JP2010013604A - セルロース分散体 - Google Patents
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Abstract
【課題】親水性のセルロースが非水溶性溶媒である分散媒体中に分散しており、分散安定性および透明性に優れたセルロース分散体を提供する。
【解決手段】界面活性剤を含有する分散媒体中にセルロースが分散してなる分散体であって、該分散媒体が非水溶性溶媒であることを特徴とするセルロース分散体。
【選択図】なし
【解決手段】界面活性剤を含有する分散媒体中にセルロースが分散してなる分散体であって、該分散媒体が非水溶性溶媒であることを特徴とするセルロース分散体。
【選択図】なし
Description
本発明は、セルロース分散体に関するものである。より詳しくは、親水性のセルロースが通常均一分散しない非水溶性溶媒中にセルロースを分散させた、分散安定性および透明性に優れたセルロース分散体に関する。
セルロース系材料は、地球上で最も大量に生産されるバイオマスとして、また自然環境下にて生分解可能な材料として、昨今、非常に大きな注目を集めつつある。従来より、セルロース微粒子や微細セルロース繊維、また、セルロース微粒子や微細セルロース繊維を分散媒体中へ分散させたセルロース分散体は、食品添加剤、医薬製剤、化粧品添加剤、濾過助剤、紙力増強剤、塗料など幅広い分野において利用されており、例えば、化粧品添加剤や塗料などに用いられる場合には、セルロース分散体の分散安定性や透明性が要求される。
セルロースはその分子構造中に複数の水酸基を有し、多様で強固な分子内および分子間水素結合を形成しているため、セルロースを水や一般的な有機溶媒へ溶解または分散させることは極めて困難である。セルロースを溶媒中へ溶解させるためには、例えば、再生セルロースの製法として知られるように、セルロースのキサントゲン酸塩のようにセルロースを誘導体化する、もしくはセルロースの銅アンモニア錯体のようにセルロースを錯体化する必要がある。また、セルロースの溶解に用いられる溶媒は、水、もしくはジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルモルホリン−N−オキシドなどのような水溶性溶媒に限られている。このように、セルロースを誘導体化せずに、非水溶性溶媒中へ溶解または分散させることは極めて困難な課題である。例えば、特許文献1〜3には、セルロースを分散媒体中へ分散させる技術が開示されている。
特許文献1では、セルロースの表面酸化反応により、セルロースの水酸基の一部をカルボキシル基またはアルデヒド基に酸化することで、セルロースナノファイバーを分散媒体中へ分散する技術が提案されている。しかしながら、分散媒体中へ分散させるためにセルロースを誘導体化する必要があり、さらには、分散媒体が水または水溶性溶媒に限定されるという問題があった。
特許文献2では、非水溶性の分散媒体にビスコース液および界面活性剤を添加したビスコースエマルジョンと、非水溶性の分散媒体にビスコース凝固液を添加したビスコース凝固液エマルジョンとを混合し、セルロースの再生によりセルロース微粒子を得る技術が提案されている。この提案では、セルロース微粒子を得ることを目的としているため、セルロースを誘導体化する必要があった。また、セルロース微粒子の粒径が大きいため、溶液は白濁するものであった。
特許文献3では、特定の重合度と結晶性を有するセルロースを分散媒体に分散させたセルロース分散体が提案されている。この提案では、セルロースを誘導体化する必要はないが、分散媒体が水または水溶性溶媒に限定されるという問題があった。
このように、従来技術ではセルロースを誘導体化せずに非水溶性溶媒中に分散させた際に、分散安定性および透明性に優れたセルロース分散体を得ることができなかった。
特開2008−1728号公報
特開平5−200268号公報
国際公開第99/28350号
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決し、親水性のセルロースが通常均一分散しない非水溶性溶媒中にセルロースを分散させること、分散安定性および透明性に優れたセルロース分散体を提供することにある。
上記の本発明の課題は、界面活性剤を含有する分散媒体中にセルロースが分散してなる分散体であって、該分散媒体が非水溶性溶媒であることを特徴とするセルロース分散体によって解決することができる。
