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JP2008013519A - 光学活性2−フルオロアルコール誘導体の製造方法 - Google Patents

光学活性2−フルオロアルコール誘導体の製造方法 Download PDF

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JP2008013519A
JP2008013519A JP2006188304A JP2006188304A JP2008013519A JP 2008013519 A JP2008013519 A JP 2008013519A JP 2006188304 A JP2006188304 A JP 2006188304A JP 2006188304 A JP2006188304 A JP 2006188304A JP 2008013519 A JP2008013519 A JP 2008013519A
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Akihisa Ishii
章央 石井
Hideyuki Tsuruta
英之 鶴田
Takashi Otsuka
隆史 大塚
Katsu Kuriyama
克 栗山
Manabu Yasumoto
学 安本
Norito Inomiya
憲人 伊野宮
Koji Ueda
浩司 植田
Kaori Mogi
香織 茂木
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Abstract

【課題】医薬および光学材料の重要中間体である光学活性2−フルオロアルコール誘導体の、大量規模での生産に適した製造方法を提供する。
【解決手段】光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体を、有機塩基の存在下に、または有機塩基と「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の存在下に、スルフリルフルオリドと反応させ、得られた光学活性α−フルオロカルボン酸エステル誘導体を、ハイドライド還元剤と反応させることにより、光学活性2−フルオロアルコール誘導体を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、医薬および光学材料の重要中間体である光学活性2−フルオロアルコール誘導体の製造方法に関する。
光学活性2−フルオロアルコール誘導体は、医薬、光学材料の中間原料として有用な化合物である。
光学活性2−フルオロアルコール誘導体を製造するためには、光学活性α−フルオロカルボン酸エステル誘導体を合成し(第1工程)、かかる後に、該化合物のエステル部位をヒドロキシル基へと還元する(第2工程)のが、有用な方法と考えられる。かかる方法を採用する場合、鍵反応は第1工程である。すなわち、本発明が対象とする光学活性2−フルオロアルコール誘導体を効率よく製造するためには、光学活性α−フルオロカルボン酸エステル誘導体を、収率良く、また光学純度良く合成できるか否かにかかっている。
ここで、光学活性α−フルオロカルボン酸エステル誘導体の従来の製造方法および本発明に関連する技術としては、次の方法が知られている。
1)光学活性α−アミノ酸誘導体をフッ化水素・ピリジン錯体中で脱アミノフッ素化する方法(非特許文献1)。
2)ラセミのα−フルオロカルボン酸エステル誘導体を酵素による不斉加水分解で光学分割する方法(非特許文献2)。
3)光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体を種々の手法で脱ヒドロキシフッ素化する方法。3)の製造方法は、3−1)DAST[(C252NSF3]による方法(非特許文献3)、3−2)フルオロアルキルアミン試薬による方法(非特許文献4)と、3−3)ヒドロキシル基をスルホン酸エステル基に変換してフッ素アニオン(F-)で置換する方法(非特許文献5、非特許文献8)がある。
4)ヒドロキシル基を有する基質をDBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン)等の特殊な有機塩基の存在下にパーフルオロブタンスルホニルフルオリド(C49SO2F)等のパーフルオロアルカンスルホニルフルオリド(RfSO2F;Rfはパーフルオロアルキル基を表す)で脱ヒドロキシフッ素化する方法(特許文献1、特許文献2)。
5)ヒドロキシル基を有する基質をトリエチルアミン[(C253N]等の有機塩基とトリエチルアミン・三フッ化水素錯体[(C253N・3HF]等のフッ素化剤の存在下にパーフルオロブタンスルホニルフルオリドで脱ヒドロキシフッ素化する方法(非特許文献6、非特許文献7)。
6)ヒドロキシ誘導体を有機塩基の存在下、または有機塩基と「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体(トリエチルアミン・三フッ化水素錯体等)」の存在下に、トリフルオロメタンスルホニルフルオリド(CFSOF)と反応させることによりフルオロ誘導体を製造する方法(特許文献3〜6)。
