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JP2018006270A - リチウムイオン二次電池負極用黒鉛質炭素材料、その製造方法、それを用いた負極又は電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池負極用黒鉛質炭素材料、その製造方法、それを用いた負極又は電池 Download PDF

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JP2018006270A JP2016135343A JP2016135343A JP2018006270A JP 2018006270 A JP2018006270 A JP 2018006270A JP 2016135343 A JP2016135343 A JP 2016135343A JP 2016135343 A JP2016135343 A JP 2016135343A JP 2018006270 A JP2018006270 A JP 2018006270A
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secondary battery
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lithium ion
ion secondary
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和徳 小関
Kazunori Koseki
和徳 小関
和樹 田川
Kazuki Tagawa
和樹 田川
池田 大佐
Daisuke Ikeda
大佐 池田
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Nippon Steel and Sumikin Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】粒子径が小さいことによってリチウムイオンの固体内拡散性が高く、かつ、比表面積を比較的小さい範囲とすることによって活物質表面における副反応を大きく低減されたリチウムイオン二次電池負極用の黒鉛質炭素材料を提供する。【解決手段】X線回折装置から計算される(002)面の層間距離(d002)が0.340nm以下、結晶子径Lc(002)が120nm以下、真比重が2.23g/cm3以上、平均粒径が1〜10μm未満、BET比表面積が1.0〜6.0m2/g、楕円長短比平均が0.35〜1.00、灰分含有量が0.0005〜0.1wt%、及び遷移元素含有量が5〜50wtppm未満であることを特徴とするリチウムイオン二次電池負極用黒鉛質炭素材料。【選択図】なし

Description

本発明は、安全性、出力特性とエネルギー密度の両立をさせたリチウムイオン二次電池負極用炭素材料、及びそれを用いた負極及びリチウムイオン二次電池に関する。この電池は、プラグインハイブリッド自動車等のハイブリッド自動車、電気自動車や、電動工具などの幅広い用途に適する。
電気エネルギーによって支えられている現代社会において、充放電が可能であり、かつ繰り返し使用が可能な二次電池は今やなくてはならない存在となっている。特に、リチウムイオン二次電池は、作動電位が高いこと、電池容量が大きいこと、及びサイクル寿命が長い等の優れた特徴を有するだけでなく、環境汚染が少ないことから、従来主流であったニッケル・カドミウム電池やニッケル水素電池に代わって広範囲で用いられている。
リチウムイオン二次電池の主な用途は、ノートパソコンやスマートフォンに代表される小型携帯電子機器の電源であるが、近年では、エネルギー問題や環境問題に対応するために、電気自動車、モーターとガソリンエンジンとを組み合わせたハイブリッド電気自動車(プラグインハイブリッド電気自動車)の大型電池としても多く利用されている。これに加えて、太陽光発電や風力発電のように出力の変動する発電機と併用して、変動の吸収緩和又は出力が一定となるように制御する目的、あるいは需要側での変動緩和やピークシフトの目的での定置向け蓄電池としての利用が注目されており、今後これらエネルギー、環境問題に関連した各種用途における需要増大に伴い、その要求特性は益々高くなっていくものと予想されている。
リチウムイオン二次電池の負極を構成する負極活物質は、黒鉛をはじめとする炭素材料やチタン酸リチウム、シリコン、スズなどが挙げられるが、安全性及び寿命の面から炭素材料が一般的に用いられている。炭素材料のなかでも黒鉛材料は、高エネルギー密度を持つ優れた材料であることから、小型携帯電子機器の電源だけではなく、現在はハイブリッド電気自動車の電源、又は定置用蓄電池用途において、リチウムイオン二次電池の負極活物質としての利用、及び研究開発が進んでいる。
上記のハイブリッド電気自動車では、急速充電、急速放電性能とともに長期信頼性が求められている。すなわち、高入出力と高寿命性を両立した電池の開発が望まれている。
そこで、急速充放電性を担保するために粒子を小さくしてリチウムイオンの固体内拡散性を高め、また高寿命を担保するため比表面積を小さくするリチウム二次電池負極活物質が各種提案されている。
特許文献1では、球形化度の高いバルクメソフェーズ黒鉛化物又は炭化物をリチウムイオン二次電池負極活物質とすることが提案されているが、バルクメソフェーズの分離工程などを必要とする。
特許文献2では、仮焼コークスではなく、揮発分が残っている生コークスをそのまま粉砕し、次いで黒鉛化することにより得られるアスペクト比が1.00〜1.32である黒鉛材料が示されているが、粒子が大きく、固体内の拡散が大きくなってしまう。
特許文献3においては、生コークス粉末を圧縮応力と剪断応力を付与する球状化加工を行い、その後炭素化および黒鉛化を行うことによって、球形度の高い黒鉛質の球形炭素材を得ることが示されている。しかし、プロセスが複雑になることに加えて、BET比表面積が1m/g未満と低い。
