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JP2006161170A - 合成繊維用油剤 - Google Patents

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JP2006161170A JP2004349253A JP2004349253A JP2006161170A JP 2006161170 A JP2006161170 A JP 2006161170A JP 2004349253 A JP2004349253 A JP 2004349253A JP 2004349253 A JP2004349253 A JP 2004349253A JP 2006161170 A JP2006161170 A JP 2006161170A
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Satoru Murakami
悟 村上
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

【課題】 高活性の新規触媒を用いて反応させて得られてなるエステル化合物を使用し、従来の油剤に比べ製造コストが低く、かつ生産性および品質の安定した糸を得ることができる油剤を提供する。
【解決手段】 キレート化剤(c1)とチタネート化合物(c2)とから形成される金属錯体(c)を触媒として、カルボン酸(a1)および/またはエステル形成性誘導体(a2)とアルコール類(b)とを反応させて得られてなるエステル化合物(A)と、乳化剤成分(B)および湿潤成分(C)を含有することを特徴とする合成繊維用油剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、合成繊維用油剤に関する。更に詳しくは、合成繊維の紡糸工程において使用される合成繊維用油剤に関する。
合成繊維製造工程においては、繊維の紡糸、延伸などを円滑に進行させるため、繊維に潤滑性、集束性、帯電防止性などを付与する合成繊維用油剤(以下単に油剤という)が用いられている。近年、紡糸速度の高速化に伴い、紡糸工程における糸切れ、毛羽等の発生がより少ない油剤が求められている。油剤には、潤滑性を付与するために、潤滑剤としてエステル類、特に脂肪酸エステル類が使用されることが多い。
従来から、これらのエステル類を合成するためのエステル化触媒として、パラトルエンスルホン酸や硫酸触媒等が使用されている。しかし、これらの触媒が残存したまま油剤として用いられると、触媒に由来する耐熱性不良や着色等によって紡糸工程での糸切れや毛羽等が多く発生するばかりでなく、紡糸後の糸の品質にも悪影響する。したがって、油剤として用いるためには、エステル化後にアルカリ水溶液で中和処理し、生成した中和塩を濾過処理する等の触媒除去工程が必須であった。しかしながら、このような触媒除去工程を行っても、近年の高速化してきた紡糸条件のもとでは、微量残存する触媒が潤滑性や耐熱性に悪影響を与え、製糸性を悪化させている。
これらの問題を解決するために、エステル化において、エステル化合物中に触媒を残留させない方法として、イオン交換樹脂などの固体酸触媒を用いる方法が提案されている。(例えば、非特許文献1)
Catal Lett Vol.78,No1/4;185−188(2002)
しかしながら、これらの固体酸触媒を用いる方法では、エステル化反応に長時間を要し実用的ではない。また、触媒を多量に使用すればエステル化合物中に一部が溶解するため、やはり紡糸工程や糸の品質に悪影響を与える。
また、これ以外に、通常の触媒を用いてエステル化を行った後、触媒除去を複数回行ったり長時間行うと、残存する触媒の影響を少なくできるが、除去工程を多く行うことによりコストアップとなり実用的とは言い難い。さらに、触媒を使用せずエステル化を行うといった方法も考えられるが、反応に極めて長時間を要することから、これも実用的ではない。
本発明の目的は、製糸性に影響しない高活性の新規触媒を用いて反応させて得られてなるエステル化合物を使用することにより、従来の油剤に比べ製造コストを低くでき、かつ、従来のエステル類を使用した油剤に比べて、紡糸工程における糸切れ、毛羽が少なくかつ品質の安定した糸を得ることができる油剤を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定の構造をもつ有機金属化合物をエステル化反応触媒として製造したエステル化合物を潤滑剤として用いることで、上記問題を解決できることを見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明は、キレート化剤(c1)とチタネート化合物(c2)とから形成される金属錯体(c)を触媒として、カルボン酸(a1)および/またはエステル形成性誘導体(a2)とアルコール(b)とを反応させて得られてなるエステル化合物(A)と、乳化剤成分(B)および湿潤成分(C)を含有することを特徴とする合成繊維用油剤である。
本発明の油剤は、従来の油剤に比べ製造コストを低減でき、かつ、エステル化合物(A)が耐熱性悪化の要因となる触媒残さを有していないため製糸工程における耐熱性が良好であり、さらに、乳化剤成分(B)と湿潤成分(C)が組み合わされることで、紡糸工程において良好な製糸性を付与し、高品質の糸の生産を可能にするという効果を奏する。
まず、本発明における金属錯体(c)について説明する。
本発明における(c)は、キレート化剤(c1)とチタネート化合物(c2)から形成される錯体であれば特に限定されない。
