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JP2010052370A - 透明性複合シート - Google Patents

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JP2010052370A JP2008221778A JP2008221778A JP2010052370A JP 2010052370 A JP2010052370 A JP 2010052370A JP 2008221778 A JP2008221778 A JP 2008221778A JP 2008221778 A JP2008221778 A JP 2008221778A JP 2010052370 A JP2010052370 A JP 2010052370A
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Abstract

【課題】安全作業に必要な高い視認性を有する間仕切りシート材料、光源の光度を下げない光天井材、及び広告媒体であり、しかも不燃性能を有するガラス繊維複合シートの提供。
【解決手段】ガラス繊維からなる基材の全面に、芳香族リン酸エステル化合物を40〜80質量%で含有する軟質塩化ビニル樹脂組成物による樹脂含浸被覆層を形成し、この樹脂含浸被覆層の被覆量をガラス繊維に対して50〜500質量%とし、ガラス繊維と、軟質塩化ビニル樹脂組成物との屈折率(JISK7142)の差を0.03以下にする。
【選択図】なし

Description

本発明は透明性複合シートに係るものであり、例えば防火性を要求される領域で使用される間仕切、天井材、壁面構成材等として有用であって、高い透視性を有する透明性複合シートに係るものである。このような透明性複合シートは、光天井用シート材料、広告宣伝媒体用シート材料及びそれらの接合部構成部材として用いることのできる透明性接合用シートなどを包含する。
昨今、建築基準法の改正で建築材料の防火性能の技術規定が明確になり、例えば不燃材料は、コーンカロリー試験において、最高発熱速度が200kW/m2を超えて10秒以上継続しないこと、総発熱量8MJ/m2以下であること、防火上有害な変形損傷等がないこと、及び燃焼による有害ガスの発生性が基準以下であることなどの数値的規定が定められている。この規定に従って、ガラス繊維材料或いはガラス繊維織物等に樹脂をコーティングしたシート材料においても、不燃材料の認定を取得することが可能となっている。この防火性能の技術規定に則って、不燃材料として認定を取得したガラス繊維材料或いはガラス繊維織物と樹脂の複合シートなどが建築材料が多く使われている。
建築物において使用される材料で特に天井付近に配置されるものには、高レベルの防火性能、すなわち不燃材料基準を満足する必要があり、例えば、光天井膜材用、シート型防煙垂れ壁用などは不燃材料の基準を満たす防火性能を有していなければならない。光天井は、通常バックライトの光源の明るさを落とさず膜材料で散乱させ、大空間を満遍なく照らす大型照明として利用されている。また、シート型防煙垂れ壁は、通常時には天井裏に収納され、火災発生の有事に降下して天井伝いに拡散する煙を遮断するものであり、このため、視覚的な障害物のない広い天井をレイアウトできるという利点がある。さらに、間仕切用途としては、例えば工場内で作業エリアを仕切るものとして不燃性能を有するシート材料で作製したものが多用されている。
昨今これらの用途では、更に光透過性の高い材料の要求が発生している。これは、光源の光度をそのまま空間内に伝えるための光天井膜材料及び照明膜カバーであり、また視認性を有する間仕切り膜である。従来、不燃性シート材料はガラス繊維織物に無機充填剤を配合した塩化ビニル樹脂組成物をコーティングしたものであるため、光透過性自体が低いものであった。(特許文献1)
一方、ガラス繊維織物に、無機充填剤を含まない塩化ビニル樹脂(DOPなどのフタル酸エステル可塑剤含有)などをコーティングすることにより充分な採光性を得られるが、ガラス繊維が介在しているので、その視認性は不十分なままであった。
そこで視認性を改善したシートとして、例えば、ガラス繊維織物に硬化性樹脂層を設け、ガラス繊維織物と硬化性樹脂との屈折率差を0.02以下とすることによって得られるガラス織物シート(特許文献2、特許文献3、特許文献4)が提案されている。これらのシートは光透過拡散性に優れ、不燃性にも優れたシートである。特許文献2,3、及び4において、ガラス繊維織物と硬化性樹脂との屈折率差0.02以下を満足できる硬化性樹脂として、特許文献2記載の実施例1〜5にビニルエステル樹脂の使用が開示され、特許文献3記載の実施例1〜3にビニルエステル樹脂の使用が開示され、また特許文献4に開示の実施例においてもビニルエステル樹脂の使用が開示されている。ビニルエステル樹脂の硬化は、過酸化物の存在下、嫌気性条件で実施のため、特許文献2,3,4のガラス織物シートを得るには、液状のビニルエステル樹脂を塗布したガラス織物の両面に、空気を遮断する離型フィルムの存在を必要とする。(特許文献2の請求項6、特許文献3の請求項5、特許文献4の請求項7)このため、これらの光透過拡散性、かつ不燃性のシートを得るには、特許文献4の図2に記載のようにフィルムでビニルエステル樹脂を塗布したガラス織物を挟むことができる特別な製造装置が必要となる。
