JP2017016774A - リチウムイオン二次電池負極及び二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極を圧密した際に電極密度を十分に高めることができ、体積当たりの容量密度が高く、出力特性と電極密度の両立が両立した負極とこれを備えるリチウムイオン二次電池を提供する。【解決手段】楕円相当長短比が0.5以上の粒子の割合が70%以上の黒鉛粒子と、この比が0.5未満の粒子の割合が70%以上の低結晶炭素粒子を95:5〜70:30で配合した負極活物質を用いた負極活物質層を有し、この負極活物質層の密度が1.10〜1.40g/cm3であり、負極断面の電子顕微鏡で観察される単位面積あたりの負極活物質層の空隙周囲長が1.30〜2.00μm/μm2であるリチウムイオン二次電池用負極。【選択図】なし
Description
本発明は、高入出力特性に優れたリチウムイオン二次電池負極及びリチウムイオン二次電池に関する。この電池は、ハイブリッド自動車やプラグインハイブリッド自動車、電動工具などの幅広い用途に適する。
電気エネルギーによって支えられている現代社会において、充放電が可能であり、かつ繰り返し使用が可能な二次電池は今やなくてはならない存在となっている。特に、リチウムイオン二次電池は、作動電位が高いこと、電池容量が大きいこと、及びサイクル寿命が長い等の優れた特徴を有すること、かつ環境汚染が少ないことから、従来主流であったニッケル・カドミウム電池やニッケル水素電池に代わって広範囲で用いられている。
リチウムイオン二次電池の主な用途はノートパソコンやスマートフォンに代表される小型携帯電子機器の電源であるが、近年では、エネルギー問題や環境問題に対応するために、電気自動車やモーターとガソリンエンジンとを組み合わせたハイブリッド電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車の大型電池としても多く利用されている。これに加えて、太陽光発電や風力発電のように出力の変動する発電機と併用して、変動の吸収緩和あるいは出力が一定となるように制御する目的、あるいは需要側での変動緩和やピークシフトの目的での定置向け蓄電池としての利用が注目されており、今後これらエネルギー、環境問題に関連した各種用途における需要増大に伴い、その要求特性は益々高くなっていくものと予想されている。
リチウムイオン二次電池の負極を構成する負極活物質は、黒鉛をはじめとする炭素材料やチタン酸リチウム、シリコン、スズなどが挙げられるが、安全性及び寿命の面から炭素材料が一般的に用いられている。炭素材料のなかでも黒鉛材料は、高エネルギー密度を持つ優れた材料であることから、小型携帯電子機器の電源だけではなく、現在はハイブリッド電気自動車やプラグインハイブリッド電気自動車の電源、定置用蓄電池としてのリチウムイオン二次電池の負極活物質としての利用、及び研究開発が進んでいる。
上記のハイブリッド電気自動車やプラグインハイブリッド自動車では、急速充電、急速放電性能が求められている。すなわち、高入出力特性に優れた電池が必要であるが、リチウムイオンを利用した電池ではリチウムイオンの拡散性が入出力特性を支配しており、これを改良することが望まれている。
特許文献1では負極活物質粒子内部の空隙率と電極中の負極活物質外の空隙率の両方を制御することが提案されている。そして、負極活物質粒子の内部に所定量の空隙を設けることにより、空隙の内部についてもイオンの拡散に利用することが可能になり、出力特性が向上するとしている。
特許文献2では異なる負極活物質を用い、負極活物質層を2層にすることでそれぞれ空隙率の制御することが提案されている。そして、電極集電体上に負極活物質の圧延密度及び平均粒子の大きさが異なる二種類の負極活物質を含む多層活物質層を含むことにより、圧延工程後も電極表面の空隙率を向上させ、電極内部へのイオン移動性を向上させることができるので、リチウム二次電池の充電特性及び寿命特性を向上させることができるとしている。
しかしながら、特許文献1に記載のような加圧により変形や配向性が少ない黒鉛材料を使用すると、電極を圧密した際に電極密度を十分に高めることができず、体積当たりの容量密度が低下してしまい、出力特性と電極密度の両立ができないという問題があった。また特許文献2のように2層の負極活物質層を形成する方法では、生産性が大きく低下するという問題があった。
本発明者らは鋭意研究を進めた結果、出力特性を向上させるためには単に電極内の空隙体積を制御することが重要であるわけではなく、電極内の反応表面積を制御することが重要であることを見出した。そして、特定の形状の粒子を一定以上含む黒鉛に、黒鉛とは異なる特定の形状の粒子を一定以上含む低結晶炭素とを所定割合で混合することにより、同様の電極密度、空隙率であってもより効率的なリチウムイオンの拡散を実現することができ、これによって容量密度、入出力特性だけでなく、生産性も高めることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、楕円相当長短比(楕円相当短軸長さ/楕円相当長軸長さ)が0.5以上の粒子の割合が70%以上の黒鉛粒子と、楕円相当長短比が0.5未満の粒子の割合が70%以上の低結晶炭素粒子を95:5〜70:30の質量比で配合した負極活物質を用い、集電体上に該負極活物質とバインダーとを混合してなる負極活物質層を形成して構成されているリチウムイオン二次電池用の負極であって、前記負極活物質層の圧密後の密度が1.10〜1.40g/cm3であり、負極断面の電子顕微鏡で観察される単位面積あたりの負極活物質層の空隙周囲長が1.30〜2.00μm/μm2であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用の負極である。
