JP2012001348A - ガイドレール取付治具及びガイドレール固定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コストの削減を図ることができると共に作業の安全性及び作業効率を向上させることができるようにする。
【解決手段】ガイドレール取付治具10は、枠体11と、枠体11に設けられ、ナット6を着脱可能に保持するナット保持部12A,12Bと、を備えている。ナット保持部12A,12Bは、第1の回転軸17と、第2の回転軸18と、角柱状の第1のローラ15及び第2のローラ16とを有している。第1のローラ15は、第1の回転軸17に回転可能に支持されると共に、ナット6の平面部6aに当接する第1の当接面15bを有している。また、第2のローラ16は、第2の回転軸18に回転可能に支持されると共にナット6の平面部6bに当接する第2の当接面16bを有している。更に、第1の回転軸17と第1のローラ15との間、及び第2の回転軸18と第2のローラ16との間には、複数の円柱状のピン22が介在される。
【選択図】図4
【解決手段】ガイドレール取付治具10は、枠体11と、枠体11に設けられ、ナット6を着脱可能に保持するナット保持部12A,12Bと、を備えている。ナット保持部12A,12Bは、第1の回転軸17と、第2の回転軸18と、角柱状の第1のローラ15及び第2のローラ16とを有している。第1のローラ15は、第1の回転軸17に回転可能に支持されると共に、ナット6の平面部6aに当接する第1の当接面15bを有している。また、第2のローラ16は、第2の回転軸18に回転可能に支持されると共にナット6の平面部6bに当接する第2の当接面16bを有している。更に、第1の回転軸17と第1のローラ15との間、及び第2の回転軸18と第2のローラ16との間には、複数の円柱状のピン22が介在される。
【選択図】図4
Description
本発明は、エレベータの乗りかご及びつり合いおもりをガイドするガイドレールをレールブラケットに固定するためのガイドレール取付治具、及びこのガイドレール取付治具を用いたガイドレール固定方法に関する。
一般に、エレベータは、乗りかご及びつり合いおもりをガイドするガイドレールが昇降路内に立設されている。そして、ガイドレールは、その立設方向の複数箇所に固定装置によって昇降路の壁面や建屋の梁などの鋼材に固定されている。
エレベータの据付作業には、ガイドレールを昇降路壁面に固定するために、まずレールブラケットをガイドレールに固定する工程がある。この工程では、ばね式のバネクリップとレールブラケットの間にガイドレールを挟んでボルト締めを行い、ガイドレールとレールブラケットとを一体に固定している(特許文献1参照)。
しかし、特許文献1に記載されたガイドレールの固定方法では、ナットがレールブラケットの裏側に隠れた状態で、ボルトの締結作業を行わなければならないため、作業効率が悪くなるという問題がある。このボルトの締結作業の効率化を図るため、例えば、プレート本体に予めナットを溶接させておく技術が提案されている(特許文献2参照)。
この特許文献2に開示された技術では、まずレールをバネクリップとレールブラケットで挟持し、レールブラケットの裏側にナット付きプレートを配置する。そして、インパクトレンチ等の締め付け工具を用いて一対のボルトと、ナット付きプレートに溶接した一対のナットとを締結固定している。
しかしながら、特許文献2に開示された技術では、ナットとプレート本体が溶接されているため、固定作業の完了後にレールブラケットからプレート本体を外すことができない。このプレート本体は、固定作業が完了するとその役割を終えるので、それ以後は、特別な機能を果たすものではなく、必要とされないものであった。
また、1基のエレベータには、乗りかご及びつり合いおもりをガイドするために4本のガイドレールが必要である。更に、ガイドレールを固定する箇所は、昇降路内に複数設けられている。そのため、1基のエレベータの昇降路内で4本のガイドレールを固定するためには、多数のナット付きプレートを用意する必要があった。
その結果、特許文献2に開示された技術では、多数のナット付きプレートが必要であるため、作業工具の部品点数が増加し、コストアップを招いていた。また、事前に多数のナットをプレート本体に溶接する作業が必要となり、固定作業を行うための準備が繁雑なものとなっていた。更に、作業者は、多数のナット付きプレートを昇降路内の高所に持参しなければならないため、作業の効率の低下を招くと共に作業の安全性に悪影響を及ぼす場合がある、という問題があった。
