JP2010090850A - 可変バルブタイミング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電動モータの回転を減速機構のみでカムシャフトに伝達する先に開発した可変バルブタイミング装置の軸方向寸法をさらにコンパクト化することである。
【解決手段】中間軸10の環状の保持器部10bを、軸方向に張り出して先端側が開口するくし形の形状とし、この先端側が開口するくし形の間に形成される空間を、ローラを保持するポケット10aとすることにより、保持器部10bの長さを短くして、電動モータの回転を減速機構のみでカムシャフトに伝達する先に開発した可変バルブタイミング装置の軸方向寸法をさらにコンパクト化することができるようにした。
【選択図】図3
【解決手段】中間軸10の環状の保持器部10bを、軸方向に張り出して先端側が開口するくし形の形状とし、この先端側が開口するくし形の間に形成される空間を、ローラを保持するポケット10aとすることにより、保持器部10bの長さを短くして、電動モータの回転を減速機構のみでカムシャフトに伝達する先に開発した可変バルブタイミング装置の軸方向寸法をさらにコンパクト化することができるようにした。
【選択図】図3
Description
本発明は、エンジンの吸気バルブや排気バルブの開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング装置に関するものである。
自動車の運転状況に応じて、エンジンの吸気バルブと排気バルブの一方または両方のバルブの開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング装置は、油圧を駆動源として、エンジンの回転とバルブを駆動するカムシャフトの回転との位相を変更する油圧式のものが多いが、油圧式のものは、寒冷時やエンジン始動時に油圧が不足したり、油圧制御の応答性が低下したりして、可変バルブタイミング制御精度が低下することから、アクチュエータとして電動モータを用いた電動式のものが提案されている。
このような電動式の可変バルブタイミング装置としては、図6(a)、(b)に示すように、エンジンのバルブを駆動するカムシャフト51と、エンジンから回転を伝達され、カムシャフト51を回転駆動するスプロケット52とを、相対回転可能に同軸上に配置して、カムシャフト51と同軸上に配置した電動モータ53の出力軸54の回転を減速機構55とリンク機構56を介してカムシャフト51に伝達し、カムシャフト51をスプロケット52に対して相対回転させて、両者の回転位相差を変化させ、バルブの開閉タイミングを変更するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
前記減速機構55は、電動モータ53の出力軸54の偏心軸部54aに軸受で回転自在に支持された内歯車57の歯の一部が、スプロケット52と一体化したハウジング58に設けた外歯車59と噛み合うようにして、出力軸54をスプロケット52に対して相対回転させたときに、内歯車57が偏心軸部54aの回りに回転するようにしたものであり、この内歯車57の回転をガイドプレート60に伝達し、さらに、ガイドプレート60の回転を、アーム56a、56bで構成されるリンク機構56を介して、カムシャフト51と一体回転するカムプレート51aに伝達し、カムシャフト51をスプロケット52に対して相対回転させるようにしている。
特許文献1に記載された電動式の可変バルブタイミング装置は、電動モータの回転をカムシャフトに伝達する機構が、減速機構とリンク機構を組み合わせた複雑な構造となり、装置をコンパクトに設計できない問題がある。
この問題に対して、本発明者らは、電動モータの出力軸の回転をカムシャフトに伝達する減速機構を、電動モータの出力軸に円形断面の偏心軸部を設け、スプロケットと一体化したハウジングの円筒部の内径面に複数のカム山を形成した内歯車を偏心軸部と対向させて設け、これらの対向する偏心軸部の外径面と内歯車とに転接する複数のローラを保持するポケットを設けた環状の保持器部を有する中間軸をカムシャフトと同軸上に配置して、電動モータの出力軸を回転させたときに、ポケットに保持されたローラが偏心軸部の外径面に沿って公転するようにし、これらのローラの公転を中間軸を介してカムシャフトに伝達する可変バルブタイミング装置を先に出願している(特願2008−215547)。
この先に開発した可変バルブタイミング装置は、電動モータの回転を減速機構のみでカムシャフトに伝達することができ、コンパクトな設計が可能であるが、軸方向寸法をさらにコンパクト化することが望まれている。
そこで、本発明の課題は、この電動モータの回転を減速機構のみでカムシャフトに伝達する先に開発した可変バルブタイミング装置の軸方向寸法をさらにコンパクト化することである。
