JP2012233444A - 排気ガスセンサの信号処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】排気ガスセンサの信号処理装置は、ローパスフィルタ(LPF)30、40およびハイパスフィルタ(HPF)32、42を備えている。ローパスフィルタ30、40を通過した信号が、ECU50に入力されて内燃機関10の空燃比制御(より具体的には燃料噴射量制御)に利用される。ハイパスフィルタ32、42の通過後の信号は、ECU50に入力されて空燃比センサ22の故障判定に利用される。ローパスフィルタ30のカットオフ周波数を100Hzに設定する。ローパスフィルタ40のカットオフ周波数を10Hzに設定する。ハイパスフィルタ32、42を通過した信号の量の増加に伴って、ローパスフィルタ30、40の遮断周波数を、低周波数側へとシフトさせる。
【選択図】図2
Description
内燃機関の排気通路に備えられ、排気ガス中の酸素濃度に応じて出力を変化させる排気ガスセンサと、
遮断周波数が可変であって前記排気ガスセンサの出力信号に対して遮断周波数以下の周波数の信号を通過させるように濾波を行う低域通過型のフィルタと、
前記低域通過型のフィルタを通過した信号を、前記内燃機関の空燃比の制御に利用する情報として、前記内燃機関の制御装置に対して伝達する手段と、
前記排気ガスセンサの出力信号に対して遮断周波数以上の周波数の信号を通過させるように濾波を行う高域通過型のフィルタと、
前記高域通過型のフィルタを通過した信号に基づいて、前記低域通過型のフィルタの遮断周波数を調節する周波数調整手段と、
を備えることを特徴とする。
前記周波数調整手段は、前記高域通過型のフィルタを通過した信号中に含まれる前記高域通過型のフィルタの遮断周波数以上の周波数の信号の多さ又は大きさに応じて、前記低域通過型のフィルタの遮断周波数を相対的に低周波数側にシフトさせる周波数シフト手段を含むことを特徴とする。
前記排気ガスセンサは、前記内燃機関に配置された触媒よりも下流に設けられた下流側空燃比センサを含み、
前記内燃機関がフューエルカット、始動運転、触媒暖機完了前の少なくとも1つの運転条件で運転されるときに、前記低域通過型のフィルタの遮断周波数を、高周波数側にシフトさせる特定運転条件周波数シフト手段を含むことを特徴とする。
前記内燃機関の前記排気通路には、触媒が設けられ、
前記排気ガスセンサは、
前記触媒の上流に設けられた、限界電流式の上流側排気ガスセンサと、
前記触媒の下流に設けられた、限界電流式の下流側排気ガスセンサと、
を含み、
前記低域通過型のフィルタは、前記上流側排気ガスセンサの出力信号に対して遮断周波数以下の周波数の信号を通過させるように濾波を行う第1の低域通過型のフィルタと、前記下流側排気ガスセンサの出力信号に対して遮断周波数以下の周波数の信号を通過させるように濾波を行う第2の低域通過型のフィルタと、を含み、
前記高域通過型のフィルタは、前記上流側排気ガスセンサの出力信号に対して遮断周波数以上の周波数の信号を通過させるように濾波を行う第1の高域通過型のフィルタと、前記下流側排気ガスセンサの出力信号に対して遮断周波数以上の周波数の信号を通過させるように濾波を行う第2の高域通過型のフィルタと、を含み、
前記周波数調整手段は、
前記第1の高域通過型のフィルタを通過した信号に基づいて、前記第1の低域通過型のフィルタの遮断周波数を調節する第1周波数調整手段と、
前記第2の高域通過型のフィルタを通過した信号に基づいて、前記第2の低域通過型のフィルタの遮断周波数を調節する第2周波数調整手段と、
を含むことを特徴とする。
図1は、本発明の実施の形態にかかる排気ガスセンサの信号処理装置の構成を、これが適用される内燃機関の構成の一部とともに示す図である。本実施の形態の制御装置が適用される内燃機関は自動車用の内燃機関であり、より具体的には、予混合燃焼式の4ストローク1サイクルレシプロエンジンである。本実施の形態の信号処理装置は、そのような内燃機関の運転を総合制御するECU(Electronic Control Unit)の一つの機能として実現される。
以下、内燃機関10の具体的構成について説明する。ただし各構成の図示は省略する。内燃機関10は、内部にピストンを有し、このピストンはクランク機構を介してクランクシャフトと接続されている。クランクシャフトの近傍には、クランク角センサが設けられている。クランク角センサは、クランクシャフトの回転角度(以下「クランク角」という。)CAを検出するように構成されている。シリンダブロック上部にはシリンダヘッドが組み付けられており、ピストン上面からシリンダヘッドまでの空間は燃焼室を形成している。シリンダヘッドには、燃焼室内の混合気に点火する点火プラグが設けられている。
