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JP2010168301A - 中枢循環改善薬 - Google Patents

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JP2010168301A
JP2010168301A JP2009011601A JP2009011601A JP2010168301A JP 2010168301 A JP2010168301 A JP 2010168301A JP 2009011601 A JP2009011601 A JP 2009011601A JP 2009011601 A JP2009011601 A JP 2009011601A JP 2010168301 A JP2010168301 A JP 2010168301A
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blood
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JP2009011601A
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Kunio Ishii
邦雄 石井
Tsutomu Nakahara
努 中原
Asami Mori
麻美 森
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Kitasato Institute
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Kitasato Institute
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Abstract

【課題】網膜循環を含む中枢循環を特異的に改善する血管拡張薬を提供する。
【解決手段】β3アドレナリン受容体アゴニスト(BRL37344、CL316243等)を有効成分として含有することを特徴とする中枢循環改善薬。
【選択図】なし

Description

本発明は、中枢循環改善薬に関する。より詳しく言えば、β3アドレナリン受容体アゴニストを有効成分として含有する中枢循環改善薬に関する。
人体において血流循環は、酸素及び栄養物の供給、並びにガス交換及び他の代謝老廃物の除去という重要な機能を担っている。これら2つの機能は、組織細胞の活動・生存にとって一時も欠かせない。また、生体防御機能や免疫機能も、この血液循環に依存する機能である。このように、血液循環は多くの重要な生体機能に関与している。
血液循環を促進する機構としては、例えば、血圧の増大、血液流動性の増加、血管の拡張による血流量の増加を考えることができる。
しかし、血圧の増大は血管や循環器系に過剰な負担を掛けるおそれがある。血液流動性の増加としては、赤血球の変形能低下を防止したり、血液成分の粘性を下げる方法が知られているが、効果を持続的に維持するのは難しい。また、血管の拡張は局所的な場合には血流量の増加につながるが、全身的な血管の拡張は血圧の低下をもたらし、結果として血流量の増加につながらない場合もある。
例えば、眼底における血液循環は、糖尿病性網膜症や緑内障の発症機序に大きく関わっている。典型的な緑内障では、房水の産生と流出の不均衡などにより眼圧が上昇し、その圧力が眼底の神経を直接圧迫したり、これらの神経と関連する血管を圧迫することにより、視神経の損傷が起こる。このような症状では、眼底における血液循環のみを増加させるために網膜や脈絡膜の血管のみを拡張することが薬剤が望まれる。
そこで本発明者らは、上記の要件を満たす物質を見出すべく研究を行い、先にアラキドン酸カスケードの中の代謝産物として知られているプロスタグランジンE2(PGE2)のEP2受容体アゴニストが、網膜循環を特異的に改善する効果を有することを確認し特許出願している(特開2008−195660号公報;特許文献1)。
特開2008−195660号公報
本発明者らは、先に見出したPGE2のEP2受容体アゴニストと同様の効果を示す薬剤を見出すべく研究を続け、今回β−アドレナリン受容体に着目して検討した。
βアドレナリン受容体は、ランズ(Lands)らによりβ1アドレナリン受容体とβ2アドレナリン受容体の2種類のサブタイプに分類されたが(Lands et al., Nature, 214; 597-598, 1967)が、褐色脂肪細胞において、異型β−アドレナリン受容体が発見され(Arch et al., Nature, 309; 163-165, 1984)、後にヒトβ3アドレナリン受容体がクローニングされた(Emorine et al., Science, 24; 1118-1121, 1986)。
β3アドレナリン受容体アゴニストは、脂肪分解及び熱産生作用などにより肥満の治療に有効であることが知られている(特表2005−518357)。β3アドレナリン受容体に関しては膀胱や消化器管に対する作用について研究が比較的進んでおり、過活動膀胱治療剤として臨床試験中の薬剤(N−5984,開発コード:KRP−204,杏林製薬等)も存在するが、網膜血管をはじめとする中枢循環に対する作用に関しては全く明らかではない。