また、分散媒体中で界面活性剤が逆ミセルを形成しており、該逆ミセルにはセルロースが内包されてなることが好適に採用できる。
さらには、界面活性剤の重量が、セルロースの重量に対して20重量%以上であることが好適に採用できる。
セルロースが、平均繊維径が2nm〜1000nmのセルロース繊維であることも好適に採用できる。
また、非水溶性溶媒が芳香族系炭化水素であることも好適に採用できる。
本発明によれば、親水性のセルロースが非水溶性溶媒である分散媒体中に分散しており、分散安定性および透明性に優れたセルロース分散体を提供することができ、化粧品添加剤、スプレー剤、塗料、機能性添加剤などとして好適に用いることができる。また、樹脂材料などの他の材料との複合化による繊維強化複合材料などに応用することも可能である。
以下、本発明の分散安定性および透明性に優れたセルロース分散体、およびその製造方法について詳細に説明する。
本発明におけるセルロースは、木材、綿、麻、亜麻、ラミー、ジュート、ケナフなどの植物由来、ホヤ類などの動物由来、海藻などの藻類由来、酢酸菌などの微生物由来などいずれを起源とするものであってもよい。なかでも、精製パルプ、綿由来のコットンリンターおよびコットンリント、酢酸菌由来のバクテリアセルロースは、セルロース純度が高いため好適に採用できる。
本発明におけるセルロースは、セルロース繊維であることが好ましい。セルロース繊維であれば、例えば、樹脂材料などの他の材料と複合化した場合に、繊維同士の絡み合いによる優れた補強効果を示すため好ましい。
本発明におけるセルロース繊維の平均繊維径は、2nm〜1000nmであることが好ましい。平均繊維径が2nm以上であれば、セルロースの微細化によりセルロース繊維を安定して製造することができるため好ましい。平均繊維径は5nm以上であることがより好ましく、10nm以上であることが更に好ましい。一方、平均繊維径が1000nm以下であれば、分散安定性および透明性に優れたセルロース分散体が得られるため好ましい。平均繊維径は700nm以下であることがより好ましく、500nm以下であることが更に好ましい。また、繊維径が2nm〜1000nmの範囲外であるセルロース繊維が含まれていてもよいが、セルロース繊維の総数に対して70%以上の繊維径が、2nm〜1000nmであることが好ましい。
本発明におけるセルロース繊維の平均繊維長は、特に限定されないが、100nm以上であることが好ましい。平均繊維長が100nm以上であれば、例えば、樹脂材料などの他の材料と複合化した場合に、繊維同士の絡み合いによる優れた補強効果を示すため好ましい。なお、繊維長が100nm未満のセルロース繊維が含まれていてもよいが、セルロース繊維の総数に対して70%以上の繊維長が、100nm以上であることが好ましい。
本発明における界面活性剤は、油溶性界面活性剤であることが好ましい。油溶性界面活性剤であれば、非水溶性溶媒中で逆ミセルを形成することができるため好適に採用できる。逆ミセルとは、油溶性界面活性剤が非水溶性溶媒中において、油溶性界面活性剤の親水基を内側に向け、油溶性界面活性剤の疎水基を外側に向けて集合することにより形成される分子集合体である。逆ミセルの内部は親水性が高いため、非水溶性溶媒中において親水性が高いセルロースが逆ミセルに内包され、分散安定性および透明性に優れたセルロース分散体が得られるため好ましい。
本発明における油溶性界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、および非イオン性界面活性剤のいずれであってもよく、これらを単独もしくは併用しても構わない。
油溶性界面活性剤の具体例としては、アニオン性界面活性剤であるビス(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウムなどのスルホン酸塩型、カチオン性界面活性剤であるセチルトリメチルアンモニウムブロミドなどの4級アンモニウム塩型、非イオン性界面活性剤であるペンタエチレングリコールドデシルエーテルなどのエーテル型などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明における分散媒体は、非水溶性溶媒である。非水溶性溶媒であれば、界面活性剤が逆ミセルを形成し、逆ミセルに親水性が高いセルロースが内包されるためである。非水溶性溶媒は、脂肪族系炭化水素、芳香族系炭化水素、エーテルなどが挙げられるが、これらに限定されない。