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JP2012204275A - 色素増感型太陽電池の製造方法、色素増感型太陽電池及び色素増感型太陽電池モジュール - Google Patents

色素増感型太陽電池の製造方法、色素増感型太陽電池及び色素増感型太陽電池モジュール Download PDF

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JP2012204275A JP2011070021A JP2011070021A JP2012204275A JP 2012204275 A JP2012204275 A JP 2012204275A JP 2011070021 A JP2011070021 A JP 2011070021A JP 2011070021 A JP2011070021 A JP 2011070021A JP 2012204275 A JP2012204275 A JP 2012204275A
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solar cell
sensitized solar
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transparent conductive
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Masaya Moribe
真也 森部
Akihiro Takechi
晃洋 武市
Naohiko Kato
直彦 加藤
Kazuo Higuchi
和夫 樋口
Koji Kamiyama
浩司 上山
Katsuyoshi Mizumoto
克芳 水元
Tatsuo Toyoda
竜生 豊田
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Toyota Central R&D Labs Inc
Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

【課題】固体型の色素増感型太陽電池において、太陽電池特性をより高める。
【解決手段】色素増感型太陽電池40は、光が透過する透明基板11の表面に透明導電膜12が形成されている透明導電性基板14と、透明導電性基板14の透明導電膜12に直接形成されている電子輸送層としての多孔質半導体層24と、多孔質半導体層24に隣接して設けられた固体の正孔輸送層としての固体p型半導体層26と、固体p型半導体層26及びセパレータ29を介して設けられた対極30と、を備えている。光電極20は、透明導電膜12が形成された透明導電性基板14と、透明導電膜12に配設され受光に伴い電子を放出する多孔質半導体層24と、多孔質半導体層24の上に形成された酸化チタン膜50と、酸化チタン膜50の上に形成された色素層52と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、色素増感型太陽電池の製造方法、色素増感型太陽電池及び色素増感型太陽電池モジュールに関する。
従来、色素増感型太陽電池としては、第1の電極(導電性ガラス)と、第1の電極に対向して配置された第2の電極(対極)と、これらの間に位置する電子輸送層と、電子輸送層に接する色素層と、電子輸送層と第2の電極の間に位置し色素層に接触する正孔輸送層と、第1の電極と電子輸送層との間に設けられたバリア層とを有するものが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。この色素増感型太陽電池では、正孔輸送層が固体である、いわゆる全固体型色素増感型太陽電池として構成されている。
特開2003−331937号公報 特開2008−270042号公報 特開2006−172743号公報
このような色素増感型太陽電池では、例えば、電子輸送層の空孔率を大きくすると、正孔輸送層材料が、色素層の形成された電子輸送層の孔を浸透し、第1の電極に到達して短絡が生じうるため、第1の電極と電子輸送層との間にはバリア層を設けることが必要であった。このように、固体型色素増感型太陽電池において、バリア層を設けることにより、リーク電流の発生をより低減し、光電変換効率の向上を図ってはいるが、光電変換効率の更なる向上が望まれていた。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、固体型の色素増感型太陽電池において、太陽電池特性をより高めることができる色素増感型太陽電池の製造方法、色素増感型太陽電池及び色素増感型太陽電池モジュールを提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、透明導電性基板上に形成された電子輸送層の上に、チタン化合物を含む溶液を用いて酸化チタン膜を形成し、更にその上に色素層を形成すると、固体型の色素増感型太陽電池の変換効率をより高めることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の色素増感型太陽電池の製造方法は、透明導電性基板の上及び/又は透明導電性基板上に形成された電子輸送層の上に、チタン化合物を含む溶液を用いて酸化チタン膜を形成する膜形成工程と、前記形成した酸化チタン膜の上に色素の層を形成し光電極とする色素形成工程と、前記光電極の前記色素の層の上に固体の正孔輸送層を形成する正孔輸送層形成工程と、を含むものである。
