JP2014168014A - 有機電界発光素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】陽極7と、基板上に形成された陰極2との間に複数の層が積層された構造を有する有機電界発光素子であって、該有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に金属酸化物層3を有し、該金属酸化物層上に、窒素含有膜からなり、平均厚さが3〜150nmの層4を有することを特徴とする有機電界発光素子。
【選択図】図1
Description
有機EL素子は、陽極と陰極との間に発光性有機化合物を含んで形成される発光層を含む1種または複数種の層を挟んだ構造を持ち、陽極から注入されたホールと陰極から注入された電子が再結合する時のエネルギーを利用して発光性有機化合物を励起させ、発光を得るものである。有機EL素子は電流駆動型の素子であり、流れる電流をより効率的に活用するため、素子構造が種々改良され、また、素子を構成する層の材料についても種々検討されている。
表示装置や照明装置等の用途への利用の拡大が期待される有機電界発光素子は、製造しやすいことも重要な要素であるため、厳密な封止を必要としない有機無機ハイブリッド型の有機電界発光素子への期待は高く、有機無機ハイブリッド型の有機電界発光素子の発光効率および寿命を更に高める方法が求められている。加えて、ディスプレイ用途においては、逆構造を有するHOILED素子は回路上有用であり、その発展が待ち望まれている。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
このような膜を形成することで有機電界発光素子の性能が向上する理由については以下のように推定される。
まず第一に窒素原子を含む場合、その孤立電子対は基材中の金属原子と結合を作る傾向にある。その金属-窒素結合間の分極が、強い電子注入特性を発現することになる。上記(1)〜(4)全ての窒素含有膜において、それは満たされる。より好適には、孤立電子対を有する窒素原子比率が高い上記(2)が適している。
上記(3)、(4)では、膜生成に関わる分解の現象により高密度に窒素原子が基材上に存在する膜となる事が期待され、結果として、多彩な金属−窒素結合が出現することが期待される。そしてその中には、従来よりも強固な金属−窒素結合も存在すると考えられる。さらに、分解の状況によっては、不要な炭素等の他の成分が消失する事により、相対的に窒素原子分率が上昇し、結果として、より好適な環境が実現される場合もある(4)。これらの窒素含有膜では、主たる窒素の起源が金属−窒素結合になることから、通常の分子の物理吸着よりも高密度に窒素原子が集積されていると期待される。これらの要因により、このような窒素含有膜を有することで、有機電界発光素子が、発光効率に優れ、素子駆動安定性と素子寿命に優れたものとなると考えられる。実際、上記窒素含有化合物の分解に起因する現象は、表面分析手法の一つであるX線光電子分光法により立証できる。具体的な結果は実施例で示すが、窒素含有化合物として窒素と炭素とを構成元素として含む化合物を用い、この化合物を分解させる処理をすることにより、炭素:窒素比(CN比)が2:1から1:1にまで高窒素比率になっている事が観測されている。また同時に、上記処理により、窒素のスペクトルの半値幅の増加が観測されており、この事は、化学環境の広がりを示しており、より強固な金属−窒素結合の出現も示唆されている。
したがって、窒素含有膜からなる層の下地が金属元素を含む膜であることも上記のような本発明の有機電界発光素子が奏する効果の発現に大きく寄与していると考えられる。
上記(1)、(2)の窒素含有膜の形成方法は特に制限されないが、窒素含有化合物の溶液を金属酸化物層上に塗布した後、溶媒を揮発させる方法が好適に用いられる。
上記(3)、(4)の窒素含有膜の形成方法は特に制限されないが、窒素含有化合物の溶液を金属酸化物層上に塗布した後、窒素含有化合物を分解して形成する方法が好適に用いられる。
有機電界発光素子の金属酸化物層は、後述するようにスプレー熱分解法、ゾルゲル法、スパッタ法等の方法で成膜され、表面は平滑ではなく凹凸を持つ。この金属酸化物層の上に、真空蒸着等の方法で発光層を成膜した場合、発光層の原料となる成分の種類によっては、金属酸化物層の表面の凹凸が結晶核となり、金属酸化物層に接する発光層を形成する材料の結晶化が促進される。このため、有機電界発光素子を完成させたとしても、大きなリーク電流が流れ、発光面が不均一化して、実用に耐える素子が得られない場合がある。
しかし、溶液を塗布して層を形成すると、表面の平滑な層を形成することができるため、金属酸化物層と発光層との間に塗布により窒素含有化合物層を形成すると、発光層を形成する材料の結晶化が抑制され、これによって、金属酸化物層を有する有機電界発光素子がリーク電流の抑制と、均一な面発光を得ることができることになる。
窒素原子数/(窒素原子数+炭素原子数)>1/8
の関係を満たすことが好ましい。
このように窒素含有膜中における窒素原子数の割合が高いと、金属−窒素結合の総数が増加し、結果としてより強い分極により電子注入特性が更に高いものとなる。窒素含有膜における窒素原子数/(窒素原子数+炭素原子数)は、1/5より大きいことがより好ましい。
窒素含有膜中における窒素元素、炭素元素の存在比率は、光電子分光法(XPS)により測定することができる。
窒素含有化合物を加熱により分解させると、金属酸化物層中の金属原子と窒素原子との結合が強化され、これにより、有機電界発光素子が、より長期にわたって高い駆動安定性を発揮するものとなる。
このようなHOILED素子の製造方法、すなわち、陽極と、基板上に形成された陰極との間に複数の層が積層された構造を有する有機電界発光素子の製造方法であって、上記製造方法は、金属酸化物層上に、窒素含有化合物を含む溶液を塗布する工程と、該窒素含有化合物が分解する温度で加熱処理をして本発明の窒素含有膜からなる層を製造する工程とを含む有機電界発光素子の製造方法もまた、本発明の1つである。
