JP2010207058A - 電力変換器の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ノイズ区間判定器11が、電流検出器9が検出する検出電流を所定のサンプリングタイミングでサンプルホールドするサンプリングホールド器14の出力する検出電流信号10と、電流制御器3の出力する電圧指令信号4と、キャリア発生器7の出力するキャリア信号8からスイッチングノイズ発生区間を予測し、電流サンプリングタイミングと重複の場合、電流制御器3の制御ゲインを低下させる。
【選択図】図1
Description
このような問題に対して、インバータのスイッチング素子のオン・オフ動作から所定の期間電流検出動作を停止し、スイッチング素子のオン・オフ動作の直前にホールドした電流値を検出値として出力することによりノイズ成分を含まない検出電流信号を得る技術が示されている(例えば、特許文献1)。
また近年注目を集めている、SiCやGaN、ダイヤモンドなどワイドバンドギャップパワー半導体素子を適用したインバータでは、スイッチング速度の高速化に伴い、三角波キャリア周波数をSiパワー半導体素子と比較し大幅に高めることができる。前記特許文献1の技術を上記のような高キャリア周波数で駆動されるインバータに適用した場合、高キャリア周波数化によってスイッチング回数が増加するため単位時間あたりの電流値ホールド期間も増加する。この結果、前述したような無駄時間が大幅に増加し、電流制御系の応答が低下するばかりか、不安定化するという問題点があった。
図1に実施の形態1による電力変換器であるインバータ16の制御装置20をブロック図にて示す。以後、説明のためインバータ16は2レベルの単相インバータとする。なおインバータ16の相数やレベル数は問わず、他の実施の形態においても同様である。
図1において、負荷17の制御装置などからの指令を受けて電流指令発生器1から出力された電流指令信号2は電流制御器3に入力される。電流制御器3ではさらに電流検出器9からサンプリングホールド器14を介して出力される検出電流信号10を入力して、インバータ16に接続される負荷17に流れる電流が電流指令と一致するよう電圧指令を演算する電流制御動作を行い、電圧指令信号4を出力する。電流制御器3はPI制御器などのフィードバック制御器で構成されるが、フィードバック制御器とフィードフォワード制御器を組み合わせた2自由度型制御器で構成されるものであってもよい。キャリア発生器7ではパルス幅変調(PWM)用のキャリア信号8を出力する。PWMパターン発生器5では、電圧指令信号4とキャリア信号8を入力してスイッチングパターン指令6を出力する。インバータ16はスイッチングパターン指令6に従って各半導体素子を駆動して負荷17に電力を供給する。
電流検出器9は負荷17の電流を検出して検出電流信号10を出力する。サンプリングホールド器14は電流サンプリングタイミングに従い、検出電流信号10をサンプルホールドし、この検出電流信号10は前記したように電流制御器3で利用される。タイミング発生器15は各サンプリングタイミング信号を出力する。ノイズ区間判定器11は前記電圧指令信号4とキャリア信号8と検出電流信号10を入力し、検出電流信号10にノイズ発生区間(スイッチングノイズが発生してから減衰しつつ継続する区間)を予測する。さらに電流サンプリングタイミングと前記予想したノイズ発生区間を比較して、両者の重複の有無を判定信号12として出力する。電流制御器3はノイズ発生区間と電流サンプリングタイミングの重複があるとする判定信号12に基づき、該電流制御器3内に設けられているフィードバック制御器の電流制御ゲイン(電流フィードバック制御ゲイン)を低下させる。重複がない場合は電流制御ゲインを低下させず通常の電流制御ゲインで制御動作を実施する。この電流制御ゲイン低下の作用は後に詳述する。
これにより検出電流信号10にスイッチングノイズが混入した場合でも、電圧指令信号4への影響を抑制することができ、電流制御系の安定性の確保と、電流制御精度の向上が可能となる。
図2(A)はインバータ16の構成図であり、図2(B)は実施の形態1による制御装置20のタイミングチャートを示す図である。図2(A)において、インバータ16には半導体スイッチング素子であるP側スイッチとN側スイッチとが設けられている。P側スイッチとN側スイッチは直列接続されて上下アームを構成している。本実施の形態においては、P側スイッチおよびN側スイッチとしてIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いており、各スイッチにはFWD(Free Wheeling Diode)が逆並列接続されている。