前記負極活物質は、その真比重が2.13〜2.23g/cm3であり、タップ密度が0.5g/cm3以上であり、平均粒子径(D50)が5〜20μmであることが好ましい。
前記低結晶炭素粒子は、その真比重が1.90〜2.16g/cm3であり、平均粒子径(D50)が5〜20μmであることが好ましい。かかる低結晶炭素粒子としては、石炭若しくは石油系の生コークスを900〜1500℃で焼成処理して得られるコークス、石炭若しくは石油系のか焼コークス、該か焼コークスを900〜1500℃で焼成処理して得られるコークス、又はこれらの混合物が挙げられる。
前記黒鉛粒子は、ピクノメータ法で測定される真比重が2.23〜2.24g/cm3であり、平均粒子径(D50)が5〜20μmであることが望ましい。
また、本発明は前記のリチウムイオン二次電池用負極と、セパレータを介して対向する正極を有するリチウムイオン二次電池であって、負極の初期容量N(mAh/cm2)と、正極の初期容量P(mAh/cm2)との初期容量比(N/P)が1.0〜1.5となるように構成されていることを特徴とするリチウムイオン二次電池である。
本発明によれば、特定の形状の粒子を一定以上含む黒鉛に、黒鉛とは異なる特定の形状の粒子を一定以上含む低結晶炭素とを所定量混合した負極活物質を使用することによって、圧密時の電極内の反応面積低減を抑制することができる。これによって電極密度、空隙率が等しい黒鉛型の電極と較べてより効率的なリチウムイオンの拡散を実現することができ、高入出力特性に優れたリチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池を与えることができる。このリチウムイオン二次電池は、ハイブリッド自動車やプラグインハイブリッド自動車、電動工具などの幅広い用途に適するものとなる。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、楕円相当長短比が0.5以上の粒子を70%以上含む黒鉛粒子に、楕円相当長長短比が0.5未満の粒子を70%以上含む低結晶炭素粒子が配合された材料を負極活物質として含む。ここで、楕円相当長短比は楕円相当短軸長さ/楕円相当長軸長さを意味する。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極の負極活物質に用いられる黒鉛粒子は、真比重が2.22〜2.24g/cm3で、高い結晶性を持つ黒鉛であることが好ましい。真比重は炭素材料の結晶構造の発達を示し、一般に結晶構造が発達すればするほど、重量当たりの電気容量密度が向上する。そのため、2.23g/cm3以上であることがより望ましい。上記真比重を与える黒鉛としては、人造黒鉛、天然黒鉛が挙げられるが、低コストと電極作製のし易さの点から、天然黒鉛がより好ましい。ここで、上記真比重は、黒鉛粒子が、球状化処理、表面処理等がされたものである場合は、処理後の粒子について、ピクノメータ法で測定されたものであり、液体が侵入し得ない空隙がある場合は、その空隙は体積に含まれる。
また、本明細書でいう真比重は特に断りがない限り、実施例に記載の条件で測定した値であると理解される。
また、本明細書でいう真比重は特に断りがない限り、実施例に記載の条件で測定した値であると理解される。
黒鉛は、副反応の抑制の面から不純物の少ないものが好ましく、必要に応じて種々の精製処理を施して用いる。天然黒鉛としては、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土壌黒鉛等が挙げられるが、これらの天然黒鉛の中で、土壌黒鉛は一般に粒径が小さいうえ、純度が低い。これに対して、鱗片状黒鉛や鱗状黒鉛は、黒鉛化度が高く不純物量が低い等の長所があるため、本発明において好ましく使用することができる。
人造黒鉛としては、例えば、コールタールピッチ、石炭系重質油、常圧残油、石油系重質油、芳香族炭化水素、窒素含有環状化合物、硫黄含有環状化合物、ポリフェニレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、天然高分子、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキシド、フルフリルアルコール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、イミド樹脂などの有機物を焼成し、2500℃〜3200℃の温度で黒鉛化したものが挙げられる。なお、焼成の際、珪素含有化合物やホウ素含有化合物などを黒鉛化触媒として用いたり、リン又はリン化合物を添加してもよい。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極の活物質に用いる黒鉛は、薄片状、繊維状、不定形粒子などから適宜選択して用いることができるが、球状化されていることが好ましい。黒鉛粒子は一般的に平板状であるがために比表面積が高く、高充填化が難しいほか、リチウムイオンの吸脱着がエッジ面でしか起きないことが課題であった。このため、比表面積の低減と、等方的な結晶構造を取らせることを目的に球状化処理が行われる。この球状化処理を行うことにより、黒鉛粒子の上記楕円相当長短比を制御することもできる。
球状化処理は、機械的な処理であっても、ピッチ等を使用して造粒を行う方法のいずれによっても良いが、球状化処理後の黒鉛粒子の形状が、楕円相当長短比0.50以上が70%以上となるようにする。楕円相当長短比が0.5を下回る粒子が多くなると、黒鉛粒子内の結晶構造の異方性が大きくなり、負極活物質層を圧密して形成する際に面内配向性が大きくなりすぎる。その結果、リチウムイオンの吸蔵・放出時に面方向での膨張収縮が大きくなり、サイクル特性が著しく低下する。
