以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、本発明の一態様の半導体装置は、マイクロプロセッサ、画像処理回路、半導体表示装置用のコントローラ、DSP(Digital Signal Processor)、マイクロコントローラ、2次電池などのバッテリーの制御回路または保護回路などの、記憶装置を用いた各種半導体集積回路をその範疇に含む。また、本発明の一態様の半導体装置は、上記半導体集積回路を用いたRFタグ、半導体表示装置などの各種装置を、その範疇に含む。半導体表示装置には、液晶表示装置、有機発光素子(OLED)に代表される発光素子を各画素に備えた発光装置、電子ペーパー、DMD(Digital Micromirror Device)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)等や、記憶装置を駆動回路に有しているその他の半導体表示装置が、その範疇に含まれる。
なお、本明細書において接続とは電気的な接続を意味しており、電流、電圧または電位が、供給可能、或いは伝送可能な状態にすることができるような回路構成になっている場合に相当する。従って、接続している回路構成とは、直接接続している回路構成を必ずしも指すわけではなく、電流、電圧または電位が、供給可能、或いは伝送可能であるように、配線、抵抗、ダイオード、トランジスタなどの素子を介して電気的に接続している回路構成も、その範疇に含む。
例えば、本明細書等において、XとYとが接続されている、と明示的に記載する場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とを含むものとする。ここで、X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図または文章に示された接続関係に限定されず、図または文章に示された接続関係以外のものも含むものとする。
XとYとが電気的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、スイッチは、オンオフが制御される機能を有している。つまり、スイッチは、導通状態(オン状態)、または、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有している。または、スイッチは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有している。
XとYとが機能的に接続されている場合の一例としては、XとYとの機能的な接続を可能とする回路(例えば、論理回路(インバータ、NAND回路、NOR回路など)、信号変換回路(DA変換回路、AD変換回路、ガンマ補正回路など)、電位レベル変換回路(電源回路(昇圧回路、降圧回路など)、信号の電位レベルを変えるレベルシフタ回路など)、電圧源、電流源、切り替え回路、増幅回路(信号振幅または電流量などを大きく出来る回路、オペアンプ、差動増幅回路、ソースフォロワ回路、バッファ回路など)、信号生成回路、記憶回路、制御回路など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、一例として、XとYとの間に別の回路を挟んでいても、Aから出力された信号がBへ伝達される場合は、XとYとは機能的に接続されているものとする。
なお、XとYとが電気的に接続されている、と明示的に記載する場合は、XとYとが電気的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟んで接続されている場合)と、XとYとが機能的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の回路を挟んで機能的に接続されている場合)と、XとYとが直接接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟まずに接続されている場合)とを含むものとする。つまり、電気的に接続されている、と明示的に記載する場合は、単に、接続されている、とのみ明示的に記載されている場合と同じであるとする。
また、回路図上は独立している構成要素どうしが接続されている場合であっても、実際には、例えば配線の一部が電極としても機能する場合など、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合もある。本明細書において接続とは、このような、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合も、その範疇に含める。
また、トランジスタのソースとは、半導体膜として機能する半導体膜の一部であるソース領域、或いは上記半導体膜に電気的に接続されたソース電極を意味する。同様に、トランジスタのドレインとは、半導体膜として機能する半導体膜の一部であるドレイン領域、或いは上記半導体膜に電気的に接続されたドレイン電極を意味する。また、ゲートはゲート電極を意味する。
トランジスタが有するソースとドレインは、トランジスタのチャネル型及び各端子に与えられる電位の高低によって、その呼び方が入れ替わる。一般的に、nチャネル型トランジスタでは、低い電位が与えられる端子がソースと呼ばれ、高い電位が与えられる端子がドレインと呼ばれる。また、pチャネル型トランジスタでは、低い電位が与えられる端子がドレインと呼ばれ、高い電位が与えられる端子がソースと呼ばれる。本明細書では、便宜上、ソースとドレインとが固定されているものと仮定して、トランジスタの接続関係を説明する場合があるが、実際には上記電位の関係に従ってソースとドレインの呼び方が入れ替わる。
なお、本明細書等において、スイッチとしては、様々な形態のものを用いることができる。スイッチは、導通状態(オン状態)、または、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有している。または、スイッチは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有し、例えば、経路1に電流を流すことが出来るようにするか、経路2に電流を流すことができるようにするかを選択して切り替える機能を有している。スイッチの一例としては、電気的スイッチ又は機械的なスイッチなどを用いることができる。つまり、スイッチは、電流を制御できるものであればよく、特定のものに限定されない。スイッチの一例としては、トランジスタ(例えば、バイポーラトランジスタ、MOSトランジスタなど)、ダイオード(例えば、PNダイオード、PINダイオード、ショットキーダイオード、MIM(Metal Insulator Metal)ダイオード、MIS(Metal Insulator Semiconductor)ダイオード、ダイオード接続のトランジスタなど)、又はこれらを組み合わせた論理回路などがある。機械的なスイッチの一例としては、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)のように、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)技術を用いたスイッチがある。そのスイッチは、機械的に動かすことが可能な電極を有し、その電極が動くことによって、導通と非導通とを制御して動作する。
〈セルアレイの構成例〉
図1に、本発明の一態様にかかる記憶装置が有するセルアレイの構成を、一例として示す。
図1に示すセルアレイ10は、複数のセルアレイに分割されている。以下、本明細書では、上記複数のセルアレイをセルアレイ10と区別するために、上記複数の各セルアレイをユニットと称する。
図1に示すセルアレイ10は、ユニット10−1乃至ユニット10−t(tは2以上の自然数)を有する。そして、ユニット10−1乃至ユニット10−tは、それぞれ、複数のメモリセル11を有する。また、セルアレイ10は、メモリセル11を行ごとに選択するための信号が供給される複数の配線WLと、配線WLに供給される信号により選択されたメモリセル11への、データを含む信号の供給を行う単数または複数の配線BLとを有する。
具体的に、図1では、ユニット10−1乃至ユニット10−tが、y本(yは2以上の自然数)の配線WLをそれぞれ有し、各配線WLがy行のメモリセル11に接続されている場合を例示している。例えば、ユニット10−i(iはt以下の自然数)は、配線WL(i−1)y+1乃至配線WLiyで示されるy本の配線WLを有する。また、具体的に、図1では、ユニット10−1乃至ユニット10−tがx本(xは自然数)の配線BLを共有している場合を例示している。
さらに、本発明の一態様では、ユニット10−1乃至ユニット10−tが、x本の配線BLにそれぞれ対応するx本の配線BLsと、x本の配線BLsにそれぞれ対応したスイッチ12、スイッチ16、及び回路13とを、それぞれ有する。配線BLsは、配線BLよりも寄生容量が小さいものとする。
図1では、配線BLs1乃至配線BLsxで示される配線BLsが、x列のメモリセル11にそれぞれ接続されている。そして、スイッチ12は、x本の配線BLとx本の配線BLsとの電気的な接続を制御する機能を有する。スイッチ12がオンになることで、x本の配線BLの電位が、それぞれ対応するx本の配線BLsに供給される。
なお、配線BL及びBLsの数は、メモリセル11の数及び配置によって決めることができる。
図14には、一例として、1つのユニットに、2つのメモリセル11が配置された場合の1列分の回路図を示す。図14では、セルアレイ10に、ユニット10−1、ユニット10−2、ユニット10−3が設けられている場合の例を示す。
ここで、回路13は、例えば、インピーダンスを変換することができる機能を有している。例えば、出力インピーダンスを小さくすることが出来る機能を有している。または、回路13は、例えば、比較器の機能を有している。または、回路13は、センスアンプの機能を有している。または、回路13は、増幅器の機能を有している。例えば、回路13は、入力された電位に応じて、スイッチ16を介して、電位や信号を出力することが出来る。このとき出力される信号は、アナログ信号だけでなく、デジタル信号でもよい。回路13として、比較器の機能を有する場合には、基準電圧と比較して、高いか低いかによって、2値のデジタル信号を出力することが出来る。つまり、AD変換をすることができる機能を有しているともいえる。または、回路13として、アナログの増幅器の機能を有する場合には、入力のアナログ信号に応じたアナログ信号を出力することが出来る。
そこで、図1では、回路13として、ソースフォロワやボルテージフォロワなどのバッファを用いる場合を例示している。回路13の入力端子には配線BLsの電位が供給される。スイッチ16は、回路13の出力端子と、配線BLとの間の接続を制御する機能を有する。スイッチ16がオンになることで、x本の配線BLsの電位に応じた電位が、回路13を介して、対応するx本の配線BLにそれぞれ供給される。なお、回路13が、出力をハイインピーダンス状態にすることができる場合には、スイッチ16が設けられていない場合もある。
メモリセル11は、トランジスタ14と、トランジスタ14を介して配線BLsの電位が供給される容量素子15と、を有する。なお、本発明の一態様にかかる記憶装置は、メモリセル11が複数のトランジスタ14を有し、複数の当該トランジスタ14を介して配線BLsの電位が容量素子15に供給される構成を有していても良い。
