本発明の実施の形態を以下に図面を参照して説明する。尚、本発明の各実施形態に係る固体撮像装置は、例えばCMOSイメージセンサとして用いられる。
[1]第1の実施形態
第1の実施形態は、2本の垂直信号線にそれぞれつながるインバータINV1、INV2の入出力端を短絡又は開放する平均化スイッチSB、SCを設ける例である。尚、以下の各実施形態において、平均化スイッチで短絡又は開放するカラム数は2本の場合を説明するが、これに限定されず、3本以上でも可能である。
[1−1]構成
図1は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の回路図を示す。以下に、第1の実施形態に係る固体撮像装置の回路構成について説明する。
図1に示すように、固体撮像装置は、画素群10、行選択回路20、サンプルホールド信号変換回路群30、駆動回路40、ランプ波発生回路50を具備している。ここで、サンプルホールド信号変換回路群30、駆動回路40及びランプ波発生回路50は、AD(Analog to Digital)変換器ADC(アナログ信号処理回路)を構成している。
画素群10は、複数の画素P(例えばP1、P2)を有している。複数の画素Pは、縦方向にm行、横方向にn列だけ2次元的に配置されている。この場合のm、nは自然数である。各画素Pは、光の強さに比例した電圧を垂直信号線NSIG(例えばNSIG1、NSIG2)に出力する。縦方向に並ぶ画素Pは垂直信号線NSIGを共有しているため、垂直信号線NSIGはn本存在する。行選択回路20により、1つの垂直信号線NSIGに接続される縦方向m個の画素Pの中から任意の画素Pが選択される。選択された画素P内の電気信号は、垂直信号線NSIGに出力され、さらに、サンプルホールド信号変換回路群30内の各サンプルホールド信号変換回路に入力される。
サンプルホールド信号変換回路群30は、垂直信号線NSIGと同じくn組のサンプルホールド信号変換回路を有している。1組のサンプルホールド信号変換回路は、スイッチ、コンデンサ、インバータ、T/D(Time to Digital)変換器により構成されている。ここで、T/D変換器は、ある時刻以降のカウンタ値を保持及び出力する。スイッチは、例えば、NMOSトランジスタ、PMOSトランジスタ等、どのようなスイッチング素子でもよい。
駆動回路40は、サンプルホールド信号変換回路群30内の各スイッチの共通制御線NS1、NS2、NS3、NSB、NSCの電圧を制御する。共通制御線NS1、NS2、NS3、NSB、NSCは、サンプルホールド信号変換回路群30内の全てのサンプルホールド信号変換回路で共通である。駆動回路40は、通常処理と平均化処理のどちらを行うかを判断する判断回路を有している。
ランプ波発生回路50は、ランプ波信号線NREFを介して、AD変換のための基準電圧を出力する。ランプ波信号線NREFは、サンプルホールド信号変換回路群30内の全てのサンプルホールド信号変換回路で共通である。
このような本実施形態における固体撮像装置について、画素P1、P2に着目して以下に詳説する。
画素P1、P2は、垂直信号線NSIG1、NSIG2にそれぞれ接続されている。垂直信号線NSIG1、NSIG2は、サンプルホールド信号変換回路群30内のサンプルホールド信号変換回路にそれぞれ接続されている。
垂直信号線NSIG1に対応したサンプルホールド信号変換回路は、スイッチS11、S21、S31、コンデンサCAP11、CAP21、インバータINV1、T/D変換器TDC1を有している。
スイッチS11は、共通制御線NS1によって制御され、垂直信号線NSIG1とノードNA1とを開放又は短絡する。スイッチS21は、共通制御線NS2によって制御され、ランプ波信号線NREFとノードNV1とを開放又は短絡する。スイッチS31は、共通制御線NS3によって制御され、ノードNB1とノードNC1とを開放又は短絡する。コンデンサCAP11において、一方の電極はノードNA1に接続され、他方の電極はノードNV1に接続されている。コンデンサCAP21において、一方の電極はノードNA1に接続され、他方の電極はノードNB1に接続されている。インバータINV1において、反転入力電極はノードNB1に接続され、出力電極はノードNC1に接続されている。ここで、インバータINV1とスイッチS31により、負帰還スイッチを有する反転増幅器が構成されている。T/D変換器TDC1は、入力端子がノードNC1に接続され、一定時刻以後のノードNC1の電圧がハイレベルからロウレベルに切り替わるタイミングのカウンタ値を保持及び出力する。
垂直信号線NSIG2に対応したサンプルホールド信号変換回路は、スイッチS12、S22、S32、コンデンサCAP12、CAP22、インバータINV2、T/D変換器TDC2を有している。
スイッチS12は、共通制御線NS1によって制御され、垂直信号線NSIG2とノードNA2とを開放又は短絡する。スイッチS22は、共通制御線NS2によって制御され、ランプ波信号線NREFとノードNV2とを開放又は短絡する。スイッチS32は、共通制御線NS3によって制御され、ノードNB2とノードNC2とを開放又は短絡する。コンデンサCAP12において、一方の電極はノードNA2に接続され、他方の電極はノードNV2に接続されている。コンデンサCAP22において、一方の電極はノードNA2に接続され、他方の電極はノードNB2に接続されている。インバータINV2において、反転入力電極はノードNB2に接続され、出力電極はノードNC2に接続されている。ここで、インバータINV2とスイッチS32により、負帰還スイッチを有する反転増幅器が構成されている。T/D変換器TDC2は、入力端子がノードNC2に接続され、一定時刻以後のノードNC2の電圧がハイレベルからロウレベルに切り替わるタイミングのカウンタ値を保持及び出力する。
上記構成の垂直信号線NSIG1、NSIG2に対応した2組のサンプルホールド信号変換回路は、平均化スイッチSB、SCを共通して有している。平均化スイッチSBは、共通制御線NSBによって制御され、ノードNB1とノードNB2とを開放又は短絡する。平均化スイッチSCは、共通制御線NSCによって制御され、ノードNC1とノードNC2とを開放又は短絡する。平均化スイッチSB、SCを短絡することで、垂直信号線NSIG1、NSIG2に出力された画素P1、P2による信号の平均化を図ることができる。
[1−2]通常動作
図1及び図2を用いて、本実施形態の係る固定撮像装置の通常動作について説明する。尚、ここでは、行選択回路20が画素P1、P2の行を選択している場合を例に挙げる。
通常動作時、すなわち、垂直信号線NSIG1、NSIG2の平均化を行わない場合、平均化スイッチSB、SCは開放される。この動作シーケンスでは、画素P1、P2の信号出力は個別にデジタルデータに変換される。その過程を、図2のタイミングチャートに従って説明する。
