本発明は、発光装置及びその製造方法に関する。
近年、一般照明用の灯具等において、従来の白熱電球に代わって、より低消費電力の発光ダイオード(Light Emitting Diode:以下「LED」ともいう。)の利用が進んでおり、その応用分野もバックライト用途や照明、車載用途等、各分野に拡大している。特に窒化物系半導体を用いたLEDは、バンドギャップが広く短波長の出射が可能で、近年利用が進んでいる。このような発光装置においては、発光素子を樹脂で封止する構成が採用されている。
また発光装置の電極部材には、銀等の金属部材が用いられているところ、樹脂がガスを透過するため、使用するにつれて金属部材が硫化されて劣化し、LEDを導電部材と接続するワイヤの接続部分が断線するおそれがある。このため、スパッタリングにより無機材料からなる保護膜を形成してワイヤの接続部分の劣化等を抑制する試みがなされている(例えば特許文献1)。
しかしながら、スパッタリングによる保護膜の形成方法では、材料成分がある程度の直進性をもって目的物に当たることで保護膜が形成されるので、例えばワイヤと導電部材の接続部分において、部分的に影になる領域が存在すると、保護膜で被覆されない領域が生じる。例えば図11Aの断面図や図11Bの拡大断面図に示すように、ワイヤ30Xの先端にボール24Xを形成したボールボンディングで接続する場合、図11Bの拡大断面図において斜線で示すような、ボール24Xの影になる部分には保護膜32Xが成膜できずに、この部分が保護膜32Xで被覆されない結果、ワイヤ30Xと導電部材20Xが接合される部分の周囲が硫化し、ワイヤ断線するおそれがある。
本発明は、従来のこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、ワイヤ断線を抑制した発光装置及びその製造方法を提供することにある。
以上の目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る発光装置によれば、銀を含む導電部材を有し、側壁部と底部によって構成される凹部を形成してなる基体と、前記底部に配置される発光素子と、前記発光素子と少なくとも前記側壁部の上面に位置する前記導電部材とを電気的に接続するワイヤと、前記ワイヤと前記導電部材との接続部分の少なくとも一部から離間して、前記導電部材を被覆する保護膜と、前記保護膜と前記接続部分の周囲に位置する前記導電部材と前記ワイヤのそれぞれの少なくとも一部を連続して被覆する第一樹脂部材と、前記第一樹脂部材よりも硫化水素に対するガスバリア性が低く、前記発光素子及び前記第一樹脂部材を被覆する第二樹脂部材と、を備え、前記発光素子の上面を、前記側壁部の上面よりも下側に位置させてなる。
また、他の実施形態に係る発光装置によれば、銀を含む導電部材を有する基体と、前記基体上に配置される発光素子と、前記発光素子と前記導電部材とを電気的に接続するワイヤと、前記ワイヤと前記導電部材との接続部分の少なくとも一部から離間して、前記導電部材を被覆する保護膜と、前記保護膜と前記接続部分の周囲に位置する前記導電部材と前記ワイヤのそれぞれの少なくとも一部を連続して被覆する第一樹脂部材と、前記第一樹脂部材よりも硫化水素に対するガスバリア性が低く、前記発光素子及び前記第一樹脂部材を被覆する第二樹脂部材と、前記基体の表面の少なくとも一部に遮光部と、を有し、前記発光素子と前記第一樹脂部材とを結ぶ直線上に前記遮光部がある。
さらに、他の実施形態に係る発光装置の製造方法によれば、銀を含む導電部材を有し、側壁部と底部によって構成される凹部を形成してなる基体を準備する工程と、発光素子の上面が前記側壁部の上面よりも下側に位置し、前記底部に発光素子を配置する工程と、前記発光素子と前記導電部材とをワイヤを介して電気接続する工程と、前記ワイヤと前記導電部材との接続部分の少なくとも一部から離間して、前記導電部材を被覆する保護膜をスパッタリングにより形成する工程と、前記保護膜と前記接続部分の周囲に位置する前記導電部材と前記ワイヤのそれぞれの少なくとも一部を連続して被覆する第一樹脂部材を形成する工程と、前記第一樹脂部材よりも硫化水素に対するガスバリア性の低く、前記発光素子及び前記第一樹脂部材を被覆する第二樹脂部材を形成する工程と、を含む。
一実施形態に係る発光装置及びその製造方法によれば、発光素子から発される光が、ワイヤと導電部材との接続部分の周囲に位置する第一樹脂部材に直接照射されにくいため、発光素子からの一次光で第一樹脂部材が劣化されにくくなり、第一樹脂部材の高いガスバリア性によりワイヤと導電部材との接続部分の周囲に位置する導電部材が硫化することを抑制でき、ワイヤと導電部材の断線を防止することができる。
本発明の実施形態1に係る発光装置を示す斜視図である。
図1の発光装置の平面図である。
図1の発光装置の断面図である。
図3の接続部分を第一樹脂部材で被膜した部分の拡大断面図である。
変形例に係る発光装置を示す断面図である。
他の変形例に係る発光装置を示す断面図である。
実施形態2に係る発光装置を示す断面図である。
実施形態2に係る発光装置を示す平面図である。
実施形態3に係る発光装置を示す断面図である。
実施形態3に係る発光装置を示す平面図である。
図11Aはスパッタリングにより保護膜を形成する様子を示す断面図、図11Bは図11Aの拡大断面図である。
変形例に係る発光装置の接続部分を第一樹脂部材で被膜した部分の拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は以下のものに特定されない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係る発光装置を図1〜図4に示す。これらの図において、図1は本発明の実施形態1に係る発光装置100を示す斜視図、図2は図1の発光装置100の平面図、図3は図1の発光装置100の断面図を、図4は図3の接続部分22を第一樹脂部材41で被膜した部分の拡大断面図を、それぞれ示している。これらの図に示す発光装置100は、基体10と、基体10に実装された発光素子1とを備える。基体10は、図3の断面図に示すように、一面(図において正面)に凹部14を形成している。尚、凹部14は、側壁部15と底部16で構成されている。凹部14の底部16に、発光素子1が配置される。
(基体10)
基体10は、銀を含む導電部材と、絶縁性の母材と、を備える。導電部材には、リード及び配線を構成する銀を含む金属部材が挙げられる。導電部材がリードの場合には、例えば、銀、銅、アルミニウム、金、タングステン、鉄、ニッケル、コバルト、モリブデン等の金属又はこれらの合金、燐青銅、鉄入り銅等の単層又は積層体を基材とし、基材の表面に銀を含む反射膜を形成したものを用いることができる。
導電部材が配線の場合には、例えば、銀、銅、ニッケル、パラジウム、ロジウム、タングステン、クロム、チタン、アルミニウム、金又はこれらの合金等の単層又は積層体を基材とし、基材の表面に銀を含む反射膜を形成したものを用いることができる。尚、導電部材の基材が銀を含む場合には、リード又は配線に銀を含む反射膜を形成しなくてもよい。
銀を含む反射膜としては、例えば、銀膜、銀合金からなる膜、銀に不純物が添加された膜等が挙げられる。銀合金としては、例えば、銀−金合金等が挙げられる。銀に添加される不純物としては金、銅等の金属、硫黄、セレン等が挙げられる。銀を含む反射膜は、単層及び積層構造のいずれでもよく、通常、導電部材の表面において銀を含むように構成される。
導電部材に銀を含む反射膜を形成する方法は特に限定されず、めっき法、蒸着法、スパッタ法、イオンビームアシスト蒸着法等の種々の方法が挙げられる。その膜厚は、発光素子からの光を有効に反射させることができる膜厚であればよく、例えば20nm〜10μm程度であり、50nm〜5μm程度が好ましく、100nm〜3μm程度がより好ましい。導電部材の厚み及び形状は、特に限定されず、当該分野で公知の範囲において適宜設定することができる。
絶縁性の母材としては、セラミック、樹脂(繊維強化樹脂を含む)等が挙げられる。セラミック基板としては、アルミナ、窒化アルミニウム等が挙げられる。樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、BTレジン、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂や、ポリフタルアミド樹脂、ナイロン樹脂などの熱可塑性樹脂や、これらの変性樹脂又はこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂等が挙げられる。また、母材は単層構造でも積層構造でもよい。また、これらの母材には、当該分野で公知の着色剤、充填剤、強化繊維等を含有させてもよい。特に、着色剤は、反射率の良好な材料が好ましく、酸化チタン、酸化亜鉛等の白色のものが好ましい。充填剤としては、シリカ、アルミナ等が挙げられる。強化繊維としては、ガラス、珪酸カルシウム、チタン酸カリウム等が挙げられる。
図3では、導電部材が金属製のリード11により形成される。また母材12が絶縁性の樹脂で形成される。リード11は第一リード11Aと第二リード11Bの2つで構成され、一方が正極、他方が負極の外部接続端子として機能する。また、導電部材の少なくとも一部が凹部14を形成してもよい。導電部材は銀を含む金属で構成されており、高い反射率を有している。このため、側壁部15及び/又は底部16での光の反射率が向上するので、発光装置の出力を向上させることができる。特に、凹部を構成する側壁部15及び底部16の発光素子1と対面する側の面の全てが導電部材で形成されていることが好ましい。このようにすることで、更に発光装置の出力を向上させることができる。
底部16は少なくとも発光素子1が載置できる面積を有していればよく、例えば、円形、楕円形、多角形形状の角を丸めた形状又はこれらの形を元に変形した形状とすることができる。側壁部15は底部16に対して垂直であってもよいが、断面視において凹部14の幅が底部16に向かって幅狭となるように傾斜していることが好ましい。例えば、底部16に対する法線方向に0〜45°程度、20〜40°程度で傾斜していることが適している。これにより、発光素子1からの光を効率的に上面に導くことができる。