β3アドレナリン受容体は、脂肪細胞、消化管平滑筋及び膀胱平滑筋に発現していることが知られているが、心臓における発現は比較的低く(Strosberg., Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol., 37; 421-450, 1997)、β3アドレナリン受容体アゴニストはβ1アドレナリン受容体アゴニストで見られる心悸亢進作用が少ないことが予想される。また、β3アドレナリン受容体アゴニストは、血圧に対する作用が弱く(Shen et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 278; 1435-1443, 1996)、β2アドレナリン受容体アゴニストのように著しい血圧低下が見られないことが予想される。このように、β3アドレナリン受容体アゴニストが網膜血管に作用するのであれば、全身循環に対する副作用の少ない網膜循環改善薬となる可能性が高い。
そこで本発明者らは、これらのアドレナリン受容体と網膜循環との関係について鋭意検討を行い、β3アドレナリン受容体アゴニストとして市販されているBRL37344((±)−(R**)−[4−[2−[[2−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]フェノキシ]酢酸塩)及びCL316243(5−[(2R)−2−[[(2R)−2−(3−クロロフェニル−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]−1,3−ベンゾジオキソール−2,2−ジカルボン酸塩)が、網膜循環を選択的に改善する効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の中枢循環改善薬を提供する。
1.β3アドレナリン受容体アゴニストを有効成分として含有することを特徴とする中枢循環改善薬。
2.β3アドレナリン受容体アゴニストが、(±)−(R**)−[4−[2−[[2−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]フェノキシ]酢酸、またはその薬学的に許容される塩である前記1に記載の中枢循環改善薬。
3.β3アドレナリン受容体アゴニストが、5−[(2R)−2−[[(2R)−2− (3−クロロフェニル−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]−1,3−ベンゾジオキソール−2,2−ジカルボン酸、またはその薬学的に許容される塩である前記1に記載の中枢循環改善薬。
4.中枢循環が網膜循環である前記1〜3のいずれかに記載の中枢循環改善薬。
5.中枢循環が脳循環である前記1〜3のいずれかに記載の中枢循環改善薬。
6.前記4に記載の中枢循環改善薬を含む網膜疾患の治療及び/または予防薬。
7.前記5に記載の中枢循環改善薬を含む脳循環疾患の治療及び/または予防薬。
本発明による中枢循環改善薬は、網膜、脳など神経組織を栄養する血管の拡張作用を有し、これにより、網膜循環をはじめとする中枢循環の改善に効果を有する。例えば、糖尿病性網膜症や正常眼圧緑内障を含む網膜神経障害などに対する予防及び/または治療に有用である。また、脳血栓や脳塞栓、認知症を含む脳神経障害の予防、治療及び/または予後に有用である。さらに、脳循環の改善を通じて種々の精神疾患、不眠、脳循環の改善が寄与する様々な状態にも効果が期待できる。
本発明は、BRL37344((±)−(R**)−[4−[2−[[2−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]フェノキシ]酢酸及びCL316243(5−[(2R)−2−[[(2R)−2−(3−クロロフェニル−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]−1,3−ベンゾジオキソール−2,2−ジカルボン酸に代表される市販のβ3アドレナリン受容体アゴニストが網膜循環をはじめとする中枢循環の改善に大きく関わっていることを見出したことに基づくものである。従って、本発明で用い得るβ3−アドレナリン受容体アゴニストは上記2化合物に限定されず、β3アドレナリン受容体アゴニストとして知られている既知の化合物、また将来見出されるβ3−アドレナリン受容体刺激作用を示す化合物が適用可能である。さらにまた、それらの化合物の薬学的に許容される塩でもよい。
β3アドレナリン受容体アゴニストとして知られている既知の化合物の例として、下記に示すものが挙げられる。
BRL37344:(±)−(R**)−[4−[2−[[2−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]フェノキシ]酢酸塩((±)-(R*,R*)-[4-[2-[[2-(3-chlorophenyl)-2-hydroxyethyl]amino]pr opyl]phenoxy]acetate)(シグマ社(ミズーリ州,米国)より入手可能)、