特許文献4においては、粉砕・分級によって粒度が調整された生コークスに圧縮せん断応力を加えることにより、円形度が0.7〜0.9、平均粒子径1〜30μmの黒鉛質炭素材料が開示されている。しかし、この炭素材料は遷移金属を100〜2500ppmも含むため、自動車用電池に必要とされる長期信頼性を満たさない。
特許文献5においては、重質油組成物をディレードコーキングプロセスによってコーキング処理した原料炭組成物であって、H/C原子比が0.30〜0.50、且つマイクロ強度が7〜17wt%であるリチウムイオン二次電池用負極黒鉛材料の原料炭組成物を開示する。しかし、黒鉛材料が備えるべき特性を教える記載は少ない。
特許文献6においては、キノリン不溶分が1wt%以下とされた重質油に、平均粒径が1〜50μmである黒鉛化の発達した黒鉛材料を、重質油に対して2〜35wt%配合し、ディレードコーキングして生コークスを得た後、熱処理および黒鉛化を行うリチウム二次電池負極材料の製造方法を開示する。この方法では黒鉛化材料を添加することにより出力特性の優れた非晶質炭素構造割合を減らしてしまい、出力特性の低下を招く。
このように、上記文献に記載の方法はいずれもリチウム二次電池負極材料として、高入出力と高寿命性を両立した二次電池を得るためには不十分であった。
特許第3126030号公報 特開2007−172901号公報 特開2014−197496号公報 特開2014−194852号公報 特許第5728475号公報 特許第4233800号公報
本発明は、粒子径が小さいことによってリチウムイオンの固体内拡散性が高く、かつ、比表面積を比較的小さい範囲とすることによって活物質表面における副反応を大きく低減されたリチウムイオン二次電池負極用の黒鉛質炭素材料を提供することを目的とする。また、本発明は、この黒鉛質炭素材料を用いたリチウムイオン二次電池負極及びリチウムイオン二次電池を提供することも目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、特定の原料に基づくアモルファスコークスを用いることで、黒鉛質炭素材料を小粒子径とし、かつ、表面積を制御することで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、X線回折装置から計算される層間距離が0.340m以下、結晶子径Lc(002)が120nm以下、真比重が2.23g/cm以上、平均粒径が1〜10μm、BET比表面積が1.0〜6.0m/g、楕円長短比平均が0.35〜1.00、灰分含有量が0.0005〜0.1wt%以下、及び遷移元素含有量が5〜50wtppm未満であることを特徴とするリチウムイオン二次電池負極用黒鉛質炭素材料である。
上記リチウムイオン二次電池負極用黒鉛質炭素材料は、X線回折装置から計算される(002)面の層間距離(d002)が0.340〜0.370nm、真比重が1.90〜2.10g/cm、平均粒径が1〜10μm未満、BET比表面積が1.0〜6.0m/g、楕円長短比平均が0.30〜1.00、灰分含有量が0.05〜1.00wt%、及び遷移元素含有量が50〜700wtppm未満である非晶質炭素材料を黒鉛化して得られたものであることが好ましい。
本発明の別の態様は、上記リチウムイオン二次電池負極用黒鉛質炭素材料を必須成分として含むリチウムイオン二次電池用負極、さらにこれらのリチウムイオン二次電池用負極を使用したリチウムイオン二次電池である。
上記リチウムイオン二次電池は、放電時の0.2秒直流抵抗(DCR0.2)が22Ω以下であることが好ましい。
上記DCR0.2は、下記式で表される。
DCR0.2 = ΔE/ΔI
ここで、
ΔE;5Cレート0.2秒後電圧−1Cレート0.2秒後電圧
ΔI;5Cレート電流−1Cレート電流
さらに、本発明は、キノリン不溶分を10〜30wt%の範囲に調整した石炭もしくは石油系の重質油組成物をディレードコーキングプロセスによってコーキング処理して生コークスを得て、得られた生コークスを粉砕して平均粒径が1〜10μmである原料炭組成物にし、その後、原料炭組成物を800℃〜1500℃にて仮焼処理して非晶質炭素材料を得て、この非晶質炭素材料を2500℃〜3200℃にて黒鉛化処理することを特徴とする上記リチウムイオン二次電池負極用黒鉛質炭素材料の製造方法である。
本発明のリチウムイオン二次電池負極用黒鉛質炭素材料は、二次電池の負極活物質として使用することによって、黒鉛材料の特徴である高い放電容量を具えながら、急速充電性に優れるとともに、高寿命で長期信頼性に優れたリチウムイオン二次電池を得ることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池負極用黒鉛質炭素材料(以下、負極用黒鉛質炭素材料又は黒鉛質炭素材料ともいう。)は、有利には下記の特性を有する非晶質炭素材料を黒鉛化して得られる。この非晶質炭素材料は、X線回折装置から計算される(002)面の層間距離(d002)が0.340〜0.370nm、真比重が1.90〜2.10g/cm、平均粒径が1〜10μm未満、BET比表面積が1.0〜6.0m/g、楕円長短比平均が0.30〜1.00、灰分含有量が0.05〜1.00wt%、及び遷移元素含有量が50〜700wtppm未満であることを満足する。
上記非晶質炭素材料は、有利には下記の生コークスを800℃〜1500℃にて仮焼処理することにより得られる。この生コークスは、マイクロ強度が0.01〜3.0wt%であり、平均粒径が1〜10μm未満であることを満足する。
上記生コークスは、キノリン不溶分(QI)が10〜30wt%の範囲に調整された石炭系または石油系重質油(以下、重質油ともいう。)をコーキング処理して得られるものが優れる。
