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JP2014170066A - 光学体、撮像装置、電子機器、および原盤 - Google Patents

光学体、撮像装置、電子機器、および原盤 Download PDF

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JP2014170066A
JP2014170066A JP2013041074A JP2013041074A JP2014170066A JP 2014170066 A JP2014170066 A JP 2014170066A JP 2013041074 A JP2013041074 A JP 2013041074A JP 2013041074 A JP2013041074 A JP 2013041074A JP 2014170066 A JP2014170066 A JP 2014170066A
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Shunichi Kajitani
俊一 梶谷
Hiroshi Tazawa
洋志 田澤
Rie Tsubo
里恵 坪
Kazuya Hayashibe
和弥 林部
Hiroshi Tanaka
洋志 田中
Toru Yatabe
透 谷田部
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Abstract

【課題】可視光の波長以下の波長を持つ波面が、頂部および底部間に凹状に湾曲した曲面を含む場合であっても、反射防止特性を向上できる光学体を提供する。
【解決手段】反射防止機能を有する光学体は、可視光の波長以下の波長を持つ波面を有する。波面は、頂部および底部間に凹状に湾曲した曲面を有する。波面の振動方向に垂直な平面で切断した断面の面積の変曲点は、振動の中心よりも波面の底部寄りに位置している。
【選択図】図1

Description

本技術は、光学体、撮像装置、電子機器、および原盤に関する。詳しくは、反射防止機能を有する光学体に関する。
反射防止技術として、多層のコーティング膜またはナノ構造体を表面に形成することで、表面反射を抑制する技術が知られている。これらの技術のうちでも、ナノ構造体を表面に形成する技術は、比較的広帯域で反射防止を実現できるため、近年特に注目されている。
特許文献1には、複数のナノ構造体を基体表面に2次元配列し、基体表面に波面を形成することにより、表面反射を抑制する技術が記載されている。ナノ構造体としては、基体表面に対して凸状を有するナノ構造体(例えば図2参照)、および基体表面に対して凹状を有するナノ構造体(孔部)(例えば図18参照)が開示されている。
従来、基体表面に対して凸状を有するナノ構造体に関しては、反射防止特性を向上することができる形状について種々検討されている。しかしながら、基体表面に対して凹状を有するナノ構造体(孔部)に関しても反射防止特性の向上が求められ、このような凹状のナノ構造体により構成される波面のうちでも特に、頂部および底部間に凹状に湾曲した曲面を含む波面について、反射防止特性の向上が望まれる。
特許第4404161号公報
したがって、本技術の目的は、可視光の波長以下の波長を持つ波面が、頂部および底部間に凹状に湾曲した曲面を含む場合であっても、反射防止特性を向上できる光学体、撮像装置、電子機器、および原盤を提供することにある。
上述の課題を解決するために、第1の技術は、
可視光の波長以下の波長を持つ波面を有し、
波面は、頂部および底部間に凹状に湾曲した曲面を有し、
波面の振動方向に垂直な平面で切断した断面の面積の変曲点は、振動の中心よりも波面の底部寄りに位置している、反射防止機能を有する光学体である。
第2の技術は、
可視光の波長以下の波長を持つ波面を有し、
波面は、頂部および底部間に凸状に湾曲した曲面を有し、
波面の振動方向に垂直な平面で切断した断面の面積の変曲点は、振動の中心よりも波面の頂部寄りに位置している原盤である。
第3の技術は、
反射防止機能を有する光学体が設けられた光学系を備え、
光学体は、
可視光の波長以下の波長を持つ波面を有し、
波面は、頂部および底部間に凹状に湾曲した曲面を有し、
波面の振動方向に垂直な平面で切断した断面の面積の変曲点は、振動の中心よりも波面の底部寄りに位置している撮像装置である。
第4の技術は、
反射防止機能を有する光学体が設けられた表示装置を備え、
光学体は、
可視光の波長以下の波長を持つ波面を有し、
波面は、頂部および底部間に凹状に湾曲した曲面を有し、
波面の振動方向に垂直な平面で切断した断面の面積の変曲点は、振動の中心よりも波面の底部寄りに位置している電子機器である。
第1、第3および第4の技術では、光学体に可視光の波長以下の波長を持つ波面を設け、その波面の振動方向に垂直な平面で切断した断面の面積Sの変曲点を、振動の中心よりも波面の底部寄りに位置させている。したがって、波面が頂点および底点間に凹状の曲面を有する場合であっても、反射防止特性を向上できる。
第2の技術では、原盤に可視光の波長以下の波長を持つ波面を設け、その波面の振動方向に垂直な平面で切断した断面の面積の変曲点を、振動の中心よりも波面の頂部寄りに位置させている。したがって、振動方向に垂直な平面で切断した断面の面積Sの変曲点が、振動の中心よりも波面の底部寄りに位置する波面を、原盤の転写により成形することができる。
以上説明したように、本技術によれば、波面が頂点および底点間に凹状の曲面を有する場合であっても、反射防止特性を向上できる。
図1Aは、本技術の第1の実施形態に係る光学体の構成の一例を示す平面図である。図1Bは、図1Aに示した光学体の表面の一部を拡大して表す斜視図である。 図2Aは、図1Aに示した光学体の表面の一部を拡大して表す平面図である。図2Bは、図2AのB−B線に沿った断面図である。図2Cは、図2AのC−C線に沿った断面図である。 図3は、図2Bの一部を拡大して表す断面図である。 図4は、光学体の波面の振幅Aに対する波面の断面の面積Sの変化を示す図である。 図5Aは、本技術の第1の実施形態に係る複製原盤の構成の一例を示す平面図である。図5Bは、図5Aに示した複製原盤の表面の一部を拡大して表す斜視図である。 図6Aは、図5Aに示した複製原盤の表面の一部を拡大して表す平面図である。図6Bは、図6AのB−B線に沿った断面図である。図6Cは、図6AのC−C線に沿った断面図である。 図7は、図6Bの一部を拡大して表す断面図である。 図8は、複製原盤の波面の振幅Aに対する波面の断面の面積Sの変化を示す図である。 図9Aは、ロール原盤の構成の一例を示す斜視図である。図9Bは、図9Aに示したロール原盤の一部を拡大して表す平面図である。図9Cは、図9BのC−C線に沿った断面図である。図9Dは、図9BのD−D線に沿った断面図である。 図10は、ロール原盤を作製するためのロール原盤露光装置の構成の一例を示す概略図である。 図11A〜図11Cは、本技術の第1の実施形態に係る光学体の製造方法の一例を説明するための工程図である。 図12A〜図12Cは、本技術の第1の実施形態に係る光学体の製造方法の一例を説明するための工程図である。 図13A〜図13Dは、本技術の第1の実施形態に係る光学体の製造方法の一例を説明するための工程図である。 図14Aは、第1の変形例に係る光学体の一構成例を示す断面図である。図14Bは、第2の変形例に係る複製原盤の一構成例を示す断面図である。 図15は、第2の変形例に係る光学体の一構成例を示す断面図である。 図16は、本技術の第2の実施形態に係る撮像装置の構成の一例を示す概略図である。 図17は、本技術の第3の実施形態に係る撮像装置の構成の一例を示す概略図である。 図18は、本技術の第4の実施形態に係る表示装置の一構成例を示す斜視図である。 図19Aは、本技術の第5の実施形態に係る表示装置の一構成例を示す斜視図である。図19Bは、変形例に係る表示装置の一構成例を示す分解斜視図である。 図20Aは、テレビ装置の例を示す外観図である。図20Bは、ノート型パーソナルコンピュータの例を示す外観図である。 図21Aは、携帯電話の一例を示す外観図である。図21Bは、タブレット型コンピュータの一例を示す外観図である。 図22は、実施例1−1〜1−4、2−1〜2−5、比較例1、2の複製原盤の無機層の厚さと光学シートの平均反射率との関係を示す図である。 図23は、実施例1−1、1−2、比較例3、4の光学シートの反射スペクトルを示す図である。
<概要>
本発明者らは上述の課題を解決すべく鋭意検討を行った。波面が頂部および底部間に凹状に湾曲した曲面を含む場合には、波面が頂部および底部間に凸状に湾曲した曲面を含む場合に比して、広帯域(例えば可視域全体)で反射率の上昇を抑制することは困難となり、反射防止特性が低下する。
本発明者らの知見によれば、波面の波長λに対する振動の幅aの比率(a/λ)(すなわち波面の振動の幅a)を大きくすることで、広帯域で反射率の上昇を抑制することができる。しかしながら、このような抑制が可能となるように比率(a/λ)を大きくすることは、シミュレーション上では可能であるが、実際の光学体の作製プロセスでは困難である。
なお、多層のコーティング膜でも、広帯域で反射率の上昇を抑制することは困難である。多層のコーティング膜において帯域を広くしようとすると、コーティング膜の積層数が増えてしまう。このため、コスト、スループットおよび膜応力の観点で、多層のコーティング膜において高帯域化を実現することは困難である。
そこで、本発明者らは、実際の光学体の作製プロセスでも実現可能な比率(a/λ)の範囲で、広帯域で反射率を抑制する技術について鋭意検討を行った。その結果、光学体の波面の形状をコントロールして、波面の振動方向に垂直な平面で切断した断面の面積Sの変曲点を、振動の中心よりも波面の底部寄りに位置させる構成を見出すに至った。
また、光学体の波面の形状をコントロールする方法としては、原盤(マスター)の成形面(波面)に表面層を成膜し、成形面の形状に補正を施し、この補正を施した原盤からレプリカとしての光学体を取る技術を見出すに至った。
<実施形態>
本技術の実施形態について以下の順序で説明する。
1.第1の実施形態(反射防止機能を有する光学体の例)
2.第2の実施形態(撮像装置の例)
3.第3の実施形態(撮像装置の例)
4.第4の実施形態(表示装置の例)
5.第5の実施形態(表示装置の例)
6.第6の実施形態(電子機器の例)
<1.第1の実施形態>
[光学体の構成]