時刻T1において、画素P1、P2は、基準電圧レベルVrst1、Vrst2を垂直信号線NSIG1、NSIG2にそれぞれ出力している。このとき、共通制御線NS1、NS3により、スイッチS11、S12、S31、S32が短絡される。
ここで、スイッチS11、S12が短絡されることで、ノードNA1、NA2の電圧は垂直信号線NSIG1、NSIG2の電圧Vrst1、Vrst2とそれぞれ等しくなる。スイッチS31が短絡されることで、インバータINV1は負帰還がかかり、ノードNB1、NC1の電圧はインバータINV1の回路閾値Vt1に等しくなる。スイッチS32が短絡されることで、インバータINV2は負帰還がかかり、ノードNB2、NC2の電圧はインバータINV2の回路閾値Vt2に等しくなる。
このため、コンデンサCAP21の容量をCp21とすると、コンデンサCAP21には、ノードNA1〜NB1間に、Cp21×(Vrst1−Vt1)の電荷が充電される。また、コンデンサCAP22の容量をCp22とすると、コンデンサCAP22には、ノードNA2〜NB2間に、Cp22×(Vrst2−Vt2)の電荷が充電される。
時刻T2において、スイッチS31、S32を開放する。
時刻T3において、垂直信号線NSIG1、NSIG2の電圧は、それぞれ画素P1、2の信号出力電圧Vrd1、Vrd2になるように変化し始める。ここで、画素P1、P2の出力電位差(Vrst1−Vrd1)、(Vrst2−Vrd2)は、入力光量に比例する。簡単のため、電圧Vrst1、Vrst2の方が電圧Vrd1、Vrd2よりそれぞれ高く、(Vrst1−Vrd1)<(Vrst2−Vrd2)として説明する。
時刻T4において、共通制御線NS2によって制御されるスイッチS21、S22を短絡すると、時刻T5の時点では、ノードNV1、NV2の電圧はノードNVREFと同じくVclmpとなり、垂直信号線NSIG1、NSIG2の電圧はVrd1、Vrd2となる。
このため、コンデンサCAP11の容量をCp11とすると、コンデンサCAP11には、ノードNV1〜NA1間に、Cp11×(Vclmp−Vrd1)の電荷が充電される。また、コンデンサCAP12の容量をCp12とすると、コンデンサCAP12には、ノードNV2〜NA2間に、Cp12×(Vclmp−Vrd2)の電荷が充電される。
時刻T2〜T5において、ノードNA1の電圧はVrst1からVrd1に変化するため、その差分は(Vrd1−Vrst1)である。時刻T2以降では、スイッチS31、S32、SBが開放されているため、電荷保存則により、ノードNA1、NA2の電圧が変動した場合もコンデンサCAP21、CAP22に充電された電荷量は変わらない。このため、時刻T2〜T5では、ノードNB1の電圧変化分はノードNA1の電圧変化分と等しく、(Vrd1−Vrst1)である。このため、ノードNB1の電圧Vnb1は、以下の式(1)のように表される。ノードNC1は、インバータINV1の出力のため、ノードNB1の電圧がVt1より低ければ、ノードNC1の電圧はハイレベルとなる。
同様に、時刻T2〜T5では、ノードNB2の電圧変化分はノードNA2の電圧変化分と等しく、(Vrd2−Vrst2)である。このため、ノードNB2の電圧Vnb2は、以下の式(2)のように表される。ノードNC2は、インバータINV2の出力のため、ノードNB2の電圧がVt2より低ければ、ノードNC1の電圧はハイレベルとなる。
時刻T6において、スイッチS11、S12を開放すると、電荷保存則により、ランプ波信号線NREF、ノードNA1、NB1、NA2、NB2の電圧変動分は等しくなる。
時刻T7において、ランプ波信号線NREFの電圧を一度下げる。その後、時刻T8から、ランプ波信号線NREFの電圧を時間に対して一定の割合で上昇させると、時刻T9には、電圧Vclmpとなる。
さらに、ランプ波信号線NREFの電圧が増加して、Vclmp+(Vrst1−Vrd1)となると、ノードNA1は、Vrd1+(Vrst1−Vrd1)=Vrst1となり、ノードNB1は、Vt1−(Vrst1−Vrd1)+(Vrst1−Vrd1)=Vt1となり、インバータINV1の出力のノードNC1における信号は反転する。この瞬間を時刻T10とする。ここで、T/D変換器1は、時刻T9〜T10までのクロック数をカウントして、デジタルデータD1とする。
また、ランプ波信号線NREFの電圧が増加して、Vclmp+(Vrst2−Vrd2)となると、ノードNA2は、Vrd2+(Vrst2−Vrd2)=Vrst2となり、ノードNB2は、Vt2−(Vrst2−Vrd2)+(Vrst2−Vrd2)=Vt2となり、インバータINV2の出力のノードNC2における信号は反転する。この瞬間を時刻T11とする。ここで、T/D変換器TDC2は、時刻T9〜T11までのクロック数をカウントして、デジタルデータD2とする。
以上のような本実施形態の通常動作では、ランプ波信号線NREFの電圧の増加量は一定である。このため、時刻T9〜T10のカウント数と電圧差(Vrst1−Vrd1)との関係、時刻T9〜T11のカウント数と電圧差(Vrst2−Vrd2)との関係は、比例関係にある。従って、アナログ電圧差(Vrst1−Vrd1)、(Vrst2−Vrd2)は、一定の比に従って、デジタルデータD1、D2に変換されたことになる。このようにして、画素P1、P2から異なる信号出力がなされた場合、平均化スイッチSB、SCが開放されていれば、T/D変換器TDC1、TDC2は、画素P1、P2の出力電位差をデジタルデータD1、D2としてそれぞれ出力する。
尚、ここでは、画素P1、P2について説明したが、同じ行の他の画素出力電位差も同様にデジタルデータとなる。また、他の行の画素も同様に駆動することで、出力電位差がデジタルデータとなる。また、Vrst1>Vrd1、Vrst2>Vrd2を前提として説明したが、Vrst1<Vrd1、Vrst2<Vrd2の場合は、ランプ波信号線NREFの電圧の駆動電圧を反転すれば、同様の結果が得られる。また、(Vrst1−Vrd1)>(Vrst2−Vrd2)であれば、時刻T10は時刻T11より遅くなり、D1<D2となる。
[1−3]平均化動作
図1及び図3を用いて、本実施形態の係る固定撮像装置の平均化動作について説明する。尚、ここでは、行選択回路20が画素P1、P2の行を選択している場合を例に挙げる。
平均化動作時、すなわち、垂直信号線NSIG1、NSIG2の平均化を行う場合、平均化スイッチSB、SCは短絡される。この動作シーケンスでは、画素P1、P2の信号出力は平均化されてデジタルデータに変換される。その過程を、図3のタイミングチャートに従って説明する。
まず、平均化スイッチSB、SCが短絡されると、インバータINV1、INV2の入出力端が短絡され、インバータINV1、INV2が共通の閾値Vt3を持つようになる。
時刻T1では、ノードNA1、NA2の電圧は画素P1、P2の出力電圧Vrst1、Vrst2となり、ノードNB1とノードNB2の電圧はVt3と等しくなる。コンデンサCAP21、CAP22には、Q1=Cp21×(Vrst1−Vt3)、Q2=Cp22×(Vrst2−Vt3)が充電され、時刻T2にて保持される。この時刻T2において、スイッチS31、S32を開放する。