黒鉛粒子は、BET比表面積が3.0〜8.0m2/gであることが好ましい。このBET比表面積は黒鉛粒子の形状、及び表面コート層の性状によって決まる。BET比表面積が小さ過ぎるとリチウムイオンの充放電速度が遅くなり、大き過ぎるとタップ密度が上がらず電極密度が十分に上がりにくい。BET比表面積は、リチウムイオンが炭素構造に出入りする際の表面反応の速度に影響するため、適切な値に制御することがよい。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極の負極活物質として使用される低結晶炭素粒子は、真比重が1.90〜2.16g/cm3の範囲にあることが好ましい。
低結晶炭素の真比重が低すぎると、リチウムイオン二次電池の充放電の際に副反応が発生し、効率の低下につながる恐れがあり、高すぎると放電容量を低下させる恐れがある。また、真比重が高すぎる場合は、炭素の結晶成長が進むため、粒子内部で積層した黒鉛結晶が外圧により層間で滑りやすくなり、圧密時の耐粒子変形性が低下する。本発明では、変形しやすい黒鉛粒子中に黒鉛よりも破壊されにくい低結晶性炭素粒子を添加することにより、圧密時の黒鉛粒子の内部空隙の閉塞の抑制を可能としているが、黒鉛粒子に添加する低結晶炭素粒子の耐粒子変形性が低いと圧密時に負極活物質の粒子変形を引き起こし、結果としてこの抑制効果を低下させて急速充電性を低下させる恐れがある。
低結晶炭素粒子としては、石炭若しくは石油系の生コークスを900〜1500℃で焼成処理して得られるコークス、石炭若しくは石油系のか焼コークス、又は該か焼コークスを更に900〜1500℃で焼成処理して得られるコークスが適する。これらは、単独で、あるいは混合されて使用される。なお、石炭系、石油系は、石炭系油と石油系油の混合物から得られるものを含む。
本発明に好適な低結晶炭素粒子を得る方法について詳述すれば、最初に、石油系、石炭系等の重質油を、例えばディレードコーカー等のコークス化設備を用い、最高到達温度が400℃〜700℃程度の温度で24時間程度、熱分解・重縮合反応を進めることによって生コークスを得る。
ここで使用される重質油は、石油系重質油であっても石炭系重質油であってもよいが、石炭系重質油の方が芳香属性に富んでおり、硫黄、バナジウム、鉄等の不純物が少なく、揮発分も少ないため、石炭系重質油が好ましい。石炭系油と石油系油の混合物も好ましい。したがって、これらから得られる石炭系のコークスが好ましい。
得られた石炭系又は石油系の生コークスは必要に応じて所定の大きさ、例えば5μm〜20μmに粉砕される。粉砕には、工業的に用いられる粉砕機を使用することができる。
次に、上記生コークスを、低酸素雰囲気で最高到達温度800℃〜1500℃でか焼し、か焼コークスとする。か焼温度は、好ましくは900℃〜1500℃、より好ましくは1000℃〜1400℃の範囲である。か焼処理は、生コークス中の水分、揮発分を除去するとともに、高分子成分として残存する炭化水素をコークスに転化し、結晶の成長を促進する。生コークスのか熱処理には、大量熱処理が可能なリードハンマー炉、シャトル炉、トンネル炉、ロータリーキルン、ローラーハースキルンあるいはマイクロウェーブ等の設備を用いることができるが、特にこれらに限定されるものではない。また、これらのか熱処理設備は、連続式及びバッチ式のどちらでもよい。次いで、得られたか焼コークスの塊を、工業的に用いられるアトマイザー等の粉砕機を用いて所定の大きさ、例えば5〜20μmに粉砕する。また、粉砕したコークス粉は分級により微粉をカットしたり、粗粉を篩などで除去したりすることによって所定の粒度に整粒することがよい。上記か焼段階で炭素の結晶成長が進み、面方向と厚み方向で異方性を有するようになり、この異方性コークスを粉砕することによって楕円相当長短比が0.5以下の細長い形状の粒子が多い低結晶炭素粒子を得ることができる。
低結晶炭素粒子は、BET比表面積が1.0〜10.0m2/gであることが好ましい。より好ましくは2.0〜10.0m2/gである。このBET比表面積は炭素材料の結晶状態起因による粉砕時の形状、及び粉砕後の粒度分布によって決まる。BET比表面積が小さいと、リチウムイオンの充放電速度が遅くなり、逆に大きすぎると、タップ密度が上がらず電極密度が上がらない。BET比表面積は、リチウムイオンが炭素構造に出入りする際の表面反応の速度に影響するため、適切な値に制御することがよい。
楕円相当長短比は、楕円相当短軸長さ/楕円相当長軸長さで計算される。楕円相当長短比は、SEM等の方法にて観察した粒子画像について、画像解析ソフト(WinRooF:三谷商事株式会社製)などを用いて解析することができる。粒子画像は、粒子と樹脂を含む層又は成形体等にして、これを研磨して現れる粒子の画像であることができる。
一定数以上の粒子について、楕円相当長短比を求め、その比が0.5以上の粒子の個数aと、0.5未満の粒子の個数bを集計する。そして、a/(a+b)又はb/(a+b)を計算し、その数値を%で表す。
楕円相当長短比は、粒子断面と等面積で、かつ一次および二次モーメントが等しい楕円の長軸とそれに直交する短軸の比であると理解される。
一定数以上の粒子について、楕円相当長短比を求め、その比が0.5以上の粒子の個数aと、0.5未満の粒子の個数bを集計する。そして、a/(a+b)又はb/(a+b)を計算し、その数値を%で表す。
楕円相当長短比は、粒子断面と等面積で、かつ一次および二次モーメントが等しい楕円の長軸とそれに直交する短軸の比であると理解される。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極に使用される負極活物質における黒鉛粒子(A)と低結晶炭素粒子(B)の配合量は、A:Bの質量比で、70:30〜95:5、好ましくは80:20〜90:10である。低結晶炭素粒子の配合量が過少であると、低結晶炭素粒子を配合することによる黒鉛粒子の変形抑制効果が不十分となり、黒鉛の変形による反応表面積低下による急速充電性の低下を招き、過剰である場合はかえって黒鉛粒子の変形・破壊を引き起こしてしまい、これもまた急速充電性の低下を招く。また、負極活物質の重量当たりの電気容量密度が低下してしまうことや、低結晶炭素粒子そのものが黒鉛粒子と比較して充放電効率が低いため、混合物としての充放電効率も低下する。