キレート化剤(c1)としては、公知のキレート化剤が使用できる。例えば、リン系キレート化剤(ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリメタリン酸カリウム、テトラメタリン酸ナトリウム、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸など)、アミン系キレート化剤(エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、テトラエチレントリアミン、ジメチルグリオキシム、8−オキシキノリン、ポルフィリンなど)、アミノカルボン酸系キレート化剤[エチレンジアミン二酢酸およびその金属塩(金属は、ナトリウム、カリウムなど)中和物、エチレンジアミン四酢酸およびその金属塩中和物、ヘキシレンジアミン二酢酸およびその金属塩中和物、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸およびその金属塩中和物、ニトリロ三酢酸三ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸三ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム、トリエチレントトラミン六酢酸六ナトリウム、ジヒドロキシエチルグリシン、グリシン、L−グルタミン酸二酢酸四ナトリウムなど]、カルボン酸系キレート化剤(シュウ酸、マレイン酸ニナトリウム、エチレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、グルコン酸、グルコン酸ナトリウムなど)、ケトン系キレート化剤(アセチルアセトン、ヘキサン−2,4−ジオン、3−エチルノナン−4,7−ジオンなど)、高分子キレート化剤(ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ[2−ヒドロキシアクリル酸ナトリウム]など)等があげられる。これらのうち、好ましいのはアミン系キレート化剤、アミノカルボン酸系キレート化剤、カルボン酸系キレート化剤およびケトン系キレート化剤であり、さらに好ましいのはアミノカルボン酸系キレート化剤、カルボン酸系キレート化剤およびケトン系キレート化剤である。
金属錯体(c)を触媒として使用する場合、反応時の安定性の観点から、キレート化剤(c1)は下記一般式(1)で示される化合物であることが望ましい。
[式中、Xは、−OMで示される基、または炭素数1〜30の炭化水素基で、その一部の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい;Mは水素原子、またはアルカリ金属原子;Yは、窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜14の炭化水素基;Xは同一でも異なっていてもよい]
一般式(1)中、Xは、−OMで示される基、または、炭素数1〜30の炭化水素基で、その一部の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。Mは水素原子またはアルカリ金属原子である。アルカリ金属原子としては、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムがあげられる。炭素数1〜30の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基およびアリール基等があげられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子があげられる。ハロゲン原子として好ましくは塩素原子、臭素原子であり、さらに好ましくは塩素原子である。触媒としての反応性の観点から、Xは、−OHまたはハロゲン原子で置換されていない炭化水素基で好ましく、さらに好ましくは、−OH、アルキル基およびアルケニル基であり、特に好ましいのは−OHおよびアルキル基であり、最も好ましいのは−OHおよび炭素数1〜18のアルキル基である。
Xを構成する炭化水素基の具体例としては、以下のような基があげられるが、これらに限定されるものではない。
(1)アルキル基;
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デカニル基、ドデカニル基、テトラデカニル基、ヘキサデカニル基、オクタデカニル基、1,1,1−トリフルオロメチル基、1−モノクロロエチル、2−モノフルオロノニル基、4,4−ジクロロオクチル基等。
(2)アルケニル基;
オクタデセニル基、10,10,10−トリクロロデセニル基等。
(3)シクロアルキル基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、2−メチルシクロプロピル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等。
(4)シクロアルケニル基;
シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロドデセニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル等。
(5)アリール基;
フェニル基、トリル基、キシリル基、クミル基、メシル基、1−エチルフェニル基、2−プロピルフェニル基、1−ターシャリーブチルフェニル基、1,3,5−トリメチルフェニル基、3−ヘキシルフェニル基、3−オクチルフェニル基、3−ノニルフェニル基、3−デシルフェニル基、5−ドデシルフェニル基、3−フェニルフェニル基、3−ベンジルフェニル基、p−クミルフェニル基等。
なお、Xは同一であっても、異なっていてもよい。
一般式(1)中、Yは、窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜14の炭化水素基であって、上記Xで例示した炭化水素基のうち炭素数1〜14のものの他に、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、ウレア基、ウレタン基等を1個またはそれ以上の個数を有する炭素数1〜14のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基等があげられる。Yのうち、触媒としての反応性の観点から、好ましいのは炭素数1〜10の炭化水素基、アミノ基、ニトリル基およびニトロ基を有する炭化水素基であり、炭素数1〜10の炭化水素基およびアミノ基を有する炭化水素基であることがより好ましい。
キレート化剤(c1)として、具体的には、エチレンジアミンニ酢酸、ヘキシレンジアミン二酢酸、エチレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、プロピレンジアセチルアミド、エチレンジオクタンアミド、アセチルアセトン、ヘキサン−2,4−ジオン、3−エチルノナン−4,7−ジオン等があげられるが、これらに限定されるものではない。
金属錯体(c)を構成するチタネート化合物(c2)は、特に限定されない。例えば、ハロゲン化チタン(四塩化チタン、四フッ化チタン、オキシ塩化チタネートなど)、チタン酸塩(チタン酸ニナトリウム、チタン酸カルシウムなど)、チタンアルコキシド(テトラメトキシチタネート、テトラエトキシチタネート、テトライソプロポキシチタネート、テトラブトキシチタネートなど)等があげられる。
