JP2011092018A - 食品保存剤および食品保存方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】細菌、特に乳酸菌の増殖を抑制する静菌効果が得られ、しかも、食品の風味を損なわない食品保存剤および食品保存方法の提供。
【解決手段】キトサン分解物1質量部に対して、フェルラ酸0.01〜10質量部と、グリシンおよびアラニンの少なくとも一方1〜200質量部とが配合された食品保存剤。また、食品にキトサン分解物とフェルラ酸とグリシンおよびアラニンの少なくとも一方とを添加する食品の保存方法であって、食品100質量部に対して前記キトサン分解物を0.001〜1質量部添加し、前記フェルラ酸を前記キトサン分解物1質量部に対して0.01〜10質量部添加し、前記グリシンおよびアラニンの少なくとも一方を前記キトサン分解物1質量部に対して1〜200質量部添加する食品保存方法。
【選択図】なし
【解決手段】キトサン分解物1質量部に対して、フェルラ酸0.01〜10質量部と、グリシンおよびアラニンの少なくとも一方1〜200質量部とが配合された食品保存剤。また、食品にキトサン分解物とフェルラ酸とグリシンおよびアラニンの少なくとも一方とを添加する食品の保存方法であって、食品100質量部に対して前記キトサン分解物を0.001〜1質量部添加し、前記フェルラ酸を前記キトサン分解物1質量部に対して0.01〜10質量部添加し、前記グリシンおよびアラニンの少なくとも一方を前記キトサン分解物1質量部に対して1〜200質量部添加する食品保存方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、食品保存剤および食品保存方法に関する。
従来より、種々の物質を食品に添加して、食品の腐敗を引き起こす細菌の増殖を抑制することが検討されてきた。
例えば、特許文献1には、漬物に、キトサンおよび/またはキトサン軽度分解物や、有機酸および/またはそのアルカリ金属塩を添加して、漬物の保存性を向上させることが記載されている。特許文献2には、漬物などの食品に、フェルラ酸類とともに、有機酸、有機酸塩、キトサンからなる群より選ばれる少なくとも1種を配合して、食品の保存性を向上させることが記載されている。また、特許文献3には、グルコン酸ナトリウムまたはグルコン酸カリウムと、グリシンとの混合物に、有機酸およびその塩類、エタノール、ショ糖脂肪酸エステル、ビタミンB1エステル、ε−ポリリジン、プロタミン、リゾチーム、キトサン、重合リン酸塩類から成る群より選ばれる少なくとも1種を含有させた食品保存剤が記載されている。
例えば、特許文献1には、漬物に、キトサンおよび/またはキトサン軽度分解物や、有機酸および/またはそのアルカリ金属塩を添加して、漬物の保存性を向上させることが記載されている。特許文献2には、漬物などの食品に、フェルラ酸類とともに、有機酸、有機酸塩、キトサンからなる群より選ばれる少なくとも1種を配合して、食品の保存性を向上させることが記載されている。また、特許文献3には、グルコン酸ナトリウムまたはグルコン酸カリウムと、グリシンとの混合物に、有機酸およびその塩類、エタノール、ショ糖脂肪酸エステル、ビタミンB1エステル、ε−ポリリジン、プロタミン、リゾチーム、キトサン、重合リン酸塩類から成る群より選ばれる少なくとも1種を含有させた食品保存剤が記載されている。
しかしながら、従来、様々な細菌の中でも特に乳酸菌に対して有効であり、しかも、食品の風味を損なわないような食品保存剤は見出されていなかった。すなわち、従来の食品保存剤では、添加量を増加させることにより、乳酸菌の増殖を抑制できたとしても、食品保存剤由来の味や臭いが顕著となり、食品本来の風味が損なわれてしまうという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、細菌、特に乳酸菌の増殖を抑制する静菌効果が得られ、しかも、食品本来の風味を損なわない食品保存剤および食品保存方法の提供を課題とする。
本発明の食品保存剤は、キトサン分解物1質量部に対して、フェルラ酸0.01〜10質量部と、グリシンおよびアラニンの少なくとも一方1〜200質量部とが配合されたことを特徴とする。
前記キトサン分解物は、重量平均分子量が500〜50万であることが好ましい。
本発明の食品保存方法は、食品にキトサン分解物と、フェルラ酸と、グリシンおよびアラニンの少なくとも一方とを添加する食品の保存方法であって、食品100質量部に対して前記キトサン分解物を0.001〜1質量部添加し、前記フェルラ酸を前記キトサン分解物1質量部に対して0.01〜10質量部添加し、前記グリシンおよびアラニンの少なくとも一方を前記キトサン分解物1質量部に対して1〜200質量部添加することを特徴とする。
