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JP2005531660A - 水で希釈可能な重合体前駆体、それらの調製及び使用 - Google Patents

水で希釈可能な重合体前駆体、それらの調製及び使用 Download PDF

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JP2005531660A JP2004516749A JP2004516749A JP2005531660A JP 2005531660 A JP2005531660 A JP 2005531660A JP 2004516749 A JP2004516749 A JP 2004516749A JP 2004516749 A JP2004516749 A JP 2004516749A JP 2005531660 A JP2005531660 A JP 2005531660A
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Abstract

本発明は、水で希釈可能なリン含有重合体前駆体、それらの調製及び使用を対象とする。本発明の前記前駆体は、攻撃に対する抵抗性を与え、かつ/又は示す、例えば、難燃性コーティングとして有用であるコーティングを調製するための組成物に有用である。

Description

本発明は、水で希釈可能なリン含有重合体前駆体、それらの調製及び使用を対象とする。本発明の前記前駆体は、攻撃に対する抵抗性を与え、かつ/又は示す、例えば、難燃性コーティングとして有用であるコーティングを調製するための組成物に有用である。
攻撃に対する向上した抵抗性を示す新規材料、例えば、改良難燃剤がずっと必要とされている。さらに、上の特性を有すると同時に、例えば、薄い、又は厚い層としてのコーティングの形態で重合可能である材料が必要とされている。重合は、あらゆる適切な方法により達成することができる。好ましい方法は、熱硬化法、或いは、紫外線及び/又はガンマ線、X線若しくは電子線のような電離放射線を用いる照射法である。
難燃剤としてのリン含有材料の使用はよく知られている。火炎源の存在下では、それらは、例えば、有機化合物の炭素(チャー)及び水への分解を触媒する低揮発性のリン酸又はポリリン酸を生成することによって作用すると考えられている。非揮発性リン含有化合物はまた、チャーを被覆して、それのさらなる酸化を防ぎ、また、チャーの物理的バリアとして作用し、かつ/又は透過性を低減することができる。一般的に材料のリン含量が大きいほど、その耐炎性が良好であると考えられている。
高いリン含量を組み込むことによって向上した耐炎性を与えようとするならば、処理又は修飾材料における他の成分の割合の対応する減少によってバランスをとらなければならないことが認識されるであろう。得られる材料の全般的物理化学的及び機械的特性は、その最終用途で許容できる限界内に維持しなければならない。難燃性組成物を調製するためにハロゲン含有モノマーを使用することは、望ましくない。火災時には、ハロゲン族は有毒で腐食性の燃焼生成物を発生させる可能性がある。これらの腐食性ガスは、有毒な特性だけでなく、火災自体よりもしばしば有害である必須データの喪失及び回復できない損傷を非常に頻繁にもたらす、特にコンピュータに存在する電子部品に重大な損傷を与える。ハロゲン含有材料からの燃焼生成物は、難燃剤で処理されていない材料からの燃焼生成物と同様に危険でもあり得る。環境に対するそれらの潜在的に望ましくない影響のような理由のためにも、ハロゲン化合物を用いることは望ましくない。したがって、本発明の重合体及び重合体前駆体は、実質的にハロゲンを含まないことが好ましい。
多くの既往のリン含有難燃剤は、非共重合性化合物であり、かつ/又は難燃性を改善するための添加物としての追加のハロゲン化化合物を必要とした。従来のプラスチックにおいては、重合体の遅炎は、重合体との混合物として物理的に混合される添加物としての難燃剤の使用によって達成された。しかし、従来の難燃性添加物はいくつかの欠点がある。従来技術の添加物は、しばしば望ましくない、又は予測できない仕方で重合体の物理的及び機械的特性を修正する。添加物及びそれが添加される重合体との適合性の問題もある可能性がある。添加物は、コーティングを通して表面に移動してブルーミング現象をもたらし得るので、特定の適用分野、特にコーティングには容認できないこともある。添加物は、透明コーティングにおける特有の問題である組成物を変色させることもある。さらに、添加物は放射線を吸収するため、高濃度の添加物が不完全な硬化をもたらす可能性があるので、特定の添加物の使用は放射線硬化性材料に適合しないことがある。
これらのすべての理由のため、リン原子が共有結合が形成される化学反応により重合体前駆体の主鎖に結合しているリンを含む共重合性化合物が開発された。リン部分が合成される重合体の主鎖に永久的に結合し、ブルーミング効果は存在せず、リン含有添加物を組み込む場合にあり得るように適合性の問題は存在しないので、このリンを組み込む方法は有利である。リン含有重合体前駆体を使用することによって、合成される重合体の物理的及び機械的特性に対する影響も小さくなる。例えば、固体難燃性添加物は、それらが添加される重合体の粘度を望ましくないことに増加させることがある。
ポリエステル(重合体)は、少なくとも2つのエステル官能性を含む化合物(通常、重合体化合物)である。放射線硬化性重合体は、アクリル酸エステル重合体、すなわち、放射線硬化性アクリル酸エステル官能性を含む重合体である。
ポリアクリル酸エステル(PEA)及びポリアクリル酸ウレタンエステル(PEUA)は、木材又はMDF(中密度繊維)のような熱的に敏感な物質用の重合体コーティング(UV硬化性樹脂及びUV硬化性粉体コーティング)を調製するための重合体前駆体としてしばしば使用されるので、放射線硬化性重合体の重要な重合体クラスである。したがって、特に、安全性規制がより厳格になっているので、内因性難燃性を有するこれらの重合体を提供するために、リンをポリアクリル酸エステルに組み込むことが望ましい。
難燃性コーティングの調製に有用なリンを含むポリオールは、WO00/52016に開示されている。ポリエステルは開示されていない。
US2000/0013391は、難燃性ベース樹脂及び透明樹脂上層を含む難燃性樹脂コーティングを開示している。ベース樹脂は、コーティング材料に特定の発色をもたらす有色顔料、及び好ましくは約2.5〜50重量%の難燃性添加物を含む。ベース樹脂は、リン含有ポリウレタンを含んでいてよい。水溶性樹脂又は樹脂前駆体は、考慮されていない。
WO01/74826は、例えば、難燃剤、防食剤、顔料分散剤及び/又は付着促進剤としての用途を有するリン含有ポリウレタンのような共重合体を製造するために他のモノマーと共に重合させることができる共重合性リン含有重合体前駆体を記載している。
多くの出願において、放射線硬化性樹脂は、低い粘度を必要とする。例えば、樹脂をローラコータにより基材に塗布する場合、組成物は、500〜10000mpa.sの範囲の粘度を有するべきである。フローコータを用いる場合には、150〜250mPa.sの範囲の粘度が好ましく、スプレーガン塗布の場合には、粘度は30〜100mPa.sの範囲にあるべきであり、真空コータの場合には、50〜200mPa.sの粘度が好ましい。低粘度は、一般的にアクリレート化モノマー(希釈モノマーとも呼ばれる)を加えることによって達成される。
他方で、高い難燃性能は、高いリン含量を必要とする(好ましくは4重量%元素状リン)。しかし、希釈モノマーとしてのアクリレート化モノマーを加えると、リン含量とひいては難燃性が低下する。
したがって、本明細書に記載した用途及び/又は適用分野に有効な向上した特性を有し、工業規模で経済的に生産することができる材料を生産するために、リンを有機材料に導入する改良された手段を発見することは継続的に必要である。リン原子を含み、本明細書に記載した用途及び/又は適用分野において有用な特性を示すより複雑な化合物(好ましくは難燃剤用)の調製における出発物質として用いることができる化合物を調製する簡単かつ経済的方法が必要である。さらに、例えば、コーティング適用分野において低粘度の放射線硬化性樹脂の需要が存在する。
低粘度は、一般的にアクリレート化モノマー(希釈モノマーとも呼ばれる)を加えることによって達成される。他方で、高い難燃性能は、高いリン含量を必要とする。希釈モノマーを加えると、リン含量とひいては難燃性が低下することになる。リン含量を低下させずに、難燃性放射線硬化性樹脂の粘度を低下させ、調節する方法を見い出すことが望ましい。
以下の文献は、リン含有化合物を用いて製造された繊維製品/繊維織物を示している。
・JP2001−159050(東洋紡株式会社)は、ポリウレタン繊維及び抗菌作用を与えるリン含有化合物の加水分解残基を含む抗菌性伸縮性繊維織物を得ることを記載している。加水分解は、水酸化ナトリウム溶液中で行う。
・JP1980−6524(東洋紡株式会社)は、繊維製品の表面変性剤又は接着剤に使用できる水和性ポリエステルを記載している。ポリエステルは、金属スルホン酸塩基を有する化合物、ポリアルキレングリコール化合物及びリン含有カルボン酸を共重合させることにより調製する。水和性は、重合体構造におそらく有害であるイオン性スルホン酸塩の機能により得られる。
両文献において、照射硬化は想定されていない。また、考慮されている分野は、難燃性コーティングではない。
従来技術の本明細書に記載した問題の一部又はすべてを解決することができる改良されたリン含有材料を提供することが本発明の目的である。
本出願人は、本明細書に記載した適用分野において有用性を示す、例えば、改良された難燃性を有する新しいクラスの改良されたリン含有材料を開発した。本出願人はまた、本明細書に記載したような従来技術の問題の一部又はすべてを解決するそのような材料を調製するための改良された方法を見い出した。さらに、本出願人は、本発明のリン含有材料は水で希釈可能なので、それらの粘度は、希釈モノマーを用いずに、水を加えることにより容易に調節することができることを発見した。したがって、粘度を低下させるために希釈モノマーは必要でないので、最終重合体における高いリン含量を達成することができる。水で希釈可能とは、シンナー(希釈剤)としての水を加えることによって、より多くの液体を調製することを意味する。
本出願人は、上の問題の少なくとも一部は、ポリエステル重合体前駆体におけるホスフィン酸エステル(P−O−C)結合を加水分解することによって解決できることを見い出した。
したがって、本発明は、(a)ホスフィン酸エステル(P−O−C)結合を含むポリエステルを供給するステップと、(b)前記ホスフィン酸エステル(P−O−C)結合の少なくとも一部を加水分解するステップとを含む、放射性硬化性ポリエステルである、水で希釈可能なリン含有重合体前駆体を調製する方法に関する。さらに、本発明は、上の方法により得られる水で希釈可能なリン含有重合体前駆体、並びに上の重合体前駆体を含む難燃性組成物及びそのような組成物を硬化させることにより得られる難燃性コーティングに関する。
本発明は、加水分解及び傾斜法に対して高い安定性を有する水溶性ハロゲン非含有難燃性UV硬化性樹脂を調製することを可能にする。
1)高級化することが容易である。すなわち、精製ステップなしに定量的収量が得られる。
2)加水分解ステップは非常に短時間に起る/定量的収量。
3)希釈モノマーを用いずに低粘度を達成することができる。
4)希釈モノマーを用いないので、より高いリン含量を達成することができる。
5)リン基は、ポリエステル主鎖に共有結合したままである。
1)本発明の他の可能な利点は、水で希釈可能なポリアクリル酸エステルを、リン誘導体以外のイオン性機能(例えば、DMPA(ジメチルオールプロピオン酸)、SSIP(スルホン酸イソフタル酸))を用いずに調製することができることである。より低い費用とより高いP含量が可能である。
2)透明な溶液を得ることができ、透明コーティングに用いることができる。
3)時間及び温度に対して均一かつ安定である。デカンテーションは認められず、ポリエステル主鎖の加水分解はない。
4)標的粘度は、水を加えることによって、難燃性能に悪影響を及ぼさずに達成することができる(水は蒸発させることができる)。
5)無毒性P誘導体を用いる(眼及び皮膚に対して非刺激性)。いくつかの論文にフュームの分析を記載している。これらは、無毒性とみなされている。
可能な産業上の適用分野は、以下のとおりである。
・木材、MDF、HPL、プラスチック、紙、厚紙、ケーブル、金属、光ファイバー用の難燃性コーティング
・防食コーティング
・付着促進剤
・インク向け用途(良好な顔料濡れ特性)
本発明の意味における「ポリエステル」は、複数のジ又はポリカルボン酸残基並びに複数のジ又はポリオール残基を含む重合体又は重合体前駆体であってよい。ポリエステルは、ポリアクリル酸エステル又はポリアクリル酸ウレタンエステルにおけるようなさらなるコモノマーをさらに含んでいてよい。
本発明の方法に用いるポリエステルは、少なくとも1つのホスフィン酸エステル(P−O−C)結合を含む。ホスフィン酸エステルは、式RR’P(O)(OR”)の化合物である。本適用例の意味においては、ホスフィン酸エステル結合は、リン原子とOR”部分の酸素原子との間、及びこの酸素原子とOR”部分の第1炭素原子との間の結合である。