また、間仕切り膜などに用いるシート材料は、接合により広面積で用いる用途が多く、シート材料の接合には高周波溶着、熱風溶着、熱コテ溶着などのように従来から複合シート接合に用いられている熱融着法を用いることが一般的であり、かつ効率的である。しかし、特許文献2,3,4のガラス織物シートはビニルエステル樹脂のような熱硬化性樹脂を用いているため、耐熱性が極めて高く、汎用の熱融着法がまったく使えず、このためミシン縫製に頼らざるを得ない。しかし、ミシン縫製ではガラス繊維糸を損傷し、接合部分の強度を低下させるという問題を生じ、これに加えて、縫い糸によって透明性及び視認性が低下するという問題もある。このため、特に光天井膜材、シート型防煙垂れ壁などの不燃建材用途においては、透明かつ、熱融着可能なシート材料が望まれているのである。
さらに最近では、光天井や広告宣伝媒体の有効面積を拡大し、広域空間の照明及び大型広告表示という用途が拡大している。これらの用途では複数枚のシート材料を用い、各シートの端部同士を重ね合わせ、かつ接合して大型化を図る際に、現状使用されている光天井用シート材料や広告宣伝媒体用シート材料では、重ね合せ接合部分の透光性が著しく低下し、この部分が本体部分と比較して影を生ずる。この問題を解決するためにシート端部同士を突合せ、裏面に透明なシーミングテープを配する繋ぎ施工方法が知られている。しかし高い防火性能と高い透明性と高い熱融着性とを兼ね備えたシーミングテープは実在せず、拠って、光天井や広告媒体ではその大型化に際して、特殊な支持フレームを多数必要とするため、外観やイメージを損なうことは不可避なものとして認識されていたのである。
特開2003−073973号公報 特開2005−319746号公報 特開2005−345873号公報 特開2006−212820号公報
本発明は透明性複合シートを提供しようとするものであり、さらに詳しく述べるならば、本発明はガラス繊維材料或いはガラス繊維糸から構成されているシートに熱可塑性樹脂を含浸塗布することによって得られるシート材料において、それを間仕切り用途等に使用された際に間仕切の向こう側で働く人、置いてある物、並びに走行作動する搬送機及びロボットなどの存在及び動きを視認することを要する安全作業に、高い透視性を確保できる透明性複合シート材料、光天井材や広告媒体として用いた際に、光源の光度を下部空間にそのまま伝えることのできる透明性複合シート材料、間仕切り膜作製時の作業効率とシート材料の強度低下の発生しない良好な熱融着性を持った透視性のある透明性複合シート材料、及び光天井材や広告媒体の有効面積を不都合無く拡大することに好適であり、かつ不可欠なシーミングテープとして使用可能な透明性複合シートを提供しようとするものである。
本発明の透明性複合シートはガラス繊維からなる基材と、その表裏全面に含浸塗布された樹脂含浸被覆層とを含み、前記樹脂含浸被覆層が、軟質塩化ビニル樹脂と、少なくとも1種の芳香族リン酸エステル化合物からなる透明化剤とを含む軟質塩化ビニル樹脂組成物により形成され、前記透明化剤の含有量が、軟質塩化ビニル樹脂組成物の合計質量に対して40〜80質量%であり、かつ、前記樹脂含浸被覆層の被覆量は前記ガラス繊維の質量に対して50〜500質量%であり、前記ガラス繊維の屈折率と、前記軟質塩化ビニル樹脂組成物の屈折率とをJISK7142に準拠して測定したとき、その差が0.03以内であることを特徴とするものである。
本発明の透明性複合シートにおいて、前記透明化剤が、リン酸トリクレジル、リン酸トリフェニル、リン酸トリキシレニル、リン酸クレジルジフェニルから選ばれた1種以上からなることが好ましい。
本発明の透明性複合シートにおいて、前記軟質塩化ビニル樹脂組成物が、さらに架橋生成性化合物を含有することが好ましい。
本発明の透明性複合シートにおいて、前記基材が、前記ガラス繊維からなる経糸及び緯糸によって形成された織布であり、この織布の下記式(1)及び(2)により規定される経糸特定値aw及び緯糸特性値af:
aw=Kw/Nw-0.7 (1)
af=Kf/Nf-0.7 (2)
[但し上記式中、
Nwは経糸の繊度(単位tex)を表し、
Nfは緯糸の繊度(単位tex)を表し、
Kwは式:Kw=nw/√Nwにより表される経糸のカバーファクターを表し、
Kfは式:Kf=nf/√Nfにより表される緯糸のカバーファクターを表し、
nwは経糸の密度(経糸数/25.4mm)を表し、
nfは緯糸の密度(緯糸数/25.4mm)を表す。]
が、いずれも60以上であり、
かつ、前記樹脂含浸被覆層の被覆量が50〜600g/m2であることが好ましい。
本発明の透明性複合シートは、ガラス繊維からなる基材の表裏全面に軟質塩化ビニル樹脂組成物を含浸塗布して形成されたものであり、芳香族リン酸エステル化合物からなる透明化剤を必須成分として含んでおり、高い透明性と、ガラス繊維材料による高い材料強度及び形状安定性とを兼ね備え、更に、防火性能面での高い安全性を有するものである。
