレーム30及びサイドエアバッグ50が、表皮サイド部22によって、シート幅方向外側から覆われて、表皮サイド部22の先端部がサイドフレーム30の屈曲部34Aに固定されている。ここで、表皮サイド部22の余長部22Aが、ティアシーム部24によって、折畳まれた状態に結合されており、表皮サイド部22のシート幅方向内側面に反力板60が設けられている。そして、サイドエアバッグ50が膨張すると、ティアシーム部24が破断し、膨張したサイドエアバッグ50のシート幅方向外側に反力板60が隣接して配置されて、サイドエアバッグ50が反力板60によってシート幅方向外側から支持される。このため、サイドエアバッグ50の膨張完了時において、サイドエアバッグ50が、反力板60及び表皮サイド部22によってシート幅方向外側から支持される。【選択図】図4

Description

本発明は、シートクッションエアバッグ構造に関する。
下記特許文献1には、エアバッグをシートクッションの側部に備えたシートクッションエアバッグ構造が、開示されている。このシートクッションエアバッグ構造では、インフレータが作動すると、インフレータからエアバッグにガスが供給されて、エアバッグがシートクッションの側部からシート上方側へ膨張展開する。これにより、例えば、車両の側方からの側面衝突時において、車幅方向外側へ移動する着座乗員をエアバッグによって拘束して、着座乗員を保護することができる。
特開2005−22466号公報 特開2015−48054号公報
しかしながら、上記シートクッションエアバッグ構造では、インフレータの作動が開始されてからエアバッグによって着座乗員に対する拘束力を発生させるまでの時間が比較的長くなる可能性がある。すなわち、上記シートクッションエアバッグ構造では、エアバッグの膨張展開完了時において、エアバッグをシート幅方向外側から支持する部材がない構造になっている。このため、側面衝突時に、ドアトリムなどの車両の内装部材が車幅方向内側(すなわち、シートクッション側)へ変位(侵入)して、エアバッグに当接することで、エアバッグがシート幅方向外側から支持されて、着座乗員に対する拘束力がエアバッグによって発生する。これにより、ドアトリムがエアバッグに当接するまでは、着座乗員に対する拘束力をエアバッグによって発生させることができない。したがって、エアバッグによる着座乗員に対する拘束力を発生させるまでの時間が比較的長くなる可能性がある。
本発明は、上記事実を考慮し、着座乗員に対する拘束力を早期に発生させることができるシートクッションエアバッグ構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載のシートクッションエアバッグ構造は、乗員が着座するシートクッションの側部を構成するサイドサポート部と、前記サイドサポート部のシート下側に設けられたシートフレームと、前記シートフレームのシート幅方向内側に設けられたインフレータと、展開した状態で前記サイドサポート部と前記シートフレームとの間に配置されると共に、前記インフレータからガスが供給されることで膨張するエアバッグと、前記シートクッションをシート上側から覆う表皮本体部と、前記表皮本体部のシート幅方向外側端部からシート下側へ延出され且つ前記サイドサポート部及び前記シートフレームをシート幅方向外側から覆うと共に先端部が前記シートフレームに固定された表皮サイド部と、を含んで構成された表皮と、前記表皮サイド部における先端側の部分を折畳んだ状態に結合すると共に、前記エアバッグの膨張時に破断するティアシーム部と、前記表皮サイド部におけるシート幅方向内側面に設けられ、膨張後の前記エアバッグのシート幅方向外側に隣接して配置されて当該エアバッグをシート幅方向外側から支持する支持部材と、を備えている。
請求項1に記載のシートクッションエアバッグ構造では、シートクッションの側部を構成するサイドサポート部のシート下側にシートフレームが設けられている。また、サイドサポート部とシートフレームとの間には、エアバッグが展開した状態で配置されている。さらに、シートクッションは、表皮における表皮本体部によって、シート上側から覆われている。また、表皮における表皮サイド部が、表皮本体部のシート幅方向外側端部からシート下側へ延出されると共に、サイドサポート部及びシートフレームをシート幅方向外側から覆っている。そして、表皮サイド部の先端部がシートフレームに固定されている。