上記窒素含有化合物を分解させるための加熱処理の温度は、80〜200℃であることが好ましく、時間は、1〜30分であることが好ましい。
加熱処理の温度や時間は、上記範囲の中で、窒素含有化合物の種類により適宜設定すればよい。例えば、窒素含有化合物として下記ポリアルキレンイミン構造を主鎖骨格に有する重合体を用いる場合、重合体の分子量が大きくなるほど分解温度は高くなるため、重合体の分子量を考慮し、後述する実施例での加熱処理条件を参考にして加熱処理の温度、及び、時間を適宜設定することができる。
窒素含有化合物が分解しているか否かはX線光電子分光法(XPS)測定により確認することができる。
ポリアミン類は、化合物を構成する全原子数に対する窒素原子数の比率が高いため、有機電界発光素子を高い電子注入性と駆動安定性を有するものとする点から適している。
ポリアミン類としては、塗布により層を形成することができるものが好ましく、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよい。低分子化合物としては、ジエチレントリアミンのようなポリアルキレンポリアミンが好適に用いられ、高分子化合物では、ポリアルキレンイミン構造を有する重合体が好適に用いられる。特にポリエチレンイミンが好ましい。
なお、ここで低分子化合物とは、高分子化合物(重合体)ではない化合物を意味し、分子量の低い化合物を必ずしも意味するものではない。
ポリアミン類の中でも、このような構造の重合体を用いることで、素子駆動安定性と素子寿命により優れたものとなる。これは、このようなポリアルキレンイミン構造を主鎖骨格に有する重合体は直鎖状構造であることから固体であり、これにより、デバイス中で安定に存在することによるものと推定される。
このようなポリアルキレンイミン構造を主鎖骨格に有する直鎖状構造の重合体によって金属酸化物層上に形成された窒素含有膜は、上記(1)の窒素含有膜となる。
なお、ポリアルキレンイミン構造を主鎖骨格に有する直鎖状構造の重合体は、主鎖骨格を形成するポリアルキレンイミン構造の大半が直鎖状に連結したものであればよく、一部に分岐構造を有するものであってもよい。好ましくは、主鎖骨格を形成するポリアルキレンイミン構造の80%以上が直鎖状に連結したものであり、より好ましくは、90%以上が直鎖状に連結したものであり、更に好ましくは、95%以上が直鎖状に連結したものであり、最も好ましくは、主鎖骨格を形成するポリアルキレンイミン構造の100%以上が直鎖状に連結したものである。
また、ポリアルキレンイミン構造を有する重合体が上述した直鎖状構造の重合体である場合には、重合体の重量平均分子量は、より好ましくは、250000以下であり、更に好ましくは、10000〜50000である。
重量平均分子量は、以下の条件でGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定により求めることができる。
測定機器:Waters Alliance(2695)(商品名、Waters社製)
分子量カラム:TSKguard column α、TSKgel α−3000、TSKgel α−4000、TSKgel α−5000(いずれも東ソー社製)を直列に接続して使用
溶離液:100mMホウ酸水溶液14304gに50mM水酸化ナトリウム水溶液96gとアセトニトリル3600gを混合した溶液
検量線用標準物質:ポリエチレングリコール(東ソー社製)
測定方法:測定対象物を固形分が約0.2質量%となるように溶離液に溶解し、フィルターにてろ過した物を測定サンプルとして分子量を測定する。
窒素含有膜の平均厚さは、接触式段差計により成膜時に測定することができる。接触式段差計は、極薄膜の測定時、測定環境に大きく依存して、測定値のバラツキが大きくなる。そのため、本特許内の平均厚さを測定する際は、複数回の測定の平均値により決定している。
その中でも、本発明の有機電界発光素子は、基板上に隣接して陰極が形成され、陽極と陰極との間に金属酸化物層を有する有機無機ハイブリッド型の有機電界発光素子であって、発光層と陽極とを有し、陰極と発光層との間に、電子注入層と、必要に応じて電子輸送層とを有し、陽極と発光層との間に正孔輸送層及び/又は正孔注入層を有する構成の素子であることが好ましい。本発明の有機電界発光素子は、これらの各層の間に他の層を有していてもよいが、これらの各層のみから構成される素子であることが好ましい。すなわち、陰極、電子注入層、必要に応じて電子輸送層、発光層、正孔輸送層及び/又は正孔注入層、陽極の各層がこの順に隣接して積層された素子であることが好ましい。なお、これらの各層は、1層からなるものであってもよく、2層以上からなるものであってもよい。
上述したように、窒素含有膜は、電子注入特性に優れたものであるから、電子注入側、つまり陰極側に用いられることが好ましい。また金属酸化物層は、後述するように、陰極の一部若しくは電子注入層の一層、及び/又は、陽極の一部若しくは正孔注入層の一層として積層されることが好ましい。
上記構成の有機電界素子において、素子が電子輸送層を有さない場合は、電子注入層と発光層とが隣接することになる。また、素子が正孔輸送層、正孔注入層のいずれか一方のみを有する場合には、当該一方の層が発光層と陽極とに隣接して積層されることになり、素子が正孔輸送層と正孔注入層の両方を有する場合には、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順にこれらの層が隣接して積層されることになる。
なお、本発明において低分子材料とは、高分子材料(重合体)ではない材料を意味し、分子量が低い有機化合物を必ずしも意味するものではない。