本発明の目的は、上記の問題点を考慮し、コストの削減を図ることができると共に作業の安全性及び作業効率を向上させることができるガイドレール取付治具及びガイドレール固定方法を提供することにある。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明のガイドレール取付治具は、エレベータのガイドレールをバネクリップによって挟持し、且つナット及びボルトをレールブラケットに固定する際に用いられるものであり、枠体と、枠体に設けられ、ナットを着脱可能に保持するナット保持部と、を備えている。
ナット保持部は、枠体に設けられた第1の回転軸と、第1の回転軸と所定の間隔を空けて枠体に設けられた第2の回転軸と、を有している。また、第1の回転軸に回転可能に支持されると共に、ナットの平面部に当接する第1の当接面を有し、角柱状に形成された第1のローラと、第2の回転軸に回転可能に支持されると共に、ナットの平面部に当接する第2の当接面を有し、角柱状に形成された第2のローラと、を有している。更に、第1の回転軸と第1のローラとの間、及び第2の回転軸と第2のローラとの間に介在される複数の円柱状のピンと、を有している。ナットは、第1のローラと第2のローラとの間に着脱可能に仮固定されることを特徴とする。
ナット保持部は、枠体に設けられた第1の回転軸と、第1の回転軸と所定の間隔を空けて枠体に設けられた第2の回転軸と、を有している。また、第1の回転軸に回転可能に支持されると共に、ナットの平面部に当接する第1の当接面を有し、角柱状に形成された第1のローラと、第2の回転軸に回転可能に支持されると共に、ナットの平面部に当接する第2の当接面を有し、角柱状に形成された第2のローラと、を有している。更に、第1の回転軸と第1のローラとの間、及び第2の回転軸と第2のローラとの間に介在される複数の円柱状のピンと、を有している。ナットは、第1のローラと第2のローラとの間に着脱可能に仮固定されることを特徴とする。
また、本発明のガイドレール固定方法は、以下の(1)から(4)に示す工程を含んでいる。
(1)ナットをガイドレール取付治具の枠体に設けたナット保持部の角柱状の第1のローラ及び第2のローラの間に装着し、且つナットの平面部を第1のローラ及び第2のローラの当接面に当接させて仮固定する工程。
(2)レールブラケットにおけるガイドレールと対向する面の反対側の面に、ナットを仮固定したガイドレール取付治具を配置する工程。
(3)バネクリップとレールブラケットとでガイドレールを挟持し、ボルトをバネクリップに設けた貫通孔及びレールブラケットに設けた挿通孔に挿通させて、ガイドレール取付治具のナット保持部に仮固定させたナットと締結固定する工程。
(4)ガイドレール取付治具をレールブラケットから離すと共に第1のローラ及び第2のローラを回転させて、ナットをガイドレール取付治具から外す工程。
(1)ナットをガイドレール取付治具の枠体に設けたナット保持部の角柱状の第1のローラ及び第2のローラの間に装着し、且つナットの平面部を第1のローラ及び第2のローラの当接面に当接させて仮固定する工程。
(2)レールブラケットにおけるガイドレールと対向する面の反対側の面に、ナットを仮固定したガイドレール取付治具を配置する工程。
(3)バネクリップとレールブラケットとでガイドレールを挟持し、ボルトをバネクリップに設けた貫通孔及びレールブラケットに設けた挿通孔に挿通させて、ガイドレール取付治具のナット保持部に仮固定させたナットと締結固定する工程。
(4)ガイドレール取付治具をレールブラケットから離すと共に第1のローラ及び第2のローラを回転させて、ナットをガイドレール取付治具から外す工程。
本発明のガイドレール取付治具及びガイドレール固定方法によれば、ナットを角柱状の第1のローラ及び第2のローラで着脱可能に挟持しているだけであるため、固定作業の完了後には、ガイドレール取付治具をガイドレールから取り外すことができる。その結果、ガイドレール取付治具を何度も再利用することができるため、コストの削減を図ることができる。更に、作業者は、高所での作業を行う際に多くの作業工具を持ち運ぶことなく作業を行うことができ、作業の効率の向上を図ると共に作業の安全性を高めることが可能である。
また、ナットを枠体に回転可能に支持される第1のローラ及び第2のローラで挟持しているため、ガイドレールからガイドレール取付治具を取り外す際に、ナットを挟持する2つのローラが回転する。このように、2つのローラが回転することにより、ボルトを締結固定した後に、ナットを極めて小さな力でナット保持部から取り外すことが可能となり、作業効率の向上を図ることができる。また、ローラと回転軸との間に複数の円柱状のピンを介在させているため、ローラが回転する際の摩擦抵抗を軽減させることができる。
