(V.詳細な説明)
特に定義されない限り、本明細書で使用される技術的及び科学的用語は全て、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で言及される刊行物及び特許は全て、その全体が引用により本明細書中に組み込まれる。
A.定義
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「アルキル」は、線状又は分岐状飽和一価炭化水素ラジカルを指し、ここで、アルキルは、1以上の置換基で任意に置換されていてもよい。用語「アルキル」はまた、特に規定されない限り、線状アルキルと分岐状アルキルの両方を包含する。ある実施態様において、アルキルは、1〜20個(C1-20)、1〜15個(C1-15)、1〜12個(C1-12)、1〜10個(C1-10)、もしくは1〜6個(C1-6)の炭素原子を有する線状飽和一価炭化水素ラジカル、又は3〜20個(C3-20)、3〜15個(C3-15)、3〜12個(C3-12)、3〜10個(C3-10)、もしくは3〜6個(C3-6)の炭素原子の分岐状飽和一価炭化水素ラジカルである。本明細書で使用されるように、線状C1-6及び分岐状C3-6アルキル基は、「低級アルキル」とも呼ばれる。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル(全ての異性形態を含む)、n-プロピル、i-プロピル、ブチル(全ての異性形態を含む)、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチル、ペンチル(全ての異性形態を含む)、及びヘキシル(全ての異性形態を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、C1-6アルキルは、1〜6個の炭素原子の線状飽和一価炭化水素ラジカル、又は3〜6個の炭素原子の分岐状飽和一価炭化水素ラジカルを指す。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「シクロアルキル」は、環状飽和架橋及び/又は非架橋一価炭化水素ラジカルを指し、これは、本明細書に記載の1以上の置換基で任意に置換されていてもよい。ある実施態様において、シクロアルキルは、3〜20個(C3-20)、3〜15個(C3-15)、3〜12個(C3-12)、3〜10個(C3-10)、又は3〜7個(C3-7)の炭素原子を有する。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、デカリニル、及びアダマンチルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「アリール」は、少なくとも1つの芳香族炭化水素環を含む単環式芳香族基及び/又は多環式一価芳香族基を指す。ある実施態様において、アリールは、6〜20個(C6-20)、6〜15個(C6-15)、又は6〜10個(C6-10)の環原子を有する。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、フルオレニル、アズレニル、アントリル、フェナントリル、ピレニル、ビフェニル、及びテルフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。アリールは、環の1つが芳香族であり、かつ環のその他が、飽和、部分不飽和、又は芳香族であり得る二環式又は三環式炭素環、例えば、ジヒドロナフチル、インデニル、インダニル、又はテトラヒドロナフチル(テトラリニル)も指す。ある実施態様において、アリールはまた、1以上の置換基で任意に置換されていてもよい。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「ハロ」、「ハロゲン」、又は「ハロゲン化物」は、フッ素、塩素、臭素、及び/又はヨウ素を指す。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「水素」は、プロトン(1H)、ジューテリウム(2H)、トリチウム(3H)、及び/又はこれらの混合物を包含する。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「任意に置換される」は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルなどの基が、例えば、(a)1以上(具体的な実施態様において、1つ、2つ、3つ、又は4つ)の置換基Q1で各々任意に置換された、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル;並びに(b)ハロ、シアノ(-CN)、ニトロ(-NO2)、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、-C(NRa)NRbRc、-ORa、-OC(O)Ra、-OC(O)ORa、-OC(O)NRbRc、-OC(=NRa)NRbRc、-OS(O)Ra、-OS(O)2Ra、-OS(O)NRbRc、-OS(O)2NRbRc、-NRbRc、-NRaC(O)Rd、-NRaC(O)ORd、-NRaC(O)NRbRc、-NRaC(=NRd)NRbRc、-NRaS(O)Rd、-NRaS(O)2Rd、-NRaS(O)NRbRc、-NRaS(O)2NRbRc、-SRa、-S(O)Ra、-S(O)2Ra、-S(O)NRbRc、及び-S(O)2NRbRc(ここで、各々のRa、Rb、Rc、及びRdは、独立に、(i)水素;(ii)1以上(具体的な実施態様において、1つ、2つ、3つ、又は4つ)の置換基Q1で各々任意に置換された、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリルであるか;又は(iii)Rb及びRcは、それらが結合しているN原子と一緒に、1以上(具体的な実施態様において、1つ、2つ、3つ、もしくは4つ)の置換基Q1で任意に置換された、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリルを形成する)から独立に選択される1以上の置換基で置換されていてもよいことを意味することが意図される。本明細書で使用されるように、置換することができる基は全て、特に規定されない限り、「任意に置換される」。
具体的な実施態様において、各々のQ1は、(a)シアノ、ハロ、及びニトロ;並びに(b)C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル;並びに(c)-C(O)Re、-C(O)ORe、-C(O)NRfRg、-C(NRe)NRfRg、-ORe、-OC(O)Re、-OC(O)ORe、-OC(O)NRfRg、-OC(=NRe)NRfRg、-OS(O)Re、-OS(O)2Re、-OS(O)NRfRg、-OS(O)2NRfRg、-NRfRg、-NReC(O)Rh、-NReC(O)ORh、-NReC(O)NRfRg、-NReC(=NRh)NRfRg、-NReS(O)Rh、-NReS(O)2Rh、-NReS(O)NRfRg、-NReS(O)2NRfRg、-SRe、-S(O)Re、-S(O)2Re、-S(O)NRfRg、及び-S(O)2NRfRgからなる群から独立に選択され;ここで、各々のRe、Rf、Rg、及びRhは、独立に、(i)水素;(ii)C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリルであるか;又は(iii)Rf及びRgは、それらが結合しているN原子と一緒に、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリルを形成する。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「アルケニル」は、1以上(具体的な実施態様において、1〜5つ)の炭素-炭素二重結合を含む、線状又は分岐状一価炭化水素ラジカルを指す。アルケニルは、1以上の置換基で任意に置換されていてもよい。用語「アルケニル」は、当業者によって認識されるように、「シス」及び「トランス」配置、或いは「E」及び「Z」配置を有するラジカルも包含する。本明細書で使用されるように、用語「アルケニル」は、特に規定されない限り、線状アルケニルと分岐状アルケニルの両方を包含する。例えば、C2-6アルケニルは、2〜6個の炭素原子の線状不飽和一価炭化水素ラジカル、又は3〜6個の炭素原子の分岐状不飽和一価炭化水素ラジカルを指す。ある実施態様において、アルケニルは、2〜20個(C2-20)、2〜15個(C2-15)、2〜12個(C2-12)、2〜10個(C2-10)、もしくは2〜6個(C2-6)の炭素原子の線状一価炭化水素ラジカル、又は3〜20個(C3-20)、3〜15個(C3-15)、3〜12個(C3-12)、3〜10個(C3-10)、もしくは3〜6個(C3-6)の炭素原子の分岐状一価炭化水素ラジカルである。アルケニル基の例としては、エテニル、プロペン-1-イル、プロペン-2-イル、アリル、ブテニル、及び4-メチルブテニルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「アルキニル」は、1以上(具体的な実施態様において、1〜5つ)の炭素-炭素三重結合を含む、線状又は分岐状一価炭化水素ラジカルを指す。アルキニルは、1以上の置換基で任意に置換されていてもよい。用語「アルキニル」はまた、特に規定されない限り、線状アルキニルと分岐状アルキニルの両方を包含する。ある実施態様において、アルキニルは、2〜20個(C2-20)、2〜15個(C2-15)、2〜12個(C2-12)、2〜10個(C2-10)、もしくは2〜6個(C2-6)の炭素原子の線状一価炭化水素ラジカル、又は3〜20個(C3-20)、3〜15個(C3-15)、3〜12個(C3-12)、3〜10個(C3-10)、もしくは3〜6個(C3-6)の炭素原子の分岐状一価炭化水素ラジカルである。アルキニル基の例としては、エチニル(-C≡CH)及びプロパルギル(-CH2C≡CH)が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、C2-6アルキニルは、2〜6個の炭素原子の線状不飽和一価炭化水素ラジカル又は3〜6個の炭素原子の分岐状不飽和一価炭化水素ラジカルを指す。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「アリールアルキル」又は「アラルキル」は、アリールで置換された一価アルキル基を指す。ある実施態様において、アルキルとアリールは両方とも、1以上の置換基で任意に置換されていてもよい。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1つの芳香環を含む単環式芳香族基及び/又は多環式芳香族基を指し、ここで、少なくとも1つの芳香環は、O、S、及びNから独立に選択される1個以上のヘテロ原子を含む。ヘテロアリール基の各々の環は、1個もしくは2個のO原子、1個もしくは2個のS原子、及び/又は1〜4個のN原子を含むことができ、但し、各々の環中のヘテロ原子の総数は、4個以下であり、各々の環は、少なくとも1つの炭素原子を含む。ある実施態様において、ヘテロアリールは、5〜20個、5〜15個、又は5〜10個の環原子を有する。単環式ヘテロアリール基の例としては、フラニル、イミダゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、テトラゾリル、トリアジニル、及びトリアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。二環式ヘテロアリール基の例としては、ベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フロピリジル、イミダゾピリジニル、イミダゾチアゾリル、インドリジニル、インドリル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソベンゾチエニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、ナフチリジニル、オキサゾロピリジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピリドピリジル、ピロロピリジル、キノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、チアジアゾロピリミジル、及びチエノピリジルが挙げられるが、これらに限定されない。三環式ヘテロアリール基の例としては、アクリジニル、ベンズインドリル、カルバゾリル、ジベンゾフラニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナントリジニル、フェナルサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、及びキサンテニルが挙げられるが、これらに限定されない。ある実施態様において、ヘテロアリール基は、1以上の置換基で任意に置換されていてもよい。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「ヘテロシクロアルキル」、「ヘテロシクリル」、又は「複素環式」は、少なくとも1つの非芳香環を含む単環式非芳香環系及び/又は多環式環系を指し、ここで、非芳香環原子のうちの1つ又は複数は、O、S、又はNから独立に選択されるヘテロ原子であり;かつ残りの環原子は炭素原子である。ある実施態様において、ヘテロシクリル又は複素環式基は、3〜20個、3〜15個、3〜10個、3〜8個、4〜7個、又は5〜6個の環原子を有する。ある実施態様において、ヘテロシクリルは、単環式、二環式、三環式、又は四環式環系であり、該環系は、縮合又は架橋環系を含んでいてもよく、また、該環系において、窒素又は硫黄原子は、任意に酸化されていてもよく、窒素原子は、任意に四級化されていてもよく、いくつかの環は、部分もしくは完全飽和、又は芳香族であってもよい。ヘテロシクリルは、安定化合物の生成をもたらす任意のヘテロ原子又は炭素原子において主要構造に結合していてもよい。そのような複素環式ラジカルの例としては、アゼピニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラノニル、ベンゾピラノニル、ベンゾピラニル、ベンゾテトラヒドロフラニル、ベンゾテトラヒドロチエニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾオキサジニル、β-カルボリニル、クロマニル、クロモニル、シンノリニル、クマリニル、デカヒドロイソキノリニル、ジヒドロベンズイソチアジニル、ジヒドロベンズイソオキサジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロピラニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジオキソラニル、1,4-ジチアニル、フラノニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、インドリニル、イソベンゾテトラヒドロフラニル、イソベンゾテトラヒドロチエニル、イソクロマニル、イソクマリニル、イソインドリニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、オキサゾリジノニル、オキサゾリジニル、オキシラニル、ピペラジニル、ピペリジニル、4-ピペリドニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピロリジニル、ピロリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル、チアモルホリニル、チアゾリジニル、テトラヒドロキノリニル、及び1,3,5-トリチアニルが挙げられるが、これらに限定されない。
ある実施態様において、複素環(heterocyclic)は、1以上の置換基で任意に置換されていてもよい。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「メチレン」は、二価の-CH2-基を指す。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「カルボニル」は、二価の-C(=O)-基を指す。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「ヘテロアルキル」又は「ヘテロアルキル基」は、少なくとも1つのメチレン基がヘテロ原子又はヘテロ基、例えば、O、S、又はNR(式中、Rは、Hもしくは有機基である)によって置換されているアルキル基から誘導される一価基を指す。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「有機基」は、少なくとも1つの炭素原子を含む基を指す。有機基の例としては、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボキシル、アシル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、及びヘテロシクロアルキルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「アルコキシ」又は「アルコキシ基」は、酸素原子を介して別の基に連結されているアルキル基(すなわち、-O-アルキル)を指す。アルコキシ基は、非置換であることができるか、又は1以上の好適な置換基で置換されることができる。アルコキシ基の例としては、(C1-C6)アルコキシ基、例えば、-O-メチル、-O-エチル、-O-プロピル、-O-イソプロピル、-O-2-メチル-1-プロピル、-O-2-メチル-2-プロピル、-O-2-メチル-1-ブチル、-O-3-メチル-1-ブチル、-O-2-メチル-3-ブチル、-O-2,2-ジメチル-1-プロピル、-O-2-メチル-1-ペンチル、-O-3-メチル-1-ペンチル、-O-4-メチル-1-ペンチル、-O-2-メチル-2-ペンチル、-O-3-メチル-2-ペンチル、-O-4-メチル-2-ペンチル、-O-2,2-ジメチル-1-ブチル、-O-3,3-ジメチル-1-ブチル、-O-2-エチル-1-ブチル、-O-ブチル、-O-イソブチル、-O-t-ブチル、-O-ペンチル、-O-イソペンチル、-O-ネオペンチル、及び-O-ヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。アルコキシ基は、非置換であることができるか、又は1つもしくは2つの好適な置換基で置換されることができる。いくつかの実施態様において、アルキルオキシ基のアルキル鎖は、直鎖又は分岐状であり、かつ1〜8個の炭素原子を有し、本明細書において「(C1-C8)アルコキシ」と呼ばれる。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「アリールオキシ」又は「アリールオキシ基」は、O-アリール基を指し、ここで、アリールは、本明細書中の別所で定義されている通りである。アリールオキシ基は、非置換であることができるか、又は1つもしくは2つの好適な置換基で置換されることができる。いくつかの実施態様において、アリールオキシ基のアリール環は、単環式環であり、ここで、該環は、6個の炭素原子を含み、本明細書において「(C6)アリールオキシ」と呼ばれる。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「アルコキシカルボニル」又は「アルコキシカルボニル基」は、式-C(=O)-アルコキシの一価基を指す。いくつかの実施態様において、アルコキシカルボニル基の炭化水素鎖は、直鎖又は分岐状であり、かつ1〜8個の炭素原子を有し、本明細書において「低級アルコキシカルボニル」基と呼ばれる。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「アルキルスルファニル」又は「アルキルスルファニル基」は、式-S-アルキルの一価基を指す。いくつかの実施態様において、アルキルスルファニル基の炭化水素鎖は、直鎖又は分岐状であり、かつ1〜8個の炭素原子を有し、本明細書において「低級アルキルスルファニル」基と呼ばれる。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「アシルオキシ」又は「アシルオキシ基」は、式-O-C(=O)-アルキル又は-O-C(=O)-アリールの一価基を指し、ここで、アルキル及びアリールは、本明細書中の別所で定義されている通りである。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「アシル」又は「アシル基」は、式-C(=O)H、-C(=O)-アルキル、又は-C(=O)-アリールの一価基を指し、ここで、アルキル及びアリールは、本明細書中の別所で定義されている通りである。
