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JP2009149481A - 半導体基板の製造方法 - Google Patents

半導体基板の製造方法 Download PDF

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JP2009149481A JP2007330563A JP2007330563A JP2009149481A JP 2009149481 A JP2009149481 A JP 2009149481A JP 2007330563 A JP2007330563 A JP 2007330563A JP 2007330563 A JP2007330563 A JP 2007330563A JP 2009149481 A JP2009149481 A JP 2009149481A
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啓介 川村
Seiji Takayama
誠治 高山
Brian Murphy
マーフィー ブライアン
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Abstract

【課題】CMP処理を実施することなく、0.5nm(RMS)以下の表面粗さの単結晶炭化シリコン層を有するSiCウエハを製造することができる製造方法を提供する。
【解決手段】シリコン基板1の表面に緩衝層2を形成する(S1)。緩衝層2を通して炭素イオンC+を注入することによりシリコン基板1内にシリコンと炭素の混在した炭素含有層3を形成する(S2)。シリコン基板1から緩衝層2を選択的に除去することにより炭素含有層3を露出させる(S3)。シリコン基板1を熱処理して炭素含有層3を単結晶化させることにより単結晶炭化シリコン層4を形成する(S4)。熱処理の過程で単結晶炭化シリコン層4の表面に形成された酸化層5を除去することにより単結晶炭化シリコン層4を露出させる(S5)。
【選択図】図1

Description

本発明は、パワーデバイスやオプトエレクトロニクスデバイスの製造に適した半導体基板を製造する技術に属し、特に、その表層部が単結晶炭化シリコン層からなる半導体基板の製造方法に関する。
炭化シリコンは、高いショットキー障壁、高い降伏電界強度及び高い伝熱性を併せ持っているため、パワーデバイス用の材料に適している。また、炭化シリコンは、その格子定数が典型的なオプトエレクトロニクス用半導体材料である窒化物化合物半導体の格子定数と近く、窒化物化合物半導体を低欠陥でエピタキシャル成長させることができるため、オプトエレクトロニクスデバイス用の材料に適している。このような事情から、シリコン基板の表層部に単結晶炭化シリコン層を有する半導体基板(以下、「SiCウエハ」と記す。)を製造するための技術開発がなされている(特許文献1〜8、非特許文献1)。
適している。
図5は、SiCウエハの従来の製造方法の一例を示している。この製造方法は、シリコン基板11内に炭素イオンを注入することによりシリコンと炭素の混在した炭素含有層12を形成するステップ(S11)、シリコン基板11をアニールして炭素含有層12を単結晶化させることにより単結晶炭化シリコン層13を形成するステップ(S12)、シリコン基板11を乾燥した酸素雰囲気中で加熱して単結晶炭化シリコン層13上に犠牲層14を形成するステップ(S13)、シリコン基板11から犠牲層14をエッチングにより選択的に除去することにより炭素含有層12を露出させるステップ(S14)、及び、露出させた単結晶炭化シリコン層13の表面をCMP(Chemical Mechanical Polishing,化学的機械的研磨)処理して平滑化するステップ(S15)からなる。
US2007/176210A1 特開2006-327931 US2006267024A1 特表2005-506699 US2004/0248390A1 WO03/034485 WO03/071588 US2005/0020084A1 特開2006-528423 US7060620B2 "Organometallic vapor phase epitaxial growth of GaN on a 3c-SiC/Si(111) template formed by C+-ion implantation into Si(111) subs", A. Yamamoto et al., Journal of Crystal Growth 261 (2004) 266-270,
