[実施の形態1]
図1は、この発明に従う不揮発性半導体記憶装置において用いられるメモリセルの断面構造を概略的に示す図である。図1において、メモリセルは、半導体基板領域1上に間をおいて形成される不純物領域2および3と、不純物領域2の一部と重なり合うように、半導体基板領域1表面にゲート絶縁膜4を介して形成される選択ゲート5と、選択ゲート5側壁および半導体基板領域1表面上に形成される絶縁膜7と、絶縁膜7上に形成されるメモリゲート6とを含む。
不純物領域2および3は、それぞれ、ビット線BLおよびソース線SLに結合され、選択ゲート5およびメモリゲート6は、それぞれ、選択ゲート線CGおよびメモリゲート線MGに結合される。メモリゲート6を、選択ゲート5のサイドウォールスペーサと同様の手法を用いて形成する。この場合、選択ゲート5上にたとえばポリシリコン膜を堆積し、このポリシリコン膜をエッチングによりパターニングする。従って、メモリゲート長をこのポリシリコン膜の膜厚で調整することができ、また、選択ゲート5およびメモリゲート6の2つのゲートが設けられる構成においても、メモリゲート6を選択ゲート5に比べて十分に短くすることができ、メモリセルサイズを低減することができる。
絶縁膜7は、ボトム酸化膜7aと窒化膜7bとトップ酸化膜7cの積層構造を有する。この窒化膜7bに電荷を蓄積し、その蓄積電荷量に応じてデータ(情報)を記憶する。
図1に示すメモリセルにおいては、選択ゲート5、不純物領域2および半導体基板領域1により、選択トランジスタが形成され、メモリゲート6、不純物領域3および半導体基板領域1により、メモリトランジスタが形成される。図1に示すように、選択ゲート5の一方側にのみメモリゲート6が配置される。したがって、図1に示す断面構造において、メモリセルの構造は、左右非対称な構造となる。
図1に示すメモリセルの構成においては、図2に示すように、ビット線BLとソース線SLとの間に、選択トランジスタSTとメモリトランジスタMTとが直列に接続される。データ読出時においては、選択ゲート5に正の電圧を印加し、その選択ゲート5直下の半導体基板領域表面1にチャネルを形成する。一方、メモリゲート6に消去状態と書込状態のしきい値電圧の間の正の電圧を印加した場合、この絶縁膜7に蓄積される電荷量に応じてメモリゲート6下部の半導体基板表面に選択的にチャネルが形成される。
図3は、図1に示すメモリセルの平面レイアウトを概略的に示す図である。図3において、選択ゲート線CGおよびメモリゲート線MGの組が、間をおいて配置される。図3において、選択ゲート線CG0−CG4とメモリゲート線MG0−MG4とを代表的に示す。これらの選択ゲート線CGおよびメモリゲート線MGは、X方向に連続的に延在し、それぞれ選択ゲート5およびメモリゲート6(図1参照)を構成する。
隣接するメモリゲート線MG0およびMG1の間、およびメモリゲート線MG2およびMG3の間に、不純物領域で構成されるソース線SL1およびSL2が配置される。図3においては、さらに、ソース線SL0およびSL3を、レイアウトの規則性を示すために示す。
図1に示す不純物領域4に対しビット線コンタクトBCTが配置される。このビット線コンタクトBCTは、Y方向において隣接するメモリセルにより共有される。
X方向において隣接するメモリセルの間には、素子分離用の絶縁膜10が設けられる。これにより、X方向に隣接するメモリセルの選択トランジスタおよびメモリトランジスタは互いに分離される。
図3に示すように、平面レイアウトにおいて、ビット線コンタクトBCTを間に挟むように隣接する選択ゲート線CG(CG1,CG2)が配置され、また、ソース線SL(SL1またはSL2)を間に挟むようにメモリゲート線MG(MG0,MG1またはMG2,MG3)が配置される。したがって、メモリセルMCの平面レイアウトにおいては、ビット線コンタクトに関してメモリセルが鏡映対称に配置され、また、ソース線に関しても鏡映対称なレイアウトでメモリセルが、Y方向に繰返し配置される。
たとえば、選択ゲート線CG0の幅が広くなる方向にマスク位置合わせずれが生じた場合(−Y方向にマスクずれが生じた場合)、選択ゲート線CG0、CG2、およびCG4の幅が広くなり、一方、選択ゲート線CG1、CG3の幅は逆に狭くなる。この場合、図1に示す不純物領域2および3は、選択ゲート線CGおよびメモリゲート線MGに関し、自己整合的に形成され、また、半導体基板領域1表面のチャネル形成領域に対する不純物注入も、これらの選択ゲート5およびメモリゲート6に対し自己整合的に実行される。したがって、選択ゲート線CG0およびCG1の幅が異なった場合、不純物領域2および3の幅が異なり、応じて、メモリトランジスタおよび選択トランジスタのチャネル長が異なり、また不純物濃度も異なり、電気的特性が異なる状態が生じる。
この場合、偶数選択ゲート線CG0、CG2、CG4および偶数メモリゲート線MG0、MG2、およびMG4と奇数選択ゲート線CG1、CG3および奇数メモリゲート線MG1およびMG3は、その電気的特性の変化方向が逆方向となる。したがって、奇数行および偶数行のメモリセルのトランジスタのしきい値電圧が異なり、また、消去/書込特性が異なる状態が生じる。ここで、メモリセル行は、選択ゲート線CGおよびメモリゲート線MGが延在するX方向と規定する。
図4は、図3に示す線L4−L4に沿った断面構造を概略的に示す図である。図4において、不純物領域4の間に、ソース線SLを構成する不純物領域3が配置される。不純物領域2は、ビット線コンタクトBCTを介してY方向に連続的に延在するビット線BLに電気的に接続される。
図4に示すように、ビット線コンタクトBCTを間に挟むように選択ゲート線CGが配置され、ソース線SL(SL1−SL3)を構成する不純物領域3に対して対向してメモリゲート線MG0,MG1およびMG2,MG3が配置される。したがって、上述のように、マスク位置合わせずれが生じた場合、メモリゲート線MG下部の不純物濃度またはこのメモリゲートを有するメモリトランジスタのチャネル長が異なり、電気的特性が異なる。この図4において、Y方向については、メモリセルのレイアウトが、順次鏡映対称に配置されている。したがって、そのレイアウトの差に起因するメモリセルの電気的特性が、Y方向についての位置、すなわちメモリセル行ごとに異なる状態が生じると考えられる。本発明においては、このメモリセルのアレイ内の位置に応じた電気的特性の変化を、書込/消去/ベリファイ時に補償する。
図5は、この発明の実施形態1に従う不揮発性半導体記憶装置の全体の構成を概略的に示す図である。図5において、不揮発性半導体記憶装置は、メモリセルが行列状に配列されるメモリセルアレイ20と、メモリセルアレイ20の行を選択状態に駆動する行選択駆動回路22と、メモリセルアレイ20の列を選択する列選択駆動回路24とを含む。
メモリセルアレイ20においては、先の図1に示すメモリセルが行列状に配列され、各メモリセル行に対応して選択ゲート線(CG)およびメモリゲート線(MG)が配設され、また、ソース線(SL)が配設される。メモリセル列に対応してビット線(BL)が配設される。
行選択駆動回路22は、アドレス入力回路30から与えられる内部アドレス信号に従って、メモリセルアレイ20の指定された行を選択状態へ駆動する。この行選択駆動回路22は、選択ゲート線CGおよびソース線SLの電位を制御する。列選択駆動回路24も、アドレス入力回路30からの内部列アドレス信号に従ってメモリセルアレイ20のアドレス指定された列を選択するとともに、選択列を所定電圧レベルにプリチャージし、また必要な電圧を選択列に伝達する。
この不揮発性半導体記憶装置においては、さらに、データ読出を行なうためのセンスアンプ回路26と、データ書込を行なうための書込データをラッチするデータラッチ回路28と、外部とのデータの入出力を行なう入出力回路32が設けられる。センスアンプ回路26は、ベリファイ用のセンスアンプ回路と外部へのデータ読出用の読出用センスアンプとが別々に設けられてもよく、また、これらのベリファイ用センスアンプおよび読出用センスアンプは共用されてもよい。データラッチ回路28は、データ書込時、外部から与えられる書込データをラッチし、ラッチした書込データに応じて対応のメモリセルが消去状態または書込状態(プログラム状態)に設定される。
この不揮発性半導体記憶装置の内部動作は、外部からのコマンドCMDを受ける制御回路34により制御される。
行選択駆動回路22および列選択駆動回路24へは、内部電圧発生回路40からの内部電圧が与えられる。図5においては、この内部電圧発生回路40は、行選択駆動回路22へ与えられる選択ゲート電圧Vcg、メモリゲート電圧Vmgおよびソース線電圧Vslと、列選択駆動回路24へ与えられるビット線電圧Vblとを代表的に示す。この内部電圧発生回路40は、アドレス入力回路30から与えられる行アドレスADXのうちの所定のアドレスビット(Add)に従って、各動作モードにおいて生成される内部電圧の電圧レベルを調整する。
図6は、図5に示すメモリセルアレイ20および行選択駆動回路22の構成の一例を概略的に示す図である。図6において、メモリセルアレイ20において、メモリセルMCが行列状に配列される。このメモリセルMCは、選択トランジスタSTおよびメモリトランジスタMTの直列体を含み、図6においては、2行4列に配列されるメモリセルMCを代表的に示す。
メモリセルMCの各行に対応して選択ゲート線CGおよびメモリゲート線MGの組が配設される。図6においては、メモリセルMCの選択トランジスタSTの行に対応して配置される選択ゲート線CGaおよびCGbと、メモリセルのメモリトランジスタMTの行に対応して配置されるメモリゲート線MGaおよびMGbを代表的に示す。行のメモリセルに共通にソース線SLaが配設され、対応の行のメモリセルのメモリトランジスタMTに共通に接続される。
メモリセルMCの各列に対応してサブビット線SBL(SBLa−SBLd)が配設される。これらのサブビット線SBLa−SBLdに対するビット線コンタクトBCTは、列方向(サブビット線延在方向)において隣接する2つのメモリセルにより共有され、それぞれ選択トランジスタSTが対応のサブビット線に電気的に接続される。
図5に示す行選択駆動回路22においては、各選択ゲート線CGaおよびCGbに対応して、選択ゲートドライブ回路50aおよび50bが設けられ、メモリゲート線MGaおよびMGbに対応してメモリゲートドライブ回路52aおよび52bが設けられる。ソース線SLaに対応してソース線ドライブ回路54aが設けられる。
選択ゲートドライブ回路50aおよび50bへは、選択ゲート電圧Vcgが与えられ、メモリゲートドライブ回路52aへは、メモリゲート電圧Vmgが与えられる。ソース線ドライブ回路54aへは、ソース線電圧Vslが与えられる。これらの電圧Vcg、VmgおよびVslは、それぞれ動作モード(消去モード、書込モード、および読出モード(ベリファイを含む))に応じてその電圧レベルが設定される。この電圧レベルの設定は、図5に示す内部電圧発生回路40において実行される。
サブビット線SBLa−SBLdに対しては、ビット線周辺回路60が設けられる。このビット線周辺回路60は、図5に示す列選択駆動回路24、センスアンプ回路26およびデータラッチ回路28を含む。このビット線周辺回路60により、各動作モードに応じてビット線に対して、書込/読出(ベリファイを含む)動作に必要な電圧が与えられ、また、書込および消去のベリファイが実行される。
