以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
(実施の形態1)
本実施の形態および以下の実施の形態の半導体装置は、不揮発性メモリ(不揮発性記憶素子、フラッシュメモリ、不揮発性半導体記憶装置)を備えた半導体装置である。本実施の形態および以下の実施の形態では、不揮発性メモリは、nチャネル型MISFET(MISFET:Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)を基本としたメモリセルをもとに説明を行う。また、本実施の形態および以下の実施の形態での極性(書込・消去・読出時の印加電圧の極性やキャリアの極性)は、nチャネル型MISFETを基本としたメモリセルの場合の動作を説明するためのものであり、pチャネル型MISFETを基本とする場合は、印加電位やキャリアの導電型等の全ての極性を反転させることで、原理的には同じ動作を得ることができる。
本実施の形態の半導体装置を図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態の半導体装置の要部断面図である。本実施の形態の半導体装置は、不揮発性メモリを備えた半導体装置であり、図1には、不揮発性メモリのメモリセル領域の要部断面図が示されている。図2は、本実施の形態の半導体装置におけるメモリセルMCの部分拡大断面図(要部断面図)であり、図1の一部が拡大して示してある。図3は、メモリセルMCの等価回路図である。なお、図2は、図面を見やすくするために、図1に示される層間絶縁膜22については図示を省略している。
図1に示されるように、例えば1〜10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコンなどからなる半導体基板(半導体ウエハ)1には、素子を分離するための素子分離領域(後述の素子分離領域2に対応するが、ここでは図示されていない)が形成されており、この素子分離領域で分離(規定)された活性領域に、p型ウエルPW1が形成されている。メモリセル領域のp型ウエルPW1には、図1に示されるようなメモリトランジスタおよび制御トランジスタ(選択トランジスタ)からなる不揮発性メモリのメモリセルMCが形成されている。各メモリセル領域には、実際には複数のメモリセルMCがアレイ状に形成されており、図1には、そのうちの1つのメモリセルMCの断面が示されている。各メモリセル領域は、素子分離領域によって他の領域から電気的に分離されている。
図1〜図3に示されるように、本実施の形態の半導体装置における不揮発性メモリのメモリセルMCは、スプリットゲート型のメモリセルであり、制御ゲート電極(選択ゲート電極)CGを有する制御トランジスタ(選択トランジスタ)とメモリゲート電極(メモリ用ゲート電極)MGを有するメモリトランジスタとの2つのMISFETを接続したものである。
ここで、電荷蓄積部(電荷蓄積層)を含むゲート絶縁膜およびメモリゲート電極MGを備えるMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)をメモリトランジスタ(記憶用トランジスタ)といい、また、ゲート絶縁膜および制御ゲート電極CGを備えるMISFETを制御トランジスタ(選択トランジスタ、メモリセル選択用トランジスタ)という。従って、メモリゲート電極MGは、メモリトランジスタのゲート電極であり、制御ゲート電極CGは、制御トランジスタのゲート電極であり、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGは、不揮発性メモリ(のメモリセル)を構成するゲート電極である。
以下に、メモリセルMCの構成を具体的に説明する。
図1および図2に示されるように、不揮発性メモリのメモリセルMCは、半導体基板1のp型ウエルPW1中に形成されたソースおよびドレイン用のn型の半導体領域MS,MDと、半導体基板1(p型ウエルPW1)の上部に形成された制御ゲート電極CGと、半導体基板1(p型ウエルPW1)の上部に形成されて制御ゲート電極CGと隣合うメモリゲート電極MGとを有している。そして、不揮発性メモリのメモリセルMCは、更に、制御ゲート電極CGおよび半導体基板1(p型ウエルPW1)間に形成された絶縁膜(ゲート絶縁膜)3と、メモリゲート電極MGおよび半導体基板1(p型ウエルPW1)間とメモリゲート電極MGおよび制御ゲート電極CG間とに形成された絶縁膜5とを有している。
制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGは、それらの対向側面(側壁)の間に絶縁膜5を介した状態で、半導体基板1の主面に沿って延在し、並んで配置されている。制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGの延在方向は、図1の紙面に垂直な方向である。制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGは、半導体領域MDおよび半導体領域MS間の半導体基板1(p型ウエルPW1)の上部に絶縁膜3,5を介して(但し、制御ゲート電極CGは絶縁膜3を介し、メモリゲート電極MGは絶縁膜5を介して)形成されており、半導体領域MS側にメモリゲート電極MGが位置し、半導体領域MD側に制御ゲート電極CGが位置している。
制御ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとは、間に絶縁膜5を介在して互いに隣り合っており、メモリゲート電極MGは、制御ゲート電極CGの側面(側壁)上に絶縁膜5を介してサイドウォールスペーサ状に形成されている。また、絶縁膜5は、メモリゲート電極MGと半導体基板1(p型ウエルPW1)の間の領域と、メモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGの間の領域の、両領域にわたって延在している。
制御ゲート電極CGと半導体基板1(p型ウエルPW1)との間に形成された絶縁膜3(すなわち制御ゲート電極CGの下の絶縁膜3)が、制御トランジスタのゲート絶縁膜として機能し、メモリゲート電極MGと半導体基板1(p型ウエルPW1)との間の絶縁膜5(すなわちメモリゲート電極MGの下の絶縁膜5)が、メモリトランジスタのゲート絶縁膜(内部に電荷蓄積部を有するゲート絶縁膜)として機能する。
絶縁膜3は、例えば酸化シリコン膜または酸窒化シリコン膜などにより形成することができる。また、絶縁膜3は、上述の酸化シリコン膜または酸窒化シリコン膜など以外にも、酸化ハフニウム膜、酸化アルミニウム膜(アルミナ)または酸化タンタル膜など、窒化シリコン膜よりも高い誘電率を有する金属酸化物膜を使用してもよい。
絶縁膜5は、酸化シリコン膜(酸化膜)5aと、酸化シリコン膜5a上の窒化シリコン膜(窒化膜)5bと、窒化シリコン膜5b上の酸化シリコン膜(酸化膜)5cとを有する積層膜からなるが、窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cとの間に、1×1013〜2×1014原子/cm2の面密度で金属元素Mを導入している。具体的には、絶縁膜5において、窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cとの間に、金属元素Mからなる複数のメタルドット6が配置(形成)されている。ここで、絶縁膜5に導入した金属元素を金属元素Mと表記する。金属元素Mとしては、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、またはタンタル(Ta)が好ましいが、特に好ましいのはチタン(Ti)である。
すなわち、絶縁膜5は、酸化シリコン膜5aと、酸化シリコン膜5a上に形成された窒化シリコン膜5bと、窒化シリコン膜5b上に形成されたメタルドット6と、窒化シリコン膜5b上にメタルドット6を覆うように形成された酸化シリコン膜5cとを有する積層膜からなる。つまり、絶縁膜5において、窒化シリコン膜5bの上面に複数のメタルドット6が分散して配置されており、酸化シリコン膜5cは、窒化シリコン膜5b上に、それら複数のメタルドット6を覆うように形成されている。
本実施の形態では、絶縁膜5において、窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cとの間に、1×1013〜2×1014原子/cm2の面密度で金属元素Mを導入しており、具体的には、金属元素Mからなる複数のメタルドット6が配置(形成)されている。窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cとの間の金属元素Mの面密度は、2×1014原子/cm2以下と非常に小さく、金属原子(金属元素Mの原子)が平面的に連続して連続膜(層)を形成するのではない。すなわち、数個程度の金属原子(金属元素Mの原子)が塊となって個々のメタルドット6を構成し、窒化シリコン膜5bの表面(上面)に複数のメタルドット6が分散して配置され、個々のメタルドット6同士は互いに離間している。
なお、図1では、図面を見やすくするために、酸化シリコン膜5a、窒化シリコン膜5b、メタルドット6および酸化シリコン膜5cからなる積層膜を、単に絶縁膜5として図示しているが、実際には、図2に示されるように、絶縁膜5は、酸化シリコン膜5a、窒化シリコン膜5b、メタルドット6および酸化シリコン膜5cの積層膜からなる。
メモリゲート電極MGおよび半導体基板1(p型ウエルPW1)間の領域とメモリゲート電極MGおよび制御ゲート電極CG間の領域とに延在している絶縁膜5を、ゲート絶縁膜(積層ゲート絶縁膜、積層構造のゲート絶縁膜)とみなすことができる。但し、メモリゲート電極MGと半導体基板1(p型ウエルPW1)との間の絶縁膜5は、メモリトランジスタのゲート絶縁膜として機能するが、メモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGとの間の絶縁膜5は、メモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGとの間を絶縁(電気的に分離)するための絶縁膜として機能する。
絶縁膜5のうち、窒化シリコン膜5bとメタルドット6は、電荷を蓄積する機能を有しており、電荷蓄積部として機能することができる。すなわち、窒化シリコン膜5bは、絶縁膜5中に形成されたトラップ性絶縁膜(電荷蓄積層)であり、メタルドット6は、絶縁膜5中に形成されたトラップ性メタルドット(ドット状電荷蓄積部)である。このため、絶縁膜5は、その内部に電荷蓄積部(ここでは窒化シリコン膜5bおよびメタルドット6)を有する絶縁膜とみなすことができる。
窒化シリコン膜5bおよびメタルドット6の上下に位置する酸化シリコン膜5cおよび酸化シリコン膜5aは、電荷ブロック層(電荷ブロック膜、電荷閉じ込め層)として機能することができる。窒化シリコン膜5bおよびメタルドット6を酸化シリコン膜5cおよび酸化シリコン膜5aで挟んだ構造とすることで、窒化シリコン膜5bおよびメタルドット6への電荷の蓄積が可能となる。
半導体領域MSは、ソース領域またはドレイン領域の一方として機能する半導体領域であり、半導体領域MDは、ソース領域またはドレイン領域の他方として機能する半導体領域である。ここでは、半導体領域MSはソース領域として機能する半導体領域、半導体領域MDはドレイン領域として機能する半導体領域である。半導体領域MS,MDは、n型の不純物が導入された半導体領域(n型不純物拡散層)よりなり、それぞれLDD(lightly doped drain)構造を備えている。すなわち、ソース用の半導体領域MSは、n−型半導体領域8aと、n−型半導体領域8aよりも高い不純物濃度を有するn+型半導体領域9aとを有し、ドレイン用の半導体領域MDは、n−型半導体領域8bと、n−型半導体領域8bよりも高い不純物濃度を有するn+型半導体領域9bとを有している。n+型半導体領域9aは、n−型半導体領域8aよりも接合深さが深くかつ不純物濃度が高く、また、n+型半導体領域9bは、n−型半導体領域8bよりも接合深さが深くかつ不純物濃度が高い。
メモリゲート電極MGおよび制御ゲート電極CGの側壁(互いに隣接していない側の側壁)上には、絶縁膜(酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、あるいはそれらの積層膜)からなるサイドウォールスペーサ(サイドウォール、側壁絶縁膜)SWが形成されている。すなわち、絶縁膜5を介して制御ゲート電極CGに隣接する側とは逆側のメモリゲート電極MGの側壁(側面)上と、絶縁膜5を介してメモリゲート電極MGに隣接する側とは逆側の制御ゲート電極CGの側壁(側面)上とに、サイドウォールスペーサSWが形成されている。