本発明の透明性複合シートは、大空間、例えば工場内、ホール内、体育館内、展示会場内及び店舗内などにおいて、大面積を必要とする間仕切として非常に有用なものである。また、これを光天井材として用いた場合、光源からの光を遮ることなくダイレクトに下部空間に伝え、非常に明るい空間照明をすることができる。しかも、本発明の透明性複合シートは、軟質塩化ビニル樹脂組成物を含浸塗布したものであるから、従来から一般に用いられている軟質塩化ビニル樹脂を塗工したシートの接合縫製に用いる汎用的な熱融着装置である高周波ウエルダー等を用いて熱溶着接合縫製することが可能であり、従って、複数のシートを接合して、シート面積を拡大することが容易であるから、市場の需用に対応してスムーズに供給普及することが可能である。また、本発明の透明性複合シートを、シーミングテープとして用いた場合、シートの接合部分に、シート重ね合わせの影が発生しないので、大面積の光天井膜や広告媒体を得ることができる。さらに本発明の透明性複合シートは、ガラス繊維からなる基材としてガラス繊維経緯糸による特定組織要件を満たす織布を選ぶことにより高い不燃性を付与することが可能であり、上記用途への合法的使用が可能である。
本発明に用いるガラス繊維からなる基材を構成するガラス繊維としては無アルカリガラス繊維(Eガラス:屈折率1.558)を用いることが最も好ましい。無アルカリガラス繊維と共に他のガラス繊維を併用することも可能であるが、それによって、透明性複合シートの透明性、材料強度、耐久性等の性能を低下させる場合がある。ガラス繊維のフィラメント直径は、1〜15μmであることが好ましく、5〜12μmであることが更に好ましい。直径が1μmより細いガラス繊維は高価であるため、これを本発明に用いると、得られる製品のコストが高くなり、経済的不利を生ずることがあり、またそれが15μmを超える太さのものは高い透明性及び視認性を得る上では有利となるが、得られる透明性複合シートの耐屈曲性を低下させその実用性が不十分になる場合がある。ガラス繊維にはシランカップリング処理が施されていることが好ましく、このようにすると、ガラス繊維を保護し、ガラス繊維糸の強度を維持し、さらに含浸塗布される塩化ビニル樹脂組成物との密着性を向上させ、透明複合シートの耐久性を高めることができる。
ガラス繊維からなる基材としては不織布、ガラスフェルトマット及び織布等の形態であることが好ましい。不織布は予めサイジング剤等で繊維が固定されているものや、本発明に記載の軟質塩化ビニル樹脂組成物で固めるなどの方法を用いることができる。ガラス不織布の目付けに特に制限はないが、50g/m2〜300g/m2のものが好ましい。ガラス繊維フェルトマットについては、本発明に用いられる軟質塩化ビニル樹脂組成物を、ガラス繊維マットに含浸塗布後、得られた複合シートを圧縮することにより、フェルト状になり、高い防火性と視認性と熱融着性を兼ね備えた透明複合シートが得られる。ガラスフェルトマットの目付け量にも特に制限はないが、100g/m2〜400g/m2程度のものが使いやすい。ガラス不織布やガラスフェルトマットを用いた透明性複合シートは、材料の引張強度があまり大きくないため、大面積化して使う用途には不向きであるが、つり天井材、パネル材、広告のカバー材としては有用であり、高い張力等の負荷のない形状、サイズのものであれば、熱融着により有効面積を大きくして施工することも可能である。
本発明において透明性複合シートに、高い強度を必要とする場合には、ガラス繊維からなる基材としてガラス繊維織布(屈折率1.558)を用いることが好ましい。大面積化して使用する間仕切やシーミングテープなどの用途では、ガラス繊維からなる基材はガラス繊維織布から選ぶことが好ましい。ガラス繊維織布の製織形態としては平織、綾織り、朱子織り、畝織り、魚子織、二重織、その他の多重織などを用いることができるが、平織、綾織、朱子織などが使いやすい。ガラス繊維糸条用サイジング剤にはさまざまなものがあるが、デンプン系のものや、非水溶性のプラスチックサイジング剤などが使用できる。ガラス繊維織布の単位質量については特に制限はないが、前述した用途への使用には50g/m2以上、400g/m2以下のガラス繊維織布を用いることが好ましい。50g/m2以下のガラス繊維織布を用いた場合は複合シートに高い強度が得られず、間仕切や大面積化要求のある広告媒体などとしての機能を果し得ないことがある。400g/m2を超える単位質量のガラス繊維織布を基材として用いると、得られる複合シートの単位質量が過度に高くなり、間仕切や広告媒体、光天井材料などの用途に対する実用性が不十分になることがある。
透明性複合シートに不燃性を付与する為には、ガラス繊維織布の経糸及び緯糸は、それぞれ、下記式(1)及び式(2)により定義される特性値aw及びaf:
aw=Kw/Nw-0.7 (1)
af=Kf/Nf-0.7 (2)
[但し上記式中、
Nwは経糸の繊度(単位tex)を表し、
Nfは緯糸の繊度(単位tex)を表し、
Kwは式:Kw=nw/√Nwにより表される経糸のカバーファクターを表し、
Kfは式:Kf=nf/√Nfにより表される緯糸のカバーファクターを表し、
