JP2009009740A - 色素増感太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】色素増感太陽電池10は、透明基板12aと、透明導電膜14aと、透明導電膜14aと対向して設けられる導電性基板を備え、色素を吸着した多孔質半導体層16と電解質18を有する。透明基板12aの透明導電膜14a側表面にシリカ微粒子をシリカ皮膜形成溶液に分散した液を塗布して得られるシリカ微粒子層22が形成される。多孔質半導体層16は、多孔質な酸化チタン層16aと多孔質な酸化チタン層16aよりも緻密な酸化チタン層16bからなる2層構造である。
【選択図】図1
Description
このように構成される色素増感太陽電池は、材料が安価であり、作製に大掛かりな設備を必要としないことから、低コストの太陽電池として注目されている。
このように、上記した従来技術では、透明基板の表面に形成される凹凸の程度が小さいために、色素増感太陽電池に用いる場合には透明基板側から入射される光の利用効率を高めるうえで、必ずしも十分ではない。
また、透明基板の表面に単に凹凸を形成するだけでは、必ずしも高い太陽光の変換効率を得ることはできないものと考えられる。
該透明基板の該透明導電膜側表面にシリカ微粒子をシリカ皮膜形成溶液に分散した液を塗布して得られるシリカ微粒子層が形成され形成され、
該多孔質半導体層が、多孔質な酸化チタン層および該多孔質な酸化チタン層と該透明導電膜の間に配置される該多孔質な酸化チタン層よりも緻密な酸化チタン層からなる2層構造であることを特徴とする。
また、本発明に係る色素増感太陽電池は、さらに、多孔質半導体層が、多孔質な酸化チタン層および多孔質な酸化チタン層と前記透明導電膜の間に配置される多孔質な酸化チタン層よりも緻密な酸化チタン層の2層構造であるため、製造時に上記凹凸と多孔質半導体層との間に生じうる空隙を減少し、あるいはまた、上記凹凸を確実に多孔質半導体層で覆うことができる。また、これにより、太陽光の変換効率が高い。
そして、透明基板12aの透明導電膜14a側表面にシリカ微粒子をシリカ皮膜形成溶液に分散した液を塗布して得られるシリカ微粒子層22が形成される。
また、多孔質半導体層16は、多孔質な酸化チタン層16aと多孔質な酸化チタン層16aよりも緻密な酸化チタン層16bからなる2層構造である。
透明基板12aの表面のシリカ微粒子層22は、例えば市販のシリカ粒子(株式会社日本触媒製球状微粉体 シーホスター)やシリカゲル粒子(旭硝子エスアイテック株式会社製)を、例えばソーダライムガラスのアルカリバリア皮膜として用いられるシリカ薄膜のコーティング剤(例えば東京応化工業株式会社製OCD T-2)のようなシリカ皮膜形成溶液に分散し、このシリカ微粒子分散液を例えばスピンコート法等の塗布法やスプレー法により加熱した基板上に微粒子を噴霧固定することにより透明基板12aの表面に形成される。
この場合、透明基板12aとしてガラス板を用いるときは、コストの面から、ソーダライムガラスのような建材用の低価格のガラスを用いると好適である。ソーダライムガラスは、そのままではガラスに含まれるナトリウム(ソーダ)成分が透明導電膜へ拡散し抵抗の値が上昇するが、シリカ微粒子層22で被覆することにより、拡散を防止することができる。
凹凸は、算術平均値で0.3〜3μmの範囲にあると、太陽光の利用効率を高めるうえでより好適である。凹凸が0.3μmを大きく下回るとこのような凹凸の無い基板との効率上の差異がなくなるおそれがあり、凹凸が3μmを大きく上回ると太陽光の変換効率が低下するおそれがある。後者については、その理由は必ずしも明らかではないが、凹凸が極端に大きいと、シリカ微粒子をシリカの皮膜形成材で固定することが難しくなり、凹凸の上にそれぞれ薄膜状に順次積層される透明導電膜14aおよび多孔質半導体層16の剥離やボイドを生じ、例えば電解液と透明導電膜との接触のような短絡を生じる等の不具合が考えられる。
上記の凹凸を得るうえで、シリカ微粒子は、平均粒径が0.5〜5μmの範囲のものを用いることが好適である。
また、シリカ微粒子層22の表面の微粒子数が10,000〜80,000個/mm2であり、二段に重なりを生じないような密度で塗布することが望ましい。
ITOは、光透過率が高く、面積抵抗の低い透明導電性材料として好ましいものであるが、これに代えてFTOを用いることにより、比抵抗が3.5×10−4(Ωcm)程度の低いものが得られ、酸化チタン多孔質層を熱処理形成する際の熱安定性がより高い。