上記重質油としては、コールタール、タール系重質油、タールピッチ等の石炭系重質油や、石油系ピッチ、アスファルト、重油類、重質原油等石油系重質油が例示される。この重質油は、キノリン不溶分(QI)を10〜30wt%に調整することがよく、この範囲にQIを制御することによって、コーキングの際にメソフェースの発達を阻害されて、炭素の結晶成長が抑制され、良好なアモルファス構造が発現する。QI量が過少であるとアモルファス構造が発現せず、過剰であると炭素の結晶成長が過度に阻害されて難黒鉛化炭素となってしまう。前記範囲内にQI量を調整すると、炭素の結晶成長が程良く阻害されることによって、均質なアモルファス構造を発現させることができる他、炭素材料の真密度を十分に高められ負極のエネルギー密度を高めることもできる。なお、QIの調整については、QIを多く含む重質油とQIの少ない重質油をブレンドすることによって行っても良く、QIが少ない重質油にQI成分のみを添加することによって調整してもよい。例えば、重質油中のQIが少ない場合、脱QI処理によって、分離されたQIを重質油に配合することもできる。
上記生コークス又は非晶質炭素材料を得るためには石炭系の重質油を使用することが好ましい。石油系重質油は硫黄分が多く、これはリチウムイオン二次電池負極用非晶質炭素材料として用いた場合にリチウム(Li)と反応してしまい、寿命特性を低下させる要因となる。一方で石炭系重質油は硫黄分が少なく、寿命特性の面から石炭系重質油を使用することが好ましい。
また、上記QIは、生コークスや仮焼コークスのメソフェース構造を変化させ、かつ灰分や遷移元素を多く含むので、これが黒鉛質炭素材料の特性によい影響を与えると考えられる。
重質油のコーキング処理は、例えばディレードコーカー等のコークス化処理設備を用い、最高到達温度が400℃〜700℃程度の温度で24時間程度、熱分解・重縮合反応を進めて生コークス化するディレードコーキング法によって行うことが適する。
上記生コークスは、その断面の偏光顕微鏡観察像が、光学等方性な組織が均質に分散しているものであることが好ましい。生コークスが光学等方的な組織をとることによって粉砕時にアスペクト比が小さく、かつ微細な粉末を得ることが可能となる。こうした生コークス、及びこれをさらに熱処理した非晶質炭素材料(仮焼コークスともいう。)は、アモルファスコークスであり、粗大な炭素結晶が一方向に揃ったニードルコークスとは異なり、微細な炭素結晶が緻密で、かつランダムな配置をとる。
生コークスは、コークス化処理設備から塊状で取り出されるが、これは工業的に用いられるアトマイザー等の粉砕機を用いて粉砕されて使用される。
一般的にディレードコーカーで得られた生コークスは炭素の結晶成長が不十分であり、まだ水分や揮発分を含んでいるので、これら揮発分を除去するため、この後さらに900〜1500℃程度の温度による仮焼処理が一般的に行われている。しかし、仮焼処理を行って得られる仮焼コークスは、炭素結晶が成長して、異方性が発現してしまうため、これを粉砕して粉末とすると、アスペクト比が大きい粒子粉末となる。そのため仮焼コークスの状態ではなく、まだ揮発分が残っている生コークスの状態で所定の粒度に粉砕又は分級することが好ましい。なお、生コークスの揮発分としては、1.0〜10wt%であることが好ましく、3.0〜7.0wt%であることがより好ましい。揮発分が1.0wt%未満であると粉砕時に微粉が発生してしまい、分級歩留まりが低下してしまう。また、10wt%を超えると焼成時に揮発分が大量発生してしまい、焼成歩留まりの観点から好ましくない。
炭素結晶の成長状態と粉砕性については相関関係があり、本発明の負極用黒鉛質炭素材料を得るためには、生コークスのマイクロ強度は、0.01〜3.0wt%の範囲にある。マイクロ強度が0.01wt%未満であると粉砕時の粒度制御の定性を担保し品質を一定に保つことが不可能であり、3.0wt%を超えると粒子径の粗大化や楕円相当長短比の低下に加え、粉砕効率の低下に伴う製造コストの増加等の問題があり適さない。好ましいマイクロ強度は0.05〜1.0wt%、より好ましくは0.10〜0.50wt%である。なお、マイクロ強度については、特許文献5等で知られており、このマイクロ強度は後述する実施例に記した条件で測定される。マイクロ強度は、コークス化条件を変化させること等によって調整することができ、例えばQI量を多くすると低くなる。
粉砕後の生コークスは、形状やBET比表面積制御のために、さらに球形化処理や表面コートを行っても良い。アモルファス生コークスは、構造がランダムで、結晶粒界のサイズが緻密で異方性がないゆえに、粉砕機にかけると微細化されやすく、楕円長短比が大きい粒子が得られ、そこからさらに球形化処理によって容易に粒子の球形度を向上できる。球状化処理を施す方法としては、例えば、生コークス原料にもなり得るバインダーピッチ共存下で混合する方法、生コークスに機械的外力を付与する方法、これらの方法を併用する方法等が挙げられる。これらの方法の中でもバインダー成分を用いずに機械的外力を付与して造粒する方法が微細な粉末を得やすいので特に好ましい。これらに使用される装置としては、例えば、ノビルタ、メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所社製)、メカノハイブリッド、コンポジ(日本コークス工業社製)等を挙げることができる。
前述したように上記生コークスは粉砕性が良好であることから、圧縮せん断応力が作用しすぎると粒子が過度に粉砕されてしまい、所望の粒度が得られないため、圧縮せん断応力を適度に調整する必要がある。また一方で適度な揮発分が可塑剤として存在するため変形加工性を有し、圧縮せん断応力のような強い外力を過度に作用させる必要はない。処理時間の目安としては上限120分程度であり、処理温度は300℃を下回ることが生産性の観点からも好ましい。このようにして生コークスの破砕粒子を整形し、より楕円長短比を1.00に近づけ、BET比表面積をより小さな数値に調整することができる。
粉砕後の生コークスの粒度又は上記球形化処理や表面コートを行った後の粒度は、熱処理後の平均粒径(D50)が1〜10μmとなるような範囲にされる。そのため、粉砕後の生コークスの粒度は平均粒径(D50)を1〜10μm、好ましくは2〜7μmとすることがよい。平均粒径の測定条件は実施例に記載の方法に従う。また、平均粒径が上記範囲内であれば、1.0μm未満の微紛や10.0μm以上の粗粒が含まれてもよいが、0.5μm未満の微紛と20.0μm以上の粗粒の含有量はいずれも10vol%未満とすることが良い。