脂肪族系炭化水素の具体例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどが挙げられる。芳香族系炭化水素の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、スチレン、クメンなどが挙げられる。エーテルの具体例としては、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどが挙げられる。なかでも、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系炭化水素が好適に採用できる。これらの非水溶性溶媒は、単独もしくは併用しても構わない。
本発明における分散媒体は、水もしくは水溶性溶媒を含んでいても構わない。水溶性溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコールや、アセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明におけるセルロースの重量は、分散媒体の重量に対して20重量%以下であることが好ましい。セルロースの重量が分散媒体の重量に対して20重量%以下であれば、セルロース分散体の粘度が上がりすぎることがなく、また、分散安定性および透明性に優れたセルロース分散体が得られるため好ましい。分散媒体の重量に対するセルロースの重量は15重量%以下であることがより好ましく、10重量%以下であることが更に好ましい。
本発明における界面活性剤の重量は、使用する分散媒体に対する溶解度に応じて、適宜選択することができる。
本発明における界面活性剤の重量は、セルロースの重量に対して20重量%以上であることが好ましい。界面活性剤の重量がセルロースの重量に対して20重量%以上であれば、非水溶性溶媒中で界面活性剤が逆ミセルを形成し、逆ミセルにセルロースが内包されるため好ましい。セルロースの重量に対する界面活性剤の重量は30重量%以上であることがより好ましく、50%重量以上であることが更に好ましい。
本発明におけるセルロース分散体は、各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、防腐剤、ゲル化剤、フィラー、金属酸化物、無機塩、インク、染料、顔料、香料などの添加剤についても、これらを単独もしくは併用して含有していても構わない。
本発明におけるセルロース分散体は、分散体中におけるセルロースの平均繊維径が5000nm以下であることが好ましい。分散体中におけるセルロースの平均繊維径が5000nm以下であれば、セルロースが凝集することなく、分散安定性および透明性に優れたセルロース分散体が得られるため好ましい。分散体中におけるセルロースの平均繊維径は3000nm以下であることがより好ましく、1000nm以下であることが更に好ましい。また、繊維径が5000nmより大きいセルロース繊維が含まれていてもよいが、セルロース繊維の総数に対して70%以上の繊維径が、5000nm以下であることが好ましい。
本発明におけるセルロース分散体は、波長660nmの可視光に対する透過率が10%以上であることが好ましい。波長660nmの可視光に対する透過率が10%以上であれば、セルロース分散体中でセルロースが凝集することなく、分散安定性および透明性に優れたセルロース分散体が得られるため好ましい。波長660nmの可視光に対する透過率は30%以上であることがより好ましく、50%以上であることが更に好ましい。
次に、本発明のセルロース分散体の製造方法について説明する。
本発明の平均繊維径が2nm〜1000nmであるセルロース繊維は、公知の方法に従い、硫酸や塩酸などの酸を用いたセルロースの酸加水分解による化学的方法、もしくは高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー、リファイナー、グラインダー、石臼などによりセルロースを叩解して、セルロースの解繊や微細化を行う物理的方法により得られるが、これらに限定されない。また、化学的方法や物理的方法による処理を施した市販のセルロース繊維を利用することも可能である。
本発明のセルロース分散体は、界面活性剤を含有する分散媒体中へセルロースを添加して分散させることで得られる。