図6に示すように、メモリセルMCは、ソース線SLaに関して鏡映対称に配置される。したがってこの鏡映対称の配置されるレイアウトの影響によるメモリセルトランジスタ(ST,MT)の電気的特性のバラツキの影響を抑制するために、メモリセルの選択位置に応じて、電圧Vcg、VslおよびVmgの少なくとも1つの電圧レベルを調整する。
図7は、図6に示すビット線周辺回路60とメモリセルアレイ20の構成を概略的に示す図である。図7においては、図5に示す制御回路34の書込/消去に関連する部分の構成を合わせて示す。
図7において、メモリセルアレイ20は、複数のメモリブロックBK0−BKnに分割される。メモリブロックBK0は、ブロック選択回路BSK0およびサブアレイSAY0を含み、メモリブロックBKnは、ブロック選択回路BSKnおよびサブアレイSAYnを含む。図示しないメモリブロックBKiにおいても、ブロック選択回路BSKiおよびサブアレイSAYiが設けられる。
これらのサブアレイSAY0−SAYn各々においては、メモリセル列に対応してサブビット線SBL0−SBLmが配設され、ブロック選択回路BSK0−BSKn各々においては、サブビット線SBL−SBLmそれぞれに対応してY選択ゲートYG0−YGmが設けられる。
これらのメモリブロックBK0−BKnのサブビット線SBL0−SBLmに共通にメインビット線MBL0−MBLmが設けられる。ブロック選択回路BSK0−BSKnは、それぞれ、ブロック選択信号Z0−Znに従って、対応のサブビット線SBL0−SBLmを、メインビット線MBL0−MBLmに結合する。
したがって、ブロック選択信号Z0−Znにより指定されるメモリブロックにおいてサブビット線SBL0−SBLmが対応のメインビット線MBL0−MBLmに結合されて、データの書込/読出が行なわれる。
なお、2本のサブビット線SBLに対して1本のメインビット線MBLが配置され、ブロック選択信号Z0−Znに従って、さらに、この2本のサブビット線のうちの1本のサブビット線が選択されて対応のメインビット線に接続する構成が利用されても良い。この場合には、ブロック選択信号Z0−Zn各々が、奇数サブビット線選択用のブロック信号と偶数サブビット線選択用のブロック選択信号とで構成される。ブロック選択回路BSKにおいて、奇数サブビット線のY選択ゲートと偶数サブビット線のY選択ゲートそれぞれに対して、奇数サブビット線選択用のブロック選択信号および偶数サブビット線選択用のブロック選択信号が与えられる。
ビット線周辺回路60においては、センスアンプ回路26においてビット毎ベリファイ回路62が設けられ、このビット毎ベリファイ回路62がデータラッチ回路28に結合される。このビット毎ベリファイ回路62は、その構成は後に説明するが、消去モード時および書込モード時、対応のメモリセルが消去状態または書込状態にあるかを検出し、その検出結果を示す信号を生成する。
データラッチ回路28は、メインビット線MBL0−MBLmに対応して設けられるデータラッチを含み、データ書込時、与えられた書込データをラッチする。
制御回路34においては、ビット毎ベリファイ回路62からのベリファイ結果指示信号に従って全てのメモリセルが、消去状態または書込データに応じた状態に設定されたかを判定するベリファイ判定回路70と、ベリファイ判定回路70の判定結果に従ってさらに書込または消去を実行する書込/消去制御部72を含む。
この制御回路34は、たとえば、シーケンスコントローラで構成され、外部からのコマンドCMDが指定する動作モードに従って、所定のシーケンスで内部電圧および内部制御信号を生成する。
図8は、この発明の実施の形態1に従う不揮発性半導体記憶装置のデータ書込モード時の動作を示すフロー図である。以下、図8を参照して、図5から図7に示す不揮発性半導体記憶装置のデータ書込モード時の動作について説明する。
まず、図5に示す制御回路30は、外部からのコマンドCMDがデータ書込を指示する状態に設定されるのを待つ(ステップS1)。以下の説明においては、書込指示が与えられ、データ“1”または“0”の書込を行うとき、しきい値電圧を低くする消去を行うモードを消去動作モードと称し、また、しきい値電圧を高くする動作モード時は、書込動作モードと称す。書込対象の領域が、消去状態のときには、対象領域に対するデータの書込が行われる。書込対象の領域がすでにデータの書込状態のときには、書込モード時においては、消去動作モードと書込動作モードとが実行される。
このコマンドCMDが、データ書込を指示する書込コマンドの場合、制御回路34は、まず、入出力回路32を介して与えられる書込データをたとえば図示しないページバッファまたは図5に示すデータラッチ回路28にラッチする(ステップS2)。
以下の説明においては、不揮発性メモリセルに対してデータ“0”の書込は、メモリセルを書込状態に設定することに対応し、データ“1”を書込むことは、メモリセルを消去状態に設定することに対応する。したがって、書込データの“0”および“1”のいずれが書込データとして与えられたかが識別されていないため、まず、書込対象のメモリセルを含むメモリセル群を消去状態に設定する必要がある。このため、書込指示が与えられると、まず、書込対象の領域が消去状態にあるかの判定が行なわれる(ステップS3)。
書込対象の領域が書込状態のときには、消去動作のセットアップが実行される(ステップS4)。この消去動作のセットアップ時においては、メモリゲート電圧Vmgが、たとえば−6Vの負の消去高電圧に設定され、ソース線電圧Vslが、たとえば6.5Vの正の消去高電圧に設定される。
次いで、アドレス信号(AD)に従って、書込対象のメモリセルに対する消去動作が実行される(ステップS5)。この場合、たとえば図6において、選択ゲート線CGaおよびメモリゲート線MGaに接続されるメモリセルMCに対する書込が行なわれる場合、まずソース線SLaが、消去高電圧(6.5V)に設定され、メモリゲート線MGaが、負の消去高電圧(−6V)に設定される。選択ゲート線CGa、およびCGbは、接地電圧レベルに維持され、また、メモリゲート線MGbは、接地電圧レベルに維持される。これにより、メモリゲート線MGaおよびソース線SLaの間の高電圧により、メモリゲート線MGaに結合されるメモリトランジスタMTにおいて、ソース線SLaから絶縁膜(7)に対しホールが注入され、メモリトランジスタMTが消去状態に設定される。この消去状態は、しきい値電圧が低い状態であり、上述の様に、データ“1”が書込まれた状態に対応する。
この消去動作完了後、まず、メモリゲート電圧Vmgおよびソース線電圧Vslのリセットが実行され、また、メモリゲートドライブ回路52aおよびソース線ドライブ回路54aは、メモリゲート線MGaおよびソース線SLaを非選択状態の初期状態に設定する(ステップS6)。
次いで、この消去動作後、消去ベリファイが実行される(ステップS7)。この消去ベリファイ時においては、書込対象の領域のメモリセルが消去状態にあるかを判定するためのベリファイ電圧の生成が行なわれる。メモリゲート線MGaに対し、メモリゲート電圧Vmgとして、消去状態のしきい値電圧よりも少し高い電圧レベルのベリファイ電圧Versが与えられ、選択ゲート線CGaに、選択ゲートドライブ回路50aを介して、たとえば1.5Vの電圧が与えられる。この状態で、データの読出を実行する。メモリセルMCが消去状態になく、この消去ベリファイ電圧Versよりもそのしきい値電圧が高い状態のときには、メインビット線MBLおよびサブビット線SBLには、電流は流れない。一方、メモリセルMCが消去状態にあり、そのしきい値電圧が、消去ベリファイ電圧Versよりも低い場合には、メインビット線MBLおよびサブビット線SBLを介して電流が流れる。
各メインビット線の電圧レベルを、図6に示すビット線周辺回路60に含まれるビット毎ベリファイ回路62で保持する。ビット毎ベリファイ回路62に保持されるベリファイ結果に従って、制御回路34に含まれるベリファイ判定回路70(図7参照)において、書込対象のメモリセルがすべて消去状態にあるかの判定が行なわれる(ステップS8)。書込対象のメモリセルがすべて消去状態にない場合には、再びステップS4に戻り、消去動作および消去ベリファイが実行される。
書込対象の領域のメモリセルが、消去状態に設定されていると、書込対称の領域に対してデータの書込が行われる。すなわち、ステップS3において、書込対象の領域のメモリセルが、消去状態にあると判定される(例えば、消去フラグを参照して)か、または、ステップS8において、すべての書込対象のメモリセルが消去状態にあると判定されると、次いで、データ“0”の書込が実行される。この書込時においては、データ“0”を書込むメモリセルに対し、メモリゲート電圧Vmgがたとえば11.5Vの正の書込高電圧レベルに設定され、ソース線電圧Vslが、たとえば5.5Vの正の書込高電圧レベルに設定される。選択ゲート電圧Vcgは、1.5Vであり、ビット線(サブビット線)電圧Vblは、たとえば0.8Vに設定される。この場合、データ“1”が書込まれるメモリセルに対しては、ビット線(メインビット線およびサブビット線)の電圧が、選択ゲート電圧Vcgとほぼ同程度の電圧(1.2〜1.5V)の電圧レベルに設定され、選択トランジスタを非導通状態に維持する(ステップS8)。
次いで、これらの生成された内部電圧VmgおよびVslに従って、データ“0”の書込が実行される(ステップS10)。すなわち、データ“0”を書込むメモリセルに対しては、メモリゲート電圧Vmgが11.5Vに、対応のメモリゲートドライブ回路(52a)により設定され、一方、ソース線SLaは、ソース線ドライブ回路54aにより、正の書込高電圧(5.5V)に設定される。選択ゲート線CGaが、1.5Vに設定される。サブビット線SBLa−SBLbにおいては、書込データは“0”および“1”に応じて、それぞれ対応の書込電圧レベルに設定される。ビット線電圧(サブビット線およびメインビット線)が、選択ゲート電圧Vcgよりも選択トランジスタSTのしきい値電圧以上低い電圧レベルに設定され、選択トランジスタが弱いオン状態に設定されると、メモリトランジスタMTおよび選択トランジスタSTがともに導通し、そのチャネル電流からのホットエレクトロンが、メモリトランジスタMTの絶縁膜に注入され、そのしきい値電圧が上昇する。
一方、データ“1”が書込まれるメモリセルに対しては、そのビット線(サブビット線およびメインビット線)の電圧は、選択ゲート電圧Vcgと同程度の電圧レベルであり、選択トランジスタSTは非導通状態であり、このメモリセルMCにおいてチャネル電流は流れず、ホットエレクトロンは生成されない。従って、そのしきい値電圧は消去状態時のしきい値電圧を維持し、メモリセルは、データ“1”を保持する状態に維持される。
書込動作完了後、書込動作のリセットが行なわれる(ステップS11)。この書込動作のリセット時においては、各電圧Vcg、VmgおよびVslの電圧レベルの初期値への設定(たとえば内部電源電圧レベル)が行われ、また、選択行に対応して配置されたメモリゲート線MGa、選択ゲート線CGaおよびソース線SLaが、非選択状態に駆動される。
なお、この書込時において、ソース線SLaが、書込高電圧レベルに設定されても、隣接行のメモリゲート線MGbは非選択状態(接地電圧レベル)であり、メモリトランジスタMTは非導通状態であり、チャネルホットエレクトロンは生成されない。