本明細書で提供される化合物が1以上の酸性又は塩基性部分を含む場合、該化合物は、塩として存在することができる。本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、化合物の「塩(salt)」又は「塩(salts)」という用語は、塩基性又は酸性基を有する化合物の塩(複数可)を指し、該塩は、該化合物、並びに無機酸及び有機酸を含む1以上の酸;又は無機塩基及び有機塩基を含む1以上の塩基から調製される。ある実施態様において、本明細書で提供される化合物は、塩基性の性質であり、様々な無機酸又は有機酸と多種多様な塩を形成することができる。そのような塩基性化合物の塩を調製するために使用し得る酸は、本明細書中の別所に記載されている。ある実施態様において、本明細書で提供される化合物は、酸性の性質であり、様々な無機塩基又は有機塩基と多種多様な塩を形成することができる。そのような無機塩基との塩の非限定的な例としては、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩が挙げられる。ある実施態様において、本明細書で提供される化合物の塩は、1以上の酸性又は塩基性対イオンを含み、これには、限定されないが:酢酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重酒石酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、ヨウ化物、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストル酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、ヒドロキシナフトエ酸塩、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メタンスルホン酸塩、ムスケート(muscate)、ナプシル酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、ヘミ硫酸塩、亜硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トリエチオダイド、及び/もしくはパモ酸塩など;又はリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、鉄、及び/もしくはアンモニウムイオンなど;又はN,N-ジシクロヘキシルメチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、エタノールアミン、2,6-ルチジン、N-メチルモルホリン、ピリジン、及び/もしくはトリエチルアミンなど;又はアミノ酸、及び/もしくは保護アミノ酸などが含まれる。
本明細書で提供される化合物が酸性又は塩基性部分を含む場合、それは、医薬として許容し得る塩として提供されることもできる(例えば、「医薬の塩、特性、及び使用の手引き書(Handbook of Pharmaceutical Salts, Properties, and Use)」, Stahl及びWermuth編; Wiley-VCH and VHCA社, Zurich, 2002を参照されたい)。本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「医薬として許容し得る塩」は、無機酸及び有機酸を含む医薬として許容し得る無毒な酸、又は無機塩基及び有機塩基を含む医薬として許容し得る無毒な塩基から調製される塩を指す。
「塩」又は「医薬として許容し得る塩」の調製において使用される好適な酸としては、酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アントラニル酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、L-アスパラギン酸、D-アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、ホウ酸、樟脳酸、(+)-樟脳酸、(-)-樟脳酸、カンファースルホン酸、(1R)-(-)-10-カンファースルホン酸、(1S)-(+)-10-カンファースルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エテンスルホン酸、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、フロン酸、ガラクタル酸、ガラクツロン酸、ゲンチジン酸、グルカレン(glucarenic)酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、D-グルコン酸、L-グルコン酸、グルクロン酸、D-グルクロン酸、L-グルクロン酸、グルタミン酸、D-グルタミン酸、L-グルタミン酸、グルタル酸、オキソグルタル酸、α-オキソグルタル酸、β-オキソグルタル酸、グリコール酸、グリシド酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、イセチオン酸、乳酸、D-乳酸、L-乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、D-リンゴ酸、L-リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、(+)-マンデル酸、(-)-マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモン酸、パントテン酸、過塩素酸、フェニル酢酸、リン酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、L-ピログルタミン酸、D-ピログルタミン酸、サッカリン酸、サリチル酸、4-アミノ-サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸、D-酒石酸、L-酒石酸、チオシアン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ウンデシレン酸、及び吉草酸が挙げられるが、これらに限定されない。一実施態様において、塩又は医薬として許容し得る塩は、塩酸から形成される。一実施態様において、塩又は医薬として許容し得る塩は、硫酸から形成される。一実施態様において、塩又は医薬として許容し得る塩は、メタンスルホン酸から形成される。一実施態様において、塩又は医薬として許容し得る塩は、臭化水素酸から形成される。一実施態様において、塩又は医薬として許容し得る塩は、酢酸から形成される。
「塩」又は「医薬として許容し得る塩」の調製において使用される好適な塩基としては、無機塩基、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化亜鉛、水酸化リチウム、又は水酸化ナトリウム;並びに有機塩基、例えば、L-アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、コリン、デアノール、N,N-ジシクロヘキシルメチルアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、2-(ジエチルアミノ)-エタノール、エタノールアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、イソプロピルアミン、N-メチル-グルカミン、ヒドラバミン、1H-イミダゾール、L-リジン、2,6-ルチジン、モルホリン、N-メチル-モルホリン、4-(2-ヒドロキシエチル)-モルホリン、メチルアミン、ピペリジン、ピペラジン、プロピルアミン、ピロリジン、1-(2-ヒドロキシエチル)-ピロリジン、ピリジン、キヌクリジン、キノリン、イソキノリン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N-メチル-D-グルカミン、2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール、及びトロメタミンを含む、第1級、第2級、第3級、及び第4級脂肪族及び芳香族アミンが挙げられるが、これらに限定されない。
一実施態様において、5-アザシチジンの「塩(salt)」、「塩(salts)」、又は「医薬として許容し得る塩」は、本明細書の別所に記載されているような、無機酸及び/又は有機酸から誘導される、5-アザシチジンの酸付加塩(複数可)を指す。いくつかの実施態様において、塩は、塩酸、臭化水素酸、ホウ酸、リン酸、又は硫酸から形成される。一実施態様において、塩は、塩酸から形成される。一実施態様において、塩は、硫酸から形成される。一実施態様において、塩は、メタンスルホン酸から形成される。いくつかの実施態様において、塩は、酢酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、又はトリフルオロ酢酸から形成される。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「溶媒和物」は、本明細書で提供される化合物又はその塩であって、非共有結合的分子間力により結合した化学量論的又は非化学量論的な量の溶媒をさらに含むものを指す。溶媒が水である場合、溶媒和物は水和物(例えば、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物など)である。
本明細書で使用されるように、特に示されない限り、用語「多形」は、本明細書で提供される化合物又はその塩もしくは錯体の固体結晶性形態を指す。同じ化合物の異なる多形は、とりわけ、異なる物理的、化学的、生物学的、及び/又は分光学的特性を示すことができる。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「立体異性体」は、本明細書で提供される全てのエナンチオマー的/ステレオマー的に純粋な化合物及びエナンチオマー的/ステレオマー的に濃縮された化合物を包含する。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「ステレオマー的に純粋な」は、化合物の1つの立体異性体を含み、かつその化合物の他の立体異性体を実質的に含まない組成物を意味する。例えば、1つのキラル中心を有する化合物のステレオマー的に純粋な組成物は、該化合物の反対のエナンチオマーを実質的に含まない。2つのキラル中心を有する化合物のステレオマー的に純粋な組成物は、該化合物の他のジアステレオマーを実質的に含まない。典型的なステレオマー的に純粋な化合物は、約80重量%を超える該化合物の1つの立体異性体及び約20重量%未満の該化合物の他の立体異性体、約90重量%を超える該化合物の1つの立体異性体及び約10重量%未満の該化合物の他の立体異性体、約95重量%を超える該化合物の1つの立体異性体及び約5重量%未満の該化合物の他の立体異性体、約97重量%を超える該化合物の1つの立体異性体及び約3重量%未満の該化合物の他の立体異性体、又は約99重量%を超える該化合物の1つの立体異性体及び約1重量%未満の該化合物の他の立体異性体を含む。
本明細書で使用されるように、特に示されない限り、用語「ステレオマー的に濃縮された」は、約55重量%を超えるある化合物の1つの立体異性体、約60重量%を超えるある化合物の1つの立体異性体、約70重量%を超える、又は約80重量%を超えるある化合物の1つの立体異性体を含む組成物を意味する。
本明細書で使用されるように、特に示されない限り、用語「エナンチオマー的に純粋な」は、1つのキラル中心を有する化合物のステレオマー的に純粋な組成物を意味する。同様に、用語「エナンチオマー的に濃縮された」は、1つのキラル中心を有する化合物のステレオマー的に濃縮された組成物を意味する。
ある実施態様において、本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、「光学活性のある」及び「エナンチオマー的に活性のある」は、約50%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約91%以上、約92%以上、約93%以上、約94%以上、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上、約99.5%以上、又は約99.8%以上のエナンチオマー過剰を有する、分子の集合体を指す。ある実施態様において、該化合物は、当該ラセミ化合物の総重量に基づいて、約95%以上の所望のエナンチオマー及び約5%以下のあまり好ましくないエナンチオマーを含む。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「ラセミ化合物の」又は「ラセミ化合物」は、分子中の全てのキラル中心に関して約50%の1つのエナンチオマー及び約50%の対応するエナンチオマーを指す。
光学活性化合物を記載する際、接頭辞R及びSを用いて、分子の絶対配置をそのキラル中心(複数可)に関して示す。(+)及び(-)を用いて、化合物の旋光度、すなわち、偏光面が光学活性化合物によって回転する方向を示す。(-)の接頭辞は、化合物が左旋性であること、すなわち、化合物が偏光面を左又は反時計回りに回転させることを示す。(+)の接頭辞は、化合物が右旋性であること、すなわち、化合物が偏光面を右又は時計回りに回転させることを示す。しかしながら、旋光度の記号である(+)及び(-)は、分子の絶対配置R及びSとは関連しない。
特に規定されない限り、本明細書で提供される化合物は、エナンチオマー的に純粋なもの、例えば、単一のエナンチオマーもしくは単一のジアステレオマーであってもよく、又は立体異性体の混合物、例えば、エナンチオマーの混合物、例えば、2つのエナンチオマーのラセミ混合物;もしくは2以上のジアステレオマーの混合物であってもよい。個々のエナンチオマーの従来の調製/単離技術としては、好適な光学的に純粋な前駆体からの合成、アキラルな出発材料からの不斉合成、又はエナンチオマー混合物の分割、例えば、キラルクロマトグラフィー、再結晶化、分割、ジアステレオマー塩形成、もしくはジアステレオマー付加物への誘導体化と、その後の分離が挙げられる。
構造異性体が相互互換性である場合、本明細書で提供される化合物は、単一の互変異性体又は互変異性体の混合物として存在し得ることに留意すべきである。これは、例えば、イミノ、ケト、もしくはオキシム基を含む化合物におけるプロトン互変異性;又は芳香族部分を含む化合物における、いわゆる、原子価互変異性の形態を取ることができる。したがって、単一の化合物が、2種類以上の異性を示し得るということになる。
本明細書で使用されるように、特に示されない限り、用語「約(about)」又は「約(approximately)」は、当業者により決定される、特定の値についての許容し得る誤差を意味し、これは、一つには、該値がどのようにして測定又は決定されるかということによって決まる。ある実施態様において、用語「約(about)」又は「約(approximately)」は、1、2、3、又は4標準偏差以内を意味する。ある実施態様において、用語「約(about)」又は「約(approximately)」は、所与の値又は範囲の50%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.05%以内を意味する。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、化合物を「実質的に含まない」組成物は、該組成物が、約20重量%未満、約10重量%未満、約5重量%未満、約3重量%未満、約1重量%未満、約0.1重量%未満、約0.01重量%未満、約0.001重量%未満、又は約0.0001重量%未満の該化合物を含むことを意味する。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、「実質的に純粋」である組成物は、該組成物が、約80重量%超、約90重量%超、約95重量%超、約97重量%超、約99重量%超、約99.5重量%超、約99.9重量%超、約99.95重量%超、約99.99重量%超、約99.995重量%超、約99.999重量%超、約99.9995重量%超、又は約99.9999重量%超の純度レベルを有することを意味する。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「医薬として許容し得る担体」、「医薬として許容し得る賦形剤」、「生理的に許容し得る担体」、又は「生理的に許容し得る賦形剤」は、医薬として許容し得る材料、組成物、又はビヒクル、例えば、液体又は固体の充填剤、希釈剤、溶媒、又は封入材料を指す。一実施態様において、各々の構成要素は、医薬製剤の他の成分と適合性があり、かつ過度の毒性、刺激、アレルギー応答、免疫原性、又は他の問題もしくは合併症を伴わずに、ヒト及び動物の組織又は器官と接触させて使用するのに好適であり、妥当な利益/リスク比に見合うものであるという意味において「医薬として許容し得る」。レミントン:薬学の科学と実践(Remington: The Science and Practice of Pharmacy), 第21版, Lippincott Williams & Wilkins(2005);医薬賦形剤のハンドブック(Handbook of Pharmaceutical Excipients), 第5版, Roweら編, The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association(2005);及び医薬添加物のハンドブック(Handbook of Pharmaceutical Additives), 第3版, Ash及びAsh編, Gower Publishing Company(2007);医薬予備製剤及び製剤(Pharmaceutical Preformulation and Formulation), 第2版, Gibson編, CRC Press (2009)を参照されたい。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「活性成分」、「活性物質」、又は「活性医薬成分」は、疾病、障害、又は疾患の1以上の症状を治療、予防、及び/又は改善するために、単独で、又は他の医薬活性化合物(複数可)、及び/もしくは1以上の医薬として許容し得る賦形剤と組み合わせて対象に投与される化合物又は物質を指す。本明細書で使用されるように、「活性成分」、「活性物質」、及び「活性医薬成分」は、本明細書に記載の化合物の医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、又は光学活性異性体であってもよい。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「薬物」及び「治療剤」は、疾病、障害、又は疾患の1以上の症状を治療、予防、管理、及び/又は改善するために対象に投与される、化合物、又はその医薬組成物を指す。
本明細書で使用されるように、特に示されない限り、用語「治療する(treat)」、「治療する(treating)」、及び「治療」は、疾患もしくは障害、又は該疾患もしくは障害と関連する1以上の症状の根絶又は寛解を指す。ある実施態様において、該用語は、そのような疾患又は障害を有する対象への1以上の予防剤又は治療剤の投与によってもたらされる、疾患又は障害の拡大又は悪化の最小化を指す。いくつかの実施態様において、該用語は、他の追加の活性剤の有無を問わず、特定の疾患の症状の発症後の、本明細書で提供される化合物の投与を指す。
本明細書で使用されるように、特に示されない限り、用語「予防する(prevent)」、「予防する(preventing)」、及び「予防」は、疾患もしくは障害、又はその1以上の症状の発症、再発、又は拡大の予防を指す。ある実施態様において、該用語は、他の追加の活性化合物の有無を問わず、症状の発症前の、特に、本明細書で提供される疾患又は障害のリスクがある患者への、本明細書で提供される化合物による治療又は該化合物の投与を指す。該用語は、特定の疾患の症状の阻害又は軽減を包含する。特に疾患の家族歴のある患者は、ある実施態様での予防レジメンの候補である。さらに、症状再発の病歴を有する患者も、予防の潜在的候補である。この点で、用語「予防」は、用語「予防的治療」と互換的に使用することができる。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「管理する(manage)」、「管理する(managing)」、及び「管理」は、疾患もしくは障害、又はその1以上の症状の進行、拡大、又は悪化の予防又は緩徐化を指す。多くの場合、予防剤及び/又は治療剤から対象が得る有益な効果は、該疾患又は障害の治癒をもたらさない。この点で、用語「管理する(managing)」は、特定の疾患に罹患してしまった患者を、該疾患の再発を予防もしくは最小化することを目指して治療することを包含する。
本明細書で使用されるように、特に規定されない限り、用語「対象」は、限定されないが、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなどを含む、哺乳動物などの動物を含むように本明細書で定義される。具体的な実施態様において、対象はヒトである。
