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JP2008001673A - ジオスシンを有効成分として含む糖吸収抑制用または胃粘膜保護用組成物およびジオスシン類似化合物 - Google Patents

ジオスシンを有効成分として含む糖吸収抑制用または胃粘膜保護用組成物およびジオスシン類似化合物 Download PDF

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JP2008001673A
JP2008001673A JP2006175601A JP2006175601A JP2008001673A JP 2008001673 A JP2008001673 A JP 2008001673A JP 2006175601 A JP2006175601 A JP 2006175601A JP 2006175601 A JP2006175601 A JP 2006175601A JP 2008001673 A JP2008001673 A JP 2008001673A
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fraction
dioscin
extract
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rhamnopyranosyl
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JP2006175601A
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Masayuki Yoshikawa
雅之 吉川
Houmei Kyo
鳳鳴 許
Teruki Ogushi
輝樹 大串
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KANO SHIYOUJIYUAN KK
Original Assignee
KANO SHIYOUJIYUAN KK
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Abstract

【課題】糖吸収抑制または胃粘膜保護用組成物の提供。
【解決手段】下式(4)で示される、オウギヤシの花梗部を含む花部のアルコール抽出物より得られるジオスシン。
Figure 2008001673

【選択図】なし

Description

本発明は、ジオスシン(dioscin)を有効成分として含む糖吸収抑制用または胃粘膜保護用組成物およびオウギヤシ花部抽出物、ならびに新規ジオスシン類似化合物に関する。
ヤシ科植物は東南アジア、インド亜大陸、熱帯アフリカおよびオーストラリアの熱帯地方に広く分布する雌雄異株で、樹高約30mにも達する高木樹である。その起源は古く、白亜紀後期(約8500万年)であるといわれている。
上記ヤシ科植物の1種であるオウギヤシ(別名:サトウヤシ、Borassus flabellifer)は、その葉の形状が開いた扇に似ていることから同名称で呼ばれ、東南アジア、オーストラリア北部および熱帯アフリカなどに広く分布している。
また、このオウギヤシの花梗部より採取される糖蜜は、糖尿病患者も使用できる健康甘味料として、タイなど東南アジアでは古くから用いられている(例えば、非特許文献1)。
しかしながら、現在までに、該オウギヤシから採取される糖蜜が糖尿病患者にも使用され得る理由などは、何ら解明されていなかった。
Awal A.、Haq Q. N.、Quader M. A.、Ahmed M.、Carbohydrate Research、277、189-195 (1995)
本発明は、オウギヤシの花梗部から採取される糖蜜が糖尿病患者に使用され得る理由の解明と、該オウギヤシの花梗部を含む花部抽出物の新規用途の開発を目的とする。
本発明者らは、現在までに解明されていないオウギヤシの花梗部を含む花部の成分およびその薬理作用を明らかにすべく研究に着手し、該花部のアルコール抽出物がα-グルコシダーゼ阻害活性を有し、さらにこの抽出物の含有成分の1つであるジオスシン(dioscin)が糖吸収阻害抑制作用および胃粘膜保護作用を有することを見出し、かつ上記抽出物が含有する新規なジオスシン類似化合物を見出し、それらの構造決定を行った。
すなわち、本発明によれば、 一般式(I):
Figure 2008001673
(I)
[式中、R1およびR2は、それぞれ互いに独立して、水素原子またはα-L-ラムノピラノシル基を表し、スピロ結合を有する部分構造:
Figure 2008001673
が、以下の:
Figure 2008001673
からなる群から選択されるテトラヒドロピラニル誘導体である]
で表されるスピロスタン型サポニンを有効成分として含む医薬組成物およびオウギヤシ花部抽出物が提供される。
また、本発明によれば、前記スピロスタン型サポニンを有効成分として含む糖吸収阻害用組成物が提供される。
さらに、本発明によれば、前記スピロスタン型サポニンを有効成分として含む胃粘膜保護用組成物が提供される。
本発明による糖吸収抑制または胃粘膜保護用組成物の有効成分して含まれる前記スピロスタン型サポニン、特にジオスシンは、前記のようにオウギヤシの花梗部から採取される糖蜜に含有されており、該糖蜜は、古来、健康甘味料として用いられてきたので、安全に使用できる。
本発明によれば、上記一般式(I)で表されるスピロスタン型サポニンを有効成分として含む糖吸収抑制用組成物または胃粘膜用組成物が提供される。
また、本発明によれば、上記一般式(I)で表されるスピロスタン型サポニンを有効成分として含む糖吸収抑制用または胃粘膜保護用オウギヤシ花部抽出物が提供される。
本発明者らは、オウギヤシの花部のアルコール抽出物から上記一般式(I)で表されるスピロスタン型サポニンのうち、既知物質であるジオスシンが糖吸収抑制作用および胃粘膜保護作用を有することを見出した。