ソース部のn−型半導体領域8aは、メモリゲート電極MGの側壁に対して自己整合的に形成され、n+型半導体領域9aは、メモリゲート電極MGの側壁上のサイドウォールスペーサSWの側面(メモリゲート電極MGに接する側とは逆側の側面)に対して自己整合的に形成されている。このため、低濃度のn−型半導体領域8aは、メモリゲート電極MGの側壁上のサイドウォールスペーサSWの下(下方)に形成され、高濃度のn+型半導体領域9aは、低濃度のn−型半導体領域8aの外側に形成されている。従って、低濃度のn−型半導体領域8aは、メモリトランジスタのチャネル領域に隣接するように形成され、高濃度のn+型半導体領域9aは、低濃度のn−型半導体領域8aに接し(隣接し)、メモリトランジスタのチャネル領域からn−型半導体領域8aの分だけ離間するように形成されている。
ドレイン部のn−型半導体領域8bは、制御ゲート電極CGの側壁に対して自己整合的に形成され、n+型半導体領域9bは、制御ゲート電極CGの側壁上のサイドウォールスペーサSWの側面(制御ゲート電極CGと接する側とは逆側の側面)に対して自己整合的に形成されている。このため、低濃度のn−型半導体領域8bは、制御ゲート電極CGの側壁上のサイドウォールスペーサSWの下(下方)に形成され、高濃度のn+型半導体領域9bは、低濃度のn−型半導体領域8bの外側に形成されている。従って、低濃度のn−型半導体領域8bは、制御トランジスタのチャネル領域に隣接するように形成され、高濃度のn+型半導体領域9bは、低濃度のn−型半導体領域8bに接し(隣接し)、制御トランジスタのチャネル領域からn−型半導体領域8bの分だけ離間するように形成されている。
メモリゲート電極MG下の絶縁膜5の下にメモリトランジスタのチャネル領域が形成され、制御ゲート電極CG下の絶縁膜3の下に制御トランジスタのチャネル領域が形成される。制御ゲート電極CG下の絶縁膜3の下の制御トランジスタのチャネル形成領域には、制御トランジスタのしきい値調整用の半導体領域(p型半導体領域またはn型半導体領域)が必要に応じて形成され、メモリゲート電極MG下の絶縁膜5の下のメモリトランジスタのチャネル形成領域には、メモリトランジスタのしきい値調整用の半導体領域(p型半導体領域またはn型半導体領域)が必要に応じて形成されている。
制御ゲート電極CGは、導電体(導電体膜)からなるが、例えば、n型ポリシリコン膜(n型不純物を導入した多結晶シリコン膜、ドープトポリシリコン膜)のようなシリコン膜4からなる。具体的には、制御ゲート電極CGは、パターニングされたシリコン膜4からなる。
メモリゲート電極MGは、導電体(導電体膜)からなり、例えば、n型ポリシリコン膜(n型不純物を導入した多結晶シリコン膜、ドープトポリシリコン膜)のようなシリコン膜7からなる。具体的には、半導体基板1上に制御ゲート電極CGを覆うように形成したシリコン膜7(例えばn型不純物を導入した多結晶シリコン膜)を異方性エッチング(エッチバック)し、制御ゲート電極CGの側壁上に絶縁膜5を介してシリコン膜7を残存させることにより形成されている。このため、メモリゲート電極MGは、制御ゲート電極CGの一方の側壁上に絶縁膜5を介してサイドウォールスペーサ状に形成されている。
メモリゲート電極MG(を構成するシリコン膜7)の上部(上面)と制御ゲート電極CG(を構成するシリコン膜4)の上部(上面)とn+型半導体領域9a,9bの上部(上面、表面)には、サリサイド(Salicide:Self Aligned Silicide)技術などにより、金属シリサイド層(金属シリサイド膜)11が形成されている。金属シリサイド層11は、例えば、コバルトシリサイド層、ニッケルシリサイド層または白金添加ニッケルシリサイド層などからなる。金属シリサイド層11により、拡散抵抗やコンタクト抵抗を低抵抗化することができる。制御ゲート電極CGを構成するシリコン膜4と、その上部の金属シリサイド層11とを合わせたものを、制御ゲート電極CGとみなすこともでき、また、メモリゲート電極MGを構成するシリコン膜7と、その上部の金属シリサイド層11とを合わせたものを、メモリゲート電極MGとみなすこともできる。また、メモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGとの間のショートをできるだけ防止するという観点から、メモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGの一方または両方の上部に金属シリサイド層11を形成しない場合もあり得る。
半導体基板1上には、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MGおよびサイドウォールスペーサSWを覆うように、絶縁膜として層間絶縁膜IL1が形成されている。層間絶縁膜IL1は、酸化シリコン膜の単体膜、あるいは、窒化シリコン膜と該窒化シリコン膜上に該窒化シリコン膜よりも厚く形成された酸化シリコン膜との積層膜などからなる。層間絶縁膜IL1の上面は平坦化されている。
層間絶縁膜IL1にはコンタクトホール(開口部、貫通孔)CNTが形成されており、コンタクトホールCNT内に、導電体部(接続用導体部)として導電性のプラグPGが埋め込まれている。
プラグPGは、コンタクトホールCNTの底部および側壁(側面)上に形成された薄いバリア導体膜と、このバリア導体膜上にコンタクトホールCNTを埋め込むように形成された主導体膜とで形成されているが、図面の簡略化のために、図1では、プラグPGを構成するバリア導体膜および主導体膜を一体化して示してある。なお、プラグPGを構成するバリア導体膜は、例えば、チタン膜、窒化チタン膜、あるいはそれらの積層膜とすることができ、プラグPGを構成する主導体膜は、タングステン膜とすることができる。
コンタクトホールCNTおよびそれに埋め込まれたプラグPGは、n+型半導体領域9a,9b、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGの上部などに形成される。コンタクトホールCNTの底部では、半導体基板1の主面の一部、例えばn+型半導体領域9a,9b(の表面上の金属シリサイド層11)の一部、制御ゲート電極CG(の表面上の金属シリサイド層11)の一部、メモリゲート電極MG(の表面上の金属シリサイド層11)の一部などが露出される。そして、その露出部(コンタクトホールCNTの底部の露出部)にプラグPGが接続される。なお、図1においては、n+型半導体領域9b(の表面上の金属シリサイド層11)の一部が、コンタクトホールCNTの底部で露出して、そのコンタクトホールCNTを埋めるプラグPGと電気的に接続された断面が示されている。
プラグPGが埋め込まれた層間絶縁膜IL1上には配線(配線層)M1が形成されている。配線M1は、例えばダマシン配線(埋込配線)であり、層間絶縁膜IL1上に形成された絶縁膜(図1には示されていないが後述の層間絶縁膜IL2に対応する)に設けられた配線溝に埋め込まれている。配線M1は、プラグPGを介して、メモリトランジスタのソース領域(半導体領域MS)、制御トランジスタのドレイン領域(半導体領域MD)、制御ゲート電極CGあるいはメモリゲート電極MGなどと電気的に接続される。なお、図1においては、配線M1の例として、制御トランジスタのドレイン領域(半導体領域MD)にプラグPGを介して電気的に接続された配線M1が示されている。
配線M1よりも更に上層の配線および絶縁膜も形成されているが、ここではその図示および説明は省略する。また、配線M1およびそれよりも上層の配線は、ダマシン配線(埋込配線)に限定されず、配線用の導電体膜をパターニングして形成することもでき、例えばタングステン配線またはアルミニウム配線などとすることもできる。
図4は、本実施の形態の「書込」、「消去」および「読出」時における選択メモリセルの各部位への電圧の印加条件の一例を示す表である。図4の表には、「書込」、「消去」および「読出」時のそれぞれにおいて、図1および図2に示されるようなメモリセル(選択メモリセル)のメモリゲート電極MGに印加する電圧Vmg、ソース領域(半導体領域MS)に印加する電圧Vs、制御ゲート電極CGに印加する電圧Vcg、ドレイン領域(半導体領域MD)に印加する電圧Vd、およびp型ウエルPW1に印加されるベース電圧Vbが記載されている。なお、図4の表に示したものは電圧の印加条件の好適な一例であり、これに限定されるものではなく、必要に応じて種々変更可能である。また、本実施の形態では、メモリトランジスタの絶縁膜5中の電荷蓄積部(窒化シリコン膜5bおよびメタルドット6)への電子の注入を「書込」、ホール(hole:正孔)の注入を「消去」と定義する。
なお、図4の表において、Aの欄は、書込み方法がSSI方式で、かつ消去方法がBTBT方式の場合に対応し、Bの欄は、書込み方法がSSI方式で、かつ消去方法がFN方式の場合に対応し、Cの欄は、書込み方法がFN方式で、かつ消去方法がBTBT方式の場合に対応し、Dの欄は、書込み方法がFN方式で、かつ消去方法がFN方式の場合に対応している。
書込み方式は、いわゆるSSI(Source Side Injection:ソースサイド注入)方式と呼ばれるソースサイド注入によるホットエレクトロン注入で書込みを行う書込み方式(ホットエレクトロン注入書込み方式)と、いわゆるFN方式と呼ばれるFN(Fowler Nordheim)トンネリングにより書込みを行う書込み方式(トンネリング書込み方式)とがある。
SSI方式の書込みでは、例えば図4の表のAの欄またはBの欄の「書込動作電圧」に示されるような電圧(Vmg=10V,Vs=5V,Vcg=1V,Vd=0.5V,Vb=0V)を、書込みを行う選択メモリセルの各部位に印加し、選択メモリセルの絶縁膜5中の電荷蓄積部(窒化シリコン膜5bおよびメタルドット6)に電子(エレクトロン)を注入することで書込みを行う。この際、ホットエレクトロンは、2つのゲート電極(メモリゲート電極MGおよび制御ゲート電極CG)間の下のチャネル領域(ソース、ドレイン間)で発生し、メモリゲート電極MGの下の絶縁膜5中の電荷蓄積部(窒化シリコン膜5bおよびメタルドット6)にホットエレクトロンが注入される。注入されたホットエレクトロン(電子)は、絶縁膜5中の電荷蓄積部(窒化シリコン膜5bおよびメタルドット6)のトラップ準位に捕獲され、その結果、メモリトランジスタのしきい値電圧が上昇する(書込み状態となる)。
FN方式の書込みでは、例えば図4の表のCの欄またはDの欄の「書込動作電圧」に示されるような電圧(Vmg=−12V,Vs=0V,Vcg=0V,Vd=0V,Vb=0V)を、書込みを行う選択メモリセルの各部位に印加し、選択メモリセルにおいて、メモリゲート電極MGから電子をトンネリングさせて絶縁膜5中の電荷蓄積部(窒化シリコン膜5bおよびメタルドット6)に注入することで書込みを行う。この際、電子はメモリゲートMGからFNトンネリング(FNトンネル効果)により酸化シリコン膜5cをトンネリングして絶縁膜5中に注入され、絶縁膜5中の電荷蓄積部(窒化シリコン膜5bおよびメタルドット6)のトラップ準位に捕獲され、その結果、メモリトランジスタのしきい値電圧が上昇する(書込み状態となる)。
なお、FN方式の書込みにおいて、半導体基板1から電子をトンネリングさせて絶縁膜5中の電荷蓄積部(窒化シリコン膜5bおよびメタルドット6)に注入することで書込みを行うこともでき、この場合、書込動作電圧は、例えば図4の表のCの欄またはDの欄の「書込動作電圧」の正負を反転させたものとすることができる。
消去方法は、いわゆるBTBT方式と呼ばれるBTBT(Band-To-Band Tunneling:バンド間トンネル現象)によるホットホール注入により消去を行う消去方式(ホットホール注入消去方式)と、いわゆるFN方式と呼ばれるFN(Fowler Nordheim)トンネリングにより消去を行う消去方式(トンネリング消去方式)とがある。
BTBT方式の消去では、BTBT(Band-To-Band Tunneling)により発生したホール(正孔)を絶縁膜5中の電荷蓄積部(窒化シリコン膜5bおよびメタルドット6)に注入することにより消去を行う。例えば図4の表のAの欄またはCの欄の「消去動作電圧」に示されるような電圧(Vmg=−6V,Vs=6V,Vcg=0V,Vd=open,Vb=0V)を、消去を行う選択メモリセルの各部位に印加する。これにより、BTBT(Band-To-Band Tunneling)現象によりホール(正孔)を発生させ電界加速することで選択メモリセルの絶縁膜5中の電荷蓄積部(窒化シリコン膜5bおよびメタルドット6)にホールを注入し、それによってメモリトランジスタのしきい値電圧を低下させる(消去状態となる)。