上記の課題を解決するために、本発明は、エンジンの吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方のバルブを駆動するカムシャフトと、エンジンから回転を伝達され、前記カムシャフトを回転駆動するスプロケットとを、相対回転可能に同軸上に配置して、前記カムシャフトと同軸上に配置した電動モータの出力軸の回転を減速機構を介して前記カムシャフトに伝達し、前記カムシャフトの前記スプロケットに対する回転位相差を変化させて、前記バルブの開閉タイミングを変更するようにし、前記減速機構を、前記電動モータの出力軸に円形断面の偏心軸部を設け、前記スプロケットと一体化したハウジングの円筒部の内径面に、複数のカム山を円周方向に等ピッチで形成した内歯車を前記偏心軸部と対向させて設け、これらの対向する偏心軸部の外径面と内歯車とに転接する複数のローラを保持するポケットを設けた環状の保持器部を有する中間軸を前記カムシャフトと同軸上に配置して、前記環状の保持器部を円周方向に等ピッチで分割したときの分割点の数が、前記カム山の数と1つだけ異なる分割点の全ての位置または一部の間引いた位置に、前記ローラを保持するポケットを設けて、前記カム山の1ピッチ分の形状を、前記電動モータの出力軸を回転させたときに、前記ポケットに保持されたローラが前記偏心軸部の外径面に沿って公転する軌跡の外径側包絡線と合致させて、これらのローラの公転を前記中間軸を介して前記カムシャフトに伝達するものとした可変バルブタイミング装置において、前記環状の保持器部を、軸方向に張り出して先端側が開口するくし形の形状とし、この先端側が開口するくし形の間に形成される空間を、前記ローラを保持するポケットとした構成を採用した。
すなわち、環状の保持器部を、軸方向に張り出して先端側が開口するくし形の形状とし、この先端側が開口するくし形の間に形成される空間を、ローラを保持するポケットとすることにより、保持器部の長さを、先に開発した可変バルブタイミング装置でポケットを周囲が閉じた窓状に形成していたものよりも短くして、装置全体の軸方向寸法をさらにコンパクト化できるようにした。また、この可変バルブタイミング装置は、保持器部のポケットに保持されるローラを軸方向から挿入することができ、ローラのポケットへの組み込みも容易にすることができる。
前記くし形の間に形成されたポケットの軸方向先端側の開口部両側に面取りを設けることにより、ローラのポケットへの組み込みをより容易にすることができる。
前記くし形の間に形成されたポケットのくし形の基部コーナに隅肉を設けることにより、くし形の形状とされた保持器部の強度を確保することができる。
前記中間軸の保持器部を樹脂材料で形成することにより、保持器部のポケット面との摺接によるローラの損傷を防止することができる。
前記保持器部を有する中間軸を金属板のプレス加工で形成することにより、中間軸を安価に製造することができる。
前記ハウジングの円筒部の片側に、前記ポケットの開口部と軸方向で対向する内向きの鍔部を設けることにより、この鍔部で前記ポケットに保持されたローラを軸方向に抜け止めすることができる。
本発明の可変バルブタイミング装置は、環状の保持器部を、軸方向に張り出して先端側が開口するくし形の形状とし、この先端側が開口するくし形の間に形成される空間を、ローラを保持するポケットとしたので、保持器部の長さを短くして、先に開発した可変バルブタイミング装置の軸方向寸法をさらにコンパクト化することができる。また、この可変バルブタイミング装置は、保持器部のポケットに保持されるローラを軸方向から挿入することができ、ローラのポケットへの組み込みも容易にすることができる。
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1乃至図3は、第1の実施形態を示す。この可変バルブタイミング装置は、図1に示すように、エンジンの吸気バルブ(図示省略)を駆動するカムシャフト1と、エンジンから回転を伝達され、カムシャフト1を回転駆動するスプロケット2とを、相対回転可能に同軸上に配置し、カムシャフト1と同軸上に配置した電動モータ3の出力軸4の回転を減速機構5を介してカムシャフト1に伝達し、カムシャフト1のスプロケット2に対する回転位相差を変化させて、吸気バルブの開閉タイミングを変更するものである。
図1および図2に示すように、前記減速機構5は、電動モータ3の出力軸4に円形断面の偏心軸部4aを設けて、この偏心軸部4aに玉軸受6を外嵌固定し、スプロケット2と一体化したハウジング7の円筒部7aの内径面に、複数のカム山8aを形成した別体の内歯車8を、玉軸受6の外輪6aの外径面と対向するように内嵌固定して、これらの対向する外輪6aの外径面と内歯車8とに転接する複数のローラ9を保持するポケット10aを設けた環状の保持器部10bを有する中間軸10をカムシャフト1と同軸上に配置し、その中間軸10をスプライン11によってカムシャフト1に連結したものであり、後述するメカニズムによって、電動モータ3の出力軸4の回転を中間軸10を介してカムシャフト1に伝達する。