上記従来の製造方法においては、アニール後、単結晶炭化シリコン層13の上部に、ポリ炭化シリコン粒とSi結晶から成る約40nm厚の遷移層が形成される。この遷移層は平面方向に均一でないため、図5中の、エッチングにより炭素含有層12を露出させるステップ(S14)後の表面粗さは、2nm(10μmx10μm領域でのRMS: 以下RMSと記す)以上と大きい。したがって、エッチングにより露出させた単結晶炭化シリコン層13の表面の粗さを、エピタキシャル成長に必要な表面粗さである0.5nm(RMS)以下にするために、引き続き、露出させた単結晶炭化シリコン層13の表面をCMP処理して平滑化するステップ(S15)を行うことが必須となる。
しかしながら、このCMP処理には次のような問題がある。SiCはシリコン結晶と比較して研磨面の化学反応性が低いため、SiCのCMP処理による除去速度は、毎時10nmのオーダーと、シリコンの研磨の毎分50nmに対して非常に遅く、研磨に長時間を要する。さらにSiCの機械的な硬さは極めて高く、ダイヤモンド研磨剤、またはシリコン向けの研磨剤の使用は、研磨痕を付けるだけに終わる可能性がある。このため、SiCの研磨にあたっては、例えばコロイダルシリカ粒子のような非常に特殊な研磨剤を使う必要がある(特許文献9〜10)。このように、SiCのCMP処理は多くの困難を抱えており、このCMP処理(S15)を省略・あるいは軽減することができれば、SiCウエハの製造に要するコスト及び時間を大幅に削減することができる。
本発明が解決しようとする課題は、CMP処理を実施することなく、0.5nm(RMS)以下の表面粗さの単結晶炭化シリコン層を有するSiCウエハを製造することができる製造方法を提供することにある。あるいは、極々軽微なCPM処理を行うだけで、Siウェハ(RMSで約0.2nm)とほぼ同等の、極めて表面粗さの小さいSiCウエハを製造することができる製造方法を提供することにある。
本出願に係る発明には、以下の発明(1)〜(13)が含まれる。
(1)下記のステップを順次実施することを特徴とする、SiCウエハの製造方法:
シリコン基板の表面に緩衝層を形成するステップ;
前記シリコン基板内に前記緩衝層を通して炭素イオンを注入することによりシリコンと炭素の混在した炭素含有層を形成するステップ;
前記シリコン基板から前記緩衝層を選択的に除去することにより前記炭素含有層を露出させるステップ;及び
前記シリコン基板を熱処理して前記炭素含有層を単結晶化させることにより単結晶炭化シリコン層を形成するステップ。
(2)前記熱処理の雰囲気が非酸化性雰囲気である、(1)の製造方法。
(3)前記熱処理の雰囲気中に酸素が含まれ、前記熱処理の過程で前記単結晶炭化シリコン層の表面に形成された酸化層を前記熱処理後に除去することにより、前記単結晶炭化シリコン層を露出させる、(1)の製造方法。
(4)下記のステップを順次実施することを特徴とする、SiCウエハの製造方法:
シリコン基板の表面に緩衝層を形成するステップ;
前記シリコン基板内に前記緩衝層を通して炭素イオンを注入することにより、シリコンと炭素の混在した炭素含有層を形成するステップ;
前記シリコン基板を熱処理して前記炭素含有層を単結晶化させることにより単結晶炭化シリコン層を形成するステップ;及び
前記シリコン基板から前記緩衝層を選択的に除去することにより前記単結晶炭化シリコン層を露出させるステップ。
(5)前記緩衝層を気相エッチング又は液相エッチングにより選択的に除去する、(1)〜(4)のいずれかの製造方法。
(6)前記緩衝層がシリコン酸化物、シリコン窒化物又は両者の組み合わせからなる、(5)の製造方法。
(7)炭素イオンの注入直後に、前記炭素含有層と前記シリコン基板との界面における前記シリコン基板側の炭素原子濃度が15atom%以上、かつ前記シリコン基板内における炭素原子濃度の最大値が55atom%以下になるようにイオン注入条件を調整する、請求項(1)〜(6)のいずれかの製造方法。
(8)前記イオン注入条件には、前記緩衝層の厚さ、炭素イオンの注入エネルギー、炭素イオンの注入量のうちのいずれかが含まれる、(7)の製造方法。
(9)前記炭素原子濃度が25atom%以上である、(7)又は(8)の製造方法。
(10)炭素イオンの注入を前記シリコン基板を400℃以上1000℃以下の温度に加熱した状態で行う、(1)〜(9)のいずれかの製造方法。
(11)前記熱処理の温度が1100℃以上シリコン融点未満である、(1)〜(10)のいずれかの製造方法。
(12)前記熱処理の温度が1200℃以上シリコン融点未満である、(11)の製造方法。
(13)前記熱処理の温度が1300℃以上シリコン融点未満である、(12)の製造方法。