CL316243:(5−[(2R)−2−[[(2R)−2−(3−クロロフェニル−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]−1,3−ベンゾジオキソール−2,2−ジカルボン酸塩(5-[(2R)-2-[[(2R)-2-(3-chlorophenyl-2-hydroxyethyl]amino]propyl]-1,3- benzodioxole-2,2-dicarboxylate)(シグマ社(ミズーリ州,米国)より入手可能)、
N−5984:6−[2−(R)−[2−(R)−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−(R)−カルボン酸(6-[2-(R)-[2-(R)-(3-chlorophenyl)-2-hydroxyethyl]amino]propyl]-2,3-dihydro-1,4-benzodioxine-2-(R)-carboxylic acid)(Yanagisawa et al., Tohoku J. Exp. Med., 192; 181-193, 2000)、
ICI215001:(S)−4−[2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアミノエトキシ]フェノキシ酢酸・塩酸塩((S)-4-[2-Hydroxy-3-phenoxypropylaminoethoxy] phenoxyacetic acid hydrochloride)(Howe., Drugs Future, 18; 529, 1993)、
ZD2079:(R)−N−(2−[4−(カルボキシメチル)フェノキシ]エチル)−N−(β−ヒドロキシフェネチル)塩化アンモニウム((R)-N-(2-[4-(carboxymethyl)phenoxy]ethyl)-N-(β-hydroxyphenethyl)ammonium chloride)(Malinowska and Schlicker., Br. J. phamacol., 117; 943-949, 1996)、
ZD7114:(S)−4−[2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアミノエトキシ]−N−(2−メトキシエチル)フェノキシアセトアミド・塩酸塩((S)-4-[2-Hydroxy-3-phenoxypropylaminoethoxy]-N-(2-methoxyethyl)phenoxyacetamide hydrochloride)(Savontaus et al., Eur. J. phamacol., 347; 265-274, 1998)、
L755507:4−[[(ヘキシルアミノ)カルボニル]アミノ]−N−[4−[2−[[(2S)−2−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピル]アミノ]エチル]フェニル]−ベンゼンスルホンアミド(4-[[(Hexylamino)carbonyl]amino]-N-[4-[2-[[(2S)-2-hydroxy-3-(4-hydroxyphenoxy)propyl]amino]ethyl]phenyl]-benzenesulfonamide)(Parmee et al., Bioorg. Med. chem. Lett., 8; 1107-1112, 1998)、
SB−226552:(S)−4−{2−[2−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピルアミノ]エチル}フェノキシメチルシクロヘキシル・リン酸リチウム塩((S)-4-{2-[2-hydroxy-3-(4-hydroxyphenoxy)propylamino]ethyl}phenoxymethylcyclohexylphosphiric acid lithium salt)(Sennitt et al.,J.Pharmacol. Exp. Ther., 285; 1084-1095, 1998)、
SR−58611−A:{N−[(2S)−7−エトキシカルボニル−メトキシル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−2−イル](2R)−2−(3−クロロフェニル)2−ヒドロキシエタナミン・塩酸塩({N-[(2S)-7-ethoxycarbonyl-methoxyl-1,2,3,4-tetrahydro-naphth-2-yl](2R)-2-(3-chloro-phenyl)2-hydroxyethanamine hydrochloride})(Bianchetti et al.,Br.J.phamacol.,100;831-839,1990)、
UL−TG−307:4−(2−((2−ヒドロキシ−2−(2−(トリフルオロメチル)−4−チアゾリル)エチル)−アミノ)プロピル)フェノキシ酢酸(4-(2-((2-hydroxy-2-(2-(trifluoromethyl)-4-thiazolyl)ethyl)-amino)propyl)phenoxy-acetic acid)(Rave et al., Exp. Clin. Endocrinol. Diabetes, 107; 442-446, 1999)、
