次に、本発明をさらに詳細に説明する。
なお、本明細書において、「高分子化合物」とは、分子中に同じ構造単位が複数繰り返された構造を含む化合物をいい、いわゆる2量体もこれに含まれる。一方、「低分子化合物」とは、分子中に同じ構造単位を繰り返し有していない化合物を意味する。
バンク絶縁層用組成物
本発明のバンク絶縁層用組成物は、(A)一般式(1)で表される繰り返し単位及び一般式(2)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を含有する高分子化合物、(B)硬化剤、及び(C)有機溶剤を含有する樹脂組成物である。
高分子化合物(A)
本発明に用いられる高分子化合物において、一般式(1)又は(2)で表される繰り返し単位はフッ素原子を含有する側鎖を有する。樹脂構造中にフッ素原子が存在するとイオン性液体の吸着性が向上するからである。フッ素原子は、繰り返し単位の側鎖部分に、例えばフェニル基のような有機基の置換基として存在することが好ましい。
高分子化合物(A)に含まれるフッ素の量は、高分子化合物の質量に対して1〜60質量%、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜40質量%である。フッ素の含有量が1質量%未満であるとイオン性液体の吸着性が不十分となることがあり、60質量%を超えると基板上にバンク絶縁層を形成できない場合がある。
前記一般式(1)〜(2)の式中、R1及びR3は、同一又は相異なり、水素原子又はメチル基を表し、R2は、水素原子又は炭素数1〜20の一価の有機基を表し、Rfは、フッ素原子又はフッ素原子を有する炭素数1〜20の一価の有機基を表し、Rf’は、フッ素原子を有する炭素数1〜20の一価の有機基を表し、Raaは、炭素数1〜20の二価の有機基を表す。該二価の有機基中の水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。lは、0〜20の整数を表し、mは、1〜5の整数をあらわす。R2が複数個ある場合、それらは同一でも相異なっていてもよい。Rfが複数個ある場合、それらは同一でも相異なっていてもよい。Raaが複数個ある場合、それらは同一でも相異なっていてもよい。
ある一形態では、R1及びR2は水素原子であり、Rfはフルオロアルキル基、例えばトリフルオロメチル基であり、lは0であり、mは1である。
炭素数1〜20の一価の有機基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、飽和であっても不飽和であってもよい。
炭素数1〜20の一価の有機基としては、例えば、炭素数1〜20の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の分岐状炭化水素基、炭素数3〜20の環状炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基が挙げられ、好ましくは、炭素数1〜6の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜6の分岐状炭化水素基、炭素数3〜6の環状炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
Rf又はRf’で表される炭素数1〜20の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の分岐状炭化水素基、炭素数3〜20の環状炭化水素基は、これらの基に含まれる水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい。
Rf又はRf’で表される炭素数6〜20の芳香族炭化水素基は、基中の水素原子がアルキル基、ハロゲン原子などで置換されていてもよい。R2で表される炭素数6〜20の芳香族炭化水素基は、基中の水素原子がアルキル基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などで置換されていてもよい。
炭素数1〜20の一価の有機基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチニル基、シクロヘキシニル基、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、トリル基、キシリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、ジエチルフェニル基、トリエチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メチルナフチル基、ジメチルナフチル基、トリメチルナフチル基、ビニルナフチル基、エテニルナフチル基、メチルアンスリル基、エチルアンスリル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基などが挙げられる。
フッ素原子で置換された炭素数1〜20の一価の有機基の具体例としては、トリフルオロメチル基、2,2,2,−トリフルオロエチル基、2,2,3,3,3,−ペンタフルオロペンチル基などが挙げられる。
本発明に用いられる高分子化合物は、一般式(1)に対応する重合性モノマー及び/又は一般式(2)に対応する重合性モノマーを光重合開始剤もしくは熱重合開始剤を用いて重合させることにより製造することが出来る。
また、本発明に用いられる高分子化合物は、一般式(1)に対応する重合性モノマー及び/又は一般式(2)に対応する重合性モノマーと他の重合性モノマーとを光重合開始剤もしくは熱重合開始剤を用いて重合させることにより製造することが出来る。
また、本発明に用いられる高分子化合物は、一般式(1)に対応する重合性モノマー及び/又は一般式(2)に対応する重合性モノマーと分子内に架橋性基を含有する重合性モノマーとを光重合開始剤もしくは熱重合開始剤を用いて重合させることにより製造することが出来る。
また、本発明に用いられる高分子化合物は、一般式(1)に対応する重合性モノマー及び/又は一般式(2)に対応する重合性モノマーと分子内に活性水素を含有する重合性モノマーとを光重合開始剤もしくは熱重合開始剤を用いて共重合させた後、架橋性基を含有する化合物であって活性水素と反応しうる官能基を有する化合物と反応させることにより製造することが出来る。一般式(1)に対応する重合性モノマー又は一般式(2)に対応する重合性モノマーはそれぞれ複数種類用いてよい。
このように、高分子化合物が架橋性基を有すると、バンク絶縁層は架橋構造を有することができ、絶縁層としての電気特性が向上するため好ましい。特に架橋性基がエチレン性不飽和基であると、比較的低温で加熱することで架橋するため、架橋時の熱による基板への悪影響を低減することができ、より好ましい。
