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JP2005340020A - 有機エレクトロルミネッセンス表示装置およびその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス表示装置およびその製造方法 Download PDF

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JP2005340020A JP2004157949A JP2004157949A JP2005340020A JP 2005340020 A JP2005340020 A JP 2005340020A JP 2004157949 A JP2004157949 A JP 2004157949A JP 2004157949 A JP2004157949 A JP 2004157949A JP 2005340020 A JP2005340020 A JP 2005340020A
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Yoshinori Ishii
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Abstract

【課題】
信頼性の高い有機EL表示装置をより簡略な工程で製造する。
【解決手段】
素子基板110との貼り合わせにより有機EL素子111を囲む内周乾燥剤パターン122Aと、内周乾燥剤パターン122Aを囲む外周乾燥剤パターン122Cと、内周乾燥剤パターン122Aに囲まれた内部乾燥剤パターン(内周乾燥剤パターン120Aよりも膜厚の薄い乾燥剤パターン)121とを、1回のスクリーン印刷で封止基板120に形成する。このために、内周及び外周乾燥剤パターン形成用の開口パターン212A,212Cと、開口パターン212A,212Cよりも開口幅が狭い、内部乾燥剤パターン形成用開口パターン211とが形成されたスクリーンマスク210を用いる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス表示装置(有機EL表示装置)に用いられる有機エレクトロルミネッセンス発光素子(有機EL素子)の封止構造に関する。
有機EL素子には、素子内部への水分の侵入により、いわゆるダークスポット(非発光部)が発生することがある。そこで、一般に、乾燥剤付きの封止キャップ(金属製またはガラス製)で有機EL素子を封止することによって、有機EL素子内部への水分の侵入を防止している。このように、乾燥剤付き封止キャップで有機EL素子を封止する技術として、特許文献1,2記載の技術が知られている。
特許文献1記載の技術によれば、有機EL素子は、化学的に水分を捕水するが吸湿しても固形状態を維持する乾燥剤が底面に固定された封止キャップで封止される。また、特許文献2記載の技術によれば、有機EL素子は、吸湿性の多孔質層(SiO、ゼオライト等)が内側面に形成された封止キャップで封止される。
ところで、製造コストの低減等を図るために、金属製キャップを用いずに有機EL素子を封止する技術として、特許文献3記載の技術が知られている。この技術によれば、有機EL素子は、以下のように封止基板で封止される。封止基板の一方の面に、その縁に沿った二重の枠状パターン(内側隔壁、外側隔壁)が、低融点フリットガラスの塗布・焼成により形成され、さらに、内側隔壁と外側隔壁との間にシール剤、内側隔壁で囲まれた領域に捕水剤が塗布される。その後、素子基板上の有機EL素子が内側隔壁の内側に入るように、素子基板と封止基板とが貼り合わせされる。
なお、非特許文献1には、有機EL素子に用いられる成膜材料が記載されている。
特開平9−148066号公報 特開平10−275679号公報 特開2002−280169号公報 「有機ELディスプレイにおける高輝度・高効率・長寿命化技術」 (株)技術情報協会、2003.9.29発行
ところが、上記従来の、封止基板で有機EL素子を封止する技術によれば、封止基板上に低融点ガラスフリットペーストを印刷し、それを焼成することによって内側隔壁及び外側隔壁を形成し、さらに内側隔壁の内側領域に補水剤を印刷する必要がある。
そこで、本発明は、信頼性の高い有機EL表示装置をより簡略な工程で製造することを目的とする。
本発明は、
第1面に有機エレクトロルミネッセンス素子が形成された第1基板と、前記第1面に対向する第2面を有する第2基板と、前記第1及び第2面の間に設けられたシール材と、を有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置を製造する、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法であって、
枠状の第1開口パターンと、前記第1開口パターンを囲む第2開口パターンと、前記第1開口パターンに囲まれた、前記第1開口パターンよりも開口幅が狭い第3開口パターンとが形成されたスクリーン版と乾燥剤ペーストとを用いた印刷により、枠状の第1乾燥剤パターンと、前記第1乾燥剤パターンを囲む第2乾燥剤パターンと、前記第1乾燥剤パターンに囲まれた、前記第1乾燥剤パターンよりも膜厚の薄い第3乾燥剤パターンとを、前記第2面に形成する処理と、
前記第1乾燥剤パターンと前記第2乾燥剤パターンとの間にシール材を供給し、前記第3乾燥剤パターンと前記有機エレクトロルミネッセンス素子とが対向するように、前記第1面と前記第2面とを貼り合わせる処理と、
を含むことを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法を提供する
本発明によれば、信頼性の高い有機EL表示装置をより簡略な製造工程で製造することができる。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明に係る実施の一形態について説明する。
まず、本実施の形態に係る有機EL表示装置の構成について説明する。ここでは、有機EL表示装置の一例としてテレビジョンを挙げることとする。
図8に示すように、本実施の形態に係るテレビジョンは、パッシブ型またはアクティブ型の有機ELパネル100、有機ELパネル100及びその他の機器が収容された筐体200、等を有している。
有機ELパネル100は、図1(a)及び図1(b)に示すように、(1)対向する1組の基板(素子基板110、封止基板120)、(2)封止基板120と素子基板110との間に空間Sが形成されるように、封止基板120と素子基板110との間に、封止基板120の縁に沿って枠状に設けられた基板接続部122、等を有している。これらの各基板110,120及び基板接続部122の詳細は、以下の通りである。
A.素子基板110
