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JP2016082004A - 太陽電池 - Google Patents

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JP2016082004A
JP2016082004A JP2014210188A JP2014210188A JP2016082004A JP 2016082004 A JP2016082004 A JP 2016082004A JP 2014210188 A JP2014210188 A JP 2014210188A JP 2014210188 A JP2014210188 A JP 2014210188A JP 2016082004 A JP2016082004 A JP 2016082004A
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solar cell
layer
photoelectric conversion
inorganic layer
electrode
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JP2014210188A
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明伸 早川
Akinobu Hayakawa
明伸 早川
元彦 浅野
Motohiko Asano
元彦 浅野
峻士 小原
Shunji Ohara
峻士 小原
麻由美 堀木
Mayumi HORIKI
麻由美 堀木
智仁 宇野
Tomohito Uno
智仁 宇野
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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Abstract

【課題】過酷な環境に晒した場合であっても優れた耐久性を有する太陽電池を提供する。【解決手段】電極2と、対向電極3と、電極2と対向電極3との間に配置された光電変換層4とを有する積層体が、対向電極3上を覆う無機層5で封止されており、無機層5は、一般式ZnaSnbOc(a、b、cは正の整数)で表される金属酸化物を含む太陽電池。【選択図】図2

Description

本発明は、過酷な環境に晒した場合であっても優れた耐久性を有する太陽電池に関する。
従来から、対向する電極間にN型半導体層とP型半導体層とを配置した積層体を備えた光電変換素子が開発されている。このような光電変換素子では、光励起により光キャリアが生成し、電子がN型半導体を、ホールがP型半導体を移動することで、電界が生じる。
現在、実用化されている光電変換素子の多くは、シリコン等の無機半導体を用いて製造される無機太陽電池である。しかしながら、無機太陽電池は製造にコストがかかるうえ大型化が困難であり、利用範囲が限られてしまうことから、無機半導体の代わりに有機半導体を用いて製造される有機太陽電池、無機半導体と有機半導体とを併用して製造される有機太陽電池等が注目されている。
有機太陽電池においては、対向する電極間にN型半導体層とP型半導体層とを配置した積層体を、シール材等の封止樹脂を用いて封止することが一般的である(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、シール材等の封止樹脂を用いて封止された有機太陽電池においては、水分が封止樹脂中を通って内部に浸透し、N型半導体層、P型半導体層等を分解するため、有機太陽電池の耐久性が充分ではないことが問題である。
Proc.of SPIE Vol.7416 74160K−1
本発明は、過酷な環境に晒した場合であっても優れた耐久性を有する太陽電池を提供することを目的とする。
本発明は、電極と、対向電極と、前記電極と前記対向電極との間に配置された光電変換層とを有する積層体が、前記対向電極上を覆う無機層で封止されており、前記無機層は、一般式ZnSn(a、b、cは正の整数)で表される金属酸化物を含む太陽電池である。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、電極と、対向電極と、前記電極と前記対向電極との間に配置された光電変換層とを有する積層体を、前記対向電極上を覆う無機層で封止することにより、太陽電池の耐久性を向上できることを見出した。これは、無機層で封止を行うことにより、この無機層が水蒸気バリア性を有し、封止樹脂で封止を行った場合と比較して水分が内部に浸透することを抑制できるためと考えられる。