FN方式の消去では、例えば図4の表のBの欄またはDの欄の「消去動作電圧」に示されるような電圧(Vmg=12V,Vs=0V,Vcg=0V,Vd=0V,Vb=0V)を、消去を行う選択メモリセルの各部位に印加し、選択メモリセルにおいて、メモリゲート電極MGからホール(正孔)をトンネリングさせて絶縁膜5中の電荷蓄積部(窒化シリコン膜5bおよびメタルドット6)に注入することで消去を行う。この際、ホールはメモリゲートMGからFNトンネリング(FNトンネル効果)により酸化シリコン膜5cをトンネリングして絶縁膜5中に注入され、絶縁膜5中の電荷蓄積部(窒化シリコン膜5bおよびメタルドット6)のトラップ準位に捕獲され、その結果、メモリトランジスタのしきい値電圧が低下する(消去状態となる)。
なお、FN方式の消去において、半導体基板1からホールをトンネリングさせて絶縁膜5中の電荷蓄積部(窒化シリコン膜5bおよびメタルドット6)に注入することで消去を行うこともでき、この場合、消去動作電圧は、例えば図4の表のBの欄またはDの欄の「消去動作電圧」の正負を反転させたものとすることができる。
読出し時には、例えば図4の表のAの欄、Bの欄、Cの欄またはDの欄の「読出動作電圧」に示されるような電圧を、読出しを行う選択メモリセルの各部位に印加する。読出し時のメモリゲート電極MGに印加する電圧Vmgを、書込み状態におけるメモリトランジスタのしきい値電圧と消去状態におけるしきい値電圧との間の値にすることで、書込み状態と消去状態とを判別することができる。
次に、本実施の形態の半導体装置の製造方法について説明する。
図5および図6は、本実施の形態の半導体装置の製造工程の一部を示すプロセスフロー図である。なお、図6は、図5のステップS7(絶縁膜5形成工程)の詳細を示すプロセスフローが示されている。図7〜図28は、本実施の形態の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。このうち、図7〜図11および図17〜図28の断面図には、メモリセル領域(不揮発性メモリのメモリセルMCが形成される領域)1Aおよび周辺回路領域(不揮発性メモリ以外の回路が形成される領域)1Bの要部断面図が示されており、メモリセル領域1AにメモリセルMCが、周辺回路領域1BにMISFETが、それぞれ形成される様子が示されている。また、図12〜図16は、図11の工程(ステップS7の絶縁膜5形成工程)の詳細を示す要部断面図が示されており、メモリセル領域1Aの一部が拡大して示されている。
メモリセル領域1Aと周辺回路領域1Bとは同じ半導体基板1に形成されている。メモリセル領域1Aと周辺回路領域1Bは隣り合っていなくともよいが、理解を簡単にするために、図7〜図11および図17〜図28の断面図においては、メモリセル領域1Aの隣に周辺回路領域1Bを図示している。ここで、周辺回路とは、不揮発性メモリ以外の回路であり、例えばCPUなどのプロセッサ、制御回路、センスアンプ、カラムデコーダ、ロウデコーダ、入出力回路などである。周辺回路領域1Bに形成されるMISFETは、周辺回路用のMISFETである。
また、本実施の形態においては、メモリセル領域1Aにnチャネル型のMISFET(制御トランジスタおよびメモリトランジスタ)を形成する場合について説明するが、導電型を逆にしてpチャネル型のMISFET(制御トランジスタおよびメモリトランジスタ)をメモリセル領域1Aに形成することもできる。同様に、本実施の形態においては、周辺回路領域1Bにnチャネル型のMISFETを形成する場合について説明するが、導電型を逆にしてpチャネル型のMISFETを周辺回路領域1Bに形成することもでき、また、周辺回路領域1BにCMISFET(Complementary MISFET)などを形成することもできる。
図7に示されるように、まず、例えば1〜10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコンなどからなる半導体基板(半導体ウエハ)1を用意(準備)する(図5のステップS1)。それから、半導体基板1の主面に、活性領域を規定(画定)する素子分離領域(素子間分離絶縁領域)2を形成する(図5のステップS2)。
素子分離領域2は、酸化シリコンなどの絶縁体からなり、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法またはLOCOS(Local Oxidization of Silicon )法などにより形成することができる。例えば、半導体基板1の主面に素子分離用の溝を形成した後、この素子分離用の溝内に、例えば酸化シリコンからなる絶縁膜を埋め込むことで、素子分離領域2を形成することができる。
次に、図8に示されるように、半導体基板1のメモリセル領域1Aにp型ウエルPW1を、周辺回路領域1Bにp型ウエルPW2を形成する(図5のステップS3)。p型ウエルPW1,PW2は、例えばホウ素(B)などのp型の不純物を半導体基板1にイオン注入することなどによって形成することができる。p型ウエルPW1,PW2は、半導体基板1の主面から所定の深さにわたって形成される。
次に、メモリセル領域1Aに後で形成される制御トランジスタのしきい電圧を調整するために、必要に応じて、メモリセル領域1Aのp型ウエルPW1の表面部(表層部)に対してチャネルドープイオン注入を行う。また、周辺回路領域1Bに後で形成されるnチャネル型MISFETのしきい電圧を調整するために、必要に応じて、周辺回路領域1Bのp型ウエルPW2の表面部(表層部)に対してチャネルドープイオン注入を行う。
次に、希釈フッ酸洗浄などによって半導体基板1(p型ウエルPW1,PW2)の表面を清浄化した後、半導体基板1の主面(p型ウエルPW1,PW2の表面)に、ゲート絶縁膜用の絶縁膜3を形成する(図5のステップS4)。
絶縁膜3は、例えば薄い酸化シリコン膜または酸窒化シリコン膜などにより形成することができる。絶縁膜3の膜厚(形成膜厚)は、例えば2〜3nm程度とすることができる。絶縁膜3を熱酸化法により形成した場合には、素子分離領域2上には絶縁膜3は形成されない。
次に、図9に示されるように、半導体基板1の主面(主面全面)上に、すなわちメモリセル領域1Aおよび周辺回路領域1Bの絶縁膜3上に、制御ゲート電極CG形成用の導電体膜としてシリコン膜4を形成(堆積)する(図5のステップS5)。
シリコン膜4は、多結晶シリコン膜(ポリシリコン膜)からなり、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)法などを用いて形成することができる。シリコン膜4の膜厚(堆積膜厚)は、例えば50〜250nm程度とすることができる。成膜時はシリコン膜4をアモルファスシリコン膜として形成してから、その後の熱処理でアモルファスシリコン膜を多結晶シリコン膜とすることもできる。また、シリコン膜4は、成膜時の段階では、ノンドープのシリコン膜とすることができる。
シリコン膜4を形成した後、シリコン膜4上にフォトリソグラフィ法を用いてフォトレジストパターン(ここでは図示しないけれども、周辺回路領域1B全体にこのフォトレジストパターンが形成される)を形成し、このフォトレジストパターンをマスクとして用いて、メモリセル領域1Aのシリコン膜4にn型不純物をイオン注入法などによって導入することにより、メモリセル領域1Aのシリコン膜4をn型のシリコン膜4とする。すなわち、メモリセル領域1Aのシリコン膜4にn型不純物が導入されて、メモリセル領域1Aのシリコン膜4が、n型不純物が導入されたn型のシリコン膜4となる。この際、周辺回路領域1Bのシリコン膜4には、n型不純物は導入(イオン注入)されない。
次に、図10に示されるように、メモリセル領域1Aのn型のシリコン膜4をエッチングによりパターニングして制御ゲート電極CGを形成する(図5のステップS6)。ステップS6のパターニング工程は、例えば次のようにして行うことができる。
すなわち、シリコン4上にフォトリソグラフィ法を用いてフォトレジストパターン(ここでは図示しないけれども、制御ゲート電極CG形成予定領域と周辺回路領域1B全体にこのフォトレジストパターンが形成される)を形成し、このフォトレジストパターンをエッチングマスクとして用いて、メモリセル領域1Aのシリコン膜4をエッチング(ドライエッチング)してパターニングする。その後、このフォトレジストパターンを除去する。
このようにして、ステップS6でシリコン膜4がパターニングされ、図10に示されるように、メモリセル領域1Aに、パターニングされたシリコン膜4からなる制御ゲート電極CGが形成される。このとき、周辺回路領域1Bでは、上述したようにフォトレジストパターンを形成していたため、シリコン膜4のパターニングは行われず、シリコン膜4がそのまま残存する。また、メモリセル領域1Aにおいて、制御ゲート電極CGの下に残存する絶縁膜3が、制御トランジスタのゲート絶縁膜となる。従って、シリコン膜4からなる制御ゲート電極CGは、半導体基板1(p型ウエルPW1)上にゲート絶縁膜としての絶縁膜3を介して形成された状態となる。
メモリセル領域1Aにおいて、制御ゲート電極CGで覆われた部分以外の絶縁膜3(すなわちゲート絶縁膜となる部分以外の絶縁膜3)は、ステップS6のパターニング工程で行うドライエッチングや、あるいはそのドライエッチング後にウェットエッチングを行うことによって除去され得る。
次に、メモリセル領域1Aに後で形成されるメモリトランジスタのしきい値電圧を調整するために、必要に応じて、メモリセル領域1Aのp型ウエルPW1の表面部(表層部)に対してチャネルドープイオン注入を行う。
次に、洗浄処理を行って、半導体基板1の主面を清浄化処理した後、図11に示されるように、半導体基板1の主面全面に、すなわち、半導体基板1の主面(表面)上と制御ゲート電極CGの表面(上面および側面)上に、メモリトランジスタのゲート絶縁膜用の絶縁膜5を形成する(図5のステップS7)。また、周辺回路領域1Bでは、シリコン膜4が残存しているので、このシリコン膜4の表面(上面および側面)上にも絶縁膜5が形成される。このため、ステップS7において、絶縁膜5は、半導体基板1上に、制御ゲート電極CGおよび周辺回路領域1Bのシリコン膜4を覆うように形成される。
絶縁膜5は、メモリトランジスタのゲート絶縁膜用の絶縁膜であり、内部に電荷蓄積部を有する絶縁膜である。この絶縁膜5は、酸化シリコン膜(酸化膜)5aと、酸化シリコン膜5a上に形成された窒化シリコン膜(窒化膜)5bと、窒化シリコン膜5b上に形成されたメタルドット6と、窒化シリコン膜5b上にメタルドット6を覆うように形成された酸化シリコン膜(酸化膜)5cとの積層膜からなる。なお、図面を見やすくするために、図11では、酸化シリコン膜5a、窒化シリコン膜5b、メタルドット6および酸化シリコン膜5cからなる絶縁膜5を、単に絶縁膜5として図示しているが、実際には、図11において点線の円で囲まれた領域の拡大図に示されるように、絶縁膜5は、酸化シリコン膜5a、窒化シリコン膜5b、メタルドット6および酸化シリコン膜5cからなる。
ステップS7の絶縁膜5形成工程について、図6および図12〜図16を参照して具体的に説明する。図12は、絶縁膜5を形成する直前の状態が示されており、図10と同じ工程段階(制御ゲート電極CGを形成した後で絶縁膜5を形成する前の段階)に対応している。
図10および図12に示されるように制御ゲート電極CGを形成した後、絶縁膜5を形成するには、まず、図13に示されるように、酸化シリコン膜5aを形成する(図6のステップS7a)。
酸化シリコン膜5aは、例えば酸化処理(熱酸化処理)により形成することができる。この際の酸化処理(熱酸化処理)には、ISSG(In Situ Steam Generation)酸化を用いれば、より好ましい。酸化シリコン膜5aの膜厚(形成膜厚)は、例えば2〜5nm程度とすることができる。酸化シリコン膜5aを、CVD法により形成することも可能である。
酸化シリコン膜5aは、制御ゲート電極CGおよびシリコン膜4(周辺回路領域1Bのシリコン膜4)で覆われていない部分の半導体基板1(p型ウエルPW1,PW2)の表面と、制御ゲート電極CGの表面(側面および上面)と、シリコン膜4(周辺回路領域1Bのシリコン膜4)の表面(側面および上面)とに形成される。
次に、図14に示されるように、酸化シリコン膜5a上に、窒化シリコン膜5bを形成する(図6のステップS7b)。
窒化シリコン膜5bは、例えばCVD法またはALD(Atomic Layer Deposition:原子層堆積)法により形成することができる。窒化シリコン膜5bの形成にCVD法を用いる場合は、成膜ガスとしては、例えばジクロルシラン(SiH2Cl2)およびアンモニア(NH3)を用いることができる。また、窒化シリコン膜5bの形成にALD法を用いる場合は、成膜ガスとしては、例えばシラン(SiH4)およびアンモニア(NH3)を用いることができる。窒化シリコン膜5bの膜厚(形成膜厚)は、例えば2〜5nm程度とすることができる。