前記ホスフィン酸エステル(P−O−C)結合は、好ましくは塩基性媒体中で加水分解して、RR’P(O)(O)部分とHOR”部分を生成させることができる。そのようにして生成したホスフィン酸塩残基は、本発明の重合体前駆体に水溶性と、したがって水希釈性を与える。加水分解を塩基を含まない水中で行う場合、P−OH(ホスフィン酸)の酸特性のため、pHは漸進的に酸性(<7)になり、ポリエステル主鎖の加水分解が起る可能性がある。
ホスフィン酸エステル(P−O−C)結合は、加水分解ステップ中にポリエステル主鎖の切断を回避するために、ポリエステルの1つ又は複数の側鎖にあることが好ましい。ホスフィン酸エステル(P−O−C)結合がポリエステルの側鎖に存在する場合、前記ホスフィン酸エステル(P−O−C)結合のリン原子は、前記ポリエステルの主鎖の一部を構成する。すなわち、上の一般式RR’P(O)(OR”)におけるR及びR’基はポリエステルを構成する。或いは、ホスフィン酸エステル(P−O−C)結合のリン原子は、前記ホスフィン酸エステル(P−O−C)結合でない結合を介して前記ポリエステルの主鎖に直接的又は間接的に結合している。後者の場合、加水分解を行うときにポリエステル主鎖から切断されず、その結果、本発明の方法により得られる最終重合体前駆体に依然として存在して所望の難燃性を与えるように、それらのリン原子を含むホスフィン酸エステル(P−O−C)結合はポリエステルの側鎖内にある。
本発明の方法において、重合体前駆体のポリエステル主鎖を加水分解せずに、ホスフィン酸エステル(P−O−C)結合の少なくとも一部を選択的に加水分解することが望ましい。ホスフィン酸エステルの加水分解が水溶性生成物(均一、デカンテーションなし)及び透明をもたらすことも望ましい。時間の経過に伴うポリエステル主鎖のさらなる加水分解を避けるために、水で希釈可能な樹脂のpHはpH6〜8であることも望ましい。本出願人は、加水分解ステップをアルコール溶媒の存在下で塩基を用いて行わせることによって、これらの3つの望ましい特性を得ることができることを見い出した。アルコール溶媒は、例えば、直鎖、分枝又は環状飽和又は不飽和C1−6アルカノールから選択することができる。アルコール溶媒の特に好ましい例は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール及びtert−ブタノールである。
本発明の方法におけるホスフィン酸エステル(P−O−C)結合の加水分解は、好ましくは水に溶解する塩基の存在により促進される。塩基は、有機又は無機塩基、好ましくは無機塩基、より好ましくは強無機塩基である。好ましくは塩基は4以下、より好ましくは2以下のpKa値を示す。この場合、加水分解は短時間で起り、定量的収量が得られ、精製ステップを必要としない。好ましい塩基は、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物である。2種以上の塩基及び/又は2種以上のアルコール溶媒の混合物も用いることができる。
本発明の好ましい方法は、以下の反応スキームで示すことができる。この反応スキームは、制限的なものでなく、可能な反応及び化合物を例示するためにのみ示すものである。
Figure 2005531660
上記の方法により得られる重合体前駆体は、ホスフィン酸エステル(P−O−C)結合が加水分解されているので重合体前駆体は水溶性で、したがって、水で希釈可能なため、低粘度を達成するために希釈モノマーは必要でないので、高いリン含量を有する難燃性組成物の調製に有用である。したがって、難燃性組成物を基材表面に塗布するときに水は蒸発するので、水を加えることによって難燃性性能に悪影響を与えずに目標粘度を達成することができる。本発明の方法により得られる重合体前駆体及びひいては本発明の難燃性組成物の粘度は、水を加えることにより、例えば、10.000mPa.sから50mPa.sまでの範囲内で容易に調節することができる。
好ましくは、本発明の方法により得られる重合体前駆体は、UV又は電子線照射により硬化させて、基材の表面上に難燃性コーティングを形成させる。したがって、ポリエステル重合体前駆体は、UV又は電子線照射により硬化させることができるように、少なくとも2つのアクリル又はメタクリル基を含むことが好ましい。本発明の方法により調製できる重合体前駆体は、好ましくは、ポリアクリル酸ウレタンエステル、及びより好ましくは、ポリアクリル酸エステルである。
新規かつ有利な製品が本発明による方法により得られると考えられる。実際に、リンを含むポリアクリル酸エステルに基づく水で希釈可能な放射線硬化性樹脂は、迅速加水分解と水で希釈可能な均一かつ透明な樹脂を得るように、アルコール溶媒の存在下でホスフィン酸エステル結合の選択的加水分解を含む方法により得ることができる。これは、ポリエステル主鎖の加水分解なしに起る。
本発明による水で希釈可能なポリアクリル酸エステルのいくつかの有利な特性は、以下のとおりであると考えられている。
1)新しいクラスの化合物(新しい化学構造)
2)粘度を低下させるのに希釈モノマーは必要でないので、高いリン含量を達成することができる(低い粘度はローラコータなどによる塗布に必要である)。高いリン含量=良好な難燃性。
3)木材基材への非常に良好な付着。したがって、それを下塗剤(下塗)として用いることができる。
4)水で希釈可能なポリアクリル酸エステルに基づくコーティングに、全システムの難燃性性能に負の影響を与えることなく、標準コーティング(非リン及びハロゲン化)を上塗りすることができる。それにより、優れた難燃性を優れた摩耗/引っかき抵抗性と組合せることができる。
5)粘度を所望の値に適合させることができる。例えば、水で希釈可能なポリアクリル酸エステルの添加した水の関数での粘度のプロファイル(実施例4)は、以下のとおりである。
Figure 2005531660
放射線硬化性樹脂は、以下のように多くの適用例で低い粘度を必要とする。
Figure 2005531660
本発明の重合体前駆体から得られる難燃性組成物は木材のような基材への非常に良好な付着を示すことが見い出された。したがって、基材上に難燃性の層を含むコーティングを形成させるために、それを有利に用いることができ、そのような層(層(1))は、基材上の下塗(下塗剤)とすることができ、また、そうすることが好ましい。難燃性を与えるこの下塗に、さらなる層(層(2))を上塗りすることができる。前記のさらなる層は、場合によって副層を含む。層(2)は、しばしば1つ又はいくつかのシーラー及びトップコートを含む。少なくとも層(2)が透明であることが好ましい。層(1)と層(2)の両方が透明である場合、基材が見えるので、それは、木材床のような多くの適用例において望ましい。これらの他の層の少なくとも一部は、全システムの難燃性性能に負の影響を与えない非リン又は非ハロゲン化コーティングのような非難燃性層であってよい。それにより、優れた難燃性を優れた摩耗及び引っかき抵抗性と組合せることができる。本発明の難燃性コーティングに有用な1つ又はいくつかのシーラー及びトップコートを含むオーバーコーティングは、例えば、内容が参照として本願書に組み込まれるEP−A−1167463に記載されている。
本発明のさらなる態様において、難燃性をもたらすFR下塗に1つ又はいくつかのFRシーラー(100%固体)、1つ又はいくつかのシーラー(リンを含まない)及びトップコートを上塗りすることができる。その利点は、FR下塗剤をより薄く塗布することができ、したがって、蒸発させなければならない水がはるかに少ないことである。難燃性は、下塗及び第1シーラーによってもたらされる。添加物(非共重合性)も1つ又はいくつかの層に組み込むことができる。
一般的に用いる定義は以下のとおりである。
基材は、その上に1つ又はいくつかの層が塗布される材料である。それは、木材、MDF、HPL(高圧積層品)、紙、厚紙、プラスチック、ケーブル、金属、光ファイバー又はこれらの材料の組合せであってよい。
MDF木材基材は、寄せ木床張り材適用分野に一般的に用いられているブナベニヤ(厚さ+/−1mm)を用いて積層されたMDF層(厚さ+/−8mm)を言う。
システムは、1つ又はいくつかの層で被覆されたMDF木材基材と定義される。
層は、下塗又はシーラー又はトップコートである。層は、例えば、ローラコータにより1回又は数回塗布する。層は、UV又はEB照射により硬化させることができる。
下塗は、基材に塗布された第1の層である。以下の実施例(非限定的)においては、基材は、MDF木材基材である。以下の実施例においては、それは、本発明で記載する水で希釈可能な重合体に基づく。水は、UV−EB硬化の前に蒸発させることが好ましい。
シーラーは、下塗上に塗布された第2の層である。2種のシーラー(すなわち、2種の組成を有する)を塗布する場合、第1のシーラーを下塗上に塗布し、第2のシーラーを第1のシーラーの上に塗布する。
トップコートは、シーラー上に塗布された層である。2種のシーラーを用いる場合、トップコートを第2のシーラー上に塗布する。
「FR」は、難燃剤、特に、リン含有難燃性組成物を言う。例えば、「FR下塗」は、下塗がリンを含んでいることを意味する。
本発明の好ましい実施形態において、シーラーは、その組成が水で希釈可能な下塗剤の層と異なる少なくとも1つの層を含む。この少なくとも1つの層は、FR層又は非FR層であってよい。本発明の多くの好ましい実施形態において、本発明による水で希釈可能なFR下塗に、内容が参照として本明細書に組み込まれる特許出願PCT/EP02/02390による(シーラー)FR非水希釈性層を上塗りする。次に、シーラー層に、被覆済み基材に所望の外観を与えるトップコートを上塗りすることが好ましい。シーラー及びトップコートは、特に、床張り材適用分野における必要とする摩耗抵抗をもたらすことができる。FR水希釈性下塗の上の全層がFR特性を有さない場合でさえも、全コーティングが全体として摩耗抵抗性と同様に良好な難燃性を示すことが認められた。コーティングが2つのFR層を含む多くの好ましい実施形態において、水希釈性層は、厚さがより薄くてよく、それにより、製造工程が促進される(蒸発させるべき水がより少ない)。
コーティングに摩耗抵抗を与えるシーラー及びトップコートは、透明であることが好ましい。FR下塗も透明であることが好ましい。
さらなる態様において、本発明は、基材を被覆するための上述のような難燃性組成物の使用、並びにその少なくとも一部が本発明の難燃性コーティングで被覆されている基材に関する。基材として、例えば、木材、MDF、HPL、プラスチック、紙、厚紙、ケーブル、光ファイバー、及び金属が適している。さらに、このコーティングは、難燃性を有するだけでなく、防食コーティング、付着促進剤(例えば、金属基材用)としても有用であり、顔料濡れ特性が良好であるので、インクに適用できる。
好ましい方法において、本発明のリン含有重合体前駆体は、特定のリン含有アクリレート化可能(例えば、ヒドロキシ及び/又はカルボキシを末端とする)反応性オリゴマー(第1重合体)が得られる「第1の方法」で調製することができる。これらの第1重合体は、ポリアクリル酸エステル及び/又はポリアクリル酸ウレタンエステルのようなリン含有ポリエステルを(「第2重合体」として)調製するための「第2の方法」に用いることができる。これは、第1重合体における複数のアクリレート化可能官能基(例えば、第1重合体における2つ以上のヒドロキシ基がOHで終わっている)は、オキシリン結合における加水分解又はエステル交換副反応を伴わずにアクリレート化することができるからである。第2重合体は、ホスフィン酸エステル(P−O−C)結合の少なくとも一部の加水分解の後に、例えば、コーティングとして有用な第3重合体(重合した架橋重合体ネットワークのような)を生成させるためのさらなる(第3の)方法に用いることができる。場合によって、第3の方法は、例えば、1つ又は複数の第2重合体を被覆した物品上でin situで実施する。
本明細書に記載した特定の多機能試薬(成分(i)〜(iv)、下参照)は、単一ポット重縮合(第1の方法)で反応して、第1重合体を生成する。第1重合体は、少なくとも1つのアクリレート化剤と反応して、放射線硬化性重合体前駆体(「第2重合体」)を生成する。「アクリレート化剤」という用語は、本明細書ではa)1つ又は複数の場合によってアルキル化されているアクリル酸基、例えば、(メタクリル)アクリル酸、(メタクリル)アクリル酸塩、1つ又は複数のアルキル(アルキル)アクリル酸エステル、例えば、アルキル(メタクリル)アクリル酸エステル、好ましくは、直接エステル化により第1重合体と反応することができる(メタクリル)アクリル酸、或いはエステル交換反応により前記試薬(又は第1重合体)と反応することができるメチル(メタクリル)アクリル酸エステル及び/又はエチル(メタクリル)アクリル酸エステルを含む化合物を指すために用いる。最も好ましい方法は、アクリル酸を用いることである(直接エステル化)。
第1重合体は、1つ又は複数のオキシラナート化及び/又はイソシアナート化剤と反応させることもできる。「オキシラナート化剤」という用語は、本明細書では1つ又は複数のオキシラニル基を含む化合物、例えば、エポキシド及び/又はオキセタンのようなオキシタンを指すために用いる。「イソシアナート化剤」という用語は、本明細書では1つ又は複数のイソシアナート基、例えば、−N=C=Oを含む化合物を指すために用いる。集合的に、(アルキル)アクリレート化可能、オキシラナート化可能及びイソシアナート化可能である種は、本明細書では状況が示すように「反応性」と称することができる。
第1重合体は、以下の一般的構造(本発明の範囲に限定するとみなすべきでないので、実例のみとして)により模式的に示すことができる。
Figure 2005531660