nwは経糸の密度(経糸数/25.4mm)を表し、
nfは緯糸の密度(緯糸数/25.4mm)を表す。]
が、いずれも60以上であることが好ましい。
特性値aw及びafの少なくとも一方が60を下回ると不燃性試験を行った際にピンホールの発生が起こりやすい。
特性値aw及びafは、それぞれ互に独立に、60〜150であることがより好ましく、65〜145であることが更に好ましい。
また本発明に用いるガラス繊維織布の厚さに制限はないが、一般に0.05〜2mmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜1.6mmである。厚さが0.05mm以下のガラス繊維織布は、強度が不十分になることがあり、それによって間仕切、広告媒体、光天井材などの要求性能を満たさないことがある。また、厚さが2mmを超えるガラス繊維織布を基布として用いると、十分な透明性を有する複合シートを得るために軟質塩化ビニル樹脂組成物の含浸塗布量を多くすることが必要となり、得られる複合シート目付けが過大になり、このため取り扱い性が低下することがあり、それによって、大面積の間仕切や光天井材、広告媒体の施工性が不十分になることがあり、複合シートの実用性が低下することがある。
軟質塩化ビニル樹脂組成物に用いられる塩化ビニル樹脂は、塩化ビニル重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体などを包含するものであり、これらを単独に、あるいはその二種類以上を混合して用いることができる。塩化ビニル樹脂は乳化重合されたものを用いることが好ましい。塩化ビニル樹脂の重合度に特別な制限は無いが、600から3000の範囲のものを用いることが好ましい。
本発明に用いる軟質塩化ビニル樹脂組成物は、塩化ビニル樹脂と1種以上の芳香族リン酸エステル化合物からなる透明化剤と、必要に応じて架橋生成性化合物とを主成分とするものである。副成分としては公知の可塑剤及び安定剤が用いられ、その他の任意成分とし、防カビ剤、充填剤、着色剤などを含むことができる。
本発明の透明性複合シートは、軟質塩化ビニル樹脂組成物の質量に対する芳香族リン酸エステル化合物含有透明化剤の含有量を40〜80質量%とすること、好ましくは55〜75質量%とすること、によって軟質塩化ビニル樹脂組成物(含浸被覆層)の屈折率を、ガラス繊維の屈折率に近似させることができる。このようにすると、得られるシートの外観からガラス繊維織布を見えなくすることを可能とする。芳香族リン酸エステル化合物からなる透明化剤の含有量が40質量%より少ないと、得られる複合シートの透明性となり、場合によっては、充分な防炎性が得られないことがある。また芳香族リン酸エステル化合物からなる透明化剤の含有量が80質量%を越えると、得られるシートの表面が軟化してベタツキを生ずる。
軟質塩化ビニル樹脂組成物に対する芳香族リン酸エステル化合物からなる透明化剤の含有量を40〜80質量%にコントロールすることは、具体的に芳香族リン酸エステル化合物からなる透明化剤の量を、塩化ビニル樹脂100質量部に対して70質量部〜400質量部、好ましくは120質量部〜300質量部とすることである。透明化剤用芳香族リン酸エステル化合物としては、リン酸トリアリル化合物(アリル基は置換されていてもよく、置換されていなくてもよい)、例えばリン酸トリクレジル(別名:トリクレジルフォスフェート)、リン酸トリフェニル(別名:トリフェニルフォスフェート)、リン酸トリキシレニル(別名:トリキシレニルフォスフェート)、リン酸クレジルジフェニル(別名:クレジルジフェニルフォスフェート)が挙げられ、これらは単一種で用いられてもよく、複数種を併用してもよい。軟質塩化ビニル樹脂組成物に対する芳香族リン酸エステル化合物からなる透明化剤の含有量が40質量%以上であれば、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)などの汎用可塑剤をさらに含んでいてもよい。
軟質塩化ビニル系樹脂組成物に用い得る架橋生成性化合物としては、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、及び反応性アクリル系化合物から選ばれた1種以上である。イソシアネート系化合物としては、芳香族、脂肪族、脂環式の何れのものでもよく、1分子当りイソシアネート基を2個以上有するものが好ましい。イソシアネート化合物にポリオール化合物を併用することもできる。エポキシ系化合物としてはグリシジル型、ビスフェノール型、ノボラック型の何れのものでもよく、1分子当りエポキシ基を2個以上有するものが好ましい。エポキシ系化合物にアミン化合物、酸無水物、イソシアネート化合物、ヒドラジド化合物などを併用することもできる。反応性アクリル系化合物としては、オリゴエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレートなどの分子末端、または側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するもの、アリルフタレート系化合物などを用いることができる。これらの架橋生成性化合物は、軟質塩化ビニル系樹脂組成物の質量に対し、1〜20質量%の範囲で用いられることが好ましく、樹脂含浸被覆層内に架橋構造を導入することによって、樹脂含浸樹脂層の強度の向上を図ることができる。本発明の複合シートにおいて、樹脂含浸被覆層の芳香族リン酸エステル化合物からなる透明化剤の含有量を、軟質塩化ビニル樹脂組成物の合計質量に対して、65〜80質量%の多量に配合とするときには、前記架橋構造の導入が特に効果的であり、芳香族リン酸エステル化合物からなる透明化剤の多量含有による樹脂含浸被覆層の強度低下を緩和することができる。それ故、得られる複合シートの熱融着接合体において、その接合部に必要な剪断強力値を安定して維持することが可能となる。
