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JP2014058121A - 水性インク用印刷媒体及びその製造方法 - Google Patents

水性インク用印刷媒体及びその製造方法 Download PDF

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JP2014058121A JP2012204825A JP2012204825A JP2014058121A JP 2014058121 A JP2014058121 A JP 2014058121A JP 2012204825 A JP2012204825 A JP 2012204825A JP 2012204825 A JP2012204825 A JP 2012204825A JP 2014058121 A JP2014058121 A JP 2014058121A
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信 佐々木
Aizo Sakurai
愛三 櫻井
Takeshi Yamada
健史 山田
Masataka Oishi
雅敬 大石
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Abstract

【課題】良好な接着性と印刷性とを併せ持つとともに、水性染料インクを用いて印刷した場合でも印刷画像の耐水性及び耐ブリード性が良好となる水性インク用印刷媒体を提供する。
【解決手段】基材12と、基材の一面上に設けられ、基材に面していない面を被印刷面として持つインク受容層11とを有する水性インク用印刷媒体10であって、インク受容層は、親水性を有する第一の樹脂と感熱接着性を有する第二の樹脂とを含み、被印刷面F1において第一の樹脂と第二の樹脂とから形成されたミクロ相分離構造を有し、第二の樹脂は、四級化アミノ基を有するアクリル系重合体を含有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水性インク用印刷媒体及びその製造方法に関する。
従来から印刷媒体としては、紙、合成紙、樹脂フィルム等様々なものが知られており、これらの印刷媒体は、例えば、印刷媒体に対して接着剤を塗布したり、両面粘着テープを張り付けたりすることで、様々な対象に貼付されて使用されている。
そして近年では、接着剤の塗布等の作業を必要とせず、被印刷面が接着面としても機能するような印刷媒体が知られるようになっている(例えば、特許文献1〜5を参照)。
特開2004−276613号公報 特開平11−165457号公報 特開2008−087276号公報 特開2008−087324号公報 特開2011−255650号公報
ところで、被印刷面が接着面としても機能するような印刷媒体においては、被印刷面としての特性と接着面としての特性との双方を両立することが求められる。
被印刷面としての特性としては、水性インクで印刷した場合でも滲むことなく鮮明な印刷画像が形成されるような良好な印刷性を持つことが望ましい。また、被印刷面としての特性としては、印刷画像の耐水性を備えることが望ましい。一方、接着面としての特性としては、接着対象に貼付した後に、容易に剥離しない接着性が望ましい。
しかし、特許文献1〜4に記載の印刷媒体では、このような印刷性、耐水性及び接着性をバランス良く達成することが困難であった。
特許文献5では、このような課題のもと、印刷性、耐水性及び接着性が改善された印刷媒体を開示している。しかし、特許文献5に記載の印刷媒体では、25mm/sec以上の高速インクジェット印刷に適用した場合に、水性インクとして染料インクを用いると、染料のブリードが生じる場合があった。
そこで、本発明の一側面における課題は、印刷性、耐水性、接着性及び染料インクを用いた場合の耐ブリード性を改善可能な水性インク用印刷媒体と、その製造方法を提供することである。
本発明の別の側面における課題は、さらに、染料インクを用いた高速印刷においても、ブリードの発生を十分に抑制し、印刷性を改善できる水性インク用印刷媒体を提供することである。
本発明の一側面は、基材と、上記基材の一面上に設けられ、上記基材に面していない面を被印刷面として持つインク受容層とを有する水性インク用印刷媒体に関するものである。この水性インク用印刷媒体において、上記インク受容層は、親水性を有する第一の樹脂と感熱接着性を有する第二の樹脂とを含み、上記被印刷面において上記第一の樹脂と上記第二の樹脂とから形成されたミクロ相分離構造を有する。また、上記第二の樹脂は、四級化アミノ基を有するアクリル系重合体を含有する。
本発明の別の側面では、上記インク受容層は、上記被印刷面において、上記第一の樹脂を上記第二の樹脂より多く含有する複数の第一ミクロ相分離領域と、上記第二の樹脂を上記第一の樹脂より多く含有し、上記第一ミクロ相分離領域のそれぞれを略環状に囲む、相対的に凸な、第二ミクロ相分離領域と、を有する。
また本発明の他の側面は、水性インク用印刷媒体の製造方法に関するものである。この製造方法は、上記第一の樹脂、上記第二の樹脂及び溶媒を含有する塗布液を上記基材上に塗布し、塗膜を基材上に形成する工程と、上記塗膜から上記溶媒を除去するとともに、上記第一の樹脂と上記第二の樹脂とをミクロ相分離させる工程と、を備える。
本発明の一側面の水性インク用印刷媒体によれば、染料インクを用いた場合における印刷性、耐水性及び接着性が改善され、染料のブリードの発生が十分に抑制され得る。
また、本発明の別の側面における水性インク用印刷媒体によれば、高速印刷においても、良好な接着性と印刷特性の両立を実現できるとともに、印刷画像の耐水性及び耐ブリード性を一層改善できる。
また、本発明の他の側面によれば、上述の水性インク用印刷媒体を容易に製造することが可能な、水性インク用印刷媒体の製造方法を提供することができる。
本発明の水性インク用印刷媒体の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の水性インク用印刷媒体の他の実施形態を示す模式断面図である。 本発明の水性インク用印刷媒体の他の実施形態を示す模式断面図である。 実施例1で得られた印刷媒体1の表面光学顕微鏡による観察結果を示す図である。 実施例1で得られた印刷媒体1の非接触表面粗さ測定器による測定結果を示す図である。 比較例1で得られた印刷媒体21の表面光学顕微鏡による観察結果を示す図である。 比較例1で得られた印刷媒体21の非接触表面粗さ測定器による測定結果を示す図である。
以下、場合により図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について説明する。なお、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本発明の一実施形態に係る水性インク用印刷媒体は、基材と、基材の一方の面上に、被印刷面として、インク受容層を有するものである。インク受容層は、親水性の第一の樹脂と感熱接着性の第二の樹脂とを含み、被印刷面において前記第一の樹脂と前記第二の樹脂とが、ミクロ相分離構造を形成するとともに、第二の樹脂として、四級化アミノ基を有するアクリル系重合体を含有する。
この水性インク用印刷媒体は、被印刷面において、第一の樹脂と第二の樹脂とがミクロ相分離構造をなしているため、第一の樹脂が水性インク受容部として、第二の樹脂が接着部として、それぞれ機能するとともに、さらに、第二樹脂として、四級化アミノ基を有するアクリル系重合体を含有するため、染料等の水性インクの定着性が改善され、インクのブリードが抑制される。その結果、より鮮明な印刷画像を得ることができる。
一実施形態において、インク受容層は、被印刷面において、第一の樹脂を第二の樹脂より多く含有する複数の第一ミクロ相分離領域と、第二の樹脂を第一の樹脂より多く含有し、第一ミクロ相分離領域のそれぞれを略環状に囲む、相対的に凸な、第二ミクロ相分離領域と、を有している。
このような第一ミクロ相分離領域及び第二ミクロ相分離領域からなる特徴的な凹凸形状が被印刷面に形成されている場合には、25mm/sec以上(例えば100mm/sec)の高速印刷においても、水性インクのブリードがより効果的に防止され、滲みのない鮮明な印刷画像の形成が可能となる。