時刻T3において、垂直信号線NSIG1、NSIG2の電圧は、それぞれ画素P1、2の信号出力電圧Vrd1、Vrd2になるように変化し始める。
時刻T4において、共通制御線NS2によって制御されるスイッチS21、S22を短絡する。
時刻T5では、コンデンサCAP11、CAP12に、Cp11×(Vclmp−Vrd1)、Cp12×(Vcmlp−Vrd2)がそれぞれ保持される。ここで、平均化スイッチSBは短絡されているため、ノードNA1、NA2の電圧がそれぞれVrst1、Vrst2からVrd1、Vrd2と変化した場合、変化後のノードNB1、NB2の電圧をVnb3とすると、Q1+Q2=Cp21×(Vrd1−Vnb3)+Cp22×(Vrd2−Vnb3)が成り立つ。よって、電圧Vnb3は、以下の式(3)のように表される。
この際、ノードNC1、NC2は短絡されているため電圧は等しく、ノードNB1の電圧がVt3より低ければ、ノードNC1の電圧はハイレベルとなる。但し、インバータINV1、INV2の供給電源電圧の範囲は超えない。
時刻T6において、スイッチS11、S12を開放すると、電荷保存則により、ランプ波信号線NREF、ノードNA1、NB1、NA2、NB2の電圧変動分は等しくなる。
時刻T7において、ランプ波信号線NREFの電圧を一度下げる。その後、時刻T8から、ランプ波信号線NREFの電圧を時間に対して一定の割合で上昇させると、時刻T9には、電圧Vclmpとなる。
さらに、ランプ波信号線NREFの電圧が増加すると、時刻T10にて、ランプ波信号線NREF、ノードNA1、NA2、NB1、NB2の電圧は、以下の式(4)乃至(7)のようになる。
ここで、ノードNB1、NB2電圧は、インバータINV1、INV2の合成閾値Vt3と等しい。このため、この瞬間にインバータINV1、INV2の出力のノードNC1、NC2における信号は反転する。T/D変換器TDC1、TDC2は、時刻T9〜T10までのクロック数をカウントして、デジタルデータD1、D2とする。
以上のような本実施形態の平均化動作では、ランプ波信号線ランプ波信号線NREFの電圧の増加量は一定である。このため、カウント数と以下の(8)との関係は比例関係にある。従って、アナログ電圧差(Vrst1−Vrd1)、(Vrst2−Vrd2)は、一定の比に従って、デジタルデータD1、D2に変換されたことになる。
このようにして、画素P1、P2から異なる信号出力がなされた場合、平均化スイッチSB、SCが短絡されていれば、T/D変換器TDC1、TDC2は、画素P1、P2の出力電位差を平均化して、デジタルデータD1、D2として出力する。また、この比は、コンデンサCAP21、CAP22の容量Cp21、Cp22に依存しており、容量Cp21と容量Cp22とが等しければ、相加平均となる。
尚、ここでは、画素P1、P2について説明したが、同じ行の他の画素出力電位差も同様にデジタルデータとなる。また、他の行の画素も同様に駆動することで、出力電位差がデジタルデータとなる。また、Vrst1>Vrd1、Vrst2>Vrd2を前提として説明したが、Vrst1<Vrd1、Vrst2<Vrd2の場合は、ランプ波信号線NREFの電圧の駆動電圧を反転すれば、同様の結果が得られる。また、デジタルデータD1、D2は共に画素P1、P2の出力電圧差の平均をデジタル値にしたものであるため、一方のデータは不要である。このため、出力が必要なデータは、平均化スイッチSB、SCが開放されていたときと比較して半分となる。
[1−4]効果
上記本実施形態の固体撮像装置によれば、インバータINV1、INV2の入出力端を短絡又は開放する平均化スイッチSB、SCを有している。従って、平均化スイッチSB、SCを短絡することで、複数の画素の信号出力は、内蔵容量Cp21、Cp22の比に従った平均値として出力することができる。この際、容量Cp21、Cp22を等しくすることで、高精度な相加平均値を得ることができる。
また、本実施形態の固体撮像装置は、平均化スイッチSB、SCを解放すれば通常動作となり、平均化スイッチSB、SCを短絡すれば平均化動作となる。つまり、駆動回路40により、通常動作と平均化動作を用途に応じて選択することができる。このため、例えば動画処理等のように高速性が求められる場合は、平均化動作を行うために、平均化スイッチSB、SCを短絡すればよい。一方、例えば静止画処理等のように高解像度が求められる場合は、通常動作を行うために、平均化スイッチSB、SCを開放すればよい。
[2]第2の実施形態
第2の実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、AD変換器を2つ設け、用途に応じて画素の出力信号を2つのAD変換器に振り分ける例である。尚、ここでは、第1の実施形態と異なる点について説明する。
[2−1]構成
図4は、本発明の第2の実施形態に係る固体撮像装置の回路図を示す。以下に、第2の実施形態に係る固体撮像装置の回路構成について説明する。
図4に示すように、第2の実施形態において、第1の実施形態と異なる点は、画素群10の中から選択された画素Pの信号をAD変換器ADC1、ADC2のいずれか一方に出力する点である。このため、第2の実施形態の固体撮像装置は、2つのAD変換器ADC1、ADC2、切り替えスイッチS41、S42、S51、S52を具備している。
本図において、AD変換器ADC1とスイッチS41、S42のペアは、画素群10の下部に配置され、AD変換器ADC2とスイッチS51、S52のペアは、画素群10の上部に配置される。
AD変換器ADC1は、入力端子ND1、ND2の数が垂直信号線NSIG1a、NSIG1b、NSIG2a、NSIG2bの半数になっている。同様に、AD変換器ADC2は、入力端子NE1、NE2の数が垂直信号線NSIG1a、NSIG1b、NSIG2a、NSIG2bの半数になっている。
スイッチS41は、画素群10内の垂直信号線NSIG1a、NSIG1bの一方をAD変換器ADC1の入力端子ND1に接続させる。スイッチS42は、画素群10内の垂直信号線NSIG2a、NSIG2bの一方をAD変換器ADC1の入力端子ND2に接続させる。スイッチS51は、画素群10内の垂直信号線NSIG1a、NSIG1bの一方をAD変換器ADC2の入力端子NE1に接続させる。スイッチS52は、画素群10内の垂直信号線NSIG2a、NSIG2bの一方をAD変換器ADC2の入力端子NE2に接続させる。スイッチS41、S42の制御は、AD変換器ADC1内の駆動回路40によって行われ、スイッチS51、S52の制御は、AD変換器ADC2内の駆動回路40によって行われる。
[2−2]動作
図4を用いて、本実施形態の係る固定撮像装置の動作について説明する。尚、ここでは、行選択回路20が画素P1、P2、P3、P4の行を選択している場合を例に挙げ、垂直信号線NSIG1a、NSIG2aは奇数列であり、垂直信号線NSIG1b、NSIG2bは偶数列であるとする。