ここで、表皮サイド部における先端側の部分が、ティアシーム部によって、折畳まれた状態に結合されている。また、表皮サイド部におけるシート幅方向内側面には、支持部材が設けられている。そして、インフレータからガスがエアバッグに供給されると、エアバッグが、サイドサポート部とシートフレームとの間で膨張すると共に、ティアシーム部が破断する。さらに、膨張後のエアバッグのシート幅方向外側に支持部材が隣接して配置されて、エアバッグが支持部材によってシート幅方向外側から支持される。このため、エアバッグの膨張完了時において、エアバッグが、支持部材及び表皮サイド部によってシート幅方向外側から支持される。これにより、エアバッグの膨張完了時から、着座乗員に対する拘束力を発生させることができる。
以上説明したように本発明に係るシートクッションエアバッグ構造によれば、着座乗員に対する拘束力を早期に発生させることができる。
図1は、本実施の形態に係るシートクッションエアバッグ構造が適用された車両用シートの要部を示すシート後側から見た模式的な断面図である。 図2は、図1に示されるサイドエアバッグの膨張状態を示す模式的な斜視図である。 図3は、図1に示されるインフレータの非作動状態における車両用シートのシート左側部分を拡大して示す断面図である。 図4は、図3に示されるインフレータが作動してエアバッグが膨張した状態を示す断面図である。 図5は、比較例の車両用シートの要部を、サイドエアバッグが膨張した状態で示すシート後側から見た模式的な断面図である。
以下、図面を用いて本実施の形態に係るシートクッションエアバッグ構造Sについて説明する。なお、各図に適宜示す矢印UP、矢印LHは、それぞれシートクッションエアバッグ構造Sが適用された車両用シート10のシート上側、シート左側(シート幅方向一方側)を示している。
図1には、シートクッションエアバッグ構造Sが適用された車両用シート10の要部がシート後側から見た模式的な断面図にて示されている。この車両用シート10は、車両Vの左側部及び右側部にそれぞれ配設されている(図1では、車両Vの左側部に配置された車両用シート10のみを図示している)。そして、車両Vの左側部及び右側部に配置された車両用シート10は左右対称に構成されている。このため、以下の説明では、車両Vの左側部に配置された車両用シート10について説明し、車両Vの右側部に配置された車両用シート10についての説明は省略する。なお、シート上側は、車両Vの車両上側と一致しており、シート幅方向は、車両Vの車幅方向と一致している。
車両用シート10は、着座乗員Pの尻部を支えるシートクッション12と、車両用シート10のシート幅方向両側部分の骨格を構成する「シートフレーム」としてサイドフレーム30(図1では、シート左側のサイドフレーム30のみを図示している)と、を含んで構成されている。また、車両用シート10は、「エアバッグ」としてのサイドエアバッグ50と、サイドエアバッグ50にガスを供給するインフレータ40と、サイドエアバッグ50に設けられた「支持部材」としての反力板60と、を有している。以下、各構成について説明する。
シートクッション12は、シートクッション12のシート幅方向中央部を構成するクッション本体部14と、シートクッション12のシート幅方向両側部を構成する左右一対のサイドサポート部16(図1では、シート左側のサイドサポート部16のみを図示している)と、を含んで構成されている。このクッション本体部14及びサイドサポート部16は、一体に形成されると共に、ウレタン等の発泡材によって構成されている。クッション本体部14は、シート上側から見て略矩形状を成す略直方体状に形成されて、シート下側からシートクッションフレーム(不図示)によって支持されている。