米国特許第5760255号明細書 米国特許第6248889号明細書 国際公開2004/089968号パンフレット(特開2004−323518号公報) 特開2005−083163号公報 特開2005−336151号公報 特開2005−008534号公報 Tetrahedron Letters(英国),1993年,第34巻,第2号,p.293−296 Organic Syntheses(米国),1990年,第69巻,p.10−18 Journal of the Chemical Society,Perkin Transactions 1:Organic and Bio−Organic Chemistry(1972−1999)(英国),1980年,第9号,p.2029−2032 日本化学会誌(日本),1983年,第9号,p.1363−1368 Tetrahedron;Asymmetry(英国),1994年,第5巻,第6号,p.981−986 Organic Letters(米国),2004年,第6巻,第9号,p.1465−1468 第227回 米国化学会 春季年会要旨集(227th ACS Spring National Meeting Abstracts),2004年3月28日〜4月1日,ORGN 198,D.Zarkowsky他(Merck) Tetrahedron Letters(英国),1996年,第37巻,第1号,p.17−20
本発明の目的は、医薬および光学材料の重要中間体である光学活性2−フルオロアルコール誘導体の、大量規模での生産に適した製造方法を提供することにある。
上記、非特許文献1および非特許文献4の製造方法では、光学純度の高いα−フルオロカルボン酸エステル誘導体を得ることができなかった。非特許文献2の製造方法では、ラセミ体の光学分割であるために収率が50%を超えることがなかった。非特許文献3の製造方法では、非常に高価で且つ大量の取り扱いが危険なDASTを使用する必要があった。非特許文献5の製造方法では、ヒドロキシル基をスルホン酸エステル基に変換する工程とフッ素アニオン(F-)で置換する工程を別々に行う必要があった。また該二工程を通して光学純度の低下が有意に認められ、基質として使用した光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体の光学純度が目的生成物である光学活性α−フルオロカルボン酸エステル誘導体の光学純度に反映されないという問題点があった。
非特許文献8の方法では、ヒドロキシ誘導体をフルオロ硫酸エステルに変換するためにイミダゾール硫酸エステルを経る必要があり、更にフッ素アニオン(F-)での置換工程を別途行わなければならないという問題があった(スキーム1を参照)。
Figure 2008013519
特許文献1、特許文献2、非特許文献6および非特許文献7においては、ヒドロキシル基を有する基質のパーフルオロアルカンスルホニルフルオリドを使用する脱ヒドロキシフッ素化反応が広く開示されており、ヒドロキシル基をスルホン酸エステル基(パーフルオロアルカンスルホン酸エステル基)に変換する工程とフッ素アニオン(F-)で置換する工程を一つの反応器内で連続的に行えるというメリットを有している。しかしながら、環境への長期残留性と毒性が指摘され工業的な使用が制限されている炭素数4以上のパーフルオロアルカンスルホニルフルオリドを使用している[例えば、パーフルオロオクタンスルホン酸誘導体の環境への長期残留性と毒性については、ファルマシア Vol.40 No.2 2004を参照]。さらに特許文献1および特許文献2の製造方法では、工業的な使用において高価なDBU等の特殊な有機塩基を使用する必要があり、また非特許文献6および非特許文献7の製造方法では、トリエチルアミン・三フッ化水素錯体等のフッ素化剤をパーフルオロブタンスルホニルフルオリドの他に別途加える必要があった。
一方、特許文献3〜6の方法は、炭素数が1のトリフルオロメタンスルホニルフルオリドを用いるため、環境への長期残留性や毒性の問題を回避できる優れた方法であるが、トリフルオロメタンスルホニルフルオリドの工業的な生産量は、パーフルオロブタンスルホニルフルオリドやパーフルオロオクタンスルホニルフルオリドに比べて限られており、大量の入手が必ずしも容易ではなかった。
前述のパーフルオロアルカンスルホニルフルオリドを使用する脱ヒドロキシフッ素化反応を開示する文献の何れにおいても、光学純度の高い光学活性α−フルオロカルボン酸エステル誘導体の、大量規模での生産に適した製造方法は明示されていなかった。
この様に光学活性2−フルオロアルコール誘導体を工業的に製造できる方法が強く望まれていた。
本発明者らは、上記の観点から、大量規模での生産に実施容易な、光学活性2−フルオロアルコール誘導体の製造方法を見出すべく、鋭意検討した。その結果、燻蒸剤として広く利用されているスルフリルフルオリド(SO22)が、一般式[1]
Figure 2008013519
で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体を脱ヒドロキシフッ素化するのに、極めて好適であるという知見を得て、課題の解決に到達した。すなわち、本発明で対象とする、一般式[1]で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体を、有機塩基の存在下に、または有機塩基と「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の存在下に、スルフリルフルオリドと反応させることにより、一般式[2]で示される光学活性α−フルオロカルボン酸エステル誘導体が、収率良く、また光学純度良く製造できることを見出した。スルフリルフルオリドを脱ヒドロキシフッ素化剤として利用した例は未だ報告されていない。
本脱ヒドロキシフッ素化反応では、反応中間体であるフルオロ硫酸エステルを単離することなく、一つの反応器内でフルオロスルホニル化とフッ素置換を連続的に行うことができる。本反応の特徴は、スキーム2に示す様に、スルフリルフルオリドを用いることによりヒドロキシ誘導体をフルオロ硫酸エステルに変換でき、このフルオロスルホニル化の工程で反応系内に量論的に副生した「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」がフッ素置換のフッ素源として有効に利用できることである。またスキーム3に示す様に、「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の存在下にフルオロスルホニル化を行うこともでき、スキーム2に示した方法に比べて、光学活性α−フルオロカルボン酸エステル誘導体がより高い収率および選択性で得られることも見出した。