軟質塩化ビニル系樹脂組成物に用いられる安定剤としては、カルシウム・亜鉛系、バリウム・亜鉛系、カドミウム・バリウム系、鉛系、有機錫ラウレート、有機錫メルカプタイト、エポキシ系、などを単独に、あるいはその2種以上を混合して用いることができる。安定剤の添加量は、塩化ビニル系樹脂100部に対して0.5〜10部であることが好ましい。
軟質塩化ビニル系樹脂組成物に用いられる充填剤としては、ガラスパウダー、ガラスビーズなどの、1.558に近い屈折率を有する無機充填剤の使用が可能である。これらの材料の添加量は軟質塩化ビニル樹脂組成物の合計質量に対して10%以下であることが適当である。その添加量が10%を超えると、軟質塩化ビニル樹脂組成物のガラス繊維基材への含浸塗布性が悪くなり、ガラス繊維からなる基材の内部に含浸不良部が発生することがある。
軟質塩化ビニル系樹脂組成物には、必要に応じて有機顔料系の着色剤を使用することができ、有機系顔料は軟質塩化ビニル樹脂組成物に対して3%以下の配合とすることが好ましい。また紫外線吸収剤としては、トリアゾール系、ベンゾフェノン系、シアノアクリレート系、サリチル酸系、ハイドロキノン系などの紫外線吸収剤が使用できる。
芳香族リン酸エステル化合物の軟質塩化ビニル樹脂組成物中における含有量は40〜80質量%であり、且つガラス繊維からなる基材を構成するガラス繊維と含浸被覆層である軟質塩化ビニル樹脂組成物との屈折率(JISK7142)の差を0.03以内とすることが必要である。軟質塩化ビニル樹脂組成物中の透明化剤の含有量が40質量%未満であると、ガラス繊維の輪郭が浮き出てしまい、透視した対象物の像が歪んでぼやけてしまう。また、それが80質量%を越えると、得られる複合シートの表面にべたつきを生ずる。また、ガラス繊維からなる基材を構成するガラス繊維と軟質塩化ビニル樹脂組成物、すなわち含浸被覆層との屈折率差が0.03を超えると、ガラス繊維からなる基材の輪郭が浮き出てしまい、得られる複合シートによって透視した対象物の像が歪んでぼやけてしまい、本発明の複合シートの各利用分野において、実用上十分な視覚認知性を示すことが困難となる。
本発明の複合シートの表面から裏面に光を透過させる際、細いガラス繊維と含浸塗布された塩化ビニル樹脂組成物の界面で両者の屈折率の差により光の屈折が起こる。この屈折がガラス繊維からなる基材を構成するガラス繊維の本数、ガラス繊維織布を構成するガラス繊維糸とガラス繊維の構成本数に依存して起こり、複合シートの透明性、透視性を低下させる。本発明においては塩化ビニル樹脂組成物中における芳香族リン酸エステル化合物からなる透明化剤の存在量を40〜80質量%とすること、及びこのガラス繊維と塩化ビニル樹脂組成物の屈折率の差を0.03以内にするという条件を満たすことにより、両者界面で発生する屈折による光の屈折散乱を制御し、透明性、視認性を確保することができる。
ガラス繊維は、屈折率1.558のEガラスを用いることが好ましい。塩化ビニル樹脂組成物の屈折率は、JISK7142の「プラスチックの屈折率測定方法」に従って測定した。
ガラス繊維からなる基材上の、軟質塩化ビニル樹脂組成物からなる樹脂含浸被覆層の被覆量は、ガラス繊維に対して50〜500質量%とする必要がある。十分な透明性を得るためには、ガラス繊維からなる基材の内部及び表面を軟質塩化ビニル樹脂組成物で含浸充填しかつ被覆する必要がある。樹脂含浸被覆層の被覆量がガラス繊維からなる基材に対して50質量%未満の場合には、基材上の樹脂含浸被覆層による含浸充填及び表面被覆が不十分となり、充分な透明性を得ることが困難となる。樹脂含浸被覆層の被覆量が、ガラス繊維の質量に対して500質量%を超えると、ガラス繊維からなる基材に対する樹脂量が過剰となり、材料の強度に対する質量のバランスが悪くなり、展張に耐えなくなるという不都合を生ずる。ガラス繊維からなる基材に前記特性値aw及びafのいずれも60以上のガラス繊維からなる織布を基材として用い、前記軟質塩化ビニル樹脂組成物から形成された樹脂含浸被覆層の被覆量を600g/m2以下とすることにより、不燃性を有する透明複合シートを得ることができる。すなわち、不燃材料に求められる総発熱量8MJ/m2以下、発熱速度200kw/m2以下を達成することが可能になり、防火上有害な亀裂損傷等(材料のピンホール)の発生、燃焼時の有害ガスの発生を基準レベル以下に抑えることが可能になる。