前記電動モータ3の出力軸4は、負の隙間を設定した玉軸受12によってハウジング7の円筒部7aの片側に設けられた内向きの鍔部7bに支持され、中間軸10は4点接触タイプの玉軸受13によって、内歯車8の延長円筒部を介してハウジング7に支持されており、負の隙間を設定した玉軸受12の回転抵抗によってカムシャフト1から出力軸4への逆入力が抑制されるとともに、4点接触タイプの玉軸受13によって、中間軸10の振れ回りが抑制される。また、偏心軸部4aの偏心側には、出力軸4の軸心の回りの重量バランスを調整するバランス調整部としての貫通孔4bが設けられている。
図2に示すように、前記内歯車8のカム山8aは円周方向に等ピッチで29個形成され、ローラ9を保持するポケット10aは、環状の保持器部10bを円周方向に等ピッチで30分割したときの分割点に対して1つおきに間引いた15箇所の位置に設けられており、分割点の数がカム山8aよりも1つだけ多くなっている。また、カム山8aの1ピッチ分の形状は、出力軸4を回転させたときに、ポケット10aに保持されたローラ9が偏心軸部4aに外嵌された玉軸受6の外輪6aの外径面に沿って公転する軌跡の外径側包絡線と合致している。
図3に示すように、前記中間軸10の保持器部10bは、軸方向に張り出して先端側が開口するくし形の形状とされ、この先端側が開口するくし形の間に形成される空間がローラ9を保持するポケット10aとされている。くし形の間に形成されたポケット10aの軸方向先端側の開口部両側には面取り14が設けられ、ポケット10aのくし形の基部コーナにはR形状の隅肉15が設けられている。また、図1に示したように、ポケット10aの開口部はハウジング7の鍔部7bの内側面と対向しており、ポケット10aに保持されたローラ9が軸方向に抜け止めされている。
以下に、前記減速機構5の減速メカニズムを説明する。図2に矢印で示したように、出力軸4が時計回りに回転し、偏心した外輪6aの外径面とカム山8aが形成された内歯車8との環状空間の極小部Aが時計回りに0°の位置、極大部Bが180°の位置にあるとすると、出力軸4の回転に伴って、極小部Aと極大部Bは時計回りに移動し、環状空間の右半分は狭くなる傾向、環状空間の左半分は広くなる傾向となる。このため、環状空間の右半分に存在するローラ9は内歯車8のカム山8aを下る外径方向へ、環状空間の左半分に存在するローラ9はカム山8aを上る内径方向へ移動し、図中に矢印で示すように、ローラ9を保持する中間軸10の保持器部10bは、出力軸4と同じ時計回りに回転する。
この実施形態では、保持器部10bの分割点の数Nがカム山8aの数よりも1つだけ多いので、出力軸4が1回転すると各ローラ9はカム山8aの1ピッチ分だけ時計回りに公転し、出力軸4と中間軸10の減速比は、分割点の数Nと等しくなる。なお、分割点の数Nがカム山8aの数よりも1つだけ少ない場合は、各ローラ9は反時計回りに公転し、中間軸10は出力軸4と逆方向に回転する。
図4は、第2の実施形態を示す。この可変バルブタイミング装置は、基本的な構成は第1の実施形態のものと同じであり、前記中間軸10の保持器部10bが樹脂材料でインサート成形されている点が異なる。その他の部分は、第1の実施形態のものと同じであり、くし形の形状とされた保持器部10bのポケット10aの開口部はハウジング7の鍔部7bの内側面と対向している。
図5は、第3の実施形態を示す。この可変バルブタイミング装置も、基本的な構成は第1の実施形態のものと同じであり、前記保持器部10bを有する中間軸10が、鋼板のプレス加工で形成されている点が異なる。その他の部分は、第1の実施形態のものと同じであり、くし形の形状とされた保持器部10bのポケット10aの開口部はハウジング7の鍔部7bの内側面と対向している。
1 カムシャフト
2 スプロケット
3 電動モータ
4 出力軸
4a 偏心軸部
4b 貫通孔
5 減速機構
6 玉軸受
6a 外輪
7 ハウジング
7a 円筒部
7b 鍔部
8 内歯車
8a カム山
9 ローラ
10 中間軸
10a ポケット
10b 保持器部
11 スプライン
12、13 玉軸受
14 面取り
15 隅肉
2 スプロケット
3 電動モータ
4 出力軸
4a 偏心軸部
4b 貫通孔
5 減速機構
6 玉軸受
6a 外輪
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7a 円筒部
7b 鍔部
8 内歯車
8a カム山
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10 中間軸
10a ポケット
10b 保持器部
11 スプライン
12、13 玉軸受
14 面取り
15 隅肉
Claims (6)