本発明のリチウム二次電池用負極の負極活物質は、黒鉛粒子と低結晶炭素粒子を含む混合物からなるが、その混合物が全体として、真比重2.13〜2.23g/cm3、BET比表面積が3〜6m2/g、平均粒子径(D50)=5〜20μmの範囲が好適である。平均粒子径(D50)はメディアン径である。BET比表面積が小さ過ぎると、負極活物質としての反応面積を確保することが難しくなり、低温での入出力特性などが低下する恐れがある。また、大きすぎると、初回充電時に生じる負極活物質表面でのリチウムイオン消費を伴った電解液の還元分解が生じて、正極容量を減らしてしまう恐れがある。更に、BET比表面積が大きいことで、スラリー作製時に必要な必要バインダーが増えてしまい、負極電極中に含まれる活物質割合が低下してしまうことが懸念される。
上記負極活物質としての、黒鉛粒子と低結晶炭素粒子の平均粒子径(D50)がそれぞれ5〜20μmの範囲内にあることが好ましい。この粒度範囲を外れた場合、スラリー化した際に低結晶性炭素粒子が黒鉛粒子の粒間にうまく配合されず、負極活物質層で偏在してしまい、狙ったような黒鉛の配向抑制効果が得られないため、適切な粒度に調整することが好ましい。
また、上記負極活物質は、黒鉛粒子と低結晶炭素粒子を所定の割合で混合した場合のタップ密度を、0.5g/cm3以上、好ましくは0.5〜1.2g/cm3の範囲とすることがよい。タップ密度が低いと、電極作製時の粒子同士の接触が不十分となり導通パスの減少となるため電池性能が低下し、また密度を上げるためにプレス圧力を増加させると変形量が大きくなるため粒子が割れたりして、表面積の増加、電極の密着性の低下による更なる導通パスの低減などにつながり、電池性能低下につながる。そのため、プレス前の充填密度をあげるためにタップ密度を指標として0.5g/cm3以上が好ましい。
また、タップ密度をより上げるには、例えばD10が1μm未満の微粉の割合を増やしたり、D90付近の粗大粒子の割合を増やしたりする必要があり、その結果粉体の表面積が大きくなったり、粗大粒子の影響で電極の均一性や性能が乱れたりして、電池性能の低下につながるため、タップ密度を1.2g/cm3超にする必要はない。なお、粉体のタップ密度は、タップデンサーKYT−400(セイシン企業社製)の装置を用いて、シリンダー体積100cc、タッピング距離38mm、タップ回数300回での測定値を用いることができる。
また、タップ密度をより上げるには、例えばD10が1μm未満の微粉の割合を増やしたり、D90付近の粗大粒子の割合を増やしたりする必要があり、その結果粉体の表面積が大きくなったり、粗大粒子の影響で電極の均一性や性能が乱れたりして、電池性能の低下につながるため、タップ密度を1.2g/cm3超にする必要はない。なお、粉体のタップ密度は、タップデンサーKYT−400(セイシン企業社製)の装置を用いて、シリンダー体積100cc、タッピング距離38mm、タップ回数300回での測定値を用いることができる。
更に、上記負極活物質を構成する粒子の表面には、低結晶性炭素による被膜を設けることが好ましい。負極活物質表面に低結晶炭素被膜を設けることにより、リチウムイオンの吸脱着性能の向上を図れるほか、負極活物質粒子の耐変形性能を向上させる効果が期待できる。なお、低結晶炭素被膜の形成は、黒鉛粒子および低結晶性炭素粒子の両方に行うことが好ましく、CVDによる気相法やピッチ等を用いた液相法等の従来公知の方法により両者同時に処理してもよく、又は別々に処理したのちに配合を行うこともできる。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、銅箔等の集電体上に、上記リチウム二次電池用負極活物質とバインダーとを混合してなる負極活物質層を形成して得られる。
集電体上への負極活物質層の形成は、負極活物質とバインダーを、溶媒を用いて、スラリーを作製し、集電体上に塗布、乾燥し、その後、任意の条件で圧密することにより行なわれる。
集電体上への負極活物質層の形成は、負極活物質とバインダーを、溶媒を用いて、スラリーを作製し、集電体上に塗布、乾燥し、その後、任意の条件で圧密することにより行なわれる。
より具体的には、例えば、負極活物質とバインダーを重量比で93:7〜99:2(負極活物質:バインダー)で混錬し、このスラリーを所定厚みの銅箔上に塗布し、60〜150℃の乾燥条件で溶媒を乾燥し、その後、圧密することによって負極活物質層を有する電極(負極)とすることができる。ここで、負極活物質層の密度は1.10〜1.40g/cm3の範囲に調整する。
ここで、負極活物質層の密度又は電極密度を十分に上昇させないと、活物質同士の導通がとれず、充放電時の電子の授受がうまくいかず、急速充放電特性が低下する。また、圧密しすぎると密度は高くなるが、粒子内の空隙が減少するために電極中に保液される電解液量が減少し、これもまた急速充電性能が低下する要因となる。急速充電性能の向上には電極中に存在する電解液量が一定以上であることが必要であり、また電解液中に存在するリチウムイオンと反応するための反応面積の両面が必要であり、同時に満たすようプレス条件を設定することが望ましい。
ここで、負極活物質層の密度又は電極密度を十分に上昇させないと、活物質同士の導通がとれず、充放電時の電子の授受がうまくいかず、急速充放電特性が低下する。また、圧密しすぎると密度は高くなるが、粒子内の空隙が減少するために電極中に保液される電解液量が減少し、これもまた急速充電性能が低下する要因となる。急速充電性能の向上には電極中に存在する電解液量が一定以上であることが必要であり、また電解液中に存在するリチウムイオンと反応するための反応面積の両面が必要であり、同時に満たすようプレス条件を設定することが望ましい。