さらに本発明者らは、上記一般式(I)で表される新規スピロスタン型サポニン6種を単離同定することに成功した。
すなわち、本発明によれば、前記スピロスタン型サポニンの主成分が、一般式(I)において、R1がα-L-ラムノピラノシル基であり、R2が水素原子であり、スピロ結合を有する部分構造:
Figure 2008001673
である、式(II):
Figure 2008001673
(II)
で示されるジオスシンである医薬組成物が提供される。
上記式(1)で表されるジオスシンは、最初にヤマノイモ科のオニドコロ(Dioscorea tokoro Makino)の根茎から単離されたステロイドサポニンであり既知物質であるが、該ジオスシンが、糖吸収抑制作用および胃粘膜保護作用を有することは従来知られていなかった。
本発明に用いられるオウギヤシ(Borassus flabellifer)は、ヤシ科の植物であり、該植物の雌花または雄花の花梗を含む花部を細断して抽出材料として用いた。
なお、上記のオウギヤシの花部は、新鮮なものであっても、乾燥したものであってもよい。
本発明によるオウギヤシの花部の抽出用溶媒には、アルコールが用いられ、より好ましくは低級アルコール、さらに好ましくはメタノールまたはエタノールが用いられる。
なお、上記の抽出溶媒としては、含水物、すなわち、水性アルコールを用いることもできる。
これらの抽出用溶媒は、抽出材料に対して1〜50倍(容量)程度、好ましくは1〜10倍(容量)程度用いられる。
なお、抽出は、熱時または室温で行うことができ、抽出温度は、室温と溶媒の沸点の間で任意に設定できる。熱時抽出の場合、例えば、50℃〜抽出溶媒の沸点の温度で、抽出溶媒に抽出材料を浸漬し、振盪もしくは撹拌下または非振盪下、還流下に抽出を行うのが適当である。
抽出を50℃以下で行ない、抽出材料を振盪下に浸漬する場合には、30分間〜5時間程度行うのが適当であり、非振盪下に浸漬する場合には、1時間〜20日間程度行うのが適当である。
また、50℃〜抽出溶媒の還流下で抽出する場合には、30分〜数時間加熱するのが好ましい。
抽出操作は、同一材料について1回だけ行なってもよいが、通常、溶媒の還流下に2〜4回行なうのが、抽出効率の観点から好ましい。
抽出後に、固形物をろ別して得られる抽出液は、常法により濃縮して抽出エキスとしてもよい。濃縮は、減圧下に行うのが好ましく、溶媒が留去されなくなるまで濃縮乾固して抽出物を得ることができる。
抽出物は、そのまま本発明の組成物を調製するのに用いてもよいが、粉末状または凍結乾燥品等として用いてもよい。これらの固形物とする方法は、当該分野で公知の方法を採用することができる。
したがって、本発明における用語「抽出物」とは、抽出液を減圧濃縮して得られる抽出エキス、濃縮乾固物または凍結乾燥物のいずれも意味する。
しかしながら、本発明では、抽出液を濃縮した抽出物を、溶媒による分配抽出、すなわち、水および水と非混和性有機溶媒を用いる分配抽出に単回または複数回付し、有機溶媒可溶画分と水溶性画分として分離することができる。
水と非混和性有機溶媒としては、酢酸エチル、n-ブタノール、ヘキサン、クロロホルムなどが挙げられるが、中でも酢酸エチルが好ましい。
すなわち、オウギヤシの花部の低級アルコール抽出物を濃縮して得られた抽出物を、必要に応じて酢酸エチルと水を用いて分配し、酢酸エチル可溶画分と水溶性画分として得ることができる。
また、上記で得られる水溶性画分を、さらに水および水と非水和性有機溶媒を用いる分配抽出に付し、有機溶媒可溶画分と水溶性画分として分離することができる。
この場合の非水和性有機溶媒としては、n-ブタノール、ヘキサン、クロロホルムなどが挙げられるが、中でもn-ブタノールが好ましい。
すなわち、上記の酢酸エチルと水との分配後の水溶性画分をそのままn-ブタノールとの分配に付すか、または該水溶性画分を濃縮して得られる残渣はさらに水とn-ブタノールとの分配に付し、n-ブタノール画分と水溶性画分を得ることができる。
分配抽出は、当該分野で通常行われる撹拌もしくは振盪分配法または液滴向流分配法などの常法に従って行うことができる。例えば、室温下、振盪下または非振盪下に、水と非混和性有機溶媒と、水(1:10〜10:1)とを、抽出エキスなどに対して1〜10倍(容量)程度の割合で加えて行うのが適当である。
なお、上記のアルコール抽出物および各分配抽出物は、上記のいずれの段階においても、濃縮する前後に精製処理に付すことができる。
精製処理としては、上記の溶媒による分配抽出以外に、当業者に公知のクロマトグラフ法、イオン交換クロマトグラフ法等を単独で、または組み合わせて採用することができる。
例えば、クロマトグラフ法としては、アルミナ、順相もしくは逆相シリカゲル担体またはイオン交換樹脂を用いるカラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーまたは遠心液体クロマトグラフィー等のいずれかを単独で、またはそれらを組み合わせて行う方法などが挙げられる。この際の担体および溶出溶媒等の精製条件は、各種クロマトグラフィーに対応して適宜選択することができる。
本発明者らは、オウギヤシの雌花および雄花の花部のそれぞれの抽出物を、薬理活性を指標としながら上記の精製法を組合せて精製すると同時に、精製物の作用について検討した。
その結果、本発明者らは、オウギヤシの雌花および雄花の花梗を含む花部のメタノール抽出物のいずれもが、糖吸収阻害活性およびα-グルコシダーゼ阻害活性を有することを見出した。
さらに、本発明者らは、上記糖吸収阻害活性の有効成分がスピロスタン型サポニンであるジオスシンであることを見出した。また、該ジオスシンが糖吸収抑制作用のみならず、胃粘膜保護作用も有することを見出した。
また、本発明者らは、この研究過程で、上記ジオスシンの類似化合物として6種類の新規化合物も見出し、本研究を完成した。
すなわち、本発明者らは、オウギヤシの雄花の花部抽出物を水と酢酸エチルを用いて分配抽出して水溶性画分を得た。この水溶性画分を減圧濃縮し、次いで、この濃縮物を、水とn-BuOHとの分配抽出に付し、ブタノール可溶性画分を得た。このブタノール可溶性画分を上記の各種クロマトグラフィーによる精製を繰り返し、含有成分の単離を行った。