しかしながら、太陽電池を過酷な環境に晒した場合、無機層の種類によっては耐久性が充分ではないことがあった。これに対して、本発明者は、無機層で封止を行い、かつ、無機層に一般式ZnSnで表される金属酸化物を用いることにより、太陽電池を過酷な環境に晒した場合であっても耐久性を向上できることを見出し、本発明を完成させるに至った。太陽電池を過酷な環境に晒した場合であっても耐久性を向上できる理由としては、一般式ZnSnで表される金属酸化物がスズ(Sn)原子を含むため、無機層に適度な可撓性を付与することができ、無機層の厚みが増した場合であっても発生する応力が小さいので上記無機層、電極、半導体層等の剥離を抑制することができ、これにより、無機層の水蒸気バリア性を高めることができるためと考えられる。
本発明の太陽電池は、電極と、対向電極と、上記電極と上記対向電極との間に配置された光電変換層とを有する積層体が、上記対向電極上を覆う無機層で封止されたものである。
なお、本明細書中、層とは、明確な境界を有する層だけではなく、含有元素が徐々に変化する濃度勾配のある層をも意味する。なお、層の元素分析は、例えば、太陽電池の断面のFE−TEM/EDS線分析測定を行い、特定元素の元素分布を確認する等によって行うことができる。また、本明細書中、層とは、平坦な薄膜状の層だけではなく、他の層と一緒になって複雑に入り組んだ構造を形成しうる層をも意味する。
上記電極及び上記対向電極の材料は特に限定されず、従来公知の材料を用いることができる。なお、上記対向電極は、パターニングされた電極であることが多い。
上記電極及び上記対向電極の材料として、例えば、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、Al/Al混合物、Al/LiF混合物、金等の金属、CuI、ITO(インジウムスズ酸化物)、SnO、AZO(アルミニウム亜鉛酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、GZO(ガリウム亜鉛酸化物)等の導電性透明材料、導電性透明ポリマー等が挙げられる。これらの材料は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、上記電極及び上記対向電極は、それぞれ陰極になっても、陽極になってもよい。
上記光電変換層は特に限定されないが、例えば、一般式R−M−X(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物、無機半導体(例えば、硫化物及び/又はセレン化物)、有機半導体等を含むことが好ましい。なかでも、上記光電変換層は、上記有機無機ペロブスカイト化合物、或いは、上記硫化物及び/又はセレン化物を含むことがより好ましい。
上記積層体を無機層で封止する際、緻密な層を形成するためには、例えば、スパッタ法等が好適に用いられる。スパッタ法等では封止時に上記光電変換層を劣化させてしまい、光電変換効率が低下することがあるが(初期劣化)、上記光電変換層に上記有機無機ペロブスカイト化合物、或いは、上記硫化物及び/又はセレン化物を用いることにより、封止時の劣化(初期劣化)を抑制することができる。
上記Rは有機分子であり、C(l、m、nはいずれも正の整数)で示されることが好ましい。
上記Rは、具体的には例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、エチルメチルアミン、メチルプロピルアミン、ブチルメチルアミン、メチルペンチルアミン、ヘキシルメチルアミン、エチルプロピルアミン、エチルブチルアミン、イミダゾール、アゾール、ピロール、アジリジン、アジリン、アゼチジン、アゼト、アゾール、イミダゾリン、カルバゾール及びこれらのイオン(例えば、メチルアンモニウム(CHNH)等)やフェネチルアンモニウム等が挙げられる。なかでも、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン及びこれらのイオンやフェネチルアンモニウムが好ましく、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン及びこれらのイオンがより好ましい。