本発明の色素増感型太陽電池は、透明導電性基板と、前記透明導電性基板上に形成された電子輸送層と、前記電子輸送層の上に形成された酸化チタン膜と、前記酸化チタン膜の上に形成された色素層と、を備える光電極と、前記光電極に隣接して設けられた固体の正孔輸送層と、を備えたものである。
本発明の色素増感型太陽電池モジュールは、上述した色素増感型太陽電池を複数備えているものである。
本発明は、固体型の色素増感型太陽電池の変換効率など、太陽電池特性をより高めることができる。このような効果が得られる理由は明らかではないが、以下のように推測される。例えば、酸化チタン膜と色素層との両方を導入することにより、透明導電性基板と固体の正孔輸送層との間、あるいは、電子輸送層と固体の正孔輸送層との間で生じうるリーク電流の発生を防止することができるものと考えられる。このため、太陽電池の変換効率がより向上すると推察される。あるいは、透明導電性基板に形成された電子輸送層の上に酸化チタン膜を形成させることにより、透明導電性基板と電子輸送層との結着性が向上することで、固体の正孔輸送層を光電極上に作製したときの光電極の破壊を防止することができるものと考えられる。このため、太陽電池の変換効率がより向上すると推察される。また、透明導電性基板と電子輸送層との結着性が向上することにより、バリヤ層を設けることを要しないため、太陽電池の変換効率がより向上すると推察される。
色素増感型太陽電池モジュール10の構成の概略の一例を示す断面図。 有機色素分子の一例である色素1及び色素2の説明図。 添加剤の一例を示す説明図。 実験例1〜3の測定結果、作製概要及び構成の概略の説明図。 実験例3,4の測定結果、作製概要及び構成の概略の説明図。 実験例4〜6の測定結果、作製概要及び構成の概略の説明図。 実験例6〜8の測定結果、作製概要及び構成の概略の説明図。 実験例6,8の断面のSEM観察結果。
本発明の色素増感型太陽電池モジュールの一実施形態を図面を用いて説明する。図1は、色素増感型太陽電池モジュール10の構成の概略の一例を示す断面図である。図1に示すように、本実施形態に係る色素増感型太陽電池モジュール10は、透明導電性基板14上に複数の色素増感型太陽電池40(以下セルとも称する)が順次配列した構成となっている。これらのセルは直列に接続されている。この色素増感型太陽電池モジュール10では、各セルの間を埋めるように、シール材32が形成されており、透明導電性基板14とは反対側のシール材32の面に平板状の保護部材34が形成されている。本実施形態に係る色素増感型太陽電池40は、光が透過する透明基板11の表面に透明導電膜12が形成されている透明導電性基板14と、透明導電性基板14の透明導電膜12に直接形成されている電子輸送層としての多孔質半導体層24と、多孔質半導体層24に隣接して設けられた固体の正孔輸送層としての固体p型半導体層26と、固体p型半導体層26及びセパレータ29を介して設けられた対極30と、を備えている。光電極20は、透明導電性基板14と、透明基板11の受光面13の反対側の面に分離形成された透明導電膜12に配設され受光に伴い電子を放出する多孔質半導体層24と、多孔質半導体層24の上に形成された酸化チタン膜50と、酸化チタン膜50の上に形成された色素層52と、を備えている。この色素増感型太陽電池40では、光電極20と対極30とが固体p型半導体層26を介して接続されているいわゆる固体型の色素増感型太陽電池として構成されている。このように、色素増感型太陽電池40では、有機溶媒等の電解液を介さずに発電可能な構成となっている。
透明導電性基板14は、透明基板11と透明導電膜12とにより構成され、光透過性及び導電性を有するものであり、シリコン太陽電池や液晶表示パネルに用いられているものを使用することができる。具体的には、フッ素ドープSnO2コートガラス、ITOコートガラス、ZnO:Alコートガラス、アンチモンドープ酸化スズ(SnO2−Sb)、等が挙げられる。また、酸化スズや酸化インジウムに原子価の異なる陽イオン若しくは陰イオンをドープした透明電極、メッシュ状、ストライプ状など光が透過できる構造にした金属電極をガラス基板等の基板上に設けたものも使用できる。この透明導電性基板14の透明導電膜12側の両端には、集電電極16,17が設けられており、この集電電極16,17を介して色素増感型太陽電池40で発電した電力を利用することができる。
透明基板11としては、例えば、透明ガラス、透明プラスチック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体などが挙げられ、このうち、透明ガラスが好ましい。この透明基板11は、透明なガラス基板、ガラス基板表面を適当に荒らすなどして光の反射を防止したもの、すりガラス状の半透明のガラス基板など光を透過するものなどとしてもよい。透明導電膜12は、例えば、透明基板11上に酸化スズを付着させることにより形成することができる。特に、フッ素をドープした酸化スズ(FTO)等の金属酸化物を用いれば、好適な透明導電膜12を形成することができる。透明導電膜12は、所定の間隔に溝18が形成されており、この溝18の幅に相当する間隔を隔てて複数の透明導電膜12の領域が分離形成されている。