更に、第1のローラ及び第2のローラをナットの平面部と当接する当接面を有する角柱状に形成している。そのため、ナットを締結固定する際に、ナットから加わる力によって第1のローラ及び第2のローラが回転することを防ぐことができる。
以下、本発明のガイドレール取付治具の実施の形態例について、図1〜図7を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。また、説明は以下の順序で行うが、本発明は、必ずしも以下の形態に限定されるものではない。
1.ガイドレール取付治具の構成
2.ガイドレールの固定方法
1.ガイドレール取付治具の構成
2.ガイドレールの固定方法
<1.ガイドレール取付治具の構成>
まず、図1〜図3を参照して本発明のガイドレール取付治具の実施の形態例(以下、「本例」という。)について説明する。
まず、図1〜図3を参照して本発明のガイドレール取付治具の実施の形態例(以下、「本例」という。)について説明する。
図1はガイドレールをレールブラケットに固定する状態を示す斜視図である。この図1に示すように、エレベータの昇降路内には、乗りかご及びつりあいおもりをガイドするガイドレール1が立設されている。
ガイドレール1は、一対のバネクリップ4と、ボルト5と、ナット6によってレールブラケット2に固定されている。すなわち、ガイドレール1は、弾性を有する一対のバネクリップ4とレールブラケット2とで挟持され、一対のボルト5とナット6で締結固定されている。そして、このガイドレール1の固定作業時には、ガイドレール取付治具10が用いられる。
レールブラケット2は、断面形状が略L字状に形成されている。このレールブラケット2は、昇降路の壁面や建屋の梁などに設置されているファスナ3に例えばボルトや溶接等の固定方法で固定されている。なお、本例では、レールブラケット2には、略長方形状の固定孔7が設けられている。レールブラケットは、固定孔7にボルト5を挿通させて、ファスナ3に締結固定される。更に、レールブラケット2におけるガイドレール1と対向する面には、所定の間隔を開けて一対の挿通孔8が設けられている(図4参照)。
次に、図1〜図3を参照して本例のガイドレール取付治具10について説明する。
図2は、本例のガイドレール取付治具を示す正面図である。そして、図1及び図2に示すように、ガイドレール取付治具10は、略長方形をなす平板状に形成されている。このガイドレール取付治具10は、枠体11と、枠体11に設けられた第1のナット保持部12A及び第2のナット保持部12Bと、離反機構13とから構成されている。
図2は、本例のガイドレール取付治具を示す正面図である。そして、図1及び図2に示すように、ガイドレール取付治具10は、略長方形をなす平板状に形成されている。このガイドレール取付治具10は、枠体11と、枠体11に設けられた第1のナット保持部12A及び第2のナット保持部12Bと、離反機構13とから構成されている。
図2に示すように、枠体11は、略長方形をなす枠状に形成されている。この枠体11は、2つの長辺部11a,11bと、2つの短辺部11c,11dとを有している。2つの長辺部11a,11bは、所定の間隔を開けて対向し、且つ略平行に配置されている。
第1の短辺部11cは、2つの長辺部11a,11bの長手方向の一端を連結し、第2の短辺部11dは、2つの長辺部11a,11bの長手方向の他端を連結している。そして、2つの短辺部11c,11dは、略平行に配置されている。また、2つの長辺部11a,11bと2つの短辺部11c,11dが略長方形状の開口部11eを形成している。
枠体11の材質としては、例えば、ステンレス鋼等の金属が好適であるが、その他の金属を用いることができることは勿論のこと、金属以外にもエンジニアリングプラスチック等を用いることもできる。
枠体11の長手方向の一側には、第1のナット保持部12Aが配置されており、枠体11の長手方向の他側には、第2のナット保持部12Bが配置されている。なお、第1のナット保持部12Aと第2のナット保持部12Bは、それぞれ同一の構成を有しているため、ここでは、第1のナット保持部12Aについて説明する。
第1のナット保持部12Aは、第1のローラ15と、第2のローラ16と、第1の回転軸17と第2の回転軸18と、2つの回転軸17,18を枠体に固定する固定部19とを備えている。
第1の回転軸17と第2の回転軸18は、棒状に形成されている。この第1の回転軸17と第2の回転軸18は、2つの短辺部11c,11dと略平行に配置され、軸方向の両端が固定部19によって枠体11の2つの長辺部11a,11bに固定されている。そして、第1の回転軸17と第2の回転軸18は、長辺部11a,11bに沿って所定の間隔を空けて配置されている。更に、第1の回転軸17には、第1のローラ15が回転可能に取り付けられている。また、第2の回転軸18には、第2のローラ16が回転可能に取り付けられる。