上記Mは金属原子であり、例えば、鉛、スズ、亜鉛、チタン、アンチモン、ビスマス、ニッケル、鉄、コバルト、銀、銅、ガリウム、ゲルマニウム、マグネシウム、カルシウム、インジウム、アルミニウム、マンガン、クロム、モリブデン、ユーロピウム等が挙げられる。これらの金属原子は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子であり、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、硫黄、セレン等が挙げられる。これらのハロゲン原子又はカルコゲン原子は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、構造中にハロゲンを含有することで、上記有機無機ペロブスカイト化合物が有機溶媒に可溶になり、安価な印刷法等への適用が可能になることから、ハロゲン原子が好ましい。更に、上記有機無機ペロブスカイト化合物のエネルギーバンドギャップが狭くなることから、ヨウ素がより好ましい。
上記有機無機ペロブスカイト化合物は、体心に金属原子M、各頂点に有機分子R、面心にハロゲン原子又はカルコゲン原子Xが配置された立方晶系の構造を有することが好ましい。
図1は、体心に金属原子M、各頂点に有機分子R、面心にハロゲン原子又はカルコゲン原子Xが配置された立方晶系の構造である、有機無機ペロブスカイト化合物の結晶構造の一例を示す模式図である。詳細は明らかではないが、上記構造を有することにより、結晶格子内の八面体の向きが容易に変わることができるため、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上すると推定される。
上記硫化物及び/又はセレン化物は特に限定されないが、周期表14族又は15族元素を含むことが好ましく、周期表15族元素を含むことがより好ましい。上記硫化物及び/又はセレン化物は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよく、周期表14族又は15族元素の2種以上の元素を同一の分子に含有する複合硫化物及び/又は複合セレン化物であってもよい。なかでも、硫化アンチモン、硫化ビスマス、硫化スズ、硫化鉛、セレン化アンチモン、セレン化ビスマスが好ましく、硫化アンチモン、硫化スズ、硫化鉛、セレン化アンチモンがより好ましく、硫化アンチモン及び/又はセレン化アンチモンが更に好ましい。
上記有機無機ペロブスカイト化合物、並びに、上記硫化物及び/又はセレン化物は、結晶性半導体であることが好ましい。結晶性半導体とは、X線散乱強度分布を測定し、散乱ピークが検出できる半導体を意味している。上記有機無機ペロブスカイト化合物、並びに、上記硫化物及び/又はセレン化物が結晶性半導体であることにより、上記有機無機ペロブスカイト化合物、並びに、上記硫化物及び/又はセレン化物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上する。
また、結晶化の指標として結晶化度を評価することもできる。結晶化度は、X線散乱強度分布測定により検出された結晶質由来の散乱ピークと非晶質部由来のハローとをフィッティングにより分離し、それぞれの強度積分を求めて、全体のうちの結晶部分の比を算出することにより求めることができる。
上記有機無機ペロブスカイト化合物、並びに、上記硫化物及び/又はセレン化物の結晶化度の好ましい下限は30%である。結晶化度が30%以上であると、上記有機無機ペロブスカイト化合物、並びに、上記硫化物及び/又はセレン化物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上する。結晶化度のより好ましい下限は50%、更に好ましい下限は70%である。
また、上記有機無機ペロブスカイト化合物、並びに、上記硫化物及び/又はセレン化物の結晶化度を上げる方法として、例えば、熱アニール、レーザー等の強度の強い光の照射、プラズマ照射等が挙げられる。
上記硫化物及び/又はセレン化物以外にも、上記無機半導体として、例えば、CuSCN、CuO、CuI、MoO、V、WO、MoS、MoSe、CuS、SnS等が挙げられる。
上記有機半導体として、例えば、ポリ(3−アルキルチオフェン)等のチオフェン骨格を有する化合物等が挙げられる。また、例えば、ポリパラフェニレンビニレン骨格、ポリビニルカルバゾール骨格、ポリアニリン骨格、ポリアセチレン骨格等を有する導電性高分子等も挙げられる。更に、例えば、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ペンタセン骨格、ベンゾポルフィリン骨格等のポルフィリン骨格、スピロビフルオレン骨格等を有する化合物や、表面修飾されていてもよいカーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン等のカーボン含有材料も挙げられる。なかでも、比較的耐久性が高いことから、チオフェン骨格、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ベンゾポルフィリン骨格を有する化合物が好ましい。
