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JP2012011361A - 順浸透膜、順浸透膜を用いた海水処理装置および順浸透膜を用いた海水処理方法 - Google Patents

順浸透膜、順浸透膜を用いた海水処理装置および順浸透膜を用いた海水処理方法 Download PDF

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JP2012011361A
JP2012011361A JP2010153037A JP2010153037A JP2012011361A JP 2012011361 A JP2012011361 A JP 2012011361A JP 2010153037 A JP2010153037 A JP 2010153037A JP 2010153037 A JP2010153037 A JP 2010153037A JP 2012011361 A JP2012011361 A JP 2012011361A
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osmosis membrane
semipermeable membrane
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JP2010153037A
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Yuzuru Tominaga
譲 富永
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Fujifilm Corp
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Fujifilm Corp
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Abstract

【課題】透過流速が高く、かつ、強度にも優れたFO膜を提供する。
【解決手段】順浸透膜は、厚みが1μm以下の半透膜の膜面と支持体が、規則性をもって部分的に接着しており、半透膜と支持体の接着割合が、正射影によって観察したとき半透膜の膜面の0%を超え30%未満であることを特徴とする。半透膜と支持体を規則的、かつ、部分的に接着させることにより、FO膜に必要な強度を保ちつつ、透過流速を向上させることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、順浸透法に用いる順浸透膜に関する。さらに、順浸透膜を用いた海水処理装置および海水処理方法に関する。
水不足は、世界中の乾燥地域や人口密度の高い地域において深刻な問題となっている。そこで、海水から塩を除去する海水処理技術が求められている。
海水処理技術としては、膜処理法が知られており、該膜処理法では、通常、半透膜が用いられる。半透膜は、特定の大きさ以下の分子やイオンのみを透過させる膜として知られ、例えば、海水中の水は透過させるが塩は透過させない膜である。そして、溶質濃度が互いに異なる2種の溶液を、半透膜を隔てて接触させると、両溶液間に浸透圧差が生じ、溶質濃度が低い側、すなわち、浸透圧の低い側の溶液の溶媒が、溶質濃度が高い側、すなわち、浸透圧の高い側へ浸透する。この浸透現象は、理論的には、浸透圧差がゼロになる段階まで続く。例えば、海水と水とを半透膜を隔てて接触させた場合、水が海水側へ浸透して、平衡状態を形成しようとする。
このような半透膜を利用した膜処理法として、逆浸透法(RO法)と順浸透法(FO法)が知られている。
RO法は、浸透圧の高い側から浸透圧の低い側へ水等の低分子成分を逆行して浸透させる技術である。このような逆浸透を起こさせるため、RO法では、浸透圧が高い側に、両溶液の浸透圧差を超える高い圧力を印加する。例えば、海水から水を分離する場合、海水と水とを半透膜を隔てて接触させ、海水側に、海水と水の浸透圧差を超える圧力、通常は、該浸透圧差をはるかに上回る圧力を印加して、海水中の水を水側に浸透させる。