ただし、Tはヒドロキシ及び/又はカルボキシのような(少なくとも2つの)反応性基を表し、(P)は主重合体鎖(重合体主鎖)からのペンダントであり、かつ/又はそれに組み込まれているような重合体のあらゆる位置にあるリン基を表す。第1重合体は、好ましくは、ジヒドロキシ又はジカルボキシを末端とするようなリンを含む反応性ポリエステルオリゴマーである。
第1重合体を第2の方法で多くの試薬(第2試薬)と反応させて、第2重合体を生成させることができる。
アクリル酸ウレタンエステルの第2重合体を生成させるために、第2試薬は、モノイソシアナート、例えば、以下のような(アルキル)アクリル酸イソシアナートアルキルを含んでいてよい。
Figure 2005531660
アクリル酸エステルの第2重合体を生成させるために、第2試薬は、例えば、以下のような(アルキル)アクリロイル基を含んでいてよい。
Figure 2005531660

前両式中、LGは第2の方法の条件下でハロゲン基のような脱離基(例えば、OH、Cl)を表す。本発明の好ましい実施形態において、第2試薬はアクリル酸である。
水に分散かつ/又は希釈されたアクリル酸ウレタン及び/又はポリアクリル酸ウレタンの第2重合体を生成させるために、第2試薬は、複数の(好ましくは2つの)イソシアナート基を含んでいてよい(すなわち、ポリイソシアナートを含む)。
UV硬化性粉体組成物の第2重合体を生成させるために、第2試薬は、(メタクリル)アクリル酸グリシジル基を含んでいてよい。
好ましい第2の方法において、第1重合体を好ましくは(メタクリル)アクリル酸で(メタクリル)アクリレート化して(直接エステル化)、又は(アルキル)(メタクリル)アクリル酸エステルでエステル交換反応させて、例えば、以下の構造(本発明の範囲に限定するとみなすべきでないので、実例のみとして)により模式的に示すことができる好ましい第2重合体を生成させることができる。
Figure 2005531660

ただし、各R’は独立に一般的にH又はメチルのようなアルキルである。
第2重合体は、それら自体が重合体前駆体であり得る新しいクラスのリン含有ポリエステル及び/又はアクリル酸ウレタンを含む。
第2重合体を第3の方法において多くの試薬(第3試薬)とさらに反応させて、第3重合体を生成させることができる。
第2重合体は、第3重合体としてリン含有ポリエステル誘導重合体を生成させるための重合(例えば、放射線により開始する)の第3の方法における出発物質としても用いることができる。例えば、第3重合体は、UV照射後のUV硬化性ポリアクリル酸エステル又はアクリル酸ウレタンの重合生成物を含んでいてよい。第3の方法は、場合によって、例えば、架橋重合体ネットワークのコーティングを第3重合体として生成させるためにin situで(例えば、第2重合体を含む粉体組成物で被覆した物品のUV照射により)行うことができる。そのようなコーティングはリンを含むため、それらは被覆された物品に難燃性を与える可能性がある。
第1の方法
したがって、概して、本発明の一態様によれば、
(a)
(i)少なくとも1つのヒドロカルビリデン型不飽和基及び複数のカルボニルオキシ基を含む化合物と、
(ii)場合によって、複数のカルボニルオキシ基を有し、ヒドロカルビリデン型不飽和基を場合によって有さない化合物と、
(iii)ポリオールと、
(iv)リン原子が、ステップ(b)及び(c)における反応条件下で加水分解又はエステル交換反応に対して抵抗性を有する少なくとも1つのP−C結合を有するオキシリン含有化合物(成分(iv))[そのような成分(iv)は式(I)の化合物及び/又は有効な異性体、塩並びにその混合物を含み、
Figure 2005531660

式(I)中、リン原子は、少なくとも1つの炭素原子で置換されており、少なくとも1つのP−C結合を形成し、P−O結合は、有機環の一部を構成し、前記環は、1つ又は複数の有機基で場合によって置換され、かつ/又は1つ又は複数の他の環と場合によって縮合している]と
を混合するステップと、
(b)前記混合物の重合を開始して、ヒドロキシ及び/又はカルボキシで終わるリン含有ポリエステルオリゴマー(「第1重合体」)を生成させるステップと
を含む、放射線硬化性ポリエステルであるリン含有重合体前駆体を調製する第1の方法が存在する。
好ましくはステップ(a)及び(b)は単一容器内で行い、より好ましくは同時である。
化合物(i)〜(iv)は必ずしもすべてが別個の化合物であるとは限らない。例えば、カルボニルオキシ基、ヒドロカルビリデン型不飽和基及びオキシリン基を同時に含む化合物を用いることができる。これは、イタコン酸(化合物(i))とオキシリン基を含む化合物(iv)との付加物を用いる場合であろう。
好ましくはステップ(b)において、重合は重縮合である。触媒成分(v)がステップ(a)中に存在していてよい。存在する場合、それは、PtCl、NiCl、PdCl、白金ジビニルテトラメチルジシロキサン、白金シクロビニルメチルシロキサン及びその混合物から選択されるもの以外のものである。好ましくは、触媒がステップ(a)中に存在し、その触媒は(成分(v))はスズ錯体触媒を含む。
成分(a)(i)
好ましくは第1の方法のステップ(a)において、成分(i)は、二重結合を含む不飽和ジカルボン酸、酸無水物、エステル、その他の縮合性誘導体及び/又はその適切な混合物を含む。
より好ましくは成分(i)は、式Iの化合物、
Figure 2005531660

[式中、
w、x、y及びzは、独立に0又は1を表し、
〜Rの少なくとも2つが1価カルボキシ基を含むか、又は共に2価カルボニルオキシカルボニル基を含み、残りの基R〜Rが独立にH又は場合によって置換C1−15ヒドロカルビルを表す]
及び/又はその有効な異性体、エステル及び/又は塩を含む。
式Iの最も好ましい化合物は、
w、x、y及びzがすべて0であるか、又は
w、x、y及びzの1つが1で、残りが0であり、
1価カルボキシ基を含むか、又は共に2価カルボニルオキシカルボニル基を含むR〜Rの少なくとも2つがメチレン基に隣接しており、
残りの基R〜Rが独立にH又は置換C1−15ヒドロカルビルを表すもの、及び/又はその有効な異性体、エステル及び/又は塩である。
成分(i)は、有用なことに以下から選択される少なくとも1つの不飽和二酸及び/又は無水物
Figure 2005531660

[式中、R、R、R及び/又はRは独立に適宜、H又はC1−15ヒドロカルビルを表す]
及び/又はその有効な異性体(アルキル)エステル及び/又は塩を含んでいてよい。
成分(i)を含んでいてよい特定の不飽和二酸及び/又は無水物は以下のとおりである。
Figure 2005531660

及び/又はその有効な異性体、(アルキル)エステル及び/又は塩。
成分(i)(例えば、不飽和ジカルボン酸、無水物及び/又はそれらの誘導体)の自己重合を抑制するために、本発明の第1の方法(例えば、重縮合/エステル化反応)において重合抑制剤、例えば、ヒドロキノン、ブチルキノン、ジブチルヒドロキノン、メチルヒドロキノンのようなキノンを加えることが好ましい。加える阻害剤の量は、反応混合物中の成分の総量を基準として約500ppm〜3000ppmであることが好ましい。
成分(a)(ii)
好ましくはステップ(a)において、任意選択成分(ii)は、不飽和又は飽和ジカルボン酸又はその無水物を含む。成分(ii)は飽和されていることが最も好ましい。本明細書における成分(ii)を含んでいてよい飽和ジカルボン酸、エステル又は無水物の例は、1つ又は複数のアジピン酸(HOOC−(CH−COOH)、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、これらの酸のジエステル、及び/又はその有効な混合物である。
成分(a)(iii)
好ましくはステップ(a)において、成分(iii)は、飽和ジオールを含む。より好ましくは成分(iii)を含んでいてよいジオールは、1つ又は複数のエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、異性体、そのアルコキシル化誘導体(通常、そのオキシプロピル化及び/又はオキシエチル化誘導体)及び/又はその有効な塩を含む。
成分(a)(iv)
都合のよいことにステップ(a)において、成分(iv)(オキシリン含有化合物)は、第3級有機置換リン原子(好ましくはその上に3×P−C結合を含む)又は第2級有機置換リン原子(好ましくはその上に2×P−C結合及び1つの抵抗性オキシリン結合(P−O)結合を含む)を含む。
抵抗性オキシリン結合は、反応条件下で加水分解せず、かつ/又はエステル交換反応を受けず(例えば、リン及び/又は酸素原子における立体障害に起因する)、或いはそのような加水分解及び/又はエステル交換反応が反応条件下で容易に可逆性である(例えば、P−O結合のリン及び酸素原子の両方がより大きい環状基における環原子である)P−O結合を意味する。
より都合のよいことに成分(iv)は、本明細書に記載したような式(I)の化合物、及び/又は有効な異性体、塩及び/又はその混合物を含む。
式Iの化合物は、以下により表すことができる。
Figure 2005531660
水溶性樹脂を得るために、以下の構造を有する少なくとも1つのホスフィン酸エステル、
Figure 2005531660

