以下、本発明の実施の形態によるガス充填装置を、添付図面の図1ないし図4に従って詳細に説明する。
まず、図1および図2は本発明の第1の実施の形態を示している。ガス充填装置1は、例えば自動車の燃料タンク2(被充填タンク)に圧縮したガス(本実施の形態では、水素ガス)を充填するように供給するため、一般にガス供給ステーションと呼ばれる設備等に設置されている。ガス充填装置1は、高圧に圧縮されたガスを貯蔵するガス貯蔵部3と、該ガス貯蔵部3からのガスを自動車の燃料タンク2に充填、供給するためのディスペンサユニット4と、ガス貯蔵部3からディスペンサユニット4にわたって延びるガス供給経路5とを含んで構成されている。
ガス供給経路5は、一端(上流端)側が後述の蓄圧器6に接続され、他端(下流端)側は後述の充填ホース7を介して充填ノズル8に接続されている。この充填ノズル8は、ガス供給経路5の下流端側を自動車の燃料タンク2の供給口(以下、充填口2Aという)に接続自在にするためのカップリング(接続部)を構成している。
ガス充填装置1のガス貯蔵部3は、蓄圧器6と、昇圧器としてのコンプレッサ(図示せず)とを含んで構成されている。蓄圧器6は、前記コンプレッサにより圧縮された高圧のガスを蓄圧するための容器であり、例えば複数個のボンベを互いに並列に接続してなる圧力容器として形成されている。蓄圧器6は、その流入側が前記コンプレッサの吐出側に接続され、前記コンプレッサの吸込側は、例えば水素ガスを貯蔵するガスタンク(または、水素ガスを生成する水素生成設備)と連通する中圧配管(図示せず)に接続されている。蓄圧器6には、前記コンプレッサよって昇圧された高圧のガスが満圧になるまで蓄圧して貯蔵される。このため、蓄圧器6は、燃料タンク2(被充填タンク)よりも十分に高い耐圧性能をもって形成されている。
ディスペンサユニット4には、ガス供給経路5が上流側(例えば、蓄圧器6側)から下流側にわたって延びるように配設されている。ガス供給経路5の下流側には、ディスペンサユニット4の外部へと延びる充填ホース7が接続されている。充填ホース7の先端には、燃料タンク2の充填口2A(即ち、レセプタクル)に連結される充填ノズル8が設けられている。
充填ノズル8は、例えば水素ガスからなる燃料を自動車(以下、車両9という)の燃料タンク2に供給するため、充填口2Aに気密状態で着脱可能に接続されるカップリングを構成している。充填ノズル8は、例えば水素ガスの充填中にガスの圧力によって充填口2Aから誤って外れることがないように、燃料タンク2の充填口2Aに対して係脱可能にロックされるロック機構(図示せず)を備えている。充填ノズル8は、燃料タンク2の充填口2Aに接続(ロック)された状態で、蓄圧器6内の高圧な燃料(水素ガス)をガス供給経路5、充填ホース7および充填ノズル8等を通じて車両9の燃料タンク2に充填することができる。
ディスペンサユニット4のガス供給経路5には、上流側から下流側へと順に、流量測定部としての流量計10、調節弁としての制御弁11、遮断弁としての開閉弁12、燃料温度センサ13,14および圧力センサ15,16等が設けられている。なお、ガス供給経路5の上流側から下流側に向けて設けられている流量計10、制御弁11、開閉弁12およびセンサ13,14,15,16等の取付けの順番は、図1中に示した順番に限定されるものではない。
ディスペンサユニット4内に設けられた流量計10は、ガス供給経路5の途中で被測流体の質量流量を計測するコリオリ式流量計等により構成されている。流量計10は、例えば制御弁11および開閉弁12等を介してガス供給経路5内を流れる燃料、即ち水素ガスの流量(質量流量)を計測し、計測した流量に比例した数の流量パルスを後述の制御装置19へと出力する。これによって、制御装置19は、車両9の燃料タンク2に対する燃料(水素ガス)の充填量を演算により求めることができ、自動車(車両9)に対する燃料の払出し量(給油量に相当)を表示装置(例えば、後述の表示器21またはこれ以外の表示部)等で表示し、例えば顧客等に表示内容を報知することができる。
ディスペンサユニット4内に設けられた制御弁11は、例えばエア作動式で、エアの供給で開弁し、制御信号で制御圧(エア圧)を制御して弁開度が調整される弁装置である。制御弁11は、制御装置19の制御プログラムに基づく指令により任意の弁開度に制御され、ガス供給経路5内を流れるガスの流量を可変に制御するものである。
開閉弁12は、ガス供給経路5の途中部位(例えば、制御弁11と燃料温度センサ13との間)に設けられたエア作動式または電磁式の弁装置である。開閉弁12は、後述する制御装置19からの制御信号で開,閉されることにより、ガス供給経路5内でのガスの流通を許したり、または遮断したりする。即ち、制御装置19は、充填ノズル8を介して車両9の燃料タンク2に水素ガスを充填するとき、または充填を停止(終了)するときに、制御弁11と開閉弁12との開,閉弁制御を行うものである。
また、ガス供給経路5の途中には、例えば開閉弁12よりも下流側に位置して2つの燃料温度センサ13,14が設けられている。これらの燃料温度センサ13,14は、ガス供給経路5内を流れる燃料の温度(即ち、物理量または物理状態)を検出する充填側物理状態検出手段を構成し、その検出信号を制御装置19へと出力する。燃料温度センサ13,14は、センサ異常を診断(判別)できるようにガス供給経路5の途中(即ち、同様な温度条件となる位置)に複数個、一例として2個配設されている。