例えば、スイッチS41、S42によりAD変換器ADC1の入力端子ND1、ND2を偶数列の垂直信号線NSIG1b、NSIG2bに接続させ、スイッチS51、S52によりAD変換器ADC2の入力端子NE1、NE2を奇数列の垂直信号線NSIG1a、NSIG2aに接続させる。この場合、AD変換器ADC1は、偶数列の垂直信号線NSIG1b、NSIG2bに接続される画素P2、P4の出力信号を処理し、AD変換器ADC2は、奇数列の垂直信号線NSIG1a、NSIG2aに接続される画素P1、P3の出力信号を処理する。
一方、スイッチS41、S42によりAD変換器ADC1の入力端子ND1、ND2を奇数列の垂直信号線NSIG1a、NSIG2aに接続させ、スイッチS51、S52によりAD変換器ADC2の入力端子NE1、NE2を偶数列の垂直信号線NSIG1b、NSIG2bに接続させる。この場合、AD変換器ADC1は、奇数列の垂直信号線NSIG1a、NSIG2aに接続される画素P1、P3の出力信号を処理し、AD変換器ADC2は、偶数列の垂直信号線NSIG1b、NSIG2bに接続される画素P2、P4の出力信号を処理する。
尚、本実施形態においても、第1の実施形態と同様、スイッチSB、SCを開放又は短絡させることで、通常動作又は平均化動作を行うことが可能である。
[2−3]効果
上記第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができるだけでなく、次のような効果も得ることができる。
第1の実施形態において、奇数列の信号同士又は偶数列の信号同士を平均化したい場合、奇数列のサンプルホールド信号変換回路同士を接続ための配線及びスイッチが偶数列のサンプルホールド信号変換回路を跨ぐことになる。この場合、奇数列のサンプルホールド信号変換回路の内部配線と偶数列のサンプルホールド信号変換回路とが容量結合してしまい、正常な平均化を行えなくなる可能性がある。これに対し、第2の実施形態では、一つのAD変換器には奇数列か偶数列のどちらかの信号しか入力されないため、このような容量結合は発生しないという効果が得られる。
尚、本実施形態では、信号線が奇数列か偶数列かで2つのAD変換器ADC1、ADC2に出力信号の振り分けを行ったが、RGBによる振り分けを行うことも可能である。
[3]第3の実施形態
第3の実施形態は、増幅器として機能するアナログ信号処理回路の例である。尚、ここでは、第1の実施形態と異なる点について説明する。
[3−1]構成
図5は、本発明の第3の実施形態に係る固体撮像装置の回路図を示す。以下に、第3の実施形態に係る固体撮像装置の回路構成について説明する。
図5に示すように、第3の実施形態において、第1の実施形態と異なる点は、サンプルホールド信号変換回路群30A及び駆動回路40が、AD変換器としてではなく、単なる信号増幅回路AMPとして機能している点である。
具体的には、垂直信号線NSIG1に対応したサンプルホールド信号変換回路は、スイッチS61、コンデンサCAP31、CAP41、インバータINV11を有している。
スイッチS61は、共通制御線NS1によって制御され、ノードNB1とノードNC1とを開放又は短絡する。コンデンサCAP31において、一方の電極は垂直信号線NSIG1に接続され、他方の電極はノードNB1に接続されている。コンデンサCAP41において、一方の電極はノードNB1に接続され、他方の電極はノードNC1に接続されている。インバータINV11において、反転入力電極はノードNB1に接続され、出力電極はノードNC1に接続されている。ここで、インバータINV11とスイッチS61により、負帰還スイッチを有する反転増幅器が構成されている。
垂直信号線NSIG2に対応したサンプルホールド信号変換回路は、スイッチS62、コンデンサCAP32、CAP42、インバータINV12を有している。
スイッチS62は、共通制御線NS1によって制御され、ノードNB2とノードNC2とを開放又は短絡する。コンデンサCAP32において、一方の電極は垂直信号線NSIG2に接続され、他方の電極はノードNB2に接続されている。コンデンサCAP42において、一方の電極はノードNB2に接続され、他方の電極はノードNC2に接続されている。インバータINV12において、反転入力電極はノードNB2に接続され、出力電極はノードNC2に接続されている。ここで、インバータINV12とスイッチS62により、負帰還スイッチを有する反転増幅器が構成されている。
上記構成の垂直信号線NSIG1、NSIG2に対応した2組のサンプルホールド信号変換回路は、平均化スイッチSB、SCを共通して有している。平均化スイッチSBは、共通制御線NSBによって制御され、ノードNB1とノードNB2とを開放又は短絡する。平均化スイッチSCは、共通制御線NSCによって制御され、ノードNC1とノードNC2とを開放又は短絡する。平均化スイッチSB、SCを短絡することで、垂直信号線NSIG1、NSIG2に出力された画素P1、P2による信号の平均化を図ることができる。
尚、本実施形態において、ノードNC1、NC2に、AD変換器(図示せず)が接続されてもよい。この場合、AD変換器の構成としては、他の実施形態で示すAD変換器でもよいし、従来の一般的なAD変換器でもよい。前者の場合、後者に比べて、信号の平均誤差をより少なくできるというメリットがある。
[3−2]通常動作時
図5及び図6を用いて、本実施形態の係る固定撮像装置の通常動作について説明する。尚、ここでは、行選択回路20が画素P1、P2の行を選択している場合を例に挙げる。
通常動作時、すなわち、垂直信号線NSIG1、NSIG2の平均化を行わない場合、平均化スイッチSB、SCは開放される。この動作シーケンスでは、画素P1、P2の信号出力は個別に増幅される。その過程を、図6のタイミングチャートに従って説明する。
時刻T1において、画素P1、P2は、基準電圧レベルVrst1、Vrst2を垂直信号線NSIG1、NSIG2にそれぞれ出力している。このとき、共通制御線NS1により、スイッチS61、S62が短絡される。
ここで、スイッチS61が短絡されることで、インバータINV11は負帰還がかかり、ノードNB1、NC1の電圧はインバータINV11の回路閾値Vt1に等しくなる。スイッチS62が短絡されることで、インバータINV12は負帰還がかかり、ノードNB2、NC2の電圧はインバータINV12の回路閾値Vt2に等しくなる。
このため、コンデンサCAP31の容量をCp31とすると、コンデンサCAP31には、垂直信号線NSIG1〜ノードNB1間に、Cp31×(Vrst1−Vt1)の電荷が充電される。また、コンデンサCAP32の容量をCp32とすると、コンデンサCAP32には、垂直信号線NSIG2〜ノードNB2間に、Cp32×(Vrst2−Vt2)の電荷が充電される。