金属錯体(c)の触媒としての反応時の安定性や活性の観点から、チタネート化合物(c2)は、下記一般式(2)で表される化合物であることが望ましい。
[式(2)中、LはR1、R1O−またはR1S−で表される基、R1は炭素数1〜30の炭化水素基で、その一部の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい]
一般式(2)中、LはR1、R1O−またはR1S−からなる群から選ばれる基であって、反応性の観点からR1またはR1O−であることが好ましく、キレート化剤(c1)との反応性の観点から、R1O−であることが最も望ましい。R1は炭素数1〜30の1価の炭化水素基であって、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基およびアリール基等があげられ、その一部の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。R1のうち、好ましいのはアルキル基およびアルケニル基であり、さらに好ましいのはアルキル基であり、最も好ましいのは炭素数2〜18のアルキル基である。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子があげられる。触媒としての反応性の観点から、ハロゲン原子として好ましくは塩素原子、臭素原子であり、さらに好ましくは塩素原子である。R1の具体例としてはXの例示の際にあげたのと同様な例があげられる。
金属錯体(c)は、上記に示したようなキレート化剤(c1)およびチタネート化合物(c2)から形成される。(c)を得る方法は特に限定されず、公知の方法が利用できる。例えば、新実験化学講座12(有機金属化学)[丸善出版]、実験科学講座 第4版 17(無機錯体、キレート錯体)[丸善出版]に詳細に記載された方法等があげられる。具体的には、例えば、エチレンジアミン二酢酸やアセチルアセトン等のキレート化剤に4塩化チタン、チタンアルコキシド(例えば、メトキシド、エトキシド等)等を20℃〜100℃で滴下し、発生する塩酸又はアルコールを減圧により除去する方法等で得られる。(c1)と(c2)の比(モル比)は特に限定されないが、触媒としての活性の観点から(c1)/(c2)=1/4〜4/1であることが望ましい。より好ましくは、(c1)/(c2)=1/3〜3/1、最も好ましくは、(c1)/(c2)=1/2〜2/1である。
金属錯体(c)の具体的な例としては、例えば下記のものがあげられるが、これらに限定されるものではない。例えば、ジエトキシチタネート−ビス(ブタン二酸)錯体、ジエトキシチタネート−ビス(アジピン酸)錯体、テトラ(セバシン酸)チタネート錯体、ジイソプロポキシチタネート−ビス(アセチルアセトン)錯体、ジオクトキシチタネート−ビス(テトラデカ−5,10−ジオン)錯体、テトラ(オクタデカノキシ)チタネート−(2−メチルオクタデカ−3,8−ジオン)錯体、ジエトキシチタネート−ビス(エチレンジアミン二酢酸)錯体、ジブトキシチタネート−ビス(エチレンジアミン二酢酸)錯体、ジイソプロポキシチタネート−ビス(ヘキシレンジアミン二酢酸)錯体、テトラブトキシチタネート−エチレンジオクタンアミド錯体、ジエトキシチタネート−ビス(メチレンジプロピルアミド)錯体等が挙げられる。
金属錯体(c)をエステル化反応用触媒として使用する際には、単独で使用してもよいが、2種以上を組み合わせて使用してもよい。(c)の使用量は特に制限されないが、エステルの製造においてカルボン酸成分(a1)またはカルボン酸誘導体成分(a2)100重量部あたり、通常0.0005〜2重量部、好ましくは0.001〜1重量部、より好ましくは0.002〜0.8重量部である。また、性能を阻害しない範囲でエステル化技術において公知である他の触媒を併用してよい。公知である他の触媒としては、パラトルエンスルホン酸、硫酸等の酸触媒;三酸化アンチモン等のアンチモン系触媒;モノブチルスズオキシド等のスズ系触媒;テトラブチルチタネート等のチタン系触媒;テトラブチルジルコネー卜等のジルコニウム系触媒;酢酸ジルコニルおよび酢酸亜鉛等の酢酸金属塩系触媒;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ触媒等が挙げられる。これらの公知の触媒は2種以上を併用して使用してもよい。(c)に他の触媒を併用する場合の配合割合は特に限定されないが、好ましくは重量比で(c)/他触媒=1/1〜1/0.01、より好ましくは1/0.5〜1/0.05である。
エステル化におけるカルボン酸(a1)および/またはエステル形成性誘導体(a2)とアルコール(b)との比率は特に限定されないが、通常、モル比で、(カルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体)/アルコール=4/1〜1/4であり、好ましくは2/1〜1/2であり、より好ましくは1.5/1〜1/1.5である。
本発明を構成するエステル化合物(A)は、金属錯体(c)を触媒として用いてカルボン酸(a1)および/またはそのエステル形成性誘導体(a2)とアルコール(b)とをエステル化反応させて得られる。
この(A)を得るための製造方法(エステル化の方法)は特に限定されず、公知の方法が使用できる。例えば、(a1)および/または(a2)と(b)とをそれぞれ所定量反応槽に仕込み、触媒を添加した後加熱し、発生する水またはエステル交換によって発生するアルコールを除去する方法等で得られる。反応温度は通常50〜280℃であり、80〜250℃が好ましく、100℃〜230℃がより好ましい。反応時間は通常5〜20時間である。エステル化により発生する水またはエステル交換によって発生するアルコールの除去は常圧下、減圧下のいずれでもよい。減圧下での除去を行う場合は、減圧度は30mPa以下が好ましい。反応の進行は通常酸価、水酸基価等を測定することにより求めることができる。
また、エステル化合物(A)を得るためのエステル化反応の際、必要に応じて着色防止剤や安定剤(リン酸エステル等)、調整剤としての充填剤(シリカ、酸化チタン等)、着色剤(カーボンブラック、染料等)、酸化安定剤(ヒドロキノン等)等を使用してもよい。
カルボン酸(a1)およびそのエステル形成性誘導体(a2)の具体的な例としては、以下のようなものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。なお、エステル形成性誘導体(a2)とは、カルボン酸ハロゲン化物、カルボン酸酸無水物またはカルボン酸の低級(炭素数1〜4)アルコールエステル等のことである。