- エンジンの吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方のバルブを駆動するカムシャフトと、エンジンから回転を伝達され、前記カムシャフトを回転駆動するスプロケットとを、相対回転可能に同軸上に配置して、前記カムシャフトと同軸上に配置した電動モータの出力軸の回転を減速機構を介して前記カムシャフトに伝達し、前記カムシャフトの前記スプロケットに対する回転位相差を変化させて、前記バルブの開閉タイミングを変更するようにし、前記減速機構を、前記電動モータの出力軸に円形断面の偏心軸部を設け、前記スプロケットと一体化したハウジングの円筒部の内径面に、複数のカム山を円周方向に等ピッチで形成した内歯車を前記偏心軸部と対向させて設け、これらの対向する偏心軸部の外径面と内歯車とに転接する複数のローラを保持するポケットを設けた環状の保持器部を有する中間軸を前記カムシャフトと同軸上に配置して、前記環状の保持器部を円周方向に等ピッチで分割したときの分割点の数が、前記カム山の数と1つだけ異なる分割点の全ての位置または一部の間引いた位置に、前記ローラを保持するポケットを設けて、前記カム山の1ピッチ分の形状を、前記電動モータの出力軸を回転させたときに、前記ポケットに保持されたローラが前記偏心軸部の外径面に沿って公転する軌跡の外径側包絡線と合致させて、これらのローラの公転を前記中間軸を介して前記カムシャフトに伝達するものとした可変バルブタイミング装置において、前記環状の保持器部を、軸方向に張り出して先端側が開口するくし形の形状とし、この先端側が開口するくし形の間に形成される空間を、前記ローラを保持するポケットとしたことを特徴とする可変バルブタイミング装置。
- 前記くし形の間に形成されたポケットの軸方向先端側の開口部両側に面取りを設けた請求項1に記載の可変バルブタイミング装置。
- 前記くし形の間に形成されたポケットのくし形の基部コーナに隅肉を設けた請求項1または2に記載の可変バルブタイミング装置。
- 前記中間軸の保持器部を樹脂材料で形成した請求項1乃至3のいずれかに記載の可変バルブタイミング装置。
- 前記保持器部を有する中間軸を金属板のプレス加工で形成した請求項1乃至3のいずれかに記載の可変バルブタイミング装置。
- 前記ハウジングの円筒部の片側に、前記ポケットの開口部と軸方向で対向する内向きの鍔部を設け、この鍔部で前記ポケットに保持されたローラを軸方向に抜け止めした請求項1乃至5のいずれかに記載の可変バルブタイミング装置。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2008263413A JP2010090850A (ja) | 2008-10-10 | 2008-10-10 | 可変バルブタイミング装置 |
| PCT/JP2009/064175 WO2010018821A1 (ja) | 2008-08-12 | 2009-08-11 | 可変バルブタイミング装置 |
| DE112009001968T DE112009001968T5 (de) | 2008-08-12 | 2009-08-11 | Variable Ventilsteuerungseinrichtung |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2008263413A JP2010090850A (ja) | 2008-10-10 | 2008-10-10 | 可変バルブタイミング装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2010090850A true JP2010090850A (ja) | 2010-04-22 |
Family
ID=42253809
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2008263413A Pending JP2010090850A (ja) | 2008-08-12 | 2008-10-10 | 可変バルブタイミング装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2010090850A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012251537A (ja) * | 2011-06-07 | 2012-12-20 | Hitachi Automotive Systems Ltd | 内燃機関のバルブタイミング制御装置 |
-
2008
- 2008-10-10 JP JP2008263413A patent/JP2010090850A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012251537A (ja) * | 2011-06-07 | 2012-12-20 | Hitachi Automotive Systems Ltd | 内燃機関のバルブタイミング制御装置 |
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