図1Aは、本技術の第1の実施形態に係る光学体の構成の一例を示す平面図である。図1Bは、図1Aに示した光学体の表面の一部を拡大して表す斜視図である。図2Aは、図1Aに示した光学体の表面の一部を拡大して表す平面図である。図2Bは、図2AのB−B線に沿った断面図である。図2Cは、図2AのC−C線に沿った断面図である。本明細書では、光学体1の表面の面内で互いに直交する2方向をそれぞれX軸方向、およびY軸方向と称し、その表面に垂直な方向をZ軸方向と称する。また、光学体1の面内(XY平面内)においてX軸方向に対して所定の角度θをなす方向をθ方向と称する。
光学体1は、反射防止機能を有する光学体であり、光が入射する表面に適用して好適なものである。より具体的には、光学体1は、光学素子、光学系、光学機器、撮像装置および電子機器などの表面に適用して好適なものである。光学素子としては、例えば、レンズ、フィルタ、半透過型ミラー、調光素子、プリズム、偏光素子などが挙げられるが、これに限定されるものではない。撮像装置としては、例えば、カメラ、ビデオカメラなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。光学機器としては、例えば、望遠鏡、顕微鏡、露光装置、測定装置、検査装置、分析機器などが挙げられるが、これに限定されるものではない。電子機器としては、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、タッチパネル(入力装置)、表示装置、テレビ装置、パーソナルコンピュータ、携帯電話、タブレット型コンピュータなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
光学体1は、少なくとも一方の表面に波面Swを有する。なお、図2Bおよび図2Cでは、光学体1が一方の表面に波面Swを有する構成例が示されている。光学体1は、形状層3を備える。光学体1が、必要に応じて基体2をさらに備え、この基体2の少なくとも一方の表面に形状層3を設けるようにしてもよい。形状層3を単独で光学体1とする構成を採用する場合には、形状層3はレンズやフィルタなどの光学部材の表面に直接的に設けることが好ましい。光学体1は可撓性を有していることが好ましい。これにより、表示面や入力面などの表面に対して光学体1の適用が容易となるからである。
(基体)
基体2は、例えば、透明性を有する基体である。基体2の材料としては、例えば、プラスチック材料などの有機材料、ガラスなどの無機材料を用いることができ、耐光性の観点からすると、ガラスなどの無機材料を用いることが好ましい。
ガラスとしては、例えば、ソーダライムガラス、鉛ガラス、硬質ガラス、石英ガラス、液晶化ガラスなど(「化学便覧」基礎編、P.I-537、日本化学会編参照)が用いられる。プラスチック材料としては、透明性、屈折率、および分散などの光学特性、さらには耐衝撃性、耐熱性、および耐久性などの諸特性の観点から、ポリメチルメタアクリレート、メチルメタクリレートと他のアルキル(メタ)アクリレート、スチレンなどといったビニルモノマーとの共重合体などの(メタ)アクリル系樹脂;ポリカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート(CR-39)などのポリカーボネート系樹脂;(臭素化)ビスフェノールA型のジ(メタ)アクリレートの単独重合体ないし共重合体、(臭素化)ビスフェノールAモノ(メタ)アクリレートのウレタン変性モノマーの重合体および共重合体などといった熱硬化性(メタ)アクリル系樹脂;ポリエステル特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよび不飽和ポリエステル、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、シクロオレフィンポリマー(商品名:アートン、ゼオノア)、シクロオレフィンコポリマーなどが好ましい。また、耐熱性を考慮したアラミド系樹脂の使用も可能である。
基体2としてプラスチック材料を用いる場合、プラスチック表面の表面エネルギー、塗布性、すべり性、平面性などをより改善するために、表面処理として下塗り層を設けるようにしてもよい。この下塗り層としては、例えば、オルガノアルコキシメタル化合物、ポリエステル、アクリル変性ポリエステル、ポリウレタンなどが挙げられる。また、下塗り層を設けるのと同様の効果を得るために、基体2の表面に対してコロナ放電、UV照射処理などを行うようにしてもよい。
基体2の形状としては、例えば、フィルム状、板状、ブロック状を挙げることができるが、特にこれらの形状に限定されるものではない。ここで、フィルム状にはシート状が含まれるものと定義する。基体2の厚さは、例えば25μm〜500μm程度である。基体2がプラスチックフィルムである場合には、基体2は、例えば、上述の樹脂を伸延、または溶剤に希釈後フィルム状に成膜して乾燥するなどの方法で得ることができる。基体2が、光学体1の適用対象となる部材や機器などの構成要素であってもよい。
基体2の表面形状は平面に限定されるものではなく、凹凸面、多角形面、曲面またはこれらの形状の組み合わせであってもよい。曲面としては、例えば、部分球面、部分楕円面、部分放物面、自由曲面などが挙げられる。ここで、部分球面、部分楕円面、部分放物面はそれぞれ、球面、楕円面、放物面の一部の面のことを意味する。
(形状層)
形状層3は、例えば、透明性を有している。形状層3は、例えば、エネルギー線硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物および熱可塑性樹脂組成物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでいる。形状層3は、必要に応じて、重合開始剤、光安定剤、紫外線吸収剤、触媒、帯電防止剤、滑剤、レベリング剤、消泡剤、重合促進剤、酸化防止剤、難燃剤、赤外線吸収剤、界面活性剤、表面改質剤、チキソトロピー剤、可塑剤などの添加剤をさらに含んでいてもよい。
形状層3は、3次元的な波面Swを有している。この波面Swにより、光学体1の表面に反射防止機能を付与することができる。なお、図2Bおよび図2Cでは、光学体1の一方の表面に波面Swが設けられた例が示されている。
波面Swは、例えば、光学体1の面内方向(XY平面の面内方向)に周期性を有している。図2A〜図2Cでは、波面Swは、例えば、X軸方向およびθ方向に周期性を有する例が示されている。波面Swの波長λは、光学体1の面内方向(XY平面の面内方向)で異方性を有していてもよい。図2A〜図2Cでは、波面Swの波長λがX軸方向およびθ方向に異方性を有し、X軸方向の波長λが波長λ1であり、θ方向の波長λが波長λ2である例が示されている。X軸方向の波長λ1、θ方向の波長λ2は、例えば、λ1>λ2の関係を満たす。波面Swの振動の幅aは、光学体1の面内方向(XY平面の面内方向)で異方性を有していてもよい。図2B、図2Cでは、波面Swの振動の幅aがX軸方向およびθ方向に異方性を有し、X軸方向の振動の幅aが幅a1であり、θ方向の振動の幅aが幅a2である例が示されている。X軸方向の振動の幅a1、θ方向の振動の幅a2は、例えば、a1<a2の関係を満たす。
波面Swの波長λは、好ましくは可視光の波長以下である。波面Swの波長λが可視光の波長以下であると、可視光に対する反射防止機能を光学体1の表面に付与することができる。ここで、波面Swの波長λが異方性を有する場合には、波面Swの波長λとは、波面Swの最長波長を意味するものとする。図2A〜図2Cに示すように、X軸方向の波長λが波長λ1であり、θ方向の波長λが波長λ2(<λ1)である場合、波面Swの波長λとは、波面Swの最長波長であるX軸方向の波長λ1を意味する。また、可視光の波長λとは、360nm以上830nm以下の波長帯域の波長をいう。
波面Swの波長λは、好ましくは130nm以上である。波面Swの波長λが130nm以上であると、良好な形状を作製できる。ここで、波面Swの波長λが異方性を有する場合には、波面Swの波長λとは、波面Swの最短波長を意味するものとする。図2A〜図2Cに示すように、X軸方向の波長λが波長λ1であり、θ方向の波長λが波長λ2(<λ1)である場合、波面Swの波長λとは、波面Swの最短波長であるθ方向の波長λ2を意味する。
波面Swの振動の幅aは、好ましくは130nm以上である。波面Swの振動の幅aが130nm以上であると、良好な形状を作製できる。ここで、波面Swの振動の幅aが異方性を有する場合には、波面Swの振動の幅aとは、波面Swの最小の振動の幅を意味するものとする。図2B、図2Cに示すように、X軸方向の振動の幅aが振動の幅a1であり、θ方向の振動の幅aが振動の幅a2(>a1)である場合、波面Swの振動の幅aとは、波面Swの最小の振動の幅であるX軸方向の振動の幅a1を意味する。
波面Swの振動の幅aは、好ましくは400nm以下である。波面Swの振動の幅aが400nm以下であると、回折光の発生を抑制できる。ここで、波面Swの振動の幅aが異方性を有する場合には、波面Swの振動の幅aとは、波面Swの最大の振動の幅を意味するものとする。図2B、図2Cに示すように、X軸方向の振動の幅aが振動の幅a1であり、θ方向の振動の幅aが振動の幅a2(>a1)である場合、波面Swの振動の幅aとは、波面Swの最大の振動の幅であるθ方向の振動の幅a2を意味する。
図3は、図2Bの一部を拡大して表す断面図である。波面Swは、その頂部Ptおよび底部Pbの間に光学体1の表面に対して凹状に湾曲した曲面cを有している。この曲面cの傾きは、頂部Ptから底部Pbに向かって緩やかになることが好ましい。ここで、曲面cの傾きとは、波面Swの底点を含み、かつ、波面Swの振動方向(Z軸方向)に平行な平面で波面Swを切断したときの断面の形状(すなわち断面プロファイル)の傾きである。
図4は、光学体の波面の振幅Aに対する波面の断面の面積Sの変化を示す図である。図4では、波面Swの振動の最小位置Pminを基準値「0」とし、波面Swの振動の最大位置Pmaxを「+a」としている。波面Swの振動の最大位置Pmaxとは、光学体1の表面(XY平面)において波面Swが最も高くなる位置を意味する。波面Swの振動の最小位置Pminとは、光学体1の表面(XY平面)において波面Swが最も低くなる位置を意味する。
ここで、図3に示すように、波面Swをその振動方向に垂直な平面で切断した断面の面積を面積Sと定義する。断面の面積Sの変曲点Piは、図4に示すように、波面Swの振動の方向に対して変化を有している。断面の面積Sの変曲点Piは、波面Swの振動の中心よりも波面Swの底部Pb寄りに位置している。これにより、波面Swが頂部Ptおよび底部Pbの間に凹状に湾曲した曲面cを含む場合であっても、反射防止特性を向上できる。なお、波面Swの振動の中心は、波面Swの振動の最小位置minを基準としてZ軸方向に向かってa/2の位置である。また、波面Swの振動方向とは、XY平面に対して垂直なZ軸方向である。