時刻T2において、スイッチS61、S62を開放する。
時刻T3において、垂直信号線NSIG1、NSIG2の電圧は、それぞれ画素P1、2の信号出力電圧Vrd1、Vrd2になるように変化し始める。ここで、画素P1、P2の出力電位差(Vrst1−Vrd1)、(Vrst2−Vrd2)は、入力光量に比例する。簡単のため、電圧Vrst1、Vrst2の方が電圧Vrd1、Vrd2よりそれぞれ高いとして説明する。
時刻T4の時点で、垂直信号線NSIG1、NSIG2の電圧はそれぞれ画素P1、P2の信号出力電圧Vrd1、Vrd2になるが、インバータINV11、INV12は、負帰還容量CAP41、CAP42の効果により、ノードNB1、NB2の電圧はそれぞれVt1、Vt2に保たれるよう、ノードNC1、NC2の電圧は変化する。一方、時刻T2の時点で、スイッチS61、S62が開放されているため、ノードNB1、NC1の電荷保存則を考慮すると、時刻T4の時点の電圧は、以下の2式が成り立つ。
また、時刻T2の時点と時刻T4の時点でのノードNC1、NC2の電位差をそれぞれΔVnc1、ΔVnc2とすると、この電位差ΔVnc1、ΔVnc2は、以下の式(11)、(12)のように表せる。
以上のような本実施形態の通常動作では、ノードNC1、NC2の出力振幅はCp31/Cp32×(Vrst1−Vrd1)、Cp41/Cp42×(Vrst2−Vrd2)であり、画素P1、P2の出力信号振幅は(Vrst1−Vrd1)、(Vrst2−Vrd2)である。このため、ノードNC1、NC2の出力振幅は、画素P1、P2の出力信号振幅に対して、それぞれ容量比Cp31/Cp32倍、Cp41/Cp42倍となっている。
このように、第3の実施形態において、平均化スイッチSB、SCが開放されている場合は、容量Cp31、Cp32、Cp41、Cp42の比に従って、垂直信号線NSIG1、NSIG2の信号がそれぞれ増幅される。
尚、ここでは、画素P1、P2について説明したが、他の行の画素も同様に駆動することで、出力電位差が増幅される。また、Vrst1>Vrd1、Vrst2>Vrd2を前提として説明したが、Vrst1<Vrd1、Vrst2<Vrd2の場合はランプ波信号線NREFの電圧の駆動電圧を反転すれば、同様の結果が得られる。
[3−3]平均化動作
図5及び図7を用いて、本実施形態の係る固定撮像装置の平均化動作について説明する。尚、ここでは、行選択回路20が画素P1、P2の行を選択している場合を例に挙げる。
平均化動作時、すなわち、垂直信号線NSIG1、NSIG2の平均化を行う場合、平均化スイッチSB、SCは短絡される。この場合、容量Cp31、Cp32、Cp41、Cp42の比に従って、画素P1、P2の信号出力は平均及び増幅される。その過程を図8のタイミングチャートに従って説明する。
まず、平均化スイッチSB、SCが短絡されると、インバータINV11、INV12の入出力端が短絡され、インバータINV11、INV12が共通の閾値Vt3を持ち、両者は同等の動作を行う。
時刻T1では、画素P1、P2の基準電圧レベルVrst1、Vrst2をそれぞれ垂直信号線NSIG1、NSIG2に出力している。このとき、共通制御線NS1により、スイッチS61、S62が短絡される。ここで、スイッチS61、S62、SB、SCは短絡しているため、インバータINV11、INV12は負帰還がかかり、ノードNB1、NC1の電圧はインバータINV11、INV12の合成閾値Vt3に等しくなる。このため、コンデンサCAP31には、垂直信号線NSIG1〜ノードNB1間に、Cp31×(Vrst1−Vt3)の電荷が充電される。また、コンデンサCAP32には、垂直信号線NSIG2〜ノードNB2間に、Cp32×(Vrst2−Vt3)の電荷が充電される。
時刻T2において、スイッチS61、S62を開放する。
時刻T3において、垂直信号線NSIG1、NSIG2の電圧は、それぞれ画素P1、2の信号出力電圧Vrd1、Vrd2になるように変化し始める。ここで、画素P1、P2の出力電位差(Vrst1−Vrd1)、(Vrst2−Vrd2)は、入力光量に比例する。簡単のため、電圧Vrst1、Vrst2の方が電圧Vrd1、Vrd2よりそれぞれ高いとして説明する。
時刻T4の時点で、垂直信号線NSIG1、NSIG2の電圧はそれぞれ画素P1、2の信号出力電圧Vrd1、Vrd2になるが、インバータINV11、INV12は、負帰還容量CAP41、CAP42の効果により、ノードNB1、NB2の電圧はVt3に保たれるようにノードNC1、NC2の電圧が変化する。一方、時刻T2の時点で、スイッチS61、S62が開放されているため、ノードNB1、NC1の電荷保存則を考慮すると、時刻T4の時点の電圧は、以下の式が成り立つ。
また、時刻T2の時点と時刻T4の時点でのノードNC1、NC2の電位差をそれぞれΔVnc1、ΔVnc2とすると、この電位差ΔVnc1、ΔVnc2は、以下の式(14)のように表せる。
以上のような本実施形態の平均化動作により、画素P1、P2の出力信号振幅(Vrst1−Vrd1)、(Vrst2−Vrd2)を、出力振幅ではCp31、Cp32、Cp41、Cp42の定数比で平均及び増幅倍することができる。
[3−4]効果
上記第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
[4]第4の実施形態
第4の実施形態は、第3の実施形態の変形例であり、AD変換器を2つ設け、用途に応じて画素の出力信号を2つのAD変換器に振り分ける例である。尚、ここでは、第1及び第3の実施形態と異なる点について説明する。
[4−1]構成
図8は、本発明の第4の実施形態に係る固体撮像装置の回路図を示す。以下に、第4の実施形態に係る固体撮像装置の回路構成について説明する。
図8に示すように、第4の実施形態において、第3の実施形態と異なる点は、画素群10の中から選択された画素Pの信号を信号増幅回路AMP1、AMP2のいずれか一方に出力する点である。このため、第4の実施形態の固体撮像装置は、2つの信号増幅回路AMP1、AMP2、切り替えスイッチS41、S42、S51、S52を具備している。
本図において、信号増幅回路AMP1とスイッチS41、S42のペアは、画素群10の下部に配置され、信号増幅回路AMP2とスイッチS51、S52のペアは、画素群10の上部に配置される。
信号増幅回路AMP1は、入力端子ND1、ND2の本数が垂直信号線NSIG1a、NSIG1b、NSIG2a、NSIG2bの半数になっている。同様に、信号増幅回路AMP2は、入力端子NE1、NE2の本数が垂直信号線NSIG1a、NSIG1b、NSIG2a、NSIG2bの半数になっている。