素子基板110の一方の面(封止基板120側の面:以下、素子形成面)110Aには、空間S内に収容された有機EL素子111、有機EL素子111の駆動信号が入力される引出し電極(不図示)、が形成されている。
有機EL素子111には、素子基板110側から順に、ITO(Indium Tin Oxide)またはIZO(Indium Zinc Oxide)等の透明な導体で形成されたカソード111A、発光層を含んだ有機膜111B、適当な金属(Mg−Ag、Al−Li、Al―LiF、Al−Ca等)で形成されたアノード111Cが含まれている。
有機膜111Bの形成材料となる有機化合物は、一般に、低分子系と高分子系とに分類される。低分子系の有機膜は、一般に、カソード111A側から、ホール注入層、ホール輸送層、発光層及び電子輸送層を有する4層構造をとり、これら各層は、例えば、蒸着法、スパッタリング等により成膜される。ただし、使用する材料によっては、1つの層が複数の機能を兼ねることがあるため、低分子系の有機膜は、常に、この4層構造をとるとは限らない。例えば、発光層が、電子輸送性を兼ねる材料で形成される場合には、電子輸送層は省略される。一方、高分子系の有機膜は、一般的に、カソード111A側から、ホール注入層を兼ねたホール輸送層、及び、発光層を有する2層構造をとり、これら各層は、例えば、インクジェット法、印刷法等により成膜される。高分子系の有機膜も、使用する材料によって層構造は異なってくる。
なお、本実施の形態に係る有機膜の各層を形成する有機材料は、各層に期待される機能を果たすものであれば、特に制限されない。例えば非特許文献1に記載されている材料を使用することができる。
B.封止基板120
封止基板120の一方の面(有機EL素子111側の面:以下、乾燥剤パターン形成面)120Aには、有機EL素子111とともに空間Sに収容された帯状の乾燥剤パターン(以下、内部乾燥剤パターン)121が複数列形成されている。このように帯状の乾燥剤パターン121を複数列形成することにより、より大きな乾燥剤パターンを1つだけ形成する場合よりも内部乾燥剤パターン121の総表面積が増加するため、空間S内の水分をより効率的に除去することができる。
なお、この内部乾燥剤パターン121に含まれている捕水材料は、100℃以上の高温下であっても、吸着した水分の放出量が少ないものまたは放出しないものであることが望ましい。また、基板接続部122に過度な熱応力が作用しないように、封止基板120は、素子基板110の形成材料との線膨張係数の差が所定の範囲内に収まる材料で、かつ、ほぼ同じ板厚に形成されていることが望ましい。
C.基板接続部122
基板接続部122には、有機EL素子111及び内部乾燥剤パターン121を囲む枠状の乾燥剤パターン(以下、内周乾燥剤パターン)122Aと、内周乾燥剤パターン122Aを囲む枠状の乾燥剤パターン(以下、外周乾燥剤パターン)122Cと、内周及び外周乾燥剤パターン122A,122Cの間に充填されたシール材122Bと、の三重構造を有している。
内周及び外周乾燥剤パターン122A、122Cは、加圧中における硬化前のシール材122Bの流動を防ぐ仕切り壁として機能するとともに、硬化後のシール材122Bを通過して空間S内へ侵入する水分を遮断する。有機EL素子111と内部乾燥剤パターン121とが接触しない厚さのシール材を形成するために、シール材を挟む内周及び外周乾燥剤パターン122A、122Cは、内部乾燥剤パターン121よりも厚く形成されていることが望ましい。このように、内周及び外周乾燥剤パターン122A、122Cは、内部乾燥剤パターン121とは膜厚が異なっているが、これら3種類の乾燥剤パターン121,122A,122Cは、後述するように、1枚のスクリーンマスクを用いて一度のスクリーン印刷により封止基板120上に形成される。このため、内周及び外周乾燥剤パターン122A、122Cは、内部乾燥剤パターン121よりも線幅が太く、かつ、膜厚が大きいものとなっている。
シール剤122Bのなかには、内部乾燥剤パターン121の膜厚及び有機EL素子111の膜厚の合計よりも径の大きな球状ビーズまたは円柱状ファイバ等がスペーサ(不図示)として含まれている。このスペーサにより素子基板1と封止基板6との間隔tが規制されるため、内部乾燥剤パターン121と有機EL素子111との接触を防止することができる。なお、スペーサの材質は、例えば、SiC、SiN、SiO、Al等、化学的に安定な無機材料であることが好ましい。
内周乾燥剤パターン122Aの膜厚がスペーサの径よりも小さすぎると、シール材122Bを透過してくる水分が除去されにくくなるとともに、硬化前のシール材122Bが、内周乾燥剤パターン122Aを超えて空間S側にはみ出す可能性がある。また、外周乾燥剤パターン122Cの膜厚がスペーサの径より小さすぎると、硬化前のシール剤122Bが、外周乾燥剤パターン122Cを超えて外部にはみ出す可能性がある。これらの事態の発生を防止するため、内周及び外周乾燥剤パターン122A,122Cの膜厚寸法は、スペーサの直径の5割以上、スペーサの直径以下であることが望ましい。ただし、1枚の透明基板から有機ELパネルを多面取りする場合、はみ出したシール材が個々の有機ELパネルの切り出しに影響を与えない程度の間隔が有機ELパネル間に設けられているならば、外周乾燥剤パターン122Cの膜厚をスペーサの大きさの5割未満にしてもかまわない。
つぎに、乾燥剤パターン121,122A,122Cを形成するスクリーン印刷に用いられるスクリーンマスクについて説明する。
スクリーンマスクには、内部乾燥剤パターンと、内部乾燥剤パターンとは膜厚の異なる内周及び外周乾燥剤パターンとを形成するための3種類の開口(すなわち、内部乾燥剤パターン121を形成するための開口、内周乾燥剤パターン122Aを形成するための開口、外周乾燥剤パターン122Cを形成するための開口)が形成されている。これら3種類の開口のうち、内部乾燥剤パターン形成用の開口の幅は、他の2種類の開口122A,122Cの幅よりも狭くされている(図2(b)参照)。このようにしておくことにより、内部乾燥剤パターン121の膜厚を、内周及び外周乾燥剤パターン122A,122Cの膜厚よりも薄くすることができる。すなわち、幅寸法の異なる開口が形成されたスクリーンマスクを用いることにより、一回のスクリーン印刷で、膜厚の異なる乾燥剤パターン121,122A,122Cを形成することができる。
ただし、スクリーン印刷により形成される塗膜の膜厚は、スクリーンマスクの開口幅寸法だけでなくスクリーンマスクの他の仕様にも影響されるため、実験等により予め確認しておく必要がある。例えば、線径約20μmの300メッシュに膜厚約20μmの乳剤層で形成された開口は、幅が広いほど、より厚い塗膜を形成するが、幅が約150μmを超えると、ほぼ一定の膜厚の塗膜を形成する。したがって、このような仕様のスクリーンマスクを用いる場合には、少なくとも、内周及び外周乾燥剤パターン122A,122Cよりも薄く形成される必要がある内部乾燥剤パターン形成用の開口の幅は150μm未満にする必要がある。
