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JP2016068081A - 分離膜エレメント - Google Patents

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JP2016068081A
JP2016068081A JP2015187679A JP2015187679A JP2016068081A JP 2016068081 A JP2016068081 A JP 2016068081A JP 2015187679 A JP2015187679 A JP 2015187679A JP 2015187679 A JP2015187679 A JP 2015187679A JP 2016068081 A JP2016068081 A JP 2016068081A
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由恵 丸谷
Yoshie Marutani
由恵 丸谷
高木 健太朗
Kentaro Takagi
健太朗 高木
洋帆 広沢
Hiroho Hirozawa
洋帆 広沢
山田 博之
Hiroyuki Yamada
博之 山田
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Abstract

【課題】本発明は、長期間にわたり分離膜エレメントを運転したときに、造水量および分離除去性を安定化させることのできる分離膜エレメントを提供することを課題とする。【解決手段】集水管と、供給側流路材、供給側の面が内側を向くように前記供給側流路材を両側から挟んだ分離膜を有し、前記集水管の周囲に積層した状態で巻回された分離膜リーフと、を備えた分離膜エレメントであって、前記分離膜エレメントは、少なくとも次の(1)(2)の前記分離膜リーフを含み、前記(1)(2)の分離膜リーフが交互に積層されていることを特徴とする分離膜エレメント。(1)前記分離膜の透過側の面に樹脂が固着された透過側流路材を有しているもの(2)前記分離膜の透過側の面に樹脂が固着されていないもの【選択図】図8

Description

本発明は、液体、気体等の流体に含まれる成分を分離するために使用される分離膜エレメントに関する。
海水およびかん水などに含まれるイオン性物質を除くための技術においては、近年、省エネルギーおよび省資源のためのプロセスとして、分離膜エレメントによる分離法の利用が拡大している。分離膜エレメントに使用される分離膜は、目的とする分離成分及び分離性能によって使い分けられている。
分離膜エレメントとしては、用途や目的に合わせて、スパイラル型、中空糸型、プレート・アンド・フレーム型、回転平膜型、平膜集積型などの各種の形状が提案されている。例えば、逆浸透ろ過に用いられる流体分離膜エレメントを例にとると、その分離膜エレメント部材は、原流体を分離膜表面へ供給する供給側流路材、原流体に含まれる成分を分離する分離膜、及び分離膜を透過し供給側流体から分離された透過側流体を中心管へと導くための透過側流路材からなる部材を中心管の周りに巻き付けたスパイラル型分離膜エレメントが、原流体に圧力を付与し、透過流体を多く取り出す点で広く用いられている。
スパイラル型逆浸透分離膜エレメントの部材としては、供給側流路材では供給側流体の流路を形成させるために主に高分子製のネットが使用され、分離膜としては、ポリアミドなどの架橋高分子からなる分離機能層、ポリスルホンなどの高分子からなる多孔性支持膜、ポリエチレンテレフタレートなどの高分子からなる不織布がそれぞれ供給側から透過側にかけて積層された複合半透膜が使用され、透過側流路材では膜の落ち込みを防き、かつ透過側の流路を形成させる目的で、供給側流路材よりも間隔の細かいトリコットと呼ばれる織物部材が使用されている。
近年、造水コストの低減への高まりから、分離膜エレメントの高性能化が求められている。分離膜エレメントの分離性能の向上および、単位時間あたりの透過流体量を増やす上では、各流路部材や、分離膜の性能向上が提案されてきた。特許文献1では、基材を使用せず、供給側の面に凹凸を形成させ、内部に中空通路を有する平膜を使用することが提案されている。特許文献2では、凹凸賦形されたシート状物を透過側流路材として使用することが提案されている。
特開平11−114381号公報 特開2006−247453号公報
しかし、上記した分離膜エレメントは、長期間にわたり運転を行った際のエレメントの性能安定性が十分とは言えない。
そこで、本発明は、特に長期間にわたり分離膜エレメントを運転したときに、造水量および分離除去性を安定化させることのできる分離膜エレメントを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は次の(1)〜(4)の構成からなる。
(1)集水管と、供給側流路材、供給側の面が内側を向くように前記供給側流路材を両側から挟んだ分離膜を有し、前記集水管の周囲に積層した状態で巻回された分離膜リーフと、を備えた分離膜エレメントであって、前記分離膜エレメントは、少なくとも次の<1><2>の前記分離膜リーフを含み、前記<1><2>の分離膜リーフが交互に積層されていることを特徴とする分離膜エレメント。
<1>前記分離膜の透過側の面に樹脂が固着された透過側流路材を有しているもの
<2>前記分離膜の透過側の面に樹脂が固着されていないもの
(2)前記<1><2>の分離膜リーフの造水量の変動係数が15%以下であり、かつ、除去率の変動係数が15%以下である、(1)に記載の分離膜エレメント。
(3)前記<1><2>の分離膜リーフの造水量の変動係数が10%以下であり、かつ、除去率の変動係数が10%以下である、(1)または(2)に記載の分離膜エレメント。
(4)前記透過側流路材は、前記分離膜の長さ方向における長さが、前記長さ方向に垂直な幅方向における長さよりも大きく、前記幅方向において、互いに間隔をおいて配置されており、前記長さ方向に垂直な断面において、前記分離膜に固着していない周の少なくとも一部が、丸みを帯びている、(1)〜(3)のいずれかに記載の分離膜エレメント。
本発明によって、長期間にわたり分離膜エレメントを運転したときでも、造水量および分離除去性を安定化させることのできる分離膜エレメントを提供することができる。
分離膜の長さ方向において連続的に設けられた流路材を備える分離膜を示す平面図。 分離膜の長さ方向において不連続的に設けられた流路材を備える分離膜を示す平面図。 図1および図2の分離膜の断面図。 図1および図2の分離膜の断面図。 分離膜本体の概略構成を示す断面図。 分離膜エレメントの一形態を示す展開斜視図。 分離膜エレメントの一形態を示す展開斜視図。 膜リーフ巻回前の一形態を示す模式図。
以下、本発明の実施の一形態について、詳細に説明する。
〔1.分離膜〕
(1−1)分離膜の概要
分離膜とは、分離膜表面に供給される流体中の成分を分離し、分離膜を透過した透過流体を得ることができる膜である。本明細書で言う分離膜とは、流路を形成するように樹脂などが配置されたものも含むことができる。また、従来のように流路を形成できず分離機能のみを発現するものを分離膜本体と呼ぶ。
本書において、「供給側の面」とは、分離膜の分離機能層側の面を意味する。「透過側の面」とは、その逆側の面、すなわち基材側の面を意味する。
後述するように分離膜本体が、図5に示すように、基材201、多孔性支持層202及び分離機能層203を備える場合は、一般的に、分離機能層203側の面が供給側の面21であり、基材201側の面が透過側の面22である。
図5において、分離膜本体2は、基材201、多孔性支持層202および分離機能層203の積層体として記載されている。上述した通り、分離機能層203の外に開放された面が供給側の面21、基材201の外に開放された面が透過側の面22である。
図中にx軸、y軸、z軸の方向軸を示す。図1等に示すように、分離膜本体2は長方形であり、x軸方向およびy軸方向は、分離膜本体2の外縁に平行である。x方向は分離膜の幅方向に相当し、y軸方向が長さ方向に相当する。また、製膜時の方向の観点から、幅方向をCD(Cross direction)、長さ方向をMD(Machine direction)と称することがある。