上記有機半導体は、長波長領域の光を吸収できることから、ドナー−アクセプター型であることが好ましい。なかでも、チオフェン骨格を有するドナー−アクセプター型の化合物がより好ましく、チオフェン骨格を有するドナー−アクセプター型の化合物のなかでも、光吸収波長の観点から、チオフェン−ジケトピロロピロール重合体が特に好ましい。
上述した光電変換層に用いられる材料は、2種以上が併用されることが好ましく、共に用いられる材料のエネルギーバンドギャップに応じて、それぞれの材料がN型半導体、P型半導体、又は、それらの両方の性能を有する半導体として働く。
上記光電変換層は、例えば、薄膜状の2種以上の半導体の積層体であってもよいし、2種以上の半導体を複合化した複合膜であってもよい。具体的には例えば、上記セレン化アンチモンと上記チオフェン骨格を有する化合物とを含む場合、薄膜状のセレン化アンチモン部位と薄膜状のチオフェン骨格を有する化合物部位とを積層した積層体であってもよいし、セレン化アンチモン部位とチオフェン骨格を有する化合物部位とを複合化した複合膜であってもよい。製法が簡便である点では積層体が好ましく、上記光電変換層中の電荷分離効率を向上させることができる点では複合膜が好ましい。
上記薄膜状の2種以上の半導体の積層体の厚みは、好ましい下限が5nm、好ましい上限が5000nmである。上記厚みが5nm以上であれば、充分に光を吸収することができるようになり、光電変換効率が高くなる。上記厚みが5000nm以下であれば、電荷分離できない領域が発生することを抑制できるため、光電変換効率の向上につながる。上記厚みのより好ましい下限は10nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は20nm、更に好ましい上限は500nmである。
上記光電変換層が、2種以上の半導体を複合化した複合膜である場合、上記複合膜の厚みの好ましい下限は30nm、好ましい上限は3000nmである。上記厚みが30nm以上であれば、充分に光を吸収することができるようになり、光電変換効率が高くなる。上記厚みが3000nm以下であれば、電荷が電極に到達しやすくなるため、光電変換効率が高くなる。上記厚みのより好ましい下限は40nm、より好ましい上限は2000nmであり、更に好ましい下限は50nm、更に好ましい上限は1000nmである。
上記積層体においては、上記電極と上記光電変換層との間に、電子輸送層が配置されていてもよい。
上記電子輸送層の材料は特に限定されず、例えば、N型導電性高分子、N型低分子有機半導体、N型金属酸化物、N型金属硫化物、ハロゲン化アルカリ金属、アルカリ金属、界面活性剤等が挙げられ、具体的には例えば、シアノ基含有ポリフェニレンビニレン、ホウ素含有ポリマー、バソキュプロイン、バソフェナントレン、ヒドロキシキノリナトアルミニウム、オキサジアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、ナフタレンテトラカルボン酸化合物、ペリレン誘導体、ホスフィンオキサイド化合物、ホスフィンスルフィド化合物、フルオロ基含有フタロシアニン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム、硫化スズ、硫化インジウム、硫化亜鉛等が挙げられる。
上記電子輸送層は、薄膜状の電子輸送層のみからなっていてもよいが、多孔質状の電子輸送層を含むことが好ましい。特に、上記光電変換層が、2種以上の半導体を複合化した複合膜である場合、より複雑な複合膜(より複雑に入り組んだ構造)が得られ、光電変換効率が高くなることから、多孔質状の電子輸送層上に複合膜が成膜されていることが好ましい。
上記電子輸送層の厚みは、好ましい下限が1nm、好ましい上限が2000nmである。上記厚みが1nm以上であれば、充分にホールをブロックできるようになる。上記厚みが2000nm以下であれば、電子輸送の際の抵抗になり難く、光電変換効率が高くなる。上記電子輸送層の厚みのより好ましい下限は3nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は5nm、更に好ましい上限は500nmである。
上記積層体においては、上記対向電極と上記光電変換層との間に、ホール輸送層が配置されていてもよい。