波面Swの振動の最大位置Pmaxから−Z軸方向に向けてa/10(但し、aは波面Swの振動の幅である。)の位置までの範囲の波面要素の体積vaと、波面Swの振動の最小位置Pminから+Z軸方向に向けてa/10の位置までの範囲の波面要素の体積vbとは、va<vbの関係を満たしていることが好ましい。このような関係を満たすことで、反射防止の性能を向上できる。ここで、波面Swが設けられた表面側から見て、波面Swから遠ざかる方向を「+Z軸方向」とし、波面Swに対して近づく方向を「−Z軸方向」とする。
波面Swの最小位置Pminから波面Swの振動の最大位置Pmaxまでの範囲の波面要素の体積を体積Vと定義すると、体積Vに対する体積vaの比率R(=(va/V)×100)は、10%以下であることが好ましい。比率Rを10%以下にすることで、反射防止の性能を向上できる。
波面Swは、図1Bに示すように、可視光の波長以下のピッチで複数の孔部4を2次元配列することにより構成されている。光学体1が基体2を備える場合には、孔部4と基体2との間に中間層5を備えるようにしてもよい。孔部4は、図2Aに示すように、光学体1の表面において複数列のトラックT1,T2,T3,・・・(以下総称して「トラックT」ともいう。)をなすような配置形態を有する。本明細書において、トラックとは、孔部4が列をなして直線状に連なった部分のことをいう。また、列方向とは、基体2の表面(XY面)において、トラックの延在方向(X方向)に直交する方向のことをいう。
孔部4は、隣接する2つのトラックT間において、半ピッチずれた位置に配置されている。具体的には、隣接する2つのトラックT間において、一方のトラック(例えばT1)に配列された孔部4の中間位置(半ピッチずれた位置)に、他方のトラック(例えばT2)の孔部4が配置されている。その結果、図2Aに示すように、隣接する3列のトラック(T1〜T3)間においてa1〜a7の各点に孔部4の中心が位置する六方格子パターンまたは準六方格子パターンを形成するように孔部4が配置されている。ここで、六方格子とは、正六角形状の格子のことをいう。準六方格子とは、正六角形状の格子とは異なり、歪んだ正六角形状の格子のことをいう。例えば、孔部4が直線状に配置されている場合には、準六方格子とは、正六角形状の格子を直線状の配列方向(トラック方向)に引き伸ばして歪ませた六方格子のことをいう。孔部4が蛇行して配列されている場合には、準六方格子とは、正六角形状の格子を孔部4の蛇行配列により歪ませた六方格子、または正六角形状の格子を直線状の配列方向(トラック方向)に引き伸ばして歪ませ、かつ、孔部4の蛇行配列により歪ませた六方格子のことをいう。
孔部4が準六方格子パターンを形成するように配置されている場合には、図2Aに示すように、同一トラック(例えばT1)内における孔部4の配置ピッチp1(a1−a2間距離)は、隣接する2つのトラック(例えばT1およびT2)間における孔部4の配置ピッチ、すなわちトラックの延在方向(X軸方向)に対して±θ方向における孔部4の配置ピッチp2(例えばa1−a7、a2−a7間距離)よりも長くなっているようにしてもよい。
孔部4が、成形の容易さの観点から、錐体形状、または錐体形状をトラック方向に延伸または収縮させた錐体形状を有することが好ましい。孔部4が、軸対称な錐体形状、または錐体形状をトラック方向に延伸または収縮させた錐体形状を有することが好ましい。
後述の製造方法を用いて光学体1を作製する観点からすると、孔部4は、トラックの延在方向(X軸方向)の幅がこの延在方向とは直交する列方向(Y軸方向)の幅よりも大きい底面を有する錐体形状であることが好ましい。具体的には、孔部4は、底面が長軸と短軸をもつ楕円形、長円形または卵形の錐体構造で、頂部が曲面である楕円錐形状であることが好ましい。
図1A〜図2Cでは、各孔部4は、それぞれ同一の形状を有しているが、孔部4の形状はこれに限定されるものではなく、基体表面に2種以上の形状の孔部4が形成されていてもよい。
孔部4は、例えば、光学体1の面内方向(XY平面の面内方向)に所定の方向に所定の配置ピッチで設けられている。図2A〜図2Cでは、孔部4は、例えば、X軸方向およびθ方向に所定の配置ピッチで設けられた例が示されている。孔部4の配置ピッチpは、光学体1の面内方向(XY平面の面内方向)で異方性を有していてもよい。図2A〜図2Cでは、孔部4の配置ピッチpがX軸方向およびθ方向に異方性を有し、X軸方向の配置ピッチpが配置ピッチp1であり、θ方向の配置ピッチpが配置ピッチp2である例が示されている。配置ピッチp1、p2は、例えばp1>p2の関係を満たしている。孔部4の深さdは、光学体1の面内方向(XY平面の面内方向)で異方性を有していてもよい。図2B、図2Cでは、孔部4の深さdがX軸方向およびθ方向に異方性を有し、X軸方向の孔部4の深さdが深さd1であり、θ方向の孔部4の深さdが深さd2である例が示されている。孔部4の深さd1、d2は、例えばd1<d2の関係を満たしている。
孔部4の配置ピッチpは、好ましくは可視光の波長以下である。孔部4の配置ピッチpが可視光の波長以下であると、可視光に対する反射防止機能を光学体1の表面に付与することができる。ここで、孔部4の配置ピッチpが異方性を有する場合には、孔部4の配置ピッチpとは、孔部4の最大配置ピッチを意味するものとする。図2A〜図2Cに示すように、X軸方向の配置ピッチpが配置ピッチp1であり、θ方向の配置ピッチpが配置ピッチp2(<p1)である場合、孔部4の配置ピッチpとは、孔部4の最大配置ピッチであるX軸方向の配置ピッチp1を意味する。
孔部4の配置ピッチpは、好ましくは130nm以上である。孔部4の配置ピッチpが130nm以上であると、良好な形状を作製できる。ここで、孔部4の配置ピッチpが異方性を有する場合には、孔部4の配置ピッチpとは、孔部4の最小配置ピッチを意味するものとする。図2A〜図2Cに示すように、X軸方向の配置ピッチpが配置ピッチp1であり、θ方向の配置ピッチpが配置ピッチp2(<p1)である場合、孔部4の配置ピッチpとは、孔部4の最小配置ピッチであるθ方向の配置ピッチp2を意味する。
孔部4の深さdは、好ましくは130nm以上である。孔部4の深さdが130nm以上であると、良好な形状を作製できる。ここで、孔部4の深さdが異方性を有する場合には、孔部4の深さdとは、孔部4の最小の深さdを意味するものとする。図2B、図2Cに示すように、X軸方向の孔部4の深さdが孔部4の深さd1であり、θ方向の孔部4の深さdが孔部4の深さd2(>d1)である場合、孔部4の深さdaとは、孔部4の最小の深さdであるX軸方向の孔部4の深さd1を意味する。
孔部4の深さdは、好ましくは400nm以下である。孔部4の深さdが400nm以下であると、回折光の発生を抑制できる。ここで、孔部4の深さdが異方性を有する場合には、孔部4の深さdとは、孔部4の最大の深さdを意味するものとする。図2B、図2Cに示すように、X軸方向の孔部4の深さdが孔部4の深さd1であり、θ方向の孔部4の深さdが振動の孔部4の深さd2(>d1)である場合、孔部4の深さdとは、孔部4の最大の深さdあるθ方向の孔部4の深さd2を意味する。
各孔部4の深さdが同一である構成に限定されるものではなく、各孔部4が一定の深さ分布をもつように構成されていてもよい。ここで、深さ分布とは、2種以上の深さdを有する孔部4が基体2の表面に設けられていることを意味する。すなわち、基準となる深さdを有する孔部4と、この孔部4とは異なる深さdを有する孔部4とが基体2の表面に設けられていることを意味する。基準とは異なる深さdを有する孔部4は、例えば基体2の表面に周期的または非周期的(ランダム)に設けられている。その周期性の方向としては、例えばトラックの延在方向(X軸方向)、列方向(Y軸方向)などが挙げられる。
隣接する孔部4の開口端部同士を繋げるようにしてもよい。例えば、トラック方向(X軸方向)、θ方向、またはそれら両方向において、孔部4の開口端部同士を繋げるようにしてもよい。
[複製原盤の構成]
図5Aは、本技術の第1の実施形態に係る複製原盤の構成の一例を示す平面図である。図5Bは、図5Aに示した複製原盤の表面の一部を拡大して表す斜視図である。図6Aは、図5Aに示した複製原盤の表面の一部を拡大して表す平面図である。図6Bは、図6AのB−B線に沿った断面図である。図6Cは、図6AのC−C線に沿った断面図である。本明細書では、複製原盤11の表面の面内で互いに直交する2方向をそれぞれX軸方向、およびY軸方向と称し、その表面に垂直な方向をZ軸方向と称する。また、複製原盤11の面内(XY平面内)においてX軸方向に対して所定の角度θをなす方向をθ方向と称する。
複製原盤11は、上述した構成を有する光学体1を作製するための原盤、より具体的には、上述した光学体1の表面に波面Swを成形するための原盤である。複製原盤11は、例えば、フィルム状、板状、ブロック状を有し、その表面が光学体1の表面に波面Swを形成するための成形面とされる。この成形面には3次元的な波面Sw1が設けられている。波面Sw1の波長λは、好ましくは可視光の波長以下である。
複製原盤11は、波面Sw1(第1の波面)と、波面Sw1の表面上に設けられた波面Sw2(第2の波面)とを有する。波面Sw2の振動の幅aは、波面Sw1の振動の幅aよりも大きいことが好ましい。これにより、反射防止特性を向上できる。
複製原盤11は、一方の表面に波面Sw2を有する。複製原盤11は、表面形状層13を備える。複製原盤11が、必要に応じて基体12をさらに備え、この基体12の一方の表面に表面形状層13を設けるようにしてもよい。複製原盤11は可撓性を有していてもよい。
(基体)
基体12は、光学体1の基体2と同様である。
(表面形状層)
表面形状層13は、基底形状層14と、この基底形状層14の表面に設けられた表面層15とを備える。複製原盤11が基体12を有する場合には、基底形状層14が基体2の表面に設けられる。複製原盤11が表面形状層13単独で構成される場合には、基底形状層14が複製原盤11の本体となる。一方、複製原盤11が基体12をさらに備える場合には、基体2と基底形状層14とにより複製原盤11の本体が構成される。
基底形状層14は、例えば、透明性または不透明性を有している。基底形状層14は、無機材料および有機材料の少なくとも一方を含んでいる。有機材料としては、例えば、エネルギー線硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物および熱可塑性樹脂組成物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでいる。基底形状層14は、必要に応じて、重合開始剤、光安定剤、紫外線吸収剤、触媒、着色剤、帯電防止剤、滑剤、レベリング剤、消泡剤、重合促進剤、酸化防止剤、難燃剤、赤外線吸収剤、界面活性剤、表面改質剤、チキソトロピー剤、可塑剤などの添加剤をさらに含んでいてもよい。