特に規定されない限り、本明細書で提供される化合物は、プロドラッグとして提供することができ、これは、該化合物の機能的誘導体、例えば、5-アザシチジンであり、かつインビボで親化合物に容易に変換することができる。プロドラッグは、多くの場合、有用であるが、それは、プロドラッグが、時として、親化合物よりも投与しやすい場合があるからである。プロドラッグが、例えば、経口投与によって生体利用可能であり得るのに対し、親化合物は、そうではない。プロドラッグは、親化合物と比べて医薬組成物への溶解度が向上している場合もある。プロドラッグは、酵素的過程及び代謝的加水分解を含む、様々な機構によって、親薬物に変換され得る。プロドラッグ:挑戦及び報酬(Prodrugs: Challenges and Rewards), Valentino J. Stellaら編, Springer Press, 2007;Harperの文献、Progress in Drug Research, 1962, 4, 221-294;「プロドラッグ及び類似体による生物薬剤学的特性の設計(Design of Biopharmaceutical Properties through Prodrugs and Analogs)」, Roche編, APHA Acad. Pharm. Sci., 1977中のMorozowichらの文献;「薬物の設計、理論、及び適用における薬物中の生体可逆的担体(Bioreversible Carriers in Drug in Drug Design, Theory and Application)」, Roche編, APHA Acad. Pharm. Sci., 1987;Bundgaardの文献、「プロドラッグの設計(Design of Prodrugs)」, Elsevier, 1985;Wangらの文献、Curr. Pharm. Design, 1999, 5, 265-287;Paulettiらの文献、Adv. Drug. Delivery Rev., 1997, 27, 235-256;Mizenらの文献、Pharm. Biotech., 1998, 11, 345-365;Gaignaultらの文献、 Pract. Med. Chem., 1996, 671-696;「医薬システムにおける輸送プロセス(Transport Processes in Pharmaceutical Systems)」, Amidonら編, Marcell Dekker, 185-218, 2000中のAsgharnejadの文献;Balantらの文献、Eur. J. Drug Metab. Pharmacokinet., 1990, 15, 143-53;Balimane及びSinkoの文献、Adv. Drug Delivery Rev., 1999, 39, 183-209;Browneの文献、Clin. Neuropharmacol., 1997, 20, 1-12;Bundgaardの文献、Arch. Pharm. Chem., 1979, 86, 1-39;Bundgaardの文献、Controlled Drug Delivery, 1987, 17, 179-96;Bundgaardの文献、Adv. Drug Delivery Rev., 1992, 8, 1-38;Fleisherらの文献、Adv. Drug Delivery Rev., 1996, 19, 115-130;Fleisherらの文献、Methods Enzymol., 1985, 112, 360-381;Farquharらの文献、J. Pharm. Sci., 1983, 72, 324-325;Freemanらの文献、J. Chem. Soc., Chem. Commun., 1991, 875-877;Friis及びBundgaardの文献、Eur. J. Pharm. Sci., 1996, 4, 49-59;Gangwarらの文献、Des. Biopharm. Prop. Prodrugs Analogs, 1977, 409-421;Nathwani及びWoodの文献、Drugs, 1993, 45, 866-94;Sinhababu及びThakkerの文献、Adv. Drug Delivery Rev., 1996, 19, 241-273;Stellaらの文献、Drugs, 1985, 29, 455-73;Tanらの文献、Adv. Drug Delivery Rev., 1999, 39, 117-151;Taylorの文献、Adv. Drug Delivery Rev., 1996, 19, 131-148;Valentino及びBorchardtの文献、Drug Discovery Today, 1997, 2, 148-155;Wiebe及びKnausの文献、Adv. Drug Delivery Rev., 1999, 39, 63-80;及びWallerらの文献、Br. J. Clin. Pharmac., 1989, 28, 497-507を参照されたい。
特に規定されない限り、反応性官能基(例えば、限定されないが、カルボキシ、ヒドロキシ、及びアミノ部分)を含む、本明細書で提供される化合物は、該化合物の調製に有用な中間体を含め、その好適な保護誘導体も包含する。「保護誘導体」は、1つ又は複数の反応部位が1以上の保護基(ブロック基としても知られる)でブロックされている化合物である。カルボキシ部分に対する好適な保護基としては、ベンジル、t-ブチルなどが挙げられる。アミノ及びアミド基に対する好適な保護基としては、アセチル、t-ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、シリルなどが挙げられる。ヒドロキシに対する好適な保護基としては、ベンジル、アセチル、シリルなどが挙げられる。他の好適な保護基は、当業者に周知である。保護基の選択及び使用、並びに保護基を導入及び除去するための反応条件は、例えば、T. W. Greene及びP. G. M. Wutsの文献、「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」, 第3版, John Wiley & Sons社 1999に記載されている。
本明細書で使用されるように、特に示されない限り、用語「方法(process)」は、本明細書で提供される化合物を調製するのに有用である本明細書に開示される方法(method)を指す。当業者に周知である本明細書に開示される方法(method)(例えば、出発材料、試薬、保護基、溶媒、温度、反応時間、精製)に対する変更もまた、本開示によって包含される。
本明細書で使用されるように、特に示されない限り、用語「添加する」、「反応させる」、「混合する」などは、ある反応物質、試薬、溶媒、触媒、反応基などを、別の反応物質、試薬、溶媒、触媒、反応基などと接触させることを意味する。特に規定されない限り、反応物質、試薬、溶媒、触媒、反応基などは、個別に、同時に、もしくは別々に、添加することができるか、又は任意の順序で添加することができる。それらは、熱の存在下又は非存在下で添加することができ、かつ任意に不活性雰囲気下で添加することができる。「反応させる」は、反応基が同じ分子内にある場合、原位置形成又は分子内反応を指すことができる。
本明細書で使用されるように、特に示されない限り、「実質的に終了した」又は「実質的な終了」へと駆動される反応は、該反応が、パーセント収率で約50%を上回る、パーセント収率で約60%を上回る、パーセント収率で約70%を上回る、パーセント収率で約80%を上回る、パーセント収率で約90%を上回る、パーセント収率で約95%を上回る、又はパーセント収率で約97%を上回る所望の生成物を含むことを意味する。或いは、用語「実質的に終了した」又は「実質的な終了」は、該反応が、その出発量と比べて、約50%未満の出発材料、その出発量と比べて、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満、約3%未満、約1%未満、約0.5%未満、約0.1%未満、約0.05%未満、又は約0.01%未満の出発材料を含むことを意味する。
図示された構造とその構造に与えられている名称との間に不一致がある場合、図示された構造に、より重きが置かれるべきである。さらに、構造又はその一部の立体化学が、例えば、太線又は破線で示されていない場合、該構造又はその一部は、該構造の全ての立体異性体を包含するものと解釈されるべきである。
B.方法
本明細書で提供されるのは、5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形の調製方法である。一般に、本明細書で提供される方法は、5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形の大規模な又は商業的な生産に有用な安全で、効率的で、費用効率が高く、及び/又は容易に拡張可能な方法を包含する。
一実施態様において、本明細書で提供されるのは、実質的に純粋である5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形の生成方法である。一実施態様において、本明細書で提供されるのは、実質的に化学的に純粋である5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形の生成方法である。一実施態様において、本明細書で提供されるのは、実質的に物理的に純粋である5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形の生成方法である。一実施態様において、本明細書で提供されるのは、ヒトでの使用に好適な、例えば、とりわけ、癌、異常な細胞増殖に関連する異常、血液学的異常、及び骨髄異形成症候群(MDS)を含む疾患又は疾病を治療、予防、及び/又は管理するための、5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形の生成方法である。
一実施態様において、本明細書で提供される方法は、5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形の大規模な又は商業的な生産のための、安全で、費用効率が高く、及び/又は効率的な手段を包含する。一実施態様において、本明細書で提供される方法は、5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形を、1グラム超、10グラム超、25グラム超、50グラム超、100グラム超、250グラム超、500グラム超、1,000グラム超、5,000グラム超、10,000グラム超、50,000グラム超、又は100,000グラム超の規模で生成させる。
一実施態様において、本明細書で提供される方法は、5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形を、約10%超、約15%超、約20%超、約25%超、約30%超、約35%超、約40%超、約45%超、約50%超、約55%超、約60%超、約65%超、約70%超、約75%超、約80%超、約85%超、約90%超、又は約95%超の全収率で生成させ、ここで、該収率は、例えば、5-アザシトシン、又は保護されたβ-D-リボフラノース(例えば、式Bの化合物)などの出発材料に基づいて算出される。
一実施態様において、本明細書で提供される方法は、実質的に純粋である5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形を生成させる。一実施態様において、5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形の純度は、全バッチに対して、約95%w/w超、約96%w/w超、約97%w/w超、約98%w/w超、約99%w/w超、約99.5%w/w超、約99.8%w/w超、約99.9%w/w超、約99.95%w/w超、約99.98%w/w超、又は約99.99%w/w超である。一実施態様において、5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形中の全不純物は、全バッチに対して、約5%w/w未満、約4%w/w未満、約3%w/w未満、約2%w/w未満、約1%w/w未満、約0.5%w/w未満、約0.2%w/w未満、約0.1%w/w未満、約0.05%w/w未満、約0.02%w/w未満、約0.01%w/w未満、約0.005%w/w未満、又は約0.001%w/w未満である。一実施態様において、5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形中の個々の不純物成分は、全バッチに対して、約5%w/w未満、約2%w/w未満、約1%w/w未満、約0.9%w/w未満、約0.8%w/w未満、約0.7%w/w未満、約0.6%w/w未満、約0.5%w/w未満、約0.4%w/w未満、約0.3%w/w未満、約0.2%w/w未満、約0.1%w/w未満、約0.05%w/w未満、約0.01%w/w未満、約0.005%w/w未満、約0.001%w/w未満、約0.0005%w/w未満、又は約0.0001%w/w未満である。一実施態様において、本明細書で提供される方法は、実質的に物理的に及び/又は化学的に純粋である、5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形を生成させる。
一実施態様において、本明細書で提供される方法は、実質的に物理的に純粋である5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形を生成させる。一実施態様において、本明細書で提供される方法は、実質的に物理的に純粋である5-アザシチジンの多形又は結晶性形態を生成させる。一実施態様において、5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形の物理的純度は、全バッチに対して、約95%w/w超、約96%w/w超、約97%w/w超、約98%w/w超、約99%w/w超、約99.5%w/w超、約99.8%w/w超、約99.9%w/w超、約99.95%w/w超、約99.98%w/w超、又は約99.99%w/w超である。一実施態様において、5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形中の全不純物は、全バッチに対して、約5%w/w未満、約4%w/w未満、約3%w/w未満、約2%w/w未満、約1%w/w未満、約0.5%w/w未満、約0.2%w/w未満、約0.1%w/w未満、約0.05%w/w未満、約0.02%w/w未満、約0.01%w/w未満、約0.005%w/w未満、又は約0.001%w/w未満である。一実施態様において、5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形中の個々の不純物成分は、全バッチに対して、約5%w/w未満、約2%w/w未満、約1%w/w未満、約0.9%w/w未満、約0.8%w/w未満、約0.7%w/w未満、約0.6%w/w未満、約0.5%w/w未満、約0.4%w/w未満、約0.3%w/w未満、約0.2%w/w未満、約0.1%w/w未満、約0.05%w/w未満、約0.01%w/w未満、約0.005%w/w未満、約0.001%w/w未満、約0.0005%w/w未満、又は約0.0001%w/w未満である。
一実施態様において、本明細書で提供される方法は、実質的に化学的に純粋である5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形を生成させる。一実施態様において、本明細書で提供される方法は、実質的に化学的に純粋である5-アザシチジンの多形又は結晶性形態を生成させる。一実施態様において、5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形の化学的純度は、全バッチに対して、約95%w/w超、約96%w/w超、約97%w/w超、約98%w/w超、約99%w/w超、約99.5%w/w超、約99.8%w/w超、約99.9%w/w超、約99.95%w/w超、約99.98%w/w超、又は約99.99%w/w超である。一実施態様において、5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形中の全不純物は、全バッチに対して、約5%w/w未満、約4%w/w未満、約3%w/w未満、約2%w/w未満、約1%w/w未満、約0.5%w/w未満、約0.2%w/w未満、約0.1%w/w未満、約0.05%w/w未満、約0.02%w/w未満、約0.01%w/w未満、約0.005%w/w未満、又は約0.001%w/w未満である。一実施態様において、5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形中の個々の不純物成分は、全バッチに対して、約5%w/w未満、約2%w/w未満、約1%w/w未満、約0.9%w/w未満、約0.8%w/w未満、約0.7%w/w未満、約0.6%w/w未満、約0.5%w/w未満、約0.4%w/w未満、約0.3%w/w未満、約0.2%w/w未満、約0.1%w/w未満、約0.05%w/w未満、約0.01%w/w未満、約0.005%w/w未満、約0.001%w/w未満、約0.0005%w/w未満、又は約0.0001%w/w未満である。
一実施態様において、不純物は、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)によって検出可能である。一実施態様において、不純物としては、とりわけ、6-アミノ-5-アザシトシン、2,4,6-トリアミノトリアジン、2,4-ジアミノトリアジン、6-メチル-5-アザシトシン、6-アミノ-5-アザシチジン、6-メチル-5-アザシチジン、及び1-β-D-リボフラノシル-3-グアニル尿素が挙げられるが、これらに限定されない。一実施態様において、不純物は、例えば、スズ又は鉄を含む不純物などの、金属系不純物である。一実施態様において、不純物は、例えば、メタノール、ジクロロメタン、トルエン、又はトリエチルアミンなどの、揮発性有機化合物である。一実施態様において、不純物は、例えば、メタノール、ジクロロメタン、トルエン、又はジメチルスルホキシドなどの、有機溶媒である。一実施態様において、5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形の乾燥減量(LOD)は、全バッチに対して、約5%w/w未満、約2%w/w未満、約1%w/w未満、約0.9%w/w未満、約0.8%w/w未満、約0.7%w/w未満、約0.6%w/w未満、約0.5%w/w未満、約0.4%w/w未満、約0.3%w/w未満、約0.2%w/w未満、約0.1%w/w未満、約0.05%w/w未満、又は約0.01%w/w未満である。
一実施態様において、本明細書で提供されるのは、5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形を調製する方法であって、シリル化された5-アザシトシンを保護されたβ-D-リボフラノースと金属ルイス酸の存在下で反応させて、保護された5-アザシチジンを生じさせる工程、該保護された5-アザシチジンを脱保護して、5-アザシチジンを生じさせる工程、及び該5-アザシチジンを精製して、限定されないが、金属系不純物を含む、1以上の不純物を実質的に含まない、5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形を生じさせる工程を含む、方法である。
一実施態様において、企図される金属系不純物は、金属ルイス酸中の金属元素と同じ金属元素を含み、これには、先行するカップリング反応で使用される、金属ルイス酸、例えば、塩化第二スズ、塩化第二鉄、塩化亜鉛、四塩化チタン、塩化アルミニウム、塩化アルキルアルミニウム、塩化ジアルキルアルミニウム、三フッ化アルミニウム、又は三フッ化ホウ素から誘導される、スズ、鉄、亜鉛、チタン、アルミニウム、又はホウ素が含まれるが、これらに限定されない。一実施態様において、5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形中の全金属系不純物は、全バッチに対して、約500ppm(百万分率)w/w未満、約200ppm w/w未満、約100ppm w/w未満、約50ppm w/w未満、約20ppm w/w未満、約10ppm w/w未満、約5ppm w/w未満、約2ppm w/w未満、約1ppm w/w未満、約0.5ppm w/w未満、約0.2ppm w/w未満、又は約0.1ppm w/w未満である。一実施態様において、5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形中の、例えば、スズ又は鉄含有量などの、個々の金属系不純物は、全バッチに対して、約500ppm w/w未満、約200ppm w/w未満、約100ppm w/w未満、約50ppm w/w未満、約20ppm w/w未満、約10ppm w/w未満、約5ppm w/w未満、約2ppm w/w未満、約1ppm w/w未満、約0.5ppm w/w未満、約0.2ppm w/w未満、約0.1ppm w/w未満、約0.05ppm w/w未満、約0.02ppm w/w未満、又は約0.01ppm w/w未満である。
具体的な実施態様において、本明細書で提供されるのは、5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形を調製する方法であって、以下の工程:
(a)5-アザシトシンをシリル化試薬と反応させて、シリル化された5-アザシトシンを生じさせる工程;
(b)該シリル化された5-アザシトシンをアシル保護されたβ-D-リボフラノースと金属ルイス酸の存在下で反応させる工程;及び該反応を水及び少なくとも1つの中和試薬でクエンチして、保護された5-アザシチジンを生じさせる工程;
(c)該保護された5-アザシチジンをアルコキシド、アンモニア、及びテトラ置換水酸化アンモニウムからなる群から選択される塩基とアルコール中で反応させて、5-アザシチジンを生じさせる工程;
(d)工程(c)由来の5-アザシチジンを酸と有機溶媒中で接触させて、5-アザシチジンの塩を生じさせる工程;