つぎに、乾燥剤パターン121,122A,122Cを形成するスクリーン印刷に用いられる乾燥剤ペーストについて説明する。
内部乾燥剤パターンと、内部乾燥剤パターンとは膜厚の異なる内周及び外周乾燥剤パターンとを良好に形成するには、スクリーンマスクの仕様だけでなく乾燥剤ペーストの調整も必要になる。乾燥剤ペーストは、アルカリ金属酸化物(酸化カルシウム、酸化ストロンチウム等)、アルカリ土類金属酸化物、多孔質無機材料(ゼオライト等)等、吸湿能力を有する捕水材料の粉末またはバルクを、有機系または無機系バインダーおよび有機溶剤等でペースト化することによって生成される。このため、生成される乾燥剤ペーストの粘度は、各材料の含有率によって異なる。
スクリーン印刷に使用するペーストは、粘度が15Pa・s程度から1000Pa・s程度のものが用いられる。本実施の形態においては、乾燥剤パターン121,122A,122Cが膜厚の差を維持する必要があるため、これを確認するために、15Pa・s〜1000Pa・sの粘度の乾燥剤ペーストを用いて実際にスクリーン印刷を行った。
その結果、乾燥剤ペーストの粘度が200Pa・s未満の場合には、乾燥剤パターンが広がって薄くなりやすくなるため、内周及び外周乾燥剤パターンと内部乾燥剤パターンとが膜厚の差を維持することが困難になることがわかった。乾燥剤ペーストの粘度が800Pa・sを超えると、捕水材料が分散されずに大きな凝集体として残りやすくなるため、内周及び外周乾燥剤パターンと内部乾燥剤パターンとを形状精度よく形成することが困難になることがわかった。そして、乾燥剤ペーストの粘度が200Pa・s以上800Pa・s以下である場合には、乾燥剤パターン121,122A,122Cを精度よく形成することができ、また、乾燥剤パターン121,122A,122Cの膜厚の差が維持されることが確認された。
以上の結果より、本実施の形態においては、200Pa・s以上800Pa・s以下の粘度の乾燥剤ペーストを用いることとした。なお、ここでは挙げた、乾燥剤ペーストの粘度は、(東機産業)RE550型粘度計のコーンロータ半径R9.7角度3.7を用いてずり速度2.0s-1で測定した値である。
また、乾燥剤ペーストに対するバインダーの重量比率が0.5%より小さいと、乾燥剤パターンが、有機溶剤の除去後に膜形態を維持することが困難となり、乾燥剤ペーストに対するバインダーの重量比が5%より大きいと、今度は、過剰なバインダーで捕水材料の表面が被覆されるため、捕水材料の捕水能力が低下することも確認された。したがって、本実施の形態においては、乾燥剤ペーストの約0.5〜5wt%をバインダーとすることとした。
以上のような条件を満たす乾燥剤ペーストを、例えば、捕水材料として合成ゼルライトを用いて調整する場合には、乾燥剤ペーストに対する有機溶剤の重量比率を約25〜40wt%で調整し、乾燥剤ペーストに対するバインダーの重量比率を約0.5〜5wt%で調整すればよい。
また、捕水材料がスムーズに開口パターンを通過するには、捕水材料の粒子径が開口パターン幅の1/5以下であることが好ましい。例えば、開口パターンの線幅が約150μmである場合には、捕水材料の最大粒子径を、その1/5である30μm以下にする必要がある。現状、最大粒径30μm以下の粉末を作成する場合、メッシュを用いた篩分級、湿式の沈降速度を利用した水比分級及び遠心分離法等の分級装置を使用しているが、これらの分級装置を用いると、粒子系に分布を生じるため、粉末の最大粒径が約30μmである場合には、粉末の平均粒径が約4μmとなる。
本実施の形態では、上述したように、内部乾燥剤パターンを形成するための開口の幅が150μm以下である必要があるため、捕水材料の平均粒径及び最大粒径を、それぞれ、4μm以下、30μm以下にする必要がある。ただし、現状のところ、スクリーン版に安定に形成できる開口の最小幅は約20μmであるから、捕水材料の最大粒子径は、その1/5である約4μm以下としておけばよい。なお、より幅の狭い開口パターンが形成可能となった場合には、捕水材料の最大粒子径をさらに小さくする必要がある。
乾燥剤ペース内における捕水材料の沈降を抑制するには、捕水材料の粒子径が小さいことが好ましいため、通常、捕水材料の最小粒子径については特別な制限はない。ただし、乾燥剤としての機能、スクリーン印刷工程、保管等に支障きたす場合には、捕水材料の最小粒子径に制限が設けられることもある。このことを、ゼオライトを例に挙げて説明する。
ゼオライトのうち、合成ゼオライトは、人工ゼオライト及び天然ゼオライトと比べて比表面積が大きく、合成の際、粒子径を制御可能である。三次元骨格構造を有するアルミノシリケートである合成ゼオライトは、一般式aM2/n・xAl・ySiO・zHOで表され(M:陽イオン、a:金属酸化物の数を表す整数、x:酸化アルミニウムの数を表す整数、y:酸化ケイ素の数を表す整数z:結晶水の数を表す整数)、陽イオンMの種類、酸化アルミの数xと酸化ケイ素の数yとの比率により、A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト等に分類される。これらは、孔径が異なるため吸着対象も異なる。
本実施の形態に係る乾燥剤ペーストの捕水材料には、捕水能力が高いものが適しているため、AlとSiOとの割合(x:y)が1:2のA型ゼオライトが適している。陽イオンMの具体例としては、アルカリ金属(ナトリウムイオン、カリウムイオン)、アルカリ土類金属(カルシウムイオン、マグネシウムイオン)、アンモニウムイオン等が挙げられるが、陽イオンMにカリウムイオンを用いた孔径3AのA3型ゼオライト(KO・Al・2SiO(・zHO))が、主として水を吸着するために適している。なお、合成の都合から結晶水を含んでいるが、zに関しては特に制限はない。
このような合成ゼオライト(孔径約3A)が構造的に乾燥剤として機能するには、粒子径を孔径の100倍程度にする必要がある。乾燥剤ペース内における捕水材料の沈降を抑制するには、捕水材料の粒子径が小さいことが好ましい。このため、乾燥剤としての機能を発揮させるという観点から、合成ゼオライトの最小粒子径には、孔径の100倍程度という制限を定めることができる。なお、この制限を満たすには、合成ゼオライトの平均粒径が0.3μm以上である必要がある。
有機溶剤は、乾燥剤ペーストの粘度変化等を生じさせないように、沸点が高く、常温における蒸気圧が低いものであることが望ましく、また、スクリーン版の乳剤層にダメージ(乳剤層の溶解または膨潤)を与えにくいものが好ましい。例えば、ブチルカルビトールアセテートやアルファ−テルピネオール等の有機溶剤を用いることが好ましい。