上記のようにして生コークスを粉砕して得られる原料炭組成物は、BET比表面積が1.0〜6.0m/g、平均粒径(D50)が1〜10μmであり、楕円長短比の平均が0.30〜1.00の丸みを帯びた微細な粒子に加工されていることが好ましい。
また、上記非晶質炭素材料は、上記原料炭組成物である生コークス粉砕物を低酸素雰囲気で最高到達温度800℃〜1500℃で仮焼処理することにより得られる。仮焼温度は、好ましくは900℃〜1500℃、より好ましくは1000℃〜1400℃の範囲である。仮焼処理は、生コークス中の水分、揮発分を除去するとともに、高分子成分として残存する炭化水素をコークスに転化し、結晶の成長を促進させるものであり、大量熱処理が可能なリードハンマー炉、シャトル炉、トンネル炉、ロータリーキルン、ローラーハースキルンあるいはマイクロウェーブ等の設備により行われるが、これらの設備に特に限定されるものではない。また、仮焼処理は、連続式又はバッチ式のどちらでもよい。
仮焼処理されて得られる仮焼コークスは、本発明の負極用黒鉛質炭素材料の中間体としての非晶質炭素材料として特に優れる。この仮焼コークス又は非晶質炭素材料は、下記のような特性を有することがよい。
X線回折装置から計算される(002)面の層間距離(d002)が0.340〜0.370nm、好ましくは0.340〜0.350nm。
真比重が1.90〜2.10g/cm、好ましくは2.00〜2.10g/cm
平均粒径が1〜10μm未満、好ましくは2〜8μm。
BET比表面積が1.0〜6.0m/g、好ましくは1.0〜5.0m/g。
楕円長短比平均が0.30〜1.00、好ましくは0.40〜0.70。
灰分含有量が0.05〜1.00wt%、好ましくは0.20〜0.80wt%。
遷移元素含有量が50〜700wtppm未満、好ましくは100〜500wtppm。
灰分としてはSi、Ca、Alの酸化物などを含み、遷移元素としてはFe等である。灰分には、金属元素が多く含まれるが、これらは二次電池としたときの電池性能に対して悪影響を及ぼすため、過多の場合は二次電池の長期信頼性が損なわれる恐れがある。遷移元素の含有率が上記より多いと電池の安全性の問題が生じる恐れがある。
灰分や遷移元素は多量の存在は望まれないが、上記範囲内の少量の存在はむしろ望ましいものとなる。すなわち、灰分および遷移元素は炭素結晶の成長を阻害することによって粒子の異方性を抑制し、所望の楕円長短比の数値に制御する効果があるため、上記範囲の灰分と遷移元素が含まれていることが好ましい。
原料炭組成物としての生コークス粉砕物は、仮焼処理を行った後、引き続き黒鉛化処理が行われる。黒鉛化は、非酸化性雰囲気下で2500℃〜3200℃の温度で行うことができる。この際、珪素含有化合物やホウ素含有化合物などを黒鉛化触媒として用いたり、リン又はリン化合物を添加してもよい。また、さらに黒鉛化後に大気雰囲気下での高温処理による表面酸化などを別途施すこともできる。
上記のような方法を経て本発明の負極用黒鉛質炭素材料を得ることができる。そして、この負極用黒鉛質炭素材料は、X線回折装置から計算される(002)面の層間距離(d002)が0.340nm以下、結晶子径Lc(002)が120nm以下、真比重が2.23g/cm以上、平均粒径が1〜10μm、BET比表面積が1.0〜6.0m/g、楕円長短比平均が0.30〜1.00、灰分含有量が0.1wt%以下、及び遷移元素含有量が50wtppm未満である。
なお、負極用黒鉛質炭素材料の平均粒径や軸方向の長短比等は、黒鉛化する前の原料炭組成物又は中間体としての非晶質炭素材料の性質を引き継ぐが、多少の変化は生じる。また、結晶構造や表面状態が変化したり、高温で揮発する成分が減少するため、比表面積や遷移元素含有量等も一般的に知られているように変化する。
本発明の負極用黒鉛質炭素材料のBET比表面積は、1.0〜6.0m/gであり、1.0〜5.0m/gであることが好ましく、1.0〜4.5m/gであることがより好ましい。BET比表面積を上記範囲とすることにより電解液との反応性を抑制し、使用時に副反応が生じることを低減することができるほか、リチウムイオンの反応性を向上させて充放電速度を得ることができる。さらに、BET比表面積は、リチウムイオンが炭素構造に出入りする際の表面反応の速度にも影響するため、上記範囲の中でも適切な値に生コークス粉砕物を表面コートや球形化処理することよって、より好ましい範囲内となるように制御することがよい。
本発明の負極用黒鉛質炭素材料は、その平均粒径(D50)が1.0〜10.0μm未満であり、2〜8μmの範囲内にあることが望ましく、2〜5μmであるとより好ましい。平均粒径が上記範囲内であると、リチウムイオン二次電池の負極活物質として使用した時に、リチウムイオンの活物質内部への拡散が従来の黒鉛材料よりも速やかに行われ、急速充電性やLi析出耐性が向上する。平均粒径が1μm未満であるとBET比表面積が大きくなりすぎることによる表面での副反応の増大が起きる。10μm以上となるとBET比表面積が小さくなりすぎるためにリチウムイオンの反応性が低下し、充放電速度が遅くなる。
なお、平均粒径の測定条件は実施例に記載の方法に従う。また、平均粒径が上記範囲内であれば、1.0μm未満の微紛や10.0μm以上の粗粒が含まれてもよいが、0.5μm未満の微紛と20.0μm以上の粗粒の含有量はいずれも10vol%未満とすることが良い。
ここで、リチウムイオンの負極活物質内部への拡散性(固体内拡散性)とは、粒子内でのリチウムイオンの移動速度のことであり、固体内拡散性が高い負極活物質を使用することでリチウムイオンの挿脱が容易に行われるため、二次電池の入出力特性やLi析出耐性が向上する。
なお、リチウムイオン二次電池負極用炭素材料、特に負極活物質粒子そのものにおけるリチウムイオンの活物質内部への拡散(固体内拡散)については、負極活物質単一粒子による出力特性評価や、炭素材料を負極とした二次電池の短時間(一例として0.2秒間)充電時の直流抵抗(DCR)測定などによって評価することが可能であり、前者においては出力特性が高ければ高いほど、また後者においてはDCR測定より計算される抵抗値が小さければ小さいほど固体内部拡散性が良好であるということとなる。