次いで、この書込により、メモリセルのしきい値電圧が所定値以上に上昇したかのベリファイを行なうために、まず、書込ベリファイのセットアップが行なわれる(ステップS12)。この書込ベリファイセットアップにおいては、メモリゲート電圧Vmgとして、書込状態のメモリセルのしきい値電圧よりも低い書込ベリファイ電圧Vprgが生成される。選択ゲート電圧Vcgは、たとえば内部電源電圧レベル(1.5V)に設定され、ビット線(サブビット線およびメインビット線)は、読出電圧レベルに設定される。ソース線SLaは、接地電圧レベルに維持される。
メモリセルが書込状態にある場合、メモリトランジスタのしきい値電圧は、書込ベリファイ電圧Vprgよりも高い状態であり、メモリセルを介しては電流は流れず、ビット線(メインビット線およびサブビット線)は、ほぼ、プリチャージ状態の読出電圧レベルに維持される。一方、対応のメモリトランジスタのしきい値電圧が、書込ベリファイ電圧Vprgよりも低い場合には、メモリセルを介して電流が流れる(メモリトランジスタMTが導通するため)。これにより、メインビット線の電圧が、プリチャージ状態の読出電圧よりも低い電圧レベルとなる。
このビット線(メインビット線)の電圧を、センスアンプ回路26(図5参照)に含まれるベリファイ用のセンスアンプにより検出して、ラッチすることにより、ベリファイが実行される(ステップS12)。このベリファイ用のセンスアンプは、データを外部に読出す際に利用されるセンスアンプであってもよい。
この書込ベリファイ動作完了後、各ベリファイ電圧リセットが実行される(ステップS14)。各ベリファイセンスアンプの出力信号に従ってデータ“0”が書込まれるメモリセルが、書込状態(しきい値電圧が高い状態)にあるかの判定が行なわれる(ステップS14)。このデータ“0”を書込メモリセルがすべて書込状態にある場合(PASS状態)の場合には、書込が完了する。
一方、1ビットでもデータ“0”を書込むメモリセルのしきい値電圧が、書込ベリファイ電圧Vprgよりも低い場合(FAILの場合)には、再びステップS9に戻り、書込対象のメモリセルに対して、再度、書込動作が実行される。
本発明においては、この書込モード時の消去動作および書込動作およびベリファイ動作時に生成される電圧の少なくとも1つを、メモリセルのアドレス(行)の値に応じて調整する。
図9は、図7に示すビット毎ベリファイ回路62の1ビットのベリファイ回路の構成の一例を概略的に示す図である。図9においては、図7に示すデータラッチ回路28の1ビットの構成を併せて示す。
図9において、ビット毎ベリファイ回路62の1ビットベリファイ回路は、メインビット線MBLに読出電流を供給するPチャネルMOSトランジスタ80と、書込動作時、メインビット線MBLを介してメモリセルMCにビット線書込電圧を供給するPチャネルMOSトランジスタ82およびNチャネルMOSトランジスタ84と、ベリファイ動作時、メインビット線MBL上の電位を基準電圧Vrefと比較するベリファイセンスアンプ88と、センスアンプ88の出力信号をラッチするラッチ90を含む。図9においては、ベリファイ用にセンスアンプが設けられる構成を一例として示す。このベリファイセンスアンプ88は、外部へのデータ読出を行うために利用されても良い。
PチャネルMOSトランジスタ80は、読出動作活性化信号ZRENの活性化(Lレベル)に従って電源ノードから電流をメインビット線MBLおよびサブビット線SBLを介してメモリセルMCに供給する。この読出動作活性化信号ZRENは、データ読出モード時およびベリファイ読出モード時に活性化される。電源電圧Vddは、一例として、1.5Vの電圧レベルである。
PチャネルMOSトランジスタ82は、書込(プログラム)動作活性化信号ZPRGの活性化に従って、電源ノードからメインビット線MBLへ電流を供給する。MOSトランジスタ84は、1ビットデータラッチ95のラッチデータと書込動作活性化信号ZPRGを受けるNORゲート86の出力信号に従って選択的に導通する。
MOSトランジスタ82および84がともに導通状態となると、これらのMOSトランジスタ82および84のオン抵抗により決定される電圧レベルに、メインビット線MBLの電圧レベルが設定され、応じてメモリセルMCが接続するサブビット線の電位が設定され、選択メモリセルに対してビット線書込電圧が供給される。この書込動作活性化信号ZPRGは、メモリセルを書込状態に設定するとき、すなわち、書込動作モード時に活性化される。
ベリファイセンスアンプ88は、ベリファイセンス活性化信号VSENの活性化に従って活性化され、メインビット線MBL上の電位を基準電圧Vrefと比較する。ラッチ90は、ベリファイセンスアンプ88の出力信号をラッチする。ラッチ90の出力信号が、図7に示すベリファイ判定回路70へ与えられる。ラッチ90のラッチデータがすべて消去状態を示す状態に設定されると、このベリファイ判定回路70は、消去動作時においては、すべてのメモリセルが消去状態に設定されたと判定する。一方、書込動作時においては、ベリファイ判定回路70は、1ビットラッチ95からの書込データとラッチ90からのラッチデータとの一致/不一致判定を行ない,その判定結果に従って書込対象のメモリセルが全て書込まれたと判定する。
データラッチ回路28に含まれる1ビットデータラッチ95は、インバータ96および98と、ラッチ指示信号LATの活性化に従って書込データDを内部ノード99へ転送するトランスファゲート100とを含む。インバータ96は、トランスファゲート94からの信号を内部ノード99に反転して転送し、インバータ98は、内部ノード99の信号を反転してトランスファゲート94に転送する。この1ビットデータラッチ95は、図5に示すデータラッチ回路28に含まれずに、データラッチ回路28とは別に設けられても良い。この1ビットデータラッチ95のラッチデータの反転データがベリファイ判定回路70へ与えられ、書込ベリファイ時に読出データと反転データとの論理値の一致/不一致が判定される。
ラッチ指示信号LATは、外部からのコマンドが書込を指示するとき、活性化され、転送された書込データがこの1ビットデータラッチ95にラッチされる。データの書込単位は、消去単位と同様、一行のメモリセルであるとする。しかしながら、1行のメモリセルが消去された後、例えばバイト単位でのデータの書込が実行されても良い。このバイト単位の書込を行う場合には、メインビット線をさらに選択して、データラッチ回路に結合する。この場合、データラッチ回路28においては1バイトのデータラッチが配置される。この1バイトのデータラッチの1ビットデータラッチが、図9に示す1ビットデータラッチ95に対応する。
なお、以下の説明において、書込データDは、消去状態に対応する論理値“1”のときにはHレベルに設定され、書込状態に対応する論理値“0”のときにLレベルに設定されるとする。
消去動作時においては、メモリゲート電圧Vmgが、負の消去高電圧(たとえば−6V)に設定され、ソース線SLが、正の消去高電圧(たとえば6.5V)に設定される。選択ゲート電圧Vcgは、接地電圧レベルであり、また、サブビット線(SBL)はフローティング状態に設定される。これにより、メモリセルMCの絶縁膜にホールが注入され、そのしきい値電圧が低下する。
消去ベリファイモード時においては、メモリゲート電圧Vmgが消去ベリファイ電圧(Vers)レベルに設定され、選択ゲート電圧Vcgが、内部電源電圧Vdd(たとえば1.5V)の電圧レベルに設定される。読出動作活性化信号ZRENに従ってMOSトランジスタ80が導通し、電源ノードからメインビット線MBLを介してメモリセルMCに電流を供給する。メモリセルMCのしきい値電圧Vthmが、消去ベリファイ電圧Versよりも高い場合には、メモリトランジスタはMOSトランジスタ80からの供給される電流を放電することができず、メインビット線MBLの電圧レベルは基準電圧Vrefよりも高い電圧レベルとなる。したがって、ベリファイセンスアンプ88が、このベリファイセンス活性化信号VESNの活性化に従ってセンス動作を行なうと、ベリファイセンスアンプ88の出力信号はHレベルとなり、ラッチ90にHレベルの信号がラッチされ、消去不良が示される。
一方、メモリセルMCのしきい値電圧Vthmが消去ベリファイ電圧Versよりも低い場合には、メモリセルMCのメモリトランジスタ導通して、MOSトランジスタ80から供給される電流を放電し、メインビット線MBLの電圧が基準電圧Vrefよりも低くなる。この場合、ベリファイセンスアンプ88がベリファイセンス活性化信号VSENの活性化に従って活性化されると、その出力信号はLレベルとなり、応じて、ラッチ90にLレベルの信号がラッチされ、正常消去が示される。
このラッチ90のラッチ信号が、図7に示すベリファイ判定回路70へ与えられる。ベリファイ判定回路70においては、ラッチ90のラッチ信号がすべてLレベルとなるまで、書込/消去制御部72(図7参照)に消去指示信号を与える。書込/消去制御部72は、このベリファイ判定回路からの消去指示に従って、選択ゲート線およびメモリゲート線およびソース線に、消去に必要な電圧を印加する。
ラッチ90のラッチデータが、すべて消去状態を示すLレベルに設定されると、消去単位の例えば1行のメモリセルのしきい値電圧は、消去ベリファイ電圧Versよりも低く、すべてのメモリセルが消去状態にあることが示され、ベリファイ判定回路70は消去動作が完了したことを示す信号を書込/制御部72へ与える。書込/消去制御部72は、このベリファイ判定回路70の出力信号に従って消去動作を完了する。書込コマンド印加時においては書込/消去制御部72は、書込動作に移行する。
書込動作モード時においては、書込動作活性化信号ZPRGが活性化される(Lレベルに設定される)。1ビットデータラッチ95においては、内部ノード99に、書込データDに応じた電圧レベルが保持される。したがって、書込データDが、論理値“1”でありHレベルのときには、書込動作活性化信号ZPRGの活性化に関わらず、NORゲート86の出力信号はLレベルに維持され、MOSトランジスタ84は非導通状態を維持する。この状態においては、書込動作時、書込動作活性化信号ZPRGの活性化に従って、MOSトランジスタ82が導通し、メインビット線MBLおよびサブビット線SBLが、電源電圧Vddレベルにプリチャージされる。したがって、メモリセルMCにおいて選択ゲート電圧Vcgがたとえば電源電圧レベルの1.5Vであっても、その選択トランジスタのゲート−ソース間電圧はしきい値電圧よりも低いため、選択トランジスタはオフ状態であり、メモリセルMCに対するデータの書込は禁止される。すなわち、メモリセルMCは消去状態に維持され、データ“1”を維持する。
一方、書込データDが、論理値“0”であり、Lレベルの場合、NORゲート86の出力信号は書込動作活性化信号ZPRGの活性化に従ってHレベルとなり、MOSトランジスタ84が導通する。この場合、MOSトランジスタ82および84のオン抵抗比により、メインビット線MBLおよびサブビット線SBLの電圧レベルが設定される。したがって、メモリセルMCにおいて選択ゲート電圧Vcgとサブビット線(SBL)の電圧差は、この選択トランジスタのしきい値電圧よりも少し高い状態となる。ソース線SLは、書込高電圧に設定され、また、メモリゲート電圧Vmgも書込高電圧レベルに設定される。この状態においては、メモリセルMCにチャネル電流が流れ、ホットエレクトロンが生成されてメモリトランジスタの絶縁膜に注入され、そのしきい値電圧が高い方向にシフトする。