前記キトサン分解物は、重量平均分子量が500〜50万であることが好ましい。
本発明の食品保存方法は、食品にキトサン分解物と、フェルラ酸と、グリシンおよびアラニンの少なくとも一方とを添加する食品の保存方法であって、食品100質量部に対して前記キトサン分解物を0.001〜1質量部添加し、前記フェルラ酸を前記キトサン分解物1質量部に対して0.01〜10質量部添加し、前記グリシンおよびアラニンの少なくとも一方を前記キトサン分解物1質量部に対して1〜200質量部添加することを特徴とする。
本発明によれば、細菌、特に乳酸菌の増殖を抑制する静菌効果が得られ、しかも、食品本来の風味を損なわない食品保存剤および食品保存方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の食品保存剤は、キトサン分解物と、フェルラ酸と、グリシンおよびアラニンの少なくとも一方とが配合された例えば粉末状の混合物である。
キトサン分解物は、キトサンを酸分解、熱分解、酸化剤による分解、酵素分解などにより分解することで得られる。キトサン分解物としては、このような分解方法のうち、どの方法で分解されたものでも使用できる。また、キトサン分解物としては、塩酸、酢酸などの酸との塩類も使用できる。
本発明の食品保存剤は、キトサン分解物と、フェルラ酸と、グリシンおよびアラニンの少なくとも一方とが配合された例えば粉末状の混合物である。
キトサン分解物は、キトサンを酸分解、熱分解、酸化剤による分解、酵素分解などにより分解することで得られる。キトサン分解物としては、このような分解方法のうち、どの方法で分解されたものでも使用できる。また、キトサン分解物としては、塩酸、酢酸などの酸との塩類も使用できる。
キトサン分解物の重量平均分子量には特に制限はないが、その重量平均分子量により、効果的に静菌できる細菌の種類が異なることが本発明者の検討により明らかになっている。そのため、例えばペディオコッカス属の乳酸菌(ペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)など。)、ラクトバチルス属の乳酸菌(ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum))、リューコノストック属の乳酸菌(リューコノストック・メゼンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)など。)、エンテロコッカス属の乳酸菌(エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)など。)の静菌を目的とする場合には、好ましくは重量平均分子量が500〜50万のキトサン分解物を使用する。このような重量平均分子量のキトサン分解物であれば、特に乳酸菌に対しての静菌効果が優れる。より好ましくは、重量平均分子量が5万〜20万のキトサン分解物を使用する。このような重量平均分子量のキトサン分解物であれば、十分な静菌効果が得られるとともに比較的安価であり、コスト面でも好ましい。
フェルラ酸は、例えば米糠などから抽出される固体のポリフェノールであり、いかなる方法で得られたものも使用できる。
グリシンおよびアラニンは固体のアミノ酸であり、いかなる方法で得られたものも使用できる。また、グリシンとアラニンは、一方のみを使用しても、両方を併用してもよい。
グリシンおよびアラニンは固体のアミノ酸であり、いかなる方法で得られたものも使用できる。また、グリシンとアラニンは、一方のみを使用しても、両方を併用してもよい。
食品保存剤においては、キトサン分解物1質量部に対して、フェルラ酸0.01〜10質量部と、グリシンおよびアラニンの少なくとも一方1〜200質量部が配合される。これら各成分の質量比率がこの範囲であると、食品に多量に添加しなくても、細菌、特に乳酸菌の増殖を抑制する静菌効果が得られ、食品本来の風味に悪影響を及ぼすこともない。より好ましい質量比率は、キトサン分解物1質量部に対して、フェルラ酸0.05〜5質量部、グリシンおよびアラニンの少なくとも一方2〜100質量部、さらに好ましくは、キトサン分解物1質量部に対して、フェルラ酸0.1〜3質量部、グリシンおよびアラニンの少なくとも一方2〜50質量部である。このような範囲であると、キトサン分解物と、フェルラ酸と、グリシンおよびアラニンの少なくとも一方の合計添加質量部数が少ない場合(例えば、食品100質量部に対して、合計添加質量部数が1質量部以下、さらには0.6質量部以下の場合など。)でも、より優れた静菌効果が得られる。