上記ホール輸送層の材料は特に限定されず、例えば、P型導電性高分子、P型低分子有機半導体、P型金属酸化物、P型金属硫化物、界面活性剤等が挙げられ、具体的には例えば、ポリエチレンジオキシチオフェンのポリスチレンスルホン酸付加物、カルボキシル基含有ポリチオフェン、フタロシアニン、ポルフィリン、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化スズ、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化銅、硫化スズ等、フルオロ基含有ホスホン酸、カルボニル基含有ホスホン酸、CuSCN、CuI等の銅化合物、カーボンナノチューブ、グラフェン等のカーボン含有材料等が挙げられる。
上記ホール輸送層の厚みは、好ましい下限は1nm、好ましい上限は2000nmである。上記厚みが1nm以上であれば、充分に電子をブロックできるようになる。上記厚みが2000nm以下であれば、ホール輸送の際の抵抗になり難く、光電変換効率が高くなる。上記厚みのより好ましい下限は3nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は5nm、更に好ましい上限は500nmである。
上記積層体は、更に、基板等を有していてもよい。上記基板は特に限定されず、例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等の透明ガラス基板、セラミック基板、透明プラスチック基板等が挙げられる。
本発明の太陽電池は、上記積層体が、上記対向電極上を覆う無機層で封止されたものである。
上記積層体を、上記対向電極上を覆う無機層で封止することにより、太陽電池の耐久性を向上させることができる。これは、上記無機層で封止を行うことにより、上記無機層が水蒸気バリア性を有し、封止樹脂で封止を行った場合と比較して水分が内部に浸透することを抑制できるためと考えられる。
上記無機層は、一般式ZnSn(a、b、cは正の整数)で表される金属酸化物を含む。
太陽電池を過酷な環境に晒した場合、上記無機層の種類によっては耐久性が充分ではないことがあった。これに対して、本発明の太陽電池においては、上記無機層に上記一般式ZnSnで表される金属酸化物を用いることにより、上記金属酸化物がスズ(Sn)原子を含むため、上記無機層に適度な可撓性を付与することができ、上記無機層の厚みが増した場合であっても発生する応力が小さいので上記無機層、電極、半導体層等の剥離を抑制することができる。これにより、上記無機層の水蒸気バリア性を高め、太陽電池を過酷な環境に晒した場合であっても耐久性を向上させることができる。
上記一般式ZnSnで表される金属酸化物においては、ZnとSnとの総和に対するSnの比Xs(wt%)が70>Xs>0を満たすことが好ましい。
なお、上記無機層中の上記一般式ZnSnで表される金属酸化物に含まれる亜鉛(Zn)、スズ(Sn)及び酸素(O)の元素比率は、X線光電子分光(XPS)表面分析装置(例えば、VGサイエンティフィックス社製のESCALAB−200R等)を用いて測定することができる。
上記無機層は、更に、ケイ素(Si)及び/又はアルミニウム(Al)を含むことが好ましい。
上記無機層にケイ素(Si)及び/又はアルミニウム(Al)を添加することにより、上記無機層の透明性を高め、太陽電池の光電変換効率を向上させることができる。
上記無機層の厚みは、好ましい下限が30nm、好ましい上限が3000nmである。上記厚みが30nm以上であれば、上記無機層が充分な水蒸気バリア性を有することができ、太陽電池の耐久性が向上する。上記厚みが3000nm以下であれば、上記無機層の厚みが増した場合であっても、発生する応力が小さいため、上記無機層、電極、半導体層等の剥離を抑制することができる。上記厚みのより好ましい下限は50nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は100nm、更に好ましい上限は500nmである。
なお、上記無機層の厚みは、光学干渉式膜厚測定装置(例えば、大塚電子社製のFE−3000等)を用いて測定することができる。
なお、本発明の太陽電池においては、上記対向電極と上記無機層との間に封止樹脂が配置されていてもよい。上記対向電極上に封止樹脂を配置することにより、上記対向電極上の異物等の影響を緩和させ、耐久性のよい太陽電池を得ることができる。
本発明の太陽電池においては、更に、上記無機層上を封止樹脂が覆っていることが好ましい。これにより、太陽電池の耐久性をより向上させることができる。
