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JP2016082005A - 有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法、及び、有機無機ハイブリッド太陽電池 - Google Patents

有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法、及び、有機無機ハイブリッド太陽電池 Download PDF

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JP2016082005A
JP2016082005A JP2014210189A JP2014210189A JP2016082005A JP 2016082005 A JP2016082005 A JP 2016082005A JP 2014210189 A JP2014210189 A JP 2014210189A JP 2014210189 A JP2014210189 A JP 2014210189A JP 2016082005 A JP2016082005 A JP 2016082005A
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Mayumi HORIKI
麻由美 堀木
明伸 早川
Akinobu Hayakawa
明伸 早川
峻士 小原
Shunji Ohara
峻士 小原
智仁 宇野
Tomohito Uno
智仁 宇野
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Abstract

【課題】光電変換効率の高い有機無機ハイブリッド太陽電池を安定して製造できる、製造安定性に優れた有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法を提供する。また、該有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法を用いて製造された有機無機ハイブリッド太陽電池を提供する。
【解決手段】陰極と、陽極と、前記陰極と前記陽極との間に配置された光電変換層と、前記陰極と前記光電変換層との間に配置された電子輸送層とを有する有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法であって、少なくとも、前記電子輸送層を形成する工程(1)と、前記光電変換層を形成する工程(2)とを有し、前記電子輸送層を形成する工程(1)は、有機チタンぺロキシ化合物を含有する溶液を塗布及び焼成し、第1の電子輸送層を形成する工程(1a)を有し、前記光電変換層は、一般式R−M−X(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含有する有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、光電変換効率の高い有機無機ハイブリッド太陽電池を安定して製造できる、製造安定性に優れた有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法に関する。また、本発明は、該有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法を用いて製造された有機無機ハイブリッド太陽電池に関する。
従来から、対向する電極間にN型半導体層とP型半導体層とを配置した積層体を備えた光電変換素子が開発されている。このような光電変換素子では、光励起により光キャリアが生成し、電子がN型半導体を、ホールがP型半導体を移動することで、電界が生じる。
現在、実用化されている光電変換素子の多くは、シリコン等の無機半導体を用いて製造される無機太陽電池である。しかしながら、無機太陽電池は製造にコストがかかるうえ大型化が困難であり、利用範囲が限られてしまうことから、無機半導体の代わりに有機半導体を用いて製造される有機太陽電池が注目されている。
有機太陽電池においては、ほとんどの場合フラーレンが用いられている。フラーレンは、主にN型半導体として働くことが知られている。例えば、特許文献1には、P型半導体となる有機化合物とフラーレン類とを用いて形成された半導体ヘテロ接合膜が記載されている。しかしながら、フラーレンを用いて製造される有機太陽電池において、その劣化の原因はフラーレンであることが知られており(例えば、非特許文献1参照)、フラーレンに代わる材料が求められている。