(e)工程(d)由来の5-アザシチジンの塩を塩基と有機溶媒中で接触させて、遊離塩基としての5-アザシチジンを生じさせる工程;並びに
(f)工程(e)由来の5-アザシチジンを再結晶化させる工程
のうちのいずれか1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つを含む、方法である。
一実施態様において、該シリル化された5-アザシトシンは、式(A)の化合物である:
(式中、各R
1は独立に、任意に置換されたC
1-C
10アルキル、任意に置換されたC
3-C
10シクロアルキル、又は任意に置換されたC
6-C
10アリールである)。いくつかの実施態様において、R
1は、限定されないが、メチル、エチル、i-プロピル、t-ブチル、フェニル、キシリル、及びベンジルを含む、直鎖アルキル、分岐状アルキル、シクロアルキル、又はアリールである。いくつかの実施態様において、R
1はメチルである。いくつかの実施態様において、R
1はエチルである。いくつかの実施態様において、R
1はイソプロピルである。いくつかの実施態様において、該シリル化された5-アザシトシンは、以下である:
。
種々の好適な保護基を用いて、β-D-リボフラノース中のヒドロキシル基を保護し、保護されたβ-D-リボフラノースを形成させることができ、これを、シリル化された5-アザシトシン(例えば、式(A)の化合物)とカップリングさせることができる。該保護基は、好適な条件下で、反応シーケンスの後半で(例えば、保護された5-アザシチジンが形成された後に)除去することができる。当業者であれば、β-D-リボフラノースのヒドロキシル部分に対する好適な保護基を認識し、選択するであろうし、また、そのような保護基を導入するための適切な条件を選択するであろう。例えば、T. W. Greene及びP. G. M. Wutsの文献、「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」, 第3版, John Wiley & Sons社, 1999を参照されたい。一実施態様において、該保護されたβ-D-リボフラノースは、商業的供給源から購入されるか、又は文献手順に従って調製される。一実施態様において、該保護されたβ-D-リボフラノースは、1以上のアシル、アルキル、シリル、アセタール、もしくはケタール保護基、又はこれらの組合せを有する。一実施態様において、該保護されたβ-D-リボフラノースは、好適な保護基(複数可)によって保護されたヒドロキシル基のうちの1つ、2つ、3つ、又は4つを有する。一実施態様において、4つのヒドロキシル基は全て、該保護されたβ-D-リボフラノース中で保護されている。一実施態様において、該保護されたβ-D-リボフラノースは、アシル保護されたβ-D-リボフラノースである。一実施態様において、該保護されたβ-D-リボフラノースは、テトラ-アシル保護されたβ-D-リボフラノースである。
一実施態様において、該保護されたβ-D-リボフラノースは、式(B)の化合物である:
(式中、各R
2は独立に、水素、任意に置換されたC
1-C
10アルキル、任意に置換されたC
3-C
10シクロアルキル、又は任意に置換されたC
6-C
10アリールである)。いくつかの実施態様において、R
2は、任意に置換されたメチル又は任意に置換されたフェニルである。いくつかの実施態様において、R
2はメチルである。いくつかの実施態様において、R
2はフェニルである。いくつかの実施態様において、該保護されたβ-D-リボフラノースは、以下である:
。
一実施態様において、該金属ルイス酸は、限定されないが、スズ、鉄、亜鉛、チタン、アルミニウム、及びホウ素を含む、金属原子を含むルイス酸である。一実施態様において、該金属ルイス酸は、塩化第二スズ、塩化第二鉄、塩化亜鉛、四塩化チタン、塩化アルミニウム、塩化アルキルアルミニウム(例えば、EtAlCl2)、塩化ジアルキルアルミニウム(例えば、Et2AlCl)、フッ化アルミニウム、三フッ化ホウ素などからなる群から選択される。一実施態様において、該金属ルイス酸は、塩化第二スズ又は塩化第二鉄である。一実施態様において、該金属ルイス酸は、塩化第二スズである。一実施態様において、該金属ルイス酸は、塩化第二鉄である。
一実施態様において、該保護された5-アザシチジンは、式(C)又は(D)の化合物である:
(式中、各R
1は独立に、任意に置換されたC
1-C
10アルキル、任意に置換されたC
3-C
10シクロアルキル、又は任意に置換されたC
6-C
10アリールであり;かつ各R
2は独立に、水素、任意に置換されたC
1-C
10アルキル、任意に置換されたC
3-C
10シクロアルキル、又は任意に置換されたC
6-C
10アリールである)。いくつかの実施態様において、R
1は、限定されないが、メチル、エチル、i-プロピル、t-ブチル、フェニル、キシリル、及びベンジルを含む、直鎖アルキル、分岐状アルキル、シクロアルキル、又はアリールである。いくつかの実施態様において、R
1はメチルである。いくつかの実施態様において、R
2は、任意に置換されたメチル又は任意に置換されたフェニルである。いくつかの実施態様において、R
2はメチルである。いくつかの実施態様において、R
2はフェニルである。
一実施態様において、該保護された5-アザシチジンは、式(C)の化合物である。
一実施態様において、式(D)の化合物を、シリル化された5-アザシトシンと保護されたβ-D-リボフラノースの間のカップリング反応から形成させ、その後、該反応の水性後処理の間に式(C)の化合物に変換する。一実施態様において、式(C)の化合物を、該反応の水性後処理後に単離する。
具体的な実施態様において、該保護された5-アザシチジンは、以下である:
。
具体的な実施態様において、保護された5-アザシチジンは、以下である:
。
一実施態様において、保護された5-アザシチジンは、以下である:
。
一実施態様において、本明細書で提供されるのは、下のスキーム1に記載されているような、5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形の調製方法である:
(式中、R
1及びR
2は、本明細書中の別所で定義されている)。
一実施態様において、5-アザシチジンの精製は、5-アザシチジンの所与のバッチ中の、例えば、金属系不純物などの、不純物含有量を実質的に減少させるための、5-アザシチジンの塩の形成を包含する。一実施態様において、5-アザシチジンの酸付加塩を形成させて、5-アザシチジンの所与のバッチ中の、例えば、金属系不純物などの、不純物含有量を実質的に減少させる。例えば、具体的な実施態様において、5-アザシチジンを、酸、例えば、塩酸とともに、溶媒、例えば、アルコール、例えば、メタノール中で撹拌する。5-アザシチジンの酸付加塩を生成させる。その後、該5-アザシチジンの塩を、例えば、濾過による収集などで、単離し、溶媒、例えば、アルコール、例えば、メタノールで洗浄する。任意に、該5-アザシチジンの塩を、真空下で、周囲温度で、又は高温、例えば、50〜60℃で乾燥させる。該5-アザシチジンの塩を、実質的に減少した不純物含有量、例えば、金属含有量、例えば、スズ又は鉄含有量を有する結晶性固体として単離することができる。一実施態様において、該5-アザシチジンの塩は、実質的に物理的に純粋である。一実施態様において、該5-アザシチジンの塩は、実質的に化学的に純粋である。
一実施態様において、該5-アザシチジンの塩を塩基で処理して、5-アザシチジンの酸付加塩を破壊し、及び5-アザシチジンの遊離塩基を形成させる。いくつかの実施態様において、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.5、又は約3.0当量の塩基を用いて、該5-アザシチジンの遊離塩基を該酸付加塩から生成させる。他の実施態様において、約3.0当量を超える塩基を用いて、該5-アザシチジンの遊離塩基を該酸付加塩から生成させる。具体的な実施態様において、例えば、該5-アザシチジンの塩を、塩基、例えば、有機塩基、例えば、トリエチルアミンとともに、溶媒、例えば、アルコール、例えば、メタノール中で撹拌する。該5-アザシチジンの遊離塩基を形成させる。その後、該5-アザシチジンの遊離塩基を、例えば、濾過による収集などで、単離し、溶媒、例えば、アルコール、例えば、メタノールで洗浄する。濾液が、酸性塩対イオン、例えば、塩化物を実質的に含まなくなるまで、洗浄を継続することができる。任意に、単離された5-アザシチジンの遊離塩基を、真空下で、周囲温度で、又は高温、例えば、50〜60℃で乾燥させる。該5-アザシチジンの遊離塩基を、実質的に減少した不純物含有量、例えば、金属含有量、例えば、スズ又は鉄含有量を有する結晶性固体として単離することができる。一実施態様において、該5-アザシチジンの遊離塩基は、実質的に物理的に純粋である。一実施態様において、該5-アザシチジンの遊離塩基は、実質的に化学的に純粋である。
一実施態様において、5-アザシチジンを再結晶化によって精製する。例えば、具体的な実施態様において、5-アザシチジン又はその塩を、溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)に、該5-アザシチジンが溶解するのを可能にするのに十分な温度、例えば、約85℃超の温度で溶解させる。任意に、5-アザシチジンの溶液を、例えば、濾紙に通して、濾過する。濾過を、高温、例えば、約85℃超の温度で実施することができる。任意に、熱いDMSOを用いて、濾過により保持される粒子を洗浄することができる。5-アザシチジンの溶液に、例えば、アルコール、例えば、メタノールなどの貧溶媒を添加する。該混合物を冷却すると、5-アザシチジンが再結晶化する。他の実施態様において、貧溶媒を、5-アザシチジンのDMSO溶液の冷却工程で添加することができる。例えば、5-アザシチジンの熱いDMSO溶液を最初にある温度まで冷却し、その後、貧溶媒を添加し、その後、得られた混合物をさらに冷却する。結晶性5-アザシチジンを、濾過により収集することができる。結晶性5-アザシチジンを、例えば、アルコール、例えば、メタノールなどの溶媒で洗浄することができる。いくつかの実施態様において、再結晶化された5-アザシチジンを、真空下で、周囲温度で、又は高温、例えば、約40℃、約50℃、約60℃、約70℃、約80℃、もしくは約90℃で乾燥させる。該再結晶化された5-アザシチジンを、不純物含有量、例えば、金属含有量、例えば、スズ又は鉄含有量を実質的に含まない結晶性固体として単離することができる。一実施態様において、該再結晶化された5-アザシチジンは、実質的に物理的に純粋である。一実施態様において、該再結晶化された5-アザシチジンは、実質的に化学的に純粋である。
一実施態様において、5-アザシチジンの精製は、塩形成工程、遊離塩基形成工程、及び/又は再結晶化工程の組合せを含む。一実施態様において、5-アザシチジンの精製は、(1)塩形成、(2)遊離塩基形成、及び(3)再結晶化の工程を含む。別の実施態様において、5-アザシチジンの精製は、(1)塩形成、(2)再結晶化、及び(3)遊離塩基形成の工程を含む。別の実施態様において、5-アザシチジンの精製は、(1)再結晶化、(2)塩形成、及び(3)遊離塩基形成の工程を含む。別の実施態様において、5-アザシチジンの精製は、(1)塩形成、及び(2)遊離塩基形成の工程を含む。別の実施態様において、5-アザシチジンの精製は、(1)塩形成、及び(2)再結晶化の工程を含む。別の実施態様において、5-アザシチジンの精製は、(1)再結晶化、及び(2)塩形成の工程を含む。
一実施態様において、本明細書で提供されるのは、下のスキーム2に記載されているような、5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形の調製方法である:
(式中、R
1及びR
2は、本明細書中の別所で定義されており、X
-は、本明細書中の別所で定義されているような、1以上の塩対イオンである)。
一実施態様において、本明細書で提供されるのは、下のスキーム3に記載されているような、5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形の調製方法である:
(式中、R
1及びR
2は、本明細書中の別所で定義されており、X
-は、本明細書中の別所で定義されているような、1以上の塩対イオンである)。
一実施態様において、本明細書で提供されるのは、下のスキーム4に記載されているような、5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形の調製方法である:
(式中、R
1及びR
2は、本明細書中の別所で定義されており、X
-は、本明細書中の別所で定義されているような、1以上の塩対イオンである)。
一実施態様において、本明細書で提供されるのは、5-アザシチジン、又はその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形を調製する方法であって、以下の工程:
(a)5-アザシトシンをシリル化試薬と反応させて、シリル化された5-アザシトシンを生じさせる工程;
(b)該シリル化された5-アザシトシンをアシル保護されたβ-D-リボフラノースと金属ルイス酸の存在下で反応させる工程;及び該反応を水及び少なくとも1つの中和試薬でクエンチして、保護された5-アザシチジンを生じさせる工程;
(c)該保護された5-アザシチジンをアルコキシド、アンモニア、及びテトラ置換水酸化アンモニウムからなる群から選択される塩基とアルコール中で反応させて、5-アザシチジンを生じさせる工程;
(d)工程(c)由来の5-アザシチジンを酸と有機溶媒中で接触させて、5-アザシチジンの塩を生じさせる工程;
(e)工程(d)由来の5-アザシチジンの塩を塩基と有機溶媒中で接触させて、遊離塩基としての5-アザシチジンを生じさせる工程;並びに
(f)工程(e)由来の5-アザシチジンを再結晶化させる工程
のうちのいずれか1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つを含む、方法である。
1.工程(a):5-アザシトシンのシリル化
一実施態様において、工程(a)で使用されるシリル化試薬は、トリメチルシリル(TMS)試薬である(すなわち、R1はメチルである)。一実施態様において、工程(a)で使用されるシリル化試薬は、2以上のTMS試薬の混合物である。一実施態様において、工程(a)で使用されるシリル化試薬は、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)及びクロロトリメチルシラン(TMSCl)からなる群から選択される。いくつかの実施態様において、該シリル化試薬は、HMDSとTMSClの混合物を含む。いくつかの実施態様において、該シリル化試薬は、HMDSを含む。いくつかの実施態様において、該シリル化試薬は、HMDSである。
一実施態様において、工程(a)で使用されるシリル化試薬は、5-アザシトシンに対してモル過剰である。一実施態様において、工程(a)のシリル化反応は、過剰なHMDSを使用する。一実施態様において、工程(a)のシリル化反応は、過剰な約7容量のHMDS(例えば、100gの5-アザシトシンに対して、700mLのHMDS)を使用する。一実施態様において、工程(a)のシリル化反応は、5-アザシトシンに対して、過剰な約4容量、約5容量、約7容量、約10容量、約12容量、又は約14容量のHMDSを使用する。
一実施態様において、工程(a)のシリル化反応を触媒の存在下で実施する。一実施態様において、触媒は、硫酸アンモニウムである。
一実施態様において、シリル化反応を室温で実施する。一実施態様において、シリル化反応を高温で実施する。一実施態様において、シリル化反応を、約50℃超、約60℃超、約70℃超、約80℃超、約90℃超、約100℃超、約110℃超、約120℃超、約130℃超、約140℃超、約150℃超、約160℃超、約170℃超の温度で実施する。一実施態様において、シリル化反応を、約50℃〜約170℃、約60℃〜約165℃、約70℃〜約160℃、約80℃〜約155℃、約90℃〜約150℃、約100℃〜約145℃、約110℃〜約140℃、約120℃〜約140℃の温度で実施する。一実施態様において、該反応を、約125℃の温度で実施する。一実施態様において、該反応を、約130℃の温度で実施する。
一実施態様において、シリル化反応を不活性雰囲気下で実施する。一実施態様において、シリル化反応を窒素下で実施する。一実施態様において、シリル化反応をアルゴン下で実施する。
シリル化反応の反応時間は、反応温度、使用されるシリル化試薬、及び反応混合物中の試薬の濃度によって、約0.5時間〜約24時間と異なり得る。一般に、反応温度がより高ければ、反応時間はより短い。一実施態様において、反応時間は、約0.5時間、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間、約22時間、又は約24時間である。一実施態様において、反応時間は、約125℃の反応温度で、触媒、例えば、硫酸アンモニウムの存在下で、シリル化試薬がHMDSを含むとき、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、又は約6時間である。いくつかの実施態様において、反応混合物は、反応が実質的に終了したとき、透明な溶液になる。
一実施態様において、シリル化反応を、溶媒の非存在下で、モル過剰のシリル化試薬を用いて、任意に、触媒の存在下で実施する。一実施態様において、シリル化反応を溶媒の存在下で実施する。一実施態様において、シリル化反応を、例えば、アセトニトリルなどの極性有機溶媒の存在下で実施する。一実施態様において、該溶媒を、反応の終了後、真空下(例えば、10〜15mmHg)で除去する。
一実施態様において、シリル化された5-アザシトシンは、式(A)の化合物である:
(式中、R
1は、本明細書中の別所で定義されている)。一実施態様において、シリル化された5-アザシトシンは、以下である:
。
一実施態様において、シリル化された5-アザシトシンを固体として単離する。他の実施態様において、シリル化された5-アザシトシンを、単離することなく、工程(b)で直接使用する。いくつかの実施態様において、シリル化された5-アザシトシンを、不活性雰囲気、例えば、窒素及び/又はアルゴン下で単離する。一実施態様において、シリル化された5-アザシトシンを、真空蒸留を用いてシリル化試薬を除去することにより単離する。一実施態様において、シリル化された5-アザシトシンを濾過により単離する。
一実施態様において、シリル化された5-アザシチジンを、5-アザシトシンと、1以上のTMS試薬(5-アザシトシンと比べて過剰なモル比で存在する)と、例えば、硫酸アンモニウムなどの触媒との懸濁液を、還流状態で、溶媒なしで、透明な溶液が生じるまで加熱することにより調製し、その場合、トリメチルシリル化された5-アザシチジン(すなわち、R1がメチルである式(A)の化合物)が形成される。いくつかの実施態様において、TMS試薬は、HMDSである。
一実施態様において、シリル化された5-アザシトシンを、当技術分野で公知の技術により単離する。一実施態様において、単離されたシリル化された5-アザシトシンを、乾燥させて、又は乾燥させないで、後続の保護されたβ-D-リボフラノースとのカップリング反応において使用する。一実施態様において、シリル化反応混合物を周囲温度に冷却し、その場合、シリル化された5-アザシトシンは、該反応混合物から結晶化する。一実施態様において、シリル化された5-アザシトシンの結晶化を、例えば、ヘプタンなどの好適な貧溶媒により促進させる。一実施態様において、シリル化された5-アザシトシンを、不活性雰囲気下での濾過により単離する。一実施態様において、シリル化された5-アザシトシンを、例えば、ヘプタンなどの好適な洗浄溶媒で洗浄する。別の実施態様において、シリル化された5-アザシトシンを、過剰なTMS試薬及び溶媒(もし存在すれば)を真空蒸留により除去することによって、固体残渣として単離する。一実施態様において、例えば、トルエンなどの好適な溶媒を、シリル化された5-アザシトシンの固体残渣に添加し、溶媒を真空蒸留により除去し、その場合、HMDSなどの残留TMS試薬を、溶媒と一緒に除去する。一実施態様において、過剰なHMDSを真空蒸留により回収し、シリル化試薬として再使用してもよい。一実施態様において、単離されたシリル化された5-アザシトシンを、後続のカップリング工程で使用するために、例えば、ジクロロメタン、アセトニトリル、又は1,2-ジクロロエタンなどの好適な溶媒に溶解させる。
一実施態様において、シリル化された5-アザシトシンを、「原位置」で、5-アザシトシン及び等モル量のシリル化試薬(複数可)(例えば、HMDSとTMSClの混合物)から、好適な溶媒中、触媒の存在下又は非存在下、還流状態で調製する。一実施態様において、該溶媒は、乾燥した有機溶媒である。一実施態様において、該溶媒は、限定されないが、ハロゲン化溶媒を含む、乾燥した非極性有機溶媒である。一実施態様において、該溶媒は、限定されないが、アセトニトリルを含む、乾燥した極性有機溶媒である。得られるシリル化された5-アザシトシンを、単離することなく、後続のカップリング工程で直接使用することができる。
2.工程(b):カップリング
一実施態様において、工程(b)で使用されるアシル保護されたβ-D-リボフラノースは、式(B)の化合物である:
(式中、R
2は、本明細書中の別所で定義されている)。一実施態様において、該アシル保護されたβ-D-リボフラノースは、以下である:
。