上記封止樹脂は特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ブチルゴム、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリブタジエン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリイソブチレン等が挙げられる。なかでも、上記封止樹脂が上記有機無機ペロブスカイト化合物中の有機成分を溶かし出さないという観点から、シリコン樹脂、ブチルゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレンが好ましい。
上記封止樹脂の厚みは、好ましい下限が100nm、好ましい上限が100000nmである。上記厚みのより好ましい下限は500nm、より好ましい上限は50000nmであり、更に好ましい下限は1000nm、更に好ましい上限は20000nmである。
図2は、本発明の太陽電池の一例を模式的に示す断面図である。
図2に示す太陽電池1においては、基板7上に電極2と、対向電極3と、この電極2と対向電極3との間に配置された光電変換層4とを有する積層体が、対向電極3上を覆う無機層5で封止されている。更に、無機層5上を封止樹脂6が覆っている。なお、図2に示す太陽電池1において、対向電極3はパターニングされた電極である。
本発明の太陽電池を製造する方法は特に限定されず、例えば、上記基板上に上記電極、上記光電変換層、上記対向電極をこの順で形成して積層体を作製した後、上記無機層で上記積層体を封止し、更に、上記無機層上を封止樹脂で覆う方法等が挙げられる。
上記光電変換層を形成する方法は特に限定されず、真空蒸着法、スパッタ法、気相反応法(CVD)、電気化学沈積法、印刷法等が挙げられる。なかでも、印刷法を採用することで、高い光電変換効率を発揮できる太陽電池を大面積で簡易に形成することができる。印刷法として、例えば、スピンコート法、キャスト法等が挙げられ、印刷法を用いた方法としてロールtoロール法等が挙げられる。
上記無機層で上記積層体を封止する方法として、真空蒸着法、スパッタ法、気相反応法(CVD)、イオンプレーティング法が好ましい。なかでも、緻密な層を形成するためにはスパッタ法が好ましく、スパッタ法のなかでもDCマグネトロンスパッタリング法がより好ましい。
上記スパッタ法においては、金属ターゲット、及び、酸素ガスを原料とし、上記積層体の上記対向電極上に原料を堆積して成膜することにより、無機層を形成することができる。
上記無機層上を封止樹脂で覆う方法は特に限定されず、例えば、シート状の封止樹脂を用いて上記無機層上をシールする方法、封止樹脂を有機溶媒に溶解させた封止樹脂溶液を上記無機層上に塗布する方法、封止樹脂となる反応性官能基を有する化合物を上記無機層上に塗布した後、熱又はUV等で反応性官能基を有する化合物を架橋又は重合させる方法、封止樹脂に熱をかけて融解させた後に冷却する方法等が挙げられる。
上記反応性官能基として、例えば、エポキシ基、アルケニル基、アルコキシ基、イソシアネート基等が挙げられる。
本発明によれば、過酷な環境に晒した場合であっても優れた耐久性を有する太陽電池を提供することができる。
有機無機ペロブスカイト化合物の結晶構造の一例を示す模式図である。 本発明の太陽電池の一例を模式的に示す断面図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(積層体の作製)
ガラス基板上に、電極として厚み1000nmのFTO膜を形成し、純水、アセトン、メタノールをこの順に用いて各10分間超音波洗浄した後、乾燥させた。
FTO膜の表面上に、2%に調整したチタンイソプロポキシドエタノール溶液をスピンコート法により塗布した後、400℃で10分間焼成し、厚み20nmの電子輸送層を形成した。
次いで、電子輸送層上に有機半導体としてP3HT(ポリチオフェン)(Ardrich社製)とPCBM(フラーレン)(Ardrich社製)の1:1の混合溶液(クロロベンゼン溶液2重量%)をスピンコート法によって200nmの厚みに積層し、その後、MoOを真空蒸着により20nmの厚みに積層し、光電変換層を形成した。
光電変換層上に、対向電極として真空蒸着により厚み100nmの金膜を形成し、積層体を得た。
(積層体の封止)
得られた積層体を、スパッタリング装置の基板ホルダーに取り付け、更に、スパッタリング装置のカソードA及びカソードBにZnSn合金(Zn:Sn=95:5重量%)ターゲットを取り付けた。スパッタリング装置の成膜室を真空ポンプにより排気し、5.0×10−4Paまで減圧した。その後、成膜条件Aに示す条件でスパッタリングし、積層体に無機層としてZnSnO薄膜を50nm形成した。
(成膜条件A)
アルゴンガス流量:50sccm,酸素ガス流量:50sccm
電源出力:カソードA=500W、カソードB=1500W
