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JP2016038998A - 有機el素子及びそれを用いた有機el照明装置 - Google Patents

有機el素子及びそれを用いた有機el照明装置 Download PDF

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JP2016038998A JP2014160616A JP2014160616A JP2016038998A JP 2016038998 A JP2016038998 A JP 2016038998A JP 2014160616 A JP2014160616 A JP 2014160616A JP 2014160616 A JP2014160616 A JP 2014160616A JP 2016038998 A JP2016038998 A JP 2016038998A
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尚範 加藤
Hisanori Kato
尚範 加藤
祥匡 坂東
Akimasa Bando
祥匡 坂東
岡本 英明
Hideaki Okamoto
英明 岡本
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

【課題】フレキシブルな有機EL素子であって、水分や酸素等のガス成分のバリア性に優れると共に、機械的強度の高い有機EL素子、及びそれを用いた有機EL照明装置を提供する。【解決手段】厚みが200μm以下のガラス板上に直接形成された有機EL層及び該有機EL層を覆う封止部を有する有機EL素子であって、該ガラス板の端面の少なくとも一部が樹脂材料で覆われていることを特徴とする有機EL素子、及びそれを用いた有機EL照明装置。【選択図】図1

Description

本発明は、有機EL素子及びそれを用いた有機EL照明装置に関する。
従来から、照明用機器として白熱電球や蛍光灯が広く用いられている。これに対し、近年においては、面発光照明機器がそのソフトな印象の光や省エネルギー性能などの理由から次世代照明として注目を浴びており、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL(Electro Luminescence)、OEL:Organic Electro Luminescence)、無機エレクトロルミネッセンス、又は発光ダイオードと導光板とを組合せたものが開発されている。中でも有機ELは非常に薄く、機器の小型軽量化が可能であり、発熱も小さいといった点で注目されている。
有機ELとは、有機物質からなる発光材料に電圧を印可してエネルギーを付与し、励起された当該発光材料が元の状態に戻る際に、光としてエネルギーを放出する現象のことをいう。有機EL技術を用いた有機EL素子には、有機物質からなる発光材料を含む有機層と、当該有機層を挟むように対向した2つの電極(陰極及び陽極)とを、基板上に順次積層した構造が一般的に用いられている。
有機EL素子は、可撓性を有する基板を用いることで、曲げることが可能となることから、フレキシブル照明としての期待が高まっている。基板としては、樹脂等からなるプラスチック基板や、厚みが200μm以下の極薄ガラス等が検討されているが、極薄ガラスの場合、衝撃に弱く割れやすいという欠点があるため、機械的強度を上げる目的で両面に樹脂フィルムを貼り付けて補強する等の検討がなされている(例えば特許文献1)。
特開2007−010834号公報
有機EL素子を構成する有機層は、水分や酸素等のガス成分に対する耐久性が低く、バリア性の高い封止材料により封止を行うことが必要とされている。しかしながら、前述の極薄ガラスに樹脂フィルムを積層した基板において、該樹脂フィルム上に形成した有機EL素子においては、ガラスのバリア性は高いものの、樹脂フィルムのバリア性が比較的低いため、樹脂フィルム部分から水分や酸素等の不純物ガスが封止領域内に侵入しやすく、ガラス単体の基板上に形成した有機EL素子に比べ、耐久性が低い傾向にある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フレキシブルな有機EL素子において、水分や酸素等のガス成分に対するバリア性に優れると共に、機械的強度の高い有機EL素子と、これを用いた有機EL照明装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、厚みが200μm以下のガラス板上に直接形成された有機EL層及び該有機EL層を覆う封止部を有する有機EL素子であって、該ガラス板の端面の少なくとも一部が樹脂材料で覆われるように形成することで、水分や酸素等のガス成分に対するバリア性を維持した上で、機械的強度の高い有機EL素子を実現できることを見出し、本発明に到達した。
従って、本発明は以下を要旨とするものである。
(1) 厚みが200μm以下のガラス板上に直接形成された有機EL層及び該有機EL層を覆う封止部を有する有機EL素子であって、該ガラス板の端部の少なくとも一部が樹脂材料で覆われていることを特徴とする有機EL素子。
(2) 前記ガラス板の表面であって、前記有機EL層の反対側に、裏面樹脂層を有する(1)に記載の有機EL素子。
(3) 前記樹脂材料が、ポリイミド、ポリアミドイミド、及びポリアミドよりなる群から選ばれる1種又は2種以上を含むことを特徴とする(1)又は(2)に記載の有機EL素子。
(4) 前記樹脂材料が、ポリイミド、ポリアミドイミド、及びポリアミドよりなる群から選ばれる1種又は2種以上と、他の樹脂との共重合体を含むことを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の有機EL素子。
(5) (1)乃至(4)のいずれかに記載の有機EL素子を用いた有機EL照明装置。
本発明によれば、十分な可撓性と、水分や酸素等のガス成分に対する良好なバリア性を維持した上で、機械的強度の高い有機EL素子及び有機EL照明装置を実現することができる。
本発明の有機EL素子の実施の形態の一例を示す模式的な断面図である。 本発明の有機EL素子の有機EL層の積層構造の一例を示す模式的な断面図である。