有機系バインダーとしては、例えば、セルロース系樹脂(エチルセルロース、ニトロセルロース等)、ビニル系樹脂(ポリビニルブチラール、アクリル樹脂等)、熱硬化型樹脂(エポキシ樹脂、フェノール樹脂等)、縮合系樹脂(ポリアミド、ポリイミド等)を用いることができる。また、無機系バインダーとしては、例えば、オルガノシロキサン、アルミノシロキサン、チタニシロキサン、ボロシロキサン等のセラミック前駆体を用いることができる。
つぎに、図2により、図1の有機ELパネル100の製造工程について説明する。
パターニングされたカソード間の絶縁を保つため、絶縁性を有する適当なサイズの透明基板(ここではガラス基板)を素子基板110として準備し、また、この素子基板110との線膨張係数の差が所定値以下の基板を封止基板120として準備しておく。ここでは、横幅約50mm×縦幅約50mm×厚さ約0.7mmのガラス基板(コーニング製#1737)を素子基板110として用い、横幅約40mm×縦幅約40mm×厚さ約0.7mmのガラス基板(コーニング製#1737)を封止基板120として用いることとする。
素子基板110の素子形成面110Aに、以下の手順で、図2(a)に示すような有機EL素子111を形成する。
素子基板110の素子形成面110A全体に、スパッタリング法等によってカソード111Aとなる透明導体膜(例えば、ITO膜、IZO膜等)を成膜する。なお、カソード111A上には有機膜が積層されるため、このとき成膜される透明導体膜の膜厚にはばらつきが少ないことが好ましい。
その後、フォトリソグラフ(レジストの塗布、露光及び現像)によって所定の形状のレジストパターンを透明導体膜上に形成する。例えば、横幅約2mm×縦幅約48mm×膜厚約120nmのレジストパターンを、ピッチ約4mmで、7本、ストライプ状に形成する。このレジストパターンをマスクとして用いて透明導体膜をエッチングする。これにより、透明導体膜がパターニングされ、素子基板110の素子形成面110Aにカソード111Aが形成される。
このようにして形成されたカソード111A上にそれぞれ有機膜111Bを積層する。例えば、低分子系の有機膜111Bを形成する場合には、膜厚約20nmのホール注入層、膜厚約60nmのホール輸送層、電子輸送性を兼ねる膜厚60nmの発光層を、蒸着法、スパッタリング等により順次成膜する。ここで、ホール注入層には、銅フタロシアニン(CuPc)等、ホール輸送層には、トリフェニルジアミン(TPD)、ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル]ベンジジン(α−NPD)等、発光層には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq3)、ビス(ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体(BeBq)等を用いることができる。一方、高分子系の有機膜111Bを形成する場合には、膜厚約50nmのホール輸送層及び膜厚約70nmの発光層を、インクジェット法、印刷法等により順次成膜する。ここで、ホール輸送層には、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等、発光層には、ポリパラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフルオレン誘導体(PDAF)、カルバゾル誘導体(PVK)等を用いることができる。ここでは、低分子系及び高分子系のいずれかの有機化合物によって有機膜111Aを形成しているが、有機膜111Aは、低分子系及び高分子系の双方の有機化合物を組み合わせて形成されたものであってもよい。
さらに、所定の開口パターン(ピッチ4mmでストライプ状に形成された、7本の、横幅約48mm×縦幅約2mmの開口)が形成されたメタルマスクを、開口パターンが有機膜111Aにほぼ直角に交わるように配置し、蒸着法等により、アノード111Cとなる膜厚約200nmの金属膜を成膜する。例えば、ここで用いる、アノードの形成材料の具体例としては、Mg−Ag、Al−Li、Al―LiF、Al−Ca等があげられる。これにより、図2(a)に示すような有機EL素子111が素子基板110上に完成する。
一方、封止基板120上には、図2(b)に示すように、上述の条件(200Pa・s以上800Pa・s以下の粘度、約0.5〜5wt%のバインダー)を満たすように調整した乾燥剤ペーストを用いたスクリーン印刷によって、内部乾燥剤パターン121、内周乾燥剤パターン122A及び外周乾燥剤パターン122Cを形成する。具体的には、スクリーン版枠200に張られたスクリーンマスク210に乾燥剤ペースト230を供給してから、ウレタンゴム製等のスキージ220を、スクリーンマスク210に斜めに接触させながら移動させる。ここで用いるスクリーンマスク210には、内部乾燥剤パターン形成用の線状開口パターン211、これらの開口パターン211を囲む、内周及び外周乾燥剤パターン形成用の枠状開口パターン212A,212Cが形成されている。本実施の形態においては、(株)ムラカミ社製ステンレスメッシュ線径18μmの325メッシュに、膜厚約20μmの乳剤層で、線幅約50μm×長さ約28mmの線状開口パターン211をピッチ約150μmで187本、線状開口パターン211の並びを囲む線幅200μmの枠状開口パターン(横幅約35mm×縦幅約35mm、横幅約38mm×縦幅約38mm)が形成されたスクリーンマスクを用いることとした。また、乾燥剤ペースト230としては、A3型ゼオライト(約66.4wt%)の粉体(平均粒子径4μm)をエチルセルロース(約2.5wt%)及びブチルカルビトールアセテート(約31.1wt%)で混練することにより生成された粘度598Pa・sのペーストを用いることとした。なお、A3型合成ゼオライトの粒度分布は、JIS−Z8901試験用粉体及び試験用粒子に定められている試験用粉体1で校正した日機装製マイクロトラック粒子径分布測定装置9320HRA(X−100)及び日機装製マイクロトラック粒度分布測定装置MT3300EXを用いてレーザ回折散乱法で測定した。
これにより、各開口パターン211,212A,212Cを乾燥剤ペースト230が通過し、各開口パターン211,212A,212Cの形状がそれぞれ乾燥剤ペースト230で封止基板120上に転写される。本実施の形態においては、低湿度の雰囲気内で100℃以上に加熱することにより吸着水分を除去可能なゼオライトを含んだ乾燥剤ペーストを用いているため、大気中でスクリーン印刷を行なってもよいが、吸着した水分の除去が困難な捕水材料(化学的に水分を吸着する酸化カルシウム等)を含有させた乾燥剤ペーストを用いる場合には、低湿度の雰囲気中でスクリーン印刷を行うことが好ましい。