一般式(1)に対応する重合性モノマーとしては、2−フルオロスチレン、3−フルオロスチレン、4−フルオロスチレン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン、2−トリフルオロメチルスチレン、3−トリフルオロメチルスチレン、4−トリフルオロメチルスチレン等が挙げられる。
一般式(2)に対応する重合性モノマーとしては、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチルアクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エチルアクリレート、3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチルアクリレート、3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピルアクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルアクリレート、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニルアクリレート、1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチルアクリレート、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタアクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチルメタアクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタアクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチルメタアクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチルメタアクリレート、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エチルメタアクリレート、3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチルメタアクリレート、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、3−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチルメタアクリレート、3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピルメタアクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタアクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルメタアクリレート、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニルメタアクリレート、1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチルメタアクリレート、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチルメタアクリレート等が挙げられる。
他の重合しうるモノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル及びその誘導体、メタアクリル酸エステル及びその誘導体、スチレン及びその誘導体、酢酸ビニル及びその誘導体、アクリロニトリル及びその誘導体、メタアクリロニトリル及びその誘導体、有機カルボン酸のビニルエステル及びその誘導体、有機カルボン酸のアリルエステル及びその誘導体、フマル酸のジアルキルエステル及びその誘導体、マレイン酸のジアルキルエステル及びその誘導体、イタコン酸のジアルキルエステル及びその誘導体、有機カルボン酸のN−ビニルアミド誘導体、マレイミド及びその誘導体、末端不飽和炭化水素及びその誘導体、有機ゲルマニウム誘導体等が挙げられる。
アクリル酸エステル類及びその誘導体としては、単官能のアクリレートや、使用量に制約は出てくるが多官能のアクリレートをも使用することができ、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−sec−ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−2−ヒドロキシブチル、アクリル酸−2−ヒドロキシフェニルエチル、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールペンタアクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−アクリロイルモルフォリン等を挙げることができる。
メタアクリル酸エステル類及びその誘導体としては、単官能のメタアクリレートや、使用量に制約は出てくるが多官能のメタアクリレートをも使用することができ、例えば、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸−n−プロピル、メタアクリル酸イソプロピル、メタアクリル酸−n−ブチル、メタアクリル酸イソブチル、メタアクリル酸−sec−ブチル、メタアクリル酸ヘキシル、メタアクリル酸オクチル、メタアクリル酸−2−エチルヘキシル、メタアクリル酸デシル、メタアクリル酸イソボルニル、メタアクリル酸シクロヘキシル、メタアクリル酸フェニル、メタアクリル酸ベンジル、メタアクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタアクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸−2−ヒドロキシブチル、メタアクリル酸−2−ヒドロキシフェニルエチル、エチレングリコールジメタアクリレート、プロピレングリコールジメタアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタアクリレート、ジエチレングリコールジメタアクリレート、トリエチレングリコールジメタアクリレート、トリメチロールプロパンジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、ペンタエリスリトールペンタメタアクリレート、N,N−ジメチルメタアクリルアミド、N,N−ジエチルメタアクリルアミド等を挙げることができる。