表面層15は、例えば、透明性または不透明性を有している。表面層15は、無機材料および有機材料の少なくとも一方を含んでいる。無機材料は、誘電体、透明導電体、金属または半導体を含んでいる。
誘電体としては、例えば、酸化物、窒化物、硫化物、炭化物、フッ化物またはその混合物を用いることができる。酸化物としては、例えば、In、Zn、Sn、Al、Si、Ge、Ti、Ga、Ta、Nb、Hf、Zr、Cr、BiおよびMgからなる群から選ばれる1種以上の元素の酸化物が挙げられる。窒化物としては、例えば、In、Sn、Ge、Cr、Si、Al、Nb、Mo、Ti、Nb、Mo、Ti、W、TaおよびZnからなる群から選ばれる1種以上の元素の窒化物、好ましくはSi、GeおよびTiからなる群から選ばれる1種以上の元素の窒化物が挙げられる。硫化物としては、例えば、Zn硫化物が挙げられる。炭化物としては、例えば、In、Sn、Ge、Cr、Si、Al、Ti、Zr、TaおよびWからなる群より選ばれる1種以上の元素の炭化物、好ましくはSi、Ti、およびWからなる群より選ばれる1種以上の元素の炭化物が挙げられる。フッ化物としては、例えば、Si、Al、Mg、CaおよびLaからなる群より選ばれる1種以上の元素のフッ化物が挙げられる。これらの混合物としては、例えば、ZnS−SiO2、SiO2−Cr23−ZrO2(SCZ)、In23−SnO2(ITO)、In23−CeO2(ICO)、In23−Ga23(IGO)、Sn23−Ta25(TTO)、TiO2−SiO2などが挙げられる。
金属としては、例えば遷移金属を用いることができる。遷移金属としては、例えば、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Nb、Cu、Ni、Co、Mo、Ta、W、Zr、Ru、Ag等が挙げられる。
半導体としては、透明酸化物半導体を用いることが好ましい。透明酸化物半導体としては、例えば、SnO2、InO2、ZnOおよびCdOなどの二元化合物、二元化合物の構成元素であるSn、In、ZnおよびCdのうちの少なくとも一つの元素を含む三元化合物、または多元系(複合)酸化物を用いることができる。透明酸化物半導体の具体例としては、例えばインジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、アルミドープ酸化亜鉛(AZO(Al23、ZnO))、SZO、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、酸化錫(SnO2)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、酸化インジウム亜鉛(IZO(In23、ZnO))などが挙げられる。特に、信頼性の高さ、および抵抗率の低さなどの観点から、インジウム錫酸化物(ITO)が好ましい。透明酸化物半導体の状態としては、例えば、アモルファス状態、結晶状態、アモルファスと多結晶との混合状態などが挙げられる。
波面Sw2の振動の最大位置Pmaxにおける表面層15の厚さD1、波面Sw2の傾斜面における表面層15の厚さをD2、波面Sw2の振動の最小位置Pminにおける表面層15の厚さをD3としたときに、厚さD1、D2、D3が、好ましくはD1>D3、より好ましくはD1>D3>D2の関係を満たしている。
波面Sw2の振動の最大位置Pmaxにおける表面層15の厚さは、好ましくは10nm以上、より好ましくは10nm以上100nmの範囲内である。表面層15の厚さが10nm以上であると、反射防止特性を向上できる。また、表面層15の厚さが100nmを超えると、反射防止特性が悪化する。
表面層15の表面には、波面Sw2が設けられている。波面Sw2は、例えば、波面Sw1に倣うように表面層15を設けることで構成されている。より具体的には、波面Sw2は、2次元配列された複数の表面構造体17により構成されている。表面構造体17は、複製原盤11の表面に対して凸状を有している。表面構造体17は、基底構造体16と、この基底構造体16の表面に倣うように設けられた表面層15とを備える。
基底形状層14の表面には、波面Sw1が設けられている。この波面Sw1は、例えば、2次元配列された複数の基底構造体16により構成されている。基底構造体16は、複製原盤11の表面に対して凸状を有している。基底形状層14が、必要に応じて基体12と基底構造体16との間に中間層18をさらに備えるようにしてもよい。中間層18は、基底構造体16の底面側に基底構造体16と一体成形される層であり、基底構造体16と同一の材料により構成される。
複製原盤11の波面Sw2と、光学体1の波面Swとは、反転した凹凸関係にある。すなわち、複製原盤11の波長λ、振動の幅aなどは、光学体1の波面Swと同様である。
複製原盤11の成形面に設けられた複数の表面構造体17と、上述の光学体1の表面に設けられた複数の孔部4とは、反転した凹凸関係にある。すなわち、複製原盤11の表面構造体17の配列、大きさ、形状、配置ピッチpおよび高さhなどは、上述の光学体1の孔部4と同様である。但し、複製原盤11の表面構造体17の高さhは、光学体1の孔部4の深さdに対応する。
図7は、図6Bの一部を拡大して表す断面図である。波面Sw2は、その頂部Ptおよび底部Pbの間に光学体1の表面に対して凸状に湾曲した曲面cを有している。この曲面cの傾きは、頂部Ptから底部Pbに向かって急峻になることが好ましい。ここで、曲面cの傾きは、波面Sw2の頂点を含み、かつ、波面Sw2の振動方向(Z軸方向)に平行な平面で波面Swを切断したときの断面の形状(すなわち断面プロファイル)の傾きである。
図8は、複製原盤の波面の振幅Aに対する波面の断面の面積Sの変化を示す図である。図8では、波面Sw2の振動の最小位置Pminを基準値「0」とし、波面Sw2の振動の最大位置Pmaxを「+a」としている。波面Sw2の振動の最大位置Pmaxとは、複製原盤11の表面(XY平面)において波面Sw2が最も高くなる位置を意味する。波面Sw2の振動の最小位置Pminとは、複製原盤11の表面(XY平面)において波面Sw2が最も低くなる位置を意味する。
ここで、波面Sw2をその振動方向に垂直な平面で切断した断面の面積を面積Sと定義する。断面の面積Sの変曲点Piは、図8に示すように、波面Sw2の振動の方向に対して変化を有している。断面の面積Sの変曲点Piは、波面Swの振動の中心よりも波面Swの頂部Pt寄りに位置している。なお、波面Sw2の振動の中心は、波面Sw2の振動の最小位置minを基準としてZ軸方向に向かってa/2の位置である。また、波面Sw2の振動方向とは、XY平面に対して垂直なZ軸方向である。
[ロール原盤の構成]
図9Aは、ロール原盤の構成の一例を示す斜視図である。図9Bは、図9Aに示したロール原盤の一部を拡大して表す平面図である。図9Cは、図9BのC−C線に沿った断面図である。図9Dは、図9BのD−D線に沿った断面図である。本明細書では、ロール原盤21の表面の面内で互いに直交する2方向をそれぞれX軸方向、およびY軸方向と称し、その表面に垂直な方向をZ軸方向と称する。また、ロール原盤21の面内(XY平面内)においてX軸方向に対して所定の角度θをなす方向をθ方向と称する。
ロール原盤21は、上述した構成を有する複製原盤11を作製するための原盤、より具体的には、上述した複製原盤11の基底形状層14の表面に波面Sw1を成形するための原盤である。ロール原盤21は、例えば、円柱状または円筒状の形状を有し、その円柱面または円筒面が複製原盤11の基底形状層14の表面に波面Sw1を形成するための成形面とされる。この成形面には波面Sw3が設けられている。波面Sw3は、例えば、2次元配列された複数の孔部22により構成されている。孔部22は、成形面に対して凹状を有している。ロール原盤21の材料としては、例えばガラスを用いることができるが、この材料に特に限定されるものではない。
ロール原盤21の波面Sw3と、複製原盤11の波面Sw1とは、反転した凹凸関係にある。すなわち、ロール原盤21の波面Sw3の波長λ、振動の幅aなどは、複製原盤11の波面Sw1と同様である。
ロール原盤21の成形面に配置された複数の孔部22と、上述の複製原盤11の表面に配置された複数の表面構造体17とは、反転した凹凸関係にある。すなわち、ロール原盤21の孔部22の配列、大きさ、形状、配置ピッチpおよび深さdなどは、複製原盤11の基底構造体16と同様である。但し、ロール原盤21の孔部22の深さdは、複製原盤11の基底構造体16の高さhに対応する。
[露光装置の構成]
図10は、ロール原盤を作製するためのロール原盤露光装置の構成の一例を示す概略図である。このロール原盤露光装置は、光学ディスク記録装置をベースとして構成されている。
レーザー光源31は、記録媒体としてのロール原盤21の表面に着膜されたレジスト層を露光するための光源であり、例えば波長λ=266nmの記録用のレーザー光24を発振するものである。レーザー光源31から出射されたレーザー光24は、平行ビームのまま直進し、電気光学素子(EOM:Electro Optical Modulator)32へ入射する。電気光学素子32を透過したレーザー光24は、ミラー33で反射され、変調光学系35に導かれる。
ミラー33は、偏光ビームスプリッタで構成されており、一方の偏光成分を反射し他方の偏光成分を透過する機能をもつ。ミラー33を透過した偏光成分はフォトダイオード34で受光され、その受光信号に基づいて電気光学素子32を制御してレーザー光24の位相変調を行う。
変調光学系35において、レーザー光24は、集光レンズ36により、ガラス(SiO2)などからなる音響光学素子(AOM:Acousto-Optic Modulator)37に集光される。レーザー光24は、音響光学素子37により強度変調され発散した後、レンズ38によって平行ビーム化される。変調光学系35から出射されたレーザー光24は、ミラー42によって反射され、移動光学テーブル43上に水平かつ平行に導かれる。
移動光学テーブル43は、ビームエキスパンダ44、および対物レンズ45を備えている。移動光学テーブル43に導かれたレーザー光24は、ビームエキスパンダ44により所望のビーム形状に整形された後、対物レンズ45を介して、ロール原盤21上のレジスト層へ照射される。ロール原盤21は、スピンドルモータ46に接続されたターンテーブル47の上に載置されている。そして、ロール原盤21を回転させると共に、レーザー光24をロール原盤21の高さ方向に移動させながら、レジスト層へレーザー光24を間欠的に照射することにより、レジスト層の露光工程が行われる。形成された潜像は、円周方向に長軸を有する略楕円形になる。レーザー光24の移動は、移動光学テーブル43の矢印R方向への移動によって行われる。