図3に示されるように、サイドサポート部16は、シート後側から見て、クッション本体部14のシート幅方向外側端部からシート幅方向外側且つシート上側へ斜めに延出されており、サイドサポート部16の先端部がシート上側へ突出されている。具体的には、サイドサポート部16は、サイドサポート部16の基端部からシート幅方向外側へ向かうに従いシート上側へ傾斜された下側傾斜面16Aと、下側傾斜面16Aのシート幅方向外側端からシート幅方向外側へ延出された下面16Bと、下面16Bのシート幅方向外側端からシート上側へ向かうに従いシート幅方向外側へ若干傾斜された外側面16Cと、を有している。また、サイドサポート部16は、外側面16Cの上端からシート幅方向内側へ延出された上面16Dと、上面16Dのシート幅方向内側端からシート下側へ向かうに従いシート幅方向内側へ傾斜された第1上側傾斜面16Eと、を有している。さらに、サイドサポート部16は、第1上側傾斜面16Eとクッション本体部14の上面とを接続する第2上側傾斜面16Fを有している。そして、第1上側傾斜面16Eが、シート後側から見て、略シート幅方向内側へ若干凸に湾曲されている。
サイドフレーム30は、サイドサポート部16のシート下側に配置されて、クッションフレームなどに固定されている。これにより、サイドサポート部16が、サイドフレーム30によってシート下側から支持される構成になっている。このサイドフレーム30は、鋼板等によって製作される共に、シート後側から見てシート下側へ開放された断面略U字形状に形成されている。具体的には、サイドフレーム30は、上壁32と、上壁32のシート幅方向外側端からシート下側へ延出された外側壁34と、上壁32のシート幅方向内側端からシート下側へ延出された内側壁36と、を含んで構成されている。
また、上壁32のシート幅方向内側部分には、シート幅方向内側へ向かうに従いシート下側へ傾斜された傾斜壁32Aが形成されている。そして、上壁32のシート幅方向外側部分(傾斜壁32Aを除く部分)におけるシート上側の面がサイドフレーム30の上面30Aとされており、上面30Aは、シート上下方向に対して直交する面に沿って配置されると共に、サイドサポート部16の下面16Bと略平行に配置されている。また、傾斜壁32Aにおけるシート上側の面がフレーム傾斜面30Bとされており、フレーム傾斜面30Bは、シート後側から見てシート幅方向内側へ向かうに従いシート下側に傾斜されると共に、サイドサポート部16の下側傾斜面16Aと略平行に配置されている。換言すると、サイドサポート部16の下側傾斜面16A及びフレーム傾斜面30Bが、シート後側から見て、シート幅方向外側へ向かうに従いシート上側に傾斜されている。さらに、外側壁34の下端部には、シート幅方向内側且つシート上側へ屈曲された屈曲部34Aが形成されており、屈曲部34Aは、シート後側から見て略U字形状を成している。
また、車両用シート10は、前述したシートクッション12及びサイドフレーム30を覆う表皮18を有している。この表皮18は、シートクッション12(クッション本体部14及びサイドサポート部16)をシート上側から覆う表皮本体部20と、サイドサポート部16及びサイドフレーム30をシート幅方向外側から覆う表皮サイド部22と、を含んで構成されている。そして、本実施の形態では、表皮本体部20におけるサイドサポート部16を覆う部分と、表皮サイド部22と、は一体の部材で構成されており、表皮サイド部22は、表皮本体部20のシート幅方向外側端部からシート下側へ延出されている。なお、表皮本体部20と表皮サイド部22とを別体の部材で構成して、表皮本体部20の車幅方向外側端部と、表皮サイド部22の上端部と、を縫製などによって結合して、両者を一体化してもよい。
また、表皮サイド部22の下端側(先端側)の部分は、外側壁34の屈曲部34Aに沿ってシート幅方向内側及びシート上側に折り返されており、表皮サイド部22の先端部が、外側壁34の屈曲部34Aに固定されている。さらに、表皮サイド部22は、表皮サイド部22の下端側(先端側)の部分(具体的には、屈曲部34Aに対してシート幅方向内側に配置された部分)において、余長部22Aを有している。この余長部22Aは、蛇腹状にシート上下方向に折畳まれると共に、ティアシーム部24によって結合されている。そして、後述するサイドエアバッグ50の膨張時には、サイドエアバッグ50の膨張圧によって表皮サイド部22にシート上下方向に引張力が作用することで、ティアシーム部24が破断して、余長部22Aが展開される構成になっている。