リチウムイオン二次電池用負極には、負極活物質として黒鉛粒子の使用が一般的である。黒鉛粒子は平板状の結晶が多数積層した構造であるため、外力によって層間ですべりが生じ、容易に変形してしまう。この負極は容量密度を上げるために、上述したように集電体上に塗布した活物質をプレスすることで圧密化を行うが、このときのプレス圧によって黒鉛粒子が変形し内部空隙が閉塞する。電極内の反応面積は電極断面の電子顕微鏡で観察される単位面積あたりの負極活物質層の空隙周長と黒鉛粒子内部の空隙周囲長の和に関係する。
そこで、本発明では上記電極断面の負極活物質層断面を電子顕微鏡で観察したとき、単位面積あたりの負極活物質層の空隙周囲長を、1.30〜2.00μm/μm2とする。負極活物質層には、粒子間の空隙であって、バインダーが充填されていない部分の空隙と、粒子の内部にある空隙があるので、単位面積当たりの空隙の周囲長は、これらの総和となる。
空隙周囲長は、活物質層の厚みが50μm以上の電極を作製し、機械研磨法、ミクロトーム法、CP(Cross−section Polisher)法、集束イオンビーム(FIB)法などの方法により電極断面を作製し、SEM等の方法にて観察する。この際、粒子の空隙が加工法によって変化しないものを選択することが好ましい。観察した電極画像について、粒子と空隙を隔てるように2値化し、穴を含む周囲長を計測する。観察断面において粒子の分布のバラつきなどがあるため20視野以上の観察が好ましい。周囲長の測定については画像解析ソフト(WinRooF:三谷商事株式会社製)などを用いて解析することがよい。詳細な測定条件は実施例に示す条件による。
前記空隙周囲長が1.30μm/μm2を下回ると、負極活物質中の黒鉛が圧密により変形し、内部空隙が閉塞しすぎていることを示し、これから作製されるリチウムイオン二次電池の急速充電性は悪化してしまう。
なお、黒鉛粒子、低結晶炭素粒子、及び負極活物質の、比重、密度、平均粒子径、楕円相当長短比等の特性は、負極とする前の原料又は混合物の状態での値であり、空隙周囲長は負極とした後の状態での値である。
なお、黒鉛粒子、低結晶炭素粒子、及び負極活物質の、比重、密度、平均粒子径、楕円相当長短比等の特性は、負極とする前の原料又は混合物の状態での値であり、空隙周囲長は負極とした後の状態での値である。
本発明のリチウムイオン二次電池で用いられる正極電極としては、通常の二次電池と同様に、正極活物質、結着剤、導電材等を有機溶媒又は水でスラリー化したものを集電体に塗布し、乾燥してシート状にしたものが使用される。正極活物質は、遷移金属とリチウムを含有するものであり、1種の遷移金属とリチウムを含有する物質が好ましく、例えば、リチウム遷移金属複合酸化物、リチウム含有遷移金属リン酸化合物等が挙げられ、これらを混合して用いてもよい。上記リチウム遷移金属複合酸化物の遷移金属としてはバナジウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅等が好ましい。リチウム遷移金属複合酸化物の具体例としては、LiCoO2等のリチウムコバルト複合酸化物、LiNiO2等のリチウムニッケル複合酸化物、LiMnO2、LiMn2O4、Li2MnO3等のリチウムマンガン複合酸化物、これらのリチウム遷移金属複合酸化物の主体となる遷移金属原子の一部をアルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、マグネシウム、ガリウム、ジルコニウム等の他の金属で置換したもの等が挙げられる。置換されたものの具体例としては、例えば、LiNi0.5Mn0.5O2、LiNi0.80Co0.17Al0.03O2、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、LiMn1.8Al0.2O4、LiMn1.5Ni0.5O4等が挙げられる。また、上記リチウム含有遷移金属リン酸化合物の遷移金属としては、バナジウム、チタン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル等が好ましく、具体例としては、例えば、LiFePO4等のリン酸鉄類、LiCoPO4等のリン酸コバルト類、これらのリチウム遷移金属リン酸化合物の主体となる遷移金属原子の一部をアルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、マグネシウム、ガリウム、ジルコニウム、ニオブ等の他の金属で置換したもの等が挙げられる。
正極電極の結着剤及びスラリー化する溶媒としては、上記負極電極で用いられるものと同様でよい。正極電極の結着剤の使用量は、正極活物質100質量部に対し、0.001〜20質量部が好ましく、0.01〜10質量部が更に好ましく、0.02〜8質量部が最も好ましい。正極電極の溶媒の使用量は、正極活物質100質量部に対し、30〜300質量部が好ましく、50〜200質量部が更に好ましい。
正極電極の導電材としては、グラファイトの微粒子、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、ニードルコークス等の無定形炭素の微粒子等、カーボンナノファイバー等が使用されるが、これらに限定されない。正極電極の導電材の使用量は、正極活物質100質量部に対し、0.01〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部が更に好ましい。
正極電極の集電体としては、通常、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等が使用される。