一実施態様において、工程(b)で使用されるアシル保護されたβ-D-リボフラノースは、商業的供給業者(例えば、Suven Life Sciences Limited社)から購入することができる。一実施態様において、工程(b)で使用されるアシル保護されたβ-D-リボフラノースは、文献手順に従って、β-D-リボフラノースから調製することができる。
一実施態様において、工程(b)で使用される金属ルイス酸は、例えば、スズ、鉄、亜鉛、チタン、アルミニウム、及びホウ素などの金属原子を含むルイス酸である。一実施態様において、該金属ルイス酸は、塩化第二スズ、塩化第二鉄、塩化亜鉛、四塩化チタン、塩化アルミニウム、塩化アルキルアルミニウム(例えば、EtAlCl2)、塩化ジアルキルアルミニウム(例えば、Et2AlCl)、フッ化アルミニウム、三フッ化ホウ素などからなる群から選択される。一実施態様において、該金属ルイス酸は、塩化第二スズ又は塩化第二鉄である。一実施態様において、該金属ルイス酸は、塩化第二スズである。一実施態様において、該金属ルイス酸は、塩化第二鉄である。
一実施態様において、工程(b)の反応を、乾燥した有機溶媒中で実施する。一実施態様において、工程(b)の反応を、低水溶性溶媒中で実施する。一実施態様において、工程(b)の反応を、低水溶性の乾燥した有機非極性溶媒中で実施する。一実施態様において、工程(b)の反応を、限定されないが、ジクロロメタン、四塩化炭素、クロロホルム、及びジクロロエタンを含む、ハロゲン化溶媒中で実施する。一実施態様において、工程(b)の反応を、ジクロロメタン中で実施する。一実施態様において、工程(b)の反応を、乾燥した極性有機溶媒中で実施する。一実施態様において、工程(b)の反応を、アセトニトリル中で実施する。
一実施態様において、工程(b)の反応を、約30℃未満の温度で実施する。一実施態様において、工程(b)の反応を、約25℃未満の温度で実施する。一実施態様において、工程(b)の反応を、約20℃未満の温度で実施する。一実施態様において、工程(b)の反応を、約15℃未満の温度で実施する。一実施態様において、工程(b)の反応を、約10℃未満の温度で実施する。一実施態様において、工程(b)の反応を、約5℃未満の温度で実施する。一実施態様において、工程(b)の反応を、約0℃未満の温度で実施する。一実施態様において、工程(b)の反応を、約-20℃超の温度で実施する。一実施態様において、工程(b)の反応を、約-10℃超の温度で実施する。一実施態様において、工程(b)の反応を、約0℃超の温度で実施する。一実施態様において、工程(b)の反応を、約0℃〜約5℃の温度で実施する。一実施態様において、工程(b)の反応を、約-5℃〜約-10℃の温度で実施する。一実施態様において、工程(b)の反応を、約-15℃〜約-20℃の温度で実施する。
一実施態様において、工程(b)のカップリング反応を不活性雰囲気下で実施する。一実施態様において、該カップリング反応を窒素下で実施する。一実施態様において、該カップリング反応をアルゴン下で実施する。
工程(b)のカップリング反応の反応時間は、反応温度、使用される試薬、及び反応混合物中の試薬の濃度によって、約1時間〜約24時間と異なり得る。一般に、反応温度がより高ければ、反応時間はより短くなるが、より高い反応温度は、副反応又は生成物の分解を生じ得る。具体的な実施態様において、工程(b)の反応時間は、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間、約22時間、又は約24時間である。ある実施態様において、該反応時間は、ルイス酸が塩化第二スズであるとき、約0℃〜約5℃の反応温度で、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、又は約10時間である。ある実施態様において、該反応時間は、ルイス酸が塩化第二鉄であるとき、約0℃〜約5℃の反応温度で、約2時間、約4時間、約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間、約22時間、又は約24時間である。いくつかの実施態様において、反応の進行を、例えば、反応混合物のアリコートを採取し、それを水溶液でクエンチし、それをHPLCに通すことによってモニタリングする。一実施態様において、反応の進行のモニタリングによって、反応が実質的に終了したことが明らかになったときに、反応をクエンチする。
一実施態様において、工程(b)の反応を、シリル化された5-アザシトシンをアシル保護されたβ-D-リボフラノースとともに約0℃〜約5℃の温度で維持された溶媒中で撹拌し;反応混合物の温度を維持しながら、金属ルイス酸、例えば、塩化第二スズ又は塩化第二鉄を添加し;かつ該反応混合物を、約0℃〜約5℃の温度で、反応が実質的に終了するまで撹拌することによって実施する。一実施態様において、工程(b)の反応を、アシル保護されたβ-D-リボフラノースと、金属ルイス酸、例えば、塩化第二スズ又は塩化第二鉄とを、約0℃〜約5℃の温度で維持された溶媒中で撹拌し;反応混合物の温度を維持しながら、シリル化された5-アザシトシンを添加し;かつ該反応混合物を、約0℃〜約5℃の温度で、反応が実質的に終了するまで撹拌することによって実施する。
一実施態様において、工程(b)の反応で使用されるアシル保護されたβ-D-リボフラノースの工程(a)で使用される5-アザシトシンに対するモル比は、約0.5(すなわち、[アシル保護されたβ-D-リボフラノース]/[5-アザシトシン]=0.5)、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、又は約2.0である。一実施態様において、工程(b)の反応で使用されるアシル保護されたβ-D-リボフラノースの工程(a)で使用される5-アザシトシンに対するモル比は、約0.9である。一実施態様において、工程(b)の反応で使用されるアシル保護されたβ-D-リボフラノースの工程(a)で使用される5-アザシトシンに対するモル比は、約1.0である。一実施態様において、工程(b)の反応で使用されるアシル保護されたβ-D-リボフラノースの工程(a)で使用される5-アザシトシンに対するモル比は、約1.1である。
一実施態様において、工程(b)の反応で使用される金属ルイス酸の工程(a)で使用される5-アザシトシンに対するモル比は、約0.5(すなわち、[ルイス酸]/[5-アザシトシン]=0.5)、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.5、約3.0、又は約3.0超である。一実施態様において、工程(b)の反応で使用される金属ルイス酸の工程(a)で使用される5-アザシトシンに対するモル比は、約0.9である。一実施態様において、工程(b)の反応で使用される金属ルイス酸の工程(a)で使用される5-アザシトシンに対するモル比は、約1.0である。一実施態様において、工程(b)の反応で使用される金属ルイス酸の工程(a)で使用される5-アザシトシンに対するモル比は、約1.1である。一実施態様において、工程(b)の反応で使用される金属ルイス酸の工程(a)で使用される5-アザシトシンに対するモル比は、約1.5である。
一実施態様において、工程(b)の反応を水及び1以上の中和試薬でクエンチし、クエンチされた組成物を生じさせる。一実施態様において、工程(b)の反応を、約15℃、約10℃、約5℃、又は約0℃の温度でクエンチする。一実施態様において、工程(b)の反応を、約10℃3f未満の温度でクエンチする。クエンチング工程は、発熱性であり得る。一実施態様において、反応混合物を冷却浴中で冷却する。一実施態様において、水及び1以上の中和試薬を、工程(b)の反応混合物の温度を維持するために、該反応混合物にゆっくりと添加する。一実施態様において、水及び中和試薬(複数可)を、溶液として一緒に、工程(b)の反応混合物に添加する。一実施態様において、水及び中和試薬(複数可)を、別々にかつ順次添加する。一実施態様において、水を、工程(b)の反応混合物に添加する前に冷やす。一実施態様において、反応をクエンチするときに、有機溶媒を工程(b)の反応混合物に添加し、そのような有機溶媒は、例えば、ジクロロメタンなどの、該反応で使用されるのと同じ溶媒であってもよい。
一実施態様において、工程(b)の中和試薬は、無機試薬である。一実施態様において、工程(b)の中和試薬は、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウムなどの、無機塩基である。一実施態様において、工程(b)の中和試薬は、例えば、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、炭酸リチウム、重炭酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸リチウム、リン酸水素リチウム、リン酸二水素リチウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、及びクエン酸リチウムなどの、無機塩である。一実施態様において、工程(b)の中和試薬は、炭酸塩もしくは重炭酸塩、又はこれらの混合物である。一実施態様において、工程(b)の中和試薬は、炭酸ナトリウムもしくは重炭酸ナトリウム、又はこれらの混合物である。一実施態様において、工程(b)の中和試薬は、1:1のモル比の炭酸ナトリウムと重炭酸ナトリウムの混合物である。一実施態様において、工程(b)の中和試薬は、1:1の重量比の炭酸ナトリウムと重炭酸ナトリウムの混合物である。一実施態様において、工程(b)の中和試薬は、炭酸ナトリウムである。一実施態様において、工程(b)の中和試薬は、重炭酸ナトリウムである。一実施態様において、該中和試薬をまず水に溶解させ、該溶液を工程(b)の反応混合物に添加する。一実施態様において、該中和試薬を工程(b)の反応混合物に固体として添加する。一実施態様において、該中和試薬をまず工程(b)の反応混合物に添加し、その後、水を該反応混合物に添加する。一実施態様において、水をまず工程(b)の反応混合物に添加し、その後、該中和試薬を固体として又は溶液として、該反応混合物に添加する。
一実施態様において、クエンチされた組成物を、約15分、約30分、約45分、約1時間、約1.5時間、約2時間、又は約2時間よりも長く撹拌する。一実施態様において、クエンチされた組成物を、約15℃、約10℃、約5℃、又は約0℃の温度で撹拌する。一実施態様において、クエンチされた組成物を、約10℃未満の温度で撹拌する。一実施態様において、例えば、酸化第二スズ又は酸化第二鉄などの金属酸化物は、反応容器の底に沈殿する。
一実施態様において、工程(b)の反応のクエンチされた組成物を濾過する。一実施態様において、工程(b)の反応のクエンチされた組成物を、Hyflo Super Gel(登録商標)に通して濾過する。一実施態様において、工程(b)の反応のクエンチされた組成物を、Celite(登録商標)に通して濾過する。一実施態様において、濾過ケーキを、有機溶媒、例えば、低水溶性の有機非極性溶媒で洗浄する。一実施態様において、工程(b)の反応のクエンチング組成物を、約15℃、約10℃、約5℃、又は約0℃の温度で濾過する。一実施態様において、工程(b)の反応のクエンチング組成物を、約10℃未満の温度で濾過する。
一実施態様において、工程(b)の反応のクエンチされた組成物の濾液は、有機相及び水相を含む。一実施態様において、該濾液の有機相を、その水相から分離すると、所望の生成物は、通常、該有機相中に存在する。一実施態様において、該有機相を水でさらに洗浄する。一実施態様において、該濾液(例えば、該濾液の有機相)を、水性EDTA(エチレンジアミン四酢酸)塩溶液で洗浄する。一実施態様において、該濾液を、水性EDTA二ナトリウム塩溶液、例えば、10%EDTA二ナトリウム塩溶液で洗浄する。一実施態様において、該濾液の洗浄、抽出、及び/又は相分離を、約15℃、約10℃、約5℃、又は約0℃の温度で実施する。一実施態様において、該濾液の洗浄、抽出、及び/又は相分離を、約10℃未満の温度で実施する。一実施態様において、該濾液(例えば、該濾液の有機相)を、例えば、無水硫酸ナトリウム又は無水硫酸マグネシウムなどの無水塩上で乾燥させる。一実施態様において、該濾液の溶媒を留去して、保護された5-アザシチジンを固体残渣として生じさせる。一実施態様において、メタノールを保護された5-アザシチジンの固体残渣に添加して、生成物を再懸濁させ、その後、この混合物の溶媒を留去して、保護された5-アザシチジンの固体残渣を形成させる。ある実施態様において、保護された5-アザシチジンの固体残渣は、結晶性固体である。一実施態様において、抽出で使用する該濾液の溶媒(例えば、ジクロロメタン)を一部留去して、保護された5-アザシチジンの濃縮溶液を生じさせ、その後、アルコール、例えば、メタノールを該混合物に添加し、その後、真空蒸留して、溶媒(例えば、ジクロロメタン)を実質的に除去し、アルコール、例えば、メタノール中の保護された5-アザシチジンのスラリーを形成させる。
本明細書に記載されるように、保護された5-アザシチジンの水への曝露は、非極性の乾燥した有機溶媒をカップリング工程に用いることによって最小限に抑えることができる。或いは、乾燥した有機極性溶媒をカップリング工程で用いる場合、該溶媒を除去し、クエンチング前に、乾燥した非極性有機溶媒と置き換えることができる。クエンチング組成物を、低温、例えば、約10℃未満で維持して、水性抽出の間のエマルジョン、並びに後処理工程(例えば、クエンチング、濾過、及び抽出)の間の生成物の分解の可能性を低下させることができる。
一実施態様において、工程(b)の保護された5-アザシチジンは、式(C)の化合物である:
(式中、R
1及びR
2は、本明細書中の別所で定義されている)。一実施態様において、該保護された5-アザシチジンは、以下である:
。
一実施態様において、該保護された5-アザシチジンは、工程(a)及び(b)の後、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又は約99%の収率で得られる。一実施態様において、収率は、工程(a)で使用される5-アザシトシンに基づいて算出される。
3.工程(c):脱保護
一実施態様において、工程(c)で使用される塩基は、アルコキシド、アンモニア、又はテトラ置換水酸化アンモニウムである。一実施態様において、工程(c)で使用される塩基は、アルコキシドである。一実施態様において、工程(c)で使用される塩基は、アンモニアである。一実施態様において、工程(c)で使用される塩基は、例えば、ベンジルトリメチル水酸化アンモニウムなどの、テトラ置換水酸化アンモニウムである。一実施態様において、工程(c)で使用される塩基は、ナトリウムアルコキシドである。一実施態様において、工程(c)で使用される塩基は、ナトリウムメトキシドである。
一実施態様において、工程(c)で使用されるアルコールは、メタノールである。一実施態様において、工程(c)で使用されるアルコールは、エタノールである。一実施態様において、工程(c)で使用されるアルコールは、イソプロパノールである。
一実施態様において、工程(c)の反応を室温で実施する。一実施態様において、工程(c)の反応を、約20℃の温度で実施する。一実施態様において、工程(c)の反応を、約25℃の温度で実施する。一実施態様において、工程(c)の反応を、約30℃の温度で実施する。
工程(c)の脱保護反応の反応時間は、反応温度、使用される塩基、及び反応混合物中の試薬の濃度によって、約1時間〜約24時間と異なり得る。一般に、反応温度がより高ければ、反応時間はより短いが、より高い反応温度は、副反応又は生成物の分解を生じ得る。具体的な実施態様において、工程(c)の反応時間は、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間、約22時間、又は約24時間である。ある実施態様において、反応時間は、約25℃〜約30℃の反応温度で、約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間、約22時間、又は約24時間である。いくつかの実施態様において、反応の進行を、例えば、反応混合物のアリコートを採取し、それをHPLCに通すことによってモニタリングする。一実施態様において、例えば、反応の進行のモニタリングによって、反応が実質的に終了したことが明らかになったときに、反応をクエンチする。
一実施態様において、工程(c)の反応を不活性雰囲気下で実施する。一実施態様において、工程(c)の反応を窒素下で実施する。一実施態様において、工程(c)の反応をアルゴン下で実施する。
一実施態様において、工程(c)の反応を、保護された5-アザシチジンをアルコール中で撹拌し、塩基を添加し、混合物を、周囲温度で、反応が実質的に終了するまで撹拌することによって実施する。一実施態様において、反応混合物のpH値は、塩基を添加した後、約pH 10を上回る。一実施態様において、反応混合物のpH値が約pH 10を上回るまで、追加の塩基を添加する。
一実施態様において、工程(c)の5-アザシチジンを濾過により収集する。一実施態様において、工程(c)の5-アザシチジンを、限定されないが、アルコール、例えば、メタノールを含む、非水性溶媒で洗浄する。一実施態様において、工程(c)の5-アザシチジンを、真空下(例えば、10〜15mmHg)で乾燥させる。一実施態様において、工程(c)の5-アザシチジンを、高温(例えば、約60℃)で、真空下(例えば、10〜15mmHg)で乾燥させる。
一実施態様において、5-アザシチジンは、工程(a)〜(c)の後、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又は約99%の収率で得られる。一実施態様において、収率は、工程(a)で使用される5-アザシトシンに基づいて算出される。
4.工程(d):塩形成
一実施態様において、工程(d)の塩形成に使用される酸は、限定されないが、医薬として許容し得る塩を形成することができる酸を含む、有機酸又は無機酸である。具体的な実施態様において、該酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、及びメタンスルホン酸が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、工程(d)で使用される酸は、塩酸である。
一実施態様において、工程(d)で使用される有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、メチルt-ブチルエーテル、アセトニトリル、N-メチルピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、もしくはクロロホルムなど、又はこれらの混合物である。一実施態様において、工程(d)の有機溶媒は、アルコール又はその混合物である。いくつかの実施態様において、工程(d)の有機溶媒は、メタノールである。いくつかの実施態様において、工程(d)の有機溶媒は、エタノールである。いくつかの実施態様において、工程(d)の有機溶媒は、イソプロパノールである。
一実施態様において、工程(d)の塩形成反応を、5-アザシチジンを有機溶媒中で撹拌し、酸を添加し、混合物を周囲温度で撹拌することによって実施する。
一実施態様において、(5-アザシチジンに対して)モル過剰の酸を使用する。一実施態様において、酸と5-アザシチジンのモル比は、約1:1である。
一実施態様において、工程(d)の反応を室温で実施する。一実施態様において、工程(d)の反応を、約20℃の温度で実施する。一実施態様において、工程(d)の反応を、約25℃の温度で実施する。一実施態様において、工程(d)の反応を、約30℃の温度で実施する。一実施態様において、工程(d)の反応を、約25℃未満の温度で実施する。一実施態様において、工程(d)の反応を、約25℃〜約30℃の温度で実施する。
一実施態様において、工程(d)の反応を不活性雰囲気下で実施する。一実施態様において、工程(d)の反応を窒素下で実施する。一実施態様において、工程(d)の反応をアルゴン下で実施する。
一実施態様において、工程(d)の反応の反応時間は、約0.5時間〜約24時間と異なり得る。一実施態様において、反応時間は、約0.5時間、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間、約22時間、又は約24時間である。一実施態様において、反応時間は、約1時間である。一実施態様において、反応時間は、約2時間である。一実施態様において、反応時間は、約3時間である。一実施態様において、反応時間は、約4時間である。いくつかの実施態様において、反応物質(reaction mass)はまず透明な溶液になり、その後、懸濁液になり、その場合、塩は、該反応物質から結晶化される。一実施態様において、工程(d)の反応混合物を、約20℃未満、約15℃未満、約10℃未満、又は約5℃未満の温度に冷却して、塩の結晶化を促進させる。
一実施態様において、工程(d)の5-アザシチジンの塩を濾過により収集する。一実施態様において、工程(d)の5-アザシチジンの塩を、限定されないが、アルコール、例えば、メタノールを含む、有機溶媒で洗浄する。
一実施態様において、工程(d)の5-アザシチジンの塩を、工程(d)の反応混合物を濃縮し、その後、濾過することによって単離する。一実施態様において、工程(d)の5-アザシチジンの塩を、工程(d)の反応混合物を真空下(例えば、10〜15mmHg)で濃縮して、揮発性溶媒を除去することによって単離する。
一実施態様において、工程(d)の5-アザシチジンの塩を、真空下(例えば、10〜15mmHg)で乾燥させる。一実施態様において、工程(d)の5-アザシチジンの塩を、真空下(例えば、10〜15mmHg)で、高温(例えば、約50℃、又は約60℃)で乾燥させる。