AJ−9677:3−[(2R)−[[(2R)−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]−1H−インドール−7−イルオキシ]酢酸(3-[(2R)-[[(2R)-(3-chlorophenyl)-2-hydroxyethyl]amino]propyl]-1H-indol-7-yloxy]acetic acid)(Kato et al., Diabetes, 50; 113-122, 2001)、
YM178:(R)−2−(2−アミノチアゾ−ル−4−イル)−4'−{2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル}アセトアニリド((R)-2-(2-aminothiazol-4-yl)-4'-{2-[(2-hydroxy-2-phenylethyl)amino]ethyl}acetanilide)(Takasu et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 321; 642-647, 2007)、
BMS−196085:Gavai et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 11; 3041-3044, 2001に記載の化合物。
塩は、薬学的に許容されるものであれば特に限定されないが、毒性のない、水溶性のものが好ましい。適当な塩として、アルカリ金属(カリウム、ナトリウム等)の塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)の塩、アンモニウム塩、薬学的に許容される有機アミン(テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ピペリジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、リジン、アルギニン、N−メチル−D−グルカミン等)の塩が挙げられる。
本発明の中枢循環改善薬は、網膜、脳など神経組織を栄養する血管の拡張作用を有し、これにより、網膜循環をはじめとする中枢循環の改善に効果を有する。例えば、網膜循環の場合、網膜症や緑内障等の網膜神経障害などに対する予防及び/または治療に有用である。
また、脳循環の場合、例えば、脳血栓や脳塞栓、認知症を含む脳神経障害の予防、治療及び/または予後に有用である。さらに、脳循環の改善を通じて種々の精神疾患(例えば、うつ病)、不眠、脳循環の改善が寄与する様々な状態(例えば、記憶や認知能力など学習能力の改善)にも効果が期待できる。
なお、本発明の中枢循環改善薬の毒性は十分に低いものであり、医薬品として使用するために十分安全である。また、医薬品への適用に際しては、常法に応じた剤形や投与方法などを採ることができる。
例えば、上記の目的で用いるには、β3アドレナリン受容体アゴニスト、そのプロドラッグ、またはその非毒性の塩を通常、全身的または局所的に、経口または非経口の形で投与する。プロドラッグにすることにより、刺激性がなくなる、吸収がよくなる、安定性がよくなる等の利点がある。
中枢循環の改善が有益であれば、投与対象に限定はないが、ヒトが最も好ましい。投与量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、通常、成人一人当たり、一回につき、1μgから100mgの範囲で一日一回から数回経口投与されるか、または成人一人当たり、一回につき、0.1μgから10mgの範囲で一日一回から数回非経口投与(好ましくは、静脈内投与)されるか、または一日1時間から24時間の範囲で静脈内に持続投与される。もちろん前記したように、投与量は種々の条件により変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また範囲を越えて投与の必要な場合もある。本発明化合物を投与する際には、経口投与のための固体組成物、液体組成物及びその他の組成物、非経口投与のための注射剤、外用剤、坐剤等として用いられる。
経口投与のための固体組成物には、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。カプセル剤には、ハードカプセル及びソフトカプセルが含まれる。このような固体組成物においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質が、少なくともひとつの不活性な希釈剤、例えばラクトース、マンニトール、マンニット、グルコース、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムと混和される。組成物は、常法に従って、不活性な希釈剤以外の添加物、例えばステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、繊維素グリコール酸カルシウムのような崩壊剤、グルタミン酸またはアスパラギン酸のような溶解補助剤を含有してもよい。錠剤または丸剤は必要により白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースフタレートなどの胃溶性あるいは腸溶性物質のフィルムで被膜していてもよいし、また2以上の層で被膜していてもよい。さらにゼラチンのような吸収されうる物質のカプセルも包含される。