その結果、本発明者らは、既知物質であるフロスタン型サポニンとして、プロトジオスシン(7)、メチルプロトジオスシン(9)、シュードプロトジオスシン(11)、プロトネオジオスシン(8)、メチルプロトネオジオスシン(10)、シュードプロトネオジオスシン(12)、26-O-β-D-グルコピラノシル-(25R)-フロスト-5-エン-3β,22ε,26-トリオール 3-O-β-D-グルコピラノシド(13)および26-O-β-D-グルコピラノシル-(25S)-フロスト-5-エン-3β,22ε,26-トリオール 3-O-β-D-グルコピラノシド(14)を得た。
また、本発明者らは、既知物質であるスピロスタン型サポニンとして、ジオスゲニン 3-O-α-L-ラムノピラノシル(1→4)-α-L-ラムノピラノシル(1→4)-[α-L-ラムノピラノシル(1→2)]-β-D-グルコピラノシド(15)、ジオスゲニン 3-O-α-L-ラムノピラノシル(1→4)-[α-L-ラムノピラノシル(1→2)]-β-D-グルコピラノシド(ジオスシン(17))、
ジオスゲニン 3-O-α-L-ラムノピラノシル(1→4)-α-L-ラムノピラノシル(1→4)-β-D-グルコピラノシド(19)、ジオスゲニン 3-O-α-L-ラムノピラノシル(1→2)-β-D-グルコピラノシド(20)、ジオスゲニン 3-O-α-L-ラムノピラノシル(1→4)-β-D-グルコピラノシド(22)、ジオスゲニン 3-O-β-D-グルコピラノシド(24)、ヤモゲニン 3-O-α-L-ラムノピラノシル(1→4)-α-L-ラムノピラノシル(1→4)-[α-L-ラムノピラノシル(1→2)]-β-D-グルコピラノシド(16)、
ヤモゲニン 3-O-α-L-ラムノピラノシル(1→4)-[α-L-ラムノピラノシル(1→2)]-β-D-グルコピラノシド(18)、ヤモゲニン 3-O-α-L-ラムノピラノシル(1→2)-β-D-グルコピラノシド(21)、ヤモゲニン 3-O-α-L-ラムノピラノシル(1→4)-β-D-グルコピラノシド(23)およびヤモゲニン 3-O-β-D-グルコピラノシド(25)を得た。
さらに、本発明者らは、ジオスシン類似化合物としてn−BuOH可溶性画分から、以下の新規化合物6種を得た。
すなわち、本発明によれば、次の一般式(I):
Figure 2008001673
(I)
[式中、R1およびR2は、それぞれ互いに独立して、水素原子またはα-L-ラムノピラノシル基を表し、スピロ結合を有する部分構造:
Figure 2008001673
は、以下の:
Figure 2008001673
からなる群から選択されるテトラヒドロピラニル誘導体である]
で表される新規のジオスシン類似化合物が提供される。
詳細には、上記の一般式(II)の化合物において、R1が水素原子であり、R2がα-L-ラムノピラノシル基であり、部分構造:
Figure 2008001673
である化合物(1)、
1がα-L-ラムノピラノシル基であり、R2が水素原子であり、部分構造:
Figure 2008001673
である化合物(2)、
1がα-L-ラムノピラノシル基であり、R2が水素原子であり、部分構造:
Figure 2008001673
である化合物(3)、
1およびR2がともに水素原子であり、部分構造:
Figure 2008001673
である化合物(4)、
1がα-L-ラムノピラノシル基であり、R2が水素原子であり、部分構造:
Figure 2008001673
である化合物(5)、および
1およびR2がともにα-L-ラムノピラノシル基であり、部分構造:
Figure 2008001673
である化合物(6)が提供される。
より詳細には、本発明によれば、式(1):
Figure 2008001673
式(2):
Figure 2008001673
式(3):
Figure 2008001673
式(4):
Figure 2008001673
式(5):
Figure 2008001673
および式(6)
Figure 2008001673
で表される新規のジオスシン類似化合物(1)〜(6)が提供される。
したがって、本発明によれば、前記一般式(1)で表されるスピロスタン型サポニン、ことにジオスシンを有効成分として含む医薬組成物が提供される。
すなわち、本発明によれば、前記一般式(1)で表されるスピロスタン型サポニンを有効成分として含む糖吸収抑制用組成物が提供される。
また、本発明によれば、前記一般式(1)で表されるスピロスタン型サポニンを有効成分として含む胃粘膜保護用組成物が提供される。
また、本発明によれば、前記一般式(1)で表されるスピロスタン型サポニンを有効成分として含む健康食品が提供される。
さらに、本発明によれば、ジオスシンを有効成分として含む糖吸収抑制または胃粘膜抑制用オウギヤシ抽出物が提供される。
また、本発明による新規なスピロスタン型サポニン(1)〜(6)は、その構造が、ジオスシンと極めて類似しており、したがって、これら化合物についてもジオスシンと同様な効果が期待される。
上記の糖吸収は、例えば糖尿病や糖尿病合併症と密接に関連し、胃粘膜損傷は、例えば暴飲暴食もしくはストレス性胃炎または胃潰瘍などのような胃障害などのような生活習慣病と密接に関連していると考えられている。
したがって、本発明によれば、現代病として代表的なこれら糖尿病および胃障害などの生活習慣病の予防または治療を意図した医薬組成物が提供される。
その上、本発明によれば、該組成物を含む健康食品が提供される。
なお、本発明によるジオスシンを含む組成物は、ジオスシンに医薬品製造における公知の添加剤を加えてジオスシンを含む組成物とすることもできるが、ジオスシンを含むオウギヤシ抽出物を該組成物として用いてもよい。