第1のローラ15は、八角柱状に形成されており、ナット6の側面部である第1の平面部6aと当接する第1の当接面15bを有している。第2のローラ16も、第1のローラ15と同様に、八角柱状に形成されており、ナット6の第1の平面部6aと対向する第2の平面部6bと当接する第2の当接面16を有している。
なお、本例では、第1のローラ15及び第2のローラ16を八角柱状に形成した例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば六角柱状やその他の角柱状に形成してもよい。
第1のローラ15の筒孔15aには、第1の回転軸17が挿通している(図3参照)。そして、第1のローラ15は、第1の回転軸17に回転可能に支持されている。この第1のローラ15は、枠体11における2つの長辺部11a,11bの間に、2つの短辺部11c,11dと略平行に配置されている。
第2のローラ16の筒孔16aには、第2の回転軸18が挿通している(図3参照)。そして、第2のローラ16は、第2の回転軸18によって回転可能に支持される。この第2のローラ16は、第1のローラ15と同様に、枠体11における2つの長辺部11a,11bの間に、2つの短辺部11c,11dと略平行に配置されている。また、第1のローラ15及び第2のローラ16の軸方向の両端、すなわち2つの長辺部11a,11bとの間には、ワッシャ21が介在されている。
また、第1のローラ15と第2のローラ16は、枠体11の長手方向に所定の間隔を開けて配置されている。そして、第1のローラ15の第1の当接面15bと、第2のローラ16の第2の当接面16bが対向する際の、第1の当接面15bと第2の当接面16bとの間隔Lは、ナット6の第1の平面部6aと第2の平面部6bの間隔sとほぼ等しく設定されている。なお、第1の当接面15bと第2の当接面16bとの間隔Lは、第1の平面部6aと第2の平面部6bの間隔sよりも若干大きく設定してもよい。
そして、第1のローラ15と第2のローラ16の間には、ナット6が着脱可能に装着される。このとき、第1のローラ15の第1の当接面15bにナット6の第1の平面部6aが当接し、第2のローラ16の第2の当接面16bにナット6の第2の平面部6bが当接する。そのため、第1のローラ15の第1の当接面15bと第2のローラ16の第2の当接面16bによって、ナット6が挟持される。これにより、ナット6とボルト5を締結固定する際に、ナット6が回転することを防ぐことができる。
また、ナット6を締結する際に、ナット6から第1のローラ15及び第2のローラ16に加わる力が、第1のローラ15及び第2のローラ16の回転中心上を通るように、第1のローラ15及び第2のローラ16の大きさが設定されている。好ましくは、第1のローラ15及び第2のローラ16における対向する2辺間の距離Mは、ナット6の厚さtの2倍未満の長さに設定されている。
更に、ガイドレール1とレールブラケット2を締結固定した後にナット6を第1のナット保持部12A及び第2のナット保持部12Bから取り外す際には、ナット6を挟持している2つのローラ15,16が回転する(図7参照)。その結果、ナット6を容易に第1のナット保持部12A及び第2のナット保持部12Bから取り外すことができる。
図3は、本例のガイドレール取付治具を示す断面側面図である。
この図3に示すように、第1のローラ15の筒孔15aと第1の回転軸17、第2のローラ16の筒孔16aと第2の回転軸18との間には、それぞれ複数のピン22が介在されている。
この図3に示すように、第1のローラ15の筒孔15aと第1の回転軸17、第2のローラ16の筒孔16aと第2の回転軸18との間には、それぞれ複数のピン22が介在されている。
ピン22は、略円柱状に形成されており、軸方向の長さは、第1のローラ15及び第2のローラ16の軸方向の長さと略等しいか、あるいは若干短く設定されている。また、ピン22の直径は、第1のローラ15及び第2のローラ16の肉厚の長さと略等しく設定されている。そして、このピン22は、その軸方向を第1のローラ15及び第2のローラ16の軸方向と平行となるように配置されている。
このように、ピン22を設けることにより、ローラ15,16とピン22、ピン22と回転軸17,18との接触面積が小さくなる。そして、2つのローラ15,16の静止摩擦係数と、2つのローラ15,16が回転する際に生じる動摩擦係数が小さくなり、第1のローラ15及び第2のローラ16を容易に回転させることができる。その結果、第1のローラ15と第2のローラ16で挟持したナット6を極めて小さな力で取り外すことができ、作業効率の向上を図ることが可能となる。