(aa1);炭素数2〜32の脂肪族モノカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体、例えば、ブタン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、デカン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、イソアラキン酸、アクリル酸、オレイン酸、エルシン酸、オクタン酸メチル、ラウリン酸イソプロピル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル等。
(aa2);炭素数2〜40脂肪族ジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体、例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、エライジン酸、マレイン酸、フマル酸、3,3−ジメチルペンタン二酸、アジピン酸ジメチル、無水マレイン酸等。
(aa3);炭素数4〜42脂肪族多価カルボン酸およびそのエステル形成性誘導体、 3,3−ジメチル−5−エチルオクタン−1,2,8−トリカルボン酸等。
(aa4);炭素数7〜36芳香族カルボン酸およびそのエステル形成性誘導体、例えば、安息香酸、フェニル酢酸、γ−フェニル酪酸、m−トルイル酸、3−フェニルブタン酸、フタル酸、アニス酸、安息香酸メチル、無水フタル酸、トリメリット酸等。
(aa5);その他のカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体、例えば、シクロヘキサンカルボン酸、チオジプロピオン酸、チオジヘキサン酸、オキシピバリン酸、チオジプロピオン酸ジメチル等。
これらのカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体のうち、好ましいのは炭素数2〜32の脂肪族モノカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体(aa1),炭素数2〜40脂肪族ジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体(aa2),および炭素数4〜42脂肪族多価カルボン酸およびそのエステル形成性誘導体(aa3)であり、さらに好ましくは、(aa1),(aa2)であり、(aa1)が最も好ましい。なお、カルボン酸(a1)またはそのエステル形成性誘導体(a2)は、2種以上を併用して使用してもよいし、(a1)と(a2)を併用しても構わない。
アルコール(b)としては、以下のようなものが挙げられるが、これらに限定されるものではない
(bb1);炭素数4〜32の脂肪族1価アルコ−ル類、例えば、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ラウリルアルコール、パルミチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソステアリルアルコール、アリルアルコール、メチルビニルカルビノール、オレイルアルコール等。
(bb2);炭素数3〜40の脂肪族多価(2〜6価)アルコ−ル類、例えば、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等。
(bb3);炭素数6〜36の脂環式アルコール類、例えば、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、3−ブチル−5−オクチルシクロオクタノール、3−エチルシクロヘキサノール、cis−1,2−シクロヘキサンジオール等。
(bb4);炭素数7〜36の芳香族アルコール類、例えば、ベンジルアルコール、2−フェニルエタノール、α−フェニルエチルアルコール、トリフェニルカルビノール、シナミルアルコール等。
(bb5);上記(bb1)〜(bb4)のアルキレンオキサイド付加物(付加モル数1〜100)およびその他のアルキレンオキサイド付加物(付加モル数1〜100)、例えば、ラウリルアルコールのエチレンオキサイド10モル付加物、オレイルアルコールのプロピレンオキサイド5モル付加物、グリセリンのエチレンオキサイド3モル付加物、ベンジルアルコールのプロピレンオキサイド50モル付加物、ステアリン酸のエチレンオキサイド5モル、プロピレンオキサイド5モル付加物、フェノールのエチレンオキサイド20モル付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイド4モル付加物等。
上記(bb5)におけるアルキレンオキサイド(以下AOと略す)は、例えば、炭素数2〜12のAOがあげられ、具体的にはエチレンオキサイド(以下EOと略す)、プロピレンオキサイド(以下POと略す)、ブチレンオキサイド(以下BOと略す)、テトラヒドロフラン(以下THFと略す)、スチレンオキサイド(以下SOと略す)等があげられる。これらAO類を付加させる方法は、公知の方法が適用できる。例えば、活性水素を有する化合物に触媒の存在下AOを付加させることによってAO付加物を得ることができる。反応温度は、通常10〜180℃、反応時間は、1〜48時間である。AOは単独でも2種以上を混合して使用してもよい。2種以上のAOを付加させる場合、その付加様式は特に限定されず、ランダムに付加させてもブロックに付加させてもよい。AOを付加させる際に用いられる触媒としては、アルカリ触媒(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等)、ハイドロタルサイト系触媒(商品名:KW500SH、協和化学工業(株)製等)、酸性触媒(過ハロゲン酸(塩)、硫酸(塩)、リン酸(塩)および硝酸(塩)等)および金属アルコラート触媒(ナトリウムメチラート、カリウムブチラート等)等があげられる。これらの触媒は2種以上を併用して使用してもよい。これらの触媒の添加量は、AO付加後の総重量に対し、通常0.01〜8重量%である。
これらのアルコール(b)のうち、好ましいのは、脂肪族アルコール(bb1)であり、脂肪族一価アルコールであることがより好ましい。また、(b)は2種以上を併用して使用しても良い。