(1−2)分離膜本体
<概要>
分離膜本体としては、使用方法、目的等に応じた分離性能を有する膜が用いられる。分離膜本体は、単一層によって形成されていてもよいし、分離機能層と基材とを備える複合膜であってもよい。また、図5に示したように、複合膜においては、分離機能層203と基材201との間に、多孔性支持層202が形成されていてもよい。
<分離機能層>
分離機能層の厚みは具体的な数値に限定されないが、分離性能と透過性能の点で5nm以上3000nm以下であることが好ましい。特に逆浸透膜、正浸透膜、ナノろ過膜では5nm以上300nm以下であることが好ましい。
分離機能層の厚みは、これまでの分離膜の膜厚測定法に準ずることができる。例えば、分離膜を樹脂により包埋し、それを切断することで超薄切片を作製し、得られた切片に染色などの処理を行う。その後、透過型電子顕微鏡により観察することで、厚みの測定が可能である。また、分離機能層がひだ構造を有する場合、多孔性支持層より上に位置するひだ構造の断面長さ方向に50nm間隔で測定し、ひだの数を20個測定し、その平均から求めることができる。
分離機能層は、分離機能および支持機能の両方を有する層であってもよいし、分離機能のみを備えていてもよい。なお、「分離機能層」とは、少なくとも分離機能を備える層を指す。
分離機能層が分離機能および支持機能の両方を有する場合、分離機能層としては、セルロース、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルスルホン、またはポリスルホンを主成分として含有する層が好ましく適用される。
なお、本書において、「XがYを主成分として含有する」とは、XにおけるYの含有率が、50質量%以上であることを意味し、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、最も好ましくは95質量%以上である。また、Yに該当する複数の成分が存在する場合は、それら複数の成分の合計量が、上述の範囲を満たせばよい。
一方、多孔性支持層を備えた分離機能層としては、孔径制御が容易であり、かつ耐久性に優れるという点で架橋高分子が好ましく使用される。特に、原水中の成分の分離性能に優れるという点で、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを重縮合させてなるポリアミド分離機能層、有機−無機ハイブリッド機能層などが好適に用いられる。これらの分離機能層は、多孔性支持層上でモノマーを重縮合することによって形成可能である。
例えば、分離機能層は、ポリアミドを主成分として含有することができる。このような膜は、公知の方法により、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを界面重縮合することで形成される。例えば、多孔性支持層に多官能アミン水溶液を塗布し、余分なアミン水溶液をエアーナイフなどで除去し、その後、多官能酸ハロゲン化物を含有する有機溶媒溶液を塗布することで、ポリアミド分離機能層が得られる。
また、分離機能層の構成成分はポリアミドに限定されるものではなく、Si元素などを有する有機−無機ハイブリッドであってもよい。
なお、いずれの分離機能層についても、使用前に、例えばアルコール含有水溶液、アルカリ水溶液によって膜の表面を親水化させてもよい。
<多孔性支持層>
多孔性支持層は、分離機能層を支持する層であり、多孔性樹脂層とも言い換えられる。
多孔性支持層に使用される材料やその形状は特に限定されないが、例えば、多孔性樹脂によって基板上に形成されてもよい。多孔性支持層としては、ポリスルホン、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂あるいはそれらを混合、積層したものが使用され、化学的、機械的、熱的に安定性が高く、孔径が制御しやすいポリスルホンを使用することが好ましい。
多孔性支持層は、分離膜に機械的強度を与え、かつイオン等の分子サイズの小さな成分に対して分離膜のような分離性能を有さない。多孔性支持層の有する孔のサイズおよび孔の分布は特に限定されないが、例えば、多孔性支持層は、均一で微細な孔を有してもよいし、あるいは分離機能層が形成される側の表面からもう一方の面にかけて径が徐々に大きくなるような孔径の分布を有してもよい。また、いずれの場合でも、分離機能層が形成される側の表面で原子間力顕微鏡または電子顕微鏡などを用いて測定された細孔の投影面積円相当径は、1nm以上100nm以下であることが好ましい。特に界面重合反応性および分離機能層の保持性の点で、多孔性支持層において分離機能層が形成される側の表面における孔は、3nm以上50nm以下の投影面積円相当径を有することが好ましい。
多孔性支持層の厚みは特に限定されないが、分離膜に強度を与えるため等の理由から、20μm以上500μm以下の範囲にあることが好ましく、より好ましくは30μm以上300μm以下である。
多孔性支持層の形態は、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡、原子間力顕微鏡により観察できる。例えば走査型電子顕微鏡で観察するのであれば、基材から多孔性支持層を剥がした後、これを凍結割断法で切断して断面観察のサンプルとする。このサンプルに白金または白金−パラジウムまたは四塩化ルテニウム、好ましくは四塩化ルテニウムを薄くコーティングして3kV〜6kVの加速電圧で、高分解能電界放射型走査電子顕微鏡(UHR−FE−SEM)で観察する。高分解能電界放射型走査電子顕微鏡は、株式会社日立製作所製S−900型電子顕微鏡などが使用できる。得られた電子顕微鏡写真に基づいて、多孔性支持層の膜厚、表面の投影面積円相当径を測定することができる。
多孔性支持層の厚み、孔径は、平均値であり、多孔性支持層の厚みは、断面観察で厚み方向に直交する方向に20μm間隔で測定し、20点測定の平均値である。また、孔径は、200個の孔について測定された、各投影面積円相当径の平均値である。
次に、多孔性支持層の形成方法について説明する。多孔性支持層は、例えば、上記ポリスルホンのN,N−ジメチルホルムアミド(以降、DMFと記載)溶液を、後述する基材、例えば密に織ったポリエステル布あるいは不織布の上に一定の厚さに注型し、それを水中で湿式凝固させることによって、製造することができる。
多孔性支持層は、”オフィス・オブ・セイリーン・ウォーター・リサーチ・アンド・ディベロップメント・プログレス・レポート”No.359(1968)に記載された方法に従って形成することができる。なお、所望の形態を得るために、ポリマー濃度、溶媒の温度、貧溶媒は調整可能である。
例えば、所定量のポリスルホンをDMFに溶解し、所定濃度のポリスルホン樹脂溶液を調製する。次いで、このポリスルホン樹脂溶液をポリエステル布あるいは不織布からなる基材上に略一定の厚さに塗布した後、一定時間空気中で表面の溶媒を除去した後、凝固液中でポリスルホンを凝固させることによって得ることができる。
<基材>
分離膜本体の強度、寸法安定性等の観点から、分離膜本体は基材を有してもよい。基材としては、強度、凹凸形成能および流体透過性の点で繊維状基材を用いることが好ましい。
基材としては、長繊維不織布及び短繊維不織布のいずれも好ましく用いることができる。特に、長繊維不織布は、優れた製膜性を有するので、高分子重合体の溶液を流延した際に、その溶液が過浸透により裏抜けすること、多孔性支持層が剥離すること、さらには基材の毛羽立ち等により膜が不均一化すること、及びピンホール等の欠点が生じたりすることを抑制できるため好ましい。また、基材が熱可塑性連続フィラメントより構成される長繊維不織布からなることにより、短繊維不織布を用いたときに起こる、毛羽立ちによって生じる高分子溶液流延時の不均一化や、膜欠点を抑制することができる。さらに、分離膜は、連続製膜されるときに、製膜方向に対し張力がかけられるため、寸法安定性に優れる長繊維不織布を基材として用いることが好ましい。
長繊維不織布は、成形性、強度の点で、多孔性支持層とは反対側の表層における繊維が、多孔性支持層側の表層の繊維よりも縦配向であることが好ましい。そのような構造によれば、強度を保つことで膜破れ等を防ぐ高い効果が実現されるだけでなく、分離膜に凹凸を付与する際の、多孔性支持層と基材とを含む積層体としての成形性も向上し、分離膜表面の凹凸形状が安定するので好ましい。