本発明によれば、CMP処理を実施することなく、0.5nm(RMS)以下の表面粗さの単結晶炭化シリコン層を有するSiCウエハを製造することができるので、SiCウエハの製造に要するコスト及び時間を従来よりも大幅に削減することができる。あるいは、極々軽微なCPM処理を行うだけで、Siウェハ(RMSで約0.2nm)とほぼ同等の、極めて表面粗さの小さいSiCウエハを製造することができる。
次に、本発明の実施形態について説明する。
[第1形態例]
図1は、本発明の製造方法における一連の工程を例示する工程図である。図2は、図1に対応する流れ図である。
この製造方法は、
シリコン基板1の表面に緩衝層2を形成するステップS1と、
シリコン基板1内に緩衝層2を通して炭素イオンを注入することによりシリコンと炭素の混在した炭素含有層3を形成するステップS2と、
シリコン基板1から緩衝層2を選択的に除去することにより炭素含有層3を露出させるステップS3と、
シリコン基板1を熱処理して炭素含有層3を単結晶化させることにより単結晶炭化シリコン層4を形成するステップS4と、
熱処理の過程で単結晶炭化シリコン層4の表面に形成された酸化層5を除去することにより単結晶炭化シリコン層4を露出させるステップS5と、を順次実施することによりSiCウエハ10を製造するものである。
ステップS1では、シリコン基板1の表層部にシリコン酸化物(SiO2)、シリコン窒化物(Si3N4、SiN)あるいはその組み合わせからなる緩衝層2を形成する。緩衝層2は、例えばシリコン基板1を約1000℃でドライ酸化あるいはウェット酸化することにより形成される。あるいは、シリコン基板1上に化学気相成長法(CVD)を用いて形成される。あるいは、ドライ酸化・ウェット酸化とCVDを組み合わせて形成される。また、シリコン基板1から選択的に除去可能であって、かつシリコン酸化物あるいはシリコン窒化物と同等の耐熱性を有する他の固体材料で緩衝層2を形成することも可能である。緩衝層2の厚さは、例えば炭素イオンの注入エネルギーとして100〜200keVを用いる場合、およそ200nm〜600nmの範囲の値から選定される。
ステップS2では、炭素イオンの注入直後に、炭素含有層3(シリコンと炭素の混在した領域)と緩衝層2との界面(以下、「緩衝層2/炭素含有層3界面」と記す。)(炭素含有層3側)における炭素原子濃度、ずなわち、図1のステップS2における炭素含有層3の上端における炭素原子濃度が15atom%以上、かつ炭素含有層3内における炭素原子濃度の最大値が55atom%以下になるようにイオン注入条件を調整して、炭素イオンの注入を行う。
緩衝層2/炭素含有層3界面(炭素含有層3側)の炭素原子濃度を15atom%以上とすることは、良好な表面粗さを実現するために、極めて重要である。緩衝層2/炭素含有層3界面(炭素含有層3側)の炭素原子濃度が15atom%を下回ると、アニール後、単結晶炭化シリコン層4の上部に、ポリ炭化シリコン粒とSi結晶から成る遷移層が出現し始め、全工程完了後の表面粗さが劣化してしまう。一方、緩衝層2/炭素含有層3界面(炭素含有層3側)の炭素原子濃度を15atom%以上とすれば、上記遷移層は消滅し、良好な表面粗さを実現することが可能である。
より好ましくは、良好な表面粗さを安定的に実現するため、緩衝層2/炭素含有層3界面(炭素含有層3側)の炭素原子濃度を25atom%以上とすることが望ましい。
炭素含有層3内における炭素原子濃度の最大値を55atom%以下とすることは、単結晶炭化シリコン層4の結晶性を維持ために、極めて重要である。炭素含有層3内における炭素原子濃度の最大値55atom%を超えると、アニール後には、単結晶炭化シリコン層4内に微小炭素粒からなる欠陥が出現し、単結晶炭化シリコン層4の結晶性を劣化させる。一方、炭素含有層3内における炭素原子濃度の最大値を55atom%以下とすれば、上述の炭素粒の出現を抑制することが可能である。
より好ましくは、炭素粒の抑制を安定的に実現するため、炭素含有層3内における炭素原子濃度の最大値を50atom%以下とすることが望ましい。
炭素イオンの注入は、シリコン基板を400℃以上の温度に加熱した状態で行うことが望ましい。基板の加熱温度が400℃を下回ると、注入後に、炭素含有層3を構成する単結晶炭化シリコン粒の配向性が乱れるため、アニール後には、単結晶炭化シリコン層4の結晶性が乱れ、はなはだしい場合には、ポリ層あるいはアモルファス層となってしまうこともある。
より好ましくは、単結晶炭化シリコン層4の結晶性をさらに高めるため、シリコン基板を500℃以上の温度に加熱した状態で炭素イオンの注入を行うことが望ましい。