正極電極の集電体としては、通常、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等が使用される。
このようにして製造された負極及び正極を用いて本発明のリチウムイオン二次電池とすることができる。本発明のリチウムイオン二次電池は、上記した負極と正極間に分離膜が存在するように配置されている。
負極の初期容量N(mAh/cm2)と、正極の初期容量P(mAh/cm2)との初期容量比(N/P)が1.0〜1.5が好ましく、1.0〜1.2がより好ましい。通常、リチウムイオン二次電池は、リチウムを保有する正極電極に対し、リチウムを受け入れる負極電極が多めに搭載される。すなわち、正極に比べて負極活物質量を多くした負極電極を使用する。これは負極電極が低温充電時にリチウムイオンを受け入れられず、電極上にリチウム金属が析出してしまうことを防止するための措置である。しかし、N/Pが1.5を超えて負極電極を搭載し過ぎると、負極の厚みが増してしまい、電極自体の出力及び入力特性が低下してしまう問題や、負極を過剰に搭載することによるコストアップや全体的な体積容量密度の低下という問題がある。一方で、負極電極の過剰搭載分が小さすぎると、負極が様々な環境で劣化した際に実効容量として正極を下回り、充電時に負極上に金属リチウムが析出してしまう可能性があるため、N/Pが1.2以上であることが望ましい。
また、上記正極と負極との間には、通常電解質と非水系電解液を含む電解液が満たされる。電解質としては、従来公知のものを使用することができ、例えばLiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiN(CF3SO2)2、LiC(CF3SO2)3、LiB(CF3SO3)4、LiB(C2O4)2、LiBF2(C2O4)、LiSbF6、LiSiF5、LiAlF4、LiSCN、LiClO4、LiCl、LiF、LiBr、LiI、LiAlF4、LiAlCl4、及びこれらの誘導体等が挙げられる。これらの中でも、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiC(CF3SO2)3並びにLiCF3SO3の誘導体及びLiC(CF3SO2)3の誘導体からなる群から選ばれる1種以上を用いることが電気特性に優れるので好ましい。
非水系電解液としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、1,1−ジメトキシエタン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ―ブチロラクタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル‐1,3−ジオキソラン、アニソール、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、クロロニトリル、プロピオニトリル、ホウ酸トリメチル、ケイ酸テトラメチル、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、酢酸エチル、トリメチルオルトホルメート、ニトロベンゼン、塩化ベンゾイル、臭化ベンゾイル、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、3−メチル‐2−オキサゾリドン、エチレングリコール、サルファイト、ジメチルサルファイト等の単独溶媒もしくは2種類以上の混合溶媒を使用できる。
本発明のリチウムイオン二次電池では、正極電極と負極電極との間に分離膜を用いることが好ましく、該分離膜としては、通常用いられる高分子の微多孔フィルムを特に限定なく使用できる。該フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンオキシドやポリプロピレンオキシド等のポリエーテル類、カルボキシメチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロース等の種々のセルロース類、ポリ(メタ)アクリル酸及びその種々のエステル類等を主体とする高分子化合物やその誘導体、これらの共重合体や混合物からなるフィルム等が挙げられる。これらのフィルムは、単独で用いてもよいし、これらのフィルムを重ね合わせて複層フィルムとして用いてもよい。更に、これらのフィルムには、種々の添加剤を用いてもよく、その種類や含有量は特に制限されない。これらのフィルムの中でも、本発明のリチウムイオン二次電池には、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホンからなるフィルムが好ましく用いられる。
これらのフィルムは、電解液がしみ込んでイオンが透過し易いように、微多孔化がなされている。この微多孔化の方法としては、高分子化合物と溶剤の溶液をミクロ相分離させながら製膜し、溶剤を抽出除去して多孔化する相分離法と、溶融した高分子化合物を高ドラフトで押し出し製膜した後に熱処理し、結晶を一方向に配列させ、更に延伸によって結晶間に間隙を形成して多孔化をはかる延伸法等が挙げられ、用いられるフィルムによって適宜選択される。
本発明のリチウムイオン二次電池は、その形状には特に制限を受けず、コイン型、円筒型、角型等、種々の形状とすることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。実施例及び比較例において、リチウムイオン二次電池は、以下の作製手順に従って作製された。また、部は質量部である。
実施例1〜5及び比較例1〜7