これに対し、FO法は、特許文献1および特許文献2においても開示されているとおり、浸透圧の高いドロー溶液(draw溶液)を用いて、人為的に、2種の溶液間に浸透圧差を生じさせて溶媒を移動させる方法である。具体的には、原料溶液であるフィード溶液(feed溶液)と、該フィード溶液より浸透圧の高いドロー溶液とを半透膜を隔てて接触させる。そうすると、両溶液の浸透圧差により、フィード溶液の溶媒がドロー溶液側へ浸透する。その後、ドロー溶液中の溶質成分を揮発させて回収することにより、フィード溶液の溶媒を分取する。また、逆に、濃縮されたフィード溶液を分取する場合もある。
以下に、海水から水を分離する場合の一例を図1に従って説明する。
図1は、FO法を利用した海水処理装置の一例を示したものであって、実線の矢印は海水または海水から分離された水11の流れを、点線はドロー溶液またはドロー溶液の溶質12の流れを、それぞれ示している。最初に、海水11とドロー溶液12とが、半透膜13を介して接触する。海水11中の水は、半透膜13を介して、ドロー溶液12側に浸透する。そして、蒸留塔14中において、海水の水によって希釈されたドロー溶液からドロー溶液の溶質成分を揮発させることによって、水16と、ドロー溶液の溶質成分15とに分離する。ドロー溶液の溶質成分15は、ガス吸収器17を得てガス化された後、希釈されたドロー溶液に溶解され、ドロー溶液12として再利用される。尚、18は圧力計である。
このように、RO法とFO法は、半透膜を利用する点では共通するが、そのメカニズムは全く異なっている。そのため、RO法に用いられる逆浸透膜(RO膜)と、FO法に用いられる順浸透膜(FO膜)に求められる機能も大きく異なっている。
半透膜部分については、膜厚が薄いほど水の透過速度が向上し、実用的な透過速度を達成するために、どちらの場合も半透膜の膜厚は1μm以下と非常に薄い。ここで、半透膜が極薄であるため半透膜を支持体により保持する必要がある。
この支持体部分について、RO法では、浸透圧差をはるかに上回る高い圧力を印加して逆浸透を起こさせるため、支持体付与により半透膜に高い圧力耐性を持たせる必要がある。従って支持体は精密ろ過膜と不織布の積層構造のように、非常に孔径が小さく、膜厚も厚いものが必要となる。
これに対し、FO法では、溶液の濃度差が浸透の駆動力となるため、半透膜近傍における濃度勾配が重要なポイントとなる。図2は、FO膜の一般的な構成を示す概略図であって、21はフィード溶液側を、22はドロー溶液側を、23は半透膜を、24は支持体を示している。また、矢印は、フィード溶液の溶媒の流れを示している。また、図2では、支持体24はドロー溶液側22に設けられているが、フィード溶液側21に設けられている場合や両側に設けられている場合もある。ここで、支持体24にRO膜と同様のものを用いると、支持体中では、溶質成分の拡散が大きく低下する。この拡散の遅れは、支持体中での溶質濃度のさらなる低下を引き起こす。この現象を濃度分極といい、これにより、フィード溶液とドロー溶液の浸透圧差が大きく低下し、水の透過流速も減少してしまう。例えば、海水を、二酸化炭素とアンモニアを含むドロー溶液を用いて処理する場合、海水側の半透膜近傍では塩由来のナトリウムイオンや塩化物イオンの濃度が高くなり、ドロー溶液側の半透膜近傍では、特に支持体中では、二酸化炭素由来の炭酸イオンやアンモニア由来のアンモニウムイオンの濃度が低くなって、浸透圧差が小さくなり、海水中の水が半透膜を浸透しにくくなる。
従って、半透膜の両方の側において、このような濃度分極を抑制し、かつ、必要な強度を有するFO膜が求められる。
上述のとおり、RO法とFO法では、浸透のメカニズムが異なることから、RO膜とFO膜に要求される性能は完全に異なっている。特に、RO膜は、浸透後の液体が、透過流速に影響を与えることがないため、FO膜のような半透膜の近傍における濃度分極が問題にならない。逆に、FO膜では、機械的圧力を付与しないため、RO膜のように高い圧力に耐えられる強度は求められない。
ここで、FO法に使われるFO膜として、特許文献3には、半透膜をナノファイバー上に塗布して形成することにより、半透膜を補強することが記載されている。また、FO膜に関する技術ではないが、特許文献4には、多孔質膜と支持体を部分的に接着させる技術が知られている。