露光装置は、上述したロール原盤21の孔部22の2次元パターンに対応する潜像をレジスト層に形成するための制御機構41を備えている。制御機構41は、フォマッター39とドライバ40とを備える。フォマッター39は、極性反転部を備え、この極性反転部が、レジスト層に対するレーザー光24の照射タイミングを制御する。ドライバ40は、極性反転部の出力を受けて、音響光学素子37を制御する。
このロール原盤露光装置では、2次元パターンが空間的にリンクするように1トラック毎に極性反転フォマッター信号と回転コントロラーを同期させて信号を発生し、音響光学素子37により強度変調している。角速度一定(CAV)で適切な回転数と適切な変調周波数と適切な送りピッチでパターニングすることにより、六方格子パターンなどの2次元パターンを記録することができる。
[光学体の製造方法]
図11A〜図13Dは、本技術の第1の実施形態に係る光学体の製造方法の一例を説明するための工程図である。
(レジスト成膜工程)
まず、図11Aに示すように、円柱状または円筒状のロール原盤21を準備する。このロール原盤21は、例えばガラス原盤である。次に、図11Bに示すように、ロール原盤21の表面にレジスト層23を形成する。レジスト層23の材料としては、例えば有機系レジスト、および無機系レジストのいずれを用いてもよい。有機系レジストとしては、例えばノボラック系レジストや化学増幅型レジストなどを用いることができる。また、無機系レジストとしては、例えば、金属化合物を用いることができる。
(露光工程)
次に、図11Cに示すように、ロール原盤21の表面に形成されたレジスト層23に、レーザー光(露光ビーム)24を照射する。具体的には、図10に示したロール原盤露光装置のターンテーブル47上にロール原盤21を載置し、ロール原盤21を回転させると共に、レーザー光(露光ビーム)24をレジスト層23に照射する。このとき、レーザー光24をロール原盤21の高さ方向(円柱状または円筒状のロール原盤21の中心軸に平行な方向)に移動させながら、レーザー光24を間欠的に照射することで、レジスト層23を全面にわたって露光する。これにより、レーザー光24の軌跡に応じた潜像25が、レジスト層23の全面にわたって形成される。
潜像25は、例えば、ロール原盤表面において複数列のトラックTをなすと共に、所定の格子パターンをなすように形成される。潜像25は、例えば、円形状または楕円形状である。潜像25が楕円形状を有する場合には、その楕円形状はトラックTの延在方向に長軸方向を有することが好ましい。
(現像工程)
次に、例えば、ロール原盤21を回転させながら、レジスト層23上に現像液を滴下して、レジスト層23を現像処理する。これにより、図12Aに示すように、レジスト層23に複数の開口部26が形成される。レジスト層23をポジ型のレジストにより形成した場合には、レーザー光24で露光した露光部は、非露光部と比較して現像液に対する溶解速度が増すので、図12Aに示すように、潜像(露光部)25に応じたパターンがレジスト層23に形成される。開口部26のパターンは、例えば所定の格子パターンである。
(エッチング工程)
次に、ロール原盤21の表面に形成されたレジスト層23のパターン(レジストパターン)をマスクとして、ロール原盤21の表面をエッチング処理する。これにより、図12Bに示すように、例えば、錐体形状を有する孔部22を得ることができる。錐体形状は、例えばトラックTの延在方向に長軸方向をもつ楕円錐形状または楕円錐台形状であることが好ましい。エッチングとしては、例えばドライエッチング、ウエットエッチングを用いることができる。このとき、エッチング処理とアッシング処理とを交互に行うことにより、例えば、錐体状の孔部22のパターンを形成することができる。以上により、目的とするロール原盤21が得られる。
(複製原盤作製工程)
次に、図12Cに示すように、ロール原盤21を回転させながら、ロール原盤21と、基体12の表面に塗布された転写材料27とを密着させると共に、紫外線などのエネルギー線をエネルギー線源28から転写材料27に照射して転写材料27を硬化させる。次に、ロール原盤21の回転を維持しつつ、硬化した転写材料27と一体となった基体12をロール原盤21の成形面から剥離する。これにより、図13Aに示すように、複数の基底構造体16を有する基底形状層14が基体12の表面に形成される。すなわち、波面Sw1を有する基底形状層14が基体12の表面に形成される。この際、必要に応じて基底構造体16と基体12との間に中間層18を形成するようにしてもよい。
エネルギー線源28としては、電子線、紫外線、赤外線、レーザー光線、可視光線、電離放射線(X線、α線、β線、γ線など)、マイクロ波、または高周波などエネルギー線を放出可能なものであればよく、特に限定されるものではない。
転写材料27としては、エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。エネルギー線硬化性樹脂組成物としては、紫外線硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。エネルギー線硬化性樹脂組成物が、必要に応じてフィラーや機能性添加剤などを含んでいてもよい。
紫外線硬化性樹脂組成物は、例えばアクリレートおよび開始剤を含んでいる。紫外線硬化性樹脂組成物は、例えば、単官能モノマー、二官能モノマー、多官能モノマーなどを含み、具体的には、以下に示す材料を単独または、複数混合したものである。
単官能モノマーとしては、例えば、カルボン酸類(アクリル酸)、ヒドロキシ類(2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート)、アルキル、脂環類(イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート)、その他機能性モノマー(2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレンクリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、2−(パーフルオロオクチル)エチル アクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−パーフルオロオクチルー2−ヒドロキシプロピル アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル アクリレート、2−(パーフルオロー3−メチルブチル)エチル アクリレート)、2,4,6−トリブロモフェノールアクリレート、2,4,6−トリブロモフェノールメタクリレート、2−(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エチルアクリレート)、2−エチルヘキシルアクリレートなどを挙げることができる。
二官能モノマーとしては、例えば、トリ(プロピレングリコール)ジアクリレート、トリメチロールプロパン ジアリルエーテル、ウレタンアクリレートなどを挙げることができる。
多官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートなどを挙げることができる。
開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンなどを挙げることができる。
フィラーとしては、例えば、無機微粒子および有機微粒子のいずれも用いることができる。無機微粒子としては、例えば、金属酸化物を含む微粒子を挙げることができる。金属酸化物としては、例えば、酸化ケイ素(SiO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化スズ(SnO2)および酸化アルミニウム(Al23)などからなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
機能性添加剤としては、例えば、レベリング剤、表面調整剤、消泡剤などを挙げることができる。基体12の材料としては、例えば、メチルメタクリレート(共)重合体、ポリカーボネート、スチレン(共)重合体、メチルメタクリレート−スチレン共重合体、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリウレタン、ガラスなどが挙げられる。
基体12の成形方法は特に限定されるものではなく、射出成形法、押し出し成形法およびキャスト成形法のいずれの方法を用いてもよい。必要に応じて、コロナ処理などの表面処理を基体表面に施すようにしてもよい。
複製原盤11の離型性向上の観点からすると、複製原盤11の表面にシリコーン系離型剤またはフッ素系離型剤などの離型剤を塗布する、もしくは転写材料27にフッ素系添加材またはシリコーン系添加材などの添加剤をさらに添加することが好ましい。
次に、図13Bに示すように、基底形状層14の波面Sw1上に表面層15を形成することにより、基底形状層14の波面Sw1のプロファイルを補正し、波面Sw2とする。表面層15の形成法としては、スパッタリング法を用いることが好ましい。以上により、目的とする複製原盤11が得られる。
(光学体作製工程)
次に、図13Dに示すように、複製原盤11と、基体2の表面に塗布された転写材料29とを密着させると共に、紫外線などのエネルギー線をエネルギー線源30から転写材料29に照射して転写材料29を硬化させる。次に、硬化した転写材料29と一体となった基体2を複製原盤11の成形面から剥離する。これにより、図13Dに示すように、複数の孔部4を有する形状層3が基体2の表面に形成される。この際、必要に応じて孔部4と基体2との間に中間層5を形成するようにしてもよい。以上により、目的とする光学体1が得られる。
[効果]
第1の実施形態によれば、波面Swの振動方向に垂直な平面で切断した断面の面積Sの変曲点を、振動の中心よりも波面Swの底部Pb寄りに位置させているので、波面Swが頂部Ptおよび底部Pb間に凹状の曲面を有する場合であっても、反射防止特性を向上できる。
本技術では、波面Swを光学体1の表面に設けることで反射防止効果を得ることができる。したがって、多層膜とは異なる技術により、反射防止効果を得ることができる。