一実施形態では、第一の樹脂は、ポリアルキレンオキサイドを含有する。ポリアルキレンオキサイドは水性インクの受容性に優れるとともに接着性も有するため、この形態においては、被印刷面の印刷性及び接着性が一層良好になる。
一実施形態では、アクリル系重合体は、フェノキシ基をさらに有することができる。この形態においては、被印刷面の接着性及び印刷画像の耐水性が一層向上する。
一実施形態では、インク受容層における第一の樹脂の含有量は、第一の樹脂及び第二の樹脂の総量100質量部に対して、30〜60質量部であってよい。この形態では、被印刷面の高速印刷特性と印刷画像の耐水性とを良好なバランスで達成することができる。
本発明の他の側面は、水性インク用印刷媒体の製造方法に関するものである。この製造方法は、第一の樹脂、第二の樹脂及び溶媒を含有する塗布液を基材上に塗布し、塗膜を基材上に形成する工程と、塗膜から溶媒を除去するとともに、第一の樹脂と第二の樹脂とをミクロ相分離させる工程と、を備える。
この製造方法によれば、被印刷面が接着面としても機能する印刷媒体であって、良好な接着性と印刷性とを併せ持つとともに、水性染料インクを用いて印刷した場合でも、印刷画像の耐水性及び耐ブリード性が良好となるような、水性インク用印刷媒体を容易に得ることができる。
一実施形態では、塗布液は、第一の樹脂及び第二の樹脂を含むサスペンションであってよい。このような塗布液から形成されたインク受容層は、第一の樹脂と第二の樹脂とで、被印刷面にミクロ相分離構造を形成することが容易になる。
図1は、本発明の水性インク用印刷媒体の一実施形態を示す模式断面図である。印刷媒体10は、基材12と、基材12の一面上に設けられ、基材12に面していない面F1を被印刷面として持つインク受容層11とを有する。
インク受容層11は、親水性を有する第一の樹脂と感熱接着性を有する第二の樹脂とを含む樹脂組成物で構成されており、被印刷面F1において、第一の樹脂と第二の樹脂とから形成されたミクロ相分離構造を有する。そして、第二の樹脂は、四級化アミノ基を有するアクリル系重合体を含有する。
印刷媒体10の被印刷面F1では、第一の樹脂が水性インク受容部として、第二の樹脂が接着部としてそれぞれ機能し得る。そのため、被印刷面F1は、水性インクによる画像印刷が可能であるとともに、接着面としても機能する。
そして印刷媒体10は、上記特定の構成を有するため、被印刷面F1において、良好な接着性と良好な高速印刷特性とを有し、例えば、25mm/sec以上の高速インクジェット印刷用の印刷媒体として好適に用いることができる。
また、印刷媒体10においては、被印刷面F1上に水性インクを用いて形成された印刷画像が、耐水性及び耐ブリード性に優れたものとなる。特に、従来の印刷媒体(例えば特許文献5に記載の印刷媒体)では水性インクとして染料インクを用いた場合に印刷画像における染料のブリードを防ぐことが困難であったところ、印刷媒体10によれば水性染料インクを用いて形成された印刷画像においても、ブリードの発生を十分に抑えることができる。そのため、印刷媒体10は、水性染料インク用印刷媒体として好適に用いることができる。
このような効果が奏される理由は、必ずしも明らかではないが、以下のように考えられる。すなわち、被印刷面F1においては、ミクロ相分離によって、第一の樹脂がなす微細なインク受容部と第二の樹脂がなす微細な接着部とが入り組んだ構造をなしている。そのため、水性インクは、着弾箇所においてインク受容部に浸透するが、着弾箇所のインク受容部から着弾箇所以外のインク受容部への浸透による広がり(滲み)は、接着部により阻害される。このため、印刷時の水性インクの滲みが防止され、鮮明な像を形成できると考えられる。また、水性インクが印刷された後も、水性インクの滲みが同様の理由で防止されるため、印刷画像が耐水性に優れたものとなると考えられる。
また、被印刷面F1において、接着部をなす第二の樹脂は四級化アミノ基を有している。このため水性染料インクを用いて印刷した場合に、インク受容部と接着部との界面において染料の定着性が非常に優れたものとなり、染料のブリードが抑制されると考えられる。なお、染料が酸性染料であると、この定着性が一層顕著に得られると考えられ、ブリードが一層顕著に抑制される。このため、印刷媒体10は、酸性染料インク用印刷媒体として特に好適に用いることができる。
ここで、ミクロ相分離構造とは、第一の樹脂及び第二の樹脂が微視的な相分離構造を示すものである。本実施形態において、例えば、第一の樹脂及び第二の樹脂の少なくとも一方が、被印刷面F1において独立した相をなし、該相の平均直径が100μm以下である場合をミクロ相分離構造ということができる。なお、相の平均直径は、例えば、表面光学顕微鏡写真、電子顕微鏡写真等で観測した任意の数、10〜100の相の直径を相加平均して求めることができる。
ミクロ相分離構造としては、上記の独立した相の平均直径が、被印刷面F1に供される水性インクのドット径以下であることが好ましい。例えば、インクジェット印刷において、インクドットの平均径が30μm以下、20μm以下、あるいは10μm以下となるように印刷を行う場合には、上記の独立した相が、平均直径30μm以下、20μm以下、あるいは10μm以下の微細なサイズとなっていることが好ましい。これにより、一層鮮明な画像を形成することができるようになる。
なお、上記の独立した相の平均直径の最小値は、特に限定はないが、0.01μm以上であってよく、0.1μm以上であってもよい。
ミクロ相分離構造としては、例えば、海島構造、シリンダ構造、ラメラ構造、共連続体構造等が挙げられる。特に、親水性を有する第一の樹脂が島状を呈し、第二の樹脂が其の周囲の海を構成する、海島構造が望ましい。
第一の樹脂は、親水性を有する。ここで親水性を有するとは、水性インクを吸収し得る性質を有することを意味する。例えば、水滴に対し十分に広い樹脂面に水を滴下した場合に、ほぼ数秒(例えば5秒)以内に水滴を吸収する樹脂を、親水性を有する樹脂ということができる。
第一の樹脂としては、例えば、ポリアルキレンオキサイド、親水性アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、親水性ポリウレタン樹脂、親水性エチレンビニルアルコール等を用いることができ、これらを単独で又は2種以上を混合して用いることもできる。
第一の樹脂は、ポリアルキレンオキサイドを含有することが好ましい。この場合にはポリアルキレンオキサイドが水性インクの受容性に優れるとともに接着性をも有するため、被印刷面F1の印刷性及び接着性が一層良好になる。
ポリアルキレンオキサイドとしては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、エチレンオキサイドプロピレンオキサイド共重合体、等が挙げられる。
第一の樹脂は、80質量%以上がポリアルキレンオキサイドであることが好ましく、90質量%以上がポリアルキレンオキサイドであることがより好ましい。また、第一の樹脂は、ポリアルキレンオキサイドであってよい。
第二の樹脂は、感熱接着性を有する樹脂であり、少なくとも四級化アミノ基を有するアクリル系重合体を含有する。
上記アクリル系重合体は、フェノキシ基をさらに有していてもよい。これにより、被印刷面の接着性及び印刷画像の耐水性が一層向上する。
上記アクリル系重合体は、四級化アミノ基を有するアクリル系単量体を含むモノマー成分の重合体であってよい。また、該モノマー成分は、フェノキシ基を有するアクリル系単量体、アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸等をさらに含んでいてもよい。
例えば、上記アクリル系重合体の一形態としては、四級アミノ基を有するアクリル系単量体、アルキル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸を含むモノマー成分の重合体が挙げられ、モノマー成分は、フェノキシ基を有するアクリル系単量体をさらに含んでいてもよい。