更に、球体ではなく、略円柱状のピン22をローラと回転軸の間に介在させることにより、ローラ及び回転軸がピン22と点接触ではなく、線接触する。これにより、ピン22に加わる力を分散させることができ、第1のナット保持部12A及び第2のナット保持部12Bの耐久性の向上を図ることができる。
ここで、第1のローラ15及び第2のローラ16をナット6よりも柔らかい材質で形成した場合、次のような問題が生じる。具体的には、ナット6とボルト5を締結固定する際に、ナット6の角部が第1のローラ15の第1の当接面15b及び第2のローラ16の第2の当接面16bに食い込む恐れがある。その結果、第1のローラ15と第2のローラ16の間からナット6を取り外す際には、極めて大きな力が必要となる。
よって、本例では、ナット6の角部が第1のローラ15や第2のローラ16に食い込むことを防止するために、第1のローラ15及び第2のローラ16をナット6よりも硬い材質で形成している。
また、ボルト5とナット6を締結固定する際、2つのローラ15,16や2つの回転軸17,18には、ナット6から大きな力が加わる。そして、ローラ15,16及び回転軸17,18の軸方向の長さを長く設定すると、曲げモーメントが大きくなり、ローラ15,16や回転軸17,18に大きな負荷が加わる。
そのため、枠体11の2つの長辺部11a,11bの間隔、すなわち回転軸17,18及びローラ15,16の軸方向の長さを、可能な限り短くすることが好ましい。具体的には、ナット6の対向する2つの頂点の間隔e(図2参照)に近づけることが好ましい。これにより、ローラ15,16や回転軸17,18に加わる負荷(モーメント)を小さくすることができ、耐久性の向上を図ることが可能となる。
更に、枠体11の剛性を高めるために、2つの長辺部11a,11bの間に補強部材を設けてもよい。
また、枠体11における第1のナット保持部12Aと第2のナット保持部12Bの間には、離反機構13が設けられている。離反機構13は、押出板24と、押出板24を回転可能に支持する軸部25と、軸部25を枠体に固定する固定部26とを有している。離反機構13は、締結作業が完了した後に、枠体11をレールブラケット2から離反させると共にナット6をナット保持部12A,12Bから容易に取り外すためのものである。
押出板24は、正面から見た形状が長方形となる略平板状に形成されている。図3に示すように、押出板24の長手方向の一側は、その厚さが長手方向の一端に行くに従って薄くなっている。押出板24は、長手方向の中心よりも一側に寄った位置に、軸部25が挿通する軸孔24aを有している。
軸部25は、棒状に形成されており、2つの短辺部11c,11dと略平行に配置され、軸方向の両端が固定部26によって枠体11の2つの長辺部11a,11bに固定されている。この軸部25は、押出板24を回転可能に支持している。そして、作業者が押出板24を回転させると、てこの原理により押出板24でレールブラケット2を押圧することができる。
また、押出板24の回転中心は、押出板24の長手方向の中心からずらして設定されている。すなわち、作業者が押出板24に力を加える力点と回転中心である支点の距離を長くし、押出板24がレールブラケット2に力を加える作用点と支点の距離を短くしている。これにより、作業者が加える力を、レールブラケット2に対して大きくすることができる。
なお、押出板24の回転中心を押出板24の長手方向の中心に設けてもよい。
また、枠体11には、2つの脱落防止プレート27A,27Bが設けられている。2つの脱落防止プレート27A,27Bは、平板状の部材として形成されている。この2つの脱落防止プレート27A,27には、略円形状に開口した逃げ孔28が設けられている。なお、逃げ孔28を略円形に形成した例を説明したが、これに限定されるものではなく、一方向に延出した長孔でもよく、あるいは略四角形状の開口でもよい。
第1の脱落防止プレート27Aは、第1のナット保持部12Aにおける第1のローラ15と第2のローラ16の間で、ナット6の装着方向の反対側に配置されている。また、第2の脱落防止プレート27B、第2のナット保持部12Bにおける第1のローラ15と第2のローラ16の間で、ナット6の装着方向の反対側に配置されている。
第1の脱落防止プレート27A及び第2の脱落防止プレート27Bの逃げ孔28の直径は、ボルト5のネジ部5aの直径よりも大きく設定されている(図4参照)。更に、第1の脱落防止プレート27A及び第2の脱落防止プレート27Bの逃げ孔28の周囲には、磁石31が配置されている。この磁石31は、その磁力によって第1のナット保持部12A及び第2のナット保持部12Bに装着したナット6を吸着する。