また、導電部材を母材12の側面から突出させることが好ましい。導電部材の体積が増えることで放熱性を向上させることができる。また、導電部材の下面が母材12より露出していることが好ましい。このようにすることで、基体10を基板に実装した時に、基板と導電部材が接触する面積が増えるので放熱性を向上させることができる。
(発光素子1)
発光素子1は、凹部14の底部16に実装される。発光素子1は、電圧を印加することで自ら発光する半導体素子であり、窒化物半導体等から構成される既知の半導体発光素子を適用できる。また発光素子1は、所望の発光色を得るために任意の波長のものを選択すればよい。具体的には、青色の光(波長430nm以上490nmより小さい)や緑色の光(波長490nm以上570nmより小さい)を発光する発光素子としては、InXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で表される窒化物系半導体を、赤色の光(波長620nm以上750nmより小さい)を発光する発光素子としては、GaAlAs,AlInGaP等で表されるヒ素系化合物やリン系化合物の半導体をそれぞれ適用することができ、さらに混晶比により発光色を変化させた発光素子を利用できる。また前記半導体素子の成長基板としては、サファイアやGaN等六方晶系の基板が用いられる。
(ワイヤ30)
発光素子1と導電部材とは、ワイヤ30を介して電気的に接続されている。ワイヤ30は導電性に優れた金属材、例えば金やアルミ二ウム、銅、銀等で構成される。ワイヤ30を形成する方法は特に限定されないが、ボールボンディング、ウェッジボンディング等の既知のボンディング法によって形成することができる。ボールボンディングを用いる場合は、ワイヤ30の先端に予めボール24を形成する。例えばワイヤを金線とする場合、電気トーチからの放電等により金線の先端を溶解してボール24を形成する。図4の拡大断面図は、このようなボールボンディングの例示している。ワイヤ30の先端にボール24を形成することでワイヤ30と導電部材20との接触面積が広くなるのでワイヤ断線が抑制される。尚、ボール24はワイヤ30の一部である。
(保護膜32)
保護膜32は導電部材の少なくとも一部を被覆する。導電部材を保護膜32で被覆することで、導電部材と硫化水素とが接触することを抑制できるので、導電部材が硫化することを抑制できる。また、発光素子1も保護膜32で被覆してもよい。保護膜32が導電部材と発光素子1とを連続して被覆することで、発光素子1の周囲に位置する導電部材を被覆しやすくなる。これにより、発光素子1の周囲に位置する導電部材が硫化によって変色することを抑制できるので出力維持に繋がる。保護膜32は、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化チタンおよび酸化タンタル等の絶縁性と透光性に優れた材料を用いることが好ましい。保護膜32は、スパッタリング、真空蒸着法等の既知の成膜方法によって形成される。特に保護膜32をスパッタリングで形成すると、保護膜32と導電性部材との密着性を高くできるので好ましい。
ただし、ワイヤ30と導電部材との接続部分22の周囲においてワイヤ30の影になる部分の隙間は狭いので、接続部分22の周囲に位置する導電部材を覆う保護膜32を形成しにくい。例えば、真空蒸着法で保護膜32を形成する場合では、隙間が狭い部分には気化又は昇華させた保護膜32を形成する材料が行き渡りにくいので保護膜32を形成しにくい。特に、スパッタリング等の保護膜形成材料の供給源から保護膜形成部分への移動直進性が高い方法を用いた場合は、ワイヤ30と導電部材との接続部分22の周囲に位置しワイヤ30の影となる導電部材に、保護膜32を形成する材料を付着させにくいので保護膜32を形成しにくい。このため、接続部分22の周囲に位置する導電部材の少なくとも一部は保護膜32に覆われないおそれがある。つまり、保護膜32はワイヤ30と導電部材との接続部分22の少なくとも一部から離間されやすい。尚、ワイヤ30の影とは、言い換えるとワイヤ30の下側の領域のことである。
(第一樹脂部材41)
このため、接続部分22の周囲に位置する導電部材に含まれる銀が大気中に含まれる硫化水素により硫化して劣化し、ワイヤ断線が生じるおそれがある。そこで、保護膜32と接続部分22の周囲に位置する導電部材と、ワイヤ30のそれぞれの少なくとも一部を、硫化水素に対するガスバリア性の高い第一樹脂部材41で連続して被覆する。つまり、保護膜32で被覆されていない導電部材の少なくとも一部を第一樹脂部材41で被覆する。
この様子を、図3において接続部分22を拡大した図4の拡大断面図に示す。図4に示すように、第一樹脂部材41は、保護膜32と、接続部分の周囲に位置する導電部材20と、ワイヤ30のそれぞれの少なくとも一部を連続して被覆する。特に、導電部材20から保護膜32の端縁にかけての領域を連続的に覆うことで、導電部材20を外部に露出させることなく保護できるので好ましい。第一樹脂部材41の材料は特に限定されず、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、TPX樹脂、ポリノルボルネン樹脂、又はこれらの変性樹脂やこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂等を用いることができる。特に、第一樹脂部材41の材料としては炭素−炭素結合を有する樹脂が好ましい。炭素−炭素結合系の材料は比較的ガスバリア性が高いので硫化水素を透過しにくいからである。炭素−炭素結合を有する樹脂としては、エポキシ樹脂が挙げられる。
なお、本明細書においてガスバリア性とは、硫化水素に対する透過度を示す指標であり、例えば硫化水素に対する気体透過係数を示す。気体透過係数の単位としては、cm3・cm/(m2・24hrs・atm)やcm3・cm/(cm2・s・cmHg)等が使われる。また部材の大きさ等により硫化水素に対する気体透過係数で測定できない場合には、部材を特定し、その特定した部材と類似の部材の測定結果より硫化水素に対する気体透過係数を求めることができる。また、硫化水素に対する気体透過係数の測定が困難な場合は、水蒸気透過係数を用いてもよい。水蒸気透過係数の単位としては、ng/(m・s・Pa)等が使われる。
ガスバリア性の優れた樹脂は、一般に耐光性に劣る。よって、発光素子が発する光に晒されて劣化することが懸念される。そこで本実施の一形態においては、発光素子1を凹部14の底部16に実装した時に、発光素子1の上面が凹部14を構成する側壁部15の上面よりも下側に位置する。このようにすることで、ワイヤ30と導電部材20との接続部分22が発光素子1からの光が直接照射されない。接続部分22が発光素子1からの光が直接照射されないので、接続部分22の周囲に位置する導電部材20を被覆する第一樹脂部材41が、発光素子1からの光で劣化することを抑制できる。更に、第一樹脂部材41は、側壁部15の側面から離間した位置に設けられていることが好ましい。側壁部15の側面に第一樹脂部材41が形成されないので、第一樹脂部材41に発光素子1からの光が照射されにくくなり、第一樹脂部材41が光により劣化することを抑制できる。特に、第一樹脂部材41の全てが発光素子1から直接照射される光の範囲外に配置されることが好ましい。このようにすることで、更に第一樹脂部材41が発光素子1からの光により劣化することを抑制できる。接続部分22の周囲に位置する導電部材20が硫化しにくいので、ワイヤ30と導電部材20の断線を抑制することができる。
尚、発光素子1から発する光には発光素子1から直接照射される光(一次光)だけでなく、後述する第二樹脂部材等によって反射及び/又は屈折される光(二次光)もある。発光素子1から直接照射される光(一次光)とは、発光素子1の表面からその周囲の遮光部材(例えば、基体)を結ぶ直線で規定することができる。
第一樹脂部材41の厚さは特に限定されないが、50μm〜200μmが好ましい。第一樹脂部材41が200μmよりも厚い場合には、発光素子1からの光が当たりやすくなるので第一樹脂部材41が光により劣化しやすくなる。また第一樹脂部材41が50μmよりも薄い場合には、接続部分22の周囲に位置する導電部材を第一樹脂部材41で被覆しにくくなる。
(第一光反射部材)
第一樹脂部材41に、第一光反射部材を含有させてもよい。これによって発光素子1が発する光の一部を第一光反射部材で反射させる結果、第一樹脂部材41に照射される光量を低減させ、第一樹脂部材41の劣化を低減させることができる。また、第一光反射部材で反射させた光を出力光に振り向けることで、光の取り出し効率を向上させることもできる。第一光反射部材の材料は特に限定されないが、酸化チタン、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム等が好適に利用できる。
第一樹脂部材41の形状は特に限定されないが、平面視において外形を円形状とすることが好ましい。これにより、容易に第一樹脂部材41を形成することができる。例えば発光装置の製造時において、第一樹脂部材41を構成する未硬化の樹脂を、ポッティングにより塗布してもよい。このように未硬化の第一樹脂部材41を液状で塗布することにより、スパッタリング等で形成した保護膜では成膜しにくい隙間に樹脂を入り込ませることができる。すなわち、スパッタリング等で保護膜32を成膜しつつ、保護膜32を形成できなかった部位を第一樹脂部材41で被覆することができる。
また、未硬化の第一樹脂部材41にフィラーを添加するなどして、粘度を調整し、ポッティングで供給される絶縁性の第一樹脂部材41が不要な範囲に広がりにくいようにできる。また粘度を調整することで第一樹脂部材41の保型性を高め、意図した部位に第一樹脂部材41を留めるように制御し易くなる。硬化された第一樹脂部材41の円形状の直径は特に限定されないが、30μm以上800μm以下とすることが好ましい。第一樹脂部材41の円形状の直径が800μmよりも大きい場合には、発光素子1からの光が当たりやすくなるので第一樹脂部材41が光により劣化しやすくなる。また第一樹脂部材41の円形状の直径が30μmよりも小さい場合には、接続部分22の周囲に位置する導電部材を第一樹脂部材41で被覆しにくくなる。第一樹脂部材41に添加されるフィラーの重量は特に限定されないが、第一樹脂部材41の重量に対して0.5〜1.5%添加することが好ましい。この範囲で添加することで隙間に未硬化の第一樹脂部材41が入り込みやすく、且つ、不要な範囲に広がりにくい粘度にすることができる。