ここで、モノマー成分中の四級化アミノ基を有するアクリル系単量体の割合は、3〜13質量%とすることができ、5〜11質量%であってもよい。また、モノマー成分中のアルキル(メタ)アクリレートの割合は、20〜90質量%とすることができ、好ましくは25〜70質量%であり、より好ましくは30〜60質量%である。また、モノマー成分中の(メタ)アクリル酸の割合は、1〜8質量%であってよい。また、モノマー成分中のフェノキシ基を有するアクリル系単量体の割合は、0〜70質量%であってよく、好ましくは10〜65質量%であり、より好ましくは20〜60質量%である。
また、本形態において、モノマー成分中、アルキル(メタ)アクリレートとフェノキシ基を有するアクリル系単量体との合計量は、60〜94質量%であってよく、好ましくは70〜90質量%である。
四級化アミノ基としては、例えば、下記式(1)で表される基が挙げられる。
式中、R、R及びRは、それぞれ独立にアルキル基又はアリール基を示し、Xは一価のアニオンを示す。R、R及びRは、好ましくはアルキル基又はフェニル基であり、より好ましくはアルキル基であり、さらに好ましくはC1〜2のアルキル基(炭素数1〜2のアルキル基)である。
で表される一価のアニオンに特に制限はないが、例えば、ハロゲン化物イオン(塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン)が挙げられる。これらのうち、容易に入手できる観点から、塩化物イオンがより好ましい。
四級アミノ基を有するアクリル系単量体としては、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート・メチルクロライド四級化物、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート・メチルクロライド四級化物、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド・メチルクロライド四級化物、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド・メチルクロライド四級化物等が好適に用いられる。
フェノキシ基を有するアクリル系単量体としては、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、C1〜16アルキル(メタ)アクリレートが好ましく、C1〜10アルキル(メタ)アクリレートがより好ましい。ここで、「C1〜16」及び「C1〜10」は、(メタ)アクリロイル基を除いたアルキル基の炭素数を示す。
第二の樹脂は、上記アクリル系重合体以外の感熱接着性樹脂として、疎水性を有する樹脂を含有していてもよい。例えば、第二の樹脂は、ポリエステル樹脂、疎水性ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、エチレンビニルアセテート等を含有していてもよい。なお、疎水性を有するとは、水性インクをはじく性質を有することを意味し、例えば、樹脂面に水を滴下したとき、水滴をほとんど吸収せずはじくものを、疎水性を有する樹脂ということができる。
第二の樹脂は、50質量%以上が上記アクリル系重合体であることが好ましく、60質量%以上が上記アクリル系重合体であることがより好ましい。また、第二の樹脂は上記アクリル系重合体のみであってよい。
インク受容層11における第一の樹脂の含有量は、第一の樹脂及び第二の樹脂の総量100質量部に対して、20〜70質量部とすることができ、30〜60質量部とすることもできる。これにより、被印刷面F1のミクロ相分離構造におけるインク受容部と接着部の存在比率が好適になると考えられ、被印刷面F1の高速印刷特性と印刷画像の耐水性とを一層良好なバランスで達成することができるようになる。そしてこのとき、被印刷面F1が高速印刷特性に優れるため、例えば100mm/sec以上の高速印刷においても滲みのない鮮明な印刷画像を得ることができる。
被印刷面F1において、第一の樹脂がなすインク受容部の総面積(S)と第二の樹脂がなすインク受容部の総面積(S)との比(S/S)は、例えば、0.2〜4.0であってよく、0.4〜1.5であってもよい。このような面積比でインク受容部と接着部とを備えることで、印刷性、接着性及び耐水性に一層優れるようになる。
インク受容層11は、例えば、10〜40μmとすることができ、20〜30μmとすることもできる。このような厚みとなるように作製されたインク受容層11は、被印刷面F1の印刷性及び接着性が一層良好になる。このような効果が奏される理由は必ずしも明らかではないが、15μm以上の厚みにおいて第二の樹脂の接着力が効果的に発揮され、良好な接着力を確保できるとともに、40μm以下において、より均質で微細なミクロ相分離構造が形成されやすくなるためと考えられる。
インク受容層11は、光透過性を有することが好ましい。このようなインク受容層11によれば、被印刷面F1以外の面から、被印刷面F1に印刷された画像を見ることができる。なお、この場合は後述する基材12も併せて光透過性を有することが好ましい。
インク受容層11は、被印刷面F1において、第一の樹脂を第二の樹脂より多く含有する第一ミクロ相分離領域と、第二の樹脂を第一の樹脂より多く含有し、第一ミクロ相分離領域を略環状に囲む、相対的に凸な、第二ミクロ相分離領域と、を有していてよい。このように、相対的に第一の樹脂が多い領域(第一ミクロ相分離領域)の周囲に、相対的に第二の樹脂が多い領域(第二ミクロ相分離領域)が配置されることにより、領域界面においてブリードが効果的に阻止され、高速印刷性が大幅に改善される。
なお、「第一の樹脂を第二の樹脂より多く含有する」とは、その領域に占める第一の樹脂が成す相の面積比が、第二の樹脂が成す相の面積比より大きいことを示す。また、「相対的に凸」とは、その領域が、少なくとも隣接する第1相分離領域より高いことをいう。
第一ミクロ相分離領域は複数存在することが好ましく、それぞれを第二ミクロ相分離領域が略環状に囲んでいることが好ましい。すなわち、インク受容層11は、被印刷面F1において、第一ミクロ相分離領域の周囲を第二ミクロ相分離領域が略環状に囲んだ構造を一単位として、この構造単位が繰り返された凹凸構造を有していることが好ましい。
言い換えると、インク受容層11は、被印刷面F1において、凹部と該凹部を略環状に囲う凸部とを有する凹凸構造を有しており、凹部が、第一の樹脂を第二の樹脂より多く含有する第一ミクロ相分離領域を形成し、凸部が、第二の樹脂を第一の樹脂より多く含有する第二ミクロ相分離領域を形成していることが好ましい。
このように、第一ミクロ相分離領域を成す凹部の外側に、第二ミクロ相分離領域を成す凸部が、いわゆる外輪山のような態様で取り囲むことによって、被印刷面F1における水性インクの保持力が向上して、印刷性が更に向上していると考えられる。
また、第一ミクロ相分離領域は、第一の樹脂をより多く含むため、水性インクの吸収が良いという特徴を有する。凹部が第一ミクロ相分離領域を成すことで、凹部に保持された水性インクが第一ミクロ相分離領域の高い吸収性によりインク受容層11に定着すると考えられ、これにより、優れた高速印刷性が実現されると考えられる。
さらに、第二ミクロ相分離領域は、第二の樹脂をより多く含み、第一の樹脂の割合が相対的に少ない。このような第二ミクロ相分離領域が、接着対象により接する凸部に存在することで、優れた接着性及び耐水性が実現されると考えられる。
第一ミクロ相分離領域の形状は、略円状、略だ円状、略多角形状等であってよく、代表的には略円形である。第一ミクロ相分離領域の直径は例えば10μm〜500μm、あるいは50μm〜300μmであってよい。
第二ミクロ相分離領域は、相対的に凸となっているが、隣接する第一ミクロ相分離構造の平均高さhと第二ミクロ相分離領域の平均高さhとの差(h−h)は、1〜30μmであってよく、2μm〜20μmであってもよい。
なお、第二ミクロ相分離領域は、環状に第一ミクロ相分離領域を囲んでいることが好ましいが、完全な環状でなくとも。第一ミクロ相分離領域の周囲に略環状に形成されていればよい。
基材12は、インク受容層11を設けることが可能な面を有するものであればよい。なお、印刷媒体10において、基材12はフィルム状をなしているが、本発明において基材は必ずしもフィルム状である必要はない。
基材12としては、例えば、紙;合成紙;ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の樹脂からなる樹脂フィルム又は樹脂板;等を用いることができる。