本発明によれば、ジオスシンを含む組成物あるいはジオスシンを含むオウギヤシ抽出物、該抽出物の水溶性画分および/またはn−BuOH可溶性画分もしくはこれらの濃縮乾固物を、そのままの状態、または適当な媒体で希釈して、あるいは医薬品の製造分野において公知の方法により、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤または液剤など、種々の医薬品の形態に製剤化して使用することができる。
これらの医薬品形態においては、適当な媒体を添加してもよい。そのような媒体としては、医薬的に許容される賦形剤、例えば結合剤(例えばシロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビトール、トラガントまたはポリビニルピロリドン)、充填剤(例えば乳糖、砂糖、トウモロコシ澱粉、リン酸カルシウム、ソルビトールまたはグリシン)、滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム、タルクまたはポリエチレングリコール)、崩壊剤(例えば馬鈴薯澱粉)または湿潤剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム)等が挙げられる。
錠剤は、通常の方法でコーティングしてもよい。液体製剤は、例えば水性または油性の懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップまたはエリキシルの形態であってもよく、使用前に水または他の適切な賦形剤で再生する乾燥製品として提供してもよい。
こうした液体製剤は、通常の添加剤、例えば懸濁化剤(例えばソルビトール、シロップ、メチルセルロース、グルコースシロップ、ゼラチン水添加食用脂)、乳化剤(例えばレシチン、ソルビタンモノオレエートまたはアラビアゴム)、(食用脂を含んでいてもよい)非水性賦形剤(例えばアーモンド油、分画ココヤシ油またはグリセリン、プロピレングリコールまたはエチルアルコールのような油性エステル)、保存剤(例えばp-ヒドロキシ安息香酸メチルまたはプロピル、またはソルビン酸)、および所望により着色剤または香料等を含んでいてもよい。
また、本発明による組成物を有効成分として食品に添加したものを健康食品として利用することができる。
健康食品とは、通常の食品よりも積極的な意味で保健、健康維持・増進等を目的とした食品を意味し、例えば、固形、半固形または液体の製品、具体的には、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤または液剤等のほか、クッキー、せんべい、ゼリー、ようかん、ヨーグルト、まんじゅう等の菓子類、清涼飲料、お茶類、栄養飲料、スープ等の形態が挙げられる。
これらの食品の製造工程において、あるいは最終製品に、上記の抽出物を添加して、健康食品とすることができる。
ジオスシンを含む組成物またはジオスシンを含むオウギヤシ抽出物の使用量は、年齢、症状等によって異なるし、上記組成物または抽出物中のジオスシンの濃度によっても異なるが、例えば、上記組成物または抽出物の濃縮乾固物を予防・治療に用いる場合には、成人1回につき50mg〜10g程度、好ましくは100mg〜3g程度使用できる。また、健康食品として使用する場合には、食品の味や外観に悪影響を及ぼさない量、例えば、対象となる食品1kgに対し上記乾固物を、100mg〜10g程度の範囲で用いることができる。
以下、本発明のオウギヤシ抽出物、ジオスシンおよび化合物(1)〜(6)の精製法ならびにそれらの作用に関する実施例および試験例を具体的に説明するが、以下の実施例および試験例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を何等制限するものではない。
なお、実施例では、特に記載がない限り、以下の動物、各種溶媒、クロマトグラフィー用担体およびHPLC用カラムを用いた:
Wistar系雄性ラット:紀和実験動物研究所(和歌山)
SD系雄性ラット:紀和実験動物研究所(和歌山)
メタノール(MeOH):ナカライテスク社製、特級
エタノール(EtOH):ナカライテスク社製、特級
クロロホルム:ナカライテスク社製、特級
酢酸エチル(AcOEt):ナカライテスク社製、特級
アセトニトリル(CH3CN):ナカライテスク社製、特級
クロロホルム(CHCl3):ナカライテスク社製、特級
n-ブタノール(BuOH):ナカライテスク社製、特級
カラムクロマトグラフィー用シリカゲル (SiO2):富士シリシア社製、BW-200、150〜350メッシュ
カラムクロマトグラフィー用ODSシリカゲル:富士シリシア社製、Chromatorex ODS DM1020T、100〜200メッシュ。
HPLC用カラム:(株)ワイエムシー社製、YMC-Pack ODS-A (250×20mm)
HPLC用カラム:(株)ワイエムシー社製、YMC-Pack ODS-AL (250×20mm)
HPLC用カラム:ナカライテスク(株)社製、COSMOSIL 5C18-PAQ (250×4.6mm)
HPLC用カラム:(株)資生堂社製、Chiral CD-Ph (250×20mm)
なお、各種物理データは、以下の装置を用いて測定した:
旋光度;(株)堀場製作所社製:SEPA-300 digital polarimeter
MS;日本電子データム(株)社製:JMS-SX 102A mass spectrometer
IR;日本電子データム(株)社製:FTIR-8100 spectrometer
UV;日本電子データム(株)社製:UV-1600 spectrometer
NMR;日本電子データム(株)社製:JNM-600 spectrometer
なお、核磁気共鳴 (NMR)スペクトルにおいて、化学シフトδは百万分の一 (ppm)で表示し、略語はそれぞれ次の意味を有する:s:シングレット; d:ダブレット;dd:ダブルダブレット;ddd:ダブルダブルダブレット;t:トリプレット; q:クァルテット;dq:ダブルクァルテット;m:マルチプレット;br:ブロード。
実施例1
オウギヤシ抽出物の調製および該抽出物の精製
オウギヤシの雄花抽出物の調製および該抽出物の精製方法