ここで、RO法については種々の検討が行われてきたが、FO法については、これまで、研究が殆ど行われてこなかった。しかしながら、近年、環境問題が重要視されるようになっており、エネルギーの再利用の観点からFO法を活用することが求められつつある。すなわち、FO法では、エネルギーは、実質的には、上述のドロー溶液の分離のための蒸留の段階で使われる熱エネルギーのみであり、圧力を印加して浸透を促進させるRO法に比べて、著しいエネルギーの削減が見込める。加えて、FO法で用いるエネルギーは、排エネルギーの利用が見込める。従って、FO法のさらなる開発が望まれる。
米国特許第6391205号明細書 米国特許出願公開第2005/0145568号明細書 国際公開WO2008/137082号パンフレット 特開平10−66847号公報
上述のとおり、FO法についてはさらなる技術の進歩が求められる。ここで、上記特許文献3に記載のFO膜について本願発明者が検討したところ、透過流速が十分ではないことが分かった。これは、FO膜の強度を向上させようとした結果、透過流速が低下してしまったものと考えられた。
本願発明はかかる問題点を解決するものであって、透過流速が高く、かつ、強度にも優れたFO膜を提供することを目的とする。
かかる状況のもと、本願発明者が、上記特許文献3について検討したところ、該特許文献3では、半透膜をナノファイバー上に塗布して製膜しているため、正射影で観察した場合、支持体としてのナノファイバーの、実質的に100%の領域について、半透膜と接着していることが原因であると考えられた。
ここで、FO膜に用いる半透膜を支持体で支持する際、半透膜を支持体に完全に接着させることが必要不可欠であると考えられていた。しかしながら、本願発明者が検討したところ、この極めて常識的な技術が、透過流速の低下に起因していることが分かった。これは、FO膜における半透膜が非常に薄いことに基づく。すなわち、例えば、特許文献4のようなろ過膜では、ろ過膜の厚さを厚くできるため、該ろ過膜と支持体とが接着していても、液体は、ろ過膜内を自由に流動できるため、液体の流速はそれほど低下しない。これに対し、FO膜では、半透膜の厚さが薄いことが求められるため、半透膜と支持体とが接着すると、半透膜内の液体の流動が著しく阻害され、結果、透過流速に大きく影響していることが分かった。一方、半透膜と支持体の接着面積の割合を減らすと、得られるFO膜の強度が劣ることが当然に予測された。
かかる状況のもと、本願発明者が、鋭意検討を行った結果、驚くべきことに、半透膜を支持体で支持する際、半透膜と支持体の接着割合を、正射影によって観察したとき半透膜の膜面の0%を超え30%未満とすることにより、FO法に用いる膜として、必要な透過流速および強度を維持することが可能であることが分かった。
具体的には、本発明は以下の手段により達成された。
(1)厚みが1μm以下の半透膜の膜面と支持体とが、規則性をもって部分的に接着しており、半透膜と支持体の接着割合が、正射影によって観察したとき半透膜の膜面の0%を超え30%未満である、順浸透膜。
(2)半透膜の膜面と支持体の接着割合が、半透膜の膜面の1%以上30%未満である、(1)に記載の順浸透膜。
(3)支持体と半透膜が、ドット状、線状、または、網目状に接着している、(1)または(2)に記載の順浸透膜。
(4)支持体が、天然高分子、合成高分子、金属、ガラス、セラミック、炭素繊維、ならびに、これらの複合物から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の順浸透膜。
(5)支持体が、炭酸アンモニウム、アンモニア、炭酸およびアミン類のいずれか1種以上を含む溶液に対して耐性を有する、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の順浸透膜。
(6)前記支持体がメッシュである、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の順浸透膜。
(7)支持体が有する孔の80%以上についての孔径が、孔の平均孔径の±10μm以内に分布している、(6)に記載の順浸透膜。
(8)支持体が、孔径1000μm以下の孔を有する、(1)〜(7)のいずれか1項に記載の順浸透膜。
(9)支持体の空隙率が、0.05以上である、(1)〜(8)のいずれか1項に記載の順浸透膜。
(10)支持体が半透膜の両面に設けられている、(1)〜(9)に記載の順浸透膜。