食品保存剤は、キトサン分解物とフェルラ酸とグリシンおよびアラニンの少なくとも一方とを上記質量比率で混合することにより製造でき、製造された食品保存剤を食品に添加することにより、食品本来の風味を損なわずに、静菌することができる。食品保存剤の形態は限定されず、粉末でもよいし、水などを添加して液体状としてもよい。
さらに食品保存剤には、キトサン分解物、フェルラ酸、グリシン、アラニン以外の任意成分が、食品本来の風味に影響を与えない範囲で、含まれてもよい。
このような任意成分としては、例えば、リゾチーム、グリセリン脂肪酸エステル、ビタミンB1、エタノール、アミノ酸、有機酸及び有機酸塩、リン酸塩、バクテリオシン、ラクトパーオキシダーゼ、植物抽出物、ポリリジン、しらこたん白、キトサン、およびナタマイシンを挙げることができる。ここでアミノ酸には、ベタイン、システイン、トリプトファン、またはフェニルアラニンが含まれる。また有機酸及び有機酸塩には、酢酸、アジピン酸、クエン酸、グルコン酸、イタコン酸、グルコノデルタラクトン、α−ケトグルタル酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フィチン酸、フマル酸、リンゴ酸、ソルビン酸、安息香酸、プロピオン酸、及びこれらのアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩またはカリウム塩)、またはアルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩)を挙げることができる。有機酸及び有機酸塩として具体的には、氷酢酸(酢酸)、酢酸ナトリウム(無水)、クエン酸三ナトリウム、グルコン酸カリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カルシウム、フマル酸一ナトリウム、およびソルビン酸カリウム等を挙げることができる。バクテリオシンとは、ナイシン、ペディオシン、およびラクティシン等を挙げることが出来る。リン酸塩とは、メタリン酸及びその塩類、ピロリン酸及びその塩類、ポリリン酸及びその塩等が挙げられる。植物抽出物とは、既存添加物として指定されているカラシ抽出物、クワ抽出物、シソ抽出物、セイヨウワサビ抽出物、トウガラシ水性抽出物等が挙げられる。乳酸菌発酵物とは乳成分や大豆、トウモロコシ等を乳酸菌で発酵させた後、加熱殺菌や乾燥し粉末化したもので、これを更に水やエタノールで抽出したものを用いることができる。
このような任意成分としては、例えば、リゾチーム、グリセリン脂肪酸エステル、ビタミンB1、エタノール、アミノ酸、有機酸及び有機酸塩、リン酸塩、バクテリオシン、ラクトパーオキシダーゼ、植物抽出物、ポリリジン、しらこたん白、キトサン、およびナタマイシンを挙げることができる。ここでアミノ酸には、ベタイン、システイン、トリプトファン、またはフェニルアラニンが含まれる。また有機酸及び有機酸塩には、酢酸、アジピン酸、クエン酸、グルコン酸、イタコン酸、グルコノデルタラクトン、α−ケトグルタル酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フィチン酸、フマル酸、リンゴ酸、ソルビン酸、安息香酸、プロピオン酸、及びこれらのアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩またはカリウム塩)、またはアルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩)を挙げることができる。有機酸及び有機酸塩として具体的には、氷酢酸(酢酸)、酢酸ナトリウム(無水)、クエン酸三ナトリウム、グルコン酸カリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カルシウム、フマル酸一ナトリウム、およびソルビン酸カリウム等を挙げることができる。バクテリオシンとは、ナイシン、ペディオシン、およびラクティシン等を挙げることが出来る。リン酸塩とは、メタリン酸及びその塩類、ピロリン酸及びその塩類、ポリリン酸及びその塩等が挙げられる。植物抽出物とは、既存添加物として指定されているカラシ抽出物、クワ抽出物、シソ抽出物、セイヨウワサビ抽出物、トウガラシ水性抽出物等が挙げられる。乳酸菌発酵物とは乳成分や大豆、トウモロコシ等を乳酸菌で発酵させた後、加熱殺菌や乾燥し粉末化したもので、これを更に水やエタノールで抽出したものを用いることができる。