Figure 2008013519
Figure 2008013519
本発明において、脱ヒドロキシフッ素化剤として利用するスルフリルフルオリドにはヒドロキシル基との反応点が二つあるが、ヒドロキシ誘導体として、光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体を用いた場合には、二置換の硫酸エステルを殆ど与えず(スキーム4を参照)、目的とするフルオロ硫酸エステルを経てフッ素置換が良好に進行することを見出した。パーフルオロアルカンスルホニルフルオリドではこの様な問題は起こり得ず、スルフリルフルオリドが脱ヒドロキシフッ素化剤として好適に利用できることを明らかにした。
Figure 2008013519
さらに、本発明者らは、α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体として、本発明のようにヒドロキシル基が共有結合した炭素原子のキラリティーに起因する光学活性体を用いた場合、スルフリルフルオリドとの反応で得られたα−フルオロカルボン酸エステル誘導体の立体化学が反転していることを見出した。本脱ヒドロキシフッ素化反応では、フルオロスルホニル化は立体保持で進行し、引き続くフッ素置換は立体反転で進行しているものと考えられる。この様な立体化学の反転を伴う脱ヒドロキシフッ素化反応は、特許文献2のパーフルオロアルカンスルホニルフルオリドを用いる方法においても既に開示されているが、フルオロ硫酸基の脱離能はパーフルオロアルカンスルホン酸基に比べて格段に劣っているため[Synthesis(ドイツ国),1982年,第2号,p.85−126]、立体化学の制御が困難な鎖状基質、特に、一般式[1]で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体のスルフリルフルオリドを用いる脱ヒドロキシフッ素化反応においては、反応が高い不斉転写率で進行するか否かは不明であった。これに対して、本発明者らは、本発明のスルフリルフルオリドを用いる脱ヒドロキシフッ素化反応が、非常に温和な反応条件下で良好に進行し、原料基質として用いる、一般式[1]で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体の光学純度が反映され、光学純度が極めて高い、一般式[2]で示される光学活性α−フルオロカルボン酸エステル誘導体が得られることを見出した。
本発明者らは、このようにして得られた一般式[2]で示される光学活性α−フルオロカルボン酸エステル誘導体を、ハイドライド還元剤と反応させることにより、一般式[7]で示される光学活性2−フルオロアルコール誘導体を、高い収率で、かつ光学純度を損なうことなく、製造できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、[発明1]〜[発明4]を骨子とし、光学活性2−フルオロアルコール誘導体を製造する方法を提供する。
[発明1]
次の2工程を含む、一般式[7]で示される光学活性2−フルオロアルコール誘導体を製造する方法。
第1工程:一般式[1]
Figure 2008013519
で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体を有機塩基の存在下にスルフリルフルオリド(SO22)と反応させることにより、一般式[2]
Figure 2008013519
で示される光学活性α−フルオロカルボン酸エステル誘導体を得る工程。
第2工程:第1工程で得られた、一般式[2]で示される光学活性α−フルオロカルボン酸エステル誘導体をハイドライド還元剤と反応させることにより、一般式[7]
Figure 2008013519
で示される光学活性2−フルオロアルコール誘導体を得る工程。
[一般式[1]、一般式[2]、一般式[7]中、Rは炭素数1から12の直鎖または分岐鎖のアルキル基を表し、アルキル基の任意の炭素原子上に、芳香族炭化水素基、不飽和炭化水素基、炭素数1から6の直鎖または分枝のアルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、カルボキシル基の保護体、アミノ基の保護体またはヒドロキシル基の保護体が一つまたは任意の組み合わせで二つ置換することもできる。R1は炭素数1から8の直鎖または分岐鎖のアルキル基を表す。RとR1のアルキル基の任意の炭素原子同士が共有結合を形成してもよい。*は不斉炭素を表す。]
[発明2]
発明1において、第1工程の反応を「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の存在下に行うことを特徴とする、一般式[7]で示される光学活性2−フルオロアルコール誘導体を製造する方法。
[発明3]
一般式[1]で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体が、一般式[3]
Figure 2008013519
で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体であり、有機塩基がトリエチルアミン[(C253N]である、発明1または発明2に記載の、式[8]
Figure 2008013519
で示される光学活性2−フルオロアルコール誘導体を製造する方法。
[一般式[3]、式[8]中、R2はメチル基、エチル基またはイソプロピル基を表し、*は不斉炭素を表す。]
[発明4]
