JP2015044784A - I型アレルギー疾患の予防・治療剤 - Google Patents
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Abstract
少なくともフィラグリン、ロリクリン、またはコルネオデスモシンの産生を促進することによって、これらの欠乏に起因するI型アレルギー疾患を予防・治療する。
【解決手段】
フィラグリン、ロリクリン、またはコルネオデスモシンの欠乏に起因する疾患を予防・治療する予防・治療剤であって、これらフィラグリン、ロリクリン、またはコルネオデスモシンの産生を促進するフィラグリン産生促進剤、ロリクリン産生促進剤、またはコルネオデスモシン産生促進剤を有効成分として含み、上記フィラグリン産生促進剤、ロリクリン産生促進剤、またはコルネオデスモシン産生促進剤がトチュウの葉の抽出物、エゾウコギの根の抽出物、または大葉月橘の葉および/または葉軸の抽出物であり、上記疾患がI型アレルギー疾患である。
【選択図】図1
Description
トチュウの樹皮(これを杜仲という場合もある)は『神農本草経』の上品に収載され、腰痛、足腰の倦怠感解消、頻尿、肝機能・腎機能の強化、高血圧に効果があるとされている。
また、トチュウの葉は杜仲茶として、血圧の降下や肝機能の機能向上に効果があるとされ、広く飲料として利用されている。
皮膚外用剤としては樹皮に美白作用があることが知られ(特許文献1)、部位は判然としないが、抗酸化作用がある(特許文献2)。
しかしながら、トチュウの葉の抽出物がフィラグリン、ロリクリン、コルネオデスモシン等の産生を促進することは知られていなかった。
医薬品等の用途では、ストレス性胃潰瘍の治療または予防、活性酸素消去酵素の活性促進、パーキンソン病の予防、グルタチオンレダクターゼの活性増強、セラミド合成促進、メラニン生成抑制等の作用があることが知られている(特許文献3〜9)。
しかしながら、エゾウコギがフィラグリン、インボルクリン、ロリクリン、コルネオデスモシン等の産生を促進することは知られていなかった。
南洋山椒、カレーノキ(カレーの木)とも呼ばれ、香辛料として用いられている。
皮膚外用剤として、抗酸化、美白、ヒアルロニダーゼ阻害、抗菌等の用途が知られている(特許文献10〜13)。
しかしながら、大葉月橘の葉および/または葉軸の抽出物がフィラグリン、インボルクリン、ロリクリン、コルネオデスモシン等の産生を促進することは知られていなかった。
また、上記大葉月橘の葉および/または葉軸の抽出物は、さらにインボルクリンの欠乏に起因する疾患を予防・治療するインボルクリン産生促進剤であることを特徴とする。
乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。
大葉月橘の葉および/または葉軸より抽出する場合は、未乾燥のものを利用する場合は乾燥した方が抽出効率がよいので、必要により乾燥する。乾燥は天日乾燥や乾燥機を用いて通常通り乾燥し、必要に応じて細断して抽出に用いる。
なお、抽出操作は1回のみの操作に限定されるものではない。抽出後の残渣に再度新鮮な溶媒を添加し、抽出操作を施すこともできるし、抽出溶媒を複数回抽出原料に接触させることも可能である。
また、この抽出物を合成吸着剤(ダイアイオンHP20やセファビースSP825、アンバーライトXAD4、MCIgelCHP20P等)やデキストラン樹脂(セファデックスLH−20など)、限外濾過等を用いてさらに精製することも可能である。
実施例1
反応容器内に、トチュウの葉(乾燥物、細断品)を50g投入し、これに30%(V/V)エタノール水溶液1リッターを加え、ときどき撹拌しながら、25℃で24時間抽出後、JIS P3801に規定されるNo5Cの濾紙を用いて濾過し、これを凍結乾燥した。
反応容器内に、トチュウの葉(乾燥物、細断品)を50g投入し、これに30%(V/V)エタノール水溶液1リッターを加え、ときどき撹拌しながら、25℃で24時間抽出後、限外濾過(アドバンテック ウルトラフィルター Q0100 分画分子量10,000)した。
膜透過液(実施例2−1)と膜不透過液(実施例2−2)を別々に凍結乾燥した。