そして、この2つの脱落防止プレート27A,27Bを設けることで、第1のナット保持部12A及び第2のナット保持部12Bに装着したナット6が、装着方向と反対側から脱落することを防ぐことができる。
なお、本例では、2つの脱落防止プレートに磁石を設けた例を説明したが、これに限定されるものではなく、磁石を設けなくても本発明の目的を達成できるものである。更に、磁石31を脱落防止プレートではなく、枠体11の2つの長辺部11a,11bに設けてもよい。
この2つの脱落防止プレート27A、27Bは、枠体11の2つの長辺部11a,11bに溶接等の固定方法で一体に固定してもよく、あるいは削りだし加工によって枠体11と一体に形成してもよい。
なお、枠体11に、ストラップを設けてもよい。これにより、ストラップによってガイドレール取付治具10を作業者の手首に保持させることができ、高所での作業中にガイドレール取付治具10が落下することを防止することができる。
更に、ストラップの代わりにネックストラップ(首に掛ける紐)を備えてもよい。ネックストラップを設ける場合には、その一部に過大な張力が作用した際に係合部が容易に外れる安全装置を備えることが好ましい。これにより、作業者の首がネックストラップによって絞まる事故を防ぐことができる。そして、安全装置を設置する箇所は、張力が加わった際に紐が直線状になる位置に配置する。すなわち、枠体と反対側の首回り部分を避けて配置することが好ましい。
<2.ガイドレールの固定方法>
次に、図4〜図7を参照して、本例のガイドレール取付治具10を用いたガイドレール1の固定方法について説明する。
図4は、本例のガイドレール取付治具10をレールブラケット2に配置した状態を示す部分断面側面図である。図5は、図4に示すガイドレール取付治具10の要部を拡大して示す部分断面図である。
次に、図4〜図7を参照して、本例のガイドレール取付治具10を用いたガイドレール1の固定方法について説明する。
図4は、本例のガイドレール取付治具10をレールブラケット2に配置した状態を示す部分断面側面図である。図5は、図4に示すガイドレール取付治具10の要部を拡大して示す部分断面図である。
まず、一対のバネクリップ4とレールブラケット2でガイドレール1の側部を挟持する。このとき、予めガイドレール取付治具10の第1のナット保持部12A及び第2のナット保持部12Bの2つのローラ15,16の間に、ナット6をそれぞれ挟持させて、ガイドレール取付治具10に仮固定する。このとき、ナット6の第1の平面部6aが第1のローラ15の第1の当接面15bに当接し、第2の平面部6bが第2のローラ16の第2の当接面16bに当接する。
ここで、2つのローラ15,16は、回転軸17,18によって回転可能に支持されている。よって、2つのローラ15,16が回転することで、ナット6を2つのローラ15,16の間に容易に装着することができる。また、2つのローラ15,16におけるナット6の装着方向と反対側には、脱落防止プレート27A,27Bを設けているため、ナット6が2つのローラ15,16から脱落することを防ぐことが可能である。その結果、作業効率を向上させることができる。
次に、図4に示すように、レールブラケット2におけるガイドレール1と対向する面と反対側の面に、枠体11におけるナット6を装着した面を向けてガイドレール取付治具10を配置する。そして、2つのボルト5のネジ部5aを一対のバネクリップ4の貫通孔4a及びレールブラケット2の挿通孔8に挿通させて、ボルト5をナット6にねじ込んで締結固定する。
図5に示すように、ナット6は、ナット保持部12A,12Bの2つのローラ15,16で挟持されている。すなわち、ナット6は、その回転が規制された状態でナット保持部12A,12Bに保持されている。
また、ナット6の角部や平面部6a,6bから第1の当接面15b及び第2の当接面16bに力F1、F2が加わる。ここで、第1のローラ15及び第2のローラ16の大きさMは、ナットの厚さtに応じて設定されている。そのため、第1の当接面15bに加わる力F1の方向は、第1のローラ15の回転中心である第1の回転軸17の軸心P1上を通っている。同様に、第2の当接面16bに加わる力F2の方向は、第2のローラ16の回転中心である第2の回転軸18の軸心P2上を通っている。これにより、締結作業時にナット6から加わる力F1,F2によって、第1のローラ15及び第2のローラ16が回転することを防止することができる。
その結果、作業者は、ガイドレール取付治具10を押さえるだけで、容易にボルト5とナット6との締結作業を行うことができる。なお、ボルト5の首部5bとバネクリップ4との間には、必要に応じて座金を挟んでもよい。