(第二樹脂部材42)
さらに発光装置は、発光素子1と第一樹脂部材41とを被覆する第二樹脂部材42を設ける。第二樹脂部材42は、第一樹脂部材41よりも硫化水素に対するガスバリア性が低い。すなわち、第一樹脂部材41の硫化水素に対する気体透過係数は、第二樹脂部材42の硫化水素に対する気体透過係数よりも低い。これにより、ワイヤ30と導電部材との接続部分22の周囲に位置する導電部材を硫化水素を透過し難い第一樹脂部材41で被覆することにより硫化を阻止し、ワイヤ30の断線を防止することができる。
第一樹脂部材41の硫化水素に対する気体透過係数が第二樹脂部材42の硫化水素の気体透過係数よりも低ければ特に限定されないが、第一樹脂部材41と第二樹脂部材42の硫化水素に対する気体透過係数の比が1:2が好ましく、1:5がより好ましく、1:10が更に好ましい。尚、硫化水素に対する気体透過係数の代わりに水蒸気透過係数を用いても第一樹脂部材41と第二樹脂部材42の硫化水素の気体透過係数に対する比が1:2が好ましく、1:5がより好ましく、1:10が更に好ましい。このようにすることで、第一樹脂部材41が更に硫化水素を透過し難くなり、ワイヤ30の断線を防止することができる。
第二樹脂部材42は発光素子1から発される光が直接照射される位置に設けられるので、第二樹脂部材42の耐光性は第一樹脂部材41の耐光性よりも高いことが好ましい。図3の断面図に示すように、発光素子1の上面に面した第二樹脂部材42は、高い耐光性によって劣化しにくいので発光装置の信頼性向上に寄与する。一方で、第二樹脂部材42が第一樹脂部材41よりガスバリア性に劣るとしても、ワイヤ断線が懸念される接続部分22の周囲に位置する導電部材は、硫化水素に対するガスバリア性に優れた第一樹脂部材41で被膜することによって、導電部材の硫化が抑制されワイヤ断線を抑制できる。
第二樹脂部材42の材料は特に限定されず、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、TPX樹脂、ポリノルボルネン樹脂、又はこれらの変性樹脂やこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂等を用いることができる。特に、第二樹脂部材42の材料としては耐光性に優れたジメチル系シリコーン樹脂、フェニル系シリコーン樹脂が好ましい。
第二樹脂部材42の形状は特に限定されないが、レンズ形状であることが好ましい。レンズ形状とすることで、レンズと空気との界面で発光素子1からの光が反射することが抑制されるので、光取り出し効率が向上する。また、光取り出し効率が向上されることで、レンズ内で反射される光(二次光)が低減される。これにより、第一樹脂部材41に照射される光が低減され、第一樹脂部材41の劣化を抑制できる。第二樹脂部材42の形成方法は特に限定されず、圧縮成型や射出成型等によって形成することができる。その他、第二樹脂部材42の材料の粘度を最適化して、発光素子1の上に滴下もしくは描画して、第二樹脂部材42自体の表面張力によって、レンズ形状を形成してもよい。
(波長変換部材50)
また、発光装置に波長変換部材50が含まれてもよい。波長変換部材50は、発光素子1が発する第一ピーク波長の光を、この第一ピーク波長とは波長の異なる第二ピーク波長の光に波長変換する部材である。波長変換部材50としては、発光素子1からの光で励起可能な蛍光体が使用される。例えば、青色発光素子又は紫外線発光素子で励起可能な蛍光体としては、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(Ce:YAG)、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(Ce:LAG)、ユウロピウムおよび/又はクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム系蛍光体(CaO−Al2O3−SiO2)、ユウロピウムで賦活されたシリケート系蛍光体((Sr,Ba)2SiO4)、βサイアロン蛍光体、CASN系蛍光体、SCASN系蛍光体等の窒化物系蛍光体;KSF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体、硫化物系蛍光体、塩化物系蛍光体、ケイ酸塩系蛍光体、リン酸塩系蛍光体、量子ドット蛍光体などが挙げられる。尚、KSF系蛍光体の一般式はA2[M1-aMn4+aF6]…(I)で表すことができる。(式中、Aは、K+、Li+、Na+、Rb+、Cs+及びNH4+からなる群から選択される少なくとも1種の陽イオンを示し、Mは、第4族元素及び第14族元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を示し、aは0.01<a<0.20を満たす。)また、一般式(I)におけるAがK+を含み、MがSiを含むフッ化物系蛍光体でもよい。これらの蛍光体と、青色発光素子又は紫外線発光素子と組み合わせることにより、様々な色の発光装置(例えば白色系の発光装置)を製造することができる。
波長変換部材50が配置される場所は特に限定されないが、発光素子1からの光が直接照射される発光素子1の上方や側方に配置されることが好ましい。例えば、第二樹脂部材42に含有させてもよい。このような構成により発光装置は、発光素子1が発する第一ピーク波長の光と、波長変換部材50が発する第二ピーク波長の光とが混色された混色光を出力することができる。例えば、発光素子1に青色LEDを、波長変換部材50にYAG等の蛍光体を用いれば、青色LEDの青色光と、この青色光で励起されて蛍光体が発する黄色光の蛍光とを混合させて得られる白色光を出力する発光装置を構成できる。
(第三樹脂部材43)
第二樹脂部材42は、発光素子1及び第一樹脂部材41を被覆する。第二樹脂部材42は発光素子1と接触して発光素子1を被覆してもよいが、第二樹脂部材42とは異なる樹脂部材を介して発光素子1を被覆してもよい。図3の例では、発光素子1を第三樹脂部材43が直接被覆し、第二樹脂部材42が第三樹脂部材43を介して発光素子1を被覆している。尚、発光素子1が保護膜32で被覆されている場合は、発光素子1の表面に形成された保護膜32を第三樹脂部材43が直接被覆する。第三樹脂部材43の材料は特に限定されず、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリノルボルネン樹脂、又はこれらの変性樹脂やこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂等を用いることができる。特に、第三樹脂部材43の材料としては耐光性に優れたジメチル系シリコーン樹脂、フェニル系シリコーン樹脂が好ましい。
また、硫化水素に対するガスバリア性が第一樹脂部材41よりも低く、かつ第二樹脂部材42よりも高い樹脂で第三樹脂部材43構成することが好ましい。このようにすることで、第二樹脂部材42で直接発光素子1を被覆する場合よりも、第三樹脂部材43で直接発光素子1を被覆することで発光素子1の周囲に位置する導電部材が硫化することを抑制できる。第三樹脂部材43は、発光素子1を直接被覆するので第一樹脂部材41よりも耐光性が高い方が好ましい。尚、第一樹脂部材41は発光素子1からの光が直接照射されにくいので、耐光性に優れた樹脂を選択するよりも、第三樹脂部材43よりガスバリア性が高い樹脂を選択することが好ましい。このような構成になる樹脂の組み合わせとしては、例えば第一樹脂部材41にエポキシ樹脂、第二樹脂部材42にジメチル系シリコーン樹脂、第三樹脂部材43にフェニル系シリコーン樹脂が挙げられる。
また第三樹脂部材43の屈折率は特に限定されないが、屈折率が高い方が、発光素子1との屈折率差が小さくなるため好ましい。第三樹脂部材43の屈折率を高めることで、発光素子1と第三樹脂部材43の屈折率差が小さくなり光取り出し効率を向上させることができる。従って、第三樹脂部材43の屈折率は1.5〜1.6とすることが好ましい。屈折率が高い樹脂としてはフェニル系シリコーン樹脂が挙げられる。
また第三樹脂部材43は、第一樹脂部材41と離間させることが好ましい。第三樹脂部材43は、発光素子1を直接被覆するので第三樹脂部材43と第一樹脂部材41とを離間させることで、発光素子1からの光が第一樹脂部材41に当たることを抑制できる。このため、第一樹脂部材41が光により劣化することを抑制できる。第三樹脂部材43が凹部内に位置する場合には、第三樹脂部材43の上面が側壁部15の上面より下側に位置することで第一樹脂部材41と容易に離間させることができるので好ましい。さらに第三樹脂部材43には、上述した波長変換部材50を含むこともできる。これにより、第三樹脂部材43内で励起させることで、第三樹脂部材43から第二樹脂部材42に導入された光は、第二樹脂部材42内で励起させるために光を屈折及び/又は反射させなくてもよいので、第二樹脂部材42内での光路長を短くできる。このため、第二樹脂部材42に被覆される第一樹脂部材41に当たる発光素子1からの光を低減できるので、第一樹脂部材41の劣化を抑制することができる。
なお、蛍光体等の波長変換部材50は第三樹脂部材43中に均一に分散させて配置する他、発光素子1と離間するように第三樹脂部材43中に偏在させてもよい。これにより、発光素子1の発する光や熱から波長変換部材50を保護できる。また波長変換部材50は、第三樹脂部材43中に限らず、例えば第二樹脂部材42中に含ませてもよい。また第二樹脂部材42中においても、同様に均一に分散させて配置する他、一部に偏在させたり、あるいは樹脂の表面やその近傍のみに設けてもよい。さらに波長変換部材は一種類のみならず、二種類以上の波長変換部材を組み合わせてもよい。例えば第一波長変換部材を第三樹脂部材43中に、また第一波長変換部材とは異なる第二波長変換部材を第二樹脂部材42中に配置することもできる。