反応容器内に、トチュウの葉(乾燥物、細断品)を50g投入し、これに30%(V/V)エタノール水溶液1リッターを加え、ときどき撹拌しながら、25℃で24時間抽出後、限外濾過(ミリポア ウルトラセル−PL公称分画分子量1,000)し、膜不透過液を凍結乾燥した。
確認試験
2継代目のヒト包皮由来表皮細胞(クラボウ)を50−70%コンフルエントとなるようHuMedia−KG2培地(フェノールレッド不含)で培養後、前日にカルシウム濃度を1.8mMに変更したHuMedia−KG2培地に、各実施例を添加し、37℃、5%CO2インキュベータ中で2日間培養した。
細胞からの Total RNAの抽出は、トリプシン/EDTAで剥離後、SV Total RNA Isolation System(プロメガ社)を用い、プロメガ社の添付マニュアル(日本語プロトコールNoTM048J2001年6月作成)に従い調製した。RNA濃度は、NanoDrop1000(Thermo SCIENTIFIC)を用い算出した。
2.5μgのTotal RNAを使い、MMLV Reverse Transcriptase RNaseH−(東洋紡社)を用い、東洋紡社推奨プロトコール(TOYOBO BIOCHEMICALS FOR LIFE SCIENCE 2008/2009のページ1−42)に従いRT反応を行った。
リアルタイムPCRはAppliedBiosystems 7500 リアルタイムPCR Systemを用い、以下のように実施した。SYBR Green法を用い(THUNDERBIRD SYBR qPCR Mix,東洋紡社)、7500 リアルタイムPCR Systemの操作マニュアル(AppliedBiosystems)を用いて、Comparative CT(△△CT)法(n=3)により遺伝子発現比較を実施した。内部標準としてGAPDHを使用した。
フィラグリン:フォワードプライマーがGGCAAATCCTGAAGAATCC(配列番号1)の塩基配列と、リバースプライマーがTGCTTTCTGTGCTTGTGTCC(配列番号2)の塩基配列とのセット
ロリクリン:フォワードプライマーがGGAGTTGGAGGTGTTTTCCA(配列番号3)の塩基配列と、リバースプライマーがACTGGGGTTGGGAGGTAGTT(配列番号4)の塩基配列とのセット
コルネオデスモシン:フォワードプライマーがCCCATCTCTGAGGGCAAATA(配列番号5)の塩基配列と、リバースプライマーがCTAGAACTGCTGGGGACTCG(配列番号6)の塩基配列とのセット
GAPDH:フォワードプライマーがGAGTCAACGGATTTGGTCGT(配列番号7)の塩基配列と、リバースプライマーがTTGATTTTGGAGGGATCTCG(配列番号8)の塩基配列とのセット
図1および図2に示すように、実施例1は0.1質量%濃度で、フィラグリンの遺伝子発現量を約4倍に、ロリクリンの遺伝子発現量を約3.5倍に、コルネオデスモシンの遺伝子発現量を約2.5倍に、それぞれ増加させることがわかった。
図3に示すように、実施例2−2の遺伝子発現量が他の実施例より増加量が多く、有効性成分の多くが、限外濾過で分画した場合に分子量10,000以上の分画に存在することがわかった。
図4に示すように、タンパク質レベルでも明らかな増加が認められた。
図5に示すように、実施例1を配合しないコントロールを1として比較したところ、両者に差がなく、実施例1に細胞毒性がないことを確認した。
なお、MTT活性の確認方法は以下のように行った。
24well plateで、確認試験と同一条件で培養した後、培地を交換し、1/10量の5mg/ml 3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロマイドを添加してさらに4時間培養後、等量の0.04N塩酸を含むイソプロパノールを添加して完全に溶解する。この溶液をリファレンス波長630nm、測定波長560nmで測定して、コントロールに対する相対値として算出した。
反応容器内に、エゾウコギの根(乾燥物、細断品)を50g投入し、これに50%(V/V)エタノール水溶液1リッターを加え、ときどき撹拌しながら、25℃で24時間抽出後、JIS P3801に規定されるNo5Cの濾紙を用いて濾過し、これを凍結乾燥した。