一般式[1]で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体が、式[5]
Figure 2008013519
で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体であり、有機塩基がトリエチルアミン[(C253N]である、発明1または発明2に記載の、式[9]
Figure 2008013519
で示される光学活性2−フルオロアルコール誘導体を製造する方法。
本発明の脱ヒドロキシフッ素化反応では、廃棄物処理、環境への長期残留性や毒性が問題となるパーフルオロアルカンスルホニルフルオリドを用いる必要がなく、燻蒸剤として広く利用されているスルフリルフルオリドを用いることができる。
また本発明では、フルオロ硫酸を有機塩基の塩として量論的に副生するが、該酸は最終廃棄物として蛍石(CaF2)に簡便に処理することができ、工業的な規模でのフッ素化反応に極めて好適である。
さらにパーフルオロアルカンスルホニルフルオリドのパーフルオロアルキル部位は、最終的には目的生成物に組み込まれるわけではなく、充分なスルホニル化能と脱離能を有するものであれば、フッ素含量が少ない方が工業的に有利であり、この様な観点から見てもスルフリルフルオリドは格段に優れている。
またDBU等の高価で特殊な有機塩基を用いる必要がなく、トリエチルアミン等の安価で工業的に汎用されている有機塩基を用いることができる。
また非特許文献8の方法と異なり、イミダゾール硫酸エステルを経る必要がなく、スルフリルフルオリドを用いることにより、ヒドロキシ誘導体をフルオロ硫酸エステルに直接、変換することができる点も優れている。
またスルフリルフルオリドを用いることにより、新たな発明の効果が見出された。パーフルオロアルカンスルホニルフルオリドを用いる脱ヒドロキシフッ素化反応では、反応終了液にパーフルオロアルカンスルホン酸と有機塩基の塩が量論的に含まれているが、該塩、特に炭素数が4以上のパーフルオロアルカンスルホン酸に由来する塩は、有機溶媒に対する溶解性が極めて高いため、有機層を水またはアルカリ水溶液で洗浄する等の、有機合成で一般的に採用されている後処理操作を実施しても、該塩を効果的に取り除くことができず、精製操作に負荷がかかるという問題点があることを知った。さらにパーフルオロアルカンスルホン酸と有機塩基からなる塩が酸触媒として働く場合があり、酸に不安定な官能基を有する化合物を製造するためには、該塩を効率的に取り除く必要があった。一方、本発明で副生するフルオロ硫酸と有機塩基の塩は極めて水溶性が高く、有機層を水またはアルカリ水溶液で洗浄することにより完全に取り除くことができ、精製操作に殆ど負荷がかからないため、工業的なフッ素化反応に極めて好適であることを見出した。
本発明の製造方法は、第1工程、第2工程ともに、選択性が高く分離の難しい不純物を殆ど副生しないため、光学活性2−フルオロアルコール誘導体を大量規模で、効率よく製造するための極めて有用な方法である。
以下、本発明の光学活性2−フルオロアルコール誘導体の製造方法について詳細に説明する。
本製造方法は、一般式[1]で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体を、有機塩基の存在下に、または有機塩基と「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の存在下に、スルフリルフルオリドと反応させ、得られた一般式[2]で示される光学活性α−フルオロカルボン酸エステル誘導体を、ハイドライド還元剤と反応させることによりなる(スキーム5)。
Figure 2008013519
初めに第1工程の脱ヒドロキシフッ素化について、説明する。第1工程の脱ヒドロキシフッ素化は、一般式[1]で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体を、有機塩基の存在下に、または有機塩基と「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の存在下に、スルフリルフルオリドと反応させることによりなる。
第1工程では、反応中間体であるフルオロ硫酸エステルを単離することなく、一つの反応器内でフルオロスルホニル化とフッ素置換を連続的に行うことができる。フルオロスルホニル化ではヒドロキシル基の立体化学は保持され、引き続くフッ素置換では立体化学が反転する。従って、一般式[1]で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体のα位R体からは、一般式[2]で示される光学活性α−フルオロカルボン酸エステル誘導体のα位S体が得られ、同様にα位S体からはα位R体が得られる。
一般式[1]で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体のRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ラウリル基が挙げられ、炭素数3以上のアルキル基は直鎖または分枝を採ることができる。またアルキル基の任意の炭素原子上に、フェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基、ビニル基等の不飽和炭化水素基、炭素数1から6の直鎖または分枝のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、カルボキシル基の保護体、アミノ基の保護体またはヒドロキシル基の保護体が、一つまたは任意の組み合わせで二つ置換することもできる(「置換アルキル基」)。カルボキシル基、アミノ基およびヒドロキシル基の保護基としては、Protective Groups in Organic Synthesis,Third Edition,1999,John Wiley & Sons,Inc.に記載された保護基を使用することができ、具体的にカルボキシル基の保護基としてはエステル基等が挙げられ、アミノ基の保護基としてはベンジル基、アシル基(アセチル基、クロロアセチル基、ベンゾイル基、4−メチルベンゾイル基等)、フタロイル基等が挙げられ、ヒドロキシル基の保護基としてはベンジル基、2−テトラヒドロピラニル基、アシル基(アセチル基、クロロアセチル基、ベンゾイル基、4−メチルベンゾイル基等)、シリル基(トリアルキルシリル基、アルキルアリールシリル基等)等が挙げられ、特に1,2−ジヒドロキシル基の保護基としては2,2−ジメチル−1,3−ジオキソランを形成する保護基等が挙げられる。