スチレン及びその誘導体としては、スチレン、2,4−ジメチル−α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、2,6−ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、2,4,5−トリメチルスチレン、ペンタメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−ビニルビフェニル、3−ビニルビフェニル、4−ビニルビフェニル、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、4−ビニル−p−ターフェニル、1−ビニルアントラセン、α−メチルスチレン、o−イソプロペニルトルエン、m−イソプロペニルトルエン、p−イソプロペニルトルエン、2,4−ジメチル−α−メチルスチレン、2,3−ジメチル−α−メチルスチレン、3,5−ジメチル−α−メチルスチレン、p−イソプロピル−α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−クロロスチレン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロピルベンゼン、4−アミノスチレン、4−トリフルオロメチルスチレン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン等が挙げられる。
アクリルニトリル及びその誘導体としては、アクリロニトリル等が挙げられる。メタアクリルニトリル及びその誘導体としては、メタクリロニトリル等が挙げられる。
有機カルボン酸のビニルエステル及びその誘導体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、アジピン酸ジビニル等が挙げられる。有機カルボン酸のビニルエステルを重合させると有機溶剤に対する耐性が高い傾向になるという利点が得られる。
有機カルボン酸のアリルエステル及びその誘導体としては、酢酸アリル、安息香酸アリル、アジピン酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、フタル酸ジアリル等が挙げられる。
フマル酸のジアルキルエステル及びその誘導体としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジ−sec−ブチル、フマル酸ジイソブチル、フマル酸ジ−n−ブチル、フマル酸ジ−2−エチルヘキシル、フマル酸ジベンジル等が挙げられる。
マレイン酸のジアルキルエステル及びその誘導体としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジイソプロピル、マレイン酸ジ−sec−ブチル、マレイン酸ジイソブチル、マレイン酸ジ−n−ブチル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシル、マレイン酸ジベンジル等が挙げられる。
イタコン酸のジアルキルエステル及びその誘導体としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジイソプロピル、イタコン酸ジ−sec−ブチル、イタコン酸ジイソブチル、イタコン酸ジ−n−ブチル、イタコン酸ジ−2−エチルヘキシル、イタコン酸ジベンジル等が挙げられる。
有機カルボン酸のN−ビニルアミド誘導体としては、N−メチル−N−ビニルアセトアミド等が挙げられる。
マレイミド及びその誘導体としては、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
末端不飽和炭化水素及びその誘導体としては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、ビニルシクロヘキサン、塩化ビニル、アリルアルコール等が挙げられる。
有機ゲルマニウム誘導体としては、アリルトリメチルゲルマニウム、アリルトリエチルゲルマニウム、アリルトリブチルゲルマニウム、トリメチルビニルゲルマニウム、トリエチルビニルゲルマニウム等が挙げられる。
架橋性基とは、自身が化学反応を起こして分子架橋する官能基、又は、架橋剤と反応することで分子架橋を起こす官能基のことである。
自身が化学反応を起こして分子架橋する官能基としては、カチオン開環重合性を有する官能基、不飽和結合を有する官能基、ブロック化剤でブロックされたイソシアネート基又はブロック化剤でブロックされたイソチオシアネート基が挙げられる。
本発明に用いるカチオン開環重合性を有する官能基としては、環状エーテル基、環状エステル基等が挙げられる。
前記環状エーテル基としては、エポキシ基、オキセタニル基等が挙げられ、例えば、グリシジル基、1,2−エポキシシクロヘキシル基、オキセタニルエチル基等が例示できる。
環状エーテル基を含有する重合性モノマーとしては、ポリエチレングリコールグリシジルビニルエーテル、ポリエチレングリコールオキセタニルエチルビニルエーテル等が挙げられる。
前記環状エステル基としては、ラクトニル基等が挙げられ、例えば、β−プロピオラクトニル基、β−ブチロラクトニル基、δ−バレロラクトニル基、ε−カプロラクトニル基等が例示できる。
環状エステル基を含有する重合性モノマーとしては、ポリエチレングリコールブチロラクトニルエチルビニルエーテル、ポリエチレングリコールジカプロラクトニルエチルビニルエーテル等が挙げられる。
前記不飽和結合を有する官能基としては、炭素−炭素二重結合基が挙げられ、ビニル基、アリル基、メタクリロイル基、アクリロイル基、スチレニル基等が例示できる。
前記ブロック化剤でブロックされたイソシアネート基又はブロックされたイソチオシアネート基は、イソシアネート基又はイソチオシアネート基と反応しうる活性水素を1分子中に1個だけ有するブロック化剤とイソシアネート基又はイソチオシアネート基とを反応させることにより製造すること出来る。
前記ブロック剤としては、イソシアネート基又はイソチオシアネート基と反応してブロック化剤でブロックされたイソシアネート基又はブロック化剤でブロックされたイソチオシアネート基が生成した後でも、170℃以下の温度で解離するものが好ましい。
前記ブロック化剤としては、例えば、アルコ−ル系化合物、フェノ−ル系化合物、活性メチレン系化合物、メルカプタン系化合物、酸アミド系化合物、酸イミド系化合物、イミダゾール系化合物、尿素系化合物、オキシム系化合物、アミン系化合物、イミン系化合物、重亜硫酸塩、ピリジン系化合物、ピラゾール系化合物等が挙げられる。これらを単独であるいは2種以上を混合して使用してもよい。好ましくは、オキシム系化合物、ピラゾール系化合物が挙げられる。