具体的に、図1では、トランジスタ14のゲートがy本の配線WLのいずれか1つに接続されている。また、トランジスタ14は、ソース及びドレインの一方が、x本の配線BLsのいずれか1つに接続され、ソース及びドレインの他方が、容量素子15の有する一対の電極の一方に接続されている。
〈セルアレイの動作例〉
次いで、図1に示すセルアレイ10の動作の一例について説明する。
まず、メモリセル11への、データの書き込みについて説明する。データの書き込み時には、ユニット10−1乃至ユニット10−tのいずれか一のユニット、または、すべてのユニットにおいて、スイッチ12をオンにすることで、配線BLと、配線BLsとの間を導通状態にする。また、当該一のユニットにおいて、y本の配線WLのいずれか1つを選択することで、データの書き込みが行われるメモリセル11の、トランジスタ14がオンになる。上記動作により、配線BLに供給されている、データを含む信号の電位は、スイッチ12及びトランジスタ14を介して、容量素子15に供給される。
なお、データの書き込みを行う際には、信号が混じってしまうことを低減するために、一例としては、スイッチ16はオフにすることが望ましい。
次いで、トランジスタ14をオフにすることで、データを含む信号の電位は、容量素子15において保持される。
なお、データの書き込み時における、配線BLと配線BLsとの間の導通状態の制御は、一のユニット内の、全ての配線BL及び配線BLsについて行っても良いし、データの書き込みを行うメモリセル11に接続された配線BLsと、当該配線BLsに対応した配線BLとについてのみ、行うようにしても良い。
また、データの書き込み時における、配線BLと配線BLsとの間の導通状態の制御を、一のユニット内の、全ての配線BL及び配線BLsについて行う場合、一のユニット内の、複数のメモリセル11へのデータの書き込みが完了するまで、上記導通状態を維持するようにしても良い。
なお、メモリセル11へのデータの書き込みを行う前に、スイッチ12をオンにした状態で配線BLに所定の電位を供給することで、配線BLsの電位を初期化しても良い。
次いで、メモリセル11からの、データの読み出しについて説明する。データの読み出しを行うには、まず、データの読み出しを行うユニットが有する、配線BL及び配線BLsの電位の初期化を行う。具体的には、ユニット10−1乃至ユニット10−tのいずれか一のユニットにおいて、スイッチ12をオンにすることで、配線BLと、配線BLsとの間を導通状態にする。そして、配線BLの初期化用の電位を供給することで、配線BL及び配線BLsの電位を初期化することができる。
なお、配線BL及び配線BLsの電位の初期化を行うとき、信号が混じってしまうことを低減するために、、一例としては、スイッチ16はオフとすることが望ましい。
配線BL及び配線BLsの電位を初期化した後、スイッチ12をオフにして、配線BLと配線BLsとの間を非導通状態にする。
なお、配線BL以外の配線を用いて、配線BLsの電位の初期化を行ってもよい。図15では、配線901と、スイッチ902とを用いて、配線BLsの電位を初期化した場合の例を示す。スイッチ12ではなく、スイッチ902のオンオフを制御することによって、配線BLsの電位を制御する。この場合、配線901は、ずっと一定の電位のままでもよい。その結果、電位の変動がないため、充放電する必要がなく、消費電力を低減することが出来る。なお、配線901は、メモリセル11全体にわたって接続されていてもよい。
次いで、データの読み出しを行うユニットが有する、y本の配線WLのいずれか1つを選択することで、データの読み出しが行われるメモリセル11の、トランジスタ14をオンにする。上記動作により、容量素子15と配線BLsとの間で電荷の移動が生じるため、容量素子15に保持されていた電荷量に従って、配線BLsの電位が変動する。具体的には、保持されていた容量素子15の電位が、初期化用の電位よりも高ければ、配線BLsの電位は高電位側に変動し、容量素子15の電位が、初期化用の電位よりも低ければ、配線BLsの電位は低電位側に変動する。
次いで、スイッチ16をオンにすると、配線BLsの電位に応じた電位は、回路13と、スイッチ16とを介して配線BLに供給される。回路13を用いることで、配線BLに供給される電位の高さは、配線BLが有する寄生容量の大きさと、配線BLsが有する寄生容量の大きさとの関係に左右されにくくなる。配線BLに供給された電位は、セルアレイ10から読み出される。セルアレイ10からのデータの読み出しが終了したら、スイッチ16はオフにする。
なお、スイッチ16を介して回路13から配線BLに信号が出力されたあと、スイッチ12やスイッチ902を用いて、配線BLsの電位を制御してもよい。その電位が、回路13からの出力がハイインピーダンス状態になる場合には、スイッチ16を設けなくてもよい。つまり、スイッチ16がなくても、回路13から信号が出力されないように、配線BLsの電位を制御してもよい。
また、データの読み出し時における、配線BLと配線BLsとの間の導通状態を、一のユニット内の、全ての配線BL及び配線BLsについて行う場合、一のユニット内の、複数のメモリセル11からのデータの読み出しが完了するまで、上記導通状態を維持するようにしても良い。
なお、従来のDRAMの場合、データの読み出しの際に、ビット線に例えばVDD/2の電位をプリチャージしたとする。そして、ビット線の寄生容量の容量値をCp、容量素子の容量値をCs、容量素子に保持されているデータの電位をV1、メモリセルのトランジスタがオンしたあとのビット線の電位をV2とすると、電位V2は以下の式1で表される。
V2=((VDD/2)xCp+V1xCs)/(Cp+Cs) (式1)
ビット線の電位の変動分が、電位VDDの2.5%に相当すると仮定し、V2=0.525xVDDとする。そして、V1=VDD、Cp=nCsとすると、式1から、以下の式2が導き出される。
0.525VDDx(n+1)Cs=(n/2)xVDDxCs+VDDxCs (式2)
式2からn=19が算出される。よって、ビット線の寄生容量の容量値Cpを500fFとすると、容量素子の容量値Csは27fFとなる。容量値27fFの容量素子を得るためには、厚さ20nmの酸化膜を用いる場合、16μm2もの大きな面積が必要になる。DRAMのメモリセルは現在60nm以下になっているため、単純な平行平板膜を用いた場合では、上記容量値Csを満たすような容量素子を得ることができない。また、現在のDRAMのように、筒状の高アスペクト構造を有する容量素子を用いる場合、構造が複雑であるがゆえに作製が難しいという欠点があった。
本発明の一態様にかかる記憶装置では、図1を用いて説明したように、配線BLを共有する一のセルアレイ10を、ユニット10−1乃至ユニット10−tで例示したような複数のユニットに分割する。そして、データの読み出し時には、複数の各ユニットにおいて、配線BLsに容量素子15の電位を供給し、次いで、配線BLsからインピーダンス変換機能などを有する回路を介して、当該電位を配線BLに供給している。そして、配線BLsは、配線BLより長さが短いため、その寄生容量を配線BLより小さくしやすい。よって、配線BLsの寄生容量が配線BLの寄生容量の1/10であれば、容量素子15を従来のDRAMの1/10の大きさにまで縮小しても、読み出し時において配線BLの電位の変化が小さくなるのを、防ぐことができる。よって、容量素子15を小さくしても、データの読み出しを行うことができる。つまり、ノイズに対する耐性が強くなっているとも言える。または、出力信号の振幅が大きくなっているともいえる。または、容量素子15を小さくできるため、回路の集積度を向上させることが出来る。また、上記記憶装置を用いることで、本発明の一態様にかかる半導体装置の信頼性を高めることができる。
なお、回路13として、比較器の機能を有する場合、配線901を基準電位として利用してもよい。その場合の例を、図16に示す。回路13Aの第1入力端子は、配線BLsが接続され、回路13Aの第2入力端子は、配線901が接続されている。配線901には、初期化用の電位が供給されており、配線BLsの電位が、配線901の電位よりも高いか低いかに応じて、回路13Aからスイッチ16を介して、信号が出力される。回路13Aとしては、オペアンプ、差動増幅回路、チョッパ型コンパレータ、などを用いることが出来る。また、図17には、図14と同様に、一例として、1つのユニットに、2つのメモリセル11が配置された場合の1列分の回路図を示す。図17では、セルアレイ10に、ユニット10−1、ユニット10−2、ユニット10−3が設けられている場合の例を示す。配線901は、各ユニットにおいて、互いに接続されている。
〈セルアレイの構成例2〉
次いで、図1に示したセルアレイ10の、より具体的な構成の一例を、図2に示す。
図2に示すセルアレイ10は、スイッチ12としてトランジスタ12tを用い、スイッチ16としてトランジスタ16tを用いている点において、図1に示すセルアレイ10と構成が異なる。そして、図2に示すセルアレイ10では、ユニット10−1乃至ユニット10−tで示す各ユニット内において、全てのトランジスタ12tのゲートが配線SLaに接続されており、全てのトランジスタ16tのゲートが配線SLbに接続されている場合を例示している。
具体的に、図2に示すセルアレイ10は、配線SLa1乃至配線SLayと、配線SLb1乃至配線SLbyとを有する。例えば、ユニット10−iでは、トランジスタ12tのゲートが配線SLaiに接続されており、トランジスタ16tのゲートが配線SLbiに接続されている。
また、図2に示すセルアレイ10は、トランジスタ13tを回路13として用いている点において、図1に示すセルアレイ10と構成が異なる。具体的に、トランジスタ13tは、ゲートが配線BLsに接続されている。
そして、トランジスタ12tは、ソース及びドレインの一方が配線BLに接続されており、ソース及びドレインの他方が配線BLsに接続されている。また、トランジスタ13tは、ソース及びドレインの一方が、配線HL1乃至配線HLyで示される配線HLに接続されており、ソース及びドレインの他方が、トランジスタ16tのソース及びドレインの一方に接続されている。トランジスタ16tは、ソース及びドレインの他方が配線BLに接続されている。なお、トランジスタ13tとトランジスタ16tとは、直列に接続されていればよいため、図19のような構成にしてもよい。
なお、配線SLa、配線SLb、配線HLの数は、ユニット10−1乃至ユニット10−tの数によって決めることができる。
次いで、図2に示すセルアレイ10の動作について、図3に示すタイミングチャートを用いて説明する。なお、図3では、ユニット10−1内の1列1行目のメモリセル11と、x列1行目のメモリセル11と、1列y行目のメモリセル11と、x列y行目のメモリセル11とにおいて、データの書き込み、保持、読み出しを行う場合を例に挙げている。
セルアレイ10へのデータの書き込みは、行ごとに行われる。図3では、1列1行目のメモリセル11及びx列1行目のメモリセル11へのデータの書き込みを先に行い、その後で、1列y行目のメモリセル11及びx列y行目のメモリセル11へのデータの書き込みを行う場合を例示している。