また、第三樹脂部材は必ずしも必須でなく、例えば変形例として図5や図6の断面図に示すように、第三樹脂部材を有しない発光装置とすることもできる。また、導電部材としてリードに代えて、配線を用いてもよい。図5、図6の例では、側壁部15の上面に位置する配線20Bと基体10の下面を構成する裏面電極26とがビア28によって電気的に接続される。これによって裏面電極26で電気を供給することができる。尚、裏面電極26及びビア28も導電部材の一部である。側壁部15は、図5に示すように階段状に構成されていてもよい。側壁部15が階段状であることで、発光素子1と第一樹脂部材41とを被覆する第二樹脂部材42を母材12内に容易に形成することができる。
(実施形態2)
実施形態2として、基体を構成する母材で凹部を形成する一形態の断面図を図7に示す。この図に示す発光装置は、導電部材を母材で埋設すると共に、母材で側壁部15と底部16の一部を構成し、さらに底部16の他の部分は導電部材で構成している。このようにして側壁部15と底部16で構成される凹部14に、発光素子1を実装している。この構成であれば、導電部材を屈曲させる必要がないので基体の成形が容易である。また、基体の一部である側壁部15と底部16は、別部材で構成する他、一体に形成することもできる。
また、以上の例では図1〜図3に示すように発光素子を1個のみ基体に実装した例を説明したが、本発明はこの構成に限らず、発光素子を2個以上実装した発光装置とすることもできる。一例として、発光素子1を2個備える発光装置の平面図を図8に示す。この発光装置200においても、ワイヤ30と導電部材との接続部分22の周囲に位置する導電部材を、第一樹脂部材41を被膜することで、接続部分22の周囲に位置する導電部材の硫化を抑制しワイヤ30が断線することを抑制できる。尚、実施形態1と同様に発光素子1を直接被覆する第三樹脂部材43を介して第二樹脂が発光素子1及び第一樹脂部材41を被覆してもよい。
(実施形態3)
以上の例では、第二樹脂部材42と比べて耐光性に劣るおそれのある第一樹脂部材41を、発光素子からの光が直接照射されにくい位置に配置した。図3の例では凹部14を構成する側壁部15の上面であって、かつ発光素子1の上面よりも高い位置とすることで、光照射による第一樹脂部材41の劣化を抑制した構成とした。ただ、本発明はこの構成に限らず、第一樹脂部材を、発光素子から見て影になる位置に配置する構成を適宜利用することができる。例えば、発光素子から直接照射される光が第一樹脂部材に照射されないよう、遮光部を設けてもよい。つまり、発光素子と第一樹脂部材とを結ぶ直線上に遮光部を設けてもよい。このような例を、実施形態3として図9の断面図及び図10の平面図に示す。この図に示す発光装置300は、導電部材を有する基体10Cと、基体10C上に実装された発光素子1Cとを備える。導電部材は配線20C等が利用でき、例えば基体10Cの表面に導電部材をパターニングする。あるいは、導電部材をリードとしてもよい。また導電部材と発光素子1Cとは、ワイヤ30Cで電気的に接続される。
この導電部材は銀を含むため、大気中の硫化水素による銀の硫化を防止するため、保護膜32Cで被覆されることが好ましい。また、保護膜32Cで被覆されない導電部材とワイヤ30Cとの接続部分22Cの周囲に位置する導電部材を、実施形態1と同じく硫化水素に対するガスバリア性に優れた第一樹脂部材41Cで覆っている。さらに基体10Cの表面を、発光素子1Cや第一樹脂部材41Cを含めて、第二樹脂部材42Cで被覆する。この第二樹脂部材42Cは、第一樹脂部材41Cよりも硫化水素に対するガスバリア性が低い。
ここで、耐光性が第二樹脂部材42Cよりも劣るおそれのある第一樹脂部材41Cを、発光素子1Cの出射する光から保護するため、遮光部19Cを設けている。遮光部19Cは、発光素子1と第一樹脂部材41とを結ぶ直線上に設けられる。これにより、発光素子1Cからの一次光が遮光部19Cで遮られるため、第一樹脂部材41Cが発光素子1Cからの一次光に晒されて劣化することを抑制できる。
この遮光部19Cは、基体10Cを構成する部材、例えば母材12及び/又は導電部材と同じ部材としても良いし、異なる部材としても良い。また基体10Cと一体に形成することもできる。さらにこの例では遮光部19Cを板状に形成しているが、この構成に限らず、接続部分を囲むよう平面視において半円状としたり、あるいは側面視において庇状に折曲させて形成することもできる。さらに遮光部を光反射性の部材とし、発光素子と面する部分を傾斜面とするなどして、発光素子の発する光を反射する部材に兼用することもできる。
なお、図4等の例では、接続部分22にボール24を介在させた構成を説明したが、本発明は該構成に限られず、ボールを用いない構成とすることもできる。例えば図12に示す変形例のように、ワイヤ30を直接配線等の導電部材と接続する構成としてもよい。この場合においても、ワイヤ30の影になる領域が生じると、従来のスパッタリングによる保護膜の成膜方法では、保護膜で覆われない領域が生じ得るところ、第一樹脂部材41をポッティングで供給することにより、確実に接続部分22及びその周辺領域を覆うことが可能となり、硫化によるワイヤ30の断線を効果的に阻止できる。なお図12は、ウェッジボンディングでワイヤを接続した例を示している。
(実施形態4に係る発光装置の製造方法)
実施形態1及び実施形態2の発光装置の製造方法を、実施形態4として説明する。まず基体10の凹部14に発光素子1を実装する。この凹部14は、側壁部15と底部16で構成されており、発光素子1は凹部14の底部16に実装される。また、側壁部15の上面に導電部材が配置される。ここで、発光素子1の上面を、側壁部15の上面よりも下側に位置させる。
次に、発光素子1の電極と、基体10の側壁部15の上面に位置する導電部材とを、ワイヤ30を介して電気接続する。さらに、導電部材の少なくとも一部を被覆する保護膜32を形成する。保護膜32の形成方法は特に限定されないが、導電部材と保護膜32との密着性の高いスパッタリングが好ましい。そして、ワイヤ30と導電部材との接続部分22の少なくとも一部から離間して、導電部材を被覆する保護膜32を形成する。
次に、保護膜32と、接続部分22の周囲に位置する導電部材と、ワイヤ30のそれぞれの少なくとも一部を連続するように、第一樹脂部材41で被覆する。第一樹脂部材41の形成方法は特に限定されず、ポッティング、スプレー等により形成することができる。特に、ポッティングにより形成することが好ましい。これによって、スパッタリング等では難しい、ワイヤ30と導電部材との接続部分22の周囲においてワイヤ30の影になるような隙間領域にも第一樹脂部材41を形成することが容易である。また、未硬化の第一樹脂部材41には粘度を調整するためのフィラーを混合してもよい。フィラーを混合することで、流動性を制御して第一樹脂部材41を所望の領域に保持できる。
そして、第二樹脂部材42で基体10の上面を被覆する。第二樹脂部材42は、第一樹脂部材41よりも硫化水素に対するガスバリア性の低い樹脂であり、この第二樹脂部材42でもって発光素子1と第一樹脂部材41を被覆する。このようにして、接続部分22の周囲に位置する導電部材を被覆する第一樹脂部材41に発光素子1から発される光が直接照射されにくいため、第一樹脂部材41が光により劣化されることを抑制できる。また、第一樹脂部材41の高いガスバリア性でもって接続部分22の周囲に位置する導電部材を保護し、ワイヤ30が導電部材と断線することを防止することができる。
特に、第一樹脂部材41を、フィラーで粘度調整してポッティングにより接続部分の周囲に位置する導電部材を被膜することで、スパッタリング等では影になり被膜できない部位にも第一樹脂部材41を回り込ませて被膜でき、ワイヤ30が導電部材と断線することを防止しやすくなる。
尚、第二樹脂部材42を形成する前に、第一樹脂部材41と離間し、発光素子1を直接被覆する第三樹脂部材43を形成してもよい。第三樹脂部材43の形成方法は特に限定されず、ポッティング、スプレー等により形成することができる。特に、ポッティングにより形成することが好ましい。これによって、発光素子1の表面を覆う第三樹脂部材43を形成することが容易である。第三樹脂部材43を形成することで、更にワイヤ断線を抑制することができる。
(実施形態5に係る発光装置の製造方法)
次に、実施形態5に係る発光装置の製造方法として、実施形態3の発光装置の製造方法を説明する。まず基体10に発光素子1を実装する。基体10は、第一樹脂部材に発光素子1からの光が直接照射されないように遮光部を有する。尚、遮光部を有する基体10を準備して発光素子1を実装してもよいし、発光素子1を実装後に遮光部を形成してもよい。
ワイヤと、保護膜と、第一樹脂部材と、第二樹脂部材の形成は上述の実施形態4と同じ方法で形成できる。ただし、第一樹脂部材は発光素子1からの光が直接照射されないように形成する。つまり、発光素子1と第一樹脂部材41とを結ぶ直線上に遮光部に設けられている。なお、実施形態4と同様に第二樹脂部材42を形成する前に、第一樹脂部材41と離間し、発光素子1を直接被覆する第三樹脂部材43を形成してもよい。
本発明の実施形態に係る発光装置及びその製造方法は、照明用光源、LEDディスプレイ、液晶表示装置などのバックライト光源、信号機、照明式スイッチ、各種センサ及び各種インジケータ、その他の一般的な民生品用光源等に好適に利用することができる。
100、200、300 発光装置
1、1C 発光素子
10、10C 基体
11 リード;11A 第一リード;11B 第二リード
12 母材
14 凹部
15 側壁部
16 底部
19C 遮光部
20、20X 導電部材
20B、20C 配線
22、22C 接続部分
24、24X ボール
26 裏面電極
28 ビア
30、30C、30X ワイヤ
32、32C、32X 保護膜
41、41C 第一樹脂部材
42、42C 第二樹脂部材
43 第三樹脂部材
50 波長変換部材
本発明は、発光装置及びその製造方法に関する。