多孔質半導体層24は、n型半導体層により形成されているものとしてもよい。n型半導体としては、金属酸化物半導体や金属硫化物半導体などが適しており、例えば、酸化チタン(TiO2)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、硫化カドミウム(CdS)、硫化亜鉛(ZnS)のうち少なくとも1以上であることが好ましく、このうち多孔質の酸化チタンがより好ましい。これらの半導体材料を微結晶又は多結晶状態にして薄膜化することにより、良好な多孔質のn型半導体層を形成することができる。特に、多孔質の酸化チタン層は、光電極20が有するn型半導体層として好適である。この多孔質半導体層24には、図1の模式図に示すように、酸化チタン膜50が形成されており、更に酸化チタン膜50の上に色素層52が形成されている。
酸化チタン膜50は、チタン化合物を含む溶液を用いた処理であるチタン化合物処理により形成されている。このチタン化合物としては、三塩化チタン、チタンアルコキシド、チタン錯体、四塩化チタンからなる群より選択される一種以上が好ましく、化学反応性及び安定性から四塩化チタンがより好適である。このチタン化合物処理は、詳しくは後述する。酸化チタン膜50の膜厚は、例えば、1nm以上200nm以下としてもよい。
色素層52を形成する有機色素分子は、受光に伴い電子を放出する色素である。有機色素は、多孔質のn型半導体の表面に吸着させるものとしてもよい。この吸着は、化学吸着や物理吸着等によって行うことができる。具体的には、多孔質のn型半導体層を透明導電性基板14上に形成したのち、このn型半導体層へ有機色素を含む溶液を滴下して乾燥する方法や、色素溶液に浸漬し乾燥する方法などにより作製することができる。この有機色素分子は、可視光領域および赤外光領域のうち少なくとも一方に吸収を持つ増感特性を有していれば特に限定されるものではない。有機色素分子は、より好ましくは、少なくとも200nm〜10μmの波長の光により励起されて電子を放出するものであればよい。例えば、有機色素分子は、金属錯体であってもよい。図2は、有機色素分子の一例である色素1及び色素2の説明図である。有機色素としては、ロダニン構造を有する有機色素分子(図2の色素1)や、カルバゾール系色素、スクワリリウム系色素、メタルフリーフタロシアニン、シアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素等を用いることができる。また、金属錯体としては、例えば、銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニン等の金属フタロシアニン、クロロフィルまたはその誘導体、ヘミン、ルテニウム、オスミウム、鉄及び亜鉛の錯体等が挙げられる。ルテニウムの錯体としては、例えば、図2の色素2など、シス−ジシアネート−N,N’−ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシレート)ルテニウム(II)などが挙げられる。
固体p型半導体層26は、正孔輸送層としてp型半導体によって構成されている。p型半導体としては、固体の正孔輸送層を形成するものとすればよく、例えば、有機正孔輸送材料や無機正孔輸送材料としてもよい。有機正孔輸送材料としては、例えば、Spiro−OMeTAD(2,2',7,7'-tetrakis(N,N-di-p-methoxyphenilamine)-9,9'-spirobifluorene)や、P3HT(Poly(3-hexylthiophene))などが挙げられる。また、無機正孔輸送材料としては、例えば、Cu化合物やNi化合物を含む半導体により形成された層としてもよい。このCu化合物としては、例えば、CuI、CuSCN、CuO、Cu2Oのうちいずれか1以上が挙げられる。また、Ni化合物としては、NiOなどが挙げられる。このうち、Cu化合物がより好ましく、CuIが更に好ましい。この固体p型半導体層26は、添加剤としてのイオン性液体を含んで作製されていることが好ましい。こうすれば、変換効率や耐久性など、太陽電池特性をより高めることができる。この添加剤は、例えば、p型半導体材料(例えばCu化合物)の濃度に対する添加剤の濃度の割合を0.6%以上12.5%以下とした溶液を用いて固体p型半導体層26に添加されていることが好ましい。この添加剤は、イミダゾリウム系カチオン、ピリジウム系カチオン、脂環式アミン系カチオン及び脂肪族アミン系カチオンのうちいずれか1以上のカチオンと、チオシアネート(SCN-)及びアイオダイド(I-)のうちいずれか1以上のアニオンとを含むイオン性液体を含むことが好ましい。例えば、図3に示すように、トリエチルアミンヒドロチオシアネート(THT)や、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムチオシアネート(EMISCN)、1−ブチル−3−プロピルイミダゾリウムヨージド(PMII)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムチオシアネート(BMISCN)などの液体が挙げられる。このうち、イミダゾリウム系カチオンとチオシアネートのアニオンを含むイオン性液体が好ましい。この色素増感型太陽電池40において、多孔質半導体層24にはp型半導体材料(例えばCu化合物)及びイオン性液体が充填されているものとしてもよい。こうすれば、添加剤がリーク電流の防止層としてより機能しやすい。