発光層の平均厚さは、低分子化合物の場合は水晶振動子膜厚計により、高分子化合物の場合は接触式段差計により測定することができる。
電子輸送層の材料として用いることができる化合物の例としては、トリス−1,3,5−(3’−(ピリジン−3’’−イル)フェニル)ベンゼン(TmPyPhB)のようなピリジン誘導体、(2−(3−(9−カルバゾリル)フェニル)キノリン(mCQ))のようなキノリン誘導体、2−フェニル−4,6−ビス(3,5−ジピリジルフェニル)ピリミジン(BPyPPM)のようなピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、バソフェナントロリン(BPhen)のようなフェナントロリン誘導体、2,4−ビス(4−ビフェニル)−6−(4’−(2−ピリジニル)−4−ビフェニル)−[1,3,5]トリアジン(MPT)のようなトリアジン誘導体、3−フェニル−4−(1’−ナフチル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)のようなトリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾール)(PBD)のようなオキサジアゾール誘導体、2,2’,2’’−(1,3,5−ベントリイル)−トリス(1−フェニル−1−H−ベンズイミダゾール)(TPBI)のようなイミダゾール誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(Zn(BTZ)2)、トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(Alq3)などに代表される各種金属錯体、2,5−ビス(6’−(2’,2’’−ビピリジル))−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール(PyPySPyPy)等のシロール誘導体に代表される有機シラン誘導体等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
これらの中でも、Alq3のような金属錯体、TmPyPhBのようなピリジン誘導体が好ましい。
p型の高分子材料(有機ポリマー)としては、例えば、ポリアリールアミン、フルオレン−アリールアミン共重合体、フルオレン−ビチオフェン共重合体、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリチオフェン、ポリアルキルチオフェン、ポリヘキシルチオフェン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリチニレンビニレン、ピレンホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾールホルムアルデヒド樹脂またはその誘導体等が挙げられる。
またこれらの化合物は、他の化合物との混合物として用いることもできる。一例として、ポリチオフェンを含有する混合物としては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)等が挙げられる。
電子輸送層や正孔輸送層の平均厚さは、低分子化合物の場合は水晶振動子膜厚計により、高分子化合物の場合は接触式段差計により測定することができる。
これら第1の金属酸化物層は、電子注入層ともいえ、また、電極(陰極)ともいえる。
なお、本発明においては、シート抵抗が100Ω/□より低い物は導電体、シート抵抗が100Ω/□より高い物は半導体または絶縁体として分類される。従って、透明電極として知られているITO(錫ドープ酸化インジウム)、ATO(アンチモンドープ酸化インジウム)、IZO(インジウムドープ酸化亜鉛)、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)、FTO(フッ素ドープ酸化インジウム)等の薄膜は、導電性が高く半導体または絶縁体の範疇に含まれないことから本発明の第1の金属酸化物層を構成する一層に該当しない。
上記第2の金属酸化物層の平均厚さは、特に限定されないが、1〜1000nmであることが好ましい。より好ましくは、5〜50nmである。
第1の金属酸化物層の平均厚さは、触針式段差計、分光エリプソメトリーにより測定することができる。
第2の金属酸化物層の平均厚さは、水晶振動子膜厚計により成膜時に測定することができる。
陰極としては、この中でも、ITO、IZO、FTOが好ましい。
陽極としては、これらの中でも、Au、Ag、Alが好ましい。
上記のように、一般に陽極に用いられる金属を陰極及び陽極に用いる事ができる事から、上部電極からの光の取り出しを想定する場合(トップエミッション構造の場合)も容易に実現でき、上記電極を種々選んでそれぞれの電極に用いる事ができる。例えば、下部電極としてAl、上部電極にITOなどである。
上記陽極の平均厚さは、特に限定されないが、10〜1000nmであることが好ましい。より好ましくは、30〜150nmである。また、不透過な材料を用いる場合でも、例えば平均厚さを10〜30nm程度にすることで、トップエミッション型及び透明型の陽極として使用することができる。
陽極の平均厚さは、水晶振動子膜厚計により成膜時に測定することができる。
これらの中でも、溶媒としては、非極性溶媒が好適であり、例えば、キシレン、トルエン、シクロヘキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒等が挙げられ、これらを単独または混合して用いることができる。
上記基板の材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレートのような樹脂材料や、石英ガラス、ソーダガラスのようなガラス材料等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