以下、図面を参照し、本発明の有機EL素子の実施の形態について、実施例又は変形例に基づき詳細に説明する。
なお、本発明は以下に説明する内容に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において任意に変更して実施することが可能である。また、実施例又は変形例の説明に用いる図面は、いずれも本発明による有機EL素子又はこれらの構成部材を模式的に示すものであって、理解を深めるべく部分的な強調、拡大、縮小、又は省略等を行っており、各構成部材の縮尺や形状等を正確に表すものとはなっていない場合がある。更に、実施例又は変形例で用いる様々な数値は、いずれも一例を示すものであり、必要に応じて様々に変更することが可能である。
先ず、図1を参照しつつ、本発明の実施例に係る有機EL素子100の構成を説明する。図1は、本実施例に係る有機EL素子100の模式的な断面図である。
図1から分かるように、本実施例に係る有機EL素子100は、厚みが200μm以下のガラス板1の一方の面上に、少なくとも有機EL層3及び該有機EL層3を覆う封止部4を有している。
更に、ガラス板1の端面1Aの少なくとも一部が、樹脂材料で覆われている。ここで、該ガラス板1を形成する面を、ガラス板1の厚み方向に平行な側面部分と厚み方向に垂直な平面部分(以下、ガラス板1の表面(又は裏面)又は板面と記載)に分けた場合、本発明におけるガラス板1の端面1Aとは、側面部分全体を指す。この端面1Aの少なくとも一部を覆う樹脂材料を、以降、樹脂材料部2aと呼ぶ。本発明においては、ガラス板1の端面1Aの少なくとも一部を樹脂材料部2aで覆うことにより外部からの衝撃に対し破損しにくくなる。また、ガラス板1の端面1Aが樹脂材料で完全に覆われていることが、より耐衝撃性が高くなり好ましい。ここで、端面1Aを確実に樹脂材料部2aで覆うためには、端面1Aのみでなく、端面1A近傍の板面(表面1Bと裏面1C)の一部まで樹脂材料部2aを延在させることが好ましい。耐衝撃性が高くなるメカニズムは以下のように推定される。
切断されたままのガラス板1の端面1Aには、通常、マイクロクラックと呼ばれる微細なひび割れが多数生じている。通常このようなマイクロクラックは、深さが数nmから高々数百nm程度で、長さは数十nmから数十μm程度である。外部から力が加わってガラス板1に変形が生じた場合、このマイクロクラックに応力が集中することによって破壊に至る閾値を超えガラス板1に破壊が始まる。その応力集中が継続すればついにはその破壊はガラス板1の全体に及ぶ。この破壊のきっかけとなるマイクロクラックを樹脂材料部2aで埋めることにより、先の応力集中が緩和され、結果として外部応力が継続しても破壊に至る閾値を超えないようにすることができる。
更に、本発明においては、有機EL層3がガラス板1上に直接形成されている。すなわち、樹脂材料部2aは、ガラス板1の表面1Bにおいて、有機EL層3が形成されている領域にまで延在していないことが必要である。また、樹脂材料部2aは、封止部4とガラス板1により形成される封止空間内にまで延在していないことが好ましい。このようにすることで、樹脂材料を介在した水分や酸素、低沸点有機物等の不純物ガスが、封止空間内に侵入することを防止して、これらの不純物ガスの有機EL層3への悪影響を無くすことが出来る。
このように、図1に示す有機EL素子100において、有機EL層3はガラス板1の表面1Bに接するように形成され、封止部4は、この有機EL層3のガラス板1と接する面以外のすべての面を被覆し、かつ封止部4の周縁部4Aが有機EL層3の側方に延在して、ガラス板1の表面1Bに接するように設けられている。
本実施例では更に、ガラス板1の表面であって有機EL層形成面1Bと反対側の面1Cに、裏面樹脂層2bを有する。裏面樹脂層2bを設けることにより、ガラス板1の機械的強度を更に改善することができるため好ましい。なぜなら、ガラス板1の板面にも、その製造工程に依存して「グリフィスフロー」と呼ばれるマイクロクラックが存在している場合があるため、前述の樹脂材料2aの場合と同様、裏面樹脂層2bを設けることにより、応力集中を緩和できるからである。
樹脂材料部2aと裏面樹脂層2bを構成する樹脂材料は、同一材料であっても異なる材料であってもよいし、さらには一体化されて形成されていてもよい。樹脂材料部2aと裏面樹脂層2bを一体化することにより、ガラス板1の露出部分が少なくなり、機械的強度の点でより好ましい。
(ガラス板1)
ガラス板1は、厚みが200μm以下の極薄ガラスである。このような厚みの薄いガラス板を用いることで、可撓性を有するフレキシブル基板とすることができる。ガラス板1の厚みは好ましくは1μm以上、より好ましくは10μm以上、更に好ましくは30μm以上である。このような厚みとすることで、より機械的強度を高めることができる。また、ガラス板1の厚みは好ましくは100μm以下、更に好ましくは50μm以下である。このような厚みとすることで、よりフレキシブル性を高めることができる。
ガラス板1の材質は、例えば、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス、低アルカリガラス、ソーダライムガラス、ゾルゲルガラス、あるいはこれらのガラスに熱処理や表面処理を施したもの等が挙げられる。特に好ましいのは、硝材中の不純物による着色を避ける観点から無アルカリガラスである。
ガラス板1の屈折率は、通常1.5程度であるが、特に限定されず、有機EL素子の組成・構造等に合わせて適宜選択することができる。ガラス板1のその他の特性やガラス板1の製法についても適宜選択することができる。
(樹脂材料部2a、裏面樹脂層2b)
樹脂材料部2a及び裏面樹脂層2bには、従来公知の樹脂材料が適宜用いられる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ジアクリルフタレート樹脂、セルロース系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エポキシ樹脂、その他の熱可塑性樹脂や、これらの樹脂を構成する単量体の2種以上の共重合体が挙げられる。中でも、ガラス板1との密着性を高めやすいポリイミド、ポリアミドイミド又はポリアミドを含むことが好ましい。