セパレータ29は、多孔質半導体層24及び固体p型半導体層26が積層された光電極20の1つの側面に隣接するように断面I字状に形成されている。セパレータ29の一端は透明導電性基板14上の溝18と接触している。これにより、光電極20と対極30との直接接触が回避される。セパレータ29は、絶縁性の材料からなり、例えば、ガラスビーズ、二酸化ケイ素(シリカ)及びルチル型の酸化チタンなどで形成されていてもよい。このセパレータ29としては、シリカ粒子を焼結した絶縁体が好ましい。シリカ粒子は、屈折率が低く光散乱が小さく、良好な透明性を有するため、セパレータに好ましい。
対極30は、セパレータ29の外面と固体p型半導体層26の裏面27とに接触するよう、断面L字状に形成されている。この対極30は、一端が固体p型半導体層26の裏面に接続されていると共に、他端が接続部21を介して隣側の透明導電膜12に接続されている。この対極30の裏面27と接触する面は、光電極20に対して所定の間隔を隔てて対向している。対極30としては、導電性及び固体p型半導体層26との接合性を有するものであれば特に限定されず、例えば、Pt,Au,カーボンなどが挙げられ、このうちカーボンが好ましい。なお、対極30やセパレータ29などは、色素増感型太陽電池40の構成に合わせたものとすれば、どのような形状としてもよい。
シール材32は、絶縁性の部材であれば特に限定されずに用いることができる。このシール材32としては、例えば、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂フィルム、あるいはエポキシ系接着剤を使用することができる。
保護部材34は、色素増感型太陽電池40の保護を図る部材であり、例えば、防湿フィルムや保護ガラスなどとすることができる。この保護部材34は、省略してもよい。
この色素増感型太陽電池40に対して、透明基板11の受光面13側から光を照射すると、透明導電膜12の受光面15を介して光が多孔質半導体層24へ到達し、有機色素が光を吸収して電子と正孔が発生する。正孔は多孔質半導体層24から固体p型半導体層26へ移動する。一方、電子は光電極20から透明導電膜12、接続部21を経由して隣の対極30へ移動する。色素増感型太陽電池40では、この電子と正孔の移動により起電力が発生し、電池の発電作用が得られる。この色素増感型太陽電池モジュール10では、多孔質半導体層24及び透明導電膜12の表面に酸化チタン膜50が形成され、酸化チタン膜50の上に更に色素層52が形成されており、変換効率の低下抑制、及び耐久性の向上が図られている。
この色素増感型太陽電池モジュール10は、製造方法として、基板作製工程、多孔質半導体層形成工程(電子輸送層形成工程)、膜形成工程、色素形成工程、p型半導体層形成工程(正孔輸送層形成工程)、セパレータ形成工程、対極形成工程及び保護部材形成工程を経て製造することができる。まず、基板作製工程では、複数の透明導電膜12の間に溝18を形成しつつ透明導電膜12を透明基板11上に形成する。多孔質半導体層形成工程では、透明導電膜12上に直接n型半導体層を形成するものとしてもよい。n型半導体としては、例えば、多孔質半導体層24で挙げた材料のうちいずれかを用いることができ、このうち多孔質の酸化チタンがより好ましい。n型半導体層の形成方法は、例えば、バーコーター法、印刷法などを用いることができる。なお、多孔質半導体層24の前駆体層を形成したあと、更に、空気中等の酸化雰囲気下、400〜600℃の温度範囲で熱処理することにより、この前駆体層を焼成して多孔質半導体層24を形成してもよい。
膜形成工程では、チタン化合物を含む溶液を用いた処理であるチタン化合物処理を行い、多孔質半導体層24の上に酸化チタン膜50を形成する。このチタン化合物処理では、例えば、チタン化合物を含む溶液に、多孔質半導体層24を形成した透明基板11を浸漬させ、洗浄、熱処理を行うことにより、酸化チタン膜50を形成するものとしてもよい。この膜形成工程では、チタン化合物処理を複数回行うことが好ましい。こうすれば、より安定な酸化チタン膜50を形成することができる。但し、酸化チタン膜50の膜厚が200nm以下の範囲となるように、繰り返し数を調整して行うことが好ましい。