炭素イオンの注入は、シリコン基板を1000℃以下の温度に加熱した状態で行うことが望ましい。基板の加熱温度が1000℃を上回ると、注入後に、炭素含有層3を構成する単結晶炭化シリコン粒がデンドライド状に融合し、アニール後には、単結晶炭化シリコン層4の緻密性、均一性が損なわれる。
より好ましくは、単結晶炭化シリコン層4の緻密性、均一性をさらに高めるため、シリコン基板を800℃以下の温度に加熱した状態で炭素イオンの注入を行うことが望ましい。
なお、上記イオン注入条件の調整は、緩衝層2の厚さに応じて、炭素イオンの注入エネルギー、ならびに炭素イオンの注入量を、調整することによりなされる。
たとえば、緩衝層2の厚さが400nm〜550nmの場合、炭素イオンの注入エネルギーはおよそ180keV、炭素イオンの注入量は7x1017〜8x1017 cm-2が適当である。
ステップS3では、緩衝層2を液相エッチングすることにより、緩衝層2だけを選択的に除去する。緩衝層2が酸化物の場合には、希フッ酸、あるいはフッ化アンモニウムなどが液相エッチャントとして利用可能である。緩衝層2が酸化物の場合には、熱燐酸などが液相エッチャントとして利用可能である。
ステップS4では、1100℃以上シリコン融点未満の温度の0.5体積%程度の酸素を含むアルゴンガス雰囲気中でシリコン基板1を熱処理する。この熱処理の所要時間は10時間程度である。表面粗さをより改善するためには、シリコン融点未満の温度範囲において、1200℃以上、更には1300℃以上で熱処理を行うことが望ましい。炭素含有層3が単結晶化する過程で、炭素含有層3中の酸化物が表面に移動するため、最終的に形成される単結晶炭化シリコン層4中の酸素含有量は極々微量である。
ステップS5では、酸化層5を希フッ酸でエッチングし除去することにより、単結晶炭化シリコン層4を露出させる。酸化層5を除去することにより、炭素含有層3から表面に運び出された酸化物が酸化層5に取り込まれた状態で完全に取り去られる。その結果、0.5nm(RMS)以下の表面粗さの単結晶炭化シリコン層4が露出する。この表面粗さの値は、エピタキシャル成長に必要な表面粗さのレベルである。
ステップS3、S5において、液層エッチングの代わりに気相エッチングを行うこともできる。
上記のように、第2形態例の製造方法によれば、CMP処理を実施することなく、0.5nm(RMS)以下の表面粗さの単結晶炭化シリコン層4を有するSiCウエハ10を製造することができる。
なお、ステップS4の熱処理は、非酸化性雰囲気中で行ってもよい。この場合、ステップS5は省略可能であり、アニール直後に、単結晶炭化シリコン層4が表面に露出する。
[第2形態例]
図3は、本発明の製造方法における一連の工程を例示する工程図である。図4は、図1に対応する流れ図である。
この製造方法は、
シリコン基板1の表面に緩衝層2を形成するステップS1-2と、
シリコン基板1内に緩衝層2を通して炭素イオンを注入することによりシリコンと炭素の混在した炭素含有層3を形成するステップS2-2と、
シリコン基板1を熱処理して炭素含有層3を単結晶化させることにより単結晶炭化シリコン層4を形成するステップS3-2と、
シリコン基板1から緩衝層2を選択的に除去することにより単結晶炭化シリコン層4を露出させるステップS4-2と、を順次実施することによりSiCウエハ10を製造するものである。
上記ステップS1-2〜S4-2のうち、S1-2及びS2-2は、第1形態例のステップS1及びS2と同じである。
ステップS3-2では、1100℃以上シリコン融点未満の温度の0.5体積%程度の酸素を含むアルゴンガス雰囲気中でシリコン基板1を熱処理する。この熱処理の所要時間は10時間程度である。表面粗さをより改善するためには、シリコン融点未満の温度範囲において、1200℃以上、更には1300℃以上で熱処理を行うことが望ましい。炭素含有層3が単結晶化する過程で、炭素含有層3中の酸素が緩衝層2内に移動するため、最終的に形成される単結晶炭化シリコン層4中の酸素含有量は極々微量である。
ステップS4-2では、緩衝層2を希フッ酸でエッチングし除去することにより、単結晶炭化シリコン層4を露出させる。緩衝層2を除去することにより、炭素含有層3から運び出された酸素が緩衝層2に取り込まれた状態で完全に取り去られる。その結果、0.5nm(RMS)以下の表面粗さの単結晶炭化シリコン層4が露出する。この表面粗さの値は、エピタキシャル成長に必要な表面粗さのレベルである。
ステップS4-2において、液層エッチングの代わりに気相エッチングを行うこともできる。
上記のように、第2形態例の製造方法によれば、CMP処理を実施することなく、0.5nm(RMS)以下の表面粗さの単結晶炭化シリコン層4を有するSiCウエハ10を製造することができる。