具体的なブロック化剤としては、アルコ−ル系化合物としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール等が挙げられる。フェノール系化合物としては、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール、スチレン化フェノール、ヒドロキシ安息香酸エステル等が挙げられる。活性メチレン系化合物としては、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等、メルカプタン系化合物としてブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等が挙げられる。酸アミド系化合物としては、アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム等が挙げられる。酸イミド系化合物としては、コハク酸イミド、マレイン酸イミド等が挙げられる。イミダゾール系化合物としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール等が挙げられる。尿素系化合物としては、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等が挙げられる。アミン系化合物としては、ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール等が挙げられる。イミン系化合物としては、エチレンイミン、ポリエチレンイミン等が挙げられる。重亜硫酸塩としては、重亜硫酸ソーダ等が挙げられる。ピリジン系化合物としては、2−ヒドロキシピリジン、2−ヒドロキシキノリン等が挙げられる。オキシム系化合物としては、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等が挙げられる。ピラゾール系化合物としては、3,5−ジメチルピラゾール、3,5−ジエチルピラゾール等が挙げられる。
ブロック化剤でブロックされたイソシアネート基としては、例えば、O−(メチリデンアミノ)カルボキシアミノ基、O−(1−エチリデンアミノ)カルボキシアミノ基、O−(1−メチルエチリデンアミノ)カルボキシアミノ基、O−[1−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ基、(N−3,5−ジメチルピラゾリルカルボニル)アミノ基、(N−3−エチル−5−メチルピラゾリルカルボニル)アミノ基、(N−3,5−ジエチルピラゾリルカルボニル)アミノ基、(N−3−プロピル−5−メチルピラゾリルカルボニル)アミノ基、(N−3−エチル−5−プロピルピラゾリルカルボニル)アミノ基等が挙げられる。
ブロック化剤でブロックされたイソチオシアネート基としては、例えば、O−(メチリデンアミノ)チオカルボキシアミノ基、O−(1−エチリデンアミノ)チオカルボキシアミノ基、O−(1−メチルエチリデンアミノ)チオカルボキシアミノ基、O−[1−メチルプロピリデンアミノ]チオカルボキシアミノ基、(N−3,5−ジメチルピラゾリルチオカルボニル)アミノ基、(N−3−エチル−5−メチルピラゾリルチオカルボニル)アミノ基、(N−3,5−ジエチルピラゾリルチオカルボニル)アミノ基、(N−3−プロピル−5−メチルピラゾリルチオカルボニル)アミノ基、(N−3−エチル−5−プロピルピラゾリルチオカルボニル)アミノ基等が挙げられる。
分子内にブロック化剤でブロックされたイソシアネート基又はブロック化剤でブロックされたイソチオシアネート基を含有する重合性モノマーとしては、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−(2'−メタクリロイルオキシエチル)オキシエチルイソシアネート、2−アクリロイルオキシエチルイソチオシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソチオシアネート、2−(2'−メタクリロイルオキシエチル)オキシエチルイソチオシアネート等が挙げられる。
分子内に活性水素を有する重合性モノマーとしては、4−アミノスチレン、4−アリルアニリン、4−アミノフェニルビニルエーテル、4−(N−フェニルアミノ)フェニルアリルエーテル、4−(N−メチルアミノ)フェニルアリルエーテル、4−アミノフェニルアリルエーテル、アリルアミン、2−アミノエチルアクリレート、4−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシアリルベンゼン、4−ヒドロキシフェニルビニルエーテル、4−ヒドロキシフェニルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ビニルアルコール、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−2−ヒドロキシブチル、アクリル酸−4−ヒドロキシフェニル、アクリル酸−2−ヒドロキシフェニルエチル
2−アミノエチルメタアクリレート、メタアクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタアクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸−2−ヒドロキシブチル、メタアクリル酸−4−ヒドロキシフェニル、メタアクリル酸−2−ヒドロキシフェニルエチル等が挙げられる。
前記架橋性基を含有する化合物であって活性水素と反応しうる官能基を有する化合物としては、メタクリロイルクロライド、アクリロイルクロライド、2−イソシアナトエチルアクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレート等が挙げられる。
前記光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾフェノン、メチル(o−ベンゾイル)ベンゾエート、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインオクチルエーテル、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ジアセチル等のカルボニル化合物、メチルアントラキノン、クロロアントラキノン、クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等のアントラキノン又はチオキサントン誘導体、ジフェニルジスルフィド、ジチオカーバメート等の硫黄化合物等が挙げられる。