また、少なくともポリイミド、ポリアミドイミド、及びポリアミドのいずれか一つと、他の樹脂との共重合体を用いることも、ポリイミド、ポリアミドイミド、又はポリアミド樹脂の持つ高耐熱性を維持しつつ、他の樹脂の化学構造の一部を共重合体として導入することで前記樹脂群の欠点となるところの高吸湿性(吸湿による膨潤・膨張や機械的強度低下など)を抑制することが可能なため、好ましい。
樹脂材料部2a、裏面樹脂層2bの膜厚は、通常0.1μm以上、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上であり、通常50μm以下、好ましくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。また、樹脂材料部2a、裏面樹脂層2bの膜厚は、ガラス板1の厚みに合わせて適宜調整してもよい。例えば、ガラス板1の厚みの1/100〜1/0.1、例えば1/10となるように調整する、などである。
ここで、樹脂材料部2aの膜厚とは、ガラス板1の端面1Aを基準とした場合の膜厚と、ガラス板1の平面部分の表面1Bを基準とした場合の膜厚を指すが、樹脂材料部2a全体が均一な膜厚となる必要はない。樹脂材料部2aの膜厚が不均一な場合は、最大膜厚が上記範囲となることが好ましい。
さらには、樹脂材料部2a、裏面樹脂層2bの膜厚は同じであっても異なっていてもよい。同じである場合には、製造工程を簡略化でき、異なっている場合は破壊強度をより向上させる設計上の工夫が可能である。
前述の通り、樹脂材料部2aは、ガラス板1の端面1Aのみならず、表面1Bと裏面1Cの端縁部をも覆うように形成されていることが好ましい。このガラス板1の表面1B及び裏面1Cへの樹脂材料部2aの延出幅(図1の幅w)は、ガラス板1の大きさや厚さ等によっても異なるが、1.0μm〜50mm程度とすることが好ましい。より好ましくは50μm〜20mm程度であり、さらに好ましくは200μm〜12mm程度である。
樹脂材料部2a及び裏面樹脂層2bを構成する樹脂の屈折率は、ガラス板1の屈折率と必ずしも一致させる必要はなく、下限としては通常1.2以上、より好ましくは1.3以上、さらに好ましくは1.4以上、上限としては通常2.5以下、好ましくは2.2以下、さらに好ましくは1.9以下である。
特に、樹脂材料部2aの樹脂については、裏面樹脂層2bと同じか、または同程度の屈折率を有する樹脂を用いてもよいが、両者の屈折率が異なっていてもよい。
両者の屈折率が同じである場合には、製造工程を簡略化でき、部材コストを下げることができる。
両者の屈折率が異なっている場合には、樹脂材料部2a、裏面樹脂層2bのいずれかに、有機EL層3から出射した光が導波伝搬していくなどの効果を得たり、有機EL素子100の効率を高めたりすることが可能である。
樹脂材料部2a及び裏面樹脂層2bを構成する樹脂の複屈折(常光に対する屈折率noと異常光に対する屈折率neとの差の絶対値)は小さければ小さいほど好ましいが、通常は、550nmにおける複屈折が0.2以下、好ましくは0.02以下、さらに好ましくは0.002以下である。
複屈折の代わりにリターデーション(位相差:複屈折×層厚)を用いてもよい。この場合も同様に小さければ小さいほど好ましいが、通常は、樹脂材料部2aまたは裏面樹脂層2bの厚み1.0μm時のリターデーションが200nm以下、好ましくは20nm以下、さらに好ましくは2nm以下である。
特に、樹脂材料部2aの樹脂については、裏面樹脂層2bと同じか、または同程度の複屈折を有する樹脂を用いてもよいが、両者の複屈折が異なっていてもよい。
両者の複屈折が同じ、または同程度である場合には、製造工程を簡略化でき、部材コストを下げることができる。
両者の複屈折が異なっている場合には、樹脂材料部2a、裏面樹脂層2bのいずれかに、有機EL層3から出射した光が常光・異常光に分解して導波伝搬していく等の効果を得たり、有機EL素子100の効率を高めたりすることが可能である。
樹脂材料部2a、及び裏面樹脂層2bを構成する樹脂の透水性は、小さければ小さいほど耐久性の点で好ましいが、40℃における等圧法による測定値で、通常500g/m/day以下、好ましくは、200g/m/day以下、より好ましくは、100g/m/day以下である。
ここで、透水性を測定するための等圧法とは、クーロメトリック法としてJIS−K7126−2,ASTM−D3985,ISO−14633−2等で規定される方法であり、JIS−K7126−2によれば、「原理:試験片を,ガス透過セル(附属書A図1及び附属書B図1参照)の二つのチャンバ間に密封シールするような状態で装着する。まず,チャンバBにはキャリヤーガスをゆっくり流してパージし,次にチャンバAには試験ガスを供給する。各チャンバの圧力は等しい(大気圧)が,試験ガスの分圧はチャンバAのほうが高いので,試験ガスは試験片を透過してチャンバBのキャリヤーガス中へ移動する。試験片を透過した試験ガスは,キャリヤーガスによってセンサへ運ばれる。用いるセンサの種類は,試験する材料及び使用するガスに基づいて決める。」とある。透水性の評価については、通常、水蒸気透過率(WVTR:Water Vapor Transmission Rate)を用いることが行われ、キャリヤーガスとしては、N、He、Ar等が選ばれ、試験ガスはHOである。センサはいくつか方式があり、最も高感度であるのが大気圧イオン化質量分析器(API−MS:Atomospheric Pressure Ionization−Mass Spectroscopy)である。ただし、測定ダイナミックレンジが大きくはないので、比較的高透過率の試験片を測定する場合は不向きである。その場合はCRDS(Cavity Ring Down Spectroscopy)や、MOCON法、または差圧法(DELTA PERM法等)を用いればよい。
樹脂材料部2aを形成する方法は、適宜選択すればよいが、以下に例示する。
樹脂材料部2aを構成する樹脂材料を適当な溶媒に溶解させた液体(溶解樹脂)、もしくは該樹脂材料そのものの温度を上げて融解した液体(融解樹脂)にガラス板を浸し込むディッピング法によって、該ガラス板の端部に樹脂材料を被着せしめることができる。該液体は、適当な助剤(たとえば界面張力を制御する界面活性剤、酸化防止剤、反応抑制安定剤等)を含んでいてもよい。