一方、有機太陽電池においては、対向する電極のうちの陰極と、N型半導体層及びP型半導体層を配置した光電変換層との間に電子輸送層を設けることが多く、電子輸送層の材料としては、光伝導性に優れた酸化チタンが多用されている。例えば、特許文献2には、透明電極層上に酸化物半導体層、有機半導体を含有する層、導電性ポリマー層及び集電極層が順に形成され、酸化物半導体層がアモルファス酸化チタン層である有機薄膜太陽電池が記載されている。また、特許文献3には、少なくとも、正極、有機光電変換層、金属酸化物層、及び鉄よりも貴な金属を含む負極をこの順序で含む有機発電積層体が記載されており、金属酸化物層の金属酸化物として、酸化チタン、酸化亜鉛等が好ましいことが記載されている。
酸化チタンからなる電子輸送層として、有機太陽電池においては、緻密な層と多孔性を有する層とを積層することが多い。酸化チタンからなる緻密な電子輸送層の形成方法としては、チタンイソプロポキシド等のチタンアルコキシドを含有する溶液を塗布した後、焼成する方法が一般的である。しかしながら、チタンアルコキシドを用いて酸化チタンからなる緻密な電子輸送層を形成した場合、光電変換層に用いる半導体材料の種類によっては、光電変換効率の高い有機太陽電池を安定して製造できないことがあった。
特開2006−344794号公報 特開2009−146981号公報 国際公開第11/158874号パンフレット
Reese et al.,Adv.Funct.Mater.,20,3476−3483(2010)
本発明は、光電変換効率の高い有機無機ハイブリッド太陽電池を安定して製造できる、製造安定性に優れた有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、該有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法を用いて製造された有機無機ハイブリッド太陽電池を提供することを目的とする。
本発明は、陰極と、陽極と、前記陰極と前記陽極との間に配置された光電変換層と、前記陰極と前記光電変換層との間に配置された電子輸送層とを有する有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法であって、少なくとも、前記電子輸送層を形成する工程(1)と、前記光電変換層を形成する工程(2)とを有し、前記電子輸送層を形成する工程(1)は、有機チタンぺロキシ化合物を含有する溶液を塗布及び焼成し、第1の電子輸送層を形成する工程(1a)を有し、前記光電変換層は、一般式R−M−X(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含有する有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法である。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、陰極と、陽極と、前記陰極と前記陽極との間に配置された光電変換層と、前記陰極と前記光電変換層との間に配置された電子輸送層とを有する有機無機ハイブリッド太陽電池において、光電変換層に一般式R−M−X(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を用いることを検討した。このような有機無機ペロブスカイト化合物は電荷分離効率が非常に高いため、光電変換層に上記有機無機ペロブスカイト化合物を用いることにより、有機無機ハイブリッド太陽電池の光電変換効率の向上が期待できる。
しかしながら、光電変換層に上記有機無機ペロブスカイト化合物を用いた場合、製造安定性が悪化し、光電変換効率の高い有機無機ハイブリッド太陽電池を安定して製造できなかった。これに対して、本発明者は、製造安定性の悪化の原因が、上記有機無機ペロブスカイト化合物の電荷分離効率が非常に高いため、酸化チタンからなる緻密な電子輸送層にクラックが生じた場合に漏れ電流が生じやすくなる点にあると考え、クラックの生じにくい緻密な電子輸送層を形成することを検討した。その結果、本発明者は、従来一般的であったチタンアルコキシドに代えて有機チタンぺロキシ化合物を含有する溶液を塗布及び焼成し、電子輸送層を形成することにより、光電変換層に電荷分離効率の非常に高い上記有機無機ペロブスカイト化合物を用いた場合であっても、漏れ電流を抑制し、優れた製造安定性が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法は、陰極と、陽極と、上記陰極と上記陽極との間に配置された光電変換層と、上記陰極と上記光電変換層との間に配置された電子輸送層とを有する有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法である。
なお、本明細書中、層とは、明確な境界を有する層だけではなく、含有元素が徐々に変化する濃度勾配のある層をも意味する。なお、層の元素分析は、例えば、有機無機ハイブリッド太陽電池の断面のFE−TEM/EDS線分析測定を行い、特定元素の元素分布を確認する等によって行うことができる。また、本明細書中、層とは、平坦な薄膜状の層だけではなく、他の層と一緒になって複雑に入り組んだ構造を形成しうる層をも意味する。