また、トップエミッション型の場合には、不透明基板も用いることができ、例えば、アルミナのようなセラミックス材料で構成された基板、ステンレス鋼のような金属基板の表面に酸化膜(絶縁膜)を形成したもの、樹脂材料で構成された基板等も用いることができる。
基板の平均厚さはデジタルマルチメーター、ノギスにより測定することができる。
本発明の有機電界発光素子は、有機化合物層の材料を適宜選択することによって発光色を変化させることができるし、カラーフィルター等を併用して所望の発光色を得ることもできる。そのため、表示装置の発光部位や照明装置として好適に用いることができる。特に、逆構造という特性から、酸化物TFTと組み合わせた表示装置が好適である。
このような、本発明の有機電界発光素子を備えることを特徴とする表示装置や、本発明の有機電界発光素子を備えることを特徴とする照明装置もまた、本発明の1つである。
このような電子注入特性向上の効果は、有機電界発光素子に限らず、太陽電池や有機半導体等の他の光電子デバイスにおいても、性能向上に寄与する有益なものである。このような光電子デバイスの性能向上に寄与する窒素含有膜、すなわち、
窒素を含有する膜であって、該膜は、金属を含有する基材上に形成され、固体の窒素含有化合物で形成されるか、又は、膜を構成する元素として窒素元素と炭素元素とを含み、該膜を構成する窒素原子と炭素原子との存在比率が
窒素原子数/(窒素原子数+炭素原子数)>1/8
の関係を満たすことを特徴とする窒素含有膜もまた、本発明の1つである。
本発明の窒素含有膜の好ましい形態や製造方法は、上述した本発明の有機電界発光素子における窒素含有膜からなる層と同様である。
(実施例1)
[1]市販されている平均厚さ0.7mmのITO電極層付き透明ガラス基板1を用意した。この時、基板のITO電極2は幅2mmにパターニングされているものを用いた。この基板をアセトン中、イソプロパノール中でそれぞれ10分間超音波洗浄後、イソプロパノール中で5分間煮沸した。この基板をイソプロパノール中から取り出し、窒素ブローにより乾燥させ、UVオゾン洗浄を20分行った。
[2]この基板を、亜鉛金属ターゲットを持つミラトロンスパッタ装置の基板ホルダーに再度固定した。約1×10−4Paまで減圧した後、アルゴンと酸素を導入した状態でスパッタし、第1の金属酸化物層3として、膜厚約2nmの酸化亜鉛層を作成した。この時にメタルマスクを併用して、電極取り出しのためITO電極の一部は酸化亜鉛が成膜されないようにした。
[3]この基板を、再度[1]の洗浄工程(アセトン中、イソプロパノール中でそれぞれ10分間超音波洗浄後、イソプロパノール中で5分間煮沸、その後窒素ブローにより乾燥させ、UVオゾン洗浄を20分行う)の後、400℃のホットプレート上で1時間アニールを行った。
[4]次に窒素含有膜の層4を形成するため、日本触媒社製ポリエチレンイミン(登録商標:エポミン)をエタノールにより0.5重量%に希釈したものを2000rpm、30秒の条件でスピンコートした。
ここで用いたエポミンは分子量300のsp003であった。
[5][4]で作製された薄膜(基板)を、大気下ホットプレート上で150℃、5分間アニールを行った。アニール後に測定した窒素含有膜の層の平均厚みは5nmであった。
[6]次に、[5]の処理を行った基板を真空装置に導入し、1×10−4Pa以下まで減圧する。有機化合物層5として、発光層としてAlq3を正孔輸送層としてα−NPDをそれぞれ順番に32.5nm、60nm真空蒸着法により積層した。
[7]次に、有機化合物層5の上に、第2の金属酸化物層6を形成した。ここでは、酸化モリブデンを10nm気相製膜法である真空蒸着法により形成した。
[8]次に、最終工程として第2の金属酸化物層6上に陽極7を形成した。ここでは、アルミニウムを150nm真空蒸着法により製膜した。
[9]下記(有機電界発光素子の発光特性測定)および(有機電界発光素子の寿命特性測定)により有機電界発光素子特性(電圧−電流密度・輝度特性、電流密度−電流効率特性、定電流密度下(100cd/m2相当、1000cd/m2相当)での連続駆動特性)を測定した。測定結果をそれぞれ図2−1、2−2の(a)、(b)、(c−1)及び(c−2)に示す。
ケースレー社製の「2400型ソースメーター」により、素子への電圧印加と、電流測定を行った。トプコン社製の「BM−7」により、発光輝度を測定した。測定はアルゴン雰囲気下で行った。
(有機電界発光素子の寿命特性測定)
システム技研社製の「有機EL寿命測定装置」により、素子への電圧印加と、相対輝度測定を行った。この装置では素子に一定電流が流れるように電圧を自動的に調整しながら、フォトダイオードによる相対輝度測定が行える。測定開始時の輝度が100cd/m2および1000cd/m2になるように素子ごとに電流値を設定した。これらの結果をそれぞれの実施例および比較例において(c−1)、(c−2)に示す。
なお、図(c−1)、(c−2)の欄外の例えば、「t1/2=200h@1000cd/m2」等の記載は、半減寿命を表し、上記の場合、初期1000cd/m2相当の電流密度を定電流で与え続けた時の輝度半減寿命が200時間であることを意味する。
実施例1の工程[4][5]を省略した以外は同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例1と同様に有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性、及び、電流密度−電流効率特性を測定した。これらの結果をそれぞれ図3(a)、(b)に示す。
実施例1の工程[4]の工程を以下の[4−2]に変更した以外は同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例1と同様に有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性、電流密度−電流効率特性、及び、定電流密度下(1000cd/m2相当)での連続駆動特性を測定した。これらの結果をそれぞれ図4−1、4−2の(a)、(b)及び(c−2)に示す。なお、窒素含有膜の層の平均膜厚は、6nmであった。