膜形成工程で用いるチタン化合物としては、三塩化チタン、チタンアルコキシド又はチタン錯体及び四塩化チタンなどが挙げられ、このうち四塩化チタンが好ましい。チタンアルコキシドとしては、一般式;Ti(OR)4で表される化合物(Rは官能基)を示す。ここで、上記4つのRは同一であっても異なっていてもよいが、官能基としては、例えば、−CH3、−C25、−iC37、−nC37、−iC49及び−nC49のうち1以上としてもよい。また、チタンアルコキシドとしては、チタンテトライソプロポキシド{Ti(O−iC374}、チタンテトラnブトキシド{Ti(O−nC494}がより高い変換効率を得ることができ、好ましい。チタン錯体としては、酢酸チタン、クエン酸チタン、オキシシュウ酸チタン(IV)カリウム塩、チタンペルオキソ錯体、チタンペルオキソヒドロキシカルボン酸のアンモニウム塩、チタンイソプロポキシドアセチルアセトン誘導体及びチタンアセチルアセトナートのうち、1以上としてもよい。このうち、より高いエネルギー変換効率を得る観点からは、チタンペルオキソクエン酸アンモニウムおよびチタンアセチルアセトナートが好ましい。チタン化合物を含む溶液の溶媒としては、水、アルコール類;エタノール,n−プロパノール,i−プロパノール,n−ブタノール、ヒドロキシエチルメチルエーテルやヒドロキシエチルエチルエーテルなどのエーテル類、アセトンやアセチルアセトンなどのケトン類が挙げられる。また、これら溶媒は、少なくとも2種を任意に混合して使用してもよい。
チタン化合物が三塩化チタン、チタンアルコキシド又はチタン錯体である場合、溶液に浸漬する温度は0〜50℃であることが好ましい。また、チタン化合物が四塩化チタンである場合、溶液に浸漬する温度は0〜120℃であることが好ましい。浸漬温度が0℃未満では加水分解反応速度が遅く酸化チタン膜の析出に長時間を要する。また、浸漬温度が上限温度を超えると、最終的に生成する酸化チタンの粒子の粒子径が大きくなる。チタン化合物の濃度は、例えば、0.01〜0.20mol/Lであることが好ましい。チタン化合物の濃度が0.01mol/L未満では、焼成後に十分な量の酸化チタン膜が析出されない傾向にある。一方、チタン化合物の濃度が0.20mol/Lを超えると、透明導電膜3の分解を進行させる傾向が大きくなる。
また、浸漬後の洗浄液としては、塩酸水溶液や硝酸水溶液、硫酸水溶液などの酸溶液や、エタノールやメタノール、アセトンなどの有機溶媒を使用することができる。こうすれば、チタン化合物含む溶液の余剰な部分を除去することができる。洗浄後の熱処理としては、酸化雰囲気下、400℃以上600℃以下の温度範囲で行うことが好ましい。熱処理温度が400℃以上では、酸化チタン膜を充分に形成することができる。熱処理温度が600℃以下では、透明電極の電気抵抗の増加を抑制したり、透明基板11が歪んでしまうのをより抑制することができる。このような処理を経て、多孔質半導体層24の上に酸化チタン膜50を形成することができる。
色素形成工程では、上述したいずれかの有機色素を多孔質半導体層24へ吸着させ、色素層52を酸化チタン膜50の上に形成し、光電極20とする。有機色素としては、色素層52で説明したいずれか1以上を用いることができる。例えば、色素層52は、有機色素を溶媒に溶解させた色素溶液を上記多孔質半導体層24へ供給し、乾燥固化して形成することができる。このように、光電極20では、透明導電性基板14上に形成された多孔質半導体層24の上に、チタン化合物を含む溶液を用いて酸化チタン膜50を形成し、更にその上に色素層52を形成するのである。こうすれば、リーク電流の発生をより抑制可能である。
次に、p型半導体層形成工程により、固体p型半導体層26を色素層52の上に形成する。p型半導体としては、上述した固体p型半導体層26で説明した材料のいずれか1以上を適宜用いることができる。ここでは、説明の便宜のため、Cu化合物を用いる場合について説明する。この工程では、例えば、多孔質半導体層24上にCu化合物とイオン性液体とを含む溶液を供給し、乾燥させる工程を複数回行い、多孔質半導体層24にCu化合物及びイオン性液体を充填すると共に、多孔質半導体層24上に固体p型半導体層26を形成してもよい。この溶液は、有機溶媒にCu化合物とイオン性液体とを混合して作製してもよい。このとき、Cu化合物の濃度に対するイオン性液体の濃度の割合を0.6%以上12.5%以下とした溶液、より好ましくは3.0%以上10.0%以下とした溶液を用いる。この濃度割合が0.6%以上では、透明導電性基板14と固体p型半導体層26、又は多孔質半導体層24と固体p型半導体層26との間のリーク電流の防止層として機能し、変換効率の低下をより抑制することができる。また、この濃度割合が12.5%以下では、発電しているときに添加剤の消失や拡散がより抑制され、リーク電流を十分防止することができ、電池の耐久性がより高まる。添加剤としては、上述したイオン性液体のうちいずれか1以上を用いるものとしてもよい。このうち、イミダゾリウム系カチオンとチオシアネートのアニオンを含むイオン性液体を用いることが好ましい。有機溶媒としては、例えば、メトキシプロピオニトリルやアセトニトリルのようなニトリル化合物、γ−ブチロラクトンやバレロラクトンのようなラクトン化合物、エチレンカーボネートやプロピレンカーボネートのようなカーボネート化合物が挙げられる。また、この工程では、Cu化合物として、CuI、CuSCN、CuO、Cu2O、Cuのうちいずれか1以上を用いるものとしてもよく、例えばCuIを用いるのが好ましい。Cu化合物を溶媒に溶解させる際に、この溶液のCu濃度は適宜設定することができるが、Cu化合物の飽和溶液とするのが好ましい。こうすれば、多孔質半導体層24上にCu化合物を固体化しやすい。固体p型半導体層26の形成は、例えば、透明基板11を加熱し乾燥しながら上記溶液を供給してもよい。この加熱温度は、有機溶媒の揮発を促進すると共に、イオン性液体が十分安定である温度範囲とすることが好ましく、例えば、40℃以上120℃以下の範囲が好ましい。なお、固体p型半導体層26には、イオン性液体が揮発せずに残留するが、色素増感型太陽電池40は、ほぼ全固体型の色素増感型太陽電池として作動する。