一般式[1]で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体のRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基が挙げられ、炭素数3以上のアルキル基は直鎖または分枝を採ることができる。さらに一般式[1]で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体のRとRのアルキル基または置換アルキル基の、任意の炭素原子同士が共有結合を形成して、ラクトン環を採ることもできる。
一般式[1]で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体の不斉炭素の立体化学としては、R配置またはS配置を採ることができ、エナンチオマー過剰率(%ee)としては、特に制限はないが、90%ee以上のものを使用すればよく、通常は95%ee以上が好ましく、特に97%ee以上がより好ましい。
一般式[1]で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体は、Synthetic Communications(米国),1991年,第21巻,第21号,p.2165−2170を参考にして、市販されている種々の光学活性α−アミノ酸から同様に製造することができる。また実施例で使用した(S)−乳酸エチルエステルは市販品を利用した。
第1工程の反応は、上述の光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体の何れかを、有機塩基の存在下に、または有機塩基と「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の存在下に、後述する所定の反応溶媒、温度、圧力、反応時間等を考慮して、スルフリルフルオリドと接触させ、十分に混和することにより、達成できる。
スルフリルフルオリド(SO22)の使用量としては、特に制限はないが、一般式[1]で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体1モルに対して1モル以上を使用すればよく、通常は1〜10モルが好ましく、特に1〜5モルがより好ましい。
有機塩基としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリn−プロピルアミン、ピリジン、2,3−ルチジン、2,4−ルチジン、2,5−ルチジン、2,6−ルチジン、3,4−ルチジン、3,5−ルチジン、2,3,4−コリジン、2,4,5−コリジン、2,5,6−コリジン、2,4,6−コリジン、3,4,5−コリジン、3,5,6−コリジン等が挙げられる。その中でもトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリn−プロピルアミン、ピリジン、2,3−ルチジン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、3,4−ルチジン、3,5−ルチジン、2,4,6−コリジンおよび3,5,6−コリジンが好ましく、特にトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、3,5−ルチジンおよび2,4,6−コリジンがより好ましい。
有機塩基の使用量としては、特に制限はないが、一般式[1]で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体1モルに対して1モル以上を使用すればよく、通常は1〜20モルが好ましく、特に1〜10モルがより好ましい。
次に、第1工程において使用することができる「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」について詳細に説明する。
「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の有機塩基としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリn−プロピルアミン、ピリジン、2,3−ルチジン、2,4−ルチジン、2,5−ルチジン、2,6−ルチジン、3,4−ルチジン、3,5−ルチジン、2,3,4−コリジン、2,4,5−コリジン、2,5,6−コリジン、2,4,6−コリジン、3,4,5−コリジン、3,5,6−コリジン等が挙げられる。その中でもトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリn−プロピルアミン、ピリジン、2,3−ルチジン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、3,4−ルチジン、3,5−ルチジン、2,4,6−コリジンおよび3,5,6−コリジンが好ましく、特にトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、3,5−ルチジンおよび2,4,6−コリジンがより好ましい。