より具体的には、長繊維不織布の、多孔性支持層とは反対側の表層における繊維配向度は、0°以上25°以下であることが好ましく、また、多孔性支持層側表層における繊維配向度との配向度差が10°以上90°以下であることが好ましい。
分離膜の製造工程やエレメントの製造工程においては加熱する工程が含まれるが、加熱により多孔性支持層または分離機能層が収縮する現象が起きる。特に連続製膜において張力が付与されていない幅方向において、収縮は顕著である。収縮することにより、寸法安定性等に問題が生じるため、基材としては熱寸法変化率が小さいものが望まれる。不織布において多孔性支持層とは反対側の表層における繊維配向度と多孔性支持層側表層における繊維配向度との差が10°以上90°以下であると、熱による幅方向の変化を抑制することもでき、好ましい。
ここで、繊維配向度とは、多孔性支持層を構成する不織布基材の繊維の向きを示す指標である。具体的には、繊維配向度とは、連続製膜を行う際の製膜方向(MD)、つまり不織布基材の長手方向と、不織布基材を構成する繊維の長手方向との間の角度の平均値である。つまり、繊維の長手方向が製膜方向と平行であれば、繊維配向度は0°である。また、繊維の長手方向が製膜方向に直角であれば、すなわち不織布基材の幅方向に平行であれば、その繊維の配向度は90°である。よって、繊維配向度が0°に近いほど縦配向であり、90°に近いほど横配向であることを示す。
繊維配向度は以下のように測定される。まず、不織布からランダムに小片サンプル10個を採取する。次に、そのサンプルの表面を走査型電子顕微鏡で100〜1000倍で撮影する。撮影像の中で、各サンプルあたり10本の繊維を選び、不織布の長手方向を0°としたときの、繊維の長手方向の角度を測定する。ここで、不織布の長手方向とは、不織布製造時の“Machine direction”を指す。また、不織布の長手方向は、多孔性支持層の製膜方向に一致する。これらの方向は、図中の長さ方向(y方向)に一致する。図中のx方向は不織布の幅方向であり、不織布製造時の“Cross direction”に一致する。こうして、1枚の不織布あたり計100本の繊維について、角度の測定が行われる。こうして測定された100本の繊維について長手方向の角度から平均値を算出する。得られた平均値の小数点以下第一位を四捨五入して得られる値が、繊維配向度である。
基材の厚みは、30μm以上300μm以下の範囲とするのが好ましく、50μm以上250μm以下の範囲とすることがより好ましい。
(1−3)透過側流路材
<概要>
図1〜図4に示すように、分離膜1を構成する分離膜本体2の透過側の面22には、透過側流路5を形成するように複数の透過側流路材(流路材)3が設けられる。
「透過側の流路を形成するように設けられる」とは、分離膜が後述の分離膜エレメントに組み込まれたときに、分離膜本体を透過した透過流体が集水管に到達できるように、流路材が形成されていることを意味する。流路材の構成の詳細は以下のとおりである。
<流路材の構成成分>
流路材3は、分離膜本体2とは異なる材料で形成されることが好ましい。異なる材料とは、分離膜本体2で使用される材料とは異なる組成を有する材料を意味する。特に、流路材3の組成は、分離膜本体2のうち、流路材3が形成される面、すなわち透過側の面の組成とは異なることが好ましく、分離膜本体2を形成するいずれの層の組成とも異なることが好ましい。
流路材を構成する材料としては特に限定されないが、樹脂が好ましく用いられる。具体的には、耐薬品性の点で、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンやオレフィン共重合体などが好ましく、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などのポリマーも選択でき、これらを単独もしくは2種類以上からなる混合物として用いることができる。特に、熱可塑性樹脂は成形が容易であるため、均一な形状の流路材を形成することができる。 <流路材形状および配置>
<<概要>>
透過側流路材は、分離膜本体を通過した流体(透過水)を後述する集水管に導くための複数の流路(例えば溝)を形成するものである。後述する理由から、透過側流路材を分離膜本体の透過側の面に直接固着して配置させることで流動抵抗を著しく低減できる。
従来広く用いられているトリコットは編み物であり、立体的に交差した糸で構成されている。つまり、トリコットは、二次元的に連続した構造を有している。このようなトリコットが流路材として適用された場合、流路の高さはトリコットの厚みよりも小さくなる。すなわち、トリコットの厚みの全てを流路の高さとして利用することはできない。
これに対して、本発明の構成の例として、図1等に示す流路材3は、互いに重ならないように配置されている。よって、本実施形態の流路材3の高さ(つまり厚み)は全て、分離膜本体を通過した透過水の流路(透過側流路)の溝の高さとして活用される。よって、本実施形態の流路材3が適用された場合、流路材3の高さと同じ厚みを有するトリコットが適用された場合よりも、流路は高くなる。つまり、流路の断面積がより大きくなるので、流動抵抗はより小さくなる。
不連続な複数の流路材3が設けられていることで、分離膜1は、後述の分離膜エレメント100に組み込まれたときに、圧力損失を低く抑えることができる。このような構成の一例として、図1では、流路材3は幅方向においてのみ不連続に形成されており、図2では幅方向および長さ方向のいずれにおいても不連続に形成されている。図1および図2において、隣接する流路材3の間に、透過側流路5が形成される。
分離膜は、分離膜エレメントにおいて長さ方向が巻回方向と一致するように配置されることが好ましい。つまり、分離膜エレメントにおいて、分離膜は、幅方向が集水管6の長手方向に平行であり、長さ方向が集水管6の長手方向に直交するように配置されることが好ましい。
図1に示す例では、流路材3は、幅方向において不連続に設けられると共に、長さ方向においては、分離膜本体2の一端から他端まで連続するように設けられている。つまり、分離膜エレメントに分離膜が組み込まれたときに、流路材3は、巻回方向における分離膜1の内側端部から外側端部まで連続するように配置される。巻回方向の内側とは、分離膜において集水管に近い側であり、巻回方向の外側とは、分離膜において集水管から遠い側である。 本発明において、流路材が「長さ方向において連続する」とは、図1のように流路材3が途切れることなく設けられている場合と、図2のように、流路材3が途切れる箇所はあるが、流路材3が実質的に連続している場合の両方を包含する。「実質的に連続する」形態とは、好ましくは、長さ方向における流路材の間隔e(つまり、長手方向における流路材同士の間隔)が5mm以下であることを満たす。特に、間隔eは、1mm以下を満たすことがより好ましく、0.5mm以下であることがさらに好ましい。また、長さ方向において並ぶ一列の流路材の先頭から最後尾までに含まれる間隔eの合計値が、100mm以下であることが好ましく、30mm以下であることがより好ましく3mm以下であることがさらに好ましい。なお、図2の形態では、間隔eは0(ゼロ)である。
図1のように流路材3が途切れずに設けられている場合、加圧ろ過時に膜落ち込みが抑制される。膜落ち込みとは、膜が流路に落ち込んで流路を狭めることである。
図2では、流路材3は、幅方向だけでなく長さ方向においても不連続に設けられている。つまり、流路材3は、長さ方向において間隔をおいて設けられている。ただし、上述したように、流路材3が長さ方向において実質的に連続していることで、膜落ち込みが抑制される。また、このように、2つの方向において不連続な流路材3が設けられることで、流路材と流体との接触面積が小さくなるので圧力損失が小さくなる。この形態は、流路5が分岐点を備える構成であるとも言い換えられる。つまり、図3の構成において、透過流体は、流路5を流れながら、流路材3によって分けられ、さらに下流で合流することができる。