圧力センサ15,16は、被充填タンクである燃料タンク2内(または、燃料タンク2に連通しているガス供給経路5等の配管途中)のガス圧力(即ち、物理量または物理状態)を検知するセンサで、充填側物理状態検出手段を構成している。ここで、圧力センサ15,16は、充填ノズル8の近傍でガス供給経路5内の圧力を測定し、測定した圧力に応じた検出信号を制御装置19へと出力する。圧力センサ15,16も、センサ異常を診断(判別)できるようにガス供給経路5の途中(即ち、同様な圧力条件となる位置)に複数個、一例として2個配設されている。
なお、燃料温度センサ13,14と圧力センサ15,16との配置関係は、図1に示す配置に限るものではなく、例えば互いに逆となる配置、または互い違いとなる関係に配置してもよい。制御弁11および開閉弁12は、ガス供給経路5を流れるガスの流量および圧力を制御する制御機器を構成している。流量計10、燃料温度センサ13,14および圧力センサ15,16は、ガス供給経路5を流れるガスの流量、温度および圧力を計測する計測機器を構成している。
また、ガス供給経路5の途中には、内部を流れる燃料(水素ガス)を冷却するプレクーラ等の冷却装置(図示せず)が設けられている。この冷却装置は、ガスが充填される車両9の燃料タンク2の温度上昇を防止するために、ガス供給経路5の途中位置で水素ガス(燃料)を冷却するように配設されている。
ディスペンサユニット4には、他の充填側物理状態検出手段を構成する気温センサ17,18が設けられ、該気温センサ17,18も前記計測機器の一部を構成している。気温センサ17,18は、ディスペンサユニット4内の雰囲気温度を環境温度(気温)として検出し、検出した温度に応じた検出信号を制御装置19へと出力する。気温センサ17,18も、センサ異常を診断(判別)できるようにディスペンサユニット4内(即ち、同様な温度条件となる位置)に複数個、一例として2個配設されている。
ディスペンサユニット4には、前記各計測機器の検出値に基づいて制御弁11および開閉弁12等の制御機器を制御しガスの充填制御を行う制御装置19が設けられている。即ち、該制御装置19は、前記充填側物理状態検出手段による検出値に基づき開閉弁12を開閉制御することにより、燃料タンク2へのガスの供給を制御する充填制御手段を構成している。制御装置19は、例えばマイクロコンピュータ等を用いて構成され、その入力側が図1に示すように、流量計10、燃料温度センサ13,14、圧力センサ15,16、気温センサ17,18および操作部20等に接続されている。
また、制御装置19は、不揮発性メモリ、RAM、ROM等からなる記憶部としてのメモリ19Aを有している。該メモリ19Aには、例えば図2に示す燃料温度センサの正常・異常診断処理用とガス充填制御処理用のプログラム等が格納され、制御装置19は、燃料温度センサ13,14(および後述の温度センサ25)の正常・異常診断処理と燃料タンク2に対する燃料(例えば、水素ガス)の充填制御処理を後述の如く行うものである。
ここで、図2中のステップ1,2,7〜12の処理は、例えば燃料温度センサ13,14および温度センサ25の正常・異常を診断する正常・異常診断の具体例を示している。なお、制御装置19のメモリ19Aには、例えば図3,4に示す圧力センサの正常・異常診断処理用とガス充填制御処理用のプログラム等も格納される。また、ディスペンサユニット4内の流量計10、圧力センサ15,16および燃料温度センサ13,14で検出したデータについても、同様にメモリ19Aに更新可能に記憶される。
さらに、制御装置19のメモリ19Aには、ガスの充填時に圧力センサ15,16により検出(測定)された圧力値から得られる圧力上昇率が、予め設定された所定の圧力上昇率に一致するように制御弁11の弁開度を制御する定圧上昇制御用の制御プログラム等が格納され、上述したように、制御装置19により制御弁11の開度が制御される。
ディスペンサユニット4に設けられた操作部20は、例えば充填開始スイッチ20Aと充填停止スイッチ20Bとを含んで構成されている。充填開始スイッチ20Aは、例えば燃料供給所の作業者等が手動で操作可能な操作スイッチで、ガスの充填を開始する場合に操作される。即ち、充填開始スイッチ20Aは、充填ホース7の先端に設けられた充填ノズル8が燃料タンク2の充填口2Aに接続された後に、ガス充填作業を開始させるために操作される充填開始用の操作スイッチである。
一方、充填停止スイッチ20Bは、ガス充填作業を停止する際に操作される充填停止用の操作スイッチで、ガス充填中に充填を停止させる場合に操作される。そして、操作部20の充填開始スイッチ20Aと充填停止スイッチ20Bとは、操作状態に応じた信号を制御装置19にそれぞれ出力し、制御装置19は、これらの信号に応じてエア作動式の空圧駆動弁または電磁弁等の自動弁からなる開閉弁12を開弁または閉弁させる。
ディスペンサユニット4に設けられた表示器21は、ガスの充填作業を行う作業者が視認し易い位置に配置され、ガスの充填作業に必要な情報表示等を行う。表示器21は、制御装置19により後述の如く充填プロトコルに準拠した充填制御を行っているときに、例えば車両9の燃料タンク2に対するガスの充填状態等を表示して作業者に知らせる。また、例えば図2に示すステップ7,9,11,12等で充填側の燃料温度センサ13,14、被充填側の温度センサ25の正常・異常診断を行ったときには、この診断結果を表示器21の画面上に表示する。これにより、表示器21は、前記温度センサ13,14,25のうちいずれが正常で、いずれが異常であるかを報知する報知手段を構成している。