[4−2]次に窒素含有膜の層4を形成するため、日本触媒社製ポリエチレンイミン(登録商標:エポミン)をエタノールにより0.5重量%に希釈したものを2000rpm、30秒の条件でスピンコートする。ここで用いたエポミンは分子量70000のP1000である。
実施例1の工程[4][5]の工程を以下の[4−3][5−3]に変更した以外は同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例1と同様に有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性、電流密度−電流効率特性、及び、定電流密度下(1000cd/m2相当)での連続駆動特性を測定した。これらの結果をそれぞれ図5−1、5−2の(a)、(b)及び(c−2)に示す。なお、窒素含有膜の層の平均膜厚は、5nmであった。
[4−3]次に窒素含有膜の層4を形成するため、ジエチレントリアミンをエタノールにより1.0重量%に希釈したものを2000rpm30秒の条件でスピンコートする。
[5−3][4−3]で作製された薄膜(基板)を、大気下ホットプレート上で100℃、2分間アニールを行った。
実施例1の工程[5]を省略した以外は同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例1と同様に有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性、及び、定電流密度下(100cd/m2相当)での連続駆動特性を測定した。これらの結果をそれぞれ図6(a)及び(c−1)に示す。なお、窒素含有膜の層の膜厚は、アニールを行っていないため、本薄膜は固化しておらず測定できなかったが、実施例1におけるアニール後の窒素含有膜の層の膜厚および大気下のアニールにより膜厚が減少することがわかっていることから、10nm程度と推測される。
実施例1の工程[4]の工程を上記[4−2]に変更し、[5]の工程を以下の[5−5]に変更した以外は同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例1と同様に有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性、電流密度−電流効率特性、及び、定電流密度下(100cd/m2相当)での連続駆動特性を測定した。これらの結果をそれぞれ図7−1、7−2の(a)、(b)及び(c−1)に示す。なお、窒素含有膜の層の平均膜厚は、8nmであった。
[5−5][4−2]で作製された薄膜(基板)を、大気下ホットプレート上で100℃、10分間アニールを行った。
実施例1の工程[4]の工程を上記[4−2]に変更し、[5]の工程を以下の[5−6]に変更した以外は同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例1と同様に有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性、電流密度−電流効率特性、及び、定電流密度下(100cd/m2相当)での連続駆動特性を測定した。これらの結果をそれぞれ図8−1、8−2の(a)、(b)及び(c−1)に示す。なお、窒素含有膜の層の平均膜厚は、7nmであった。
[5−6][4−2]で作製された薄膜(基板)を、大気下ホットプレート上で150℃、10分間アニールを行った。
実施例1の工程[4]の工程を上記[4−2]に変更し、[5]の工程を以下の[5−7]に変更した以外は同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例1と同様に有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性、電流密度−電流効率特性、及び、定電流密度下(1000cd/m2相当)での連続駆動特性を測定した。これらの結果をそれぞれ図9−1、9−2の(a)、(b)及び(c−2)に示す。なお、窒素含有膜の層の平均膜厚は、5nmであった。
[5−7][4−2]で作製された薄膜(基板)を、大気下ホットプレート上で150℃、30分間アニールを行った。
実施例1の工程[5]の工程を以下の[5−8]に変更した以外は同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例1と同様に有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性、電流密度−電流効率特性、及び、定電流密度下(1000cd/m2相当)での連続駆動特性を測定した。これらの結果をそれぞれ図10−1、10−2の(a)、(b)及び(c−2)に示す。なお、窒素含有膜の層の平均膜厚は、5nmであった。
[5−8][4]で作製された薄膜(基板)を、大気下ホットプレート上で100℃、30分間アニールを行った。
実施例1の工程[4]の工程を上記[4−2]に変更し、[5]の工程を以下の[5−9]に変更した以外は同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例1と同様に有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性、電流密度−電流効率特性、及び、定電流密度下(100cd/m2相当)での連続駆動特性を測定した。これらの結果をそれぞれ図11−1、11−2の(a)、(b)及び(c−1)に示す。なお、窒素含有膜の層の平均膜厚は、8nmであった。