本発明の有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法は、少なくとも、上記電子輸送層を形成する工程(1)と、上記光電変換層を形成する工程(2)とを有する。
なお、上記電子輸送層を形成する工程(1)と、上記光電変換層を形成する工程(2)とのいずれを先に行ってもよい。上記電子輸送層を形成する工程(1)を先に行う場合、例えば、上記陰極を形成する工程、上記電子輸送層を形成する工程(1)、上記光電変換層を形成する工程(2)、上記陽極を形成する工程をこの順で行うことで、上記構成の有機無機ハイブリッド太陽電池を製造することができる。上記光電変換層を形成する工程(2)を先に行う場合、例えば、上記陽極を形成する工程、上記光電変換層を形成する工程(2)、上記電子輸送層を形成する工程(1)、上記陰極を形成する工程をこの順で行うことで、上記構成の有機無機ハイブリッド太陽電池を製造することができる。
上記陰極及び上記陽極の材料は特に限定されず、従来公知の材料を用いることができる。陰極材料として、例えば、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、Al/Al混合物、Al/LiF混合物等が挙げられる。陽極材料として、例えば、金等の金属、CuI、ITO(インジウムスズ酸化物)、SnO、AZO(アルミニウム亜鉛酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、GZO(ガリウム亜鉛酸化物)等の導電性透明材料、導電性透明ポリマー等が挙げられる。これらの材料は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記陰極を形成する方法は特に限定されず、例えば、上記陰極がFTO(フッ素ドープ酸化スズ)からなる場合、基板上にスパッタ法等によりFTO膜を形成する方法等が挙げられる。上記基板は特に限定されず、例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等の透明ガラス基板、セラミック基板、透明プラスチック基板、金属箔等が挙げられる。
また、上記基板上に予め上記陰極が形成されたもの(例えば、FTOガラス基板)を用いてもよい。
上記陽極を形成する方法は特に限定されず、例えば、上記陽極が金等の金属からなる場合、蒸着等により金等の金属膜を形成する方法等が挙げられる。
上記電子輸送層を形成する工程(1)は、有機チタンぺロキシ化合物を含有する溶液を塗布及び焼成し、第1の電子輸送層を形成する工程(1a)を有する。
従来一般的であったチタンアルコキシドに代えて上記有機チタンぺロキシ化合物を含有する溶液を塗布及び焼成することにより、クラックの生じにくい緻密な電子輸送層を形成することができる。これにより、上記光電変換層に電荷分離効率の非常に高い特定の有機無機ペロブスカイト化合物を用いた場合であっても、漏れ電流を抑制し、優れた製造安定性を得ることができる。
なお、上記有機チタンぺロキシ化合物を含有する溶液を焼成することによって形成された上記第1の電子輸送層は、酸化チタンからなるものである。
上記有機チタンぺロキシ化合物は、チタン原子に錯形成剤が配位している水溶性チタン錯体であり、水溶性であるため、水に溶解した状態で使用することができる。
また、上記有機チタンぺロキシ化合物は、例えば水溶液等の溶液中で安定であるため、一定期間保管した上記有機チタンぺロキシ化合物を含有する溶液を用いた場合であっても、優れた製造安定性を得ることができ、光電変換効率の高い有機無機ハイブリッド太陽電池を安定して製造することができる。
上記有機チタンぺロキシ化合物としては、チタン粉末に過酸化水素水を添加してペルオキソチタン酸錯体を作製し、このペルオキソチタン酸錯体に錯形成剤としてカルボン酸、アセチルアセトン、アミン類、ぺロキソイオン等を添加することによって得られた有機チタンぺロキシ化合物が好ましい。なかでも、上記有機チタンぺロキシ化合物は、錯形成剤としてカルボン酸を含有することが好ましい。
上記カルボン酸は、カルボキシル基を有する化合物であれば特に限定されず、例えば、α−ヒドロキシカルボン酸(例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、シトラマル酸、乳酸、グリコール酸等)、トリカルバリル酸、コハク酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、アクリル酸、酢酸等が挙げられる。なかでも、水溶液等の溶液中で上記有機チタンぺロキシ化合物がより安定となることから、上記有機チタンぺロキシ化合物は、錯形成剤としてα−ヒドロキシカルボン酸を含有することが好ましく、クエン酸、リンゴ酸、乳酸及びグリコール酸からなる群より選択させる少なくとも1種がより好ましい。