基材12は、光透過性を有していることが好ましい。基材12及びインク受容層11の双方が光透過性を有することで、被印刷面F1に印刷された画像を、インク受容層11及び基材12を介して見ることができるようになる。
次に、本実施形態に係る水性インク用印刷媒体の使用態様について説明する。なお、本発明の水性インク用印刷媒体の用途は、下記の使用態様に限定されるものではない。
印刷媒体10は、被印刷面F1に水性インクにより鮮明な画像を印刷できるとともに、被印刷面F1が接着面としても機能する。そのため、別途の接着処理等を施すことなく、容易に接着対象に貼付することができる。
印刷媒体10は、例えば、ICカード等に貼付されるフィルムとして好適に用いることができる。この場合には、例えば、被印刷面F1にICカードに表示するための画像を印刷し、次いで、印刷が施された被印刷面F1とICカードとを対向配置して熱ラミネートする。
このような使用態様において、印刷媒体10が印刷性、接着性及び耐水性に優れることから、鮮明な画像を有するICカードを迅速に製造することができる。また、製造されたICカードは耐水性に優れるものとなる。
また、印刷媒体10は被印刷面F1においてミクロ相分離構造を有するため、例えば、一度ICカード等に張り付けた後、剥がそうとすると、微細なインク受容部が破壊されて印刷内容が判読不能となる。このため、印刷媒体10によれば、ICカードの不正な再利用等を防止することができる。
また、印刷媒体10は、装飾用フィルムとして、凹凸や曲面を有する接着対象に貼付することもできる。このとき、印刷媒体10の基材12としては、熱伸張性基材を用いることが好ましい。このような印刷媒体10は、例えばドライヤー等で加熱しながら、印刷媒体10を接着対象の凹凸や曲面に追従させながら貼付することができる。
印刷媒体10は、用途に応じて基材12の他方面上に、印刷媒体10を支持して取り扱い性を向上させる支持層を備えていてもよい。このような態様を図2に示す。
図2に示す印刷媒体20は、基材22と、基材22の一面上に設けられ、基材22に面していない面F2を被印刷面として持つインク受容層21と、基材22の他方面上に設けられた支持層23と、を有する。なお、印刷媒体20における基材22及びインク受容層21は、印刷媒体10における基材12及びインク受容層11に相当する。
印刷媒体20は、支持層23により基材22及びインク受容層21が支持されているため、取扱い性に優れる。印刷媒体20は、例えば、インク受容層21の被印刷面F2に水性インクで印刷画像を形成した後、支持層23を剥離して、基材22及びインク受容層21のみを接着対象に貼付することができる。
また、印刷媒体10は、用途に応じて基材12の他方面上に、印刷媒体10を接着対象に貼付した後の最外面に対する汚れの付着等を防止するための、防汚層を備えていてもよい。このような態様を図3に示す。
図3に示す印刷媒体30は、基材32と、基材32の一面上に設けられ、基材22に面していない面F3を被印刷面として持つインク受容層31と、基材32の他方面上に設けられた防汚層33とを備える。なお、印刷媒体30における基材32及びインク受容層21は、印刷媒体10における基材12及びインク受容層11に相当する。防汚層33は、例えばフッ素樹脂を含有する樹脂組成物から形成することができる。
また、印刷媒体30は、基材32、インク受容層31及び防汚層33を支持する支持層34を更に備えていてもよい。印刷媒体30は、例えば、インク受容層31の被印刷面F3に水性インクで印刷画像を形成した後、支持層34を剥離して、基材32、インク受容層31及び防汚層33のみを接着対象に貼付することができる。
次に、本実施形態に係る水性インク用印刷媒体に対する印刷方法の一例について説明する。
印刷媒体10の被印刷面F1に対して水性インクを印刷する方法は、特に制限されないが、インクジェット印刷が好ましい。インクジェット印刷によれば、迅速に印刷画像を形成することが可能であり、上述のICカード製造等を一層迅速に行うことができる。
インクジェット印刷の印字速度は、25mm/sec以上であってよく、50mm/sec以上であってもよく、100mm/sec以上であってもよい。印刷媒体10は被印刷面F1における高速印刷特性に優れるため、このような印字速度においてもインクの滲み等を生じさせずに鮮明な画像を形成することができる。
印刷に用いる水性インクは、特に制限されないが、水性染料インクであってよく、酸性染料インクであってもよい。印刷媒体10によれば、染料インクを用いた場合でもブリードの発生を十分に抑制することができる。
次に、本実施形態に係る水性インク用印刷媒体の製造方法について詳述する。なお、本発明の水性インク用印刷媒体は、下記の製造方法で製造されたものに限定されるものではない。
本製造方法は、第一の樹脂、第二の樹脂及び溶媒を含有する塗布液を基材上に塗布し、塗膜を基材上に形成する第一の工程と、塗膜形成工程で形成した塗膜から溶媒を除去すするとともに、第一の樹脂と第二の樹脂とをミクロ相分離させる第二の工程と、を備える。
この製造方法によれば、被印刷面が接着面としても機能する印刷媒体であって、良好な接着性と高速印刷特性とを併せ持つとともに、水性染料インクを用いて印刷した場合でも、印刷画像の耐水性及び耐ブリード性が良好となるような、水性インク用印刷媒体(具体的には、例えば印刷媒体10)を容易に得ることができる。
第一工程の塗布液において、第一の樹脂及び第二の樹脂は、溶媒に溶解していてもよく、溶媒中に樹脂微粒子として分散してサスペンションを形成していてもよい。
溶媒は、塗布液において、第一の樹脂及び第二の樹脂が均一に溶解又は分散し得るものであればよく、有機溶媒が好適に用いられる。有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メタノール、エタノール等のアルコール類;が挙げられる。これらは、単独で又は複数を混合して用いることができる。また、本製造方法では、溶媒として、水や、水とアルコール類との混合液を用いることもできる。
塗布液は、必要に応じて加熱されていてもよい。例えば、塗布液は第一の樹脂及び第二の樹脂を溶解させるために、30〜60℃に加熱されていてもよい。
本製造方法の一態様では、塗布液は、第一の樹脂及び第二の樹脂を含むサスペンション(懸濁液)であってよい。このような塗布液から形成されたインク受容層は、被印刷面において、凹部及び凹部を囲う峰状の凸部を有する特徴的な凹凸形状をなし、当該凹凸形状によれば、印刷画像の耐水性及び耐ブリード性が一層向上する。
上記樹脂微粒子は、第一の樹脂と第二の樹脂との溶解性の違いを利用して、第一の溶液及び第二の溶液を混合した際に第一の樹脂及び/又は第二の樹脂の一部を析出させることによって形成することができる。
例えば、第一の樹脂がポリアルキレンオキサイドであるとき、第一の樹脂はメチルエチルケトン/トルエン/メタノールの混合溶媒(重量比2/1/1)に対して、40℃で溶解させることができる。また、第二の樹脂であるアクリル系重合体は、アセトン/メタノールの混合溶媒に対して、室温(例えば20℃)で溶解させることができる。
そして、例えば、第一の樹脂をメチルエチルケトン/トルエン/メタノールの混合溶媒(2/1/1)に溶解させた40℃の第一の溶液と、第二の樹脂をアセトン/メタノールの混合溶媒に溶解させた20℃の第二の溶液とを、室温(20℃)で混合させることにより、上述の樹脂微粒子を含有する塗布液を得ることができる。
第一の樹脂がポリアルキレンオキサイドであるとき、第一の溶液は、溶媒としてメチルエチルケトン、トルエン及びメタノールを含有することが好ましく、35〜60℃に加熱されていることが好ましい。一方、第二の溶液は、溶媒としてメチルエチルケトン又はアセトンと、メタノールとを含有することが好ましく、その温度は15〜30℃であることが好ましい。
第一の溶液中の第一の樹脂の濃度は、10〜20質量%であることが好ましく、14〜16質量%であることがより好ましい。また、第二の溶液中の第二の樹脂の濃度は、30〜40質量%であることが好ましく、33〜38質量%であることがより好ましい。
塗膜は、基材の一面上に上記塗布液を塗布することにより形成することができる。塗布液の塗布方法は、特に制限されず、ナイフコート法、スピンコート法、ロールコート法、シルクスクリーンコート法、グラビアコート法、等の公知の塗布方法を用いることができる。