本発明の負極用黒鉛質炭素材料は、炭素結晶の002面の層間距離(d002)が、0.340nm以下であり、真比重が2.23g/cm3以上となるように黒鉛化されている。また、炭素結晶の大きさの指標となる002面の結晶子径Lc(002)は、120nm以下であり、100nm以下が好ましく、95nm以下がより好ましい。アモルファス構造を持った生コークスを原料炭組成物に使用することによって、本発明の負極用黒鉛質炭素材は無数の微細な黒鉛結晶からなる内部構造をとるが故に、丸みを帯びた微細な粒子でありながらも黒鉛の特徴である高い容量密度と高いリチウムイオンの内部拡散速度を兼ね備えたリチウムイオン二次電池負極用黒鉛質炭素材料を得ることができる。
また、この負極用黒鉛質炭素材料は、上記楕円長短比の平均が0.35〜1.00であり、好ましくは0.40〜0.95、より好ましくは0.40〜0.70である。楕円長短比の平均は、非晶質炭素材料の粒子断面をSEM等の方法にて観察して楕円相当短軸長さ(La)と楕円相当長軸長さ(Lb)を求め、(La)/(Lb)比を計算し、これを数十以上の粒子について行い、その平均値から求められる。具体的には、SEM等の方法にて観察した粒子画像について、画像解析ソフト(WinROOF:三谷商事株式会社製)などを用いて解析することができる。この数値が前記範囲内であると、炭素材料粒子が球状に近くなるため、微細な粒子であってもその非表面積を小さくすることができる。
更に、この負極用黒鉛質炭素材料は、その灰分含有量が0.0005〜0.1wt%、好ましくは0.001〜0.01wt%である。また、遷移元素含有量が5〜50wtppm未満、好ましくは5〜15wtppmである。
灰分や灰分中に含まれる金属元素、特にFe等の遷移元素は、二次電池としたときの電池性能に対して悪影響を及ぼす可能性があることから、多量の存在は望まれないが、上記範囲内の少量の存在は本発明の黒鉛材料の内部構造や形状を実現するためにはむしろ望ましい。
すなわち、灰分および遷移元素は、過多の場合、非晶質炭素材料が黒鉛化する際に、炭素結晶の配列を阻害して結晶内に欠陥を生じさせるため、負極活物質に吸蔵されたリチウムイオンがトラップされて利用できなくなる量が多くなり、不可逆容量が増大して電池の初期効率が低下してしまう。逆に過少の場合、炭素結晶サイズ(Lc)が大きくなりすぎてしまうため、楕円相当長短比を所望の数値に制御できない等の問題があり、上記範囲の灰分と遷移元素が含まれていることが必要となる。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、銅箔等の集電体上に、上記負極用黒鉛質炭素材料を負極活物質とし、これにバインダー等を混合した負極活物質材料を層状に形成して得られる。この層を負極活物質層という。
なお、負極用黒鉛質炭素材料は他の負極活物質との混合物を負極活物質とすることにより両者の特性を有する負極活物質とすることもできる。この場合の配合比(重量比)は10:1〜1:10、好ましくは10:1〜10:5の範囲が適する。他の負極活物質としては、粒径の異なった人造黒鉛や球状化天然黒鉛やメソカーボンマイクロビーズもしくはその黒鉛化物、非晶質炭素材料、低結晶炭素材料(易黒鉛化炭素、難黒鉛化炭素)、シリコンやその合金などが例として挙げられる。
この負極活物質層の形成は、負極活物質とバインダーとを、溶媒(例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、水、アルコール等)を用いてスラリーを作製し、それを集電体上に塗布、乾燥し、その後、所定の条件で圧密することにより行なわれる。なお、圧密後に得られる負極活物質層の厚みについては、通常30〜150μmとされる。より具体的には、例えば、負極活物質とバインダーとを質量比で93:7〜99:2(負極活物質:バインダー)で溶媒に分散し、混錬してスラリーを得る。このスラリーを所定厚みの銅箔上に塗布し、60〜150℃の乾燥条件で溶媒を乾燥し、その後、圧密することによって負極活物質層を有する電極(負極)とすることができる。
なお、バインダーには、一般には、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂粉末あるいはポリイミド系樹脂、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース等の水溶性粘結剤が用いられるがこれらに限定されない。
本発明のリチウムイオン二次電池で用いられる正極電極としては、通常の二次電池と同様に、正極活物質、結着剤、導電材等を有機溶媒又は水でスラリー化したものを集電体に塗布し、乾燥してシート状にしたものが使用される。正極活物質は、遷移金属とリチウムを含有するものであり、1種の遷移金属とリチウムを含有する物質が好ましく、例えば、リチウム遷移金属複合酸化物、リチウム含有遷移金属リン酸化合物等が挙げられ、これらを混合して用いてもよい。上記リチウム遷移金属複合酸化物の遷移金属としてはバナジウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅等が好ましい。リチウム遷移金属複合酸化物の具体例としては、LiCoO2等のリチウムコバルト複合酸化物、LiNiO2等のリチウムニッケル複合酸化物、LiMnO2、LiMn24、Li2MnO3等のリチウムマンガン複合酸化物、これらのリチウム遷移金属複合酸化物の主体となる遷移金属原子の一部をアルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、マグネシウム、ガリウム、ジルコニウム等の他の金属で置換したもの等が挙げられる。置換されたものの具体例としては、例えば、LiNi0.5Mn0.52、LiNi0.80Co0.17Al0.032、LiNi1/3Co1/3Mn1/32、LiMn1.8Al0.24、LiMn1.5Ni0.54等が挙げられる。また、上記リチウム含有遷移金属リン酸化合物の遷移金属としては、バナジウム、チタン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル等が好ましく、具体例としては、例えば、LiFePO4等のリン酸鉄類、LiCoPO4等のリン酸コバルト類、これらのリチウム遷移金属リン酸化合物の主体となる遷移金属原子の一部をアルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、マグネシウム、ガリウム、ジルコニウム、ニオブ等の他の金属で置換したもの等が挙げられる。