新鮮なオウギヤシの細断した雄花15 kgをMeOHを用いて抽出物を調製し、該抽出物の精製法の全工程の例を以下の表に示す。
Figure 2008001673
Figure 2008001673
Figure 2008001673
Figure 2008001673
Figure 2008001673
Figure 2008001673
オウギヤシの抽出物の調製および該抽出物の分画
オウギヤシ (Borassus flabeliffer)の雄花 (15.0 kg)を細断して各5kgに3分割した。雄花5kgにつきMeOH (6.0L)で3時間熱時抽出した後、抽出液を濾取した。残渣にMeOH (6.0L)を加え、同様の抽出操作を繰り返して合計3回行なった。さらに、残りの雄花についても同様の操作を行ない抽出液を得た。得られたすべての抽出液をあわせて減圧下で溶媒を留去し、MeOHエキス(1825.6g、新鮮花からの収率12.17%)を得た。
一部のMeOHエキス(774.6g)をAcOEt-H2O (1:1、v/v)混液(18 L)中で分配し、AcOEt可溶部およびH2O可溶部を得た。
さらにH2O可溶部にn-BuOH-H2O (1:1、v/v)混液(30 L)を加えて抽出した。得られたAcOEt可溶部、n-BuOH可溶部を減圧下でそれぞれ溶媒留去し、AcOEt可溶部(135.8g、2.13%)およびn-BuOH可溶部(367.6g、5.78%)を得た。
n-BuOH可溶部(50.0g)を、水で溶出した後、MeOHの濃度を上げながらH20-MeOH混液で溶出し、最後にMeOHだけで溶出するHP-20カラムクロマトグラフィーで分画し、MeOH溶出画分(39.8g、4.60%)およびH2O溶出画分(10.2g、1.18%)を得た。
MeOH溶出画分(35.5g)を、CHCl3-MeOH-H2O (10:3:1→7:3:1→6:4:1 (v/v/v))の濃度勾配の混液で溶出する順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル1.2kg)で分画し、フラクション 1 (1.37g、0.18%)、フラクション 2 (0.99g、0.13%)、フラクション 3 (4.63g、0.60%)、フラクション 4 (2.56g、0.33%)、フラクション 5 (9.29g、1.20%)およびフラクション 6 (14.03g、1.82%)をそれぞれ得た。
フラクション1の分離精製:
次いで、フラクション 1 (1.37g)を、MeOH:H2O (30:70→45: 55→60:40→75:25→90:10 (v/v))の濃度勾配の混液で溶出し、最後にMeOHで溶出する逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー (ODS;45 g)で分画し、フラクション 1-1 (80.8mg)、フラクション 1-2 (47.7mg)、フラクション 1-3 (27.0mg)、フラクション 1-4 (47.0mg)、フラクション 1-5 (51.6mg)、フラクション 1-6 (76.1mg)、フラクション 1-7 (64.7mg)、フラクション 1-8 (74.5mg)、フラクション 1-9 (26.0mg)、フラクション 1-10 (251.4mg)、フラクション 1-11 (96.3mg)およびフラクション 1-12 (269.5mg)をそれぞれ得た。
フラクション 1-6 (1.40 g)はさらにHPLC (COSMOSIL 5C18-PAQ、移動相:50% CH3CN)で分離精製し、フラクション 1-6-2 (12.3mg)を得た。
フラクション 1-6-2 はさらにHPLC (キラルCD-Ph、移動相:85% MeOH)で分離精製し、既知化合物フラクション 1-6-2-1 (24、ジオスゲニン 3-O-β-D-グルコピラノシド、5.5mg)およびフラクション 1-6-2-2 (25、ヤモゲニン 3-O-β-D-グルコピラノシド、4.3mg)を得た。
フラクション 1-7はさらにHPLC (COSMOSIL 5C18-PAQ、移動相:90% MeOH)で分離精製し、フラクション 1-7-1 (21.0mg)を得た。
次いで、フラクション 1-7-1はさらにHPLC (キラルCD-Ph、移動相:85% MeOH)で分離精製し、既知化合物フラクション 1-7-1-1 (26、ジオスゲニン、6.6mg)およびフラクション 1-7-1-2 (27、ヤモゲニン、5.7mg)を得た。
フラクション 1-8はさらにHPLC (COSMOSIL 5C18-PAQ、移動相:90% MeOH)で分離精製し、既知化合物フラクション 1-8-2 (29、β-シトステロール 3-O-β-D-グルコピラノシド 32.6mg)を得た。
フラクション 1-10はさらにHPLC (COSMOSIL 5C18-PAQ、移動相:95% MeOH)で分離精製し、既知化合物フラクション 1-10-4 (28、β-シトステロール、80.3mg)を得た。
フラクション2の分離精製:
フラクション 2 (0.99 g)を、MeOH:H2O (15:85→30:70→45:55→60:40→75:25→90:10 (v/v)) の濃度勾配の混液で溶出し、最後にMeOHで溶出する逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー (ODS、30g)で分画し、フラクション 2-1 (20.1mg)、フラクション 2-2 (62.4mg)、フラクション 2-3 (31.7mg)、フラクション 2-4 (58.2mg)、フラクション 2-5 (36.8mg)、フラクション 2-6 (25.2mg)、フラクション 2-7 (48.9mg)、フラクション 2-8 (18.8mg)、フラクション 2-9 (343.4mg)、フラクション 2-10 (71.0mg)、フラクション 2-11 (18.0mg)およびフラクション 2-12 (57.0mg)を得た。