なお、後述の如く充填側の圧力センサ15,16、被充填側の圧力センサ26の正常・異常診断を行った場合にも、その診断結果を報知手段として表示器21により表示することができる。また、気温センサ17,18についても同様であり、センサの正常・異常診断を行った場合には、その診断結果を報知手段として表示器21により表示することができる。
制御装置19の出力側は、制御弁11、開閉弁12および表示器21等に接続されている。制御装置19は、車両9の燃料タンク2の充填口2Aに充填ノズル8を接続した状態で、例えば操作部20の充填開始スイッチ20Aが閉成(ON)操作されたときに、制御弁11と開閉弁12に開弁信号を出力して制御弁11と開閉弁12とを開弁させる。これにより、蓄圧器6内の水素ガスによるガスの充填作業が開始される。
また、制御装置19は、例えば流量計10、燃料温度センサ13,14、圧力センサ15,16および気温センサ17,18等の測定(検出)結果を監視しつつ、夫々の検出値が正常であると診断された場合に該当する検出値に基づいて制御弁11の開度等を予め設定された制御方式(定圧上昇制御方式または定流量制御方式)等で調整する。これにより、ガス供給経路5内に供給される水素ガスの圧力、流量を適切な流通状態に制御することができる。
このとき、制御装置19は、流量計10からの流量パルスを積算して燃料の充填量(質量)を演算し、燃料の充填量が予め設定された目標充填量に達するか、または圧力センサ15,16により検出したガスの圧力が予め設定された目標充填圧力(目標充填圧)に達したときに、開閉弁12を閉弁して燃料の充填を停止する。また、操作部20の充填停止スイッチ20Bが操作された場合には、例えばガスの充填量や圧力が目標に達していなくても、充填動作を強制的に停止すべく開閉弁12が制御装置19からの信号により閉弁される。
制御装置19の入力側には、ディスペンサユニット4内に設けた通信機22が接続されている。この通信機22は、例えば車両9側に設けられた車載の通信機23との間で後述のデータおよび情報の授受を行うため、無線(または、有線でも可能)の通信回線を介して車載の通信機23に接続される。
ここで、車両9側に設けられる車載の通信機23は、例えばマイコン(マイクロコンピュータからなる制御ユニット)を含んで構成され、不揮発性メモリ、RAM、ROM等からなる記憶部としてのメモリ24を備えている。該メモリ24には、例えば燃料タンク2の内容積に相当する容積データと、燃料タンク2内に残留している燃料の圧力および温度等のデータとが更新可能に格納されている。即ち、車両9には、燃料タンク2内に供給または貯留されたガスの温度をタンク温度として検出する温度センサ25と、同じく圧力をタンク圧力として検出する圧力センサ26とが設けられている。温度センサ25と圧力センサ26とは、被充填タンク(燃料タンク2)内の物理状態を検出する被充填側物理状態検出手段を構成している。
車両9の通信機23は、温度センサ25と圧力センサ26で検出している現時点における燃料タンク2のタンク温度とタンク圧力等の計測値と、メモリ24に記憶している燃料タンク2の容積等との情報を、ディスペンサユニット4の通信機22へと送信する。このとき、ディスペンサユニット4の通信機22は、車両9の通信機23から送信された情報およびデータを受信し、これらの情報およびデータを制御装置19へと必要に応じて出力する。
制御装置19は、通信機22が受信した被充填タンクの情報(即ち、燃料タンク2のタンク温度、タンク圧力、容積等)を元に、予めメモリ19Aに記憶されている充填プロトコル情報(例えば、前述した定圧上昇制御方式または定流量制御方式等の充填処理手順)を参照し、燃料タンク2への充填プロトコルを決定する。
本実施の形態によるガス充填装置1は、上述の如き構成を有するものであり、次に、制御装置19による温度センサの正常・異常診断処理と燃料タンク2への燃料ガス(例えば、水素ガス)の充填制御処理について、図2を参照して説明する。
ここで、図2中の処理は、燃料温度センサ13,14および被充填側の温度センサ25等の正常・異常診断処理を行うものであり、他の物理状態検出手段である圧力センサ15,16,26および気温センサ17,18等については、基本的に正常に動作している場合を前提として、図2中のガス充填制御処理は行うものとする。
まず、ガス供給ステーション(燃料供給所)の作業者は、ガス充填を受ける車両9が到着すると、この車両9をディスペンサユニット4近傍の予め決められた所定位置に誘導し、充填ホース7先端の充填ノズル8を燃料タンク2の充填口2A(レセプタクル)に連結(接続)する。これにより、ディスペンサユニット4内に設けた通信機22が車両9側の通信機23と無線(または有線)で接続され、車両9の燃料タンク2から状態情報を取得することができる。
この状態で、制御装置19は、通信機22,23を介して燃料タンク2のデータおよび情報の授受を行う。即ち、充填制御手段としての制御装置19は、車両9に設けられた燃料タンク2の容積データと、燃料タンク2内に残留しているガスの圧力および温度等のデータおよび情報を取得する。