エステル化合物(A)の具体的な化合物例としては、以下のようなものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(A1);一価エステル化合物、例えば、2−エチルヘキシルステアレート、イソデシルステアレート、イソステアリルオレート、イソエイコシルステアレート、イソエイコシルオレート、イソテトラコシルオレート、イソアラキジルオレート、イソステアリルパルミテート、オレイルオレート、ラウリルイソステアレート、ラウリルアルコールEO2モル付加物のラウリン酸エステル、オレイルアルコールPO2モル付加物のステアリン酸エステル等。
(A2);二価エステル化合物、例えば、グリセリンジオレエート、ペンタエリスリトールテトラオレエート、ジオレイルアジペート、ジイソトリデシルアジペート、ステアリルアルコールEO10モル付加物のアジピン酸ジエステル、ビスフェノールEO5モル付加物のジオレイン酸エステル等。
(A3);多価エステル化合物、例えば、グリセリントリオレート、ソルビトールテトラステアレート、トリメリット酸トリラウレート等。
(A4);その他のエステル類、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジオレイルチオジプロピオネート、ジイソステアリルチオジプロピオネート等。
これらのエステル化合物(A)のうち、好ましいのは一価エステル(A1)または二価エステル(A2)であり、さらに好ましいのは一価エステル(A1)であり、AO鎖を有しない一価エステル(A1)であることが最も好ましい。また(A)は、2種以上を併用して使用してもよい。
次に、乳化剤成分(B)について説明する。
乳化剤成分(B)は、乳化機能を有する界面活性剤であって、非イオン界面活性剤(高級アルコールのAO付加物等)、アニオン界面活性剤(高級アルコールの硫酸化物Na塩、アルキルスルホネートNa塩等)、カチオン界面活性剤(アルキルアミンおよびその金属塩等)および両性活性剤(ベタイン型両性界面活性剤、アミノ酸型界面活性剤等)等があげられる。これらのうち、(B)としては、非イオン界面活性剤であることが好ましく、分子内にポリアルキレングリコール(以下PAGと略する)鎖を有する重量平均分子量(以下Mwと略す)1,000以上のPAG型非イオン界面活性剤(B1)であることがより好ましい。(B1)が有するPAGは、活性水素を有する化合物にAOを付加することにより得られる。AOを付加する方法は、公知のものが利用でき具体的な方法等は(bb5)における説明で例示した方法等と同様である。PAGを形成するAOは、特に限定されないが、好ましいのはEO単独またはEOとPOの併用である。EOとPOを併用する場合は、その付加様式(ランダムまたはブロック)、EOとPOの構成重量比は特に限定されないが、EOの重量割合が50%以上であることが好ましい。
PAG型非イオン界面活性剤(B1)のMwは、油剤配合後の安定性や平滑性の観点から、1,000〜30,000であって、好ましくは1,200〜25,000、より好ましくは1,500〜20,000である。
PAG型非イオン界面活性剤(B1)の具体例としては、以下のものが挙げられる。
(B11);炭素数4〜36の脂肪族アルコールのAO付加物(Mw=1,000以上)、例えば、ブタノールEO20モルPO10モルブロック付加物、ブタノールEO/POランダム付加物(Mw=2,000)、n−オクチルアルコールEO30モル付加物、オレイルアルコールEO20モル付加物、イソステアリルアルコールEO10モル付加物、ステアリルアルコールEO/POランダム付加物(Mw=2,000)、ネオペンチルグリコールEO30モル付加物、ソルビトールEO40モル付加物等。
(B12);炭素数6〜42の脂環式アルコールのAO付加物(Mw=1,000以上)、例えば、シクロヘキサノールEO25モル付加物、3−エチルシクロヘキサノールEO/POランダム付加物(Mw=1,500)、trans−1,2−シクロヘキサノールEO45モル付加物等。
(B13);炭素数7〜40の芳香族アルコールのAO付加物(Mw=1,000以上)、例えば、ベンジルアルコールEO25モル付加物、オクチルフェノールEO20モル付加物、ノニルフェノールEO25モル付加物、ドデシルフェノールEO100モル付加物等。
(B14);炭素数4〜40の脂肪酸のAO付加物(Mw=1,000以上)、例えば、オレイン酸EO20モル付加物、ステアリン酸EO/POランダム付加物(Mw=3,000)等。
(B15);フェノールおよびフェノール誘導体のAO付加物(Mw=1,000以上)、例えば、フェノールのEO20モル付加物、ビスフェノールAのPO10モル、EO30モルブロック付加物等。
(B16);多価(2〜8価)アルコール脂肪酸エステルのAO付加物(Mw=1,000以上)、例えば、グリセリンモノステアレートのEO40モル付加物、ヒマシ油EO10モル付加物、ヒマシ油EO/POランダム付加物(Mw=3,000)、硬化ヒマシ油EO40モル付加物、硬化ヒマシ油EO10モルPO25モル付加物、ソルビタンモノオレートのEO20モル付加物等。
これらのうち、好ましいものはMw=1,000以上の炭素数4〜36の脂肪族アルコールのAO付加物(B11)、炭素数7〜40の芳香族アルコールのAO付加物(B13)、および多価(2〜8価)アルコール脂肪酸エステルのAO付加物(B16)であり、さらに好ましいのは(B11)および(B16)である。なお、乳化剤成分(B)は、2種以上を併用して使用も良い。
次に湿潤成分(C)について、説明する。
(C)は、油剤に合成繊維への湿潤性を付与する機能剤であって、湿潤性を付与する非イオン界面活性剤、アニオン性界面活性剤等が使用できるが、非イオン界面活性剤であることが好ましく、Mw=1,000未満の脂肪族アルコールAO付加物(C1)であることがより好ましい。AOとしては、炭素数2〜12のものが使用でき、AOを付加する方法等は前述と同様である。AOとしては、EO単独またはEOとPO併用が好ましく、EO単独であることがより好ましい。EOとPOを併用する場合は、その付加様式(ランダム付加またはブロック付加)は特に限定されないが、ブロック付加物であることが好ましく、また、EOとPOの構成重量比も特に限定されないが、EOの重量割合が70%以上であることがより好ましい。
Mw=1,000未満の脂肪族アルコールAO付加物(C1)として、具体的には下記のようなものがあげられるが、これらに限定されるものではない。
(C11);炭素数8〜22の直鎖脂肪族アルコールAO付加物(Mw=1,000未満)、例えば、オクチルアルコールEO8モル付加物、デシルアルコールEO10モル、PO2モル付加物、ラウリルアルコールEO10モル付加物、オレイルアルコールEO5モル付加物、ステアリルアルコールPO2モル、EO2モル付加物等。