上述したように、図1では、流路材3が、長さ方向において分離膜本体2の一端から他端まで連続するように設けられている。また、図2では長さ方向において流路材3は複数の部分に分割されているが、これらの複数の部分が、分離膜本体2の一端から他端まで並ぶように設けられている。
流路材が「分離膜本体の一端から他端まで設けられている」とは、流路材が分離膜本体2の縁まで設けられている形態と、縁近傍において流路材が設けられていない領域がある形態との両方を包含する。
つまり、流路材は、透過側の流路を形成できる程度に、長さ方向に分離膜本体2の全体に渡って分布していればよく、分離膜本体において、流路材が設けられない部分があってもよい。例えば、透過側の面における他の分離膜との封止部分には、流路材が設けられる必要はない。また、その他の仕様上または製造上の理由により、分離膜の端部などの一部の箇所に、流路材が配置されない領域が設けられていてもよい。
幅方向においても、流路材3は、分離膜本体2の全体にわたってほぼ均等に分布することができる。ただし、長さ方向における分布と同様に、透過側の面における他の分離膜との封止部分には、流路材が設けられる必要はない。また、その他の仕様上または製造上の理由により、分離膜の端部などの一部の箇所に、流路材が配置されない領域が設けられていてもよい。
<<分離膜本体および流路材の寸法>>
図1〜図3に示したように、a〜fは下記値を指す。
a:分離膜本体2の長さ
b:分離膜本体2の幅方向における流路材3の間隔
c:流路材の高さ(流路材3と分離膜本体2の透過側の面22との高低差)
d:流路材3の幅
e:分離膜本体2の長さ方向における上記流路材の間隔
f:流路材3の長さ
値a〜fの測定には、例えば、市販の形状測定システムまたはマイクロスコープなどを用いることができる。各値は、1枚の分離膜において30箇所以上で測定を行い、それらの値を総和した値を測定総箇所の数で割って平均値を算出することで、求められる。このように、少なくとも30箇所における測定の結果得られる各値が、上記範囲を満たせばよい。
(分離膜本体の長さa)
長さaは、長さ方向における分離膜本体2の一端から他端までの距離である。この距離が一定でない場合、1枚の分離膜本体2において30箇所以上の位置でこの距離を測定し、平均値を求めることで長さaを得ることができる。
(幅方向での流路材間隔b)
幅方向における流路材3の間隔bは、流路5の幅に相当する。1つの断面において1つの流路5の幅が一定でない場合、つまり隣り合う2つの流路材3の側面が平行でない場合は、1つの断面内で、1つの流路5の幅の最大値と最小値の平均値を測定し、その平均値を算出する。図6に示したように、長さ方向に垂直な断面において、流路材3は上が細く下が太い台形状を示す場合、まず、隣接する2つの流路材3の上部間の距離と下部間の距離を測定して、その平均値を算出する。任意の30箇所以上の断面において、流路材3の間隔を測定して、それぞれの断面において平均値を算出する。そして、こうして得られた平均値の相加平均値をさらに算出することで、間隔bが算出される。
間隔bが大きくなるにつれて圧力損失が小さくなるものの、膜落ち込みが生じやすくなる。逆に間隔bが小さいほど膜落ち込みが生じにくくなるが、圧力損失は大きくなる。圧力損失を考慮すると、間隔bは0.05mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましく、0.3mm以上であることが更に好ましい。また、膜落ち込みの抑制という面では、間隔bは5mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましく、2mm以下が更に好ましく、0.8mm以下であることが特に好ましい。
これらの上限および下限は任意に組み合わせられる。例えば、間隔bは、0.2mm以上5mm以下であることが好ましく、この範囲であれば、膜落ち込みを抑えながら圧力損失を小さくすることができる。間隔bはより好ましくは、0.05mm以上3mm以下であり、0.2mm以上2mm以下であり、さらに好ましくは0.3mm以上0.8mm以下である。
(流路材の高さc)
高さcとは、流路材3と分離膜本体2の表面との高低差である。図3に示すように、高さcは、長さ方向に垂直な断面における、流路材3の最も高い部分と分離膜本体の透過側面との高さの差である。すなわち、高さにおいては、基材中に含浸している部分の厚みは考慮しない。高さcは、30箇所以上の流路材3について高さを測定し、平均して得られる値である。流路材の高さcは、同一の平面内における流路材の断面の観察によって得られてもよいし、複数の平面における流路材の断面の観察によって得られてもよい。
高さcは、エレメントの使用条件および目的などに応じて適宜選択できるが、例えば以下のように設定されてもよい。
高さcが大きい方が流動抵抗が小さくなる。よって、高さcは0.03mm以上が好ましく、0.05mm以上がより好ましく、0.1mm以上であることが更に好ましい。その一方で、高さcが小さい方が、1つのエレメント当たりに充填される膜の数が多くなる。よって、高さcは、0.8mm以下が好ましく、0.4mm以下がより好ましく、0.32mm以下であることが更に好ましい。これらの上限および下限は組み合わせ可能であり、例えば、高さcは、0.03mm以上0.8mm以下であることが好ましく、0.05mm以上0.4mm以下であることがより好ましく、0.1mm以上0.32mm以下であることがさらに好ましい。
また、隣り合う2つの流路材の高さの差が小さいことが好ましい。高さの差が大きいと加圧ろ過時に分離膜の歪みが生じるので、分離膜に欠陥が発生することがある。隣接する2つの流路材の高低差は、0.1mm以下であることが好ましく、0.06mm以下であることがより好ましく、0.04mm以下であることがさらに好ましい。
同様の理由から、分離膜に設けられた全ての流路材の最大高低差は0.25mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1mm以下であり、さらに好ましくは0.03mm以下である。
(流路材の幅d)
流路材3の幅dは、次のように測定される。まず、長さ方向に垂直な1つの断面において、1つの流路材3の最大幅と最小幅の平均値を算出する。つまり、図3に示すような上部が細く下部が太い流路材3においては、流路材下部の幅と上部の幅を測定し、その平均値を算出する。このような平均値を少なくとも30箇所の断面において算出し、その相加平均を算出することで、1枚の膜当たりの幅dを算出することができる。
流路材3の幅dは好ましくは0.2mm以上であり、より好ましくは0.3mm以上である。幅dが0.2mm以上であることで、分離膜エレメントの運転時に流路材3に圧力がかかっても、流路材の形状を保持することができ透過側流路が安定的に形成される。幅dは、好ましくは2mm以下であり、より好ましくは1.5mm以下である。幅dが2mm以下であることで、透過側の流路を十分確保することができる。
流路材の幅が流路材間隔bよりも広いことで、流路材にかかる圧力を分散することができる。
流路材3は、その長さがその幅よりも大きくなるように形成されている。このように長い流路材3は「壁状物」とも称される。
(長さ方向での流路材間隔e)
長さ方向における流路材3の間隔eは、長さ方向において隣り合う流路材3間の最短距離である。図1に示したように、流路材3が長さ方向において分離膜本体2の一端から他端まで(分離膜エレメント内では、巻回方向の内側端部から外側端部まで)連続して設けられている場合、間隔eは0mmである。また、図2に示したように、流路材3が長さ方向において途切れている場合、間隔eは、好ましくは5mm以下であり、より好ましくは1mm以下であり、さらに好ましくは0.5mm以下である。間隔eが上記範囲内であることで、膜落ち込みが生じても膜への機械的負荷が小さく、流路閉塞による圧力損失を比較的小さくすることができる。なお、間隔eの下限は、0mmである。
(流路材の長さf)
流路材3の長さfは、分離膜本体2の長さ方向における流路材3の長さである。長さfは、1枚の分離膜1内で、30個以上の流路材3の長さを測定し、その平均値を算出することで求められる。流路材の長さfは、分離膜本体の長さa以下であればよい。流路材の長さfが分離膜本体の長さaと同等のときは、流路材3が分離膜1の巻回方向内側端部から外側端部へ連続的に設けられていることを指す。長さfは、好ましくは10mm以上であり、より好ましくは20mm以上である。長さfが10mm以上であることで、圧力下でも流路が確保される。