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
直径150mmの(111)n型フロートゾーンシリコンウェハを複数枚用意し、1100℃のドライ酸化雰囲気中で熱処理して、ウエハ上に300nm、350nm、400nm、および450nm厚の表面酸化膜からなる緩衝層を形成した。各緩衝層厚のサンプルを、複数枚作製した。これらのウエハに、ウエハ加熱温度550℃、加速エネルギー180keV、ドーズ量7.5×11017/cmで炭素イオン(C+)注入を行い、シリコン基板内部に炭素含有層を形成した。注入後、一部のサンプルについては、ラザフォード後方散乱法(RBS)測定により、注入された炭素イオンの基板深さ方向の濃度プロファイルを取得した。この結果、表面酸化膜厚300nm、350nm、400nm、および450nmの各サンプルにおける緩衝層/炭素含有層の界面(炭素含有層側)における炭素原子濃度は、それぞれ、9atom%、19atom%、32atom%、47atom%であった。また、いずれのサンプルにおいても、炭素含有層の最大炭素原子濃度は48〜52%の範囲内であった。残りのサンプルについては、注入後、各サンプル上に形成された酸化膜緩衝層を、希釈フッ酸で除去した。引き続き、各サンプルを縦型高温熱処理炉によって1350℃、Ar+0.5体積%O雰囲気中で10時間高温アニールし、その後、サンプル表面に形成された表面酸化膜を希釈フッ酸で除去した。その後、各サンプル表面付近の断面構造を断面透過電子顕微鏡(断面TEM)で評価した。また、各サンプルの表面粗さ(RMS)を原子間力顕微鏡(AFM)で評価した。断面TEM評価の結果、サンプルの表面部には50〜120nm厚の単結晶炭化シリコン層が形成されていることが判明した。単結晶炭化シリコン層の厚みは、酸化膜緩衝層厚の増加に伴って単調に減少した。酸化膜緩衝層厚300nmのサンプルでは、ウエハ再表面にポリSiC粒とSi結晶からなる遷移層が見られ、表面ラフネス(RMS)も約4nmと大きいことが判明した。酸化膜緩衝層厚350nm以上のサンプルでは、遷移層は消失した。酸化膜緩衝層厚が350nm、400nm、450nmの各サンプルにおける表面ラフネス(RMS)は、それぞれ0.8nm、0.4nm、0.3nmとなり、酸化膜緩衝層厚の増加、すなわち緩衝層/炭素含有層の界面における炭素原子濃度の増加に伴って、大きく改善した。酸化膜緩衝層厚が400nm、450nmの各サンプルは、CMP処理を実施することなく、エピタキシャル成長に適した0.5nm(RMS)以下の表面粗さを達成した。
(比較例1)
直径150mmの(111)n型フロートゾーンシリコンウェハを複数枚用意し、これらのウエハに、緩衝層を形成することなく、ウエハ加熱温度550℃、加速エネルギー180keV、ドーズ量7.5×1017/cmで炭素イオン(C+)注入を行い、シリコン基板内部に炭素含有層を形成した。注入後、RBS測定により、注入された炭素イオンの基板深さ方向の濃度プロファイルを取得した。この結果、炭素含有層の最大炭素原子濃度は48〜52%の範囲であった。引き続き、各サンプルを縦型高温熱処理炉によって1350℃、Ar+0.5体積%O雰囲気中で10時間高温アニールした。その後、一部のサンプルについて、表面付近の断面構造を断面TEM評価した。この結果、約130nm厚の表面酸化膜、約260nm厚のシリコン層、約40nm厚の遷移層、約120nm厚の単結晶炭化シリコン層からなる積層構造が形成されていることが判明した。また、一部のサンプルについては、高温アニール後、引き続き1100℃のドライ酸化雰囲気中で表面酸化膜、シリコン層、遷移層を酸化し、同酸化によってサンプル表面に形成された表面酸化膜を希釈フッ酸で除去した。その後、サンプルの表面粗さ(RMS)をAFMで評価した。サンプルの表面粗さ(RMS)は、2.6〜3.8nmと大きく、CMP処理なしではエピタキシャル成長に適さないことが判明した。
(実施例2)