この段階で、図2の処理動作がスタートすると、ステップ1では「燃料温度比較」の判定処理を行う。具体的には、充填側物理状態検出手段である燃料温度センサ13,14から読込んだガス供給経路5内の燃料温度T1,T2を比較し、燃料温度T1,T2が実質的に等しい(T1≒T2)か否かを判定する。燃料温度センサ13,14は、図1中に示すように、互いにほぼ等しい条件下でガス供給経路5内の燃料温度T1,T2を検出している。
このため、ステップ1で「YES」と判定したときには、燃料温度センサ13で検出した燃料温度T1と、燃料温度センサ14で検出した燃料温度T2とが実質的に等しい(T1≒T2)ので、次のステップ2に移る。この場合、燃料温度T1,T2の値が仮に僅かに違っている場合でも、両者の差は燃料温度センサ13,14によるセンサ検出誤差の範囲内であり、所定の関係を満たしているとして、燃料温度センサ13,14は正常に動作していると判断することができる。
次のステップ2では燃料タンク2側の被充填側物理状態検出手段である温度センサ25との検出温度を比較する。具体的には、ステップ2で下記の数1による不等式を満たしているか否かを判定する。タンク温度Ttは、燃料タンク2側の温度センサ25で検出した燃料の温度であり、燃料温度センサ13で検出した燃料温度T1とタンク温度Ttとの差が、温度閾値Tthよりも小さいか否かを、ステップ2では判定する。
温度閾値Tthは、これまでの試験データ、経験値等により予め決められた温度の閾値であり、被充填側のタンク温度Ttと充填側の燃料温度T1との温度差(Tt−T1)が、温度閾値Tthよりも小さいときには、両者の温度差は小さく、所定の関係を満たしているとして、充填側の燃料温度センサ13と被充填側の温度センサ25とは正常に動作していると判断することができる。
なお、ガス供給経路5内の燃料は前記冷却装置で冷却されるために、一般的には、充填側の燃料温度T1の方が被充填側のタンク温度Ttよりも低い温度となる。このため、タンク温度Ttと燃料温度T1との温度差(Tt−T1)は、通常は正の値となると考えられる。しかし、より正確を期す場合には、両者の温度差(Tt−T1)を絶対値として演算することも可能である。この点は、下記の数2式についても同様に絶対値で演算してもよい。
ステップ2で「NO」と判定したときには、前記数1式の関係を満たしておらず、タンク温度Ttと燃料温度T1との温度差(Tt−T1)が、温度閾値Tth以上となり、被充填側のタンク温度Ttが充填側の燃料温度T1に比較して過度に大きくなっている。このため、次のステップ7では、被充填側の温度センサ25(タンク温度Tt)は異常と診断し、充填側の燃料温度センサ13,14は正常と診断する。
次のステップ3では、正常と診断された充填側の燃料温度センサ13,14(何れか一方のみでも可)を用いて、制御装置19はガスの充填制御を開始する。被充填側の温度センサ25が正常の場合は、このセンサを用いて燃料タンク2内の燃料温度(タンク温度Tt)を検出し続け、通信機22,23を介して制御装置19に出力する。具体的には、操作部20の充填開始スイッチ20Aをオン操作したときに、制御装置19からの制御信号により制御弁11および開閉弁12が開弁され、ガスが開閉弁12から下流側のガス供給経路5、充填ホース7を介して燃料タンク2内へと充填される。
このとき、制御装置19は、ステップ4による充填制御処理を実行し、開閉弁12を開弁状態としたままで、燃料タンク2の圧力や温度を監視しながら、制御弁11の弁開度を可変に制御することで選択した充填プロトコルに準拠した充填を行い、例えば表示器21において、ガスの充填状態等を表示させる。制御弁11は、制御装置19からの制御信号により、例えば定圧上昇制御方式および/または定流量制御方式等で弁開度が調整される。このように、ステップ4では、蓄圧器6から車両9の燃料タンク2に向けて充填プロトコルに準拠したガス充填制御が実行される。
次のステップ5では、充填終了条件が成立したか否かを判定する。即ち、制御装置19は、流量計10からの流量パルスを積算して燃料の充填量(質量)を演算し、燃料の充填量が予め設定された目標充填量に達するか、または圧力センサ15,16により検出した燃料(水素ガス)の圧力が予め設定された目標充填圧力に達したか否かを判定する。ステップ5で「NO」と判定する間は、充填終了条件が成立(充填作業が終了)していないので、ステップ4による充填制御処理を続行させる。
そして、ステップ5で充填終了条件成立として、「YES」と判定したときには、次のステップ6で開閉弁12を閉弁して燃料の充填を停止する。具体的には、制御装置19からの信号により制御弁11および開閉弁12が閉弁され、燃料タンク2へのガス充填が終了される。なお、作業者が充填停止スイッチ20Bを操作した場合にも、ステップ5で「YES」と判定するので、次のステップ6では開閉弁12を閉弁して燃料の充填を停止することになる。
一方、ステップ1で「NO」と判定したときには、燃料温度センサ13で検出した燃料温度T1と、燃料温度センサ14で検出した燃料温度T2とが実質的に等しい(T1≒T2)という所定の関係を満たしていない。即ち、この場合に、燃料温度T1,T2の値は、燃料温度センサ13,14によるセンサ検出誤差の範囲を越えて大きく異なっており、燃料温度センサ13,14の少なくともいずれか一方は異常であり、正常に動作していないと判断することができる。