続いて、セパレータ形成工程では、溝18に合わせて光電極20の側面にセパレータ29を形成する。対極形成工程では、セパレータ29と固体p型半導体層26とに接するように対極30を形成する。対極30は、例えばカーボンとしてもよい。保護部材形成工程では、各セルを覆うようにシール材32を形成すると共にシール材32に保護部材34を形成する。このようにして、発電特性が向上した色素増感型太陽電池40及び色素増感型太陽電池モジュール10を作製することができる。
以上詳述した色素増感型太陽電池40では、変換効率など、太陽電池特性をより高めることができる。このような効果が得られる理由は明らかではないが、以下のように推測される。例えば、酸化チタン膜50と色素層52との両方を導入することにより、透明導電性基板14と固体p型半導体層26との間、あるいは、多孔質半導体層24と固体p型半導体層26との間で生じうるリーク電流の発生を防止することができるものと考えられる。このため、太陽電池の変換効率がより向上すると推察される。あるいは、透明導電性基板14に形成された多孔質半導体層24の上に酸化チタン膜50を形成させることにより、透明導電性基板14と多孔質半導体層24との結着性が向上することで、固体p型半導体層26を光電極20の上に作製したときの光電極20の破壊を防止することができるものと考えられる。このため、太陽電池の効率がより向上すると推察される。また、リーク電流の発生防止及び多孔質半導体層24の結着性向上のため、一般に、全固体型の色素増感型太陽電池では、透明導電性基板14と多孔質半導体層24との間に下地層(バリヤ層)を設けることがある。本発明の色素増感型太陽電池40では、酸化チタン膜50及び色素層52により、透明導電性基板14と多孔質半導体層24との結着性が向上し、下地層(バリヤ層)を設けることを要しないため、太陽電池の変換効率を高めることができると推察される。更に、固体p型半導体層26にイオン性液体が存在するため、リーク電流の発生をより確実に防止することができ、変換効率など、太陽電池特性をより高めることができるものと推察された。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば上述した実施形態では、色素増感型太陽電池モジュール10としたが、特にこれに限定されず、単体の色素増感型太陽電池40としてもよい。色素増感型太陽電池40を単体とする場合は、対極30の断面をL字状ではなく、平板状に形成するものとしてもよい。
上述した実施形態では、透明導電膜12の上に直接多孔質半導体層24が形成されているものとしたが、特にこれに限定されず、透明導電膜12の上に、チタン化合物を含む溶液を用いて酸化チタン膜を形成し、この形成した酸化チタン膜を介して多孔質半導体層24が形成されているものとしてもよい。また、透明導電膜12の上に下地層を介して多孔質半導体層24が形成されているものとしてもよい。下地層は、例えば、透光性及び導電性のある材料が好ましく、例えば、酸化チタンや酸化亜鉛、酸化スズなどのn型半導体などが挙げられ、このうち酸化チタンがより好ましい。こうしても、発電特性を向上することができる。
以下には本発明の色素増感型太陽電池を具体的に作製した例を実験例として説明する。種々の構成となるように色素増感型太陽電池を作製し、発電特性について検討した。
[実験例1]
固体p型半導体層(正孔輸送層)としてCuIを用い、有機色素分子として色素2(図2参照)を用いた。まず、TCOガラス基板上に、多孔質半導体層24であるn型半導体層(電子輸送層)として多孔質酸化チタンをスクリーン印刷法で塗布し、150℃で乾燥したのち、電気炉内で450℃に加熱して、酸化チタン層基板を作製した(電子輸送層形成工程)。このように、TCOガラス基板とn型半導体層との間にバリヤ層を形成することなく、TCOガラス基板上に直接、n型半導体層を形成した。次に、上述した色素1を0.4mM溶解したアセトニトリルとtert−ブチルアルコールとを混合した色素溶液を調製した。次に、上記作製した色素2を含む色素溶液に上記酸化チタン層基板をそれぞれ浸漬し、25℃の温度条件の下で15時間放置した。このように、酸化チタン層基板に色素1を吸着させた基板を作製した(色素形成工程)。続いて、アセトニトリルにCuIを飽和させ、添加剤を添加してCuI溶液を調製した。添加剤としては、イオン性液体である1−メチル−3−エチルイミダゾリウムチオシアネート(EMISCN)を用い、CuIの飽和濃度(0.16M)に対する添加剤の濃度の割合を9.4%としたCuI溶液を調製した。続いて、40℃〜120℃のホットプレート上に、上記得られた色素吸着酸化チタン層基板を酸化チタン層が上になるように静置した。調製したCuI溶液を色素吸着酸化チタン層の上に10μL滴下し、CuI溶液に含まれる溶媒を蒸発させることによりCuI及び添加剤を、色素吸着した酸化チタン層内へ充填させた。このようにして、光電極を作製した。続いて、CuI溶液の滴下及び溶媒の蒸発を繰り返し、色素吸着酸化チタン層の上部にCuI層(正孔輸送層)を形成した(正孔輸送層形成工程)。そして、このCuI層の上に、対極としてのPt薄膜を配置し(対極形成工程)、図1に示す固体型の色素増感型太陽電池を作製し、これを実験例1とした。