フラクション 2-9 はさらにHPLC (AL、移動相:82% MeOH)で分離精製し、新規化合物(4)を含むフラクション 2-9-1 (4、7.5mg)および既知化合物フラクション 2-9-3 (27.9mg)、フラクション 2-9-5 (41.5mg) およびフラクション 2-9-6 (228.4mg)を得た。
以下に、上記で得られた新規化合物(4)の構造式と各種物理データを示す。

Figure 2008001673
また、フラクション 2-9-3 (22.4mg)はさらにHPLC (キラルCD-Ph、移動相:85% MeOH)で分離精製し、既知化合物フラクション 2-9-3-1 (20、ジオスゲニン 3-O-α-L-ラムノピラノシル(1→2)-β-D-グルコピラノシド、6.7mg)およびフラクション 2-9-3-2 (21、ヤモゲニン 3-O-α-L-ラムノピラノシル(1→2)-β-D-グルコピラノシド、9.0mg)を得た。
フラクション 2-9-5 (25.0mg)はさらにHPLC (キラルCD-Ph、移動相:85% MeOH)で分離精製し、既知化合物フラクション 2-9-5-1 (19、ジオスゲニン 3-O-α-L-ラムノピラノシル(1→4)-α-L-ラムノピラノシル(1→4)-β-D-グルコピラノシド、12.5mg)および新規化合物(1)を含むフラクション 2-9-5-2 (1、8.0mg)を得た。
以下に、上記で得られた新規化合物(1)の構造式と各種物理データを示す。
Figure 2008001673
また、フラクション 2-9-6 (25.0mg)はさらにHPLC (キラルCD-Ph、移動相:85% MeOH)で分離精製し、既知化合物フラクション 2-9-6-1 (22、ジオスゲニン 3-O-α-L-ラムノピラノシル(1→4)-β-D-グルコピラノシド、10.9mg)およびフラクション 2-9-6-2 (23、ヤモゲニン 3-O-α-L-ラムノピラノシル(1→4)-β-D-グルコピラノシド、10.3mg)を得た。
フラクション3の分離精製:
フラクション 3 (4.63 g)は、MeOH:H2O (30:70→50:50→70:30→85:15、(v/v))の濃度勾配の混液で溶出し、最後にMeOHで溶出する逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ODS、150g)で分画し、フラクション 3-1 (101mg)、フラクション 3-2 (206.1mg)、フラクション 3-3 (88.6mg)、フラクション 3-4 (62.5mg)、フラクション 3-5 (51.5mg)、フラクション 3-6 (33.0mg)、フラクション 3-7 (83.6mg)、フラクション 3-8 (151.7mg)、フラクション 3-9 (3200.0mg)およびフラクション 3-10 (111.4mg)をそれぞれ得た。
フラクション 3-7はさらにHPLC (COSMOSIL 5C18-PAQ、移動相:31% CH3CN)で分離精製し、既知化合物フラクション 3-7-1 (14、26-O-β-D-グルコピラノシル-(25S)-フロスト-5-エン-3β,22ε,26-トリオール 3-O-β-D-グルコピラノシド、15.1mg)およびフラクション 3-7-3 (13、26-O-β-D-グルコピラノシル-(25R)-フロスト-5-エン-3β,22ε,26-トリオール 3-O-β-D-グルコピラノシド、6.8mg)を得た。
フラクション 3-9はさらにHPLC (COSMOSIL 5C18-PAQ、移動相:77% MeOH)で分離精製し、新規化合物(5)を含むフラクション 3-9-1 (5、6.7mg)を得た。
以下に、上記で得られた新規化合物(5)の構造式と各種物理データを示す。
Figure 2008001673
また、フラクション 3-9-2(25.0mg)はさらにHPLC (CD-Ph、移動相:78% MeOH)で分離精製し、既知化合物フラクション 3-9-2-1 (17、ジオスゲニン 3-O-α-L-ラムノピラノシル(1→4)-[α-L-ラムノピラノシル(1→2)]-β-D-グルコピラノシド(ジオスシン)、13.3mg)およびフラクション 3-9-2-2 (18、ヤモゲニン 3-O-α-L-ラムノピラノシル(1→4)-[α-L-ラムノピラノシル(1→2)]-β-D-グルコピラノシド、10.6mg)を得た。
フラクション4の分離精製:
フラクション 4 (2.56g)は、MeOH:H2O (30:70→45:55→ 60:40→75:25、(v/v))の濃度勾配の混液で溶出し、最後にMeOHで溶出する逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ODS、75g)で分画し、フラクション 4-1 (240mg)、フラクション 4-2 (55.7mg)、フラクション 4-3 (88.6mg)、フラクション 4-4 (83.2mg)、フラクション 4-5 (15.8mg)、フラクション 4-6 (95.9mg)、フラクション 4-7 (416.4mg)、フラクション 4-8 (212.3mg)、フラクション 4-9 (579.3mg)、フラクション 4-10 (39.5mg)、フラクション 4-11 (54.8mg)およびフラクション 4-12 (232.3mg)を得た。
フラクション 4-7はさらにHPLC (COSMOSIL 5C18-PAQ、移動相:62% MeOH)で分離精製し、フラクション 4-7-1 (26.5mg)、フラクション 4-7-2 (22.7mg)、フラクション 4-7-3 (21.8mg)、フラクション 4-7-4 (45.4mg)、フラクション 4-7-5 (48.7mg)、フラクション 4-7-6 (25.2mg)、フラクション 4-7-7 (10.7mg)、フラクション 4-7-8 (33.9mg)およびフラクション 4-7-9 (24.6mg)を得た。
フラクション 4-7-1はさらにHPLC (COSMOSIL 5C18-PAQ、移動相:28% CH3CN)で分離精製し、新規化合物(3)を含むフラクション 4-7-1-1 (3、5.6mg)を得た。