インフレータ40は、車両用シート10における車幅方向外側(車両Vの左側部に配置された車両用シート10ではシート左側、車両Vの右側部に配置された車両用シート10ではシート右側)のサイドフレーム30のシート幅方向内側に配置されている。このインフレータ40は、シート前後方向を軸方向とした略円柱状に形成されて(図2参照)、図示しないブラケット等によってサイドフレーム30の内側壁36に固定されている。このインフレータ40の内部には、図示しないガス発生装置が設けられている。ガス発生装置は、車両Vの制御部42(図1参照)に電気的に接続されており、制御部42の制御によってガス発生装置が作動するように構成されている。また、インフレータ40の長手方向一端部には、後述するサイドエアバッグ50が接続されており、ガス発生装置によって発生したガスがサイドエアバッグ50内に供給されるようになっている。
サイドエアバッグ50は、車両用シート10における車幅方向外側のサイドフレーム30とサイドサポート部16との間に配置されている。このサイドエアバッグ50は、一例として複数の基布の外周部を縫製することにより袋状に構成されている。そして、サイドエアバッグ50は、展開された状態で、サイドサポート部16(の下面16B及び下側傾斜面16A)とサイドフレーム30(の上面30A及びフレーム傾斜面30B)との間に配置されている。また、サイドエアバッグ50のシート幅方向内側の端部には、前後一対の取付部52が一体に設けられている。この一対の取付部52は、シート前後方向に離間して配置されると共に(図2参照)、サイドフレーム30の内側壁36とクッション本体部14との間の位置において、シートクッション12の表皮18に縫合されている。なお、取付部52をサイドフレーム30の内側壁36に固定してもよい。また、サイドエアバッグ50のシート幅方向内側の端部は、一対の取付部52の間の位置において、前述したインフレータ40に接続されている。これにより、図4に示されるように、インフレータ40(のガス発生装置)が作動すると、インフレータ40からサイドエアバッグ50の内部にガスが供給されて、サイドエアバッグ50がサイドサポート部16とサイドフレーム30との間において膨張するようになっている。そして、サイドエアバッグ50が膨張したときには、サイドエアバッグ50は、シート前後方向を軸方向とする中空の略楕円柱状を成すように、膨張するように構成されている。
図3に示されるように、サイドエアバッグ50のシート幅方向外側部分は、シート下側へ折り曲げられて、サイドフレーム30における外側壁34のシート幅方向外側に配置されると共に、シート幅方向において外側壁34と対向して配置されている。そして、シート幅方向において、サイドフレーム30の外側壁34と対向して配置された部分が、折曲部54とされており、折曲部54は、表皮サイド部22と外側壁34との間に配置されている。
反力板60は、樹脂製とされると共に、略シート前後方向を長手方向とした略矩形板状に形成されている。この反力板60は、表皮サイド部22のシート幅方向内側面に、縫製などによって固定されると共に、シート幅方向を板厚方向として、折曲部54に対してシート幅方向外側に配置されている(図3に示される位置であり、以下、この位置を「初期位置」と称する)。
また、詳細については後述するが、サイドエアバッグ50の膨張時には、折曲部54がサイドフレーム30のシート上側へ移動すると共に、反力板60が、シート上側へ移動して、膨張後のサイドエアバッグ50のシート幅方向外側に隣接して配置される構成になっている。これにより、膨張後のサイドエアバッグ50が、表皮サイド部22及び反力板60によってシート幅方向外側から支持される構成になっている(図4に示される位置であり、以下、この位置を「支持位置」と称する)。なお、反力板60の幅寸法(反力板60の長手方向から見て、板厚方向と直交する方向の寸法)は、一例として50mmに設定されている。
また、図1に示されるように、制御部42には、衝突検知センサ44及び衝突予知センサ46が電気的に接続されている。そして、衝突検知センサ44及び衝突予知センサ46から出力された信号に基づいて、制御部42がインフレータ40を作動させるようになっている。