前記熱重合開始剤としては、ラジカル重合の開始剤となるものであればよく、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビスイソバレロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、1、1'−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩等のアゾ系化合物、メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、アセチルアセトンパーオキシド等のケトンパーオキシド類、イソブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、o−メチルベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類、2,4,4−トリメチルペンチル−2−ヒドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシド等のヒドロパーオキシド類、ジクミルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、トリス(t−ブチルパーオキシ)トリアジン等のジアルキルパーオキシド類、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール類、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート等のアルキルパーエステル類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーカーボネート類等が挙げられる。
本発明に用いられる高分子化合物は、重量平均分子量が3000〜1000000であることが好ましく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。
本発明に用いられる高分子化合物としては、例えば、ポリ{ペンタフルオロスチレン−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルアミノ〕−スチレン]}、ポリ{4−ビニルピリジン−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−アクリロニトリル−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルアミノ〕−スチレン]}、ポリ{4−ビニルピリジン−コ−ビニルベンゾエート−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルアミノ〕−スチレン]}、ポリ{4−ビニルピリジン−コ−ビニルベンゾエート−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−アクリロニトリル−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルアミノ〕−スチレン]}、ポリ{4−ビニルピリジン−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−メチルメタクリレート−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルアミノ〕−スチレン]}、ポリ{4−ビニルピリジン−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ〕−スチレン]}、ポリ{4−ビニルピリジン−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−アクリロニトリル−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ〕−スチレン]}、ポリ{4−ビニルピリジン−コ−ビニルベンゾエート−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ〕−スチレン]}、ポリ{4−ビニルピリジン−コ−ビニルベンゾエート−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−アクリロニトリル−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ〕−スチレン]}、ポリ{4−ビニルピリジン−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−メチルメタクリレート−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ〕−スチレン]}、ポリ{1−ビニルイミダゾール−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルアミノ〕−スチレン]}、ポリ{1−ビニルイミダゾール−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルアミノ〕−スチレン]}、ポリ{1−ビニルイミダゾール−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−アクリロニトリル−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルアミノ〕−スチレン]}、ポリ{1−ビニルイミダゾール−コ−ビニルベンゾエート−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルアミノ〕−スチレン]}、ポリ{1−ビニルイミダゾール−コ−ビニルベンゾエート−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−アクリロニトリル−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルアミノ〕−スチレン]}、ポリ{1−ビニルイミダゾール−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−メチルメタクリレート−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルアミノ〕−スチレン]}、ポリ{1−ビニルイミダゾール−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ〕−スチレン]}、ポリ{1−ビニルイミダゾール−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−アクリロニトリル−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ〕−スチレン]}、ポリ{1−ビニルイミダゾール−コ−ビニルベンゾエート−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ〕−スチレン]}、ポリ{1−ビニルイミダゾール−コ−ビニルベンゾエート−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−アクリロニトリル−