(実験例2,3)
実験例1の色素増感型太陽電池の作製において、電子輸送層形成工程を行ったあとの酸化チタン層基板を、0.05Mの四塩化チタン水溶液に85℃、1時間浸漬させ、0.1MのHCl水溶液で洗浄、更にエタノールで洗浄したのち、450℃で30分間熱処理を行った(TiCl4処理)。この処理によって、多孔質半導体層24であるn型半導体層の表面やTCOガラス基板上に酸化チタン膜が形成される(膜形成工程)。このTiCl4処理を1回行ったのち、上記実験例1と同様の色素形成工程、正孔輸送層形成工程及び対極形成工程を行い、得られた固体型の色素増感型太陽電池を実験例2とした。また、膜形成工程において、TiCl4処理を3回繰り返して行った以外、実験例2と同様の工程を経て得られた固体型の色素増感型太陽電池を実験例3とした。
(実験例4)
実験例1の色素増感型太陽電池の作製において、電子輸送層形成工程を行ったあとの酸化チタン層基板に、実験例3と同様のTiCl4処理を3回行い、酸化チタン膜を形成したのち、色素層を形成せずに、実験例1と同様の正孔輸送層形成工程及び対極形成工程を行い、得られた固体型の色素増感型太陽電池を実験例4とした。
(実験例5)
実験例1の色素増感型太陽電池の作製において、電子輸送層形成工程を行わずに、TCOガラス基板上に直接、実験例3と同様のTiCl4処理を3回行い、酸化チタン膜を形成したのち、色素形成工程により色素1(図2参照)を酸化チタン膜に吸着させたのちに、実験例1と同様の正孔輸送層形成工程及び対極形成工程を行い、得られた固体型の色素増感型太陽電池を実験例5とした。
(実験例6)
実験例1の色素増感型太陽電池の作製において、色素形成工程により色素1(図2参照)を多孔質酸化チタン層及びTCOガラス基板上に吸着させた以外は実験例1と同様の工程を行い、得られた固体型の色素増感型太陽電池を実験例6とした。
(実験例7)
実験例1の色素増感型太陽電池の作製において、TCOガラス基板上に直接、実験例3と同様のTiCl4処理を3回行い、TCOガラス基板上に酸化チタン膜を形成した。こののち、実験例1と同様の電子輸送層形成工程を行い、酸化チタン膜の上に多孔質酸化チタン層を形成した。続いて、色素形成工程により色素1(図2参照)を多孔質酸化チタン層及び酸化チタン膜に吸着させたあと、実験例1と同様の正孔輸送層形成工程及び対極形成工程を行い、得られた固体型の色素増感型太陽電池を実験例7とした。
(実験例8)
実験例3の色素増感型太陽電池の作製において、色素形成工程により色素1(図2参照)を酸化チタン膜に吸着させた以外は実験例3と同様の工程を行い、得られた固体型の色素増感型太陽電池を実験例8とした。
[TiCl4処理回数の検討]
実験例1〜3の色素増感型太陽電池について、ソーラーシミュレータ(ワコム電創社製WXS−85−H型)を用い、500WのキセノンランプからAMフィルター(AM−1.5)を通して100mW/cm2の疑似太陽光を照射したときの電流−電圧特性(IV特性)をI−Vテスター(ワコム電創社製IV−9701)を用いて測定し、起動開始直後における光起電圧(V)及び変換効率η(%)を求めた。ここで、変換効率ηは、η(%)=100×(Voc×Isc×F.F.)/P0…式(1)を用いて算出した。ただし、式(1)中、P0は入射光強度(mW/cm2)、Vocは開放電圧(V)、Iscは短絡電流密度(mA/cm2)、F.F.は形状因子(Fill Factor)を示す。図4は、実験例1〜3の太陽電池性能の測定結果、作製概要及び構成の概略の説明図である。また、実験例1を「1」とし規格化した、短絡電流密度Jscの比、開放電圧Vocの比、形状因子F.F.の比、変換効率ηの比を表1にまとめて示す。この結果、図4に示すように、TiCl4処理が0回の実験例1では、ほとんど発電することができなかったが、TiCl4処理を繰り返し行うことによって、短絡電流密度Jscの比、開放電圧Vocの比、形状因子F.F.の比、変換効率ηなどすべての太陽電池性能が格段に向上することが明らかとなった。
[色素層の影響の検討]
実験例3,4の色素増感型太陽電池について、上記と同様の条件により、疑似太陽光を照射したときの電流−電圧特性(IV特性)を測定し、その結果をまとめた。図5は、実験例3,4の太陽電池性能の測定結果、作製概要及び構成の概略の説明図である。図5に示すように、色素層を形成することにより、短絡電流密度Jsc、開放電圧Voc、形状因子、変換効率ηなど太陽電池性能が向上することがわかった。この結果から、色素層によって増感する以外にも、色素層によるリーク電流の抑制効果なども得られているのではないかと推察された。