正極電極の結着剤及びスラリー化する溶媒としては、上記負極電極で用いられるものと同様でよい。正極電極の結着剤の使用量は、正極活物質100質量部に対し、0.001〜20質量部が好ましく、0.01〜10質量部が更に好ましく、0.02〜8質量部が最も好ましい。正極電極の溶媒の使用量は、正極活物質100質量部に対し、30〜300質量部が好ましく、50〜200質量部が更に好ましい。
正極電極の導電材としては、グラファイトの微粒子、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、ニードルコークス等の無定形炭素の微粒子等、カーボンナノファイバー等が使用されるが、これらに限定されない。正極電極の導電材の使用量は、正極活物質100質量部に対し、0.01〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部が更に好ましい。なお、正極電極の集電体としては、通常、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等が使用される。
また、上記正極と負極との間には、通常、電解質と非水系電解液を含む電解液が満たされる。電解質としては、従来公知のものを使用することができ、例えばLiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiB(CF3SO34、LiB(C242、LiBF2(C24)、LiSbF6、LiSiF5、LiAlF4、LiSCN、LiClO4、LiCl、LiF、LiBr、LiI、LiAlF4、LiAlCl4、及びこれらの誘導体等が挙げられる。これらの中でも、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiC(CF3SO23並びにLiCF3SO3の誘導体及びLiC(CF3SO23の誘導体からなる群から選ばれる1種以上を用いることが、電気特性に優れるため好ましい。
非水系電解液としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、1,1−ジメトキシエタン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ―ブチロラクタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル‐1,3−ジオキソラン、アニソール、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、クロロニトリル、プロピオニトリル、ホウ酸トリメチル、ケイ酸テトラメチル、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、酢酸エチル、トリメチルオルトホルメート、ニトロベンゼン、塩化ベンゾイル、臭化ベンゾイル、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、3−メチル‐2−オキサゾリドン、エチレングリコール、サルファイト、ジメチルサルファイト等の単独溶媒又はそれらの2種類以上の混合溶媒を使用できる。
本発明のリチウムイオン二次電池では、正極電極と負極電極との間に分離膜を用いることが好ましく、該分離膜としては、通常用いられる高分子の微多孔フィルムを特に限定なく使用できる。該フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンオキシドやポリプロピレンオキシド等のポリエーテル類、カルボキシメチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロース等の種々のセルロース類、ポリ(メタ)アクリル酸及びその種々のエステル類等を主体とする高分子化合物やその誘導体、これらの共重合体や混合物からなるフィルム等が挙げられる。これらのフィルムは、単独で用いてもよいし、これらのフィルムを重ね合わせて複層フィルムとして用いてもよい。更に、これらのフィルムには、種々の添加剤を用いてもよく、その種類や含有量は特に制限されない。これらのフィルムの中でも、本発明のリチウムイオン二次電池には、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホンからなるフィルムが好ましく用いられる。
これらのフィルムは、電解液が浸み込んでイオンが透過し易いように、微多孔化がなされている。この微多孔化の方法としては、高分子化合物と溶剤の溶液をミクロ相分離させながら製膜し、溶剤を抽出除去して多孔化する相分離法と、溶融した高分子化合物を高ドラフトで押し出し製膜した後に熱処理し、結晶を一方向に配列させ、更に延伸によって結晶間に間隙を形成して多孔化をはかる延伸法等が挙げられ、用いられるフィルムによって適宜選択される。
このようにして製造された負極及び正極を用いて本発明のリチウムイオン二次電池とすることができる。本発明のリチウムイオン二次電池は、上記した負極と正極間に分離膜が存在するように配置され通常電解質と非水系電解液を含む電解液が満たされる。本発明のリチウムイオン二次電池は、その形状には特に制限を受けず、コイン型、円筒型、角型等、種々の形状とすることができる。
以下、実施例および比較例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例の何ら限定されるものではない。
生コークスとして、石炭系重質油を用い、500℃で、24hrディレードコーキングして得られた生コークスA〜Cを使用した。生コークスA〜Cの製造に使用した石炭系重質油中のキノリン不溶分(QI)量は、次の通りである。
・生コークスA; QIが10wt%
・生コークスB: QIが30wt%
・生コークスC: QIが 0wt%