ガラス板1が例えば矩形であれば、該ガラス板1の端辺の1つを前記ディッピング法によって被覆し、乾燥もしくは硬化させた後、順次残り3つの端辺も同様の工程を経て樹脂材料部2aを形成することができる。該ガラス板1が矩形以外の形状であっても該ガラス板1の平面の法線方向を軸とする回転及び該回転とリンクする上下動を伴うディッピング法によって該ガラス板1の端部にのみ樹脂材料を被着させることができる。
この際、樹脂の乾燥もしくは硬化速度に見合う回転速度や回転パターン、雰囲気、温度等を適宜選択して、樹脂材料部2aの厚みを制御し、回り込みや液だれを最小に抑えることが可能である。
他の方法として、回転するロール等を前記溶解樹脂もしくは融解樹脂に浸して、該ガラス板1の端部を回転する該ロール等の表面に押し当ててコーティングする方法(いわゆるロールコーティング法)を採用することも可能である。この際、ロール等の表面形状や材質、硬度等を適宜選択することにより、樹脂材料部2aの厚みを制御し、回り込みや液だれを最小に抑えることが可能である。
さらに他の方法として、ガラス板1の両面に後述する塗布法によって樹脂をコーティングするか、または、予め別のフィルム等に樹脂を塗布あるいはラミネートしたものから転写するなどの方法によって、該ガラス板1の端部を含む全面に樹脂を被着させておき、樹脂材料部2aに当たる部分以外の樹脂を剥離するという方法によっても樹脂材料部2aを形成することが可能である。ここで、樹脂材料部2aと裏面樹脂層2bを形成する場合は、樹脂材料部2a及び裏面樹脂層2bに当たる部分以外の樹脂を剥離すればよい。
該樹脂を剥離する方法としては、機械的に削り落とす方法や、化学的エッチング法(液相エッチング法、UV−Ozone法、等)及び物理的エッチング法(サンドブラスト法、イオンミリング法、反応性プラズマエッチング法、等)、該樹脂に感光剤を加えてフォトリソグラフィックに剥離領域を形成する方法などが採用可能である。剥離領域を決定するためには、前記エッチング法においてフォトリソグラフィーを利用してもよい。
また、その他の方法としては、パターン印刷法や、該樹脂に感光剤を加えてフォトリソグラフィックに樹脂不在領域を形成する方法、転写法においてガラス板1に樹脂が転写されないような領域を転写前のフィルム上の樹脂に予め形成しておく方法、等によって、一部に樹脂が存在しない領域を設けて樹脂材料部2aとしてもよい。
剥離領域の決定工程やそれに代わる工程においては、例えば、後工程で位置合わせが必要になるときのアライメントマークも同時に形成できる等の利点も生じる。
さらには、該ガラス板1の片面において樹脂を、前記同様、該ガラス板1の面積領域を超えて塗布またはラミネートしてから、反対側の面に、端部を含む周辺部のみに折り曲げるようにして樹脂を被着せしめるようにしても同様の構造を得ることが可能である。この場合、端部を含む周辺部のみに樹脂を被着せしめる方法は、前に述べた方法から適宜選択することが可能である。
裏面樹脂層2bは、樹脂材料部2aを形成する前または後に形成することができる。或いは、樹脂材料部2aと同時に形成することができる。その形成方法は、裏面樹脂層2bを構成する樹脂材料を適当な溶媒に溶解、もしくは該樹脂材料そのものの温度を上げて融解した液体を用いて、スピンコート、ダイコート、その他の印刷法(スクリーン法、グラビア法、オフセット法、グラビアオフセット法、フレキソ法等)、スプレーコート法、インクジェット法、上記いずれかの方法のバリエーションによる塗布法等により塗布する方法を用いることができる。さらには、予め別のフィルム等に樹脂を塗布あるいはラミネートしたものから転写するなどの方法も選択することが可能である。
また、樹脂材料部2aを形成する方法で述べたように、フォトリソグラフィー法やパターン印刷法等によって一部に樹脂が存在しない領域を設けて裏面樹脂層2bとしてもよい。こうすることにより、例えば、後工程で位置合わせが必要になるときのアライメントマークも同時に形成できる等の利点も生じる。
上述のごとく、ガラス板1に樹脂材料部2a、好ましくは樹脂材料部2aと裏面樹脂層2bを形成して作製されたフレキシブル基板に、次いで、後述の有機EL層3及び封止部4が形成される。ここで、有機EL層3及び封止部4の形成に際し、フレキシブル基板の搬送を容易とするため、フレキシブル基板にキャリア基板が貼合されていてもよい。キャリア基板を設けることで、従来の厚いガラス板を用いる有機EL素子の製造装置を改造することなく用いることができ、コスト的に好ましい。この場合、有機EL素子を形成した後、キャリア基板を剥離すればよい。キャリア基板の材質としては特に制限はないが、ガラス板1と同種のガラスを用いると、熱膨張係数が一致するため好ましい。
また、キャリア基板及び該ガラス板1は、同じサイズであってもよいが、該キャリア基板に比べ該ガラス板1がやや小さ目とすることが基板ハンドリング上の問題から好ましい。例えば、キャリア基板が370mm×470mm×0.7mm厚であった場合、該ガラス板1のサイズは、360mm×460mm
とすることが好ましい。基板ハンドリング上の問題とは、搬送中に基板端部に衝撃が加わったり、位置決めに突き当て方式を採用して基板端部に衝撃が加わったりした場合に該ガラス板1が割れる場合があることである。
該キャリア基板をガラス板1と貼合する方法及びガラス板1をキャリア基板から剥離する方法については、常法に従って貼合もしくは剥離することができる。特に剥離方法は、レーザ剥離法、水または溶媒浸透法、機械的剥離法等を採用することができる。
キャリア基板の貼合は、樹脂材料部2aや裏面樹脂層2bの形成前であっても、後であってもよい。また、キャリア基板の剥離後に、剥離面に裏面樹脂層2bを形成してもよい。
(有機EL層3)
本実施例に係る有機EL層3は、前述のガラス板1上に形成され、少なくとも発光部を備える。
以下、本実施例の有機EL層3について、有機EL層3の断面図を示した図2を用いて詳述する。図2において、10は、ガラス板1に樹脂材料部2a、好ましくは樹脂材料部2aと裏面樹脂層2bを形成してなるフレキシブル基板を示す。フレキシブル基板10が裏面樹脂層2bを有する場合、有機EL層3は、裏面樹脂層2bとは反対側のガラス板面に形成される。