塗膜は、第二の工程を経て形成されるインク受容層の厚みが10〜40μmとなるように形成されることが好ましい。このような厚みとなるように塗膜を形成すると、得られるインク受容層の被印刷面が、印刷性及び接着性に一層優れるものとなる。
第二の工程では、塗膜から溶媒を除去する。有機溶媒を除去する方法としては、加熱により溶媒を揮発させて除去する方法、風乾法等が挙げられる。第二の工程において、塗膜中の溶媒は必ずしも全て除去される必要はなく、インク受容層が溶媒の一部を含有していてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明は、印刷媒体10の被印刷面F1に水性インクで印刷画像を形成してなる装飾フィルムであってもよい。また、本発明は、被印刷面F1に水性インクによる印刷画像が形成された印刷媒体10を接着対象(例えばICカードの本体)に貼付してなる、装飾物(例えば印刷画像を有するICカード)であってもよい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(アクリル系重合体B−1の合成)
メチルアクリレート(以下、場合により「MA」と表す。)33質量部、フェノキシエチルアクリレート(以下、場合により「PhEA」と表す。)55質量部、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート・メチルクロライド四級化物(以下場合により「DMAEA−Q」と表す。)10質量部、及びアクリル酸(以下、場合により「AA」と表す。)2質量部を、アセトン148.58質量部及びメタノール34.49質量部の混合溶媒に均一に溶解して反応溶液とした。なお、DMAEA−Qとしては固形分79質量%の水溶液を用いた。この反応溶液を、耐圧耐熱ガラス容器に入れ、開始剤として0.1質量部のアゾビスイソブチロニトリルを添加した後、10分間撹拌しながら窒素を反応溶液中に通して脱酸素を行った。次いで、50℃の湯煎で20時間共重合反応を行って、アクリル系重合体B−1の35質量%溶液を得た。
(アクリル系重合体B−2の合成)
メチルアクリレート43質量部、フェノキシエチルアクリレート45質量部、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート・メチルクロライド四級化物10質量部、及びアクリル酸2質量部を、アセトン148.58質量部及びメタノール34.49質量部の混合溶媒に均一に溶解して反応溶液とした。なお、DMAEA−Qとしては固形分79質量%の水溶液を用いた。この反応溶液を、耐圧耐熱ガラス容器に入れ、開始剤として0.1質量部のアゾビスイソブチロニトリルを添加した後、10分間撹拌しながら窒素を反応溶液中に通して脱酸素を行った。次いで、50℃の湯煎で20時間共重合反応を行って、アクリル系重合体B−2の35質量%溶液を得た。
(アクリル系重合体B−3の合成)
メチルアクリレート23質量部、フェノキシエチルアクリレート65質量部、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート・メチルクロライド四級化物10質量部、及びアクリル酸2質量部を、アセトン148.58質量部及びメタノール34.49質量部の混合溶媒に均一に溶解して反応溶液とした。なお、DMAEA−Qとしては固形分79質量%の水溶液を用いた。この反応溶液を、耐圧耐熱ガラス容器に入れ、開始剤として0.1質量部のアゾビスイソブチロニトリルを添加した後、10分間撹拌しながら窒素を反応溶液中に通して脱酸素を行った。次いで、50℃の湯煎で20時間共重合反応を行って、アクリル系重合体B−3の35質量%溶液を得た。
(アクリル系重合体B−4の合成)
メチルアクリレート73質量部、フェノキシエチルアクリレート15質量部、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート・メチルクロライド四級化物10質量部、及びアクリル酸2質量部を、アセトン148.58質量部及びメタノール34.49質量部の混合溶媒に均一に溶解して反応溶液とした。なお、DMAEA−Qとしては固形分79質量%の水溶液を用いた。この反応溶液を、耐圧耐熱ガラス容器に入れ、開始剤として0.1質量部のアゾビスイソブチロニトリルを添加した後、10分間撹拌しながら窒素を反応溶液中に通して脱酸素を行った。次いで、50℃の湯煎で20時間共重合反応を行って、アクリル系重合体B−4の35質量%溶液を得た。
(アクリル系重合体B−5の合成)
2−エチルへキシルアクリレート(以下、場合により「2EHA」と表す。)33質量部、フェノキシエチルアクリレート55質量部、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート・メチルクロライド四級化物10質量部、及びアクリル酸2質量部を、アセトン148.58質量部及びメタノール34.49質量部の混合溶媒に均一に溶解して反応溶液とした。なお、DMAEA−Qとしては固形分79質量%の水溶液を用いた。この反応溶液を、耐圧耐熱ガラス容器に入れ、開始剤として0.1質量部のアゾビスイソブチロニトリルを添加した後、10分間撹拌しながら窒素を反応溶液中に通して脱酸素を行った。次いで、50℃の湯煎で20時間共重合反応を行って、アクリル系重合体B−5の35質量%溶液を得た。
(アクリル系重合体B−6の合成)
メチルアクリレート29質量部、フェノキシエチルアクリレート55質量部、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート・メチルクロライド四級化物10質量部、及びアクリル酸6質量部を、アセトン148.58質量部及びメタノール34.49質量部の混合溶媒に均一に溶解して反応溶液とした。なお、DMAEA−Qとしては固形分79質量%の水溶液を用いた。この反応溶液を、耐圧耐熱ガラス容器に入れ、開始剤として0.1質量部のアゾビスイソブチロニトリルを添加した後、10分間撹拌しながら窒素を反応溶液中に通して脱酸素を行った。次いで、50℃の湯煎で20時間共重合反応を行って、アクリル系重合体B−6の35質量%溶液を得た。
(アクリル系重合体B−7の合成)
メチルアクリレート88質量部、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート・メチルクロライド四級化物10質量部、及びアクリル酸2質量部を、アセトン148.58質量部及びメタノール34.49質量部の混合溶媒に均一に溶解して反応溶液とした。なお、DMAEA−Qとしては固形分79質量%の水溶液を用いた。この反応溶液を、耐圧耐熱ガラス容器に入れ、開始剤として0.1質量部のアゾビスイソブチロニトリルを添加した後、10分間撹拌しながら窒素を反応溶液中に通して脱酸素を行った。次いで、50℃の湯煎で20時間共重合反応を行って、アクリル系重合体B−7の35質量%溶液を得た。
(アクリル系重合体B−8の合成)
メチルアクリレート58質量部、フェノキシエチルアクリレート35質量部、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート・メチルクロライド四級化物5重量部、及びアクリル酸2重量部を、アセトン148.58重量部及びメタノール34.49重量部の混合溶媒に均一に溶解して反応溶液とした。この反応溶液を、耐圧耐熱ガラス容器に入れ、開始剤として0.1質量部のアゾビスイソブチロニトリルを添加した後、10分間撹拌しながら窒素を反応溶液中に通して脱酸素を行った。次いで、50℃の湯煎で20時間共重合反応を行って、アクリル系重合体B−8の35質量%溶液を得た。
(アクリル系重合体B−9の合成)
メチルアクリレート33質量部、フェノキシエチルアクリレート55質量部、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート(三級アミン。以下、場合により「DMAEA」と表す。)10質量部、及びアクリル酸2質量部を、アセトン148.58質量部及びメタノール34.49質量部の混合溶媒に均一に溶解して反応溶液とした。この反応溶液を、耐圧耐熱ガラス容器に入れ、開始剤として0.1質量部のアゾビスイソブチロニトリルを添加した後、10分間撹拌しながら窒素を反応溶液中に通して脱酸素を行った。次いで、50℃の湯煎で20時間共重合反応を行って、アクリル系重合体B−9の35質量%溶液を得た。