生コークスのマイクロ強度の測定は、H.E.Blaydenの方法に基づいて測定した。鋼製シリンダー(内径25.4mm、長さ304.8mm)に、20〜30メッシュの試料2gと直径5/16inch(7.9mm)の鋼球12個を入れ、シリンダーの長手方向の中央部に取り付けられた回転軸によりシリンダーの長手方向を鉛直方向と平行にして、上下を逆転させるように25rpmで800回転させたのち、48メッシュでふるい分け、試料に対するふるい上の質量の割合を、パーセントで算出した。
生コークスA〜Cのマイクロ強度は、次の通りであった。
・生コークスA; 0.30wt%
・生コークスB: 0.14wt%
・生コークスC: 9.98wt%
製造例1
生コークスAをオリエントミル(セイシン企業社製)にて粗砕した後、ジェットミル(STJ−200;同社製)にて微粉砕し、平均粒径(D50)5.5μmとした。これを窒素雰囲気下のローラーハースキルンにて最高温度1300℃で、1時間熱処理して非晶質炭素材料1とした。
製造例2
生コークスAをオリエントミルにて粗砕した後、ジェットミルにて微粉砕し、平均粒径2.5μmとした。これを窒素雰囲気下のローラーハースキルンにて最高温度1300℃で、1時間熱処理して非晶質炭素材料2とした。
製造例3
生コークスBをオリエントミルにて粗砕した後、ジェットミルにて微粉砕し、平均粒径5.4μmとした。これを窒素雰囲気下のローラーハースキルンにて最高温度1300℃で、1時間熱処理して非晶質炭素材料3とした。
製造例4
生コークスAをオリエントミルにて粗砕した後、ジェットミルにて微粉砕し、平均粒径5.5μmとした。その後、コンポジ(日本コークス社製)にて球状化処理を行った。これを窒素雰囲気下のローラーハースキルンにて最高温度1300℃で、1時間熱処理して非晶質炭素材料4とした。
製造例5
生コークスCをロータリーキルンにて最高温度1300℃で3時間熱処理した後、オリエントミルにて粗砕し、ジェットミルにて微粉砕し、平均粒径2.2μmとした。これを窒素雰囲気下のローラーハースキルンにて最高温度1300℃で、1時間熱処理して非晶質炭素材料5とした。
製造例6
生コークスCをオリエントミルにて粗砕した後、ジェットミルにて微粉砕し、平均粒径4.0μmとした。これを窒素雰囲気下のローラーハースキルンにて最高温度1300℃で、1時間熱処理して非晶質炭素材料6とした。
製造例7
生コークスCをロータリーキルンにて最高温度1300℃で3時間熱処理した後、オリエントミルにて粗砕し、ジェットミルにて微粉砕し、平均粒径10.3μmとした。これを窒素雰囲気下のローラーハースキルンにて最高温度1300℃で、1時間熱処理して非晶質炭素材料7とした。
製造例8
生コークスCをオリエントミルにて粗砕した後、ジェットミルにて微粉砕し、平均粒径10.4μmとした。これを窒素雰囲気下のローラーハースキルンにて最高温度1300℃で、1時間熱処理して非晶質炭素材料8とした。
実施例1
製造例1で得られた非晶質炭素材料1を、カーボンルツボに充填し、カーボン炉(ノリタケカンパニーリミテド社製)にてArガス雰囲気下にて2800℃で1時間保持し、負極用黒鉛質炭素材料1を得た。
実施例2〜4
非晶質炭素材料1の代わりに、製造例2〜4で得られた非晶質炭素材料2、3又は4を使用したほかは、実施例1と同様にして負極用黒鉛質炭素材料2、3又は4を得た。
比較例1〜4
非晶質炭素材料1の代わりに、製造例5〜8で得られた非晶質炭素材料5〜8を使用したほかは、実施例1と同様にして負極用黒鉛質炭素材料5〜8を得た。
実施例及び比較例(負極及び二次電池の作製例)
負極活物質として実施例1〜4、及び比較例1〜4で得られた負極用黒鉛質炭素材料1〜8をそれぞれ47.75質量部、導電材としてアセチレンブラック0.50質量部、及びバインダーとしてスチレンブタジエンゴム(JSR社製TRD2001)1.0質量部、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(日本製紙ケミカル社製MAC500LC)0.75質量部を混合し、その混合物を水50.00質量部に分散させてスラリー状とした。このスラリーを銅製の負極集電体に塗布し、全自動アプリケーターを用いてGAP80μmにて塗布し、70℃で6分間予備乾燥した後、120℃、2分間熱風オーブンにて乾燥を行い、目付量3.1mg/cmの、放電容量1.2mAh/cmの負極電極を得た。その後、ロールプレス機により、300kg/cmの線圧で圧密し、15mmφの野上技研製ハンドパンチにて電極を打ち抜き、負極電極を作製した。
アルゴンガス雰囲気のグローブボックス内にて0.5mm厚の金属リチウム箔(本城金属社製)を15.5mmφにカットし、正極電極とした。
電解質溶液は、エチレンカーボネート30体積%、エチルメチルカーボネート40体積%、及びジメチルカーボネート30体積%からなる混合溶媒に、LiPF6を1mol/Lの濃度で溶解した溶液を使用した。
18mmφに打ち抜いた厚さ25μmのポリプロピレン製の微多孔フィルムを上記電解質溶液に10秒間浸漬し、負極電極と正極電極の間に挟んで活物質層面が対向するようにコインセル(CR2032)内に配置した。次いで、カシメ器(宝泉社製)にてコインセルを密閉封止し、リチウムイオン二次電池を製作し各種測定・評価を行った。それらの結果を表1及び表2に示す。
なお、特に断わりのない限り、各種測定、評価は下記によるものである。
(002)面の層間距離(d002)は、X線回折装置(リガク社製、RINT−TTRIII、X線管球:CuKα、管電流:300mA、管電圧:50kV)を用い、高純度シリコンを標準物質として学振法で測定した。
真比重は、液相置換法(ピクノメータ法)により、測定した。具体的にはピクノメータ(ビートレックス社製)に負極黒鉛質炭素材料の粉体を入れ、蒸留水を加えて、真空脱気により粉体表面の空気と溶媒液を置換し、正確な粉体質量と体積を求めることで真比重値を算出した。
平均粒径(D50)の測定は、LA−920(HORIBA社製)の装置を用いて、分散媒は水+活性剤(ライオン社製、商品名ママレモン)を用いて測定をおこなった。粒子の存在比率の基準としては、レーザー回折・散乱法を用いて体積分布を測定し、累積50体積%径の値を平均粒子径(D50)とした。