上記有機チタンぺロキシ化合物を含有する溶液中、上記有機チタンぺロキシ化合物の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は0.05モル%、好ましい上限は10モル%である。上記含有量が0.05モル%以上であれば、上記有機チタンぺロキシ化合物を含有する溶液を塗布及び焼成することにより、クラックの生じにくい緻密な電子輸送層を形成することができる。上記含有量が10モル%以下であれば、上記第1の電子輸送層が均一な膜にならず孔が生じてしまうことを抑制することができる。上記含有量のより好ましい下限は0.1モル%、より好ましい上限は5モル%である。
上記有機チタンぺロキシ化合物を含有する溶液を塗布する方法は特に限定されず、例えば、印刷法等が挙げられる。印刷法として、例えば、スピンコート法、キャスト法等が挙げられ、印刷法を用いた方法としてロールtoロール法等が挙げられる。
上記有機チタンぺロキシ化合物を含有する溶液を焼成する方法は特に限定されず、例えば、400〜600℃程度で5〜60分間程度焼成する方法等が挙げられる。焼成に加えて紫外線等の活性エネルギー線照射又はオゾン分解処理を行うことで、より低温で焼成することもできる。
上記電子輸送層を形成する工程(1)は、更に、多孔性半導体からなる第2の電子輸送層を形成する工程(1b)を有することが好ましい。
上記第2の電子輸送層を形成することにより、上記第1の電子輸送層と上記第2の電子輸送層とを積層し、クラックの生じにくい緻密な部分と多孔性を有する部分とを有する電子輸送層を形成することができる。これにより、上記電子輸送層と上記光電変換層との界面の面積を増大させ、有機無機ハイブリッド太陽電池の光電変換効率を向上させることができる。
上記多孔性半導体は特に限定されず、例えば、N型導電性高分子、N型低分子有機半導体、N型金属酸化物、N型金属硫化物、ハロゲン化アルカリ金属、アルカリ金属、界面活性剤等が挙げられ、具体的には例えば、シアノ基含有ポリフェニレンビニレン、ホウ素含有ポリマー、バソキュプロイン、バソフェナントレン、ヒドロキシキノリナトアルミニウム、オキサジアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、ナフタレンテトラカルボン酸化合物、ペリレン誘導体、ホスフィンオキサイド化合物、ホスフィンスルフィド化合物、フルオロ基含有フタロシアニン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム、硫化スズ、硫化インジウム、硫化亜鉛等が挙げられる。なかでも、上記第1の電子輸送層が酸化チタンからなるものであるため、上記多孔性半導体は、酸化チタンを含有することが好ましい。
上記第2の電子輸送層を形成する方法は特に限定されず、例えば、上記第1の電子輸送層上に、有機バインダと平均粒子径5〜500nm程度の酸化チタン粒子とを含有する酸化チタンペーストを塗布し、焼成する方法等が挙げられる。
上記電子輸送層の合計厚み(上記第1の電子輸送層と上記第2の電子輸送層との合計厚み)は、好ましい下限が1nm、好ましい上限が2000nmである。上記厚みが1nm以上であれば、充分にホールをブロックできるようになる。上記厚みが2000nm以下であれば、電子輸送の際の抵抗になり難く、光電変換効率が高くなる。上記電子輸送層の厚みのより好ましい下限は3nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は5nm、更に好ましい上限は500nmである。
上記第1の電子輸送層と上記第2の電子輸送層との厚み比率は、1:100〜1:1が好ましい。上記厚み比率が上記範囲内であれば、漏れ電流を抑制し、優れた製造安定性を得るとともに、有機無機ハイブリッド太陽電池の光電変換効率を向上させることができる。
上記光電変換層を形成する工程(2)により形成される上記光電変換層は、一般式R−M−X(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含有する。
上記有機無機ペロブスカイト化合物は電荷分離効率が非常に高いため、上記光電変換層に上記有機無機ペロブスカイト化合物を用いることにより、有機無機ハイブリッド太陽電池の光電変換効率を向上させることができる。
上記Rは有機分子であり、C(l、m、nはいずれも正の整数)で示されることが好ましい。