(アクリル系重合体B−10の合成)
メチルアクリレート43質量部、フェノキシエチルアクリレート55質量部及びアクリル酸2質量部を、アセトン148.58質量部及びメタノール34.49質量部の混合溶媒に均一に溶解して反応溶液とした。この反応溶液を、耐圧耐熱ガラス容器に入れ、開始剤として0.1質量部のアゾビスイソブチロニトリルを添加した後、10分間撹拌しながら窒素を反応溶液中に通して脱酸素を行った。次いで、50℃の湯煎で20時間共重合反応を行って、アクリル系重合体B−10の35質量%溶液を得た。
(アクリル系重合体B−11の合成検討)
メチルアクリレート28質量部、フェノキシエチルアクリレート55質量部、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート・メチルクロライド四級化物15重量部、及びアクリル酸2質量部を、アセトン148.58質量部及びメタノール34.49質量部の混合溶媒に均一に溶解して反応溶液とした。この反応溶液を、耐圧耐熱ガラス容器に入れ、開始剤として0.1質量部のアゾビスイソブチロニトリルを添加した後、10分間撹拌しながら窒素を反応溶液中に通して脱酸素を行った。次いで、50℃の湯煎で20時間共重合反応を行ったが、塩が生じて合成できなかった。
(アクリル系重合体B−12の合成検討)
メチルアクリレート25質量部、フェノキシエチルアクリレート55質量部、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート・メチルクロライド四級化物10重量部、及びアクリル酸10質量部を、アセトン148.58質量部及びメタノール34.49質量部の混合溶媒に均一に溶解して反応溶液とした。この反応溶液を、耐圧耐熱ガラス容器に入れ、開始剤として0.1質量部のアゾビスイソブチロニトリルを添加した後、10分間撹拌しながら窒素を反応溶液中に通して脱酸素を行った。次いで、50℃の湯煎で20時間共重合反応を行ったが、塩が生じて合成できなかった。
アクリル系重合体B−1〜B−10を構成するモノマー単位の割合(質量比)を下記表1に示す。
(実施例1)
第一の樹脂としてアクアコーク(登録商標、住友精化株式会社製、ポリアルキレンオキサイド、固形分100質量%)を、メチルエチルケトン/トルエン/メタノールの混合溶媒(質量比2/1/1)に40℃で溶解させ、固形分濃度が15質量%の溶液A−1を調製した。また、第二の樹脂として、アクリル系重合体B−1の35質量%溶液(以下、溶液B−1という。)を用いた。
40℃の溶液A−1と溶液B−1とを、第一の樹脂及び第二の樹脂の質量比が60/40となるように混合して、混合液C−1を調製した。
溶液C−1を、ナイフコート法により厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上に塗布し、80℃のオーブン中10分間乾燥させて該PETフィルム上にインク受容層を形成することにより、印刷媒体1を得た。このとき、乾燥後に形成されるインク受容層の厚みが25μmとなるように調整した。なお、インク受容層の厚みの調整は、PETフィルム面とナイフ面との間隙(ギャップ)の調整により行った。
得られた印刷媒体1を表面光学顕微鏡で観察したところ、印刷媒体1のインク受容層が、被印刷面において略均一なミクロ相分離構造を有していることが確認された。結果を図4に示す。
また、得られた印刷媒体1のインク受容層の被印刷面を、非接触表面粗さ測定器(Zaygo製)を用いて測定し、被印刷面の表面粗さを測定した。結果を図5に示す。図5に示す結果から、印刷媒体1のインク受容層の被印刷面において、略円形の第一ミクロ相分離領域と、その外周囲を略環状に囲む凸状の第二ミクロ相分離領域とからなる構造単位が、ほぼ規則的に配列している特殊な凹凸構造が確認された。換言すると、第二ミクロ相分離構造が峰状に隆起して第一ミクロ相分離領域を略円状に囲む、特殊な凹凸構造が形成されていることが確認された。
被印刷面のミクロ相分離構造は、海島構造をなしており、島部の平均径は約5μmであった。また、略円形の第一ミクロ相分離領域の直径は、約50〜300μmであり、第一ミクロ相分離構造の平均高さhと第二ミクロ相分離領域の平均高さhとの差(h−h)は、約25〜30μmであった。
また、原子間力顕微鏡(AFM)を用いた表面観察から、第一ミクロ相分離領域において、第一の樹脂が第二の樹脂より多く含まれることと、第二ミクロ相分離領域において、第二の樹脂が第一の樹脂より多く含まれることとが確認された。具体的には、第一の樹脂が示す結晶配向状態からその存在を確認した。
また、印刷媒体1について、下記の評価方法に従って印刷性、耐水性、常温接着力及び高温接着力を評価した。評価結果は、表2に示すとおりであった。
(実施例2)
第二の樹脂として、溶液B−1にかえて、アクリル系重合体B−2の35質量%溶液(以下、溶液B−2という。)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印刷媒体2を得た。
得られた印刷媒体2を表面光学顕微鏡で観察したところ、印刷媒体2のインク受容層が、被印刷面において略均一なミクロ相分離構造を有していることが確認された。
また、印刷媒体2のインク受容層の被印刷面を、非接触表面粗さ測定器(Zaygo製)を用いて測定し、被印刷面の表面粗さを測定した。非接触表面粗さ測定器による測定の結果から、印刷媒体2のインク受容層の被印刷面においても、実施例1と同様に、第一ミクロ相分離領域と、その外周囲を略環状に囲む凸状の第二ミクロ相分離領域とからなる構造単位が、複数配列する特殊な凹凸構造が形成されていることが確認された。
また、印刷媒体2について、下記の評価方法に従って印刷性、耐水性、常温接着力及び高温接着力を評価した。評価結果は、表2に示すとおりであった。
(実施例3)
第二の樹脂として、溶液B−1にかえて、アクリル系重合体B−3の35質量%溶液(以下、溶液B−3という。)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印刷媒体3を得た。
得られた印刷媒体3を表面光学顕微鏡で観察したところ、印刷媒体3のインク受容層が、被印刷面において略均一なミクロ相分離構造を有していることが確認された。
また、印刷媒体3のインク受容層の被印刷面を、非接触表面粗さ測定器(Zaygo製)を用いて測定し、被印刷面の表面粗さを測定した。非接触表面粗さ測定器による測定の結果から、印刷媒体3のインク受容層の被印刷面においても、実施例1と同様に、第一ミクロ相分離領域と、その外周囲を略環状に囲む凸状の第二ミクロ相分離領域とからなる構造単位が、複数配列する特殊な凹凸構造が形成されていることが確認された。
また、印刷媒体3について、下記の評価方法に従って印刷性、耐水性、常温接着力及び高温接着力を評価した。評価結果は、表2に示すとおりであった。
(実施例4)
第二の樹脂として、溶液B−1にかえて、アクリル系重合体B−4の35質量%溶液(以下、溶液B−4という。)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印刷媒体4を得た。
得られた印刷媒体4を表面光学顕微鏡で観察したところ、印刷媒体4のインク受容層が、被印刷面において略均一なミクロ相分離構造を有していることが確認された。
また、印刷媒体4のインク受容層の被印刷面を、非接触表面粗さ測定器(Zaygo製)を用いて測定し、被印刷面の表面粗さを測定した。非接触表面粗さ測定器による測定の結果から、印刷媒体4のインク受容層の被印刷面においても、実施例1と同様に、第一ミクロ相分離領域と、その外周囲を略環状に囲む凸状の第二ミクロ相分離領域とからなる構造単位が、複数配列する特殊な凹凸構造が形成されていることが確認された。
また、印刷媒体4について、下記の評価方法に従って印刷性、耐水性、常温接着力及び高温接着力を評価した。評価結果は、表2に示すとおりであった。
(実施例5)
第二の樹脂として、溶液B−1にかえて、アクリル系重合体B−5の35質量%溶液(以下、溶液B−5という。)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印刷媒体5を得た。