(流路材の形状)
本発明の実施形態においては、幅方向における透過側流路材の断面形状が、分離膜本体2に固着していない部分の周の少なくとも一部が丸みを帯びていることが好ましい。流路材3の断面幅方向の形状として、膜面と接していない周の少なくとも一部が丸みを帯びていることによって、分離膜エレメントにした際に、長時間の連続運転を行っても、膜に損傷を及ぼすことなく、安定的に透過水の水質を保つことができる。そのような好ましい断面形状として、具体的には、図4に示すような(a)半円形、(b)半楕円形、(c)角丸長方形、(d)角丸台形等が挙げられる。ここで、「半円形」とは、断面周長が、断面幅方向長さのπ倍となる形を表し、「半楕円形」とは、分離膜本体2に固着していない部分の周の少なくとも一部が丸みを帯びており、かつ上述の半円形の関係式を満たさない形を表す。なお、断面周長とは分離膜本体2に固着していない部分の周の長さのことである。また、角Rは0.005mm以上であることが好ましく、0.008mm以上であるとより好ましく、0.01mm以上であるとさらに好ましい。さらに、角Rは、流路材の高さより小さい値である0.8mm以下が好ましく、0.4mm以下がより好ましく、0.32mm以下であることが更に好ましい。
流路材3の断面幅方向の形状が長方形や台形のような丸みを有しない形状であれば、分離膜本体2と流路材3の接触面積を大きくすることができるため、加圧ろ過時に流路材に加わる圧力による流路材3の変形を抑制することができ、また、隣り合う流路材の間隔を小さくすることができる。その結果、加圧ろ過時の分離膜本体2の落ち込みを抑制することができる。
その一方で、断面形状における外形が丸みを帯びていれば、長時間の連続運転を行っても、膜の損傷およびそれに起因するエレメント性能の低下を起こしにくい。
透過側流路材の断面形状は、マイクロスコープや画像解析ソフトImageJなどを用いることで観察および解析することができる。
流路材が熱可塑性樹脂であれば、処理温度および選択する熱可塑性樹脂の種類を変更することで、要求される分離特性や透過性能の条件を満足できるように自由に流路材の形状を調整することができる。
また、流路材の分離膜の平面方向における形状が直線状である場合、隣り合う流路材は、互いに略平行に配置されていてもよい。「略平行に配置される」とは、例えば、流路材が分離膜上で交差しないこと、隣り合う2つの流路材の長手方向のなす角度が0°以上30°以下であること、上記角度が0°以上15°以下であること、及び上記角度が0°以上5°以下であること等を包含する。
また、流路材の長手方向と集水管の長手方向との成す角度は、60°以上120°以下であることが好ましく、75°以上105°以下であることがより好ましく、85°以上95°以下であることがさらに好ましい。流路材の長手方向と集水管の長手方向との成す角度が上記範囲であることで、透過水が効率良く集水管に集められる。
流路を安定して形成するために、分離膜エレメント使用中に分離膜本体が加圧されても、分離膜本体の落ち込みが抑制されることが好ましい。そのためには、分離膜本体と流路材との接触面積が大きいこと、つまり分離膜本体の面積に対する流路材の面積(分離膜本体の膜面に対する投影面積)が大きいことが好ましい。一方で、圧力損失を低減させるには、流路の横断面積が広いことが好ましい。
流路材の形状は、図示する形状に限定されるものではない。分離膜本体の透過側の面に、例えばホットメルト法のように、溶融した材料を固着させることで流路材を配置する場合は、処理温度や選択するホットメルト用樹脂の種類を変更することで、要求される分離特性および透過性能の条件を満足できるように、流路材の形状を自由に調整することができる。
図1〜図3では、流路材3の平面方向における形状(x−y平面視における形状)は、その長手方向が巻回方向に平行な直線状である。ただし、流路材3は、分離膜本体2の表面から突出し、かつ分離膜エレメントとしての所望の効果が損なわれない範囲において、他の形状に変更可能である。すなわち、平面方向における形状は、曲線状および波線状等であってもよい。また、1つの分離膜に、幅および長さの少なくとも一方が互いに異なる複数の流路材が形成されていてもよい。
(投影面積比)
分離膜の透過側の面に対する流路材の投影面積比は、特に透過側流路の流動抵抗を低減し、流路を安定に形成させる点では、0.03以上0.85以下であることが好ましく、0.15以上0.85以下であることがより好ましく、0.2以上0.75以下であることがさらに好ましく、0.3以上0.6以下であることがさらに好ましい。なお、投影面積比とは、分離膜を5cm×5cmで切り出し、分離膜の面方向に平行な平面に投影した時に得られる流路材の投影面積を、切り出し面積(25cm)で割った値である。また、この値は、式df/(b+d)(e+f)で表すこともできる。
〔2.分離膜エレメント〕
(2−1)概要
図6に示すように、分離膜エレメント100は、集水管6と、上述したいずれかの構成を備え、集水管6の周囲に巻回された分離膜1を備える。また、分離膜エレメント100は、端板91および92や、その他図示しない部材をさらに備える。
(2−2)分離膜
分離膜1は、集水管6の周囲に巻回されており、幅方向が集水管6の長手方向に沿うように配置される。その結果、分離膜1は、長さ方向が巻回方向に沿うように配置される。
よって、壁状物である透過側流路材3は、分離膜1を構成する分離膜本体の透過側の面22において、少なくとも集水管6の長手方向に沿って不連続状に配置される。つまり、流路5は、巻回方向において分離膜の外側端部から内側端部まで連続するように形成される。その結果、透過水が集水管の中心パイプへ到達し易く、すなわち流動抵抗が小さくなるので、大きな造水量が得られる。
流路材は、分離膜の縁まで達していなくてもよく、例えば、巻回方向における封筒状膜の外側端部、及び集水管長手方向における封筒状膜の端部では、流路材が設けられていなくてもよい。
図7に示すように、分離膜は分離膜リーフ(以下、膜リーフ)を形成する。膜リーフとは、巻回しやすい長さに切断された2枚一組の分離膜である。膜リーフ81では、分離膜1の供給側の面21が、供給側流路材4を挟んで他の分離膜7の供給側の面71と対向するように配置される。このとき、互いに向かい合う分離膜の供給側の面の間には供給側流路が形成され、透過側の面の間には透過側流路が形成される。
分離膜の供給側の面において、巻回方向における内側端部は、折りたたみ又は封止により閉じられている。折り畳む場合には封止する作業が省略でき、封止する場合には分離膜エレメントを製造する際に取扱い性が高くなる。分離膜の供給側面が、折り畳まれているのではなく封止されていることで、分離膜の端部における撓みが発生しにくい。折り畳まれている場合であっても、撓みが発生することは稀であるが、折り目の箇所に熱をかけてプレスしておくと、折り目が付きやすく好ましい。
本発明において、膜リーフは、分離膜の少なくとも透過側の面に樹脂が固着されている膜リーフ(A)と、そのような樹脂が固着していない膜リーフ(B)から構成される。
さらに、膜リーフ(A)および膜リーフ(B)は交互に積層されることで、後述するように、好ましい構造の封筒状膜を形成することができ、長時間の運転においても造水量および分離除去性に優れる分離膜エレメントとなる。
ただし、説明の便宜上、分離膜エレメントおよびそれに関係する説明においては、「分離膜」は、透過側流路材を備えない分離膜(たとえば分離膜本体と同じ構成を備える膜)を含む。
さらに、図8に示すように、膜リーフ(A)と、膜リーフ(B)が交互に重ねられることで、分離膜1と、分離膜1の透過側の面22に対向する他の膜リーフの分離膜7、分離膜1と分離膜7の間に存在する透過側流路材3とが、封筒状膜82を形成する。封筒状膜において、向かい合う透過側の面の間は、透過水が透過側流路材3および集水管に流れるように、分離膜の長方形状において、巻回方向内側の一辺のみにおいて開放され、他の三辺においては封止される。透過水はこの封筒状膜によって供給水から隔離される。