一実施態様において、5-アザシチジンの塩は、工程(d)の後、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、又は約99.9%の収率で得られる。一実施態様において、収率は、塩形成反応で使用される5-アザシチジンに基づいて算出される。
一実施態様において、工程(d)から得られる5-アザシチジンの塩は、実質的に純粋である。一実施態様において、工程(d)から得られる5-アザシチジンの塩は、実質的に物理的に純粋である。一実施態様において、工程(d)から得られる5-アザシチジンの塩は、実質的に化学的に純粋である。一実施態様において、工程(d)から得られる5-アザシチジンの塩は、例えば、金属系不純物などの不純物を実質的に含まない。一実施態様において、工程(d)由来の5-アザシチジンの塩は、実質的に化学的に及び/又は物理的に純粋である結晶性材料として得られる。
一実施態様において、工程(d)から得られる5-アザシチジンの塩の化学的純度は、全バッチに対して、約90%w/w超、約95%w/w超、約96%w/w超、約97%w/w超、約98%w/w超、約99%w/w超、約99.5%w/w超、約99.8%w/w超、約99.9%w/w超、約99.95%w/w超、約99.98%w/w超、又は約99.99%w/w超である。
一実施態様において、工程(d)から得られる5-アザシチジンの塩の物理的純度は、全バッチに対して、約90%w/w超、約95%w/w超、約96%w/w超、約97%w/w超、約98%w/w超、約99%w/w超、約99.5%w/w超、約99.8%w/w超、約99.9%w/w超、約99.95%w/w超、約99.98%w/w超、又は約99.99%w/w超である。
一実施態様において、工程(d)から得られる5-アザシチジンの塩中の全金属系不純物は、全バッチに対して、約500ppm w/w未満、約200ppm w/w未満、約100ppm w/w未満、約50ppm w/w未満、約20ppm w/w未満、約10ppm w/w未満、約5ppm w/w未満、約2ppm w/w未満、約1ppm w/w未満、約0.5ppm w/w未満、約0.2ppm w/w未満、又は約0.1ppm w/w未満である。一実施態様において、工程(d)から得られる5-アザシチジンの塩中の、例えば、スズ又は鉄含有量などの、個々の金属系不純物は、全バッチに対して、約500ppm w/w未満、約200ppm w/w未満、約100ppm w/w未満、約50ppm w/w未満、約20ppm w/w未満、約10ppm w/w未満、約5ppm w/w未満、約2ppm w/w未満、約1ppm w/w未満、約0.5ppm w/w未満、約0.2ppm w/w未満、約0.1ppm w/w未満、約0.05ppm w/w未満、約0.02ppm w/w未満、又は約0.01ppm w/w未満である。
5.工程(e):遊離塩基形成
一実施態様において、工程(e)で5-アザシチジン遊離塩基を形成させるために使用される塩基は、有機塩基又は無機塩基である。一実施態様において、工程(e)で使用される塩基は、限定されないが、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルアミン、2,6-ルチジン、N-メチルモルホリン、N,N-ジシクロヘキシルメチルアミンなどを含む、有機塩基である。いくつかの実施態様において、工程(e)の塩基は、トリエチルアミンである。
一実施態様において、工程(e)で使用される有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、メチルt-ブチルエーテル、アセトニトリル、N-メチルピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、もしくはクロロホルムなど、又はこれらの混合物である。一実施態様において、工程(e)の有機溶媒は、アルコール又はその混合物である。いくつかの実施態様において、工程(e)の有機溶媒は、メタノールである。いくつかの実施態様において、工程(e)の有機溶媒は、エタノールである。いくつかの実施態様において、工程(e)の有機溶媒は、イソプロパノールである。
一実施態様において、工程(e)の遊離塩基形成反応を、5-アザシチジンの塩を有機溶媒中で撹拌し、塩基を添加し、混合物を周囲温度で撹拌することによって実施する。
一実施態様において、(5-アザシチジンに対して)モル過剰の塩基を使用する。一実施態様において、塩基と5-アザシチジンのモル比は、約1:1である。
一実施態様において、工程(e)の反応を室温で実施する。一実施態様において、工程(e)の反応を、約20℃の温度で実施する。一実施態様において、工程(e)の反応を、約25℃の温度で実施する。一実施態様において、工程(e)の反応を、約30℃の温度で実施する。一実施態様において、工程(e)の反応を、約30℃未満の温度で実施する。一実施態様において、工程(e)の反応を、約25℃〜約30℃の温度で実施する。
一実施態様において、工程(e)の反応を不活性雰囲気下で実施する。一実施態様において、工程(e)の反応を窒素下で実施する。一実施態様において、工程(e)の反応をアルゴン下で実施する。
一実施態様において、工程(e)の反応の反応時間は、約0.5時間〜約24時間と異なり得る。一実施態様において、反応時間は、約0.5時間、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間、約22時間、又は約24時間である。一実施態様において、反応時間は、約1時間である。一実施態様において、反応時間は、約2時間である。一実施態様において、反応時間は、約3時間である。一実施態様において、反応時間は、約4時間である。いくつかの実施態様において、反応物質を、5-アザシチジンの遊離塩基の形成により、スラリーとして撹拌する。一実施態様において、工程(e)の反応混合物を、約20℃未満、約15℃未満、約10℃未満、又は約5℃未満の温度に冷却し、その後、それを濾過する。
一実施態様において、工程(e)の5-アザシチジンの遊離塩基を濾過により収集する。一実施態様において、工程(e)の5-アザシチジンの遊離塩基を、例えば、アルコール、例えば、メタノールなどの有機溶媒で洗浄する。一実施態様において、洗浄を、工程(e)の5-アザシチジンの遊離塩基が、例えば、酸付加塩対イオン(例えば、塩化物など)などの不純物を実質的に含まなくなるまで継続させる。一実施態様において、工程(e)の5-アザシチジンの遊離塩基は、限定されないが、金属系不純物及び酸付加塩対イオンを含む、不純物を実質的に含まない。
一実施態様において、工程(e)の5-アザシチジンの遊離塩基を、真空下(例えば、10〜15mmHg)で乾燥させる。一実施態様において、工程(e)の5-アザシチジンの遊離塩基を、真空下(例えば、10〜15mmHg)で、高温(例えば、約50℃、又は約60℃)で乾燥させる。
一実施態様において、5-アザシチジンの遊離塩基は、工程(e)の後、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、又は約99.9%の収率で得られる。一実施態様において、収率は、使用される5-アザシチジンの塩に基づいて算出される。
一実施態様において、工程(e)から得られる5-アザシチジンの遊離塩基は、実質的に純粋である。一実施態様において、工程(e)から得られる5-アザシチジンの遊離塩基は、実質的に物理的に純粋である。一実施態様において、工程(e)から得られる5-アザシチジンの遊離塩基は、実質的に化学的に純粋である。一実施態様において、工程(e)から得られる5-アザシチジンの遊離塩基は、例えば、金属系不純物及び/又は酸付加塩対イオンなどの不純物を実質的に含まない。一実施態様において、工程(e)由来の5-アザシチジンの遊離塩基は、実質的に化学的に及び/又は物理的に純粋である結晶性材料として得られる。
一実施態様において、工程(e)から得られる5-アザシチジンの遊離塩基の化学的純度は、全バッチに対して、約90%w/w超、約95%w/w超、約96%w/w超、約97%w/w超、約98%w/w超、約99%w/w超、約99.5%w/w超、約99.8%w/w超、約99.9%w/w超、約99.95%w/w超、約99.98%w/w超、又は約99.99%w/w超である。
一実施態様において、工程(e)から得られる5-アザシチジンの遊離塩基の物理的純度は、全バッチに対して、約90%w/w超、約95%w/w超、約96%w/w超、約97%w/w超、約98%w/w超、約99%w/w超、約99.5%w/w超、約99.8%w/w超、約99.9%w/w超、約99.95%w/w超、約99.98%w/w超、又は約99.99%w/w超である。
一実施態様において、工程(e)から得られる5-アザシチジンの遊離塩基中の全金属系不純物は、全バッチに対して、約500ppm w/w未満、約200ppm w/w未満、約100ppm w/w未満、約50ppm w/w未満、約20ppm w/w未満、約10ppm w/w未満、約5ppm w/w未満、約2ppm w/w未満、約1ppm w/w未満、約0.5ppm w/w未満、約0.2ppm w/w未満、又は約0.1ppm w/w未満である。一実施態様において、工程(e)から得られる5-アザシチジンの遊離塩基中の、例えば、スズ又は鉄含有量などの、個々の金属系不純物は、全バッチに対して、約500ppm w/w未満、約200ppm w/w未満、約100ppm w/w未満、約50ppm w/w未満、約20ppm w/w未満、約10ppm w/w未満、約5ppm w/w未満、約2ppm w/w未満、約1ppm w/w未満、約0.5ppm w/w未満、約0.2ppm w/w未満、約0.1ppm w/w未満、約0.05ppm w/w未満、約0.02ppm w/w未満、又は約0.01ppm w/w未満である。
6.工程(f):再結晶化
一実施態様において、工程(f)は、以下の工程:
(1)工程(e)由来の5-アザシチジン遊離塩基を、ジメチルスルホキシドに、該5-アザシチジンが溶解するのを可能にするのに十分な温度で溶解させる工程;及び任意に該溶液を濾過して、不溶性粒子を除去する工程;
(2)貧溶媒を工程(1)の溶液に添加する工程;並びに
(3)工程(2)の混合物を冷却する工程であって、5-アザシチジンが再結晶化する工程を含む。
一実施態様において、5-アザシチジンを、工程(f)(1)のジメチルスルホキシド(DMSO)に、例えば、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、約80℃、約85℃、約90℃、約95℃、又は約100℃の温度などの高温で溶解させる。一実施態様において、工程(f)(1)の任意の濾過を、例えば、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、約80℃、約85℃、約90℃、約95℃、又は約100℃の温度などの高温で実施する。一実施態様において、任意に、不溶性粒子を熱いDMSOで洗浄する。
一実施態様において、工程(f)(2)の貧溶媒は、アルコールである。一実施態様において、工程(f)(2)の貧溶媒は、メタノールである。一実施態様において、該貧溶媒を、5-アザシチジンDMSO溶液に、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、約80℃、又は約85℃の温度でゆっくりと添加する。一実施態様において、該貧溶媒は、メタノールであり、これを、5-アザシチジンDMSO溶液に、約70℃〜約80℃、約60℃〜約70℃、約50℃〜約60℃、約40℃〜約50℃、又は約30℃〜約40℃の温度でゆっくりと添加する。
一実施態様において、工程(f)(3)の混合物を、約35℃、約30℃、約25℃、約20℃、約15℃、約10℃、約5℃、又は約0℃の温度に冷却する。一実施態様において、工程(f)(3)の混合物を、約25℃〜約30℃の温度に冷却する。一実施態様において、工程(f)(3)の混合物を、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、又は約12時間かけて、ゆっくりと冷却する。一実施態様において、冷却後、工程(f)(3)の混合物を、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、又は約24時間の間、撹拌する。一実施態様において、混合物を約25℃〜約30℃の温度に冷却した後、該混合物を、約15時間、約25℃〜約30℃の温度で撹拌する。
具体的な実施態様において、5-アザシチジンの沈殿を、貧溶媒の添加によって誘導する。具体的な実施態様において、沈殿を、冷却によって誘導する。具体的な実施態様において、沈殿を、貧溶媒の添加と冷却の両方によって誘導する。
一実施態様において、工程(f)(1)を不活性雰囲気下で実施する。一実施態様において、工程(f)(2)を不活性雰囲気下で実施する。一実施態様において、工程(f)(3)を不活性雰囲気下で実施する。
一実施態様において、工程(f)は、以下の工程:
(4)工程(3)由来の再結晶化された5-アザシチジンを濾過により収集する工程;及び
(5)工程(4)由来の5-アザシチジンを真空下で乾燥させる工程
をさらに含む。
一実施態様において、工程(f)(4)の濾過を不活性雰囲気下で実施する。一実施態様において、固体生成物を、溶媒、例えば、メタノールで洗浄する。一実施態様において、固体生成物を、工程(f)(2)で貧溶媒として使用されたのと同じ溶媒である溶媒で洗浄する。
一実施態様において、固体生成物を、真空下(例えば、10〜15mmHg)で乾燥させる。一実施態様において、乾燥を室温で実施する。一実施態様において、乾燥を、高温、例えば、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、約80℃、約85℃、約90℃、約95℃、又は約100℃で実施する。一実施態様において、乾燥を、約85℃〜約90℃の温度で実施する。一実施態様において、乾燥を、乾燥減量が約0.4%w/wを下回るまで継続させる。一実施態様において、乾燥を、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間、約22時間、約24時間、約36時間、約48時間、約60時間、又は約72時間かけて実施する。
一実施態様において、再結晶化された5-アザシチジンは、工程(f)の後、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、又は約99.9%の収率で得られる。一実施態様において、収率は、再結晶化に使用される5-アザシチジンに基づいて算出される。
7.さらなる実施態様
一実施態様において、5-アザシトシンをHMDSと硫酸アンモニウムの存在下で最初に反応させて、シリル化された5-アザシトシンを生じさせ、これを塩化第二スズ(SnCl4)の存在下で1,2,3,5-テトラ-O-アセチル-β-D-リボフラノースとカップリングさせて、トリ-アセチル保護された5-アザシチジンを生じさせる。いくつかの実施態様において、トリ-アセチル保護されたカップリング生成物の化学的及び/又は物理的純度は、約50%w/w超、約60%w/w超、約70%w/w超、約80%w/w超、約90%w/w超、又は約95%w/w超である。一実施態様において、トリ-アセチル保護されたカップリング生成物の化学的及び/又は物理的純度は、約75%w/w超である。いくつかの実施態様において、該カップリング反応の収率は、約50%〜約99%、約60%〜約90%、約60%〜約80%、又は約65%〜約75%である(収率は、粗生成物の化学的純度に基づいている)。一実施態様において、該カップリング反応の収率は、約70%である(収率は、粗生成物の化学的純度に基づいている)。
別の実施態様において、5-アザシトシンをHMDSと硫酸アンモニウムの存在下で最初に反応させて、シリル化された5-アザシトシンを生じさせ、これを塩化第二鉄(FeCl3)の存在下で1,2,3,5-テトラ-O-アセチル-β-D-リボフラノースとカップリングさせて、トリ-アセチル保護された5-アザシチジンを生じさせる。いくつかの実施態様において、トリ-アセチル保護されたカップリング生成物の化学的及び/又は物理的純度は、約40%w/w超、約50%w/w超、約60%w/w超、約70%w/w超、約80%w/w超、又は約90%w/w超である。一実施態様において、トリ-アセチル保護されたカップリング生成物の化学的及び/又は物理的純度は、約60%w/w超である。いくつかの実施態様において、該カップリング反応の収率は、約30%〜約99%、約40%〜約90%、約40%〜約80%、約40%〜約70%、約40%〜約60%、又は約45%〜約55%である(収率は、粗生成物の化学的純度に基づいている)。一実施態様において、該カップリング反応の収率は、約50%である(収率は、粗生成物の化学的純度に基づいている)。
一実施態様において、アセチル保護された5-アザシチジンを、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液で脱アセチル化させて、5-アザシチジンの粗生成物を生じさせる。いくつかの実施態様において、粗5-アザシチジンの化学的及び/又は物理的純度は、先行するカップリング工程においてSnCl4をルイス酸として使用したとき、約80%w/w超、約90%w/w超、約95%w/w超、又は約99%w/w超である。一実施態様において、粗5-アザシチジンの化学的及び/又は物理的純度は、先行するカップリング工程においてSnCl4をルイス酸として使用したとき、約95%w/w超である。他の実施態様において、粗5-アザシチジンの化学的及び/又は物理的純度は、先行するカップリング工程においてFeCl3をルイス酸として使用したとき、約80%w/w超、約90%w/w超、約95%w/w超、又は約99%w/w超である。一実施態様において、粗5-アザシチジンの化学的及び/又は物理的純度は、先行するカップリング工程においてFeCl3をルイス酸として使用したとき、約90%w/w超である。いくつかの実施態様において、カップリング工程と脱保護工程の組み合わせた収率は、SnCl4をルイス酸として使用したとき、約40%〜約90%、約50%〜約75%、又は約55%〜約65%である(収率は、5-アザシトシンに基づいている)。一実施態様において、カップリング工程と脱保護工程の組み合わせた収率は、SnCl4をルイス酸として使用したとき、約60%である(収率は、5-アザシトシンに基づいている)。他の実施態様において、カップリング工程と脱保護工程の組み合わせた収率は、FeCl3をルイス酸として使用したとき、約20%〜約80%、約30%〜約65%、又は約35%〜約45%である(収率は、5-アザシトシンに基づいている)。一実施態様において、カップリング工程と脱保護工程の組み合わせた収率は、FeCl3をルイス酸として使用したとき、約40%である(収率は、5-アザシトシンに基づいている)。
一実施態様において、粗5-アザシチジンをメタノール中のイソプロパノール-HCl(IPA-HCl)で処理して、5-アザシチジンHCl塩を形成させる。いくつかの実施態様において、5-アザシチジンHCl塩の化学的及び/又は物理的純度は、約90%w/w超、約92%w/w超、約94%w/w超、約96%w/w超、約98%w/w超、約99%w/w超、又は約99.5%w/w超である。一実施態様において、5-アザシチジンHCl塩の化学的及び/又は物理的純度は、約98%w/w超である。いくつかの実施態様において、塩形成工程の収率は、先行するカップリング工程においてSnCl4をルイス酸として使用したとき、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、又は約99%である。一実施態様において、塩形成工程の収率は、先行するカップリング工程においてSnCl4をルイス酸として使用したとき、約80%である。他の実施態様において、塩形成工程の収率は、先行するカップリング工程においてFeCl3をルイス酸として使用したとき、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、又は約95%である。一実施態様において、塩形成工程の収率は、先行するカップリング工程においてFeCl3をルイス酸として使用したとき、約72%である。
一実施態様において、5-アザシチジンHCl塩を、メタノールの存在下、トリエチルアミンで処理して、5-アザシチジンの遊離塩基を生じさせる。いくつかの実施態様において、5-アザシチジン遊離塩基の化学的及び/又は物理的純度は、約90%w/w超、約95%w/w超、約98%w/w超、約99%w/w超、約99.5%w/w超、又は約99.9%w/w超である。一実施態様において、5-アザシチジン遊離塩基の化学的及び/又は物理的純度は、約99%w/w超である。いくつかの実施態様において、遊離塩基形成工程の収率は、先行するカップリング工程においてSnCl4をルイス酸として使用したとき、約70%、約80%、約90%、約95%、約98%、又は約99%である。一実施態様において、遊離塩基形成工程の収率は、先行するカップリング工程においてSnCl4をルイス酸として使用したとき、約95%である。他の実施態様において、塩形成工程の収率は、先行するカップリング工程においてFeCl3をルイス酸として使用したとき、約70%、約80%、約90%、約95%、約98%、又は約99%である。一実施態様において、塩形成工程の収率は、先行するカップリング工程においてFeCl3をルイス酸として使用したとき、約99%である。