近年、一般照明用の灯具等において、従来の白熱電球に代わって、より低消費電力の発光ダイオード(Light Emitting Diode:以下「LED」ともいう。)の利用が進んでおり、その応用分野もバックライト用途や照明、車載用途等、各分野に拡大している。特に窒化物系半導体を用いたLEDは、バンドギャップが広く短波長の出射が可能で、近年利用が進んでいる。このような発光装置においては、発光素子を樹脂で封止する構成が採用されている。
また発光装置の電極部材には、銀等の金属部材が用いられているところ、樹脂がガスを透過するため、使用するにつれて金属部材が硫化されて劣化し、LEDを導電部材と接続するワイヤの接続部分が断線するおそれがある。このため、スパッタリングにより無機材料からなる保護膜を形成してワイヤの接続部分の劣化等を抑制する試みがなされている(例えば特許文献1)。
しかしながら、スパッタリングによる保護膜の形成方法では、材料成分がある程度の直進性をもって目的物に当たることで保護膜が形成されるので、例えばワイヤと導電部材の接続部分において、部分的に影になる領域が存在すると、保護膜で被覆されない領域が生じる。例えば図11Aの断面図や図11Bの拡大断面図に示すように、ワイヤ30Xの先端にボール24Xを形成したボールボンディングで接続する場合、図11Bの拡大断面図において斜線で示すような、ボール24Xの影になる部分には保護膜32Xが成膜できずに、この部分が保護膜32Xで被覆されない結果、ワイヤ30Xと導電部材20Xが接合される部分の周囲が硫化し、ワイヤ断線するおそれがある。
本発明は、従来のこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、ワイヤ断線を抑制した発光装置及びその製造方法を提供することにある。
以上の目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る発光装置によれば、銀を含む導電部材を有し、側壁部と底部によって構成される凹部を形成してなる基体と、前記底部に配置される発光素子と、前記発光素子と少なくとも前記側壁部の上面に位置する前記導電部材とを電気的に接続するワイヤと、前記ワイヤと前記導電部材との接続部分の少なくとも一部から離間して、前記導電部材を被覆する保護膜と、前記保護膜と前記接続部分の周囲に位置する前記導電部材と前記ワイヤのそれぞれの少なくとも一部を連続して被覆する第一樹脂部材と、前記発光素子及び前記第一樹脂部材を被覆する第二樹脂部材と、を備え、前記第一樹脂部材は前記第二樹脂部材よりも硫化水素に対するガスバリア性が高く、前記発光素子の上面を、前記側壁部の上面よりも下側に位置させてなる。
また、他の実施形態に係る発光装置によれば、銀を含む導電部材を有する基体と、前記基体上に配置される発光素子と、前記発光素子と前記導電部材とを電気的に接続するワイヤと、前記ワイヤと前記導電部材との接続部分の少なくとも一部から離間して、前記導電部材を被覆する保護膜と、前記保護膜と前記接続部分の周囲に位置する前記導電部材と前記ワイヤのそれぞれの少なくとも一部を連続して被覆する第一樹脂部材と、前記発光素子及び前記第一樹脂部材を被覆する第二樹脂部材と、前記基体の表面の少なくとも一部に遮光部と、を有し、前記第一樹脂部材は前記第二樹脂部材よりも硫化水素に対するガスバリア性が高く、前記発光素子と前記第一樹脂部材とを結ぶ直線上に前記遮光部がある。
さらに、他の実施形態に係る発光装置の製造方法によれば、銀を含む導電部材を有し、側壁部と底部によって構成される凹部を形成してなる基体を準備する工程と、発光素子の上面が前記側壁部の上面よりも下側に位置し、前記底部に発光素子を配置する工程と、前記発光素子と前記導電部材とをワイヤを介して電気接続する工程と、前記ワイヤと前記導電部材との接続部分の少なくとも一部から離間して、前記導電部材を被覆する保護膜をスパッタリングにより形成する工程と、前記保護膜と前記接続部分の周囲に位置する前記導電部材と前記ワイヤのそれぞれの少なくとも一部を連続して被覆する第一樹脂部材を形成する工程と、前記発光素子及び前記第一樹脂部材を被覆する第二樹脂部材を形成する工程とを含み、前記第一樹脂部材は前記第二樹脂部材よりも硫化水素に対するガスバリア性が高い。
一実施形態に係る発光装置及びその製造方法によれば、発光素子から発される光が、ワイヤと導電部材との接続部分の周囲に位置する第一樹脂部材に直接照射されにくいため、発光素子からの一次光で第一樹脂部材が劣化されにくくなり、第一樹脂部材の高いガスバリア性によりワイヤと導電部材との接続部分の周囲に位置する導電部材が硫化することを抑制でき、ワイヤと導電部材の断線を防止することができる。
本発明の実施形態1に係る発光装置を示す斜視図である。
図1の発光装置の平面図である。
図2のIII−III線における断面図である。
図3の接続部分を第一樹脂部材で被膜した部分の拡大断面図である。
変形例に係る発光装置を示す断面図である。
他の変形例に係る発光装置を示す断面図である。
実施形態2に係る発光装置を示す断面図である。
実施形態2に係る発光装置を示す平面図である。
実施形態3に係る発光装置を示す断面図である。
実施形態3に係る発光装置を示す平面図である。
図11Aはスパッタリングにより保護膜を形成する様子を示す断面図、図11Bは図11Aの拡大断面図である。
変形例に係る発光装置の接続部分を第一樹脂部材で被膜した部分の拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は以下のものに特定されない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係る発光装置を図1〜図4に示す。これらの図において、図1は本発明の実施形態1に係る発光装置100を示す斜視図、図2は図1の発光装置100の平面図、図3は図2のIII−III線における断面図(保護素子のワイヤの図示は省略している)を、図4は図3の接続部分22を第一樹脂部材41で被膜した部分の拡大断面図を、それぞれ示している。これらの図に示す発光装置100は、基体10と、基体10に実装された発光素子1とを備える。基体10は、図3の断面図に示すように、一面(図において正面)に凹部14を形成している。尚、凹部14は、側壁部15と底部16で構成されている。凹部14の底部16に、発光素子1が配置される。
(基体10)
基体10は、銀を含む導電部材と、絶縁性の母材と、を備える。導電部材には、リード及び配線を構成する銀を含む金属部材が挙げられる。導電部材がリードの場合には、例えば、銀、銅、アルミニウム、金、タングステン、鉄、ニッケル、コバルト、モリブデン等の金属又はこれらの合金、燐青銅、鉄入り銅等の単層又は積層体を基材とし、基材の表面に銀を含む反射膜を形成したものを用いることができる。
導電部材が配線の場合には、例えば、銀、銅、ニッケル、パラジウム、ロジウム、タングステン、クロム、チタン、アルミニウム、金又はこれらの合金等の単層又は積層体を基材とし、基材の表面に銀を含む反射膜を形成したものを用いることができる。尚、導電部材の基材が銀を含む場合には、リード又は配線に銀を含む反射膜を形成しなくてもよい。
銀を含む反射膜としては、例えば、銀膜、銀合金からなる膜、銀に不純物が添加された膜等が挙げられる。銀合金としては、例えば、銀−金合金等が挙げられる。銀に添加される不純物としては金、銅等の金属、硫黄、セレン等が挙げられる。銀を含む反射膜は、単層及び積層構造のいずれでもよく、通常、導電部材の表面において銀を含むように構成される。
導電部材に銀を含む反射膜を形成する方法は特に限定されず、めっき法、蒸着法、スパッタ法、イオンビームアシスト蒸着法等の種々の方法が挙げられる。その膜厚は、発光素子からの光を有効に反射させることができる膜厚であればよく、例えば20nm〜10μm程度であり、50nm〜5μm程度が好ましく、100nm〜3μm程度がより好ましい。導電部材の厚み及び形状は、特に限定されず、当該分野で公知の範囲において適宜設定することができる。
絶縁性の母材としては、セラミック、樹脂(繊維強化樹脂を含む)等が挙げられる。セラミック基板としては、アルミナ、窒化アルミニウム等が挙げられる。樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、BTレジン、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂や、ポリフタルアミド樹脂、ナイロン樹脂などの熱可塑性樹脂や、これらの変性樹脂又はこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂等が挙げられる。また、母材は単層構造でも積層構造でもよい。また、これらの母材には、当該分野で公知の着色剤、充填剤、強化繊維等を含有させてもよい。特に、着色剤は、反射率の良好な材料が好ましく、酸化チタン、酸化亜鉛等の白色のものが好ましい。充填剤としては、シリカ、アルミナ等が挙げられる。強化繊維としては、ガラス、珪酸カルシウム、チタン酸カリウム等が挙げられる。
図3では、導電部材が金属製のリード11により形成される。また母材12が絶縁性の樹脂で形成される。リード11は第一リード11Aと第二リード11Bの2つで構成され、一方が正極、他方が負極の外部接続端子として機能する。また、導電部材の少なくとも一部が凹部14を形成してもよい。導電部材は銀を含む金属で構成されており、高い反射率を有している。このため、側壁部15及び/又は底部16での光の反射率が向上するので、発光装置の出力を向上させることができる。特に、凹部を構成する側壁部15及び底部16の発光素子1と対面する側の面の全てが導電部材で形成されていることが好ましい。このようにすることで、更に発光装置の出力を向上させることができる。
底部16は少なくとも発光素子1が載置できる面積を有していればよく、例えば、円形、楕円形、多角形形状の角を丸めた形状又はこれらの形を元に変形した形状とすることができる。側壁部15は底部16に対して垂直であってもよいが、断面視において凹部14の幅が底部16に向かって幅狭となるように傾斜していることが好ましい。例えば、底部16に対する法線方向に0〜45°程度、20〜40°程度で傾斜していることが適している。これにより、発光素子1からの光を効率的に上面に導くことができる。