スクリーン印刷が終了したら、適当な時間、熱処理を行い、各乾燥剤パターン121,122A,122Cから有機溶剤または無機溶剤を乾燥除去する。有機バインダーを含む乾燥剤ペーストが用いられている場合には、このときの熱処理温度は、捕水材料の粉体を膜形態に保つ有機系バインダーを分解除去しない温度に調整される必要がある。本実施の形態では、有機バインダーであるエチルセルロースを用いているため、エチルセルロースが分解除去さされないように、乾燥剤パターン121,122A,122Cを、約100℃で30分間加熱した後、さらに約180℃で30分間加熱することにより、乾燥剤パターン121,122A,122Cから有機溶剤を除去する。なお、無機バインダーを含む乾燥剤ペーストが用いる場合には、このときの熱処理温度は、セラミック前駆体を無機化するのに十分な温度に調整されることが好ましい。例えば、オルガノシロキサンを無機化してシリカにするには、乾燥剤パターン121,122A,122Cを、約400℃で2時間程度熱処理すればよい。
その結果、187本の内部乾燥剤パターン121は、線幅約100μm(平均値)、膜厚約12μm(平均値)の線状パターンとなり、内周及び外周乾燥剤パターン122A,122Cは、線幅約230μm、膜厚約26μmの枠状パターンとなる。その後、ホットプレートを用いて、露点−85℃の窒素雰囲気内の封止基板120を常温から約10℃/分の昇温速度で加熱し、約180℃になったら、その温度を約10分間保持する。これにより、各乾燥剤パターンの捕水材に吸着された水分が除去される。
このようにして形成された内周及び外周乾燥剤パターン122A,122Cの間に、図2(c)に示すように、有機EL素子111及び内部乾燥剤パターン121の総膜厚よりも大きな径のビーズ(例えば約30nmのSiOビーズ)をスペーサとして約1wt%含んだシール材122Bを、ディスペンサ、印刷法等により塗布する。このとき、内周及び外周乾燥剤パターン122A,122Cを超えてシール材122Bが空間S側及び外部にはみ出さないように、シール材122Bの塗布量は、内周及び外周乾燥剤パターン122A,122Cの間隔及び高さ等に応じて調節される必要がある。なお、シール材122Bとしては、紫外線硬化型材料、熱硬化型材料及び紫外線熱硬化型材料のいずれが用いられてもよいが、水分の透過性が低く、かつ、素子基板110および封止基板120との接着力が高いものが用いられることが好ましい。ただし、熱硬化型材料及び紫外線熱硬化型材料については、硬化温度が100℃以下のものであることが望ましい。
その後、図2(d)に示すように、有機EL素子111と内部乾燥剤パターン121とが対向するように、素子基板110と封止基板120とを重ね合わせる。精密プレス装置等により、これらの基板110,120を、それらの間隔tがスペーサの径と同程度にする適当な圧力で加圧しながら、シール材122Bを硬化させる。例えば、紫外線熱硬化型材料をシール材122Bとして用いた場合には、素子基板110側から紫外光Xを照射することによってシール材122Bを第1次硬化させ、さらに、ホットプレートで、適当な時間(例えば60分間)、適当な温度(例えば80℃)に加熱することによってシール材122Bを第2次硬化(本硬化)させる。このとき、有機膜111Bに紫外光があたらないように、有機EL素子111の形成領域への紫外線を遮るマスクとして金属板を設けることが望ましい。
これにより、パッシブ型の有機ELパネル100が完成する。
このように、本実施の形態に係る製造工程によれば、硬化前のシール材の流動を防ぐ仕切り壁として機能する内周及び外周乾燥剤パターン122A,122Cを、内部乾燥剤パターン121と同じ材料でかつ同一工程で形成することができる。このため、硬化前のシール材の流動を防ぐ仕切り壁をガラスフリットで形成する場合と比較して、有機EL表示装置の製造工程の簡略化を図ることができる。
また、硬化前のシール材の流動を防ぐ仕切り壁として利用した乾燥剤パターンは、シール材の硬化後には、シール材、シール材と封止基板との界面、および、シール材と素子基板との界面から空間S内側への水分の侵入を防止する。そして、これらの乾燥剤パターンでは吸着しきれなかった水分が内部乾燥剤パターンにより吸着されるため、有機EL素子への水分の侵入を確実に防止し、有機EL表示装置の信頼性を向上させることができる。この効果を確認するため、本実施の形態に係る製造工程により製造されたパッシブ型の有機ELパネル100の有機EL素子を初期輝度200cd/cmで発光させ、輝度が半減するまでの時間を測定したところ、輝度半減時間が約4000時間に達することが確認された。このことから、上述のように形成された基板接続部が、封止基板とともに封止機能を十分に果たしていることがわかった。
以上においては、パッシブ型の有機ELパネルの製造への適用例を説明したが、本実施の形態に係る製造工程は、アクティブ型のフルカラー有機ELパネルの製造にも適用可能である。以下、図5及び図6により、アクティブ型フルカラー有機ELパネルの製造工程について説明する。ただし、パッシブ型の有機ELパネルの製造工程と同様な処理については詳細を省略する。
絶縁性を有する適当なサイズの透明基板(例えば、ガラス基板)を素子基板1用に準備し、この透明基板との線膨張係数の差が所定値以下の基板を封止基板用に準備しておく。ここでは、横幅約100mm×縦幅約80mm×厚さ約0.7mmのガラス基板(コーニング製#1737)を素子基板110として用い、素子基板と同材質の横幅約90mm×縦幅約70mm×厚さ約0.7mmのガラス基板(コーニング製#1737)を封止基板120として用いることとする。
まず、以下の処理によって、素子基板110として用いられるアクティブマトリクス基板を作成する。このアクティブマトリクス基板は、液晶パネルに用いられているアクティブマトリクス基板と同様な工程により製造可能であるため、以下においては、イオン打ち込み、活性化アニール等の公知の工程を省略して簡単に説明する。
図5(a)に示すように、素子基板130の一方の面に、バリア膜として、例えばSiN膜131及びSiO膜132をCVD法等により堆積する。さらに、その上に適当な膜厚(例えば約50nm)のアモルファスシリコン膜133をCVD法により堆積する。
その後、このアモルファスシリコン膜133の、各画素の駆動回路を形成すべき領域をエキシマレーザ照射法等によって改質する。さらに、図5(b)に示すように、改質後のシリコン膜133'を、予め定めた形状にエッチングしてから、ゲート絶縁膜(不図示)、ゲート配線137、ソース・ドレイン配線134、層間絶縁膜135及びパシベーション膜136を形成する。これにより、各画素部にそれぞれ所定数(例えば2〜5個)の低温ポリシリコンTFT回路が形成されたアクティブマトリクス基板が完成する。