[ただし、リン原子は少なくとも1つの炭素原子で置換されて、少なくとも1つのP−C結合を形成しており、
P−O結合はより大きい有機環の一部(式IIにおける円の弧によって表される)を構成し、環が1つ又は複数の有機基で場合によって置換され、かつ/又は1つ又は複数の他の有機環に場合によって縮合されている]
及び/又はその有効な異性体、塩及び/又は混合物を用いるべきである。
式Iの好ましい化合物は、式1の化合物
Figure 2005531660

[式中、
〜Rは独立にH又は場合によって置換されているC1−15有機基を表し、その複数が共に、それらが結合しているオキシリン環に場合によって縮合されている1つ又は複数の環を表す]、及び/又はその有効な異性体、塩及び/又は混合物を含む。
式IIのより好ましい化合物は、式2の化合物
Figure 2005531660

[式中、
p及びqは独立に0又は1〜4の自然数であり、
及びRは独立に各場合にH又は場合によって置換されているC1−15ヒドロカルボ基であり、かつ/又はそれらが結合しているベンゼン環に縮合されている場合によって1つ又は複数の環(芳香族又は非芳香族)である]
及び/又はその有効な異性体、塩及び/又は混合物を含む。
式Iの好ましい化合物は、式3の化合物
Figure 2005531660