「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の有機塩基とフッ化水素のモル比としては、100:1〜1:100の範囲であり、通常は50:1〜1:50の範囲が好ましく、特に25:1〜1:25の範囲がより好ましい。さらにアルドリッチ(Aldrich、2003−2004総合カタログ)から市販されている、「トリエチルアミン1モルとフッ化水素3モルからなる錯体」、および「ピリジン〜30%(〜10モル%)とフッ化水素〜70%(〜90モル%)からなる錯体」を使用するのが極めて便利である。
「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の使用量としては、特に制限はないが、一般式[1]で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体1モルに対してフッ素アニオン(F-)として0.3モル以上を使用すればよく、通常は0.5〜50モルが好ましく、特に0.7〜25モルがより好ましい。
反応溶媒としては、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。その中でもn−ヘプタン、トルエン、メシチレン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、プロピオニトリルおよびジメチルスルホキシドが好ましく、特にトルエン、メシチレン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドおよびアセトニトリルがより好ましい。これらの反応溶媒は単独または組み合わせて使用することができる。
反応溶媒の使用量としては、特に制限はないが、一般式[1]で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体1モルに対して0.1L(リットル)以上を使用すればよく、通常は0.1〜20Lが好ましく、特に0.1〜10Lがより好ましい。
温度条件としては、特に制限はないが、−100〜+100℃の範囲で行えばよく、通常は−80〜+80℃が好ましく、特に−60〜+60℃がより好ましい。スルフリルフルオリドの沸点(−49.7℃)以上の温度条件で反応を行う場合には、耐圧反応容器を使用することができる。
圧力条件としては、特に制限はないが、大気圧〜2MPaの範囲で行えばよく、通常は大気圧〜1.5MPaが好ましく、特に大気圧〜1MPaがより好ましい。従って、ステンレス鋼(SUS)またはガラス(グラスライニング)の様な材質でできた耐圧反応容器を用いて反応を行うのが好ましい。
反応時間としては、特に制限はないが、0.1〜72時間の範囲で行えばよく、基質および反応条件により異なるため、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、NMR等の分析手段により、反応の進行状況を追跡して原料が殆ど消失した時点を終点とすることが好ましい。
後処理としては、特に制限はないが、通常は反応終了液を水またはアルカリ金属の無機塩基(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム等)の水溶液に注ぎ込み、有機溶媒(例えば、トルエン、メシチレン、塩化メチレンまたは酢酸エチル等)で抽出することにより、粗生成物を得ることができる。スルフリルフルオリドから副生するフルオロ硫酸と有機塩基からなる塩、またはフルオロ硫酸のアルカリ金属塩は、水に対する分配が格段に高いため、水洗等の簡便な操作により、これらの塩を効率的に除去することができ、目的とする一般式[2]で示される光学活性α−フルオロカルボン酸エステル誘導体を高い化学純度で得ることができる。また必要に応じて、活性炭処理、蒸留、再結晶等により、さらに高い化学純度に精製することができる。
第1工程の反応の中でも、一般式[1]で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体が、一般式[3]
Figure 2008013519
で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体であり、有機塩基がトリエチルアミン[(C253N]である場合が、特に好ましい。この場合、脱ヒドロキシフッ素化反応の結果、生成するのは、一般式[4]
Figure 2008013519
で示される光学活性α−フルオロカルボン酸エステル誘導体である。
[一般式[3]、一般式[4]中、R2はメチル基、エチル基またはイソプロピル基を表し、*は不斉炭素を表す。]
中でも、一般式[1]で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体が、式[5]
Figure 2008013519
で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体である場合、脱ヒドロキシフッ素化反応の結果、生成するのは、式[6]
Figure 2008013519
で示される光学活性α−フルオロカルボン酸エステル誘導体である。
次に第2工程のハイドライド還元について、説明する。第2工程のハイドライド還元は、第1工程の脱ヒドロキシフッ素化で得られた一般式[2]で示される光学活性α−フルオロカルボン酸エステル誘導体をハイドライド還元剤と反応させることにより、一般式[7]で示される光学活性2−フルオロアルコール誘導体を得る工程である。
本ハイドライド還元ではフッ素原子が置換した炭素原子の立体化学は保持され、光学活性α−フルオロカルボン酸エステル誘導体のα位R体からは光学活性2−フルオロアルコール誘導体の2位R体が得られ、同様にα位S体からは2位S体が得られる。本ハイドライド還元は公知の方法、例えば日本国特許第2879456号明細書を参考にして同様に行うことができる。