(11)前記接着が、支持体の熱融着により行われることを特徴とする、(1)〜(10)のいずれか1項に記載の順浸透膜。
(12)前記支持体が、熱融着性のポリエステルまたはポリプロピレンである、(11)に記載の順浸透膜。
(13)前記接着が、接着剤を用いて行われることを特徴とする(1)〜(10)のいずれか1項に記載の順浸透膜。
(14)(1)〜(13)のいずれか1項に記載の順浸透膜を有する順浸透装置。
(15)海水処理装置として用いることを特徴とする、(14)に記載の順浸透装置。
(16)(1)〜(15)のいずれか1項に記載の順浸透膜を用いることを特徴とする、海水処理法。
本発明により、強度に優れ、かつ、透過流速に優れたFO膜の提供が可能になった。
図1は、FO法を用いて海水を処理する場合の従来技術を示す概略図である。 図2は、従来のFO膜を用いて、FO法を行う場合を示す概略図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明の順浸透膜は、厚みが1μm以下の半透膜の膜面と支持体が、規則性をもって部分的に接着しており、半透膜と支持体の接着割合が、正射影によって観察したとき半透膜の膜面の0%を超え30%未満であることを特徴とする。このように、半透膜と支持体を規則的、かつ、部分的に接着させることにより、FO膜に必要な強度を保ちつつ、透過流速を向上させることができる。
本発明では、半透膜と支持体は、規則性をもって部分的に接着している。例えば、ドット状、線状、または、網目状に接着している場合をいう。接着方法は特に定めるものではないが、通常、接着剤による接着や熱融着による接着が好ましく採用される。
熱融着による接着としては、例えば、支持体として熱によって融着する材料を用い、熱融着を行うことができる。この場合、支持体として、例えば、メッシュを採用すると、メッシュは網目状の形状をしているため、メッシュの膜面全体を熱融着すれば、網目状の部分接着が容易に行える。
接着剤で接着する場合、その種類等は特に定めるものではないが、例えば、エポキシ系接着剤を採用することができる。
本発明では、また、正射影によって観察したとき、半透膜の膜面の0%を超え30%未満の割合において、接着している。半透膜の膜面と支持体の接着割合は、半透膜の膜面の1%を超え30%未満であることが好ましく、半透膜の膜面の5%以上30%未満であることが好ましく、半透膜の膜面の10%以上30%未満であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、本発明の効果をより効果的に発揮させることが可能になる。
また、正射影とは、FO膜を膜面に垂直な平面上に下した垂線の足の軌跡をいう。従って、支持体が複数の糸や繊維等が折り重なって構成されている場合は、重なっている部分については、重なっている糸等のいずれかに接着している場合は、その部分は接着状態にあるとする。
ここで、本願発明における半透膜とは、一定の大きさ以下の分子、イオン、イオンの水和物のみを透過させ、大きな分子等は通過させない膜をいう。例えば、海水から塩を除く場合のように、海水等の溶液から水等の溶媒のみを通過させたい場合、該溶媒のみを通過させ、塩由来のイオン水和物等の溶質を通過させない膜をいう。
本発明で用いる半透膜の厚さは、1μm以下であるが、500nm以下であることが好ましく、400nm以下であることがより好ましい。下限値は特に定めるものではないが、例えば、10nm以上とすることができる。本発明では、このように薄い半透膜を用いて、濃度勾配を高めつつ、FO膜に必要な強度を保つことが可能になる。
本発明で用いる半透膜の密度は、好ましくは、1.0g/cm3〜2.5g/cm3であり、より好ましくは、1.1g/cm3〜1.8g/cm3である。
半透膜の材料としては、特に定めるものではないが、再生セルロース、セルロースエステル、ポリアクリロニトリル、テフロン(登録商標)、ポリエステル系ポリマーアロイ、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルフォンが例示され、セルロースエステル、ポリアミド、ポリイミドが好ましく、セルロースエステル、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミドがより好ましい。