以下に、上記で得られた新規化合物(3)の構造式と各種物理データを示す。
Figure 2008001673
また、フラクション 4-7-2はさらにHPLC (COSMOSIL 5C18-PAQ、移動相:28% CH3CN)で分離精製し、新規化合物(2)を含むフラクション 4-7-2-1 (2、10.0mg)を得た。
以下に、上記で得られた新規化合物(2)の構造式と各種物理データを示す。
Figure 2008001673
また、フラクション 4-7-5はさらにHPLC (COSMOSIL 5C18-PAQ、移動相:62% MeOH)で分離精製し、フラクション 4-7-5-1 (3.4mg)、フラクション 4-7-5-2 (18.7mg)、フラクション 4-7-5-3 (4.8mg)、フラクション 4-7-5-4 (1.6mg)およびフラクション 4-7-5-5 (0.3mg)を得た。
フラクション 4-7-8はさらにHPLC (COSMOSIL 5C18-PAQ、移動相:62% MeOH)で分離精製し、フラクション 4-7-8-1 (6.6mg)、フラクション 4-7-8-2 (5.6mg)、フラクション 4-7-8-3 (9.2mg)およびフラクション 4-7-8-4 (3.9mg)を得た。
フラクション 4-7-9はさらにHPLC (COSMOSIL 5C18-PAQ、移動相:62% MeOH)で分離精製し、フラクション 4-7-9-1 (0.6mg)およびフラクション 4-7-9-2 (16.9mg)を得た。
フラクション 4-9はさらにHPLC (AL、移動相:45% CH3CN)で分離精製し、フラクション 4-9-1 (10.0mg)、フラクション 4-9-2 (10.0mg)、フラクション 4-9-3 (273.8mg)およびフラクション 4-9-4 (178.4mg)を得た。
フラクション 4-9-1はHPLC (CD-Ph、移動相:78% MeOH)で分離精製し、新規化合物(6)を含むフラクション 4-9-1-1 (6、5.3mg)を得た。
以下に、上記で得られた新規化合物(6)の構造式と各種物理データを示す。
Figure 2008001673
また、フラクション 4-9-3 (25.0mg)はHPLC (CD-Ph、78% MeOH)で分離精製し、既知化合物フラクション 4-9-3-1 (15、ジオスゲニン 3-O-α-L-ラムノピラノシル(1→4)- α-L-ラムノピラノシル(1→4)-[α-L-ラムノピラノシル(1→2)]-β-D-グルコピラノシド、12.5mg)およびフラクション 4-9-3-2 (16、ヤモゲニン 3-O-α-L-ラムノピラノシル(1→4)-α-L-ラムノピラノシル(1→4)-[α-L-ラムノピラノシル(1→2)]-β-D-グルコピラノシド、8.5mg)を得た。
フラクション5の分離精製:
フラクション 5 (8.5g)は、MeOH:H2O (30:70→45:55→ 65:35 (v/v))の濃度勾配の混液で溶出し、最後にMeOHで溶出する逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ODS、250g)で分画し、フラクション 5-1 (23mg)、フラクション 5-2 (119.5mg)、フラクション 5-3 (213mg)、フラクション 5-4 (85.8mg)、フラクション 5-5 (367mg)、フラクション 5-6 (1.676g)、フラクション 5-7 (5.0913g)、フラクション 5-8 (775.6mg)およびフラクション 5-9 (116.7mg)を得た。
フラクション 5-6 はさらにHPLC (COSMOSIL 5C18-PAQ、移動相:30% CH3CN)で分離精製し、既知化合物フラクション 5-6-1 (9、メチルプロトジオスシン、107.0mg)およびフラクション 5-6-2 (10、メチルプロトネオジオスシン、80.3mg)を得た。
フラクション 5-8 はさらにHPLC (COSMOSIL 5C18-PAQ、移動相:31% CH3CN)で分離精製し、フラクション 5-8-3 (165.3mg)および既知化合物フラクション 5-8-1 (8、プロトネオジオスシン、56.0mg)、フラクション 5-8-2 (7、プロトジオスシン、109.1mg)およびフラクション 5-8-4 (12、シュードプロトネオジオスシン、71.5mg)を得た。
フラクション 5-8-3はさらにHPLC (COSMOSIL 5C18-PAQ、移動相:31% CH3CN)で分離精製し、既知化合物フラクション 5-8-3-1 (11、シュードプロトジオスシン、116.7mg)を得た。
なお、上記の各分離精製段階で得られた既知化合物(7)〜(29)については、旋光度やMS、IR、UV、NMRなど種々の物理学的データ、または直接標準品との比較により同定した。
また、前記オウギヤシの雄花の抽出と全く同様にして、同植物の雌花の抽出物も調製した。
上記で得られた新規化合物(1)〜(6)の13C−NMRデータをまとめて以下の表に示す。
Figure 2008001673
本発明者らは、オウギヤシの雄花および雌花のメタノール抽出エキスならびに前記抽出物の精製過程で、単離された既知物質ジオスシンが糖吸収抑制作用および胃粘膜保護作用を有することを見出した。
試験例1
オウギヤシの花部抽出物の糖吸収抑制効果の測定:
以下の表に示す数からなる群の約24時間絶食させたWistar系雄性ラット(体重約130〜160 g)をそれぞれの投与試験に用いた。以下の表に示した各被験物質の規定量をアラビアゴム末の5%水溶液に懸濁させて被験サンプルとし、この被験サンプルを各群のラットに5 ml/kgの割合で経口投与した。被験サンプルの投与30分後に、20%ショ糖水溶液を5 ml/kg、すなわち、ショ糖としてラットに1.0 g/kgの割合で各群のラットにそれぞれ経口投与した。糖溶液の投与0.5、1、2および4時間後に、エーテル麻酔下でラットの眼窩静脈より採血し、血液を遠心分離(5000 rpm、10分)して血清を分離後、グルコースオキシダーゼ法(グルコースCIIテストワコー、和光純薬)により37℃で10分間反応させた後、マイクロプレートリーダーにて測定し(測定波長;500nm 、参照波長;655nm)、検量線により血糖値を決定した。