9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド(本明細書では「DOPO」とも称する)及び/又はその有効な異性体、塩及び/又は混合物を含む。
成分(a)(v)
都合のよいことに任意選択の触媒は、存在する場合、次のいずれかを実質的に含まなくてよい。すなわち、PtCl、NiCl、PdCl、Ptのシロキサン(特に、白金ジビニルテトラメチルジシロキサン及び白金シクロビニルメチルシロキサン)及び/又はその混合物。より都合のよいことに触媒は、白金、パラジウム、ニッケル、その錯体及び/又は塩を実質的に含まない。最も都合のよいことに触媒は、式MX又はHMXによって表される金属錯体以外であってよい。ただし、Mは周期表の10族(IUPAC)(=ヨーロッパにおけるVIIIA族及び米国におけるVIIIB)の金属であり、Xはハロゲン又はS、O若しくはSiの族である。
好ましくは本明細書において成分(v)として用いる任意選択の触媒は、主族金属(すなわち非遷移金属)、その錯体及び/又は塩、より好ましくは周期表の14族(IUPAC)(=ヨーロッパにおけるIVB族及び米国におけるIVA)の金属、その錯体及び/又は塩を含み、最も好ましくはスズ金属、錯体及び/又は塩、例えば、Fascat4102の商標名のもとにGoldschmidtにより市販されているスズ錯体を含む。
用いる触媒の量は、他の成分の総量を基準として約0.001%〜約1%、好ましくは約0.01%〜約0.1%、より好ましくは約0.01%〜約0.1%(重量)であってよい。
第1重合体を調製するための本発明の第1の方法は、従来技術のリン含有反応性ポリエステルオリゴマーを調製する既知の方法と比較していくつかの利点を有する。これらの利点は、以下の1つ又は複数を含む。非常に良好な収率(非常に少ない副反応、したがって精製は不必要)、スズのような安価な触媒を用いる、(従来技術で用いられている10族触媒と比較して)、かつ/又はリン基を重合体におけるあらゆる領域、例えば、重合体鎖からのペンダント及び/又は主重合体骨格内に容易に導入することができる。
第1重合体
本発明の他の態様は、本明細書に記載した本発明の第1の方法により得られ、かつ/又は得ることができるリン含有反応性重合体オリゴマーを第1重合体として提供する。
リン含有不飽和重合性重合体(下を参照)を本発明の第2重合体として生成させるために、第1重合体は、第2の反応において反応性(すなわち、(アルキル)アクリレート化可能、オキシラナート化可能及び/又はイソシアナート化可能)であることが好ましい。
好ましくは、第1重合体は、約5000ダルトン未満、より好ましくは約250〜4000ダルトン、最も好ましくは約300〜約3000ダルトン、例えば、約300〜約2000ダルトンの分子量(M、GPCにより測定)を有する。
好ましくは、第1重合体は、約100〜約70000mPa.s、より好ましくは約1000〜50000mPa.s、最も好ましくは約10000〜40000mPa.sの粘度を有する。本明細書に引用する粘度は、60℃で測定したホップラー(Hoppler)粘度である。
好ましくは、第1重合体は、第1重合体の約0.5%〜約10.0%、より好ましくは約2.0%〜約8.0%、最も好ましくは約4.0%〜7.0%(質量)のリン含量を有する。
好ましくは、第1重合体は、少なくとも約1.1、より好ましくは約1.2〜約4.0、最も好ましくは約1.5〜約3.5の多分散性を有する。
第1重合体が複数のヒドロキシ基を含む場合、それは、リン含有アクリル酸ウレタン重合体の調製用のポリオール成分として用いることができる。この方法は、リン含有ポリオールからアクリル酸ウレタンを調製する既知の方法(WO9502004[DSM])と比べていくつかの利点を有し、そのような利点は、本明細書に記載した1つ又は複数の利点を含む。
本出願人の特許出願WO00/52016(その内容を参照として本明細書に組み込まれる)は、場合によって置換されている末端リン酸又はH−ホスホン酸エステルとアルキレニルカルボニルオキシ基に隣接した少なくとも1つのオキシラニル、好ましくはエポキシ環を含む化合物との反応による生成した重合体前駆体を記載している。したがって、少なくとも2つのヒドロキシ基を含む本発明の第1重合体もWO00/52016に記載されている前記の重合体前駆体と共重合させて、例えば、難燃剤、防食剤、顔料分散剤及び/又は付着促進剤としての用途を有する可能性があるリン含有ポリウレタン共重合体を生成させることができる。
しかし、第1重合体は、本発明の第2重合体(例えば、アクリレート化ポリエステル重合体前駆体)を生成させるために本発明の第2の方法で本明細書に記載のように用いることが好ましい。
第1重合体がP−O単結合を含む場合(例えば、第1の方法における成分(iv)が式2、II、IIa、IIbの1つ又は複数の化合物を含む場合)、その上のP−O結合の加水分解が第1重合体(並びにそれから誘導される第2及び第3重合体)の主重合体鎖の切断をもたらさないように、P−O結合を第1重合体の主重合体骨格(鎖)に組み込まないことが好ましい。第1重合体(並びにそれから誘導される第2及び第3重合体)上のP−O結合において加水分解及び/又はエステル交換が起る場合、それは、例えば、P−O結合がより大きい環構造の一部を構成する場合には可逆性である。
第2の方法
第1重合体をステップ(c)において少なくとも1つのアクリレート化剤と反応させて、放射線硬化性重合体前駆体(第2重合体)を生成させる。したがって概して、本発明のさらなる態様において、本明細書に記載した本発明の第1重合体を1つ又は複数の(メタクリル)アクリル酸、オキシラニル及び/又はイソシアナート基を含む少なくとも1つの試薬(本明細書では第2試薬とも称する)と反応させるステップを含むリン含有重合体前駆体(本明細書では第2重合体とも称する)を調製する方法を本発明の第2の方法として提供する。
好ましくは第2試薬は、アクリル酸及び/又はオキシラニル基である。より好ましい第2試薬は、(メタクリル)アクリル酸、(メタクリル)アクリル酸(アルキル)エステル、オキシラニルオキシを含む化合物から選択され、最も好ましくは(メタクリル)アクリル酸及び/又はグリシジル(メタクリル)アクリル酸エステルから選択される。
より好ましくは、第2の方法は、リン含有反応性ポリエステルオリゴマー(第1重合体)の直接(メタクリル)アクリレート化によるリン含有重合体前駆体(第2重合体)の調製に関する。
第1重合体のリン炭素化学結合の第2の方法における高い加水分解抵抗性のため、第1重合体を第2試薬と反応させて、加水分解又はエステル交換副反応を伴うことなく第2重合体を生成させることが可能である。
本発明の別の好ましい第2の方法は、以下のステップを含む。すなわち、
a)第1重合体をポリイソシアナートと反応させて、オリゴマー(好ましくはイソシアナート(NCO)基で終わる)を生成させ、
b)残余のイソシアナート基を適切なエンドキャップ剤(アクリル酸ヒドロキシ(アルキル))でエンドキャップして、
ウレタン重合体(例えば、アクリル酸ウレタン重合体)を第2重合体として生成させる。
イソシアナートを第2の方法において第1重合体との共(重合体前駆体)として用いて、第2重合体を共重合体として生成させることができる。
ポリウレタン第2重合体を調製するために用いることができる有機イソシアナートは、好ましくはポリイソシアナート(すなわち、分子当たり2つ以上のイソシアナート基を有する)、より好ましくはジ又はトリイソシアナートである。イソシアナートは、脂肪族、環状脂肪族及び/又は芳香族であってよい。適切なイソシアナートの例は、WO00/52016(参照として組み込まれる)に開示されているもの、及び特にこの参考文献の17頁の14行目から18頁の6行目までに記載されているものを含む。第2重合体を調製するために用いる有機(ポリ)イソシアナートの総量は、第2重合体の約10重量%〜60重量%であってよい。
第2重合体がリン含有ポリアクリル酸ウレタンエステルを含む場合、第2の方法は、無溶媒であってよく、試薬のみを用いることが好ましく、場合によってさらなる精製、洗浄及び/又は分離ステップ(後処理ステップ)も用いなくてよい。
したがって、本発明の第2の方法の好ましい態様は、得られた生成物を分離する前に反応生成物を弱又は強塩基(好ましくは強塩基)で中和し、水を反応混合物から除くさらなるステップを含む。より好ましくは、第2の方法は、反応生成物をin situで強塩基(水性水酸化ナトリウムのような)で中和し、共沸蒸留により水を除き、得られた生成物をろ過により収集する最終後処理ステップを含む。この後処理では親水性第2重合体の質量損失が著しく少なく(好ましくは実質的に全くない)、したがって、はるかに高い収率が得られる。
本発明の第2の方法(又はその好ましい特徴)は、以下の1つ又は複数を含んでいてよいいくつかの利点を有する。
新しいクラスの有用なリン含有重合体前駆体(第2重合体)を得るための手段が提供され、
オキシリン基のエステル交換及び/又は加水分解のような副反応の実質的な減少があり、
洗浄が必要でないので、非常に良好な収率が得られ、そのため、親水性の第2重合体の質量の損失がほとんどなく、かつ/又は
洗浄ステップがないので廃棄される生成物が少ないため、この方法は環境に優しい。
第2重合体
本発明の他の態様は、本明細書に記載したように本発明の第2の方法により得られ、かつ/又は得ることができるリン含有重合体前駆体を本発明の第2重合体として提供する。
第2重合体は、例えば、(メタクリル)アクリル酸、オキシラニル及び/又はウレタン基を有するリン含有ポリエステルを含み、これらは、新規のクラスの重合体前駆体とみなすことができる。
好ましい第2重合体は、場合によって置換されているリン含有ポリアクリル酸エステル及び場合によって置換されているリン含有ポリアクリル酸ウレタンエステル、より好ましくはリン含有(メタクリル)アクリル酸アルキルポリエステルを含む。
第2重合体は、高いリン含量を有するリン含有重合体前駆体であり、例えば、重合体に有用な特性を与えるために本明細書に記載した適用分野又は用途に用いることができる。したがって、第2重合体は、次の適用分野の少なくとも1つに有用なさらなる重合体及び/又は組成物(本発明の第3重合体のような−下を参照)を調製するのに特に有用である。耐腐食、顔料分散、付着促進及び/又は難燃性、特に難燃性。第2重合体もそのような特性をそれ自体有し、かつ/又は与える。
第2重合体を含む組成物は、非常に都合のよい方法[例えば、放射線(UV、EB)又は熱硬化(熱開始剤を用いた)]で硬化させて、難燃性であり得る樹脂(アクリル酸ポリウレタン又はポリアクリル酸エステルなど)のコーティング及び/又は薄膜を形成する重合体鎖の架橋ネットワークをin situで生成させることができる。
好ましくは、第2重合体は、約200〜約5000ダルトン、より好ましくは約250〜4000ダルトン、最も好ましくは500〜約3000ダルトンの平均分子量(M)を有する。或いは、第2重合体は、約1000〜約2000ダルトンのM値を有していてよい。M値は、GPCのような適切な手法により測定することができる。
好ましくは、第2重合体は、第2重合体の約0.5%〜約10.0%、より好ましくは約2.0%〜約7.0%、最も好ましくは約3.0%〜6.0%(質量)のリン含量を有する。
好ましくは、第2重合体は、ポリアクリル酸エステル、ポリ(アルキル)アクリル酸オキシラニルエステル[より好ましくはポリ(メタクリル)アクリル酸グリシジルエステル]、ポリアクリル酸ウレタンエステル、ポリウレタン分散系(場合によって架橋性及び/又は架橋)、ポリエステル及び/又は場合によって架橋され、かつ/又は架橋性組成物、その混合物及び/又はネットワークから選択されるもののような場合によって置換されているリン含有ポリエステルを含む。
好ましくは、第2重合体は、約2〜約100、最も好ましくは約2〜約50の分子鎖あたりの反復単位数の平均値(本明細書では「m」で表す)を含む。好ましくは、本発明の重合体は、鎖長の実質的にガウス分布を有する重合体鎖の混合物を含む。或いは、mが1である場合、これはモノマーを表す。
好ましくは、第2重合体は、少なくとも約1.1、より好ましくは約1.2〜約4.0、最も好ましくは約1.5〜約3.5の多分散性を有する。方法のステップ(d)において、ホスフィン酸エステル(P−O−C)結合の少なくとも一部が加水分解される。これにより、水で希釈可能なリン化合物が得られる。
第3の方法
本発明の他の態様は、(共)モノマー、重合体前駆体、触媒、開始剤(例えば、光開始剤)、架橋剤及び/又は他の添加物(例えば、難燃性添加物)のような他の成分と組合せて、例えば、試薬及び/又は共モノマーとして用いることができる本発明の第2重合体の存在下で重合を開始するステップを含む、リン含有ポリエステル誘導重合体(本明細書では第3重合体とも称する)を調製するための重合方法を本発明の第3の方法として提供する。