黒鉛粒子(A)として、真比重2.24g/cm3、平均粒子系(D50)8.5、楕円相当長短比0.5以上の割合が74%である球状化天然黒鉛を用い、低結晶炭素粒子(B)として石炭系生コークスを最高到達温度800℃、1300℃、1600℃にてそれぞれ窒素ガス雰囲気下で焼成して得られた表1に示す低結晶炭素(B1〜B3)を用い、表2に示す配合比で配合し、負極活物質(C1〜9)を調製した。負極活物質の真比重、平均粒子系(D50)、配合比及び低結晶炭素粒子の種類を表2に示す。
黒鉛粒子(A)として、真比重2.24g/cm3、平均粒子系(D50)8.5、楕円相当長短比0.5以上の割合が74%である球状化天然黒鉛を用い、低結晶炭素粒子(B)として石炭系生コークスを最高到達温度800℃、1300℃、1600℃にてそれぞれ窒素ガス雰囲気下で焼成して得られた表1に示す低結晶炭素(B1〜B3)を用い、表2に示す配合比で配合し、負極活物質(C1〜9)を調製した。負極活物質の真比重、平均粒子系(D50)、配合比及び低結晶炭素粒子の種類を表2に示す。
負極活物質C1〜C9のそれぞれ94.5部に、導電材としてアセチレンブラック1.0部、及びバインダーとしてスチレンブタジエンゴム2.0部、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース1.5部を混合し、水50部に分散させてスラリー状とした。このスラリーを銅製の負極集電体に塗布し、乾燥後、プレス成型した。その後、この負極電極を所定の大きさにカットし、負極電極を作製した。
正極活物質としてLi(NiMnCo)O288部、導電材としてアセチレンブラック5部、及びバインダーとしてポリフッ化ビニリデン7部を混合した後、N−メチルピロリドン50部に分散させてスラリー状とした。このスラリーをアルミニウム製の集電体に塗布し、乾燥後、プレス成型した。その後、この正極電極を所定の大きさにカットして正極電極を作製した。
エチレンカーボネート30体積%、エチルメチルカーボネート40体積%、及びジメチルカーボネート30体積%からなる混合溶媒に、LiPF6を1mol/Lの濃度で溶解し電解質溶液を調製した。
得られた負極電極と正極電極を、厚さ25μmのポリプロピレン製の微多孔フィルム(分離膜)をはさんでアルミパック内に保持した。その後、上記電解質溶液をアルミパック内に注入し、パックを密閉、封止して、実施例1〜5及び比較例1〜7のリチウムイオン二次電池を製作した。
なお、特に断わりのない限り、各種測定、評価は下記によるものである。
平均粒径(D50)の測定は、LA−920(HORIBA社製)の装置を用いて、分散媒は水+活性剤を用いて測定をおこなった。粒子の存在比率の基準としては、レーザー回折・散乱法を用いて体積分布を測定した。
楕円相当長短比は、圧密前の黒鉛粒子又は低結晶炭素粒子をエポキシ樹脂に埋包したのち、切断面をCP(Cross−section Polisher)法により研磨し、走査型電子顕微鏡(FE-SEM S4700日立ハイテク社製)を用いて500倍の倍率にて観察した。観察した粒子は、100個以上とした。粒子の楕円相当長短比の測定については画像解析ソフト(WinRooF:三谷商事株式会社製)用いて解析した。
真比重は、液相置換法(ピクノメータ法)により、測定する。具体的にはピクノメータに負極活物質の粉体を入れ、蒸留水などの溶媒液を加え、真空脱気などの方法により粉体表面の空気と溶媒液を置換し、正確な粉体重量と体積を求めることで真比重値を算出する。
電極密度は、活物質層の密度であり、活物質層の厚みと単位面積当たりの活物質層の重量から算出する。具体的には得られた電極を所定の大きさにカットし、精密天秤にて重量測定およびマイクロゲージにて厚み測定を行う。また、電極の塗工基材に用いられた集電帯についても同様の面積に測定をおこない、次式にて算出する。
電極密度=(電極重量−集電体重量)/体積
電極密度=(電極重量−集電体重量)/体積
空隙周囲長は、CP法により電極断面を作製し、走査型電子顕微鏡(FE-SEM S4700)を用いて電極の上部から下部まで全体が入るように500倍の倍率にて電子顕微鏡で観察した。
観察した電極画像について、粒子およびバインダーと空隙を隔てるように2値化し、穴を含む周囲長を計測する。観察断面において粒子の分布のバラつきなどがあるため20視野以上の観察を行った。空隙周囲長の測定については画像解析ソフト(WinRooF)用いて解析した。
観察した電極画像について、粒子およびバインダーと空隙を隔てるように2値化し、穴を含む周囲長を計測する。観察断面において粒子の分布のバラつきなどがあるため20視野以上の観察を行った。空隙周囲長の測定については画像解析ソフト(WinRooF)用いて解析した。
初期容量比N/Pは、正極及び負極についてそれぞれ単独に充電容量を測定し、負極の充電容量N(mAh)を正極の充電容量P(mAh)で割った値である。具体的には、上記正極の充電容量P(mAh)及び負極の充電容量N(mAh)は、例えば次のようにして算出することができる。まず、正極活物質の充電容量p(mAh/g)及び負極活物質の充電容量n(mAh/g)を測定する。正極活物質の充電容量p(mAh/g)は、対極をリチウム金属とし、活物質1gあたり、30mAの電流密度の定電流で2.5Vから4.2Vまで充電したときの活物質1gあたり充電容量である。負極活物質の充電容量n(mAh/g)は、対極をリチウム金属とし、活物質1gあたり、30mAの電流密度の定電流で1.5Vから0Vまで充電し、90分間定電圧充電した際の活物質1gあたりの充電容量である。
初期容量比N/P=n(mAh/g)/p(mAh/g)
初期容量比N/P=n(mAh/g)/p(mAh/g)
充放電効率の測定は対極をリチウム金属とし、活物質1gあたり、30mAの電流密度の定電流で1.5Vから0Vまで充電し、その後90分間定電圧充電する。30分間休止した後に活物質1gあたり、30mAの電流密度の定電流で0Vから1.5Vまで放電を行い、初回充電容量に対しての初回放電容量の割合であり、次式にて表される。