また、導電部材を母材12の側面から突出させることが好ましい。導電部材の体積が増えることで放熱性を向上させることができる。また、導電部材の下面が母材12より露出していることが好ましい。このようにすることで、基体10を基板に実装した時に、基板と導電部材が接触する面積が増えるので放熱性を向上させることができる。
(発光素子1)
発光素子1は、凹部14の底部16に実装される。発光素子1は、電圧を印加することで自ら発光する半導体素子であり、窒化物半導体等から構成される既知の半導体発光素子を適用できる。また発光素子1は、所望の発光色を得るために任意の波長のものを選択すればよい。具体的には、青色の光(波長430nm以上490nmより小さい)や緑色の光(波長490nm以上570nmより小さい)を発光する発光素子としては、InXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で表される窒化物系半導体を、赤色の光(波長620nm以上750nmより小さい)を発光する発光素子としては、GaAlAs,AlInGaP等で表されるヒ素系化合物やリン系化合物の半導体をそれぞれ適用することができ、さらに混晶比により発光色を変化させた発光素子を利用できる。また前記半導体素子の成長基板としては、サファイアやGaN等六方晶系の基板が用いられる。
(ワイヤ30)
発光素子1と導電部材とは、ワイヤ30を介して電気的に接続されている。ワイヤ30は導電性に優れた金属材、例えば金やアルミ二ウム、銅、銀等で構成される。ワイヤ30を形成する方法は特に限定されないが、ボールボンディング、ウェッジボンディング等の既知のボンディング法によって形成することができる。ボールボンディングを用いる場合は、ワイヤ30の先端に予めボール24を形成する。例えばワイヤを金線とする場合、電気トーチからの放電等により金線の先端を溶解してボール24を形成する。図4の拡大断面図は、このようなボールボンディングの例示している。ワイヤ30の先端にボール24を形成することでワイヤ30と導電部材20との接触面積が広くなるのでワイヤ断線が抑制される。尚、ボール24はワイヤ30の一部である。
(保護膜32)
保護膜32は導電部材の少なくとも一部を被覆する。導電部材を保護膜32で被覆することで、導電部材と硫化水素とが接触することを抑制できるので、導電部材が硫化することを抑制できる。また、発光素子1も保護膜32で被覆してもよい。保護膜32が導電部材と発光素子1とを連続して被覆することで、発光素子1の周囲に位置する導電部材を被覆しやすくなる。これにより、発光素子1の周囲に位置する導電部材が硫化によって変色することを抑制できるので出力維持に繋がる。保護膜32は、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化チタンおよび酸化タンタル等の絶縁性と透光性に優れた材料を用いることが好ましい。保護膜32は、スパッタリング、真空蒸着法等の既知の成膜方法によって形成される。特に保護膜32をスパッタリングで形成すると、保護膜32と導電性部材との密着性を高くできるので好ましい。
ただし、ワイヤ30と導電部材との接続部分22の周囲においてワイヤ30の影になる部分の隙間は狭いので、接続部分22の周囲に位置する導電部材を覆う保護膜32を形成しにくい。例えば、真空蒸着法で保護膜32を形成する場合では、隙間が狭い部分には気化又は昇華させた保護膜32を形成する材料が行き渡りにくいので保護膜32を形成しにくい。特に、スパッタリング等の保護膜形成材料の供給源から保護膜形成部分への移動直進性が高い方法を用いた場合は、ワイヤ30と導電部材との接続部分22の周囲に位置しワイヤ30の影となる導電部材に、保護膜32を形成する材料を付着させにくいので保護膜32を形成しにくい。このため、接続部分22の周囲に位置する導電部材の少なくとも一部は保護膜32に覆われないおそれがある。つまり、保護膜32はワイヤ30と導電部材との接続部分22の少なくとも一部から離間されやすい。尚、ワイヤ30の影とは、言い換えるとワイヤ30の下側の領域のことである。
(第一樹脂部材41)
このため、接続部分22の周囲に位置する導電部材に含まれる銀が大気中に含まれる硫化水素により硫化して劣化し、ワイヤ断線が生じるおそれがある。そこで、保護膜32と接続部分22の周囲に位置する導電部材と、ワイヤ30のそれぞれの少なくとも一部を、硫化水素に対するガスバリア性の高い第一樹脂部材41で連続して被覆する。つまり、保護膜32で被覆されていない導電部材の少なくとも一部を第一樹脂部材41で被覆する。
この様子を、図3において接続部分22を拡大した図4の拡大断面図に示す。図4に示すように、第一樹脂部材41は、保護膜32と、接続部分の周囲に位置する導電部材20と、ワイヤ30のそれぞれの少なくとも一部を連続して被覆する。特に、導電部材20から保護膜32の端縁にかけての領域を連続的に覆うことで、導電部材20を外部に露出させることなく保護できるので好ましい。第一樹脂部材41の材料は特に限定されず、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、TPX樹脂、ポリノルボルネン樹脂、又はこれらの変性樹脂やこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂等を用いることができる。特に、第一樹脂部材41の材料としては炭素−炭素結合を有する樹脂が好ましい。炭素−炭素結合系の材料は比較的ガスバリア性が高いので硫化水素を透過しにくいからである。炭素−炭素結合を有する樹脂としては、エポキシ樹脂が挙げられる。
なお、本明細書においてガスバリア性とは、硫化水素に対する透過度を示す指標であり、例えば硫化水素に対する気体透過係数を示す。気体透過係数の単位としては、cm3・cm/(m2・24hrs・atm)やcm3・cm/(cm2・s・cmHg)等が使われる。また部材の大きさ等により硫化水素に対する気体透過係数で測定できない場合には、部材を特定し、その特定した部材と類似の部材の測定結果より硫化水素に対する気体透過係数を求めることができる。また、硫化水素に対する気体透過係数の測定が困難な場合は、水蒸気透過係数を用いてもよい。水蒸気透過係数の単位としては、ng/(m・s・Pa)等が使われる。
ガスバリア性の優れた樹脂は、一般に耐光性に劣る。よって、発光素子が発する光に晒されて劣化することが懸念される。そこで本実施の一形態においては、発光素子1を凹部14の底部16に実装した時に、発光素子1の上面が凹部14を構成する側壁部15の上面よりも下側に位置する。このようにすることで、ワイヤ30と導電部材20との接続部分22が発光素子1からの光が直接照射されない。接続部分22が発光素子1からの光が直接照射されないので、接続部分22の周囲に位置する導電部材20を被覆する第一樹脂部材41が、発光素子1からの光で劣化することを抑制できる。更に、第一樹脂部材41は、側壁部15の側面から離間した位置に設けられていることが好ましい。側壁部15の側面に第一樹脂部材41が形成されないので、第一樹脂部材41に発光素子1からの光が照射されにくくなり、第一樹脂部材41が光により劣化することを抑制できる。特に、第一樹脂部材41の全てが発光素子1から直接照射される光の範囲外に配置されることが好ましい。このようにすることで、更に第一樹脂部材41が発光素子1からの光により劣化することを抑制できる。接続部分22の周囲に位置する導電部材20が硫化しにくいので、ワイヤ30と導電部材20の断線を抑制することができる。
尚、発光素子1から発する光には発光素子1から直接照射される光(一次光)だけでなく、後述する第二樹脂部材等によって反射及び/又は屈折される光(二次光)もある。発光素子1から直接照射される光(一次光)とは、発光素子1の表面からその周囲の遮光部材(例えば、基体)を結ぶ直線で規定することができる。
第一樹脂部材41の厚さは特に限定されないが、50μm〜200μmが好ましい。第一樹脂部材41が200μmよりも厚い場合には、発光素子1からの光が当たりやすくなるので第一樹脂部材41が光により劣化しやすくなる。また第一樹脂部材41が50μmよりも薄い場合には、接続部分22の周囲に位置する導電部材を第一樹脂部材41で被覆しにくくなる。
(第一光反射部材)
第一樹脂部材41に、第一光反射部材を含有させてもよい。これによって発光素子1が発する光の一部を第一光反射部材で反射させる結果、第一樹脂部材41に照射される光量を低減させ、第一樹脂部材41の劣化を低減させることができる。また、第一光反射部材で反射させた光を出力光に振り向けることで、光の取り出し効率を向上させることもできる。第一光反射部材の材料は特に限定されないが、酸化チタン、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム等が好適に利用できる。
第一樹脂部材41の形状は特に限定されないが、平面視において外形を円形状とすることが好ましい。これにより、容易に第一樹脂部材41を形成することができる。例えば発光装置の製造時において、第一樹脂部材41を構成する未硬化の樹脂を、ポッティングにより塗布してもよい。このように未硬化の第一樹脂部材41を液状で塗布することにより、スパッタリング等で形成した保護膜では成膜しにくい隙間に樹脂を入り込ませることができる。すなわち、スパッタリング等で保護膜32を成膜しつつ、保護膜32を形成できなかった部位を第一樹脂部材41で被覆することができる。
また、未硬化の第一樹脂部材41にフィラーを添加するなどして、粘度を調整し、ポッティングで供給される絶縁性の第一樹脂部材41が不要な範囲に広がりにくいようにできる。また粘度を調整することで第一樹脂部材41の保型性を高め、意図した部位に第一樹脂部材41を留めるように制御し易くなる。硬化された第一樹脂部材41の円形状の直径は特に限定されないが、30μm以上800μm以下とすることが好ましい。第一樹脂部材41の円形状の直径が800μmよりも大きい場合には、発光素子1からの光が当たりやすくなるので第一樹脂部材41が光により劣化しやすくなる。また第一樹脂部材41の円形状の直径が30μmよりも小さい場合には、接続部分22の周囲に位置する導電部材を第一樹脂部材41で被覆しにくくなる。第一樹脂部材41に添加されるフィラーの重量は特に限定されないが、第一樹脂部材41の重量に対して0.5〜1.5%添加することが好ましい。この範囲で添加することで隙間に未硬化の第一樹脂部材41が入り込みやすく、且つ、不要な範囲に広がりにくい粘度にすることができる。