セルロースとしては、酢酸セルロースが好ましく、該酢酸セルロースの水酸基のアセチル基への置換度は、2.0〜3.0が好ましい。
本発明で用いる支持体の形状は、本発明の趣旨を逸脱しない限り特に定めるものではないが、例えば、不織布、メッシュ(織布)、パンチングメタル等が挙げられ、孔径の均一性、空隙率、加工適正、コスト等を考慮すると、メッシュ(織布)が好ましい。メッシュは、溶媒の流路を構成するため、浸透がよりスムーズになるという利点もある。
前記支持体の平均開口径としては、10μm〜1000μmであり、10μm〜400μmが好ましく、20μm〜100μmがより好ましい。
前記平均開口径を、10μm以上とすることにより、濃度分極による透過流束の低下をより効果的に抑制することができ、1000μm以下とすることにより、半透膜の破壊をより効果的に防ぐことができる。
前記平均開口径は、光学顕微鏡による観察もしくは、ポロメータを用いて、CUMULATIVE FILTER FLOW VS DIAMETERグラフにおけるCUMULATIVE FILTER FLOWの値が50%のDIAMETERとして測定することができる。
前記不織布及び織布における目付け量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1g/m2〜1kg/m2が好ましく、10g/m2〜500g/m2がより好ましく、10g/m2〜100g/m2が特に好ましい。
1g/m2以上とすることにより、支持体として強度が向上する傾向にあり、1kg/m2以下とすることにより、開口を有する層として繊維の比重が低くなり、濃度分極による透過流束の低下をより効果的に抑制することが可能になる。
本発明における支持体は、孔径1000μm以下の孔を有することが好ましく、より好ましくは700μm以下であり、さらに好ましくは500μm以下である。下限値としては特に定めるものではないが、例えば、10μm以上とすることができる。ここで、孔の形状は、円形、楕円形、角形等種々の形状のものであってもよい。支持体がメッシュの場合、孔径は、メッシュの4本の糸によって構成される領域の径をいい、市販品については、通常、カタログ等に記載されている。また、楕円形等の擬似円形の場合の孔径は、円形に換算した場合の径をいう。また、本発明では、孔の80%以上についての孔径が、孔の平均孔径の±10μm以内に分布していることが好ましく、±5μm以内に分布していることがより好ましい。このような均一な孔径のものは、支持体をメッシュとすることにより容易に達成される。
また、本発明における支持体の空隙率は、0.05以上であることが好ましく、より好ましくは0.2以上であり、さらに好ましくは0.5以上である。空隙率を0.05以上とすることにより、支持体内の物質移動抵抗を低下させることができ、透過流速を向上させることができる。上限値としては特に定めるものではないが、例えば、0.9以下とすることができる。
本発明における空隙率(ε)とは、支持体中の全容積に対する、その中に含まれるすきまの容積の割合をいう。
支持体の材料は、本発明の趣旨を逸脱しない限り特に定めるものではないが、天然高分子、合成高分子、金属、ガラス繊維、セラミック、炭素繊維、ならびに、これらの複合物から選択される少なくとも1種が例示される。天然高分子としては、セルロース等が例示され、合成高分子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン(登録商標)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等が例示され、金属としては、亜鉛、銅、鉄、ステンレス鋼(SUS)、アルミ等が例示される。本発明では、支持体と半透膜を熱融着する場合、支持体は熱によって融着する材料からなることが好ましく、110℃〜180℃の熱によって融着する材料であることがより好ましく、110℃〜180℃の熱によって融着するポリエステルまたはポリプロピレンであることがさらに好ましい。
本発明では、特に、また熱融着の際に支持体の変形を防ぐため、芯部にポリエチレンテレフタレートなど融着する温度が高い(例えば、200〜300℃の熱によって融着する)の材料を、鞘部に110℃〜180℃の熱によって融着する材料を用いた、芯鞘構造からなる繊維を用いた支持体を用いることができる。このような支持体を採用することにより、支持体の変形による膜の破損や、支持体の孔の閉塞を防ぐことができる。