まず、期間T1において、配線SLa1に、ハイレベルの電位VHが供給され、トランジスタ12tがオンになる。そして、書き込みを行う1行目のメモリセル11に接続された配線WL1には、ハイレベルの電位VHが供給され、配線WL1以外の全ての配線WLには、ローレベルの電位VLが供給される。よって、配線WL1にゲートが接続されているトランジスタ14のみが、選択的にオンになる。
そして、配線WL1にハイレベルの電位VHが供給されている期間において、配線BL1、配線BLxに、データを含む信号の電位が供給される。配線BL1、配線BLxに供給される電位のレベルは、データの内容によって当然異なる。図3では、配線BL1にハイレベルの電位VDDが供給され、配線BLxに接地電位GNDが供給されている場合を例示する。配線BL1、配線BLxに供給される電位は、オンのトランジスタ14を介して、容量素子15が有する電極の一つに供給される。
なお、一般に、電位や電圧は、相対的なものである。よって、接地電位GNDの電位は、必ずしも0ボルトであるとは限定されない。
なお、電位VHは電位VDDと同じか、それより高いものとする。具体的に、電位VHと電位VDDの電位差は、トランジスタ14の閾値電圧と同じか、それより大きいものとする。
容量素子15の一方の電極をノードNDとすると、配線BL1、配線BLxに供給される電位に従って、ノードNDの電位は、1列1行目のメモリセル11において電位VDDとなり、x列1行目のメモリセル11において接地電位GNDとなる。そして、ノードNDの電位に従って容量素子15に供給される電荷量が制御されることで、1列1行目のメモリセル11と、x列1行目のメモリセル11へのデータの書き込みが行われる。
次いで、配線WL1に電位VLが供給される。よって、配線WL1にゲートが接続されているトランジスタ14がオフになり、容量素子15において電荷が保持される。
なお、トランジスタ14の半導体膜に酸化物半導体を用いた場合、トランジスタ14のオフ電流を極めて小さくすることができる。よって、容量素子15に保持されている電荷のリークが妨げられ、トランジスタ14にシリコンなどの半導体を用いた場合に比べ、長い期間に渡ってデータの保持を行うことができる。
次いで、書き込みを行うy行目のメモリセル11に接続された、配線WLyの選択を行う。具体的に図3では、配線WLyにハイレベルの電位VHが供給され、配線WLy以外の全ての配線WLには、電位VLが供給される。よって、配線WLyにゲートが接続されているトランジスタ14のみが、選択的にオンになる。
そして、配線WLyにハイレベルの電位VHが供給されている期間において、配線BL1、配線BLxに、データを含む信号の電位が供給される。配線BL1、配線BLxに供給される電位のレベルは、データの内容によって当然異なる。図3では、配線BL1に接地電位GNDが供給され、配線BLxにハイレベルの電位VDDが供給されている場合を例示する。配線BL1、配線BLxに供給される電位は、オンのトランジスタ14を介して、容量素子15が有する電極の一つに供給される。配線BL1、配線BLxに供給される電位に従って、ノードNDの電位は、1列y行目のメモリセル11において接地電位GNDとなり、x列y行目のメモリセル11において電位VDDとなる。そして、ノードNDの電位に従って容量素子15に供給される電荷量が制御されることで、1列y行目のメモリセル11と、x列y行目のメモリセル11へのデータの書き込みが行われる。
次いで、配線WLyに電位VLが供給される。よって、配線WLyにゲートが接続されているトランジスタ14がオフになり、容量素子15において電荷が保持される。そして、配線SLa1に、電位VLが供給されることで、トランジスタ12tはオフとなる。
なお、メモリセル11に誤ったデータが書き込まれるのを防ぐために、各配線WLの選択が終了した後に、配線BLへのデータを含む電位の供給を停止させることが望ましい。
また、データの保持が行われる期間において、全ての配線WLには、トランジスタ14がオフになるレベルの電位、具体的には電位VLが供給される。よって、容量素子15に供給された電荷が保持されている間において、データは保持される。
次いで、セルアレイ10からのデータの読み出しを行う。セルアレイ10からのデータの読み出しは、行ごとに行う。そして、各行のメモリセル11からデータを読み出す前に、配線BLs及び配線BLの電位の初期化を行う。
まず、配線SLa1にハイレベルの電位VHが供給され、トランジスタ12tがオンになる。そして、読み出しが行われるメモリセル11に接続された、配線BL1及び配線BLxに、中間レベルの電位VRが供給される。具体的に図3では、少なくとも、1列目のメモリセル11に接続された配線BL1と、x列目のメモリセル11に接続された配線BLxとに、中間レベルの電位VRが供給される。なお、電位VRは、電位VDDと同じか、もしくは電位VDDより低く接地電位GNDよりも高い電位であるものとする。そして、電位VRが供給された後は、配線BL1と配線BLxを、共にフローティングの状態とする。また、配線SLa1にローレベルの電位VLが供給され、トランジスタ12tがオフになる。よって、配線BL1及び配線BLxと、配線BLs1及び配線BLsxとは、それぞれ電気的に分離される。
次いで、読み出しを行う1行目のメモリセル11に接続された配線WL1に、ハイレベルの電位VHが供給され、配線WL1以外の配線WLには電位VLが供給される。よって、配線WL1にゲートが接続されているトランジスタ14のみが選択的にオンになる。
トランジスタ14がオンになると、容量素子15に保持されている電荷が、読み出しを行う配線BLsに放出されるか、或いは、読み出しを行う配線BLsから容量素子15に、電荷が供給される。上記動作は、保持期間におけるノードNDの電位により決まる。
具体的に、図3に示すタイミングチャートの場合、データの書き込み時において、1列1行目のメモリセル11におけるノードNDは電位VDDである。よって、読み出し時においてトランジスタ14がオンになると、1列1行目のメモリセル11における容量素子15から配線BLs1に電荷が放出されるため、配線BLs1の電位は高まり、電位VR+αとなる。また、データの書き込み時において、x列1行目のメモリセル11におけるノードNDは接地電位GNDである。よって、読み出し時においてトランジスタ14がオンになると、x列1行目のメモリセル11における容量素子15に配線BLsxから電荷が供給されるため、配線BLsxの電位は低くなり、電位VR−βとなる。
また、配線SLb1にハイレベルの電位VHが供給されることで、トランジスタ16tがオンになる。トランジスタ13tをnチャネル型とし、配線HL1に電位VDD、若しくは電位VDDより高い電位を与えると、トランジスタ13tはソースフォロワとして機能する。よって、配線BLs1に電位VR+αが与えられると、配線BL1には、電位VR+αよりトランジスタ13tのゲート電圧Vgsだけ低い電位が与えられる。また、配線BLsxに電位VR−βが与えられると、配線BLxには、電位VR−βよりもトランジスタ13tのゲート電圧Vgsだけ低い電位が与えられる。
従って、配線BL1、配線BLxの電位は、1列1行目のメモリセル11とx列1行目のメモリセル11の容量素子15に保持されている電荷量に応じた高さとなる。そして、上記電位から電荷量の違いを読み取ることにより、1列1行目のメモリセル11と、x列1行目のメモリセル11から、データを読み出すことができる。読み出しが終了すると、配線SLb1にはローレベルの電位VLが供給され、トランジスタ16tはオフとなる。
なお、トランジスタ13tから配線BLに信号が出力されたあと、トランジスタ12tを用いて、配線BLsの電位が低くなるようにして、トランジスタ13tのゲート電位を低くして、トランジスタ13tがオフ状態となるようにしてもよい。そのように動作させる場合には、図18に示すように、トランジスタ16tを設けなくてもよい。
1列1行目のメモリセル11と、x列1行目のメモリセル11からのデータの読み出しが終了したら、再び、配線SLa1にハイレベルの電位VHが供給され、トランジスタ12tがオンになる。そして、読み出しが行われるメモリセル11に接続された、配線BL1及び配線BLxに、中間レベルの電位VRが供給される。配線BL1及び配線BLxに中間レベルの電位VRを与えた後、配線BL1及び配線BLxをフローティングの状態にする。また、配線SLa1にローレベルの電位VLが供給され、トランジスタ12tがオフになる。よって、配線BL1及び配線BLxと、配線BLs1及び配線BLsxとは、それぞれ電気的に分離される。
そして、読み出しを行うy行目のメモリセル11に接続された配線WLyに、ハイレベルの電位VHが供給され、配線WLy以外の配線WLには電位VLが供給される。よって、配線WLyにゲートが接続されているトランジスタ14のみが選択的にオンになる。
トランジスタ14がオンになると、容量素子15に保持されている電荷が、読み出しを行う配線BLに放出されるか、或いは、読み出しを行う配線BLから容量素子15に、電荷が供給される。上記動作は、保持期間におけるノードNDの電位により決まる。
具体的に、図3に示すタイミングチャートの場合、データの書き込み時において、1列y行目のメモリセル11におけるノードNDは接地電位GNDである。よって、読み出し時においてトランジスタ14がオンになると、1列y行目のメモリセル11における容量素子15に配線BLs1からの電荷が供給されるため、配線BLs1の電位は低くなり、電位VR−βとなる。また、データの書き込み時において、x列y行目のメモリセル11におけるノードNDは電位VDDである。よって、読み出し時においてトランジスタ14がオンになると、x列y行目のメモリセル11における容量素子15から配線BLsxに電荷が放出されるため、配線BLsxの電位は高まり、電位VR+αとなる。
また、配線SLb1にハイレベルの電位VHが供給されることで、トランジスタ16tがオンになる。上述したように、トランジスタ13tはソースフォロワとして機能する。よって、配線BLs1に電位VR−βが与えられると、配線BL1には、電位VR−βよりもトランジスタ13tのゲート電圧Vgsだけ低い電位が与えられる。また、配線BLsxに電位VR+αが与えられると、配線BLxには、電位VR+αよりトランジスタ13tのゲート電圧Vgsだけ低い電位が与えられる。
従って、配線BL1、配線BLxの電位は、1列y行目のメモリセル11とx列y行目のメモリセル11の容量素子15に保持されている電荷量に応じた高さとなる。そして、上記電位から電荷量の違いを読み取ることにより、1列y行目のメモリセル11と、x列y行目のメモリセル11から、データを読み出すことができる。読み出しが終了すると、配線SLb1にはローレベルの電位VLが供給され、トランジスタ16tはオフとなる。
各配線BLの先には、駆動回路が接続されている。
なお、シリコンよりもバンドギャップが広く真性キャリア密度がシリコンよりも低い、酸化物半導体などの半導体膜に、チャネル形成領域が形成されるトランジスタ(以下、OSトランジスタと呼ぶ)は、通常のシリコンやゲルマニウムなどの半導体で形成されたてトランジスタに比べて、オフ電流を著しく小さくすることが可能である。本発明の一態様では、トランジスタ14としてOSトランジスタを用いることで、容量素子15からトランジスタ14を介して電荷がリークするのを防ぐことができ、データがメモリセル11において保持される期間を長く確保することができる。よって、メモリセル11の面積を縮小化することにより、容量素子15の有する容量値が小さくなっても、リフレッシュ動作の頻度を低く抑えることができる。