[各層の有無による影響の検討]
実験例4,5,6の色素増感型太陽電池について、上記と同様の条件により、疑似太陽光を照射したときの電流−電圧特性(IV特性)を測定し、その結果をまとめた。図6は、実験例4,5,6の太陽電池性能の測定結果、作製概要及び構成の概略の説明図である。図6の実験例5に示すように、TCOガラス基板の表面にTiCl4処理を数回施すことにより、酸化チタン膜を形成して色素を吸着することで太陽電池のダイオード特性が向上することがわかった。
[酸化チタン膜の形成順の検討]
実験例6,7,8の色素増感型太陽電池について、上記と同様の条件により、疑似太陽光を照射したときの電流−電圧特性(IV特性)を測定し、その結果をまとめた。図7は、実験例6,7,8の太陽電池性能の測定結果、作製概要及び構成の概略の説明図である。図7に示すように、多孔質チタン層の表面に酸化チタン膜を形成した実験例8では、多孔質チタン層の表面に酸化チタン膜を形成しない実験例6に比して、太陽電池性能が向上することが明らかとなった。即ち、多孔質チタン層の形成後にTiCl4処理を行うことが効果的であることがわかった。なお、酸化チタン膜を先に形成した実験例7では、CuI層の作製時にTCOガラス基板と酸化チタン膜との間に剥離が生じたものと推察された。
(SEM観察)
作製した実験例6,8の色素増感型太陽電池の断面を電子顕微鏡(日立ハイテク社製FE−SEM S−5500)により観察した。図8は、実験例6,8の色素増感型太陽電池の作製直後の断面観察結果である。図8に示すように、実験例6では、おそらくCuIの溶液の滴下、乾燥の繰り返しによって、CuI層の体積変化が起き、TCOガラス基板と多孔質チタン層との間に剥離が生じ、この剥離で生じた隙間にCuIが形成されてしまったものと推察される。このように、固体型の色素増感型太陽電池では、TCOガラス基板と多孔質チタン層との間に下地層を設けるなどして、剥離防止や短絡防止を行う必要がある。これに対して、実験例8では、TCOガラス基板と多孔質チタン層との間に剥離は生じず、多孔質チタン層の空隙にCuIなどの充填が十分行われ、各層が均質である色素増感型太陽電池が得られていることが明らかとなった。
以上の実験結果より、透明導電性基板上に形成された多孔質チタン層の上に、チタン化合物を含む溶液を用いて酸化チタン膜を形成し、更にその上に色素層を形成すると、固体型の色素増感型太陽電池の太陽電池性能をより高めることができることが明らかとなった。
本発明の色素増感型太陽電池は、例えば家庭用、オフィス用、工場用の各種電化製品の電源や電気自動車、ハイブリッド自動車、電動自転車などのバッテリのほか、ソーラーパネルなどに利用可能である。
10 色素増感型太陽電池モジュール、11 透明基板、12 透明導電膜、13 受光面、14 透明導電性基板、15 受光面、16,17 集電電極、18 溝、20 光電極、21 接続部、24 多孔質半導体層、25 裏面、26 固体p型半導体層、27 裏面、29 セパレータ、30 対極、32 シール材、34 保護部材、40 色素増感型太陽電池、50 酸化チタン膜、52 色素層。

Claims (8)

  1. 透明導電性基板の上及び/又は透明導電性基板上に形成された電子輸送層の上に、チタン化合物を含む溶液を用いて酸化チタン膜を形成する膜形成工程と、
    前記形成した酸化チタン膜の上に色素の層を形成し光電極とする色素形成工程と、
    前記光電極の前記色素の層の上に固体の正孔輸送層を形成する正孔輸送層形成工程と、
    を含む色素増感型太陽電池の製造方法。
  2. 前記膜形成工程では、前記酸化チタン膜を形成する処理を複数回行う、請求項1に記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の色素増感型太陽電池の製造方法であって、
    透明導電性基板上に直接、電子輸送層を形成する電子輸送層形成工程、を含み、
    前記膜形成工程では、前記透明導電性基板上に直接形成された電子輸送層の上に前記酸化チタン膜を形成する、色素増感型太陽電池の製造方法。
  4. 前記正孔輸送層形成工程では、正孔輸送材料とイオン性液体とを含む溶液を用いて前記正孔輸送層を形成する、請求項1〜3のいずれか1項の記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
  5. 透明導電性基板と、前記透明導電性基板上に形成された電子輸送層と、前記電子輸送層の上に形成された酸化チタン膜と、前記酸化チタン膜の上に形成された色素層と、を備える光電極と、
    前記光電極に隣接して設けられた固体の正孔輸送層と、
    を備えた色素増感型太陽電池。
  6. 前記電子輸送層は、透明導電性基板上に直接形成されている、請求項5に記載の色素増感型太陽電池。
  7. 前記正孔輸送層は、イオン性液体を含んで形成されている、請求項5又は6に記載の色素増感型太陽電池。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池を複数備えている、色素増感型太陽電池モジュール。
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