上記Rは、具体的には例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、エチルメチルアミン、メチルプロピルアミン、ブチルメチルアミン、メチルペンチルアミン、ヘキシルメチルアミン、エチルプロピルアミン、エチルブチルアミン、イミダゾール、アゾール、ピロール、アジリジン、アジリン、アゼチジン、アゼト、アゾール、イミダゾリン、カルバゾール及びこれらのイオン(例えば、メチルアンモニウム(CHNH)等)やフェネチルアンモニウム等が挙げられる。なかでも、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン及びこれらのイオンやフェネチルアンモニウムが好ましく、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン及びこれらのイオンがより好ましい。
上記Mは金属原子であり、例えば、鉛、スズ、亜鉛、チタン、アンチモン、ビスマス、ニッケル、鉄、コバルト、銀、銅、ガリウム、ゲルマニウム、マグネシウム、カルシウム、インジウム、アルミニウム、マンガン、クロム、モリブデン、ユーロピウム等が挙げられる。これらの金属原子は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子であり、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、硫黄、セレン等が挙げられる。これらのハロゲン原子又はカルコゲン原子は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、構造中にハロゲンを含有することで、上記有機無機ペロブスカイト化合物が有機溶媒に可溶になり、安価な印刷法等への適用が可能になることから、ハロゲン原子が好ましい。更に、上記有機無機ペロブスカイト化合物のエネルギーバンドギャップが狭くなることから、ヨウ素がより好ましい。
上記有機無機ペロブスカイト化合物は、体心に金属原子M、各頂点に有機分子R、面心にハロゲン原子又はカルコゲン原子Xが配置された立方晶系の構造を有することが好ましい。
図1は、体心に金属原子M、各頂点に有機分子R、面心にハロゲン原子又はカルコゲン原子Xが配置された立方晶系の構造である、有機無機ペロブスカイト化合物の結晶構造の一例を示す模式図である。詳細は明らかではないが、上記構造を有することにより、結晶格子内の八面体の向きが容易に変わることができるため、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、有機無機ハイブリッド太陽電池の光電変換効率が向上すると推定される。
上記有機無機ペロブスカイト化合物は、結晶性半導体であることが好ましい。結晶性半導体とは、X線散乱強度分布を測定し、散乱ピークが検出できる半導体を意味している。上記有機無機ペロブスカイト化合物が結晶性半導体であることにより、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、有機無機ハイブリッド太陽電池の光電変換効率が向上する。
また、結晶化の指標として結晶化度を評価することもできる。結晶化度は、X線散乱強度分布測定により検出された結晶質由来の散乱ピークと非晶質部由来のハローとをフィッティングにより分離し、それぞれの強度積分を求めて、全体のうちの結晶部分の比を算出することにより求めることができる。
上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度の好ましい下限は30%である。結晶化度が30%以上であると、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、有機無機ハイブリッド太陽電池の光電変換効率が向上する。結晶化度のより好ましい下限は50%、更に好ましい下限は70%である。
また、上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度を上げる方法として、例えば、熱アニール、レーザー等の強度の強い光の照射、プラズマ照射等が挙げられる。
上記光電変換層は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物に加えて、更に、有機半導体又は無機半導体を含んでいてもよい。なお、ここでいう有機半導体又は無機半導体は、上記電子輸送層又は後述するホール輸送層としての役割を果たしてもよい。
上記有機半導体として、例えば、ポリ(3−アルキルチオフェン)等のチオフェン骨格を有する化合物等が挙げられる。また、例えば、ポリパラフェニレンビニレン骨格、ポリビニルカルバゾール骨格、ポリアニリン骨格、ポリアセチレン骨格等を有する導電性高分子等も挙げられる。更に、例えば、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ペンタセン骨格、ベンゾポルフィリン骨格等のポルフィリン骨格、スピロビフルオレン骨格等を有する化合物や、フラーレンや、表面修飾されていてもよいカーボンナノチューブ、グラフェン等のカーボン含有材料も挙げられる。