スイッチS41は、画素群10内の垂直信号線NSIG1a、NSIG1bの一方を信号増幅回路AMP1の入力端子ND1に接続させる。スイッチS42は、画素群10内の垂直信号線NSIG2a、NSIG2bの一方を信号増幅回路AMP1の入力端子ND2に接続させる。スイッチS51は、画素群10内の垂直信号線NSIG1a、NSIG1bの一方を信号増幅回路AMP2の入力端子NE1に接続させる。スイッチS52は、画素群10内の垂直信号線NSIG2a、NSIG2bの一方を信号増幅回路AMP2の入力端子NE2に接続させる。スイッチS41、S42の制御は、信号増幅回路AMP1内の駆動回路40によって行われ、スイッチS51、S52の制御は、信号増幅回路AMP2内の駆動回路40によって行われる。
[4−2]動作
図8を用いて、本実施形態の係る固定撮像装置の動作について説明する。尚、ここでは、行選択回路20が画素P1、P2、P3、P4の行を選択している場合を例に挙げ、垂直信号線NSIG1a、NSIG2aは奇数列であり、垂直信号線NSIG1b、NSIG2bは偶数列であるとする。
例えば、スイッチS41、S42により信号増幅回路AMP1の入力端子ND1、ND2を偶数列の垂直信号線NSIG1b、NSIG2bに接続させ、スイッチS51、S52により信号増幅回路AMP2の入力端子NE1、NE2を奇数列の垂直信号線NSIG1a、NSIG2aに接続させる。この場合、信号増幅回路AMP1は、偶数列の垂直信号線NSIG1b、NSIG2bに接続される画素P2、P4の出力信号を処理し、信号増幅回路AMP2は、奇数列の垂直信号線NSIG1a、NSIG2aに接続される画素P1、P3の出力信号を処理する。
一方、スイッチS41、S42により信号増幅回路AMP1の入力端子ND1、ND2を奇数列の垂直信号線NSIG1a、NSIG2aに接続させ、スイッチS51、S52により信号増幅回路AMP2の入力端子NE1、NE2を偶数列の垂直信号線NSIG1b、NSIG2bに接続させる。この場合、信号増幅回路AMP1は、奇数列の垂直信号線NSIG1a、NSIG2aに接続される画素P1、P3の出力信号を処理し、信号増幅回路AMP2は、偶数列の垂直信号線NSIG1b、NSIG2bに接続される画素P2、P4の出力信号を処理する。
尚、本実施形態においても、第3の実施形態と同様、スイッチSB、SCを開放又は短絡させることで、通常動作又は平均化動作を行うことが可能である。
[4−3]効果
上記第4の実施形態によれば、第1及び第3の実施形態と同様の効果を得ることができるだけでなく、次のような効果も得ることができる。
第3の実施形態において、奇数列の信号同士又は偶数列の信号同士を平均化したい場合、奇数列のサンプルホールド信号変換回路同士を接続ための配線及びスイッチが偶数列のサンプルホールド信号変換回路を跨ぐことになる。この場合、奇数列のサンプルホールド信号変換回路の内部配線と偶数列のサンプルホールド信号変換回路とが容量結合してしまい、正常な平均化を行えなくなる可能性がある。これに対し、第4の実施形態では、一つの信号増幅回路には奇数列か偶数列のどちらかの信号しか入力されないため、このような容量結合は発生しないという効果が得られる。
尚、本実施形態では、信号線が奇数列か偶数列かで2つのAD変換器ADC1、ADC2に出力信号の振り分けを行ったが、RGBによる振り分けを行うことも可能である。
[5]第5の実施形態
第5の実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、インバータの基準電圧にランプ波信号を入力する例である。尚、ここでは、第1の実施形態と異なる点について説明する。
[5−1]構成
図9は、本発明の第5の実施形態に係る固体撮像装置の回路図を示す。以下に、第5の実施形態に係る固体撮像装置の回路構成について説明する。
図9に示すように、第5の実施形態において、第1の実施形態と異なる点は、ランプ波発生回路50が、A/D変換のための基準電圧を、ランプ波信号線NREFを介してインバータINV1、INV2に入力している点である。
具体的には、垂直信号線NSIG1に対応したサンプルホールド信号変換回路は、スイッチS11、コンデンサCAP11、インバータINV1を有している。
スイッチS11は、共通制御線NS1によって制御され、ノードNB1とノードNC1とを開放又は短絡する。コンデンサCAP11において、一方の電極は垂直信号線NSIG1に接続され、他方の電極はノードNB1に接続されている。インバータINV1において、正相入力電極(+)はランプ波信号線NREFに接続され、逆相入力電極(−)はノードNB1に接続され、出力電極はノードNC1に接続されている。ここで、インバータINV1とスイッチS11により、負帰還スイッチを有する反転増幅器が構成されている。
垂直信号線NSIG2に対応したサンプルホールド信号変換回路は、スイッチS12、コンデンサCAP12、インバータINV2を有している。
スイッチS12は、共通制御線NS1によって制御され、ノードNB2とノードNC2とを開放又は短絡する。コンデンサCAP12において、一方の電極は垂直信号線NSIG2に接続され、他方の電極はノードNB2に接続されている。インバータINV2において、正相入力電極(+)はランプ波信号線NREFに接続され、逆相入力電極(−)はノードNB2に接続され、出力電極はノードNC2に接続されている。ここで、インバータINV2とスイッチS12により、負帰還スイッチを有する反転増幅器が構成されている。
上記構成の垂直信号線NSIG1、NSIG2に対応した2組のサンプルホールド信号変換回路は、平均化スイッチSB、SCを共通して有している。平均化スイッチSBは、共通制御線NSBによって制御され、ノードNB1とノードNB2とを開放又は短絡する。平均化スイッチSCは、共通制御線NSCによって制御され、ノードNC1とノードNC2とを開放又は短絡する。平均化スイッチSB、SCを短絡することで、垂直信号線NSIG1、NSIG2に出力された画素P1、P2による信号の平均化を図ることができる。
[5−2]通常動作時
図9及び図10を用いて、本実施形態の係る固定撮像装置の通常動作について説明する。尚、ここでは、行選択回路20が画素P1、P2の行を選択している場合を例に挙げる。
通常動作時、すなわち、垂直信号線NSIG1、NSIG2の平均化を行わない場合、平均化スイッチSB、SCは開放される。この動作シーケンスでは、画素P1、P2の信号出力は個別にデジタルデータに変換される。その過程を、図10のタイミングチャートに従って説明する。
時刻T1において、画素P1、P2は、基準電圧レベルVrst1、Vrst2を垂直信号線NSIG1、NSIG2にそれぞれ出力している。このとき、共通制御線NS1により、スイッチS11、S12が短絡される。
ここで、スイッチS11が短絡されることで、インバータINV1は負帰還がかかり、ランプ波信号線NREFの電圧がVclmpのため、ノードNB1、NC1の電圧はVclmpに等しくなる。スイッチS12が短絡されることで、インバータINV2も負帰還がかかり、ランプ波信号線NREFの電圧がVclmpのため、ノードNB2、NC2の電圧はVclmpに等しくなる。