上述したように、膜リーフ(A)1組と、膜リーフ(B)1組とで封筒状膜が形成されることから、それぞれの膜リーフの数は揃えておく必要がある。よって、本発明において、膜リーフは計偶数組必要である。
封止としては、接着剤またはホットメルトなどにより接着されている形態、加熱またはレーザなどにより融着されている形態、およびゴム製シートが挟みこまれている形態が挙げられる。接着による封止は、最も簡便で効果が高いために特に好ましい。
2種類以上の膜リーフについて、それぞれの膜性能がほぼ等しい場合には、運転時に全ての膜リーフがろ過に均等に使われるため、長時間の運転においても、膜リーフごとの性能差が発生しにくく、結果的に分離膜エレメントの寿命向上に繋がる。「それぞれの膜性能がほぼ等しい」とは、具体的には、それぞれの造水量の変動係数が15%以下であり、かつ、除去率の変動係数が15%以下である。造水量の変動係数は10%以下であると更に好ましく、かつ、除去率の変動係数が10%以下であると更に好ましい。
(2−3)透過側流路
上述したように、分離膜1には透過側流路材3を備えている。透過側流路材3によって、リーフの内側、つまり向かい合う分離膜の透過側の面の間には、透過側流路が形成される。
(2−4)供給側流路
分離膜エレメント100は、重なり合う分離膜の供給側の面の間に、分離膜1に対する投影面積比が0を超えて1未満となる流路材4を備える。供給側流路材の投影面積比は0.03以上0.50以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.10以上0.40以下、特に好ましくは、0.15以上0.35以下である。投影面積比が0.03以上0.50以下であることで、流動抵抗が比較的小さく抑えられる。なお、投影面積比とは、分離膜と供給側流路材を5cm×5cmで切り出し、供給側流路材を分離膜の面方向に平行な平面に投影した時に得られる投影面積を切り出し面積で割った値である。
供給側流路材の高さは、後述するように各性能のバランスや運転コストを考慮すると0.5mmを超えて2.0mm以下が好ましく、0.6mm以上1.0mm以下がより好ましい。
供給側流路材の形状は特に限定されず、連続形状を有していてもよいし、不連続な形状を有していてもよい。連続形状を有する流路材としては、フィルムおよびネットといった部材が挙げられる。ここで、連続形状とは、実質的に流路材の全範囲において連続であることを意味する。連続形状には、造水量が低下するなどの不具合が生じない程度に、流路材の一部が不連続となる箇所が含まれていてもよい。また、「不連続」の定義については、透過側の流路材について説明したとおりである。なお、供給側流路材の素材は特に限定されず、分離膜と同素材であっても異素材であってもよい。
(2−5)集水管
集水管6は、その中を透過水が流れるように構成されていればよく、材質、形状、大きさ等は特に限定されない。集水管6としては、例えば、複数の孔が設けられた側面を有する円筒状の部材が用いられる。
(2−6)端板
図6に示すように、分離膜エレメント100は、集水管6の長手方向において、分離膜1の巻回体の両端に装着された端板91,92を備える。
図6では、第1端板91の形状と第2端板92の形状とは同じであるが、1つのエレメントにおいて、2つの端板の形状は互いに異なっていてもよい。また、図6では、第1端板91を上流側に、第2端板92を下流側に配置している。
〔3.分離膜エレメントの製造方法〕
(3−1)分離膜本体の製造
分離膜本体の製造方法については上述したが、簡単にまとめると以下のとおりである。
良溶媒に樹脂を溶解し、得られた樹脂溶液を基材にキャストして純水中に浸漬して多孔性支持層と基材を複合させる。その後、上述したように、多孔性支持層上に分離機能層を形成する。さらに、必要に応じて分離性能、透過性能を高めるべく、塩素、酸、アルカリ、亜硝酸などの化学処理を施し、モノマー等を洗浄する。分離膜のハンドリング性を向上させるために、分離膜に親水性分子を含有させた上で、乾燥処理を行ってもよい。以上のようにして、分離膜本体の連続シートを作製する。
(3−2)透過側流路材の配置
透過側流路材を分離膜に固着させる場合、分離膜の製造方法は、分離膜本体の透過側の面に、不連続な流路材を設ける工程を備える。この工程は、分離膜製造のどの時点で行われてもよい。例えば、流路材は、基材上に多孔性支持層が形成される前に設けられてもよいし、多孔性支持層が設けられた後であって分離機能層が形成される前に設けられてもよいし、分離機能層が形成された後、上述の化学処理が施される前または後に行われてもよい。
流路材を配置する方法は、例えば、柔らかな材料を分離膜上に配置する工程と、それを硬化する工程とを備える。具体的には、流路材の配置には、紫外線硬化樹脂、化学重合、ホットメルト、乾燥等が利用される。特に、ホットメルトは好ましく用いられ、具体的には、熱により樹脂等の材料を軟化する(つまり熱溶融する)工程、軟化した材料を分離膜上に配置する工程、この材料を冷却により硬化することで分離膜上に固着させる工程を含む。
流路材を配置する方法としては、例えば、塗布、印刷、噴霧等が挙げられる。また、使用される機材としては、ノズル型のホットメルトアプリケーター、スプレー型のホットメルトアプリケーター、フラットノズル型のホットメルトアプリケーター、ロール型コーター、押出型コーター、印刷機、噴霧器などが挙げられる。
(3−3)膜リーフ、封筒状膜の形成
膜リーフは、上述したように、分離膜の供給側の面が内側を向くように分離膜を折りたたむことで形成されてもよいし、別々の2枚の分離膜の供給側の面を対向させて貼り合わせることで形成されてもよい。後者の場合、分離膜の巻回方向における内側端部を、供給側の面において封止する工程を備えることが好ましい。封止する工程においては、2枚の分離膜を、互いの供給側の面が向かい合うように重ねる。さらに、重ねられた分離膜の巻回方向における内側端部、つまり図7における左側端部を封止する。このとき、2枚の分離膜の種類は同一とすることが好ましい。分離膜の種類を同一にすることで、膜リーフ内での性能差が抑えられ、長時間の運転を行っても膜リーフ全体で安定した性能を維持できる。封止する方法としては、接着剤またはホットメルトなどによる接着、加熱またはレーザなどによる融着、およびゴム製シートを挟みこむ方法が挙げられる。接着による封止は、最も簡便で効果が高いために特に好ましい。このとき、重ねられた分離膜同士の間に、分離膜とは別に形成された供給側流路材を配置してもよい。
供給側の面の封止と透過側の面の封止(封筒状膜の形成)とは、どちらかが先に行われてもよいし、分離膜を重ねながら、供給側の面の封止と透過側の面の封止とを並行して行ってもよい。ただし、巻回時における分離膜でのシワの発生を抑制するためには、隣り合う分離膜が巻回によって長さ方向にずれることを許容するように、幅方向端部における接着剤またはホットメルトの固化等、つまりリーフを形成するための固化等を、巻回の終了後に完了させることが好ましい。
このとき、上述したように、膜リーフ(A)と膜リーフ(B)とを交互に積層させることで、対向する分離膜の透過側の面の間に流路材が存在する封筒状膜のみが形成される。膜リーフ(A)のみを積層した場合、長時間の運転の間に封筒状膜内の分離膜がずれ、流路材が流路にはまり込み、結果造水量の著しい低下につながることがある。膜リーフ(B)のみを積層した場合、封筒状膜内に流路材が存在しないため、透過水が集水管まで効率的に流れず、やはり十分な造水量が得られないことがある。
(3−4)分離膜の巻回
分離膜エレメントの製造には、従来のエレメント製作装置を用いることができる。また、エレメント作製方法としては、参考文献(特公昭44−14216号公報、特公平4−11928号公報、特開平11−226366号公報)に記載される方法を用いることができる。詳細には以下の通りである。
集水管の周囲に分離膜を巻回するときは、分離膜を、リーフの閉じられた端部、つまり封筒状膜の閉口部分が集水管を向くように配置する。このような配置で集水管の周囲に分離膜を巻きつけることで、分離膜をスパイラル状に巻回する。