難燃性添加物は、硬化済み重合体(本発明の第3重合体)の難燃性を改善するために第3の方法の実施中に加えることができ、その利点は、第3重合体が既に難燃性を有するので所定の難燃性を達成するためにはるかに低い添加量で加えることができることである。それとして添加物(使用する場合)はより低い量で存在し、これにより、それらの対応する欠点が制限される。
適切な難燃性添加物の例は、以下の1つ又は複数及び/又はその適合性混合物を含む。
DOPO、赤リン、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸メラミン(例えば、ピロリン酸メラミン及び/又はオルトリン酸メラミン)、脂肪族有機リン添加物(例えば、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリフェニル及び/又はメチルホスホン酸ジメチル)、オリゴマーリン化合物、トリメチロールプロパンメチルホスホン酸オリゴマー、リン酸ペンタエリトリトール及び/又はポリホスファゼン誘導体のようなリン含有添加物、
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水滑石、水菱苦土石、ホスフィン酸アルミニウム、混合金属水酸化物及び/又は混合金属ヒドロキシ炭酸塩のような無機水酸化物、
酸化マグネシウム及び/又は三酸化アンチモン、シリコーン、シリカ及び/又はケイ酸塩誘導体のような無機酸化物、及び/又は
炭酸カルシウムマグネシウム、メタホウ酸バリウム、ホウ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、膨張性グラファイト、及び/又は難燃性バリアとして作用するガラス質物質の混合物(Ceepree200の商標名のもとにCeepreeから入手可能のものなど)のような他の無機物質。
難燃性添加物は、それらが添加される重合体との適合性を改善するために場合によって表面処理してもよい。例えば、無機水酸化物は、「高分子材料の難燃性(Fire Retardancy of Polymeric Materials)」、Arthur F.Grand及びCharles A.Wilkie編、Marcel Dekker Inc.(5000)、285〜352頁に記載されているように、長鎖カルボン酸及び/又はシランで表面処理することができる。
第3の方法において、重合の開始は、当業者によく知られている適切な手段により達成することができる。適切な方法の例は、熱的開始、適切な物質、触媒を加えることによる化学的開始、及び/又は、例えば、UVのような適切な波長の電磁放射線(光化学的刺激)による、かつ/又は電子線、α粒子、中性子及び/又は他の粒子のような他の種類の放射線による照射が後続する光学的開始剤を用いた開始を含む。放射、特にUV又は電子線(EB)放射が好ましい開始手段である。
本発明の第3の方法(又はその好ましい特徴)は、以下の1つ又は複数を含むいくつかの利点を有する。
新規の構造及び/又は特性の重合体コーティング(第3重合体)を得ることができ、かつ/又は
UV又はEB硬化の場合には溶媒が必要でないので、この方法は環境に優しい。
第3重合体
本発明の他のさらなる態様は、本発明の第3の方法により得られ、かつ/又は得ることができるリン含有ポリエステル誘導重合体を本発明の第3重合体として提供する。
好ましくは、本発明の第3重合体は、実質的に橋かけ結合して、例えば、薄膜又はコーティングを形成することができ、重合体鎖又はネットワーク内に1つ又は複数のペンダントリン部分を含んでいてよい、結合重合体鎖のネットワークを形成する樹脂を含む。
本発明のさらなる他の態様は、本発明の第3重合体を含む(場合によって難燃性)コーティング組成物を提供する。好ましくは、コーティングは粉体コーティングである。或いは(又は加えて)本発明のコーティング組成物は、例えば、コーティングが物品に適用された後に第3の方法(重合)をin situで行う場合には本発明の第2重合体を含んでいてよい。
本発明の組成物は、意図される用途に有効な(例えば、難燃剤として)組成物及び/又は製品を調合するのに都合のよいことに用いられる担体又は希釈剤のような他の成分も含んでいてよい。担体又は希釈剤が樹脂を含む場合、樹脂は、硬さ又は耐久性のような適切な特性を最適化するために選択してよい。
本発明の組成物は、例えば、コーティングとして、特に、木材、人工木材(プラスチック及びMDFのような混合木材/プラスチック)、織物、繊維、金属、紙及びポリエチレン及びポリプロピレンなどのプラスチックのようなあらゆる種類の基材に適用することができる。そのような組成物は、有用な特性(難燃性のような)と外部条件に対する良好な抵抗性及び/又は他の望ましい特性、例えば、金属のような基材上への良好な付着性を示すコーティングを生ずることができる。
照射硬化技術は、現在までのところ、主としてその基本的原理のために、金属適用分野では十分な成功を収めていない。一般的なUV配合物は、アクリレート化オリゴマーと反応性希釈剤とからなり、硬化したとき、化学的抵抗性、引っかき抵抗性及び表面硬さのような特性を有する高度に架橋したコーティング層を形成する。しかし、この高架橋密度は、しばしば金属基材上の薄膜の収縮、不十分な付着及び柔軟性を随伴する。コイルコーティングのような金属適用分野については、後続の形成後操作のために高レベルの柔軟性が不可欠である。下塗剤については、良好な耐食性も必要である。
本発明による水で希釈可能なリン含有重合体は、金属基材上のそれらの挙動の点でこれらの一般的なUV配合物と異なる。難燃性を有するコーティングを生ずることに加えて、これらの生成物は金属基材上で非常に良好な付着及び柔軟性を示す。それらの水で希釈可能な特性に起因する生成物の低い粘度は、室温においてさえも1回の施工で1〜10ミクロンの薄いコーティング層の適用を可能にする。これは、特に、金属表面上への下塗コーティングの施工の場合に非常に有利である。本発明による水希釈性リン含有重合体は、厚いかつ/又は露出コーティング層としての施工にも有利である。
本発明の第3重合体を含むコーティングで被覆された物品も本発明の一部を構成する。
本発明のさらなる態様は、a)生成物、b)前記生成物の成分、及び/又はc)本発明の少なくとも1つの第1重合体、第2重合体及び/又は第3重合体を含み、1つ又は複数の適用分野における有用性及び/又は本明細書に記載した用途、好ましくは難燃性、耐食性、顔料分散及び/又は付着促進から選択され、より好ましくは難燃性を有する前記生成物と共に使用するための消耗品を提供する。
本発明の他の態様は、a)本発明の有効な生成物、b)前記生成物の成分、及び/又はc)前記生成物と共に使用するための消耗品の製造における本発明の少なくとも1つの第1重合体、第2重合体及び/又は第3重合体の使用を提供する。
本明細書で用いているように「任意選択の置換基」及び/又は「場合によって置換されている」という用語は、(その後ろに他の置換基のリストが記載されていない限り)、次の基(又はこれらの基による置換)を意味する。すなわち、カルボキシ、スルホ、ホルミル、ヒドロキシ、アミノ、イミノ、ニトリロ、メルカプト、シアノ、ニトロ、メチル、メトシキ及び/又はその組合せ。これらの任意選択の基は、複数(好ましくは2つ)の前記基(例えば、アミノ及びスルホニル、互いに直接結合した場合、スルファモイル基を表す)の同じ部分におけるすべての化学的に可能な組合せを含む。好ましい任意選択の置換基は、カルボキシ、スルホ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、シアノ、メチル及び/又はメトシキを含む。
本明細書で用いているように同義語「有機置換基」及び「有機基」(本明細書において「有機」とも短縮されている)は、1つ又は複数の炭素原子並びに場合によって1つ又は複数の他のヘテロ原子を含む1価又は多価部分(場合によって1つ又は複数の他の部分に結合している)を意味する。有機基は、炭素を含む1価基を含み、したがって、有機であるが、それらの自由原子価を炭素以外の原子において有するオルガノヘテリル基(オルガノエレメント基)(例えば、有機チオ基)を含んでいてよい。有機基は或いは又はさらに、官能型に無関係に炭素原子に1つの自由原子価を有する有機置換基を含むオルガニル基を含んでいてよい。有機基はまた、複素環式化合物(少なくとも2種の元素の環メンバー原子を有する環式化合物、この場合1種は炭素である)のいずれかの環原子から水素原子を除去することによって生成した1価の基を含む複素環式基を含でいてよい。好ましくは、炭素以外の原子は、水素、ハロ、リン、窒素、酸素及び/又は硫黄から、より好ましくは水素、窒素、酸素及び/又は硫黄から選択することができる。
最も好ましい有機基は、以下のヘテロ原子を含む部分、すなわち、オキシ、チオ、スルフィニル、スルホニル、アミノ、イミノ、ニトリロ及び/又はその組合せの1つ又は複数のものと場合によって組合せた、次の炭素を含む部分、すなわち、アルキル、アルコキシ、アルカノイル、カルボキシ、カルボニル、ホルミル及び/又はその組合せの1つ又は複数のものを含む。有機基は、複数(好ましくは2つ)の前記炭素含有かつ/又はヘテロ原子部分(例えば、アルコキシ及びカルボニル、互いに結合している場合、アルコキシカルボニル基を表す)の同じ部分におけるすべての化学的に可能な組合せを含む。
本明細書で用いているように「ヒドロカルボ基」という用語は、有機基のサブセットであり、1つ又は複数の水素原子及び1つ又は複数の炭素原子からなる1価又は多価部分(場合によって1つ又は複数の他の部分に結合した)を意味する。ヒドロカルボ基は、1つ又は複数の以下の基を含んでいてよい。ヒドロカルビル基は、炭化水素から水素原子を除去することによって生成した1価の基を含む。ヒドロカルビレン基は、自由原子価が二重結合に携わっていない炭化水素から2つの水素原子を除去することによって生成した2価の基を含む。ヒドロカルビリデン基は、自由原子価が二重結合に携わっている炭化水素の同じ炭素原子から2つの水素原子を除去することによって生成した2価の基(「RC=」によって表される)を含み、ヒドロカルビリジン基は、自由原子価が三重結合に携わっている炭化水素の同じ炭素原子から3つの水素原子を除去することによって生成した3価の基(「RC≡」によって表される)を含む。ヒドロカルボ基はまた、炭素単結合に対する飽和炭素、炭素結合に対する不飽和二重及び/又は三重炭素(例えば、それぞれアルケニル及び/又はアルキニル基)及び/又は芳香族基(例えば、アリール)を含んでいてよく、示した場合には他の官能基で置換されていてよい。
本明細書で用いているように「アルキル」又はその同等語(例えば、「アルク」)という用語は、適切かつ、状況が他の状態を明確に示していない限り、本明細書に記載したような他のヒドロカルボ基を含む用語で容易に置き換えることができる。
本明細書に示したあらゆる置換基、基又は部分は、特に断るか、又は状況が他の状態を明確に示していない限り、1価の種を指す(例えば、アルキレン部分は他の2つの部分に結合した2価の基を含んでいてよい)。3つ以上の原子の分子鎖を含む基は、分子鎖が完全に、又は部分的に直鎖状、分枝状かつ/又は環(スピロ及び/又は縮合環を含む)を形成していてよい基を意味する。特定の原子の総数は、特定の置換基について指定している。例えば、C1−Tオルガノは1〜「T」個の炭素原子を有する有機基を意味する。本明細書における式のいずれかにおいて、1つ又は複数の環置換基が環上の特定の原子に結合していると示されていない場合、その置換基は、環原子に結合している水素原子を置換することができ、化学的に適切である環上のあらゆる利用できる位置に存在していてよい。
好ましくは、上記の有機基のいずれも1〜36個の炭素原子、より好ましくは1〜18個を含む。有機基における炭素原子の数は1〜10個であることが特に好ましい。
「ポリオール」という用語は、同じ炭素に結合していない少なくとも2つのヒドロキシ基を含む化合物又は重合体を意味すると理解される。
オキシランという用語は、少なくとも1つのオキシラニルラジカル(本明細書ではオキシラニル基とも称される)を含む種を意味すると理解される。オキシラニルラジカルは、1つのオキシ基を含み、環上の自由炭素原子価及び/又は他の有機部分(例えば、オキシラニル基がより大きい分子の一部を含む場合)への環の直接炭素結合を有する3〜6員飽和複素環を含む。
好ましいオキシラニルラジカルは、エポキシドラジカル及び/又はオキセタニルラジカルを含む。エポキシドラジカルは、一般式
Figure 2005531660