得られた無機層上に、封止樹脂としてのポリイソブチレン(OPPANOL B 50、BASF社製)を10μm積層したアルミホイルを100℃でラミネートし、太陽電池を得た。
(実施例2〜5)
積層体の封止において、スパッタ法で使用するスパッタ条件を変更することによって表1に示す無機層(材料、厚み)を形成したこと以外は実施例1と同様にして、太陽電池を得た。
(実施例6)
(積層体の作製)
ガラス基板上に、電極として厚み1000nmのFTO膜を形成し、純水、アセトン、メタノールをこの順に用いて各10分間超音波洗浄した後、乾燥させた。
FTO膜の表面上に、2%に調整したチタンイソプロポキシドエタノール溶液をスピンコート法により塗布した後、400℃で10分間焼成し、厚み20nmの薄膜状の電子輸送層を形成した。更に、薄膜状の電子輸送層上に、有機バインダとしてのポリイソブチルメタクリレートと酸化チタン(平均粒子径10nmと30nmとの混合物)とを含有する酸化チタンペーストをスピンコート法により塗布した後、500℃で10分間焼成し、厚み500nmの多孔質状の電子輸送層膜を形成した。
次いで、有機無機ペロブスカイト化合物形成用溶液として、N,N−Dimethylformamide(DMF)を溶媒としてCHNHIとPbIをモル比1:1で溶かし、CHNHIとPbIの合計重量濃度を20%に調製した。この溶液を電子輸送層上にスピンコート法によって積層した。更に、クロロベンゼン25μLにSpiro−OMeTAD(スピロビフルオレン骨格を有する)を68mM、Tert−butylpyridineを55mM、Lithium Bis(trifluoromethylsufonyl)imide塩を9mM溶解させた溶液をスピンコート法によって300nmの厚みに積層し、光電変換層を形成した。
光電変換層上に、対向電極として真空蒸着により厚み100nmの金膜を形成し、積層体を得た。
(積層体の封止)
得られた積層体を、実施例3と同様にして封止し、太陽電池を得た。
(実施例7、8)
積層体の作製において、有機無機ペロブスカイト化合物形成用溶液の配合成分を変更することによって表1に示す光電変換層(有機無機ペロブスカイト化合物)を形成したこと以外は実施例6と同様にして、太陽電池を得た。
なお、実施例7では、N,N−Dimethylformamide(DMF)を溶媒としてCHNHBr、CHNHI、PbBr、PbIをモル比1:2:1:2で溶かした。実施例8では、N,N−Dimethylformamide(DMF)を溶媒としてCHNHIとPbClをモル比3:1で溶かした。
(実施例9)
(積層体の作製)
ガラス基板上に、電極として厚み1000nmのFTO膜を形成し、純水、アセトン、メタノールをこの順に用いて各10分間超音波洗浄した後、乾燥させた。
FTO膜の表面上に、2%に調整したチタンイソプロポキシドエタノール溶液をスピンコート法により塗布した後、400℃で10分間焼成し、厚み20nmの電子輸送層を形成した。
次いで、N,N−ジメチルホルムアミド100重量部に、塩化アンチモン(III)20重量部を添加した後、攪拌することによって溶解した。N,N−ジメチルホルムアミド100重量部に、チオ尿素(CS(NH)20重量部を添加した後、攪拌することによって溶解した。塩化アンチモンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液50重量部に、チオ尿素のN,N−ジメチルホルムアミド溶液40重量部を攪拌しながら徐々に添加した。その際、溶液は混合前の無色透明から黄色透明に変わった。添加終了後に更に30分間攪拌することによって、塩化アンチモンとチオ尿素とを含有する半導体形成用塗布液を作製した。この塗布液を電子輸送層上にスピンコート法によって100nmの厚みに積層した。塗布後、サンプルを真空炉に入れ、真空に引きながら260℃で10分間焼成し、硫化物半導体薄膜を形成した。真空炉から取出した硫化物半導体薄膜は黒色であった。更に、P3HT(ポリチオフェン)(Aldrich社製)の1重量%クロロベンゼン溶液をスピンコート法によって100nmの厚みに積層し、光電変換層を形成した。
光電変換層上に、対向電極として真空蒸着により厚み100nmの金膜を形成し、積層体を得た。
(積層体の封止)
得られた積層体を、実施例3と同様にして封止し、太陽電池を得た。
(実施例10)
積層体の作製において、チオ尿素(CS(NH)の代わりにセレノ尿素(CSe(NH)を用いることによって表1に示す光電変換層を形成したこと以外は実施例9と同様にして、太陽電池を得た。
(実施例11〜13)