衝突検知センサ44は、一例として加速度センサによって構成されて、図示しない車両Vのセンタピラーやサイドドアなどに設けられている。そして、車両Vの車幅方向外側から衝突体が車両Vに衝突したときには、衝突検知センサ44から制御部42へ出力された信号に基づいて、車両Vに対する側面衝突を制御部42が検知(判定)するようになっている。
衝突予知センサ46は、車両Vの側面衝突を事前に予知するためのものである。この衝突予知センサ46は、車両Vの側部に設けられて、ミリ波レーダやステレオカメラなどによって構成されている。すなわち、衝突予知センサ46としてのミリ波レーダやステレオカメラなどによって、車両Vの側方における衝突体までの距離や車両Vと衝突体との相対速度等を測定し、衝突予知センサ46が測定データを制御部42へ出力するようになっている。そして、衝突予知センサ46から制御部42への出力信号に基づいて、車両Vに対する側面衝突予知を制御部42が判定するようになっている。
制御部42は、衝突検知センサ44及び衝突予知センサ46からの出力信号に基づいて、車両Vへの側面衝突を検知又は予測すると、インフレータ40(のガス発生装置)を作動させるように構成されている。
次に、車両Vの車両左側からの側面衝突について説明しつつ、本実施の形態の作用及び効果について説明する。
上記のように構成されたシートクッションエアバッグ構造Sが適用された車両用シート10では、図3に示されるように、インフレータ40の非作動状態において、サイドエアバッグ50が、サイドサポート部16とサイドフレーム30との間において、展開状態で配置されている。
そして、制御部42が、衝突検知センサ44及び衝突予知センサ46からの出力信号に基づいて、車両Vへの側面衝突を検知又は予測すると、インフレータ40(のガス発生装置)を作動させる。具体的には、衝突側(すなわち、車両左側)の車両用シート10のインフレータ40を作動させる。
図4に示されるように、インフレータ40が作動すると、インフレータ40からガスの供給を受けたサイドエアバッグ50が、サイドサポート部16(の下面16B及び下側傾斜面16A)とサイドフレーム30(の上面30A及びフレーム傾斜面30B)との間で膨張する。このため、サイドエアバッグ50の膨張圧によって、サイドサポート部16及び表皮本体部20がサイドエアバッグ50によってシート上側へ押上げられるようになる。これにより、表皮サイド部22の上端部にはシート上側への荷重が作用する。
一方、表皮サイド部22の先端部は、サイドフレーム30の外側壁34における屈曲部34Aに固定されているため、表皮サイド部22にはシート上下方向の引張力が作用する。このため、表皮サイド部22におけるティアシーム部24が破断して、表皮サイド部22の余長部22Aが展開される。これにより、表皮サイド部22の上端部のシート上側への移動が許容されて、サイドエアバッグ50が、サイドサポート部16をシート上側へ押上げながら膨張する。具体的には、サイドエアバッグ50の膨張時には、サイドエアバッグ50の折曲部54が初期位置からシート上側へ移動して、サイドエアバッグ50がサイドフレーム30のシート上側において膨張する。
また、サイドサポート部16のシート幅方向内側端部(基端部)は、クッション本体部14と一体にされている。このため、サイドエアバッグ50の膨張時には、サイドサポート部16は、シート後側から見て、基端部を起点にシート幅方向内側へ回動するように変位する。すなわち、サイドエアバッグ50の膨張時には、サイドサポート部16がサイドエアバッグ50によってシート上側且つシート幅方向内側へ押上げられる。その結果、シート後側から見て、サイドサポート部16の第1上側傾斜面16Eが、シート幅方向外側から着座乗員Pの腰部に当接する。
一方、側面衝突時では、着座乗員Pの身体が慣性力によって衝突側の車幅方向外側(本実施の形態では、シート左側)へ移動する。このため、着座乗員Pの腰部によってサイドサポート部16がシート幅方向外側へ押圧される。これにより、サイドエアバッグ50には、着座乗員Pからサイドサポート部16を介してシート幅方向外側への荷重が作用する。