によって表すことができ、オキセタニルラジカルは、一般式
Figure 2005531660

[式中、独立に各場合にR”はH及び/又は有機基(好ましくはH及び/又はヒドロカルボ)を表し、少なくとも1つのR”が他の部分への直接炭素結合又は自由炭素原子価を表す]によって表すことができる。エポキシド及びオキセタニルラジカルをそれぞれ含む化合物は、それぞれエポキシド及びオキセタンと称することができる。
オキシランは、1つのオキシラニルラジカルを有するモノオキシラン並びに少なくとも2つのオキシラニルラジカルを含むポリオキシラン、例えば、ジエポキソドのようなポリエポキシド及び/又はポリオキセタンを含む。オキシランは、オキシラニル基が末端又は内部、好ましくは末端にある種を含む。
本明細書で用いているように、(アルキル)アクリル酸エステル、(メタクリル)アクリル酸エステル及び/又は(共)重合体のような括弧内に示す特徴を含む化学用語(特に同定された化合物に関するIUPAC名以外)は、状況が示すように括弧内の部分は任意選択であることを表し、したがって、例えば、(メタクリル)アクリル酸エステルという用語は、メタクリル酸エステルとアクリル酸エステルの両方を表す。
状況が他の状態を明確に示さない限り、本明細書で用いているように、本明細書における複数の形の用語は単一の形を含むと解釈すべきであり、逆も同じである。
本明細書で用いているように、「含む」という用語は、続くリストが非網羅的であり、他の追加の適切な項目、例えば、適宜、1つ又は複数のさらなる特徴、構成要素、成分及び/又は置換基を含んでいてよく、又は含まなくてもよい。
「有効」という用語(例えば、本発明の方法、使用、生成物、材料、化合物、モノマー、オリゴマー、重合体前駆体及び/又は重合体に関して)は、次の用途及び/又は適用分野、すなわち、耐食、顔料分散、付着促進及び/又は難燃性のいずれか1つ又は複数、好ましくは難燃性における有用性を意味すると理解されよう。そのような有用性は、材料が前記の用途に必要な特性を有する場合には直接的であり、かつ/又は、材料を直接的に有用な材料を調製する際の合成中間体及び/又は診断ツールとして用いる場合には間接的である。好ましい用途は、炎及び/又は熱源及び/又は強熱に対する改善された防御及び/又は抵抗をもたらすのに必要なものである。本発明の有効な材料に言及する場合、「場合によって置換されている」という用語はハロ含有種を含まないことが好ましい。本明細書で用いているように、「適切な」という用語は、官能基が、有効な生成物を生成させることに適合することを意味する。
材料と難燃性材料を生成させるためにそれらを配合し、かつ/又は組み込む重合体及び/又は樹脂との適合性を改善するために、反復単位上の置換基を選択することができる。したがって、置換基のサイズと長さは、樹脂との物理的絡み合い又は相互位置を最適化するために選択することができ、或いは、それらは、そのような他の樹脂と化学的に反応、かつ/又は橋かけ結合することができる他の反応性部分を含んでいてよく、又は含んでいなくてもよい。
本明細書に記載したような本発明の一部又はすべてを含む特定の部分、種、基、反復単位、化合物、オリゴマー、重合体、材料、混合物、組成物及び/又は配合物は、1つ又は複数の立体異性体(鏡像異性体、ジアステレオ異性体及び/又は幾何異性体)、互変異性体、配座異性体、塩、両性イオン、錯体(キレート、包接化合物、格子間化合物、配位子錯体、有機金属錯体、非化学量論的錯体、溶媒和物及び/又は水化物)、同位体置換形、重合立体配置[単一又は共重合体、ランダム、グラフト又はブロック共重合体、直鎖又は分枝重合体(例えば、星形及び/又は側分枝)、架橋及び/又は網目重合体、2及び/又は3価反復単位から得られる重合体、デンドリマー、異なる立体規則性の重合体(例えば、アイソタクチック、シンジオタクチック又はアタクチック重合体)]、多形相(格子間形、結晶形及び/又は無定形など)、異相、固溶体、その組合せ及び/又はその混合物として存在していてよい。本発明は、有効であるすべてのそのよう形を含む。
本発明の重合体(第1、第2及び/又は第3重合体)は、有機及び/又は無機であってよく、本明細書における式に示すような直接結合により鎖延長及び/又は重合体前駆体又は各重合体前駆体の他の部分との架橋をもたらすために適切な重合性機能、例えば、重合体前駆体又は各重合体前駆体との結合を形成することができる部分を含む適切な(共)モノマー(複数)、(共)重合体(複数)[単一重合体を含む]及びその混合物を含む1つ又は複数の適切な重合体前駆体(複数)(本発明の適切な重合体を含む)を用いて調製することができる。重合体前駆体(複数)は、標準温度及び圧力で実質的に非反応性であってよい。
好ましくは、本発明の方法に用いるすべての試薬(並びに必要な場合、あらゆる任意選択の溶媒、触媒及び/又は他の材料)は、そのようにして得られる本発明の第1、第2及び/又は第3重合体も実質的にハロを含まず、さらなる精製ステップを必要としないように、実質的にハロを含まない(それ自体及び/又は不純物として)。
本発明を次の従来技術を用いた以下の非限定的実施例によって説明することとする。すなわち、酸数は米国標準法(ASTM)D974−64を用いて測定し、ヒドロキシ(OH)数はASTM E222−73を用いて測定し、イソシアナート(NCO)数はASTM D2572−87を用いて測定し、ホップラー粘度(本明細書では「H」により表す)はDIN53015を用いて25℃で測定し、色はASTM1544−68に記載されているようにガードナー(Gardner)法を用いて測定し、リン含量は、状況が示すように関連する生成物の総質量と比較したリン原子の質量パーセントとして計算した(本明細書ではP重量%により表す)。
実施例1’〜5’
本発明の第1の方法及び第1重合体を例示することとする。リン含有反応性(ポリヒドロキシを末端とする)ポリエステルオリゴマー(=第1重合体)を調製するための一般的な第1の方法を記載する。
加熱ジャケットを備え、攪拌機を装着した4リットル反応容器に「a」gのジオール「b」、「c」gの二酸「d」、「e」gの2−メテニル−1,4−ブタン二酸(イタコン酸)、「f」gの9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド(本明細書ではDOPOとも称し、商標名Struktol Polydis 3710のもとにSchill & Seiacherから市販されている)、2.0gの1,4−ジヒドロキシベンゼン(ヒドロキノン、抗酸化剤)及び商標名Fascat 4102のもとにGoldschmidtから市販されている1.2gのスズ触媒を加えた。反応混合物を1時間当たり5リットルの流速の窒素流のもとに攪拌し、110℃に加熱した。混合物をこの温度に4時間維持し、次いで、もはや水が留出しなくなるまで180℃に加熱した(エステル化反応により生成した「g」gの水を収集した)。酸価が10mg KOH/g未満に低下したとき、反応混合物を減圧下で180℃で8時間過熱して、残留水を除去した。31P−NMR分析によりイタコン酸の不飽和結合へのDOPOの付加が完了して(すなわち、遊離のDOPOが検出されなかった)、以下の特性を有するリン含有ポリアクリル酸エステル重合体が生成物として得られたことが確認されるまで、混合物を室温で冷却した。「h」重量%のリン含量、「i」mgKOH/gの酸価(IAC)、及び「j」mgKOH/gのヒドロキシ価(IOH)。
上記の本発明の一般的な第1の方法において、ジオール「b」は成分(iii)に相当し、二酸「d」は任意選択の成分(ii)に相当し、イタコン酸は成分(i)に相当し、DOPOは成分(iv)に相当する。特定の実施例1’〜5’(本発明の第1重合体の例)は下の表1に関連した上述の一般的な第1の方法により調製した。
Figure 2005531660
表1において、DHEは1,2−ジヒドロキシエタン(エチレングリコール)を表し、TPGはトリプロピレングリコールを表し、HDは1,6−ヘキサンジオールを表し、ADPは1,6−ヘキサン二酸(アジピン酸)を表し、IPHは1,3−ベンゼンジカルボン酸(イソフタル酸)を表し、ITAは2−メテニル−1,4−ブタン二酸(イタコン酸)を表す。
実施例6’
リン含有ポリカルボン酸を末端とするポリエステル(=第1重合体)
リン含有反応性(ポリカルボキシ末端)ポリエステルオリゴマー(=第1重合体)を調製する方法を記載する。適切な反応容器に1256gの1,3−ベンゼンジカルボン酸(イソフタル酸)、471.8gの2−メチル−1,4−ブタン二酸(イタコン酸)及び1061gの2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)を商標名Fascat 4102のもとにGoldschmidtから市販されている0.25%のスズ重縮合触媒と共に混合した。反応混合物を235℃の温度に加熱した。反応混合物が透明になったとき、減圧を容器に徐々にかけ、次の特性、すなわち酸数42.5±2mgKOH/g、ヒドロキシ価<4mgKOH/gが満たされるまで保持して、重縮合生成物を生成させ、次いで、200℃の温度で加えた784.1gのDOPOと直接反応させた。次いで、反応混合物を、次の特性、すなわち酸数35±3mgKOH/gが満たされるまで200℃で最小限4時間攪拌して付加反応を完了させて、リン含有ポリカルボン酸を末端とするポリエステルを生成物として得た。ここでの実施例6の反応性重合体前駆体を実施例14において直接用いて、粉体コーティング適用分野に有用なUV硬化性ポリエステルを調製することができる。
本発明の第2の方法及び第2重合体を例示することとする。
実施例7’〜11’
リン含有ポリアクリル酸エステル重合体前駆体(=第2重合体)を調製するための一般的な第2の方法を記載する。
油浴に接続し、攪拌機を装着した二重ジャケット付き1.5リットル反応容器に「a」gのリン含有反応性ポリエステルオリゴマー(実施例「b」に記載したように調製した)、「c」gのトルエン、「d」gのプロペン酸(アクリル酸)、「e」gの4−メチルフェニルスルホン酸一水和物(p−トルエンスルホン酸一水和物又はPTSA.HO)及び「f」gの4−メトキシフェノール(モノメチルエーテルヒドロキノン又はMEHQ−抗酸化剤)を加えた。反応混合物を攪拌し、もはや水が留出しなくなるまで、還流下で加熱した。
反応混合物を50℃に冷却し、「g」gのトルエンで希釈した。反応混合物を硫酸ナトリウムの15%水溶液(有機相に対して10容積%)で3回洗浄し、有機相を回収し、「h」gの4−メトキシフェノールの存在下で85℃に加熱した。次いで、水を減圧下で共沸蒸留により除去した。もはや水が分離されなくなったならば、有機混合物を加圧下(6バール)で50℃でろ過した。同量の追加の4−メトキシフェノール(「h」g)及び「i」gの亜リン酸トリス(パラノニルフェニル)(TNPP、CAS番号26523−78−4、抗酸化安定剤)をろ液に加え、混合物を85℃に加熱し、減圧下で蒸留してトルエンを除去した。すべてのトルエンが除去されたとき、「j」gの1,4−ジヒドロキシベンゼン(ヒドロキノン又はHQ、抗酸化剤)を加えて、得られた生成物を安定化した。
場合によって、p−トルエンスルホン酸(PTSA)触媒は、適切な塩基「k」(弱又は強塩基であってよい)を用いて生成物から沈殿させて除去することができ、この場合には、水洗浄が回避されて、非常に親水性の生成物の収率が増加する。しかし、塩基を用いない場合、生成物をNaSOの20%水溶液で単に洗浄した。
いずれの場合にも、次の特性を有すると判断されたリン含有ポリアクリル酸エステル重合体前駆体が得られた。すなわち、「l」重量%のリン含量、「m」mPa.sのホップラー粘度(H、60℃)、「n」Gのガードナー法に従って測定した色、「o」mgKOH/gの酸価(IAC)、及び「p」mgKOH/gのヒドロキシ価(IOH)。
実施例7’〜11’(本発明の第2重合体の例)は、下の表2及び3に関連した上述の一般的な第2の方法により調製した。
Figure 2005531660
Figure 2005531660
表2及び3において、Tolはトルエンを表し、AAはアクリル酸を表し、PTSA.HOはp−トルエンスルホン酸一水和物を表し、MEHQは4−メトキシフェノール(モノメチルエーテルヒドロキノン)を表し、TNPPは亜リン酸トリスノニルフェニルを表し、HQは1,4−ジヒドロキシベンゼン(ヒドロキノン)を表し、HMDAは1,6−ヘキサメチレンジアミンを表し、NMは特性を測定しなかったことを示す。
実施例12’
実施例8の構造を有する重合体(=第2重合体)の別法による調製
本明細書における実施例8と同じ構造を有する本発明の第2重合体は、次のように可溶化することができる。油浴に接続し、攪拌機を装着した0.5リットルの二重ジャケット付き反応器に100gのトルエン及び200gの実施例8のリン含有反応性ポリエステルオリゴマー(上並びに表2及び3に記載した一般的な方法と同様に調製した、重合体は1.63meqDOPO/gを有する)を加えた。反応混合物を攪拌し、30℃に加熱した。次いで、7.6g水中7.6gの水酸化ナトリウムの溶液を反応混合物に徐々に加えた。pHが中性になったとき、100gの水を加え、反応混合物を10分間攪拌した。水溶性ポリアクリル酸エステルを含む水相を傾斜した。水相の31P−NMR分析により、加水分解したDOPOから生成したホスフィン酸ナトリウム塩に相当する新たな主ピーク(24.5〜23.2ppm)の出現が示された。
実施例13’
リン含有ポリアクリル酸ウレタンエステル(=第2重合体)
本発明のリン含有ポリアクリル酸ウレタンエステル重合体前駆体を以下のように調製した。油浴に接続し、攪拌機を装着した1リットルの二重ジャケット付き反応器に404gのリン含有ジオール(実施例1’に記載したと同様に調製、酸価108.2mgKOH/g)、173.2gのイソホロンジイソシアナート(IPDI)及び0.76gの1,4−ジヒドロキシベンゼン(ヒドロキノン−抗酸化剤)を加えた。反応混合物を攪拌し、70℃に加熱した。次いで、0.1gのジラウリン酸ジブチルスズ(DBTL、(CSn(OOC1123)を加え、イソシアナート価が1.35meq/gより低くなるまで、反応混合物を攪拌した。次いで、ジアクリル酸1,6−ヘキサンジオール(HDDA)(254g)を加えて、粘度を低下させた。反応混合物を60℃に冷却し、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(90.5g)とジラウリン酸ジブチルスズ(0.1g)との混合物を滴下漏斗により1滴ずつ30分間にわたって加えた。発熱反応が完結した後、反応混合物を90℃に加熱し、イソシアナート価が0.15%より低くなるまで攪拌した。混合物を冷却し、ヒドロキノン(0.76g)及びTNPP(0.76g)を加えて、次の特性を有するリン含有アクリル酸ウレタンであった得られた生成物を安定化した。すなわち、ホップラー粘度(H、60℃)=9200mPa.s、ガードナー法に従って測定した色<1G及び残留NCO<0.15%。
実施例1〜9
水で希釈可能なアクリル酸リンポリエステルの合成
油浴に接続し、攪拌機を装着した1リットル(又は実施例5では1.5リットル、実施例7及び8では5リットル)の二重ジャケット付き反応容器に「a」gのリン含有ポリアクリル酸エステル(第1重合体から得られた、実施例5’)及び「b」gのエタノール(又は実施例1ではトルエン、実施例2ではアセトン−エタノール混合物、実施例6、7、8及び9ではイソプロパノール)を加えた。反応混合物を攪拌し、40℃に加熱して、ポリアクリル酸エステルを溶解した。「d」gの水(又は実施例1ではメタノール)に溶解した「c」gの水酸化カリウム)KOH)を反応混合物に加えた。40℃で2時間攪拌した後、「e」gの4−メトキシフェノール(MeHQ)を加え(実施例2及び3では、「f」gの水も加えた)及びエタノール(又はイソプロパノール、トルエン又はアセトン)を減圧(空気スパージ)下での蒸留により除去した。反応混合物の水分をカール−フィッシャー滴定により測定し、混合物をh%水になるまで「f」gの水を加えて希釈した。
Figure 2005531660
実施例10〜11(比較)
比較実施例10及び11の開始手順は、以下のように同じである。油浴に接続し、攪拌機を装着した1リットルの二重ジャケット付き反応容器に「a」gのリン含有ポリアクリル酸エステル(実施例5’、第1重合体)及び「b」gのトルエンを加えた。反応混合物を攪拌し、40℃に加熱して、ポリアクリル酸エステルを溶解した。「d」gの水に溶解した「c」gの水酸化カリウム(又は実施例10では水酸化ナトリウム)を反応混合物に加えた。
実施例10
アルコール溶媒を用いずに実施した方法を例示する
40℃で2時間攪拌した後、「g」gの4−メトキシフェノール(MeHQ)を加え、トルエンを減圧(空気スパージ)下での蒸留により除去した。反応混合物の水分をカール−フィッシャー滴定により測定し、混合物を25%水になるまで「h」gの水を加えて希釈した。生成物は水で希釈できなかった(均一でなく、透明でない)。
実施例11
相間移動剤の存在下で触媒量のアルコールを用いて実施した方法を例示する
40℃で2時間攪拌した後、pHは依然として10.32であった。「e」gのイソプロパノールを加え、40℃で5時間の熟成の後にpH=8.37であった。「f」gのテトラブチルアンモニウムクロリド(TBACl)を反応混合物に加えた(相間移動触媒として作用する)が、40℃で1時間後にpHは依然として8.00であった。「g」gのの4−メトキシフェノール(MeHQ)を加え、トルエンを(空気スパージ)蒸留により除去した。反応混合物の水分をカール−フィッシャー滴定により測定し、混合物を25%水になるまで「h」gの水を加えて希釈した。最終生成物のpHは6.25であった。生成物は水で希釈できなかった(均一でなく、透明でない)。
Figure 2005531660
難燃性
本発明の水で希釈可能な重合体の固有の難燃性は、以下の測定により例証される。
・放射床張り材パネル(EN ISO 9239−1に準拠):床張り材適用のための難燃性試験(水平試験)
この試験では、難燃性性能を臨界放射率値(CFR)によって表す。CFRが高いほど、FR性能が良好である。
以下の実施例において、下塗が本発明の希釈可能な重合体に基づいている場合、難燃性並びに付着力は下塗によってもたらされる。
本発明は、非常に良好な結果を伴う4つの特性、すなわち、難燃性、基材への付着、摩耗抵抗及び引っかき抵抗を併せ持たせるために少なくとも下塗、シーラー又はいくつかのシーラー及びトップコートを組み合わせることが必要であることを示している。これらの要件は、寄せ木適用分野のような床張り材適用分野について満たされていなければならない。
以下の実施例では、3種の層の役割を例示する。すなわち、下塗は、MDF木材基材への非常に良好な付着をもたらし、難燃性を与える。シーラー及びトップコートは、摩耗及び引っかき抵抗を与える。シーラーも難燃性を与える(実施例16を参照)。
実施例12
MDF木材基材に適用した水で希釈可能なFRプライマーの難燃性を示す。
Figure 2005531660
結論:FR下塗1を被覆したMDF木材基材は、未被覆MDF木材基材より有意に高いCRFを有しており、したがって、未被覆MDF木材基材より有意に低い可燃性を有する。
実施例13
未被覆MDF木材基材と比較したFR下塗、シーラー及びトップコートに基づく多層システムの難燃性を示す
システムは、3層を被覆したMDF木材基材と定義する。各種の層の組成を以下の表に示す。
Figure 2005531660
結論
10.6kW/mのCRF値がFR下塗2で得られ、この試験における最大値(11kW/m=PVC)に近い。比較すると、未被覆MDF木材基材は、有意に低いCRFを有し、したがって、有意に高い可燃性を有する。
実施例14
FR下塗のみに基づくシステムのFR性能と比較したFR下塗、シーラー及びトップコートに基づくシステムのFR性能を示す実施例
この実施例は、シーラー及びトップコートをFR下塗上に塗布するとき、それらがFR性能に負の影響を及ぼさないことを示している。
Figure 2005531660
結論:システムFR−3は65g/m(54g+8g)の非難燃性シーラー及びトップコートを被覆したものであるが、システムFR−3のCFRは驚くべきことにシステムFR−1より低くない。
実施例15
同じシーラー及びトップコートを上塗りした非FR下塗と比較した非常に良好なFR性能を有するFR下塗、シーラー及びトップコートに基づくシステム。
Figure 2005531660
実施例16
FR下塗、2種のシーラー(FR及び非FR)及びトップコートに関する実施例
この実施例は、非常に薄い層のFR下塗をFRシーラー(特許出願WO/EP02/2390に従って製造)と組み合わせて使用することが可能であることを示している。FRシーラー1は、100%固体系である。このシステムの利点は、FR下塗を非常に薄い層として用いているので、水を蒸発させる必要がほとんどないことである。
Figure 2005531660
実施例17(比較)
放射床張り材パネル試験(EN ISO 9239−1に準拠)においてシステムFR−2の難燃性を溶媒ベース難燃性コーティングのそれと比較した。
Figure 2005531660
溶媒ベースFRシステムは、透明なポリウレタン溶媒ベース(固体50%)難燃性システムである。これは、製造業者の指示に従ってMDF木材基材にローラコータにより塗布される(Hickson Coatingsから商標名Sayerlack(登録商標)のもとに販売されている製品)。
結論:システムFR−2のCRFは、システムFR−2の塗布した総重量が低いにもかかわらず、溶媒ベースのシステムFR−5より高い。溶媒ベースのシステムFR−5と比較して、システムFR−2では有機溶媒は放出されない。
実施例18
本発明による水で希釈可能なFR下塗剤の付着。
Figure 2005531660
結論:水で希釈可能な重合体(FR−1)は、MDF木材基材への付着が非常に良好であるため、下塗剤として用いることができる。
摩耗試験
実施例19〜24
本発明によるFR下塗に基づく多層システムの摩耗抵抗が溶媒ベースFR多層システムよりはるかに良好であることを示す実施例。
Figure 2005531660
摩耗測定をグリットフィーダー(1kg)を用いて行った。
Figure 2005531660
摩耗測定をTaber CS 17(1kg)を用いて行った。
Figure 2005531660
結論:FR−6及びFR−4はFR−5(実施例24)よりもはるかに良好な結果を示した。
実施例25
金属への塗布用UV硬化性調合物の調製及び試験
UV硬化性調合物は、90部の水で希釈可能なリン含有ポリアクリル酸エステル(実施例9の第2重合体として)、5部の光開始剤(Ciba製Irgacure(商標)500)、5部のアミノアクリル酸塩(Surface Specialties UCB製Ebecryl(商標)7100)を混合して調製した。UV調合物をHDG(溶融亜鉛メッキ鋼)、EZ(亜鉛メッキ鋼)、CRS(冷間圧延鋼)、HRS(熱間圧延鋼)及び銅パネルに5〜10μmバーコータにより塗布し、80W/cm無収束中圧水銀ランプからのUV放射光に曝露させて、不粘着薄膜を得た。各種基材におけるクロスハッチ付着(ISO 2409)、柔軟性(T曲げ試験EN 13523−7)、衝撃抵抗(ISO/DIS 6272)及び変形抵抗(ISO 1520)は各場合に良好であった。
これにより、薄膜層が、付着促進剤を含まない場合でさえも種々の金属(純又は合金)への良好な付着を示すことがわかる。所望の耐食要件を満たすために、腐食抑制剤を配合物に添加することができる。
実施例26(比較)
水に対するリン含有ポリアクリル酸エステルの溶解度
油浴に接続し、攪拌機を装着した1リットルの二重ジャケット付き反応器に「100g」のリン含有ポリアクリル酸エステル(実施例5’、第1重重合体)及び「100g」の水を加えた。反応混合物を攪拌し、40℃に加熱した。ポリアクリル酸エステルは、24時間後に溶解しないままであった。
これにより、リン含有ポリアクリル酸エステルの加水分解は水のみによっては起らないことがわかる。リン含有ポリアクリル酸エステルは、水に溶解しない。