[5−9][4−2]で作製された薄膜(基板)を、窒素下ホットプレート上で150℃、10分間アニールを行った。
実施例1の工程[5]の工程を以下の[5−11]に変更した以外は同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例1と同様に有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性、電流密度−電流効率特性、及び、定電流密度下(1000cd/m2相当)での連続駆動特性を測定した。これらの結果をそれぞれ図12−1、12−2の(a)、(b)及び(c−2)に示す。なお、窒素含有膜の層の平均膜厚は、5nmであった。
[5−11][4]で作製された薄膜(基板)を、大気下ホットプレート上で150℃、5分間アニールを行った。その後、エタノールにてリンスを行った。
実施例1の[1]〜[5]までの操作で得られた窒素含有膜について、下記光電子分光測定を行った。
炭素1S軌道および窒素1S軌道の測定を同時期に行う事で定量分析を行った。
これらを図13(d)、(e)に示す。
日本電子製(JPS−9000MX)の光電子分光測定装置を用いて、以下の条件化で測定を行った。
X線源:MgKα
ビーム出力(加速電圧―電流量):10kV−10mA
PassEnergy:10eV
Step:0.1eV
実施例1の[1]〜[4]までの操作で得られた窒素含有膜について、上記光電子分光測定を行った。
炭素1S軌道および窒素1S軌道の測定を同時期に行う事で定量分析を行った。
これらを図14(d)、(e)に示す。
実施例1の[1]〜[3]の工程と下記[4−12]および[5−12]の工程により作製された窒素含有膜について、上記光電子分光測定を行った。なお、窒素含有膜の層の平均膜厚は、10nmであった。
[4−12]次に窒素含有膜の層4を形成するため、アルドリッチ製ポリエチレンイミンエトキシレート(分子量:70000)をエトキシエタノールにより0.4重量%に希釈したものを5000rpm、60秒の条件でスピンコートする。
[5−12][4−12]で作製された薄膜(基板)を、大気下ホットプレート上で100℃、10分間アニールを行った。
炭素1S軌道および窒素1S軌道の測定を同時期に行う事で定量分析を行った。
これらを図15(d)、(e)に示す。
実施例1の[1]〜[3]、以下に示す[4−13]、そして[5]までの操作を順次行い、得られた窒素含有膜について、上記光電子分光測定を行った。なお、窒素含有膜の層の膜厚は複数回の測定によっても平均膜厚を見積もることができないぐらいの膜厚であった。このことから、3nm未満であると推察される。
[4−13]次に窒素含有膜の層4を形成するため、日本触媒社製ポリエチレンイミン(登録商標:エポミン)をエタノールにより0.125重量%に希釈したものを2000rpm、30秒の条件でスピンコートする。ここで用いたエポミンは分子量70000のP1000である。
炭素1S軌道および窒素1S軌道の測定を同時期に行う事で定量分析を行った。
これらを図16(d)、(e)に示す。
実施例1の工程[4]および[5]の工程を以下の[4−18][5−18]に変更した以外は同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例1と同様に有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性、電流密度−電流効率特性を測定した。これらの結果をそれぞれ図17(a)および(b)に示す。なお、窒素含有膜の層の平均膜厚は、10nmであった。
[4−18]次に窒素含有膜の層4を形成するため、直鎖ポリエチレンイミン(ポリサイエンス社より購入、分子量:25000)をエタノールにより0.1重量%に希釈したものを2000rpm30秒の条件でスピンコートする。
[5−18][4−18]で作製された薄膜(基板)を、大気下ホットプレート上で150℃、5分間アニールを行った。
実施例11−1の工程[5−18]を省略した以外はすべて同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例1と同様に有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性、電流密度−電流効率特性を測定した。これらの結果をそれぞれ図18(a)および(b)に示す。なお、窒素含有膜の層の平均膜厚は、12nmであった。
実施例1の工程[4]および[5]の工程を以下の[4−20][5−20]に変更した以外は同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例1と同様に有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性、電流密度−電流効率特性を測定した。これらの結果をそれぞれ図19(a)および(b)に示す。なお、窒素含有膜の層の平均膜厚は、10nmであった。
[4−20]次に窒素含有膜の層4を形成するための窒素含有化合物としてメラミン樹脂を適用するため、メラミンおよびホルムアルデヒドを1:3で混合し、メタノール:水=1:1の混合溶媒に0.1重量%で溶解させたものを2000rpm30秒の条件でスピンコートする。
[5−20][4−20]で作製された薄膜(基板)を、大気下ホットプレート上で80℃、60分間アニールを行った。
実施例1の工程[4]および[5]の工程を以下の[4−21][5−21]に変更した以外は同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例1と同様に有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性、電流密度−電流効率特性を測定した。これらの結果をそれぞれ図20(a)および(b)に示す。