そこで、次のステップ8では燃料タンク2側の温度センサ25との検出温度を比較する。具体的には、ステップ8で下記の数2による不等式を満たしているか否かを判定する。燃料タンク2側の温度センサ25で検出したタンク温度Ttと燃料温度センサ14で検出した燃料温度T2との温度差(Tt−T2)が、温度閾値Tthよりも小さいか否かを、ステップ8では判定する。
ステップ8で「YES」と判定するときには、タンク温度Ttと燃料温度T2との温度差(Tt−T2)が、温度閾値Tthよりも小さいので、両者の温度差は小さく、所定の関係を満たしていると判断することができる。このため、次のステップ9では、燃料温度センサ14(燃料温度T2)と温度センサ25(タンク温度Tt)とは正常に動作していると診断する。しかし、燃料温度センサ13(燃料温度T1)は、前記ステップ1で「NO」と判定されているので、燃料温度センサ13(燃料温度T1)は正常に動作しておらず、異常と診断する。
このため、制御装置19は、これ以降(ステップ3〜6)の充填制御処理を、正常と診断された燃料温度センサ14と燃料タンク2側の温度センサ25とを用いて行う。なお、図2中のガス充填制御処理は、前述した通り圧力センサ15,16,26および気温センサ17,18については、正常に動作している場合を前提としている。
次に、ステップ8で「NO」と判定した場合には、前記数2式の関係を満たしておらず、タンク温度Ttと燃料温度T2との温度差(Tt−T2)が、温度閾値Tth以上となっている。このため、燃料温度センサ14(燃料温度T2)と温度センサ25(タンク温度Tt)とは、所定の関係を満たしておらず、いずれか一方は故障または異常と判断することができる。
そこで、次のステップ10では、前記ステップ2と同様にタンク温度Ttと比較し、前記数1による不等式を満たしているか否かを判定する。即ち、燃料タンク2側の温度センサ25で検出したタンク温度Ttと燃料温度センサ13で検出した燃料温度T1との温度差(Tt−T1)が、温度閾値Tthよりも小さいか否かをステップ10で判定する。
そして、ステップ10で「YES」と判定するときには、タンク温度Ttと燃料温度T1との温度差(Tt−T1)が、温度閾値Tthよりも小さいので、両者の温度差は小さく、所定の関係を満たしている。このため、次のステップ11では、燃料温度センサ13(燃料温度T1)と温度センサ25(タンク温度Tt)とは正常に動作していると診断することができる。しかし、燃料温度センサ14(燃料温度T2)は、前記ステップ1で「NO」と判定されているので、燃料温度センサ14(燃料温度T2)は正常に動作しておらず、異常と診断する。
このため、制御装置19は、これ以降(ステップ3〜6)の充填制御処理を、正常と診断された燃料温度センサ13と燃料タンク2側の温度センサ25とを用いて行う。なお、図2中のガス充填制御処理は、前述した通り圧力センサ15,16,26および気温センサ17,18については、正常に動作している場合を前提としている。
次に、ステップ10で「NO」と判定したときには、前記数1式の関係を満たしておらず、タンク温度Ttと燃料温度T1との温度差(Tt−T1)が、温度閾値Tth以上となっている。このため、次のステップ12に移って、燃料温度センサ13(燃料温度T1)と温度センサ25(タンク温度Tt)とは、所定の関係を満たしておらず、いずれか一方,または両方が故障または異常と診断する。また、充填側の燃料温度センサ14(燃料温度T2)は、前記ステップ1で「NO」と判定されているので、燃料温度センサ14(燃料温度T2)も異常の可能性がある。
即ち、この場合には、ステップ12の処理で、燃料温度センサ13,14と温度センサ25のうち、少なくとも2つのセンサが異常であるか、全てのセンサが異常と診断する。そして、この場合は、燃料温度センサ13,14と温度センサ25と用いたガスの充填制御は難しいと判断して、ガスの充填作業を行わずに、制御処理を終了させる。
かくして、第1の実施の形態によれば、図2中のステップ1,2,7〜11の処理を行うことにより、充填側物理状態検出手段である燃料温度センサ13,14と被充填側物理状態検出手段である温度センサ25とからなる3つのセンサのうち、2つのセンサによる検出値(燃料温度T1,T2とタンク温度Tt)が所定の関係を満たしているときには、両センサが正常と診断することができる。しかし、2つのセンサによる検出値が所定の関係を満たしていないときには、少なくとも一方のセンサが異常と診断することができる。
換言すると、充填側の燃料温度センサ13,14と被充填側の温度センサ25とのうち、いずれか1つセンサが異常と診断された場合でも、残りの2つのセンサによる検出値が所定の関係を満たしているときは、これらを正常と診断することができる。そして、前記3つのセンサのうち、正常と診断された2つのセンサを用いて水素ガス燃料の充填制御を行うことができる。即ち、燃料温度センサ13,14と温度センサ25のうち、何れか1つのセンサが異常と診断された場合でも充填作業を続けることができ、ガス充填時の作業性、生産性を向上することができる。