界面活性剤を含有する分散媒体中でのセルロースの分散方法は、公知の方法に従い、例えば、プロペラ型撹拌機、タービン型撹拌機、高速ミキサー、ホモミキサーなどのミキサー類、ボールミル、コロイドミル、ビーズミルなどのミル類、高圧ホモジナイザー、マイクロフルイダイザーやナノマイザーなどの超高圧ホモジナイザー、スターラー、超音波照射装置などが挙げられるが、これらに限定されない。
セルロース分散体を調製する温度は、使用する分散媒体の沸点未満の範囲内で適宜選択することができる。また、セルロース分散体を調製する時間は、適宜選択することができる。
本発明のセルロース分散体は、分散媒体が水または水溶性溶媒である従来のセルロース分散体と異なり、分散媒体が非水溶性溶媒であるため、非水溶性の添加物や非水溶性の樹脂との複合化が容易であり、幅広い分野へ応用できるセルロース素材である。さらに、本発明のセルロース分散体は、分散安定性および透明性にも優れている。そのため、本発明のセルロース分散体は、食品添加剤、医薬製剤、化粧品添加剤、濾過助剤、紙力増強剤、スプレー剤、塗料、顔料、インク、香料、消臭剤、脱臭剤、機能性添加物など幅広い分野に利用できる。さらには、樹脂材料などの他の材料との複合化による繊維強化複合材料などに応用することも可能である。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。
A.平均繊維径
セルロース分散体を調製し、調製直後および室温で30日間静置後のセルロースの平均繊維径を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた観察により算出した。セルロース分散体をSEM観察用試料台上へキャストして溶媒を蒸発させた後、白金−パラジウム合金を蒸着して、SEMにより表面を観察した。表面において無作為に選んだ20本の繊維径を計測し、その平均値を平均繊維径(nm)とした。
セルロース分散体を調製し、調製直後および室温で30日間静置後のセルロースの平均繊維径を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた観察により算出した。セルロース分散体をSEM観察用試料台上へキャストして溶媒を蒸発させた後、白金−パラジウム合金を蒸着して、SEMにより表面を観察した。表面において無作為に選んだ20本の繊維径を計測し、その平均値を平均繊維径(nm)とした。
SEM装置 :日立製S−4000型
B.透過率
セルロース分散体を調製し、調製直後および室温で30日間静置後のセルロース分散体の透過率を、可視紫外分光光度計を用いて測定した。セルロース分散体を光路長1cmの石英セルに充填し、波長660nmの可視光を入射したときの入射光の強さ(A)と透過光の強さ(B)を測定し、下式により透過率を算出した。なお、波長660nmの可視光は、溶液などの濁度の評価に一般的に用いられている。
B.透過率
セルロース分散体を調製し、調製直後および室温で30日間静置後のセルロース分散体の透過率を、可視紫外分光光度計を用いて測定した。セルロース分散体を光路長1cmの石英セルに充填し、波長660nmの可視光を入射したときの入射光の強さ(A)と透過光の強さ(B)を測定し、下式により透過率を算出した。なお、波長660nmの可視光は、溶液などの濁度の評価に一般的に用いられている。
可視紫外分光光度計 :日立製U−3010型
入射光の強さ(A) :対照試料として水を充填したセルを通過した光の強さ
透過光の強さ(B) :セルロース分散体を充填したセルを通過した光の強さ
透過率(%)=B/A×100
C.分散安定性
セルロース分散体を調製し、調製直後および室温で30日間静置後の沈降の有無を、10人の被験者が目視により官能評価した。官能評価により、「全く沈降が見られないもの」を◎、「ほとんど沈降が見られないもの」を○、「やや沈降が見られるもの」を△、「極めて多くの沈降が見られるもの」を×とし、「ほとんど沈降が見られないもの」の○以上を合格とした。
入射光の強さ(A) :対照試料として水を充填したセルを通過した光の強さ
透過光の強さ(B) :セルロース分散体を充填したセルを通過した光の強さ
透過率(%)=B/A×100
C.分散安定性
セルロース分散体を調製し、調製直後および室温で30日間静置後の沈降の有無を、10人の被験者が目視により官能評価した。官能評価により、「全く沈降が見られないもの」を◎、「ほとんど沈降が見られないもの」を○、「やや沈降が見られるもの」を△、「極めて多くの沈降が見られるもの」を×とし、「ほとんど沈降が見られないもの」の○以上を合格とした。