なお、トランジスタ14として、酸化物半導体以外の、非晶質、微結晶、多結晶、又は単結晶の、シリコン、又はゲルマニウムなどの半導体が用いられていても良い。
〈記憶装置の構成例〉
次いで、本発明の一態様に係る記憶装置の構成例について説明する。
図4に、本発明の一態様に係る記憶装置の構成を、ブロック図で一例として示す。なお、図4に示すブロック図では、記憶装置内の回路を機能ごとに分類し、互いに独立したブロックとして示しているが、実際の回路は機能ごとに完全に切り分けることが難しく、一つの回路が複数の機能に係わることもあり得る。
図4に示す記憶装置20は、メモリセル11をそれぞれ複数有するユニット10−1乃至ユニット10−tと、ユニット10−1乃至ユニット10−tを有するセルアレイ10と、駆動回路21とを有する。そして、駆動回路21は、入出力バッファ22と、メインアンプ23と、カラムデコーダ24と、ローデコーダ25と、スイッチ回路26a及びスイッチ回路26bと、プリチャージ回路27と、センスアンプ28と、書き込み回路29とを有する。
入出力バッファ22は、駆動回路21またはセルアレイ10の駆動に用いる各種信号、及び、セルアレイ10に書き込まれるデータの、記憶装置20への入力を制御する機能を有する。また、入出力バッファ22は、セルアレイ10から読み出されたデータの、記憶装置20からの出力を制御する機能を有する。
ローデコーダ25は、配線WLに与える電位を制御することで、セルアレイ10においてメモリセル11を、指定されたアドレスに従って行ごとに選択する機能を有する。さらに、ローデコーダ25は、配線SLa及び配線SLbに与える電位を制御する機能を有する。カラムデコーダ24は、スイッチ回路26a及びスイッチ回路26bの動作を制御することで、データの書き込み時、または読み出し時の、列方向におけるメモリセル11の選択を、指定されたアドレスに従って行う機能を有する。
センスアンプ28は、メモリセル11からデータを読み出すときに、配線BLの電位の変化を増幅させる機能を有する。
スイッチ回路26aは、センスアンプ28の出力とメインアンプ23の接続を制御する機能を有する。また、スイッチ回路26bは、書き込み回路29と、配線BLの接続を制御する機能を有する。書き込み回路29は、指定されたアドレスのメモリセル11に、スイッチ回路26bを介してデータを書き込む機能を有する。
メインアンプ23は、センスアンプ28により増幅された配線BLの電位を用いて、データを読み出す機能を有する。プリチャージ回路27は、データの読み出し前に、配線BLの電位をリセットする機能を有する。
なお、記憶装置20は、指定されたメモリセル11のアドレスを、一時的に記憶することができるアドレスバッファを、有していても良い。
なお、本発明の一態様に係る記憶装置20では、一の基板において、セルアレイ10と駆動回路21とが積層することなく並べて設けられていても良いし、セルアレイ10と駆動回路21とが積層するように設けられていても良い。図7に、駆動回路21上にセルアレイ10が積層されている記憶装置20の構造を、一例として、概念図で示す。
図7では、基板40上に駆動回路21が設けられており、駆動回路21上にセルアレイ10が設けられている。駆動回路21とセルアレイ10を積層させることで、駆動回路21とセルアレイ10の電気的な接続を行う各種配線の長さを抑えることができる。よって、配線抵抗を小さく抑えることができるので、記憶装置20の消費電力の低減、高速駆動を実現することができる。また、駆動回路21とセルアレイ10を積層させることで、記憶装置20の小型化と高集積化とを、共に実現することができる。
次いで、図5に、一列のメモリセル11に対応した、センスアンプ28、プリチャージ回路27、スイッチ回路26a及びスイッチ回路26b、及びメインアンプ23の接続構成を例示する。なお、図5では、ユニット10−1乃至ユニット10−tに含まれる一列のメモリセル11の一つを、図示している。
メモリセル11はトランジスタ14と容量素子15とを有している。そして、メモリセル11は、配線BLs及びトランジスタ12tを介して、配線BLaに接続される。また、センスアンプ28、プリチャージ回路27、及びスイッチ回路26bは、配線BLa及び配線BLbに接続されている。配線BLa及び配線BLbは、配線BL1乃至配線BLxのいずれか2つの配線BLに、それぞれ相当するものとする。ただし、配線BLa及び配線BLbに接続された全てのメモリセル11は、互いに異なる配線WLに接続されているものとする。
センスアンプ28として、差動型センスアンプを用いることが望ましいが、センスアンプ28の構成は差動型センスアンプに限定されない。配線BLa及び配線BLbの電位差は、センスアンプ28において増幅され、配線BLAa及び配線BLAbに供給される。スイッチ回路26aは、配線BLAa及び配線BLAbに接続されている。
また、プリチャージ回路27は、nチャネル型のトランジスタ55乃至トランジスタ57を有している。トランジスタ55乃至トランジスタ57は、pチャネル型であっても良い。トランジスタ55のソース及びドレインは、一方が配線BLaに接続され、他方が端子Preに接続されている。トランジスタ56のソース及びドレインは、一方が配線BLbに接続され、他方が端子Preに接続されている。トランジスタ57のソース及びドレインは、一方が配線BLaに接続され、他方が配線BLbに接続されている。そして、トランジスタ55乃至トランジスタ57は、それぞれのゲートが配線PLに接続されている。
スイッチ回路26aは、nチャネル型のトランジスタ58及びトランジスタ59を有している。トランジスタ58及びトランジスタ59は、pチャネル型トランジスタであっても良い。トランジスタ58のソース及びドレインは、一方が配線BLAaに接続され、他方が配線IOaに接続されている。トランジスタ59のソース及びドレインは、一方が配線BLAbに接続され、他方が配線IObに接続されている。そして、トランジスタ58及びトランジスタ59は、それぞれのゲートが端子CSL1に接続されている。
スイッチ回路26bは、nチャネル型のトランジスタ51及びトランジスタ52を有している。トランジスタ51及びトランジスタ52は、pチャネル型トランジスタであっても良い。トランジスタ51のソース及びドレインは、一方が配線BLaに接続され、他方が配線IOaに接続されている。トランジスタ52のソース及びドレインは、一方が配線BLbに接続され、他方が配線IObに接続されている。そして、トランジスタ51及びトランジスタ52は、それぞれのゲートが端子CSL2に接続されている。
端子CSL1及び端子CSL2の電位は、カラムデコーダ24によって制御される。
配線IOa及び配線IObは、メインアンプ23に接続されている。また、書き込み回路29は、データに従って、配線IOa及び配線IObへの電位の供給を行う機能を有する。
また、配線BLa及び配線BLbの組み合わせは、アレイ方式によって適宜決めることができる。本発明の一態様では、折り返し方式、クロスポイント方式、開放方式などのアレイ方式を用いることができ、これらのアレイ方式に合わせて、配線BL1乃至配線BLxのうちいずれか2つの配線BLを、配線BLa及び配線BLbとすれば良い。ただし、上述したように、配線BLa及び配線BLbに接続された全てのメモリセル11は、互いに異なる配線WLに接続されているものとする。
次いで、データの読み出し時における、図5に示したメモリセル11、センスアンプ28、プリチャージ回路27、スイッチ回路26a、スイッチ回路26b、及びメインアンプ23の動作の一例について、図6に示したタイミングチャートを用いて説明する。
まず、期間T1では、プリチャージ回路27が有するトランジスタ55乃至トランジスタ57をオンにして、なおかつ、トランジスタ12tをオンにして、配線BLa及び配線BLsの電位と、配線BLbの電位とをリセットする。具体的に、本実施の形態では、配線PLにハイレベルの電位VH_PLを与え、プリチャージ回路27においてトランジスタ55乃至トランジスタ57をオンにする。また、配線SLaにハイレベルの電位VH_SLaを与え、トランジスタ12tをオンにする。上記構成により、配線BLa及び配線BLbに、端子Preの電位Vpreが与えられる。
なお、期間T1では、端子CSL1及び端子CSL2にはローレベルの電位VL_CSLが与えられており、スイッチ回路26aにおいてトランジスタ58及びトランジスタ59はオフの状態にあり、スイッチ回路26bにおいてトランジスタ51及びトランジスタ52はオフの状態にある。また、配線WLにはローレベルの電位VL_WLが与えられており、メモリセル11においてトランジスタ14はオフの状態にある。
期間T1が終了したら、配線SLaにローレベルの電位VL_SLaを与えることで、トランジスタ12tをオフにして、配線BLaと配線BLsとを電気的に分離する。
次いで、配線PLにローレベルの電位VL_PLを与え、プリチャージ回路27においてトランジスタ55乃至トランジスタ57をオフにする。そして、期間T2では、配線WLを選択する。また、期間T2では、トランジスタ16tをオンにする。具体的に、本実施の形態では、配線WLにハイレベルの電位VH_WLを与えることで、配線WLを選択し、メモリセル11においてトランジスタ14をオンにする。また、配線SLbにハイレベルの電位VH_SLbを与え、トランジスタ16tをオンにする。上記構成により、配線BLsと容量素子15とがトランジスタ14を介して接続される。そして、配線BLsと容量素子15とが電気的に接続されると、容量素子15に保持されている電荷量に従って、配線BLsの電位が変動する。そして、配線BLsの電位は、回路13及びトランジスタ16tを介して、配線BLaに供給される。
図6に示すタイミングチャートでは、容量素子15に蓄積されているプラスの電荷量が多い場合を例示している。具体的に、容量素子15に蓄積されているプラスの電荷量が多い場合、配線BLaは電位VpreからΔV1だけ電位が上昇する。逆に、容量素子15に蓄積されているプラスの電荷量が少ない場合は、図6には図示しないが、配線BLaはΔV2だけ電位が下降する。
なお、期間T2では、端子CSL1及び端子CSL2にはローレベルの電位VL_CSLが与えられたままであり、スイッチ回路26aにおいてトランジスタ58及びトランジスタ59はオフの状態を維持し、スイッチ回路26bにおいてトランジスタ51及びトランジスタ52はオフの状態を維持する。
次いで、期間T3では、センスアンプ28をオンにする。センスアンプ28は、配線BLa及び配線BLbの電位差(図6の場合はΔV1)を増幅させる機能を有する。よって、図6に示すタイミングチャートの場合、センスアンプ28がオンになることで、配線BLAaの電位は上昇し、センスアンプ28に電源として与えられたハイレベルの電位VH_SPに近づく。また、配線BLAbの電位は下降し、センスアンプ28に電源として与えられたローレベルの電位VL_SNに近づく。
なお、期間T3の開始当初、配線BLaの電位が電位Vpre−ΔV2である場合は、センスアンプ28がオンになることで、配線BLAaの電位は、電位Vpre−ΔV2から、電位VL_SNに近づいていく。また、配線BLAbの電位は、電位Vpreから、電位VH_SPに近づいていく。