得られた印刷媒体5を表面光学顕微鏡で観察したところ、印刷媒体5のインク受容層が、被印刷面において略均一なミクロ相分離構造を有していることが確認された。
また、印刷媒体5のインク受容層の被印刷面を、非接触表面粗さ測定器(Zaygo製)を用いて測定し、被印刷面の表面粗さを測定した。非接触表面粗さ測定器による測定の結果から、印刷媒体5のインク受容層の被印刷面においても、実施例1と同様に、第一ミクロ相分離領域と、その外周囲を略環状に囲む凸状の第二ミクロ相分離領域とからなる構造単位が、複数配列する特殊な凹凸構造が形成されていることが確認された。
また、印刷媒体5について、下記の評価方法に従って印刷性、耐水性、常温接着力及び高温接着力を評価した。評価結果は、表2に示すとおりであった。
(実施例6)
溶液C−1にかえて、40℃の溶液A−1と溶液B−1とを第一の樹脂及び第二の樹脂の質量比が50/50となるように混合して調製した混合液C−2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印刷媒体6を得た。
得られた印刷媒体6を表面光学顕微鏡で観察したところ、印刷媒体6のインク受容層が、被印刷面において略均一なミクロ相分離構造を有していることが確認された。
また、印刷媒体6のインク受容層の被印刷面を、非接触表面粗さ測定器(Zaygo製)を用いて測定し、被印刷面の表面粗さを測定した。非接触表面粗さ測定器による測定の結果から、印刷媒体6のインク受容層の被印刷面においても、実施例1と同様に、第一ミクロ相分離領域と、その外周囲を略環状に囲む凸状の第二ミクロ相分離領域とからなる構造単位が、複数配列する特殊な凹凸構造が形成されていることが確認された。
また、印刷媒体6について、下記の評価方法に従って印刷性、耐水性、常温接着力及び高温接着力を評価した。評価結果は、表2に示すとおりであった。
(実施例7)
第二の樹脂として、溶液B−1にかえて、アクリル系重合体B−6の35質量%溶液(以下、溶液B−6という。)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印刷媒体7を得た。
得られた印刷媒体7を表面光学顕微鏡で観察したところ、印刷媒体7のインク受容層が、被印刷面において略均一なミクロ相分離構造を有していることが確認された。
また、印刷媒体7のインク受容層の被印刷面を、非接触表面粗さ測定器(Zaygo製)を用いて測定し、被印刷面の表面粗さを測定した。非接触表面粗さ測定器による測定の結果から、印刷媒体7のインク受容層の被印刷面においても、実施例1と同様に、第一ミクロ相分離領域と、その外周囲を略環状に囲む凸状の第二ミクロ相分離領域とからなる構造単位が、複数配列する特殊な凹凸構造が形成されていることが確認された。
また、印刷媒体7について、下記の評価方法に従って印刷性、耐水性、常温接着力及び高温接着力を評価した。評価結果は、表2に示すとおりであった。
(実施例8)
第一の樹脂としてアクアコーク(登録商標、住友精化株式会社製、ポリアルキレンオキサイド、固形分100質量%)を、メチルエチルケトン/トルエンの混合溶媒(質量比1/1)に40℃で溶解させ、固形分濃度が15質量%の溶液A−2を調製した。溶液A−1にかえて、溶液A−2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印刷媒体8を得た。
得られた印刷媒体8を表面光学顕微鏡で観察したところ、印刷媒体8のインク受容層が、被印刷面において略均一なミクロ相分離構造を有していることが確認された。
また、印刷媒体8のインク受容層の被印刷面を、非接触表面粗さ測定器(Zaygo製)を用いて測定し、被印刷面の表面粗さを測定した。非接触表面粗さ測定器による測定の結果、印刷媒体8のインク受容層の被印刷面においては、実施例1で観察されたような特殊な凹凸構造は観察されず、大きな山状のセルが複数形成された表面構造が観察された。
また、印刷媒体8について、下記の評価方法に従って印刷性、耐水性、常温接着力及び高温接着力を評価した。評価結果は、表2に示すとおりであった。
(実施例9)
実施例8と同様にして溶液A−2を調製した。次いで、40℃の溶液A−2と溶液B−1とを、第一の樹脂及び第二の樹脂の質量比が30/70となるように混合して、混合液C−3を調製した。
混合液C−1にかえて、混合液C−3を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印刷媒体9を得た。
得られた印刷媒体9を表面光学顕微鏡で観察したところ、印刷媒体9のインク受容層が、被印刷面において略均一なミクロ相分離構造を有していることが確認された。
また、印刷媒体9のインク受容層の被印刷面を、非接触表面粗さ測定器(Zaygo製)を用いて測定し、被印刷面の表面粗さを測定した。非接触表面粗さ測定器による測定の結果、印刷媒体9のインク受容層の被印刷面においては、実施例1で観察されたような特殊な凹凸構造は観察されず、大きな山状のセルが複数形成された表面構造が観察された。
また、印刷媒体9について、下記の評価方法に従って印刷性、耐水性、常温接着力及び高温接着力を評価した。評価結果は、表2に示すとおりであった。
(実施例10)
実施例8と同様にして溶液A−2を調製した。また、第二の樹脂として、アクリル系重合体B−7の35質量%溶液(以下、溶液B−7という。)を用いた。40℃の溶液A−2と溶液B−7とを、第一の樹脂及び第二の樹脂の質量比が40/60となるように混合して、混合液C−4を調製した。
混合液C−1にかえて、混合液C−4を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印刷媒体10を得た。
得られた印刷媒体10を表面光学顕微鏡で観察したところ、印刷媒体10のインク受容層が、被印刷面において略均一なミクロ相分離構造を有していることが確認された。
また、印刷媒体10のインク受容層の被印刷面を、非接触表面粗さ測定器(Zaygo製)を用いて測定し、被印刷面の表面粗さを測定した。非接触表面粗さ測定器による測定の結果、印刷媒体9のインク受容層の被印刷面においては、実施例1で観察されたような特殊な凹凸構造は観察されず、大きな山状のセルが複数形成された表面構造が観察された。
(実施例11)
第二の樹脂として、溶液B−1にかえて、アクリル系重合体B−8の35質量%溶液(以下、溶液B−8という。)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印刷媒体11を得た。
得られた印刷媒体11を表面光学顕微鏡で観察したところ、印刷媒体11のインク受容層が、被印刷面において略均一なミクロ相分離構造を有していることが確認された。
また、印刷媒体11のインク受容層の被印刷面を、非接触表面粗さ測定器(Zaygo製)を用いて測定し、被印刷面の表面粗さを測定した。非接触表面粗さ測定器による測定の結果から、印刷媒体11のインク受容層の被印刷面においても、実施例1と同様に、第一ミクロ相分離領域と、その外周囲を略環状に囲む凸状の第二ミクロ相分離領域とからなる構造単位が、複数配列する特殊な凹凸構造が形成されていることが確認された。
また、印刷媒体11について、下記の評価方法に従って印刷性、耐水性、常温接着力及び高温接着力を評価した。評価結果は、表2に示すとおりであった。
(比較例1)
実施例8と同様にして溶液A−2を調製した。次いで、溶液A−2と、アクリル系重合体B−9の35質量%溶液(以下、溶液B−9という。)とを、第一の樹脂及び第二の樹脂の質量比が40/60となるように混合して、混合液D−1を調製した。
混合液C−1にかえて、混合液D−1を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印刷媒体21を得た。
得られた印刷媒体21について、下記の評価方法に従って印刷性、耐水性、常温接着力及び高温接着力を評価した。評価結果は、表2に示すとおりであった。
なお、印刷媒体21を表面光学顕微鏡で観察した結果、被印刷面において略均一なミクロ相分離構造を有していることが確認された。しかし、非接触表面粗さ測定器(Zaygo製)を用いた測定結果からは、被印刷面において、実施例1で観察されたような特殊な凹凸構造は観察されず、大きな山状のセルが複数形成された表面構造が観察された。表面光学顕微鏡の観察結果を図6に、非接触表面粗さ測定器の測定結果を図7にそれぞれ示す。