なお、コントロール(正常)群には、アラビアゴム末の5%水溶液および水のみを投与した。
また、コントロール(糖負荷)群には、アラビアゴム末の5%水溶液および上記の糖溶液をそれぞれ投与した。
以下に、雄花および雌花のメタノール抽出物の糖吸収抑制効果を示す。
Figure 2008001673
上記の結果から、ショ糖負荷のラットにおいて、雄花および雌花のメタノール抽出物は、いずれも血糖値上昇抑制効果、すなわち、糖吸収抑制効果を有することが判明した。
試験例2
ジオスシンの糖吸収抑制効果:
以下の表に示す数からなる群の約20〜24時間絶食させたWistar系雄性ラット (体重約120〜140 g)を用い、試験例1と同様にして、ジオスシンの糖吸収抑制効果を調べた。なお、採血は、糖溶液の投与0.5、1および2時間後に行った。
以下に、得られた結果を示す。
Figure 2008001673
上記の結果から、ジオスシンは、強力な血糖値上昇抑制効果、すなわち、糖吸収抑制効果を有することが判明した。したがって、ジオスシンは、オウギヤシの花部の糖吸収抑制効果の少なくとも1つの主成分であることが示唆された。
試験例3
オウギヤシの花部抽出物のα-グルコシダーゼ阻害作用の測定:
酵素液の調製:
Wistar系雄性ラット(体重150〜350g)の空腸から得られた刷子縁膜を粗酵素として用いた。刷子縁膜は、0.1Mマレイン酸緩衝液(pH6.0)に懸濁し、下記の反応条件で、ショ糖阻害試験においては約0.05mg、麦芽糖阻害試験においては約0.1mgのD-glucoseが生成する濃度に希釈して以下の酵素活性の測定に用いた。
酵素活性の測定:
基質としてショ糖(74mM)および麦芽糖(74mM)溶液100μlに被験サンプル溶液50μlを加え、37℃で2〜3分間予備加温した。上記で得られた酵素液50μlを加えて30分間反応させ、水800μlを加え、沸騰水浴中で2分間加熱して酵素を失活させた。
別に、各サンプルにつき酵素液を加えた後、直ちに水を加えて沸騰水浴中で2分間加熱し、酵素を失活させたものをブランクとした。生成したD-グルコースの量をグルコースオキシダーゼ法(グルコースC IIテストワコー)により測定した。基質は0.1Mマレイン酸緩衝液(pH6.0)に溶解し、被験物質はDMSOに溶解した液をマレイン酸緩衝液に添加(DMSOの終濃度2.5%)して用いた。
得られた値より50%阻害濃度(IC50)を算出した結果、以下の表に示すように、オウギヤシの雄花および雌花のメタノール抽出物は小腸のα-グルコシダーゼ(スクラーゼおよびマルターゼ)に対して阻害活性を有することが判明した。
以下に得られた結果を示す。
Figure 2008001673
試験例4
ジオスシンの胃粘膜保護作用の測定:
24時間絶食したSD系雄性ラット(体重:230−250g)にジオスシンのアラビアゴム懸濁液を金属製胃管を用いて5ml/kgの用量で経口投与し、1時間後にラット1匹あたり99.5%エタノールを5ml/kgの用量で経口投与した。さらにその1時間後、エーテル麻酔下で頚骨脱臼法によりラットを屠殺して胃を摘出した。胃壁の内外層を固定するために1.5%ホルマリン液10mlを胃内に封入し、胃全体を1.5%ホルマリンに漬け、30分以上放置して固定し、さらに30分以上放置した後、胃を大湾側に沿って切開し、腺胃部に生じた損傷部の長さを測定し、その積算値を損傷係数とした。
得られた結果を以下の表に示す。
Figure 2008001673
以上の結果から、ジオスシンは、エタノール誘発性胃粘膜損傷を強力に阻害することが判明した。
実施例2
当該分野で公知の方法にしたがって、オウギヤシの雄花抽出物10重量部を乳糖25重量部と混合し、ゼラチンカプセルに充填し、1カプセル中に抽出物が500 mg含有されるゼラチンカプセル剤を得た。
実施例3
実施例1の酢酸エチルおよび水との分配抽出で得られた水溶性画分の濃縮物を実施例2の抽出物に替えて、実施例2と同様にして、ゼラチンカプセル剤を得た。
実施例4
実施例1で得られたBuOH可溶画分の濃縮物を実施例2の抽出物に替えて、実施例2と同様にして、ゼラチンカプセル剤を得た。
本発明による糖吸収抑制または胃粘膜保護用組成物の有効成分して含まれるジオスシンは、前記のようにオウギヤシの花梗部から採取される糖蜜に含有されており、該糖蜜は、古来、健康甘味料として用いられてきたので、安全に使用できる。

Claims (5)

  1. 一般式(I):
    Figure 2008001673
    (I)
    [式中、R1およびR2は、それぞれ互いに独立して、水素原子またはα-L-ラムノピラノシル基を表し、スピロ結合を有する部分構造:
    Figure 2008001673
    が、以下の:
    Figure 2008001673
    からなる群から選択されるテトラヒドロピラニル誘導体である]
    で表されるスピロスタン型サポニンを有効成分として含む医薬組成物。
  2. 前記スピロスタン型サポニンを有効成分として含む糖吸収阻害用組成物。
  3. 前記スピロスタン型サポニンを有効成分として含む胃粘膜保護用組成物。
  4. 前記スピロスタン型サポニンを有効成分として含む健康食品。
  5. 前記スピロスタン型サポニンの主成分が、一般式(I)において、R1がα-L-ラムノピラノシル基であり、R2が水素原子であり、スピロ結合を有する部分構造:
    Figure 2008001673
    である、式(II):
    Figure 2008001673
    (II)
    で示されるジオスシンである請求項1に記載の医薬組成物。
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