従来、ロール原盤の作製方法では、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術とが用いられているが、これらの技術では、ロール原盤の成形面である波面のプロファイルを補正することは困難である。このため、反射防止帯域を広げることは困難である。これに対して、本実施形態では、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術とを用いて作製したロール原盤21から複製原盤11を作製し、この複製原盤(マスター)11の波面(成形面)Sw1に薄膜の選択成長性を利用して表面層15を形成する。これにより、複製原盤11の波面Sw1のプロファイルを補正し、波面Sw2とすることができる。すなわち、複製原盤11の波面の断面の面積Sの変曲点の位置を調整することができる。したがって、反射防止帯域を広げることができる。
従来の多層膜積層方式によるAR(Anti-Reflection)膜では、380〜780nmの平均反射率が3%程度である。また、高さ200nm前後のパラボラ形状の構造体を2次元配列することにより構成された波面では、380〜780nmの平均反射率は0.4%程度である。これに対して、本実施形態の波面Swでは、複製原盤11の表面層15の厚さを所定の範囲に調整することで、平均0.35%以下の平均反射率を実現することができる。
[変形例]
(第1の変形例)
図14Aは、第1の変形例に係る光学体の一構成例を示す断面図である。上述の第1の実施形態では、光学体1が形状層3と必要に応じて基体2とを備え、形状層3に波面Swを設けた例について説明したが、基体2の表面に波面Swを直接設けるようにしてもよい。
図14Bは、第1の変形例に係る複製原盤の一構成例を示す断面図である。上述の第1の実施形態では、複製原盤11が基底形状層14と表面層15と必要に応じて基体12とを備え、基底形状層14に波面Sw1を設けた例について説明したが、基体12の表面に波面Sw1を直接設けるようにしてもよい。この場合、基体12が複製原盤11の本体がとなる。
(第2の変形例)
図15は、第2の変形例に係る光学体の一構成例を示す断面図である。第2の変形例に係る光学体1は、複数の孔部4が、隣接する3列のトラックT間において四方格子パターンまたは準四方格子パターンをなしている点において、第1の実施形態のものとは異なっている。
ここで、四方格子とは、正四角形状の格子のことをいう。準四方格子とは、正四角形状の格子とは異なり、歪んだ正四角形状の格子のことをいう。例えば、孔部4が直線上に配置されている場合には、準四方格子とは、正四角形状の格子を直線状の配列方向(トラック方向)に引き伸ばして歪ませた四方格子のことをいう。孔部4が蛇行して配列されている場合には、準四方格子とは、正四角形状の格子を孔部4の蛇行配列により歪ませた四方格子をいう。または、正四角形状の格子を直線状の配列方向(トラック方向)に引き伸ばして歪ませ、かつ、孔部4の蛇行配列により歪ませた四方格子のことをいう。
光学体1の孔部4の配列パターンとして四方格子パターンを採用する場合、複製原盤11の表面構造体17、およびロール原盤21の孔部22の配列パターンも同様に、四方格子パターンまたは準四方格子パターンが採用される。光学体1の格子パターンは、上述の六方格子パターン、準六方格子パターン、四方格子パターンおよび準四方格子パターンに限定されるものではなく、これら以外の格子パターンを採用することも可能である。
(第3の変形例)
上述の実施形態では、波面Swの波長λが可視光の波長帯域以下である構成を例として説明したが、波面Swの波長λの範囲はこの例に限定されるものではなく、反射の低減を目的とする所望の光の波長帯域以下に設定することが可能である。反射の低減を目的とする光の波長帯域は、例えば、紫外光の波長帯域、可視光の波長帯域または赤外光の波長帯域である。ここで、紫外光の波長帯域とは10nm以上360nm以下の波長帯域、可視光の波長帯域とは360nm以上830nm以下の波長帯域、赤外光の波長帯域とは830nm以上1mm以下の波長帯域をいう。
(第4の変形例)
上述の第1の実施形態では、エネルギー線硬化性樹脂を用いて複製原盤11の基底形状層14および光学体1の形状層3を形成する例について説明したが、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を用いて複製原盤11の基底形状層14および光学体1の形状層3を形成してもよい。
熱硬化性樹脂を用いて複製原盤11の基底形状層14および光学体1の形状層3を形成する場合には、複製原盤11またはロール原盤21を熱硬化性樹脂に押しつけ、複製原盤11またはロール原盤21により熱硬化性樹脂を硬化温度まで加熱し、硬化させることにより、複製原盤11またはロール原盤21の成形面の形状を熱硬化性樹脂に形状転写する。
熱可塑性樹脂を用いて複製原盤11の基底形状層14および光学体1の形状層3を形成する場合には、複製原盤11またはロール原盤21を熱可塑性樹脂に押しつけ両者を密着させると共に、例えば熱可塑性樹脂をそのガラス転移点付近またはそれ以上に加熱することにより、複製原盤11またはロール原盤21の成形面の形状を熱可塑性樹脂に形状転写する。
上述の複製原盤11は、その成形面とは反対外の面にヒータなどの熱源を備えており、複製原盤11の成形面に密着した熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を加熱可能に構成されている。また、ロール原盤21は、その内部にヒータなどの熱源を備えており、ロール原盤21の成形面に密着した熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を加熱可能に構成されている。
<2.第2の実施形態>
[撮像装置の構成]
図16は、本技術の第2の実施形態に係る撮像装置の構成の一例を示す概略図である。図16に示すように、第2の実施形態に係る撮像装置(電子機器)100は、いわゆるデジタルカメラ(デジタルスチルカメラ)であって、筐体101と、筐体101内に設けられた撮像光学系102とを備える。
撮像光学系102は、レンズ111と、半透過型ミラー112と、撮像素子113と、オートフォーカスセンサ114とを備える。撮像光学系102は、これらの複数の構成部材のうちの少なくとも一つの表面に反射防止機能を有する光学体を備える。このような光学体としては、上述の第1の実施形態またはその変形例に係る光学体1が用いられる。光学体1が備えられる表面として、例えば、被写体からの光Lが入射する入射面、およびこの入射面から入射した光Lが出射される出射面の少なくとも一方が挙げられるが、入射面に設けることが好ましい。
レンズ111は、被写体からの光Lを撮像素子113に向けて集光する。半透過型ミラー112は、レンズ111により集光された光Lの一部をオートフォーカスセンサ114に向けて反射するのに対して、光Lの残りを撮像素子113に向けて透過する。撮像素子113は、半透過型ミラー112を透過した光Lを受光し、受光した光を電気信号に変換し、信号処理回路に出力する。オートフォーカスセンサ114は、半透過型ミラー112により反射された光を受光し、受光した光を電気信号に変換し、制御回路に出力する。
[効果]
第2の実施形態によれば、撮像光学系102の構成部材の表面に、反射防止機能を有する光学体が設けられているので、構成部材の表面における光の反射を低減することができる。したがって、被写体からの光Lの利用効率を向上することができる。
<3.第3の実施形態>
上述の第2の実施形態では、撮像装置としてデジタルカメラ(デジタルスチルカメラ)に本技術を適用する場合を例として説明したが、本技術の適用例はこれに限定されるものではない。本技術の第3の実施形態では、デジタルビデオカメラに本技術を適用した例について説明する。
図17は、本技術の第3の実施形態に係る撮像装置の構成の一例を示す概略図である。図17に示すように、第3の実施形態に係る撮像装置(電子機器)201は、いわゆるデジタルビデオカメラであって、レンズ第1群L1、レンズ第2群L2、レンズ第3群L3、レンズ第4群L4、固体撮像素子202、ローパスフィルタ203、フィルタ204、モータ205、アイリス羽根206および電気調光素子207を備える。この撮像装置201では、レンズ第1群L1、レンズ第2群L2、レンズ第3群L3、レンズ第4群L4、固体撮像素子202、ローパスフィルタ203、フィルタ204、アイリス羽根206および電気調光素子207により撮像光学系が構成される。
撮像光学系は、これらの複数の構成部材のうちの少なくとも一つの表面に反射防止機能を有する光学体を備える。このような光学体としては、上述の第1の実施形態またはその変形例に係る光学体1が用いられる。光学体1が備えられる表面として、例えば、被写体からの光Lが入射する入射面、およびこの入射面から入射した光Lが出射される出射面の少なくとも一方が挙げられるが、入射面に設けることが好ましい。
レンズ第1群L1およびレンズ第3群L3は、固定レンズである。レンズ第2群L2は、ズーム用レンズである。レンズ第4群は、フォーカス用レンズである。
固体撮像素子202は、入射された光を電気信号に変換し、図示を省略した信号処理部に供給する。この固体撮像素子202は、例えば、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)などである。
ローパスフィルタ203は、例えば、固体撮像素子202の前面に設けられる。ローパスフィルタ203は、画素ピッチに近い縞模様の像などを撮影した場合に生じる偽信号(モワレ)を抑制するためのものであり、例えば、人工水晶から構成される。
フィルタ204は、例えば、固体撮像素子202に入射する光の赤外域をカットするとともに、近赤外域(630nm〜700nm)の分光の浮きを抑え、可視域帯(400nm〜700nm)の光強度を一様にするためのものである。このフィルタ204は、例えば、赤外光カットフィルタ(以下、IRカットフィルタ)4aと、このIRカットフィルタ204a上にIRカットコートを積層させて形成されたIRカットコート層204bとから構成される。ここで、IRカットコート層204bは、例えば、IRカットフィルタ204aの被写体側の面およびIRカットフィルタ204aの固体撮像素子202側の面の少なくとも一方に形成される。図17では、IRカットフィルタ204aの被写体側の面にIRカットコート層204bが形成される例が示されている。
モータ205は、図示を省略した制御部から供給された制御信号に基づき、レンズ第4群L4を移動する。アイリス羽根206は、固体撮像素子202に入射する光量を調整するためのものであり、図示を省略したモータにより駆動される。
電気調光素子207は、固体撮像素子202に入射する光の光量を調整するためのものである。この電気調光素子207は、少なくとも染料系色素を含んだ液晶からなる電気調光素子であり、例えば、2色性GH液晶からなる電気調光素子である。
[効果]