インジェクタの上流にはスロットルバルブが設けられている。スロットルバルブは、スロットルモータにより駆動される電子制御式のバルブである。スロットルバルブは、アクセル開度センサにより検出されるアクセル開度AAに基づいて駆動されるものである。スロットルバルブの近傍にはスロットル開度を検出するスロットル開度センサが設けられている。スロットルバルブの上流には、熱線式のエアフロメータが設けられている。エアフロメータは吸入空気量Gaを検出するように構成されている。エアフロメータの上流にはエアクリーナが設けられている。
将来のエミッション規制の強化、OBD規制の強化、触媒貴金属の低減に伴い、制御性、ロバスト性の高い空燃比制御システムが求められている。この要求に対しては、三元触媒(S/C)の前後に空燃比センサ(例えば限界電流式空燃比センサ)を配置したシステムが将来的に有望である。本実施形態は、このような触媒前後にそれぞれ空燃比センサを配置した空燃比制御システムにおいて、本発明に係る空燃比センサの出力処理技術を適用するものである。
空燃比センサ22、26は、センサ素子部(図示せず)を有している。空燃比センサ22、26のセンサ素子部は、検出素子としての固体電解質層を有している。この固体電解質層は、部分安定化ジルコニアよりなり、酸素イオン導電性を有する。固体電解質層の一面には、計測電極が設けられている。また、この固体電解質層の他面には、大気側電極(「基準ガス側電極」ともいう。)が設けられている。これらの計測電極及び大気側電極は、ともに白金等よりなり、リードを介して後述のECU50にそれぞれ接続されている。また、固体電解質層の一面には、多孔質拡散抵抗層が形成されている。多孔質拡散抵抗層は、計測電極を覆い、かつ、該計測電極に排気ガスを導入するためのガス透過層と、排気ガスの透過を抑制するガス遮断層とを有している。これらのガス透過層及びガス遮断層は、アルミナやジルコニア等のセラミックスよりなり、平均孔径や気孔率が互いに相違している。
固体電解質層の他面には、大気導入ダクトが形成されている。大気導入ダクトは、上部に大気室(「基準ガス室」ともいう。)を有している。この大気室内に上記大気側電極が配置されている。大気導入ダクトは、アルミナ等の高熱伝導性セラミックスよりなる。大気導入ダクトの下面には、ヒータが設けられている。ヒータは、通電により発熱する複数の発熱体と、該発熱体を覆う絶縁層bとを有している。発熱体は、リードを介してECUに接続されている。
上記のセンサ素子部は、酸素濃度を直線的特性にて検出することができ、検出した酸素濃度に応じた限界電流をECU50に出力し得る。この空燃比センサ出力(限界電流)は、排気ガスの空燃比と相関を有している。具体的には、排気ガスの空燃比がリーン側になるほど限界電流は増大し、排気ガスの空燃比がリッチ側になるほど限界電流は減少する。
図1に示すように、本実施形態は、制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50の出力側には、点火プラグ、インジェクタ、スロットルモータ等が接続されている。ECU50の入力側には、冷却水温センサ、クランク角センサ、アクセル開度センサ、スロットル開度センサ、エアフロメータ、空燃比センサ等が接続されている。ECU50は、クランク角センサの出力に基づいて、機関回転数NEを算出する。また、ECUは、アクセル開度センサにより検出されるアクセル開度AA等に基づいて、機関負荷KLを算出する。ECUは、機関回転数NEや機関負荷KL等に基づいて、燃料噴射量を決定する。
前述したように、本実施形態においては、三元触媒(S/C)の前後に限界電流式の空燃比センサ22、26をそれぞれ配置したシステムを用いている。このようなシステムによれば、触媒下流の排気ガスの濃度(つまり酸素濃度、空燃比)をリニアに検出することができ、触媒24の内部の状態についての適切なモニタリングを行うことができる。
触媒24の上流および下流にそれぞれ空燃比センサ22、26を配置してその出力信号を用いる場合、以下の点を考慮した出力信号処理を行うことが好ましい。すなわち、触媒の上流および下流に配置した空燃比センサに共通する事項として、電流検知式の空燃比センサの特有の電気信号ノイズへの対処を行うことが好ましい。この電気信号ノイズは、単なる外的な要因による電気ノイズだけではなく、空燃比センサの反応時定数を加味し、空燃比センサが感知している排気ガスの変化の状態をモニタすることができる最適なフィルタ処理を行うことが好ましい。具体的には、例えば一般的なジルコニアを用いた空燃比センサの応答性は、最も早いものであっても100ms程度であり、この反応速度を加味したフィルタ処理を行うことが好ましい。この点を考慮して、実施の形態にかかる排気ガスセンサの信号処理装置では、ローパスフィルタ30のカットオフ周波数が100Hzに設定されている。これにより、触媒24の上流に配置した空燃比センサ22の出力信号に対して、100Hz以下の信号を通過させるフィルタ処理を行うことができる。