また、乳糖、デキストリン、デンプンなどの賦形剤、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、レシチン等の乳化剤、カラギナン、キサンタンガム、ジェランガム、グァーガム、タラガム、アラビアガム、ペクチン、ローカストビーンガム等のガム質、カゼインナトリウム、乳清タンパク質濃縮物、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の高分子化合物及びその分解物、ミネラル類、ビタミン類、糖アルコール類、香料、着色料等を任意成分として含有することができる。
食品保存剤が添加される食品としては特に限定されず、例えば、漬物類、サラダ、ヨーグルト、味噌などが挙げられるが、本発明の食品保存剤は、乳酸菌を多く含むキムチ、浅漬けなどの漬物類の静菌に高い効果を発揮し、その可食期間を延ばすことができる。
食品保存剤を食品に添加する際の添加量としては、特に制限はなく、食品に応じて設定できるが、食品保存剤中のキトサン分解物の添加量が食品100質量部に対して0.001〜1質量部となるように、好ましくは0.01〜0.5質量部となるように添加すれば、十分な効果が得られる。
また、キトサン分解物と、フェルラ酸と、グリシンおよびアラニンの少なくとも一方とをあらかじめ混合せずに食品に添加してもよく、各成分をそれぞれ直接、食品に添加してもよい。また、各成分の添加順序にも制限はなく、全成分を同時に添加しても、任意の順序で1成分ずつ添加してもよい。
本発明では、キトサン分解物1質量部に対して、フェルラ酸0.01〜10質量部と、グリシンおよびアラニンの少なくとも一方1〜200質量部とを併用するため、少量を食品に添加するだけで、優れた静菌効果が得られる。また、添加量が少量で済むために、食品本来の風味を損なうこともない。
また、本発明の食品保存剤は、昨今、敬遠される傾向のある、いわゆる合成保存料を使用する必要がなく、その点でも非常に有用である。
また、キトサン分解物と、フェルラ酸と、グリシンおよびアラニンの少なくとも一方とをあらかじめ混合せずに食品に添加してもよく、各成分をそれぞれ直接、食品に添加してもよい。また、各成分の添加順序にも制限はなく、全成分を同時に添加しても、任意の順序で1成分ずつ添加してもよい。
本発明では、キトサン分解物1質量部に対して、フェルラ酸0.01〜10質量部と、グリシンおよびアラニンの少なくとも一方1〜200質量部とを併用するため、少量を食品に添加するだけで、優れた静菌効果が得られる。また、添加量が少量で済むために、食品本来の風味を損なうこともない。
また、本発明の食品保存剤は、昨今、敬遠される傾向のある、いわゆる合成保存料を使用する必要がなく、その点でも非常に有用である。
以下、本発明について、試験例を挙げて具体的に説明する。
[試験例A−1〜A−51]
(1)静菌効果の評価
オートクレーブ滅菌したMRS寒天培地100質量部に、グラニュー糖5質量部と、小麦粉2質量部と、食用油1質量部とを加え、沸騰水浴中で15分間攪拌混合し、食品成分を添加した培地を調製した。ついで、この培地にキトサン分解物、フェルラ酸(または有機酸塩)、グリシン、アラニンを表1および2に記載の添加量で添加、混合し、得られた混合物をシャーレに注いで固化させ、評価用の培地を得た。なお、表に記載の各添加量は、MRS寒天培地とグラニュー糖と小麦粉と食用油の合量を100質量部とした際の質量基準の添加部数である。
一方、MRS培地で前培養した乳酸菌のコロニーを釣菌し、これを生理食塩水に懸濁させて、107cfu/mlの菌液を調製した。
この菌液を滅菌済みループ(1μL用)で採取し、上述の評価用の培地に約2cmの長さになるように塗布後、30℃にて4日間静置した。
4日間静置後、コロニーの発育の有無を目視にて確認した。
表1および2中、コロニーの発育が確認されず、静菌効果が認められたものについては「−」、コロニーの発育が確認され、静菌効果が認められなかったものについては「+」と記載した。
なお、試験例A−1〜A−30と、試験例A−34〜51では、乳酸菌として、ペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)を用い、試験例A−31ではラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)を用い、試験例A−32ではリューコノストック・メゼンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)を用い、試験例A−33ではエンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)を用いた。