FTO透明導電膜を得る方法としては、スプレー法、CVD法、スパッタリング法、ディップ法など種々の方法があるが、中でもスプレー法やCVD法が、得られる膜の特性の面からも優れており、また経済性をも兼ね備える。これら方法において用いられる錫原料としては、SnCl4,(CnH2n+1)4Sn(ただしn=1〜4)、C4H9SnCl3、(CH3)2SnCl2等を使用することができる。また、フッ素をドーピングするための原料としては、スプレー法の場合、NH4F、CVD法の場合、HF、CCl2F2、CHClF2、CH3CHF2、CF3Br等を用いることができる。これら原料を用いた酸化錫の製膜により、フッ素や塩素量を最適化した透明導電膜層を形成できる。
シリカ微粒子層22の凹凸の表面に透明導電膜14aを例えば0.3〜1.5μm程度の厚みに積層することにより、透明導電膜14aはシリカ微粒子層22の凹凸に倣って表面が凹凸状に、あるいは全体として波状に形成される。
多孔質半導体層16は、例えば20〜30nm程度の径(直径)の微粒子を用いて製膜して得られる多孔質な酸化チタン層16aと、多孔質な酸化チタン層16aと透明導電膜14aの間に例えば10nm以下程度の径(直径)の微粒子を用いて製膜して得られる多孔質な酸化チタン層16aよりも緻密な酸化チタン層16bからなる2層構造である。
これにより、透明導電膜14aの凹凸をカバレッジよく覆うことができ、すなわち、製造時に上記凹凸と多孔質半導体層との間に生じうる空隙を解消し、あるいはまた、上記凹凸を確実に多孔質半導体層で覆うことができる。また、透明導電膜14aの上に緻密な酸化チタン層16bを設けることにより、透明導電膜14aが電解質18と接触して逆電子反応を生じるおそれを抑制することができる。
多孔質半導体層16の各層の厚みは、特に限定するものではなく、多孔質な酸化チタン層16aについては例えば5〜30μm程度の厚みとすることができ、緻密な酸化チタン層16bについては例えば0.05〜0.3μm程度の厚みとすることができる。
このため、透明導電膜14aあるいは透明基板12aの表面に形成する従来のものに比べて大きな凹凸を緻密な酸化チタン層16bでカバレッジよく覆うには、緻密な酸化チタン層16bを、より好ましくは以下の方法により形成する。
すなわち、原料となる酸化チタン前駆物質としては、水酸化チタン、チタンイソプロポキシド、硫酸チタニルや硝酸チタニルなどを用いる。この酸化チタン前駆物質を例えば2-プロパノールと蒸留水で希釈し、pHを、硫酸、硝酸、塩酸などの酸によりに調整した溶液に凹凸がある酸化スズ透明導電膜がついたガラス基板を浸漬し、その上部より紫外線を照射する。PHの調整により得られる結晶の形態や結晶性が制御でき、500℃での焼成後アナターゼが製膜するpH1.5付近がより望ましい。例えば約20時間紫外線を照射することで、例えば約0.1〜0.2μm程度の緻密な酸化チタン層16bが形成される。この酸化チタン層16bの皮膜が0.2μmを大きく超える厚みに形成されると、光透過率が減少するおそれがある。
透過性の高い多孔質膜は、例えばHTペースト(Solaronix社製)やPST-NR18ペースト(触媒化成工業株式会社製)等の原料を用いてスクリーンプリントやスキージ等の方法で製膜することにより得ることができ、また、散乱性の高い多孔質膜は、例えばDペースト(Solaronix社製)やPST-200Cペースト(触媒化成工業株式会社製)等の原料を用いてスクリーンプリントやスキージ等の方法で製膜することにより得ることができる。
また、本実施の形態に係る色素増感太陽電池は、多孔質半導体層が、多孔質な酸化チタン層および多孔質な酸化チタン層と前記透明導電膜の間に配置される多孔質な酸化チタン層よりも緻密な酸化チタン層の2層構造であるため、製造時に上記凹凸と多孔質半導体層との間に生じうる空隙を減少し、あるいはまた、上記凹凸を確実に多孔質半導体層で覆うことができる。
これにより、本実施の形態に係る色素増感太陽電池は、太陽光の変換効率が高い。
平面寸法が25mm×25mm、厚さ1mmのホウケイ酸ガラスを十分洗浄乾燥し、ガラス基板とした。この基板上に以下のようにして凹凸を形成した。