ガラス繊維からなる基材への塩化ビニル樹脂組成物の含浸被覆方法は、ディッピング法、ナイフコーティング法、グラビアコーティング法、スクリーンメッシュコート法、キャスティング法などの既知の塗工方式を用いることができる。必要に応じてガラス繊維からなる基材に軟質塩化ビニル樹脂組成物を付着させた後、これをローラー等に擦りあてる操作、あるいは減圧下条件において、ガラス繊維からなる基材の内部まで軟質塩化ビニル樹脂組成物を均一に浸透させる操作などを用いることができる。前述のようにして、ガラス繊維からなる基材上に軟質塩化ビニル樹脂組成物を含浸被覆した後に、樹脂含浸被覆層に熱風熱処理、赤外線加熱熱処理など公知の塩化ビニル樹脂の熱処理方法を用いて加熱し乾燥固化させることにより透明複合シートが得られる。更に、含浸塗布、熱処理を施して得られた透明性複合シートに、さらに、フィルム化した塩化ビニル樹脂組成物を貼りあわせたり、及び/又は、透明性複合シートの表面を平滑にする目的をもって、これにエンボス処理などの後加工を施してもよい。
更にまた、透明性複合シートに、汚れ防止性、帯電防止性、耐摩傷性等を付与するために、最外層に、表面処理を施すことも可能である。このような表面処理は表面処理剤として塗料化した樹脂溶液をグラビアコーターで塗布し乾燥する方法、或は樹脂フィルムを貼り合せるか、又は転写する方法などのいずれでも施すことができる。これらの表面処理剤としてはフッ素系樹脂、アクリル系樹脂、アクリル−フッ素樹脂、アクリル−シリコン樹脂、アクリル−ウレタン樹脂、ウレタン系樹脂など、公知の防汚機能を有する塗料を単体使用、または併用使用することができるが、いずれも透明であることが好ましい。
本発明を下記実施例を示してさらに説明するが、本発明の透明複合シートの構成及び作製方法はこれに制限されるものではない。
試験方法
1.ガラス繊維材料の屈折率
屈折率1.558のEガラス繊維を用いた。
2.塩化ビニル樹脂組成物の屈折率
塩化ビニル樹脂組成物(含浸被覆層)の屈折率を、JISK7142の「プラスチックの屈折率測定方法」に従って測定した。
3.複合シートの透明性
複合シートの透明性は、複合シート材料の全光透過率で表した。実使用性から見た透明性は、ガラス繊維複合シートから1m離れた位置にこれに正対するよう人が立ち、複合シートの裏側に配置された文字の識別可能な距離を測定した。この文字としての太さ15mm、たて150mm、よこ130mm、MSゴシック体で作成した文字「囲」と文字「回」を白色コピー用紙に黒字印刷したものを用いた。
識別可能距離が2m以上であるものを実用的透明性を有しているとし、識別可能な距離2m以上:(表−1中で2と表示)、2m未満:(表−1中で1と表示)の基準で判定した。
4.複合シートの不燃性
不燃性試験は20分間のコーンカロリー試験を行い発熱速度、総発熱量、ピンホール等有害な損傷の有無を調べた。最高発熱速度が10秒以上継続して200kw/m2を超えないこと、総発熱量が8MJ/m2以下であること、ピンホール等防火上有害な損傷が無いことを不燃性有無の判定基準とした。
5.その他の項目
結果一覧表(表−1)に示した方法にて測定した。
実施例で用いた材料の特性値は下記の通りである。
塩化ビニル樹脂:乳化重合PVC(重合度1500)
ガラス繊維からなる基材:
ガラス繊維不織布=ガラス繊維9μm−25mmカット
バインダー:PVA
目付け量:80g/m2
ガラス繊維織布1=使用糸:経緯共に9μm−75.0tex
織り糸密度:経25.0本/25.4mm、
緯25.0本/25.4mm、
カバーファクター:経2.887
緯2.887
組織:平織
質量:145g/m2
aw値(経糸)=59.2
af値(緯糸)=59.2
ガラス繊維織布2=使用糸:経緯共に9μm−75.0tex
織り糸密度:経40.0本/25.4mm、
緯30.0本/25.4mm、
カバーファクター:経4.619
緯3.464
組織:平織
質量:200g/m2
aw値(経糸)=94.9
af値(緯糸)=71.1
可塑剤: DOP=フタル酸ジ−2−エチルヘキシル 屈折率 1.485
DAP=フタル酸ジアリル 屈折率 1.518
透明化剤:TCP=リン酸トリクレジル 屈折率 1.557
CDP=リン酸クレジルジフェニル 屈折率 1.560
実施例1
軟質塩化ビニル樹脂組成物の作製
<配合組成1>
乳化重合PVC・・・・・・・・100.0g
TCP(透明化剤)・・・・・・200.0g
DOP・・・・・・・・・・・・・50.0g
ステアリン酸亜鉛・・・・・・・・・2.0g
ステアリン酸バリウム・・・・・・・2.0g
<配合組成1>の混合物を500mlビーカーに計量し、撹拌羽根径65mmのラボスターラーを用い800rpmの回転条件下で10分間、さらに1200rpmの回転条件下で15分間撹拌して軟質塩化ビニル樹脂組成物[1]を得た。この軟質塩化ビニル樹脂組成物[1]をキャストし、190℃−90秒熱処理しフィルム化して屈折率を測定したところ、その屈折率は1.542であって、ガラス繊維との屈折率差は0.016であった。次にこの軟質塩化ビニル樹脂組成物[1]をディッピング法でガラス繊維不織布に60g/m2付着させ、190℃の熱風乾燥炉で90秒間熱処理して複合シートを得た。得られた複合シートの性量及び各試験結果を表1に示す。その結果、芳香族リン酸エステル化合物の含有量が軟質塩化ビニル樹脂組成物の合計質量に対して56.5%であり、軟質塩化ビニル樹脂組成物とガラス繊維との屈折率差は0.0161であり、樹脂含浸被覆層の被覆量はガラス繊維に対して75質量%であり、得られた複合シートの透明性は良好であった。