(2)官能評価
市販の「浅漬けの素」を用いて漬物調味液を調製し、この漬物調味液に、各成分を表1および2に記載の添加量で添加、混合し、食味を評価した。なお、漬物調味液100質量部に対して、キトサン分解物、フェルラ酸(または有機酸塩)、グリシン、アラニンの各添加量が表に記載された量となるようにした。
表1および2中、食味に苦味、収斂味などの異味がなかったものを「○」、やや異味があったものを「△」、強い異味があったものを「×」と記載した。
[試験例A−1〜A−51]
(1)静菌効果の評価
オートクレーブ滅菌したMRS寒天培地100質量部に、グラニュー糖5質量部と、小麦粉2質量部と、食用油1質量部とを加え、沸騰水浴中で15分間攪拌混合し、食品成分を添加した培地を調製した。ついで、この培地にキトサン分解物、フェルラ酸(または有機酸塩)、グリシン、アラニンを表1および2に記載の添加量で添加、混合し、得られた混合物をシャーレに注いで固化させ、評価用の培地を得た。なお、表に記載の各添加量は、MRS寒天培地とグラニュー糖と小麦粉と食用油の合量を100質量部とした際の質量基準の添加部数である。
一方、MRS培地で前培養した乳酸菌のコロニーを釣菌し、これを生理食塩水に懸濁させて、107cfu/mlの菌液を調製した。
この菌液を滅菌済みループ(1μL用)で採取し、上述の評価用の培地に約2cmの長さになるように塗布後、30℃にて4日間静置した。
4日間静置後、コロニーの発育の有無を目視にて確認した。
表1および2中、コロニーの発育が確認されず、静菌効果が認められたものについては「−」、コロニーの発育が確認され、静菌効果が認められなかったものについては「+」と記載した。
なお、試験例A−1〜A−30と、試験例A−34〜51では、乳酸菌として、ペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)を用い、試験例A−31ではラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)を用い、試験例A−32ではリューコノストック・メゼンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)を用い、試験例A−33ではエンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)を用いた。
(2)官能評価
市販の「浅漬けの素」を用いて漬物調味液を調製し、この漬物調味液に、各成分を表1および2に記載の添加量で添加、混合し、食味を評価した。なお、漬物調味液100質量部に対して、キトサン分解物、フェルラ酸(または有機酸塩)、グリシン、アラニンの各添加量が表に記載された量となるようにした。
表1および2中、食味に苦味、収斂味などの異味がなかったものを「○」、やや異味があったものを「△」、強い異味があったものを「×」と記載した。
キトサン分解物:AMICOGEN社 Water soluble chitosan LMC20K(重量平均分子量2万)
フェルラ酸:築野食品工業社のフェルラ酸
グリシン:有機合成薬品工業社のグリシン
アラニン:協和発酵バイオ社のDL−アラニン協和
フェルラ酸:築野食品工業社のフェルラ酸
グリシン:有機合成薬品工業社のグリシン
アラニン:協和発酵バイオ社のDL−アラニン協和
表1に示すように、キトサン分解物、フェルラ酸、グリシン、アラニンのうち、いずれか1種のみを添加した場合(試験例A−1〜A−16)には、その添加量を増加させると、静菌効果が認められるようになったが、同時に苦味、収斂味などの異味が顕著となり、静菌効果と食品本来の食味とを両立させることはできなかった。また、キトサン分解物、フェルラ酸、グリシン、アラニンのうち、2種を混合して添加した場合(試験例A−17〜A−23)でも、同様の傾向であった。
これに対して、キトサン分解物、フェルラ酸、グリシンおよびアラニンの少なくとも一方を特定の質量比率内で併用した場合(試験例A−24〜A−26、A−31〜33)には、各成分それぞれが単独で使用された場合には静菌効果が認められないような少量の添加であっても、これらの成分の相乗効果により、静菌効果が得られ、食品本来の食味も維持できた。また、静菌効果は、乳酸菌の種類を変えても同様に発現した。