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶液剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含む。このような液体組成物においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質が、一般的に用いられる不活性な希釈剤(例えば、精製水、エタノール)に含有される。この組成物は、不活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有してもよい。経口投与のためのその他の組成物としては、ひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、それ自体公知の方法により処方されるスプレー剤が含まれる。この組成物は不活性な希釈剤以外に亜硫酸水素ナトリウムのような安定剤と等張性を与えるような安定化剤、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムあるいはクエン酸のような等張剤を含有していてもよい。スプレー剤の製造方法は、例えば米国特許第2,868,691号及び同第3,095,355号明細書に詳しく記載されている。
本発明による非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性または非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を包含する。水性の溶液剤、懸濁剤としては、例えば注射用蒸留水及び生理食塩水が含まれる。非水性の溶液剤、懸濁剤としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール類、ポリソルベート80(登録商標)等がある。このような組成物は、さらに防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸)などの補助剤を含んでいてもよい。これらはバクテリア保留フィルターを通すろ過、殺菌剤の配合または照射によって無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌化または無菌の注射用蒸留水または他の溶媒に溶解して使用することもできる。非経口投与のためその他の組成物としては、ひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、常法により処方される外用液剤、軟膏、塗布剤、直腸内投与のための坐剤及び腟内投与のためのペッサリー等が含まれる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下の各例においては、次の供試動物を用い共通の試験方法により、後述する各試験薬剤を濃度を変えて投与した場合における網膜細動脈及び細静脈の血管径、眼底の血流(流量)、平均動脈圧及び心拍数を測定した。
[供試動物]
ウィスター系雄性ラット(8〜10週齢)を室温22±2℃、湿度55±5%RH、照明時間8時〜20時にコントロールされた動物舎で管理した。ペントバルビタールで麻酔し、麻酔状態を維持するために随時追加投与を行った。気道確保のために気管に、血圧及び心拍数測定のために大腿動脈に、また、薬物投与のために頸静脈及び大腿静脈にカニューレを挿入した。
網膜血管径及び眼底血流量の正確な測定には、眼球運動の抑制が必須であるため、テトロドトキシン(50μg/kg)を人工呼吸下に静脈内投与し、数時間にわたって散瞳状態を維持し、あらゆる神経反射も抑制した(Nakazawa et al., Vascular Pharmacol. 46; 153-159, 2007; Mori et al., Eur. J. Pharmacol., 570; 135-141, 2007)。また、一定用量のメトキサミンを持続投与し、テトロドトキシンによって低下した血圧を正常レベルまで回復させて試験に供した。
[試験方法]
上記供試動物の角膜にヒドロキシエチルセルロースを滴下し、眼球表面の乾燥を防止しつつ、小動物用のボアスコープ型対物レンズ(スカラー社製モデル01,倍率20倍)を装着した1,234万画素CCD搭載の一眼レフ型高解像度デジタルスチルカメラ(富士フィルム社製Finepix S3 Pro)を用いて撮影した。取得したデジタル眼底像をパーソナルコンピューターに転送し、フルカラー画像のグリーンチャネルに対してコントラストを高め、網膜血管(網膜細動脈または網膜細静脈)を含む領域(120μm×240μm)を選択した。選択した画像の背景に対するしきい値を設定して2階調化を施し、背景と血管部を白黒に分離し、画像解析ソフトを用い、一定の画像区分中に占める血管部面積と血管水平長を求め、血管径を算出した。
眼底血流量は、視神経乳頭を含む部位の血流量を非接触型レーザードップラー式血流計(オメガウェーブ社製Omega Flow FLO-N1)を用いることにより測定した。
血圧は供試動物の大腿動脈に挿入したカニューレを介して得られた血圧脈波を、圧トランスデューサー(日本光電社製DX−360)及びプリアンプ(日本光電社製AP−610G)により電気信号に変換・増幅した。また、心拍数は血圧脈派をトリガーしてタコメーター(日本光電社製AT−601G)を介して測定した。