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ〕−スチレン]}、ポリ{1−ビニルイミダゾール−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−メチルメタクリレート−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ〕−スチレン]}、ポリ{4−ジメチルアミノスチレン−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルアミノ〕−スチレン]}、ポリ{4−ジメチルアミノスチレン−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルアミノ〕−スチレン]}、ポリ{4−ジメチルアミノスチレン−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−アクリロニトリル−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルアミノ〕−スチレン]}、ポリ{4−ジメチルアミノスチレン−コ−ビニルベンゾエート−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルアミノ〕−スチレン]}、ポリ{4−ジメチルアミノスチレン−コ−ビニルベンゾエート−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−アクリロニトリル−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルアミノ〕−スチレン]}、ポリ{4−ジメチルアミノスチレン−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−メチルメタクリレート−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルアミノ〕−スチレン]}、ポリ{4−ジメチルアミノスチレン−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ〕−スチレン]}、ポリ{4−ジメチルアミノスチレン−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−アクリロニトリル−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ〕−スチレン]}、ポリ{4−ジメチルアミノスチレン−コ−ビニルベンゾエート−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ〕−スチレン]}、ポリ{4−ジメチルアミノスチレン−コ−ビニルベンゾエート−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−アクリロニトリル−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ〕−スチレン]}、ポリ{4−ジメチルアミノスチレン−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−メチルメタクリレート−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ〕−スチレン]}、ポリ{4−ビニルピリジン−コ−グリシジルメタクリレート−コ−2−トリフルオロメチルスチレン}、ポリ{1−ビニルイミダゾール−コ−グリシジルメタクリレート−コ−2−トリフルオロメチルスチレン}、ポリ{1−メチル−2−ビニルイミダゾール−コ−グリシジルメタクリレート−コ−2−トリフルオロメチルスチレン}、ポリ{4−ジメチルアミノスチレン−コ−グリシジルメタクリレート−コ−2−トリフルオロメチルスチレン}、ポリ{4−ビニルピリジン−コ−〔(1−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート〕−コ−2−トリフルオロメチルスチレン}、ポリ{1−ビニルイミダゾール−コ−〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルメタクリレート〕−コ−2−トリフルオロメチルスチレン}、ポリ{1−メチル−2−ビニルイミダゾール−コ−〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルメタクリレート〕−コ−2−トリフルオロメチルスチレン}、ポリ{4−ジメチルアミノスチレン−コ−〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルメタクリレート〕−コ−2−トリフルオロメチルスチレン}、ポリ{ビニルベンゾエート−コ−2−トリフルオロメチルスチレン−コ−4−トリフルオロメチルスチレン−コ−[4−〔(2’−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ〕−スチレン]}等が挙げられる。
硬化剤(B)
本発明に用いられる(B)硬化剤は、高分子化合物中に官能基が複数存在する場合に、その官能基を相互に反応させて高分子化合物を架橋及び樹脂組成物を硬化させる化合物であればよい。例えば、高分子化合物中の官能基がエチレン性不飽和基である場合、硬化剤としては重合開始剤が適当であり、具体的には、有機アゾ化合物、有機過酸化物、光カチオン重合開始剤ならびに熱カチオン重合開始剤等が挙げられる。
前記有機アゾ化合物としては、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビスイソバレロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、1、1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
前記有機過酸化物としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、アセチルアセトンパーオキシド等のケトンパーオキシド類、イソブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、o−メチルベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類、2,4,4−トリメチルペンチル−2−ヒドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシド等のヒドロパーオキシド類、ジクミルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、トリス(t−ブチルパーオキシ)トリアジン等のジアルキルパーオキシド類、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール類、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート等のアルキルパーエステル類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,1−ジメチルプロピルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーカーボネート類が挙げられる。