しかしながら、キトサン分解物、フェルラ酸、グリシンおよびアラニンの少なくとも一方を併用しても、これらの質量比率が特定の範囲を外れると(試験例A−27〜A−30)、静菌効果と、食品本来の食味とを両立させることはできなかった。
これに対して、キトサン分解物、フェルラ酸、グリシンおよびアラニンの少なくとも一方を特定の質量比率内で併用した場合(試験例A−24〜A−26、A−31〜33)には、各成分それぞれが単独で使用された場合には静菌効果が認められないような少量の添加であっても、これらの成分の相乗効果により、静菌効果が得られ、食品本来の食味も維持できた。また、静菌効果は、乳酸菌の種類を変えても同様に発現した。
しかしながら、キトサン分解物、フェルラ酸、グリシンおよびアラニンの少なくとも一方を併用しても、これらの質量比率が特定の範囲を外れると(試験例A−27〜A−30)、静菌効果と、食品本来の食味とを両立させることはできなかった。
また、表2に示すように、合成保存料を含む他の有機酸塩で、試験例A−24のフェルラ酸を置き換えた場合(試験例A−34〜A−41)には、食品本来の食味は維持できたものの、静菌効果は得られなかった。
そこで、これら有機酸塩の添加量を増加させたところ(試験例A−42〜A−51)、ソルビン酸カリウムと安息香酸ナトリウムの場合には、静菌効果は認められるようになった。しかしながら、ソルビン酸カリウムと安息香酸ナトリウムはいずれも合成保存料であり、食品衛生法により使用基準が設けられている。例えば、漬物類においては、ソルビン酸カリウムについては、食品への添加は食品100質量部に対して、0.1質量部以下までしか認められておらず、安息香酸ナトリウムについては、薬品様の呈味があるうえ、漬物への添加自体が認められていないものである。
そこで、これら有機酸塩の添加量を増加させたところ(試験例A−42〜A−51)、ソルビン酸カリウムと安息香酸ナトリウムの場合には、静菌効果は認められるようになった。しかしながら、ソルビン酸カリウムと安息香酸ナトリウムはいずれも合成保存料であり、食品衛生法により使用基準が設けられている。例えば、漬物類においては、ソルビン酸カリウムについては、食品への添加は食品100質量部に対して、0.1質量部以下までしか認められておらず、安息香酸ナトリウムについては、薬品様の呈味があるうえ、漬物への添加自体が認められていないものである。
[試験例B−0〜B−14]
塩3.0質量%、アミノ酸系調味料0.3質量%の浅漬け用調味液を調製した。
一方、キュウリを5mm幅で輪切りし、このキュウリに対して、3質量%の量の食塩を振りかけて混合し、5分間放置した。ついで、これを軽く水洗したもの100gと、浅漬け用調味液100gとを混合し、浅漬けとした。この浅漬けに、キトサン分解物、フェルラ酸、グリシン、アラニンを予め5gの水に分散、溶解させておいた液を添加し、サンプルとした。なお、浅漬け100質量部に対する各添加量が表3に記載の値となるように添加した。
ついで、各サンプルを20℃で保存し、保存開始から1日ごとに7日目まで、サンプル中の乳酸菌数を測定した。結果を表3に示す。
塩3.0質量%、アミノ酸系調味料0.3質量%の浅漬け用調味液を調製した。
一方、キュウリを5mm幅で輪切りし、このキュウリに対して、3質量%の量の食塩を振りかけて混合し、5分間放置した。ついで、これを軽く水洗したもの100gと、浅漬け用調味液100gとを混合し、浅漬けとした。この浅漬けに、キトサン分解物、フェルラ酸、グリシン、アラニンを予め5gの水に分散、溶解させておいた液を添加し、サンプルとした。なお、浅漬け100質量部に対する各添加量が表3に記載の値となるように添加した。
ついで、各サンプルを20℃で保存し、保存開始から1日ごとに7日目まで、サンプル中の乳酸菌数を測定した。結果を表3に示す。
なお、フェルラ酸、グリシン、アラニンは、試験例A−1〜A−51で用いたものと同じものを用いた。キトサン分解物としては、試験例B−1および4では、試験例A−1〜A−51で用いたものと同じものを用いたが、試験例B−2、3、5〜14では、日本水産社の「フローナックCS」(重量平均分子量5万〜10万)を用いた。
表3に示すように、キトサン分解物、フェルラ酸、グリシン、アラニンをいずれも添加しなかった試験例B−0のサンプルでは、1日目から乳酸菌数が増加し始めた。