前記ポリエステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、及びポリブチレンサクシネート樹脂を含む重合体が挙げられる。
本発明で用いる支持体は、炭酸アンモニウム、アンモニア、炭酸およびアミン類のいずれか1種以上を含む溶液に対して耐性を有することが好ましい。本発明のFO膜はFO法に用いられるが、FO法で用いるドロー溶液は、通常、炭酸アンモニウム、アンモニア、炭酸およびアミン類のいずれか1種以上を含む。従って、このようなドロー溶液の成分に対して耐性を有することは、装置の耐久性向上の観点から好ましい。
ここで、耐性を有するとは、支持体をこれらの溶液に一日間、25℃で浸漬させたときに、重量変化率が20%以下のものをいう。
本発明では支持体が、半透膜と部分的にのみ接着しているため、使用中に半透膜層が支持体上で僅かに移動する場合がある。従って、支持体を構成する部分は、突起がなく滑らかで、摩擦が小さな表面であることが望ましい。
本発明における支持体の厚さ(t)は、好ましくは1μm≦t≦500μmであり、より好ましくは10μm≦t≦300μmであり、さらに好ましくは50μm≦t≦200μmである。膜厚保を500μm以下とすることにより、支持体内の物質移動抵抗を低下させることができ、1μm以上とすることにより、強度を向上させることができる。
本発明における支持体は、半透膜の片側に設けられていてもよいが、半透膜の両側に設けられていることが好ましい。このような構成とすることにより、より効果的に本発明の効果を発揮させることができる。
本発明のFO膜を用いた、処理装置では、一般的に、複数の蒸留カラムを使用して、溶液中の溶質と溶媒とを分離する。本発明における処理装置は、海水や半塩水の塩と水への分離、廃水の精製、汚染水の浄化、浸透圧熱機関(OHE)等に用いることができる。また、果汁や野菜ジュースの濃縮等にも用いることができる。
上述したものの他、本発明においては、本発明を逸脱しない範囲内において、米国特許第6391205号明細書、米国特許出願公開第2005/0145568号明細書、国際公開WO2007/146094号パンフレットに記載の技術を採用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
(比較例1)
半透膜1の作成
ポリエチレンテレフタレート(PET)シート上に、ポリビニルアルコール(PVA)6%溶液を乾燥膜厚が約2μmになるように塗布して100℃で乾燥させた。得られたシートのPVA表面に、酢酸セルロース(置換度 約2.15)をアセトン:シクロヘキサン=1:1混合溶媒に重量濃度1.65%で溶解させた溶液を乾燥膜厚が0.35μmになるように塗布して100℃で乾燥させた。これをイオン交換水中で70℃、5分間浸漬させ、PVAを溶解することで、PETシートと酢酸セルロース膜を剥離し、半透膜1を得た。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート(PET)シート上に、ポリビニルアルコール(PVA)6%溶液を乾燥膜厚が約2μmになるように塗布して100℃で乾燥させた。得られたシートのPVA表面に、酢酸セルロース(置換度52%)をアセトン:シクロヘキサン=1:1混合溶媒に重量濃度1.65%で溶解させた溶液を乾燥膜厚が0.35μmになるように塗布して100℃で乾燥させた。
ここで、接着性の支持体として、芯鞘構造からなる熱融着性のポリエステルを糸として用いたメッシュ(熱融着性ポリエステル、ダイオ化成(株)製、ダイオメッシュ 50−70PTNW、糸径:70μm、孔径:430μm、空隙率:0.74)を用い、熱融着(130℃)により、該支持体に接着させた。これをイオン交換水中で70℃、5分間浸漬させ、PVAを溶解することで、PETシートと酢酸セルロース膜を剥離し、FO膜を得た。
(実施例2)
実施例1において、芯鞘構造からなる熱融着性のポリエステルを糸として用いたメッシュを、(熱融着性ポリエステル、ダイオ化成(株)製、ダイオメッシュ 70−55PTNW、糸径:55μm、孔径:310μm、空隙率:0.72)に代えた他は同様に行って、FO膜を得た。