前記光カチオン重合開始剤、熱カチオン重合開始剤としては、例えば、ヨードニウム塩、スルフォニウム塩、ホスフェート塩、アンチモネート塩などを挙げることができる。具体的には、ロードシル2074、アデカオプトマ-SP-150、アデカオプトマ-SP-152、アデカオプトマ-SP-170、アデカオプトマ-SP-172、アデカオプトンCPシリーズなどが挙げられる。また、前記のもののほかに、特開平9−118663号公報記載の化合物も使用することができる。
本発明に用いることができる有機アゾ化合物及び有機過酸化物は、好ましくは、10時間半減期温度が30℃〜200℃であり、より好ましくは、10時間半減期温度が40℃〜150℃であり、更に好ましくは、10時間半減期温度が40℃〜100℃である。
10時間半減期温度が30℃より低い場合、保存安定性が悪く、ゲル化することがあり、200℃より高い場合、硬化時に有機半導体に悪影響を及ぼすことがある。
有機溶剤(C)
本発明に用いられる有機溶剤としては、(A)一般式(1)で表される繰り返し単位及び一般式(2)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を含有する高分子化合物、ならびに(B)硬化剤に対して良溶媒であれば特に制限はなく、例えば、酢酸ブチル、2−ヘプタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
本発明のバンク絶縁層用組成物において、一般式(1)で表される繰り返し単位及び一般式(2)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を含有する高分子化合物の重量と硬化剤の重量を100重量部とした場合、有機溶剤の重量は50〜1000重量部であることが好ましい。また、一般式(1)で表される繰り返し単位及び一般式(2)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を含有する高分子化合物の重量部を100重量部とした場合、硬化剤の重量は0.1〜10重量部であることが好ましい。
その他の成分
本発明のバンク絶縁層用組成物は、必要に応じ、架橋剤、レベリング剤、界面活性剤等を添加することが出来る。
架橋剤としては、分子内に不飽和二重結合を二つ以上含有する低分子化合物、アクリル樹脂用架橋剤、分子内にエポキシ基を二つ以上含有する低分子化合物、分子内にオキセタニル基を二つ以上含有する低分子化合物、分子内に活性水素を二つ以上含有する低分子化合物、分子内に活性水素を二つ以上含有する高分子化合物等が挙げられる。
該分子内に不飽和二重結合を二つ以上含有する低分子化合物としては、例えば、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート等が挙げられる。
該アクリル樹脂用架橋剤としては、ジキュミルパーオキサイド、4,4−ジ−ターシャリーブチルパーオキシ−n−ブチルバレレート等が挙げられる。
該分子内にエポキシ基を二つ以上含有する低分子化合物としては、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル、フェノールノボラックエポキシ樹脂等が挙げられる。
該分子内にオキセタニル基を二つ以上含有する低分子化合物としては、1,4−ビス{〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕メチル}ベンゼン、3−エチル−3−{〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕メチル}オキセタン、フェノールノボラックオキセタン樹脂等が挙げられる。
該分子内に活性水素を二つ以上含有する低分子化合物としては、1、2−ジヒドロキシベンゼン、1、3−ジヒドロキシベンゼン、1、4−ジヒドロキシベンゼン、1、2−フェニレンジアミン、1、3−フェニレンジアミン、1、4−フェニレンジアミン、1、2−ジヒドロキシナフタレン、1、3−ビス(3’−アミノフェノキシ)ベンゼン等が挙げられる。
該分子内に活性水素を二つ以上含有する高分子化合物としては、ポリアニリン、ポリビニルフェノール、ポリアニリン共重合体、ポリビニルフェノール共重合体等が挙げられる。
バンク絶縁層の製造方法
本発明のバンク絶縁層は、前記バンク絶縁層用組成物を用いて有機絶縁層を形成する工程と、該有機絶縁層の表面をイオン性液体で表面処理する工程とを有する方法によって製造することができる。
有機絶縁層の形成は、バンク絶縁層用組成物を基板上、基板に設置された電極上又はゲート絶縁層のような基板に設置された他の層上に、所望のパターン状に塗布し、硬化させて行なえばよい。バンク絶縁層用組成物の塗布法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法、ノズルコート法、キャピラリコート法等が挙げられる。
有機絶縁層の硬化方法は、公知のホットプレート、オーブン、遠赤外線ベーク炉等を用いることができ、大気中もしくは不活性ガス雰囲気中特に制限はないが、好ましくは、不活性ガス雰囲気中で行われる。硬化温度は、好ましくは、50℃〜250℃であり、より好ましくは、60℃〜230℃であり、更に好ましくは、80℃〜200℃である。硬化時間は、硬化温度に合わせ適宜選択することが出来る。硬化温度が50℃より低いと、硬化が不充分である場合があり、250℃より高いと、高分子化合物が熱分解する場合がある。
有機絶縁層を形成した後、要すれば基板面の少なくとも一部をUVオゾン処理する。ここでいう基板面とは有機絶縁層が形成された状態における基板の全面をいう。つまり、UVオゾン処理は、一般に、基板の露出面、電極の露出面、他の絶縁層の露出面及び有機絶縁層の表面に対して行われる。UVオゾン処理を行うことにより、電極上に存在する有機物が除去されて、その上に形成される素子の性能が向上する。
有機絶縁層の表面処理は、バンク絶縁層をイオン性液体中、もしくは、イオン性液体を含有する溶液中に浸漬した後、イオン性液体を洗い流すことで行うことが出来る。また、イオン性液体もしくはイオン性液体を含有する溶液をバンク絶縁層上にスピンコーターもしくはダイコーターで塗布した後、イオン性液体を洗い流すことでも表面処理することが出来る。