(C12);炭素数8〜22の分岐脂肪族アルコールAO付加物(Mw=1,000未満)、例えば、2−エチルヘキシルアルコールPO5モルEO5モル付加物、イソデシルアルコールEO2モル付加物、イソトリデシルアルコールEO10モル付加物、イソステアリルアルコールPO4モル、EO1モル付加物等。
これらのうち、好ましいものは炭素数8〜22の分岐脂肪族アルコールAO付加物(C12)であり、炭素数10〜18の分岐脂肪族アルコールAO付加物であることがより好ましく、炭素数12〜16の分岐脂肪族アルコールAO付加物であることが最も好ましい。
なお、(C)は2種以上を併用して使用してもよい。
本発明の油剤は、上記に述べたエステル化合物(A)、乳化剤成分(B)および湿潤成分(C)を必須成分として含有するが、さらに特定の割合で各成分を含有することが好ましい。
すなわち、エステル化合物(A)と乳化剤成分(B)および湿潤成分(C)の合計重量の比((A)/[(B)+(C)])が3/1〜1/3、かつ(B)と(C)の重量比((B)/(C))が4/1〜1/6、かつ(A)の重量が、油剤の全重量((A)+(B)+(C)+後述のその他の成分(D))に基づいて5〜80重量%であることが好ましい。さらに好ましくは、(A)と(B)および(C)の合計重量の比((A)/[(B)+(C)])が2.5/1〜1/2.5、かつ(B)と(C)の重量比((B)/(C))が3.5/1〜1/5、かつ(A)の重量が、油剤の全重量に基づいて7〜78重量%である。(A)、(B)および(C)がそれぞれこの範囲にあると、平滑性、湿潤性がさらに良好となり、製糸性が向上する傾向がある。
本発明の油剤には、必要によりその他の成分(D)を含有することができる。(D)としては、以下のようなものがあげられる。(D)は2種以上を併用して使用してもよい。
(D1);(A)以外の潤滑剤、例えば、25℃における動粘度が10〜3,000cStである鉱物油(例えば、25℃における動粘度が200cStである精製スピンドル油、25℃における動粘度が100cStである流動パラフィン等)、動植物油(例えば、牛脂、マッコウ鯨油、菜種油、ヤシ油、ヒマシ油等)、シリコーン化合物(例えば、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、フェニル変性シリコーン等)、天然および合成ワックス(例えば、カルナバワックス、みつろう、融点30℃〜100℃のパラフィンワックス及びポリオレフィンワックス[オレフィンの炭素数2〜18、Mw=1,000〜10,000のワックス、例えばポリエチレンワックス])等。
(D2);(B)および(C)以外の界面活性剤、例えば、脂肪酸アルカノールアミド(オレイン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸モ
ノイソプロパノールアミド等)、炭素数6〜32のアルキルアミン及びこれらの炭素数2〜4のAO付加物(例えば、付加モル数1〜40)(例えば、トリエチルアミン、ラウリルアミンのEO1モル付加物、ステアリルアミンのEO7モル付加物等)等。
(D3);帯電防止剤、例えば、炭素数8〜32のアルコール及びこれらの炭素数2〜4のAO付加物(例えば、付加モル数1〜20)のホスフェート(例えば、ラウリルアルコールのリン酸エステルカリウム塩、ステアリルアルコールのEO2モル付加物のリン酸エステルナトリウム塩、イソステアリルアルコールのEO7モル付加物のリン酸エステルカリウム塩等)、炭素数9〜90の(チオ)ホスファイト(例えば、トリフェニルホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト等)、炭素数8〜32の脂肪酸石鹸(対イオンは、例えばアンモニウム、ナトリウム、カリウム、アンモニア等)(例えば、ラウリン酸アンモニウム石鹸、オレイン酸カリウム石鹸、ヒマシ油ナトリウム石鹸等)、炭素数8〜32のイミダゾリン系化合物(例えば、ラウリルイミダゾリン、オレイルイミダゾリン等)、炭素数8〜32の硫酸エステル類及びその塩(例えば、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム塩、オレイルアルコール硫酸エステルアンモニウム等)、炭素数8〜32のスルホン酸及びその塩(例えば、ラウリルスルホネートナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸及びそのナトリウム塩、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルナトリウム塩等)等。
(D4);酸化防止剤、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(2,6−ジ−t−ブチルフェノール、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、アミン系酸化防止剤(2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン等)等。
(D5);紫外線吸収剤、例えば、ベンゾトリアゾール系(2−(3,5−ジ−t−アミル)ヒドロキシフェニル等)、ヒンダードアミン系(ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等)等。
(D6);フッ素化合物、例えば、パーフルオロエタン、パーフルオロオクタン等。
(D7);pH調整剤、例えば、塩酸、次亜リン酸、リン酸、塩酸、硫酸、低級脂肪酸(炭素数2〜8)及びその誘導体(例えば、酢酸、乳酸、リンゴ酸、酢酸ナトリウム等)、アンモニア及びアルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等)、高級脂肪酸類(ラウリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、サリチル酸、ペンタデセニルコハク酸)等。
(D8);その他添加剤、例えば、外観調整剤(エチレングリコール、プロピレングリコール、オレイルアルコール等)、水等。
その他の成分(D)を使用する場合、配合量(重量%)は、油剤の全重量に対して0.01〜50重量%であることが好ましい。