ベリファイ動作時においては、読出動作活性化信号ZRENが活性化される。メモリゲート電圧Vmgは、書込ベリファイ電圧Vprgレベルに設定され、選択ゲート電圧Vcgは、内部電源電圧Vddレベルに設定される。メモリセルMCのしきい値電圧Vthmが、書込ベリファイ電圧Vprgよりも低い場合には、メモリトランジスタが導通し、メインビット線MBLに電流が流れ、メインビット線MBLの電圧レベルは、基準電圧Vrefよりも低くなる。この場合、ベリファイセンスアンプ88の出力信号がベリファイセンス活性化信号VSENの活性化に従ってLレベルとなり、ラッチ90にLレベルの信号がラッチされる。
一方、メモリセルMCのしきい値電圧Vthmが、この書込ベリファイ電圧Vprgよりも高い場合には、メモリトランジスタはオフ状態となり、メインビット線MBLには電流は流れず、メインビット線MBLの電圧レベルは、基準電圧Vrefよりも高くなる。ベリファイセンス活性化信号VSENの活性化に従ってベリファイセンスアンプ88がセンス動作を行なうと、その出力信号がHレベルとなり、ラッチ90にHレベルの信号がラッチされる。
メモリセルのしきい値電圧Vthmが、書込ベリファイ電圧Vprgよりも高く、ラッチ90のラッチデータがHレベルのとき、書込データDが論理値“0”であれば、書込データとメモリセルの記憶データとは論理値が一致している。一方、メモリセルのしきい値電圧Vthmが、書込ベリファイ電圧Vprgよりも低く、ラッチ90のラッチデータがLレベルであり、書込データDの論理値が“0”であれば、書込データとメモリセルの記憶データの論理値は不一致である。
書込データが“1”の時には、メモリセルは消去状態にあり、対応のメモリセルに対する書込は行われず、消去状態に維持され、そのしきい値電圧Vthmは、書込ベリファイ電圧Vprgよりも低い電圧レベルであり、ラッチ90には、Lレベルのデータが保持される。このとき書込データは論理値が“1”である。
従って、インバータ98からの反転書込データの論理値とラッチ90の論理値が一致すると対応のメモリセルの記憶データが書込データと一致し、書込が正常に行われたと判定することができる。
書込データに対応して設けられるラッチ90に格納されるデータのパターンが、入力データパターンと一致するまで書込が繰返し実行される。
なお、図9に示す各制御信号ZREN、ZRPG、VSEN、およびLATは、図7に示す書込・消去制御部72から生成される。
図10は、不揮発性メモリセルのしきい値電圧の経時変化を概略的に示す図である。図10において縦軸に、メモリセルのしきい値電圧Vthを単位V(ボルト)で示し、横軸に、時間を示す。また、図10において、破線で、初期しきい値電圧Vthiが高いメモリセルのしきい値電圧の経時変化を示し、実線で、初期しきい値電圧の低いメモリセル(低Vthiセル)のしきい値電圧の経時変化を示す。
図10において、時刻t0において、書込/消去動作完了直後、データ“0”を保持するメモリセルは、そのしきい値電圧Vthが書込状態のしきい値電圧PVレベルであり、一方、データ“1”を保持するメモリセルのしきい値電圧Vthは、消去状態のしきい値電圧EVの電圧レベルである。ここで、図10においては、1つのメモリセルのしきい値電圧の経時変化を考慮する。
メモリセルMCにおいては絶縁膜に蓄積されるキャリア(エレクトロンまたはホール)は、時間が経過するにつれ、漸次、放出され、そのしきい値電圧Vthが変化する。データ“0”を保持するメモリセルの場合、時間経過とともに、保持するエレクトロンが放出され、そのしきい値電圧が低下する。この場合、メモリトランジスタは、安定状態の初期しきい値電圧へ移行する方向にそのしきい値電圧が変化する。従って、初期しきい値電圧Vthiが高い高Vthiセルのしきい値電圧Vthが、初期しきい値電圧Vthiが低い低Vthiセルよりも高い状態で、そのしきい値電圧Vthが変化する。すなわち、初期しきい値電圧Vthiの低いメモリトランジスタは、比較的早くエレクトロンが低減する傾向がある。また、書込特性も、初期しきい値電圧の低いメモリセルの方が、書込が遅くなる傾向にある。
一方、データ“1”を保持するメモリセルにおいては、時間経過とともに、安定状態の初期しきい値電圧に向かってそのしきい値電圧が変化する。すなわち、絶縁膜中の蓄積ホールが放出され、しきい値電圧Vthが上昇する。この場合、初期しきい値電圧Vthiが高い高Vthiセルのしきい値電圧は、初期しきい値電圧Vthiが低い低Vthiセルの場合よりも高くなる。
このしきい値電圧Vthの経時変化の初期しきい値電圧依存性は、以下のように考えることもできる。すなわち、絶縁膜の電気的特性が高Vthiセルおよび低Vthiセルにおいて同一であるとする。高Vthiセルは、等価的に、低Vthiセルよりも、絶縁膜中のエレクトロンが多い状態に対応し、低Vthiセルは、等価的に、高Vthiセルよりも絶縁膜中のホール濃度が高い状態に対応する。従って、時間が経過して、エレクトロンおよびホールが絶縁膜中から放出される場合、高Vthiセルの方が低Vthiセルよりも、等価的に、エレクトロンの減少速度が遅くなり、一方、低Vthiセルにおいては高Vthiセルよりも、等価的に、ホールの減少速度が遅くなる。
ベリファイを含むデータ読出時においては、読出電圧Vreadが、メモリゲート電圧Vmgとして与えられる。したがって、高Vthiセルおよび低Vthiセルは、このメモリゲート読出電圧Vreadに対するマージンが、時間が経過するとともに小さくなる。この場合、データ“0”および“1”を正確に読出すためには、このデータ“0”を読出す“0”読出下限値およびデータ“1”を正確に読出す“1”読出下限値が存在する。したがって、初期しきい値電圧Vthiが異なるメモリセルは、それぞれ“0”読出下限値および“1”読出下限値に対するマージンが小さくなる。従って、書込/消去後のメモリトランジスタのしきい値電圧を同一電圧レベルに設定した場合、初期しきい値電圧Vthiの低い低Vthiセルに対しては、“0”読出マージンが小さくなり、初期しきい値電圧Vthiの高い高Vthiセルについては、“1”読出マージンが小さくなる。従って、各メモリセルの初期しきい値電圧Vthiがばらついた場合、読出電圧Vreadに対するマージンがバラツキ、メモリセルの電気的特性がバラツキ、読出速度に差を生じ、安定な読出を保証することができなくなる可能性がある。
図11は、この発明に従うメモリセルのメモリトランジスタのしきい値電圧の経時変化を概略的に示す図である。図11において、縦軸に、メモリセルのしきい値電圧Vthを示し、横軸に時間を示す。また、実線で低Vthiセルのしきい値電圧の経時変化を示し、破線で高Vthiセルのしきい値電圧Vthの経時変化を示す。
この発明においては、初期しきい値電圧Vthiが高い高Vthiセルに対しては、書込後のしきい値電圧を電圧PV1に設定し、低Vthiセルに対しては書込後のしきい値電圧を、電圧PV1よりも高い電圧PV2に設定する。一方、消去状態のデータ“1”を保持するメモリセルに対しては、その消去後のしきい値電圧を、低Vthiセルに対しては電圧EV2に設定し、高Vthiセルに対しては、低Vthiセルよりも低い電圧EV1に設定する。
データ“0”をメモリセルが保持する場合、高Vthiセルのしきい値電圧Vthの経時変化は、低Vthiセルよりも速いものの、時間が経過すると、ほぼ同じしきい値電圧の経時変化を示す。また、データ“1”を保持するメモリセルについては、高Vthiセルは、そのしきい値電圧の変化速度(上昇速度)が低Vthiセルよりも遅く、時間が経過すると、この高Vthiセルおよび低Vthiセルの経時変化特性はほぼ同じとなる。
したがって、書込/消去後、ある時間が経過した後、メモリセルにおいては、高Vthiセルおよび低Vthiセルは、それぞれ“0”読出限界値および“1”読出上限値に対し、同じマージンを有することができ、その電気的特性を同じとすることができ、安定なデータ読出を行なうことができる。
この高Vthiセルおよび低Vthiセルの存在は、前述のように、レイアウトパターンの変化に起因すると考える。したがって、このレイアウトパターンの差により、予め、そのメモリセル位置に応じて、メモリセルが高Vthiセルであるか、低Vthiセルであるかを識別することができ、メモリセルのアドレス位置に応じて、その消去後または書込後の時刻t0の出発しきい値電圧を設定する。このメモリセルの初期しきい値電圧の分布は、製造工程後のテスト時にメモリセル(メモリトランジスタ)のしきい値電圧分布を測定することにより、識別することができる。
図12は、この発明の実施の形態1に従う内部電圧発生回路40の構成の一例を概略的に示す図である。図12においては、メモリゲート電圧Vmgを生成する部分の構成を一例として示す。
図12において、内部電圧発生回路40は、バッファ時クロック信号CLKを生成するオシレータ102と、動作時、このクロック信号CLKに従ってチャージポンプ動作を行なって昇圧電圧Vppを生成するチャージポンプ104と、この昇圧電圧Vppを分圧する分圧器106と、分圧器106の生成する分圧電圧Vpp2の電圧レベルに応じてチャージポンプ109の動作を制御する比較器108と、オシレータ102および分圧器106の動作を制御する電圧制御回路110を含む。
電圧制御回路110は、図1に示す制御回路34からの動作モード指示信号をOPMODとアドレス信号ADXとを受け、動作モード指示信号OPMODが昇圧動作が必要な動作モードを示すとき、すなわち消去、書込および読出(ベリファイを含む)動作を示すとき、オシレータ102に対するクロックイネーブル信号CKEMを活性化し、また、この動作モード指示信号OPMODに応じて、電圧レベルを指定するレベル選択信号LVL<n:1>を生成して分圧器106へ与える。この電圧制御回路110は、またアドレス入力回路からの行アドレス信号ADXから所定のアドレスビットAddを抽出して分圧器106へ与える。
オシレータ102は、たとえばリングオシレータで構成され、クロックイネーブル信号CKENの活性化時発振動作を行なって、一定の周期のクロック信号をCLKを生成する。比較器108は、分圧器106の生成する分圧電圧(降圧電圧)Vpp2と基準電圧VREFとを比較し、その比較結果に従ってポンプイネーブル信号PUENを生成してチャージポンプ104へ与えられる。チャージポンプ104は、ポンプイネーブル信号PUENの活性化時、クロック信号CLKに従ってキャパシタによるチャージポンプ動作を行なって昇圧電圧Vppを生成する。
分圧器106は、この電圧制御回路110からのレベル選択信号LVL<n:1>およびアドレスビットAddに従って昇圧電圧Vppの分圧比を変更して分圧電圧(降圧電圧)Vpp2を生成する。この分圧器106において特定のアドレスビットAddにより分圧比を調整することにより、各メモリセルのアドレスに応じて昇圧電圧Vppの電圧レベルを調整する。
この昇圧電圧Vppは、メモリゲート電圧Vmgとしてメモリゲート線(MG)へ与えられる。動作モード指示信号OPMODが、書込ベリファイモードを示すとき、このメモリゲート電圧Vmgの電圧レベルを調整することにより、応じてデータ“1”を記憶するメモリセル(メモリトランジスタ)のしきい値電圧を調整することができる。また、この動作モード指示信号OPMODが、消去ベリファイモードを示す場合においても、同様、メモリゲート線へ与えられる消去ベリファイ電圧レベルを特定のアドレスビットAddに応じて調整することにより、メモリセルの消去状態のしきい値電圧を、調整することができる。