さらに、実施の形態にかかる排気ガスセンサの信号処理装置では、下記に述べるように、ハイパスフィルタ32、42を通過した信号(すなわち、ハイパスフィルタ32、42を通過した信号中に含まれる、ハイパスフィルタ32、42の遮断周波数以上の周波数の信号)の量に基づいて、ローパスフィルタ30、40の可変な遮断周波数を調節する。
実施の形態にかかる内燃機関においては、その制御装置であるECU50が、上記のハイパスフィルタ32、42の通過後に認められる信号の量が所定値を超えた場合に(或いは、ハイパスフィルタ32、42の出力感度が所定値を超えた場合に)空燃比センサに劣化(故障)が生じているものと判定する処理を実行する(図2の処理S110、S130)。このような判定処理は、ECU50に予め記憶されたプログラムの実行により実現される。
空燃比センサ22、26が正常な状態にあるならば、各空燃比センサの出力信号にハイパスフィルタ32、42を通過してくるほどに高い周波数の信号が含まれることは想定しにくい。一方、これに反してハイパスフィルタ通過信号の増大が認められた場合には(つまり遮断周波数より高い周波数域における感度が増大した場合には)、拡散層クラック等により、排気ガス或いは触媒内雰囲気を正確に検出できないレベルの劣化や故障が、空燃比センサに生じているものと判断できる。上記の判定処理の実行によれば、このような異常の検出を行うことができる。これにより、空燃比センサ22、24のそれぞれについて、故障を速やかに判定することができ、空燃比制御システム、特に低貴金属触媒システム等におけるエミッション悪化を検知、抑制することが可能となる。
なお、特定の運転条件では、過渡における出力応答が、制御上で要求されているレベル以上になまされる(時間軸方向に平滑化される)可能性がある。この特定の運転条件とは、具体的には、フューエルカットやエンジン始動時、触媒暖機完了前状態を指しており、これらの運転条件下においては、触媒下流の空燃比センサ(空燃比センサ26)の出力信号を濾波するローパスフィルタ40の通過周波数域を100Hz以下にすることが好ましい。そこで、実施の形態にかかる排気ガスセンサの信号処理装置では、ローパスフィルタ40もその遮断周波数が可変なフィルタ回路として、内燃機関10の運転条件が上記の各運転条件に該当するときにはローパスフィルタ40の遮断周波数を100Hzに設定する。
特に、実施の形態にかかる排気ガスセンサの信号処理装置によれば、遮断周波数以上の周波数の信号の多さ又は大きさに応じて、ローパスフィルタ30、40それぞれの遮断周波数を相対的に低周波数側にシフトさせることができる。その結果、空燃比センサ22、26による検出の感度が過度に良好になることで空燃比制御の精度が悪化してしまうことを抑制することができる。
図3は、本発明の実施の形態にかかる排気ガスセンサの信号処理装置の構成の変形例を、これが適用される内燃機関の構成の一部とともに示す図である。図3の構成では、排気通路20に、図1における触媒24に代えて、タンデム触媒34が設けられている。そして、触媒24の下流位置に配置した空燃比センサ26に代えて、図3では、タンデム触媒34の中央に、空燃比センサ36が配置されている。このようなシステムにおいて、上記の実施の形態にかかる排気ガスセンサの信号処理装置で行ったフィルタ処理(図2)を同様に適用しても良い。
また、上記の実施の形態における「空燃比センサの劣化判定」の欄で説明したように、実施の形態にかかる排気ガスセンサの信号処理装置では、ECU50が、上記のハイパスフィルタ32、42の通過後に認められる信号の量が所定値を超えた場合に(或いは、ハイパスフィルタ32、42の出力感度が所定値を超えた場合に)空燃比センサに劣化(故障)が生じているものと判定した。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。ローパスフィルタ出力に対して所定値以上の「感度比」に達した場合に、空燃比センサに劣化が生じているものと判定する処理を実行してもよい(図2の処理S110、S130)。