次に、図3および図4は第2の実施の形態を示している。本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。しかし、第2の実施の形態の特徴は、温度センサに替えて圧力センサ15,16,26のいずれが正常か異常かを診断する正常・異常診断手段を備える構成としたことにある。
ここで、制御装置19のメモリ19Aには、例えば図3および図4に示す圧力センサの正常・異常診断処理を含んだ充填制御処理用のプログラム等が格納されている。制御装置19は、後述の如く圧力センサ15,16,26のいずれが正常か異常かを診断する正常・異常診断処理と、これに続く水素ガスの充填制御処理とを行うものである。なお、図3,4中に示すガス充填制御処理は、燃料温度センサ13,14と温度センサ25および気温センサ17,18等が、基本的に正常に動作している場合を前提として説明するものとする。
図3の処理動作がスタートすると、ステップ21で「圧力比較」の判定処理を行う。具体的には、充填側物理状態検出手段である圧力センサ15,16から読込んだガス供給経路5内の燃料圧力P1,P2を比較し、燃料圧力P1,P2が実質的に等しい(P1≒P2)か否かを判定する。圧力センサ15,16は、図1中に示すように、互いにほぼ等しい条件下でガス供給経路5内の水素ガス(燃料)の燃料圧力P1,P2を検出している。
このため、ステップ21で「YES」と判定したときには、圧力センサ15で検出した燃料圧力P1と、圧力センサ16で検出した燃料圧力P2とが実質的に等しい(P1≒P2)ので、次のステップ22に移る。この場合、圧力P1,P2の値が仮に僅かに違っている場合でも、両者の差は圧力センサ15,16によるセンサ検出誤差の範囲内であり、所定の関係を満たしているとして、圧力センサ15,16は正常に動作していると判断することができる。
次のステップ22では、燃料タンク2側の被充填側物理状態検出手段である圧力センサ26との検出圧力を比較する。具体的には、ステップ22で下記の数3による不等式を満たしているか否かを判定する。タンク圧力Ptは、燃料タンク2側の圧力センサ26で検出した水素ガス(タンク内燃料)の圧力であり、圧力センサ15で検出した燃料圧力P1とタンク圧力Ptとの差が、圧力閾値Pthよりも小さいか否かを、ステップ22では判定する。
圧力閾値Pthは、これまでの試験データ、経験値等により予め決められた圧力の閾値であり、タンク圧力Ptと燃料圧力P1との圧力差(Pt−P1)が、圧力閾値Pthよりも小さいときには、両者の圧力差は小さく、所定の関係を満たしているとして、充填側の圧力センサ15と被充填側の圧力センサ26とは正常に動作していると判断することができる。
なお、ガス供給経路5内の燃料は前記冷却装置で冷却されるために、一般的には、充填側の燃料圧力P1の方が被充填側のタンク圧力Ptよりも低い圧力となる。このため、タンク圧力Ptと燃料圧力P1との圧力差(Pt−P1)は、通常は正の値となると考えられる。しかし、より正確を期す場合には、両者の圧力差(Pt−P1)を絶対値として演算することも可能である。この点は、下記の数4式についても同様に絶対値で演算してもよい。
ステップ22で「NO」と判定したときには、前記数3式の関係を満たしておらず、タンク圧力Ptと燃料圧力P1との圧力差(Pt−P1)が、圧力閾値Pth以上となり、被充填側のタンク圧力Ptが充填側の燃料圧力P1に比較して過度に大きくなっている。このため、次のステップ24では、被充填側の圧力センサ26(タンク圧力Pt)は異常と診断し、充填側の圧力センサ15,16は正常と診断する。
次のステップ23では、正常と診断された圧力センサ15,16(何れか一方のみでも可)を用いて、制御装置19はガスの充填制御を開始する。被充填側の圧力センサ26が正常の場合は、このセンサを用いて燃料タンク2内の圧力を検出し続け、通信機22,23を介して制御装置19に出力する。具体的には、操作部20の充填開始スイッチ20Aをオン操作したときに、制御装置19からの制御信号により制御弁11および開閉弁12が開弁され、水素ガスが開閉弁12から下流側のガス供給経路5、充填ホース7を介して燃料タンク2内へと充填される。このとき、制御装置19は、図4に示すステップ30による充填制御処理を後述の如く実行する。
一方、ステップ21で「NO」と判定したときには、充填側の圧力センサ15で検出した燃料圧力P1と、同じく充填側の圧力センサ16で検出した燃料圧力P2とが実質的に等しい(P1≒P2)という所定の関係を満たしていない。即ち、この場合に、燃料圧力P1,P2の値は、圧力センサ15,16によるセンサ検出誤差の範囲を越えて大きく異なっており、圧力センサ15,16の少なくともいずれか一方は、正常に動作していないと判断することができる。
そこで、次のステップ25では、燃料タンク2(被充填)側の圧力センサ26との検出圧力を比較する。具体的には、ステップ25で下記の数4による不等式を満たしているか否かを判定する。燃料タンク2側の圧力センサ26で検出したタンク圧力Ptと充填側の圧力センサ16で検出した燃料圧力P2との圧力差(Pt−P2)が、圧力閾値Pthよりも小さいか否かを、ステップ25では判定する。