また、2つのローラ15,16の間に配置される脱落防止プレート27A,27Bには、ボルト5のネジ部5aの直径よりも大きな直径を有する逃げ孔28が設けられている。そのため、ボルト5のネジ部5aと脱落防止プレート27A,27Bが干渉することを防ぐことができる。
図6は、図4に示す状態からガイドレール取付治具10を取り外す状態を示す部分断面側面図である。図7は、図6に示すガイドレール取付治具10の要部を拡大して示す部分断面図である。
図6に示すように、2つのボルト5とナット6との締結固定が終了すると、離反機構13の押出板24を回転させる。押出板24が回転すると、その一面がレールブラケット2に当接し、押出板24がレールブラケット2を押圧する。これにより、てこの原理によって容易にガイドレール取付治具10をレールブラケット2から離反させることができる。
図7に示すように、ナット6から第1のローラ15及び第2のローラ16に加わる力F1,F2の方向が、第1の回転軸17及び第2の回転軸18の軸心P1、P2からずれる。力F1,F2の方向が、回転中心からずれることで、ナット6を挟持する2つのローラ15,16が回転する。
ここで、ローラ15,16と回転軸17,18との間には、円柱状のピン22を介在させているため、ローラ15,16が回転する際に生じる摩擦抵抗が軽減される。その結果、極めて小さな力でローラ15,16が回転し、且つナット6をナット保持部12A,12Bから取り外すことができる。これにより、ガイドレール1の固定作業が完了する。
また、ガイドレール取付治具10は、ボルト5の締結作業によってレールブラケット2に固定されることがないため、何度も再利用することができる。これにより、コストの削減を図ることができる。また、多数の工具を昇降路内の高所に持参する必要がなくなるため、作業の効率を向上せることができると共に作業の安全性を高めることが可能である。
更に、ナット6をナット保持部12A,12Bの2つのローラ15,16の間に装着するだけで、ナット6をガイドレール取付治具10に仮固定することができる。そのため、従来のように、プレートにナット6を溶接する手間を省くことができる。その結果、固定作業を行うための前準備を簡略化することが可能である。
なお、一般的にエレベータの昇降路内には、メインガイドレールとつり合いおもりガイドレールの大小2対のガイドレールを固定させる必要があるため、一対のナットのサイズ及び設置間隔を2通り設定する必要がある。そのため、メインガイドレール用のガイドレール取付治具と、つり合いおもり用のガイドレール取付治具との2つのガイドレール取付治具を用意することが好ましい。
なお、本発明は上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施の形態例では、レールブラケットとガイドレールの固定に六角ナット及び六角ボルトを用いた例を説明したが、四角ナット及び四角ボルトを用いてもよい。
1…ガイドレール、 2…レールブラケット、 3…ファスナ、 4…バネクリップ、 4a…貫通孔、 5…ボルト、 5a…ネジ部、 5b…首部、 6…ナット、 6a…第1の平面部、 6b…第2の平面部、 8…挿通孔、 10…ガイドレール取付治具、 11…枠体、 11a,11b…長辺部、 11c…第1の短辺部、 11d…第2の短辺部、 12A…第1のナット保持部、 12B…第2のナット保持部、 13…離反機構、 15…第1のローラ、 15a…筒孔、 15b…第1の当接面、 16…第2のローラ、 16a…筒孔、 16b…第2の当接面、 17…第1の回転軸、 18…第2の回転軸、 22…ピン, 24…押出板、 25…軸部、 27A…第1の脱落防止プレート、 27B…第2の脱落防止プレート、 28…逃げ孔、 31…磁石、 P1,P2…軸心
Claims (8)
- エレベータのガイドレールをバネクリップによって挟持し、且つナット及びボルトをレールブラケットに固定する際に用いられるガイドレール取付治具であって、
枠体と、
前記枠体に設けられ、前記ナットを着脱可能に保持するナット保持部と、を備え、
前記ナット保持部は、
前記枠体に設けられた第1の回転軸と、
前記第1の回転軸と所定の間隔を空けて前記枠体に設けられた第2の回転軸と、
前記第1の回転軸に回転可能に支持されると共に、前記ナットの平面部に当接する第1の当接面を有し、角柱状に形成された第1のローラと、
前記第2の回転軸に回転可能に支持されると共に、前記ナットの平面部に当接する第2の当接面を有し、角柱状に形成された第2のローラと、
前記第1の回転軸と前記第1のローラとの間、及び前記第2の回転軸と前記第2のローラとの間に介在される複数の円柱状のピンと、を有し、