次に、図15に示されるように、窒化シリコン膜5b上に金属元素Mを堆積させる(図6のステップS7c)。このステップS7cでは、1×1013〜2×1014原子/cm2の面密度で金属元素Mを堆積させる。
ステップS7cで、窒化シリコン膜5b上に、1×1013〜2×1014原子/cm2程度の面密度で金属元素Mを堆積させることにより、窒化シリコン膜5b上に、金属元素Mからなる複数のメタルドット6を形成することができる。ステップS7cの金属元素Mの微量堆積法(メタルドット6の形成法)としては、例えばスパッタリング法またはALD法があるが、スパッタリング法が、下地の影響を受けにくいため、より好ましい。
ステップS7cでは、窒化シリコン膜5b上に金属原子(金属元素Mの原子)を付着(堆積)させるのであるが、付着(堆積)した金属原子が平面的に連続して連続膜を形成するのではない。すなわち、数個程度の金属原子が塊となって窒化シリコン膜5b上に付着してメタルドット6となり、個々のメタルドット6同士は、互いに離間している。すなわち、窒化シリコン膜5bの表面(上面)に、複数のメタルドット6が分散して形成(配置)される。
メタルドット6は、数個(平均(中央値)で概ね10個以下)の金属原子の塊(微粒子)であり、1nmにも満たない大きさの粒(粒子、金属原子の塊)とみなすこともできる。すなわち、個々のメタルドット6は、概ね10個以下(1〜10個)の金属原子(金属元素Mの原子)によって構成されている。電荷同士の距離が近いと強いクーロン反発力が働くことになるため、製造された半導体装置(のメモリセルMC)においては、1個のメタルドット6当たり1個の電子が蓄積され得る。すなわち、1個のメタルドット6を構成する金属原子の数は数個(数原子)程度であり、非常に小さいため、1個のメタルドット6に複数の電子は蓄積できず、1個のメタルドット6当たり1個の電子を蓄積することができる。
このため、窒化シリコン膜5b上に1×1013〜2×1014原子/cm2程度の面密度で金属元素(金属原子)を堆積させることによりメタルドット6を形成した場合には、1個のメタルドット6が平均で5〜10個程度の金属原子で構成されているとすると、窒化シリコン膜5b上に1cm2当たり1×1012〜4×1013個程度のメタルドット6が分散して形成されることになる。この場合、製造された半導体装置(のメモリセルMC)において、1個のメタルドット6に1個の電子を蓄積できるため、窒化シリコン膜5b上に分散して配置されたメタルドット6に電子を蓄積することによって、1×1012〜4×1013/cm2の電子を蓄積できることになる。
次に、図16に示されるように、窒化シリコン膜5b上に、メタルドット6を覆うように、酸化シリコン膜5cを形成する(図6のステップS7d)。
酸化シリコン膜5cは、例えばCVD法により形成することができる。この際、TEOS(Tetraethyl orthosilicate:Si(OC2H5)4)を用いたCVD法を用いることができる。また、DCS(Dichlorosilane:SiCl2H2)およびN2O2(二酸化二窒素)ガスを反応させて形成するDCS−HTO(High Temperature Oxide)酸化膜により、酸化シリコン膜5cを形成することもできる。酸化シリコン膜5cの膜厚(形成膜厚)は、例えば2〜5nm程度とすることができる。
酸化シリコン膜5aの膜厚を2〜5nm程度とし、窒化シリコン膜5bの膜厚を2〜5nm程度とし、酸化シリコン膜5cの膜厚を2〜5nm程度とした場合には、絶縁膜5のEOT(Equivalent Oxide Thickness:酸化膜等価膜厚)は、5.5〜13.7nm程度となる。
メモリセル領域1Aに形成された絶縁膜5は、後で形成されるメモリゲート電極MGのゲート絶縁膜として機能し、電荷保持(電荷蓄積)機能を有する。絶縁膜5は、電荷保持機能が必要であるため、電荷蓄積部(ここでは窒化シリコン膜5bおよびメタルドット6)を電荷ブロック層(ここでは酸化シリコン膜5a,5c)で挟んだ構造を有しており、電荷蓄積部(ここでは窒化シリコン膜5bおよびメタルドット6)のポテンシャル障壁高さに比べ、電荷ブロック層(ここでは酸化シリコン膜5a,5c)のポテンシャル障壁高さが高くなる。
このようにステップS7a,S7b,S7c,S7dを行うことにより、図11および図16に示されるように、酸化シリコン膜5a、窒化シリコン膜5b、メタルドット6および酸化シリコン膜5cからなる絶縁膜5が形成される。図11と図16とは、同じ工程段階(ステップS7dの酸化シリコン膜5c形成工程を行った段階、すなわち絶縁膜5形成工程を終了した段階)に対応している。
次に、図17に示されるように、半導体基板1の主面(主面全面)上に、すなわち絶縁膜5上に、メモリセル領域1Aにおいては制御ゲート電極CGを覆うように、周辺回路領域1Bにおいてはシリコン膜4を覆うように、メモリゲート電極MG形成用の導電体膜としてシリコン膜7を形成(堆積)する(図5のステップS8)。
シリコン膜7は、多結晶シリコン膜からなり、CVD法などを用いて形成することができる。シリコン膜7の膜厚(堆積膜厚)は、例えば30〜150nm程度とすることができる。成膜時はシリコン膜7をアモルファスシリコン膜として形成してから、その後の熱処理でアモルファスシリコン膜を多結晶シリコン膜とすることもできる。
シリコン膜7は、n型不純物が導入されて低抵抗率とされている。シリコン膜7の成膜後のイオン注入でシリコン膜7にn型不純物を導入することもできるが、シリコン膜7の成膜時にシリコン膜7にn型不純物を導入することもできる。シリコン膜7の成膜時にn型不純物を導入する場合には、シリコン膜7の成膜用のガスにドーピングガス(n型不純物添加用のガス)を含ませることで、n型不純物が導入されたシリコン膜7を成膜することができる。いずれにしても、メモリセル領域1Aおよび周辺回路領域1Bに、n型不純物が導入されたシリコン膜7が形成される。
次に、異方性エッチング技術により、シリコン膜7をエッチバック(エッチング、ドライエッチング、異方性エッチング)する(図5のステップS9)。
ステップS9のエッチバック工程では、シリコン膜7の堆積膜厚の分だけシリコン膜7を異方性エッチング(エッチバック)することにより、制御ゲート電極CGの両方の側壁上に(絶縁膜5を介して)シリコン膜7をサイドウォールスペーサ状に残し、他の領域のシリコン膜7を除去する。これにより、図18に示されるように、メモリセル領域1Aにおいて、制御ゲート電極CGの両方の側壁のうち、一方の側壁上に絶縁膜5を介してサイドウォールスペーサ状に残存したシリコン膜7により、メモリゲート電極MGが形成され、また、他方の側壁上に絶縁膜5を介してサイドウォールスペーサ状に残存したシリコン膜7により、シリコンスペーサSP1が形成される。メモリゲート電極MGは、絶縁膜5上に、制御ゲート電極CGと絶縁膜5を介して隣り合うように形成される。
シリコンスペーサSP1は、導電体からなるサイドウォールスペーサ、すなわち導電体スペーサとみなすこともできる。メモリゲート電極MGとシリコンスペーサSP1とは、制御ゲート電極CGの互いに反対側となる側壁上に形成されており、制御ゲート電極CGを挟んでほぼ対称な構造を有している。また、周辺回路領域1Bに残存させているシリコン膜4の側壁上にも、絶縁膜5を介してシリコンスペーサSP1が形成され得る。
ステップS9のエッチバック工程を行った段階で、メモリゲート電極MGとシリコンスペーサSP1で覆われていない領域の絶縁膜5が露出される。ステップS9で形成されたメモリゲート電極MGと半導体基板1(p型ウエルPW1)との間およびメモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGとの間には絶縁膜5が介在している。メモリセル領域1Aにおけるメモリゲート電極MGの下の絶縁膜5が、メモリトランジスタのゲート絶縁膜となる。上記ステップS8で堆積するシリコン膜7の堆積膜厚を調整することで、メモリゲート長(メモリゲート電極MGのゲート長)を調整することができる。
次に、フォトリソグラフィ技術を用いて、メモリゲート電極MGが覆われかつシリコンスペーサSP1が露出されるようなフォトレジストパターン(図示せず)を半導体基板1上に形成してから、このフォトレジストパターンをエッチングマスクとしたドライエッチングにより、シリコンスペーサSP1を除去する(図5のステップS10)。その後、このフォトレジストパターンを除去する。ステップS10のエッチング工程により、図19に示されるように、シリコンスペーサSP1が除去されるが、メモリゲート電極MGは、フォトレジストパターンで覆われていたので、エッチングされずに残存する。
次に、図20に示されるように、絶縁膜5のうち、メモリゲート電極MGで覆われずに露出する部分をエッチング(例えばウェットエッチング)によって除去する(図5のステップS11)。この際、メモリセル領域1Aにおいて、メモリゲート電極MGの下とメモリゲート電極MGおよび制御ゲート電極CG間とに位置する絶縁膜5は、除去されずに残存し、他の領域の絶縁膜5は除去される。図20からも分かるように、メモリセル領域1Aにおいて、メモリゲート電極MGと半導体基板1(p型ウエルPW1)の間の領域と、メモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGの間の領域の、両領域にわたって絶縁膜5が連続的に延在している。
次に、周辺回路領域1Bのシリコン膜4をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いてパターニングすることにより、図21に示されるように、周辺回路領域1Bにゲート電極GEを形成する(図5のステップS12)。このステップS12のパターニング工程は、例えば次のようにして行うことができる。
すなわち、周辺回路領域1Bに形成されているシリコン膜4上にフォトリソグラフィ法を用いてフォトレジストパターン(ここでは図示しないけれども、メモリセル領域1A全体と周辺回路領域1Bのpチャネル型MISFET形成予定領域にこのフォトレジストパターンが形成される)を形成し、このフォトレジストパターンをマスクとして用いて、周辺回路領域1Bのシリコン膜4にn型不純物をイオン注入法などによって導入する。これにより、周辺回路領域1Bのnチャネル型MISFET形成予定領域のシリコン膜4が、n型のシリコン膜4となる。その後、シリコン膜4上にフォトリソグラフィ法を用いてフォトレジストパターン(ここでは図示しないけれども、メモリセル領域1A全体と周辺回路領域1Bのゲート電極GE形成予定領域とにこのフォトレジストパターンが形成される)を形成し、このフォトレジストパターンをエッチングマスクとして用いて、シリコン膜4をエッチング(ドライエッチング)してパターニングする。このとき、メモリセル領域1Aは、フォトレジストパターンで覆われており、エッチングされない。その後、このフォトレジストパターンを除去する。これにより、図21に示されるように、パターニングされたn型のシリコン膜4からなるゲート電極GEが周辺回路領域1Bに形成される。ゲート電極GEは、周辺回路を構成するMISFETのゲート電極である。
次に、イオン注入法などを用いて例えばヒ素(As)またはリン(P)などのn型の不純物を、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MGおよびゲート電極GEをマスク(イオン注入阻止マスク)として用いて半導体基板1(p型ウエルPW1,PW2)に導入(ドーピング)することで、図22に示されるように、n−型半導体領域(不純物拡散層)8a,8b,8cを形成する(図5のステップS13)。
この際、n−型半導体領域8aは、メモリセル領域1Aにおいて、メモリゲート電極MGの側壁(絶縁膜5を介して制御ゲート電極CGに隣接している側とは反対側の側壁)に自己整合して形成される。また、n−型半導体領域8bは、メモリセル領域1Aにおいて、制御ゲート電極CGの側壁(絶縁膜5を介してメモリゲート電極MGに隣接している側とは反対側の側壁)に自己整合して形成される。また、n−型半導体領域8cは、周辺回路領域1Bにおいて、ゲート電極GEの両側壁に自己整合して形成される。n−型半導体領域8aおよびn−型半導体領域8bは、メモリセル領域1Aに形成されるメモリセルのソース・ドレイン領域(ソースまたはドレイン領域)の一部として機能し、n−型半導体領域8cは周辺回路領域1Bに形成されるMISFETのソース・ドレイン領域(ソースまたはドレイン領域)の一部として機能することができる。n−型半導体領域8aとn−型半導体領域8bとn−型半導体領域8cとは、同じイオン注入工程で形成することができるが、異なるイオン注入工程で形成することも可能である。