このため、コンデンサCAP11の容量をCp11とすると、コンデンサCAP11には、垂直信号線NSIG1〜ノードNB1間に、Cp11×(Vrst1−Vclmp)の電荷が充電される。また、コンデンサCAP12の容量をCp12とすると、コンデンサCAP12には、垂直信号線NSIG2〜ノードNB2間に、Cp12×(Vrst2−Vclmp)の電荷が充電される。そして、時刻T2では充電が完了する。
時刻T3において、スイッチS11、S12を開放する。
時刻T4において、ランプ波信号線NREFの電圧を垂直信号線NSIG1、NSIG2の電圧まで引き上げる。これにより、インバータINV1、INV2の逆相入力電圧が変わらないまま、正相入力電圧が上がるため、ノードNC1、NC2の電圧はそれぞれハイレベルになる。
時刻T5から、ランプ波信号線NREFの電圧を時間に対し一定の割合で減少させると、時刻T6にて、ランプ波信号線NREFの電圧はVclmpとなり、ノードNC1、NC2の電圧はハイレベルからロウレベルに変化する。尚、T/D変換器TDC1、TDC2は、ノードNC1、NC2における時刻T5と時刻T6の間の基準クロック数CKRST1、CKRST2をそれぞれ記録する。
時刻T7において、ランプ波信号線NREFの電圧が再び上昇すると、ノードNC1、NC2の電圧は再びハイレベルとなる。
時刻T8から、垂直信号線NSIG1、NSIG2の電圧は、画素P1、P2の信号出力電圧Vrd1、Vrd2になるように変化し始め、時刻T9以降には安定する。ここで、画素P1、P2の出力電位差(Vrst1−Vrd1)、(Vrst2−Vrd2)は、入力光量に比例する。簡単のため、電圧Vrst1、Vrst2の方が電圧Vrd1、Vrd2よりそれぞれ高いとして説明する。電荷保存則により、垂直信号線NSIG1、NSIG2の電圧変化とノードNB1、NB2の電圧変化は等しいため、ノードNB1、NB2は、それぞれVclmp−(Vrst1−Vrd1)、Vclmp−(Vrst2−Vrd2)となる。
時刻T9から、時刻T5〜時刻T7までと同じ比率で、ランプ波信号線NREFの電圧を時間に対し一定の割合で減少させると、時刻T10にて、ランプ波信号線NREFの電圧はVclmp−(Vrst1−Vrd1)となり、ノードNB1はVclmp−(Vrst1−Vrd1)のため、ノードNC1はハイレベルからロウレベルに変化する。このとき、T/D変換器TDC1は、ノードNC1の時刻T9と時刻T10の間の基準クロック数CKRD1を記録する。
時刻T11において、ランプ波信号線ランプ波信号線NREFの電圧はVclmp−(Vrst2−Vrd2)となり、ノードNB2はVclmp−(Vrst2−Vrd2)のため、ノードNC2はハイレベルからロウレベルに変化する。このとき、T/D変換器TDC2は、ノードNC2の時刻T9と時刻T11の間の基準クロック数CKRD2を記録する。
ここで、ランプ波信号線NREFの電圧は、時刻T5〜時刻T7、時刻T9〜時刻T11で、同じ割合で変化している。このため、(CKRD1−CKRST1)、(CKRD2−CKRST2)は、(Vrst1−Vrd1)、(Vrst2−Vrd2)にそれぞれ比例する。
以上のような本実施形態の通常動作では、画素P1、P2の出力電位差(Vrst1−Vrd1)、(Vrst2−Vrd2)に比例するクロック数(CKRD1−CKRST1)、(CKRD2−CKRST2)が得られ、画素P1、P2に信号出力のAD変換は独立に行われる。
尚、ここでは、画素P1、P2について説明したが、他の行の画素も同様に駆動することで、出力電位差がデジタルデータとなる。また、Vrst1>Vrd1、Vrst2>Vrd2を前提として説明したが、Vrst1<Vrd1、Vrst2<Vrd2の場合は、ランプ波信号線NREFの電圧の駆動電圧を反転すれば、同様の結果が得られる。
[5−3]平均化動作
図9及び図11を用いて、本実施形態の係る固定撮像装置の平均化動作について説明する。尚、ここでは、行選択回路20が画素P1、P2の行を選択している場合を例に挙げる。
平均化動作時、すなわち、垂直信号線NSIG1、NSIG2の平均化を行う場合、平均化スイッチSB、SCは短絡される。この場合、画素P1、P2の信号出力は容量Cap11、Cap12の比に従って平均化されてAD変換される。その過程を、図12のタイミングチャートに従って説明する。
まず、平均化スイッチSB、SCが短絡されると、インバータINV1、INV2の入出力端が短絡され、正相入力、負相入力の電圧に従う合成閾値を持つ一つの増幅器と同等の動作を行う。
時刻T1では、画素P1、P2の基準電圧レベルVrst1、Vrst2を垂直信号線NSIG1、NSIG2にそれぞれ出力している。このとき、共通制御線NS1により、スイッチS11、S12が短絡される。
ここで、スイッチS11、S12が短絡されることで、インバータINV1、INV2は負帰還がかかり、ランプ波信号線NREFの電圧がVclmpのため、ノードNB1、NB2、NC1、NC2の電圧はVclmpに等しくなる。
このため、コンデンサCAP11には、垂直信号線NSIG1〜ノードNB1間に、Cp11×(Vrst1−Vclmp)の電荷が充電される。また、コンデンサCAP12には、垂直信号線NSIG2〜ノードNB2間に、Cp12×(Vrst2−Vclmp)の電荷が充電される。そして、時刻T2では充電が完了する。
時刻T3において、スイッチS11、S12を開放する。
時刻T4において、ランプ波信号線NREFの電圧を垂直信号線NSIG1、NSIG2の電圧まで引き上げる。これにより、インバータINV1、INV2の逆相入力電圧が変わらないまま、正相入力電圧が上がるため、ノードNC1、NC2の電圧はハイレベルになる。
時刻T5から、ランプ波信号線NREFの電圧を時間に対し一定の割合で減少させると、時刻T6にて、ランプ波信号線NREFの電圧はVclmpとなり、ノードNC1、NC2の電圧はハイレベルからロウレベルに変化する。尚、T/D変換器TDC1、TDC2は、ノードNC1、NC2の時刻T5と時刻T6の間の基準クロック数CKRST1、CKRST2をそれぞれ記録する。
時刻T7において、ランプ波信号線NREFの電圧が再び上昇すると、ノードNC1、NC2の電圧は再びハイレベルとなる。
時刻T8から、垂直信号線NSIG1、NSIG2の電圧は、画素P1、P2の信号出力電圧Vrd1、Vrd2になるように変化し始め、時刻T9以降には安定する。ここで、画素P1、P2の出力電位差(Vrst1−Vrd1)、(Vrst2−Vrd2)は、入力光量に比例する。簡単のため、電圧Vrst1、Vrst2の方が電圧Vrd1、Vrd2よりそれぞれ高いとして説明する。電荷保存則により、垂直信号線NSIG1、NSIG2の電圧変化とノードNB1、NB2の電圧変化は等しいため、ノードNB1、NB2の電圧は、次式のようになる。
時刻T9から、時刻T5〜時刻T7までと同じ比率で、ランプ波信号線NREFの電圧を時間に対し一定の割合で減少させると、時刻T10にて、ランプ波信号線NREFの電圧Vnrefは、以下の式(16)のようになる。このため、ノードNC1、NC2は、ハイレベルからロウレベルに変化する。このとき、T/D変換器TDC1、TDC2は、ノードNC1の時刻T9と時刻T10の間の基準クロック数CKRD1、CKRD2それぞれ記録する。