第3の実施形態によれば、上述の第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
<4.第4の実施形態>
図18は、本技術の第4の実施形態に係る表示装置の一構成例を示す斜視図である。電子機器である表示装置301の表示面Sには、反射防止機能を有する光学体1が設けられている。このような光学体1としては、上述の第1の実施形態またはその変形例に係る光学体1が用いられる。光学体1が基体2を備える場合には、光学体1は、例えば貼合層を介して表示装置301の表示面Sに貼り合わされている。光学体1が基体2を備えず形状層3のみからなる場合には、この光学体1を表示装置301の表示面Sに直接的に形成するようにしてもよい。
表示装置301としては、例えば、液晶ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、プラズマディスプレイ(Plasma Display Panel:PDP)、エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence:EL)ディスプレイ、表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(Surface-conduction Electron-emitter Display:SED)などの各種表示装置を用いることができる。
[効果]
第4の実施形態によれば、表示装置301の表示面Sに光学体1が設けられているので、表示装置301の表示面Sの視認性を向上することができる。
<5.第5の実施形態>
図19Aは、本技術の第5の実施形態に係る表示装置の一構成例を示す斜視図である。図19Aに示すように、電子機器である表示装置301の表示面S1に入力装置302が設けられている。そして、入力装置302の入力面S2には、反射防止機能を有する光学体1が設けられている。このような光学体1としては、上述の第1の実施形態またはその変形例に係る光学体1が用いられる。
入力装置302としては、例えば、抵抗膜方式または静電容量方式のタッチパネルを用いることができるが、タッチパネルの方式はこれに限定されるものではない。抵抗膜方式のタッチパネルとしては、例えば、マトリックス抵抗膜方式のタッチパネルが挙げられる。静電容量方式のタッチパネルとしては、例えば、Wire Sensor方式またはITO Grid方式の投影型静電容量方式タッチパネルが挙げられる。
[効果]
第5の実施形態によれば、入力装置302の入力面S2に光学体1が設けられているので、入力装置302が設けられた表示装置301の視認性を向上することができる。
[変形例]
図19Bは、変形例に係る表示装置の一構成例を示す分解斜視図である。図19Bに示すように、入力装置302の入力面S2にフロントパネル(表面部材)303をさらに備えるようにしてもよい。この場合、フロントパネル303のパネル表面S3に、反射防止機能を有する光学体1が設けられる。入力装置302とフロントパネル(表面部材)303とは、例えば粘着剤などからなる貼合層により貼り合わされる。
<6.第6の実施形態>
本技術の第6の実施形態に係る電子機器は、第4の実施形態、第5の実施形態またはその変形例に係る表示装置301を備えている。以下に、本技術の第6の実施形態に係る電子機器の例として、テレビ装置、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話およびタブレット型コンピュータについて説明する。なお、電子機器はこの例に限定されるものではなく、これ以外の電気機器にも本技術は適用可能である。
図20Aは、テレビ装置の例を示す外観図である。テレビ装置311は、筐体312と、この筐体312に収容された表示装置313とを備える。ここで、表示装置313は、第5の実施形態、第6の実施形態またはその変形例に係る表示装置301である。
図20Bは、ノート型パーソナルコンピュータの例を示す外観図である。ノート型パーソナルコンピュータ321は、コンピュータ本体322と、表示装置325とを備える。コンピュータ本体322および表示装置325はそれぞれ、筐体123および筐体324に収容されている。ここで、表示装置325は、第5の実施形態、第6の実施形態またはその変形例に係る表示装置301である。
図21Aは、携帯電話の一例を示す外観図である。携帯電話331は、いわゆるスマートフォンであり、筐体332と、この筐体332に収容された表示装置333とを備える。ここで、表示装置333は、第6の実施形態またはその変形例に係る表示装置301である。
図21Bは、タブレット型コンピュータの一例を示す外観図である。タブレット型コンピュータ341は、筐体342と、この筐体342に収容された表示装置343とを備える。ここで、表示装置343は、第6の実施形態またはその変形例に係る表示装置301である。
[効果]
第6の実施形態によれば、電子機器が第4の実施形態、第5の実施形態またはその変形例に係る表示装置301を備えているので、電子機器の表示面の視認性を向上することができる。
以下、実施例により本技術を具体的に説明するが、本技術はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(構造体の高さh、配置ピッチp)
本実施例において、複製原盤の構造体の高さhおよび配置ピッチpは以下のようにして求めた。まず、複製原盤を構造体の頂部を含むように切断し、その断面を透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)にて撮影した。次に、撮影したTEM写真から、複製原盤の構造体の高さhおよび配置ピッチpを求めた。
(無機層(表面層)の厚さ)
本実施例において、無機層の厚さは以下のようにして求めた。まず、複製原盤を構造体の頂部を含むように切断し、その断面をTEMにて撮影した。次に、撮影したTEM写真から、構造体における頂部における無機層の厚さを求めた。
(実施例1−1)
まず、外径126mmのガラスロール原盤を準備し、このガラスロール原盤の表面に以下のようにしてレジスト層を着膜した。すなわち、シンナーでフォトレジストを1/10に希釈し、この希釈レジストをディッピング法によりガラスロール原盤の円柱面上に厚さ70nm程度に塗布することにより、レジスト層を着膜した。次に、記録媒体としてのガラスロール原盤を、図10に示したロール原盤露光装置に搬送し、レジスト層を露光することにより、1つの螺旋状に連なるとともに、隣接する3列のトラック間において六方格子パターンをなす潜像がレジスト層にパターニングされた。
具体的には、六方格子状の露光パターンが形成されるべき領域に対して、前記ガラスロール原盤表面まで露光するパワー0.50mW/mのレーザー光を照射し凹形状の六方格子状の露光パターンを形成した。なお、トラック列の列方向のレジスト層の厚さは60nm程度、トラックの延在方向のレジスト厚さは50nm程度であった。
次に、ガラスロール原盤上のレジスト層に現像処理を施して、露光した部分のレジスト層を溶解させて現像を行った。具体的には、図示しない現像機のターンテーブル上に未現像のガラスロール原盤を載置し、ターンテーブルごと回転させつつガラスロール原盤の表面に現像液を滴下してその表面のレジスト層を現像した。これにより、レジスト層が六方格子パターンに開口しているレジストガラス原盤が得られた。
次に、ロールエッチング装置を用い、CHF3ガス雰囲気中でのプラズマエッチングを行った。これにより、ガラスロール原盤の表面において、レジスト層から露出している六方格子パターンの部分のみエッチングが進行し、その他の領域はレジスト層がマスクとなりエッチングはされず、楕円錐形状の孔部がガラスロール原盤に形成された。この際、エッチング量(深さ)は、エッチング時間によって調整した。最後に、O2アッシングにより完全にレジスト層を除去することにより、凹形状の六方格子パターンを有するガラスロール原盤が得られた。列方向における凹部の深さは、トラックの延在方向における凹部の深さより深かった。
次に、上記ガラスロール原盤と、紫外線硬化樹脂を塗布したTAC(トリアセチルセルロース)シートを密着させ、紫外線を照射し硬化させながら剥離した。これにより、凸状を有する複数の構造体(基底構造体)が、六方格子パターンでTACシートの表面に2次元的に形成されて、複製原盤が得られた。
以下に、複製原盤の構造体の構成を示す。
構造体の形状(波面の形状):放物面状
構造体の高さh(波面の振動の幅a):240nm
構造体の配置ピッチp(波面の波長λ):130nm
構造体のアスペクト比(h/p)(波面の比率(a/λ):1.85
次に、スパッタリング法により、複製原盤の構造体上に無機層として厚さ15nmのNb23層を形成し、複製原盤の構造体のプロファイルを補正した。次に、プロファイル補正した複製原盤と、紫外線硬化樹脂を塗布したTACシートを密着させ、紫外線を照射し硬化させながら剥離した。以上により、目的とする光学シートが得られた。
(実施例1−2)
無機層の厚さを30nmとする以外は実施例1−1と同様にして、光学シートを得た。
(実施例1−3)
無機層の厚さを50nmとする以外は実施例1−1と同様にして、光学シートを得た。
(実施例1−4)
無機層の厚さを75nmとする以外は実施例1−1と同様にして、光学シートを得た。
(比較例1)
無機層を形成する工程を省略する以外は実施例1−1と同様にして、光学シートを得た。
(実施例2−1)
露光工程およびエッチング工程の条件を調整することにより、以下の構造体(基底構造体)を複製原盤の表面に形成すること、無機層として厚さ15nmのITO層を形成すること以外は実施例1−1と同様にして光学シートを得た。
構造体の形状(波面の形状):放物面状
構造体の高さh(波面の振動の幅a):200nm
構造体の配置ピッチp(波面の波長λ):250nm
構造体のアスペクト比(h/p)(波面の比率(a/λ):0.8
(実施例2−2)
無機層の厚さを30nmとする以外は実施例2−1と同様にして、光学シートを得た。
(実施例2−3)
無機層の厚さを50nmとする以外は実施例2−1と同様にして、光学シートを得た。
(実施例2−4)
無機層の厚さを75nmとする以外は実施例2−1と同様にして、光学シートを得た。
(実施例2−5)
無機層の厚さを100nmとする以外は実施例2−1と同様にして、光学シートを得た。
(比較例2)
無機層を形成する工程を省略する以外は実施例2−1と同様にして、光学シートを得た。
(比較例3)
実施例1−1と同様にして、放物面状を有する複数の構造体(基底構造体)が表面に形成され複製原盤を得た。この複製原盤を光学シートとして用いた。なお、この複製原盤には、プロファイル補正は施さなかった。