上記無機半導体として、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム、硫化スズ、硫化インジウム、硫化亜鉛、CuSCN、CuO、CuI、MoO、V、WO、MoS、MoSe、CuS等が挙げられる。
上記光電変換層は、上記有機半導体又は上記無機半導体を含む場合、薄膜状の有機半導体又は無機半導体部位と薄膜状の有機無機ペロブスカイト化合物部位とを積層した積層体であってもよいし、有機半導体又は無機半導体部位と有機無機ペロブスカイト化合物部位とを複合化した複合膜であってもよい。製法が簡便である点では積層体が好ましく、上記有機半導体又は上記無機半導体中の電荷分離効率を向上させることができる点では複合膜が好ましい。
上記薄膜状の有機無機ペロブスカイト化合物部位の厚みは、好ましい下限が5nm、好ましい上限が5000nmである。上記厚みが5nm以上であれば、充分に光を吸収することができるようになり、光電変換効率が高くなる。上記厚みが5000nm以下であれば、電荷分離できない領域が発生することを抑制できるため、光電変換効率の向上につながる。上記厚みのより好ましい下限は10nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は20nm、更に好ましい上限は500nmである。
上記光電変換層が、有機半導体又は無機半導体部位と有機無機ペロブスカイト化合物部位とを複合化した複合膜である場合、上記複合膜の厚みの好ましい下限は30nm、好ましい上限は3000nmである。上記厚みが30nm以上であれば、充分に光を吸収することができるようになり、光電変換効率が高くなる。上記厚みが3000nm以下であれば、電荷が電極に到達しやすくなるため、光電変換効率が高くなる。上記厚みのより好ましい下限は40nm、より好ましい上限は2000nmであり、更に好ましい下限は50nm、更に好ましい上限は1000nmである。
上記光電変換層を形成する方法は特に限定されず、真空蒸着法、スパッタ法、気相反応法(CVD)、電気化学沈積法、印刷法等が挙げられる。なかでも、印刷法を採用することで、高い光電変換効率を発揮できる有機無機ハイブリッド太陽電池を大面積で簡易に形成することができる。印刷法として、例えば、スピンコート法、キャスト法等が挙げられ、印刷法を用いた方法としてロールtoロール法等が挙げられる。
上記光電変換層を形成する方法として、具体的には例えば、上記電子輸送層上に、有機無機ペロブスカイト化合物形成用溶液(即ち、有機無機ペロブスカイト化合物の前駆体溶液)を積層して上記薄膜状の有機無機ペロブスカイト化合物部位を形成した後、上記薄膜状の有機無機ペロブスカイト化合物部位上に、上記薄膜状の有機半導体部位を形成する方法等が挙げられる。
本発明の有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法においては、上記陽極と上記光電変換層との間に、ホール輸送層を形成する工程を行ってもよい。
上記ホール輸送層の材料は特に限定されず、例えば、P型導電性高分子、P型低分子有機半導体、P型金属酸化物、P型金属硫化物、界面活性剤等が挙げられ、具体的には例えば、ポリエチレンジオキシチオフェンのポリスチレンスルホン酸付加物、カルボキシル基含有ポリチオフェン、フタロシアニン、ポルフィリン、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化スズ、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化銅、硫化スズ等、フルオロ基含有ホスホン酸、カルボニル基含有ホスホン酸、CuSCN、CuI等の銅化合物、表面修飾されていてもよいカーボンナノチューブ、グラフェン等のカーボン含有材料等が挙げられる。
上記ホール輸送層の厚みは、好ましい下限は1nm、好ましい上限は2000nmである。上記厚みが1nm以上であれば、充分に電子をブロックできるようになる。上記厚みが2000nm以下であれば、ホール輸送の際の抵抗になり難く、光電変換効率が高くなる。上記厚みのより好ましい下限は3nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は5nm、更に好ましい上限は500nmである。
上記ホール輸送層を形成する方法は特に限定されず、例えば、印刷法、蒸着法等が挙げられる。
本発明の有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法によれば、光電変換効率の高い有機無機ハイブリッド太陽電池を安定して製造することができる。陰極と、陽極と、上記陰極と上記陽極との間に配置された光電変換層と、上記陰極と上記光電変換層との間に配置された電子輸送層とを有し、本発明の有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法を用いて製造された有機無機ハイブリッド太陽電池もまた、本発明の1つである。