直径150mmの(111)n型フロートゾーンシリコンウェハを複数枚用意し、1100℃のドライ酸化雰囲気中で熱処理して、ウエハ上に450nm厚の表面酸化膜からなる緩衝層を形成した。これらのウエハに、ウエハ加熱温度550℃、加速エネルギー180keV、ドーズ量7.5×1017/cm2、8.5×1017/cm2、9.0×1017/cmで炭素イオン(C+)注入を行い、シリコン基板内部に炭素含有層を形成した。注入後、一部のサンプルについては、ラザフォード後方散乱法(RBS)測定により、注入された炭素イオンの基板深さ方向の濃度プロファイルを取得した。この結果、ドーズ量が7.5×1017/cm2、8.5×1017/cm2、9.0×1017/cmの各サンプルにおける緩衝層/炭素含有層の界面(炭素含有層側)における炭素原子濃度は、それぞれ、47atom%、53atom%、56atom%であった。また、ドーズ量が7.5×1017/cm2、8.5×1017/cm2、9.0×1017/cmの各サンプルにおける炭素含有層の最大炭素原子濃度は、それぞれ、51atom%、56atom%、59atom%であった。残りのサンプルについては、注入後、各サンプル上に形成された酸化膜緩衝層を、希釈フッ酸で除去した。引き続き、各サンプルを縦型高温熱処理炉によって1350℃、Ar+0.5体積%O雰囲気中で10時間高温アニールし、その後、サンプル表面に形成された表面酸化膜を希釈フッ酸で除去した。その後、各サンプル表面付近の断面構造を断面TEMで評価した。また、各サンプルの表面粗さ(RMS)をAFMで評価した。断面TEM評価の結果、ドーズ量が9.0×1017/cmのサンプルでは、ドーズ量過多に起因して単結晶炭化シリコン層にカーボン粒からなる欠陥が発生しており、エピタキシャル成長に適さないことが判明した。ドーズ量が7.5×1017/cm2、8.5×1017/cmのサンプルでは、カーボン粒による欠陥の発生は認められなかった。ドーズ量が7.5×1017/cm2、8.5×1017/cmの各サンプルにおける表面ラフネス(RMS)は、それぞれ0.3nm、0.4nmとなり、CMP処理を実施することなく、エピタキシャル成長に適した0.5nm(RMS)以下の表面粗さを達成した。
(実施例3)
直径150mmの(111)n型フロートゾーンシリコンウェハを1100℃のドライ酸化雰囲気中で熱処理し、ウエハ上に300nm厚の表面酸化膜からなる緩衝層を形成した。さらに減圧化学気相成長法(LPCVD)により、酸化膜緩衝層上に150nm厚のシリコン窒化物(Si)からなる緩衝層を形成した。これらのウエハに、ウエハ加熱温度550℃、加速エネルギー180keV、ドーズ量7.5×1017/cmで炭素イオン(C+)注入を行い、シリコン基板内部に炭素含有層を形成した。注入後、ラザフォード後方散乱法(RBS)測定により、注入された炭素イオンの基板深さ方向の濃度プロファイルを取得した。この結果、サンプルの酸化膜緩衝層/炭素含有層界面における炭素原子濃度は45%、炭素含有層の最大炭素原子濃度は51atom%であった。注入後、各サンプル上に形成された表面酸化膜を希釈フッ酸で除去した。引き続き、各サンプルを縦型高温熱処理炉によって1350℃、Ar+0.5体積%O雰囲気中で10時間高温アニールし、その後、サンプル表面に形成された表面酸化膜を希釈フッ酸で除去した。その後、サンプル表面付近の断面構造を断面TEM評価した。また、サンプルの表面粗さ(RMS)をAFMで評価した。断面TEM評価の結果、ウエハ表面部に約50nm厚の単結晶炭化シリコン層が形成されていることが判明した。サンプルの表面ラフネス(RMS)は、0.4nmとなり、CMP処理を実施することなく、エピタキシャル成長に適した0.5nm(RMS)以下の表面粗さを達成した。
(実施例4)
直径150mmの(111)n型フロートゾーンシリコンウェハを1100℃のドライ酸化雰囲気中で熱処理し、ウエハ上に450nm厚の表面酸化膜からなる緩衝層を形成した。これらのウエハに、ウエハ加熱温度550℃、加速エネルギー180keV、ドーズ量7.5×1017/cmで炭素イオン(C+)注入を行い、シリコン基板内部に炭素含有層を形成した。注入後、ラザフォード後方散乱法(RBS)測定により、注入された炭素イオンの基板深さ方向の濃度プロファイルを取得した。この結果、サンプルの酸化膜緩衝層/炭素含有層界面における炭素原子濃度は47atom%、炭素含有層の最大炭素原子濃度は51atom%であった。注入後、各サンプル上に形成された表面酸化膜を希釈フッ酸で除去した。引き続き、各サンプルを縦型高温熱処理炉によって1200℃、純雰囲気中で10時間高温アニールした。その後、サンプル表面付近の断面構造を断面TEM評価した。また、サンプルの表面粗さ(RMS)をAFMで評価した。断面TEM評価の結果、ウエハ表面部に約90nm厚の単結晶炭化シリコン層が形成されていることが判明した。サンプルの表面ラフネス(RMS)は、0.5nmとなり、CMP処理を実施することなく、エピタキシャル成長に適した0.5nm(RMS)以下の表面粗さを達成した。
(実施例5)