(第二樹脂部材42)
さらに発光装置は、発光素子1と第一樹脂部材41とを被覆する第二樹脂部材42を設ける。第二樹脂部材42は、第一樹脂部材41よりも硫化水素に対するガスバリア性が低い。すなわち、第一樹脂部材41の硫化水素に対する気体透過係数は、第二樹脂部材42の硫化水素に対する気体透過係数よりも低い。これにより、ワイヤ30と導電部材との接続部分22の周囲に位置する導電部材を硫化水素を透過し難い第一樹脂部材41で被覆することにより硫化を阻止し、ワイヤ30の断線を防止することができる。
第一樹脂部材41の硫化水素に対する気体透過係数が第二樹脂部材42の硫化水素の気体透過係数よりも低ければ特に限定されないが、第一樹脂部材41と第二樹脂部材42の硫化水素に対する気体透過係数の比が1:2が好ましく、1:5がより好ましく、1:10が更に好ましい。尚、硫化水素に対する気体透過係数の代わりに水蒸気透過係数を用いても第一樹脂部材41と第二樹脂部材42の硫化水素の気体透過係数に対する比が1:2が好ましく、1:5がより好ましく、1:10が更に好ましい。このようにすることで、第一樹脂部材41が更に硫化水素を透過し難くなり、ワイヤ30の断線を防止することができる。
第二樹脂部材42は発光素子1から発される光が直接照射される位置に設けられるので、第二樹脂部材42の耐光性は第一樹脂部材41の耐光性よりも高いことが好ましい。図3の断面図に示すように、発光素子1の上面に面した第二樹脂部材42は、高い耐光性によって劣化しにくいので発光装置の信頼性向上に寄与する。一方で、第二樹脂部材42が第一樹脂部材41よりガスバリア性に劣るとしても、ワイヤ断線が懸念される接続部分22の周囲に位置する導電部材は、硫化水素に対するガスバリア性に優れた第一樹脂部材41で被膜することによって、導電部材の硫化が抑制されワイヤ断線を抑制できる。
第二樹脂部材42の材料は特に限定されず、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、TPX樹脂、ポリノルボルネン樹脂、又はこれらの変性樹脂やこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂等を用いることができる。特に、第二樹脂部材42の材料としては耐光性に優れたジメチル系シリコーン樹脂、フェニル系シリコーン樹脂が好ましい。
第二樹脂部材42の形状は特に限定されないが、レンズ形状であることが好ましい。レンズ形状とすることで、レンズと空気との界面で発光素子1からの光が反射することが抑制されるので、光取り出し効率が向上する。また、光取り出し効率が向上されることで、レンズ内で反射される光(二次光)が低減される。これにより、第一樹脂部材41に照射される光が低減され、第一樹脂部材41の劣化を抑制できる。第二樹脂部材42の形成方法は特に限定されず、圧縮成型や射出成型等によって形成することができる。その他、第二樹脂部材42の材料の粘度を最適化して、発光素子1の上に滴下もしくは描画して、第二樹脂部材42自体の表面張力によって、レンズ形状を形成してもよい。
(波長変換部材50)
また、発光装置に波長変換部材50が含まれてもよい。波長変換部材50は、発光素子1が発する第一ピーク波長の光を、この第一ピーク波長とは波長の異なる第二ピーク波長の光に波長変換する部材である。波長変換部材50としては、発光素子1からの光で励起可能な蛍光体が使用される。例えば、青色発光素子又は紫外線発光素子で励起可能な蛍光体としては、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(Ce:YAG)、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(Ce:LAG)、ユウロピウムおよび/又はクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム系蛍光体(CaO−Al2O3−SiO2)、ユウロピウムで賦活されたシリケート系蛍光体((Sr,Ba)2SiO4)、βサイアロン蛍光体、CASN系蛍光体、SCASN系蛍光体等の窒化物系蛍光体;KSF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体、硫化物系蛍光体、塩化物系蛍光体、ケイ酸塩系蛍光体、リン酸塩系蛍光体、量子ドット蛍光体などが挙げられる。尚、KSF系蛍光体の一般式はA2[M1-aMn4+aF6]…(I)で表すことができる。(式中、Aは、K+、Li+、Na+、Rb+、Cs+及びNH4+からなる群から選択される少なくとも1種の陽イオンを示し、Mは、第4族元素及び第14族元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を示し、aは0.01<a<0.20を満たす。)また、一般式(I)におけるAがK+を含み、MがSiを含むフッ化物系蛍光体でもよい。これらの蛍光体と、青色発光素子又は紫外線発光素子と組み合わせることにより、様々な色の発光装置(例えば白色系の発光装置)を製造することができる。
波長変換部材50が配置される場所は特に限定されないが、発光素子1からの光が直接照射される発光素子1の上方や側方に配置されることが好ましい。例えば、第二樹脂部材42に含有させてもよい。このような構成により発光装置は、発光素子1が発する第一ピーク波長の光と、波長変換部材50が発する第二ピーク波長の光とが混色された混色光を出力することができる。例えば、発光素子1に青色LEDを、波長変換部材50にYAG等の蛍光体を用いれば、青色LEDの青色光と、この青色光で励起されて蛍光体が発する黄色光の蛍光とを混合させて得られる白色光を出力する発光装置を構成できる。
(第三樹脂部材43)
第二樹脂部材42は、発光素子1及び第一樹脂部材41を被覆する。第二樹脂部材42は発光素子1と接触して発光素子1を被覆してもよいが、第二樹脂部材42とは異なる樹脂部材を介して発光素子1を被覆してもよい。図3の例では、発光素子1を第三樹脂部材43が直接被覆し、第二樹脂部材42が第三樹脂部材43を介して発光素子1を被覆している。尚、発光素子1が保護膜32で被覆されている場合は、発光素子1の表面に形成された保護膜32を第三樹脂部材43が直接被覆する。第三樹脂部材43の材料は特に限定されず、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリノルボルネン樹脂、又はこれらの変性樹脂やこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂等を用いることができる。特に、第三樹脂部材43の材料としては耐光性に優れたジメチル系シリコーン樹脂、フェニル系シリコーン樹脂が好ましい。
また、硫化水素に対するガスバリア性が第一樹脂部材41よりも低く、かつ第二樹脂部材42よりも高い樹脂で第三樹脂部材43構成することが好ましい。このようにすることで、第二樹脂部材42で直接発光素子1を被覆する場合よりも、第三樹脂部材43で直接発光素子1を被覆することで発光素子1の周囲に位置する導電部材が硫化することを抑制できる。第三樹脂部材43は、発光素子1を直接被覆するので第一樹脂部材41よりも耐光性が高い方が好ましい。尚、第一樹脂部材41は発光素子1からの光が直接照射されにくいので、耐光性に優れた樹脂を選択するよりも、第三樹脂部材43よりガスバリア性が高い樹脂を選択することが好ましい。このような構成になる樹脂の組み合わせとしては、例えば第一樹脂部材41にエポキシ樹脂、第二樹脂部材42にジメチル系シリコーン樹脂、第三樹脂部材43にフェニル系シリコーン樹脂が挙げられる。
また第三樹脂部材43の屈折率は特に限定されないが、屈折率が高い方が、発光素子1との屈折率差が小さくなるため好ましい。第三樹脂部材43の屈折率を高めることで、発光素子1と第三樹脂部材43の屈折率差が小さくなり光取り出し効率を向上させることができる。従って、第三樹脂部材43の屈折率は1.5〜1.6とすることが好ましい。屈折率が高い樹脂としてはフェニル系シリコーン樹脂が挙げられる。
また第三樹脂部材43は、第一樹脂部材41と離間させることが好ましい。第三樹脂部材43は、発光素子1を直接被覆するので第三樹脂部材43と第一樹脂部材41とを離間させることで、発光素子1からの光が第一樹脂部材41に当たることを抑制できる。このため、第一樹脂部材41が光により劣化することを抑制できる。第三樹脂部材43が凹部内に位置する場合には、第三樹脂部材43の上面が側壁部15の上面より下側に位置することで第一樹脂部材41と容易に離間させることができるので好ましい。さらに第三樹脂部材43には、上述した波長変換部材50を含むこともできる。これにより、第三樹脂部材43内で励起させることで、第三樹脂部材43から第二樹脂部材42に導入された光は、第二樹脂部材42内で励起させるために光を屈折及び/又は反射させなくてもよいので、第二樹脂部材42内での光路長を短くできる。このため、第二樹脂部材42に被覆される第一樹脂部材41に当たる発光素子1からの光を低減できるので、第一樹脂部材41の劣化を抑制することができる。
なお、蛍光体等の波長変換部材50は第三樹脂部材43中に均一に分散させて配置する他、発光素子1と離間するように第三樹脂部材43中に偏在させてもよい。これにより、発光素子1の発する光や熱から波長変換部材50を保護できる。また波長変換部材50は、第三樹脂部材43中に限らず、例えば第二樹脂部材42中に含ませてもよい。また第二樹脂部材42中においても、同様に均一に分散させて配置する他、一部に偏在させたり、あるいは樹脂の表面やその近傍のみに設けてもよい。さらに波長変換部材は一種類のみならず、二種類以上の波長変換部材を組み合わせてもよい。例えば第一波長変換部材を第三樹脂部材43中に、また第一波長変換部材とは異なる第二波長変換部材を第二樹脂部材42中に配置することもできる。