本発明によれば、光電変換効率の高い有機無機ハイブリッド太陽電池を安定して製造できる、製造安定性に優れた有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、該有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法を用いて製造された有機無機ハイブリッド太陽電池を提供することができる。
有機無機ペロブスカイト化合物の結晶構造の一例を示す模式図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(酸化チタン作製用塗布液(有機チタンぺロキシ化合物を含有する溶液)の調製)
チタン粉末10mmolを精秤し、ビーカーに入れ、過酸化水素水40gを加え、更にアンモニア水10gを加えた。これを2時間氷冷した後、錯形成剤としてL−乳酸30mmolを添加し、80℃に設定したホットプレートで一日加温し、そこへ蒸留水10mLを添加し、有機チタンぺロキシ化合物を含有する溶液(有機チタンぺロキシ化合物の含有量:1モル%)を得た。
(有機無機ハイブリッド太陽電池の製造)
ガラス基板上に、陰極として厚み1000nmのFTO膜を形成し、純水、アセトン、メタノールをこの順に用いて各10分間超音波洗浄した後、乾燥させた。
FTO膜の表面上に、上記で得た有機チタンぺロキシ化合物を含有する溶液をスピンコート法により塗布した後、500℃で10分間焼成し、厚み100nmの第1の電子輸送層を形成した[工程(1a)]。
第1の電子輸送層上に、有機バインダとしてのポリイソブチルメタクリレートと酸化チタン(平均粒子径10nmと30nmとの混合物)とを含有する酸化チタンペーストをスピンコート法により塗布した後、500℃で10分間焼成し、厚み500nmの多孔性半導体からなる第2の電子輸送層を形成した[工程(1b)]。
次いで、有機無機ペロブスカイト化合物形成用溶液として、N,N−Dimethylformamide(DMF)を溶媒としてCHNHIとPbIをモル比1:1で溶かし、CHNHIとPbIの合計重量濃度を20%に調製した。この溶液を第2の電子輸送層上にスピンコート法によって積層した。更に、クロロベンゼン25μLにSpiro−OMeTAD(スピロビフルオレン骨格を有する)を68mM、Tert−butylpyridineを55mM、Lithium Bis(trifluoromethylsufonyl)imide塩を9mM溶解させた溶液をスピンコート法によって300nmの厚みに積層し、光電変換層を形成した[工程(2)]。
光電変換層上に、陽極として真空蒸着により厚み100nmの金膜を形成し、有機無機ハイブリッド太陽電池を得た。
(実施例2〜7)
錯形成剤、有機無機ペロブスカイト化合物を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、有機無機ハイブリッド太陽電池を得た。
なお、実施例4では、有機無機ペロブスカイト化合物形成用溶液として、N,N−Dimethylformamide(DMF)を溶媒としてCHNHBr、CHNHI、PbBr、PbIをモル比それぞれ1:2:2:1で溶かした。実施例5では、N,N−Dimethylformamide(DMF)を溶媒としてCHNHIとPbClをモル比3:1で溶かした。実施例6では、N,N−Dimethylformamide(DMF)を溶媒としてCHNHBrとPbBrをモル比1:1で溶かした。実施例7では、N,N−Dimethylformamide(DMF)を溶媒としてCH(NHIとPbIをモル比1:1で溶かした。
(比較例1)
(酸化チタン作製用塗布液(有機チタンぺロキシ化合物以外の化合物を含有する溶液)の調製)
チタンイソプロポキシドを、エタノールに1モル%となるように加え、有機チタンぺロキシ化合物以外の化合物を含有する溶液を調製した。
(有機無機ハイブリッド太陽電池の製造)
上記で得た有機チタンぺロキシ化合物以外の化合物を含有する溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、有機無機ハイブリッド太陽電池を得た。
(比較例2、3)
チタンイソプロポキシドの代わりに塩化チタン、硫酸チタンを用いたこと以外は比較例1と同様にして、有機無機ハイブリッド太陽電池を得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られた有機無機ハイブリッド太陽電池について、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)太陽電池特性評価