発光部11は、本実施例による有機EL素子100の発光を担う部分である。発光部11は、フレキシブル基板10上に、第一電極20と、少なくとも有機発光材料からなる有機発光層を有する有機層30と、第二電極21とがこの順に積層された構成を有している。
発光部11は、赤色、緑色、青色の有機発光層を有する有機EL素子を並列配置することで、発光色を変化させることができる。また、白色発光を得るためには、黄色及び青色の有機発光層を、もしくは、赤色、緑色及び青色の有機発光層を積層した有機EL素子を用いることもできる。黄色の有機発光層は赤色と緑色の材料を混合して得ることも可能である。
本実施例では、発光部11から出射された光が、フレキシブル基板10側から出射するように構成されているボトムエミッション構造としているため、裏面樹脂層2bはある程度透光性を有することが好ましい。本発明では封止部4側から光を出射させるトップエミッション構造としてもよいが、その場合は封止部4がある程度透光性を有することが好ましい。トップエミッション構造であれば、裏面樹脂層2bは不透明でもよい。
なお、図2には示していないが、有機層30をウェットプロセスで作製する場合に塗布される機能性材料溶液を保持するための絶縁性の隔壁層を、第一電極20の上に形成した後に、有機層30と、第二電極21とが積層されていてもよい。
<有機層>
有機層30は、有機発光層単層であっても、有機発光層と電荷輸送層の多層構造であってもよく、具体的には、下記の(1)〜(9)に示すような構成を挙げることができるが、本発明に係る有機層30の構成は、本発明はこれらにより限定されるものではない。
(1) 有機発光層
(2) 正孔輸送層/有機発光層
(3) 有機発光層/電子輸送層
(4) 正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層
(5) 正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層
(6) 正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層
(7) 正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/正孔阻止層/電子輸送層
(8) 正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層
(9) 正孔注入層/正孔輸送層/電子防止層/有機発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層
また、有機発光層、正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層、電子防止層、電子輸送層、及び、電子注入層の各層は、単層構造でも多層構造でもよい。
図2では、上記(8)の構成を採用して、第一電極20から第二電極21に向けて、正孔注入層31、正孔輸送層32、有機発光層33、正孔阻止層34、電子輸送層35、電子注入層36が、この順で積層されている。
有機発光層33は、以下に例示する有機発光材料のみから構成されていてもよく、発光性のドーパント材料とホスト材料の組み合わせから構成されていてもよく、任意に正孔輸送材料、電子輸送材料、添加剤(ドナー、アクセプター等)等を含んでいてもよく、また、これらの材料が高分子材料(結着用樹脂)又は無機材料中に分散された構成であってもよい。発光効率及び寿命の観点からは、ホスト材料中に発光性のドーパント材料が分散されたものが好ましい。
有機発光材料としては、有機EL用の公知の発光材料を用いることができる。このような発光材料は、低分子発光材料、高分子発光材料等に分類され、これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。また、発光材料は、蛍光材料、燐光材料等に分類されるものでもよい。低消費電力化の観点で、発光効率の高い燐光材料を用いることが好ましく、素子寿命の観点で、耐久性の高い蛍光材料を用いることが好ましく、適宜組み合わせて蛍光材料、燐光材料を併用してもよい。
ここで、有機EL用の発光材料として具体的な化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。
低分子有機発光材料としては、例えば、4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)−ビフェニル(DPVBi)等の芳香族ジメチリデン化合物;5−メチル−2−[2−[4−(5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル)フェニル]ビニル]ベンゾオキサゾール等のオキサゾール化合物;3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5−t−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)等のトリアゾール誘導体;1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン等のスチリルベンゼン化合物;チオピラジンジオキシド誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、フルオレノン誘導体等の蛍光性有機材料;及び、アゾメチン亜鉛錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム錯体(Alq)等の蛍光発光有機金属錯体等が挙げられる。
高分子発光材料としては、例えば、ポリ(2−デシルオキシ−1,4−フェニレン)(DO−PPP)、ポリ[2,5−ビス−[2−(N,N,N−トリエチルアンモニウム)エトキシ]−1,4−フェニル−アルト−1,4−フェニレン]ジブロマイド(PPP−NEt3+)、ポリ[2−(2’−エチルヘキシルオキシ)−5−メトキシ−1,4−フェニレンビニレン](MEH−PPV)、ポリ[5−メトキシ−(2−プロパノキシサルフォニド)−1,4−フェニレンビニレン](MPS−PPV)、ポリ[2,5−ビス−(ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン−(1−シアノビニレン)](CN−PPV)等のポリフェニレンビニレン誘導体;ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)(PDAF)等のポリスピロ誘導体が挙げられる。