[4−21]次に窒素含有膜の層4の代わりに、窒素を含有しない有機膜としてポリスチレン膜(10nm)を、トルエンを用いてスピンコートにより製膜した。
[5−21][4−21]で作製された薄膜(基板)を、大気下ホットプレート上で150℃、5分間アニールを行った。
(a)電圧−電流密度(黒丸)・輝度(白丸)特性である。第一に、輝度が高いことがよいことである。第二に、より低電圧で高い輝度を発現できる方が良い。
(b)電流密度−電流効率(黒菱形)特性である。第一に、電流効率(以下、「効率」と表現)が高いことが良い事である。第二に、それが一定であることも良い事である。特に高電流密度領域(高輝度領域)において高く一定であることは良い事である。
(c)一定電流下(ここでは初期輝度1000cd/m2となる電流値)での電圧経時変化および相対輝度経時変化を示したものである。第一に、相対輝度経時変化が小さい(長い時間初期の輝度が維持できる)もの(以下、「寿命が長い」と表現)の方が良い。これに関連する内容だが、第二に、その間の電圧上昇が小さい方が良い。
輝度、効率、寿命の3要素全てが重要であるが、その中でも実用上、寿命は第一に優先すべき事である。
図2:低電圧(2Vあたり)から発光し、6Vでは3000cd/m2という高輝度に到達している。効率も総じて高く4cd/A以上である。また、長期変化に関しても、輝度が半減するまで200時間程度と高い信頼性を実現できた。初期輝度100cd/m2の別駆動条件において、数千時間の半減寿命を有すると見積もられたことから、再現性も高いことが明らかとなった。
図3:図3は、金属酸化物層と発光層との間に層を有さない素子での測定結果である。輝度、効率ともに図2の1/10以下であることがわかる。図4以下の測定結果では、必ずこの図3の値より勝っている事から、窒素含有膜の層を有することに効果がある事が示される。
図4:効率は図2(実施例1の素子)に勝るものの、初期数時間での輝度の落ち込みがはげしく、寿命の点では、図2のほうが優れる結果となった。この結果から、膜としての酸化還元下における安定性では、実施例1の素子のほうが優れることが推察される。
図5:輝度、効率ともに図2(実施例1の素子)に匹敵する。寿命においても、初期10時間程度までの推移は図2と同等である。しかしながら、その後急激な劣化が起る結果となっている。
図4、5の結果から、分子量の異なるポリエチレンイミンを用いても初期の特性には大幅な差が生じず、いずれも窒素含有膜を有さないものに比べて優れた結果となっている。しかし、長期安定性については差が生じる結果となっている。
図6:液状である分岐ポリエチレンイミン(低分子量)をアニール無しで用いた場合の素子特性の測定結果である。ほとんど発光は見られず、特性と呼べる水準にない。
図7および図8:液状である分岐ポリエチレンイミン(高分子量)を用い、アニール温度を変えて得られた素子の特性を測定した結果である。温度が高い方が、輝度、効率共に良好な結果を得ている。アニール温度の影響は寿命においてやや顕著であり、半減寿命で2倍以上高温でのアニールの方が良好な結果を得ている。その差は、高温でのアニールの方が初期の輝度落ち込みが小さい事に起因しているように見える。図6を含め、このことは、アニールが長寿命化、つまり酸化還元の長期安定性に効果があることを示唆している。ここには記していないが、200℃でアニール行った場合、茶色に変色したため素子測定は行わなかった。このことから、アニールの温度に関しては最適値が存在する事が推察される。
図9:実施例7は、実施例4〜6(図6〜8)の結果から得られたアニール温度の最良値である150℃において、アニール時間を変えて窒素含有膜の作製を行った結果である。輝度・効率ともに図8(実施例6)に比べてやや低下している。また、寿命曲線に関しても、やや初期の劣化が強めに現れ始めていることがわかる。これらのことから、アニール時間についても最適値が存在することが推察される。
図10:上記考察の結果から、アニール条件は、材料は元より分子量にも依存すると推察される事から、それを検討した結果である。
液状である分岐ポリエチレンイミン(低分子量)について、最良温度よりも低い温度にて長時間アニールを行った結果、初期特性において、輝度・効率ともに、図2に近い結果を得たが、発光以前の電圧において、また、逆バイアスにおいて、電流密度値が高い事を観測した。このことは、発光に寄与しない無駄な電流の流れ(以下、「リーク電流」と表現)が有る事を意味しており、多くの場合、長期安定性に問題を抱える。今回も、寿命は、初期から輝度が激しく落ちるなど短く、上記リーク電流が原因と考えられる。
この結果から、アニール条件の最良値は、材料は元より分子量にも依存することが明らかとなった。加えて、このように最良温度以下で長時間のアニールを行っても良い特性を得られない事から、材料や分子量に依存した温度の閾値も存在する事が示唆された。
図12:上記最良条件(実施例1の条件)下でのリンス効果を確認すると、初期特性(輝度・効率)は、図2(実施例1)とほぼ同等であるが、ややリーク電流が大きい。これが、図2(実施例1)よりも寿命特性を悪くしている要因と考えられる。しかしながら、この図には現れていないが、作製素子間の特性のばらつきが小さくなっており、再現性という点で向上している。このことは、実用化の観点から重要なプロセスと考えられる。寿命においても、よりよいリンス条件を見いだす事で改善すると考えられる。
これらアニールの効果については、更に後述する。
図20:窒素を含有しない有機膜を適用した結果である。初期特性においても輝度・効率ともに図3よりも劣る事がわかる。このことから、この有機膜は、単なる絶縁層として機能したと考えられる。また、本素子の寿命は数分と極端に短く、電子注入の機構が発光層での電荷蓄積により発光層のバンド曲がりによるものと予想される。条件の詳細検討により、ポリスチレンにおいても初期特性の改善は可能だと思われるが、駆動機構は上記に示した通りのため、長期信頼性は本発明の素子のようには期待できないと考えられる。