ここで、表皮サイド部22におけるシート幅方向内側面には、反力板60が設けられており、反力板60は、シート幅方向を板厚方向として、膨張前のサイドエアバッグ50の折曲部54に対してシート幅方向外側に配置されている。そして、上述のように、サイドエアバッグ50の膨張時には、ティアシーム部24が破断して、表皮サイド部22の余長部22Aが展開される。このため、サイドエアバッグ50によるサイドサポート部16及び表皮本体部20の押上げに伴い、表皮サイド部22の上端部がシート上側へ移動すると共に、反力板60がシート上側へ移動する。具体的には、反力板60が、初期位置から支持位置へ移動して、膨張後のサイドエアバッグ50のシート幅方向外側に隣接して配置される。これにより、サイドエアバッグ50が表皮サイド部22及び反力板60によってシート幅方向外側から支持される。
このため、反力板60からサイドエアバッグ50に対してシート幅方向内側への反力が作用すると共に、当該反力がサイドエアバッグ50を介してサイドサポート部16に作用する。これにより、サイドサポート部16によって着座乗員Pの腰部をシート幅方向外側から拘束することができる。このように、本実施の形態のシートクッションエアバッグ構造Sによれば、サイドエアバッグ50の膨張完了と略同時に、表皮サイド部22及び反力板60からサイドエアバッグ50に対してシート幅方向内側への反力を作用させることができる。したがって、着座乗員Pに対する拘束力を早期に発生させることができる。
以下、この点について、図5に示される比較例の車両用シートを用いてより詳しく説明する。なお、比較例の車両用シートでは、以下に示す点を除いて、本実施の車両用シート10と同様に構成されている。すなわち、比較例の車両用シートでは、表皮18における表皮サイド部22は、サイドフレーム30をシート幅方向外側から覆っておらず、サイドサポート部16の外側面16C、下面16B、及び下側傾斜面16Aを覆うように構成されている。また、比較例の車両用シートでは、表皮サイド部22において、反力板60が設けられていない構成となっている。さらに、図5に記載された車両用シートでは、本実施の形態の車両用シート10と同様に構成されている部材に同一の符号を付している。
比較例では、サイドエアバッグ50が膨張すると、本実施の形態と同様に、サイドエアバッグ50がサイドサポート部16をシート上側且つシート幅方向内側へ押上げる。ここで、比較例では、上述のように、表皮18における表皮サイド部22が、サイドサポート部16の外側面16C、下面16B、及び下側傾斜面16Aを覆うように構成されており、表皮サイド部22に反力板60が設けられていない。このため、サイドエアバッグ50の膨張完了時では、サイドエアバッグ50をシート幅方向外側から支持するものがない構成となる。
そして、比較例では、車両Vに対して側面衝突した衝突体によってドアトリム70が車両用シート10側(車幅方向内側であり、図5に示される矢印を参照)へ移動(侵入)して、サイドエアバッグ50のシート幅方向外側端部にドアトリム70が当接することで、ドアトリム70によってサイドエアバッグ50がシート幅方向外側から支持されるようになる。これにより、ドアトリム70からサイドエアバッグ50に対してシート幅方向内側の反力が作用して、当該反力がサイドエアバッグ50を介してサイドサポート部16に作用するようになる。すなわち、比較例では、ドアトリム70がサイドエアバッグ50のシート幅方向外側端部に当接されるまで、サイドエアバッグ50がシート幅方向外側から支持されない。このため、本実施の形態と比べて、サイドエアバッグ50に対してシート幅方向内側への反力を作用させるまでの時間が長くなる傾向にある。
これに対して、本実施の形態によれば、上述のように、表皮サイド部22がサイドフレーム30をシート幅方向外側から覆うと共に、表皮サイド部22のシート幅方向内側面に反力板60が設けられている。このため、サイドエアバッグ50の膨張完了と略同時に、サイドエアバッグ50(シート幅方向外側部分)を表皮サイド部22及び反力板60によってシート幅方向外側から支持することができる。これにより、反力板60からサイドエアバッグ50に対してシート幅方向内側への反力を早期に発生させることができると共に、当該反力を、サイドエアバッグ50を介してサイドサポート部16に作用させることができる。したがって、着座乗員Pに対する拘束力を早期に発生させることができる。