図13は、図12に示す分圧器106の構成の一例を概略的に示す図である。図13において、分厚き106は、レベル選択信号LVL<n:1>とアドレスビットAddとに従って電圧レベルを指定する電圧レベル切換信号SW<n:1>を生成する電圧レベル調整回路120と、昇圧電圧Vppを抵抗分割する抵抗分圧回路122と、この抵抗分圧回路122の分圧電圧および電圧レベル調整回路120からの電圧レベル切換信号SW<n:1>に従って降圧電圧(分圧電圧)Vpp2を生成する選択回路125を含む。
抵抗分圧回路122は、昇圧電圧Vppを供給する昇圧ノード(チャージポンプ104の出力ノード)と接地ノードの間に直列に接続される抵抗素子R1−R(n+1)を含む。ここで、図13においては、一例として、電圧レベルが5段階に切換えられる場合の構成を示し、したがって、レベル選択信号LVL<n:1>は、5ビットレベル選択信号LVL<5:1>で構成され、また、分圧用の抵抗分圧回路122は、抵抗素子R1−R6で構成される。
抵抗素子R1−R6の接続ノードから、分圧電圧V1−V5が生成される。これらの分圧電圧V1−V5それぞれに対応して、選択回路125においては、スイッチゲートSX1−SX5が設けられる。これらのスイッチゲートSX1−SX5は、電圧レベル調整回路120からの電圧レベル切換信号SW<1>−SW<5>に従って対応の分圧電圧を選択して降圧電圧Vpp2を生成する。
電圧レベル調整回路120は、アドレスビットAddを反転するインバータIV0と、電圧レベル切換信号SW<1>−SW<5>それぞれに対応して設けられるゲート回路群を含む。電圧レベル切換信号SW<1>に対しては、ゲート回路G1が設けられる。このゲート回路G1は、電圧レベル選択信号LVL<1>および補のアドレスビット/AddがともにHレベルのときに、電圧レベル切換信号SW<1>をHレベルの活性状態に設定する。
電圧レベル切換信号SW<2>に対しては、ゲート回路G2およびG3と、これらのこのゲート回路G2およびG3の出力信号を受けるゲート回路GT1とが設けられる。ゲート回路G2は、電圧レベル選択信号LVL<1>とアドレスビットAddとを受け、両者がHレベルのときにHレベルの信号を出力する。ゲート回路G3は、電圧レベル選択信号LVL<2>と補のアドレスビット/Addとを受け、両者がHレベルのときにHレベルの信号を出力する。ゲート回路GT1は、ゲート回路G2およびG3の一方の出力信号がHレベルのときに電圧レベル切換信号SW<2>を活性状態のHレベルに設定する。
電圧レベル切換信号SW<3>に対しては、ゲート回路G4、G5およびGT2が設けられる。ゲート回路G4は、電圧レベル選択信号LVL<2>およびアドレスビットAddとを受け、両者がHレベルのときにHレベルの信号を出力する。ゲート回路G5は、電圧レベル選択信号LVL<3>および補のアドレスビット/Addとを受け、両者がHレベルのときにHレベルの信号を出力する。ゲート回路GT2は、ゲート回路G4およびG5の出力信号の一方がHレベルのときに、電圧レベル切換信号SW<3>をHレベルの活性状態に設定する。
電圧レベル切換信号SW<4>に対しては、ゲート回路G6、G7およびGT3が設けられる。ゲート回路G6は、電圧レベル選択信号LVL<3>とアドレスビットAddとを受け、両者がHレベルのときにHレベルの信号を出力する。ゲート回路G7は、電圧レベル選択信号LVL<4>と補のアドレスビット/Addとを受け、両者がHレベルのときにHレベルの信号を出力する。ゲート回路GT3は、ゲート回路G6およびG7の一方の出力信号がHレベルのときに、電圧レベル切換信号SW<4>をHレベルの活性状態に設定する。
電圧レベル切換信号SW<5>に対しては、ゲート回路G8、G9およびGT4が設けられる。ゲート回路G8は、電圧レベル選択信号LVL<4>とアドレスビットAddとを受け、両者がHレベルのときにHレベルの信号を出力する。ゲート回路G9は、電圧レベル選択信号LVL<5>と補のアドレスビット/Addとを受け、両者がHレベルのときにHレベルの信号を出力する。ゲート回路GT4は、ゲート回路G8およびG9の出力信号の一方がHレベルのときに、電圧レベル切換信号SW<5>をHレベルの活性状態に設定する。
スイッチゲートSX1−SX5は、それぞれ、与えられた電圧レベル切換信号SW<1>−SW<5>が活性状態(Hレベル)のときに、対応の分圧電圧V1−V5を選択して、降圧電圧Vpp2を生成する。
電圧レベル選択信号LVL<1>−LVL<5>は、動作モードに応じて、1つがHレベルの活性状態に設定される。この内部電圧発生回路は、各動作モードに応じて、すなわち、書込動作モード、消去動作モード、書込ベリファイモード、消去ベリファイモード、および読出モードそれぞれに対応して設けられても良く、また、負の消去高電圧を以外の電圧が、この図13に示す内部電圧発生回路により生成されても良い。
アドレスビットAddは、例えば、最下位アドレスビットであり、本実施の形態1においては、選択メモリセルが、偶数行にあるか奇数行にあるかに応じて、そのビット値が設定される。
今、メモリセルの初期しきい値電圧分布の一例として、偶数行のメモリセルの初期しきい値電圧Vthiが低く、奇数行のメモリセルのしきい値電圧Vthiが高いとする。この初期しきい値電圧Vthiの分布は、テストモード時における初期しきい値電圧分布の分布(動作マージンテストにより検出される)により検出される。
図13に示す分圧器106において、アドレスビットAddが“0”(Lレベル)であり、偶数セル(偶数行のメモリセル)が指定された場合、ゲート回路G1、G3、G5、G7およびG9がイネーブルされ、ゲート回路G2、G4、G6、およびG8は、ディスエーブル状態に維持される。したがって、この場合、電圧レベル選択信号LVL<1>−LVL<5>に従って電圧レベル切換信号SW<1>−SW<5>が生成される。
一方、アドレスビットAddが、“1”(Hレベル)であり、奇数セル(奇数行のメモリセル)が指定された場合、ゲート回路G2、G4、G6およびG8がイネーブルされ、ゲート回路G1、G3、G5、G7、およびG9はディスエーブルされる。この場合、電圧レベル選択信号LVL<1>−LVL<4>に従って電圧レベル切換信号SW<2>−SW<5>が活性化される。
たとえば、電圧レベル選択信号LVL<2>が活性状態のときに、アドレスビットAddがHレベルのときには、電圧レベル切換信号SW<3>が活性化され、スイッチゲートSX3が分圧電圧V3を選択する。一方、この場合、アドレスビットAddが“0”であるときには、電圧レベル切換信号SW<2>が活性化され、スイッチゲートSX2により電圧V2が、降圧電圧Vpp2として選択される。
図12に示すように、昇圧電圧Vppは、降圧電圧Vpp2と基準電圧VREFの電圧レベルが等しくなるように、比較器108の出力信号に従ってその電圧レベルが調整される。この場合、昇圧電圧Vppは、次式で表わされる:
Vpp=VREF・Z/r
ここで、Zは、抵抗素子R1−R6の合成抵抗値であり、rは、分圧比を示す。
したがって、電圧V2選択時に比べて電圧V3の選択時の方が、昇圧電圧Vppの電圧レベルが高くなる(rが小さくなるため)。すなわち、アドレスビットAddが“0”であり、偶数セル選択時に、昇圧電圧Vppの電圧レベルを高くする。ここで、前述のように、偶数セルが、低Vthiセルであり、奇数セルが、高Vthiセルであると想定している。この低Vthiセルおよび高Vthiセルのアドレスが逆の場合には、図13に示すアドレスビットの印加態様が、逆転される。
低Vthiセル選択時には、高Vthiセル選択時に比べて、メモリゲート電圧Vmgの電圧レベルが高くされる。以下に説明するように、本実施の形態1においては、この電圧Vmgは、書込または消去ベリファイ電圧であり、書込後の低Vthiセルのしきい値電圧の下限値を、高Vthiセルに比べて高くし、また、消去後の高Vthiセルのメモリトランジスタの消去上限しきい値電圧を低Vthiセルに比べて低くする。これにより、データアクセス時の読出マージンを高Vthiセルおよび低Vthiセルに対して同程度確保し、メモリセルの読出時の電気的特性のバラツキを低減する。
図14は、この発明の実施の形態1に従う昇圧電圧Vppの印加態様の一例を示す図である。図14において、昇圧電圧Vppは、メモリゲート電圧Vmgとしてメモリゲートドライブ回路52eおよび52oへ与えられる。これらのメモリゲートドライブ回路52eおよび52oには、それぞれデコード回路130eおよび130oが設けられており、これらのデコード回路130oおよび130eは、それぞれアドレス信号ADXをデコードし、対応のメモリゲートドライブ回路52eおよび52oに選択信号を供給する。このアドレス信号ADXには、図13に示す特定のアドレスビットAddが、たとえば最下位ビットとして含まれており、これにより、選択メモリセルが、偶数行に存在する偶数セルであるか奇数行に存在する奇数セルであるかの識別が行なわれる。
メモリゲートドライブ回路52eおよび52oそれぞれに対応して、メモリゲート線MGeおよびMGoが設けられる。これらのメモリゲート線MGeおよびMGoは、それぞれ偶数セルMCeよび奇数セルMCoのメモリゲートに結合される。今、一例として、偶数セルMCeは低Vthiセルであり、奇数セルMCoは、高Vthiセルである。
メモリゲート線MGeおよびMGoと平行に、選択ゲート線CGeおよびCGoが設けられ、これらのメモリセルMCeおよびMCoの選択トランジスタの不純物領域(導通ノード)が、共通にビット線BLに結合される。メモリセルMCeおよびMCoのメモリトランジスタの不純物領域(導通ノード)は、ソース線SLに結合される。
書込ベリファイ時においては、メモリゲート線MGeまたはMGoに書込ベリファイ電圧Vprgが与えられる。上述のように、偶数メモリセルMCeに対しては、この書込ベリファイ電圧Vprg、すなわち昇圧電圧Vppレベルは、高い電圧レベルに設定され、一方、奇数メモリセルMCoに対しては、メモリゲートドライブ回路52oからは、この低い電圧レベルに設定された昇圧電圧Vppが書込ベリファイ電圧Vprgとして与えられる。この書込ベリファイ電圧Vprgに従って、メモリセルMCeまたはMCoが、書込状態にあるか否かの識別が行なわれる。
図15は、この発明の実施の形態1に従う不揮発性半導体記憶装置のメモリセルのしきい値電圧分布を概略的に示す図である。メモリセルは、データ“0”を記憶する書込状態とデータ“1”を記憶する消去状態に応じてそのしきい値電圧分布が異なる。
書込ベリファイ時においては、書込状態のしきい値電圧の下限を規定する書込ベリファイ電圧Vprgが与えられる。奇数セルに対しては、このしきい値電圧分布の下限値に対応する奇数書込ベリファイ電圧Vprgoが与えられる。一方、偶数セルに対しては、この奇数書込ベリファイ電圧Vprgoよりも高い偶数書込ベリファイ電圧Vprgeが与えられる。書込ベリファイ時には、下限書込ベリファイ電圧VprgoおよびVprgeよりも高い値に、メモリトランジスタのしきい値電圧が設定された場合に、書込状態に到達したと判定される。したがって、偶数セル、すなわち低Vthiセルのしきい値電圧は、書込完了後、高Vthiセル(奇数セル)の書込完了後のしきい値電圧よりも高い状態に設定される。