図2(B)において、サンプリングホールド器14は電流サンプリングタイミングに従い、検出電流信号10をサンプルホールドする(a)。この電流サンプリングタイミングは所定の周期tにて繰り返し行われる。
図2(B)に記載した制御演算とは、電流指令発生器1が電流指令信号2を発生する動作、電流制御器3が検出電流信号10と判定信号12と電流指令信号2とを用いて、電圧指令信号4を演算する動作、およびノイズ区間判定器11が、検出電流信号10とキャリア信号8と電圧指令4とを用いて判定信号12を演算する動作である。この一連の制御演算は所定の時間を要するので、電流サンプルホールドから所定の時間後、すなわち電圧指令更新タイミングに電圧指令信号(デューティ指令)4を出力する(b)。この電圧指令信号4の更新周期もtとなる。図2(B)中の(ア)のタイミングに注目する。制御演算に要する時間は予め把握されている。電流制御の一連の動作は周期tで行われるが、キャリア信号8はそれよりも高速で値が更新される。(ア)のタイミングでキャリア信号値がわかれば、キャリア信号8の変化率は一定であるので、電圧指令信号4、演算時間などの情報から電圧指令信号4とキャリア信号8がクロスするタイミング(h)が予測できる。その予測クロスタイミングに基づく図2(A)に示すP側とN側スイッチのスイッチング指令はそれぞれ図2(B)の(c)と(d)となる。ただし、デッドタイム(素子保護のため上下スイッチともオフ)tDが設けられている。一般にオフ→オンのタイミングにディレイをかけて設けられることが多い。P側とN側のスイッチング指令(c)と(d)にしたがってインバータ16が動作すると、インバータ16の端子間には図2(e)のような出力電圧が発生する。Vdcは直流側の電圧である。デッドタイムtD区間中の電流が正(インバータ16から負荷17に向かう側を正)の場合、出力電圧は0Vとなる。P側スイッチング指令がオンからオフに変わると電流の経路は、P側スイッチからN側ダイオードに変化する。すなわち転流がおきる。このため(f)に示すようなスイッチングノイズが発生し始める。スイッチングノイズの発生開始タイミングをスイッチングノイズタイミングとする。
スイッチングノイズは徐々に減衰するがある程度の期間継続する。これは負荷配線やインバータ16に現れるLCなどで決まるが、問題ないレベルまで減衰する期間は予め把握できる。こうするとスイッチングノイズの影響が懸念される区間、すなわちスイッチングノイズ発生区間Tが得られる。スイッチングノイズ発生区間Tとタイミング(ア)の次のタイミング(イ)の比較を行い、両者の重複があるとノイズ区間判定器11は判定信号12を「重複有り」として出力する。(イ)のタイミングは(ア)のタイミングのt「sec」後であり、容易にわかる。
時間が経過し、(イ)のタイミングになると電流制御器3は判定信号12の重複の有無を確認し、重複がある場合(検出した電流信号にノイズ成分が含まれる場合)には電流制御系の電流制御ゲインを低下させる。
図2(B)では、電流の極性を正(インバータ16から負荷17に向かう方向が正)としたため、P側スイッチング指令のオフと同じタイミングで転流が発生しスイッチングノイズが発生する。つまりP側指令がオン→オフ、N側指令がオフ→オン、電流が正という場合を示している。
ノイズ対策には、ノイズ発生の原因となる転流の発生タイミングを知ることが重要であり、実際には全部で以下の(あ)〜(い)の場合がある。すなわち、
(あ)P側指令がオン→オフ、N側指令がオフ→オン、電流が正
(い)P側指令がオン→オフ、N側指令がオフ→オン、電流が負
(う)P側指令がオフ→オン、N側指令がオン→オフ、電流が正
(え)P側指令がオフ→オン、N側指令がオン→オフ、電流が負
図3には、キャリア信号と電圧指令および電流極性とスイッチングノイズの発生のタイミグ(あ)〜(え)を示している。
図4においては電力変換器として単相インバータを適用した場合を示した。インバータの相数やレベル数やデッドタイム補正機構によっては転流タイミング予測までは異なった構成となるが、転流タイミングを求めた後に判定動作を行う機能は同じである。前記特許文献1に示される技術ではインバータスイッチング素子へのオン・オフ指令に基づいてスイッチングノイズ発生タイミングを判定するため、デッドタイムによりスイッチングノイズ発生タイミングがずれる場合があった。この発明の実施の形態1では上記に説明したような構成とすることで正確なスイッチングノイズ発生タイミングを求めることが可能となる。