(比較例2)
実施例1と同様にして溶液A−1を調製した。次いで、溶液A−1と、アクリル系重合体B−10の35質量%溶液(以下、溶液B−10という。)とを、第一の樹脂及び第二の樹脂の質量比が40/60となるように混合して、混合液D−2を調製した。
混合液C−1にかえて、混合液D−2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印刷媒体22を得た。
得られた印刷媒体22について、下記の評価方法に従って印刷性、耐水性、常温接着力及び高温接着力を評価した。評価結果は、表2に示すとおりであった。
なお、印刷媒体22を表面光学顕微鏡で観察した結果、被印刷面において略均一なミクロ相分離構造を有していることが確認された。しかし、非接触表面粗さ測定器(Zaygo製)を用いた測定結果からは、被印刷面において、実施例1で観察されたような特殊な凹凸形状は観察されなかった。
(比較例3)
アクアコーク(登録商標、住友精化株式会社製、ポリアルキレンオキシド、固形分100質量%)40質量部と、疎水性及び感熱接着性を有する樹脂としてポリエステル樹脂バイロン670(登録商標、東洋紡績株式会社製、ポリエステル樹脂)40質量部と、ポリウレタン樹脂バイロンUR−3200(登録商標、東洋紡績株式会社製、ポリエステルウレタン樹脂、ガラス転移温度:−3℃、固形分30質量%)20質量部を、メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1)の混合溶媒に60℃で十分攪拌分散させて混合液D−3を調製した。
混合液D−3を、ナイフコート法により厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上にキャストし、80℃のオーブン中10分間乾燥させて該PETフィルム上にインク受容層を形成することにより、印刷媒体23を得た。このとき、乾燥後に形成されるインク受容層の厚みが25μmとなるように調整した。
なお、印刷媒体23を表面光学顕微鏡で観察した結果、被印刷面において略均一なミクロ相分離構造を有していることが確認された。しかし、非接触表面粗さ測定器(Zaygo製)を用いた測定結果からは、被印刷面において、実施例1で観察されたような特殊な凹凸形状は観察されなかった。
得られた印刷媒体23について、下記の評価方法に従って印刷性、耐水性、常温接着力及び高温接着力を評価した。評価結果は、表2に示すとおりであった。
[印刷性の評価]
印刷媒体のインク受容層に対して、キャノンインクジェットプリンターP−640Lを用いて、水性染料インク6色印刷、印刷速度25mm/sec又は100mm/secで、人物写真及び文字を印刷した。印刷された画像を、目視にて判断して、5段階で評価した。「D」が最も印刷された画像が不鮮明だったことを示し、「C」、「B」、「A」の順で印刷された画像の鮮明さがより良好であることを示し、「AA」が最も印刷された画像が鮮明であったことを示す。なお、印刷速度25mm/secでの結果を「印刷性」、印刷速度100mm/secでの結果を「高速印刷性」として評価した。
[耐ブリード性の評価]
印刷性の評価と同様にして印刷媒体のインク受容層に画像を印刷した。次いで、印刷媒体と塩化ビニール樹脂カードとを、印刷媒体の被印刷面とカードの一面とが対向するように配置し、ローラー式ヒートラミネーター(条件:120℃、1秒)で熱接着させ、測定サンプルを得た。このサンプルを80℃中に7日間放置後、印刷画像の滲みがあるかないかを目視にて観察し、以下の五段階で評価した。
AA:全く変化なし。
A:変化なし。コントロールと比較してほとんど変化なし。
B:変化がコントロールと比較してわかる。
C:滲みがわかる。
D:全面の滲みがひどいのが明らかにわかる。
[常温接着力の評価]
印刷性の評価と同様にして印刷媒体のインク受容層に画像を印刷した。次いで、印刷媒体と塩化ビニール樹脂カードとを、印刷媒体の被印刷面とカードの一面とが対向するように配置し、ローラー式ヒートラミネーター(条件:120℃、1秒)で熱接着させ、測定サンプルを得た。
得られた測定サンプルを、23℃で24時間放置した後、23℃中、引張試験機にて180°ピール強度(N/25mm)を測定した。測定条件は、引張速度200mm/minとした。測定結果が、15N/25mm以上であった場合又は材料破壊があった場合を「A」、15〜10N/25mmであった場合を「B」、10N/25mm未満であった場合を「C」として評価した。
[高温接着力の評価]
常温接着力の評価と同様にして、測定サンプルを得た。得られた測定サンプルを、23℃で24時間放置した後、80℃中、引張試験機にて180°ピール強度(N/25mm)を測定した。測定条件は、引張強度200mm/minとした。測定結果が、15N/25mm以上であった場合又は材料破壊があった場合を「A」、15〜10N/25mmであった場合を「B」、10N/25mm未満であった場合を「C」として評価した。
[耐水性の評価]
常温接着力の評価と同様にして、測定サンプルを得た。測定サンプルを常温水(25℃)に24時間浸漬した後の外観変化を目視で確認した。なお、耐水性は、外観変化なしを「AA」、接着端部が3〜5mm幅で膨潤するが復元する場合を「A」、接着端部が3〜5mm幅で膨張し復元しない場合を「B」、接着剤層が溶出する場合を「C」、フィルムめくれが生じる場合を「D」として5段階で評価した。
10,20,30…印刷媒体、11,21,31…インク受容層、12,22,32…基材、23,34…支持層、33…防汚層、F1,F2,F3…被印刷面。

Claims (8)

  1. 基材と、前記基材の一面上に設けられ、前記基材に面していない面を被印刷面として持つインク受容層とを有する水性インク用印刷媒体であって、
    前記インク受容層は、親水性を有する第一の樹脂と感熱接着性を有する第二の樹脂とを含み、前記被印刷面において前記第一の樹脂と前記第二の樹脂とから形成されたミクロ相分離構造を有し、
    前記第二の樹脂は、四級化アミノ基を有するアクリル系重合体を含有する、水性インク用印刷媒体。
  2. 前記インク受容層は、前記被印刷面において、
    前記第一の樹脂を前記第二の樹脂より多く含有する複数の第一ミクロ相分離領域と、
    前記第二の樹脂を前記第一の樹脂より多く含有し、前記第一ミクロ相分離領域のそれぞれを略環状に囲む、相対的に凸な、第二ミクロ相分離領域と、を有する、請求項1に記載の水性インク用印刷媒体。
  3. 前記第一の樹脂は、ポリアルキレンオキサイドを含有する、請求項1又は2に記載の水性インク用印刷媒体。
  4. 前記アクリル系重合体は、フェノキシ基をさらに有する、請求項1〜3のいずれか一項にに記載の水性インク用印刷媒体。
  5. 前記インク受容層における前記第一の樹脂の含有量は、前記第一の樹脂及び前記第二の樹脂の総量100質量部に対して、20〜70質量部である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の水性インク用印刷媒体。
  6. 前記アクリル系重合体は、四級化アミノ基を有するアクリル系単量体3〜13質量%、アルキル(メタ)アクリレート20〜90質量%、フェノキシ基を有するアクリル系単量体0〜70質量%、及び(メタ)アクリル酸1〜8質量%を含むモノマー成分を重合してなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の水性インク用印刷媒体。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の水性インク用印刷媒体の製造方法であって、
    前記第一の樹脂、前記第二の樹脂及び溶媒を含有する塗布液を前記基材上に塗布し、塗膜を基材上に形成する工程と、
    前記塗膜から前記溶媒を除去するとともに、前記第一の樹脂と前記第二の樹脂とをミクロ相分離させる工程と、を備える、水性インク用印刷媒体の製造方法。
  8. 前記塗布液は、前記第一の樹脂及び前記第二の樹脂からなる樹脂微粒子を含むサスペンションである、請求項7に記載の製造方法。
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