本発明の油剤は、エステル化合物(A)、乳化剤成分(B)および湿潤成分(C)、必要によりその他の成分(D)を配合することによって得ることができる。配合の方法については、特に限定されず公知の方法が適用可能である。例えば、撹拌羽根を備えた配合槽に各成分を所定量仕込み、必要により加温し、撹拌、均一とする方法等が使用できる。
本発明の油剤の使用形態は特に限定されないが、通常エマルションまたは低粘度鉱物油(例えば、25℃における動粘度が、1〜10cstの流動パラフィン等)や溶剤(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン等)等による希釈品として、または、そのまま使用される。エマルションとして使用されることがより好ましい。エマルションとして使用される場合、エマルションの調整方法に特に限定はなく、例えば、乳化槽に所定量のイオン交換水を入れ、攪拌下で徐々に本発明の油剤を投入し乳化するといった方法が適用できる。エマルションの濃度は、通常5〜40重量%、好ましくは8〜30重量%である。乳化温度は、通常10〜60℃である。
本発明の油剤は、紡糸工程の任意の位置で給油できるが、通常、紡糸直後の未延伸の繊維に所定量給油される。給油方法は、ローラー、ノズル等任意の公知の方法が適用できる。繊維は給油処理された後、延伸され、巻き取られる。本発明の油剤の繊維に対する付着量は、特に限定されないが、通常繊維に対し油剤純分として0.05〜8重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。
本発明の油剤が適用できる合成繊維は特に限定されず、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル、ポリ乳酸、レーヨン、アセテート等に適用出来、優れた効果を発揮する。
本発明の油剤で処理された合成繊維の用途は特に限定されず、織物、編物等種々の形態で、各種衣料用や産業資材用等に広く使用することができる。
<実施例>
以下、実施例を挙げて、本発明の構成及び効果についてさらに詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[触媒の合成例−1]
攪拌機、温度計を取り付けた反応槽に、テトラエトキシドチタネート114重量部(0.5モル)を仕込んだ。40〜45 ℃で攪拌しながら、これにアジピン酸146重量部(1.0モル)を徐々に投入した。発生するエタノールは減圧で除去しながら反応を継続し、1時間かけて全量投入した。全量投入後さらに2時間、同温度で減圧しながら反応を継続し、エタノールの流出が見られなくなったところで反応を終了し、ジエトキシチタネート−ビス(アジピン酸)錯体(c−a)168重量部を得た。
[触媒の合成例−2]
合成例−1と同様の装置を用い、テトライソプロポキシチタネート142重量部(0.5モル)を仕込み、50〜55 ℃で攪拌しながら、徐々にアセチルアセトン100重量部(1.0モル)を滴下した。発生するイソプロパノールは減圧で除去しながら反応を継続し、45分かけて全量投入した。全量投入後さらに1時間、同温度で減圧しながら反応を継続し、イソプロパノールの流出が見られなくなったところで反応を終了し、ジイソプロポキシチタネート−ビス(アセチルアセトン)錯体(c−b)122重量部を得た。
[触媒の合成例−3]
合成例−1と同様の装置を用い、テトラブトキシチタネート170重量部(0.5モル)を仕込み、60〜65 ℃で攪拌しながら、徐々にエチレンジアミン二酢酸176重量部(1.0モル)を投入した。発生するブタノールは減圧で除去しながら反応を継続し、1時間30分かけて全量投入した。全量投入後さらに2時間、同温度で減圧しながら反応を継続し、ブタノールの流出が見られなくなったところで反応を終了しジブトキシチタネート−ビス(エチレンジアミン二酢酸)錯体(c−c)198重量部を得た。
[合成例1]<エステル化合物(A−1)の合成>
攪拌機、温度計および窒素導入管を取り付けた反応槽に、オクチルアルコール130重量部およびイソステアリン酸280重量部(反応モル比は、オクチルアルコール:イソステアリン酸=1:1)を仕込んだ。これにエステル化触媒として、(c−a)をイソステアリン酸に対し0.1重量%添加した。窒素を液中に吹き込みながら150℃まで昇温し、150〜155℃で、窒素を反応槽外に排気しながら常圧でエステル化を行った。エステル化の進行の確認は、酸価を測定することによって行い、酸価が1以下となるまで反応を継続しエステル化合物(A−1)オクチルイソステアレートを得た。反応時間は1.5時間であった。得られた(A−1)は、着色もなく良好な外観を有しており、触媒除去等を行わずそのまま実施例に使用した。
[合成例2]<エステル化合物(A−2)>
合成例1と同様の装置に、ラウリルアルコール200重量部、アジピン酸73重量部(反応モル比は、ラウリルアルコール:アジピン酸=2:1)を仕込んだ。これにエステル化触媒として、(c−b)をアジピン酸に対し0.3重量%添加した。窒素を液中に吹き込みながら170℃まで昇温し、170〜175℃で、窒素を反応槽外に排気しながら常圧でエステル化を行った。エステル化の進行の確認は、酸価を測定することによって行い、酸価が1以下となるまで反応を継続しエステル化合物(A−2)ジラウリルアジペートを得た。反応時間は4時間であった。得られた(A−2)は、着色もなく良好な外観を有しており、触媒除去等を行わずそのまま実施例に使用した。
[合成例3]<エステル化合物(A−3)>
合成例1と同様の装置に、2−エチルヘキサノール130重量部、オレイン酸280重量部(反応モル比は、2−エチルヘキサノール:オレイン酸=1:1)を仕込んだ。これにエステル化触媒として、(c−c)をステアリン酸に対し0.2重量%添加した。窒素を液中に吹き込みながら140℃まで昇温し、140〜145℃で、窒素を反応槽外に排気しながら常圧でエステル化を行った。エステル化の進行の確認は、酸価を測定することによって行い、酸価が0.5以下となるまで反応を継続しエステル化合物(A−3)2−エチルヘキシルオレートを得た。反応時間は5時間であった。得られた(A−3)は、着色もなく良好な外観を有しており、触媒除去等を行わずそのまま実施例に使用した。
[合成例4]<エステル化合物(A−4)>
合成例1と同様の装置に、オレイルアルコール280重量部、オレイン酸280重量部(反応モル比は、オレイルアルコール:オレイン酸=1:1)を仕込んだ。これにエステル化触媒として、(c−c)をオレイン酸に対し0.8重量%添加した。窒素を液中に吹き込みながら140℃まで昇温し、140〜145℃で、窒素を反応槽外に排気しながら常圧でエステル化を行った。エステル化の進行の確認は、酸価を測定することによって行い、酸価が0.5以下となるまで反応を継続しエステル化合物(A−4)オレイルオレートを得た。反応時間は6時間であった。得られた(A−4)は、着色もなく良好な外観を有しており、触媒除去等を行わずそのまま実施例に使用した。