また電流制御ゲインであるが、前記の説明では電流制御器3は判定信号12に従って電流制御器3に設けられているフィードバック制御器の電流フィードバック制御ゲインを下げるとしたが、フィードバック制御器中の全ゲインを下げても良いし、検出電流信号10と電圧指令信号4の偏差を所定倍して出力する比例項のゲインを下げるだけでもよい。これは比例項がスイッチングノイズのような突発的な信号に対して大きく反応するためである。
電流制御ゲインを下げるということは、電流制御応答の帯域を落としシステム全体の性能を落とすことになる。しかし、スイッチングノイズが顕著な場合ではノイズによって電圧指令が大きく揺さぶられる。この結果、ノイズ以外の正味の電流(制御したい電流)が大きく乱れ、さらにそれを抑制すべく電流制御系が動作し電圧指令が乱れ……といった具合に伝播していく。電流制御応答の帯域を上げ(すなわち電流制御ゲインを上げる)ほど、このような現象が顕著となり不安定化する場合がある。
以下、実施の形態2について説明する。
図5は、実施の形態2による電力変換器の制御装置20である。実施の形態1における図1と同じ符号を持つものは、実施の形態1での説明と同様の機能を持つので説明を省略する。本実施の形態2では、検出電流信号10をフィルタ13に入力する構成としている。フィルタ13から出力されるフィルタリング済み検出電流信号18が電流制御器3に入力され、電流制御処理に用いられる。ノイズ区間判定器11は実施の形態1で説明した機能と同じであり、検出電流信号10にスイッチングノイズタイミングと電流サンプリングタイミングの重複を判定する。フィルタ13は遮断周波数が異なるサブフィルタを複数内蔵しており、判定信号12を入力としてフィルタ切り替えを行う。すなわち判定信号12により検出電流信号10にスイッチングノイズが混入していると予測される場合には、遮断周波数が低くスイッチングノイズ成分が除去可能なサブフィルタの出力を選択してフィルタリング済み検出電流信号18として出力する。すなわち、スイッチングノイズの発生時においてのみフィルタを使用しているので、スイッチングノイズを回避しつつ全体として位相遅れの少ない検出電流信号を得ることができる。制御装置全体を固定小数点プロセッサやASICで実装する場合、実施の形態1に比較してより実装が容易となる。なおフィルタ13にてサブフィルタを切り替える構成の他に、フィルタのゲインを切り替える構成としても同様の効果が得られることは言うまでもない。
7 キャリア発生器、8 キャリア信号、10 検出電流信号、
11 ノイズ区間判定器、12 判定信号、13 フィルタ、
14 サンプリングホールド器、17 負荷、20 制御装置。
Claims (2)
- 半導体スイッチング素子が設けられた電力変換器の制御装置であって、該制御装置には、電流指令信号を出力する電流指令発生器と、前記電力変換器に接続される負荷の電流を検出する電流検出器と、該検出された負荷電流を所定のサンプリングタイミングでサンプルホールドして検出電流信号を出力するサンプリングホールド器と、前記電流指令信号と前記検出電流信号とを入力、演算して電圧指令信号を出力する電流制御器と、キャリア信号を発生するキャリア発生器と、ノイズ区間判定器とが設けられており、該ノイズ区間判定器は前記検出電流信号と前記電圧指令信号と前記キャリア信号とから、前記電力変換器のスイッチングノイズ発生区間を予測し、該スイッチングノイズ発生区間が前記サンプリングタイミングと重複するか否かの判定を行い、前記電流制御器は前記ノイズ区間判定器が出力する前記重複有りの判定信号に基づき、電流制御ゲインを低下させることを特徴とする電力変換器の制御装置。
- 前記制御装置には加えて、前記検出電流信号および前記ノイズ区間判定器からの判定信号を入力し、前記検出電流信号をフィルタリングして前記電流制御器に出力するフィルタが設けられており、該フィルタは遮断周波数の異なる複数のサブフィルタを内蔵し、前記重複有りの判定信号が入力された場合には前記複数のサブフィルタの内の遮断周波数の低いサブフィルタを選択し、前記検出電流信号をフィルタリングすることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置の制御装置。
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