一実施態様において、5-アザシチジン遊離塩基をDMSO及びメタノール中で再結晶化させて、最終生成物としての5-アザシチジンを生じさせる。いくつかの実施態様において、5-アザシチジン最終生成物の化学的及び/又は物理的純度は、約90%w/w超、約95%w/w超、約98%w/w超、約99%w/w超、約99.5%w/w超、約99.8%w/w超、又は約99.9%w/w超である。一実施態様において、5-アザシチジン最終生成物の化学的及び/又は物理的純度は、約99%w/w超である。いくつかの実施態様において、再結晶化工程の収率は、先行するカップリング工程においてSnCl4をルイス酸として使用したとき、約70%、約80%、約85%、約90%、約95%、又は約99%である。一実施態様において、再結晶化工程の収率は、先行するカップリング工程においてSnCl4をルイス酸として使用したとき、約94%である。他の実施態様において、再結晶化工程の収率は、先行するカップリング工程においてFeCl3をルイス酸として使用したとき、約70%、約80%、約85%、約90%、約95%、又は約99%である。一実施態様において、再結晶化工程の収率は、先行するカップリング工程においてFeCl3をルイス酸として使用したとき、約85%である。
一実施態様において、本明細書で提供されるのは、同位体標識された5-アザシチジンを調製する方法であり、ここで、該方法は、1以上の同位体標識された出発材料を使用する。ある実施態様において、ジューテリウム標識された出発材料を使用する。ある実施態様において、トリチウム標識された出発材料を使用する。ある実施態様において、13C標識された出発材料を使用する。ある実施態様において、15N標識された出発材料を使用する。ある実施態様において、17O標識された出発材料を使用する。ある実施態様において、同位体標識された出発材料は、限定されないが、ジューテリウム、トリチウム、13C、15N、及び/又は17O標識を含む、2以上の同位体標識を有する。ある実施態様において、本明細書で提供されるのは、限定されないが、ジューテリウム、トリチウム、13C、15N、及び/又は17O標識を含む、1以上の同位体標識を有する5-アザシチジンを調製する方法である。一実施態様において、該同位体標識された5-アザシチジンは、実質的に化学的に及び/又は物理的に純粋である。ある実施態様において、少なくとも1つの同位体標識された出発材料を工程(a)で使用する。ある実施態様において、少なくとも1つの同位体標識された出発材料を工程(b)で使用する。
C.5-アザシチジンの塩
一実施態様において、本明細書で提供されるのは、5-アザシチジンの酸付加塩であり、ここで、5-アザシチジン塩の調製で使用される酸は、有機酸、又は限定されないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、及びメタンスルホン酸を含む、無機酸である。一実施態様において、本明細書で提供されるのは、限定されないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩(例えば、重硫酸塩及びヘミ硫酸塩を含む)、並びにメタンスルホン酸塩(すなわち、メシル酸塩)を含む、5-アザシチジンの塩である。一実施態様において、本明細書で提供されるのは、5-アザシチジンヘミ硫酸塩である。一実施態様において、本明細書で提供されるのは、5-アザシチジン一塩酸塩である。一実施態様において、本明細書で提供されるのは、5-アザシチジン一臭化水素酸塩である。一実施態様において、本明細書で提供されるのは、メタノールで溶媒和されている5-アザシチジンヘミ硫酸塩である。一実施態様において、該5-アザシチジンヘミ硫酸塩は、メタノールで溶媒和されており、5-アザシチジンとメタノールのモル比は、約1:1である。一実施態様において、本明細書で提供されるのは、メタノールで溶媒和されている5-アザシチジンメシル酸塩である。一実施態様において、該5-アザシチジンメシル酸塩は、メタノールで溶媒和されており、5-アザシチジンとメタノールのモル比は、約1:1である。一実施態様において、本明細書で提供されるのは、実質的に化学的に及び/又は物理的に純粋である5-アザシチジンの塩又は溶媒和物である。一実施態様において、本明細書で提供されるのは、例えば、金属系不純物などの1以上の不純物を実質的に含まない5-アザシチジンの塩又は溶媒和物である。
一実施態様において、本明細書で提供されるのは、限定されないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、及びメタンスルホン酸塩を含む、5-アザシチジンの医薬として許容し得る塩である。一実施態様において、本明細書で提供されるのは、実質的に化学的に及び/又は物理的に純粋である5-アザシチジンの医薬として許容し得る塩である。一実施態様において、本明細書で提供されるのは、1以上の不純物を実質的に含まない5-アザシチジンの医薬として許容し得る塩である。
一実施態様において、本明細書で提供されるのは、実質的に化学的に及び/又は物理的に純粋である5-アザシチジンの一塩酸塩である。一実施態様において、本明細書で提供されるのは、1以上の不純物を実質的に含まない5-アザシチジン一塩酸塩である。具体的な実施態様において、該5-アザシチジン一塩酸塩は、実質的に純粋である。一実施態様において、該5-アザシチジン一塩酸塩は、実質的に物理的に純粋である。一実施態様において、該5-アザシチジン一塩酸塩は、実質的に化学的に純粋である。
一実施態様において、5-アザシチジン一塩酸塩の化学的及び/又は物理的純度は、約95%w/w超、約96%w/w超、約97%w/w超、約98%w/w超、約99%w/w超、約99.5%w/w超、約99.8%w/w超、約99.9%w/w超、約99.95%w/w超、約99.98%w/w超、又は約99.99%w/w超である。一実施態様において、5-アザシチジン一塩酸塩中の全不純物は、約5%w/w未満、約4%w/w未満、約3%w/w未満、約2%w/w未満、約1%w/w未満、約0.5%w/w未満、約0.2%w/w未満、約0.1%w/w未満、約0.05%w/w未満、約0.02%w/w未満、約0.01%w/w未満、約0.005%w/w未満、又は約0.001%w/w未満である。一実施態様において、5-アザシチジン一塩酸塩中の個々の不純物含有量は、約5%w/w未満、約2%w/w未満、約1%w/w未満、約0.9%w/w未満、約0.8%w/w未満、約0.7%w/w未満、約0.6%w/w未満、約0.5%w/w未満、約0.4%w/w未満、約0.3%w/w未満、約0.2%w/w未満、約0.1%w/w未満、約0.05%w/w未満、約0.01%w/w未満、約0.005%w/w未満、約0.001%w/w未満、約0.0005%w/w未満、又は約0.0001%w/w未満である。一実施態様において、5-アザシチジン一塩酸塩中の全金属系不純物は、約500ppm w/w未満、約200ppm w/w未満、約100ppm w/w未満、約50ppm w/w未満、約20ppm w/w未満、約10ppm w/w未満、約5ppm w/w未満、約2ppm w/w未満、約1ppm w/w未満、約0.5ppm w/w未満、約0.2ppm w/w未満、又は約0.1ppm w/w未満である。一実施態様において、5-アザシチジン一塩酸塩中の、例えば、スズ又は鉄含有量などの、個々の金属系不純物は、約500ppm w/w未満、約200ppm w/w未満、約100ppm w/w未満、約50ppm w/w未満、約20ppm w/w未満、約10ppm w/w未満、約5ppm w/w未満、約2ppm w/w未満、約1ppm w/w未満、約0.5ppm w/w未満、約0.2ppm w/w未満、約0.1ppm w/w未満、約0.05ppm w/w未満、約0.02ppm w/w未満、又は約0.01ppm w/w未満である。
一実施態様において、本明細書で提供されるのは、下の表18又は表20に記載されているピークのうちのいずれか3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、又は15個を有する5-アザシチジンの遊離塩基である。
一実施態様において、本明細書で提供されるのは、下の表24又は表26に記載されているピークのうちのいずれか3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、又は15個を有する5-アザシチジンの一塩酸塩である。
一実施態様において、本明細書で提供されるのは、下の表28に記載されているピークのうちのいずれか3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、又は15個を有する5-アザシチジンの硫酸塩(例えば、ヘミ硫酸塩)である。
一実施態様において、本明細書で提供されるのは、下の表30に記載されているピークのうちのいずれか3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、又は15個を有する5-アザシチジンのメシル酸塩である。
一実施態様において、本明細書で提供されるのは、下の表32に記載されているピークのうちのいずれか3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、又は15個を有する5-アザシチジンの臭化水素酸塩である。
また本明細書で提供されるのは、5-アザシチジンの酸付加塩を調製する方法であって、5-アザシチジンを酸と有機溶媒中で混合し、該5-アザシチジンの塩を単離することを含む、方法である。
一実施態様において、塩形成に使用される5-アザシチジン遊離塩基を、本明細書に記載の方法を用いて調製する。他の実施態様において、塩形成に使用される5-アザシチジンを、商業的供給源から入手する。他の実施態様において、塩形成に使用される5-アザシチジンを、文献手順に従って調製する。
一実施態様において、5-アザシチジンを、酸と約1:1のモル比で混合する。他の実施態様において、過剰な酸を用いて、5-アザシチジン塩を形成させる。
一実施態様において、塩形成に使用される酸は、有機酸又は無機酸であり、ここで、有機酸及び無機酸の例は、本明細書中の別所で提供されている。好適な酸の非限定的な例としては、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、p-トルエンスルホン酸、塩酸(hydrochoric acid)、臭化水素酸、硝酸、硫酸、及びリン酸が挙げられる。
一実施態様において、5-アザシチジンの塩を作製する際に使用される有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、メチルt-ブチルエーテル、アセトニトリル、N-メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、もしくはクロロホルム、又はこれらのうちの1つもしくは複数の組合せである。一実施態様において、塩形成に使用される有機溶媒は、例えば、メタノール、エタノール、及びイソプロパノールなどのアルコール、又はこれらのうちの1つもしくは複数の組合せである。一実施態様において、塩形成に使用される有機溶媒は、メタノールである。
一実施態様において、5-アザシチジンの塩を、5-アザシチジンを有機溶媒系中で撹拌し、酸を添加し、混合物を周囲温度で撹拌することによって形成させる。一実施態様において、塩形成反応を不活性雰囲気下で実施する。一実施態様において、5-アザシチジンの塩を濾過により収集する。一実施態様において、5-アザシチジンの塩を、有機溶媒、例えば、メタノールで洗浄する。一実施態様において、5-アザシチジンの塩を、(上記のように得られる)5-アザシチジン塩を含む混合物を真空下(例えば、10〜15mmHg)で濃縮して、揮発性溶媒を除去し、かつ塩を濾過により単離することによって単離する。
一実施態様において、5-アザシチジンの塩を、真空下(例えば、10〜15mmHg)で乾燥させる。一実施態様において、工程(d)の5-アザシチジンの塩を、真空下(例えば、10〜15mmHg)で、高温(例えば、約50℃、又は約60℃)で乾燥させる。
(VI.実施例)
特定の実施態様を以下の非限定的な実施例によって説明する。
下の実施例において、特に示されない限り、温度は全てセ氏温度で記載され、部及びパーセンテージは全て重量によるものである。試薬は、例えば、Sigma-Aldrich(登録商標) Chemical社などの商業的供給業者から購入することができ、かつ特に示されない限り、さらに精製することなく使用することができる。試薬は、当業者に公知の標準的な文献手順に従って調製することもできる。溶媒は、例えば、Sigma-Aldrich(登録商標)から購入することができ、かつ特に示されない限り、受け取ったまま使用することができるか、又は当業者に公知の標準的な方法を用いて精製することができる。
特に規定されない限り、下記の反応は、通常、周囲温度で行なった。反応は、HPLCで検定し、出発材料の消費から判断して、終了させた。
下の実施例における化合物の構造及び純度は、以下の方法:プロトン核磁気共鳴(1H NMR)分光法、13C NMR分光法、質量分析法、赤外線分光法、融点、X線結晶学、及び/又はHPLCのうちの1つ又は複数によって確認した。1H NMRスペクトルは、特定の磁界強度で作動するNMR分光計を用いて決定した。化学シフトは、TMSなどの内部標準から低磁場側への百万分率(ppm、δ)として報告する。或いは、1H NMRスペクトルは、以下のような重水素化溶媒中の残留プロトンからのシグナルを基準とした:CDCl3=7.25ppm;DMSO-d6=2.49ppm;C6D6=7.16ppm;CD3OD=3.30ppm。ピーク多重度は、以下のように表す:s、一重線;d、二重線;dd、二重線の二重線;t、三重線;dt、三重線の二重線;q、四重線;br、ブロード;及びm、多重線。カップリング定数は、ヘルツ(Hz)で示す。質量スペクトル(MS)データは、APCI又はESIイオン化とともに質量分析計を用いて取得した。
A.塩化第二スズ経路
1.シリル化された5-アザシトシンの調製
5-アザシトシン(100.0g、0.8921mol、純度≧98%)及びヘキサメチルジシラザン(HMDS)(700.0mL、541.8g、3.3568mol、純度≧98%)を、3Lの4つ口丸底フラスコに、25〜30℃で、窒素雰囲気下で仕込んだ。硫酸アンモニウム(5.0g、0.0378mol)を添加した。混合物を125〜130℃で徐々に加熱還流させた。還流を6時間維持した。通常、2〜4時間(例えば、約3時間)後に、反応物質が透明な溶液になり、反応は、透明な溶液が形成されるとすぐに終了した。
該反応物質を40〜50℃に徐々に冷却した。HMDSを40〜50℃で真空下(10〜15mmHg)で留去すると、白色の固体が生じた。窒素を用いて、該固体にかかる真空を破壊した。トルエン(200.0mL)を残渣に25〜30℃で添加し、溶媒を40〜50℃で真空下(10〜15mmHg)で留去すると、固体が得られた。窒素を用いて、該固体にかかる真空を破壊した。該固体を25〜30℃に徐々に冷却し、次の工程に持ち越した。HMDSを、75〜80%の収率、90〜95%の純度で回収した。
また、シリル化反応を、4、5、7、10、及び14容量のHMDS(例えば、100gの5-アザシトシンに対して、400、500、700、1000、又は1400mLのHMDS)を用いて実施した。
2.アセチル保護された5-アザシチジンの調製(カップリング)
シリル化された5-アザシトシン(実施例A-1)に、ジクロロメタン(1.5L)を添加した。混合物を、10分間、窒素雰囲気下で25〜30℃で撹拌すると、透明な溶液が得られた。該溶液を0〜5℃に徐々に冷却した。1,2,3,5-テトラ-O-アセチル-β-D-リボフラノース(255.5g、0.8029mol)を1ロットで0〜5℃で窒素雰囲気下で添加した。混合物を、10分間、0〜5℃で撹拌すると、透明な溶液が得られた。塩化第二スズ(255.6g、0.9813mol)を≦10℃で1時間かけて滴加した(添加はわずかに発熱性であった)。反応物質を、5時間、0〜5℃で窒素雰囲気下で撹拌した。
反応の進行をHPLCでチェックした。5gの反応物質を採取し、飽和水性NaHCO3溶液で10℃で中和した。ジクロロメタン層を分離し、IPC-HPLC(インプロセス制御-HPLC)にかけた。IPCが達成されていれば(HPLCで0.5%以下の5-アザシトシン)、反応物質を後処理用の5Lの丸底フラスコに移した。
該反応物質に、ジクロロメタン(1.0L)及び重炭酸ナトリウム(800.0g)を≦10℃で添加した。冷水(1.0L)を≦10℃で30分かけて滴加した(発熱性)。混合物を、30分間、≦10℃で撹拌した。15〜30分後、白色の固体(酸化スズ)がフラスコの底に沈殿した。混合物をHyflo(登録商標)に通して濾過し、ジクロロメタン(0.5L)で洗浄した。有機層を≦10℃で分離し、水(0.75L)で≦10℃で洗浄した。有機層を10%EDTA二ナトリウム塩溶液で2回(150.0g塩、2×750mL)、水で1回(1.0L)、≦10℃で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を40〜45℃で大気条件下で留去し、さらに40〜45℃で真空下(10〜15mmHg)で乾燥させると、粘着性の発泡固体が生じた。残渣に、メタノール(200.0mL)を30〜35℃で添加した。その後、溶媒を40〜45℃で真空下(10〜15mmHg)で留去し、真空下で30分間脱気すると、2',3',5'-トリアセチル-5-アザシチジンが固体(315.0g、白色からオフホワイト色の結晶性固体)として得られた。複数回の実行にわたる2',3',5'-トリアセチル-5-アザシチジンの平均産出量は約305.2gであり、平均純度は約83.7%であり、平均収率は約77.2%であった(%収率は、生成物のHPLC純度を考慮している)。5回の実行にわたって、2',3',5'-トリアセチル-5-アザシチジンの最大収率は約81.5%であった(%収率は、生成物のHPLC純度を考慮している)。5回の実行にわたって、生成物の最大HPLC純度は約87.8%であった。
3. 5-アザシチジンの調製(脱保護)
2',3',5'-トリアセチル-5-アザシチジン(315.0g、実施例A-2)に、メタノール(2.0L)を25〜30℃で添加した。スラリーを、10分間、25〜30℃で撹拌し、メタノール(40.0mL)中の25%ナトリウムメトキシドを25〜30℃で窒素雰囲気下でゆっくりと添加した。添加後、反応物質は透明な溶液になり、生成物がすぐに形成された。該反応物質のpH値は10を上回った。該反応物質を、18時間、25〜30℃で撹拌した。
反応の進行をHPLCでチェックした。該反応物質の試料を採取し、IPC-HPLCにかけた。IPCが達成されていれば(IPC-HPLC: 2',3',5'-トリアセチルアザシチジン≦0.5%)、生成物を窒素下で濾過し、メタノール(300.0mL)で25〜30℃で洗浄した。生成物を60〜65℃で真空下(10〜15mmHg)で乾燥させると、白色からオフホワイト色の結晶性固体(144.8g)が生じた。複数回の実行にわたる5-アザシチジンの平均産出量は約141.3gであり、平均純度は約96.8%であり、平均収率は約64.8%であった(収率は、5-アザシトシンに基づいている)。5回の実行にわたって、5-アザシチジンの最大収率は約73.2%であった(収率は、5-アザシトシンに基づいている)。5回の実行にわたって、生成物の最大HPLC純度は約98.83%であった。
4.反応開発(カップリング及び脱保護工程)
いくつかのパラメータを変えることによって、カップリング及び脱保護工程のための反応条件を最適化した。結果を下の表1にまとめる。安価でかつ市販で容易に入手可能な金属ルイス酸、例えば、塩化第二スズ及び塩化第二鉄により、カップリング工程のための望ましい収率が得られた。
5. 5-アザシチジンHCl塩の調製(塩形成)
脱アセチル化反応から得られた5-アザシチジン中の不純物、例えば、金属系不純物を除去するために、5-アザシチジンの塩酸塩を形成させた。得られた塩を次の工程で破壊して、遊離塩基を生じさせ、メタノールを貧溶媒として用いることによって、該遊離塩基をDMSOから再結晶化させると、精製された5-アザシチジンが最終生成物として得られた。
3Lの4つ口丸底フラスコに、5-アザシチジン(140.0g、0.5732mol、実施例A-3)及びメタノール(1.4L)を25〜30℃で窒素雰囲気下で添加した。懸濁液を、10分間、25〜30℃で撹拌し、その後、20〜25℃に冷却した。イソプロパノール-HCl(280.0mL、〜14%溶液)を≦25℃で5分かけてゆっくりと添加した。添加後、反応物質は透明な溶液になり、15〜60分後、生成物が形成された。反応物質を、合計4時間、25〜30℃で撹拌した。生成物を窒素下で濾過し、メタノール(280.0mL)で25〜30℃で洗浄した。生成物を50〜60℃で真空下(10〜15mmHg)で乾燥させると、5-アザシチジン一塩酸塩が白色の結晶性固体(138.0g)として生じた。複数回の実行にわたる5-アザシチジン一塩酸塩の平均産出量は約135.5gであり、平均純度は約99.3%であり、平均収率は約86.4%であった。5回の実行にわたって、5-アザシチジン一塩酸塩の最大収率は約93.29%であった。5回の実行にわたって、生成物の最大HPLC純度は約99.64%であった。
一実施態様において、上記の手順を用いて得られた一塩酸塩について、HCl含有量が以下の通りであることが明らかになった:
理論値:13.0%