実施例2
実施例1と同様にして、透明性複合シートを製造した。但しガラス繊維からなる基材として、ガラス不織布の代わりに、前記ガラス繊維織布1を用いた。軟質塩化ビニル樹脂組成物[1]の付着量は80g/m2であった。得られた複合シートの性量及び各試験結果を表1に示す。その結果、芳香族リン酸エステル化合物の含有量が、軟質塩化ビニル樹脂組成物の合計質量に対して56.5%であり、軟質塩化ビニル樹脂組成物とガラス繊維との屈折率差は0.0161であり、ガラス繊維織布を用いて得られた複合シートの透明性は良好であった。
比較例1
実施例1と同様にして透明性複合シートを製造した。但し、軟質塩化ビニル樹脂組成物の前記配合組成[1]を下記配合組成[2]に変更した。
<配合組成2>
乳化重合PVC・・・・・・・・100.0g
TCP(透明化剤)・・・・・・120.0g
DOP・・・・・・・・・・・・120.0g
ステアリン酸亜鉛・・・・・・・・・2.0g
ステアリン酸バリウム・・・・・・・2.0g
この軟質塩化ビニル樹脂組成物[2]の屈折率は1.527であり、ガラス繊維との屈折率差は0.0314であった。この複合シートの性量及び各試験結果を表1に示す。その結果、芳香族リン酸エステル化合物の含有量が35.3%であって40質量%未満であり、さらに軟質塩化ビニル樹脂組成物とガラス繊維との屈折率差が上述のように0.0314であって0.03を越えるものであるため、得られた複合シートの透明性は不十分であった。
比較例2
実施例2と同様にして透明性複合シートを製造した。但し、前記軟質塩化ビニル樹脂組成物[2]の含浸塗布量を70g/m2とした。この複合シートの性量及び各試験結果を表1に示す。結果、軟質塩化ビニル樹脂組成物[2]の含浸被覆量がガラス繊維からなる基材に対して70/145=48.3%であって50%未満であったため、得られた複合シートにおいてガラス繊維材料が浮き出て見え、透明性は不十分であった。
実施例3
実施例2と同様にして透明性複合シートを製造した。但し、軟質塩化ビニル樹脂組成物の前記配合組成[1]を下記配合組成[3]に変更した。
<配合組成3>
乳化重合PVC・・・・・・・・100.0g
TCP(透明化剤)・・・・・・・35.0g
CDP(透明化剤)・・・・・・・35.0g
ステアリン酸亜鉛・・・・・・・・・2.0g
ステアリン酸バリウム・・・・・・・2.0g
この複合シートの性量及び各試験結果を表1に示す。結果、芳香族リン酸エステル化合物の含有量が軟質塩化ビニル樹脂組成物に対し、40.2質量%であり、軟質塩化ビニル樹脂組成物とガラス繊維との屈折率差は0.0104であり、かつ、樹脂含浸被覆層が基材に対して、55.2質量%で被覆されており、得られた複合シートの透明性は良好であった。
比較例3
実施例2と同様にして、透明性複合シートを製造した。但し、塗工剤の配合組成[1]を下記配合組成[4]に変更した。
<配合組成4>
乳化重合PVC・・・・・・・・100.0g
TCP(透明化剤)・・・・・・・35.0g
DOP・・・・・・・・・・・・・10.0g
ステアリン酸亜鉛・・・・・・・・・2.0g
ステアリン酸バリウム・・・・・・・2.0g
この複合シートの性量及び各試験結果を表1に示す。その結果、軟質塩化ビニル樹脂組成物と、ガラス繊維との屈折率差は0.0177であり、かつ樹脂含浸被覆層の被覆量が基材に対して44.8質量%であったが芳香族リン酸エステル化合物の含有量が軟質塩化ビニル樹脂組成物に対して23.5%であって40質量%未満であるため、得られた複合シートの透明性は不充分なものであった。
比較例4
実施例1と同様にして透明性複合シートを製造した。但し、塗工剤の配合組成[1]を下記配合組成[5]に変更した。
<配合組成5>
乳化重合PVC・・・・・・・・100.0g
TCP(透明化剤)・・・・・・・90.0g
DOP・・・・・・・・・・・・・60.0g
ステアリン酸亜鉛・・・・・・・・・2.0g
ステアリン酸バリウム・・・・・・・2.0g
この複合シートの性量及び各試験結果を表2に示す。その結果、軟質塩化ビニル樹脂組成物とガラス繊維との屈折率差は0.0251であり、樹脂含浸被覆層の被覆量が基材に対して、75質量%であったが、芳香族リン酸エステル化合物の含有量が軟質塩化ビニル樹脂組成物に対して35.4質量%であって40質量%未満であるため、得られた複合シートの透明性は不充分なものであった。
比較例5
実施例1と同様にして透明性複合シートを製造した。但し、塗工剤の配合組成[1]を下記配合組成[6]に変更した。
<配合組成6>
乳化重合PVC・・・・・・・・100.0g
TCP(透明化剤)・・・・・・200.0g
DOP・・・・・・・・・・・・170.0g
ステアリン酸亜鉛・・・・・・・・・2.0g
ステアリン酸バリウム・・・・・・・2.0g