Claims (21)

  1. (a)ホスフィン酸エステル(P−O−C)結合を含むポリエステルを供給するステップと、
    (b)前記ホスフィン酸エステル(P−O−C)結合の少なくとも一部を加水分解するステップとを含む、
    ポリエステルである、水で希釈可能なリン含有重合体前駆体を調製する方法。
  2. 前記重合体前駆体のポリエステル主鎖を加水分解することなく、前記ホスフィン酸エステル(P−O−C)結合の少なくとも一部を選択的に加水分解する請求項1に記載の方法。
  3. 前記ホスフィン酸エステル(P−O−C)結合の少なくとも一部をアルコール溶媒の存在下で加水分解する請求項1又は2に記載の方法。
  4. アルコール溶媒が直鎖、分枝又は環状の飽和又は不飽和C1−6アルカノールから、特に、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール及びtert−ブタノールからなる群から選択される請求項3に記載の方法。
  5. 前記ホスフィン酸エステル(P−O−C)結合の少なくとも一部を塩基、好ましくは強無機塩基の存在下で加水分解する前記請求項のいずれかに記載の方法。
  6. 前記ポリエステルが少なくとも2つの(メタクリル)アクリル酸基を有する前記請求項のいずれかに記載の方法。
  7. 前記重合体前駆体が放射線硬化性ポリエステルであり、
    (a)
    (i)少なくとも1つのヒドロカルビリデン型不飽和基及び複数のカルボニルオキシ基を含む化合物と、
    (ii)場合によって、複数のカルボニルオキシ基を有し、かつヒドロカルビリデン型不飽和基を場合によって有さない化合物と、
    (iii)ポリオールと、
    (iv)リン原子が、ステップ(b)及び(c)における反応条件下で加水分解又はエステル交換反応に対して抵抗性を有する少なくとも1つのP−C結合及び少なくとも1つのP−O−C結合を有するオキシリン含有化合物(成分(iv))[そのような成分(iv)は式(I)の化合物及び/又は有効な異性体、塩並びにその混合物を含み、
    Figure 2005531660

    式(I)中、リン原子は、少なくとも1つの炭素原子で置換されており、少なくとも1つのP−C結合を形成し、P−O結合は、有機環の一部を構成し、前記環は、1つ又は複数の有機基で場合によって置換され、かつ/又は1つ又は複数の他の有機環と場合によって縮合している]とを
    混合するステップと、
    (b)前記混合物の重合を開始して、ヒドロキシ及び/又はカルボキシで終わるリン含有ポリエステルオリゴマー(「第1重合体」)を生成させるステップと、
    (c)第1重合体を少なくとも1つのアクリレート化剤と反応させて、放射線硬化性重合体前駆体(「第2重合体」)を生成させるステップと、
    (d)第2重合体におけるホスフィン酸エステル(P−O−C)結合の少なくとも一部を加水分解するステップとを含む、
    前記請求項のいずれかに記載の方法。
  8. 成分(iv)が式II、すなわち
    P=O
    [式中、少なくともR及びRは1つ又は複数のヒドロキシ及び/又はカルボキシ基で置換されているC1−20有機基を独立に表し、RはH又は場合によって置換されているC1−20有機基を表す]
    の化合物を含む請求項7に記載の方法。
  9. 前記ホスフィン酸エステル(P−O−C)結合が前記ポリエステルの側鎖に存在し、前記ホスフィン酸エステル(P−O−C)結合のリン原子が、前記ポリエステルの主鎖の一部を形成しているか、又は前記ホスフィン酸エステル(P−O−C)結合でない結合を介して前記ポリエステルの主鎖に直接的若しくは間接的に結合している前記請求項のいずれかに記載の方法。
  10. 前記ポリエステルが9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド残基を含む前記請求項のいずれかに記載の方法。
  11. 前記請求項のいずれかに記載の方法により得られる水で希釈可能なリン含有重合体前駆体。
  12. 請求項11に記載の重合体前駆体を含む難燃性組成物。
  13. 基材上に、請求項12に記載の組成物を硬化させることにより得られる難燃性層(層(1))を含む難燃性コーティング。
  14. 難燃性コーティング上に、場合によって副層(2a、2b...)を含む少なくとも1つの他の層(層(2))を含む請求項13に記載の難燃性コーティング。
  15. 少なくとも層(2)が透明である請求項14に記載の難燃性コーティング。
  16. 層(2)がコーティングに摩耗抵抗を与える請求項14又は15に記載の難燃性コーティング。
  17. 層(2)が少なくとも1つの難燃性副層を含む請求項14から16までのいずれか一項に記載の難燃性コーティング。
  18. 難燃性組成物を調製するための請求項11に記載の重合体前駆体の使用。
  19. 基材を被覆するための請求項12に記載の難燃性組成物の使用。
  20. その少なくとも一部が請求項13から17までのいずれかに記載のコーティングで被覆されている基材。
  21. 基材が木材、織物、繊維、金属又はプラスチックを含む請求項20に記載の被覆基材。
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