集水管にトリコットや基材のようなスペーサーを巻回しておくと、エレメント巻回時に集水管へ塗布した接着剤が流動し難く、リークの抑制につながり、さらには集水管周辺の流路が安定に確保される。なお、スペーサーは集水管の円周より長く巻回しておけばよい。
(3−5)その他の工程
分離膜エレメントの製造方法は、上述のように形成された分離膜の巻回体の外側に、フィルムおよびフィラメント等をさらに巻きつけることを含んでいてもよいし、集水管の長手方向における分離膜の端を切りそろえるエッジカット、端板の取り付け等のさらなる工程を含んでいてもよい。
〔4.分離膜エレメントの利用〕
このように製造され分離膜エレメントは、さらに、直列または並列に接続して圧力容器に収納されることで、分離膜モジュールとして使用されてもよい。
また、上記の分離膜エレメント、モジュールは、それらに流体を供給するポンプ、およびその流体を前処理する装置などと組み合わせて、流体分離装置を構成することができる。この分離装置を用いることにより、例えば供給水を飲料水などの透過水と膜を透過しなかった濃縮水とに分離して、目的にあった水を得ることができる。
流体分離装置の操作圧力は高い方が脱塩率は向上するが、運転に必要なエネルギーも増加すること、また、分離膜エレメントの供給流路、透過流路の保持性を考慮すると、膜モジュールに被処理水を透過する際の操作圧力は、0.2MPa以上5MPa以下が好ましい。供給水温度は、高くなると塩脱塩率が低下するが、低くなるにしたがい膜透過流束も減少するので、5℃以上45℃以下が好ましい。また、供給水pHは、高くなると海水などの高塩濃度の供給水の場合、マグネシウムなどのスケールが発生する恐れがあり、また、高pH運転による膜の劣化が懸念されるため、中性領域での運転が好ましい。
分離膜エレメントによって処理される流体は特に限定されないが、水処理に使用する場合、供給水としては、海水、かん水、廃水等の500mg/L〜100g/LのTDS(Total Dissolved Solids:総溶解固形分)を含有する液状混合物が挙げられる。一般に、TDSは総溶解固形分量を指し、「質量÷体積」あるいは「重量比」で表される。定義によれば、0.45ミクロンのフィルターで濾過した溶液を39.5〜40.5℃の温度で蒸発させ残留物の重さから算出できるが、より簡便には実用塩分(S)から換算する。
以下に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
(分離膜の透過流束)
供給水として、濃度200mg/LかつpH6.5の食塩水を用いて、運転圧力0.5MPa、運転温度25℃の条件下で1時間運転を行った。得られた透過水量を、膜面1平方メートルあたり、1日あたりの透水量(立方メートル)でもって膜透過流束(m/m/日)として表した。
(分離膜の脱塩率(TDS除去率))
上記透過流束の測定時にサンプリングした透過水について、電気伝導度を測定し、TDS濃度を算出した。この透過水のTDS濃度と、供給水のTDS濃度を、下記式に当てはめることで、TDS除去率を算出した。
TDS除去率(%)=100×{1−(透過水中のTDS濃度/原水中のTDS濃度)}。
(分離膜リーフの透過流束、脱塩率の変動係数)
分離膜エレメントの作製に用いたそれぞれの膜リーフについて、ランダムに20箇所をサンプリングし、上述した方法で透過流束および脱塩率についてそれぞれ評価を行った。20箇所の平均値を、膜リーフの透過流束、脱塩率とした。
用いた全ての膜リーフの透過流束または脱塩率から、それらの平均値と標準偏差を算出して、標準偏差/平均値×100とした値を、膜リーフ間透過流束または脱塩率の変動係数とした。
(分離膜エレメントの造水量)
実施例記載の条件下で運転を行ったときの、1つの分離膜エレメントにより得られた1日あたりの透水量を、造水量(m/日)として表した。
(分離膜エレメントの脱塩率(TDS除去率))
上記造水量の測定時と同様の操作によって得られた透過水について、分離膜の脱塩率と同様の操作を行い、TDS除去率を算出した。
(流路材断面形状の観察)
走査型電子顕微鏡(S−800)(日立製作所製)を用いて、任意の30箇所の透過側流路材の断面を500倍で写真撮影し、形状を観察した。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート繊維からなる不織布(繊度:1デシテックス、厚み:約90μm、通気度:1cc/cm/sec、密度0.80g/cm)上にポリスルホンの17.0質量%のDMF溶液を180μmの厚みで室温(25℃)にてキャストし、ただちに純水中に浸漬して5分間放置し、80℃の温水で1分間浸漬することによって繊維補強ポリスルホン支持膜からなる、多孔性支持層(厚さ130μm)を作製した。
その後、多孔性支持膜のポリスルホンからなる層の表面をm−PDAの2.2質量%水溶液中に2分間浸漬してから、垂直方向にゆっくりと引き上げた。さらに、エアーノズルから窒素を吹き付けることで、支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた。
その後、トリメシン酸クロリド0.08質量%を含むn−デカン溶液を、膜の表面が完全に濡れるように塗布してから、1分間静置した。その後、膜から余分な溶液をエアブローで除去し、80℃の熱水で1分間洗浄した。
得られた分離膜を、供給側の面が対向するように折り畳み断裁加工し、ネット(厚み:0.70mm、ピッチ:3mm×3mm、繊維径:0.34mm、投影面積比:0.13)を供給側流路材として挟みこみ、幅300mmかつリーフ長750mmのリーフ1を1枚作製した。
次いで、得られた分離膜の透過側全体に渡って透過側流路材を形成した。すなわち、バックアップロールを15℃に温度調節しながら、グラビアロールを用いて、ケン化エチレン−ビニル酢酸共重合体(東ソー社製 メルセンH−6820、圧縮弾性率:1GPa)を、分離膜の透過側の面に、長さ方向に連続的に塗布した。樹脂温度は135℃であり、加工速度は10m/分であった。こうして形成された流路材の断面形状は、上底0.45mm、下底0.55mmの台形であった。また、流路材の高さcは0.26mmであり、流路材の幅dは0.5mmであり、流路材の長手方向が集水管長手方向と成す角度は90°であり、幅方向における流路材間隔eは0.4mmであり、幅方向における流路材のピッチは0.9mmであった。このようにして得られた分離膜を、供給側の面が対向するように折り畳み、上記のネットを供給側流路材として挟み込み、幅300mmかつリーフ長750mmの膜リーフ2を1枚作製した。
ここで、ピッチとは、透過側の面において、200箇所で計測された、分離膜の凸部の頂点から近接する凸部の頂点までの水平距離の平均値である。
こうして得られた2種類の膜リーフを積層させ、ABS製集水管(幅:300mm、径:17mm、孔数12個×直線状1列)にスパイラル状に巻き付け、外周にさらにフィルムを巻き付けた後にテープで固定した後に、エッジカットおよび端板取りつけを行うことで、2インチサイズの分離膜エレメント(以下、「2インチエレメント」と称する)を作製した。
分離膜エレメントを圧力容器に入れて、原水として500ppm食塩、運転圧力0.5MPa、運転温度25℃、pH6.5で運転(回収率15%)の条件下で1時間および60日間運転を行った。このときのエレメント性能および各パラメーターは表1の通りであった。
(実施例2)
実施例1と同じ方法で分離膜を作製した後、pH3、35℃、3000ppm亜硝酸ナトリウム水溶液に45秒間浸漬することで分離膜に亜硝酸処理を施した以外は、全て実施例1と同じ方法で2インチエレメントを作製、性能評価を行った。このときのエレメント性能および各パラメーターは表1の通りであった。
(実施例3)
実施例1と同じ方法で分離膜を作製した後、25℃の10%グリセリン水溶液に分離膜を浸漬し、さらに80℃で2分間の乾燥処理を行った以外は、全て実施例1と同じ方法で2インチエレメントを作製、性能評価を行った。このときのエレメント性能および各パラメーターは表1の通りであった。
(実施例4)
実施例2と同じ方法で分離膜を作製した後、25℃の10%グリセリン水溶液に分離膜を浸漬し、さらに60℃で2分間の乾燥処理を行った以外は、全て実施例2と同じ方法で2インチエレメントを作製、性能評価を行った。このときのエレメント性能および各パラメーターは表1の通りであった。