その後、このアクティブマトリクス基板を素子基板110として用いて、以下のように、アクティブ型の有機ELパネルを作製する。
パッシブ型の有機ELパネルのカソード111Aと同様、スパッタリング等によって、各画素部の低温ポリシリコンTFT上にそれぞれカソード111A'を形成する。ただし、ここでは、複数のカソード111A'を、画素部のレイアウトにあわせてマトリクス状に形成する。
その後、図6(a)に示すように、各画素部の発光領域を各色成分(R、G、B)に分離するための絶縁性の隔壁(以下、画素分離バンク)138をカソード111A'間に形成する。例えば、縦幅約185μm×横幅約70μmのカソード111A'が、縦方向にピッチ255μmで240個、横方向にピッチ85μmで960個のマトリクス状に形成されている場合には、各カソード111A'を露出させる縦幅約165μm×横幅約55μmの開口パターンを有する膜厚約0.2μmの絶縁膜を画像分離バンク138として形成すればよい。なお、画素分離バンク138は、素子基板の一方の面全体に塗布された感光性の絶縁樹脂(ポリイミド等)の露光及び現像によって形成されてもよいし、スパッタまたは蒸着で素子基板の一方の面全体に形成された無機物の絶縁膜のエッチングによって形成されてもよい。
さらに、図6(b)に示すように、赤色発光有機膜111B'、緑色発光有機膜111B'及び青色発光有機膜111B'が一定の順番で並ぶように、赤色発光有機膜111B'、緑色発光有機膜111B'及び青色発光有機膜111B'を、それぞれ、各発光色成分ごとのメタルマスクを用いて、画素分離バンク138で仕切られた領域3個所おきに成膜する。各緑色発光有機膜111Bとしては、例えば、ホール注入層として機能するCuPc膜(膜厚約20nm)、ホール輸送層として機能するα−NPD膜(膜厚約60nm)、及び、発光層として機能するAlq3膜(膜厚約60nm)を、この順番でカソード111A'上に蒸着することができる。赤色発光有機膜111B'としては、例えば、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィンプラチナ(II)(DTODP)等のドーパントをAlq3等のホスト剤に1wt%程度分散させたものを膜厚60nm程度にカソード111A'に共蒸着することができる。青色発光有機膜111B'としては、Alq3等のホスト剤にペリレン等のドーパントを1wt%程度分散させたものを膜厚60nm程度に共蒸着することができる。
このようにして、各色成分(R、G、B)の有機膜111B'〜111B'を形成したら、図6(c)に示すように、それらの有機膜111B'〜111B'及び画素分離バンク138上に、各色共通のアノード(例えば、膜厚約200nm)111C'を、パッシブ型の有機ELパネルのアノード111Cと同様、共蒸着により形成する。これにより、フルカラーの有機EL素子111'が素子基板110上に完成する。
一方、封止基板120の一方の面には、パッシブ型有機ELパネルの乾燥剤パターン121,122A,122Cと同様なスクリーン印刷処理によって、有機EL素子111'の形成部の面積に応じたサイズの、内部乾燥剤パターン121、内周乾燥剤パターン122A及び外周乾燥剤パターン122Cを一工程で形成する。例えば、縦幅約185μm×横幅約70μmのカソード111A'が、縦方向にピッチ255μmで240個、横方向にピッチ85μmで960個のマトリクス状に形成されている場合には、横幅約100μm×縦幅約62mm×膜厚約12μmの内部乾燥剤パターン121を横方向ピッチ150μmで550本形成し、内周及び外周乾燥剤パターン122A,122Cとして、幅約230μm及び膜厚約26μmの線状パターンからなる、横幅約85mm×縦幅約65mm及び横幅約88mm×縦幅約68mmの枠状パターンを形成する。
さらに、直径約30μmのSiOビーズをスペーサとして1wt%程度混入したシール材122Bを、パッシブ型有機ELパネルの製造工程と同様、ディスペンサ、印刷法等によって内周及び外周乾燥剤パターン122A,122C間に供給してから、図6(e)に示すように、内部乾燥剤パターン121が有機EL素子111'に対向するように、封止基板120を素子基板110に重ね合わせる。さらに、上述のパッシブ型有機ELパネルの製造工程と同様、シール材の材質に応じた処理によってシール材122Bを硬化させる。
これにより、アクティブ型有機ELパネルが完成する。このように、本実施の形態に係る製造工程によれば、アクティブ型有機ELパネルについても、硬化前のシール材の流動を防ぐ仕切り壁として機能する内周及び外周乾燥剤パターン122A,122Cを、内部乾燥剤パターン121と同じ材料でかつ同一の工程で形成することができる。このため、硬化前のシール材の流動を防ぐ仕切り壁をガラスフリットで形成する場合と比較し、アクティブ型有機EL表示装置の製造工程の簡略化を図ることができる。
このようにして形成したアクティブ型有機ELパネルの有機EL素子を各色成分ともに初期輝度200cd/cmで発光させ、輝度が半減するまでの時間を各色成分ごとに代表的9点で測定したところ、青色発光層の最短輝度半減時間は約3000時間に達し、その他の色成分の発光層の最短輝度半減時間は、いずれも、青色発光層の最短輝度半減時間よりも長いことが確認された。このことから、アクティブ型有機ELパネルにおいても、空間S内の水分が効率的に除去されることが確認された。
ところで、以上に挙げたパッシブ型及びアクティブ型の有機ELパネルにおいては、封止基板120の乾燥剤パターン形成面120Aに帯状の内部乾燥剤パターン121が複数列形成されているが、必ずしも、このようにする必要はない。
例えば、図3に示すように、帯状の乾燥剤パターン121の代わりに、内周及び外周乾燥剤パターン122A,122Cよりも膜厚が薄く、かつ、帯状の乾燥剤パターン121よりも小さな長方形の乾燥剤パターン121Aをマトリクス状に形成してもよい。このような長方形の乾燥剤パターン121Aの行列は、適当な間隔で配列されていれば、図1の帯状乾燥剤パターン121の並びよりも総体積が小さいが総表面積が大きくなる。このため、空間S内の水分を効率的に除去することができる。
このような乾燥剤パターン121Aは、内部乾燥剤用パターン121用の開口パターン211の代わりに、内周及び外周乾燥剤パターン形成用の開口パターンよりも短い方形開口パターンがマトリクス状に形成されたスクリーンマスクを用いることによって、内周及び外周乾燥剤パターン122A,122Cと同じ材料でかつ同一の工程で形成することができる。例えば、(株)ムラカミ社製ステンレスメッシュ線径18μmの325メッシュに、内部乾燥剤用パターン121用の開口パターン211に代えて、横幅約60μm×縦幅約110μmの方形開口パターンを、横方向にピッチ約150μmで187個、縦方向にピッチ140μmで201個形成したスクリーンマスクを用いれば、横幅約100μm×縦幅約130μm×膜厚約12μmの内部乾燥剤パターン121Aを、横方向間隔50μm及び縦方向間隔10μmで形成することができる。ただし、乾燥剤ペーストの材質とスクリーンマスクの仕様とに応じて、方形開口パターンのサイズと塗膜の膜厚等との関係は異なってくるため、予め実験により確認しておくことが望ましい。