次に、図23に示されるように、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGの側壁(絶縁膜5を介して互いに隣合う側とは反対側の側壁)上と、ゲート電極GEの側壁上とに、絶縁膜(酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、あるいはそれらの積層膜)からなるサイドウォールスペーサ(サイドウォール、側壁絶縁膜)SWを形成する(図5のステップS14)。
ステップS14のサイドウォールスペーサSW形成工程は、例えば次のようにして行うことができる。すなわち、半導体基板1の主面全面上に絶縁膜(酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、あるいはそれらの積層膜)をCVD法などを用いて堆積し、この絶縁膜を異方性エッチング(エッチバック)することによって、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGの側壁(絶縁膜5を介して互いに隣合う側とは反対側の側壁)上とゲート電極GE1,GE2の側壁上とに選択的にこの絶縁膜を残して、サイドウォールスペーサSWを形成する。サイドウォールスペーサSWは、ゲート電極GEの両側壁上と、制御ゲート電極CGの側壁のうち、絶縁膜5を介してメモリゲート電極MGに隣接している側の側壁とは反対側の側壁上と、メモリゲート電極MGの側壁のうち、絶縁膜5を介して制御ゲート電極CGに隣接している側の側壁とは反対側の側壁上とに形成される。
次に、図24に示されるように、n+型半導体領域(不純物拡散層)9a,9b,9cをイオン注入法などを用いて形成する(図5のステップS15)。
ステップS15において、例えばヒ素(As)またはリン(P)などのn型の不純物を、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MGおよびゲート電極GEとそれらの側壁上のサイドウォールスペーサSWとをマスク(イオン注入阻止マスク)として用いて半導体基板1(p型ウエルPW1,PW2)に導入(ドーピング)することで、n+型半導体領域9a,9b,9cを形成することができる。この際、n+型半導体領域9aは、メモリセル領域1Aにおいて、メモリゲート電極MGの側壁上のサイドウォールスペーサSWに自己整合して形成され、n+型半導体領域9bは、メモリセル領域1Aにおいて、制御ゲート電極CGの側壁上のサイドウォールスペーサSWに自己整合して形成される。また、n+型半導体領域9cは、周辺回路領域1Bにおいて、ゲート電極GEの両側壁上のサイドウォールスペーサSWに自己整合して形成される。これにより、LDD構造が形成される。n+型半導体領域9aとn+型半導体領域9bとn+型半導体領域9cは、同じイオン注入工程で形成することができるが、異なるイオン注入工程で形成することも可能である。
このようにして、n−型半導体領域8aとそれよりも高不純物濃度のn+型半導体領域9aとにより、メモリトランジスタのソース領域として機能するn型の半導体領域MSが形成され、n−型半導体領域8bとそれよりも高不純物濃度のn+型半導体領域9bとにより、制御トランジスタのドレイン領域として機能するn型の半導体領域MDが形成される。また、n−型半導体領域8cとそれよりも高不純物濃度のn+型半導体領域9cとにより、周辺回路領域1BのMISFETのソース・ドレイン領域として機能するn型の半導体領域が形成される。
次に、ソースおよびドレイン用の半導体領域(n−型半導体領域8a,8b,8cおよびn+型半導体領域9a,9b,9c)などに導入された不純物を活性化するための熱処理である活性化アニールを行う(図5のステップS16)。
このようにして、メモリセル領域1Aに不揮発性メモリのメモリセルMCが形成され、周辺回路領域1BにMISFETが形成される。
次に、半導体基板1の主面全面上に酸化シリコン膜(ここでは図示せず)をCVD法などを用いて形成する。それから、この酸化シリコン膜(この酸化シリコン膜は金属シリサイド層11を形成すべきでないシリコン領域上に残される)をフォトリソグラフィ法およびエッチング法を用いて除去して、n+型半導体領域9a,9b,9cの上面(表面)と制御ゲート電極CGの上面とメモリゲート電極MGの上面とゲート電極GEの上面の各シリコン面(シリコン領域、シリコン膜)を露出させる。
次に、図25に示されるように、n+型半導体領域9a,9b,9cの上面(表面)上とメモリゲート電極MGの上面(サイドウォールスペーサSWで覆われていない部分)上と制御ゲート電極CGの上面上とゲート電極GEの上面上とを含む半導体基板1の主面全面上に、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MG、ゲート電極GEおよびサイドウォールスペーサSWを覆うように、金属膜10を形成(堆積)する。金属膜10は、例えばコバルト(Co)膜、ニッケル(Ni)膜、または、ニッケル白金合金膜などからなり、スパッタリング法などを用いて形成することができる。
次に、半導体基板1に対して熱処理を施すことによって、n+型半導体領域9a,9b,9c、制御ゲート電極CG(シリコン膜4)、メモリゲート電極MG(シリコン膜7)およびゲート電極GE(シリコン膜4)の各上層部分(表層部分)を金属膜10と反応させる。これにより、図26に示されるように、n+型半導体領域9a,9b,9c、制御ゲート電極CG(シリコン膜4)、メモリゲート電極MG(シリコン膜7)およびゲート電極GE(シリコン膜4)の各上部(上面、表面、上層部)に、それぞれ金属シリサイド層11が形成される。金属シリサイド層11は、例えばコバルトシリサイド層(金属膜10がコバルト膜の場合)、ニッケルシリサイド層(金属膜10がニッケル膜の場合)、または、白金添加ニッケルシリサイド層(金属膜10がニッケル白金合金膜の場合)とすることができる。その後、未反応の金属膜10を除去する。図26にはこの段階の断面図が示されている。
このように、いわゆるサリサイド(Salicide:Self Aligned Silicide)プロセスを行うことによって、n+型半導体領域9a,9b,9c、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MGおよびゲート電極GEの上部に金属シリサイド層11を形成し、それによって、ソース、ドレインや各ゲート電極(CG,MG,GE)の抵抗を低抵抗化することができる。
次に、図27に示されるように、半導体基板1の主面全面上に、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MG、ゲート電極GEおよびサイドウォールスペーサSWを覆うように、絶縁膜として層間絶縁膜IL1を形成(堆積)する。
層間絶縁膜IL1は、酸化シリコン膜の単体膜、あるいは、窒化シリコン膜と該窒化シリコン膜上に該窒化シリコン膜よりも厚く形成された酸化シリコン膜との積層膜などからなり、例えばCVD法などを用いて形成することができる。層間絶縁膜IL1の形成後、必要に応じてCMP(Chemical Mechanical Polishing)法などを用いて層間絶縁膜IL1の上面を平坦化する。
次に、フォトリソグラフィ法を用いて層間絶縁膜IL1上に形成したフォトレジストパターン(図示せず)をエッチングマスクとして、層間絶縁膜IL1をドライエッチングすることにより、層間絶縁膜IL1にコンタクトホール(開口部、貫通孔)CNTを形成する。
次に、コンタクトホールCNT内に、導電体部(接続用導体部)として、タングステン(W)などからなる導電性のプラグPGを形成する。
プラグPGを形成するには、例えば、コンタクトホールCNTの内部(底部および側壁上)を含む層間絶縁膜IL1上に、バリア導体膜(例えばチタン膜、窒化チタン膜、あるいはそれらの積層膜)を形成する。それから、このバリア導体膜上にタングステン膜などからなる主導体膜をコンタクトホールCNTを埋めるように形成し、層間絶縁膜IL1上の不要な主導体膜およびバリア導体膜をCMP法またはエッチバック法などによって除去することにより、プラグPGを形成することができる。なお、図面の簡略化のために、図27では、プラグPGを構成するバリア導体膜および主導体膜(タングステン膜)を一体化して示してある。
コンタクトホールCNTおよびそれに埋め込まれたプラグPGは、n+型半導体領域9a,9b,9c、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MG、ゲート電極GEの上部などに形成される。コンタクトホールCNTの底部では、半導体基板1の主面の一部、例えばn+型半導体領域9a,9b,9c(の表面上の金属シリサイド層11)の一部、制御ゲート電極CG(の表面上の金属シリサイド層11)の一部、メモリゲート電極MG(の表面上の金属シリサイド層11)の一部、あるいはゲート電極GE(の表面上の金属シリサイド層11)の一部などが露出される。なお、図27の断面図においては、n+型半導体領域9b,9c(の表面上の金属シリサイド層11)の一部がコンタクトホールCNTの底部で露出して、そのコンタクトホールCNTを埋めるプラグPGと電気的に接続された断面が示されている。
次に、プラグPGが埋め込まれた層間絶縁膜IL1上に第1層目の配線である配線(配線層)M1を形成するが、この配線M1を、ダマシン技術(ここではシングルダマシン技術)を用いて形成する場合について説明する。
まず、図28に示されるように、プラグPGが埋め込まれた層間絶縁膜IL1上に、絶縁膜IL2を形成する。絶縁膜IL2は、複数の絶縁膜の積層膜で形成することもできる。それから、フォトレジストパターン(図示せず)をエッチングマスクとしたドライエッチングによって絶縁膜IL2の所定の領域に配線溝(配線用の溝)を形成した後、配線溝の底部および側壁上を含む絶縁膜IL2上にバリア導体膜(例えば窒化チタン膜、タンタル膜または窒化タンタル膜など)を形成する。それから、CVD法またはスパッタリング法などによりバリア導体膜上に銅のシード層を形成し、さらに電解めっき法などを用いてシード層上に銅めっき膜を形成して、銅めっき膜により配線溝の内部を埋め込む。それから、配線溝以外の領域の主導体膜(銅めっき膜およびシード層)とバリア導体膜をCMP法により除去して、配線溝に埋め込まれた銅を主導電材料とする第1層目の配線M1を形成する。図28では、図面の簡略化のために、配線M1は、バリア導体膜、シード層および銅めっき膜を一体化して示してある。
配線M1はプラグPGを介して、メモリトランジスタのソース領域(半導体領域MS)、制御トランジスタのドレイン領域(半導体領域MD)、周辺回路領域1BのMISFETのソース・ドレイン領域(n+型半導体領域9c)、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MGあるいはゲート電極GEなどと電気的に接続される。その後、デュアルダマシン法などにより2層目以降の配線を形成するが、ここでは図示およびその説明は省略する。また、配線M1およびそれよりも上層の配線は、ダマシン配線に限定されず、配線用の導電体膜をパターニングして形成することもでき、例えばタングステン配線またはアルミニウム配線などとすることもできる。
以上のようにして、本実施の形態の半導体装置が製造される。
次に、比較例を参照しながら、本実施の形態の構成や効果について、より詳細に説明する。
まず、比較例の半導体装置について説明する。図29は、比較例の半導体装置の要部断面図であり、本実施の形態の上記図2に相当するものである。
図29に示される比較例の半導体装置は、不揮発性メモリのメモリセルを有する半導体装置であり、半導体基板101のp型ウエルPW101の上部に、不揮発性メモリセルを構成する制御ゲート電極CG101とメモリゲート電極MG101とが互いに隣合うように形成されている。制御ゲート電極CG101とp型ウエルPW101との間には、ゲート絶縁膜としての絶縁膜103が形成されている。また、メモリゲート電極MG101とp型ウエルPW101との間および制御ゲート電極CG101とメモリゲート電極MG101との間には、酸化シリコン膜105a、窒化シリコン膜105bおよび酸化シリコン膜105cの積層膜からなる絶縁膜105が形成されている。制御ゲート電極CG101およびメモリゲート電極MG101は、それぞれn型ポリシリコン膜により形成され、上部に金属シリサイド層111が形成されている。制御ゲート電極CG101およびメモリゲート電極MG101の互いに隣接する側とは反対側の側壁上には側壁絶縁膜SW101が形成されている。p型ウエルPW101には、n−型半導体領域108aを含むソース用のn型半導体領域と、n−型半導体領域108bを含むドレイン用のn型半導体領域とが形成されている。