(比較例2)
実施例1において、芯鞘構造からなる熱融着性のポリエステルを糸として用いたメッシュを、不織布(ユニチカファイバー製、メルティ(線径14μm(70%)、20μm(30%))からなる、目付量18g/m2の不織布)に代えた他は同様に行って、FO膜を得た。本FO膜は、接着割合が51%であり、また、支持体と半透膜がランダムに接着されていた。
(比較例3)
実施例1において、芯鞘構造からなる熱融着性のポリエステルを糸として用いたメッシュを、熱融着性ポリエステル(ダイオ化成(株)製、ダイオメッシュ 150(70)−55PTNW、糸径:55μm、孔径:タテ310μm、ヨコ110μm、空隙率:0.57)に代えた他は同様に行って、FO膜を得た。
(実施例3)
ポリエチレンテレフタレート(PET)シート上に、ポリビニルアルコール(PVA)6%溶液を乾燥膜厚が約2μmになるように塗布して100℃で乾燥させた。得られたシートのPVA表面に、酢酸セルロース(置換度52%)をアセトン:シクロヘキサン=1:1混合溶媒に重量濃度1.65%で溶解させた溶液を乾燥膜厚が0.35μmになるように塗布して100℃で乾燥させた。
ここで、接着性の支持体として、芯鞘構造からなる熱融着性のポリエステルを糸として用いたメッシュ(熱融着性ポリエステル、ダイオ化成(株)製、ダイオメッシュ 50−70PTNW、糸径:70μm、孔径:430μm、空隙率:0.74)を用い、接着剤(セメダイン(株)製、EP001)により支持体の接着を行った。このとき、接着剤は支持体表面にドット状に塗布し、また塗布部分が支持体表面の約25%を占めるように接着剤を塗布した。
これをイオン交換水中で70℃、5分間浸漬させ、PVAを溶解することで、PETシートと酢酸セルロース膜を剥離し、FO膜を得た。
(実施例4)
ポリエチレンテレフタレート(PET)シート上に、ポリビニルアルコール(PVA)6%溶液を乾燥膜厚が約2μmになるように塗布して100℃で乾燥させた。得られたシートのPVA表面に、酢酸セルロース(置換度52%)をアセトン:シクロヘキサン=1:1混合溶媒に重量濃度1.65%で溶解させた溶液を乾燥膜厚が0.35μmになるように塗布して100℃で乾燥させた。
ここで、接着性の支持体として、芯鞘構造からなる熱融着性のポリエステルを糸として用いたメッシュ(熱融着性ポリエステル、ダイオ化成(株)製、ダイオメッシュ 50−70PTNW、糸径:70μm、孔径:430μm、空隙率:0.74)を用い、半透膜側に、接着剤(セメダイン(株)製、EP001)を塗布して、支持体との接着を行った。このとき、接着剤は支持体表面にドット状に塗布し、また塗布部分が支持体表面の約25%を占めるように接着剤を塗布した。
これをイオン交換水中で70℃、5分間浸漬させ、PVAを溶解することで、PETシートと酢酸セルロース膜を剥離し、FO膜を得た。
得られたFO膜について、以下の測定を行った。
(接着面積の計測)
光学顕微鏡により半透膜側から膜表面を観察し、全面積における接着面積部分の割合から、接着面積率を算出した。
(破断圧力)
強度測定は、それぞれのFO膜を加圧式膜ろ過装置セルにセットし、そこに純水を加え、FO膜の半透膜側に圧力をかけた際に膜が破断して純水がもれる時の圧力を測定した(破断圧力)。破断圧力が0.03MPa以上が実用レベルである。
(ろ過テスト)
ろ過テストはクロスフローろ過用セル(富士フイルムテクノプロダクツ製)を用い、原水と溶質溶液を、FO膜を介して膜面に平行に流した。そして、浸透圧によるフィード溶液(原水)からドロー溶液(溶質溶液)側への水の移動量を測定した。測定は、重量変化量を測定することにより行った。ここで、フィード溶液として、純水を、ドロー溶液としてには2.5MのNaCl溶液を用いた。測定は、FO膜の支持体側を原水に向けたPROモード(溶質が半透膜側なので濃度分極の影響なし)、および、溶質溶液側に向けたFOモード(濃度分極の影響あり)の両方で行った。透過流束が3μm/s以上が実用レベルである。
(透過流速の測定)
透過流束は単位膜面積当たりの水の移動量から算出した。
これらの結果を下記表に示す。
Figure 2012011361