一方、メモリセルを消去状態に設定する消去動作モード時においての消去ベリファイ時においては、消去状態のしきい値電圧分布の上限値に対応する電圧レベルに、消去ベリファイ電圧Versが設定される。この場合、上述の電圧レベル選択信号LVL<5:1>の1つを選択する(活性化する)。この場合においても、偶数セルに対しては、上限消去ベリファイ電圧Verseが、奇数セルの上限消去ベリファイ電圧Versoよりも高い状態となる。したがって、偶数セル、すなわち低Vthiセルのしきい値電圧分布は、高Vthiセル(奇数セル)のしきい値電圧分布よりも高い状態となる。
これにより、消去完了後、図11に示すように、書込/消去完了後の出発しきい値電圧を、低Vthiセルのしきい値電圧を高Vthiセルのしきい値電圧よりも高く設定することができる。これにより、消去/書込完了後時間が経過しても、メモリセルのしきい値電圧を、高Vthiセルおよび低VThiセルについてほぼ同じ電圧レベルに設定することができ、メモリセルの電気的特性の差を低減することができ、データ保持特性をほぼ同じに設定することができる。
また、図19に示すしきい値電圧分布において、この消去状態のしきい値電圧分布の下限値を所定値以上に設定する消去下限値ベリファイ動作が行なわれる場合においても、同様、高Vthiセルの消去下限値は、低Vthiセルのしきい値電圧の消去状態下限値ベリファイ電圧よりも高く設定される。この消去状態のメモリセルのしきい値電圧の加減値に判定は、メモリトランジスタが過消去状態となり、デプレッションモードで動作するのを防止するために行われる。選択トランジスタが設けられており、メモリトランジスタが過消去状態となっても問題がない場合には、この消去状態のメモリセルのしきい値電圧の下限値の調整は、行われなくても良い。
以上のように、この発明の実施の形態1に従えば、メモリセルのレイアウトにより、そのアドレス位置に応じて電気的特性が異なる場合、そのアドレス位置に応じてベリファイ電圧を変更しており、正確に、レイアウトに起因するメモリセルの電気的特性のバラツキを低減でき、メモリセルを消去/書込後にほぼ同じ電気的特性を有する状態に設定することができる。これにより、データ保持特性(読出マージン)のバラツキが小さな、安定にデータの読出を行なうことのできる不揮発性半導体記憶装置を実現することができる。
[実施の形態2]
図16は、この発明の実施の形態2に従う内部電圧発生回路40の構成を概略的に示す図である。図16においては、内部電圧発生回路40に含まれるメモリゲート電圧Vmgを発生する部分の構成を示す。メモリゲート電圧発生部は、書込に関連する電圧を発生するために、メモリゲート書込ベリファイ電圧発生回路135と、メモリゲート書込電圧発生回路137と、メモリゲート読出電圧発生回路139を含む。これらの電圧発生回路135、137および139の出力が共通に結合され、メモリゲート電圧Vmgを生成する。メモリゲート書込ベリファイ電圧発生回路135へは、特定のアドレスビットAddが与えられる。
メモリゲート書込ベリファイ電圧発生回路135は、書込ベリファイ時に、メモリゲートに与えられる電圧を生成する。メモリゲート書込電圧発生回路137は、書込動作モード時、選択ゲート線へ与えられるメモリゲート電圧を生成する。メモリゲート読出電圧発生回路139は、読出モード時、すなわち外部へのデータ読出を行なうモード時、メモリゲートへ与えられる電圧を生成する。
この内部電圧発生回路は、消去動作に関連する電圧を発生するために、さらに、メモリゲート消去電圧発生回路140と、メモリゲート消去ベリファイ電圧発生回路142とを含む。これらの電圧発生回路140および142の出力も、電圧発生回路135、137および139と共通の出力に結合される。
メモリゲート消去電圧発生回路140は、消去動作モード時、メモリゲートへ与えられる消去電圧(負の消去高電圧)を生成する。メモリゲート消去ベリファイ電圧発生回路142は、消去ベリファイモード時、メモリゲート線へ与えられる消去ベリファイ電圧を生成する。
これらの電圧発生回路135、137、139、140および142の生成する電圧レベルは、それぞれテストモード時などにおいてその電圧レベルが調整される(トリミングされる)。この製造工程の最終工程において各チップごとに、メモリの書込/消去/読出特性がテストされ、それらの特性に応じて最適な電圧レベルに各電圧発生回路の出力電圧レベルが設定される。この発明の実施の形態2においては、このメモリゲート書込ベリファイ電圧発生回路135へ特定のアクセスビットAddを与える。このアドレスビットAddの“0”および“1”により、予めプログラムされた電圧レベル選択信号を選択して、分圧器の分圧比を調整する。
図17は、図16に示すメモリゲート電圧ベリファイ電圧発生回路135の構成の一例を概略的に示す図である。この図17に示すメモリゲート書込ベリファイ電圧発生回路135の構成は、以下の点で、図12に示す内部電圧発生回路の構成と異なる。すなわち、電圧制御回路110は、動作モード指示信号OPMODに従ってオシレータ102に対しクロックイネーブル信号CKENを与え、また、アドレス信号ADXから特定のアドレスビットAddを抽出して分圧器150へ与える。分圧器150は、この特定のアドレスビットAddに従って、予めプログラムされた分圧比で昇圧電圧Vppを降圧して降圧電圧Vpp2を生成する。
この図17に示すメモリゲート書込ベリファイ電圧発生回路135の他の構成は、図12に示す内部電圧発生回路の構成と実質的に同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
図18は、図17に示す分圧器150の構成の一例を概略的に示す図である。図18において、分圧器150は、電圧レベル選択信号LVL<1>−LVL<5>を生成する電圧レベル調整回路155と、昇圧電圧Vppを降圧する抵抗分圧回路122と、この電圧レベル調整回路155からの電圧レベル選択信号LVL<1>−LVL<5>に従って抵抗分圧回路122の分圧電圧を選択する選択回路125を含む。抵抗分圧回路122および選択回路125の構成は、先の図13に示す実施の形態1に従う抵抗分圧回路および選択回路の構成と実質的に同じである。
電圧レベル調整回路155は、その保持データが予め固定的に設定されるレベル設定回路160a−160jと、レベル設定回路160a−160jの2つのレベル設定回路の組にそれぞれ対応して設けられるセレクタ162a−162eとを含む。
レベル設定回路160a−160jは、たとえばフラッシュメモリまたはレーザ溶断可能なヒューズプログラム回路またはアンチヒューズなどの電気的にプログラム可能な回路で構成され、テスト時に、メモリセルの初期しきい値電圧Vthiの分布を特定し、その他の分布に従ってレベル設定回路160a−160jの記憶データをプログラムする。したがって、このレベル設定回路160a−160jにおいては、アドレスビットAddの偶数値(“0”)および奇数値(“1”)それぞれに対応して1つのレベル設定回路に活性状態のデータが保持される。
セレクタ162aは、アドレスビットAddのビット値に従ってレベル設定回路160aおよび160bの一方の記憶データを選択して電圧レベル選択信号LVL<1>を生成する。セレクタ162bは、レベル設定回路160cおよび160dの記憶データの一方をアドレスビットAddに従って選択して電圧レベル選択信号LVL<2>を生成する。セレクタ162cは、アドレスビットAddのビット値に従ってレベル設定回路160eおよび160fの一方の記憶データを選択して電圧レベル選択信号LVL<3>を生成する。セレクタ162dは、アドレスビットAddのビット値に従ってレベル設定回路160gおよび160hの記憶データの一方を選択して電圧レベル選択信号LVL<4>を生成する。セレクタ162eは、アドレスビットAddのビット値に従ってレベル設定回路160iおよび160jの一方の記憶データを選択して電圧レベル選択信号LVL<5>を生成する。
これらのセレクタ162a−162eの生成する電圧レベル選択信号LVL<1>−LVL<5>のうちの1つが活性状態であり、スイッチゲートSX1−SX5が、これらの電圧レベル選択信号LVL<1>−LVL<5>に従って分圧電圧V1−V5の1つを選択して、降圧電圧Vpp2を生成する。
実施の形態1と同様、高Vthiセルが奇数セルであり、低Vthiセルが偶数セルとする。この場合、セレクタ162a−162eは、アドレスビットAddが“0”(Lレベル)のとき、対応のレベル設定回路のうちの高い電圧レベルを指定する電圧レベル選択信号を選択し、アドレスビットAddが“1”(Hレベル)のときに、対応のレベル設定回路のうちの低い電圧レベルを指定する記憶データを選択する。これにより、実施の形態1と同様、メモリゲート書込ベリファイ電圧Vprgの電圧レベルを調整して、高Vthiセルの書込後の出発しきい値電圧を低い状態に設定し、低Vthiセルの書込後の出発しきい値電圧を高いしきい値電圧レベルに設定することができる。
この実施の形態2に従う構成の場合、予めプログラム回路(レベル設定回路160a−160j)により、書込ベリファイ時に生成されるベリファイ電圧のレベルを設定することができる。これにより、電圧制御回路において、レベル選択信号を生成するために、論理ゲート(ゲート回路G1−G9およびGT1−GT4(図13参照))を用いる必要はなく、消費電流が低減される。また、テスト時における測定結果に従ってレベル設定回路160a−160jの記憶データをプログラムすることにより、正確に、アドレスビットAddにより、書込ベリファイ電圧の電圧レベルを設定することができる。
なお、この実施の形態2の構成において、消去ベリファイ電圧を生成する回路に対しても、この図18に示す構成を適用することができる。この場合、また、書込ベリファイ電圧および消去ベリファイ電圧を生成するために、それぞれ、この図18に示す構成が利用されても良い。また、図18に示す分圧器が、消去ベリファイ電圧および書込ベリファイ電圧両者を生成するために利用されても良い。
[実施の形態3]
図19は、この発明の実施の形態3に従う内部電圧発生回路の電圧制御回路110の構成を概略的に示す図である。この図19に示す構成においては、アドレス信号ADXをスクランブルして、所定のビットAddを生成して分圧器106または150へ与えるアドレススクランブル回路170が設けられる。このアドレススクランブル回路170は、アドレス信号ADXの特定のビット位置のビットを最下位ビットと入換え、アドレスビットAddを生成する。アドレス信号ADXが、アドレスADX_a、ADX_b、…、ADX_nを示すとき、アドレスビットAddを所定の論理レベルに設定する。
図20(A)および図20(B)は、図19に示すアドレススクランブル回路170のスクランブル動作の一例を示す図である。図20(A)において、行アドレス信号ADXが、(k+1)ビットのアドレスビットAk−A0を有する。アドレスビットAkが最上位ビットMSBであり、アドレスビットA0が最下位ビットである。この場合、アドレススクランブル回路170において、特定のビット位置のアドレスビットAjと最下位アドレスビットA0とを入換える。ここで、jは、1からkのいずれかである。この入換後、図20(B)に示すように、アドレスビットAjを特定のアドレスビットAddとして生成する。