充放電効率(%)=100×初回放電容量/初回充電容量
充放電効率(%)=100×初回放電容量/初回充電容量
実施例及び比較例のリチウムイオン二次電池を用い、サイクル性能の試験を行った。45℃の恒温槽にて試験を実施した。まず1Cレートにて充電終始電圧を4.2Vとし、その後1Cレートにて2.5Vまで放電を繰り返した。1回目の放電容量を100%とし、200回目の放電容量が80%を下回る場合を×、上回る場合を○とした。
実施例及び比較例のリチウムイオン二次電池を用い、充電時の直流抵抗(DCR)測定を行った。DCR測定は23℃にて放電レートが1Cレートにて充電を行った際の充電率60%の電圧に90分間定電圧充電を行い調整した後、所定の温度(23℃及び−20℃)に設定した恒温槽内で放電レートが1Cレート又は5Cレート各々の定電流で10秒間充電させ、それらの場合の電池電圧の変化を測定した。得られた結果より、次式よりDCR値を求めた。
DCR=Δ電圧 /Δ電流=
(1C10秒後電圧−5C10秒後電圧)/(1Cレート−5Cレート)
充電時の直流抵抗比(DCR比)=(DCR−20℃/DCR23℃)
この直流抵抗比が6.0以下である場合を○、6.0を超える場合を×とした。
DCR=Δ電圧 /Δ電流=
(1C10秒後電圧−5C10秒後電圧)/(1Cレート−5Cレート)
充電時の直流抵抗比(DCR比)=(DCR−20℃/DCR23℃)
この直流抵抗比が6.0以下である場合を○、6.0を超える場合を×とした。
負極の電極密度、空隙周囲長と、電池性能とをまとめて表3に示す。
Claims (6)
- 楕円相当長短比(楕円相当短軸長さ/楕円相当長軸長さ)が0.5以上の粒子の割合が70%以上の黒鉛粒子と、楕円相当長短比が0.5未満の粒子の割合が70%以上の低結晶炭素粒子を95:5〜70:30の質量比で配合した負極活物質を用い、集電体上に該負極活物質とバインダーとを混合してなる負極活物質層を形成して構成されているリチウムイオン二次電池用の負極であって、前記負極活物質層の圧密後の密度が1.10〜1.40g/cm3であり、負極断面の電子顕微鏡で観察される単位面積あたりの空隙周囲長が1.30〜2.00μm/μm2であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用の負極。
- 前記負極活物質の真比重が2.13〜2.23g/cm3であり、タップ密度が0.5g/cm3以上であり、平均粒子径(D50)が5〜20μmである請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
- 前記低結晶炭素粒子の真比重が、1.90〜2.16g/cm3であり、平均粒子径(D50)が5〜20μmである請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
- 前記低結晶炭素粒子が、石炭若しくは石油系の生コークスを900〜1500℃で焼成処理して得られるコークス、石炭若しくは石油系のか焼コークス、又は該か焼コークスを900〜1500℃で焼成処理して得られるコークスから選択される一種以上であることを特徴とする請求項3に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
- 前記黒鉛粒子のピクノメータ法で測定された真比重が、2.23〜2.24g/cm3であり、平均粒子径(D50)が5〜20μmである請求項1〜4のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用負極。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用負極と、セパレータを介して対向する正極を有するリチウムイオン二次電池であって、負極の初期容量N(mAh/cm2)と、正極の初期容量P(mAh/cm2)との初期容量比(N/P)が1.0〜1.5となるように構成されていることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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|---|---|---|---|
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| KR1020160079843A KR20170002302A (ko) | 2015-06-29 | 2016-06-27 | 리튬이온 이차전지용 부극 및 이차전지 |
| CN201610491572.3A CN106299236A (zh) | 2015-06-29 | 2016-06-29 | 锂离子二次电池用负极及二次电池 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US11187756B2 (en) | 2017-09-28 | 2021-11-30 | Lg Chem, Ltd. | Apparatus and method for acquiring degradation information of lithium-ion battery cell |
| CN116218079A (zh) * | 2017-12-26 | 2023-06-06 | 王子控股株式会社 | 聚丙烯薄膜、金属层一体型聚丙烯薄膜、薄膜电容器和薄膜卷 |
-
2015
- 2015-06-29 JP JP2015129802A patent/JP2017016774A/ja active Pending
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