バッチ1A:12.99%
バッチ1B:13.95%
バッチ1C:12.82%
バッチ1D:12.66%
バッチ1E:12.79%
。
6.反応開発(塩形成工程)
(a)5-アザシチジンヘミ硫酸塩の調製
メタノール(1.4L)中の5-アザシチジン(140.0g、0.5732mol)の混合物を25〜30℃で窒素雰囲気下で10分間撹拌し、20〜25℃に冷却すると、白色のスラリーが生じた。この混合物に、硫酸(56.16g、0.5732mol)を25℃未満で30分間かけてゆっくりと添加した。得られた混合物を、2時間、25〜30℃で撹拌した。その後、該混合物を25〜30℃で窒素下で濾過し、メタノール(280mL)で洗浄した。固体を50〜60℃で真空下で乾燥させると、5-アザシチジンヘミ硫酸塩のメタノール溶媒和物が白色の固体として生じた(163.5g、MW 325.2; 87.7%収率;融点範囲:141.2〜144.2℃; SOR:-4.0°(水中25℃で、C=1))。
一実施態様において、上記の手順を用いて得られたヘミ硫酸塩メタノール溶媒和物について、硫酸含有量が以下の通りであることが明らかになった:
理論値:15.0%
バッチ2A:15.69%
バッチ2B:15.67%
バッチ2C:14.93%
。
(b)5-アザシチジンメシル酸塩の調製
メタノール(30mL)中の5-アザシチジン(3.0g、12.28mmol)の混合物を25〜30℃で窒素雰囲気下で5分間撹拌すると、白色のスラリーが生じた。この混合物に、メタンスルホン酸(1.18g、12.28mmol)を30℃未満で5分間かけてゆっくりと添加すると、透明な溶液が生じた。得られた混合物を、2時間、25〜30℃で撹拌した(約15〜30分後、白色の固体が沈殿した)。その後、該混合物を25〜30℃で窒素下で濾過し、メタノール(9mL)で洗浄した。固体を50〜60℃で真空下で乾燥させると、5-アザシチジンメシル酸塩のメタノール溶媒和物が白色の結晶性固体として生じた(2.4g、MW 372.35;52.7%収率;融点範囲:133.5〜136.8℃; SOR:-2.3°(水中25℃で、C=1))。
(c)5-アザシチジン臭化水素酸塩の調製
メタノール(30mL)中の5-アザシチジン(3.0g、12.28mmol)の混合物を25〜30℃で窒素雰囲気下で5分間撹拌し、20〜25℃に冷却すると、白色のスラリーが生じた。この混合物に、酢酸中のHBr(33%w/w、3.01g、12.28mmol)を25℃未満で30分間かけてゆっくりと添加すると、透明な溶液が生じた。得られた混合物を、12時間、25〜30℃で撹拌した(約4〜5時間後、白色の固体が沈殿した)。その後、該混合物を25〜30℃で窒素下で濾過し、メタノール(9mL)で洗浄した。固体を50〜60℃で真空下で乾燥させると、5-アザシチジン臭化水素酸塩が白色の結晶性固体として生じた(2.68g、MW 325.12;67.0%収率;融点範囲:162.4〜164.9℃; SOR: -3.9°(水中25℃で、C=1))。
一実施態様において、上記の手順を用いて得られた臭化水素酸塩について、HBr含有量が以下の通りであることが明らかになった:
理論値:24.88%
バッチ3A:25.15%
バッチ3B:25.27%
。
(d)5-アザシチジン塩及び金属含有量
いくつかの無機酸及び有機酸を5-アザシチジン塩形成について評価し、5-アザシチジン塩中の残留金属含有量を決定した。結果を下の表2にまとめる。
塩酸(HCl)は、5-アザシチジンと安定な塩を形成し、該塩は、スズの含有量が少なかった(8ppm)。5-アザシチジン塩酸塩の形成は、残留金属不純物を実質的に含まない生成物を生じさせた。
7. 5-アザシチジンの遊離塩基の調製(遊離塩基形成)
3Lの4つ口丸底フラスコに、5-アザシチジンHCl塩(120.0g、0.4274mol、実施例A-5)及びメタノール(1.2L)を25〜30℃で窒素雰囲気下で添加した。懸濁液を、10分間、25〜30℃で撹拌した。トリエチルアミン(64.8g、0.64mol)を≦30℃でゆっくりと添加した。スラリーを、2時間、25〜30℃で撹拌した。生成物を窒素下で濾過し、メタノール(300mL)で25〜30℃で洗浄した。濾液中の塩化物の存在は、10%硝酸銀溶液を該濾液のごく一部に添加することによってモニタリングした。この検査により、この段階での塩化物の存在が示された(白濁が観察された)。湿った生成物をメタノール(1.0L)に懸濁させ、10分間、25〜30℃で撹拌した。生成物を窒素下で濾過し、メタノール(200.0mL)で25〜30℃で洗浄した。メタノール洗浄後、濾液中に塩化物は検出されなかった。その後、生成物を50〜60℃で真空下(10〜15mmHg)で乾燥させると、5-アザシチジン遊離塩基が白色の結晶性固体(103.5g)として生じた。複数回の実行にわたる5-アザシチジン遊離塩基の平均産出量は約103.4gであり、平均純度は約99.5%であり、平均収率は約97.5%であった。5回の実行にわたって、5-アザシチジン遊離塩基の最大収率は約99.13%であった。5回の実行にわたって、生成物の最大HPLC純度は約99.77%であった。
8.反応開発(遊離塩基形成工程)
塩破壊及び5-アザシチジン遊離塩基形成工程について、いくつかの塩基を評価した。結果を下の表3にまとめる。
9. 5-アザシチジンの再結晶化
500mLの4つ口丸底フラスコに、5-アザシチジン遊離塩基(80.0g、0.3275mol、実施例A-7)及びDMSO(200.0mL)を25〜30℃で窒素雰囲気下で添加した。懸濁液を、10分間、25〜30℃で撹拌し、85〜90℃に徐々に加熱した。該物質(mass)を、10分間、85〜90℃で撹拌すると、透明な溶液が得られた。該透明な溶液を濾紙に通して濾過して、不溶性粒子を85〜90℃で除去し、熱いDMSO(80.0mL)で洗浄した。メタノール(1.2L)を、生成物を含む濾過されたDMSO溶液に、70〜80℃で3〜4時間かけてゆっくりと仕込んだ。混合物を、15分間、70〜80℃で撹拌し、25〜30℃に2〜3時間かけて徐々に冷却した。物質を、15時間、25〜30℃で撹拌し、窒素下で濾過した。固体生成物をメタノール(240.0mL)で25〜30℃で洗浄した。該固体生成物を85〜90℃で真空下(10〜15mmHg)で乾燥減量(LOD)が0.4%を下回るまで乾燥させると、5-アザシチジンが白色の結晶性固体(75.6g)として生じた。複数回の実行にわたる再結晶化工程後の5-アザシチジンの平均産出量は約75.8gであり、平均純度は約99.6%であり、平均収率は約95.1%であった。3回の実行にわたって、5-アザシチジンの最大収率は約95.80%であった。3回の実行にわたって、生成物の最大HPLC純度は約99.71%であった。
B.塩化第二鉄経路
1.シリル化された5-アザシトシンの調製
5-アザシトシン(200.0g、1.7842mol、純度≧98%)及びヘキサメチルジシラザン(HMDS)(1.4L、6.72mol、純度≧98%)を3Lの4つ口丸底フラスコに25〜30℃で窒素雰囲気下で仕込んだ。硫酸アンモニウム(10.0g、0.0756mol)を添加した。混合物を125〜130℃で徐々に加熱還流させた。還流を6時間維持した。通常、2〜4時間後に、反応物質が透明な溶液になり、反応は、透明な溶液が形成されるとすぐに実質的に終了した。
反応物質を40〜50℃に徐々に冷却した。HMDSを40〜50℃で真空下(10〜15mmHg)で留去すると、白色の固体が生じた。窒素を用いて、該固体にかかる真空を破壊した。トルエン(400.0mL)を固体残渣に25〜30℃で添加し、溶媒を40〜50℃で真空下(10〜15mmHg)で留去すると、固体が得られた。窒素を用いて、該固体にかかる真空を破壊した。該固体を25〜30℃に徐々に冷却し、次の工程に持ち越した。HMDSを、75〜80%の収率、約90〜95%の純度で回収した。
2.アセチル保護された5-アザシチジンの調製(カップリング)
シリル化された5-アザシトシン(実施例B-1)に、ジクロロメタン(2.0L)を25〜30℃で窒素雰囲気下で添加した。混合物を、10分間、25〜30℃で撹拌すると、透明な溶液が得られた。
窒素下の別々の5Lの4つ口丸底フラスコ中に、1,2,3,5-テトラ-O-アセチル-β-D-リボフラノース(511.1g、1.6058mol)及びジクロロメタン(1.0L)を25〜30℃で添加した。混合物を、10分間、25〜30℃で撹拌すると、透明な溶液が得られた。無水塩化第二鉄(361.7g、1.9627mol)を1ロットで25〜30℃で添加した。混合物を、10分間、25〜30℃で撹拌すると、濃い赤色の物質が得られた。該反応物質を0〜5℃に徐々に冷却した。ジクロロメタン中のシリル化された5-アザシトシン(実施例B-1)を≦10℃で90分かけて滴加し(添加はわずかに発熱性であった)、透明な暗褐色の物質が形成された。該反応物質を、15時間、0〜5℃で窒素雰囲気下で撹拌した。
反応の進行をHPLCでチェックした。5gの反応物質を採取し、飽和水性NaHCO3溶液で10℃で中和した。ジクロロメタン層を分離し、IPC-HPLCにかけた。IPCが達成されていれば(0.5%以下の5-アザシトシン)、反応物質を後処理用の10Lの丸底フラスコに移した。
該反応物質に、ジクロロメタン(3.0L)及び重炭酸ナトリウム(2.0kg)を≦10℃で添加した。冷水(1.6L)を≦10℃で60分かけて滴加した(添加は発熱性であった)。該反応物質は暗褐色であり、最終pHは〜6であった。混合物を、30分間、≦10℃で撹拌した。15〜30分後、酸化鉄の褐色の固体がフラスコの底に沈殿した。Hyflo(登録商標)(200g)を該混合物に添加し、物質を、10分間、≦10℃で撹拌した。該混合物をHyflo(登録商標)に通して濾過し、ジクロロメタン(1.0L)で洗浄した。有機層を≦10℃で分離し、水(1.0L)で≦10℃で洗浄した。その後、有機層を10%EDTA二ナトリウム塩溶液で2回(300g塩、2×1.5L)及び水で1回(1.0L)、≦10℃で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を40〜45℃で大気条件下で留去し、40〜45℃で真空下(10〜15mmHg)でさらに乾燥させると、粘着性の発泡固体が生じた。残渣に、メタノール(200mL)を30〜35℃で添加した。その後、溶媒を40〜45℃で真空下(10〜15mmHg)で留去し、真空下で30分間脱気すると、2',3',5'-トリアセチル-5-アザシチジンが粘着性で発泡性の白色の固体として得られた。複数回の実行にわたる2',3',5'-トリアセチル-5-アザシチジンの平均産出量は約524gであり、平均純度は約63.3%であり、平均収率は約50.2%であった(%収率は、生成物のHPLC純度を考慮している)。3回の実行にわたって、2',3',5'-トリアセチル-5-アザシチジンの最大収率は約64.9%であった(%収率は、生成物のHPLC純度を考慮している)。3回の実行にわたって、生成物の最大HPLC純度は約82.45%であった。
3. 5-アザシチジンの調製(脱保護)
2',3',5'-トリアセチル-5-アザシチジン(実施例B-2)に、メタノール(2.0L)を25〜30℃で添加した。スラリーを、10分間、25〜30℃で撹拌し、メタノール(80.0mL)中の25%ナトリウムメトキシドを25〜30℃で窒素雰囲気下でゆっくりと添加した。添加後、反応物質は透明な溶液になり、生成物がすぐに形成された。該反応物質のpH値は10を上回った。該反応物質を、18時間、25〜30℃で撹拌した。
反応の進行をHPLCでチェックした。該反応物質の試料を採取し、IPC-HPLCにかけた。IPCが達成されていれば(IPC-HPLC: 2',3',5'-トリアセチルアザシチジン≦0.5%)、生成物を窒素下で濾過し、メタノール(600.0mL)で25〜30℃で洗浄した。生成物を60〜65℃で真空下(10〜15mmHg)で乾燥させると、オフホワイト色の固体(195.5g)が生じた。複数回の実行にわたる5-アザシチジンの平均産出量は約193.7gであり、平均純度は約91.8%であり、平均収率は約44.4%であった(5-アザシトシンに基づいている)。3回の実行にわたって、5-アザシチジンの最大収率は約44.86%であった(5-アザシトシンに基づいている)。3回の実行にわたって、生成物の最大HPLC純度は約93.28%であった。
4.反応開発(カップリング及び脱保護工程)
試薬のモル比などのパラメータを変えることによって、カップリング工程のための反応条件を最適化した。結果を下の表4にまとめる。
5. 5-アザシチジンHCl塩の調製(塩形成)
3Lの4つ口丸底フラスコに、5-アザシチジン(175.0g、0.7166mol、実施例B-3)及びメタノール(1.75L)を25〜30℃で窒素雰囲気下で添加した。懸濁液を、10分間、25〜30℃で撹拌し、その後、20〜25℃に冷却した。イソプロパノール-HCl(350.0mL、〜14%溶液)を≦25℃で5分かけてゆっくりと添加した。添加後、反応物質は透明な溶液になり、15〜60分後、生成物が形成された。該反応物質を、合計4時間、25〜30℃で撹拌した。生成物を窒素下で濾過し、メタノール(350.0mL)で25〜30℃で洗浄した。生成物を50〜60℃で真空下(10〜15mmHg)で乾燥させると、5-アザシチジン一塩酸塩がオフホワイト色の結晶性固体(151.0g)として生じた。複数回の実行にわたる5-アザシチジン一塩酸塩の平均産出量は約148.8gであり、平均純度は約99.0%であり、平均収率は約74.0%であった。3回の実行にわたって、5-アザシチジン一塩酸塩の最大収率は約75.09%であった。3回の実行にわたって、生成物の最大HPLC純度は約99.12%であった。
6. 5-アザシチジンの遊離塩基の調製(遊離塩基形成)
3Lの4つ口丸底フラスコに、5-アザシチジン塩酸塩(130.0g、0.4631mol、実施例B-5)及びメタノール(1.3L)を25〜30℃で窒素雰囲気下で添加した。懸濁液を、10分間、25〜30℃で撹拌した。トリエチルアミン(70.3g、0.6946mol)を≦30℃でゆっくりと添加した。スラリーを、2時間、25〜30℃で撹拌した。生成物を窒素下で濾過し、メタノール(300.0mL)で25〜30℃で洗浄した。10%硝酸銀溶液を該濾液のごく一部に添加することによって、濾液中の塩化物の存在をチェックした。この検査により、この段階での塩化物の存在が示された(白濁が観察された)。湿った生成物をメタノール(1.0L)に懸濁させ、10分間、25〜30℃で撹拌した。生成物を窒素下で濾過し、メタノール(200.0mL)で25〜30℃で洗浄した。メタノール洗浄後、濾液中に塩化物は検出されなかった。その後、生成物を50〜60℃で真空下(10〜15mmHg)で乾燥させると、5-アザシチジン遊離塩基がオフホワイト色の固体(113.0g)として生じた。複数回の実行にわたる5-アザシチジン遊離塩基の平均産出量は約112.5gであり、平均純度は約99.2%であり、平均収率は約99.5%であった。3回の実行にわたって、5-アザシチジン遊離塩基の最大収率は約99.99%であった。3回の実行にわたって、生成物の最大HPLC純度は約99.38%であった。
7. 5-アザシチジンの再結晶化
500mLの4つ口丸底フラスコに、5-アザシチジン遊離塩基(100.0g、0.4095mol、実施例B-6)及びDMSO(250.0mL)を25〜30℃で窒素雰囲気下で添加した。懸濁液を、10分間、25〜30℃で撹拌し、85〜90℃に徐々に加熱した。物質を、10分間、85〜90℃で撹拌すると、透明な溶液が得られた。該透明な溶液を濾紙に通して濾過して、不溶性粒子を85〜90℃で除去し、熱いDMSO(100.0mL)で洗浄した。メタノール(1.5L)を、生成物を含む濾過されたDMSO溶液に、70〜80℃で3〜4時間かけてゆっくりと仕込んだ。混合物を、15分間、70〜80℃で撹拌し、25〜30℃に2〜3時間かけて徐々に冷却した。物質を、15時間、25〜30℃で撹拌し、窒素下で濾過した。固体生成物をメタノール(240.0mL)で25〜30℃で洗浄した。該固体生成物を85〜90℃で真空下(10〜15mmHg)でLODが0.4%を下回るまで乾燥させると、5-アザシチジンが白色の固体(86.0g)として生じた。複数回の実行にわたる再結晶化工程後の5-アザシチジンの平均産出量は約86.0gであり、平均純度は約99.4%であり、平均収率は約86.0%であった。3回の実行にわたって、5-アザシチジンの最大収率は約87.5%であった。3回の実行にわたって、生成物の最大HPLC純度は約99.54%であった。
C.比較データ
反応収率、純度プロファイル(HPLCによる)、水分含有量(KFによる、%w/w)、比旋光度(specific optional rotation)(SOR、[α]D)、及び金属不純物含有量(例えば、適用可能な場合、Sn又はFe)を、5-アザシチジンを調製するために使用された3つの異なる経路に沿った様々な工程の反復バッチから収集した。トリフラート経路は、TMS-トリフラートをカップリング工程におけるルイス酸として利用した。塩化第二スズ経路は、塩化第二スズをカップリング工程におけるルイス酸として利用した(本明細書中の実施例Aを参照されたい)。塩化第二鉄経路は、塩化第二鉄をカップリング工程におけるルイス酸として利用した(本明細書中の実施例Bを参照されたい)。以下の表は、特定のバッチのデータをまとめたものである。塩化第二スズと塩化第二鉄はともに、5-アザシトシン及びアセチル保護糖からの5-アザシチジンの合成についての良好な全収率を与えた。塩酸塩形成及びその後の塩を破壊して遊離塩基を形成させる工程、並びに該遊離塩基の再結晶化により、金属不純物を実質的に含まない5-アザシチジンバッチが一貫して得られた。
D.分析データ
分析データを取得し、これを、5-アザシチジン最終生成物、5-アザシチジンの塩、及びトリアセチル5-アザシチジン中間体の反復バッチについて下に示した。
LC-MS ESI: m/z 245.2(M + H+), 267.1(M + Na+).
塩化第二スズ経路から得られた5-アザシチジンについて、IRスペクトルを図1に示し;DSCプロットを図2に示し;XRPDパターンを図3に示す。XRPDデータを下の表にさらに示す。
塩化第二鉄経路から得られた5-アザシチジンについて、IRスペクトルを図4に示し;DSCプロットを図5に示し;XRPDパターンを図6に示す。XRPDデータを下の表にさらに示す。
5-アザシチジン最終生成物の反復バッチについての追加の分析データを下の表にさらに示す。
5-アザシチジンの反復バッチの金属含有量を決定した。塩化第二スズ経路から得られた5-アザシチジンについて、5-アザシチジン最終生成物の3つの反復バッチ中のスズ含有量は、それぞれ、<0.1ppm、<0.1ppm、及び0.14ppmであった。塩化第二鉄経路から得られた5-アザシチジンについて、5-アザシチジン最終生成物の3つの反復バッチ中の鉄含有量は、それぞれ、<0.1ppm、<0.1ppm、及び<0.1ppmであった。
LC-MS ESI: m/z 245.2(M + H+).
5-アザシチジン一塩酸塩のIRスペクトルを図7に示し;5-アザシチジン一塩酸塩のDSCプロットを図8に示す。塩化第二スズ経路から得られた5-アザシチジン一塩酸塩については、XRPDパターンを図9に示す。塩化第二鉄経路から得られた5-アザシチジン一塩酸塩については、XRPDパターンを図10に示す。XRPDデータを下の表にさらに示す:
3. 5-アザシチジンヘミ硫酸塩メタノール溶媒和物
LC-MS ESI: m/z 245.2(M + H+).
5-アザシチジンヘミ硫酸塩メタノール溶媒和物のIRスペクトルを図11に示し;5-アザシチジンヘミ硫酸塩メタノール溶媒和物のDSCプロットを図12に示す。5-アザシチジンヘミ硫酸塩メタノール溶媒和物のXRPDパターンを図13に示す。XRPDデータを下の表にさらに示す:
4. 5-アザシチジンメシル酸塩メタノール溶媒和物
LC-MS ESI: m/z 245.2(M + H+).
5-アザシチジンメシル酸塩メタノール溶媒和物のIRスペクトルを図14に示し;5-アザシチジンメシル酸塩メタノール溶媒和物のDSCプロットを図15に示す。5-アザシチジンメシル酸塩メタノール溶媒和物のXRPDパターンを図16に示す。XRPDデータを下の表にさらに示す:
LC-MS ESI: m/z 245.0(M + H+).
5-アザシチジン臭化水素酸塩のIRスペクトルを図17に示し;5-アザシチジン臭化水素酸塩のDSCプロットを図18に示す。5-アザシチジン臭化水素酸塩のXRPDパターンを図19に示す。XRPDデータを下の表にさらに示す:
6. 2',3',5'-トリアセチル-5-アザシチジン
LC-MS ESI: m/z 371.2(M + H+), 393.1(M + Na+).
2',3',5'-トリアセチル-5-アザシチジンのIRスペクトルを図20に示す。
上記の実施態様は、単に例示的であることを意図するのであって、当業者であれば、特定の化合物、材料、及び手順の多くの等価物を認識するであろうし、又はルーチンの実験だけを用いて、それらを確認することができるであろう。そのような等価物は全て、本開示の範囲内であるとみなされる。
本明細書に言及されている特許、特許出願、及び刊行物は全て、その全体が本明細書中に組み込まれる。本出願における任意の参考文献の引用又は特定は、そのような参考文献が本出願に対する先行技術として利用可能であるということを認めるものではない。本開示の完全な範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによって、より良く理解される。