[試験薬剤]
(1)(±)−(R**)−[4−[2−[[2−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]フェノキシ]酢酸塩(実施例1;β3受容体アゴニスト,BRL37344):シグマ社(ミズーリ州,米国)より入手した。
(2)5−[(2R)−2−[[(2R)−2−(3−クロロフェニル−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]−1,3−ベンゾジオキソール−2,2−ジカルボン酸塩(実施例2;β3受容体アゴニスト,CL316243):シグマ社(ミズーリ州,米国)より入手した。
(3)4−[2(t−ブチルアミノ)−1−ヒドロキシエチル−2−(ヒドロキシメチル)フェノール(比較例;β2受容体アゴニスト,サルブタモール):シグマ社(ミズーリ州,米国)より入手した。
実施例1:
β3受容体アゴニストである(±)−(R**)−[4−[2−[[2−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]フェノキシ]酢酸塩(BRL37344)を生理食塩水に溶解し、有効成分量が3〜20μg/kg/分となるように大腿静脈より持続投与した。結果を図1に示す。
その結果、網膜細動脈径(図1A)及び網膜細静脈径(図1B)は用量依存的に増大したが、眼底血流量(図1C)、平均血圧(図1D)及び心拍数(図1E)は殆ど変化しなかった。
実施例2:
β3受容体アゴニストである5−[(2R)−2−[[(2R)−2−(3−クロロフェニル−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]−1,3−ベンゾジオキソール−2,2−ジカルボン酸塩(CL316243)を生理食塩水に溶解し、有効線分量が1〜10μg/kg/分となるように大腿静脈より持続投与した。結果を図2に示す。
その結果、実施例1と同様に、網膜細動脈径(図1A)及び網膜細静脈径(図1B)は用量依存的に増大したが、眼底血流量(図1C)、平均血圧(図1D)及び心拍数(図1E)は有意に変化しなかった。
比較例:
β2受容体アゴニストである4−[2(t−ブチルアミノ)−1−ヒドロキシエチル−2−(ヒドロキシメチル)フェノール(サルブタモール)を、生理食塩水に溶解し、有効成分が0.1〜30μg/kg/分となるように大腿静脈より持続投与した。結果を図3に示す。
その結果、網膜細動脈径(図3A)は著しく増大したが、同時に平均血圧(図3D)も用量依存的に有意に低下した。また、網膜細静脈径(図3B)も増加したが、眼底血流量(図3C)は10μg/kg/分以上の用量で低下し、心拍数(図3E)は有意に上昇した。
比較例に示すように、サルブタモールは網膜血管の血管径を増大させるが、末梢血管のβ2受容体にも作用し、著しい血圧低下をもたらす。さらには、高用量になると心臓のβ1受容体にも作用し、心拍数を上昇させる。
これに対し、実施例の結果は、β3受容体アゴニストが末梢血管と比較して網膜血管に選択的な作用を有することを示唆しており、β3受容体アゴニストは網膜血管径を増大させて網膜循環を改善する効果を有することがわかる。
β3受容体アゴニストであるBRL37344の投与量と、網膜細動脈径(A)、網膜細静脈径(B)、眼底血流量(C)、平均血圧(D)及び心拍数(E)との関係を示すグラフ。 β3受容体アゴニストであるCL316243の投与量と、網膜細動脈径(A)、網膜細静脈径(B)、眼底血流量(C)、平均血圧(D)及び心拍数(E)との関係を示すグラフ。 β2受容体アゴニストであるサルブタモールの投与量と、網膜細動脈径(A)、網膜細静脈径(B)、眼底血流量(C)、平均血圧(D)及び心拍数(E)との関係を示すグラフ。

Claims (7)

  1. β3アドレナリン受容体アゴニストを有効成分として含有することを特徴とする中枢循環改善薬。
  2. β3アドレナリン受容体アゴニストが、(±)−(R**)−[4−[2−[[2−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]フェノキシ]酢酸、またはその薬学的に許容される塩である請求項1に記載の中枢循環改善薬。
  3. β3アドレナリン受容体アゴニストが、5−[(2R)−2−[[(2R)−2−(3−クロロフェニル−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]−1,3−ベンゾジオキソール−2,2−ジカルボン酸、またはその薬学的に許容される塩である請求項1に記載の中枢循環改善薬。
  4. 中枢循環が網膜循環である請求項1〜3のいずれかに記載の中枢循環改善薬。
  5. 中枢循環が脳循環である請求項1〜3のいずれかに記載の中枢循環改善薬。
  6. 請求項4に記載の中枢循環改善薬を含む網膜疾患の治療及び/または予防薬。
  7. 請求項5に記載の中枢循環改善薬を含む脳循環疾患の治療及び/または予防薬。
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