D.透明性
セルロース分散体を調製し、調製直後および室温で30日間静置後の透明性を、10人の被験者が目視により官能評価した。官能評価により、「固形成分が全くなく、透明性が極めて高いもの」を◎、「固形成分がほとんどなく、透明性が高いもの」を○、「やや固形成分があり、濁っているもの」を△、「極めて多くの固形成分があり、濁っているもの」を×とし、「固形成分がほとんどなく、透明性が高いもの」の○以上を合格とした。
セルロース分散体を調製し、調製直後および室温で30日間静置後の透明性を、10人の被験者が目視により官能評価した。官能評価により、「固形成分が全くなく、透明性が極めて高いもの」を◎、「固形成分がほとんどなく、透明性が高いもの」を○、「やや固形成分があり、濁っているもの」を△、「極めて多くの固形成分があり、濁っているもの」を×とし、「固形成分がほとんどなく、透明性が高いもの」の○以上を合格とした。
実施例1
セルロースとして、木材パルプの高圧ホモジナイザー処理により得られる微小繊維状セルロースであるダイセル化学工業社製「セリッシュKY−100G」(セルロース濃度10重量%の水分散体)を用いた。界面活性剤としてビス(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム(東京化成工業社製アニオン性界面活性剤)2.5mg、溶媒としてキシレン10gをビーカーに加え、室温でスターラーを用いて10分間撹拌混合した。その後、セルロースとしてセリッシュ50mg(セルロース重量として5mgに相当)を加え、室温でスターラーを用いて30分間撹拌混合し、セルロース分散体を調製した。
セルロースとして、木材パルプの高圧ホモジナイザー処理により得られる微小繊維状セルロースであるダイセル化学工業社製「セリッシュKY−100G」(セルロース濃度10重量%の水分散体)を用いた。界面活性剤としてビス(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム(東京化成工業社製アニオン性界面活性剤)2.5mg、溶媒としてキシレン10gをビーカーに加え、室温でスターラーを用いて10分間撹拌混合した。その後、セルロースとしてセリッシュ50mg(セルロース重量として5mgに相当)を加え、室温でスターラーを用いて30分間撹拌混合し、セルロース分散体を調製した。
得られたセルロース分散体の物性値および官能評価結果を表1に示した。得られたセルロース分散体は、調製直後および室温で30日間静置後ともに沈降や固形成分が全く見られず、分散安定性および透明性に極めて優れていた。
実施例2〜4
セルロースおよび界面活性剤の添加量を表1に示した割合に変更した以外は、実施例1と同様にセルロース分散体を調製した。
セルロースおよび界面活性剤の添加量を表1に示した割合に変更した以外は、実施例1と同様にセルロース分散体を調製した。
得られたセルロース分散体の物性値および官能評価結果を表1に示した。分散体中のセルロース濃度が増加するとともに、分散体の透明性が低下した。実施例2、3より得られたセルロース分散体は、調製直後および室温で30日間静置後ともに沈降や固形成分が全く見られず、分散安定性および透明性に極めて優れていた。また、実施例4より得られたセルロース分散体は、分散体中のセルロース濃度が高いにも関わらず、分散安定性および透明性に優れていた。
実施例5〜7、比較例1
セルロースおよび界面活性剤の添加量を表2に示した割合に変更した以外は、実施例1と同様にセルロース分散体を調製した。
セルロースおよび界面活性剤の添加量を表2に示した割合に変更した以外は、実施例1と同様にセルロース分散体を調製した。
得られたセルロース分散体の物性値および官能評価結果を表2に示した。セルロースの重量に対する界面活性剤の重量の割合が減少するとともに、分散安定性および透明性が低下した。実施例5、6より得られたセルロース分散体は、調製直後および室温で30日間静置後ともに沈降や固形成分が全く見られず、分散安定性および透明性に極めて優れていた。また、実施例7より得られたセルロース分散体は、セルロースの重量に対する界面活性剤の重量の割合が小さいにも関わらず、分散安定性および透明性に優れていた。一方、比較例1では界面活性剤を添加していないため、セルロースを加えて撹拌混合するとすぐにキシレン中でセルロースが凝集し、分散安定性、透明性ともに極めて劣るものであった。