実施例及び比較例で得られた有機無機ハイブリッド太陽電池の電極間に、電源(KEITHLEY社製、236モデル)を接続し、強度100mW/cmのソーラーシミュレーション(山下電装社製)を用いて有機無機ハイブリッド太陽電池の光電変換効率を測定した。酸化チタン作製用塗布液をチタンイソプロポキシドを用いて調製したこと以外は同様の方法で作製した有機無機ハイブリッド太陽電池の光電変換効率を1.00として規格化した。
◎ 光電変換効率が、1.20以上であった
○ 光電変換効率が、1.10以上1.20未満であった
× 光電変換効率が、1.10未満であった
(2)製造安定性評価
実施例及び比較例における有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法と同じ方法で、評価用セルをそれぞれ10個ずつ製造した。10個の評価用セルの光電変換効率を上記(1)と同様にしてそれぞれ測定した。
△ 10個の評価用セルの光電変換効率の最大値と最小値との差が、最大値の20%より大きかった
○ 10個の評価用セルの光電変換効率の最大値と最小値との差が、最大値の20%以下であった
(3)酸化チタン作製用塗布液の経時変化による製造安定性
調製直後の酸化チタン作製用塗布液と、一週間、大気中(室温)で保管した酸化チタン作製用塗布液とを用いて、実施例及び比較例における有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法と同じ方法で、評価用セルをそれぞれ製造した。評価用セルの光電変換効率を上記(1)と同様にして測定した。調製直後の塗布液を用いて製造した評価用セルの光電変換効率を1.0として、一週間保管した塗布液を用いて製造した評価用セルの光電変換効率を規格化した。
○ 規格値が、1.01より大きかった
× 規格値が1.01以下であった
Figure 2016082005
本発明によれば、光電変換効率の高い有機無機ハイブリッド太陽電池を安定して製造できる、製造安定性に優れた有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、該有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法を用いて製造された有機無機ハイブリッド太陽電池を提供することができる。

Claims (5)

  1. 陰極と、陽極と、前記陰極と前記陽極との間に配置された光電変換層と、前記陰極と前記光電変換層との間に配置された電子輸送層とを有する有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法であって、
    少なくとも、前記電子輸送層を形成する工程(1)と、前記光電変換層を形成する工程(2)とを有し、
    前記電子輸送層を形成する工程(1)は、有機チタンぺロキシ化合物を含有する溶液を塗布及び焼成し、第1の電子輸送層を形成する工程(1a)を有し、
    前記光電変換層は、一般式R−M−X(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含有する
    ことを特徴とする有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法。
  2. 有機チタンぺロキシ化合物は、錯形成剤としてα−ヒドロキシカルボン酸を含有することを特徴とする請求項1記載の有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法。
  3. α−ヒドロキシカルボン酸は、クエン酸、リンゴ酸、乳酸及びグリコール酸からなる群より選択させる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2記載の有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法。
  4. 電子輸送層を形成する工程(1)は、更に、多孔性半導体からなる第2の電子輸送層を形成する工程(1b)を有し、前記多孔性半導体は、酸化チタンを含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法。
  5. 陰極と、陽極と、前記陰極と前記陽極との間に配置された光電変換層と、前記陰極と前記光電変換層との間に配置された電子輸送層とを有し、請求項1、2、3又は4記載の有機無機ハイブリッド太陽電池の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする有機無機ハイブリッド太陽電池。
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