ステップ25で「YES」と判定するときには、タンク圧力Ptと燃料圧力P2との圧力差(Pt−P2)が、圧力閾値Pthよりも小さいので、両者の圧力差は小さく、所定の関係を満たしていると判断することができる。このため、次のステップ26では、圧力センサ16(燃料圧力P2)と圧力センサ26(タンク圧力Pt)とは正常に動作していると診断する。しかし、圧力センサ15(燃料圧力P1)は、前記ステップ21で「NO」と判定されているので、圧力センサ15は正常に動作しておらず、異常と診断する。
このため、制御装置19は、これ以降(ステップ23、ステップ30〜40)の充填制御処理を、正常と診断された圧力センサ16と燃料タンク2側の圧力センサ26とを用いて行う。なお、図3、図4中のガス充填制御処理は、前述した通り燃料温度センサ13,14と温度センサ25および気温センサ17,18については、正常に動作している場合を前提としている。
次に、ステップ25で「NO」と判定した場合には、前記数4式の関係を満たしておらず、タンク圧力Ptと燃料圧力P2との圧力差(Pt−P2)が、圧力閾値Pth以上となっている。このため、圧力センサ16(燃料圧力P2)と圧力センサ26(タンク圧力Pt)とは、所定の関係を満たしておらず、いずれか一方は故障または異常と判断することができる。
そこで、次のステップ27では、前記ステップ22と同様にタンク圧力Ptと比較し、前記数3による不等式を満たしているか否かを判定する。即ち、燃料タンク2側の圧力センサ26で検出したタンク圧力Ptと圧力センサ15で検出した燃料圧力P1との圧力差(Pt−P1)が、圧力閾値Pthよりも小さいか否かをステップ27で判定する。
そして、ステップ27で「YES」と判定するときには、タンク圧力Ptと燃料圧力P1との圧力差(Pt−P1)が、圧力閾値Pthよりも小さいので、両者の圧力差は小さく、所定の関係を満たしている。このため、次のステップ28では、圧力センサ15(燃料圧力P1)と圧力センサ26(タンク圧力Pt)とは正常に動作していると診断することができる。しかし、圧力センサ16(燃料圧力P2)は、前記ステップ21で「NO」と判定されているので、圧力センサ16は正常に動作しておらず、異常と診断する。このため、制御装置19は、これ以降(ステップ23、ステップ30〜40)の充填制御処理を、正常と診断された圧力センサ15と燃料タンク2側の圧力センサ26とを用いて行う。
次に、ステップ27で「NO」と判定したときには、前記数3式の関係を満たしておらず、タンク圧力Ptと燃料圧力P1との圧力差(Pt−P1)が、圧力閾値Pth以上となっている。このため、次のステップ29に移って、圧力センサ15(燃料圧力P1)と圧力センサ26(タンク圧力Pt)とは、所定の関係を満たしておらず、いずれか一方,または両方が故障または異常と診断する。また、圧力センサ16(燃料圧力P2)は、前記ステップ21で「NO」と判定されているので、圧力センサ16(燃料圧力P2)も異常の可能性がある。
即ち、この場合には、ステップ29の処理で、圧力センサ15,16,26のうち、少なくとも2つの圧力センサが異常であるか、全ての圧力センサが異常と診断する。そして、この場合は、圧力センサ15,16と圧力センサ26と用いたガスの充填制御は難しいと判断して、ガスの充填作業を行わずに、制御処理を終了させる。
次に、前記ステップ23に続くステップ30以降の処理ついて説明する。制御装置19は、ステップ23で前述の如く充填開始されると、図4に示すステップ30による充填制御処理を実行する。
即ち、ステップ30の充填制御処理では、開閉弁12を開弁状態としたままで、燃料タンク2の圧力や温度を監視しながら、制御弁11の弁開度を可変に制御することで選択した充填プロトコルに準拠した充填を行い、例えば表示器21において、ガスの充填状態等を表示させる。制御弁11は、制御装置19からの制御信号により、例えば定圧上昇制御方式および/または定流量制御方式等で弁開度が調整される。このように、ステップ30では、蓄圧器6から車両9の燃料タンク2に向けて充填プロトコルに準拠したガス充填制御が実行される。
次のステップ31,32、ステップ35〜40の処理は、ガスの充填制御を開始して以降に行う圧力センサ15,16,26の正常・異常診断処理である。これらのステップ31,32、ステップ35〜40による処理は、前述したステップ21,22、ステップ24〜29の処理と同様な処理内容であるので、これ以上の説明は省略する。
ここで、図3中のステップ22で「YES」と判定し、圧力センサ15,16,26が全て正常(即ち、ガス充填制御が開始される前の段階で正常)と診断された場合を例に挙げると、ステップ35の処理で、充填側の圧力センサ15,16は正常と診断し、被充填側の圧力センサ26(タンク圧力Pt)は異常と診断した場合は、ガス充填制御の途中で、被充填側の圧力センサ26が何らかの原因で故障し、異常となった場合である。
また、ステップ37の処理で、充填側の圧力センサ15は異常、圧力センサ16は正常と診断し、被充填側の圧力センサ26(タンク圧力Pt)は正常と診断した場合は、ガス充填制御の途中で、充填側の圧力センサ15が何らかの原因で故障し、異常となった場合である。一方、ステップ39の処理で、充填側の圧力センサ15は正常、圧力センサ16は異常と診断し、被充填側の圧力センサ26(タンク圧力Pt)は正常と診断した場合は、ガス充填制御の途中で、充填側の圧力センサ16が何らかの原因で故障し、異常となった場合である。