インボルクリン:フォワードプライマーがGATGTCCCAGCAACACACAC(配列番号9)の塩基配列と、リバースプライマーがTGCTCACATTCTTGCTCAGG(配列番号10)の塩基配列とのセット
図6に示すように、実施例4はフィラグリンの遺伝子発現量を、0.01質量%で約10倍に、0.02質量%で約20倍に増加させることがわかった。
また、図7に示すように、ロリクリンの遺伝子発現量を約8.5倍に、コルネオデスモシンの遺伝子発現量を約3.5倍に、インボルクリンの遺伝子発現量を約1.5倍に、それぞれ増加させることがわかった。
反応容器内に、大葉月橘の葉および/または葉軸(乾燥物、細断品)を30g投入し、これに50%(V/V)エタノール水溶液1リッターを加え、ときどき撹拌しながら、25℃で24時間抽出後、JIS P3801に規定されるNo5Cの濾紙を用いて濾過し、これを凍結乾燥した。
実施例5と同様に抽出した液(実施例5の凍結乾燥前)を限外濾過(ミリポア社製ウルトラセルPL・分画分子量1,000)した。
膜透過液(実施例6−1)と膜不透過液(実施例6−2)を別々に凍結乾燥した。
図8および図9に示すように、実施例5は0.1質量%で作用させたとき、コルネオデスモシンの遺伝子発現量を約23倍に、フィラグリン、ロリクリンの遺伝子発現量を約3倍に、インボルクリン遺伝子発現量を約6倍に増加させることがわかった。
また、図10に示すように、分子量1,000で限外濾過を用いて分画したところ、分子量1,000以上の分画が、分画前、あるいは分子量1,000以下の分画より1/5の濃度(0.02質量%)でも遺伝子発現量はさらに3倍以上の発現量を示した。
実施例1で得られた抽出物を有効成分とする花粉症の予防・治療するための飲料を実施例7として、同実施例4で得られた抽出物を有効成分とする飲料を実施例8として、同実施例5で得られた抽出物を有効成分とする飲料を実施例9として、以下の成分表の割合で配合して均一に撹拌して作製した。なお、比較例1の飲料は実施例1、実施例4または実施例5で得られた抽出物を精製水に置き換えたものである。
飲料の成分表
実施例1、実施例4または実施例5で得られた抽出物 1g
キシリトール 10g
ビタミンB1塩酸塩 0.5mg
ビタミンB2 0.2mg
ビタミンC 500mg
ナイアシン 1.0mg
パントテン酸カルシウム 1.0mg
精製水 100g
Claims (5)
- フィラグリン、ロリクリン、またはコルネオデスモシンの欠乏に起因する疾患を予防・治療する予防・治療剤であって、
前記フィラグリン、ロリクリン、またはコルネオデスモシンの産生を促進するフィラグリン産生促進剤、ロリクリン産生促進剤、またはコルネオデスモシン産生促進剤を有効成分として含み、前記フィラグリン産生促進剤、ロリクリン産生促進剤、またはコルネオデスモシン産生促進剤がトチュウの葉の抽出物、エゾウコギの根の抽出物、または大葉月橘の葉および/または葉軸の抽出物であり、
前記疾患がI型アレルギー疾患であることを特徴とする予防・治療剤。 - 前記I型アレルギー疾患が花粉症であることを特徴とする請求項1記載の予防・治療剤。
- 前記フィラグリン産生促進剤、ロリクリン産生促進剤、またはコルネオデスモシン産生促進剤が前記トチュウの葉の抽出物であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の予防・治療剤。
- 前記フィラグリン産生促進剤、ロリクリン産生促進剤、またはコルネオデスモシン産生促進剤が前記エゾウコギの根の抽出物であり、該エゾウコギの根の抽出物は、さらにインボルクリンの欠乏に起因する疾患を予防・治療するインボルクリン産生促進剤であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の予防・治療剤。
- 前記フィラグリン産生促進剤、ロリクリン産生促進剤、またはコルネオデスモシン産生促進剤が前記大葉月橘の葉および/または葉軸の抽出物であり、該大葉月橘の葉および/または葉軸の抽出物は、さらにインボルクリンの欠乏に起因する疾患を予防・治療するインボルクリン産生促進剤であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の予防・治療剤。
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