上記表において、孔径・線径の単位は、μmであり、破断圧力の単位は、MPaであり、水透過流速の単位は、PROモードおよびFOモードのいずれも、μm/sである。Kは、濃度分極の指標となる物質移動抵抗であり、水のFOモードにおける透過流束[μm/s]をJwとしたとき、下記式より算出した値である。
ここでA(純水透過係数[m/Pa・s])は、水のPROモードにおける透過流束[μm/s]をJw’としたとき、下記式(2)より算出した値である。D(支持体内での溶質拡散係数[m2/s])は、1.6x10-9であり、k(境膜物質移動係数[m/s])は、1.27x10-5である。
Jw=Aπexp{−Jw(1/k+K)}・・・(1)
Jw’=Aπexp(−Jw/k)・・・(2)
K(=tτ/εD):支持体内物質移動抵抗[s/m]
D:支持体内での溶質拡散係数[m2/s]
Jw:純水の透過流束[m/s]
A:純水透過係数[m/Pa・s]
π:溶質のバルクでの浸透圧[Pa]
k:境膜物質移動係数[m/s]
上記結果から明らかなとおり、本発明のFO膜を用いた場合、高い透過流速と優れた強度の両方の達成が可能であった。これに対し、比較例のFO膜では、透過流速と、強度のいずれかに劣るものとなってしまった。
11 海水
12 ドロー溶液
13 半透膜
14 蒸留塔
15 ドロー溶液の揮発成分
16 水
17 ガス吸収器
18 圧力計
21 フィード溶液
22 ドロー溶液
23 半透膜
24 支持体

Claims (16)

  1. 厚みが1μm以下の半透膜の膜面と支持体とが、規則性をもって部分的に接着しており、半透膜と支持体の接着割合が、正射影によって観察したとき半透膜の膜面の0%を超え30%未満である、順浸透膜。
  2. 半透膜の膜面と支持体の接着割合が、半透膜の膜面の1%以上30%未満である、請求項1に記載の順浸透膜。
  3. 支持体と半透膜が、ドット状、線状、または、網目状に接着している、請求項1または2に記載の順浸透膜。
  4. 支持体が、天然高分子、合成高分子、金属、ガラス、セラミック、炭素繊維、ならびに、これらの複合物から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の順浸透膜。
  5. 支持体が、炭酸アンモニウム、アンモニア、炭酸およびアミン類のいずれか1種以上を含む溶液に対して耐性を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の順浸透膜。
  6. 前記支持体がメッシュである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の順浸透膜。
  7. 支持体が有する孔の80%以上についての孔径が、孔の平均孔径の±10μm以内に分布している、請求項6に記載の順浸透膜。
  8. 支持体が、孔径1000μm以下の孔を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の順浸透膜。
  9. 支持体の空隙率が、0.05以上である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の順浸透膜。
  10. 支持体が半透膜の両面に設けられている、請求項1〜9に記載の順浸透膜。
  11. 前記接着が、支持体の熱融着により行われることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の順浸透膜。
  12. 前記支持体が、熱融着性のポリエステルまたはポリプロピレンである、請求項11に記載の順浸透膜。
  13. 前記接着が、接着剤を用いて行われることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の順浸透膜。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の順浸透膜を有する順浸透装置。
  15. 海水処理装置として用いることを特徴とする、請求項14に記載の順浸透装置。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の順浸透膜を用いることを特徴とする、海水処理法。
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