ハイドライド還元剤としては、(i−Bu)2AlH、LiAlH4、NaAlH2(OCH2CH2OCH32等のアルミニウムハイドライド系、ジボラン、BH3・テトラヒドロフラン、BH3・S(CH32、BH3・N(CH33、NaBH4、LiBH4等のホウ素ハイドライド系等が挙げられる(i−Buはイソブチル基を表す)。その中でも(i−Bu)2AlH、LiAlH4、NaAlH2(OCH2CH2OCH32、ジボラン、BH3・テトラヒドロフラン、NaBH4およびLiBH4が好ましく、特に(i−Bu)2AlH、LiAlH4およびNaAlH2(OCH2CH2OCH32がより好ましい。これらのハイドライド還元剤は各種の無機塩の存在下に使用することもできる。
ハイドライド還元剤の使用量としては、特に制限はないが、一般式[2]で示される光学活性α−フルオロカルボン酸エステル誘導体1モルに対して0.5モル以上を使用すればよく、通常は0.5〜5モルが好ましく、特に0.5〜3モルがより好ましい。
反応溶媒としては、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル系、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール等のアルコール系等が挙げられる。その中でもn−ヘプタン、トルエン、メシチレン、塩化メチレン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン、メタノール、エタノールおよびi−プロパノールが好ましく、特にトルエン、メシチレン、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、メタノールおよびエタノールがより好ましい。これらの反応溶媒は単独または組み合わせて使用することができる。
反応溶媒の使用量としては、特に制限はないが、一般式[2]で示される光学活性α−フルオロカルボン酸エステル誘導体1モルに対して0.1L(リットル)以上を使用すればよく、通常は0.1〜20Lが好ましく、特に0.1〜10Lがより好ましい。
温度条件としては、−100〜+100℃であり、通常は−80〜+80℃が好ましく、特に−60〜+60℃がより好ましい。
反応時間としては、0.1〜24時間であるが、基質および反応条件により異なるため、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、NMR等の分析手段により反応の進行状況を追跡して原料が殆ど消失した時点を終点とすることが好ましい。
後処理としては、特に制限はないが、通常は反応終了液に水、硫酸ナトリウム・水和物、メタノールまたはエタノール等を加え、過剰に使用したハイドライド還元剤を分解し、無機物を濾過し、濾液を分別蒸留することにより粗生成物を得ることができる。必要に応じて精密蒸留することにより、目的生成物である一般式[7]で示される光学活性2−フルオロアルコール誘導体を高い化学純度で得ることができる。
以下、実施例により本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(第1工程)
ステンレス鋼(SUS)製耐圧反応容器500Lに、下記式
Figure 2008013519
で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体19.2kg(163mol、1.00eq、光学純度97.5%ee)、メシチレン125kg(145L)とトリエチルアミン17.0kg(168mol、1.03eq)を加え、内温を5℃に冷却してスルフリルフルオリド20.0kg(196mol、1.20eq)をボンベより吹き込んだ。内温を室温に戻して4時間攪拌した。反応の変換率をガスクロマトグラフィーにより測定したところ98%以上であった。反応終了液を炭酸カリウム及び食塩の水溶液[炭酸カリウム15.8kg(114mol、0.70eq)、食塩15.8kgと水126kgから調製]に注ぎ込み(PFA処理槽1000L)、有機層を洗浄した。回収有機層を塩酸及び食塩の水溶液[35%塩酸17.8kg(171mol、1.05eq)、食塩17.8kgと水148kgから調整]で洗浄し、更に塩化カルシウム及び食塩の水溶液[塩化カルシウム5.6kg(50mol、0.31eq)、食塩5.6kgと水45kgから調整]で洗浄し、下記式
Figure 2008013519
で示される光学活性α−フルオロカルボン酸エステル誘導体の粗生成物のメシチレン溶液(フッ素イオン濃度<1ppm)を得た。粗生成物の選択率をガスクロマトグラフィーにより測定したところ99.0%以上(光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体及びメシチレンを除く)であった。粗生成物のメシチレン溶液を分別蒸留(沸点60−86℃/21000Pa)し、本留11.0kg、後留3.9kg及び釜残(メシチレン溶液)を回収した。各フラクションを1Hまたは19F−NMRスペクトル(内部標準法)により定量した結果、本留には10.9kg、後留には3.6kg、釜残には0.3kg含有していた。トータル収率は74%であった。得られた光学活性α−フルオロカルボン酸エステル誘導体の本留の機器データを下に示す。
1H−NMR(基準物質:Me4Si,重溶媒:CDCl3),δ ppm:1.32(t,7.2Hz,3H),1.58(dd,23.6Hz,6.9Hz,3H),4.26(q,7.2Hz,2H),5.00(dq,49.0Hz,6.9Hz,1H).
19F−NMR(基準物質:C66,重溶媒:CDCl3),δ ppm:−21.88(dq,48.9Hz,24.4Hz,1F).