これに対して、キトサン分解物、フェルラ酸、グリシン、アラニンを特定の質量比率内で併用し、添加したその他の試験例のサンプルでは、これらの併用効果により、1日目から乳酸菌数が増加することはなかった。具体的には、試験例B−10およびB−14は、フェルラ酸と、キトサン分解物と、グリシンおよびアラニンの少なくとも一方との合計添加質量部数が多いため、乳酸菌数の増加が7日目から認められるという良好な結果になった。また、試験例B−7およびB−11は、キトサン分解物に対する、フェルラ酸と、グリシンおよびアラニンの少なくとも一方の添加量がやや少なく、また、合計添加質量部数もやや少ないために、乳酸菌数の増加が2日目から認められた。その他の各試験例では、合計添加質量部数が0.6質量部以下と少量でも、乳酸菌数の増加は3日目以降に認められるという良好な結果となった。
また、試験例B−1とB−2の結果の比較、試験例B−4とB−5の結果の比較から、キトサン分解物としては、重量平均分子量が5万〜10万のもの(「フローナックCS」)、重量平均分子量が2万のもの(「Water soluble chitosan LMC20K」)のいずれを使用した場合でも静菌効果が認められたが、重量平均分子量が5万〜10万のものを使用した方が、静菌効果がより優れることが明らかとなった。
これに対して、キトサン分解物、フェルラ酸、グリシン、アラニンを特定の質量比率内で併用し、添加したその他の試験例のサンプルでは、これらの併用効果により、1日目から乳酸菌数が増加することはなかった。具体的には、試験例B−10およびB−14は、フェルラ酸と、キトサン分解物と、グリシンおよびアラニンの少なくとも一方との合計添加質量部数が多いため、乳酸菌数の増加が7日目から認められるという良好な結果になった。また、試験例B−7およびB−11は、キトサン分解物に対する、フェルラ酸と、グリシンおよびアラニンの少なくとも一方の添加量がやや少なく、また、合計添加質量部数もやや少ないために、乳酸菌数の増加が2日目から認められた。その他の各試験例では、合計添加質量部数が0.6質量部以下と少量でも、乳酸菌数の増加は3日目以降に認められるという良好な結果となった。
また、試験例B−1とB−2の結果の比較、試験例B−4とB−5の結果の比較から、キトサン分解物としては、重量平均分子量が5万〜10万のもの(「フローナックCS」)、重量平均分子量が2万のもの(「Water soluble chitosan LMC20K」)のいずれを使用した場合でも静菌効果が認められたが、重量平均分子量が5万〜10万のものを使用した方が、静菌効果がより優れることが明らかとなった。
Claims (3)
- キトサン分解物1質量部に対して、フェルラ酸0.01〜10質量部と、グリシンおよびアラニンの少なくとも一方1〜200質量部とが配合されたことを特徴とする食品保存剤。
- 前記キトサン分解物は、重量平均分子量が500〜50万であることを特徴とする請求項1の食品保存剤。
- 食品にキトサン分解物と、フェルラ酸と、グリシンおよびアラニンの少なくとも一方とを添加する食品の保存方法であって、
食品100質量部に対して前記キトサン分解物を0.001〜1質量部添加し、前記フェルラ酸を前記キトサン分解物1質量部に対して0.01〜10質量部添加し、前記グリシンおよびアラニンの少なくとも一方を前記キトサン分解物1質量部に対して1〜200質量部添加することを特徴とする食品保存方法。
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|---|---|---|---|
| JP2009246289A JP2011092018A (ja) | 2009-10-27 | 2009-10-27 | 食品保存剤および食品保存方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013169203A (ja) * | 2012-02-23 | 2013-09-02 | Q P Corp | 卵スプレッド |
| JP2021114905A (ja) * | 2020-01-22 | 2021-08-10 | オリエンタル酵母工業株式会社 | キトサン部分分解物の安定化方法、キトサン部分分解物の保存方法および食品用保存剤 |
-
2009
- 2009-10-27 JP JP2009246289A patent/JP2011092018A/ja active Pending
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|---|---|---|---|---|
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