図21は、メモリセルアレイ20に対するアドレスビットの割当の一例を示す図である。図21において、メモリセルアレイ20において、アドレスビットAjの偶数(“0”)および奇数(“1”)により規定される偶数サブアレイブロックSMABeおよび奇数サブアレイブロックSMABoが、交互に配置される。図19に示すアドレス信号ADX_a、…、ADX_nが、1つのサブアレイブロックに含まれる。すなわち、この場合、アドレス信号ADX_a、ADX_b…ADX_nは、1つのサブアレイブロック内のメモリセル行を指定するアドレスである。
したがって、アドレスビットAjをしきい値電圧調整に利用することにより、サブアレイブロック単位で、メモリセルのしきい値電圧の調整を行なうことができる。アドレスビットAjが最上位ビットMSBの場合、メモリセルアレイ20の上半分の領域および下半分の領域で、しきい値電圧の調整を行なうことができる。また、このアドレスビットAjとして、メモリブロックBK0−BKnを指定するメモリブロックアドレスビットが用いられる場合、奇数メモリブロックおよび偶数メモリブロックに対して、しきい値電圧レベルを変更することができる。
[変更例]
図22は、この発明の実施の形態3に従うアドレススクランブル回路170の変更例の構成を概略的に示す図である。図22において、アドレススクランブル回路170は、アドレス信号ADXの特定のビット位置のアドレスビットを抽出するアドレスビット抽出器172と、このアドレスビット抽出器172により抽出されたアドレスビットをデコードするデコード回路174とを含む。
アドレスビット抽出器172は、たとえば配線で構成され、アドレス信号ADXのうちの特定の1または複数のアドレスビットを抽出する。デコード回路174は、このアドレスビット抽出器172から与えられたアドレスビットをデコードし、そのデコード結果に従って特定のアドレスビットAddを生成して、分圧器106または150へ与える。
図23は、図22に示すアドレススクランブル回路170の動作を模式的に示す図である。アドレス信号ADXは、アドレスビットAk−A0を有し、アドレスビットAkが最上位ビットMSBであり、アドレスビットA0が最下位ビットLSBである。この場合、アドレスビット抽出器172は、破線で示す信号配線により、特定の位置のアドレスビットAi−Ajを抽出する。デコード回路174は、これらの抽出されたアドレスビットAi−Ajが特定のパターンのときに、アドレスビットAddを“1”に設定し、それ以外のときには、特定のアドレスビットAddを“0”に設定する。このデコード回路174からのアドレスビットAddが、実施の形態1または2において示した分圧器へ与えられる。
図24は、この発明の実施の形態3の変更例におけるメモリセルアレイにおけるアドレスの割当てを概略的に示す図である。図24において、メモリセルアレイ20は、アドレスビットAi−Ajが特定のパターンのサブアレイブロックSSAY1と、アドレスビットAi−Ajが特定のパターン以外のパターンを有するサブアレイブロックSSAY0およびSSAY2を含む。サブアレイブロックSSAY1に対しては、特定アドレスビットAddが“1”となり、残りのサブアレイブロックSSAY0およびSSAY2に対してアドレスビットAddが“0”となる。したがって、このデコード態様においては、サブアレイブロックSSAY1に対する昇圧電圧(ベリファイ電圧)Vppを高くし、残りのサブアレイブロックSSAY0およびSSAY2に対しては昇圧電圧(ベリファイ電圧)Vppを低くする。
なお、この図24に示す特定アドレスビットAddのビット値は、“0”および“1”は逆に設定されてもよい。
また、このデコード回路174へ与えられるアドレスビットは、中間のアドレスビットでなく、最上位ビットAkから連続する位置のアドレスビットであってもよい。また、不連続的に離散して配置されるアドレスビットであってもよい。ここで、i、およびjは、次式を満たす:
k≧i≧j≧0.
アドレスビットAk−A0を全ビットデコードする場合には、1つの行のメモリセルに対するしきい値電圧を、他の残りの行のメモリセルに比べて高くまたは低く設定することができる。
なお、デコード回路174へ与えられる抽出アドレスビットは、図7に示すメモリブロックBK0−BKmを特定するブロックアドレスを含んでもよい。この場合、特定のメモリブロックの特定の領域においてのみ、他のメモリブロックに比べて、メモリセル(メモリトランジスタ)のしきい値電圧が高くまたは低く設定される。なお、しきい値電圧の調整は、実施の形態1または2と同様にして行われる。
以上のように、この発明の実施の形態3に従えば、アドレススクランブルにより、偶数行/奇数行でなく、特定の領域に配置されるメモリセル行に対するしきい値電圧の調整を行なっている。したがって、高Vthiセルおよび低Vthiセルの分布において局所性が存在し、例えば高vthiセルが、ある特定の領域に局所的に分布している場合、正確に、書込/消去完了後のしきい値電圧をこのメモリセル特性に応じて調整することができる。また、実施の形態1および2の効果をも併せて得ることができる。
[実施の形態4]
図25は、この発明の実施の形態4に従う内部電圧発生回路の構成を概略的に示す図である。この図25に示す内部電圧発生回路においても、メモリゲート電圧Vmgを発生する部分の構成を示す。図25に示す内部電圧発生回路40は、以下の点で、図16に示す内部電圧発生回路とその構成が異なる。すなわち、メモリゲート書込ベリファイ電圧発生回路180から生成されるベリファイ電圧の電圧レベルは、メモリセルのアドレス位置にかかわらず一定である。一方、メモリゲート書込電圧発生回路182に対し、特定のアドレスビットAddが与えられ、データ書込動作モード時に生成されるメモリゲート書込電圧の電圧レベルが、メモリセルのアドレス位置に従って、調整される。この図25に示す内部電圧発生回路の他の構成は、図16に示す内部電圧発生回路40の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
メモリゲート書込電圧発生回路182の構成は、先の実施の形態1から3の構成のいずれが用いられてもよい。特定のアドレスビットAddに従って、実施の形態1から3のいずれかと同様にして、生成されるメモリゲート書込電圧の電圧レベルが、メモリセルのアドレス位置に応じて調整される。
図26は、この発明の実施の形態4に従う内部電圧発生回路40の書込動作モード時の発生電圧のレベルを概略的に示す図である。図26において、書込対象のメモリセルは、書込時、選択ゲート線CGに、選択ゲート電圧Vcg(たとえば1.5V)が与えられ、不純物領域2へは、ビット線BLを介してビット線書込電圧Vd(たとえば0.8V)が与えられる。不純物領域3へはソース線SLを介してソース線書込電圧Vsl(たとえば5.5V)が与えられる。
書込時においては、前述のように、半導体基板表面にチャネルが選択ゲート線CG(選択ゲート5)下部に形成される。メモリゲート6下部を流れるチャネル電流において、選択ゲート5とメモリゲート6との境界部における高電界によりホットエレクトロンが生成される。このメモリゲート6へメモリゲート線MGを介して与えられるメモリゲート書込電圧Vmgに従って、生成されたエレクトロンが絶縁膜7に注入されて保持される。したがって、絶縁膜7に保持されるエレクトロン量は、メモリゲート書込電圧Vmgの電圧レベルにより異なる。高Vthiセルに対しては、メモリゲート書込電圧Vmgを低くし、注入エレクトロン量を少なくし、一方、低Vthiセルに対しては、メモリゲート書込電圧Vmgを高くして、絶縁膜7中の注入エレクトロン量を増大させる。これにより、書込後のメモリトランジスタの出発しきい値電圧は、高Vthiセルについては低く、また、低Vthiセルに対しては高い状態に設定することができる(図15参照)。この電圧レベルの調整は、実施の形態1から3と同様、昇圧電圧Vppと降圧電圧Vpp2の差を調整することにより行なわれる。すなわち、電圧差Vpp−Vpp2が小さい場合には、メモリゲート書込電圧Vmgが低くされ、一方電圧差Vpp−Vpp2が大きい場合には、メモリゲート書込電圧Vmgが高くされる。メモリゲート書込電圧発生回路182の内部構成としては、実施の形態1から3に示す電圧発生回路のいずれの構成が利用されても良い。
[変更例]
図27は、この発明の実施の形態4に従う内部電圧発生回路の変更例の構成を概略的に示す図である。この図27に示す内部電圧発生回路40は、メモリゲート電圧Vmgを発生し、図25に示す内部電圧発生回路と、以下の点でその構成が異なる。すなわち、メモリゲート消去電圧発生回路184に対し特定のアドレスビットAddが与えられる。メモリゲート書込ベリファイ電圧発生回路180およびメモリゲート書込電圧発生回路137へは、特定アドレスビットAddは与えられない。この図27に示す内部電圧発生回路の他の構成は、図25に示す内部電圧発生回路の構成と同じである。従って、図25に示す内部電圧発生回路40の対応する電圧発生回路は、同一の参照符号を付し、その詳細説明は省略する。
この図27に示す内部電圧発生回路の構成においては、消去動作モード時、メモリゲート線へ与えられるメモリゲート消去電圧の電圧レベルが、メモリセルのアレイ内位置に応じて調整される。
図28は、消去動作モード時の選択メモリセルへの印加電圧を概略的に示す図である。消去動作モード時においては、不純物領域2は、ビット線BLを介して開放状態(open)に設定され、フローティング状態に設定される。選択ゲート5へは、選択ゲート線CGを介してたとえば0Vの選択ゲート電圧Vcgが与えられる。不純物領域3へは、ソース線SLを介してたとえば6.5Vの正の消去ソース線電圧Vslが与えられる。メモリゲート6へは、メモリゲート線MGを介して消去メモリゲート電圧Vmgが与えられる。この消去動作時においては、不純物領域3近傍における高電界によるバンド間トンネリング現象により、ホールが、絶縁膜7に注入され、そのしきい値電圧が低くなる。この絶縁膜7におけるホールの注入量が多いほど、メモリセルのしきい値電圧が低くなる。したがって、高Vthiセルに対しては、メモリゲート電圧Vmgを低くして、より深い負の電圧レベルに設定し、その消去後の出発しきい値電圧Vthを低くする。低Vthiセルに対しては、このメモリゲート消去電圧Vmgを高い電圧(浅い負の電圧レベル)に設定し、その消去後の出発しきい値電圧Vthを高く設定する。
これにより、消去動作時にメモリセルの位置に応じて、消去状態のメモリセルのしきい値電圧を、メモリセルの初期しきい値電圧Vthiに応じて設定することができ、電気的特性のバラツキを低減することができる。
なお、この消去動作時において生成されるメモリゲートの電圧は負電圧である。したがって、このメモリゲート消去電圧発生回路184は、他の電圧発生回路と異なり、負の電圧を発生することが要求される。この場合、たとえば図13に示す分圧器において、抵抗分圧回路を、昇圧電圧供給ノードと電源ノードの間に接続する。図12に示す比較器108が、正の基準電圧Vrefおよび正の降圧電圧Vpp2を比較し、その比較結果に従ってチャージポンプ104の動作を制御する。この場合、チャージポンプ104は、昇圧電圧Vppとして、負電圧を生成する。負電圧を発生するチャージポンプとしては、正の高電圧を発生するチャージポンプと同様、キャパシタのチャージポンプ動作を利用する回路を利用することができ、従って、メモリゲート消去電圧発生回路の内部構成としては、実施の形態1から3において示す構成を利用することができる。