また、本実施の形態では、表皮サイド部22のシート幅方向内側面に反力板60を設けて、膨張後のサイドエアバッグ50のシート幅方向外側に反力板60が隣接して配置されるようになっている。このため、仮に表皮サイド部22において反力板60を省略した場合と比べて、サイドエアバッグ50に対するシート幅方向内側への反力を良好に作用させることができる。すなわち、仮に表皮サイド部22において反力板60を省略した場合には、着座乗員Pのシート幅方向外側への移動によってサイドエアバッグ50が表皮サイド部22をシート幅方向外側へ直接押圧する。このため、サイドエアバッグ50によって直接押圧された表皮サイド部22の部分が伸びて、表皮サイド部22からサイドエアバッグ50に対するシート幅方向内側への反力が低下する可能性がある。これに対して、本実施の形態では、膨張後のサイドエアバッグ50のシート幅方向外側に反力板60が隣接して配置されるようになっている。このため、サイドエアバッグ50が表皮サイド部22を直接押圧することが抑制されて、サイドエアバッグ50が反力板60を直接押圧する。これにより、表皮サイド部22において反力板60を省略した場合と比べて、表皮サイド部22における伸びを抑制することができる。その結果、表皮サイド部22及び反力板60からサイドエアバッグ50に対するシート幅方向内側への反力を良好に作用させることができる。
なお、本実施の形態では、反力板60が、樹脂により構成されているが、反力板60を金属の板材によって構成してもよい。また、本実施の形態では、反力板60の板厚は特に限定していないが、各種車両用シートに対して、着座乗員Pに対する拘束力を確保できるように、反力板60の板厚が設定されていればよい。すなわち、各種車両用シートに対して、着座乗員Pに対する拘束力を確保できるように、反力板60の曲げ剛性が確保されていればよい。
また、本実施の形態では、車両用シート10における車幅方向外側(車両Vの左側の車両用シート10では、シート左側、車両Vの右側の車両用シート10では、シート右側)のサイドサポート部16とサイドフレーム30との間に、サイドエアバッグ50が設けられている。これに代えて、車両用シート10のシート幅方向両側のサイドサポート部16とサイドフレーム30との間に、サイドエアバッグ50をそれぞれ配設してもよい。この場合には、車両右側(左側)からの側面衝突時に、車幅方向中央側へ移動する、左側(右側)の車両用シート10に着座した着座乗員Pを早期に拘束することができる。
12 シートクッション
16 サイドサポート部
18 表皮
20 表皮本体部
22 表皮サイド部
24 ティアシーム部
30 サイドフレーム(シートフレーム)
40 インフレータ
50 サイドエアバッグ(エアバッグ)
60 反力板(支持部材)
S シートクッションエアバッグ構造

Claims (1)

  1. 乗員が着座するシートクッションの側部を構成するサイドサポート部と、
    前記サイドサポート部のシート下側に設けられたシートフレームと、
    前記シートフレームのシート幅方向内側に設けられたインフレータと、
    展開した状態で前記サイドサポート部と前記シートフレームとの間に配置されると共に、前記インフレータからガスが供給されることで膨張するエアバッグと、
    前記シートクッションをシート上側から覆う表皮本体部と、前記表皮本体部のシート幅方向外側端部からシート下側へ延出され且つ前記サイドサポート部及び前記シートフレームをシート幅方向外側から覆うと共に先端部が前記シートフレームに固定された表皮サイド部と、を含んで構成された表皮と、
    前記表皮サイド部における先端側の部分を折畳んだ状態に結合すると共に、前記エアバッグの膨張時に破断するティアシーム部と、
    前記表皮サイド部におけるシート幅方向内側面に設けられ、膨張後の前記エアバッグのシート幅方向外側に隣接して配置されて当該エアバッグをシート幅方向外側から支持する支持部材と、
    を備えたシートクッションエアバッグ構造。
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