有機発光層33に任意に含まれる発光性のドーパント材料としては、有機EL用の公知のドーパント材料を用いることができる。このようなドーパント材料としては、例えば、スチリル誘導体、ペリレン誘導体、イリジウム錯体、クマリン誘導体、ルモーゲンFレッド、ジシアノメチレンピラン、フェノキザゾン、ポリフィリン誘導体等の蛍光発光材料、ビス[(4,6−ジフルオロフェニル)−ピリジナト−N,C2’]ピコリネートイリジウム(III)(FIrpic)、トリス(2−フェニルピリジル)イリジウム(III)(Ir(ppy))、トリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム(III)(Ir(piq))等の燐光発光有機金属錯体等が挙げられる。
また、ドーパント材料を用いる時のホスト材料としては、有機EL用の公知のホスト材料を用いることができる。このようなホスト材料としては、上述した低分子発光材料、高分子発光材料、4,4’−ビス(カルバゾール)ビフェニル、9,9−ジ(4−ジカルバゾール−ベンジル)フルオレン(CPF)等のカルバゾール誘導体等が挙げられる。
また、電荷注入輸送層は、電荷(正孔、電子)の電極からの注入と有機発光層への輸送(注入)をより効率よく行う目的で、電荷注入層(正孔注入層31、電子注入層36)と電荷輸送層(正孔輸送層32、電子輸送層35)に分類され、以下に例示する電荷注入輸送材料のみから構成されていてもよい。また、任意に添加剤(ドナー、アクセプター等)等を含んでいてもよく、これらの材料が高分子材料(結着用樹脂)又は無機材料中に分散された構成であってもよい。
電荷注入輸送材料としては、有機EL用、有機光導電体用の公知の電荷輸送材料を用いることができる。このような電荷注入輸送材料は、正孔注入輸送材料及び電子注入輸送材料に分類され、これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。
正孔注入・正孔輸送材料としては、例えば、酸化バナジウム(V)、酸化モリブデン(MoO)等の酸化物;無機p型半導体材料、ポルフィリン化合物、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン(TPD)、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(NPD)等の芳香族第三級アミン化合物;ヒドラゾン化合物、キナクリドン化合物、スチリルアミン化合物等の低分子材料;ポリアニリン(PANI)、ポリアニリン−樟脳スルホン酸(PANI−CSA)、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンサルフォネイト(PEDOT/PSS)、ポリ(トリフェニルアミン)誘導体(Poly−TPD)、ポリビニルカルバゾール(PVCz)、ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)、ポリ(p−ナフタレンビニレン)(PNV)等の高分子材料等が挙げられる。
また、陽極からの正孔の注入・輸送をより効率よく行う点で、正孔注入層として用いる材料としては、正孔輸送層に使用する正孔注入輸送材料より最高被占分子軌道(HOMO)のエネルギー準位が低い材料を用いることが好ましい。正孔輸送層としては、正孔注入層に使用する正孔注入輸送材料より正孔の移動度が、高い材料を用いることが好ましい。
また、より正孔の注入・輸送性を向上させるため、上記正孔注入・輸送材料にアクセプタをドープすることが好ましい。アクセプタとしては、有機EL用の公知のアクセプタ材料を用いることができる。これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。
アクセプタ材料としては、Au、Pt、W、Ir、POCl、AsF、Cl、Br、I、酸化バナジウム(V)、酸化モリブデン(MoO)等の無機材料;TCNQ(7,7,8,8,−テトラシアノキノジメタン)、TCNQF(テトラフルオロテトラシアノキノジメタン)、TCNE(テトラシアノエチレン)、HCNB(ヘキサシアノブタジエン)、DDQ(ジシクロジシアノベンゾキノン)等のシアノ基を有する化合物;TNF(トリニトロフルオレノン)、DNF(ジニトロフルオレノン)等のニトロ基を有する化合物;フルオラニル、クロラニル、ブロマニル等の有機材料が挙げられる。この内、TCNQ、TCNQF、TCNE、HCNB、DDQ等のシアノ基を有する化合物がよりキャリア濃度を効果的に増加させることが可能であるためより好ましい。
電子注入・電子輸送材料としては、例えば、n型半導体である無機材料、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、チオピラジンジオキシド誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、フルオレノン誘導体、ベンゾジフラン誘導体等の低分子材料;ポリ(オキサジアゾール)(Poly−OXZ)、ポリスチレン誘導体(PSS)等の高分子材料が挙げられる。特に、電子注入材料としては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化バリウム(BaF)等のフッ化物、酸化リチウム(LiO)等の酸化物等が挙げられる。
電子の陰極からの注入・輸送をより効率よく行う点で、電子注入層36として用いる材料としては、電子輸送層35に使用する電子・注入輸送材料より最低空分子軌道(LUMO)のエネルギー準位が高い材料を用いることが好ましく、電子輸送層35として用いる材料としては、電子注入層36に使用する電子・注入輸送材料より電子の移動度が高い材料を用いることが好ましい。
また、より電子の注入・輸送性を向上させるため、上記電子注入・輸送材料にドナーをドープすることが好ましい。ドナーとしては、有機EL用の公知のドナー材料を用いることができる。これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。