イオン性液体とはカチオンとアニオンとを組み合わせた常温溶融塩をいう。イオン性液体のカチオン部は本発明のバンク絶縁層用組成物に対して親和性を示す。それゆえ、イオン性液体を基板面に接触させると、イオン性液体は上記有機絶縁層の表面に選択的に吸着する。そして、基板面の有機絶縁層以外の表面に単に付着したイオン性液体は洗浄することにより除去されるのに対し、有機絶縁層の表面に吸着したイオン性液体は洗浄しても除去されず、その結果、基板面のうち有機絶縁層の表面に選択的に撥インク性が付与される。このようにして表面に撥インク性が付与された有機絶縁層をバンク絶縁層と呼ぶ。
イオン性液体のカチオン部としては、イミダゾリウム系カチオン、ピロリジニウム系カチオン、ピペリジニウム系カチオンが挙げられる。
イミダゾリウム系カチオンとしては、例えば、3−エチル−1−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム等が例示できる。
ピロリジニウム系カチオンとしては、例えば、N−メチル−N−プロピルピロリジニウム、N−ブチル−N−メチルピロリジニウム等が例示できる。
ピペリジニウム系カチオンとしては、例えば、N−メチル−N−プロピルピペリジニウム、N−ブチル−N−メチルピペリジニウム等が例示できる。
前記イオン性液体のアニオン部としては、フッ素を含有するものが好ましく、テトラフルオロボレート、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ヘキサフルオロホスフェート等が例示できる。
前記イオン性液体としては、3−ブチル−1−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、3−ブチル−1−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、3−ブチル−1−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,3−ジアリルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1,3−ジアリルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、N−ブチル−N−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ブチル−N−メチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ブチルピリジニウムテトラフルオロボレート、N−ブチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等を例示できる。
本発明の製造方法により得られたバンク絶縁層は、撥インク性を有する。本発明において、撥インク性とは、イオン交換水の接触角が50〜120°であること意味する。
本発明のバンク絶縁層用組成物を用いて製造したバンク絶縁層は、有機トランジスタ素子に含まれるバンク絶縁層、有機エレクトロルミネッセンス素子に含まれるバンク絶縁層等に用いることができる。
本発明のバンク絶縁層用組成物を用いて、好適にバンク絶縁層を有するディスプレイ用部材を作製できる。該バンク絶縁層を有するディスプレイ用部材を用いて、ディスプレイ用部材を備えるディスプレイを好適に作製できる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明が実施例により限定されるものではないことは言うまでもない。
(合成例1)
ビニルベンゾエート(アルドリッチ製)8.47g、2−トリフルオロメチルスチレン(ヒドラス化学製)6.15g、4−トリフルオロメチルスチレン(ヒドラス化学製)6.15g、4−アミノスチレン(アルドリッチ製)1.70g、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.22g、2−ヘプタノン(和光純薬製)52.93gを、125ml耐圧容器(エース製)に入れ、窒素をバブリングした後、密栓し、60℃のオイルバス中で48時間重合させて、粘稠な2−ヘプタノン溶液を得た。
得られた粘調な2−ヘプタノン溶液に2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工製、カレンズMOI)2.21gを加え、室温で24時間反応させ高分子化合物1の2−ヘプタノン溶液を得た。
(実施例1)
高分子化合物1の2−ヘプタノン溶液 3.00g、硬化剤である1,1−ジメチルプロピルパーオキシイソプロピルカーボネート(カヤカルボンAIC-75、化薬アクゾ(株)製)0.045gを10mlのサンプル瓶に入れ、攪拌溶解して均一な塗布溶液を調製した。得られた塗布溶液を孔径0.2μmのメンブレンフィルターを用いてろ過し、高分子化合物1の塗布溶液を調整した。高分子化合物1は式(A)〜式(D)で表される繰り返し単位を有する。
ガラス基板上に高分子化合物1の塗布溶液をスピンコートし、窒素雰囲気中で200℃で1分間焼成し、有機絶縁層を得た。
有機絶縁層を形成した基板上に親インク性を付与するためにUVオゾンドライストリッパー(サムコ製、UV−1)を用いて2分間UVオゾン処理し、次いで、有機絶縁層に撥インク性を付与するために、イオン性液体である1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(東洋合成(株)製)の10重量%アセトン溶液に該有機絶縁層が形成された基板を30秒間浸漬し、取り出した後アセトン洗浄してバンク絶縁層を製造した。得られたバンク絶縁層のイオン交換水の接触角をコンタクトアングルメーター CA−A(KYOWA KAIMENKAGAKU社製)を用いて測定した。結果を表1に示す。
(比較例1)
高分子化合物1の塗布溶液をスピンコートしていないガラス基板を、実施例1と同様にしてイオン交換水の接触角を測定した。結果を表1に示す。
(比較例2)
イオン性液体のアセトン溶液のかわりに、アセトンを用いたほかは、比較例1と同様にしてイオン交換水の接触角を測定した。
(比較例3)
ポリビニルフェノール−コ−ポリメチルメタクリレート(アルドリッチ(株)製)1.00g、ヘキサメトキシメチルメラミン(住友化学(株)製)0.089g、硬化触媒であるTAZ-108(みどり化学製)0.062g、2−ヘプタノン7.00gを10mlのサンプル瓶に入れ、攪拌溶解して均一な塗布溶液を調製した。
得られた塗布溶液を孔径0.2μmのメンブレンフィルターを用いてろ過し、ガラス基板上にスピンコートし、大気中で220℃で30分間焼成し、有機絶縁層を得た。得られた硬化膜を実施例1と同様にしてイオン交換水の接触角を測定した。結果を表1に示す。