直径150mmの(111)n型フロートゾーンシリコンウェハを複数枚用意し、1100℃のドライ酸化雰囲気中で熱処理して、ウエハ上に450nm厚の表面酸化膜からなる緩衝層を形成した。これらのウエハに、加速エネルギー180keV、ドーズ量7.5×1017/cmで炭素イオン(C+)注入を行い、シリコン基板内部に炭素含有層を形成した。この際、ウエハ加熱温度350℃、400℃、700℃、1000℃、1050℃とした。注入後、一部のサンプルについては、ラザフォード後方散乱法(RBS)測定により、注入された炭素イオンの基板深さ方向の濃度プロファイルを取得した。この結果、緩衝層/炭素含有層の界面(炭素含有層側)における炭素原子濃度は、45〜48atom%の範囲内であった。また、いずれのサンプルにおいても、炭素含有層の最大炭素原子濃度は47〜52%の範囲内であった。残りのサンプルについては、注入後、各サンプル上に形成された酸化膜緩衝層を、希釈フッ酸で除去した。引き続き、各サンプルを縦型高温熱処理炉によって1350℃、Ar+0.5体積%O雰囲気中で10時間高温アニールし、その後、サンプル表面に形成された表面酸化膜を希釈フッ酸で除去した。その後、各サンプル表面付近の断面構造を断面TEMで評価した。また、各サンプルの表面粗さ(RMS)をAFMで評価した。断面TEM評価の結果、ウエハ加熱温度350℃で注入を行ったサンプルでは、単結晶炭化シリコン層の上部および下部がアモルファス化しており、エピタキシャル成長に適していないことが判明した。また、ウエハ加熱温度1050℃で注入を行ったサンプルでは、単結晶炭化シリコン層が、Si領域と炭化シリコン領域との混合層になっており、エピタキシャル成長に適していないことが判明した。ウエハ加熱温度400〜1000℃で注入を行ったサンプルでは、連続した単結晶炭化シリコン層が、形成されていた。ウエハ加熱温度が400℃、700℃、1000℃の各サンプルにおける表面ラフネス(RMS)は、それぞれ0.5nm、0.3nm、0.5nmとなり、CMP処理を実施することなく、エピタキシャル成長に適した0.5nm(RMS)以下の表面粗さを達成した。
(実施例6)
直径150mmの(111)n型フロートゾーンシリコンウェハを1100℃のドライ酸化雰囲気中で熱処理し、ウエハ上に450nm厚の表面酸化膜からなる緩衝層を形成した。これらのウエハに、ウエハ加熱温度550℃、加速エネルギー180keV、ドーズ量7.5×1017/cmで炭素イオン(C+)注入を行い、シリコン基板内部に炭素含有層を形成した。注入後、ラザフォード後方散乱法(RBS)測定により、注入された炭素イオンの基板深さ方向の濃度プロファイルを取得した。この結果、サンプルの酸化膜緩衝層/炭素含有層界面における炭素原子濃度は47%、炭素含有層の最大炭素原子濃度は51%であった。注入後、各サンプル上に形成された表面酸化膜を希釈フッ酸で除去した。引き続き、各サンプルを縦型高温熱処理炉によってAr+0.5体積%O雰囲気中で10時間高温アニールした。アニール保持温度は、1100℃、1200℃、1300℃、1350℃とした。その後、サンプル表面に形成された表面酸化膜を希釈フッ酸で除去した。その後、各サンプル表面付近の断面構造を断面TEMで評価した。また、各サンプルの表面粗さ(RMS)をAFMで評価した。断面TEM評価の結果、ウエハ表面部に約50〜80nm厚の単結晶炭化シリコン層が形成されていることが判明した。アニール保持温度が1100℃、1200℃、1300℃、1350℃の各サンプルにおける表面ラフネス(RMS)は、それぞれ0.7nm、0.5nm、0.4nm、0.3nmとなり、アニール保持温度の上昇に伴って改善した。アニール保持温度が1200℃以上の各サンプルは、CMP処理を実施することなく、エピタキシャル成長に適した0.5nm(RMS)以下の表面粗さを達成した。
(実施例7)
直径150mmの(111)n型 フロートゾーンシリコンウェハを複数枚用意し、1100℃のドライ酸化雰囲気中で熱処理して、ウエハ上に300nm、350nm、400nm、および450nm厚の表面酸化膜からなる緩衝層を形成した。各緩衝層厚のサンプルを複数枚作製した。これらのウエハに、ウエハ加熱温度550℃、加速エネルギー180keV、ドーズ量7.5×1017/cmで炭素イオン(C+)注入を行い、シリコン基板内部に炭素含有層を形成した。注入後、サンプルの一部については、ラザフォード後方散乱法(RBS)測定により、注入された炭素イオンの基板深さ方向の濃度プロファイルを取得した。この結果、表面酸化膜厚300nm、350nm、400nm、および450nmの各サンプルにおける緩衝層/炭素含有層の界面(炭素含有層側)における炭素原子濃度は、それぞれ、9%、19%、32%、47%であった。また、いずれのサンプルにおいても、炭素含有層の最大炭素原子濃度は48〜52%の範囲内であった。