[比較合成例1]<比較エステル化合物(E−1)>
合成例1において、エステル化触媒として、(c−a)の代わりにパラトルエンスルホン酸を使用した以外は、同様にして比較エステル化合物(E−1)オクチルイソステアレートを得た。反応時間は6時間であった。得られた(E−1)は、水酸化カリウムで中和後、吸着剤による処理濾過を行って実施例に使用した。
[比較合成例2]<比較エステル化合物(E−2)>
合成例2において、エステル化触媒として、(c−b)の代わりにパラトルエンスルホン酸を使用した以外は、同様にして比較エステル化合物(E−2)ジラウリルアジペートを得た。反応時間は7時間であった。得られた(E−2)は、水酸化カリウムで中和後、吸着剤による処理濾過を行って実施例に使用した。
[比較合成例3]<比較エステル化合物(E−3)>
合成例3において、エステル化触媒として、(c−c)の代わりにパラトルエンスルホン酸を使用した以外は、同様にして比較エステル化合物(E−3)2−エチルヘキシルオレートを得た。反応時間は7時間であった。得られた(E−3)は、水酸化カリウムで中和後、吸着剤による処理濾過を行って実施例に使用した。
[比較合成例4]<比較エステル化合物(E−4)>
合成例4において、エステル化触媒として、(c−c)の代わりにパラトルエンスルホン酸を使用した以外は、同様にして比較エステル化合物(E−4)オレイルオレートを得た。反応時間は8時間であった。得られた(E−4)は、水酸化カリウムで中和後、吸着剤による処理濾過を行って実施例に使用した。
[実施例]
上記エステル化合物および下記成分を使用し、本発明の油剤1〜7および比較油剤1〜6を表1のように配合した。
(B1−1)イソステアリルアルコールEO5モル付加物
(B1−2)ブタノールEO/POランダム付加物(Mw=2,500)
(B1−3)ソルビトールジラウレートEO30モル付加物
(B1−4)硬化ヒマシ油EO12モル付加物
(C1−1)2−エチルヘキサノールEO3モル付加物
(C1−2)2−エチルヘキサノールEO7モル付加物
(D−1)鉱物油(レッドウッド100秒)
(D−2)精製ヤシ油
(D−3)ラウリン酸ジエタノールアミド
(D−4)ステアリルアミンEO15モル付加物
(D−5)ラウリルフォスフェートカリウム塩
(D−6)オレイン酸石鹸
(D−7)ラウリルスルホネートナトリウム塩
これらを用いて下記評価を行った。その結果を表2に示す。
<評価項目および評価方法>
<潤滑性>
各油剤を、ポリエステルフィラメント糸(83dtex、36フィラメント)に付着量1.0重量%となるように付着させ、初張力20g、糸速度100m/分で走行糸法にて金属ピン(表面梨地加工)と接触させ、金属ピン通過後の張力(g)を測定し潤滑性とした。値が小さいほど、潤滑性が良好であることを示す。
<耐熱性>
各油剤1.0gをステンレス製シャーレ(直径5cm)に取り、150℃の乾燥機中に8時間放置した。放置後のシャーレ内での油剤の状態を目視で観察し耐熱性を判断した。
○・・・耐熱性良好(着色少ない。タールの発生なし)
△・・・耐熱性やや不良(着色ややあり。タールの発生少しある)
×・・・耐熱性不良(着色強い。タールの発生多い)
<発生電気量>
上記の潤滑性を評価する際の、金属ピン上10cmでの発生電気量を電位差測定器(春日電機製)にて測定した。値の絶対値が大きいほど、発生電気量が多いことを示す。
さらに、表1に示す本発明の油剤および比較油剤を用い、有効成分12%エマルションを作成し、紡糸機を用いて紡糸直後のポリエステル未延伸糸に付着量1.0重量%となるように付与した後、巻き取り速度6,000m/分で延伸、巻き取りした。巻き取り後の糸太さは、85dtexであった(フィラメント数:12)。各油剤について、24時間当たりの糸切れ回数および巻き取りチーズの毛羽状態を観察した結果を表3に示す。
表2および表3から、本発明の油剤は、潤滑性、耐熱性、制電性が良く、製糸性が良好で得られる糸の品質も極めて優れていることが明らかである。
本発明の油剤は、潤滑性、耐熱性、制電性に優れているため、紡糸工程において、糸切れ、毛羽等のトラブル発生を減らすことができ、きわめて良好な製糸性を与える。また得られる繊維の品質も優れており、合成繊維用油剤として好適である。

Claims (7)

  1. キレート化剤(c1)とチタネート化合物(c2)とから形成される金属錯体(c)を触媒として、カルボン酸(a1)および/またはそのエステル形成性誘導体(a2)とアルコール(b)とを反応させて得られてなるエステル化合物(A)と、乳化剤成分(B)および湿潤成分(C)を含有することを特徴とする合成繊維用油剤。
  2. 前記(c1)が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項1記載の油剤。
    [式中、Xは−OMで示される基、または炭素数1〜30の炭化水素基で、一部の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい;Mは水素原子、またはアルカリ金属原子;Yは、窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜14の炭化水素基;Xは同一でも異なっていてもよい]
  3. 前記(c2)が、下記一般式(2)で表される化合物である請求項1または2に記載の油剤。
    [式中、LはR1、R1O−またはR1S−で表される基、R1は、炭素数1〜30の炭化水素基で、その一部の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい]
  4. 前記(c1)と(c2)のモル比が、(c1)/(c2)=1/4〜4/1である請求項1〜3のいずれか記載の油剤。
  5. 前記一般式(2)のLがR1O−である請求項1〜4のいずれか記載の油剤。
  6. 合成繊維の紡糸工程において、請求項1〜5のいずれか記載の油剤を用いて、繊維を処理した後、延伸、巻き取りすることを特徴とする合成繊維の処理方法。
  7. 請求項6記載の方法で処理されたことを特徴とする合成繊維。
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