ここで、ランプ波信号線NREFの電圧は、時刻T5〜時刻T7、時刻T9〜時刻T11で、同じ割合で変化している。このため、(CKRD1−CKRST1)、(CKRD2−CKRST2)は、以下の(17)に示す電圧に比例する。この電圧は、(Vrst1−Vrd1)、(Vrst2−Vrd2)とコンデンサCAP11、CAP12の容量比に依存する。
以上のような本実施形態の平均化動作では、画素P1、P2の出力電位差(Vrst1−Vrd1)、(Vrst2−Vrd2)とコンデンサCAP11、CAP12の容量比に依存する電圧に比例するクロック数(CKRD1−CKRST1)、(CKRD2−CKRST2)が得られ、画素P1、P2の信号出力の平均化を行った信号のAD変換が行われる。
[5−4]効果
上記第5の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができるだけでなく、次のような効果も得ることができる。
第5の実施形態では、インバータの入力が変化してから出力が変化するまでの遅延や、駆動回路がクロックを送信してT/D変換器に届くまでの遅延がADC特性に影響を与えづらい構成となっている分、T/D変換器に送信するカウンタを高速で変化させることができる。この結果、第5の実施形態は、A/D変換処理をより高速に処理することができる。
[6]第6の実施形態
第6の実施形態は、第5の実施形態の変形例であり、AD変換器を2つ設け、用途に応じて画素の出力信号を2つのAD変換器に振り分ける例である。尚、ここでは、第1及び第5の実施形態と異なる点について説明する。
[6−1]構成
図12は、本発明の第6の実施形態に係る固体撮像装置の回路図を示す。以下に、第6の実施形態に係る固体撮像装置の回路構成について説明する。
図12に示すように、第6の実施形態において、第5の実施形態と異なる点は、画素群10の中から選択された画素Pの信号をAD変換器ADC1、ADC2のいずれか一方に出力する点である。このため、第6の実施形態の固体撮像装置は、2つのAD変換器ADC1、ADC2、切り替えスイッチS41、S42、S51、S52を具備している。
本図において、AD変換器ADC1とスイッチS41、S42のペアは、画素群10の下部に配置され、AD変換器ADC2とスイッチS51、S52のペアは、画素群10の上部に配置される。
AD変換器ADC1は、入力端子ND1、ND2の本数が垂直信号線NSIG1a、NSIG1b、NSIG2a、NSIG2bの半数になっている。同様に、AD変換器ADC2は、入力端子NE1、NE2の本数が垂直信号線NSIG1a、NSIG1b、NSIG2a、NSIG2bの半数になっている。
スイッチS41は、画素群10内の垂直信号線NSIG1a、NSIG1bの一方をAD変換器ADC1の入力端子ND1に接続させる。スイッチS42は、画素群10内の垂直信号線NSIG2a、NSIG2bの一方をAD変換器ADC1の入力端子ND2に接続させる。スイッチS51は、画素群10内の垂直信号線NSIG1a、NSIG1bの一方をAD変換器ADC2の入力端子NE1に接続させる。スイッチS52は、画素群10内の垂直信号線NSIG2a、NSIG2bの一方をAD変換器ADC2の入力端子NE2に接続させる。スイッチS41、S42の制御は、AD変換器ADC1内の駆動回路40によって行われ、スイッチS51、S52の制御は、AD変換器ADC2内の駆動回路40によって行われる。
[6−2]動作
図12を用いて、本実施形態の係る固定撮像装置の動作について説明する。尚、ここでは、行選択回路20が画素P1、P2、P3、P4の行を選択している場合を例に挙げ、垂直信号線NSIG1a、NSIG2aは奇数列であり、垂直信号線NSIG1b、NSIG2bは偶数列であるとする。
例えば、スイッチS41、S42によりAD変換器ADC1の入力端子ND1、ND2を偶数列の垂直信号線NSIG1b、NSIG2bに接続させ、スイッチS51、S52によりAD変換器ADC2の入力端子NE1、NE2を奇数列の垂直信号線NSIG1a、NSIG2aに接続させる。この場合、AD変換器ADC1は、偶数列の垂直信号線NSIG1b、NSIG2bに接続される画素P2、P4の出力信号を処理し、AD変換器ADC2は、奇数列の垂直信号線NSIG1a、NSIG2aに接続される画素P1、P3の出力信号を処理する。
一方、スイッチS41、S42によりAD変換器ADC1の入力端子ND1、ND2を奇数列の垂直信号線NSIG1a、NSIG2aに接続させ、スイッチS51、S52によりAD変換器ADC2の入力端子NE1、NE2を偶数列の垂直信号線NSIG1b、NSIG2bに接続させる。この場合、AD変換器ADC1は、奇数列の垂直信号線NSIG1a、NSIG2aに接続される画素P1、P3の出力信号を処理し、AD変換器ADC2は、偶数列の垂直信号線NSIG1b、NSIG2bに接続される画素P2、P4の出力信号を処理する。
尚、本実施形態においても、第5の実施形態と同様、スイッチSB、SCを開放又は短絡させることで、通常動作又は平均化動作を行うことが可能である。
[6−3]効果
上記第6の実施形態によれば、第1及び第5の実施形態と同様の効果を得ることができるだけでなく、次のような効果も得ることができる。
第5の実施形態において、奇数列の信号同士又は偶数列の信号同士を平均化したい場合、奇数列のサンプルホールド信号変換回路同士を接続ための配線及びスイッチが偶数列のサンプルホールド信号変換回路を跨ぐことになる。この場合、奇数列のサンプルホールド信号変換回路の内部配線と偶数列のサンプルホールド信号変換回路とが容量結合してしまい、正常な平均化を行えなくなる可能性がある。これに対し、第6の実施形態では、一つのAD変換器には奇数列か偶数列のどちらかの信号しか入力されないため、このような容量結合は発生しないという効果が得られる。
尚、本実施形態では、信号線が奇数列か偶数列かで2つのAD変換器ADC1、ADC2に出力信号の振り分けを行ったが、RGBによる振り分けを行うことも可能である。
その他、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で、種々に変形することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
10…画素群、20…行選択回路、30…サンプルホールド信号変換回路群、40…駆動回路、50…ランプ波発生回路、Pn…画素、NSIGn…信号線、Sn…スイッチ、SB、SC…平均化スイッチ、CAPn…コンデンサ、INVn…インバータ、TDCn…T/D変換器、NAn、NBn、NCn、NDn、NEn、NVn…ノード、NSn、NSB、NSC…共通制御線、NREF…ランプ波信号線、ADCn…AD変換器。