また、ステップ40の処理で、圧力センサ15,16,26のうち、少なくとも2つの圧力センサが異常であるか、全ての圧力センサ15,16,26が異常と診断した場合は、ガス充填制御の途中で2つ以上の圧力センサが何らかの原因で故障し、異常となった場合である。そして、このような場合は、圧力センサ15,16と圧力センサ26と用いたガスの充填制御は難しいと判断し、次のステップ34でガスの充填を停止(即ち、開閉弁12を閉弁)させて制御を終了させる。
前記ステップ31,32、ステップ35〜39の正常・異常診断処理に続いて行うステップ33では、充填終了条件が成立したか否かを判定する。即ち、制御装置19は、流量計10からの流量パルスを積算して燃料の充填量(質量)を演算し、燃料の充填量が予め設定された目標充填量に達するか、または圧力センサ15,16により検出した燃料(水素ガス)の圧力が予め設定された目標充填圧力に達したか否かを判定する。ステップ33で「NO」と判定する間は、充填終了条件が成立(充填作業が終了)していないので、ステップ30による充填制御処理とステップ31,32、ステップ35〜40による正常・異常診断処理を続行させる。
そして、ステップ33で充填終了条件成立として、「YES」と判定したときには、次のステップ34で開閉弁12を閉弁して燃料の充填を停止する。具体的には、制御装置19からの信号により制御弁11および開閉弁12が閉弁され、燃料タンク2へのガス充填が終了される。なお、作業者が充填停止スイッチ20Bを操作した場合にも、ステップ33で「YES」と判定するので、次のステップ34では開閉弁12を閉弁して燃料の充填を停止することになる。
なお、前記ステップ31,32、ステップ35〜40による処理は、ガス充填制御が開始される前の段階で圧力センサ15,16,26が全て正常と診断された場合を前提として説明した。しかし、圧力センサ15,16,26のうち2つの以上のセンサが正常と診断された場合には、ステップ31,32、ステップ35〜40の処理により、ガス充填開始後におけるセンサの正常・異常診断処理は可能である。
また、図4中のステップ31,32、ステップ35〜40による処理(即ち、ガス充填開始後におけるセンサの正常・異常診断処理)は、必ずしも行う必要はなく、ステップ30の充填制御処理に続いて、ステップ33の処理(充填終了条件成立の判定処理)を行うことも可能であり、この場合には、ステップ31,32、ステップ35〜40による処理を廃止する構成としてもよい。
かくして、このように構成される第2の実施の形態では、充填側物理状態検出手段である圧力センサ15,16と被充填側物理状態検出手段である圧力センサ26とからなる3つのセンサのうち、2つのセンサによる検出値(燃料圧力P1,P2とタンク圧力Pt)が所定の関係を満たしているときには、両センサが正常と診断することができる。しかし、2つのセンサによる検出値が所定の関係を満たしていないときには、少なくとも一方のセンサが異常と診断することができる。
換言すると、充填側の圧力センサ15,16と被充填側の圧力センサ26とのうち、いずれか1つセンサが異常と診断された場合でも、残りの2つのセンサによる検出値が所定の関係を満たしているときは、これらを正常と診断することができる。そして、前記3つのセンサのうち、正常と診断された2つのセンサを用いて水素ガスの充填制御を行うことができる。即ち、3つの圧力センサ15,16,26のうち、何れか1つのセンサが異常と診断された場合でも充填作業を続けることができ、ガス充填時の作業性、生産性を向上することができる。
なお、前記第2の実施の形態では、圧力センサ15,16,26の正常・異常診断を行う場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば気温センサ17,18の正常・異常診断を行う構成としてもよい。即ち、車両9に被充填側の気温センサ(被充填側物理状態検出手段)が設けられている場合には、例えば通信機22,23によるデータ通信を行う。この状態で、被充填側の気温センサと充填側の気温センサ17,18とのうち、2つのセンサによる検出値が所定の関係を満たしているときには、両センサが正常と診断し、2つのセンサによる検出値が所定の関係を満たしていないときには、少なくとも一方のセンサが異常と診断することができる。
また、前記第1の実施の形態では、燃料温度センサ13,14と温度センサ25の正常・異常の診断結果を報知する報知手段として表示器21を用いる場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば報知ランプ、警報ブザーまたは音声合成装置等の報知手段を用いる構成としてもよい。この点は、第2の実施の形態についても同様である。
さらに、前記各実施の形態では、燃料ガスとして水素ガスを用いる場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、水素ガス以外のガス、例えばブタン,プロパン等のガスや圧縮天然ガス(CNG)を車両の燃料タンク2に充填するためのガス充填装置にも適用することができる。また、車両の燃料タンク2に圧縮されたガスを充填する形態に限らず、他の被充填タンク(容器を含む)に圧縮されたガスを充填する際にも適用することができる。さらに、本ガス充填装置1のディスペンサユニット4を、他の場所にガス給送するための管路の途中に設置してもよい。