実施例8、9
実施例8では界面活性剤をセチルトリメチルアンモニウムブロミド(純正化学社製カチオン性界面活性剤)、実施例9では界面活性剤をペンタエチレングリコールドデシルエーテル(東京化成工業社製非イオン性界面活性剤)に変更した以外は、実施例1と同様にセルロース分散体を調製した。
実施例8では界面活性剤をセチルトリメチルアンモニウムブロミド(純正化学社製カチオン性界面活性剤)、実施例9では界面活性剤をペンタエチレングリコールドデシルエーテル(東京化成工業社製非イオン性界面活性剤)に変更した以外は、実施例1と同様にセルロース分散体を調製した。
得られたセルロース分散体の物性値および官能評価結果を表3に示した。カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤のいずれを用いた場合も、調製直後および室温で30日間静置後ともに沈降や固形成分が全く見られず、分散安定性および透明性に極めて優れていた。
実施例10
セルロースとして、木材パルプの酸加水分解処理により得られる微結晶セルロースであるメルク社製「アビセル」を用い、界面活性剤の添加量を0.05重量%とした以外は、実施例1と同様にセルロース分散体を調製した。
セルロースとして、木材パルプの酸加水分解処理により得られる微結晶セルロースであるメルク社製「アビセル」を用い、界面活性剤の添加量を0.05重量%とした以外は、実施例1と同様にセルロース分散体を調製した。
得られたセルロース分散体の物性値および官能評価結果を表3に示した。なお、SEMによる表面観察において、微結晶セルロースの短径の平均値を繊維径とした。得られたセルロース分散体は、セルロースの繊維径が大きいにも関わらず、調製直後および室温で30日間静置後ともに沈降や固形成分が見られず、分散安定性および透明性に優れていた。
実施例11〜14、比較例2、3
分散媒体を表4の通りに変更した以外は、実施例1と同様にセルロース分散体を調製した。
分散媒体を表4の通りに変更した以外は、実施例1と同様にセルロース分散体を調製した。
得られたセルロース分散体の物性値および官能評価結果を表4に示した。実施例11、12のように分散媒体として芳香族系炭化水素の非水溶性溶媒であるトルエン、ベンゼンを用いた場合、得られたセルロース分散体はいずれも、調製直後および室温で30日間静置後ともに沈降や固形成分が全く見られず、分散安定性および透明性に極めて優れていた。また、実施例13、14のように分散媒体として脂肪族系炭化水素の非水溶性溶媒であるヘキサン、デカンを用いた場合も、得られたセルロース分散体はいずれも、調製直後および室温で30日間静置後ともに沈降や固形成分が全く見られず、分散安定性および透明性に極めて優れていた。一方、比較例2、3のように分散媒体として水、水溶性溶媒であるエタノールを用いた場合、撹拌混合してもセルロースが完全に分散せず、固形成分が多量に残っていた。さらには、撹拌混合直後から多量の沈降が見られ、分散安定性、透明性ともに極めて劣るものであった。
本発明のセルロース分散体は、親水性のセルロースが非水溶性溶媒である分散媒体中に分散しており、分散安定性および透明性に優れている。そのため、化粧品添加剤、スプレー剤、塗料、機能性添加剤などとして好適に用いることができる。また、樹脂材料などの他の材料との複合化による繊維強化複合材料などに応用することも可能である。
Claims (5)
- 界面活性剤を含有する分散媒体中にセルロースが分散してなる分散体であって、該分散媒体が非水溶性溶媒であることを特徴とするセルロース分散体。
- 分散媒体中で界面活性剤が逆ミセルを形成しており、該逆ミセルにセルロースが内包されてなることを特徴とする請求項1記載のセルロース分散体。
- 界面活性剤の重量が、セルロースの重量に対して20重量%以上であることを特徴とする請求項1または2記載のセルロース分散体。
- セルロースが、平均繊維径が2nm〜1000nmのセルロース繊維であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のセルロース分散体。
- 非水溶性溶媒が芳香族系炭化水素であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のセルロース分散体。
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