なお、期間T3では、配線PLにはローレベルの電位VL_PLが与えられたままであり、プリチャージ回路27においてトランジスタ55乃至トランジスタ57はオフの状態を維持する。また、端子CSL1及び端子CSL2にはローレベルの電位VL_CSLが与えられたままであり、スイッチ回路26aにおいてトランジスタ58及びトランジスタ59はオフの状態を維持し、スイッチ回路26bにおいてトランジスタ51及びトランジスタ52はオフの状態を維持する。配線WLにはハイレベルの電位VH_WLが与えられたままであり、メモリセル11においてトランジスタ14はオンの状態を維持する。
次いで、期間T4では、端子CSL1に与える電位を制御することで、スイッチ回路26a及びスイッチ回路26bをオンにする。具体的に、本実施の形態では、端子CSL1にハイレベルの電位VH_CSLを与えることで、スイッチ回路26aにおいてトランジスタ58及びトランジスタ59をオンにし、スイッチ回路26bにおいてトランジスタ51及びトランジスタ52をオンにする。また、端子CSL2にはローレベルの電位VL_CSLが与えられたままであり、スイッチ回路26bにおいてトランジスタ51及びトランジスタ52はオフの状態を維持する。
トランジスタ58及びトランジスタ59がオンになることで、配線BLAaの電位と、配線BLAbの電位とが、配線IOa及び配線IObを介してメインアンプ23に与えられる。メインアンプ23では、配線IObの電位に対して配線IOaの電位が高いか低いかにより、出力される電位Voutのレベルが異なる。よって、電位Voutを有する信号には、間接的にデータが含まれることになる。
なお、期間T4では、配線PLにはローレベルの電位VL_PLが与えられたままであり、プリチャージ回路27においてトランジスタ55乃至トランジスタ57はオフの状態を維持する。また、配線WLにはハイレベルの電位VH_WLが与えられたままであり、メモリセル11においてトランジスタ14はオンの状態を維持する。また、センスアンプ28はオンの状態を維持する。
期間T4が終了すると、端子CSL1に与える電位を制御することで、スイッチ回路26aをオフにする。具体的に、本実施の形態では、端子CSL1にローレベルの電位VL_CSLを与え、スイッチ回路26aにおいてトランジスタ58及びトランジスタ59をオフにする。また、端子CSL2にはローレベルの電位VL_CSLが与えられたままであり、スイッチ回路26bにおいてトランジスタ51及びトランジスタ52はオフの状態を維持する。また、配線WLの選択を終了する。具体的に本実施の形態では、配線WLにローレベルの電位VL_WLを与えることで、配線WLを非選択の状態にし、メモリセル11においてトランジスタ14をオフにする。
上述した期間T1乃至期間T4における動作により、メモリセル11からのデータの読み出しが行われる。
また、書き込み回路29から新たなデータをメモリセル11に書き込む場合、書き込み回路29によって、配線IOa及び配線IObの電位を、データに従った高さに制御し、スイッチ回路26bにおいてトランジスタ51及びトランジスタ52をオンにする。上記構成により、配線BLaに配線IOaの電位が与えられ、配線BLbに配線IObの電位が与えられる。次いで、配線WLを選択し、トランジスタ14をオンにし、配線SLaにハイレベルの電位VH_SLaを供給してトランジスタ12tをオンにすることで、配線BLaと容量素子15を接続する。そして、配線BLaの電位に従い容量素子15に電荷が蓄積されることで、メモリセル11にデータが書き込まれる。
メモリセル11から読み出されたデータを、再度メモリセル11に書き込む場合も、新たなデータをメモリセル11に書き込む場合と、同様の動作を行えばよい。
また、駆動回路21が有するトランジスタは、酸化物半導体が用いられていても良いし、或いは、酸化物半導体以外の、非晶質、微結晶、多結晶、又は単結晶の、シリコン、又はゲルマニウムなどの半導体が用いられていても良い。記憶装置20内の全てのトランジスタに酸化物半導体膜を用いることで、プロセスを簡略化することができる。また、駆動回路21が有するトランジスタに、例えば、多結晶又は単結晶のシリコンなどのように、酸化物半導体よりも高い移動度が得られる半導体材料を用いることで、記憶装置20を高速で動作させることができる。
〈セルアレイの構成例3〉
本発明の一態様にかかる記憶装置が有するセルアレイの、図1とは異なる構成の一例を、図8に示す。
図8に示すセルアレイ10は、メモリセル11と、配線BLs及び配線WLとの接続構造が、図1に示すセルアレイ10と異なる。具体的に、図8に示すセルアレイ10では、メモリセル11の容量素子15が有する一方の電極が、トランジスタ14を介して配線BLsに接続されており、容量素子15が有する他方の電極が、当該トランジスタ14のゲートに接続された配線WLに、隣接する別の配線WLに接続されている。
例えば、m行(mはy以下の自然数)n列目(nは奇数であり、n+1はy以下の自然数)のメモリセル11では、トランジスタ14は、ゲートが配線WL2m−1に接続されており、ソース及びドレインの一方が配線BLs(n+1)/2に接続されており、ソース及びドレインの他方が容量素子15の一方の電極に接続されている。そして、容量素子15の他方の電極は、配線WL2mに接続されている。m行n+1列目のメモリセル11では、トランジスタ14は、ゲートが配線WL2mに接続されており、ソース及びドレインの一方が配線BLs(n+1)/2に接続されており、ソース及びドレインの他方が容量素子15の一方の電極に接続されている。そして、容量素子15の他方の電極は、配線WL2m−1に接続されている。
図8に示すセルアレイ10は、上記構成により、図1に示すセルアレイ10よりも、配線BLsの数を少なくすることができる。
〈記憶装置の断面構造の例〉
図9に、記憶装置の断面構造の一例を示す。図9では、図5に示したトランジスタ14、容量素子15、トランジスタ80及びトランジスタ81の断面構造を、一例として示す。
なお、図9では、酸化物半導体膜にチャネル形成領域を有するトランジスタ14と、容量素子15とが、単結晶のシリコン基板にチャネル形成領域を有する、pチャネル型のトランジスタ80、及びnチャネル型のトランジスタ81上に形成されている場合を例示している。
トランジスタ80及びトランジスタ81は、非晶質、微結晶、多結晶または単結晶である、シリコン又はゲルマニウムなどの半導体膜または半導体基板に、チャネル形成領域を有していても良い。或いは、トランジスタ80及びトランジスタ81は、酸化物半導体膜または酸化物半導体基板に、チャネル形成領域を有していても良い。全てのトランジスタが酸化物半導体膜または酸化物半導体基板に、チャネル形成領域を有している場合、トランジスタ14はトランジスタ80及びトランジスタ81上に積層されていなくとも良く、全てのトランジスタは、同一の層に形成されていても良い。
シリコンの薄膜を用いてトランジスタ80及びトランジスタ81を形成する場合、当該薄膜には、プラズマCVD法などの気相成長法若しくはスパッタリング法で作製された非晶質シリコン、非晶質シリコンをレーザーアニールなどの処理により結晶化させた多結晶シリコン、単結晶シリコンウェハに水素イオン等を注入して表層部を剥離した単結晶シリコンなどを用いることができる。
トランジスタ80及びトランジスタ81が形成される半導体基板400は、例えば、シリコン基板、ゲルマニウム基板、シリコンゲルマニウム基板等を用いることができる。図9では、単結晶シリコン基板を半導体基板400として用いる場合を例示している。
また、トランジスタ80及びトランジスタ81は、素子分離法により電気的に分離されている。素子分離法として、選択酸化法(LOCOS法:Local Oxidation of Silicon法)、トレンチ分離法(STI法:Shallow Trench Isolation)等を用いることができる。図9では、トレンチ分離法を用いてトランジスタ80及びトランジスタ81を電気的に分離する場合を例示している。具体的に、図9では、半導体基板400にエッチング等によりトレンチを形成した後、酸化珪素などを含む絶縁物を当該トレンチに埋め込むことで形成される素子分離領域401により、トランジスタ80及びトランジスタ81を素子分離させる場合を例示している。
トランジスタ80及びトランジスタ81上には、絶縁膜411が設けられている。絶縁膜411には開口部が形成されている。そして、絶縁膜411上には、上記開口部において、トランジスタ80及びトランジスタ81のソースまたはドレインにそれぞれ接続されている複数の導電膜が設けられている。また、絶縁膜411上には、導電膜412が設けられている。
絶縁膜411、導電膜412上には、絶縁膜414が設けられている。そして、絶縁膜414上には、酸素、水素、水の拡散を防ぐブロッキング効果を有する絶縁膜415が設けられている。絶縁膜415は、密度が高くて緻密である程、また未結合手が少なく化学的に安定である程、より高いブロッキング効果を示す。酸素、水素、水の拡散を防ぐブロッキング効果を示す絶縁膜415として、例えば、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム等を用いることができる。水素、水の拡散を防ぐブロッキング効果を示す絶縁膜415として、例えば、窒化シリコン、窒化酸化シリコン等を用いることができる。
絶縁膜415上には絶縁膜416が設けられており、絶縁膜416上には、トランジスタ14と、導電膜430が設けられている。そして、絶縁膜414乃至絶縁膜416には開口部が設けられており、導電膜430は、上記開口部において導電膜412に接続されている。
トランジスタ14は、絶縁膜416上の酸化物半導体膜420と、酸化物半導体膜420に接続され、ソースまたはドレインとしての機能を有する導電膜421及び導電膜422と、酸化物半導体膜420、導電膜421及び導電膜422上の絶縁膜423と、絶縁膜423を間に挟んで酸化物半導体膜420と重なる導電膜424と、を有する。
また、導電膜422上には絶縁膜427が設けられており、絶縁膜427上には、導電膜422と重なる導電膜425が設けられている。導電膜422と、絶縁膜427と、導電膜425とが重なり合う部分が、容量素子15として機能する。
トランジスタ14、容量素子15、及び導電膜430上には、絶縁膜426が設けられている。
〈記憶装置のトランジスタについて〉
本発明の一態様に係る記憶装置では、図1に示すトランジスタ14のオフ電流が小さいと、データの保持期間を長くすることができる。そのため、トランジスタ14として、酸化物半導体膜にチャネル形成領域を有するトランジスタを用いることが望ましい。
図10に、酸化物半導体膜にチャネル形成領域を有するトランジスタ14の構成を、一例として示す。図10(A)には、トランジスタ14の上面図を示す。なお、図10(A)では、トランジスタ14のレイアウトを明確にするために、各種の絶縁膜を省略している。また、図10(A)に示した上面図の、破線A1−A2における断面図を図10(B)に示し、破線A3−A4における断面図を図10(C)に示す。
図10に示すように、トランジスタ14は、絶縁膜31上において順に積層された酸化物半導体膜32a及び酸化物半導体膜32bと、酸化物半導体膜32bに電気的に接続され、ソース電極またはドレイン電極としての機能を有する導電膜33及び導電膜34と、酸化物半導体膜32b、導電膜33及び導電膜34上の酸化物半導体膜32cと、絶縁膜35としての機能を有し、なおかつ酸化物半導体膜32c上に位置する絶縁膜35と、ゲート電極としての機能を有し、なおかつ絶縁膜35上において酸化物半導体膜32a乃至酸化物半導体膜32cと重なる導電膜36とを有する。