残りのサンプルについては、注入後引き続き、縦型高温熱処理炉によって1350℃、Ar+0.5体積%O雰囲気中で10時間高温アニールし、その後、サンプル表面の緩衝層を希釈フッ酸で除去した。その後、各サンプル表面付近の断面構造を断面TEMで評価した。また、各サンプルの表面粗さ(RMS)をAFMで評価した。断面TEM評価の結果、ウエハ表面部に50〜160nm厚の単結晶炭化シリコン層が形成されていることが判明した。単結晶炭化シリコン層の厚みは、酸化膜緩衝層厚の増加に伴って単調に減少した。酸化膜緩衝層厚300nmのサンプルでは、ウエハ再表面に一部遷移層の残存が見られ、表面ラフネス(RMS)も約7nmと大きいことが判明した。酸化膜緩衝層厚350nm以上のサンプルでは、遷移層は消失した。酸化膜緩衝層厚350nm、400nm、450nmの各サンプルにおける表面ラフネス(RMS)は、それぞれ1.3nm、0.7nm、0.5nmとなり、酸化膜緩衝層厚の増加、即ち緩衝層/炭素含有層の界面における炭素原子濃度の増加に伴って、大きく改善した。特に、酸化膜緩衝層厚450nmのサンプルは、CMP処理を実施することなく、エピタキシャル成長に適した0.5nm(RMS)以下の表面粗さを達成した。
本発明の製造方法における一連の工程を例示する工程図 図1に対応する流れ図 本発明の製造方法における一連の工程を例示する工程図 図2に対応する流れ図 従来の製造方法における一連の工程を例示する流れ図
符号の説明
1 シリコン基板
2 緩衝層
3 炭素含有層
4 単結晶炭化シリコン層
5 酸化層
10 SiCウエハ

Claims (13)

  1. 下記のステップを順次実施することを特徴とする、表層部が単結晶炭化シリコン層からなる半導体基板の製造方法:
    シリコン基板の表面に緩衝層を形成するステップ;
    前記シリコン基板内に前記緩衝層を通して炭素イオンを注入することによりシリコンと炭素の混在した炭素含有層を形成するステップ;
    前記シリコン基板から前記緩衝層を選択的に除去することにより前記炭素含有層を露出させるステップ;及び
    前記シリコン基板を熱処理して前記炭素含有層を単結晶化させることにより単結晶炭化シリコン層を形成するステップ。
  2. 前記熱処理の雰囲気が非酸化性雰囲気である、請求項1の製造方法。
  3. 前記熱処理の雰囲気中に酸素が含まれ、前記熱処理の過程で前記単結晶炭化シリコン層の表面に形成された酸化層を前記熱処理後に除去することにより、前記単結晶炭化シリコン層を露出させる、請求項1の製造方法。
  4. 下記のステップを順次実施することを特徴とする、表層部が単結晶炭化シリコン層からなる半導体基板の製造方法:
    シリコン基板の表面に緩衝層を形成するステップ;
    前記シリコン基板内に前記緩衝層を通して炭素イオンを注入することにより、シリコンと炭素の混在した炭素含有層を形成するステップ;
    前記シリコン基板を熱処理して前記炭素含有層を単結晶化させることにより単結晶炭化シリコン層を形成するステップ;及び
    前記シリコン基板から前記緩衝層を選択的に除去することにより前記単結晶炭化シリコン層を露出させるステップ。
  5. 前記緩衝層を気相エッチング又は液相エッチングにより選択的に除去する、請求項1〜4のいずれかの製造方法。
  6. 前記緩衝層がシリコン酸化物、シリコン窒化物又は両者の組み合わせからなる、請求項5の製造方法。
  7. 炭素イオンの注入直後に、前記炭素含有層と前記シリコン基板との界面における前記シリコン基板側の炭素原子濃度が15atom%以上、かつ前記シリコン基板内における炭素原子濃度の最大値が55atom%以下になるようにイオン注入条件を調整する、請求項1〜6のいずれかの製造方法。
  8. 前記イオン注入条件には、前記緩衝層の厚さ、炭素イオンの注入エネルギー、炭素イオンの注入量のうちのいずれかが含まれる、請求項7の製造方法。
  9. 前記炭素原子濃度が25atom%以上である、請求項7又は8の製造方法。
  10. 炭素イオンの注入を前記シリコン基板を400℃以上1000℃以下の温度に加熱した状態で行う、請求項1〜9のいずれかの製造方法。
  11. 前記熱処理の温度が1100℃以上シリコン融点未満である、請求項1〜10のいずれかの製造方法。
  12. 前記熱処理の温度が1200℃以上シリコン融点未満である、請求項11の製造方法。
  13. 前記熱処理の温度が1300℃以上シリコン融点未満である、請求項12の製造方法。
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