(第2工程)
水素化リチウムアルミニウム4.6g(121mmol、0.59eq)を含むテトラヒドロフラン溶液(テトラヒドロフラン使用量150ml)に(ガラス製四口フラスコ500ml)、下記式
Figure 2008013519
で示される光学活性α−フルオロカルボン酸エステル誘導体26.7g(上記の後留、205mmolとする、1.00eq)を含むテトラヒドロフラン溶液(テトラヒドロフラン使用量50ml)を氷冷下、内温を10℃以下に制御しながら徐々に加え、室温で一終夜攪拌した。反応の変換率をガスクロマトグラフィーにより測定したところ100%であった。反応終了液に水17.3g(960mmol、4.68eq)を含むテトラヒドロフラン溶液(テトラヒドロフラン使用量50ml)を氷冷下、内温を10℃以下に制御しながら徐々に加え、過剰に使用した水素化リチウムアルミニウムを粗方分解し、さらに60℃で1時間攪拌した。室温に降温した後、無機物を遠心分離機で濾過し、無機物をテトラヒドロフラン50mlで2回洗浄し、下記式
Figure 2008013519
で示される光学活性2−フルオロアルコール誘導体の粗生成物のテトラヒドロフラン溶液250g[19F−NMRスペクトル(内部標準法)による定量値は152mmol、水分3.2%]を得た。粗生成物の選択率をガスクロマトグラフィーにより測定したところ99.0%以上(テトラヒドロフラン及びメシチレンを除く)であった。得られた粗生成物のテトラヒドロフラン溶液を分別蒸留し(沸点〜100℃/常圧)、初留6.8g、本留6.1g及び釜残を回収した。各フラクションを19F−NMRスペクトル(内部標準法)により定量した結果、初留には3.2g、本留には6.1g、釜残には1.2g含有していた。トータル収率は58%であった。本留の光学純度はMosher酸エステルに誘導してガスクロマトグラフィーにより決定したところ97.4%ee(R体)であった。本留の水分は0.1%以下であった。得られた光学活性2−フルオロアルコール誘導体の本留の機器データを下に示す。
1H−NMR(基準物質:Me4Si,重溶媒:CDCl3)、δ ppm:1.33(dd,23.6Hz,6.4Hz,3H),2.00(br,1H),3.50−3.85(m×2,2H),4.76(dm,49.6Hz,1H).
19F−NMR(基準物質:C66,重溶媒:CDCl3)、δ ppm:−21.40(d/sextet,48.9Hz,24.4Hz,1F).

Claims (4)

  1. 次の2工程を含む、一般式[7]で示される光学活性2−フルオロアルコール誘導体を製造する方法。
    第1工程:一般式[1]
    Figure 2008013519
    で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体を有機塩基の存在下にスルフリルフルオリド(SO22)と反応させることにより、一般式[2]
    Figure 2008013519
    で示される光学活性α−フルオロカルボン酸エステル誘導体を得る工程。
    第2工程:第1工程で得られた、一般式[2]で示される光学活性α−フルオロカルボン酸エステル誘導体をハイドライド還元剤と反応させることにより、一般式[7]
    Figure 2008013519
    で示される光学活性2−フルオロアルコール誘導体を得る工程。
    [一般式[1]、一般式[2]、一般式[7]中、Rは炭素数1から12の直鎖または分岐鎖のアルキル基を表し、アルキル基の任意の炭素原子上に、芳香族炭化水素基、不飽和炭化水素基、炭素数1から6の直鎖または分枝のアルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、カルボキシル基の保護体、アミノ基の保護体またはヒドロキシル基の保護体が一つまたは任意の組み合わせで二つ置換することもできる。R1は炭素数1から8の直鎖または分岐鎖のアルキル基を表す。RとR1のアルキル基の任意の炭素原子同士が共有結合を形成してもよい。*は不斉炭素を表す。]
  2. 請求項1において、第1工程の反応を「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の存在下に行うことを特徴とする、一般式[7]で示される光学活性2−フルオロアルコール誘導体を製造する方法。
  3. 一般式[1]で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体が、一般式[3]
    Figure 2008013519
    で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体であり、有機塩基がトリエチルアミン[(C253N]である、請求項1または請求項2に記載の、式[8]
    Figure 2008013519
    で示される光学活性2−フルオロアルコール誘導体を製造する方法。
    [一般式[3]、式[8]中、R2はメチル基、エチル基またはイソプロピル基を表し、*は不斉炭素を表す。]
  4. 一般式[1]で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体が、式[5]
    Figure 2008013519
    で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体であり、有機塩基がトリエチルアミン[(C253N]である、請求項1または請求項2に記載の、式[9]
    Figure 2008013519
    で示される光学活性2−フルオロアルコール誘導体を製造する方法。
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