また、第三樹脂部材は必ずしも必須でなく、例えば変形例として図5や図6の断面図に示すように、第三樹脂部材を有しない発光装置とすることもできる。また、導電部材としてリードに代えて、配線を用いてもよい。図5、図6の例では、側壁部15の上面に位置する配線20Bと基体10の下面を構成する裏面電極26とがビア28によって電気的に接続される。これによって裏面電極26で電気を供給することができる。尚、裏面電極26及びビア28も導電部材の一部である。側壁部15は、図5に示すように階段状に構成されていてもよい。側壁部15が階段状であることで、発光素子1と第一樹脂部材41とを被覆する第二樹脂部材42を母材12内に容易に形成することができる。
(実施形態2)
実施形態2として、基体を構成する母材で凹部を形成する一形態の断面図を図7に示す。この図に示す発光装置は、導電部材を母材で埋設すると共に、母材で側壁部15と底部16の一部を構成し、さらに底部16の他の部分は導電部材で構成している。このようにして側壁部15と底部16で構成される凹部14に、発光素子1を実装している。この構成であれば、導電部材を屈曲させる必要がないので基体の成形が容易である。また、基体の一部である側壁部15と底部16は、別部材で構成する他、一体に形成することもできる。
また、以上の例では図1〜図3に示すように発光素子を1個のみ基体に実装した例を説明したが、本発明はこの構成に限らず、発光素子を2個以上実装した発光装置とすることもできる。一例として、発光素子1を2個備える発光装置の平面図を図8に示す。この発光装置200においても、ワイヤ30と導電部材との接続部分22の周囲に位置する導電部材を、第一樹脂部材41を被膜することで、接続部分22の周囲に位置する導電部材の硫化を抑制しワイヤ30が断線することを抑制できる。尚、実施形態1と同様に発光素子1を直接被覆する第三樹脂部材43を介して第二樹脂が発光素子1及び第一樹脂部材41を被覆してもよい。
(実施形態3)
以上の例では、第二樹脂部材42と比べて耐光性に劣るおそれのある第一樹脂部材41を、発光素子からの光が直接照射されにくい位置に配置した。図3の例では凹部14を構成する側壁部15の上面であって、かつ発光素子1の上面よりも高い位置とすることで、光照射による第一樹脂部材41の劣化を抑制した構成とした。ただ、本発明はこの構成に限らず、第一樹脂部材を、発光素子から見て影になる位置に配置する構成を適宜利用することができる。例えば、発光素子から直接照射される光が第一樹脂部材に照射されないよう、遮光部を設けてもよい。つまり、発光素子と第一樹脂部材とを結ぶ直線上に遮光部を設けてもよい。このような例を、実施形態3として図9の断面図及び図10の平面図に示す。この図に示す発光装置300は、導電部材を有する基体10Cと、基体10C上に実装された発光素子1Cとを備える。導電部材は配線20C等が利用でき、例えば基体10Cの表面に導電部材をパターニングする。あるいは、導電部材をリードとしてもよい。また導電部材と発光素子1Cとは、ワイヤ30Cで電気的に接続される。
この導電部材は銀を含むため、大気中の硫化水素による銀の硫化を防止するため、保護膜32Cで被覆されることが好ましい。また、保護膜32Cで被覆されない導電部材とワイヤ30Cとの接続部分22Cの周囲に位置する導電部材を、実施形態1と同じく硫化水素に対するガスバリア性に優れた第一樹脂部材41Cで覆っている。さらに基体10Cの表面を、発光素子1Cや第一樹脂部材41Cを含めて、第二樹脂部材42Cで被覆する。この第二樹脂部材42Cは、第一樹脂部材41Cよりも硫化水素に対するガスバリア性が低い。
ここで、耐光性が第二樹脂部材42Cよりも劣るおそれのある第一樹脂部材41Cを、発光素子1Cの出射する光から保護するため、遮光部19Cを設けている。遮光部19Cは、発光素子1と第一樹脂部材41とを結ぶ直線上に設けられる。これにより、発光素子1Cからの一次光が遮光部19Cで遮られるため、第一樹脂部材41Cが発光素子1Cからの一次光に晒されて劣化することを抑制できる。
この遮光部19Cは、基体10Cを構成する部材、例えば母材12及び/又は導電部材と同じ部材としても良いし、異なる部材としても良い。また基体10Cと一体に形成することもできる。さらにこの例では遮光部19Cを板状に形成しているが、この構成に限らず、接続部分を囲むよう平面視において半円状としたり、あるいは側面視において庇状に折曲させて形成することもできる。さらに遮光部を光反射性の部材とし、発光素子と面する部分を傾斜面とするなどして、発光素子の発する光を反射する部材に兼用することもできる。
なお、図4等の例では、接続部分22にボール24を介在させた構成を説明したが、本発明は該構成に限られず、ボールを用いない構成とすることもできる。例えば図12に示す変形例のように、ワイヤ30を直接配線等の導電部材と接続する構成としてもよい。この場合においても、ワイヤ30の影になる領域が生じると、従来のスパッタリングによる保護膜の成膜方法では、保護膜で覆われない領域が生じ得るところ、第一樹脂部材41をポッティングで供給することにより、確実に接続部分22及びその周辺領域を覆うことが可能となり、硫化によるワイヤ30の断線を効果的に阻止できる。なお図12は、ウェッジボンディングでワイヤを接続した例を示している。
(実施形態4に係る発光装置の製造方法)
実施形態1及び実施形態2の発光装置の製造方法を、実施形態4として説明する。まず基体10の凹部14に発光素子1を実装する。この凹部14は、側壁部15と底部16で構成されており、発光素子1は凹部14の底部16に実装される。また、側壁部15の上面に導電部材が配置される。ここで、発光素子1の上面を、側壁部15の上面よりも下側に位置させる。
次に、発光素子1の電極と、基体10の側壁部15の上面に位置する導電部材とを、ワイヤ30を介して電気接続する。さらに、導電部材の少なくとも一部を被覆する保護膜32を形成する。保護膜32の形成方法は特に限定されないが、導電部材と保護膜32との密着性の高いスパッタリングが好ましい。そして、ワイヤ30と導電部材との接続部分22の少なくとも一部から離間して、導電部材を被覆する保護膜32を形成する。
次に、保護膜32と、接続部分22の周囲に位置する導電部材と、ワイヤ30のそれぞれの少なくとも一部を連続するように、第一樹脂部材41で被覆する。第一樹脂部材41の形成方法は特に限定されず、ポッティング、スプレー等により形成することができる。特に、ポッティングにより形成することが好ましい。これによって、スパッタリング等では難しい、ワイヤ30と導電部材との接続部分22の周囲においてワイヤ30の影になるような隙間領域にも第一樹脂部材41を形成することが容易である。また、未硬化の第一樹脂部材41には粘度を調整するためのフィラーを混合してもよい。フィラーを混合することで、流動性を制御して第一樹脂部材41を所望の領域に保持できる。
そして、第二樹脂部材42で基体10の上面を被覆する。第二樹脂部材42は、第一樹脂部材41よりも硫化水素に対するガスバリア性の低い樹脂であり、この第二樹脂部材42でもって発光素子1と第一樹脂部材41を被覆する。このようにして、接続部分22の周囲に位置する導電部材を被覆する第一樹脂部材41に発光素子1から発される光が直接照射されにくいため、第一樹脂部材41が光により劣化されることを抑制できる。また、第一樹脂部材41の高いガスバリア性でもって接続部分22の周囲に位置する導電部材を保護し、ワイヤ30が導電部材と断線することを防止することができる。
特に、第一樹脂部材41を、フィラーで粘度調整してポッティングにより接続部分の周囲に位置する導電部材を被膜することで、スパッタリング等では影になり被膜できない部位にも第一樹脂部材41を回り込ませて被膜でき、ワイヤ30が導電部材と断線することを防止しやすくなる。
尚、第二樹脂部材42を形成する前に、第一樹脂部材41と離間し、発光素子1を直接被覆する第三樹脂部材43を形成してもよい。第三樹脂部材43の形成方法は特に限定されず、ポッティング、スプレー等により形成することができる。特に、ポッティングにより形成することが好ましい。これによって、発光素子1の表面を覆う第三樹脂部材43を形成することが容易である。第三樹脂部材43を形成することで、更にワイヤ断線を抑制することができる。
(実施形態5に係る発光装置の製造方法)
次に、実施形態5に係る発光装置の製造方法として、実施形態3の発光装置の製造方法を説明する。まず基体10に発光素子1を実装する。基体10は、第一樹脂部材に発光素子1からの光が直接照射されないように遮光部を有する。尚、遮光部を有する基体10を準備して発光素子1を実装してもよいし、発光素子1を実装後に遮光部を形成してもよい。
ワイヤと、保護膜と、第一樹脂部材と、第二樹脂部材の形成は上述の実施形態4と同じ方法で形成できる。ただし、第一樹脂部材は発光素子1からの光が直接照射されないように形成する。つまり、発光素子1と第一樹脂部材41とを結ぶ直線上に遮光部に設けられている。なお、実施形態4と同様に第二樹脂部材42を形成する前に、第一樹脂部材41と離間し、発光素子1を直接被覆する第三樹脂部材43を形成してもよい。
本発明の実施形態に係る発光装置及びその製造方法は、照明用光源、LEDディスプレイ、液晶表示装置などのバックライト光源、信号機、照明式スイッチ、各種センサ及び各種インジケータ、その他の一般的な民生品用光源等に好適に利用することができる。
100、200、300 発光装置
1、1C 発光素子
10、10C 基体
11 リード;11A 第一リード;11B 第二リード
12 母材
14 凹部
15 側壁部
16 底部
19C 遮光部
20、20X 導電部材
20B、20C 配線
22、22C 接続部分
24、24X ボール
26 裏面電極
28 ビア
30、30C、30X ワイヤ
32、32C、32X 保護膜
41、41C 第一樹脂部材
42、42C 第二樹脂部材
43 第三樹脂部材
50 波長変換部材