積層体の封止において、得られた積層体の対向電極と無機層との間に更に封止樹脂を配置したこと以外は実施例6、9、10と同様にして、太陽電池を得た。
対向電極上に封止樹脂を配置する際には、イソボルニルアクリレート(iB)とエチルヘキシルアクリレート(EH)とアクリロイロキシエチル−コハク酸(反応性官能基を付加できる基としてカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート)との共重合体の2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI)付加物(反応性官能基としてメタクリロイルオキシ基を有する)と、反応触媒としての過酸化物(パークミルD、日油社製)とを含有する混合物をドクターブレードにより対向電極上に厚み10μmに積層し、150℃10分で上記共重合体を架橋反応させた。
(実施例14、15)
積層体の封止において、スパッタリング装置のカソードBのZnSn合金(Zn:Sn=95:5重量%)ターゲットを、シリコンターゲット又はアルミニウムターゲットに取りかえることにより表1に示す無機層(材料、厚み)を形成したこと以外は実施例6と同様にして、太陽電池を得た。
(比較例1〜8)
積層体の封止において、スパッタリング装置のカソードA及びカソードBのZnSn合金(Zn:Sn=95:5重量%)ターゲットを、どちらもシリコンターゲット又はスズターゲットに取りかえることにより表1に示す無機層(材料、厚み)を形成したこと以外は実施例6と同様にして、太陽電池を得た。
(比較例9)
積層体の封止において、スパッタリング装置のカソードA及びカソードBのZnSn合金(Zn:Sn=95:5重量%)ターゲットを、どちらもスズターゲットに取りかえることにより表1に示す無機層(材料、厚み)を形成したこと以外は実施例4と同様にして、太陽電池を得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られた太陽電池について、以下の評価を行った。
(1)封止時の劣化(初期劣化)
封止前の積層体の電極間に、電源(KEITHLEY社製、236モデル)を接続し、強度100mW/cmのソーラーシミュレーション(山下電装社製)を用いて光電変換効率を測定し、初期変換効率とした。
次いで、封止直後の太陽電池の電極間に、電源(KEITHLEY社製、236モデル)を接続し、強度100mW/cmのソーラーシミュレーション(山下電装社製)を用いて光電変換効率を測定し、封止直後の光電変換効率/初期変換効率の値を求めた。
◎:封止直後の光電変換効率/初期変換効率の値が0.5以上
○:封止直後の光電変換効率/初期変換効率の値が0.2以上0.5未満
(2)耐久性
太陽電池を85%RH、85℃の条件下に24時間置いて耐久試験を行った。耐久試験後の太陽電池の電極間に、電源(KEITHLEY社製、236モデル)を接続し、強度100mW/cmのソーラーシミュレーション(山下電装社製)を用いて光電変換効率を測定し、耐久試験後の光電変換効率/封止直後の光電変換効率の値を求めた。
○:耐久試験後の光電変換効率/封止直後の光電変換効率の値が0.7以上
×:耐久試験後の光電変換効率/封止直後の光電変換効率の値が0.7未満
(3)総合評価
○:上記(1)及び(2)において×判定がない
×:上記(1)及び(2)において×判定が1つ以上ある
Figure 2016082004
本発明によれば、過酷な環境に晒した場合であっても優れた耐久性を有する太陽電池を提供することができる。
1 太陽電池
2 電極
3 対向電極(パターニングされた電極)
4 光電変換層
5 無機層
6 封止樹脂
7 基板

Claims (3)

  1. 電極と、対向電極と、前記電極と前記対向電極との間に配置された光電変換層とを有する積層体が、前記対向電極上を覆う無機層で封止されており、
    前記無機層は、一般式ZnSn(a、b、cは正の整数)で表される金属酸化物を含む
    ことを特徴とする太陽電池。
  2. 無機層は、更に、ケイ素(Si)及び/又はアルミニウム(Al)を含むことを特徴とする請求項1記載の太陽電池。
  3. 更に、無機層上を封止樹脂が覆っていることを特徴とする請求項1又は2記載の太陽電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017137234A (ja) * 2016-02-02 2017-08-10 旭化成株式会社 溶液とその製造方法、混合粉体、及び、金属化合物薄膜とその製造方法

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