また、トランジスタ14の、具体的な構成の別の一例を、図11に示す。図11(A)には、トランジスタ14の上面図を示す。なお、図11(A)では、トランジスタ14のレイアウトを明確にするために、各種の絶縁膜を省略している。また、図11(A)に示した上面図の、破線A1−A2における断面図を図11(B)に示し、破線A3−A4における断面図を図11(C)に示す。
図11に示すように、トランジスタ14は、絶縁膜31上において順に積層された酸化物半導体膜32a乃至酸化物半導体膜32cと、酸化物半導体膜32cに電気的に接続され、ソース電極またはドレイン電極としての機能を有する導電膜33及び導電膜34と、絶縁膜35としての機能を有し、なおかつ酸化物半導体膜32c、導電膜33及び導電膜34上に位置する絶縁膜35と、ゲート電極としての機能を有し、なおかつ絶縁膜35上において酸化物半導体膜32a乃至酸化物半導体膜32cと重なる導電膜36とを有する。
なお、図10及び図11では、積層された酸化物半導体膜32a乃至酸化物半導体膜32cを用いるトランジスタ14の構成を例示している。トランジスタ14が有する酸化物半導体膜は、積層された複数の酸化物半導体膜で構成されているとは限らず、単膜の酸化物半導体膜で構成されていても良い。
酸化物半導体膜32a乃至酸化物半導体膜32cが順に積層されている半導体膜をトランジスタ14が有する場合、酸化物半導体膜32a及び酸化物半導体膜32cは、酸化物半導体膜32bを構成する金属元素の少なくとも1つを、その構成要素に含み、伝導帯下端のエネルギーが酸化物半導体膜32bよりも0.05eV以上、0.07eV以上、0.1eV以上または0.15eV以上、かつ2eV以下、1eV以下、0.5eV以下または0.4eV以下、真空準位に近い酸化物膜である。さらに、酸化物半導体膜32bは、少なくともインジウムを含むと、キャリア移動度が高くなるため好ましい。
上記構成の半導体膜をトランジスタ14が有する場合、ゲート電極に電圧を印加することで、半導体膜に電界が加わると、半導体膜のうち、伝導帯下端のエネルギーが小さい酸化物半導体膜32bにチャネル領域が形成される。即ち、酸化物半導体膜32bと絶縁膜35との間に酸化物半導体膜32cが設けられていることによって、絶縁膜35と離隔している酸化物半導体膜32bに、チャネル領域を形成することができる。
また、酸化物半導体膜32cは、酸化物半導体膜32bを構成する金属元素の少なくとも1つをその構成要素に含むため、酸化物半導体膜32bと酸化物半導体膜32cの界面では、界面散乱が起こりにくい。従って、当該界面においてキャリアの動きが阻害されにくいため、トランジスタ14の電界効果移動度が高くなる。
また、酸化物半導体膜32bと酸化物半導体膜32aの界面に界面準位が形成されると、界面近傍の領域にもチャネル領域が形成されるために、トランジスタ14の閾値電圧が変動してしまう。しかし、酸化物半導体膜32aは、酸化物半導体膜32bを構成する金属元素の少なくとも1つをその構成要素に含むため、酸化物半導体膜32bと酸化物半導体膜32aの界面には、界面準位が形成されにくい。よって、上記構成により、トランジスタ14の閾値電圧等の電気的特性のばらつきを、低減することができる。
また、酸化物半導体膜間に不純物が存在することによって、各膜の界面にキャリアの流れを阻害する界面準位が形成されることがないよう、複数の酸化物半導体膜を積層させることが望ましい。積層された酸化物半導体膜の膜間に不純物が存在していると、酸化物半導体膜間における伝導帯下端のエネルギーの連続性が失われ、界面近傍において、キャリアがトラップされるか、あるいは再結合により消滅してしまうからである。膜間における不純物を低減させることで、主成分である一の金属を少なくとも共に有する複数の酸化物半導体膜を、単に積層させるよりも、連続接合(ここでは特に伝導帯下端のエネルギーが各膜の間で連続的に変化するU字型の井戸構造を有している状態)が形成されやすくなる。
連続接合を形成するためには、ロードロック室を備えたマルチチャンバー方式の成膜装置(スパッタリング装置)を用いて各膜を大気に触れさせることなく連続して積層することが必要となる。スパッタリング装置における各チャンバーは、酸化物半導体にとって不純物となる水等を可能な限り除去すべくクライオポンプのような吸着式の真空排気ポンプを用いて高真空排気(1×10−4Pa〜5×10−7Pa程度まで)することが好ましい。または、ターボ分子ポンプとコールドトラップを組み合わせて排気系からチャンバー内に気体が逆流しないようにしておくことが好ましい。
高純度の真性な酸化物半導体を得るためには、各チャンバー内を高真空排気するのみならず、スパッタリングに用いるガスの高純度化も重要である。上記ガスとして用いる酸素ガスやアルゴンガスの露点を、−40℃以下、好ましくは−80℃以下、より好ましくは−100℃以下とし、使用するガスの高純度化を図ることで、酸化物半導体膜に水分等が取り込まれることを可能な限り防ぐことができる。具体的に、酸化物半導体膜32bがIn−M−Zn酸化物(Mは、Ga、Y、Zr、La、Ce、またはNd)の場合、酸化物半導体膜32bを成膜するために用いるターゲットにおいて、金属元素の原子数比をIn:M:Zn=x1:y1:z1とすると、x1/y1は、1/3以上6以下、さらには1以上6以下であって、z1/y1は、1/3以上6以下、さらには1以上6以下であることが好ましい。なお、z1/y1を1以上6以下とすることで、酸化物半導体膜32bとしてCAAC−OS膜が形成されやすくなる。ターゲットの金属元素の原子数比の代表例としては、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=3:1:2等がある。
具体的に、酸化物半導体膜32a、酸化物半導体膜32cがIn−M−Zn酸化物(Mは、Ga、Y、Zr、La、Ce、またはNd)の場合、酸化物半導体膜32a、酸化物半導体膜32cを成膜するために用いるターゲットにおいて、金属元素の原子数比をIn:M:Zn=x2:y2:z2とすると、x2/y2<x1/y1であって、z2/y2は、1/3以上6以下、さらには1以上6以下であることが好ましい。なお、z2/y2を1以上6以下とすることで、酸化物半導体膜32a、酸化物半導体膜32cとしてCAAC−OS膜が形成されやすくなる。ターゲットの金属元素の原子数比の代表例としては、In:M:Zn=1:3:2、In:M:Zn=1:3:4、In:M:Zn=1:3:6、In:M:Zn=1:3:8等がある。
なお、酸化物半導体膜32a及び酸化物半導体膜32cの厚さは、3nm以上100nm以下、好ましくは3nm以上50nm以下とする。また、酸化物半導体膜32bの厚さは、3nm以上200nm以下、好ましくは3nm以上100nm以下であり、さらに好ましくは3nm以上50nm以下である。
3層構造の半導体膜において、酸化物半導体膜32a乃至酸化物半導体膜32cは、非晶質または結晶質の両方の形態を取りうる。ただし、チャネル領域が形成される酸化物半導体膜32bが結晶質であることにより、トランジスタ14に安定した電気的特性を付与することができるため、酸化物半導体膜32bは結晶質であることが好ましい。
なお、チャネル形成領域とは、トランジスタ14の半導体膜のうち、ゲート電極と重なり、かつソース電極とドレイン電極に挟まれる領域を意味する。また、チャネル領域とは、チャネル形成領域において、電流が主として流れる領域をいう。
例えば、酸化物半導体膜32a及び酸化物半導体膜32cとして、スパッタリング法により形成したIn−Ga−Zn酸化物膜を用いる場合、酸化物半導体膜32a及び酸化物半導体膜32cの成膜には、In−Ga−Zn酸化物(In:Ga:Zn=1:3:2[原子数比])であるターゲットを用いることができる。成膜条件は、例えば、成膜ガスとしてアルゴンガスを30sccm、酸素ガスを15sccm用い、圧力0.4Paとし、基板温度を200℃とし、DC電力0.5kWとすればよい。
また、酸化物半導体膜32bをCAAC−OS膜とする場合、酸化物半導体膜32bの成膜には、In−Ga−Zn酸化物(In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比])であり、多結晶のIn−Ga−Zn酸化物を含むターゲットを用いることが好ましい。成膜条件は、例えば、成膜ガスとしてアルゴンガスを30sccm、酸素ガスを15sccm用い、圧力を0.4Paとし、基板の温度300℃とし、DC電力0.5kWとすることができる。
なお、電子供与体(ドナー)となる水分または水素などの不純物が低減され、なおかつ酸素欠損が低減されることにより高純度化された酸化物半導体(purified Oxide Semiconductor)は、キャリア発生源が少ないため、i型(真性半導体)又はi型に限りなく近くすることができる。そのため、高純度化された酸化物半導体膜にチャネル形成領域を有するトランジスタは、オフ電流が著しく小さく、信頼性が高い。そして、当該酸化物半導体膜にチャネル形成領域が形成されるトランジスタは、閾値電圧がプラスとなる電気的特性(ノーマリーオフ特性ともいう。)になりやすい。
具体的に、高純度化された酸化物半導体膜にチャネル形成領域を有するトランジスタのオフ電流が小さいことは、いろいろな実験により証明できる。例えば、チャネル幅が1×106μmでチャネル長が10μmの素子であっても、ソース電極とドレイン電極間の電圧(ドレイン電圧)が1Vから10Vの範囲において、オフ電流が、半導体パラメータアナライザの測定限界以下、すなわち1×10−13A以下という特性を得ることができる。この場合、トランジスタのチャネル幅で規格化したオフ電流は、100zA/μm以下であることが分かる。また、容量素子とトランジスタとを接続して、容量素子に流入または容量素子から流出する電荷を当該トランジスタで制御する回路を用いて、オフ電流の測定を行った。当該測定では、高純度化された酸化物半導体膜を上記トランジスタのチャネル形成領域に用い、容量素子の単位時間あたりの電荷量の推移から当該トランジスタのオフ電流を測定した。その結果、トランジスタのソース電極とドレイン電極間の電圧が3Vの場合に、数十yA/μmという、さらに小さいオフ電流が得られることが分かった。従って、高純度化された酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、オフ電流が、結晶性を有するシリコンを用いたトランジスタに比べて著しく小さい。
なお、半導体膜として酸化物半導体膜を用いる場合、酸化物半導体としては、少なくともインジウム(In)あるいは亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。また、該酸化物を用いたトランジスタの電気的特性のばらつきを減らすためのスタビライザーとして、それらに加えてガリウム(Ga)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてスズ(Sn)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてハフニウム(Hf)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてアルミニウム(Al)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてジルコニウム(Zr)を含むことが好ましい。