このような乾燥剤パターン121Aの行列は、図1の各内部乾燥剤パターン121を幅10μmの横方向溝で約140μmおきに分割したものに相当し、その総体積は、図1の内部乾燥剤パターン列の約93%となるものの、その総表面積は、図1の乾燥剤パターン列よりも約7%大きくなる。したがって、上述したように、空間S内の水分を効率的に除去することができる。
このような効果を確認するため、方形の内部乾燥剤パターン121Aが形成された有機ELパネルの有機EL素子を初期輝度200cd/cmで発光させ、輝度が半減するまでの時間を測定したところ、輝度半減時間が、図1の内部乾燥剤パターン121が形成された有機ELパネルよりもさらに長い約4100時間に達した。このことから、空間S内の水分が効率的に除去されていることが確認された。
また、図4(a)に示すように、帯状の乾燥剤パターン121の代わりに、内周及び外周乾燥剤パターン122A,122Cよりも膜厚が薄く、かつ、帯状の乾燥剤パターン121よりも小さなドット状の乾燥剤パターン121Bをマトリクス状に形成してもよい。このようなドット状の内部乾燥剤パターン121Bの行列も、適当な間隔で配列されていれば、図3の内部乾燥剤パターン121Aと同様な理由から、図1の帯状の内部乾燥剤パターン121よりも、水分を効率的に除去することができる。
この効果を確認するため、図4(a)に示すような、直径約100μm×膜厚約12μmの内部乾燥剤パターン121Bが255×187個数形成された有機ELパネルの有機EL素子を初期輝度200cd/cmで発光させ、輝度が半減するまでの時間を測定したところ、輝度半減時間は約4200時間に達した。このことから、ドット状の内部乾燥剤パターンの配置密度を高くすることによって、空間S内の水分がより効果的に除去されることが確認された。
このようなドット状乾燥剤パターン121Bも、内部乾燥剤用パターン121用の開口パターン211の代わりに、内周及び外周乾燥剤パターン形成用の開口パターンの幅よりも直径の小さな円形の開口パターンがマトリクス状に形成されたスクリーンマスクを用いることによって、内周及び外周乾燥剤パターン122A,122Cと同じ材料でかつ同一工程で形成することができる。ただし、円形開口パターンが小さすぎると乾燥剤ペーストが通過しにくくなるため、円形開口パターンの直径は20μm以上にされていることが望ましい。
例えば、(株)ムラカミ社製ステンレスメッシュ線径18μmの325メッシュに、内部乾燥剤用パターン121用の開口パターン211に代えて、直径約80μmの円形開口パターンを、横方向にピッチ約150μmで187個、縦方向にピッチ約110μmで255個形成したスクリーンマスクを用いれば、直径約100μm×膜厚約12μmのドット状内部乾燥剤パターン121Bの行列を、内周及び外周乾燥剤パターン122A,122Cとともに形成することができる。ただし、乾燥剤ペーストの材質とスクリーンマスクの仕様が異なれば、円形開口パターンのサイズと塗膜の膜厚等との関係が異なってくるため、予め実験により確認しておくことが望ましい。
また、スクリーンマスクの各円形開口パターンの直径を、形成膜厚を考慮してなるべく大きくすれば、図4(b)に示すように、ドット状の内部乾燥剤パターンを、より表面積の大きな半球状にすることができる。さらに、図4(c)に示すように、それらのドット状の内部乾燥剤パターン121B間に、それらの乾燥剤パターン121Bよりも直径の小さなドット状の内部乾燥剤パターン121bを追加すれば、ドット状の内部乾燥剤パターンの配置密度をより大きくすることができるため、空間S内の水分をより効果的に除去することができる。内部乾燥剤パターン121b,121Bの総表面積をできるだけ大きくするには、内部乾燥剤パターン121bは内部乾燥剤パターン121Bに接触していないことが望ましい。このため、直径約100μmのドット状内部乾燥剤パターン121Bのピッチ(中心間距離)が、横方向約150μm、縦方向約110μmである場合には、ドット状内部乾燥剤パターン121bの直径は約80μm以下にすることが望ましい。スクリーン版に安定に形成できる開口パターンの最小幅は、上述したように約20μmであり、直径約20μmの円形開口パターンで形成されたドット状のパターンは、だれによって直径約30μm程度になるため、ドット状内部乾燥剤パターン121bの直径は約30μm以上になる。
以上においては、本発明の実施の形態に係る有機ELパネルが実装される有機EL表示装置の一例としてテレビジョンを挙げたが、本発明の実施の形態に係る有機ELパネルは、テレビジョン以外の電子機器に実装することも可能である。例えば、本発明の実施の形態に係る有機ELパネル100は、図7に示すようなデジタルカメラの、画像を確認するためのモニタとして実装することもできる。また、発明の実施の形態に係る有機ELパネル100は、デジタルビデオカメラ、携帯電話、パーソナルコンピュータ等、画像を表示するためのモニタを有する電子機器であれば、どのような電子機器にも実装可能である。
なお、本発明は、上記の構成に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱することなく、種々の変更が可能であることはいうまでもない。
図1(a)は、本実施の形態に係る有機ELパネルの断面図、図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である。 本発明の実施形態に係るパッシブ型有機EL表示装置の有機ELパネルの製造工程を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る有機ELパネルの、すべての乾燥剤パターンを通過する面で切断した断面図である。 (a)は、本発明の他の実施形態に係る有機ELパネルの、すべての乾燥剤パターンを通過する面で切断した断面図、(b)は、円形の内部乾燥剤パターンを、基板に垂直な面で切断した断面図、(c)は、円形の内部乾燥剤パターンのレイアウト例である。 本発明の実施形態に係るパッシブ型有機EL表示装置の有機ELパネルの製造工程を説明するための図である。 本発明の実施形態に係るパッシブ型有機EL表示装置の有機ELパネルの製造工程を説明するための図である。 本発明の実施の形態に係る電子機器(デジタル式画像撮影機)の外観図である。 本発明の実施の一形態に係る電子機器(モニタ)の外観図である。