ここでいう「感度比」とは、具体的には、ローパスフィルタ通過信号に対するハイパスフィルタ通過信号の比を指している。空燃比センサ22、26が正常な状態にあるならば、各空燃比センサの出力信号にハイパスフィルタ32、42を通過してくるほどに高い周波数の信号が含まれることは通常は考え難いため、感度比の値もこれに応じた特定、一定の値となるはずである。従って、この感度比が通常時に比して大きい場合(具体的には所定値以上など)には、拡散層クラック等により、排気ガス或いは触媒内雰囲気を正確に検出できないレベルの劣化が、空燃比センサに生じているものと判断できる。このような感度比に基づく判断により、空燃比センサ22、24のそれぞれについて、その故障を速やかに判定することができ、空燃比制御システム、特に低貴金属触媒システム等におけるエミッション悪化を検知、抑制してもよい。
なお、上記の実施の形態では、触媒前後にそれぞれ空燃比センサを配置した空燃比制御システムにおいて、本発明に係る実施の形態にかかる排気ガスセンサの出力信号処理技術を適用した。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。空燃比センサが1つである空燃比制御システムに対しても、その空燃比センサと触媒との位置関係(上流か下流か)に応じて、実施の形態にかかる排気ガスセンサの信号処理装置のうち空燃比センサ22または空燃比センサ26について適用した信号処理内容を同様に適用してもよい。
20 排気通路
22 空燃比センサ
24 触媒
26 空燃比センサ
30 ローパスフィルタ
32 ハイパスフィルタ
34 タンデム触媒
36 空燃比センサ
40 ローパスフィルタ
42 ハイパスフィルタ
Claims (4)
- 内燃機関の排気通路に備えられ、排気ガス中の酸素濃度に応じて出力を変化させる排気ガスセンサと、
遮断周波数が可変であって前記排気ガスセンサの出力信号に対して遮断周波数以下の周波数の信号を通過させるように濾波を行う低域通過型のフィルタと、
前記低域通過型のフィルタを通過した信号を、前記内燃機関の空燃比の制御に利用する情報として、前記内燃機関の制御装置に対して伝達する手段と、
前記排気ガスセンサの出力信号に対して遮断周波数以上の周波数の信号を通過させるように濾波を行う高域通過型のフィルタと、
前記高域通過型のフィルタを通過した信号に基づいて、前記低域通過型のフィルタの遮断周波数を調節する周波数調整手段と、
を備えることを特徴とする排気ガスセンサの信号処理装置。 - 前記周波数調整手段は、前記高域通過型のフィルタを通過した信号中に含まれる前記高域通過型のフィルタの遮断周波数以上の周波数の信号の多さ又は大きさに応じて、前記低域通過型のフィルタの遮断周波数を相対的に低周波数側にシフトさせる周波数シフト手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の排気ガスセンサの信号処理装置。
- 前記排気ガスセンサは、前記内燃機関に配置された触媒よりも下流に設けられた下流側空燃比センサを含み、
前記内燃機関がフューエルカット、始動運転、触媒暖機完了前の少なくとも1つの運転条件で運転されるときに、前記低域通過型のフィルタの遮断周波数を、高周波数側にシフトさせる特定運転条件周波数シフト手段を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の排気ガスセンサの信号処理装置。 - 前記内燃機関の前記排気通路には、触媒が設けられ、
前記排気ガスセンサは、
前記触媒の上流に設けられた、限界電流式の上流側排気ガスセンサと、
前記触媒の下流に設けられた、限界電流式の下流側排気ガスセンサと、
を含み、
前記低域通過型のフィルタは、前記上流側排気ガスセンサの出力信号に対して遮断周波数以下の周波数の信号を通過させるように濾波を行う第1の低域通過型のフィルタと、前記下流側排気ガスセンサの出力信号に対して遮断周波数以下の周波数の信号を通過させるように濾波を行う第2の低域通過型のフィルタと、を含み、
前記高域通過型のフィルタは、前記上流側排気ガスセンサの出力信号に対して遮断周波数以上の周波数の信号を通過させるように濾波を行う第1の高域通過型のフィルタと、前記下流側排気ガスセンサの出力信号に対して遮断周波数以上の周波数の信号を通過させるように濾波を行う第2の高域通過型のフィルタと、を含み、
前記周波数調整手段は、
前記第1の高域通過型のフィルタを通過した信号に基づいて、前記第1の低域通過型のフィルタの遮断周波数を調節する第1周波数調整手段と、
前記第2の高域通過型のフィルタを通過した信号に基づいて、前記第2の低域通過型のフィルタの遮断周波数を調節する第2周波数調整手段と、
を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の排気ガスセンサの信号処理装置。
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