(実施例5)
実施例3において分離膜の乾燥処理温度を160℃に設定した以外は、全て実施例3と同じ方法で2インチエレメントを作製、性能評価を行った。このときのエレメント性能および各パラメーターは表1の通りであった。
(実施例6)
実施例4において分離膜の乾燥処理温度を160℃に設定した以外は、全て実施例4と同じ方法で2インチエレメントを作製、性能評価を行った。このときのエレメント性能および各パラメーターは表1の通りであった。
(実施例7)
実施例1において用いた2種類のリーフについて、幅300mmかつ長さ375mmの2枚の分離膜を作製した後、供給水側同士が対面になるように配置し、封止材(東ソー株式会社製、エチレン酢酸ビニル共重合体 商品名 ウルトラセン627)を用いて接着させて作製した以外は、全て実施例1と同じ方法で2インチエレメントを作製、性能評価を行った。このときのエレメント性能および各パラメーターは表1の通りであった。
(実施例8)
実施例4において、加工速度を7m/minとし、流路材の断面形状を幅0.54mm、高さ0.26mmかつ図4(b)に示すような半楕円形とした以外は、全て実施例4と同じ方法で2インチエレメントを作製、性能評価を行った。このときのエレメント性能および各パラメーターは表1の通りであった。
(実施例9)
実施例4において、分離膜の乾燥処理温度を160℃とした以外は、全て実施例4と同じ方法で2インチエレメントを作製、性能評価を行った。このときのエレメント性能および各パラメーターは表1の通りであった。
(実施例10)
実施例9において、加工速度を7m/minとし、流路材の断面形状を幅0.54mm、高さ0.26mmかつ図4(b)に示すような半楕円形とした以外は、全て実施例9と同じ方法で2インチエレメントを作製、性能評価を行った。このときのエレメント性能および各パラメーターは表1の通りであった。
(実施例11)
実施例4において、バックアップロールを10℃に温度調節し、上底0.45mm、下底0.55mm、角R=0.02mmかつ図4(d)に示すような角丸台形とした以外は、全て実施例4と同じ方法で2インチエレメントを作製、性能評価を行った。このときのエレメント性能および各パラメーターは表1の通りであった。
(比較例1)
実施例1において用いた2枚の膜リーフのいずれにも透過側流路材を形成させた以外は、全て実施例1と同じ方法で2インチエレメントを作製、性能評価を行った。このときのエレメント性能および各パラメーターは表1の通りであった。
(比較例2)
比較例1において用いた2枚の膜リーフのうち、膜リーフ2にのみ、実施例2と同様の亜硝酸処理を施した以外は、全て比較例1と同じ方法で2インチエレメントを作製、性能評価を行った。このときのエレメント性能および各パラメーターは表1の通りであった。
(比較例3)
実施例3と同じ方法で分離膜を作製し、乾燥処理を行った後、供給側の面が対向するように折り畳み断裁加工し、実施例1と同様のネットを供給側流路材として挟みこみ、次いで分離膜の透過水側表面にトリコット(厚み:260μm、溝幅:200μm、畦幅:300μm、溝深さ:105μm)を透過側流路材として積層して、幅300mmかつリーフ長750mmのリーフを2枚作製した。こうして得られたリーフについて、実施例1と同じ方法で2インチエレメントを作製、性能評価を行った。このときのエレメント性能および各パラメーターは表1の通りであった。
(比較例4)
実施例8において用いた2枚の膜リーフのいずれにも透過側流路材を作製した以外は、全て実施例8と同じ方法で2インチエレメントを作製、性能評価を行った。このときのエレメント性能および各パラメーターは表1の通りであった。
Figure 2016068081
表1の結果より、実施例1〜4および7、8、11は、長時間の運転においても高い造水量および高い除去率を維持していることは明らかである。特に、実施例8および11のように、丸みを帯びた樹脂形状とすることで、長時間の運転における性能安定性に優れた分離膜エレメントを作製できた。
実施例5は、乾燥処理温度を高く設定したことで、分離膜リーフ2の透過流束が著しく低下したため、分離膜間の透過流束の変動係数が10%を超えている。しかしながら、脱塩率の変動係数は10%を下回っているため、結果的に長時間の運転においても高い造水量および高い除去率を維持していた。
実施例6についても同様に、乾燥処理温度を高く設定したことで、分離膜リーフ2の除去率が著しく向上したため、分離膜間の脱塩率の変動係数が10%を超えている。しかしながら、透過流束の変動係数は10%を下回っているため、結果的に長時間の運転においても高い造水量および高い除去率を維持していた。
実施例9は、乾燥処理温度を高く設定したことで、分離膜リーフ2の透過流束が大きく低下し、分離膜間の透過流束および脱塩率の変動係数が15%を超えたため、長時間の運転において造水量の低下はやや大きかったが、本願発明の効果は十分得られる分離膜エレメントを作製できた。
実施例10についても同様に、乾燥処理温度を高く設定したが、樹脂の断面形状が半楕円形であるため、長時間の運転における造水量低下は実施例9よりも抑制されており、高い造水量および高い除去率を維持していた。
一方、比較例1および4では、膜リーフ1および2の両方の透過側に樹脂が固着されているため、長時間の運転において膜がずれ、流路材が流路にはまり込み、特に造水量が著しく低下した。
比較例2では、膜リーフ2にのみ後処理を施したことで、分離膜間の透過流束および脱塩率の変動係数がいずれも10%を超えている。その結果、長時間の運転において膜リーフ間の性能変化が大きくなり、最終的にはエレメントとしての性能が著しく低下した。
比較例3では、透過側流路材としてトリコットを使用しているため、長時間の運転において膜が落ち込み、透過側流路が縮小することで流動抵抗が大きくなり、造水量が著しく低下した。
以上のように、実施例1〜10の分離膜エレメントは、長時間の運転においても高い造水量および高い除去率を維持していることがわかった。
本願発明の複合分離膜エレメントは、特に、かん水および海水の脱塩に好適に用いることができる。
1 分離膜
2 分離膜本体
21 供給側の面
22 透過側の面
201 基材
202 多孔性支持層
203 分離機能層
3 透過側流路材
4 供給側流路材
5 透過側流路
6 集水管
7 分離膜本体
71 供給側の面
72 透過側の面
81 分離膜リーフ
82 封筒状膜
91 第1端板
92 第2端板
100 分離膜エレメント
a 分離膜(リーフ)長さ
b 透過側流路材の幅方向間隔
c 透過側流路材の高さ
d 透過側流路材の幅
e 透過側流路材の長さ方向の間隔
f 透過側流路材の長さ

Claims (4)

  1. 集水管と、
    供給側流路材、供給側の面が内側を向くように前記供給側流路材を両側から挟んだ分離膜を有し、前記集水管の周囲に積層した状態で巻回された分離膜リーフと、を備えた分離膜エレメントであって、
    前記分離膜エレメントは、少なくとも次の(1)(2)の前記分離膜リーフを含み、前記(1)(2)の分離膜リーフが交互に積層されていることを特徴とする分離膜エレメント。
    (1)前記分離膜の透過側の面に樹脂が固着された透過側流路材を有しているもの
    (2)前記分離膜の透過側の面に樹脂が固着されていないもの
  2. 前記(1)(2)の分離膜リーフの造水量の変動係数が15%以下であり、かつ、除去率の変動係数が15%以下である、
    請求項1に記載の分離膜エレメント。
  3. 前記(1)(2)の分離膜リーフの造水量の変動係数が10%以下であり、かつ、除去率の変動係数が10%以下である、
    請求項1または2に記載の分離膜エレメント。
  4. 前記透過側流路材は、前記分離膜の長さ方向における長さが、前記長さ方向に垂直な幅方向における長さよりも大きく、
    前記幅方向において、互いに間隔をおいて配置されており、
    前記長さ方向に垂直な断面において、前記分離膜に固着していない周の少なくとも一部が、丸みを帯びている、
    請求項1〜3のいずれかに記載の分離膜エレメント。
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