符号の説明
100…有機EL表示パネル、110…封止基板、111…有機EL素子、111A111A'…カソード、111B,111B,111B,111B…有機膜、111C,111C'…アノード、120…素子基板、121,121A,121B,121b…内部乾燥剤パターン、122A…内周乾燥剤パターン、122B…シール材、122C…外周乾燥剤パターン、210…スクリーンマスク、220…スキージ、230…乾燥剤ペースト

Claims (10)

  1. 対向する第1基板及び第2基板と、
    前記第1基板の、前記第2基板側の面に形成された有機エレクトロルミネッセンス素子と、
    前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた、前記有機エレクトロルミネッセンス素子を囲む第1乾燥剤パターンと、
    前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた、前記第1乾燥剤パターンを囲む第2乾燥剤パターンと、
    前記第1乾燥剤パターンと前記第2乾燥剤パターンとの間に設けられた、前記第1及び第2基板を封止するシール材と、
    前記第2基板の、前記第1基板側の面に、前記有機エレクトロルミネッセンス素子に対向するように形成された、前記第1乾燥剤パターンよりも膜厚の小さな第3乾燥剤パターンと、
    を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  2. 請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置であって、
    前記第1乾燥剤パターン及び前記第2乾燥剤パターンは、前記第3乾燥剤パターンと同じ材質であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  3. 請求項1または2記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置であって、
    前記第1乾燥剤パターンと前記第2乾燥剤パターン及び前記第3乾燥剤パターンの捕水材料は、平均粒径0.3μm以上4μm以下、最大粒子径30μm以下の合成ゼオライトであることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
  4. 請求項1、2および3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置であって、
    前記シール材内にスペーサを有し、
    前記第1乾燥剤パターンの膜厚は、前記スペーサの直径の5割以上、前記スペーサの直径以下であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  5. 第1面に有機エレクトロルミネッセンス素子が形成された第1基板と、前記第1面に対向する第2面を有する第2基板と、前記第1及び第2面の間に設けられたシール材と、を有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置を製造する、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法であって、
    枠状の第1開口パターンと、前記第1開口パターンを囲む第2開口パターンと、前記第1開口パターンに囲まれた、前記第1開口パターンよりも開口幅が狭い第3開口パターンとが形成されたスクリーン版と乾燥剤ペーストとを用いた印刷により、枠状の第1乾燥剤パターンと、前記第1乾燥剤パターンを囲む第2乾燥剤パターンと、前記第1乾燥剤パターンに囲まれた、前記第1乾燥剤パターンよりも膜厚の薄い第3乾燥剤パターンとを、前記第2面に形成する処理と、
    前記第1乾燥剤パターンと前記第2乾燥剤パターンとの間にシール材を供給し、前記第3乾燥剤パターンと前記有機エレクトロルミネッセンス素子とが対向するように、前記第1面と前記第2面とを貼り合わせる処理と、
    を含むことを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  6. 請求項5記載の、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法であって、
    前記乾燥剤ペーストとして、200Pa・s以上800Pa・s以下の乾燥剤ペーストを用いる、
    ことを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  7. 請求項5または6記載の、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法であって、
    前記シール材はスペーサを含み、
    前第1乾燥剤パターンの膜厚は、前記スペーサの直径の5割以上、前記スペーサの直径以下であることを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  8. 請求項5、6及び7のいずれか1項に記載の、有機エレクトロルミネッセンス表示装置方法であって、
    前記乾燥剤ペーストは、前記第3開口パターンの開口幅の1/5以下の粒子径を有する捕水材料を含むことを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  9. 請求項5、6、7及び8のいずれか1項に記載の、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法であって、
    前記乾燥剤ペーストに含まれる捕水材料は、平均粒径0.3μm以上4μm以下、最大粒子径30μm以下の合成ゼオライトであることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  10. 請求項5、6、7、8及び9のいずれか1項に記載の、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法であって、
    前記内部乾燥剤と前記内周乾燥剤および前記外周乾燥剤のバインダーとして、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、熱硬化型樹脂、縮合系樹脂、オルガノシロキサン、アルミノシロキサン、チタニシロキサン及びボロシロキサンから選択した少なくとも1つを用いることを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
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