エチレングリコール中に分散したシリカ粒子(シーホスタ 株式会社日本触媒製)とシリカ膜を形成する溶液(OCD T-2 東京応化工業株式会社製)を質量比で1:1の割合で混合した溶液100μLを、ピペットで5000rpmで回転しているスピンコーターに置かれたガラス基板に滴下し、凹凸膜を形成した。なお、シリカの微粒子は、0.5、1.5、2.5、5μmの4水準のものを使用した。
上記の基板に以下の方法でフッ素ドープ酸化スズ透明導電膜を形成した。
フッ素ドープ酸化スズ膜は、n−ブチル錫トリクロライド、水とエタノールの混合溶液に、フッ素ドープのためにフッ化アンモニウムを加え、キャリアガスとしての窒素ガスに酸素ガスを混合してスプレーガンにて霧化、450℃に熱したガラス基板に搬送、熱分解により製膜した。こうして得られたFTO膜付きガラスを十分に洗浄乾燥した。
フッ素ドープ酸化スズ膜の上に酸化チタンの緻密層を以下の方法で形成した。
チタン金属を過酸化水素水で溶解することにより得られたゲルを硝酸にて溶解することにより得られた硝酸チタニル溶液を、2-プロパノールと蒸留水で希釈し、pHを1.6に調整した溶液にフッ素ドープ酸化スズ膜がついたガラス基板を浸漬し、その上部より紫外線を照射した。約20時間の照射後、約0.1から0.2μm程度の皮膜(酸化チタン層)が形成された。
上記の酸化チタンの緻密層の上に酸化チタンの多孔質層を以下の方法で形成した。
酸化チタン微粒子ペーストを0.5cm×0.5cmの面積にスキージ法により塗布した。酸化チタン多孔質膜は、透過性の高い多孔質膜を6μm程度、その上に散乱性の高い微粒子を7μm程度製膜した。500℃で1時間の間、電気炉で熱処理を行った。得られた膜厚は、ほぼ13μmであった。
上記の酸化チタン膜をN719((RuL2(NCS)2:2TBA)、L=2,2’-bipyridyl-4,4’-dicarboxylic acid)色素を含むエタノール溶液中に13時間程度浸して、色素を吸着させた。
上記の色素を吸着した膜酸化チタン膜をスパッタ法により製膜した白金を持つFTOを対極として、50μmのスペーサにより封止した。このセルのなかに、アセトニトリル中、I2 250 ml、t-BuPy 580 mMを調整した電解質を注入して、セルを作製した。
太陽電池の特性は、ソーラーシミュレータを用いAM1.5、100mW/cm2の擬似太陽光を色素増感太陽電池に照射し、測定した。太陽電池の変換効率は、ガラス基板にシリカ微粒子を積層して凹凸を形成することを省略したほかは実施例と同様の構成とした太陽電池(参考例:実験No1)と比較した。
実験No7のチタニア多孔質膜(酸化チタン多孔質膜)の断面の透過電子顕微鏡写真を図2〜図4に示す。
図2〜図4より、FTO膜の表面の全体にわたって、緻密なチタニア層が形成されていることがわかる。また、FTO膜の表面の凹凸の深さ、言い換えれば波(うねり)の高さが1〜2μm程度であることがわかる。
12a 透明基板
12b 基板
14a 透明導電膜
14b 導電膜
16 多孔質半導体層
16a 多孔質な酸化チタン層
16b 緻密な酸化チタン層
18 電解質
20 セパレータ
22 シリカ微粒子層
Claims (5)
- 透明基板と、該透明基板の表面に形成される透明導電膜と、該透明導電膜と対向して設けられる導電性基板を備え、該透明導電膜と該導電性基板の間に色素を吸着した多孔質半導体層と電解質を有する色素増感太陽電池において、
該透明基板の該透明導電膜側表面にシリカ微粒子をシリカ皮膜形成溶液に分散した液を塗布して得られるシリカ微粒子層が形成され、
該多孔質半導体層が、多孔質な酸化チタン層および該多孔質な酸化チタン層と該透明導電膜の間に配置される該多孔質な酸化チタン層よりも緻密な酸化チタン層からなる2層構造であることを特徴とする色素増感太陽電池。 - 前記シリカ微粒子層の該透明導電膜側表面の凹凸が算術平均値で0.3〜3μmの範囲にあることを特徴とする請求項1記載の色素増感太陽電池。
- 前記シリカ微粒子層の表面の微粒子数が10,000〜80,000個/mm2であることを特徴とする請求項1記載の色素増感太陽電池。
- 前記多孔質な酸化チタン層よりも緻密な酸化チタン層が、酸化チタン前駆物質の酸溶液中に前記透明導電膜を浸漬し、紫外線照射することにより形成されるものであることを特徴とする請求項1記載の色素増感太陽電池。
- 前記透明導電膜が、フッ素をドープした酸化スズ膜であることを特徴とする請求項1記載の色素増感太陽電池。
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