製造例1〜4において、窒素含有膜のアニール前においては、液状である分岐ポリエチレンイミンの全ての場合において、測定不能であった。一方、アニールにより測定は可能になった。このことから、アニールが何らかの効果(この結果だけからは分解であるといった結論には至ることはできない)により固化した事が示唆された(上記効果(i))。
図13〜16の炭素1s軌道のX線光電子分光測定の結果(d)および窒素1s軌道のX線光電子分光測定の結果(e)は、全てアニール後の測定結果である。アニール前は、図15を除いて、全てC:N≒2:1であることは確認されている。図15は、アニール前C:N≒4:1である。これらの比率は、化学構造から見積もられる化学両論比に一致した値である。この元素存在比率は、それぞれの軌道のピーク面積の比率から見積もっている。図13および図14の比較において、アニールの有無により比率の変化が有るものと無いものがあることが確認された。アニールにより、炭素および窒素ともにピーク面積は小さくなっているが、炭素ピークの現象の方が大きく、相対的に窒素元素比率の向上につながっている。図15において、アニール後もアニール前と(化学両論比と)変化が無い事から、大きな化学変化は無い事がわかる。このことは、上記非特許文献1〜3中に記されている、ポリエチレンイミンやポリエチレンイミンを修飾した化合物から形成された薄膜は、本発明内で行う液状である分岐ポリエチレンイミン(低分子量)をアニールにより変化させた薄膜による効果とは同等ではない事が示唆された。図16は、液状である分岐ポリエチレンイミン(高分子量)を低分子量のものと同等以上に薄膜化する事により、同様のアニール処理を行った結果である。本結果においても、高分子量ポリエチレンイミンは、元素存在比率が変化していない。このことから、炭素元素:窒素元素の存在比率は、ある条件下、例えば低分子量下でないと起らない事が示唆された(上記効果(iii))。
図13〜15の(f)は、窒素1s軌道のX線光電子分光測定の結果についてピーク分割を行った結果を示した図である。本系において、窒素原子の結合の種類は、炭素−窒素結合と金属−窒素結合の2種類が想定される。過去の文献より、最も低エネルギー側のピークが金属−窒素結合であると帰属されている。さらに、次にもう一つのピークに関しては炭素−窒素結合と帰属すると、全ての二つのピーク間のエネルギー差は0.6eV〜0.7eVとほぼ一致しており、これらのピーク分割と帰属が正しい事が示唆される。
なお、ここに示されていないが、アニール前は全ての図13〜図15の実施例において、半値幅は、全て1.2eVである。この事から、図13および図15の場合において半値幅は増大しており、これが長寿命化につながっていると考えられる(上記効果(ii))。
以上から、図13のケースでは、上記(i)〜(iii)全ての効果が発現されており、初期特性(輝度・効率)および長期信頼性(寿命)を実現できていると考えられる。図15においては、(i)と(ii)で初期特性とある程度の寿命が、同様に、図14においては、(i)の効果で、初期特性とまたある程度の寿命が実現できると推察される。これらのことは、X線光電子分光測定の結果はないものの、図17および図18で用いられた固体である直鎖ポリエチレンイミンは、(i)が実現されている事から、アニールの効果がなくともある程度の寿命を実現できると考えられる。図19においても、同様である。
図3と他の図との比較から、窒素含有薄膜が下部陰極上にある酸化物上に配した場合、輝度や効率などの有機電界発光素子の特性向上につながることが確認された。アニール処理については、図18より、材料によってはアニールを必要としない場合もあり、必ずしも必須ではないことが確認された。しかしながら、アニールを行う事により、多くの場合で長期信頼性に相当する寿命特性が向上している事が確認された。また、使用材料についても、ポリエチレンイミン(分子量が異なる、または形状が異なる<直鎖と分岐>)、ジエチレントリアミン、メラミン樹脂といった多彩な窒素含有化合物の使用が可能である事が確認された。また、それらは、材料だけではなく、分子量や形状に依存してプロセスを選ぶ必要が有る事も確認された。特に、直鎖のポリエチレンイミンは他のポリエチレンイミンとは異なり、固体である事から、アニールがなくとも効果が発現していると考えられる。また、製膜後リンスをすることも効果的である事も確認された。
2:陰極
3:第1の金属酸化物層
4:窒素含有膜の層
5:有機化合物層
6:第2の金属酸化物層
7:陽極
Claims (4)
- 陽極と、基板上に形成された陰極との間に複数の層が積層された構造を有する有機電界発光素子であって、
該有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に金属酸化物層を有し、
該金属酸化物層上に、窒素含有膜からなり、平均厚さが3〜150nmの層を有する
ことを特徴とする有機電界発光素子。 - 前記窒素含有膜は、窒素含有化合物で形成されるか、又は、膜を構成する元素として窒素元素と炭素元素とを含み、該膜を構成する窒素原子と炭素原子との存在比率が
窒素原子数/(窒素原子数+炭素原子数)>1/8
の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。 - 前記窒素含有膜は、窒素含有化合物を加熱により分解させることで形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機電界発光素子。
- 前記窒素含有化合物は、ポリアミン類又はトリアジン環含有化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機電界発光素子。
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