前記ナットは、前記第1のローラと前記第2のローラとの間に着脱可能に仮固定される
ことを特徴とするガイドレール取付治具。 - 前記第1のローラ及び前記第2のローラは、六角柱状又は八角柱状に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のガイドレール取付治具。 - 前記ナットを締結固定する際に、前記ナットから前記第1の当接面及び前記第2の当接面に加わる力の方向が、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸の軸心上を通るように前記第1のローラ及び前記第2のローラの大きさが設定されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガイドレール取付治具。 - 前記第1のローラ及び前記第2のローラの間で、且つ前記枠体における前記ナット保持部の前記ナットの装着方向と反対側には、前記ボルトが貫通する逃げ孔を有する脱落防止プレートが設けられている
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガイドレール取付治具。 - 前記脱落防止プレートには、前記ナットを吸着する磁石が設けられている
ことを特徴とする請求項4に記載のガイドレール取付治具。 - 前記枠体には、前記ナットと前記ボルトとを締結固定した後に、前記枠体を前記レールブラケットから離反させて前記ナットを前記ナット保持部から外す離反機構が設けられている
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガイドレール取付治具。 - 前記第1のローラ及び前記第2のローラは、前記ナットよりも硬い材質で形成されている
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のガイドレール取付治具。 - エレベータのガイドレールをレールブラケットに固定するガイドレール固定方法において、
ナットをガイドレール取付治具の枠体に設けたナット保持部の角柱状の第1のローラ及び第2のローラの間に装着し、且つ前記ナットの平面部を第1のローラ及び第2のローラの当接面に当接させて仮固定する工程と、
前記レールブラケットにおける前記ガイドレールと対向する面の反対側の面に、前記ナットを仮固定した前記ガイドレール取付治具を配置する工程と、
バネクリップと前記レールブラケットとで前記ガイドレールを挟持し、ボルトを前記バネクリップに設けた貫通孔及び前記レールブラケットに設けた挿通孔に挿通させて、前記ガイドレール取付治具の前記ナット保持部に仮固定させた前記ナットと締結固定する工程と、
前記ガイドレール取付治具を前記レールブラケットから離すと共に前記第1のローラ及び前記第2のローラを回転させて、前記ナットを前記ガイドレール取付治具から外す工程と、
を備えたことを特徴とするガイドレール固定方法。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2010139837A JP2012001348A (ja) | 2010-06-18 | 2010-06-18 | ガイドレール取付治具及びガイドレール固定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2010139837A JP2012001348A (ja) | 2010-06-18 | 2010-06-18 | ガイドレール取付治具及びガイドレール固定方法 |
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Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN105035910A (zh) * | 2015-09-02 | 2015-11-11 | 苏州中远电梯有限公司 | 一种轮槽易换式电梯导轨 |
| JP2016160090A (ja) * | 2015-03-05 | 2016-09-05 | 三菱電機ビルテクノサービス株式会社 | エレベータ昇降路作業床装置およびエレベータ昇降路作業床装置設置方法 |
| KR20190095718A (ko) * | 2018-02-07 | 2019-08-16 | 주식회사 알파로보틱스 | 직선로봇의 lm레일 조립용 지그 |
-
2010
- 2010-06-18 JP JP2010139837A patent/JP2012001348A/ja active Pending
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