酸化物半導体の中でもIn−Ga−Zn酸化物、In−Sn−Zn酸化物などは、炭化シリコン、窒化ガリウム、または酸化ガリウムとは異なり、スパッタリング法や湿式法により電気的特性の優れたトランジスタを作製することが可能であり、量産性に優れるといった利点がある。また、炭化シリコン、窒化ガリウム、または酸化ガリウムとは異なり、上記In−Ga−Zn酸化物は、ガラス基板上に、電気的特性の優れたトランジスタを作製することが可能である。また、基板の大型化にも対応が可能である。
また、他のスタビライザーとして、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)のいずれか一種または複数種を含んでいてもよい。
例えば、酸化物半導体として、酸化インジウム、酸化ガリウム、酸化スズ、酸化亜鉛、In−Zn酸化物、Sn−Zn酸化物、Al−Zn酸化物、Zn−Mg酸化物、Sn−Mg酸化物、In−Mg酸化物、In−Ga酸化物、In−Ga−Zn酸化物(IGZOとも表記する)、In−Al−Zn酸化物、In−Sn−Zn酸化物、Sn−Ga−Zn酸化物、Al−Ga−Zn酸化物、Sn−Al−Zn酸化物、In−Hf−Zn酸化物、In−La−Zn酸化物、In−Pr−Zn酸化物、In−Nd−Zn酸化物、In−Ce−Zn酸化物、In−Sm−Zn酸化物、In−Eu−Zn酸化物、In−Gd−Zn酸化物、In−Tb−Zn酸化物、In−Dy−Zn酸化物、In−Ho−Zn酸化物、In−Er−Zn酸化物、In−Tm−Zn酸化物、In−Yb−Zn酸化物、In−Lu−Zn酸化物、In−Sn−Ga−Zn酸化物、In−Hf−Ga−Zn酸化物、In−Al−Ga−Zn酸化物、In−Sn−Al−Zn酸化物、In−Sn−Hf−Zn酸化物、In−Hf−Al−Zn酸化物を用いることができる。
なお、例えば、In−Ga−Zn酸化物とは、InとGaとZnを含む酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素を含んでいてもよい。In−Ga−Zn酸化物は、無電界時の抵抗が十分に高くオフ電流を十分に小さくすることが可能であり、また、移動度も高い。
例えば、In−Sn−Zn酸化物では比較的容易に高い移動度が得られる。しかしながら、In−Ga−Zn酸化物でも、バルク内欠陥密度を低減することにより移動度を上げることができる。
また、トランジスタ14において、ソース電極及びドレイン電極に用いられる導電性材料によっては、ソース電極及びドレイン電極中の金属が、酸化物半導体膜から酸素を引き抜くことがある。この場合、酸化物半導体膜のうち、ソース電極及びドレイン電極に接する領域が、酸素欠損の形成によりn型化される。n型化された領域は、ソース領域またはドレイン領域として機能するため、酸化物半導体膜とソース電極及びドレイン電極との間におけるコンタクト抵抗を下げることができる。よって、n型化された領域が形成されることで、トランジスタ14の移動度及びオン電流を高めることができ、それにより、トランジスタ14を用いた記憶装置の高速動作を実現することができる。
なお、ソース電極及びドレイン電極中の金属による酸素の引き抜きは、ソース電極及びドレイン電極をスパッタリング法などにより形成する際に起こりうるし、ソース電極及びドレイン電極を形成した後に行われる加熱処理によっても起こりうる。また、n型化される領域は、酸素と結合し易い導電性材料をソース電極及びドレイン電極に用いることで、より形成されやすくなる。上記導電性材料としては、例えば、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wなどが挙げられる。
複数の積層された酸化物半導体膜を有する半導体膜をトランジスタ14に用いる場合、n型化される領域は、チャネル領域となる酸化物半導体膜32bにまで達していることが、トランジスタ14の移動度及びオン電流を高め、記憶装置の高速動作を実現する上で好ましい。
絶縁膜31は、化学量論的組成以上の酸素が含まれており、加熱により上記酸素の一部を酸化物半導体膜32a乃至酸化物半導体膜32cに供給する機能を有する絶縁膜であることが望ましい。また、絶縁膜31は、欠陥が少ないことが好ましく、代表的には、ESR測定により得られる、シリコンのダングリングボンドに由来するg=2.001を持つスピンの密度が1×1018spins/cm3以下であることが好ましい。
絶縁膜31は、加熱により上記酸素の一部を酸化物半導体膜32a乃至酸化物半導体膜32cに供給する機能を有するため、酸化物であることが望ましく、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムおよび酸化タンタルなどを用いることができる。絶縁膜31は、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法またはスパッタリング法等により、形成することができる。
なお、本明細書中において、酸化窒化物は、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化物は、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を指す。
なお、図10及び図11に示すトランジスタ14は、チャネル領域が形成される酸化物半導体膜32bの端部のうち、導電膜33及び導電膜34とは重ならない端部、言い換えると、導電膜33及び導電膜34が位置する領域とは異なる領域に位置する端部と、導電膜36とが、重なる構成を有する。酸化物半導体膜32bの端部は、当該端部を形成するためのエッチングでプラズマに曝されるときに、エッチングガスから生じた塩素ラジカル、フッ素ラジカル等が、酸化物半導体を構成する金属元素と結合しやすい。よって、酸化物半導体膜の端部では、当該金属元素と結合していた酸素が脱離しやすい状態にあるため、酸素欠損が形成され、n型化しやすいやすいと考えられる。しかし、図10及び図11に示すトランジスタ14では、導電膜33及び導電膜34とは重ならない酸化物半導体膜32bの端部と、導電膜36とが重なるため、導電膜36の電位を制御することにより、当該端部にかかる電界を制御することができる。よって、酸化物半導体膜32bの端部を介して導電膜33と導電膜34の間に流れる電流を、導電膜36に与える電位によって制御することができる。このようなトランジスタ14の構造を、Surrounded Channel(S−Channel)構造とよぶ。
具体的に、S−Channel構造の場合、トランジスタ14がオフとなるような電位を導電膜36に与えたときは、当該端部を介して導電膜33と導電膜34の間に流れるオフ電流を小さく抑えることができる。そのため、トランジスタ14では、大きなオン電流を得るためにチャネル長を短くし、その結果、酸化物半導体膜32bの端部における導電膜33と導電膜34の間の長さが短くなっても、トランジスタ14のオフ電流を小さく抑えることができる。よって、トランジスタ14は、チャネル長を短くすることで、オンのときには大きいオン電流を得ることができ、オフのときにはオフ電流を小さく抑えることができる。
また、具体的に、S−Channel構造の場合、トランジスタ14がオンとなるような電位を導電膜36に与えたときは、当該端部を介して導電膜33と導電膜34の間に流れる電流を大きくすることができる。当該電流は、トランジスタ14の電界効果移動度とオン電流の増大に寄与する。そして、酸化物半導体膜32bの端部と、導電膜36とが重なることで、酸化物半導体膜32bにおいてキャリアの流れる領域が、絶縁膜35に近い酸化物半導体膜32bの界面近傍のみでなく、酸化物半導体膜32bの広い範囲においてキャリアが流れるため、トランジスタ14におけるキャリアの移動量が増加する。この結果、トランジスタ14のオン電流が大きくなる共に、電界効果移動度が高くなり、代表的には電界効果移動度が10cm2/V・s以上、さらには20cm2/V・s以上となる。なお、ここでの電界効果移動度は、酸化物半導体膜の物性値としての移動度の近似値ではなく、トランジスタの飽和領域における電流駆動力の指標であり、見かけ上の電界効果移動度である。
以下では、酸化物半導体膜の構造について説明する。
酸化物半導体膜は、単結晶酸化物半導体膜と非単結晶酸化物半導体膜とに大別される。非単結晶酸化物半導体膜とは、非晶質酸化物半導体膜、微結晶酸化物半導体膜、多結晶酸化物半導体膜、CAAC−OS膜などをいう。
非晶質酸化物半導体膜は、膜中における原子配列が不規則であり、結晶成分を有さない酸化物半導体膜である。微小領域においても結晶部を有さず、膜全体が完全な非晶質構造の酸化物半導体膜が典型である。
微結晶酸化物半導体膜は、例えば、1nm以上10nm未満の大きさの微結晶(ナノ結晶ともいう。)を含む。従って、微結晶酸化物半導体膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも原子配列の規則性が高い。そのため、微結晶酸化物半導体膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも欠陥準位密度が低いという特徴がある。
CAAC−OS膜は、複数の結晶部を有する酸化物半導体膜の一つであり、ほとんどの結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさである。従って、CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、一辺が10nm未満、5nm未満または3nm未満の立方体内に収まる大きさの場合も含まれる。CAAC−OS膜は、微結晶酸化物半導体膜よりも欠陥準位密度が低いという特徴がある。CAAC−OS膜を透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって観察すると、結晶部同士の明確な境界、即ち結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することができない。そのため、CAAC−OS膜は、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
CAAC−OS膜を、試料面と概略平行な方向からTEMによって観察(断面TEM観察)すると、結晶部において、金属原子が層状に配列していることを確認できる。金属原子の各層は、CAAC−OS膜の膜を形成する面(被形成面ともいう。)または上面の凹凸を反映した形状であり、CAAC−OS膜の被形成面または上面と平行に配列する。
本明細書において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、85°以上95°以下の場合も含まれる。
一方、CAAC−OS膜を、試料面と概略垂直な方向からTEMによって観察(平面TEM観察)すると、結晶部において、金属原子が三角形状または六角形状に配列していることを確認できる。しかしながら、異なる結晶部間で、金属原子の配列に規則性は見られない。
断面TEM観察および平面TEM観察より、CAAC−OS膜の結晶部は配向性を有していることがわかる。