ドナー材料としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Al、Ag、Cu、In等の無機材料;アニリン類、フェニレンジアミン類、ベンジジン類(N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン、N,N’−ビス−(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス−(フェニル)−ベンジジン、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン等)、トリフェニルアミン類(トリフェニルアミン、4,4’4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン、4,4’4’’−トリス(N−3−メチルフェニル−N−フェニル−アミノ)−トリフェニルアミン、4,4’4’’−トリス(N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ)−トリフェニルアミン等)、トリフェニルジアミン類(N,N’−ジ−(4−メチル−フェニル)−N,N’−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミン)等の芳香族3級アミンを骨格にもつ化合物、フェナントレン、ピレン、ペリレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン等の縮合多環化合物(ただし、縮合多環化合物は置換基を有してもよい)、TTF(テトラチアフルバレン)類、ジベンゾフラン、フェノチアジン、カルバゾール等の有機材料がある。この内特に、芳香族3級アミンを骨格にもつ化合物、縮合多環化合物、アルカリ金属がよりキャリア濃度を効果的に増加させることが可能であるためより好ましい。
正孔阻止層34を構成する材料に求められる物性としては、電子移動度が高く正孔移動度が低いこと、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項エネルギー準位(T1)が高いことなどが挙げられる。このような条件を満たす正孔阻止層34の材料としては、例えば、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(フェノラト)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(トリフェニルシラノラト)アルミニウム等の混合配位子錯体、ビス(2−メチル−8−キノラト)アルミニウム−μ−オキソ−ビス−(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム二核金属錯体等の金属錯体、ジスチリルビフェニル誘導体等のスチリル化合物(特開平11−242996号公報)、3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール等のトリアゾール誘導体(特開平7−41759号公報)、バソクプロイン等のフェナントロリン誘導体(特開平10−79297号公報)などが挙げられる。更に、国際公開第2005/022962号公報に記載の2,4,6位が置換されたピリジン環を少なくとも1個有する化合物も、正孔阻止層34の材料として好ましい。
これら正孔注入層31、正孔輸送層32、有機発光層33、正孔阻止層34、電子輸送層35、及び、電子注入層36から構成される有機層30は、上記の材料を抵抗加熱蒸着法、電子線(EB)蒸着法、分子線エピタキシー(MBE)法、スパッタリング法、有機気相蒸着(OVPD)法等の公知のドライプロセスを用いて形成される。
一般的に有機層の形成には蒸着法が用いられる事が多い。
有機層30はまた、上記の材料を溶剤に溶解、分散させた有機層形成用組成物(塗布液)を用いて、スピンコーティング法、ディッピング法、ドクターブレード法、吐出コート法、スプレーコート法等の塗布法、インクジェット法、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、マイクログラビアコート法等の印刷法等による公知のウェットプロセスを用いて形成しても良い。
ウェットプロセスにより有機層30を形成する場合には、各有機層の形成用組成物に、レベリング剤、粘度調整剤等の組成物の物性を調整するための添加剤を配合してもよい。
また、有機層30は、レーザ転写法、熱転写法等の転写法により形成することもできる。
転写に用いる転写用部材は、基材上に順次形成された、光熱変換層、中間層、そして光熱変換層の作用により加熱されて溶融し、受像要素にパターン状に転写される転写層を備えている。転写層には有機層30を構成する材料が含まれている。
有機層30の膜厚は、通常1〜1000nm程度であるが、10〜500nmが好ましい。膜厚が上記下限未満であると、本来必要とされる物性(電荷の注入特性、輸送特性、閉じ込め特性)を得ることが困難である。また、ゴミ等の異物による画素欠陥が生じるおそれがある。また、膜厚が上記上限を超えると有機層30の抵抗成分により駆動電圧の上昇が生じ、消費電力の上昇に繋がる。
(第一電極及び第二電極)
図2に示す第一電極20及び第二電極21は、有機EL素子の陽極又は陰極として対で機能する。つまり、第一電極20を陽極とした場合には、第二電極21は陰極となり、第一電極20を陰極とした場合には、第二電極21は陽極となる。
以下に、第一電極20及び第二電極21として用いることができる具体的な化合物及び形成方法を例示するが、本発明はこれらの材料及び形成方法に限定されるものではない。
第一電極20及び第二電極21を形成する電極材料としては公知の電極材料を用いることができる。
陽極を形成する電極材料としては、図2における有機発光層33への正孔の注入をより効率よく行う観点から、仕事関数が4.5eV以上の金(Au)、白金(Pt)及びニッケル(Ni)等の金属や、インジウム(In)と錫(Sn)からなる酸化物(ITO)、錫(Sn)の酸化物(SnO)及びインジウム(In)と亜鉛(Zn)からなる酸化物(IZO)等の透明導電材料が挙げられる。
また、陰極を形成する電極材料としては、図2における有機発光層33への電子の注入をより効率よく行う観点から、仕事関数が4.5eV以下のリチウム(Li)、カルシウム(Ca)、セリウム(Ce)、バリウム(Ba)、アルミニウム(Al)等の金属、又は、これらの金属を含有するMg:Ag合金、Li:Al合金等の合金が挙げられる。