図29に示される比較例の半導体装置では、絶縁膜105は、酸化シリコン膜105aと、酸化シリコン膜105a上の窒化シリコン膜105bと、窒化シリコン膜105b上の酸化シリコン膜105cとの積層膜で構成されている。すなわち、絶縁膜105は、いわゆるONO(oxide-nitride-oxide)膜であり、本実施の形態のメタルドット6に相当するものは形成されていない。
図29に示される比較例の半導体装置では、絶縁膜105の窒化シリコン膜105bが電荷蓄積部として機能する。この絶縁膜105の窒化シリコン膜105bに電荷が蓄積されることで、情報が記憶される。絶縁膜105の窒化シリコン膜105bに蓄積された電荷によってメモリトランジスタのしきい値電圧を変えることで、書込み状態と消去状態とを判別する(情報を読み出す)ことができる。
絶縁膜105の窒化シリコン膜105bに蓄積可能な電荷の密度(面密度)が小さい場合、蓄積できる電荷数が少なくなるため、書込み状態におけるメモリトランジスタのしきい値電圧と、消去状態におけるメモリトランジスタのしきい値電圧との差が小さくなる。不揮発性メモリの電気的性能の向上のためには、書込み状態におけるしきい値電圧と、消去状態におけるしきい値電圧との差が大きい方が好ましい。このため、メモリトランジスタのゲート絶縁膜(比較例の場合は絶縁膜105、本実施の形態の場合は絶縁膜5)においては、蓄積可能な電荷の密度(面密度)を高くすることが望まれる。
しかしながら、近年はメモリセルの小型化が進んでおり、メモリトランジスタのゲート絶縁膜の厚みも薄くなってきている。メモリトランジスタのゲート絶縁膜である上記絶縁膜105が薄くなると、窒化シリコン膜105bの厚みも薄くなる。窒化シリコン膜105bの厚みが薄くなると、絶縁膜105の窒化シリコン膜105bに蓄積可能な電荷の密度(面密度)が小さくなってしまう。
具体的には、窒化シリコン膜105bの膜厚が5nmよりも厚い場合、窒化シリコン膜105bと酸化シリコン膜105aとの界面と、窒化シリコン膜105bと酸化シリコン膜105cとの界面とで、電子のトラップ密度はそれぞれ1×1013/cm2程度であり、厚み方向に2個の電子を蓄積することができるため、合わせて2×1013/cm2程度の電子を捕獲することができる。しかしながら、絶縁膜105の窒化シリコン膜105bの厚みが概ね5nmよりも厚いと、窒化シリコン膜105bは、厚み方向に2個の電子を蓄積することができるが、絶縁膜105の窒化シリコン膜105bの厚みが概ね5nm以下になると、厚み方向に2個の電子を蓄積できなくなる(すなわち厚み方向に1個の電子を蓄積できるが2個の電子は蓄積できなくなる)。このため、絶縁膜105の窒化シリコン膜105bの厚みが5nm以下になると、窒化シリコン膜105bに捕獲可能な電子数が急に減少してしまい、絶縁膜105に蓄積可能な電荷の密度(面密度)が急に小さくなってしまう。
それに対して、本実施の形態では、メモリトランジスタのゲート絶縁膜である絶縁膜5は、酸化シリコン膜5aと、酸化シリコン膜5a上の窒化シリコン膜5bと、窒化シリコン膜5b上の酸化シリコン膜5cとを有しているが、更に、金属元素M(具体的には金属元素Mからなるメタルドット6)が窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cとの間に存在している。すなわち、絶縁膜5において、窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cとの間(界面)に、1×1013〜2×1014原子/cm2の面密度で金属元素Mを導入しており、具体的には、金属元素Mからなる複数のメタルドット6を配置(形成)している。金属元素Mとしては、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、またはタンタル(Ta)が好ましいが、特に好ましいのはチタン(Ti)である。
本実施の形態では、絶縁膜5において、窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cとの間(界面)に、1×1013〜2×1014原子/cm2の面密度で金属元素Mを導入しているが、窒化シリコン膜5b上に2×1014原子/cm2の面密度で金属元素Mを堆積したとしても、1原子層には不足しており、平面的に連続する金属層(金属原子層)は形成されない。すなわち、1原子層を形成するには、2×1014原子/cm2よりも大きな面密度で金属元素Mを堆積しなければならず、2×1014原子/cm2以下の面密度で金属元素Mを堆積した場合には、堆積された金属原子は、層状(平面的に連続する層状)にはならず、ドット状に存在することになる。
本実施の形態では、1原子層を形成するのに必要な面密度よりも十分に小さな、1×1013〜2×1014原子/cm2の面密度で、窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cとの間に金属元素Mを導入したことで、金属原子(金属元素Mの原子)が平面的に連続して連続膜(層)を形成せず、窒化シリコン膜5bの表面(上面)に複数のメタルドット6が分散して配置されることになる。個々のメタルドット6は、電荷蓄積部として機能することができ、1個のメタルドット6当たり1個の電子の蓄積が可能である。このため、絶縁膜5は、窒化シリコン膜5bが電荷蓄積部として機能するのに加えて、メタルドット6も電荷蓄積部として機能することができるため、絶縁膜5に蓄積可能な電荷の密度(面密度)を高めることができる。すなわち、上記図29の比較例の半導体装置と、本実施の形態の半導体装置とを比べると、メモリトランジスタのゲート絶縁膜(絶縁膜5,105に対応)に蓄積可能な電荷の面密度の上限は、メタルドット6も電荷蓄積部として機能する分(すなわちメタルドット6に電荷を蓄積可能な分)、本実施の形態の方が大きくなる。
このため、本実施の形態では、絶縁膜5は、窒化シリコン膜5bおよびメタルドット6が電荷蓄積部として機能することで、絶縁膜5に蓄積できる電荷の面密度を高くすることができる(すなわち蓄積できる電荷数を多くすることができる)ため、書込み状態におけるメモリトランジスタのしきい値電圧と、消去状態におけるメモリトランジスタのしきい値電圧との差を大きくすることができる。これにより、メモリセルMCの記憶情報を読み出しやすくなるなど、不揮発性メモリを有する半導体装置の性能(電気的性能)を向上させることができる。
また、上述のように、近年、メモリセルサイズの小型化に伴いメモリトランジスタのゲート絶縁膜(絶縁膜5,105に対応)は薄くなってきており、これは、メモリトランジスタのゲート絶縁膜の窒化シリコン膜(窒化シリコン膜5b,105bに対応)の厚みが薄くなることにつながる。このことは、その窒化シリコン膜(窒化シリコン膜5b,105bに対応)に蓄積可能な電荷の面密度の低下につながる。しかしながら、本実施の形態では、窒化シリコン膜5bに加えてメタルドット6も電荷蓄積部として機能するため、たとえ窒化シリコン膜5bの厚みが薄くなって窒化シリコン膜5bに蓄積可能な電荷の密度が低下したとしても、メタルドット6が電荷を蓄積できることで、絶縁膜5全体における蓄積可能な電荷の密度(面密度)の低下を補うことができる。
すなわち、本実施の形態では、絶縁膜5の膜厚を薄くして窒化シリコン膜5bの厚みが薄くなったとしても、窒化シリコン膜5bおよびメタルドット6が電荷蓄積部として機能することで、絶縁膜5に蓄積できる電荷の面密度を高くすることができるため、書込み状態におけるメモリトランジスタのしきい値電圧と、消去状態におけるメモリトランジスタのしきい値電圧との差を大きくすることができる。これにより、不揮発性メモリの性能を維持しながら、絶縁膜5の薄膜化を図ることができ、メモリセルサイズの小型化が可能になる。従って、不揮発性メモリの性能(電気的性能)の向上と、メモリセルサイズの小型化とを、両立することができる。このため、不揮発性メモリを有する半導体装置の性能向上と小型化とを両立することができる。
本実施の形態とは異なり、メタルドット6ではなく、シリコンからなるシリコンドットを窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cとの間に形成することも考えられる。この場合、シリコンドットに電荷を蓄積することができる。しかしながら、シリコンドットを用いる場合、次のような課題が生じてしまう。
すなわち、シリコンドットの場合、個々のシリコンドットの大きさ(粒子径)が大きくなりやすい。例えば、シリコンドットは、粒子径が5〜10nm程度になってしまう。シリコンドットの粒子径が大きいと、シリコンドットの面密度が小さくなり、蓄積可能な電荷の面密度を大きくすることが難しい。つまり、シリコンドットの粒子径が大きいと、シリコンドットの面密度が小さくなり、1つのメモリセル当たりのシリコンドット数が少なくなるため、各メモリセルに蓄積可能な電荷数をシリコンドットにより大きくするには限界がある。また、シリコンドットの粒子径を小さくできたとしても、粒子径の小さなシリコンドットは、シリコンドットを覆う酸化シリコン膜(酸化シリコン膜5cに対応)の成膜時に酸化してしまい、シリコンドットが酸化シリコン膜(酸化シリコン膜5cに対応)と同じ酸化シリコンとなって、電荷トラップとして寄与しなくなってしまう。このため、シリコンドットの場合、蓄積可能な電荷の面密度を十分に大きくすることは困難である。
それに対して、本実施の形態では、金属元素M(好ましくはTi,Ni,W,Ta)からなるメタルドット6を用いており、メタルドット6の大きさ(粒子径)を小さくしやすい。そして、メタルドット6は、たとえ酸化シリコン膜5cの成膜時に酸化したとしても、トラップ準位を形成することができ、電荷を捕獲(蓄積)することができる。このため、メタルドット6を用いた場合、蓄積可能な電荷の面密度を的確に大きくすることができる。
図30は、半導体基板1(p型ウエルPW1)、絶縁膜5およびメモリゲート電極MGの積層構造のエネルギーバンド図であり、厚み方向(半導体基板1の主面に略垂直な方向)のエネルギーバンドが示されている。図30は、横が、半導体基板1(p型ウエルPW1)、絶縁膜5およびメモリゲート電極MGの積層構造の厚み方向の位置に対応し、縦が、エネルギーに対応している。また、図30は、メタルドット6としてチタンドット(チタンからなるメタルドット6)を形成した場合のエネルギーバンドに対応しており、図30において、符号21で示しているのは、チタン(Ti)のバンドギャップであり、符号22で示しているのは、チタン(Ti)の電子捕獲準位である。また、図30において、符号23で示しているのは、チタンドット(チタンからなるメタルドット6に対応)の結晶欠陥または表面形状に起因する電子捕獲準位である。
図30からも分かるように、窒化シリコン膜5bのバンドギャップは酸化シリコン膜5a,5cのバンドギャップよりも小さく、窒化シリコン膜5bのポテンシャル障壁高さに比べ、酸化シリコン膜5a,5cのポテンシャル障壁高さが高くなっている。このため、窒化シリコン膜5bへの電荷蓄積が可能である。
また、チタンドット(チタンからなるメタルドット6に対応)を窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cとの間(界面)に形成することによって、窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cとの界面に、チタンのバンドギャップよりも上のエネルギー準位に、チタンドット(チタンからなるメタルドット6)の結晶欠陥または表面形状に起因する電子捕獲準位23や、チタン(Ti)の電子捕獲準位22など、捕獲準位が新たに形成される。チタンドット(チタンからなるメタルドット6に対応)によって新たに形成された捕獲準位(電子捕獲準位22,23など)に電子が捕獲されることで、絶縁膜5中に捕獲(蓄積)できる電子数(電子の密度)を増加することができる。
すなわち、上記図29の比較例の場合のエネルギーバンド構造は、図30からチタンのバンドギャップ21と電子捕獲準位22,23とを除いたようなものとなるが、チタンドット(チタンからなるメタルドット6に対応)を形成したことで、電子捕獲準位22,23などの新たな捕獲準位が形成され、この捕獲準位に電子が捕獲されることで、絶縁膜5中に捕獲(蓄積)できる電子数(電子の密度)を増加することができる。
窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cとの間に導入する金属元素M(具体的にはメタルドット6を構成する金属元素M)としては、その金属元素の酸化物のバンドギャップが小さいような金属元素を選択することが好ましい。これは、窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cとの間に導入した金属元素M(具体的には金属元素Mからなるメタルドット6)が酸化シリコン膜5cの成膜時に酸化した場合でも、捕獲準位を形成できるようにするためである。例えば、メタルドット6としてチタンドット(チタンからなるメタルドット6に対応)を用いた場合、酸化シリコン膜5cの成膜時にチタンドットが酸化したとしても、酸化チタン(代表的にはTiO2)のバンドギャップは約3.5eVとかなり低く(窒化シリコンのバンドギャップは約5.3eV、酸化シリコンのバンドギャップは約9eV)、窒化シリコンと同等以下のバンドギャップであるため、捕獲準位を形成することが可能である。
このため、金属元素Mの酸化物のバンドギャップが、酸化シリコンのバンドギャップ(約9eV)よりも小さくなり、窒化シリコンのバンドギャップ(約5.3eV)と同程度かそれ以下となるように、金属元素Mの種類を選択することが好ましい。これにより、窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cとの間に導入する金属元素M(具体的には金属元素Mからなるメタルドット6)が酸化シリコン膜5cの成膜時に酸化しなかった場合はもちろん、酸化した場合であっても、捕獲準位を形成することができ、導入した金属元素M(メタルドット6)が電荷蓄積部として機能することができる。従って、絶縁膜5中に捕獲(蓄積)できる電子数(電子の面密度)を的確に増加させることができるため、不揮発性メモリを有する半導体装置の性能(電気的性能)を、的確に向上させることができる。この観点で、金属元素Mとして、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、またはタンタル(Ta)は好ましく、チタン(Ti)は特に好ましい。なお、酸化ニッケルのバンドギャップは、約3.5〜4eVであり、酸化タングステン(WO3)のバンドギャップは、約2.4〜2.8eVであり、酸化タンタルのバンドギャップは、約4.4eVである。
また、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、タンタル(Ta)は、半導体装置の製造工程に使用する金属であるため、メタルドット6に用いたことに伴う製造工程上の不具合が生じにくいという利点もある。
本実施の形態では、電荷蓄積層である窒化シリコン膜5b上(すなわち窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cとの間)にメタルドット6を形成することで、酸化シリコン膜5cと窒化シリコン膜5bとの界面に電子の捕獲準位が新たに生成されるので、絶縁膜5に蓄積できる電子数を増加することができる。このため、書込み状態におけるメモリトランジスタのしきい値電圧と、消去状態におけるメモリトランジスタのしきい値電圧との差を拡大することができる。従って、半導体装置の性能(電気的性能)を向上させることができる。
図29の比較例の半導体装置におけるONO構造の絶縁膜105では、窒化シリコン膜105bと酸化シリコン膜105cとの界面において、シリコンとシリコン、シリコンと窒素、シリコンと酸素との結合が切れ、未結合手のところにトラップ(捕獲準位)が形成される。それに対して、メタルドット6は、その未結合手とは関係なく存在できるので、本実施の形態では、追加したメタルドット6の分だけ、トラップ量を増加することができる。すなわち、本実施の形態では、窒化シリコン膜5bによる電子の捕獲を減らすことなく、メタルドット6による電子の捕獲を追加することができるため、絶縁膜5に蓄積できる電子数を効果的に増加することができ、書込み状態におけるメモリトランジスタのしきい値電圧と、消去状態におけるメモリトランジスタのしきい値電圧との差を、的確に拡大することができる。従って、半導体装置の性能(電気的性能)を的確に向上させることができる。
また、本実施の形態では、窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cとの間にメタルドット6を形成(配置)している。このため、半導体基板1(p型ウエルPW1)とメモリゲート電極MGとの間において、メタルドット6は、窒化シリコン膜5b上に、半導体基板1(p型ウエルPW1)から等しい距離でほぼ均一の高さに、2次元状に分布している。トランジスタのしきい値電圧シフトは、蓄積電荷量と、基板から蓄積電荷までの距離に大きく依存するが、本実施の形態では、メタルドット6は、窒化シリコン膜5b上に、半導体基板1(p型ウエルPW1)からほぼ均一の高さに分布しているため、しきい値電圧のシフト量のばらつきを抑えることができる。
また、本実施の形態とは異なり、窒化シリコン膜5bの形成を省略し、酸化リコン膜5aと、酸化リコン膜5a上に形成されたメタルドット6と、酸化リコン膜5a上にメタルドット6を覆うように形成された酸化シリコン膜5cとにより、絶縁膜5を形成することも考えられる。しかしながら、窒化シリコン膜5bの形成を省略した場合、絶縁膜5形成工程よりも後の工程の熱処理(例えばステップS16の活性化アニール)などで、メタルドット6を構成する金属の一部が酸化シリコン膜5a中に拡散してしまう。このため、絶縁膜5(のメタルドット6)に蓄積した電子が基板(半導体基板1)側に抜けやすくなってしまう。また、基板(半導体基板1)からメタルドット6までの距離が不均一となってしまい、しきい値電圧のシフト量がばらついてしまう。このため、本実施の形態のように、窒化シリコン膜5bを形成することが好ましい。
本実施の形態では、窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cとの間にメタルドット6を形成(配置)しているため、メタルドット6は酸化シリコン膜5aに接しておらず、メタルドット6と酸化シリコン膜5aとの間には窒化シリコン膜5bが介在している。このため、絶縁膜5形成工程よりも後の工程の熱処理(例えばステップS16の活性化アニール)などで、メタルドット6を構成する金属が酸化シリコン膜5a中に拡散するのを防止することができる。従って、絶縁膜5(のメタルドット6)に蓄積した電子が基板(半導体基板1)側に抜けてしまうのを防止できる。また、基板(半導体基板1)からメタルドット6までの距離が均一となるため、しきい値電圧のシフト量がばらつくのを防止できる。
また、メタルドット6を構成する金属の一部が、絶縁膜5形成工程よりも後の工程の熱処理(例えばステップS16の活性化アニール)などで基板(半導体基板1)にまで達して(拡散して)しまうと、チャネル領域に影響が生じてしまう。このため、メタルドット6を構成する金属の一部が基板(半導体基板1)にまで達して(拡散して)しまうことは、できるだけ防止することが好ましい。本実施の形態では、窒化シリコン膜5bを形成しているため、メタルドット6を構成する金属の基板(半導体基板1)側への拡散を、窒化シリコン膜5bにより抑制または防止することができる。このため、メタルドット6を構成する金属がチャネル領域に影響を与えることを防止できるため、半導体装置の信頼性や性能(電気的性能)を向上させることができる。
また、メタルドット6を構成する金属が基板(半導体基板1)に拡散してしまうことは、チャネル領域に影響を与えるため、その影響度は非常に大きいが、それに比べると、メタルドット6を構成する金属がメモリゲート電極MGに拡散したとしても、その影響度は比較的少ない。このため、窒化シリコン膜5b上にメタルドット6を覆うように酸化シリコン膜5cすることができる。
また、メタルドット6を構成する金属元素が拡散して基板基板(半導体基板1)から金属元素までの距離がばらついてしまうのを防止するために、窒化シリコン膜5bは十分に膜(平面的に連続する連続膜)となっていることが好ましい。また、メタルドット6を構成する金属元素が基板(半導体基板1)側に拡散するのを、窒化シリコン膜5bにより確実に防止できる膜厚に、窒化シリコン膜5bの膜厚を設定することが好ましい。この観点で、窒化シリコン膜5bの膜厚は2nm以上であることが、より好ましい。
また、上述のように、絶縁膜105の窒化シリコン膜105bの厚みが5nm以下になると、窒化シリコン膜105bによる電子のトラップ密度が低下して、窒化シリコン膜105bに捕獲可能な電子数が急に減少してしまう。このため、上記図29の比較例の半導体装置は、絶縁膜105の窒化シリコン膜105bの厚みが5nm以下にすることは、蓄積可能な電荷の密度の低下を伴い、書込み状態におけるメモリトランジスタのしきい値電圧と、消去状態におけるメモリトランジスタのしきい値電圧との差が小さくなってしまう。それに対して、本実施の形態では、窒化シリコン膜5bおよびメタルドット6が電荷蓄積部として機能することで、絶縁膜5の窒化シリコン膜5bの厚みを5nm以下にしたとしても、窒化シリコン膜5bに蓄積可能な電荷の密度の低下を、メタルドット6への電荷の蓄積で補うことができる。このため、本実施の形態は、窒化シリコン膜5bの厚みを薄くする場合、特に窒化シリコン膜5bの厚みを5nm以下にする場合に適用すれば、その効果は極めて大きい。
このため、本実施の形態においては、窒化シリコン膜5bの膜厚としては、2〜5nmが最も好ましい。このような膜厚に窒化シリコン膜5bを設定したことで、窒化シリコン膜5bによる電子のトラップ密度が不足したとしても、メタルドット6を設けたことによる電子のトラップ密度の増加(例えば1×1012〜4×1013/cm2程度の増加)で補うことができる。
また、メタルドット6は、1×1013〜2×1014原子/cm2の面密度という微量の金属原子により形成されているため、たとえ絶縁膜5中にメタルドット6を形成しても、絶縁膜5の厚みが増加するのを防止することができる。このため、絶縁膜5中にメタルドット6を形成することで、絶縁膜5の厚みをほとんど増加させずに、絶縁膜5中に蓄積可能な電荷の面密度を向上させることができる。
本実施の形態とは異なり、上記ステップS7cで窒化シリコン膜5上に金属元素を堆積する際に、例えばチタン(Ti)を0.5nmの厚み(概ね2.8×1015原子/cm2に相当)となるように堆積させた場合には、堆積されたチタン(Ti)は膜(平面的に連続する連続膜)となってしまう。この場合、絶縁膜5は、酸化シリコン膜5aと、その上の窒化シリコン膜5bと、その上のチタン膜と、その上の酸化シリコン膜5cとの積層膜となり、窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cとの間にチタン膜が形成された状態となる。しかしながら、窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cとの間にチタン膜が形成されている場合には、ポリシリコンをフローティングゲートとして使用した場合と同様、トンネル酸化膜(酸化シリコン膜5aに対応)やトップ酸化膜(酸化シリコン膜5cに対応)が薄くなるなどしてその酸化膜に欠陥等によるリークパスが生じると、そのリークパスを通って全てのトラップ電子(チタン膜に蓄積されていた全ての電子)がリークしてしまう。すなわち、窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cとの間にチタン膜が形成されている場合には、チタン膜につながるリークパスが1つでもあると、そのリークパスを通して、チタン膜に蓄積されていた全ての電荷がリークしてしまう。これは、メモリセルの記憶情報の消失となるため、半導体装置の信頼性を低下させてしまう。
それに対して、本実施の形態では、上記ステップS7cで窒化シリコン膜5上に金属元素Mを堆積する際に、膜(平面的に連続する連続膜)が形成されるのに必要な面密度よりも小さな面密度で、金属元素Mを堆積している。具体的には、窒化シリコン膜5b上に、2×1014原子/cm2以下の面密度で金属元素Mを堆積している。このため、本実施の形態では、上記ステップS7cで窒化シリコン膜5上に金属元素Mを堆積しても、その金属元素Mによる膜(平面的に連続する連続膜)は形成されず、ドット形状のメタルドット6が窒化シリコン膜5b上に2次元的に分散して形成され、個々のメタルドット6同士はつながっていない状態とすることができる。このため、たとえ酸化シリコン膜5aまたは酸化シリコン膜5cに欠陥等によるリークパスが生じた場合でも、そのリークパスに接するメタルドット6に捕獲されていた電子はそのリークパスを通ってリークしても、それ以外のメタルドット6(すなわちリークパスに接しない位置のメタルドット6)に捕獲されている電子は、リークしない。すなわち、リークパスにつながっているメタルドット6からしか電荷がリークせず、リークパスにつながっていないメタルドット6は電荷を保持することができる。このため、メタルドット6に蓄積された電荷の移動やリークを抑制または防止することができる。従って、メモリセルの記憶情報(書き込み状態にあるか消去状態にあるか)は失われないため、半導体装置の信頼性を向上することができる。