BET比表面積は、粒子を200℃で3時間真空乾燥した後、BELSORP−miniII(日本ベル社製)を用い、窒素吸着を多点法で測定、BET法に従って算出した。
楕円相当長短比平均は、CP(Cross−section Polisher)法により電極断面を作製し、走査型電子顕微鏡(FE―SEM S4700日立ハイテク社製)を用いて500〜1000倍の倍率にて負極用黒鉛質炭素材料を観察した。それぞれ観察した粒子は、300個以上とした。粒子の楕円相当長短比の測定については画像解析ソフト(WinRooF:三谷商事株式会社製)用いて解析し、それぞれについて平均値(算術平均値)を算出した。
なお、電極形成後においても、黒鉛質炭素材料の粒子を特定すれば、各粒子の楕円相当長短比平均を測定可能である。
灰分含有量の測定については、JIS M8812:2006 石炭類及びコークス類‐工業分析法にしたがって測定を行った。
遷移元素量の測定については、各試料について直径30mm程度の錠剤をPEバインダーを用いて作製し、分光結晶LiF、管球ロジウム、管電圧50kV、電流35mAの条件にて走査型蛍光X線分析装置(リガク社製ZSX PrimusII)を用いて元素組成の測定を行った。
充放電効率の測定は、23℃恒温室内にて電流密度30mA/cm2の定電流でリチウム金属電極のLi+/Li平衡電位を0として負極電位を1.5Vから0Vとなるまで充電し、その後90分間定電位充電する。30分間休止した後に電流密度30mA/cm2の定電流で0Vから1.5Vまで放電を行った。充放電効率は、初回充電容量(C1)に対しての初回放電容量(D1)の割合であり、次式にて表される。なお、充放電効率は、90.0%以上を優良、90.0%未満を普通又は不良とした。
充放電効率(%)=100×D1/C1
Liの固体内拡散評価は、実施例及び比較例のリチウムイオン二次電池(コインセル)を用い、下記の手順により、放電時の直流抵抗(DCR)の測定して行った。
1)充放電効率の測定を行ったコインセルに対して、同条件にて充放電操作をさらにもう一回繰り返し、このとき測定された充電時の容量から1Cレート電流値、5Cレート電流値、充電率が50%となる負極電位をそれぞれ算出する。
2)コインセルの電圧がセルの充電率が50%であることを示す負極電位となる0.14Vまで1Cレート定電流で充電を行ったのち、さらに0.14Vで90分間の定電圧充電を行う。
3)上記の充電操作を行ったコインセルに1Cの定電流放電を0.2秒間行い、このときのセル電圧(1Cレート0.2秒後セル電圧)を測定する。
4)セルを一旦全て放電する。
5)放電したコインセルに対して、上記操作2)をもう一回行う。
6)上記操作3)を5C電流値で実施し、このときのセル電圧(5Cレート0.2秒後セル電圧)を測定する。
そして、このようにして測定されたそれぞれの定電流における電池電圧から、次式よりLiの固体内拡散速度の指標となる0.2秒DCR(DCR0.2)を求めた。なお、0.2秒としたのは、固体内拡散に基づく直流抵抗変化を測定するためである。
DCR0.2 =ΔE/ΔI
ここで、
ΔE;5Cレート0.2秒後電圧−1Cレート0.2秒後電圧
ΔI;5Cレート電流−1Cレート電流
評価基準は、DCR0.2が22.0Ω以下を優良、22.0Ωを超えると普通又は不良とした。
製造例1〜8で得られた非晶質炭素材料1〜8の特性を表1に示し、実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた負極用黒鉛質炭素材料1〜8の特性及びそれから得られたリチウムイオン二次電池の評価結果を表2に示す。
Figure 2018006270
Figure 2018006270

Claims (6)

  1. X線回折装置から計算される(002)面の層間距離(d002)が0.340nm以下、結晶子径Lc(002)が120nm以下、真比重が2.23g/cm以上、平均粒径が1〜10μm未満、BET比表面積が1.0〜6.0m/g、楕円長短比平均が0.35〜1.00、灰分含有量が0.0005〜0.1wt%、及び遷移元素含有量が5〜50wtppm未満であることを特徴とするリチウムイオン二次電池負極用黒鉛質炭素材料。
  2. X線回折装置から計算される(002)面の層間距離(d002)が0.340〜0.370nm、真比重が1.90〜2.10g/cm、平均粒径が1〜10μm未満、BET比表面積が1.0〜6.0m/g、楕円長短比平均が0.30〜1.00、灰分含有量が0.05〜1.00wt%、及び遷移元素含有量が50〜700wtppm未満である非晶質炭素材料を黒鉛化して得られたものである請求項1に記載のリチウムイオン二次電池負極用黒鉛質炭素材料。
  3. 請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池負極用黒鉛質炭素材料を必須成分として含むリチウムイオン二次電池負極。
  4. 請求項3に記載のリチウムイオン二次電池負極を使用したリチウムイオン二次電池。
  5. 下記式で表される放電時の0.2秒直流抵抗(DCR0.2)が22Ω以下である請求項4に記載のリチウムイオン二次電池。
    DCR0.2 = ΔE/ΔI
    ここで、
    ΔE;5Cレート0.2秒後電圧−1Cレート0.2秒後電圧
    ΔI;5Cレート電流−1Cレート電流
  6. キノリン不溶分を10〜30wt%の範囲に調整した石炭もしくは石油系の重質油組成物をディレードコーキングプロセスによってコーキング処理して生コークスを得て、得られた生コークスを粉砕して平均粒径が1〜10μmである原料炭組成物にし、この原料炭組成物を800℃〜1500℃にて仮焼処理して非晶質炭素材料を得て、この非晶質炭素材料を2500℃〜3200℃にて黒鉛化処理することを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池負極用黒鉛質炭素材料の製造方法。
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