第一電極20及び第二電極21は、上記の材料を用いてEB蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、抵抗加熱蒸着法等の公知の方法により形成することができるが、本発明はこれらの形成方法に限定されるものではない。また、必要に応じて、フォトリソグラフフィー法、レーザ剥離法により、形成した電極をパターン化することもでき、シャドーマスクと組み合わせることで直接パターン化した電極を形成することもできる。
電極の膜厚は、50nm以上が好ましい。膜厚が50nm未満の場合には、配線抵抗が高くなることから、駆動電圧の上昇が生じるおそれがある。
有機発光層33からの発光をフレキシブル基板10側から取り出すためには、第一電極20が透明電極、もしくは半透明電極であることが好ましい。透明電極材料としては、ITO、IZOが特に好ましい。
透明電極の膜厚は、50〜500nmが好ましく、100〜300nmがより好ましい。膜厚が50nm未満の場合には、配線抵抗が高くなることから、駆動電圧の上昇が生じるおそれがある。また、膜厚が500nmを超える場合には、光の透過率が低下することから輝度が低下するおそれがある。
(補助電極)
透明電極の抵抗を見かけ上下げる方法として、補助電極を透明電極に接するように形成する場合がある。通常、陽極の上に形成されることが多く(稀に陽極の下の場合もある)、さらに通常はその補助電極を平面視において覆うように絶縁膜が形成される(稀に絶縁膜が形成されない場合もある)。補助電極は透明電極の抵抗による電圧降下の抑制に有効なものであるが、電荷が注入されないか、または発光した光を遮断するため、発光する領域とはならず、「非発光領域」となる。発光領域の面積が、発光形成領域全体の面積に占める比率を開口率と呼び、開口率が高い方が、輝度を一定とした場合に光度(=輝度×発光面積)もしくは光束(=光度の放射角度による積分値)が高くなる。ここで発光形成領域とは、陽極、発光層を含む有機層、陰極が平面視で重なって形成される領域であり、補助電極及びそれを覆う絶縁膜の部分をも含んでいる領域のことである。
(封止部4)
本発明の有機EL素子100は、図1に示すように、有機EL層3を外部からの水分や酸素等の不純物ガスから保護するため、封止部4が設けられている。
封止部4は、例えば、有機EL層3の上に、直接、または、ケイ素やアルミニウム等の金属酸化物、窒化物、又は酸窒化物等の無機膜あるいは樹脂膜を介して、ガラス、樹脂、金属等の封止基板、もしくは封止膜からなる封止部を設けることで形成される。
封止部3は、粘着機能を有する熱可塑性樹脂フィルムを有機EL層3の上に貼着し、その外側をAl箔で覆う構成を取ることが好ましい。このような構造とすることで、耐衝撃性と、水分や不純物ガスに対するバリア性を両立させることが可能である。更には、上記熱可塑性樹脂フィルムとAl箔の間に乾燥剤を配置することも好ましい。これにより、封止構造内に侵入した水分が有機EL層3に到達することを防ぐことができ、有機EL素子100の保存安定性を高めることができる。
封止基板及び封止膜は、公知の封止材料及び封止方法により形成することができる。有機EL素子としての可撓性を維持するためには、封止部もある程度の可撓性を有することが好ましい。
具体的には、第二電極21上に樹脂をスピンコート法、ODF、ラミネート法を用いて塗布、又は貼り合わせることによって封止膜とすることが好ましい。第二電極21上に、プラズマCVD法、イオンプレーティング法、イオンビーム法、スパッタ法等により、SiO、SiON、SiN等の酸化物、窒化物、又は酸窒化物からなる無機膜を形成した後、更に、樹脂をスピンコート法、ODF、ラミネート法を用いて塗布、又は貼り合わせることによって封止膜とすることも好ましい。
この封止部4により、外部からの有機EL層3への酸素や水分の混入を防止することができ、有機EL素子100の寿命が向上する。
ここで、封止部4の周縁部4Aは、一部が樹脂材料部2aと接していてもよいが、有機EL層3が、封止部4とガラス板1により形成される封止空間内に完全に収まり、また、封止部4の周縁部4Aが直接ガラス板1の表面1Bに接するように形成されることが好ましい。封止部4が樹脂材料部2aを介在してガラス板1上に形成されていると、樹脂材料部2aを通じて水分や酸素等の不純物ガスが封止空間内に侵入する可能性があるからである。
(有機EL照明装置)
本発明の有機EL照明装置は、上述の本発明の有機EL素子を用いたものである。本発明の有機EL照明装置の型式や構造については特に制限はなく、本発明の有機EL素子を用いて常法に従って組み立てることができる。
1 ガラス板
2a 樹脂材料部
2b 裏面樹脂層
3 有機EL層
4 封止部
100 有機EL素子
10 フレキシブル基板
11 発光部
20 第一電極
21 第二電極
30 有機層
31 正孔注入層
32 正孔輸送層
33 有機発光層
34 正孔阻止層
35 電子輸送層
36 電子注入層

Claims (5)

  1. 厚みが200μm以下のガラス板上に直接形成された有機EL層及び該有機EL層を覆う封止部を有する有機EL素子であって、該ガラス板の端面の少なくとも一部が樹脂材料で覆われていることを特徴とする有機EL素子。
  2. 前記ガラス板の表面であって、前記有機EL層の反対側に、裏面樹脂層を有する請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 前記樹脂材料が、ポリイミド、ポリアミドイミド、及びポリアミドよりなる群から選ばれる1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の有機EL素子。
  4. 前記樹脂材料が、ポリイミド、ポリアミドイミド、及びポリアミドよりなる群から選ばれる1種又は2種以上と、他の樹脂との共重合体を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の有機EL素子を用いた有機EL照明装置。
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