この複合シートの性量及び各試験結果を表2に示す。その結果、芳香族リン酸エステル化合物の軟質塩化ビニル樹脂組成物に対する含有量が42.1質量%であり、樹脂含浸被覆層の被覆量が基材に対して75質量%であるが、軟質塩化ビニル樹脂組成物とガラス繊維との屈折率差は0.0307であって0.03を越えるものであるため、得られるシートの透明性は不充分なものであった。
実施例4
実施例2と同様にして透明性複合シートを製造した。但し、塗工剤の配合組成[1]を下記配合組成[7]に変更し、ガラス繊維織布1への樹脂含浸被覆層の被覆量を120g/m2とした。
<配合組成7>
乳化重合PVC・・・・・・・・100.0g
TCP(透明化剤)・・・・・・200.0g
DAP・・・・・・・・・・・・・50.0g
ステアリン酸亜鉛・・・・・・・・・2.0g
ステアリン酸バリウム・・・・・・・2.0g
過酸化ベンゾイル・・・・・・・・・0.5g
この複合シートの性量及び各試験結果を表2に示す。その結果、芳香族リン酸エステル化合物の含有量が軟質塩化ビニル樹脂組成物に対して56.4質量%であり、軟質塩化ビニル樹脂組成物とガラス繊維との屈折率差は0.0116であり、かつ、樹脂含浸被覆層の被覆量が基材に対して、82.8質量%であったため、得られたシート透明性は良好であった。また、DAP(フタル酸ジアリル)を併用することにより、樹脂含浸被覆層の強度が高まり、接合部の強度が増大した。
実施例5
実施例4と同様にして、透明性複合シートを製造した。但し、ガラス繊維材料としてガラス繊維織布2を用いた。軟質塩化ビニル樹脂組成物の塗工量を360g/m2とした。この複合シートの性量及び各試験結果を表1に示す。その結果、特性値aw及びafがともに60以上のガラス繊維織布を用いることにより、不燃試験でピンホールの発生がなく不燃材料の基準を満たすことのできることが確認された。
実施例6
実施例5と同様にして、透明性複合シートを製造した。但し、軟質塩化ビニル樹脂組成物の配合組成を下記組成[8]に変更し、その被覆量を560g/m2にして、基材に対して180質量%の被覆率とした。
<配合組成8>
乳化重合PVC・・・・・・・・100.0g
CDP(透明化剤)・・・・・・200.0g
DAP・・・・・・・・・・・・・50.0g
ステアリン酸亜鉛・・・・・・・・・2.0g
ステアリン酸バリウム・・・・・・・2.0g
過酸化ベンゾイル・・・・・・・・・0.5g
この複合シートの性量及び各試験結果を表2に示す。TCPの代わりにCDPを用いた場合でも、良好な透明性と共に、不燃性を付与できることが確認された。
比較例6
実施例6と同様にして透明性複合シートを製造した。但し、軟質塩化ビニル樹脂組成物の被覆量を、750g/m2とし、基材に対して、375.0質量%とした。その結果、得られた複合シートは、総発熱量、及び発熱速度が過大であり、ガス有害性の高いものであった。
Figure 2010052370
Figure 2010052370
本発明の透明性複合シートは透明性及び視認性が良好で、不燃性の高いものであって、間仕切用シート、光天井用シート、広告媒体用シート、及びシーミングテープとして高い有用性を有するものである。

Claims (4)

  1. ガラス繊維からなる基材と、その表裏全面に含浸塗布された、樹脂含浸被覆層とを含み、前記樹脂含浸被覆層が、軟質塩化ビニル樹脂と、少なくとも1種の芳香族リン酸エステル化合物からなる透明化剤とを含む軟質塩化ビニル樹脂組成物により形成され、前記透明化剤の含有量が、軟質塩化ビニル樹脂組成物の合計質量に対して40〜80質量%であり、かつ、前記樹脂含浸被覆層の被覆量が、前記ガラス繊維の質量に対して50〜500質量%であり、前記ガラス繊維の屈折率と、前記軟質塩化ビニル樹脂組成物の屈折率とをJISK7142に準拠して測定したとき、その差が0.03以内であることを特徴とする透明性複合シート。
  2. 前記透明化剤が、リン酸トリクレジル、リン酸トリフェニル、リン酸トリキシレニル、リン酸クレジルジフェニルから選ばれた1種以上からなる、請求項1に記載の透明複合シート。
  3. 前記軟質塩化ビニル樹脂組成物が、さらに架橋生成性化合物を含有する、請求項1または2に記載の透明複合シート。
  4. 前記基材が、前記ガラス繊維からなる経糸及び緯糸によって形成された織布であり、この織布の下記式(1)及び(2)により規定される経糸特定値aw及び緯糸特性値af:
    aw=Kw/Nw−0.7 (1)
    af=Kf/Nf−0.7 (2)
    [但し上記式中、
    Nwは経糸の繊度(単位tex)を表し、
    Nfは緯糸の繊度(単位tex)を表し、
    Kwは式:Kw=nw/√Nwにより表される経糸のカバーファクターを表し、
    Kfは式:Kf=nf/√Nfにより表される緯糸のカバーファクターを表し、
    nwは経糸の密度(経糸数/25.4mm)を表し、
    nfは緯糸の密度(緯糸数/25.4mm)を表す。]
    が、いずれも60以上であり、
    かつ、前記樹脂含浸被覆層の被覆量が50〜600g/mである、請求項1に記載の透明複合シート。
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