また、ステップS7cでの金属元素Mの窒化シリコン膜5b上への堆積量は、2×1014原子/cm2以下であり、そうすることで、金属元素Mによる膜(平面的に連続する連続膜)は形成されず、ドット形状のメタルドット6が窒化シリコン膜5b上に2次元的に分散して形成され、個々のメタルドット6同士はつながっていない状態とすることができる。一方、ステップS7cでの金属元素Mの窒化シリコン膜5b上への堆積量が少なすぎると、メタルドット6の面密度が小さくなり、1つのメモリセル当たりのメタルドット6の数が少なくなるため、メタルドット6を追加したことによる蓄積電荷数の増大効果を十分に得ることができなくなる。また、ステップS7cでの金属元素Mの窒化シリコン膜5b上への堆積量が少なすぎると、金属元素Mの堆積工程の制御が難しくなる。このため、ステップS7cでの金属元素Mの窒化シリコン膜5b上への堆積量(面密度)は、1×1013原子/cm2以上が好ましく、これにより、メタルドット6を追加したことによる蓄積電荷数の増大効果を十分に得ることができ、また、金属元素Mの堆積工程の制御が容易になる。従って、ステップS7cでの金属元素Mの窒化シリコン膜5b上への堆積量(面密度)は、1×1013原子/cm2以上で、かつ、2×1014原子/cm2以下が好ましい。
また、上記ステップS7cで窒化シリコン膜5上に金属元素Mを堆積してメタルドット6を形成するのは、スパッタリング法またはALD法が可能であるが、スパッタリング法がより好ましい。スパッタリング法の場合、成膜時間の調整により、1×1013〜2×1014原子/cm2程度の面密度で金属元素Mを堆積することで、膜(平面的に連続する連続膜)にはなっていないドット形状(原子数個レベル)のメタルドット6の形成が可能である。この場合、窒化シリコン膜5b上に1×1012〜4×1013個/cm2程度のメタルドット6が分散して形成されることになる。なお、微細なメタルドット6中に複数個の電子が存在する場合には、電子同士の距離が近くなるため強いクーロン反発力が働くことになるので、1個のメタルドット6には1個の電子が蓄積される(1個のメタルドット6に2個以上の電子は蓄積されない)。
(実施の形態2)
図31は、本実施の形態の半導体装置の要部断面図であり、上記実施の形態1の上記図2に対応するものである。
本実施の形態2の半導体装置も、不揮発性メモリを備えた半導体装置であり、図31には、本実施の形態2の半導体装置におけるメモリセルMCの部分拡大断面図が示されている。本実施の形態2の半導体装置が上記実施の形態1の半導体装置と相違しているのは、絶縁膜5だけであるので、ここでは、絶縁膜5についてのみ説明し、絶縁膜5以外の構成の繰り返しの説明は省略する。
上記実施の形態1では、絶縁膜5は、酸化シリコン膜5aと、その上の窒化シリコン膜5bと、その上の酸化シリコン膜5cとを有し、更に、窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cとの間に金属元素M(より特定的にはメタルドット6)が存在していた。
本実施の形態2では、図31に示されるように、絶縁膜5は、酸化シリコン膜5aと、その上の窒化シリコン膜5b1と、その上の窒化シリコン膜5b2と、その上の酸化シリコン膜5cとを有し、窒化シリコン膜5b1と窒化シリコン膜5b2との間に金属元素M(より特定的にはメタルドット6)が存在している。絶縁膜5における金属元素Mの面密度については、本実施の形態2も、上記実施の形態1と同様である。
図32は、本実施の形態2における絶縁膜5形成工程を示すプロセスフロー図であり、上記実施の形態1の上記図6に相当するものである。図33〜図35は、絶縁膜5形成工程を示す要部断面図であり、上記実施の形態1の上記図12〜図16に相当する断面領域が示されている。
本実施の形態2では、ステップS7の絶縁膜5形成工程は、以下のようにして行うことができる。
まず、上記実施の形態1と同様にステップS7aを行って、図33に示されるように、酸化シリコン膜5aを形成する(図32のステップS7a)。このステップS7aの酸化シリコン膜5a形成工程については、上記実施の形態1と同様であるので、ここではその繰り返しの説明は省略する。
次に、酸化シリコン膜5a上に、窒化シリコン膜5b1を形成する(図32のステップS7b1)。ステップS7b1の窒化シリコン膜5b1形成工程は、上記実施の形態1のステップS7bの窒化シリコン膜5b形成工程と基本的には同じであるが、窒化シリコン膜5b1の膜厚(形成膜厚)は、後で窒化シリコン膜5b2を形成する分、上記実施の形態1の窒化シリコン膜5bの膜厚(形成膜厚)よりも薄くすることができる。
次に、窒化シリコン膜5b1上に金属元素Mを堆積させることにより、窒化シリコン膜5b1上に、金属元素Mからなるメタルドット6を形成する(図32のステップS7c)。
ステップS7cは、上記実施の形態1では、窒化シリコン膜5b上に金属元素Mを堆積させ(すなわち窒化シリコン膜5b上にメタルドット6を形成し)、本実施の形態2では、窒化シリコン膜5b1上に金属元素Mを堆積させる(すなわち窒化シリコン膜5b1上にメタルドット6を形成する)が、それ以外については、ステップS7cは、上記実施の形態1と本実施の形態2とで基本には同じである。このため、ここではステップS7cの繰り返しの説明は省略する。
次に、図34に示されるように、窒化シリコン膜5b1上に、メタルドット6を覆うように、窒化シリコン膜5b2を形成する(図32のステップS7b2)。ステップS7b2の窒化シリコン膜5b2形成工程は、ステップS7b1の窒化シリコン膜5b1形成工程と基本的には同様の手法を用いることができる。
次に、図35に示されるように、窒化シリコン膜5b2上に酸化シリコン膜5cを形成する(図32のステップS7d)。ステップS7dは、上記実施の形態1では、窒化シリコン膜5b上にメタルドット6を覆うように酸化シリコン膜5cを形成し、本実施の形態2では、窒化シリコン膜5b2上に酸化シリコン膜5cを形成するが、それ以外については、ステップS7dは、上記実施の形態1と本実施の形態2とで基本には同じである。このため、ここではステップS7dの繰り返しの説明は省略する。なお、窒化シリコン膜5b1と窒化シリコン膜5b2との合計の膜厚は、上記窒化シリコン膜5bの膜厚と概ね同程度とすることができる。
以上のようにして、絶縁膜5を形成することができる。
本実施の形態2では、図31に示されるように、絶縁膜5は、酸化シリコン膜5aと、その上の窒化シリコン膜5b1と、その上の窒化シリコン膜5b2と、その上の酸化シリコン膜5cとを有し、窒化シリコン膜5b1と窒化シリコン膜5b2との間にメタルドット6が形成(配置)されている。すなわち、窒化シリコン膜5b1と窒化シリコン膜5b2とを合わせたものを、上記実施の形態1の窒化シリコン膜5bとみなすと、本実施の形態2では、絶縁膜5は、酸化シリコン膜5aと、酸化シリコン膜5a上の窒化シリコン膜5bと、窒化シリコン膜5b上の酸化シリコン膜5cとを有し、窒化シリコン膜5b中にメタルドット6が形成されていると言うことができる。
つまり、上記実施の形態1と本実施の形態2とを統合すると次のように表現できる。すなわち、絶縁膜5は、酸化シリコン膜5aと、酸化シリコン膜5a上の窒化シリコン膜5bと、窒化シリコン膜5b上の酸化シリコン膜5cとを有し、窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cとの間(上記実施の形態1の場合に対応)、または窒化シリコン膜5b中(本実施の形態2の場合に対応)に、1×1013〜2×1014原子/cm2の面密度で金属元素が存在している(導入されている)。具体的には、窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cとの間(上記実施の形態1の場合に対応)、または窒化シリコン膜5b中(本実施の形態2の場合に対応)に、金属元素Mからなる複数のメタルドット6が形成されている。
本実施の形態2においても、上記実施の形態1と同様に、窒化シリコン膜5bに加えて、メタルドット6にも電荷を蓄積することができる。このため、絶縁膜5に蓄積する電荷の面密度を高くすることができるため、書込み状態におけるメモリトランジスタのしきい値電圧と、消去状態におけるメモリトランジスタのしきい値電圧との差を大きくすることができる。従って、不揮発性メモリを有する半導体装置の性能(電気的性能)を向上させることができる。
但し、本実施の形態2と、上記実施の形態1とは、金属元素M(メタルドット6)が、窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cとの間(上記実施の形態1の場合に対応)に存在しているか、窒化シリコン膜5b中(本実施の形態2の場合に対応)に存在しているかが相違している。上記実施の形態1の場合には、以下の利点を得られる。
すなわち、上記実施の形態1では、ステップS7bで窒化シリコン膜5bを形成してから、ステップS7cで金属元素Mを堆積してメタルドット6を形成するのに対して、本実施の形態2では、ステップS7b1で窒化シリコン膜5b1を形成してから、ステップS7cで金属元素Mを堆積してメタルドット6を形成し、その後に窒化シリコン膜5b2を形成する。このため、製造工程数低減の観点で、上記実施の形態1の方が有利である。
また、本実施の形態2と上記実施の形態1とで絶縁膜5の厚みを同じにすると、本実施の形態2における窒化シリコン膜5b1と窒化シリコン膜5b2との合計の厚みを、上記実施の形態1の窒化シリコン膜5bの厚みと同じにすることになる。このため、本実施の形態2における窒化シリコン膜5b1,5b2の各厚みはかなり薄くなる(例えば1〜2.5nm程度)が、成膜する窒化シリコン膜の厚みが薄く(例えば2nm以下程度)なると、成膜装置(例えばLPCVDバッチ式成膜装置)で薄膜の窒化シリコン膜を安定的に成膜しにくくなる。従って、窒化シリコン膜を安定して成膜しやすいという観点では、上記実施の形態1の方が有利である。
また、上記実施の形態1や本実施の形態2とは異なり、酸化シリコン膜5aと窒化シリコン膜5bとの間にメタルドット6を形成した場合には、メタルドット6を構成する金属が半導体基板1にまで拡散してチャネル領域に影響を与えてしまう虞がある。それに対して、上記実施の形態1や本実施の形態2では、メタルドット6の直下に窒化シリコン膜(上記実施の形態1では窒化シリコン膜5b、本実施の形態2では窒化シリコン膜5b1)が存在するため、メタルドット6を構成する金属が半導体基板1にまで拡散してしまうのを、抑制または防止できる。但し、メタルドット6を構成する金属が半導体基板1(特にチャネル領域)に拡散するのをできるだけ防止するためには、メタルドット6直下の窒化シリコン膜の厚みが厚い方が有利である。このため、窒化シリコン膜5b1と窒化シリコン膜5b2との合計の厚みを、上記実施の形態1の窒化シリコン膜5bの厚みと同じにした場合、本実施の形態2よりも上記実施の形態1の方が、メタルドット6直下の窒化シリコン膜の厚みを厚くでき、メタルドット6を構成する金属が半導体基板1(特にチャネル領域)に拡散するのをより的確に防止できる。この観点で、上記実施の形態1の方が有利である。
また、本実施の形態2では、窒化シリコン膜5b中に金属元素M(メタルドット6)が存在しているが、この構造を、窒化シリコン膜5b上に堆積した金属元素Mを熱処理などにより窒化シリコン膜5b中に拡散させることで形成することも可能である。但し、この場合(金属元素Mを窒化シリコン膜5b中に熱拡散した場合)には、窒化シリコン膜5b中の金属元素Mから基板(半導体基板1)までの距離を均一にするのは難しく、ばらつきの原因となる虞がある。このため、金属元素Mを窒化シリコン膜5b中に熱拡散するよりも、上記図32〜図35のように、ステップS7b1(窒化シリコン膜5b1形成工程)、ステップS7c(金属元素M堆積工程)およびステップS7b2(窒化シリコン膜5b2形成工程)を行うことで、窒化シリコン膜5b中に金属元素M(メタルドット6)が存在する構造を得る方が、より好ましい。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。