(比較例4)
高屈折率層および低屈折率層を交互にTACシートの表面に積層して、4層の積層膜からなる反射防止層を表面に有する光学シートを得た。
(分光反射特性の評価)
上述のようにして得られた光学シートの分光反射特性を以下のようにして評価した。まず、複数の構造体が形成された光学シートの裏面にブラックテープを貼り合わせた。次に、ブラックテープが貼り合わされた側とは反対側となる表面から光を入射して、光学シートの反射スペクトル(波長帯域380nm〜780nm)を、日本分光社製の評価装置(V−550)を測定した。次に、求めた反射スペクトル用いて波長帯域380nm〜780nmの平均反射率(平均変化率)を求めた。
(評価結果)
図22は、実施例1−1〜1−4、2−1〜2−5、比較例1、2の複製原盤の無機層の厚さと光学シートの平均反射率との関係を示す。なお、図22には、参考のために、比較例3、4の光学シートの平均反射率も示した。図23は、実施例1−1、1−2、比較例3、4の光学シートの反射スペクトルを示す。
図22から以下のことがわかる。
無機層(表面層)によりプロファイル補正を施した複製原盤では、無機層(表面層)によりプロファイル補正を施さなかった複製原盤に比して、作製した光学シートの平均反射率を低下させることができる。これは、無機層(表面層)によりプロファイル補正を施したことにより、断面の面積Sの変曲点Piが、波面の頂部寄りの位置から底部寄りにシフトしたためと考えられる。ここで、波面の断面は、振動方向に垂直な平面で光学シートの波面を切断して得られる断面である。
波長250nmの波面では、無機層の膜厚を30nm以上にすると、凸状の構造体により構成される波面に比して、優れた反射防止特性が得られた。なお、波長130nmの波面では、無機層の膜厚を10nmにすると、無機層が不連続膜になり、効果がなくなった。
波長130nmの波面では、無機層の膜厚を100nm以上にすると、反射防止の効果が低下した。これは、プロファイル補正の進行により、断面の面積Sの変曲点Piが、振動の中心よりも波面Swの頂部寄りに再度シフトしたためと考えられる。
図23から以下のことがわかる。
波長130nm、無機層の厚さ15nmの複製原盤を用いて作製した光学シートでは、4層の積層膜からなる反射防止層を表面に有する光学シート、および凸状の構造体により波面が構成された光学シートに比して、ほぼ可視域(380nmから780nm)の全体で反射防止特性を向上することができる。
波長250nm、無機層の厚さ15nmの複製原盤を用いて作製した光学シートでも同様に、4層の積層膜からなる反射防止層を表面に有する光学シート、および凸状の構造体により波面が構成された光学シートに比して、ほぼ可視域(380nmから780nm)の全体で反射防止特性を向上することができる。
以上により、複数の孔部により構成された波面では、反射防止特性を向上する観点からすると、波面Swをその振動方向に垂直な平面で切断した断面の面積Sの変曲点Piが、振動の中心よりも波面Swの底部寄りに位置することが好ましい。
変曲点Piを振動の中心よりも波面Swの底部寄りに位置させるためには、凸状の構造体により構成される複製原盤の波面に、スパッタリング法により表面層を形成し、波面のプロファイル補正を施すことが好ましい。
以上、本技術の実施形態について具体的に説明したが、本技術は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本技術の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。
また、上述の実施形態の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本技術の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
また、本技術は以下の構成を採用することもできる。
(1)
可視光の波長以下の波長を持つ波面を有し、
上記波面は、頂部および底部間に凹状に湾曲した曲面を有し、
上記波面の振動方向に垂直な平面で切断した断面の面積の変曲点は、上記振動の中心よりも上記波面の底部寄りに位置している、反射防止機能を有する光学体。
(2)
上記波面の振動の最大位置からa/10(但し、aは上記波面の振動の幅である。)の位置までの範囲の体積vaと、上記波面の振動の最小位置からa/10の位置までの範囲の体積vbとは、va<vbの関係を満たしている(1)に記載の光学体。
(3)
上記波面の振動の最小位置から最大位置までの体積Vに対する上記体積vaの比率((va/V)×100)は、10%以下である(2)に記載の光学体。
(4)
上記波面の波長および振動の幅は、130nm以上である(1)から(3)のいずれかに記載の光学体。
(5)
上記波面の振動方向に平行な平面で切断した断面の形状の傾きは、上記頂部から上記底部に向かって緩やかになる(1)から(4)のいずれかに記載の光学体。
(6)
上記波面は、可視光の波長以下のピッチで設けられた複数の孔部により構成されている(1)から(5)のいずれかに記載の光学体。
(7)
可視光の波長以下の波長を持つ波面を有し、
上記波面は、頂部および底部間に凸状に湾曲した曲面を有し、
上記波面の振動方向に垂直な平面で切断した断面の面積の変曲点は、上記振動の中心よりも上記波面の頂部寄りに位置している原盤。
(8)
第1の波面を有する本体と、
上記第1の波面上に設けられた、第2の波面を有する表面層と
を備え、
上記第2の波面は、上記可視光の波長以下の波長を持つ波面であり、上記第1の波面に倣って設けられている(7)に記載の原盤。
(9)
上記第2の波面の振動の幅は、上記第1の波面の振動の幅よりも大きい(8)に記載の原盤。
(10)
上記表面層は、無機材料を含んでいる(8)から(9)のいずれかに記載の原盤。
(11)
上記無機材料は、誘電体、透明導電体、金属または半導体を含んでいる(10)に記載の原盤。
(12)
上記本体は、有機材料を含んでいる(7)から(11)のいずれかに記載の原盤。
(13)
上記波面の振動の最大位置における表面層の厚さは、10nm以上である(8)から(12)のいずれかに記載の原盤。
(14)
上記波面は、可視光の波長以下のピッチで設けられた複数の構造体により構成されている(7)から(13)のいずれかに記載の原盤。
(15)
反射防止機能を有する光学体が設けられた光学系を備え、
上記光学体は、
可視光の波長以下の波長を持つ波面を有し、
上記波面は、頂部および底部間に凹状に湾曲した曲面を有し、
上記波面の振動方向に垂直な平面で切断した断面の面積の変曲点は、上記振動の中心よりも上記波面の底部寄りに位置している撮像装置。
(16)
反射防止機能を有する光学体が設けられた表示装置を備え、
上記光学体は、
可視光の波長以下の波長を持つ波面を有し、
上記波面は、頂部および底部間に凹状に湾曲した曲面を有し、
上記波面の振動方向に垂直な平面で切断した断面の面積の変曲点は、上記振動の中心よりも上記波面の底部寄りに位置している電子機器
1 光学体
2 基体
3 形状層
4 孔部
5、18 中間層
11 複製原盤
12 基体
13 表面形状層
14 基底表面層
15 表面層
16 基底構造体
17 表面構造体
21 ロール原盤
22 孔部
100、201 撮像装置
102 撮像光学系
301 表示装置
302 入力装置
Sw、Sw1、Sw2、Sw3 波面
S 断面の面積
Pt 頂部
Pb 底部
Pi 変曲点

Claims (16)

  1. 可視光の波長以下の波長を持つ波面を有し、
    上記波面は、頂部および底部間に凹状に湾曲した曲面を有し、
    上記波面の振動方向に垂直な平面で切断した断面の面積の変曲点は、上記振動の中心よりも上記波面の底部寄りに位置している、反射防止機能を有する光学体。
  2. 上記波面の振動の最大位置からa/10(但し、aは上記波面の振動の幅である。)の位置までの範囲の体積vaと、上記波面の振動の最小位置からa/10の位置までの範囲の体積vbとは、va<vbの関係を満たしている請求項1に記載の光学体。
  3. 上記波面の振動の最小位置から最大位置までの体積Vに対する上記体積vaの比率((va/V)×100)は、10%以下である請求項2に記載の光学体。
  4. 上記波面の波長および振動の幅は、130nm以上である請求項1に記載の光学体。
  5. 上記波面の振動方向に平行な平面で切断した断面の形状の傾きは、上記頂部から上記底部に向かって緩やかになる請求項1に記載の光学体。
  6. 上記波面は、可視光の波長以下のピッチで設けられた複数の孔部により構成されている請求項1に記載の光学体。
  7. 可視光の波長以下の波長を持つ波面を有し、
    上記波面は、頂部および底部間に凸状に湾曲した曲面を有し、
    上記波面の振動方向に垂直な平面で切断した断面の面積の変曲点は、上記振動の中心よりも上記波面の頂部寄りに位置している原盤。
  8. 第1の波面を有する本体と、
    上記第1の波面上に設けられた、第2の波面を有する表面層と
    を備え、
    上記第2の波面は、上記可視光の波長以下の波長を持つ波面であり、上記第1の波面に倣って設けられている請求項7に記載の原盤。
  9. 上記第2の波面の振動の幅は、上記第1の波面の振動の幅よりも大きい請求項8に記載の原盤。
  10. 上記表面層は、無機材料を含んでいる請求項8に記載の原盤。
  11. 上記無機材料は、誘電体、透明導電体、金属または半導体を含んでいる請求項10に記載の原盤。
  12. 上記本体は、有機材料を含んでいる請求項7に記載の原盤。
  13. 上記波面の振動の最大位置における表面層の厚さは、10nm以上である請求項8に記載の原盤。
  14. 上記波面は、可視光の波長以下のピッチで設けられた複数の構造体により構成されている請求項7に記載の原盤。
  15. 反射防止機能を有する光学体が設けられた光学系を備え、
    上記光学体は、
    可視光の波長以下の波長を持つ波面を有し、
    上記波面は、頂部および底部間に凹状に湾曲した曲面を有し、
    上記波面の振動方向に垂直な平面で切断した断面の面積の変曲点は、上記振動の中心よりも上記波面の底部寄りに位置している撮像装置。
  16. 反射防止機能を有する光学体が設けられた表示装置を備え、
    上記光学体は、
    可視光の波長以下の波長を持つ波面を有し、
    上記波面は、頂部および底部間に凹状に湾曲した曲面を有し、
    上記波面の振動方向に垂直な平面で切断した断面の面積の変曲点は、上記振動の中心よりも上記波面の底部寄りに位置している電子機器。
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