なお、図27において破線で示すように、メモリゲート消去ベリファイ電圧発生回路142に特定のアドレスビットAddが与えられれば、実施の形態1と同様、消去ベリファイ電圧レベルを調整でき、実施の形態1と同様に、消去状態のメモリセルのしきい値電圧をも調整することできる。また、図25および図27に示す構成が組み合わせて用いられても良い。すなわち、メモリゲートに対する書込電圧および消去電圧が、ともにメモリセルのアドレス位置に応じて調整されても良い。
以上のように、この発明の実施の形態4に従えば、書込または消去時に、メモリゲートに印加される電圧レベルをメモリセルの初期しきい値電圧レベル(メモリセルの位置)に応じて調整しており、実施の形態1から3と同様、メモリセルの電気的特性のバラツキを低減することができる。
なお、このしきい値電圧の調整の方法は、先の実施の形態1から3のいずれの構成が用いられてもよい。
[実施の形態5]
図29は、この発明の実施の形態5に従う内部電圧発生回路の構成を概略的に示す図である。図29においては、内部電圧発生回路40のソース線電圧Vslを生成する部分の構成を示す。この図29において、ソース線電圧発生部は、書込ソース線電圧発生回路190と、消去ソース線電圧発生回路192とを含む。これらの電圧発生回路190および192の出力ノードが相互接続され、この共通出力ノードからソース線電圧Vslが生成される。
書込ソース線電圧発生回路190に対し特定のアドレスビットAddが与えられる。書込ソース線電圧発生回路190は、実施の形態1から3の内部電圧発生回路のいずれかの構成を備え、利用される実施の形態に応じて、この特定のアドレスビットAddの生成態様が設定される。なお、消去ソース線電圧発生回路192に対しては、特定のアドレスビットAddは与えられず、メモリセル位置にかかわらず、所定のレベルの消去ソース線高電圧を生成する。
図30は、この発明の実施の形態5に従う不揮発性半導体記憶装置の書込動作モード時の選択メモリセルの電圧印加態様を概略的に示す図である。図30において、不純物領域2へはビット線BLを介して書込ビット線電圧(Vd、たとえば0.8V)が与えられ、選択ゲート5へは選択ゲート線CGを介してたとえば1.5Vの選択ゲート電圧Vcgが与えられる。メモリゲート6へは、メモリゲート線MGを介してたとえば11.5Vのメモリゲート書込高電圧Vmgが与えられる。不純物領域3へは、ソース線SLを介してソース線電圧Vslが与えられる。
この書込動作モード時においては、半導体基板領域1表面にチャネルが形成される。この場合、選択ゲート5直下に形成されるチャネルの抵抗値は高く、このコントロールゲート6およびメモリゲート6の境界近傍で高電界が発生する。ホットエレクトロンの発生量は、この境界領域において生成される高電界が高くなると増大する。このソース線SLに印加される電圧が、ほとんどこの選択ゲート5とメモリゲート6との間の境界領域に印加される。従って、ソース線の電圧Vslが高いほど、この境界領域の電界が高くなる。
絶縁膜7に注入されるエレクトロン量が高いほど、メモリトランジスタのしきい値電圧が高くなる。したがって、高Vthiセルに対しては、書込ソース線電圧Vslとして、低い電圧を与え、その書込完了後の出発しきい値電圧Vthを低い電圧レベルに設定する。一方、低Vthiセルに対しては、書込ソース線電圧Vslを高い電圧レベルに設定し、書込完了後の出発しきい値電圧Vthを、高い電圧レベルに設定する。
ソース線電圧Vslを、アドレスビットAddに従ってメモリセル位置に応じて調整することにより、メモリセルの初期しきい値電圧Vthiに応じて書込完了後のしきい値電圧(出発しきい値電圧)Vthの電圧レベルを調整することができ、応じてメモリセルの電気的特性の差を小さくすることができる。
書込ソース線電圧発生回路190における書込高電圧を発生する部分の電圧レベルの調整は、実施の形態1から3のいずれかの構成と同様の構成に従って実行される(分圧器の降圧電圧の電圧レベルを、アドレスビットに応じて調整する)。
[変更例]
図31は、この発明の実施の形態5に従う内部電圧発生回路の変更例の構成を概略的に示す図である。図31においては、図29に示す構成と同様、ソース線電圧Vslを生成する部分の構成を示す。この図31に示すソース線電圧発生部においては、消去ソース線電圧発生回路195に対し特定のアドレスビットAddが与えられる。書込ソース線電圧発生回路194へは、特定のアドレスビットAddは与えられない。したがって、消去動作モード時に、ソース線電圧が、選択メモリセル位置に応じて調整され、一方、書込動作モード時にはソース線電圧の、選択メモリセル位置に応じた調整は行なわれない。
図32は、この発明の実施の形態5の変更例における消去動作モード時の選択メモリセルに対する電圧印加態様を概略的に示す図である。図32に示すように、消去動作モード時においては、不純物領域2はビット線BLを介して開放状態(open)のフローティング状態に設定される。選択ゲート5およびメモリゲート6へは、それぞれ選択ゲート線CGおよびメモリゲート線MGを介してそれぞれ、たとえば0Vおよび−6Vの電圧レベルである選択ゲート電圧Vcgおよびメモリゲート電圧Vmgが与えられる。
不純物領域3へは、ソース線SLを介してソース線消去高電圧Vslが与えられる。この消去動作モード時においては、不純物領域3近傍の高電界によるバンド間トンネリング現象により、ホールが絶縁膜7に注入される。この場合、ソース線SLの電圧レベルが高ければ、多くのホールが生成され、バンド間トンネリング現象により絶縁膜7に多くのホールが注入され、メモリトランジスタのしきい値電圧が低下する。したがって、高Vthiセルに対しては、ソース線電圧Vslを高い電圧レベルに設定し、より多くのホールを注入して、消去動作後の出発しきい値電圧Vthを、低い電圧レベルに設定する。一方、低VThiセルに対しては、消去動作時のソース線電圧Vslを低い電圧レベルに設定してホールの注入量を低減し、消去後の出発しきい値電圧Vthを高い電圧レベルに設定する。これにより、メモリセルの初期しきい値電圧Vthiの特性に応じて、消去後のメモリセルの電気的特性のバラツキを低減することができる。
[変更例2]
図33は、この発明の実施の形態5の変更例2の内部電圧発生回路の構成を概略的に示す図である。図33に示す構成においては、書込ソース線電圧発生回路190および消去ソース線電圧発生回路195に特定アドレスビットAddが与えられる。したがって、この図33に示すソース線電圧発生部の構成に従えば、書込動作時および消去動作時、それぞれメモリセルの初期しきい値電圧Vthiの高低に応じて、そのしきい値電圧Vthが調整される。したがって、メモリセルの消去状態および書込状態にかかわらず、その電気的特性のバラツキを低減することができ、より動作マージンを改善することができる。
[変更例3]
図34は、この発明の実施の形態5の変更例3の動作シーケンスを示すフロー図である。この図34においては、消去コマンドが印加され、この消去コマンドにより指定される領域の消去が実行される。図34において、ステップS20において、消去コマンドが印加され、消去動作が実行される。この消去コマンド印加後のステップS21からステップS25までの動作は、図8において示すステップS4からステップSまでの消去のセットアップ、実行、リセット、ベリファイ,およびベリファイ判定処理と同じであり、その動作内容については詳細説明は省略する。
単に消去が実行される場合においても、メモリセルの位置等の初期しきい値電圧レベルに応じてメモリセルに印加される電圧を調整して、メモリセルの電気的特性のバラツキを補償する。電圧レベルの調整は、前述の実施の形態1から5において説明した態様のいずれかの態様に従って行われる。
[変更例4]
図35は、この発明の実施の形態5の変更例4の動作シーケンスを示す図である。図35においては、書込コマンド印加時においては、消去動作は実行されない。書込のみが実行される。従って、書込コマンド印加前に書込対象の領域を消去状態とするために、消去コマンドが印加される。図35において、先ず書込を行う前に消去コマンドが印加される(ステップS30)。消去コマンドが印加され、消去動作が指定されると、消去が実行される(ステップS31)。このステップS31において実行される消去動作は、図8に示すステップS4からステップSまでの消去動作のセットアップ、実行、リセット、ベリファイ、ベリファイ判定の処理が行なわれる。従って、ここでは、その詳細説明は省略する。
全てのメモリセルが消去状態にあると判定されると、消去が完了する(ステップS32)。この消去完了後、書込コマンドが印加され、データの書込が指定される(ステップS33)。
書込対象の領域は、すでに消去状態であり、書込データに従って書込が実行される。この書込コマンド印加後に行われる処理ステップは、図8に示す書込動作シーケンスのフローと同じであり、同一処理ステップに対しては、同一参照符号を付して(ステップS9−S15)、その詳細説明は、省略する。
この消去コマンド印加時および書込コマンド印加時に、これまでの実施の形態において説明したように、メモリセルに印加される電圧レベルの調整が、メモリセルの位置に応じて行われる。これにより、メモリセルの初期しきい値電圧のばらつきによるメモリセルの電気的特性のバラツキを低減することができる。
以上のように、この発明の実施の形態5に従えば、書込および/または消去動作時ソース線に印加される電圧レベルをメモリセルの位置、すなわち初期しきい値電圧レベルに応じて調整している。したがって、メモリセルの初期しきい値電圧のバラツキが生じる場合においてもそのバラツキを補償して、電気的特性を均一に設定でき、安定なデータ読出を行なうことができる。
なお、前述の実施の形態1から5は、適宜組合せて用いられてもよい。
1 半導体基板領域、2,3 不純物領域、5 選択ゲート、6 メモリゲート、7 絶縁膜、MG メモリゲート線、CG 選択ゲート線、SL ソース線、BL ビット線、20 メモリセルアレイ、22 行選択駆動回路、24 列選択駆動回路、26 センスアンプ回路、28 データラッチ回路、30 アドレス入力回路、34 制御回路、40 内部電圧発生回路、60 ビット線周辺回路、62 ビット毎ベリファイ回路、70 ベリファイ判定回路、72 書込/消去制御部、102 オシレータ、104 チャージポンプ、106 分圧器、108 比較器、110 電圧制御回路、120 電圧レベル調整回路、122 抵抗分圧回路、125 選択回路、52,52e,52o メモリゲートドライブ回路、135 メモリゲート書込ベリファイ電圧発生回路、137 メモリゲート書込電圧発生回路、139 メモリゲート読出電圧発生回路、140 メモリゲート消去電圧発生回路、142 メモリゲート消去ベリファイ電圧発生回路、150 分圧器、155 電圧レベル調整回路、160a−160j レベル設定回路、162a−162e セレクタ、170 アドレススクランブル回路、172 アドレスビット抽出器、174 デコード回路、180 メモリゲート書込ベリファイ電圧発生回路、182 メモリゲート書込電圧発生回路、190,194 書込ソース線電圧発生回路、192,195 消去ソース線電圧発生回路。