CAAC−OS膜に対し、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)装置を用いて構造解析を行うと、例えばInGaZnO4の結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnO4の結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC−OS膜の結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に概略垂直な方向を向いていることが確認できる。
一方、CAAC−OS膜に対し、c軸に概略垂直な方向からX線を入射させるin−plane法による解析では、2θが56°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnO4の結晶の(110)面に帰属される。InGaZnO4の単結晶酸化物半導体膜であれば、2θを56°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)として試料を回転させながら分析(φスキャン)を行うと、(110)面と等価な結晶面に帰属されるピークが6本観察される。これに対し、CAAC−OS膜の場合は、2θを56°近傍に固定してφスキャンした場合でも、明瞭なピークが現れない。
以上のことから、CAAC−OS膜では、異なる結晶部間ではa軸およびb軸の配向は不規則であるが、c軸配向性を有し、かつc軸が被形成面または上面の法線ベクトルに平行な方向を向いていることがわかる。従って、前述の断面TEM観察で確認された層状に配列した金属原子の各層は、結晶のab面に平行な面である。
なお、結晶部は、CAAC−OS膜を成膜した際、または加熱処理などの結晶化処理を行った際に形成される。上述したように、結晶のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面または上面の法線ベクトルに平行な方向に配向する。従って、例えば、CAAC−OS膜の形状をエッチングなどによって変化させた場合、結晶のc軸がCAAC−OS膜の被形成面または上面の法線ベクトルと平行にならないこともある。
また、CAAC−OS膜中の結晶化度が均一でなくてもよい。例えば、CAAC−OS膜の結晶部が、CAAC−OS膜の上面近傍からの結晶成長によって形成される場合、上面近傍の領域は、被形成面近傍の領域よりも結晶化度が高くなることがある。また、CAAC−OS膜に不純物を添加する場合、不純物が添加された領域の結晶化度が変化し、部分的に結晶化度の異なる領域が形成されることもある。
なお、InGaZnO4の結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC−OS膜中の一部に、c軸配向性を有さない結晶が含まれることを示している。CAAC−OS膜は、2θが31°近傍にピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さないことが好ましい。
CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気的特性の変動が小さい。よって、当該トランジスタは、信頼性が高い。
なお、酸化物半導体膜は、例えば、非晶質酸化物半導体膜、微結晶酸化物半導体膜、CAAC−OS膜のうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
また、CAAC−OS膜を成膜するために、以下の条件を適用することが好ましい。
成膜時の不純物混入を低減することで、不純物によって結晶状態が崩れることを抑制できる。例えば、処理室内に存在する不純物濃度(水素、水、二酸化炭素、及び窒素など)を低減すればよい。また、成膜ガス中の不純物濃度を低減すればよい。具体的には、露点が−80℃以下、好ましくは−100℃以下である成膜ガスを用いる。
また、成膜時の基板加熱温度を高めることで、基板到達後にスパッタリング粒子のマイグレーションが起こる。具体的には、基板加熱温度を100℃以上740℃以下、好ましくは200℃以上500℃以下として成膜する。成膜時の基板加熱温度を高めることで、平板状のスパッタリング粒子が基板に到達した場合、基板上でマイグレーションが起こり、スパッタリング粒子の平らな面が基板に付着する。
また、成膜ガス中の酸素割合を高め、電力を最適化することで成膜時のプラズマダメージを軽減すると好ましい。成膜ガス中の酸素割合は、30体積%以上、好ましくは100体積%とする。
ターゲットの一例として、In−Ga−Zn酸化物ターゲットについて以下に示す。
InOX粉末、GaOY粉末及びZnOZ粉末を所定のmol数比で混合し、加圧処理後、1000℃以上1500℃以下の温度で加熱処理をすることで多結晶であるIn−Ga−Zn酸化物ターゲットとする。なお、X、Y及びZは任意の正数である。ここで、所定のmol数比は、例えば、InOX粉末、GaOY粉末及びZnOZ粉末が、2:2:1、8:4:3、3:1:1、1:1:1、4:2:3または3:1:2である。なお、粉末の種類、及びその混合するmol数比は、作製するターゲットによって適宜変更すればよい。
なお、アルカリ金属は酸化物半導体を構成する元素ではないため、不純物である。アルカリ土類金属も、酸化物半導体を構成する元素ではない場合において、不純物となる。特に、アルカリ金属のうちNaは、酸化物半導体膜に接する絶縁膜が酸化物である場合、当該絶縁膜中に拡散してNa+となる。また、Naは、酸化物半導体膜内において、酸化物半導体を構成する金属と酸素の結合を分断する、或いは、その結合中に割り込む。その結果、例えば、閾値電圧がマイナス方向にシフトすることによるノーマリオン化、移動度の低下等の、トランジスタの電気的特性の劣化が起こり、加えて、特性のばらつきも生じる。具体的に、二次イオン質量分析法によるNa濃度の測定値は、5×1016/cm3以下、好ましくは1×1016/cm3以下、更に好ましくは1×1015/cm3以下とするとよい。同様に、Li濃度の測定値は、5×1015/cm3以下、好ましくは1×1015/cm3以下とするとよい。同様に、K濃度の測定値は、5×1015/cm3以下、好ましくは1×1015/cm3以下とするとよい。
また、インジウムを含む金属酸化物が用いられている場合に、酸素との結合エネルギーがインジウムよりも大きいシリコンや炭素が、インジウムと酸素の結合を切断し、酸素欠損を形成することがある。そのため、シリコンや炭素が酸化物半導体膜に混入していると、アルカリ金属やアルカリ土類金属の場合と同様に、トランジスタの電気的特性の劣化が起こりやすい。よって、酸化物半導体膜中におけるシリコンや炭素の濃度は低いことが望ましい。具体的に、二次イオン質量分析法によるC濃度の測定値、またはSi濃度の測定値は、1×1018/cm3以下とするとよい。上記構成により、トランジスタの電気的特性の劣化を防ぐことができ、記憶装置の信頼性を高めることができる。
〈チップの構成〉
図12(A)に、リードフレーム型のインターポーザを用いたパッケージの断面構造を表す斜視図を示す。
図12(A)に示すパッケージは、本発明の一態様にかかる半導体装置に相当するチップ351が、ワイヤボンディング法により、インターポーザ350上の端子352と接続されている。端子352は、インターポーザ350のチップ351がマウントされている面上に配置されている。そしてチップ351はモールド樹脂353によって封止されていても良いが、各端子352の一部が露出した状態で封止されるようにする。
パッケージが回路基板に実装されている電子機器のモジュールの構成を、図12(B)に示す。
図12(B)に示す携帯電話のモジュールは、プリント配線基板801に、パッケージ802と、バッテリー804とが実装されている。また、表示素子が設けられたパネル800に、プリント配線基板801がFPC803によって実装されている。
〈電子機器の例〉
本発明の一態様に係る記憶装置または半導体装置は、表示機器、パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像再生装置(代表的にはDVD:Digital Versatile Disc等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを有する装置)に用いることができる。その他に、本発明の一態様に係る記憶装置または半導体装置を用いることができる電子機器として、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯情報端末、電子書籍、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンター、プリンター複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図12に示す。
図13(A)は携帯型ゲーム機であり、筐体5001、筐体5002、表示部5003、表示部5004、マイクロホン5005、スピーカー5006、操作キー5007、スタイラス5008等を有する。なお、図13(A)に示した携帯型ゲーム機は、2つの表示部5003と表示部5004とを有しているが、携帯型ゲーム機が有する表示部の数は、これに限定されない。
図13(B)は携帯情報端末であり、第1筐体5601、第2筐体5602、第1表示部5603、第2表示部5604、接続部5605、操作キー5606等を有する。第1表示部5603は第1筐体5601に設けられており、第2表示部5604は第2筐体5602に設けられている。そして、第1筐体5601と第2筐体5602とは、接続部5605により接続されており、第1筐体5601と第2筐体5602の間の角度は、接続部5605により変更が可能である。第1表示部5603における映像を、接続部5605における第1筐体5601と第2筐体5602との間の角度に従って、切り替える構成としても良い。また、第1表示部5603及び第2表示部5604の少なくとも一方に、位置入力装置としての機能が付加された表示装置を用いるようにしても良い。なお、位置入力装置としての機能は、表示装置にタッチパネルを設けることで付加することができる。或いは、位置入力装置としての機能は、フォトセンサとも呼ばれる光電変換素子を表示装置の画素部に設けることでも、付加することができる。
図13(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体5401、表示部5402、キーボード5403、ポインティングデバイス5404等を有する。
図13(D)は電気冷凍冷蔵庫であり、筐体5301、冷蔵室用扉5302、冷凍室用扉5303等を有する。
図13(E)はビデオカメラであり、第1筐体5801、第2筐体5802、表示部5803、操作キー5804、レンズ5805、接続部5806等を有する。操作キー5804及びレンズ5805は第1筐体5801に設けられており、表示部5803は第2筐体5802に設けられている。そして、第1筐体5801と第2筐体5802とは、接続部5806により接続されており、第1筐体5801と第2筐体5802の間の角度は、接続部5806により変更が可能である。表示部5803における映像を、接続部5806における第1筐体5801と第2筐体5802との間の角度に従って切り替える構成としても良い。
図13(F)は普通自動車であり、車体5101、車輪5102、ダッシュボード5103、ライト5104等を有する。